WO2004019725A1

WO2004019725A1 - マイナスイオンを発生させるガス燃焼式携帯ドライヤー及びこのドライヤーにおけるマイナスイオン発生方法

Info

Publication number: WO2004019725A1
Application number: PCT/JP2003/010746
Authority: WO
Inventors: Shinji Kokuo; Katsunori Iwaki; Akinobu Fujiwara
Original assignee: Re-Tec Inc.
Priority date: 2002-08-28
Filing date: 2003-08-26
Publication date: 2004-03-11
Also published as: AU2003257704A8; AU2003257704A1; KR100665242B1; CA2502563A1; JP2004081693A; US20060070255A1; CN1697614A; TW200409605A; EP1535531A1; KR20050057063A; TWI278291B

Description

明細書マイナスイオンを発生させるガス燃焼式携帯ドライヤー及びこのドライヤーにおけるマイナスイオン発生方法技術分野

本発明は、特に液化石油ガス（以下、「L P G」という）による燃焼炎を熱源に用い、さらに電池と送風機を備え、マイナスイオンを発生させるガス燃焼式携帯ドライヤ一及びこのドライヤーにおけるマイナスイオン発生方法に関する。

図 1及び図 2に示すように、特開 2 0 0 0— 2 6 6 4 0 9号公報記載のガス燃料式携帯ヘアードライヤー 1 0 1は、円筒ケース 1 0 3の内部に、 L P Gと空気とを混合するための予混合室 1 0 5と、この予混合室 1 0 5にて得られた混合ガスを吹き出す多孔燃焼板からなる燃焼皿 1 0 7と、この燃焼皿 1 0 7から噴射する混合ガスに点火する点火プラグ 1 0 9と、前記混合ガスを燃焼せしめる燃焼筒としての一次燃焼室 1 1 1と、この一次燃焼室 1 1 1の前方で燃焼触媒 1 1 3により無煙燃焼を行う二次燃焼室 1 〗 5と、上記の一次燃焼室 1 1 1と二次燃焼室 1 1 5の周囲と円筒ケース 1 0 3との間に形成される星形の周壁からなる熱交換器 1 1 7と、を備えている。

予混合室 1 0 5の後端面には外気を導入するための複数の空気穴 1 1 9が設けられている。燃焼触媒 1 1 3は一般的に担体となる素材として多孔コージエライド系、多孔アルミナなどのセラミックスが用いられる。

円筒ケース 1 0 3の内部の後方側には、上記の予混合室 1 0 5の後方側には直流モータ 1 2 1と、この直流モータ 1 2 1により回転駆動されて円筒ケース 1 0 3内の燃焼に必要とされる空気と大量の熱風を送るための軸流ファン 1 2 3とからなる送風機 1 2 5が設けられている。

予混合室 1 0 5に供給される L P Gを貯留する L P Gタンクと、点火プラグ 1 0 9の電源となる電池〈主に一次電池）とは、上記の円筒ケース 1 0 3に連結した図示せざるハンドル部内に収納されている。

このヘア一ドライヤー 1 0 1においては、 L P Gの燃焼に必要な空気は、予混合室 1 0 5の複数の空気穴 1 1 9から取り入れられるとともに、多量の温風を発生させるために必要な送風機 1 2 5による送風量の一部から得ているので、電池の電圧降下が生じて上記の送風量が低下すると、 L P Gの燃焼に必要な空気が不足して不完全燃焼が生じる。その結果、出口 1 2 7 (排気口）に到達した酸欠混合ガス（未撚ガス）が出口 1 2 7の空気と接触すると炎となって燃焼する可能性があった。また、燃焼を効率良く行わせ且つ炎も出さない手段として設けられた燃焼触媒 1 1 3においては、発生した熱が燃焼触媒 1 1 3の中心に蓄熱され、しかも送風による熱の交換は燃焼触媒 1 1 3の周囲の熱交換器 1 1 7だけで行われるために、最も温度が上昇する燃焼触媒 1 1 3の中心部に蓄熱された熱は熱交換されず、実験では非常に効率が悪いという課題があつた。

