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JP2000086777A - 難燃性装飾用フィルムおよびそれを用いた積層体 - Google Patents

難燃性装飾用フィルムおよびそれを用いた積層体

Info

Publication number
JP2000086777A
JP2000086777A JP10254737A JP25473798A JP2000086777A JP 2000086777 A JP2000086777 A JP 2000086777A JP 10254737 A JP10254737 A JP 10254737A JP 25473798 A JP25473798 A JP 25473798A JP 2000086777 A JP2000086777 A JP 2000086777A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flame
retardant
decorative film
rubber
flame retardant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10254737A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Akita
剛 穐田
Katsuhiko Sumida
克彦 隅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP10254737A priority Critical patent/JP2000086777A/ja
Publication of JP2000086777A publication Critical patent/JP2000086777A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性の付与が容易で、インモールド成型が
可能なフィルムであり、しかも隠蔽性及び難燃性のある
装飾用フィルムと、該フィルムを表面被覆層として用
い、射出成形等により形成される積層体を提供する。 【解決手段】 充填剤、隠蔽剤、難燃剤、ゴム変性熱可
塑性樹脂の少なくとも4成分からなる難燃性装飾用フィ
ルム、および1層以上の内層(A)と、内層(A)の少
なくとも一方の最外層表面を被覆する表面被覆層(B)
からなり、該表面被覆層(B)が前記難燃性装飾用フィ
ルムにより形成される積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に印刷等で意
匠性を持たせたり、基材表面に貼付して基材と共に成形
することができる内外装材用フィルムとして有用であ
り、かつ難燃性に優れた難燃性装飾用フィルム、および
該フィルムを表面に配した積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家庭用電化製品、自動車用内装
品、台所用品、化粧品容器、玩具類などに使用されてい
るプラスチック成形品は、その意匠性や居住性等に関す
る消費者ニーズの多様化により、意匠性の高い表面仕上
げが望まれる傾向が強くなっている。そのため、例えば
キャッシュカードの場合、現在は塩化ビニルシートの打
ち抜き加工を行った後、スクリーン印刷を行っている
が、この場合、工程数が多く、加工時の時間やコストが
大きい。
【0003】また、近年、普及し始めているICカード
の場合、カード内にICチップを埋め込むために、複雑
な加工方法が必要となり、コストが大きく、高価になっ
て、一部の特殊な用途に少量使用しているにとどまって
いる。普及拡大をねらい安価に製造する方法が各方面で
検討されているが、その一つの有力な製造方法としてイ
ンモールド成型法が挙げられる。
【0004】インモールド成型法とは金型内に印刷済み
の装飾フィルムとICチップ及び付属部品をセットしそ
の後、射出成型樹脂を射出する一体成型法である。その
際、従来は印刷済みの装飾フィルムとして、一般的には
塩化ビニルフィルムを使用しているが、塩化ビニルフィ
ルムは耐久性に劣り、また、近年では環境上の問題から
使用を軽減する方向にある含塩素性樹脂であるため、こ
の使用は世間の流れと反している。また、ポリブチルテ
レフタレートフィルムやポリカーボネートフィルムを用
いた場合、フィルムによる隠蔽性がなく隠蔽剤を添加す
るとフィルムが脆くなりフィルム成形困難となるという
問題がある。さらに、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを用いた場合も、一体成型を行うとカード内のチッ
プ部分にひけが発生し、また、隠蔽性もなく、隠蔽剤を
添加した場合フィルムが脆くなりフィルム成形困難とな
る。ゴム変性熱可塑性フィルムを用いた場合は、艶があ
るため意匠性が低い・隠蔽性がない・ひけの発生等の問
題があり使用困難である。
【0005】一方で、ICカードは難燃性も求められる
傾向があり、これらの特性をバランス良く満たす素材の
開発が要求されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みなされたものであり、意匠性の付与が容易で、イ
ンモールド成型が可能なフィルムであり、しかも隠蔽性
及び難燃性のある装飾用フィルムと、該フィルムを表面
被覆層として用い、射出成形等により形成される積層体
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、充填剤、隠蔽
剤、難燃剤、ゴム変性熱可塑性樹脂の少なくとも4成分
からなる難燃性装飾用フィルムおよびそれを用いた積層
体を提供するものである。
【0008】以下に、具体的に本発明を説明する。本発
明の難燃性装飾用フィルムに用いる、ゴム変性熱可塑性
樹脂は、(a)ゴム成分に、(b)芳香族ビニルモノマ
ーおよび/またはアルキル(メタ)アクリレート、
(c)シアン化ビニルモノマーの、(b)および(c)
成分で構成されたビニルモノマーをグラフト重合するこ
とにより構成されている。
【0009】(a)ゴム成分としては、本発明の作用を
限定しないものであれば、特に限定はされないが、好ま
しくはジエン系ゴムまたはオレフィン系共重合体ゴムが
用いられる。
【0010】ジエン系ゴムとしては、例えばポリブタジ
エンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリクロロ
