記録装置および記録方法
技術分野
本発明は、 インクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置、 およびインクジェット記録装置における画像の形成方法に関するもので、 特に、異なる大きさのィンク滴を吐出できる構成のィンクジェット記録装 明
置、 および画像形成方法に関する。
食
背景技術
従来、紙、 O H P用シートなどの記録媒体に対して記綠を行う記録装置 としては、種々の記録方式による記録へッドを搭載した形態で提案されて いる。 この記録へッドには、 ワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、 ンクジエツト方式によるものなどがあり、特に、インクジエツト方式は、 記録用紙に直接インクを噴射するものであるので、ランニングコストが安 '<、 静粛性に優れた記録動作が可能な方式として注目されている。
; インクジヱット方式の記録装置において、インクを噴射する記録へッド 内部には、 インク滴を射出するため多数のノズル (吐出口、 記録素子) が 構成されている。このノズル内には記録媒体に記録を行うためのィンクが 充填されている。 文字や画像等を記録する場合には、各々のノズルから記 ®データ (画像データ) に対応したものが適時選択され、 インク滴を吐出 して記録を行っていく。 このインクを吐出ざせる方法としては、 ノズル内 に設けられたヒータの熱エネルギーを吐出のエネルギ に変換するもの や、振動を与える素子の機械エネルギーを吐出のエネルギーに変換するも のがある。
' また、 上記のようなインクジ: πット方式の記録装置には、記録ヘッドを 搭載したキヤリッジが記録へッドに配列されたノズルと略垂直方向へ往
復移動しながら記録するシリアルスキャン型 (キヤリッジ走査型) のもの や、記録を行う記録媒体の幅とほぼ同じ幅の記録へッドを用いて記録を行 うマルチスキャン型のものがある。 シリアルスキャン型の記録装置は、 キ ャリ ッジ走査によって記録へッドに具備された多数のノズルを記録情報 に基づいて駆動して 1走査記録領域の記録を行った後、記録媒体をキヤリ ッジの進行方向に対して略垂直な方向に所定量だけ相対的に搬送する構 成となっている。この記録走査と記録媒体の搬送とを交互に行うことによ つて所定の画像が形成される。 さらに、 マルチスキャン方の記録装置は、 記録へッドに配列されたノズル列と略垂直方向に記録媒体を搬送しなが ら、 記録を行うことで画像を形成する。
近年、 インクジヱット記録装置の普及とともに、 出力画像の高画質化が 求められている。画質を向上させるためには粒状感を低減させることが有 効であり、 そのためには、曾 5録へッドから吐出するインク滴を小さくして 記録媒体上にインクを細かぐ配置させる技術が提案されている。
記録媒体上にインクを細がく配置させるためには、記録へッドの駆動周 波数を高くしてインクを吐出する間隔を短く したり、記録へッドにノズル を高密度に配列させたりすればよい。 しかしながら、 記録へッドの駆動周 波数を高く しすぎると、記録へッドからインク滴を吐出した後に、 ノズル 内へのインクの供給が追いつかず次のィンク.滴を吐出できなくなってし まう。 そのため、記録へッド.' 'の構成により決定される駆動周波数以上の細 かさで記録媒体にィンクを配置.させたいときには、記録へッドの構成によ り決定される吐出可能な駆動周波数により記録走査を行い、 かつ、 同じ記 録領域に対して複数回の記録へッドの記録走査でィンクを吐出させれば よい。 このとき、 先の記録^查と、 後の記録走查とでインク滴の着弾位置 が異なるよう、記録へッドからインク滴を吐出させるタイミングを異なら せる必要がある。このように同じ記録領域に対して複数回の記録走査によ
つて記録をおこなうことで、記録媒体上にィンクを細かく配置させること ができるが、 スループットが低下してしまう。 ·
この問題を解決するために、比較的大きな容量のインク滴と、比較的小 さな容量のインク滴を吐出可能な記録へッドを用いて、テキストデータの ように画像品位よりも高速記録が求められるような場合には大きなィン ク滴を記録媒体上に粗く配置させ、,写真などの画像データのように記録速 度よりも画像品位が求められる場合には小さなインク滴を記録媒体上に 細かく配置させることで、高速記録ならびに高画質記録を両立させる方法 がある (例えば、 特許文献 1 ) 。 記録ヘッドから異なる大きさのインク滴 を吐出させる方法として、ヒータやピエゾ素子に印加する電流や電圧を制 御する 'ことにより吐出の際にィンクに与えるエネルギーを変化させる方 法や、比較的大きなインク滴を吐出させるノズルと比較的小さなインク滴 を吐出させるノズルを記録へッドに配置する方法などが ¾げられる。 特許文献 1 特開 2 0 0 2— 0 8 6 7 6 0号公報 - 発明の開示
発明が解決しょうとする課題 :- (第 1の課題)
しかしながら、大きなインク滴と小さなインク滴の記録媒体上での着弾 位置のずれ量が同じであった場合、小さいィンク滴を記録媒体上に高密度 に配置して記録したときの方が、大きなィンク滴を低い密度で配置して記 録したときょりも画質の劣化が目立ちやすい。
また、 記録媒体を搬送する際に、記録媒体が搬送ローラと排紙ローラの 両方で支持されて搬送されるときは高い精度で搬送する.ことが可能であ るが、記録媒体の給紙直後ゃ排紙直前などどちらか一方のみで支持されて 搬送されるときには搬送精度は劣化する。 具体的には、 記録媒体の先端が 排紙ローラに到達する前の先端領域と、記録媒体の後端が搬送ローラから
離間した後の後端領域が、 搬送精度の劣化する領域である。 そのため、 記 録媒体の先端と後端の領域では、吐出されたインク滴の着弾位置がずれて しまい画質が劣化してしまう。