また、出口 1 2 7の面積が実際には熱交換器 1 1 7の部分であるために面積が少ないので、送風の圧損が発生することになリ、送風量が低下するという課題があつた。

さらに、上記ヘアードライヤー 1 0 1においては、使用を終えて L P Gの供給を止めても燃焼部分は急激に冷却されず、 2 0分という長時間が経過してもかなりの高温が残留するため手で触ることができないという課題があつた。

なお、 L P Gの供給を止めても高温である状態を冷却するために送風機 1 2 5が自動的に作動するよう改良したものもあるが、ヘアードライヤー 1 0 1の使用を終えてから冷却するまでの間に待機せしめるような携帯器具は、不都合で使い勝手が悪いという課題があった。

また、携帯型のコードレスであっても、ヘアードライヤーとして最小限必要な仕様条件としては、電力換算で 4 5 O W/H, 燃焼エネルギとして約 3 9 O Kca l /Hの熱量が必要である。このことから、ヘアードライヤー 1 0 1は、通常の電気式ヘアードライヤーの二倍の大きさが必要となるので、携帯用器具としては実用性に欠けるといった課題があった。

また、最近、マイナスイオンが爽快感ゃリラックス感をもたらして人体の健康に良いとされ、医学的にもいくつかの事実が証明され、注目されている。そこで、へァードライヤーにてヘアーをブローするときにマイナスイオンを発生せしめることが開発されている。

特開 2 0 0 2— 6 5 3 4 4号公報、あるいは特開 2 0 0 2— 1 9 1 4 2 6号公報記載のヘアードライヤーは、通常のヘアードライヤーに、一次側巻線、二次側巻線を有するトランス、コンデンサ及び抵抗からなるエレク卜ロニクス構成要素を内部に備えた変圧器とマイナスイオン化針などの構成部材を備えたマイナスイオン発生器を搭載したものである。

しかしながら、これらのヘアードライヤーは、通常のヘアードライヤーにマイナスイオン発生器を搭載したものであるので、装置が複雑で重くなると共に、電源コードにより外部電源に接続されるものなので携帯用にはならないし、さらには、マイナスィ才ン発生量が少ないという課題があつた。発明の開示

本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、熱源としての L P Gによる燃焼炎を外部に出さないよう燃焼性能、熱交換率を向上させ且つ送風圧損を低下させると共に、通常の携帯用ドライヤーとは別個のマイナスイオン発生器を搭載することなく、しかも多量のマイナスイオンを発生するガス燃焼式携帯ドライヤー及びこのドライヤーにおけるマイナスイオン発生方法を提供することにめる。

本発明の第 1の側面は、ガス燃料式携帯ドライヤーであって、燃料ガスを貯留するためのガスタンクと、前記ガスタンクから供給された燃料ガスと一次エアーを混合した混合ガスを燃焼する一次燃焼室と、前記一次燃焼室で燃焼したガスに二次ェァ一を供給して燃焼する二次燃焼室とを設けた燃焼器と、前記燃焼器で加熱された空気を、上記燃焼器を内装した筒状のケーシングの出口側へ流出せしめるための送風機と、前記送風機のモータを回転するための電源と、前記燃料ガスに点火するための点火装置と、前記ガスタンクから前記燃焼器に至るガス流路中に、前記燃焼器へ供給される燃料ガスの流速により生じる負圧に起因して前記一次エアーを吸引するためのェゼク夕一と、を備えたことを特徴とするものである。