プレンゴム、ブチルゴム等が挙げられるが、好ましくは
ポリブタジエンゴムが良い。
【0011】また、オレフィン系共重合体ゴムとしては
例えば、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、ア
クリルゴム、塩素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ゴム等が挙げられるが、好ましくはエチレン
−α−オレフィン系共重合体ゴムが良い。
【0012】エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
には、例えば、エチレン−α−オレフィン二元共重合
体、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン三元共重
合体などが含まれる。α−オレフィンには、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の炭
素数3〜8程度のα−オレフィンが含まれる。α−オレ
フィンとして好ましいのは、炭素数3〜6程度のα−オ
レフィンであり、特にプロピレンが良い。
【0013】上記非共役ジエン成分としては、例えば、
1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メ
チル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘ
プタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖
状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタ
ジエン、メチルテトラヒドロインデンなどの環状非共役
ジエン;5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2
−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5
−イロプロピリデン−2−ノルボルネン等のアルケニル
ノルボルネン類などが用いられる。
【0014】好ましいエチレン−α−オレフィン系共重
合体ゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重
合体ゴム[例えば、日本合成ゴム(株)製のJSR−E
PM(商品名)等];エチレン−プロピレン−エチリデ
ンノルボルネン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−
ジシクロペンタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピ
レン−1、4−ヘキサジエン共重合体ゴム等のエチレン
−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム[例えば、日
本合成ゴム(株)製のJSR−EPDM(商品名)等]
が挙げられるが、特に好ましくはエチレン−プロピレン
系共重合体ゴムが良い。
【0015】エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
において、エチレンとα−オレフィンとの割合は、通
常、重量比で90/10〜20/80(エチレン/α−
オレフィン)、好ましくは重量比で90/10〜30/
70であり、より好ましくは重量比で90/10〜60
/40、特に好ましくは重量比で90/10〜65/3
5である。
【0016】また、エチレン−α−オレフィン−非共役
ジエン共重合体ゴムにおいて、非共役ジエン含有量は、
通常、ヨウ素価に換算して5〜40であるのが好まし
い。
【0017】アクリルゴムとしては、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル
を主成分とする共重合体が含まれる。前記共重合体を構
成する共重合可能なモノマーとしては、例えば、塩素含
有アクリル系モノマー、アクリロニトリル、カルボキシ
ル基含有(メタ)アクリル系モノマー、エポキシ基含有
(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。
【0018】上記ゴム成分は、一種又は二種以上を混合
して用いることができる。
【0019】(b)芳香族ビニルモノマーとしては、例
えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、o−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、4−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p
−t−ブチルスチレン等)、α−アルキル置換スチレン
(例えば、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチ
ルスチレン等)、ハロゲン化スチレン(例えば、o−ク
ロロスチレン、p−クロロスチレン等)等のスチレン系
モノマーが挙げられ、好ましくは、スチレン、p−メチ
ルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマ
ーが良く、特に好ましくは、スチレンモノマーが良い。
これらの芳香族ビニルモノマーは、一種又は二種以上混
合して使用できる。
【0020】また、耐光性を高めるために、前記芳香族
ビニルモノマーに代えて、又は芳香族ビニルモノマーと
共に、アルキル(メタ)アクリレートを用いてもよい。
前記アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、n−
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t
−ブチル等の炭素数1〜4程度の低級アルキル基が挙げ
られる。
【0021】具体的には、アルキル(メタ)アクリレー
トとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ま
しいアルキル(メタ)アクリレートとしてはアルキルメ
タクリレートが良く、特に好ましくはメチルメタクリレ
ートが良い。このようなアルキル(メタ)アクリレート
を用いることにより、フィルムの透明性が向上する。こ