したがって、搬送精度が低下する記録媒体の先端と後端の領域では、 小 さいインク滴を高密度に配置して印字を行うと、特にムラなどの画質不良 が発生しやすくなるという問題があった。
(第 2の課題)
ィンクジェット記録装置の画質が高解像度、高品質化するにつれて用途 が拡大し記録媒体への画像形成態様も様々な物が要求され、例えばデジタ ルカメラ等で写した画像をィンクジエツト記録装置で出力する際には、記 録媒体の周縁部に余白を設けず全面に画像を記録することで、印画紙に出 力した写真同様の出力結果、 いわゆる縁無し記録を行っている。 この縁無 し記録は、記録媒体よりも広い範囲にィンク滴を吐出させることで実現し ている。 記録媒体よりも外側の領域のインクを吐出する位置には、 インク を吸収する部材 (インク吸収体) を設けることで記録装置.内が'汚れてしま うことを防いでいる。
また、吐出されたィンク滴が記録媒体またはィンク吸収体に到着するま でに蒸発してしまうことにより、 ィンク滴が記録媒体の表面、 またはィン ク吸収体の表面まで到達せずにミストとなって記録装置内部に拡散する ことがある。 記録へッドのノズル形成面からの距離が、記録媒体の表面よ りもインク吸収体の表面までの方が遠い位置にあるため、記録媒体よりも 外側の領域においてィンク滴が吐出された場合はミストが発生しやすく なる。 さらに、 小さい容量のインク滴は熱容量が小さいため大きいインク 滴より蒸発しゃすく、小さなィンク滴で記録を行う方がミス トの発生が多 くなる。
したがって、記録媒体よりも外側の領域に小さいインク滴で記録を行う
ともつともミストが発生しやすくなる。. ミストが記録装置内に拡散するこ とによって、搬送ローラに付着したミス トにより記録媒体が汚れたり、 ガ ィ ドシャフトに付着してミストによりキヤリッジの動作が阻害されたり する。 さらに、 キヤリッジゃ記録媒体の移動速度や位置制御のために光学 系のエンコーダを用いる場合には、インクミストが光を遮ることにより正 常な制御が出来なくなり、速度制御や停止位置制御が異常になるなど記録 装置にさまざまな問題を起こすことがある。
本発明は、 これらの問題を鑑みてなされたもので、 異なる大きさのイン ク滴を吐出可能なィンクジェット記録装置において、所定の記録領域に対 して記録を行うときに画質の低下を低減させることを目的とする。 さらに、 本発明は、所定の記録領域に対して記録を行うときにミストの発生を低減 させることを目的とする。
課題を解決するための手段 '
本発明は、記録媒体上に複数のドット径でドットを形成することが可能 な記録へッドを用いて前記記録媒体上に画像を記録する記録装置におい て、前記記録媒体を含む記録領域のうちの前記記録へッドによる記録が行 われる領域を判断する判断手段と、前記判断手段により前記記録媒体の端 部近傍 領域に記録を行うと判断されたときには、前記複数のドット径の うち相対的に小さいドット径で形成されるドットの吐出頻度 低くなる よう変更する記録制御手段と、 を有することを特徴とする。
また、本発明は、異なる容量のィンク滴を吐出可能な記録へッドを用い、 記録媒体に画像データに基いた記録を行う記録装置において、前記記録へ ッドによる記録領域のうち、 記録が行われる領域を判断する判断手段と、 前記判断手段の判断結果に応じて、前記異なる容量のィンク滴それぞれに よる記録の割合を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された割 合で、 前記異なる容量のィンク瀹それぞれによる記録を行う記録手段と、
を備えることを特徴とする。
さらに、本発明は、記録媒体上に複数のドット径でドットを形成するこ とが可能な記録へッドを用いて前記記録媒体上に画像を記録する記録装 置における記録方法であって、
前記記録媒体を含む記録領域の.うちの前記記録へッドによる記録が行 われる領域を判断する判断工程と、前記判断工程において前記記録媒体の 端部近傍の領域に記録を行うと判断されたときには、前記複数のドット径 のうち相対的に小さいドット径で形成されるドットの吐出頻度が低くな るよう変更する変更工程と、前記変更ェ mによって変更された吐出頻度で ドットを形成する記録工程と、 を備えることを特徴とする。
さらにまた、本発明は、異なる容量のインク滴を吐出可能な記録へッド を用.い、記録媒体に画像データに基いた記録を行う記録装置において、前 記記録へッドによる記録領域のうち、記録が行われる領域を判断する判断 工程と、 前記判断工程にお.ける判断結果に応じて、 前記異なる容量のイン ク滴それぞれによる記録の割合を設定する設定工程と、前記設定手段によ り設定された割令で、前記異なる容量のインク滴それぞれによる記録を行 う記録工程と、 を備えることを特徴とする。
発明の効果
本発明によると、異なる大きさのインク滴を吐出可能なインクジェット 記録装置におい 、 記録媒体を含む記録領域に応じて、所定の大きさのィ ンク滴による記録を適切に行うことができるため、記録画像の品位を向上 させることが可能となる。 さらに、 ミス トの発生を軽減させることも可能 となる。 図面の簡単な説明
図 1は第一の実施形態における記録方法の例を示す模式図である。
図 2はィンクジヱット記録装置の構成を示す概略図である。
図 3 A, 3 B及び 3 Cは大ドット、 小ドット、 および混成パターンのインク ドット配列の模式図である。
図 4はィンクジエツト記録装置の記録制御部を示すプロック図である。 図 5は第一の実施形態におけるそれぞれの領域におけるそれぞれの大き さのィンク滴によって記録される割合.を示した図である。
図 6は第二の実施形態におけるインクジェット記録装置の構成を示す概 略図である。
図 7はふち無し記録時の記録媒体と記録領域を示す図である。