本発明の第 2の側面は、ガス燃焼式携帯ドライヤーであって、燃料ガスを貯留するためのガスタンクと、前記ガスタンクから供給された燃料ガスを燃焼する燃焼器と、前記燃焼器で加熱された空気を、上記燃焼器を内装した筒状のケ一シングの出口側へ流出せしめるための送風機と、前記送風機のモータを回転するための電源と、前記燃料ガスに点火するための点火装置と、前記ガスタンクから前記燃焼器に至るガス流路中に燃料ガスの供給を保持せしめるマグネッ卜ュニッ卜と、前記燃焼器の外壁温度によリ着火状態を検出する着火検出器と、前記燃焼器で加熱された空気の過熱状態を検出する過熱検出器と、前記着火検出器と過熱検出器とからの検出信号によリ前記マグネッ卜ュニッ卜と前記送風機の動作を制御するスイッチング制御部とを備えることを特徴とするものである。

本発明の第 3の側面は、燃料ガスを貯留するためのガスタンクと、前記ガスタンクから供給された燃料ガスと一次エアーを混合した混合ガスを燃焼する一次燃焼室と、前記一次燃焼室で燃焼したガスに二次エアーを供給して燃焼する二次燃焼室とを設けた燃焼器と、前記燃料ガスに点火するための点火装置とを備えたガス燃焼式携帯ドライヤーにおけるマイナスイオン発生方法において、前記燃料ガスと一次エアーとを混合して一次燃焼室へ噴出し、この噴出した混合ガスを前記点火装置にて前記一次燃焼室において燃焼せしめ、前記二次燃焼室にて前記一次燃焼室で燃焼したガスに二次エアーを供給して完全燃焼すると共に乱流を発生せしめ、前記燃焼ガスの燃焼で多量に発生した水分子の分子運動を活性化せしめてマイナスイオンを発生せしめることを特徴とするものである。図面の簡単な説明

図 1は、従来のガス燃焼式のヘアードライヤーの部分的な縦断面図である。図 2は、図 1の左側面図である。

図 3は、本発明の実施の形態に係るガス燃焼式携帯ヘア一ドライヤーの縦断面図である。

図 4は、図 3のヘアードライヤーの燃焼器の拡大側面図である。

図 5は、図 4の左側面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

図 3は、本発明の実施の形態に係るガス燃料式携帯ヘア一ドライヤーの縦断面図である。

本実施の形態のガス燃焼式携帯ヘアードライヤー 1は、円筒形状のケーシング 3 と、このケーシング 3の長手方向に対してほぼ直交する方向に長いハンドル部 5を備える。このハンドル部 5は、上記ケーシング 3の側壁面に設けられている。上記ケーシング 3内には、燃料ガスとしての L P Gと空気とを混合して混合ガスを生成するためのェゼクタ一 7と、このェゼクタ一 7により生成された混合ガスに点火するための点火装置としての点火プラグ 9と、この点火プラグ 9により点火された混合ガスを燃焼する燃焼器 1 1が内装されている。なお、上記ェゼクタ一 7には一次エアーを吸引してェゼクタ一 7の内部に導入するための吸引口 1 3が設けられている。

さらに、上記ケーシング 3内には、燃焼器 1 1で加熱された空気をケーシング 3 の出口 1 5の側へ流出せしめるための送風機 1 7が上記のェゼクタ一 7より後方側（図 3において右側）に内装されている。この送風機 1 7はケ一シング 3の後方側の内壁面に設けられており、直流モータ 1 9と、空気流路を備えたブラケット 2 1と、上記直流モータ 1 9の回転軸に送風用の軸流ファン 2 3から成る。

なお、ケーシング 3の後端（図 3において右端）は安全のために空気取入れ用の多数の穴を備えた壁面で覆われておリ、ケーシング 3の前方端（図 3において左端）には熱風出口用のノズル（図示省略）が着脱可能に取り付けられる。

上記ハンドル部 5には、ェゼクタ一 7に燃料ガスを供給するために燃料ガスとしての L P Gを貯留するためのガスタンク 2 5と、上記送風機 1 7の直流モータ 1 9 を回転せしめるための電源としての例えば 2本の乾電池 2 7が乾電池ケース内に着脱可能に設けられている。