れらのアルキル(メタ)アクリレートも、一種又は二種
以上混合して使用できる。
【0022】(c)シアン化ビニルモノマーとしては、
例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等が
挙げられるが、好ましくはアクリロニトリルが良い。こ
れらのシアン化ビニルモノマーは、単独で又は二種以上
混合して使用できる。
【0023】なお、ゴム変性熱可塑性樹脂の特性を損な
わない範囲で、N−フェニルマレイミド、シクロヘキシ
ルマレイミド等のマレイミド類;無水マレイン酸、無水
イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物などの共重
合可能なモノマーを併用してもよい。
【0024】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いる、
ゴム変性熱可塑性樹脂は、より具体的には、例えば、ジ
エン系ゴムに芳香族ビニルモノマーおよびシアン化ビニ
ルモノマーをグラフト重合して得られるポリマー[例え
ば、ポリブタジエンゴムにスチレンおよびアクリロニト
リルをグラフト重合したポリマー(ABS樹脂)など]
(以下ABS系ポリマーと総称する));エチレン−α
−オレフィン系ゴムに芳香族ビニルモノマーおよびシア
ン化ビニルモノマーをグラフト重合して得られるポリマ
ー[例えば、エチレン−プロピレン系共重合体ゴムにス
チレンおよびアクリロニトリルをグラフト重合したポリ
マー(AES樹脂)など](以下、AES系ポリマーと
総称する);アクリルゴムに芳香族ビニルモノマーおよ
びシアン化ビニルモノマーをグラフト重合して得られる
ポリマー[例えば、アクリルゴムにスチレンおよびアク
リロニトリルをグラフト重合したポリマー(AAS樹
脂)など];塩素化ポリエチレンに芳香族ビニルモノマ
ーおよびシアン化ビニルモノマーをグラフト重合して得
られるポリマー[例えば、塩素化ポリエチレンにスチレ
ンおよびアクリロニトリルをグラフト重合したポリマー
(ACS樹脂)など];エチレン−酢酸ビニル共重合体
に芳香族ビニルモノマーおよびシアン化ビニルモノマー
をグラフト重合して得られるポリマー[例えば、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体にスチレンおよびアクリロニト
リルをグラフト重合したポリマーなど];等が挙げられ
る。
【0025】好ましいゴム変性熱可塑性樹脂には、AB
S系ポリマー、AES系ポリマーが含まれる。
【0026】前記ゴム変性熱可塑性樹脂は、(a)ゴム
成分で、B)芳香族ビニルモノマーおよび/またはアル
キル(メタ)アクリレート、(c)シアン化ビニルモノ
マーの、(b)および(c)成分で構成されたビニルモ
ノマーからなる共重合体を変性しているので、破断伸び
率や剛性が高く、しかも耐衝撃性、耐薬品性などにも優
れる。
【0027】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いるゴ
ム変性熱可塑性樹脂において(a)ゴム成分と、(b)
芳香族ビニルモノマーおよび/またはアルキルメタクリ
レート、(c)シアン化ビニルモノマーの、(b)およ
び(c)成分で構成されたビニルモノマー組成物との割
合は、各成分の種類やフィルムの用途などに応じて適宜
選択できるが、好ましくは重量比で(a)/{(b)+
(c)}=2/98〜50/50、さらに好ましくは重
量比で5/95〜45/55、特に好ましくは重量比で
10/90〜40/60が良い。ゴム成分とモノマー組
成物との割合が前記範囲である樹脂は、剛性や引張り強
さに優れると共に、優れた耐衝撃性を有する。なお、ゴ
ム成分が重量比で50%を超えると、フィルム成形性が
低下しやすい。
【0028】また、本発明の難燃性装飾用フィルムに用
いるゴム変性熱可塑性樹脂において、(b)芳香族ビニ
ルモノマーおよび/またはアルキルメタクリレート、
(c)シアン化ビニルモノマーの、(b)および(c)
成分で構成されたビニルモノマー組成物において、
(b)成分と(c)成分の割合は、好ましくは重量比で
(b)/(c)=90/10〜50/50、さらに好ま
しくは重量比で80/20〜60/40(である。
【0029】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いるゴ
ム変性熱可塑性樹脂の熱変形温度HDTは、本発明の難
燃性装飾用フィルムの用途などに応じて適宜選択できる
が、好ましくは70〜150℃が良く、さらに、好まし
くは80〜130℃が良い。なお、HDTは、ゴム成分
の量、ビニルモノマーの種類、グラフト率などにより調
整できる。
【0030】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いるゴ
ム変性熱可塑性樹脂は、慣用のグラフト法により得るこ
とができる。このようなグラフト法としては、例えば、
ゴム成分の存在下に、前記(b)および(c)成分で構
成されたモノマー組成物を重合するグラフト重合法、前
記共重合成分のうち、少なくとも一種のモノマーを構成
成分とする重合体又は共重合体を別個に製造し、前記の
ようにして得られたグラフト共重合体とブレンドするグ
ラフトブレンド法などが挙げられる。好ましくはグラフ
ト共重合体が使用するのが良い。
【0031】また、重合は、慣用の重合法、例えば、乳
化重合、溶液重合、懸濁重合などにより行うことができ
る。
【0032】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いるゴ
ム変性熱可塑性樹脂において、グラフト率は、各成分の
種類や所望の特性などに応じて適宜選択できるが、好ま
しくは10〜90%が良く、さらに好ましくは35〜7
5%が良く、特に好ましくは40〜70%が良い。
【0033】前記ゴム変性熱可塑性樹脂は、通常、
(b)芳香族ビニル系ポリマーおよび/またはアルキル
(メタ)アクリレートと(c)シアン化ビニルモノマー
とで構成された共重合体の連続相に、粒子状の(a)ゴ
ム成分が分散している場合が多い。分散しているゴム成
分粒子の平均粒子径は、好ましくは0.05〜2.0μ
mが良く、さらに好ましくは0.1〜1.0μmが良
く、特に好ましくは0.2〜0.6μmが良い。
【0034】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いるゴ