図 8は第二の実施形態における記録方法の例を示す模式図である。
図 9は第二の実施形態におけるそれぞれの領域におけるそれぞれの大き さのインク滴によって記録される割合を示した図である。
図 1 0は第二の実施形態におけるそれぞれ 領域におけるそれぞれの大 きさのィンク滴によって記録される割合を示'した他の例である。
図 1 1は第二の実施形態におけるそれぞれの領域におけるそれぞれの大 きさのィンク滴によって記録される割合を示した他の例である。
図 1 2は第三の実施形態における記録方法の例を示す模式図である。 図 1 3は第三の実施形態におけるそれぞれの領域におけるそれぞれの大 きさのィンク滴によって記録される割合を示した図である。 発明を実施するための最良の形態
(第一の実施形態)
以下、 図面を参照して本発明を具体的に説明する。
図 2に本発明を適用可能なィンクジェッ ド記録装置の構成を示す概略 図を示す。
キャリア (キヤリッジ) 1は、 ガイ ドシャフト 2、 ガイ ドレール 4によ
つて、シャーシ 3に保持された搬送ローラ 5及ぴプラテン 6に対向して往 復移動できるように支持されている。記録へッド 7はキヤリア 1に搭載さ れていて、ベルト 9を介して伝達されるキヤリァモータ 8の駆動力を利用 してガイドシャフト 2に沿って往復移動する。 記録媒体 1 3は、 給紙ュ- ッ ト 1 0によって搬送ローラ 5と捕助ローラ 1 1で形成される二ップま で送りこまれ、そこから搬送ローラ 5によって所定の印字位置まで搬送さ れる。 記録媒体の先端が排紙ローラ 1 2まで到達すると、記録媒体は搬送 ローラ 5と捕助ローラ 1 1及び排紙ローラ 1 2によって安定して保持さ れ、 搬送される。
記録媒体の所定領域が記録へッド 7と対向する位置まで搬送されると、 キャリア 1がガイ ドシャフト 2に沿って移動しながら、プリンタ内部に送 られてくる記録データに従って記録へッド 7を駆動してインクを記録媒 体に向けて吐出することで、記録データに従った画像が形成される。 そし : て、記録へッド 7の 1回の記録走査が終了すると、搬送ローラ 5は所定の' 量だけ回転して、 記録媒体の次に記録がおこなわれるべき領域が、 記録へ' ッド 7に対向する位置に移動するように、記録媒体を搬送する。 この記録: 媒体の搬送動作が終了した後、キャリア 1は再ぴ記録走查を行うことで次 の行の記録を行う。この一連の動作の繰り返しによつて規定の記録データ がすべて記録されると、記録媒体は排紙ローラ 1 2により、記録装置の外 部に排出されて記録が完了する。 : 図 3 A 3 C は、 本実施形態において記録ヘッドから吐出されるインク 滴を示す図である。
図 3 Aは大きなィンク滴を吐出したときの図であり、 記録媒体上のドッ. トの直径が 3 0 mになるような大きさのィンク滴を、 1 / 6 0 0ィンチ— ( 4 2 μ m) のピッチで配列している。 また、 図 3 Bは、 小さなインク滴. を吐出したときの図であり、 ドット直径が 1 5 μ πιになるような小さいィ
ンク滴を、 1 / 1 2 0 0インチ (2 1 μ πι) のピッチで配列している。 図 3 Αと図 3 Βとを比較すると、図 3 Αよりも図 3 Βの方がドットの大きさが 小さいため粒状感が目立ちにくく、 高画質な記録結果が得られる。
また、 図 3 Cは、 大きさの異なるインク滴を両方吐出したときの図であ り、大きなドットの中に小さなドットを形成させることで、 大きいインク 滴のみの図 3 Α と小さなインク滴のみの図 3 Bの中間の画質で記録を行う ことが可能となる。 図 3 Cでは、 全てを大きなドットで形成するよりも画 質を向上させることができ、全てを小さなドットで形成するよりも記録速 度が向上するため、 スループットの低下を抑えることが可能となる。
本実施形態において適用可能な記録へッドとしては、熱や振動を利用し、 それぞれ独立してインク滴を吐出可能な複数のノズル(記録素子、 吐出口 • とも称する) を配列した記録へッドがある。 ノズルを.配列したノズル列を インクの色毎に複数設けてもよい。 また、 ひとつのノズルからインク滴の 大きさを異ならせて吐出可能な記録へッドを用いても、ひと όのノズルか ― らは所定の大きさのインク滴が吐出可能で、別のノズルから所定の大きさ とは相対的に大きさが異なるインク滴を吐出可能なよう、 2種類以上のノ ズルを配置した記録へッドを用いてもよい。
図 4に本実施形態に適用可能なィンクジ ット記録装置の記録制御部 を示すプロック図を示す。
図 4において、 1 0 1はィンターフェース信号線 S 1を介してホストコ ンピュータ (不図示.) から転送されてくるデータを受信し、 その受信した データの中から、記録装置の動作に必要なデータ及び画像データを抽出し て一旦蓄えるインターフェース制御部 (コントローラ) である。 インタフ エースコントローラ 1 0 1で抽出されたデータは、 S R AMもしくは D R AM等の記憶メモリで構成される受信バッファ 1 0 2に格納される。受信 バッファ 1 0 2に格納されるデータは、記録装置の制御用の設定値である
「コマンド」 と記録すべき 「画像データ」 で構成されており、 「コマンド」 は C P U 1 0 3により読み出されて解析が行われ、 「画像データ」 はデー タ展開プロック 1 0 4により、圧縮された画像データを解凍されて記録パ ッファ 1 0 5に書き込まれる。 なお、 この記録バッファ 1 0 5も S R AM あるいは D R AM等の記憶メモリで構成され、受信バッファ 1 0 2と物理 的に同一のメモリであってもよい。受信バッファ 1 0 2へのデータ書き込 みァドレスと、 データ読み出しァドレスの管理は、 1 0 6のリング構造制 御回路が行う。 記録バッファ 1 0 5には、 解凍された画像データが、 記録 へッドの色毎及びインク径の違い毎に分割されて、 配置されている。