なお、ガスタンク 2 5にはハンドル部 5の底面に設けた注入弁（図示省略）を介して L P Gが補充可能とされている。ガスタンク 2 5の上端は上記ェゼクタ一 7に L P Gを供給すべくガス流路としてのガス供給管 2 9が連通されている。このガス供給管 2 9の途中には、ガスの開閉弁としてのコントロールバルブ 3 1が設けられている。

また、上記コント口一ルバルブ 3 1のガス開閉を行うための操作レバ一 3 3がハンドル部 5の側壁面（図 3において左側面）に突出され、前記操作レバー 3 3は八ンドル部 5の内部で図 3において時計 ·反時計回リに回動自在に設けられている。操作レバー 3 3の上部はコントロールバルブ 3 1を開閉すべく上下動せしめるように係合しており、操作レバ一 3 3の下部はハンドル部 5の内部に設けたマグネッ卜ュニッ卜 3 5により着脱可能に設けられている。

なお、マグネッ卜ユニット 3 5は押圧された操作レバー 3 3の下部を電磁石によリ吸着してコントロールバルブ 3 1の開放状態を維持するためのものである。また、ハンドル部 5には点火装置の一部を構成する点火用圧電素子 3 7が内蔵されており、この点火用圧電素子 3 7に高圧電気を発生せしめるための点火用ッマミ 3 9がハンドル部 5の側壁面から外側に突出されている。点火用圧電素子 3 7は電線 4 1により前述した点火プラグ 9に接続されている。

また、ケーシング 3の内部にはマグネットユニット 3 5と直流モータ 1 9の 0 N - O F F動作を制御するスイッチング制御部としてのスイッチングアンプ 4 3が設けられており、このスイッチングアンプ 4 3は電源としての乾電池 2 7、マグネットユニット 3 5、直流モータ 1 9に電気的に接続されている。

また、ハンドル部 5の側壁面（図 3において右側面）にはスイッチングアンプ 4 3に送風機 1 7の送風開始の信号を送信するためのマイクロスィッチ 4 5と、燃焼器 1 1内で燃焼ガスが着火したことを表示するための着火確認用 L E D 4 7が設けられている。また、燃焼器〗 1の外壁には外壁温度により着火状態を検出する着火検出器としての例えば着火センサ 4 9が設けられ、燃焼器 1 1の出口付近には燃焼器 1 1で加熱された空気の過熱状態を検出する過熱検出器としての温風過熱センサ 5 1がケ一シング 3の内壁に設けられており、それぞれスイッチングアンプ 4 3に電気的に接続されている。

図 4は、図 3のヘア一ドライヤーの燃焼器の拡大側面図であり、図 5は、図 4の左側面図である。

図 4に示す燃焼器 1 1のチャンバ一 5 3はアルミ（ダイ力卜）の材料からなり、送風機 1 7とケーシング 3の出口 1 5との間に配置されている。また、図 5に示すように、本実施の形態では燃焼器 1 1の長手方向に直交する断面はほぼ円形の筒状体である。その内部は図 4において右側に位置する一次燃焼室 5 5と、この一次燃焼室 5 5の前方（図 4において左方）に位置する二次燃焼室 5 7と、一次燃焼室 5 5の後方（図 4において右方）に位置するェゼクタ一 7と、から構成されている。上記ェゼクタ一 7としては、ガスタンク 2 5からガス供給管 2 9を経て供給される L P Gを噴射するノズル 5 9が設けられており、このノズル 5 9は先端に口径が φ 6 0 Α«· Γη〜φ 2 0 0 At mのピンホールの噴射穴 6 1があり、ノズル 5 9内には噴射穴 6 1を閉鎖させる不純物やゴミを除去するフィルタ（図示省略）が内蔵されている。なお、このフィルタとしては例えば 1 0〜3 0 μ ιπの口径のピンホールを有する燒結金属などが用いられる。

