JP2000030692A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池Info
- Publication number
- JP2000030692A JP2000030692A JP10208698A JP20869898A JP2000030692A JP 2000030692 A JP2000030692 A JP 2000030692A JP 10208698 A JP10208698 A JP 10208698A JP 20869898 A JP20869898 A JP 20869898A JP 2000030692 A JP2000030692 A JP 2000030692A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- battery
- mol
- polyaniline
- present
- anion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題解決手段】非水電解液に実質的に溶解しないSO
4 2- 及びPO3 3- から選ばれた少なくとも1種の多価ア
ニオンを導電性ポリマーに含有せしめて成るアニオン含
有カチオン吸蔵材を正極材料とする。 【効果】放電容量の大きい非水電解液二次電池が提供さ
れる。
4 2- 及びPO3 3- から選ばれた少なくとも1種の多価ア
ニオンを導電性ポリマーに含有せしめて成るアニオン含
有カチオン吸蔵材を正極材料とする。 【効果】放電容量の大きい非水電解液二次電池が提供さ
れる。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、非水電解液に実質
的に溶解しないアニオンを導電性ポリマーに含有せしめ
て成るアニオン含有カチオン吸蔵材を正極材料とする非
水電解液二次電池に係わり、特に、放電容量が大きい非
水電解液二次電池を提供することを目的とした、正極の
改良に関する。
的に溶解しないアニオンを導電性ポリマーに含有せしめ
て成るアニオン含有カチオン吸蔵材を正極材料とする非
水電解液二次電池に係わり、特に、放電容量が大きい非
水電解液二次電池を提供することを目的とした、正極の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】非水電
解液二次電池の軽量化、高エネルギー密度化などを図る
ために、電極材料として、導電性ポリマーを使用するこ
とが検討されている。例えば、特開昭56−13646
9号には、正極及び負極の少なくとも一方に、酸化又は
還元されて少なくとも一種のイオン性ドーパントがドー
プされて導電性状態となる共役不飽和結合を持つ共役系
重合体(導電性ポリマー)を使用した非水電解液二次電
池が提案されている。この種の二次電池では、充電によ
り、電解液中のアニオン(イオン性ドーパント)が正極
にドープされるとともに、電解液中のカチオン(イオン
性ドーパント)が負極にドープされ、一方放電により、
アニオンが正極からアンドープされるとともに、カチオ
ンが負極からアンドープされる。
解液二次電池の軽量化、高エネルギー密度化などを図る
ために、電極材料として、導電性ポリマーを使用するこ
とが検討されている。例えば、特開昭56−13646
9号には、正極及び負極の少なくとも一方に、酸化又は
還元されて少なくとも一種のイオン性ドーパントがドー
プされて導電性状態となる共役不飽和結合を持つ共役系
重合体(導電性ポリマー)を使用した非水電解液二次電
池が提案されている。この種の二次電池では、充電によ
り、電解液中のアニオン(イオン性ドーパント)が正極
にドープされるとともに、電解液中のカチオン(イオン
性ドーパント)が負極にドープされ、一方放電により、
アニオンが正極からアンドープされるとともに、カチオ
ンが負極からアンドープされる。
【0003】しかしながら、上記の非水電解液二次電池
には、電池容量が非水電解液のアニオン濃度によって規
制されるために、放電容量が小さいという問題がある。
には、電池容量が非水電解液のアニオン濃度によって規
制されるために、放電容量が小さいという問題がある。
【0004】また、特開平2−174076号公報に
は、1価の固定アニオン基をもつ高分子固体電解質(ポ
リスチレンスルホン酸、ナフィオンなど)をドープした
P型導電性高分子(アニオン含有カチオン吸蔵材)に高
分子固体電解質の薄層を接合して成る接合体を正極とし
て使用したものが提案されている。この非水電解液二次
電池において非水電解液は、充放電時にリチウムイオン
(Li+ )等のカチオンが電極間を移動する際のイオン
伝導媒体に過ぎないので、電池容量が非水電解液のアニ
オン濃度によって規制されるということはない。
は、1価の固定アニオン基をもつ高分子固体電解質(ポ
リスチレンスルホン酸、ナフィオンなど)をドープした
P型導電性高分子(アニオン含有カチオン吸蔵材)に高
分子固体電解質の薄層を接合して成る接合体を正極とし
て使用したものが提案されている。この非水電解液二次
電池において非水電解液は、充放電時にリチウムイオン
(Li+ )等のカチオンが電極間を移動する際のイオン
伝導媒体に過ぎないので、電池容量が非水電解液のアニ
オン濃度によって規制されるということはない。
【0005】しかしながら、ドープされるアニオンが、
高分子量の巨大アニオンであるとともに、1価基である
ために、P型導電性高分子に多量の負(−)電荷をドー
プすることはできない。したがって、放電時にP型導電
性高分子にドープされる正(+)電荷の量も少なく、放
電容量はそれほど大きくない。
高分子量の巨大アニオンであるとともに、1価基である
ために、P型導電性高分子に多量の負(−)電荷をドー
プすることはできない。したがって、放電時にP型導電
性高分子にドープされる正(+)電荷の量も少なく、放
電容量はそれほど大きくない。
【0006】本発明は、上記の特開平2−174076
号公報に開示の発明の改良発明であり、放電容量が大き
い、アニオン含有カチオン吸蔵材を正極材料とする非水
電解液二次電池を提供することを目的とする。
号公報に開示の発明の改良発明であり、放電容量が大き
い、アニオン含有カチオン吸蔵材を正極材料とする非水
電解液二次電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る非水電解液
二次電池(本発明電池)は、非水電解液に実質的に溶解
しないアニオンを導電性ポリマーに含有せしめて成るア
ニオン含有カチオン吸蔵材を正極材料とするものであっ
て、前記アニオンがSO4 2- 及びPO3 3- から選ばれた
少なくとも1種の多価アニオンであることを特徴とす
る。
二次電池(本発明電池)は、非水電解液に実質的に溶解
しないアニオンを導電性ポリマーに含有せしめて成るア
ニオン含有カチオン吸蔵材を正極材料とするものであっ
て、前記アニオンがSO4 2- 及びPO3 3- から選ばれた
少なくとも1種の多価アニオンであることを特徴とす
る。
【0008】SO4 2- 及びPO3 3- は非水電解液に実質
的に溶解しないアニオンであるので、導電性ポリマーに
ドープして含有せしめた後は、正極内に固定される。そ
して、放電時には、これらの固定されたアニオンが持つ
負(−)電荷を補償する量だけ、正(+)電荷を持つリ
チウムイオン等のカチオンがアニオン含有カチオン吸蔵
材に吸蔵される。SO4 2- 及びPO3 3- はいずれも低分
子量のアニオンであるとともに、2価基又は3価基であ
るため、本発明電池のアニオン含有カチオン吸蔵材に
は、多量の負(−)電荷を固定電荷として含有せしめる
ことが可能である。したがって、本発明により、負
(−)電荷の含有量が少ない巨大アニオン含有カチオン
吸蔵材を正極材料とする特開平2−174076号公報
に開示の従来の電池に比べて、放電容量の大きい非水電
解液二次電池が提供される。
的に溶解しないアニオンであるので、導電性ポリマーに
ドープして含有せしめた後は、正極内に固定される。そ
して、放電時には、これらの固定されたアニオンが持つ
負(−)電荷を補償する量だけ、正(+)電荷を持つリ
チウムイオン等のカチオンがアニオン含有カチオン吸蔵
材に吸蔵される。SO4 2- 及びPO3 3- はいずれも低分
子量のアニオンであるとともに、2価基又は3価基であ
るため、本発明電池のアニオン含有カチオン吸蔵材に
は、多量の負(−)電荷を固定電荷として含有せしめる
ことが可能である。したがって、本発明により、負
(−)電荷の含有量が少ない巨大アニオン含有カチオン
吸蔵材を正極材料とする特開平2−174076号公報
に開示の従来の電池に比べて、放電容量の大きい非水電
解液二次電池が提供される。
【0009】導電性ポリマーとしては、従来公知のもの
を使用することができる。具体例としては、ポリピロー
ル、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフラン若しく
はこれらの誘導体が挙げられる。これらを2種以上併用
してもよい。
を使用することができる。具体例としては、ポリピロー
ル、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリフラン若しく
はこれらの誘導体が挙げられる。これらを2種以上併用
してもよい。
【0010】導電性ポリマーにアニオンを含有せしめる
方法としては、アニオンと導電性ポリマーを含有する水
溶液を電解液として陽極酸化し、陽極上にアニオンがド
ープされた導電性ポリマーを電析させる電気化学的方
法、及び、アニオンと酸化剤(過酸化水素など)を含有
する水溶液に導電性ポリマーを浸漬して、導電性ポリマ
ーにアニオンをドープする化学的方法が例示される。
方法としては、アニオンと導電性ポリマーを含有する水
溶液を電解液として陽極酸化し、陽極上にアニオンがド
ープされた導電性ポリマーを電析させる電気化学的方
法、及び、アニオンと酸化剤(過酸化水素など)を含有
する水溶液に導電性ポリマーを浸漬して、導電性ポリマ
ーにアニオンをドープする化学的方法が例示される。
【0011】導電性ポリマーに含有せしめるアニオンの
量は、導電性ポリマーを構成するモノマー単位(重合単
位)1個につき、アニオン0.5個以上とすることが、
放電容量の大きいアニオン含有カチオン吸蔵材を得る上
で、好ましい。
量は、導電性ポリマーを構成するモノマー単位(重合単
位)1個につき、アニオン0.5個以上とすることが、
放電容量の大きいアニオン含有カチオン吸蔵材を得る上
で、好ましい。
【0012】アニオンを多量に含有する本発明における
アニオン含有カチオン吸蔵材は、可撓性が大きく、しか
も高密度であるので、加圧成形すると圧縮されて、含液
不良(アニオン含有カチオン吸蔵材への電解液の供給不
足)が生じ易い。したがって、正極作製時に加圧成形が
行われる円筒型電池などに本発明を適用する場合は、正
極集電体として多孔性集電体を使用するとともに、その
多孔性集電体の孔内にアニオン含有カチオン吸蔵材の一
部又は全部を収容するようにすることが好ましい。この
場合に使用する多孔性集電体としては、金属発泡体及び
炭素織布が挙げられる。
アニオン含有カチオン吸蔵材は、可撓性が大きく、しか
も高密度であるので、加圧成形すると圧縮されて、含液
不良(アニオン含有カチオン吸蔵材への電解液の供給不
足)が生じ易い。したがって、正極作製時に加圧成形が
行われる円筒型電池などに本発明を適用する場合は、正
極集電体として多孔性集電体を使用するとともに、その
多孔性集電体の孔内にアニオン含有カチオン吸蔵材の一
部又は全部を収容するようにすることが好ましい。この
場合に使用する多孔性集電体としては、金属発泡体及び
炭素織布が挙げられる。
【0013】本発明は、正極の改良に関する。それゆ