ム変性熱可塑性樹脂は、その特性を損なわない範囲で、
他の樹脂、例えば、ナイロン6、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリカーボネートなどを含んでいてもよく、こ
のような樹脂は、前記ゴム変性熱可塑性樹脂にブレンド
又はアロイ化されていてもよい[例えば、ダイセル化学
工業(株)製、商品名;ノバロイA(ABS/ナイロン
6−アロイ)、B(ABS/ポリブチレンテレフタレー
トアロイ)、S(ABS/ポリカーボネート−アロイ)
シリーズ等]。このような場合、ゴム変性熱可塑性樹脂
中の他の樹脂の含有量は、好ましくは30重量%以下が
良く、さらに好ましくは20重量%以下が良い。
【0035】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いられ
る充填剤は、従来公知の炭酸カルシウム、クレー、タル
ク、シリカ、ウォラスナイト、ゼオライト、けい藻土、
けい砂、軽石粉、スレート粉、アルミナのコロイド液、
アルミナホワイト、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、
リトボン、硫酸カルシウム、二硫化モリブデン、表面処
理フィラー、雲母粉、グラファイト、ガラス繊維、ガラ
ス球、火山ガラス中空体、カーボン繊維、炭素中空球、
無煙炭粉末、人造氷晶石、シリカ球状微粒子、アルミナ
繊維、再生ゴム、ゴム粉末、エボナイト粉末、セラッ
ク、木粉、ココナットやし殻粉、コルク粉末、セルロー
ス・パウダ(粉末繊維素)、木材パルプ、紙および布、
シリコーン樹脂微粉末、ポリビニルアルコール繊維、ア
ラミド繊維、高強力ポリアリレート繊維等が使用できる
が、これらに限定されるものではなく、また好ましくは
粒子状のものが良い。本発明に用いられる充填剤として
特に好ましくはタルク、シリカが良い。
【0036】本発明の難燃性装飾用フィルムにおいて、
ゴム変性熱可塑性樹脂に対する充填剤の添加量および平
均粒径は、難燃性装飾用フィルムの作用や成形性を妨げ
ない範囲で、該難燃性装飾用フィルムの用途などの必要
な表面粗さに応じて適宜定めれば良いが、好ましくは、
表面粗さ(IJS B0601に準拠して測定)が50
μm以下になるよう定めるのが良く、さらに好ましくは
表面粗さ(IJS B0601に準拠して測定)が5μ
m〜30μmであるのが良い。表面粗さが5μm未満で
あると、意匠性が低く、表面粗さが30μmを超える
と、フィルム成形性や印字性が低下しやすい。好ましく
は、充填剤を本発明の難燃性装飾用フィルムを構成する
成分100重量%に対し、3〜30重量%を添加するの
が良い。更に好ましくは8〜25重量%である。充填剤
添加量が30重量%を超えると、フィルムが脆くなって
フィルム成形が困難となり、3重量%未満では、表面粗
さが小さいため意匠性が低く、また、ひけが発生し成型
性が悪くなる。
【0037】また、好ましくは充填剤の平均粒径は1〜
20ミクロンが良く、さらに好ましくは、3〜12ミク
ロンが良い。充填剤の平均粒径が20ミクロンを超える
と、フィルムにピンホールが発生してフィルムの成形が
困難となり、1ミクロン未満であると、表面粗さが小さ
いため意匠性が低く、また、ひけが発生し成型性が悪く
なる。
【0038】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いられ
る隠蔽剤は、従来公知のものが使用でき、例えば、下記
のようなものが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。白色顔料(酸化チタン、亜鉛華、鉛白、リト
ボン、バライト、沈降性硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、石膏、沈降性シリカ)、黒色顔料(カーボンブラッ
ク、ランプブラック、チタンブラック、合成鉄黒)、灰
色顔料(亜鉛末、亜酸化鉛、スレート粉)、赤色顔料
(カドミウム赤、カドミウム水銀赤、銀朱、べんがら、
モリブデン赤、鉛丹、光明丹)、褐色顔料(アンバー、
酸化鉄茶)、黄色顔料(カドミウム黄、亜鉛黄、黄土、
オーカ、黄色酸化鉄、合成オーカ、黄鉛、チタン黄)、
緑色顔料(酸化クロム緑、コバルト緑、クロム緑)、青
色顔料(群青、紺青、鉄青、コバルト青)、金属粉顔
料、等の無機顔料;アゾ顔料(パーマネント・レッド4
R、パラ・レッド、ファースト・エローG、ファースト
・エロー10G、ジスアゾ・エローG、ジスアゾ・エロ
ーGR、ジスアゾ・オレンジ、ピラゾロン・オレンジ、
ブリリアント・カーミン3B、ブリリアント・カーミン
6B、ブリリアント・スカーレットG、ブリリアント・
ボルドー10B、ボルドー5B、パーマネント・レッド
F5R、パーマネント・カーミンFB、リソール・レッ
ドR、リソール・レッドB、レーキ・レッドC、レーキ
・レッドD、ブリリアント・ファスト・スカーレット、
ピラゾロン・レッド、ボン・マルーン・ライト、ボン・
マルーン・メジアム、ファイア・レッド)、ニトロソ顔
料(ナフトール・グリーンB)、ニトロ顔料(ナフトー
ル・エローS)、塩基性染料系レーキ(ローダミンBレ
ーキ、ローダミン6Gレーキ)、媒染染料系レーキ、建
染染料系顔料、フタロシアニン顔料(フタロシアニン・
ブルー、フタロシアニン・グリーン、ファスト・スカイ
・ブルー、アニリン・ブラック)、ジオキサジン系顔料
(ジオキサジンバイオレット)等の有機顔料;有機蛍光
顔料;真珠箔;等。
【0039】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いられ
る隠蔽剤として、好ましくは、隠蔽性の高い酸化チタン
・カーボンブラック等の無機顔料が挙げられ、さらに好
ましくは、隠蔽性が高く、また印刷ベースとしては白色
が汎用性が高いことから、白色の酸化チタンが挙げられ
る。
【0040】本発明の難燃性装飾用フィルムにおいて、
ゴム変性熱可塑性樹脂に対する隠蔽剤の添加量および平
均粒径は、難燃性装飾用フィルムの作用や成形性を妨げ
ない範囲で、該難燃性装飾用フィルムの用途などの必要
な隠蔽性に応じて適宜定めれば良いが、好ましくは、充
填材の配合とも合わせて、難燃性装飾用フィルム形成時
に全光線透過率(JIS K7105に準拠して測定)
が20%以下になるよう添加量を定めるのが良く、さら
に好ましくは全光線透過率(JIS K7105に準拠
して測定)が15%以下であるのが良く、特に好ましく