記録バッファ 1 0 5内に、記録へッドの 1回の走査で記録できる画像デ ータが揃った段階で、 C P U 1 0 3は記録動作を開始すべく図 2のキヤリ ッジモータ 8を動作させて記録へッド 7を走査し、記録データ生成ブロッ ク 1 ΓΌ 7はキャリッジエンコーダ (C Rエンコーダ) 1 0 8からの出力に 同期'して画像データを記録バッファ 1 0 5から読み出して記録へッドに 転送'し、記録へッドは転送された画像データに基いてインク滴を吐出する。 このような制御により、 記録媒体 (被記録媒体とも称する) 上に画^を形 成することができる。 この記録へッドによる主走查方向への記録走査と、 搬送手段による記録媒体の復走査方向への搬送とを繰り返すことで、記録 媒体上に画像を完成させる。
図. Ίは、 本実施形態における記録方法の例を示す模式図である。
記録媒体 1 3を含む記録領域を、 図 1に示すように領域分けしている。 まず、 2 0 3は記録媒体よりも外側の領域 (用紙外領域) であり、 特に、 搬送方向に対して下流側を記録媒体の先 部分に近いことから先端用紙 外領ニ域とし、搬送方向に対して上流側を記録媒体の後端部分に近いことか ' ら後端用紙外領域とする。 また、 2 0 2は記録媒体の搬送方向における端 部の記録領域で、 かつ、記録媒体の搬送時に搬送ローラと排紙ローラの両
方で支持されない領域であり、 記録媒体の先端部を先端記録領域 2 0 2、 記録媒体の後端部を後端記録領域 2 0 2としている。 さらに、 2 0 4は、 記録媒体の先端部では搬送ローラのみによる搬送から、搬送ローラと排出 ローラの両方による搬送へと移行する領域であり、 また、記録媒体の後端 部では搬送ローラと排出ローラの両方による搬送から、排出ローラのみに よる搬送へと移行する領域である。記録媒体の先端側に位置する領域 2 0 4は、搬送ローラのみで搬送される記録媒体が、排紙ローラの両方で支持 され始める排紙ローラ突入位置から所定量搬送されるまでの領域である。 また、記録媒体の後端側に位置する領域 2 0 4は、搬送ローラと排出ロー ラの両方で支持されている位置から記録媒伴を所定量搬送したときに記 録媒体の後端部が搬送ローラから離れる搬送ローラ離間位置までの領域 である。 さらにまた、 2 0 5は、 領域 2 0 4に挟まれた記録媒体の中央部 分の通常記録領域である。 ,
次に、 図 1に示す記録媒体に対'して、 高画質に記録を行う際の記録方法 について説明する。
' まず、 記録媒体は搬送ローラに:より搬送されるものの、記録へッドによ ' り記録動作を行うと記録媒体よりも外側の領域に記録す ことになる先 端用紙外領域 2 0 3では、 記録を行わないように制御する。 具体的には、 記録へッドからインク滴が吐出しないようにする。 このように、記録媒体 よりも外側の領域には記録を行おないようにすることで、記録装置内がィ ンクで汚れることを防ぐことができる。
搬送ローラにより搬送される記録媒体の先端部分が記録へッドの記録 領域に到達した先端記録領域 2 0. 2では、記録媒体の搬送制度が低いため 着弾位置のずれ よる画像品位の低下が目立ちにくい大きなィンク滴の みを用いて記録を行うよう制御する。 具体的には、記録媒体上のドットが 直径 3 0 i mになるような大きさのインク滴を、 1 / 6 0 0インチ (4 2
^ m) のピッチで配列する画像品位で画像データに基い 記録を行う。 記録媒体の先端が排紙ローラに達して、搬送ローラと排紙ローラとによ り所定量搬送される領域 2 0 4では、記録媒体の搬送制度が先端記録領域 2 0 2よりも向上するので、記録媒体上でのドット径が 3 0 μ mの大きな インク滴と、 ドット径が 1 5 mの小さなインク滴とを混在させて記録を 行う。 図 1では、 大きさの異なるインク滴を、 1 Z 6 0 0インチ (4 2 μ m) のピッチでそれぞれ異なる位置に配列するよう記録している。
記録媒体が搬送ローラと排紙ローラとで安定して搬送される通常記録 領域 2 0 5では、 画像データが高画質に記録できるよう、小さなインク滴 のみを用いて記録を行う。 具体的には、記録媒体上での直径が 1 5 μ ηιに なるような大きさのインク滴を、 1 1 2 0 0インチ (2 1 μ πι) のピッ チで配列する画像品位で画像データに基いた記録を行う。こ'のように小さ なインク滴により記録が行われることにより、 通常記録領域 0 5では、 粒状感が目立ちにくい高画質な記録結果が得られる。 なお、 夭きなインク 滴のみを用いて記録を行う先端記録領域 2 0 2と、小さなィジク滴のみを 用いて記録を行う通常記録領域 2 0 5との間の領域 2 0 4において、大き なインク滴と小さなインク滴の大きさの異なるインク滴を混在させて記 録を行う領域を設けることにより、先端記録領域 2 0 2と通常記録領域 2 0 5のドット配置パターンが切り替わる際の画像品位の差を目立たせる ことなく、 遷移させることが可能となる。
記録媒体が安定して搬送されている位置から記録媒体が搬送ローラか ら離間する位置までの所定範囲の領域 2 0 4では、排紙ローラ突入位置を , 含む領域 2 0 4と同様に大きなィンク滴と小さなィンク滴を用いて記録 を行う。 また、排出ローラにより搬送される記録媒体の後端部分が記録へ ッドの記録領域内に位置する後端記録領域 2 0 2では、先端 Ε録領域と同 様に、 大きなインク滴のみを用いて記録を行う。 さらに、 排出ローラによ
り搬送され、記録媒体の後端部分が記録へッドの記録領域をはずれた後端 用紙外領域 2 0 3では、先端用紙外領域 2 0 3と同様に、 記録を行わない ように制御する。