え、他の電池部材については、非水電解液二次電池用と
して従来公知の種々の材料を使用することができる。例
えば、本発明をリチウム二次電池に適用する場合の負極
材料としては、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵及び
放出することが可能な物質及び金属リチウムが例示され
る。リチウムイオンを電気化学的に吸蔵及び放出するこ
とが可能な物質としては、黒鉛(天然黒鉛及び人造黒
鉛)、コークス、有機物焼成体等の炭素材料;リチウム
−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リ
チウム−インジウム合金、リチウム−錫合金、リチウム
−タリウム合金、リチウム−鉛合金、リチウム−ビスマ
ス合金等のリチウム合金;及び錫、チタン、鉄、モリブ
デン、ニオブ、バナジウム及び亜鉛を一種又は二種以上
含む、金属酸化物(SnO2 、SnO、TiO2 、Nb
2 O5 など)及び金属硫化物が例示される。
え、他の電池部材については、非水電解液二次電池用と
して従来公知の種々の材料を使用することができる。例
えば、本発明をリチウム二次電池に適用する場合の負極
材料としては、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵及び
放出することが可能な物質及び金属リチウムが例示され
る。リチウムイオンを電気化学的に吸蔵及び放出するこ
とが可能な物質としては、黒鉛(天然黒鉛及び人造黒
鉛)、コークス、有機物焼成体等の炭素材料;リチウム
−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リ
チウム−インジウム合金、リチウム−錫合金、リチウム
−タリウム合金、リチウム−鉛合金、リチウム−ビスマ
ス合金等のリチウム合金;及び錫、チタン、鉄、モリブ
デン、ニオブ、バナジウム及び亜鉛を一種又は二種以上
含む、金属酸化物(SnO2 、SnO、TiO2 、Nb
2 O5 など)及び金属硫化物が例示される。
【0014】また、非水電解液の溶質としては、LiC
lO4 、LiCF3 SO3 、LiPF6 、LiN(CF
3 SO2 )2 、LiN(C2 F5 SO2 )2 、LiBF
4 、LiSbF6 、LiAsF6 等のリチウム塩が例示
され、非水電解液の溶媒としては、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、
ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、及び、環
状炭酸エステルと、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメ
トキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−エ
トキシメトキシエタン等の低沸点溶媒との混合溶媒が例
示される。
lO4 、LiCF3 SO3 、LiPF6 、LiN(CF
3 SO2 )2 、LiN(C2 F5 SO2 )2 、LiBF
4 、LiSbF6 、LiAsF6 等のリチウム塩が例示
され、非水電解液の溶媒としては、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、
ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、及び、環
状炭酸エステルと、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメ
トキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−エ
トキシメトキシエタン等の低沸点溶媒との混合溶媒が例
示される。
【0015】
【実施例】本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明
するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものでは
なく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施す
ることが可能なものである。
するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものでは
なく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施す
ることが可能なものである。
【0016】(実験1)導電性ポリマーとしてポリアニ
リンを使用して本発明電池及び比較電池を作製し、各電
池の電池容量を調べた。
リンを使用して本発明電池及び比較電池を作製し、各電
池の電池容量を調べた。
【0017】(本発明電池A1〜A3の作製) 〔正極の作製〕アニリン0.3モル/リットル及び硫酸
0.2モル/リットルの水溶液300ccを電解液とし
て使用し、ステンレススチール金網(400メッシュ;
寸法:縦10cm×横10cm×厚み0.1mm)を陽
極として使用して、定電流密度0.3mA/cm2 で8
時間電解(陽極酸化)して、ステンレススチール金網上
にポリアニリンを析出させた。なお、このポリアニリン
には硫酸イオン(SO4 2- )が少量含まれている。
0.2モル/リットルの水溶液300ccを電解液とし
て使用し、ステンレススチール金網(400メッシュ;
寸法:縦10cm×横10cm×厚み0.1mm)を陽
極として使用して、定電流密度0.3mA/cm2 で8
時間電解(陽極酸化)して、ステンレススチール金網上
にポリアニリンを析出させた。なお、このポリアニリン
には硫酸イオン(SO4 2- )が少量含まれている。
【0018】上記のポリアニリンを有するステンレスス
チール金網を陽極として使用し、硫酸の0.3モル/リ
ットル水溶液を電解液として使用して、定電流密度0.
5mA/cm2 で1時間、3時間又は6時間電解(陽極
酸化)して、ポリアニリンに硫酸イオンを含有せしめ
た。硫酸イオン含有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合
を化学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成する
モノマー単位(アニリン)1個につき、それぞれ硫酸イ
オン0.4個(本発明電池A1)、0.5個(本発明電
池A2)及び1個(本発明電池A3)であった。
チール金網を陽極として使用し、硫酸の0.3モル/リ
ットル水溶液を電解液として使用して、定電流密度0.
5mA/cm2 で1時間、3時間又は6時間電解(陽極
酸化)して、ポリアニリンに硫酸イオンを含有せしめ
た。硫酸イオン含有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合
を化学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成する
モノマー単位(アニリン)1個につき、それぞれ硫酸イ
オン0.4個(本発明電池A1)、0.5個(本発明電
池A2)及び1個(本発明電池A3)であった。
【0019】上記の硫酸イオン含有ポリアニリンを有す
るステンレススチール金網を、n−ブチルリチウムの
0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸漬して、硫酸イ
オン含有ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥
し、圧延し、直径19mmの円盤状に打ち抜いて、ステ
ンレススチール金網を集電体とする3種の正極を作製し
た。なお、正極の表面の一部を剥離してステンレススチ
ール金網の一部を露出させ、露出した部分と正極缶とを
スポット溶接した。
るステンレススチール金網を、n−ブチルリチウムの
0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸漬して、硫酸イ
オン含有ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥
し、圧延し、直径19mmの円盤状に打ち抜いて、ステ
ンレススチール金網を集電体とする3種の正極を作製し
た。なお、正極の表面の一部を剥離してステンレススチ
ール金網の一部を露出させ、露出した部分と正極缶とを
スポット溶接した。
【0020】〔負極の作製〕天然黒鉛粉末98重量部と
CMC(カルボキシメチルセルロース)1重量部とを、
SBR1重量部の水分散液に添加混合してスラリーを調
製し、このスラリーを集電体としての銅箔にドクターブ
レード法により塗布し、乾燥し、直径19mmの円盤状
に打ち抜いて、負極を作製した。
CMC(カルボキシメチルセルロース)1重量部とを、
SBR1重量部の水分散液に添加混合してスラリーを調
製し、このスラリーを集電体としての銅箔にドクターブ
レード法により塗布し、乾燥し、直径19mmの円盤状
に打ち抜いて、負極を作製した。
【0021】〔非水電解液の調製〕エチレンカーボネー
トとジエチルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒
に、LiPF6 を1モル/リットル溶かして非水電解液
を調製した。
トとジエチルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒
に、LiPF6 を1モル/リットル溶かして非水電解液
を調製した。
【0022】〔電池の作製〕上記の正極、負極及び非水
電解液を使用して、常法により直径24mm、高さ3m
mのコイン型のリチウム二次電池(本発明電池)(A
1)〜(A3)を作製した。セパレータには、イオン透
過性のポリプロピレンフィルムを使用した。また、正極
と負極の容量比を1:1とした。以下の電池も正極と負
極の容量比を全て1:1とした。
電解液を使用して、常法により直径24mm、高さ3m
mのコイン型のリチウム二次電池(本発明電池)(A
1)〜(A3)を作製した。セパレータには、イオン透
過性のポリプロピレンフィルムを使用した。また、正極
と負極の容量比を1:1とした。以下の電池も正極と負
極の容量比を全て1:1とした。
【0023】(比較電池B1の作製)アニリン0.3モ
ル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液3
00ccを電解液として使用し、ステンレススチール金
網(本発明電池A1〜A3に使用したものと同じのも
の)を陽極として使用して、定電流密度0.3mA/c
m2 で8時間電解(陽極酸化)して、ステンレススチー
ル金網上にポリアニリンを析出させた。このポリアニリ
ンには硫酸イオンが少量含まれている。
ル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液3
00ccを電解液として使用し、ステンレススチール金
網(本発明電池A1〜A3に使用したものと同じのも
の)を陽極として使用して、定電流密度0.3mA/c
m2 で8時間電解(陽極酸化)して、ステンレススチー
ル金網上にポリアニリンを析出させた。このポリアニリ
ンには硫酸イオンが少量含まれている。
【0024】上記のポリアニリンを有するステンレスス
チール金網を陰極として使用し、硫酸の0.3モル/リ
ットル水溶液を電解液として使用して、定電流密度0.
5mA/cm2 で1時間電解(陰極還元)して、ポリア
ニリンに含まれる硫酸イオンを除去した。なお、化学分
析により、電解後のポリアニリンには硫酸イオンが実質
的に含まれていないことを確認した。
チール金網を陰極として使用し、硫酸の0.3モル/リ
ットル水溶液を電解液として使用して、定電流密度0.