は全光線透過率(JIS K7105に準拠して測定)
が7%以下であるのが良い。全光線透過率が20%を超
えると、成型品内のICチップや付属部品が透けてみえ
てしまい、好ましくない。
【0041】上記全光線透過率(JIS K7105に
準拠して測定)の範囲内で、本発明で使用する隠蔽剤の
平均粒径は20μm以下が好ましく、さらに好ましく
は、5μm以下が良い。隠蔽剤の平均粒径が20μmを
超えると、フィルムにピンホールが発生してフィルムの
成形が困難となる。
【0042】本発明の難燃性装飾用フィルムに用いられ
る難燃剤は、ハロゲン系難燃剤あるいは非ハロゲン系難
燃剤のいずれであっても良く、難燃性装飾用フィルムの
作用や成形性を妨げない範囲で、設定すればよい。
【0043】上記ハロゲン系難燃剤としては、通常スチ
レン系樹脂の難燃剤として使用されているテトラブロモ
ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールAのカーボ
ネートオリゴマー、ブロム化ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、デカブロモジフェニルエーテル、ビス(トリブ
ロモフェノキシ)エタン、パークロロペンタンシクロデ
カン、トリス(トリブロモネオペンチル)フォスフェー
ト等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合し
て使用しても良い。
【0044】難燃剤としてハロゲン系難燃剤を用いる場
合、難燃剤の配合量が多いとフィルムの機械的強度が低
下するため、配合量は、可能な限り少なくすることが好
ましい。
【0045】上記非ハロゲン系難燃剤としては、芳香族
リン酸エステル系難燃剤等のリン系難燃剤などが挙げら
れる。これらも1種又は2種以上を混合して使用しても
良い。
【0046】また、難燃剤には、難燃助剤を併用して配
合するのが好ましい。難燃助剤としては、ハロゲン系難
燃剤に対しては、三酸化アンチモン等の金属酸化物、特
に三酸化アンチモンを用いるのが好ましく、非ハロゲン
系難燃剤に対しては、テトラフルオロエチレン等のフッ
素系モノマーあるいは重合体、該モノマーを含有する共
重合体を用いるのが好ましい。
【0047】上記三酸化アンチモンは、平均粒径(液層
沈降式光透過法を適用した遠心沈降式粒度分布測定装置
[SA−CP3:(株)島津製作所製]により粒度分布
を測定し、累積50重量%の粒度を平均粒径とした。)
3μm以上であるのが好ましく、さらに好ましくは3〜
9μm、特に好ましくは4〜7μmであるのがよい。平
均粒径が3μm未満であるとフィルムの耐光性が低下し
やすく、9μmを超えるとフィルムの引っ張り強度や衝
撃強度等の機械的強度が低下しやすい。
【0048】上記三酸化アンチモンは、一般に用いられ
る方法、例えば、方安鉱:バレンチン鉱として天然に産
するものや塩化アンチモンの加水分解生成物のオキシ塩
化アンチモン炭酸ナトリウム溶液を煮沸して製造する方
法、あるいは金属アンチモンを空気酸化する方法等によ
り製造できる。
【0049】本発明の難燃性装飾用フィルムにおいて、
各原料の配合方法は、従来公知の方法を用いることがで
きて、特に限定されず、例えば、各成分の加熱溶融混合
により製造できる。加熱溶融混合は、通常、常圧で行う
場合が多いが、加圧、減圧下で行ってもよい。加熱溶融
混合するための装置は、加熱及び混合が可能である限り
特に限定されず、一般に用いられる撹拌機付きのタン
ク、インテシプミキサー、バンバリーミキサー、スーパ
ーミキサー、ヘンシェルミキサー等を使用することが出
来る。また、配合成分をスクリューを備えた押出機によ
り加熱溶融混合し、金型より押出して冷却することによ
り、ペレット状等の所望の形状にしてから成形してもよ
い。
【0050】本発明の難燃性装飾用フィルムは、本発明
の作用を阻害しない範囲で、必要に応じ、可塑剤、光安
定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の他成分を含有してい
ても良い。
【0051】本発明の難燃性装飾用フィルムの成形法
は、従来公知の方法を用いれば良く、特に限定されるも
のではない。例えば、インフレーション法やTダイ法等
の押出成形法等に供することにより成膜出来る。なお、
前記樹脂配合物をTダイから押出し、冷却ロールで冷却
してフィルム化する場合には、冷却ロールの温度を調整
することにより、所望の表面平滑性および均一性のフィ
ルムを得られる場合がある。
【0052】本発明の難燃性装飾用フィルムの厚さは、
特に限定されず、難燃性装飾用フィルムの作用や成形性
を妨げない範囲で、用途などの必要に応じて適宜定めれ
ば良いが、例えばICカードの表面被覆層として用いる
場合は、好ましくは20〜350ミクロンが良い。フィ
ルムの厚さが20ミクロン未満であると隠蔽性が低下
し、また350ミクロンを超えると、ICカード等の積
層体を形成した場合に被覆層が厚くなり、カードとして
の強度が保持出来なくなる。
【0053】本発明の難燃性装飾用フィルムは、表面に
装飾用の印刷等を施したり、あるいは他の樹脂層との接
着を行い、本発明の難燃性装飾用フィルムを表面被覆層
として用いた積層体とすることができる。従って、本発
明の難燃性装飾用フィルムの表面には、必要に応じ従来
公知の表面処理を行っても良い。例えば、他の樹脂層と
の接着時には必要に応じてコロナ放電処理・火炎処理・
超音波処理・プラズマ処理等の表面処理が施されていて
もよい。
【0054】本発明の難燃性装飾用フィルムは、適度な
表面粗さを有するため、印刷等を施して単独で用いるこ
ともできるし、表面被覆層として用い、積層体として用
いても良い。特に、1層以上の内層(A)と、内層
(A)の少なくとも一方の最外層表面を被覆する表面被
覆層(B)からなり、該表面被覆層(B)が上記本発明
の難燃性装飾用フィルムにより形成される積層体、例え
ばICカードのように、本発明の難燃性装飾用フィルム
の間に、ICチップ等の部品を配置し、空隙に樹脂等を
充填して形成したものに好適に使用できる。
【0055】本発明において上記のような積層体とする
場合、内層(A)を形成する素材(コア樹脂など)とし
ては、カードの強度等の物性を満足されるものであれ
ば、特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、アクリル樹脂等の樹脂組成物が挙げられる。上記樹