このような記録動作を行うことにより、記録媒体上の記録領域の大部分 を占める通常記録領域 2 0 5においては粒状感'の少ない高画質な記録を 行うために、相対的に小さなイング滴を用いて記録し、搬送制度が多少悪 化してしまう記録媒体の先後端記録領域 2 0 2では、粒状感は多少劣るも のの着弾位置のずれによるドット配列の乱れに起因したムラが目立ちに くいよう、相対的に大きなインク滴を用いて記録を行う'ため、記録媒体に 記録される画像全体では、 高画質な記録結果を得ることが可能となる。 次に、 ホストから記録装置に送られた画像データから、 大きさの異なる. インク滴を吐出するための記録データを生成するまでを説明する。
まず、ホストコンピュータから.記録装置に送られた画像データを記録パ ッファ内に格納する。 このとき、 ホストコンピュータから送られる画像デ —タは、記録媒体上の記録領域よりも大きな領域の画像データである可能 性もあり、 記録バッファ内の画像データを図 1に示す 4つの領域 2 0 2, 2 0 3 , 2 0 4 , 2 0 5に分割する。 次に、 記録バッファ内の各領域に分 割された画像データに対して、図 4に示す記録データ補正回路 1 0 9によ り、 画像データを補正されることで大きなインク滴を吐出するか、 小さな インク滴を吐出するかが決定される。
画質を優先させた高画質記録を行う場合に、ホストコンピュータから送 られた画像データに基いて全て小さいィンク滴で記録を行うようなデー タが記録バッファ内に生成されていた場合、通常記録領域 2 0 5では小さ なインク滴のみで記録が行われるよう、 録データ捕正回路 1 0 9による 補正は行われないが、 小さなインク滴のみでは記録を行わない、先後端用 紙外領域 2 0 3、 先後端記録領域 2 0 2、領域 2 0 4では記録データ捕正
回路 1 0 9による補正を行う。
図 5は、通常記録領域から先後端用紙外領域までの、 それぞれの大きさ のインク滴によって記録される割合を示した図である。 実線 (G 1 ) が小 さいインク滴によって記録される割合を示しており、 破線 (G 2 ) が大き いインク滴によって記録される割合を示している。
通常記録領域 2 0 5と領域 2 0 4との境界部分である領域 2 0 の始 まりでは、記録バッファ内の記録データに基いて小さなィンク滴で記録を 行い、 大きなインク滴による記録は行わない。 また、 領域 2 0 4から先後 端記録領域 2 0 2に近づくにつれて、小さなィンク滴による記録を少なく し、 大きなィンク滴による記録を多くする。 図 5に示すように、 領域 2 0 4内の位置に応じてそれぞれの大きさのィンク滴によって記録される割 合を変更する。 つまり、 本実施形態では、 領域 2 0 4の始まりでは小さい インク滴の出現確率を 1 0 0 % (記録データをそのまま吐出する) とし、 領域 2 0 4と先後端記録領域 2 0 2との境界部分である領域 2 0 4の終 わり (用紙の端部付近) では小さいインク滴の出現確率を 0 % (記録デー タを吐出しない) となるように直線的に出現確率を変化させる。 また、 領 域 2 0 4の始まりでは大きいインク滴の出現確率を 0 %とし、領域 2 0 4 の終わりでは大きいインク滴の出現確率を 5 0 %となるように直線的に 出現確率を変化させる。
なお、 大きいインク滴を吐出する記録データに対する捕正を行う際に、 領域 2 0 4の終わりでの大きなインク滴の出現確率を 5 0 %としている のは、本実施形態の設定では、それぞれの大きさのィンク滴 1滴の容量は、 大きいィンク滴は 4 p 1、 小さいィンク滴は 2 p 1であり、小さなィンク 滴のみの 1 0 0 %の記録と、大きなインク滴のみの 5 0 %の記録とが濃度 的に等価であるからである。
先後端記録領域 2 0 2では、 常に、 大きなインク滴のみで記録が行われ
るように、 記録データ補正回路 1 0 9による補正を行う。 具体的には、 小 さなインク滴の出現確率を 0 %となるよう設定し、大きなインク滴の出現 確立を 5 0 %となるよう設定する。 また、 先後端用紙外領域 2 0 3では、 常に、 大きなィンク滴、 小さなインク滴共に記録が行われないように補正 を行う。 具体的には、 それぞれの大きさのインク滴からインクが吐出され ないように、 それぞれのィンク滴の出現確率を 0 %となるよう.設定する。 以上のように、本実施形態によると、 大きさの異なるインク滴を吐出可 能なインクジェット記録装置において、搬送精度が低下してしまうような 記録装置の構成による記録画像の品位に応じて、記録時のィンク滴の大き さを選択するため、高品位な画像を出力することが可能となる。そのため、 高品位な画像を出力しょうとしたときに、着弾位置がずれることによる画 像品位の低下を極力抑えることが可能となる。
なお、本実施形態 おいては、 高品位な画像を記録することを優先させ たため、通常記録領域 2 0 5では小さいインク滴のみを用いて記録を行つ たが、通常記録領域においても大きさの異なる複数のィンク滴を用いて記 ' 録を行っても良い。 そのようにすることで、 画像品位と記録速度を両立さ せる記録装置を提供することが可能となる。 このような場合、大きいイン ク滴による記録の割合を、通常記録領域 2 0 5から領域 2 0 4、 または先 後端記録領域 2 0 2にかけて増やしていけばよい。
また、 本実施形態 おいて、 領域 2 0 4では、 それぞれの大きさのイン ク滴による記録の割合を線形に徐々に変化させていた力 段階的に変化さ せても良い。 そのようにすることで、記録データ補正回路による補正を簡 易化できる。 .