5mA/cm2 で1時間電解(陰極還元)して、ポリア
ニリンに含まれる硫酸イオンを除去した。なお、化学分
析により、電解後のポリアニリンには硫酸イオンが実質
的に含まれていないことを確認した。
【0025】上記の硫酸イオンを実質的に含有しないポ
リアニリンを有するステンレススチール金網を、n−ブ
チルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸
漬して、ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥
し、圧延し、直径19mmの円盤状に打ち抜いて、ステ
ンレススチール金網を集電体とする正極を作製した。こ
の正極を使用したこと以外は本発明電池A1〜A3の作
製方法と同様にして、比較電池B1を作製した。
リアニリンを有するステンレススチール金網を、n−ブ
チルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸
漬して、ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥
し、圧延し、直径19mmの円盤状に打ち抜いて、ステ
ンレススチール金網を集電体とする正極を作製した。こ
の正極を使用したこと以外は本発明電池A1〜A3の作
製方法と同様にして、比較電池B1を作製した。
【0026】(比較電池B2の作製)アニリン0.3モ
ル/リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/
リットルの水溶液300ccを電解液として使用し、ス
テンレススチール金網(本発明電池A1〜A3に使用し
たものと同じのもの)を陽極として使用して、定電流密
度0.3mA/cm2 で8時間電解(陽極酸化)して、
ステンレススチール金網上にポリアニリンを析出させ
た。このポリアニリンにはp−トルエンスルホン酸イオ
ン(p−C6 H4 (CH3 )SO3 - )が少量含まれて
いる。
ル/リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/
リットルの水溶液300ccを電解液として使用し、ス
テンレススチール金網(本発明電池A1〜A3に使用し
たものと同じのもの)を陽極として使用して、定電流密
度0.3mA/cm2 で8時間電解(陽極酸化)して、
ステンレススチール金網上にポリアニリンを析出させ
た。このポリアニリンにはp−トルエンスルホン酸イオ
ン(p−C6 H4 (CH3 )SO3 - )が少量含まれて
いる。
【0027】上記のポリアニリンを有するステンレスス
チール金網を陽極として使用し、p−トルエンスルホン
酸の0.3モル/リットル水溶液を電解液として使用し
て、定電流密度0.5mA/cm2 で1時間電解(陽極
酸化)して、ポリアニリンにp−トルエンスルホン酸イ
オンを含有せしめて、p−トルエンスルホン酸イオン含
有ポリアニリンを得た。p−トルエンスルホン酸イオン
含有ポリアニリン中のp−トルエンスルホン酸イオンの
割合を化学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成
するモノマー単位(アニリン)1個につき、p−トルエ
ンスルホン酸イオン0.1個であった。
チール金網を陽極として使用し、p−トルエンスルホン
酸の0.3モル/リットル水溶液を電解液として使用し
て、定電流密度0.5mA/cm2 で1時間電解(陽極
酸化)して、ポリアニリンにp−トルエンスルホン酸イ
オンを含有せしめて、p−トルエンスルホン酸イオン含
有ポリアニリンを得た。p−トルエンスルホン酸イオン
含有ポリアニリン中のp−トルエンスルホン酸イオンの
割合を化学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成
するモノマー単位(アニリン)1個につき、p−トルエ
ンスルホン酸イオン0.1個であった。
【0028】上記のp−トルエンスルホン酸イオン含有
ポリアニリンを有するステンレススチール金網を、n−
ブチルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に
浸漬して、p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリアニ
リンにリチウムを付加した後、乾燥し、圧延し、直径1
9mmの円盤状に打ち抜いて、ステンレススチール金網
を集電体とする正極を作製した。この正極を使用したこ
と以外は本発明電池A1〜A3の作製方法と同様にし
て、比較電池B2を作製した。
ポリアニリンを有するステンレススチール金網を、n−
ブチルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に
浸漬して、p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリアニ
リンにリチウムを付加した後、乾燥し、圧延し、直径1
9mmの円盤状に打ち抜いて、ステンレススチール金網
を集電体とする正極を作製した。この正極を使用したこ
と以外は本発明電池A1〜A3の作製方法と同様にし
て、比較電池B2を作製した。
【0029】〈各電池の放電容量〉各電池を3mAで
4.2Vまで充電した後、3mAで2.7Vまで放電し
て、放電容量を調べた。結果を表1に示す。なお、いず
れの電池も充放電効率は100%であった。
4.2Vまで充電した後、3mAで2.7Vまで放電し
て、放電容量を調べた。結果を表1に示す。なお、いず
れの電池も充放電効率は100%であった。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示すように、本発明電池A1〜A3
は、比較電池B1,B2に比べて、放電容量が大きい。
比較電池B1の放電容量が小さいのは、放電容量が非水
電解液のアニオン濃度によって規制されたからである。
また、比較電池B2の放電容量が小さいのは、ドーパン
トとして使用されたアニオンが、高分子量で、しかも1
価のp−トルエンスルホン酸イオンであったために、ポ
リアニリンに負(−)電荷を多量にドープすることがで
きなかったからである。本発明電池の中では、本発明電
池A3の放電容量が最も大きく、本発明電池A2の放電
容量が2番目に大きく、本発明電池A1の放電容量が最
も小さい。これは、ポリアニリンに硫酸イオンを含有せ
しめるための電解(陽極酸化)を長時間行うほど、ポリ
アニリンの硫酸イオン含有量が多くなり、それに伴って
硫酸イオン含有ポリアニリンに付加されるLiの量が多
くなったからである。
は、比較電池B1,B2に比べて、放電容量が大きい。
比較電池B1の放電容量が小さいのは、放電容量が非水
電解液のアニオン濃度によって規制されたからである。
また、比較電池B2の放電容量が小さいのは、ドーパン
トとして使用されたアニオンが、高分子量で、しかも1
価のp−トルエンスルホン酸イオンであったために、ポ
リアニリンに負(−)電荷を多量にドープすることがで
きなかったからである。本発明電池の中では、本発明電
池A3の放電容量が最も大きく、本発明電池A2の放電
容量が2番目に大きく、本発明電池A1の放電容量が最
も小さい。これは、ポリアニリンに硫酸イオンを含有せ
しめるための電解(陽極酸化)を長時間行うほど、ポリ
アニリンの硫酸イオン含有量が多くなり、それに伴って
硫酸イオン含有ポリアニリンに付加されるLiの量が多
くなったからである。
【0032】(実験2)導電性ポリマーとしてポリピロ
ールを使用してコイン型の本発明電池及び比較電池を作
製し、各電池の電池容量を調べた。
ールを使用してコイン型の本発明電池及び比較電池を作
製し、各電池の電池容量を調べた。
【0033】(本発明電池A4〜A6の作製)導電性ポ
リマーを作製する際の電解液として、アニリン0.3モ
ル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液3
00ccに代えて、ピロール0.2モル/リットル及び
硫酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用し
たこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製方法と同様
にして、本発明電池A4〜A6を作製した。硫酸イオン
含有ポリピロール中の硫酸イオンの割合は、ポリピロー
ルを構成するモノマー単位(ピロール)1個につき、そ
れぞれ硫酸イオン0.4個(本発明電池A4)、0.5
個(本発明電池A5)及び1個(本発明電池A6)であ
った。
リマーを作製する際の電解液として、アニリン0.3モ
ル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液3
00ccに代えて、ピロール0.2モル/リットル及び
硫酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用し
たこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製方法と同様
にして、本発明電池A4〜A6を作製した。硫酸イオン
含有ポリピロール中の硫酸イオンの割合は、ポリピロー
ルを構成するモノマー単位(ピロール)1個につき、そ
れぞれ硫酸イオン0.4個(本発明電池A4)、0.5
個(本発明電池A5)及び1個(本発明電池A6)であ
った。
【0034】(比較電池B3の作製)導電性ポリマーを
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300cc
に代えて、ピロール0.2モル/リットル及び硫酸0.
2モル/リットルの水溶液300ccを使用したこと以
外は、比較電池B1の作製方法と同様にして、比較電池
B3を作製した。
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300cc
に代えて、ピロール0.2モル/リットル及び硫酸0.
2モル/リットルの水溶液300ccを使用したこと以
外は、比較電池B1の作製方法と同様にして、比較電池
B3を作製した。
【0035】(比較電池B4の作製)導電性ポリマーを
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リットル
の水溶液300ccに代えて、ピロール0.2モル/リ
ットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リット
ルの水溶液300ccを使用したこと以外は、比較電池
B2の作製方法と同様にして、比較電池B4を作製し
た。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリピロール中
のp−トルエンスルホン酸イオンの割合は、ポリピロー
ルを構成するモノマー単位(ピロール)1個につき、p
−トルエンスルホン酸イオン0.1個であった。
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リットル
の水溶液300ccに代えて、ピロール0.2モル/リ
ットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リット
ルの水溶液300ccを使用したこと以外は、比較電池
B2の作製方法と同様にして、比較電池B4を作製し
た。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリピロール中
のp−トルエンスルホン酸イオンの割合は、ポリピロー
ルを構成するモノマー単位(ピロール)1個につき、p
−トルエンスルホン酸イオン0.1個であった。
【0036】〈各電池の放電容量〉実験1と同じ条件の
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表2に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表2に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
【0037】
【表2】
【0038】表2に示すように、本発明電池A4〜A6
は、比較電池B3,B4に比べて、放電容量が大きい。
比較電池B3の放電容量が小さいのは、放電容量が非水
電解液のアニオン濃度によって規制されたからである。
また、比較電池B4の放電容量が小さいのは、ドーパン
トとして使用されたアニオンが、高分子量で、しかも1
価のp−トルエンスルホン酸イオンであったために、ポ
リピロールに負(−)電荷を多量にドープすることがで
きなかったからである。本発明電池の中では、本発明電
池A6の放電容量が最も大きく、本発明電池A5の放電
容量が2番目に大きく、本発明電池A4の放電容量が最
も小さい。これは、ポリピロールに硫酸イオンを含有せ
しめるための電解(陽極酸化)を長時間行うほど、ポリ
ピロールの硫酸イオン含有量が多くなり、それに伴って
硫酸イオン含有ポリピロールに付加されるLiの量が多
くなったからである。
は、比較電池B3,B4に比べて、放電容量が大きい。
比較電池B3の放電容量が小さいのは、放電容量が非水
電解液のアニオン濃度によって規制されたからである。
また、比較電池B4の放電容量が小さいのは、ドーパン
トとして使用されたアニオンが、高分子量で、しかも1
価のp−トルエンスルホン酸イオンであったために、ポ
リピロールに負(−)電荷を多量にドープすることがで
きなかったからである。本発明電池の中では、本発明電
池A6の放電容量が最も大きく、本発明電池A5の放電
容量が2番目に大きく、本発明電池A4の放電容量が最
も小さい。これは、ポリピロールに硫酸イオンを含有せ
しめるための電解(陽極酸化)を長時間行うほど、ポリ
ピロールの硫酸イオン含有量が多くなり、それに伴って
硫酸イオン含有ポリピロールに付加されるLiの量が多
くなったからである。
【0039】(実験3)導電性ポリマーとしてポリチオ
フェンを使用してコイン型の本発明電池及び比較電池を
作製し、各電池の電池容量を調べた。
フェンを使用してコイン型の本発明電池及び比較電池を
作製し、各電池の電池容量を調べた。
【0040】(本発明電池A7〜A9の作製)導電性ポ
リマーを作製する際の電解液として、アニリン0.3モ
ル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液3
00ccに代えて、チオフェン0.2モル/リットル及
び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用
したこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製方法と同
様にして、本発明電池A7〜A9を作製した。硫酸イオ
ン含有ポリチオフェン中の硫酸イオンの割合は、ポリチ
オフェンを構成するモノマー単位(チオフェン)1個に
つき、それぞれ硫酸イオン0.4個(本発明電池A
7)、0.5個(本発明電池A8)及び1個(本発明電
池A9)であった。
リマーを作製する際の電解液として、アニリン0.3モ
ル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液3
00ccに代えて、チオフェン0.2モル/リットル及
び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用
したこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製方法と同
様にして、本発明電池A7〜A9を作製した。硫酸イオ
ン含有ポリチオフェン中の硫酸イオンの割合は、ポリチ
オフェンを構成するモノマー単位(チオフェン)1個に
つき、それぞれ硫酸イオン0.4個(本発明電池A
7)、0.5個(本発明電池A8)及び1個(本発明電
池A9)であった。
【0041】(比較電池B5の作製)導電性ポリマーを
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300cc
に代えて、チオフェン0.2モル/リットル及び硫酸
0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用したこ
と以外は、比較電池B1の作製方法と同様にして、比較
電池B5を作製した。
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300cc
に代えて、チオフェン0.2モル/リットル及び硫酸
0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用したこ
と以外は、比較電池B1の作製方法と同様にして、比較
電池B5を作製した。
【0042】(比較電池B6の作製)導電性ポリマーを
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リットル
の水溶液300ccに代えて、チオフェン0.2モル/
リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リッ
トルの水溶液300ccを使用したこと以外は、比較電
池B2の作製方法と同様にして、比較電池B6を作製し
た。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリチオフェン
中のp−トルエンスルホン酸イオンの割合は、ポリチオ
フェンを構成するモノマー単位(チオフェン)1個につ
き、p−トルエンスルホン酸イオン0.1個であった。
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リットル
の水溶液300ccに代えて、チオフェン0.2モル/
リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リッ
トルの水溶液300ccを使用したこと以外は、比較電
池B2の作製方法と同様にして、比較電池B6を作製し
た。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリチオフェン
中のp−トルエンスルホン酸イオンの割合は、ポリチオ
フェンを構成するモノマー単位(チオフェン)1個につ
き、p−トルエンスルホン酸イオン0.1個であった。
【0043】〈各電池の放電容量〉実験1と同じ条件の
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表3に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表3に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
【0044】
【表3】
【0045】表3に示すように、本発明電池A7〜A9
は、比較電池B5,B6に比べて、放電容量が大きい。
比較電池B5の放電容量が小さいのは、放電容量が非水
電解液のアニオン濃度によって規制されたからである。
また、比較電池B6の放電容量が小さいのは、ドーパン
トとして使用されたアニオンが、高分子量で、しかも1
価のp−トルエンスルホン酸イオンであったために、ポ
リチオフェンに負(−)電荷を多量にドープすることが
できなかったからである。本発明電池の中では、本発明
電池A9の放電容量が最も大きく、本発明電池A8の放
電容量が2番目に大きく、本発明電池A7の放電容量が
最も小さい。これは、ポリチオフェンに硫酸イオンを含
有せしめるための電解(陽極酸化)を長時間行うほど、
ポリチオフェンの硫酸イオン含有量が多くなり、それに
伴って硫酸イオン含有ポリチオフェンに付加されるLi
の量が多くなったからである。
は、比較電池B5,B6に比べて、放電容量が大きい。
比較電池B5の放電容量が小さいのは、放電容量が非水
電解液のアニオン濃度によって規制されたからである。
また、比較電池B6の放電容量が小さいのは、ドーパン
トとして使用されたアニオンが、高分子量で、しかも1
価のp−トルエンスルホン酸イオンであったために、ポ
リチオフェンに負(−)電荷を多量にドープすることが
できなかったからである。本発明電池の中では、本発明
電池A9の放電容量が最も大きく、本発明電池A8の放
電容量が2番目に大きく、本発明電池A7の放電容量が
最も小さい。これは、ポリチオフェンに硫酸イオンを含
有せしめるための電解(陽極酸化)を長時間行うほど、
ポリチオフェンの硫酸イオン含有量が多くなり、それに
伴って硫酸イオン含有ポリチオフェンに付加されるLi
の量が多くなったからである。
【0046】(実験4)導電性ポリマーとしてポリフラ
ンを使用してコイン型の本発明電池及び比較電池を作製
し、各電池の電池容量を調べた。
ンを使用してコイン型の本発明電池及び比較電池を作製
し、各電池の電池容量を調べた。
【0047】(本発明電池A10〜A12の作製)導電
性ポリマーを作製する際の電解液として、アニリン0.
3モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶
液300ccに代えて、フラン0.2モル/リットル及
び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用
したこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製方法と同
様にして、本発明電池A10〜A12を作製した。硫酸
イオン含有ポリフラン中の硫酸イオンの割合は、ポリフ
ランを構成するモノマー単位(フラン)1個につき、そ
れぞれ硫酸イオン0.4個(本発明電池A10)、0.
5個(本発明電池A11)及び1個(本発明電池A1
2)であった。
性ポリマーを作製する際の電解液として、アニリン0.
3モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶
液300ccに代えて、フラン0.2モル/リットル及
び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用
したこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製方法と同
様にして、本発明電池A10〜A12を作製した。硫酸
イオン含有ポリフラン中の硫酸イオンの割合は、ポリフ
ランを構成するモノマー単位(フラン)1個につき、そ
れぞれ硫酸イオン0.4個(本発明電池A10)、0.
5個(本発明電池A11)及び1個(本発明電池A1
2)であった。
【0048】(比較電池B7の作製)導電性ポリマーを
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300cc
に代えて、フラン0.2モル/リットル及び硫酸0.2
モル/リットルの水溶液300ccを使用したこと以外
は、比較電池B1の作製方法と同様にして、比較電池B
7を作製した。
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300cc
に代えて、フラン0.2モル/リットル及び硫酸0.2
モル/リットルの水溶液300ccを使用したこと以外
は、比較電池B1の作製方法と同様にして、比較電池B
7を作製した。
【0049】(比較電池B8の作製)導電性ポリマーを
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リットル
の水溶液300ccに代えて、フラン0.2モル/リッ
トル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リットル
の水溶液300ccを使用したこと以外は、比較電池B
2の作製方法と同様にして、比較電池B8を作製した。
p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリフラン中のp−
トルエンスルホン酸イオンの割合は、ポリフランを構成
するモノマー単位(フラン)1個につき、p−トルエン
スルホン酸イオン0.1個であった。
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リットル
の水溶液300ccに代えて、フラン0.2モル/リッ
トル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リットル
の水溶液300ccを使用したこと以外は、比較電池B
2の作製方法と同様にして、比較電池B8を作製した。
p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリフラン中のp−
トルエンスルホン酸イオンの割合は、ポリフランを構成
するモノマー単位(フラン)1個につき、p−トルエン
スルホン酸イオン0.1個であった。
【0050】〈各電池の放電容量〉実験1と同じ条件の
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表4に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表4に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
【0051】
【表4】
【0052】表4に示すように、本発明電池A10〜A
12は、比較電池B7,B8に比べて、放電容量が大き
い。比較電池B7の放電容量が小さいのは、放電容量が
非水電解液のアニオン濃度によって規制されたからであ
る。また、比較電池B8の放電容量が小さいのは、ドー
パントとして使用されたアニオンが、高分子量で、しか
も1価のp−トルエンスルホン酸イオンであったため
に、ポリフランに負(−)電荷を多量にドープすること
ができなかったからである。本発明電池の中では、本発
明電池A12の放電容量が最も大きく、本発明電池A1
1の放電容量が2番目に大きく、本発明電池A10の放
電容量が最も小さい。これは、ポリフランに硫酸イオン
を含有せしめるための電解(陽極酸化)を長時間行うほ
ど、ポリフランの硫酸イオン含有量が多くなり、それに
伴って硫酸イオン含有ポリフランに付加されるLiの量
が多くなったからである。
12は、比較電池B7,B8に比べて、放電容量が大き
い。比較電池B7の放電容量が小さいのは、放電容量が
非水電解液のアニオン濃度によって規制されたからであ
る。また、比較電池B8の放電容量が小さいのは、ドー
パントとして使用されたアニオンが、高分子量で、しか
も1価のp−トルエンスルホン酸イオンであったため
に、ポリフランに負(−)電荷を多量にドープすること
ができなかったからである。本発明電池の中では、本発
明電池A12の放電容量が最も大きく、本発明電池A1
1の放電容量が2番目に大きく、本発明電池A10の放
電容量が最も小さい。これは、ポリフランに硫酸イオン
を含有せしめるための電解(陽極酸化)を長時間行うほ
ど、ポリフランの硫酸イオン含有量が多くなり、それに
伴って硫酸イオン含有ポリフランに付加されるLiの量
が多くなったからである。
【0053】(実験5)導電性ポリマーとしてポリメチ
ルピロールを使用してコイン型の本発明電池及び比較電
池を作製し、各電池の電池容量を調べた。
ルピロールを使用してコイン型の本発明電池及び比較電
池を作製し、各電池の電池容量を調べた。
【0054】(本発明電池A13〜A15の作製)導電
性ポリマーを作製する際の電解液として、アニリン0.
3モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶
液300ccに代えて、メチルピロール0.2モル/リ
ットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300c
cを使用したこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製
方法と同様にして、本発明電池A13〜A15を作製し
た。硫酸イオン含有ポリメチルピロール中の硫酸イオン
の割合は、ポリメチルピロールを構成するモノマー単位
(メチルピロール)1個につき、それぞれ硫酸イオン
0.4個(本発明電池A13)、0.5個(本発明電池
A14)及び1個(本発明電池A15)であった。
性ポリマーを作製する際の電解液として、アニリン0.
3モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶
液300ccに代えて、メチルピロール0.2モル/リ
ットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300c
cを使用したこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製
方法と同様にして、本発明電池A13〜A15を作製し
た。硫酸イオン含有ポリメチルピロール中の硫酸イオン
の割合は、ポリメチルピロールを構成するモノマー単位
(メチルピロール)1個につき、それぞれ硫酸イオン
0.4個(本発明電池A13)、0.5個(本発明電池
A14)及び1個(本発明電池A15)であった。
【0055】(比較電池B9の作製)導電性ポリマーを
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300cc
に代えて、メチルピロール0.2モル/リットル及び硫
酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用した
こと以外は、比較電池B1の作製方法と同様にして、比
較電池B9を作製した。
作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リッ
トル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300cc
に代えて、メチルピロール0.2モル/リットル及び硫
酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用した
こと以外は、比較電池B1の作製方法と同様にして、比
較電池B9を作製した。
【0056】(比較電池B10の作製)導電性ポリマー
を作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リ
ットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リット
ルの水溶液300ccに代えて、メチルピロール0.2
モル/リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル
/リットルの水溶液300ccを使用したこと以外は、
比較電池B2の作製方法と同様にして、比較電池B10
を作製した。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリメ
チルピロール中のp−トルエンスルホン酸イオンの割合
は、ポリメチルピロールを構成するモノマー単位(メチ
ルピロール)1個につき、p−トルエンスルホン酸イオ
ン0.1個であった。
を作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リ
ットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リット
ルの水溶液300ccに代えて、メチルピロール0.2
モル/リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル
/リットルの水溶液300ccを使用したこと以外は、
比較電池B2の作製方法と同様にして、比較電池B10
を作製した。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリメ
チルピロール中のp−トルエンスルホン酸イオンの割合
は、ポリメチルピロールを構成するモノマー単位(メチ
ルピロール)1個につき、p−トルエンスルホン酸イオ
ン0.1個であった。
【0057】〈各電池の放電容量〉実験1と同じ条件の
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表5に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表5に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
【0058】
【表5】
【0059】表5に示すように、本発明電池A13〜A
15は、比較電池B9,B10に比べて、放電容量が大
きい。比較電池B9の放電容量が小さいのは、放電容量
が非水電解液のアニオン濃度によって規制されたからで
ある。また、比較電池B10の放電容量が小さいのは、
ドーパントとして使用されたアニオンが、高分子量で、
しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンであったた
めに、ポリメチルピロールに負(−)電荷を多量にドー
プすることができなかったからである。本発明電池の中
では、本発明電池A15の放電容量が最も大きく、本発
明電池A14の放電容量が2番目に大きく、本発明電池
A13の放電容量が最も小さい。これは、ポリメチルピ
ロールに硫酸イオンを含有せしめるための電解(陽極酸
化)を長時間行うほど、ポリメチルピロールの硫酸イオ
ン含有量が多くなり、それに伴って硫酸イオン含有ポリ
メチルピロールに付加されるLiの量が多くなったから
である。
15は、比較電池B9,B10に比べて、放電容量が大
きい。比較電池B9の放電容量が小さいのは、放電容量
が非水電解液のアニオン濃度によって規制されたからで
ある。また、比較電池B10の放電容量が小さいのは、
ドーパントとして使用されたアニオンが、高分子量で、
しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンであったた
めに、ポリメチルピロールに負(−)電荷を多量にドー
プすることができなかったからである。本発明電池の中
では、本発明電池A15の放電容量が最も大きく、本発
明電池A14の放電容量が2番目に大きく、本発明電池
A13の放電容量が最も小さい。これは、ポリメチルピ
ロールに硫酸イオンを含有せしめるための電解(陽極酸
化)を長時間行うほど、ポリメチルピロールの硫酸イオ
ン含有量が多くなり、それに伴って硫酸イオン含有ポリ
メチルピロールに付加されるLiの量が多くなったから
である。
【0060】(実験6)導電性ポリマーとしてポリアニ
リンを使用し、アニオン(イオン性ドーパント)として
リン酸イオンを使用してコイン型の本発明電池及び比較
電池を作製し、各電池の電池容量を調べた。
リンを使用し、アニオン(イオン性ドーパント)として
リン酸イオンを使用してコイン型の本発明電池及び比較
電池を作製し、各電池の電池容量を調べた。
【0061】(本発明電池A16〜A18の作製)導電
性ポリマーを作製する際の電解液として、アニリン0.
3モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶
液300ccに代えて、アニリン0.3モル/リットル
及びリン酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを
使用するとともに、導電性ポリマーにアニオンを含有せ
しめる際の電解液として、リン酸の0.3モル/リット
ル水溶液を使用し、電解時間を2時間、4時間又は8時
間としたこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製方法
と同様にして、本発明電池A16〜A18を作製した。
リン酸イオン含有ポリアニリン中のリン酸イオンの割合
は、ポリアニリンを構成するモノマー単位(アニリン)
1個につき、それぞれリン酸イオン0.4個(本発明電
池A16)、0.5個(本発明電池A17)及び1個
(本発明電池A18)であった。
性ポリマーを作製する際の電解液として、アニリン0.
3モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶
液300ccに代えて、アニリン0.3モル/リットル
及びリン酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを
使用するとともに、導電性ポリマーにアニオンを含有せ
しめる際の電解液として、リン酸の0.3モル/リット
ル水溶液を使用し、電解時間を2時間、4時間又は8時
間としたこと以外は、本発明電池A1〜A3の作製方法
と同様にして、本発明電池A16〜A18を作製した。
リン酸イオン含有ポリアニリン中のリン酸イオンの割合
は、ポリアニリンを構成するモノマー単位(アニリン)
1個につき、それぞれリン酸イオン0.4個(本発明電
池A16)、0.5個(本発明電池A17)及び1個
(本発明電池A18)であった。
【0062】(比較電池B11の作製)導電性ポリマー
を作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リ
ットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300c
cに代えて、アニリン0.3モル/リットル及びリン酸
0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用すると
ともに、導電性ポリマーからアニオンをアンドープする
際の電解液として、リン酸の0.3モル/リットル水溶
液を使用したこと以外は、比較電池B1の作製方法と同
様にして、比較電池B11を作製した。
を作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リ
ットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300c
cに代えて、アニリン0.3モル/リットル及びリン酸
0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用すると
ともに、導電性ポリマーからアニオンをアンドープする
際の電解液として、リン酸の0.3モル/リットル水溶
液を使用したこと以外は、比較電池B1の作製方法と同
様にして、比較電池B11を作製した。
【0063】〈各電池の放電容量〉実験1と同じ条件の
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表6に示す。表6には、比較電池B2の結果も表1よ
り転記して示してある。なお、いずれの電池も充放電効
率は100%であった。
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表6に示す。表6には、比較電池B2の結果も表1よ
り転記して示してある。なお、いずれの電池も充放電効
率は100%であった。
【0064】
【表6】
【0065】表6に示すように、本発明電池A16〜A
18は、比較電池B2,B11に比べて、放電容量が大
きい。比較電池B11の放電容量が小さいのは、放電容
量が非水電解液のアニオン濃度によって規制されたから
である。本発明電池の中では、本発明電池A18の放電
容量が最も大きく、本発明電池A17の放電容量が2番
目に大きく、本発明電池A16の放電容量が最も小さ
い。これは、ポリアニリンにリン酸イオンを含有せしめ
るための電解(陽極酸化)を長時間行うほど、ポリアニ
リンのリン酸イオン含有量が多くなり、それに伴ってリ
ン酸イオン含有ポリアニリンに付加されるLiの量が多
くなったからである。
18は、比較電池B2,B11に比べて、放電容量が大
きい。比較電池B11の放電容量が小さいのは、放電容
量が非水電解液のアニオン濃度によって規制されたから
である。本発明電池の中では、本発明電池A18の放電
容量が最も大きく、本発明電池A17の放電容量が2番
目に大きく、本発明電池A16の放電容量が最も小さ
い。これは、ポリアニリンにリン酸イオンを含有せしめ
るための電解(陽極酸化)を長時間行うほど、ポリアニ
リンのリン酸イオン含有量が多くなり、それに伴ってリ
ン酸イオン含有ポリアニリンに付加されるLiの量が多
くなったからである。
【0066】(実験7)化学的方法により作製した導電
性ポリマーを使用してコイン型の本発明電池及び比較電
池を作製し、各電池の電池容量を調べた。
性ポリマーを使用してコイン型の本発明電池及び比較電
池を作製し、各電池の電池容量を調べた。
【0067】(本発明電池19)硫酸0.1モル/リッ
トル及び過酸化水素0.1モル/リットルの水溶液30
0ccにアニリンを滴下して、ポリアニリンを作製し
た。このポリアニリンには硫酸イオンが少量含まれてい
る。このポリアニリンを硫酸0.3モル/リットル及び
過酸化水素0.3モル/リットルの水溶液に8時間浸漬
して、ポリアニリンに硫酸イオンを含有せしめた。硫酸
イオン含有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合を化学分
析して調べたところ、ポリアニリンを構成するモノマー
単位(アニリン)1個につき、硫酸イオン1個であっ
た。
トル及び過酸化水素0.1モル/リットルの水溶液30
0ccにアニリンを滴下して、ポリアニリンを作製し
た。このポリアニリンには硫酸イオンが少量含まれてい
る。このポリアニリンを硫酸0.3モル/リットル及び
過酸化水素0.3モル/リットルの水溶液に8時間浸漬
して、ポリアニリンに硫酸イオンを含有せしめた。硫酸
イオン含有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合を化学分
析して調べたところ、ポリアニリンを構成するモノマー
単位(アニリン)1個につき、硫酸イオン1個であっ
た。
【0068】上記の硫酸イオン含有ポリアニリンを、n
−ブチルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液
に浸漬して、硫酸イオン含有ポリアニリンにリチウムを
付加した後、乾燥し、SBR(スチレン−ブタジエンゴ
ム)の水分散液と混合してスラリー(SBR1重量%含
有)を調製し、このスラリーをステンレススチール金網
に塗布し、乾燥し、圧延し、直径19mmの円盤状に打
ち抜いて正極を作製した。この正極を使用したこと以外
は本発明電池A1〜A3の作製方法と同様にして、本発
明電池A19を作製した。
−ブチルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液
に浸漬して、硫酸イオン含有ポリアニリンにリチウムを
付加した後、乾燥し、SBR(スチレン−ブタジエンゴ
ム)の水分散液と混合してスラリー(SBR1重量%含
有)を調製し、このスラリーをステンレススチール金網
に塗布し、乾燥し、圧延し、直径19mmの円盤状に打
ち抜いて正極を作製した。この正極を使用したこと以外
は本発明電池A1〜A3の作製方法と同様にして、本発
明電池A19を作製した。
【0069】(比較電池12)硫酸0.1モル/リット
ル及び過酸化水素0.1モル/リットルの水溶液300
ccにアニリンを滴下して、ポリアニリンを作製した。
このポリアニリンを硫酸0.3モル/リットルの水溶液
に浸漬した液を電解液として、定電流密度0.5mA/
cm2 で1時間電解(陰極還元)して、ポリアニリンに
含まれる硫酸イオンを除去した。なお、化学分析によ
り、電解後のポリアニリンには硫酸イオンが実質的に含
まれていないことを確認した。このポリアニリンをSB
Rの水分散液と混合してスラリー(SBR1重量%含
有)を調製し、このスラリーをステンレススチール金網
に塗布し、乾燥し、圧延し、直径19mmの円盤状に打
ち抜いて、正極を作製した。この正極を使用したこと以
外は本発明電池A1〜A3の作製方法と同様にして、比
較電池B12を作製した。
ル及び過酸化水素0.1モル/リットルの水溶液300
ccにアニリンを滴下して、ポリアニリンを作製した。
このポリアニリンを硫酸0.3モル/リットルの水溶液
に浸漬した液を電解液として、定電流密度0.5mA/
cm2 で1時間電解(陰極還元)して、ポリアニリンに
含まれる硫酸イオンを除去した。なお、化学分析によ
り、電解後のポリアニリンには硫酸イオンが実質的に含
まれていないことを確認した。このポリアニリンをSB
Rの水分散液と混合してスラリー(SBR1重量%含
有)を調製し、このスラリーをステンレススチール金網
に塗布し、乾燥し、圧延し、直径19mmの円盤状に打
ち抜いて、正極を作製した。この正極を使用したこと以
外は本発明電池A1〜A3の作製方法と同様にして、比
較電池B12を作製した。
【0070】(比較電池13)p−トルエンスルホン酸
0.1モル/リットル及び過酸化水素0.1モル/リッ
トルの水溶液300ccにアニリンを滴下して、ポリア
ニリンを作製した。このポリアニリンにはp−トルエン
スルホン酸イオンが少量含まれている。このポリアニリ
ンをp−トルエンスルホン酸0.3モル/リットル及び
過酸化水素0.3モル/リットルの水溶液に8時間浸漬
して、ポリアニリンにp−トルエンスルホン酸イオンを
含有せしめた。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリ
アニリン中のp−トルエンスルホン酸イオンの割合を化
学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成するモノ
マー単位(アニリン)1個につき、p−トルエンスルホ
ン酸イオン0.1個であった。
0.1モル/リットル及び過酸化水素0.1モル/リッ
トルの水溶液300ccにアニリンを滴下して、ポリア
ニリンを作製した。このポリアニリンにはp−トルエン
スルホン酸イオンが少量含まれている。このポリアニリ
ンをp−トルエンスルホン酸0.3モル/リットル及び
過酸化水素0.3モル/リットルの水溶液に8時間浸漬
して、ポリアニリンにp−トルエンスルホン酸イオンを
含有せしめた。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリ
アニリン中のp−トルエンスルホン酸イオンの割合を化
学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成するモノ
マー単位(アニリン)1個につき、p−トルエンスルホ
ン酸イオン0.1個であった。
【0071】上記のp−トルエンスルホン酸イオン含有
ポリアニリンを、n−ブチルリチウムの0.1モル/リ
ットルヘキサン溶液に浸漬して、p−トルエンスルホン
酸イオン含有ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾
燥し、SBRの水分散液と混合してスラリー(SBR1
重量%含有)を調製し、このスラリーをステンレススチ
ール金網に塗布し、乾燥し、圧延し、直径19mmの円
盤状に打ち抜いて正極を作製した。この正極を使用した
こと以外は本発明電池A1〜A3の作製方法と同様にし
て、比較電池B13を作製した。
ポリアニリンを、n−ブチルリチウムの0.1モル/リ
ットルヘキサン溶液に浸漬して、p−トルエンスルホン
酸イオン含有ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾
燥し、SBRの水分散液と混合してスラリー(SBR1
重量%含有)を調製し、このスラリーをステンレススチ
ール金網に塗布し、乾燥し、圧延し、直径19mmの円
盤状に打ち抜いて正極を作製した。この正極を使用した
こと以外は本発明電池A1〜A3の作製方法と同様にし
て、比較電池B13を作製した。
【0072】〈各電池の放電容量〉実験1と同じ条件の
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表7に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表7に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
【0073】
【表7】
【0074】表7に示すように、本発明電池A19は、
比較電池B12,B13に比べて、放電容量が格段大き
い。比較電池B12の放電容量が小さいのは、放電容量
が非水電解液のアニオン濃度によって規制されたからで
ある。また、比較電池B13の放電容量が小さいのは、
ドーパントとして使用されたアニオンが、高分子量で、
しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンであったた
めに、ポリアニリンに負(−)電荷を多量にドープする
ことができなかったからである。
比較電池B12,B13に比べて、放電容量が格段大き
い。比較電池B12の放電容量が小さいのは、放電容量
が非水電解液のアニオン濃度によって規制されたからで
ある。また、比較電池B13の放電容量が小さいのは、
ドーパントとして使用されたアニオンが、高分子量で、
しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンであったた
めに、ポリアニリンに負(−)電荷を多量にドープする
ことができなかったからである。
【0075】(実験8)正極集電体に活性炭織布(多孔
性集電体)を使用して円筒型の本発明電池及び比較電池
を作製し、各電池の電池容量を調べた。また正極集電体
にステンレススチール金網を使用して円筒型の本発明電
池を作製し、正極集電体に活性炭織布を使用して作製し
た円筒型の本発明電池と、放電容量を比較した。
性集電体)を使用して円筒型の本発明電池及び比較電池
を作製し、各電池の電池容量を調べた。また正極集電体
にステンレススチール金網を使用して円筒型の本発明電
池を作製し、正極集電体に活性炭織布を使用して作製し