脂は、好ましくは、表面被覆層(B)(本発明の難燃性
装飾用フィルム)と接着剤を使用せずに、インモールド
成型等を用いて熱や圧力で接着あるいは積層出来るもの
が好ましく、例えば、ゴム変性熱可塑性樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネートが挙げられる。更に好ましくは、表面被覆層
(B)を構成する素材、即ち本発明の難燃性装飾用フィ
ルムと類似の性質を有する、ゴム変成熱可塑性樹脂、特
にABS樹脂、AS樹脂等が良い。
【0056】さらに、内層(A)を構成する上記樹脂組
成物は、難燃剤を含有するのが好ましい。難燃剤として
は、表面被覆層(B)(本発明の難燃性装飾用フィル
ム)に使用される、前記ハロゲン系難燃剤あるいは非ハ
ロゲン系難燃剤が使用できる。また、難燃助剤も表面被
覆層(B)(本発明の難燃性装飾用フィルム)と同様に
使用するのが好ましい。
【0057】本発明の積層体において、表面被覆層
(B)(本発明の難燃性装飾用フィルム)と接着剤を使
用せず積層する方法として、例えばインモールド成形等
を用いた熱接着が挙げられる。特にICカードのよう
に、部品を内蔵する積層体の形成においては、インモー
ルド成型法が好ましい。本発明の積層体形成に用いるイ
ンモールド成型法は、一般的な方法で良い。即ち、図1
(a)に示すようにキャビティを有する金型1と、射出
口を有する金型2を用い、本発明の難燃性装飾用フィル
ムを金型1のキャビティ表面に密着させ、積層する樹脂
層(内層(A))を形成する溶融樹脂組成物の射出と同
時に成型品と難燃性装飾用フィルムを一体化させ、一工
程で装飾成型品を製造する方法である。ICカードのよ
うな部品を内蔵する積層体の形成には、更に図1(b)
に示すように金型2側にも本発明の難燃性装飾用フィル
ムを装着し、どちらか一方の難燃性装飾用フィルムの積
層体形成時に内側となる表面に、ICチップ等の部品を
配置し、2つの難燃性装飾用フィルムの間に、充填する
樹脂組成物(コア樹脂層=内層(A))を射出すると同
時に、成型品と難燃性装飾用フィルムを一体化させ、多
層薄肉成形物とする。キャビティの形状が積層体の形状
に合わせて設計されている場合は、この製造方法で積層
体の製品が得られる。それ以外の場合は、成型後打ち抜
き工程が必要となる。射出成型方法は特に限定されない
がカードのような厚さ1mm以下の薄肉成形品を成形す
る場合には、射出圧縮成型法及び射出プレス成型法等が
好ましく用いられる。以下、実施例及び比較例を挙げ
て、効果を説明するが、本発明の技術範囲はこれに限定
されない。
【0058】試験例 (I)使用原料 (1)主成分(難燃性装飾用フィルム=表面被覆層
(B)) ゴム変性熱可塑性樹脂(以下ABS1と略す) (2)隠蔽剤(難燃性装飾用フィルム=表面被覆層
(B)) 酸化チタン(ルチル型、R−11P 堺化学工業(株)
製:平均粒径0.2ミクロン) (3)充填剤(難燃性装飾用フィルム=表面被覆層
(B)) タルク(PSタルク 竹原化学(株)製:平均粒径11
ミクロン) (4)難燃剤(難燃性装飾用フィルム=表面被覆層
(B)) デカブロモジフェニルエーテル (5)難燃助剤(難燃性装飾用フィルム=表面被覆層
(B)) 三酸化アンチモン (6)安定剤(難燃性装飾用フィルム=表面被覆層
(B)) 酸化亜鉛 (7)充填樹脂(ICカードのコア樹脂層=内層
(A)) ゴム変性熱可塑性樹脂(SER−90 ダイセル化学工
業(株)製:表中ABS2と略す。) ポリエステル(2016 ポリプラスチックス(株)
製:表中PBT1と略す。) ゴム変性熱可塑性樹脂(セビアン−V500 ダイセル
化学工業(株)製:表中ABS3と略す。) ポリエステル(200FP ポリプラスチックス(株)
製:表中PBT2と略す。)
【0059】(II)試験方法 (1)フィルム成形性 実施例1〜5、比較例1〜5のフィルムについて、フィ
ルム成形の可能性を目視で下記基準に基づき確認した。 :良好 :やや不良 ×:不良
【0060】(2)全光線透過率 実施例1〜5、比較例1〜5のフィルムについて、JI
S K7105に準拠して、ヘイズメーター(東洋精機
(株)製 型式206)を用いて全光線透過率を測定
し、隠蔽性を評価した。(単位:%)
【0061】(3)表面粗さ 実施例1〜5、比較例1〜5のフィルムについて、JI
S B0601に準拠して、表面粗さ計(東洋精機
(株)製 サーフコム103B)を用いて表面粗さを測
定した(単位:μm)。
【0062】(4)表面への印刷性 実施例1〜5、比較例1〜5のフィルムについて、表面
にスクリーン印刷を行い、印刷画像形成の可能性を目視
で下記基準に基づき確認した。 :良好 :やや不良 ×:不良
【0063】(5)インモールド成形性 実施例6〜11、参考例1、2、比較例6〜10のIC
カードについて、インモールド成形時のひけの発生の有
無を目視で下記基準に基づき確認した。 :良好 :やや不良 ×:不良
【0064】(6)インモールド成形時のコア樹脂層と
の接着性 実施例6〜11、参考例1、2、比較例6〜10のIC
カードについて、表面被履層(B)と内層(A)との接着
性を、サンプル巾15mmできっかけをつくり、100
mm/minの速度で剥離し、確認した。
【0065】(7)耐炎性 実施例6〜11、参考例1、2、比較例6〜10のIC
カードについて、アンダーライターズ・ラボラトリー
(アメリカ合衆国)UL規格のUL94(1985年9
月3日付第3版)に準拠して燃焼試験を行い、下記基準
に基づいて評価した。 難燃性高い V−0 → V−1 → V−2 → H
B 難燃性低い (V−0はドロッピングなし、V−2はドロッピングあ
り)
【0066】(III)試験結果 各フィルムについての(1)〜(4)の試験結果を表1
に、ICカードについての(5)〜(7)の試験結果を
表2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】表1より、、隠蔽剤の添加量が少ない場合
は、隠蔽性が低下し、充填剤が少ない場合は、印刷性が
低下することが分かる。また、表2より、充填剤の添加
量が少ない場合は、ひけの発生などインモールド成形性
が低下することが分かる。また、内層(A)と表面被覆
層(B)の両方に難燃剤が配合されていると耐炎性に優
れることが分かる。よって、表1および表2の結果よ
り、総合的に本発明の難燃性装飾用フィルムが優れてい
ることが分かる。
【0070】