さらに、 本実施形態では、 通常記録領域 2 0 5と先後端記録領域 2 0 2 との間に、画像品位の差が自.立ちにくくなるよう遷移のための領域 2 0 4 を設けたが、 それ程画像品位の差が目立たないときや、記録速度の優先度
が少し大きいときにはこの領域 2 0 4を設けなくてもよい。
さらにまた、 本実施形態においては、 木きいインク滴と、 小さいインク 滴の 2種類の大きさのインク滴を吐出する構成としたが、 3種類以上の大 きさのィンク滴を吐出する記録装置においても、本発明を適用することが 可能である。 .
なお、 本実施形態においては、小さなインク滴 1滴と大きなインク滴 1 滴による記録の濃度が 1 : 2としたが、 これは記録装置毎に設定すること が可能であることは言うまでもない。
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、記録媒体の先後端領域における搬送精度低下が原 因の画像品位の低下に基いて、記録に用いるインク滴め大きさを選択する 構成だったが、本実施形態は、記録媒体の端部付近に記録を行う際のミス トの発生を低減させるベく、記録に用いるィンク滴の大きさを選択する構 成である。
図 6に、本実施形態に適用可能なィンクジ ット記録装置の概略図を示 す。 :
なお、 第一の実施形態における記録装置と同じ構成は、 同じ番号で示し ている。 図 6の記録装置は、記録媒体の余白部分が無くなるように記録で きる記録装置であり、 インク吸収体 1 4が備えられている。
図 7は、余白部分が無くなるように記録を行う きの、記録媒体と記録 領域を示す図である。
1 3は記録媒体であり、記録媒体 1 3の外側の 2点破線で示す領域が記 録領域である。 図 7に示すように、記録媒体の余白部分が無'くなるように 記録を行うときには、 記録媒体よりも所定量 (ひ 1 〜 ひ 4 :はみ出し量と も称する。 ) だけ広い範囲に記録を行う。 なお、 一般にこのはみ出し量 α 1〜α 4は 2〜 5 mm程度である。
記録媒体 1 3は、 まず、 給紙ュニット 1 0によって搬送ローラ 5と補助 ローラ 1 1で形成されるエップまで送りこまれ、そこから搬送ローラ 5に よって所定のはみ出し量 a 3となる位置まで搬送される。この状態で記録 へッド 7を駆動して、 インク滴を記録媒体 1 3に向けて吐出するが、 記録 媒体 1 3からはみ出る部分に吐出されたィンク滴は、ィンク吸収部材 1 4 の上に達して吸収される。 その後は通常の記録と同様に、 所定量の記録媒 体の搬送動作と記録へッドによる記録走査とを繰り返して記録が行われ るが、 それぞれの記録走查において、記録領域の両端部は記録媒体 1 3よ り a 1、 a 2だけ広い幅で記録される。 この記録媒体 1 3の両端部からは み出る範囲に吐出されるインク滴は、先端部のはみ出し部に吐出されるィ ンク滴と同様に、 インク吸収部材 1 4に吸収される。 記録媒体 1 3の後端 が記録へッド 7のノズル列にかかった後は、はみ出し量 a 4の範囲まで印 字が続けられる。 このはみ出し部へ吐出されるインク滴も、先端部の記録 時と同様にインク吸収部材 1 4に吸収される。 そして、 はみ出し量 a 4ま での記録動作が終了すると、 記録媒体 1 3はプリンタ外^ 5に排出され、 記 録媒体の余白部分の無いふち無し記録が完成する。
このように、記録媒体よりも大きい範囲に記録動作を行うことで、 記録 媒体搬送時の誤差や、記録媒体が斜行してしまったときでも、確実に記録 媒体の余白のないふち無し記録を行うことが可能となる。
· 図' 8は本実施形態 おける記録方法を示す模式図である。
本実施形態では、記録媒体 1 3を含む記録領域を、 '図 8のように領域分 けしている。 3 0 5は、記録媒体の中央部分の通常記録領域である。また、 3 0 4は、 記録媒体内であり、 記録媒体の縦方向、 横方向それぞれの端部 付近の用紙端部内記録領域である。 さらに、 3 0 2は記録媒体よりも外側 の領域であり、記録媒体の縦方向、横方向それぞれの端部付近の用紙端部 外記録領域である。 なお、 この用紙端部外記録領域 3 0 2は記録媒体に対
してはみ出し量 b l〜b 4の領域であり、ふち無し記録を行う際には用紙 端部外記録領域 3 0 2に対しても記録動作を行う。さらにまた、 3 0 3は、 用紙端部外記録領域 3 0 2よりも外側の用紙外領域であり、記録媒体より も大きくはみ出る領域である。
次に、 図 8に示す記録媒体に対して、 ふち無し記録を行う際の記録方法 について説明する。
記録媒体が搬送されるものの、 記録ヘッドにより記録動作を行うと、 用 紙端部外記録領域 3 0 2よりも外側の領域に記録することになる用紙外 領域 3 0 3であると判断されると、 記録を行わないように制御する。