また、噴射穴 6 1は円板状のピンホールディスク 6 3のほぼ中央に設けたオリフイスとして形成されており、上記の噴射穴 6 1からは L P Gが細く、音速に近いスピードで吐出される。

上記ノズル 5 9の前方には L P Gを一次エア一と混合して燃焼器 1 1へ導入するためのミキサー 6 5が設けられており、ミキサー 6 5の側壁には一次エアーを吸引するための吸引口 1 3が貫通されている。したがって、上記のノズル 5 9から吐出された燃焼ガスによってミキサー 6 5内が負圧になり、一次エアーが吸引されて燃焼ガスと一緒に混じりなから前方のガス燃焼部としての例えばウィック 6 7へ送られる。これを、ェゼク夕一効果という。なお、吸引口 1 3の面積が調節されることにより、一次エアーの割合を調節することができる。

ウィック 6 7は、ガス燃焼部として 5 0〜1 5 0メッシュの S U S金網で円筒状の形状になっておリ、燃焼器 1 1の一次燃焼室 5 5の図 4において右側のほぼ中心部に設けられている。上記の網目から L P Gと空気の混合ガスが排出される。なお、ウィック 6 7の前方端には直進抑制部 6 9が設けられており、この直進抑制部 6 9 によリミキサー 6 5から吐出された混合ガスの直進が抑制され、主として側方への流出が促進される。着火後の火炎は青色で円形になる。

また、前述した点火プラグ 9は燃焼器 1 1の内部にウィック 6 7の前方の側面に接近した位置に設けられている。点火プラグ 9には点火用圧電素子 3 7から高圧の電気が入力され、先端からウィック 6 7へ火花が飛ばされる。火花がウィック 6 7 から出た混合ガスに引火し、ガスが燃焼する。

一次燃焼室 5 5の内壁には、前後方向に延伸した複数の溝部 7 1が図 5に示されているようにウィック 6 7を中心にして周囲の放射方向に配置されている。さらに、前記複数の各溝部 7 1の間には二次燃焼室 5 7へ二次エアーを供給する複数の二次エア一管路 7 3が前記一次燃焼室 5 5の壁内に設けられている。

したがって、軸流ファン 2 3からの空気流が二次エアー管路 7 3を通ることによリ、一次燃焼室 5 5の温度を下げると共に、二次燃焼室 5 7へ二次エア一として導入される。つまり、二次エアーは一次燃焼室 5 5の温度を下げる効果と、二次燃焼室 5 7での燃焼性能向上の効果がある。ちなみに、二次エアー管路 7 3の数を 4〜 1 2個で燃焼性能と熱交換の効率測定の実験を行ったところ、燃焼性能と熱交換を両立せしめるには 8個が良い結果であった。

また、チャンバ一 5 3の外周側には熱交換用の複数枚のフィン 7 5が設けられている。このフィン 7 5はチャンバ一 5 3内で混合ガスが燃焼したときの発生熱を放出すると共に軸流フアン 2 3から送風された空気流へ熱を伝える、つまり熱交換する効果がある。フィン 7 5の枚数は多いと熱交換効率が良いのであるが、送風通路面積が減少するために圧損が発生し、送風が低下する。ちなみに、フィン 7 5の枚数を 4〜 1 2枚で熱交換と送風量の効率測定の実験を行ったところ、熱交換と送風量を両立せしめるには 8枚のフィン 7 5が良い結果であった。

上記構成により、上記の実施の形態のヘアードライヤー 1に対して、ブタンを主成分とする L P G混合ガスがガスタンク 2 5に注入され、電源となる乾電池 2 7が二本セッ卜される。上記の乾電池 2 7は交換でき、 L P Gも市販の小型ボンベから何回でも注入弁を介して充填できる。