た円筒型の本発明電池と、放電容量を比較した。
【0076】(本発明電池A20〜A22の作製) 〔正極の作製〕アニリン0.3モル/リットル及び硫酸
0.2モル/リットルの水溶液300ccを電解液とし
て使用し、活性炭織布(クラレ社製、商品名「クラレク
ラクティブ」;比表面積2500m2 /g;寸法:幅4
cmm×長さ40cm×厚み0.05mm)を陽極とし
て使用して、定電流密度0.3mA/cm2 で8時間電
解(陽極酸化)して、活性炭織布上にポリアニリンを析
出させた。なお、このポリアニリンには硫酸イオンが少
量含まれている。
0.2モル/リットルの水溶液300ccを電解液とし
て使用し、活性炭織布(クラレ社製、商品名「クラレク
ラクティブ」;比表面積2500m2 /g;寸法:幅4
cmm×長さ40cm×厚み0.05mm)を陽極とし
て使用して、定電流密度0.3mA/cm2 で8時間電
解(陽極酸化)して、活性炭織布上にポリアニリンを析
出させた。なお、このポリアニリンには硫酸イオンが少
量含まれている。
【0077】上記のポリアニリンを孔内に有する活性炭
織布を陽極として使用し、0.3モル/リットル硫酸を
電解液として使用して、定電流密度0.5mA/cm2
で1時間、3時間又は6時間電解(陽極酸化)して、ポ
リアニリンに硫酸イオンを含有せしめた。硫酸イオン含
有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合を化学分析して調
べたところ、ポリアニリンを構成するモノマー単位(ア
ニリン)1個につき、それぞれ硫酸イオン0.4個(本
発明電池A20)、0.5個(本発明電池A21)及び
1個(本発明電池A22)であった。
織布を陽極として使用し、0.3モル/リットル硫酸を
電解液として使用して、定電流密度0.5mA/cm2
で1時間、3時間又は6時間電解(陽極酸化)して、ポ
リアニリンに硫酸イオンを含有せしめた。硫酸イオン含
有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合を化学分析して調
べたところ、ポリアニリンを構成するモノマー単位(ア
ニリン)1個につき、それぞれ硫酸イオン0.4個(本
発明電池A20)、0.5個(本発明電池A21)及び
1個(本発明電池A22)であった。
【0078】上記の硫酸イオン含有ポリアニリンを孔内
に有する活性炭織布を、n−ブチルリチウムの0.1モ
ル/リットルヘキサン溶液に浸漬して、硫酸イオン含有
ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥し、圧延し
て、活性炭織布を集電体とする3種の正極を作製した。
に有する活性炭織布を、n−ブチルリチウムの0.1モ
ル/リットルヘキサン溶液に浸漬して、硫酸イオン含有
ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥し、圧延し
て、活性炭織布を集電体とする3種の正極を作製した。
【0079】〔負極の作製〕天然黒鉛粉末98重量部と
CMC(カルボキシメチルセルロース)1重量部とを、
SBR1重量部の水分散液に添加混合してスラリーを調
製し、このスラリーを集電体としての銅箔にドクターブ
レード法により塗布し、乾燥して、負極を作製した。
CMC(カルボキシメチルセルロース)1重量部とを、
SBR1重量部の水分散液に添加混合してスラリーを調
製し、このスラリーを集電体としての銅箔にドクターブ
レード法により塗布し、乾燥して、負極を作製した。
【0080】〔非水電解液の調製〕エチレンカーボネー
トとジエチルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒
に、LiPF6 を1モル/リットル溶かして非水電解液
を調製した。
トとジエチルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒
に、LiPF6 を1モル/リットル溶かして非水電解液
を調製した。
【0081】〔電池の作製〕上記の正極、負極及び非水
電解液を使用して、常法により直径14mm、高さ50
mmの円筒型のリチウム二次電池(本発明電池)A20
〜A22を作製した。正極と負極は、間にセパレータを
挿入した状態で巻回して、渦巻電極体とした。セパレー
タには、イオン透過性のポリプロピレンフィルムを使用
した。
電解液を使用して、常法により直径14mm、高さ50
mmの円筒型のリチウム二次電池(本発明電池)A20
〜A22を作製した。正極と負極は、間にセパレータを
挿入した状態で巻回して、渦巻電極体とした。セパレー
タには、イオン透過性のポリプロピレンフィルムを使用
した。
【0082】(本発明電池A23〜A25の作製)正極
の作製において、活性炭織布に代えてステンレススチー
ル金網(400メッシュ)を使用したこと以外は本発明
電池A20〜A22の作製方法と同様にして、3種の円
筒型の本発明電池A23〜A25を作製した。硫酸イオ
ン含有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合を化学分析し
て調べたところ、ポリアニリンを構成するモノマー単位
(アニリン)1個につき、それぞれ硫酸イオン0.4個
(本発明電池A23)、0.5個(本発明電池A24)
及び1個(本発明電池A25)であった。
の作製において、活性炭織布に代えてステンレススチー
ル金網(400メッシュ)を使用したこと以外は本発明
電池A20〜A22の作製方法と同様にして、3種の円
筒型の本発明電池A23〜A25を作製した。硫酸イオ
ン含有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合を化学分析し
て調べたところ、ポリアニリンを構成するモノマー単位
(アニリン)1個につき、それぞれ硫酸イオン0.4個
(本発明電池A23)、0.5個(本発明電池A24)
及び1個(本発明電池A25)であった。
【0083】(比較電池B14の作製)アニリン0.3
モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液
300ccを電解液として使用し、活性炭織布(本発明
電池A20〜A22に使用したものと同じのもの)を陽
極として使用して、定電流密度0.3mA/cm2 で8
時間電解(陽極酸化)して、活性炭織布上にポリアニリ
ンを析出させた。このポリアニリンには硫酸イオンが少
量含まれている。
モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液
300ccを電解液として使用し、活性炭織布(本発明
電池A20〜A22に使用したものと同じのもの)を陽
極として使用して、定電流密度0.3mA/cm2 で8
時間電解(陽極酸化)して、活性炭織布上にポリアニリ
ンを析出させた。このポリアニリンには硫酸イオンが少
量含まれている。
【0084】上記のポリアニリンを孔内に有する活性炭
織布を陰極として使用し、硫酸の0.3モル/リットル
水溶液を電解液として使用して、定電流密度0.5mA
/cm2 で1時間電解(陰極還元)して、ポリアニリン
に含まれる硫酸イオンを除去した。なお、化学分析によ
り、電解後のポリアニリンには硫酸イオンが実質的に含
まれていないことを確認した。
織布を陰極として使用し、硫酸の0.3モル/リットル
水溶液を電解液として使用して、定電流密度0.5mA
/cm2 で1時間電解(陰極還元)して、ポリアニリン
に含まれる硫酸イオンを除去した。なお、化学分析によ
り、電解後のポリアニリンには硫酸イオンが実質的に含
まれていないことを確認した。
【0085】上記の硫酸イオンを実質的に含有しないポ
リアニリンを孔内に有する活性炭織布を、n−ブチルリ
チウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸漬し
て、ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥し、圧
延して、活性炭織布を集電体とする正極を作製した。こ
の正極を使用したこと以外は本発明電池A20〜A22
の作製方法と同様にして、比較電池B14を作製した。
リアニリンを孔内に有する活性炭織布を、n−ブチルリ
チウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸漬し
て、ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥し、圧
延して、活性炭織布を集電体とする正極を作製した。こ
の正極を使用したこと以外は本発明電池A20〜A22
の作製方法と同様にして、比較電池B14を作製した。
【0086】(比較電池B15の作製)アニリン0.3
モル/リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル
/リットルの水溶液300ccを電解液として使用し、
活性炭織布(本発明電池A20〜A22に使用したもの
と同じのもの)を陽極として使用して、定電流密度0.
3mA/cm2 で8時間電解(陽極酸化)して、活性炭
織布上にポリアニリンを析出させた。このポリアニリン
にはp−トルエンスルホン酸イオンが少量含まれてい
る。
モル/リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル
/リットルの水溶液300ccを電解液として使用し、
活性炭織布(本発明電池A20〜A22に使用したもの
と同じのもの)を陽極として使用して、定電流密度0.
3mA/cm2 で8時間電解(陽極酸化)して、活性炭
織布上にポリアニリンを析出させた。このポリアニリン
にはp−トルエンスルホン酸イオンが少量含まれてい
る。
【0087】上記のポリアニリンを有するステンレスス
チール金網を陽極として使用し、p−トルエンスルホン
酸の0.3モル/リットル水溶液を電解液として使用し
て、定電流密度0.5mA/cm2 で1時間電解(陽極
酸化)して、ポリアニリンにp−トルエンスルホン酸イ
オンを含有せしめて、p−トルエンスルホン酸イオン含
有ポリアニリンを得た。p−トルエンスルホン酸イオン
含有ポリアニリン中のp−トルエンスルホン酸イオンの
割合を化学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成
するモノマー単位(アニリン)1個につき、p−トルエ
ンスルホン酸イオン0.1個であった。
チール金網を陽極として使用し、p−トルエンスルホン
酸の0.3モル/リットル水溶液を電解液として使用し
て、定電流密度0.5mA/cm2 で1時間電解(陽極
酸化)して、ポリアニリンにp−トルエンスルホン酸イ
オンを含有せしめて、p−トルエンスルホン酸イオン含
有ポリアニリンを得た。p−トルエンスルホン酸イオン
含有ポリアニリン中のp−トルエンスルホン酸イオンの
割合を化学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成
するモノマー単位(アニリン)1個につき、p−トルエ
ンスルホン酸イオン0.1個であった。
【0088】上記のp−トルエンスルホン酸イオン含有
ポリアニリンを孔内に有する活性炭織布を、n−ブチル
リチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸漬し
て、p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリアニリンに
リチウムを付加した後、乾燥し、圧延し、直径19mm
の円盤状に打ち抜いて、活性炭織布を集電体とする正極
を作製した。この正極を使用したこと以外は本発明電池
A20〜A22の作製方法と同様にして、比較電池B1
5を作製した。
ポリアニリンを孔内に有する活性炭織布を、n−ブチル
リチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸漬し
て、p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリアニリンに
リチウムを付加した後、乾燥し、圧延し、直径19mm
の円盤状に打ち抜いて、活性炭織布を集電体とする正極
を作製した。この正極を使用したこと以外は本発明電池
A20〜A22の作製方法と同様にして、比較電池B1
5を作製した。
【0089】〈各電池の放電容量〉各電池を100mA
で4.2Vまで充電した後、100mAで2.7Vまで
放電して、放電容量を調べた。結果を表8に示す。な
お、いずれの電池も充放電効率は100%であった。
で4.2Vまで充電した後、100mAで2.7Vまで
放電して、放電容量を調べた。結果を表8に示す。な
お、いずれの電池も充放電効率は100%であった。
【0090】
【表8】
【0091】表8に示すように、本発明電池A20〜A
25は、比較電池B14,B15に比べて、放電容量が
格段大きい。比較電池B14の放電容量が小さいのは、
放電容量が非水電解液のアニオン濃度によって規制され
たからである。また、比較電池B15の放電容量が小さ
いのは、ドーパントとして使用されたアニオンが、高分
子量で、しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンで
あったために、ポリアニリンに負(−)電荷を多量にド
ープすることができなかったからである。本発明電池の
中でも本発明電池A20〜A22の放電容量が特に大き
い。これは、正極作製時の加圧成形(圧延)の際に、硫
酸イオン含有ポリアニリンが圧縮されにくかったため
に、放電時に電解液の供給不足が起こりにくかったため
である。
25は、比較電池B14,B15に比べて、放電容量が
格段大きい。比較電池B14の放電容量が小さいのは、
放電容量が非水電解液のアニオン濃度によって規制され
たからである。また、比較電池B15の放電容量が小さ
いのは、ドーパントとして使用されたアニオンが、高分
子量で、しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンで
あったために、ポリアニリンに負(−)電荷を多量にド
ープすることができなかったからである。本発明電池の
中でも本発明電池A20〜A22の放電容量が特に大き
い。これは、正極作製時の加圧成形(圧延)の際に、硫
酸イオン含有ポリアニリンが圧縮されにくかったため
に、放電時に電解液の供給不足が起こりにくかったため
である。
【0092】(実験9)導電性ポリマーとしてポリピロ
ールを使用して円筒型の本発明電池及び比較電池を作製
し、各電池の電池容量を調べた。
ールを使用して円筒型の本発明電池及び比較電池を作製
し、各電池の電池容量を調べた。
【0093】(本発明電池A26〜A28の作製)導電
性ポリマーを作製する際の電解液として、アニリン0.
3モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶
液300ccに代えて、ピロール0.2モル/リットル
及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使
用したこと以外は、本発明電池A20〜A22の作製方
法と同様にして、本発明電池A26〜A28を作製し
た。硫酸イオン含有ポリピロール中の硫酸イオンの割合
は、ポリピロールを構成するモノマー単位(ピロール)
1個につき、それぞれ硫酸イオン0.4個(本発明電池
A26)、0.5個(本発明電池A27)及び1個(本
発明電池A28)であった。
性ポリマーを作製する際の電解液として、アニリン0.
3モル/リットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶
液300ccに代えて、ピロール0.2モル/リットル
及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300ccを使
用したこと以外は、本発明電池A20〜A22の作製方
法と同様にして、本発明電池A26〜A28を作製し
た。硫酸イオン含有ポリピロール中の硫酸イオンの割合
は、ポリピロールを構成するモノマー単位(ピロール)
1個につき、それぞれ硫酸イオン0.4個(本発明電池
A26)、0.5個(本発明電池A27)及び1個(本
発明電池A28)であった。
【0094】(比較電池B16の作製)導電性ポリマー
を作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リ
ットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300c
cに代えて、ピロール0.2モル/リットル及び硫酸
0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用したこ
と以外は、比較電池B14の作製方法と同様にして、比
較電池B16を作製した。
を作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リ
ットル及び硫酸0.2モル/リットルの水溶液300c
cに代えて、ピロール0.2モル/リットル及び硫酸
0.2モル/リットルの水溶液300ccを使用したこ
と以外は、比較電池B14の作製方法と同様にして、比
較電池B16を作製した。
【0095】(比較電池B17の作製)導電性ポリマー
を作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リ
ットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リット
ルの水溶液300ccに代えて、ピロール0.2モル/
リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リッ
トルの水溶液300ccを使用したこと以外は、比較電
池B15の作製方法と同様にして、比較電池B17を作
製した。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリピロー
ル中のp−トルエンスルホン酸イオンの割合を化学分析
して調べたところ、ポリピロールを構成するモノマー単
位(ピロール)1個につき、p−トルエンスルホン酸イ
オン0.1個であった。
を作製する際の電解液として、アニリン0.3モル/リ
ットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リット
ルの水溶液300ccに代えて、ピロール0.2モル/
リットル及びp−トルエンスルホン酸0.2モル/リッ
トルの水溶液300ccを使用したこと以外は、比較電
池B15の作製方法と同様にして、比較電池B17を作
製した。p−トルエンスルホン酸イオン含有ポリピロー
ル中のp−トルエンスルホン酸イオンの割合を化学分析
して調べたところ、ポリピロールを構成するモノマー単
位(ピロール)1個につき、p−トルエンスルホン酸イ
オン0.1個であった。
【0096】〈各電池の放電容量〉実験8と同じ条件の
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表9に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表9に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は10
0%であった。
【0097】
【表9】
【0098】表9に示すように、本発明電池A26〜A
28は、比較電池B16,B17に比べて、放電容量が
格段大きい。比較電池B16の放電容量が小さいのは、
放電容量が非水電解液のアニオン濃度によって規制され
たからである。また、比較電池B17の放電容量が小さ
いのは、ドーパントとして使用されたアニオンが、高分
子量で、しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンで
あったために、ポリアニリンに負(−)電荷を多量にド
ープすることができなかったからである。
28は、比較電池B16,B17に比べて、放電容量が
格段大きい。比較電池B16の放電容量が小さいのは、
放電容量が非水電解液のアニオン濃度によって規制され
たからである。また、比較電池B17の放電容量が小さ
いのは、ドーパントとして使用されたアニオンが、高分
子量で、しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンで
あったために、ポリアニリンに負(−)電荷を多量にド
ープすることができなかったからである。
【0099】(実験10)正極集電体に発泡アルミニウ
ム(多孔性集電体)を使用して円筒型の本発明電池及び
比較電池を作製し、各電池の電池容量を調べた。
ム(多孔性集電体)を使用して円筒型の本発明電池及び
比較電池を作製し、各電池の電池容量を調べた。
【0100】(本発明電池A29の作製)発泡アルミニ
ウム(住友金属工業社製、商品名「セルメット」;多孔
度98%以上)をアニリンに3時間浸漬した後、硫酸
0.1モル/リットル及び過酸化水素0.1モル/リッ
トルの水溶液100ccに浸漬して、発泡アルミニウム
の孔内にポリアニリンを進入せしめた。ポリアニリンに
は、硫酸イオンが少量含まれている。次いで、上記発泡
アルミニウムを硫酸0.3モル/リットル及び過酸化水
素0.3モル/リットルの水溶液に8時間浸漬して、ポ
リアニリンに硫酸イオンを含有せしめた。硫酸イオン含
有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合を化学分析して調
べたところ、ポリアニリンを構成するモノマー単位(ア
ニリン)1個につき、硫酸イオン1個であった。
ウム(住友金属工業社製、商品名「セルメット」;多孔
度98%以上)をアニリンに3時間浸漬した後、硫酸
0.1モル/リットル及び過酸化水素0.1モル/リッ
トルの水溶液100ccに浸漬して、発泡アルミニウム
の孔内にポリアニリンを進入せしめた。ポリアニリンに
は、硫酸イオンが少量含まれている。次いで、上記発泡
アルミニウムを硫酸0.3モル/リットル及び過酸化水
素0.3モル/リットルの水溶液に8時間浸漬して、ポ
リアニリンに硫酸イオンを含有せしめた。硫酸イオン含
有ポリアニリン中の硫酸イオンの割合を化学分析して調
べたところ、ポリアニリンを構成するモノマー単位(ア
ニリン)1個につき、硫酸イオン1個であった。
【0101】上記の硫酸イオン含有ポリアニリンを、n
−ブチルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液
に浸漬して、硫酸イオン含有ポリアニリンにリチウムを
付加し、乾燥した後、SBRの水分散液と混合してスラ
リー(SBR1重量%含有)を調製し、このスラリーを
ステンレススチール金網に塗布し、乾燥し、圧延して、
直径19mmの円盤状に打ち抜いて正極を作製した。こ
の正極を使用したこと以外は本発明電池A20〜A22
の作製方法と同様にして、本発明電池A29を作製し
た。
−ブチルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液
に浸漬して、硫酸イオン含有ポリアニリンにリチウムを
付加し、乾燥した後、SBRの水分散液と混合してスラ
リー(SBR1重量%含有)を調製し、このスラリーを
ステンレススチール金網に塗布し、乾燥し、圧延して、
直径19mmの円盤状に打ち抜いて正極を作製した。こ
の正極を使用したこと以外は本発明電池A20〜A22
の作製方法と同様にして、本発明電池A29を作製し
た。
【0102】(比較電池B18の作製)発泡アルミニウ
ム(本発明電池A29に使用したものと同じもの)をア
ニリンに3時間浸漬した後、硫酸0.1モル/リットル
及び過酸化水素0.1モル/リットルの水溶液100c
cに浸漬して、発泡アルミニウムの孔内にポリアニリン
を進入せしめた。ポリアニリンには、硫酸イオンが少量
含まれている。
ム(本発明電池A29に使用したものと同じもの)をア
ニリンに3時間浸漬した後、硫酸0.1モル/リットル
及び過酸化水素0.1モル/リットルの水溶液100c
cに浸漬して、発泡アルミニウムの孔内にポリアニリン
を進入せしめた。ポリアニリンには、硫酸イオンが少量
含まれている。
【0103】上記のポリアニリンを孔内に有する発泡ア
ルミニウムを陰極として使用し、硫酸の0.3モル/リ
ットル水溶液を電解液として使用して、定電流密度0.
5mA/cm2 で1時間電解(陰極還元)して、ポリア
ニリンに含まれる硫酸イオンを除去した。なお、化学分
析により、電解後のポリアニリンには硫酸イオンが実質
的に含まれていないことを確認した。
ルミニウムを陰極として使用し、硫酸の0.3モル/リ
ットル水溶液を電解液として使用して、定電流密度0.