【実施例】実施例 AS樹脂 :スチレン/アクリロニトリル=74/2
6(重量比)懸濁重合により製造。 ABS樹脂:スチレン/アクリロニトリル/ブタジエ
ン=45/15/40(重量比)。乳化重合により製
造。 との樹脂を重量比40/60になるよう混合してゴ
ム成分含有量40重量%、グラフト率55モル%のゴム
変性熱可塑性樹脂を得た。(ABS1) 次いで得られたゴム変性熱可塑性樹脂7kgに、隠蔽剤
として酸化チタン(ルチル型、平均粒径0.2ミクロ
ン:R−11P 堺化学工業(株)製、)4kg、充填
剤としてタルク(平均粒径11ミクロン:PSタルク
竹原化学(株)製)4kg、難燃剤としてデカブロモジ
フェニルエーテル4kg、難燃助剤として三酸化アンチ
モン1kg、安定剤として酸化亜鉛100gを配合し、
1軸押出機にて混練しの後、ペレタイザーを用いてペレ
ット形状にしたものをTダイ押出機にて190〜260
℃でフィルム成形を行い、厚さ100ミクロンの難燃性
装飾用フィルムを得て実施例1とした。
【0071】実施例2 実施例1と同様にフィルム成形を行い、厚さ50ミクロ
ンの難燃性装飾用フィルムを得て実施例2とした。
【0072】実施例3 実施例1と同様にフィルム成形を行い、厚さ300ミク
ロンの難燃性装飾用フィルムを得て実施例3とした。
【0073】実施例4 実施例1のゴム変性熱可塑性樹脂10kgに、隠蔽剤と
して酸化チタン(ルチル型、平均粒径0.2ミクロン:
R−11P 堺化学工業(株)製、)1kg、充填剤と
してタルク(平均粒径11ミクロン:PSタルク 竹原
化学(株)製)4kg、難燃剤としてデカブロモジフェ
ニルエーテル4kg、難燃助剤として三酸化アンチモン
1kg、安定剤として酸化亜鉛100gを配合し、実施
例1と同様の方法でフィルム成形を行い、厚さ100ミ
クロンの難燃性装飾用フィルムを得て実施例4とした。
【0074】実施例5 実施例1のゴム変性熱可塑性樹脂10kgに、隠蔽剤と
して酸化チタン(ルチル型、平均粒径0.2ミクロン:
R−11P 堺化学工業(株)製、)4kg、充填剤と
してタルク(平均粒径11ミクロン:PSタルク 竹原
化学(株)製)1kg、難燃剤としてデカブロモジフェ
ニルエーテル4kg、難燃助剤として三酸化アンチモン
1kg、安定剤として酸化亜鉛100gを配合し、実施
例1と同様の方法でフィルム成形を行い、厚さ100ミ
クロンの難燃性装飾用フィルムを得て実施例5とした。
【0075】実施例6 キャビティの形状がICカードの厚み0.8mmに合わ
せて設計されたインモールド成型用のキャビティを有す
る金型1と、射出口を有する金型2を用い、金型1およ
び金型2のキャビティ表面に表面被覆層(B)として実
施例1の難燃性装飾用フィルムを密着させ、金型2側の
難燃性装飾用フィルムの金型に密着していない方の表面
にICチップ等の部品を配置し、2つの難燃性装飾用フ
ィルムの間に、充填する樹脂(内層(A))としてゴム
変性熱可塑性樹脂(SER−90ダイセル化学工業
(株)製)を射出すると同時に、成型品と難燃性装飾フ
ィルムを一体化させる。成型後ICカードの形状に打ち
抜き、ICカードを得て実施例6とした。
【0076】実施例7 表面被覆層(B)として実施例1の難燃性装飾用フィル
ムを用い、また充填する樹脂(内層(A))としてポリ
エステル(2016 ポリプラスチックス(株)製)を
用いた以外は実施例6と同様にしてICカードを得、実
施例7とした。
【0077】実施例8 表面被覆層(B)として実施例2の難燃性装飾用フィル
ムを用いた以外は実施例6と同様にしてICカードを
得、実施例8とした。
【0078】実施例9 表面被覆層(B)として実施例3の難燃性装飾用フィル
ムを用いた以外は実施例6と同様にしてICカードを
得、実施例9とした。
【0079】実施例10 表面被覆層(B)として実施例4の難燃性装飾用フィル
ムを用いた以外は実施例6と同様にしてICカードを
得、実施例10とした。
【0080】実施例11 表面被覆層(B)として実施例5の難燃性装飾用フィル
ムを用いた以外は実施例6と同様にしてICカードを
得、実施例11とした。
【0081】比較例1 実施例1のゴム変性熱可塑性樹脂12kgに、隠蔽剤と
して酸化チタン(ルチル型、平均粒径0.2ミクロン:
R−11P 堺化学工業(株)製、)4kg、充填剤と
してタルク(PSタルク 竹原化学(株)製:平均粒径
11ミクロン)4kgを配合し、実施例1と同様の方法
でフィルム成形を行い、厚さ100ミクロンのフィルム
を得て比較例1とした。
【0082】比較例2 実施例1のゴム変成熱可塑性樹脂を用いて、実施例1と
同様の方法でフィルム成形を行い、厚さ100ミクロン
のフィルムを得て比較例2とした。
【0083】比較例3 実施例1のゴム変性熱可塑性樹脂16kgに、充填剤と
してタルク(平均粒径11ミクロン:PSタルク 竹原
化学(株)製)4kgを配合し、実施例1と同様の方法
でフィルム成形を行い、厚さ100ミクロンのフィルム
を得て比較例3とした。
【0084】比較例4 実施例1のゴム変性熱可塑性樹脂16kgに、隠蔽剤と
して酸化チタン(ルチル型、平均粒径0.2ミクロン:
R−11P 堺化学工業(株)製、)4kgを配合し、
実施例1と同様の方法でフィルム成形を行い、厚さ10
0ミクロンのフィルムを得て比較例4とした。
【0085】比較例5 実施例1のゴム変性熱可塑性樹脂15kgに、難燃剤と
してデカブロモジフェニルエーテル4kg、難燃助剤と
して三酸化アンチモン1kg、安定剤として酸化亜鉛1
00gを配合し、実施例1と同様の方法でフィルム成形
を行い、厚さ100ミクロンのフィルムを得て比較例5
とした。
【0086】比較例6 表面被覆層(B)として比較例1のフィルムを用いた以
外は実施例6と同様にしてICカードを得、比較例6と
した。
【0087】比較例7 表面被覆層(B)として比較例2のフィルムを用いた以
外は実施例6と同様にしてICカードを得、比較例7と
した。
【0088】比較例8 表面被覆層(B)として比較例3のフィルムを用いた以
外は実施例6と同様にしてICカードを得、比較例8と
した。
【0089】比較例9 表面被覆層(B)として比較例4のフィルムを用いた以
外は実施例6と同様にしてICカードを得、比較例9と
した。
【0090】比較例10 表面被覆層(B)として比較例5のフィルムを用いた以
外は実施例6と同様にしてICカードを得、比較例10
とした。
【0091】参考例1 表面被覆層(B)として実施例1の難燃性装飾用フィル