記録媒体の余白を無くすために記録を行うものの、記録媒体よりも外側 の記録領域である用紙端部外記録領域 3 0 2であると判断されると、 ミス トの発生を抑制するために大きなインク滴のみを用いて記録を行うよう に制御する。 これは、 記録へッ ドのノズル形成面から、 記録媒体までとィ ンク吸収体までとでは、ノズル形成面からィンク吸収体までの方が距離が 大きいため、蒸発しやすい小さなインク滴で記録を行うと、 インク吸収体 まで到達せずミストとなって記録装置内に拡散してしまう恐れがある。そ のため、 記録媒体よりも外側の記録領域 (用紙端部外記録領域 3 0 2 ) に 記録を行う際には、 大きなィンク滴のみを用いて記録を行う。
記録媒体の端部付近の用紙端部内記録領域 3 0 4であると判断される と、 大きなインク滴と小さなインク滴を混在させて記録を行う。 また、 本 実施形態においては、用紙端部内記録領域 3 0 4内のそれぞれの位置に応 じて、それぞれの大きさのインク滴を用いて記録する割合を徐々に変更し ている。 これにより、 画像品位がより向上する。
通常記録領域 3 0 5では、画像データが高品位に記録できるよう小さな インク滴のみを用いて記録を行う。 なお.、通常記録領域 3 0 5に記録を行 うための記録走查を行うときも、 各記録走査の両端部は、 用紙端部内記録
領域 3 0 4、 用紙端部外記録領域 3 0 2、 用紙外領域 3 0 3を含むため、 それぞれの領域に応じて設定されるインク滴を吐出するよう制御される。 また、 ミストが発生しやすい小さなインク滴のみを用いて記録を行う通常 記録領域 3 0 5と、 ミストが発生しにくい大きなインク滴のみを用いて記 録を行う用紙端部外記録領域 3 0 2に挟まれた用紙端部内記録領域 3 0 4において、 異なる大きさのインク滴を用いて記録を行うことにより、通 常記録領域 3 0 .5と用紙端部外記録領域 3 0 2の ドット配置パターンが 切り替わる際の画像品位の差を目立たせ ことなく、遷移,させることが可 能となる。
以上のように、異なる大きさのィンク滴を吐出する事が可能な記録装置 において、 記録媒体を含む記録領域のそれぞれの領域に応じて、 記録に用 いるインク滴の大きさを選択して記録することにより、記録画像の品位を 保ちつつ 記録媒体の端部付近でのミストの発生を低減させることが可能 となる。 本実施形態のように、 記録媒体の大部分を占める通常記録領域 3 0 5では、'画質品位を優先させた小さなインク滴を用いて記録を行い、 画 質品位がさほど気にならない記録媒体の端部付近では、小さなィンク滴に より記録を行う割合を減らして大きなィンク滴を用いて記録を行うこと で、記録媒体の端部付近において画質品位は僅かに低下するものの、 ミス トの発生を低減させることが可能となる。 従って、記録装置内の汚れを軽 減 1"ることも可能となり、記録装置から記録媒体に汚れが移ることも軽減 することが可能とな.る。
ホス トコンピュータから送られた画像データに対して、それぞれの領域 において、. 最適な記録動作が行えるように画像データを捕正するのだが、 補正の方法は第一の実施形態と同様に、記録データ補正回路を用いる。 図 9に、'本実施形態における通常記録領域 3 0 5.から用紙外領域 3 0 3まで のそれぞれの領域において、それぞれの大きさのィンク滴によって記録さ
れる割合を示した図を示す。 本実施形態においても、 小さいインク滴によ る 1 0 0 %の記録と、大きいインク滴による 5 0 %の記録が濃度的に等価 である 0
以上のように、本実施形態によると、 大きさの異なるィンク滴を吐出可 能なインクジェット記録装置において、記録媒体のそれぞれの領域に対し て記録を行う場合に、 ミストの発生しやすさに応じて、記録に用いるイン ク滴の大きさを選択するため、 高品位な画像の記録が可能となり、 且つ、 ミストの発生を軽減させることが可能となる。
また、 上述した画像データの捕正の他に、 図 1 0、 1 1に示すような捕 正を行ってもよレ、。
図 1 0、 1 1は、用紙端部外記録領域 3 0 2の大きいインク滴を用いた '記録の割合を変化させ、用紙端部外記録領域 3 0 2の始まりでは出現確率 を 5 0 %とし、用紙端部外記録領域 3 D 2の終わりでは出現確率を 0 °/0と なるように直線的に出現確率を変化させている。記録媒体 1 3の外の領域 である用紙端部外記録領域 3 0 2は、用紙の大きさの誤差や搬送性能によ る誤差で全く印字を行わなかった場合白い領域となってしまうことを防 ぐために設けられている領域であり、たとえ大きいィンク滴であつたとし てもこの領域でィンク滴を吐出することはミストが発生することもある。 そのため、 記録媒体に近い部分では大きいインク滴を 5 0 %で吐出させ、 記録媒体から遠ざかるに従つて、徐々 ィンク滴を吐出しないようにする ことで、 ミス トの発生を低減させることができる。 さらに、 用紙端部外記 録領域 3 0 2全てにィンク滴を吐出させるよりも、 図 1 0、 1 1の方が消 費されるインク滴が少ないため、記録に要するインクを軽減させることも 可能となる。 :
なお、本実施形態においても、記録データ補正回路を用いることにより、 記録領域に応じて適切な大きさのィンク滴で記録が行えるよう'画像デー