次に、このヘアードライヤー 1の動作について説明する。先ず、マイクロスィッチ 4 5が O Nにされると、信号がスイッチングアンプ 4 3 へ送られることにより、スイッチングアンプ 4 3からマグネッ卜ユニット 3 5と送風機 1 7の直流モータ 1 9へ通電の指令が与えられ、送風が開始される。

次いで、操作レバー 3 3が押されると、コントロールバルブ 3 1の先端が上へ引上げられてガス開放が行われ、ガス供給が開始される。マグネッ卜ユニット 3 5の通電によリ操作レバー 3 3は押した状態で吸着されるのでガス供給状態が保持される。

L P Gはガスタンク 2 5からガス圧力により押し出され、コントロールバルブ 3 1 とガス供給管 2 9を経て燃焼器 1 1のェゼクタ一 7のノズル 5 9内へ供給される。

図 4に示すように、 L P Gはノズル 5 9内のフィルタを通過してオリフィスとしての噴射穴 6 1からミキサー 6 5へ音速に近いスピードで噴出されるので、ミキサ - 6 5内ではェゼクタ一効果によつて発生する負圧によリ、燃焼に必要な一次エア一（空燃比に相応する）が吸引口 1 3から吸引されてミキサー 6 5内へ流入し、この流入した一次エアーと L P Gとが混合されて混合ガスとなり前方のウィック 6 7へ噴出される。したがって、ミキサー 6 5では L P Gの増減に Jt例して燃焼に必要な一次エアーが自動的に吸引されるので、たとえ電池の電圧低下があっても不完全燃焼が生じることはない。

そして、ウィック 6 7では前方端面に直進制御部 7 5が設けられているので、燃料ガス（混合ガス）は主として側面のメッシュの S U S金網から周囲に噴出されることになる。

次いで、点火用圧電素子 3 7の点火用ッマミ 3 9が押されることにより、高圧の電気が電線 4 1を経て燃焼器 1 1内の点火プラグ 9から火花が発生し、ウィック 6 7から出た混合ガスに着火する。この燃焼炎の殆どはウィック 6 7の側面から外方へ円形状に広がっていくことになり、燃焼炎の長さはウィック 6 7から十数闘程度で留まり、温風は一次燃焼室 5 5の内部並びに内壁の 8個の溝部 7 1に沿って前方の二次燃焼室 5 7へ伝わっていくことになる。このとき、軸流ファン 2 3からの空気流（二次エアー）が前記 8個の溝部 7 1の間に備えられた 8個の二次エアー管路 7 3を通るので、一次燃焼室 5 5の温度が効率よく下げられる。

さらに、二次燃焼室 5 7では 8個の二次エア一管路 7 3を通過して高温に温められた二次エアーが導入されるので、さらに燃焼反応が促進され、燃焼性能向上が図られる。つまり、一次燃焼室 5 5で燃焼を終えたガスと高温の二次エアーが混合するので燃焼反応し易くなリ、完全燃焼し易くする効果がある。これによつて燃焼性能が向上する。

したがって、本実施の形態のチャンバ一 5 3では、殆どの末燃ガスは二次燃焼室 5 7で燃焼されるので、チャンバ一 5 3の外部には火炎が出にくい構造となっている。ヘアードライヤー 1は人体に使用される器具であるので、万一でもケーシング 3の出口 1 5からの炎の発生は許されないものであるが、二次燃焼室 5 7で完全燃焼が行われるので炎を消し、無炎とする効果があり、出口 1 5からの炎の発生は確実に防止される。

また、チヤンバー 5 3の外側の熱交換用の複数枚のフィン 7 5により、熱交換されるので、チャンバ一 5 3の熱が放出され、この熱が軸流ファン 2 3から送風される空気流へ効率よく伝わる。

なお、上記のほぼ断面円形のチャンバ一 5 3はアルミダイカス卜で大量生産が可能であるので安くできる。また、二次エアーが導入されることからチャンバ一 5 3 の熱交換率が良いものである。特に、一次燃焼室 5 5内が冷やされて高温にならないので、チヤンバー 5 3の材料のアルミが溶融しにくくなるため薄肉化が可能であリ、熱交換率が向上することになる。