ムを用い、また充填する樹脂(内層(A))としてゴム
変性熱可塑性樹脂(セビアン−V500 ダイセル化学
工業(株)製)を用いた以外は実施例6と同様にしてI
Cカードを得て、参考例1とした。
【0092】参考例2 表面被覆層(B)として実施例1の難燃性装飾用フィル
ムを用い、また充填する樹脂(内層(A))としてポリ
エステル(200FP ポリプラスチックス(株)製)
を用いた以外は実施例6と同様にしてICカードを得
て、参考例2した。
【0093】
【発明の効果】本発明の難燃装飾用フィルムは、上述の
構成であるので、フィルム成形性および積層体形成時等
のインモールド成型性が良好で、かつ適度な表面粗さを
有して印刷等による意匠性の付与が容易であり、また隠
蔽性も良好である。さらに、本発明の難燃性装飾用フィ
ルムは、塩化ビニル系樹脂と同様に耐炎性にも優れ、塩
化ビニル系樹脂に代替することもできる。上述の効果を
有する本発明の難燃性装飾用フィルムを用いることによ
り、製造工程を削減して品質の良好な積層体を得ること
ができ、特にICカードの製造におけるコストダウンに
有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)、(b)は、本発明の難燃性装飾用
フィルムを用いた積層体を製造する様子を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 金型 2 金型 3 射出成形機 4 難燃性装飾用フィルム 5 部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA02 AA10X AA12X AA14X AA22X AA33X AA34X AA77 AB17 AC03 AE07 AE17 AE22 AF27Y AF30Y AF47 AH14 BA01 BB05 BB06 BC01 BC16 4F100 AA08H AA29B AA29H AH05B AH05H AK01A AK01B AK01C AK11A AK11C AK12 AK25A AK25C AK27 AK27A AK27C AK28A AK28C AK74A AK74C AL01A AL01C AL04A AL04C AL06A AL06B AL06C AN00A AN00C AT00B BA01 BA02 BA03 BA06 BA10A BA10C CA08A CA08B CA08C CA13A CA13C CA23A CA23C CA30A CA30C DD07 GB41 GB71 HB00 JB16A JB16B JB16C JJ07 JK15 JN01 YY00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填剤、隠蔽剤、難燃剤、ゴム変性熱可
    塑性樹脂の少なくとも4成分からなることを特徴とする
    難燃性装飾用フィルム。
  2. 【請求項2】 ゴム変性熱可塑性樹脂が、(a)ゴム成
    分に、(b)芳香族ビニルモノマーおよび/またはアル
    キル(メタ)アクリレート、(c)シアン化ビニルモノ
    マーの、(b)および(c)成分で構成されたビニルモ
    ノマーをグラフト重合して得られる樹脂であることを特
    徴とする請求項1記載の難燃性装飾用フィルム。
  3. 【請求項3】 ゴム変性熱可塑性樹脂が、ジエン系ゴム
    またはオレフィン系共重合体ゴムに、スチレンモノマー
    とアクリロニトリルで構成されたビニルモノマーをグラ
    フト重合して得られる樹脂であることを特徴とする請求
    項1記載の難燃性装飾用フィルム。
  4. 【請求項4】 ゴム変性熱可塑性樹脂が、ABS樹脂で
    あることを特徴とする請求項1記載の難燃性装飾用フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 難燃剤が、ハロゲン系難燃剤であり、か
    つ難燃助剤として三酸化アンチモンを含有していること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の難
    燃性装飾用フィルム。
  6. 【請求項6】 難燃剤が、非ハロゲン系難燃剤であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    難燃性装飾用フィルム。
  7. 【請求項7】 全光線透過率(JIS K7105に準
    ずる)が20%以下であることを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれか1項記載の難燃性装飾用フィルム。
  8. 【請求項8】 表面粗さ(JIS B0601に準ず
    る)が5〜30μmであることを特徴とする請求項1乃
    至7のいずれか1項記載の難燃性装飾用フィルム。
  9. 【請求項9】 1層以上の内層(A)と、内層(A)の
    少なくとも一方の最外層表面を被覆する表面被覆層
    (B)からなり、該表面被覆層(B)が請求項1乃至8
    のいずれか1項記載の難燃性装飾用フィルムにより形成
    されることを特徴とする積層体。
  10. 【請求項10】 内層(A)が、主として難燃剤を含有
    する樹脂組成物よりなることを特徴とする請求項9記載
    の積層体。
  11. 【請求項11】 内層(A)に含有される難燃剤が、ハ
    ロゲン系難燃剤であり、かつ内層(A)に難燃助剤とし
    て三酸化アンチモンを含有していることを特徴とする請
    求項10記載の積層体。
  12. 【請求項12】 内層(A)に含有される難燃剤が、非
    ハロゲン系難燃剤であることを特徴とする請求項10記
    載の積層体。
  13. 【請求項13】 内層(A)が、主として難燃剤を含有
    するゴム変性熱可塑性樹脂よりなることを特徴とする請
    求項9乃至12のいずれか一項に記載の積層体。
  14. 【請求項14】 ICカードであることを特徴とする請
    求項9乃至13のいずれか一項に記載の積層体。
  15. 【請求項15】 インモールド射出成型法により、内層
    (A)を構成する素材を射出すると同時に、表面被覆層
    (B)を一体化させて形成されることを特徴とする請求
    項9乃至14のいずれか一項に記載の積層体。
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