5mA/cm2 で1時間電解(陰極還元)して、ポリア
ニリンに含まれる硫酸イオンを除去した。なお、化学分
析により、電解後のポリアニリンには硫酸イオンが実質
的に含まれていないことを確認した。
【0104】上記の硫酸イオンを実質的に含有しないポ
リアニリンを孔内に有する発泡アルミニウムを、n−ブ
チルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸
漬して、ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥
し、圧延して、発泡アルミニウムを集電体とする正極を
作製した。この正極を使用したこと以外は本発明電池A
20〜A22の作製方法と同様にして、円筒型の比較電
池B18を作製した。
リアニリンを孔内に有する発泡アルミニウムを、n−ブ
チルリチウムの0.1モル/リットルヘキサン溶液に浸
漬して、ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾燥
し、圧延して、発泡アルミニウムを集電体とする正極を
作製した。この正極を使用したこと以外は本発明電池A
20〜A22の作製方法と同様にして、円筒型の比較電
池B18を作製した。
【0105】(比較電池B19の作製)発泡アルミニウ
ム(本発明電池A29に使用したものと同じもの)をア
ニリンに3時間浸漬した後、硫酸0.1モル/リットル
及び過酸化水素0.1モル/リットルの水溶液100c
cに浸漬して、発泡アルミニウムの孔内にポリアニリン
を生成せしめた。ポリアニリンには、硫酸イオンが少量
含まれている。
ム(本発明電池A29に使用したものと同じもの)をア
ニリンに3時間浸漬した後、硫酸0.1モル/リットル
及び過酸化水素0.1モル/リットルの水溶液100c
cに浸漬して、発泡アルミニウムの孔内にポリアニリン
を生成せしめた。ポリアニリンには、硫酸イオンが少量
含まれている。
【0106】上記の発泡アルミニウムを、p−トルエン
スルホン酸0.3モル/リットル及び過酸化水素0.3
モル/リットルの水溶液に8時間浸漬して、ポリアニリ
ンにp−トルエンスルホン酸イオンを含有せしめた。p
−トルエンスルホン酸イオン含有ポリアニリン中のp−
トルエンスルホン酸イオンの割合を化学分析して調べた
ところ、ポリアニリンを構成するモノマー単位(アニリ
ン)1個につき、p−トルエンスルホン酸イオン0.1
個であった。
スルホン酸0.3モル/リットル及び過酸化水素0.3
モル/リットルの水溶液に8時間浸漬して、ポリアニリ
ンにp−トルエンスルホン酸イオンを含有せしめた。p
−トルエンスルホン酸イオン含有ポリアニリン中のp−
トルエンスルホン酸イオンの割合を化学分析して調べた
ところ、ポリアニリンを構成するモノマー単位(アニリ
ン)1個につき、p−トルエンスルホン酸イオン0.1
個であった。
【0107】上記のp−トルエンスルホン酸イオン含有
ポリアニリンを、n−ブチルリチウムの0.1モル/リ
ットルヘキサン溶液に浸漬して、p−トルエンスルホン
酸イオン含有ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾
燥し、圧延して、正極を作製した。この正極を使用した
こと以外は本発明電池A20〜A22の作製方法と同様
にして、円筒型の比較電池B19を作製した。
ポリアニリンを、n−ブチルリチウムの0.1モル/リ
ットルヘキサン溶液に浸漬して、p−トルエンスルホン
酸イオン含有ポリアニリンにリチウムを付加した後、乾
燥し、圧延して、正極を作製した。この正極を使用した
こと以外は本発明電池A20〜A22の作製方法と同様
にして、円筒型の比較電池B19を作製した。
【0108】〈各電池の放電容量〉実験8と同じ条件の
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表10に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は1
00%であった。
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表10に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は1
00%であった。
【0109】
【表10】
【0110】表10に示すように、本発明電池A29
は、比較電池B18,B19に比べて、放電容量が格段
大きい。比較電池B18の放電容量が小さいのは、放電
容量が非水電解液のアニオン濃度によって規制されたか
らである。また、比較電池B19の放電容量が小さいの
は、ドーパントとして使用されたアニオンが、高分子量
で、しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンであっ
たために、ポリアニリンに負(−)電荷を多量にドープ
することができなかったからである。
は、比較電池B18,B19に比べて、放電容量が格段
大きい。比較電池B18の放電容量が小さいのは、放電
容量が非水電解液のアニオン濃度によって規制されたか
らである。また、比較電池B19の放電容量が小さいの
は、ドーパントとして使用されたアニオンが、高分子量
で、しかも1価のp−トルエンスルホン酸イオンであっ
たために、ポリアニリンに負(−)電荷を多量にドープ
することができなかったからである。
【0111】(実験11)正極集電体に活性炭織布を使
用してコイン型の本発明電池を作製し、正極集電体にス
テンレススチール金網を使用して作製したコイン型の本
発明電池と、放電容量を比較した。
用してコイン型の本発明電池を作製し、正極集電体にス
テンレススチール金網を使用して作製したコイン型の本
発明電池と、放電容量を比較した。
【0112】(本発明電池A30〜A32の作製)正極
集電体として、ステンレススチール金網に代えて、活性
炭織布(本発明電池20〜A22に使用したものと同じ
もの)を使用したこと以外は本発明電池A1〜A3の作
製方法と同様にして、本発明電池A30〜A32を作製
した。硫酸イオン含有ポリアニリン中の硫酸イオンの割
合を化学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成す
るモノマー単位(アニリン)1個につき、それぞれ硫酸
イオン0.4個(本発明電池A30)、0.5個(本発
明電池A31)及び1個(本発明電池A32)であっ
た。
集電体として、ステンレススチール金網に代えて、活性
炭織布(本発明電池20〜A22に使用したものと同じ
もの)を使用したこと以外は本発明電池A1〜A3の作
製方法と同様にして、本発明電池A30〜A32を作製
した。硫酸イオン含有ポリアニリン中の硫酸イオンの割
合を化学分析して調べたところ、ポリアニリンを構成す
るモノマー単位(アニリン)1個につき、それぞれ硫酸
イオン0.4個(本発明電池A30)、0.5個(本発
明電池A31)及び1個(本発明電池A32)であっ
た。
【0113】〈各電池の放電容量〉実験8と同じ条件の
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表11に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は1
00%であった。
充放電試験を行って、各電池の放電容量を調べた。結果
を表11に示す。なお、いずれの電池も充放電効率は1
00%であった。
【0114】
【表11】
【0115】表11に示すように、本発明電池A30は
本発明電池A1に比べて、本発明電池A31は本発明電
池A2に比べて、本発明電池A32は本発明電池A3に
比べて、それぞれ放電容量が大きい。これは、正極作製
時の加圧成形の際に、硫酸イオン含有ポリアニリンが圧
縮されにくかったために、放電時に電解液の供給不足が
起こりにくかったこと、によるものである。
本発明電池A1に比べて、本発明電池A31は本発明電
池A2に比べて、本発明電池A32は本発明電池A3に
比べて、それぞれ放電容量が大きい。これは、正極作製
時の加圧成形の際に、硫酸イオン含有ポリアニリンが圧
縮されにくかったために、放電時に電解液の供給不足が
起こりにくかったこと、によるものである。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、放電容量の大きい非水
電解液二次電池が提供される。
電解液二次電池が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 BB02 BB04 BB35 BC04 5H014 AA02 AA04 EE03 EE05 EE07 5H017 AA03 AS02 CC01 EE01 EE06 5H029 AJ03 AK16 AL07 AM03 AM05 AM06 BJ03 DJ07 EJ01 EJ04
Claims (4)
- 【請求項1】非水電解液に実質的に溶解しないアニオン
を導電性ポリマーに含有せしめて成るアニオン含有カチ
オン吸蔵材を正極材料とする非水電解液二次電池におい
て、前記アニオンがSO4 2- 及びPO3 3- から選ばれた
少なくとも1種の多価アニオンであることを特徴とする
非水電解液二次電池。 - 【請求項2】前記導電性ポリマーが、ポリピロール、ポ
リアニリン、ポリチオフェン、ポリフラン又はこれらの
誘導体である請求項1記載の非水電解液二次電池。 - 【請求項3】前記アニオン含有カチオン吸蔵材の少なく
とも一部が多孔性集電体の孔内に収容されている請求項
1記載の非水電解液二次電池。 - 【請求項4】前記多孔性集電体が、金属発泡体又は炭素
織布である請求項1記載の非水電解液二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10208698A JP2000030692A (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | 非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10208698A JP2000030692A (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | 非水電解液二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000030692A true JP2000030692A (ja) | 2000-01-28 |
Family
ID=16560603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10208698A Pending JP2000030692A (ja) | 1998-07-08 | 1998-07-08 | 非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000030692A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014065198A1 (ja) * | 2012-10-26 | 2014-05-01 | 日東電工株式会社 | カチオン移動型蓄電デバイス、それに用いる電極並びに多孔質シート、およびドープ率向上方法 |
KR101516500B1 (ko) * | 2012-12-21 | 2015-05-04 | 다이요 유덴 가부시키가이샤 | 전기 화학 디바이스 |
WO2015115242A1 (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 日東電工株式会社 | 非水電解液二次電池 |
WO2015115243A1 (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 日東電工株式会社 | 非水電解液二次電池 |
WO2017090231A1 (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-01 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気化学デバイスおよびその製造方法 |
WO2018062337A1 (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気化学デバイス |
CN114639878A (zh) * | 2020-12-16 | 2022-06-17 | 中国科学院理化技术研究所 | 一种基于低聚物的水系锂离子电池电解液及其应用 |
-
1998
- 1998-07-08 JP JP10208698A patent/JP2000030692A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014065198A1 (ja) * | 2012-10-26 | 2014-05-01 | 日東電工株式会社 | カチオン移動型蓄電デバイス、それに用いる電極並びに多孔質シート、およびドープ率向上方法 |
KR101516500B1 (ko) * | 2012-12-21 | 2015-05-04 | 다이요 유덴 가부시키가이샤 | 전기 화학 디바이스 |
WO2015115242A1 (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 日東電工株式会社 | 非水電解液二次電池 |
WO2015115243A1 (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-06 | 日東電工株式会社 | 非水電解液二次電池 |
WO2017090231A1 (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-01 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気化学デバイスおよびその製造方法 |
CN108292568A (zh) * | 2015-11-27 | 2018-07-17 | 松下知识产权经营株式会社 | 电化学设备及其制造方法 |
EP3382729A4 (en) * | 2015-11-27 | 2018-12-26 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Electrochemical device and method for manufacturing same |
WO2018062337A1 (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気化学デバイス |
CN109792087A (zh) * | 2016-09-30 | 2019-05-21 | 松下知识产权经营株式会社 | 电化学装置 |
CN109792087B (zh) * | 2016-09-30 | 2022-05-31 | 松下知识产权经营株式会社 | 电化学装置 |
CN114639878A (zh) * | 2020-12-16 | 2022-06-17 | 中国科学院理化技术研究所 | 一种基于低聚物的水系锂离子电池电解液及其应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10529997B2 (en) | Redox flow battery including permeation preventer for retaining insoluble active material in electrolytic solution container | |
JP5430920B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
KR101264332B1 (ko) | 캐소드 활물질 및 이를 채용한 리튬 전지 | |
JP3213459B2 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP3249305B2 (ja) | 非水電解液電池 | |
JP4841133B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2016042490A (ja) | カソード活性材料、電極及びリチウムイオン移動度及び電池容量が改良された二次バッテリー | |
JP2007234565A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2006196250A (ja) | リチウム二次電池 | |
CN106030873A (zh) | 非水电解质二次电池用正极活性物质 | |
KR101015741B1 (ko) | 비수 전해질 이차 전지 | |
JP2003308875A (ja) | 非水系二次電池 | |
JP2008091236A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP5036121B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2019046589A (ja) | 水系電解液及び水系リチウムイオン二次電池 | |
JP4902163B2 (ja) | 二次電池用非水電解液及び非水電解液二次電池 | |
US20220384855A1 (en) | Dual electrolyte approach for high voltage batteries | |
JP2003223887A (ja) | 非水系二次電池 | |
JP3574072B2 (ja) | ゲル状高分子電解質リチウム二次電池 | |
JP3883726B2 (ja) | 非水系電解質二次電池 | |
JP2019053930A (ja) | 水系リチウムイオン二次電池 | |
JP4259900B2 (ja) | リチウム二次電池 | |
JP2000030692A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP2007207443A (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP2008282617A (ja) | リチウムイオン二次電池 |