タの補正を行ったが、 インデックステーブルを参照して、 ホストコンビュ ータから転送された多値の画像データを基に記録へッドのそれぞれのノ ズルに対応した 2値の記録データを生成する場合には、ィンデックステ一 ブルをそれぞれの領域に対応させて記録装置が備えていることで、記録デ 一タ捕正回路を用いなくても記録データを生成することが可能となる。 また、 本実施形態では、 ふち無し記録を行う構成としたが、 記録媒体の 余白を全てなくするように記録するもの以外に、記録媒体の端部に少し余 白は残すものや、記録媒体の所定の端部のみ余白を無くすものにも本実施 形態を適用することは可能である。 記録媒体の端部付近の記録時には、記 録媒体の中央部の記録時よりもミストによる影響が大きいからである。こ れは、記録媒体の中央部の記録時には、所定の記録走查において発生した ミストは、記録装置内をしばらく拡散した後で、 次の記録走查時やその後 の記録走査時において記録媒体に付着する。 しカゝしながら、 記録媒体の端 部、 特に後端部や左右端部の記録時に発生したミ トは、記録装置'内を拡 散した後では記録媒体が排出されてしまうため、 記録装置内に付着する。 このように、 それぞれの記録走查において、 同じ条件でィンク滴を吐出し たときには同程度のミストが発生することが考えられる力 記録媒体へ付 着するか記録装置内に付着するかの差があるため、記録媒体の中央部の記 録時よりも記録媒体の端部の記録時に発生するミストの影響が大きい。
さらに、本実施形態においては、 それぞれの領域に応じてドット:形成の 出現確率を変更することで、記録媒体の端部付近の領域でのミストの発生 を低減させる構成であるが、. ドット形成の出願確率を変更する以外に、記 録デューティを変更する構成としてもよい。記録デューティを変更するこ とでも、記録媒体上に形成されるドットの配列は同様の結果を得る :ことが 可能となる。 なお、通常記録領域から記録媒体の端部付近にかけて記録デ ユーティを徐々に低下させていくことにより、それぞれの領域での画像品
質の差により出現する輪郭が不明確になり、 階調性が向上する。
(第三の実施形態)
第一、 第二の実施形態では、 通常記録領域 2 0 5 , 3 0 5において、 小 さいインク滴のみを記録に用いる例を示したが、本実施形態では、 通常記 録領域ににおいても大きいィンク滴と小さいィンク滴を混在させて記録 を行う例を示す。
図 1 2は本実施形態における記録方法を示す模式図であり、図 1 3はそ れぞれの領塽においてそれぞれの大きさのィンク滴によって記録される 割合を示した図である。
本実施形態においても、第二の実施形態と同様の効果を奏することがで きる。 さらに、 本実施形態によると、 第二の実施形態よりも記録画像の品 位は少々低下するが、第二の実施形態よりも記録速度を向上させることが できるので、画像品位と記録速度とを両立させた記録装置を提供すること が可能となる。
上記の第一〜三の実施形態において、記録媒体よりも外側の記録領域に おいては、小さいインク滴を一切吐出しない記録方法を示したが、記録媒 体よりも外側の領域をさらに分割して記録媒体に一番近い領域では小さ ぃィンク滴による記録を低い割合で行う構成としてもよい。 これにより、 ふち無し記録を行うときにおいて、記録媒体の端部付近の画質が向上する ことができる。 + (その他の実施形態)
以上の実施形態においては、小さいィンク滴による記録の割合を減らし た場合に、記録画像の濃度を保っために大きいインク滴による.記録の割合 を増やしたが、 よりミストの低減や、 着弾位置ずれによる画像品位の低下 を目指すときには、 記録画像の濃度を保たない方法もある。 例えば、 通常 記録領域においては、大きいインク滴と小さいインク滴とを共に用いて記
録を行い、記録媒体の端部付近の領域では、 大きいインク滴の割合は通常 記録領域と同じで、小さいインク滴の割合を低下させることも可能である。 また、記録媒体の端部付近の領域では、 大きいインク滴の割合は通常記録 領域と同じであるものの、大きいインク滴のみで記録を行うことも可能で ある。 これらのようにすることで、記録画像の濃度は記録媒体の端部付近 では低下してしまうが、よりミストの発生を低減させることが可能となる。 また、記録媒体の端部では、小さいインク滴を吐出する割合を低くしてい るため、 着弾位置ずれによる画像品位の低下を軽減することもできる。 なお、 ブラックの画素を、 イェローインク、 マゼンタインク、 シアンィ ンクによって表現するプロセスブラックを行うときには、 1画素のブラッ クに対してイェローインク、 マゼンタインク、 シアンィンクそれぞれのィ ンクを 1画素分吐出することから、他のカラーの画素よりも、 1画素に吐 出されるインク滴の量が多くなるため、 ミストが多く発生してしまう。 そ のため、記録媒体の端部付近の領域において、 ブラックの画素をプロセス ブラックにより表現するときには、他のカラー画素の出現確率よりもさら に低く設定すると良い。 また、 フォトブラックなど、 他に代用できるイン クを備える記録装置では、プロセスブラックではなくフォトブラックを用 いて画像を形成するとよい。
なお、 本発明のそれぞれの実施形態に記録方法を、 記録媒体の種類や、 記録モードに応じてそれぞれ選択して実行するようにしてもよい。 さらに、 どの記録方法を実行するかをユーザによって選択させる構成としても良 レ、。