また、上記のように温められた温風温度は、ガス量と送風量で決定されるので、所望の温風温度となるように燃焼器 1 1の仕様が決定される。例えば、燃焼器 Ί 1 のガス量を 200 c c/分とすると、この燃焼器 1 1がヘアードライヤー 1へ装着されてから、所望の温風温度（例えば 1 00° C± 1 0° C) となるような送風量が決定される。送風量は直流モー夕 1 9の回転数と使用する軸流ファン 23との組み合わせにより決定される。

また、本実施の形態の携帯用ヘア一ドライヤー 1から出る温風には、マイナスィオンが多量に生成される。そこで、マイナスイオン発生方法について説明する。使用される燃料ガスは一般的に使用されている L PGであり、この L PGはブタンガス（C₄H₁₀) とプロパンガス（C₃H₈) を主成分としたガスである。ブタンガスとプロパンガスが完全燃焼反応を起こすと、二酸化炭素（C0₂)と水蒸気（H ₂0) が生成され、燃焼後のガスは水蒸気を含んだ温風となる。

その化学式は、

プロパンの場合は、 C₃H₈+ 50₂→3C0₂ + 4 Η₂Όとなり、

ブタンの場合は、 50₂→4 C0₂+5 Η₂0となる。

上記のように水蒸気を含んだ高温の排気ガスは、チヤンバー 53の出口付近で乱流が起きるので、高温で活性化された水分子同士が衝突し合うことにより、イオン化し、マイナスイオンを大量に含んだ温風となって排出されるのである。この場合、本実施の形態のヘアードライヤー 1においては、従来の燃焼器に比べて、完全燃焼しているために燃焼温度が高いので、水分子の分子運動が大きく、水分子同士の衝突が激しいことや、二次エアーの流れによつて二次燃焼室 57で乱流が発生するために分子同士の衝突が激しいことから、マイナスイオンが発生し易くなつたと考えられる。

ちなみに、特開 2002- 1 91 426号公報記載のイオン発生器を備えたヘア一ドライヤーにおけるマイナスイオン発生量は、ドライヤーの出口から 1 5 cm離れた位置で、 2， 000〜2， 500個/ cm³であり、出口から 3 O cm離れた位置で、 500〜 000個 Z cm ³である。これに対して、本発明の実施の携帯のヘア一ドライヤー 1では、出口から 1 5 cm離れた位置で、 90， 000〜1 00， 000個/ cm³で、従来の 40~45倍であり、出口から 3 O cm離れた位置で、 70， 000~90, 000個/ c m³で、従来の 90〜 1 40倍である。なお、 L PGが不完全燃焼したときに発生する一酸化炭素は、二次燃焼室 57で完全燃焼されることから少なくなリ、ヘアードライヤー 1の出口から排出される一酸化炭素（CO)濃度は小さくなる。ちなみに、ガス量が 200 c c/分における一酸化炭素濃度については、従来では 900 p pm以上であるが、本発明の実施の形態では 1 5 p pmである。

また、ガス量が 200 c cZ分における温風出口温度（中心部）については、従来ではチャンバ一の出口から 50mm離れた位置で約 80°Cで、出口から 1 00 mm離れた位置で約 75でで、出口から 1 50 mm離れた位置で約 60 °Cであるが、本発明の実施の形態では、出口から 50 mm離れた位置で約 1 80°Cで、出口から 1 00mm離れた位置で約 1 30°Cで、出口から 1 5 Omm離れた位置で約 90°C である。したがって熱交換効率が従来よリ大巾に高いことが伺える。

以上のようにして燃焼器 1 1のチャンバ一 53内で混合ガスが燃焼すると、チヤンバー 53に装着された着火センサ 49が温められる。この着火センサ 49が一定時間内に予め設定された設定温度を検知すると、信号がスイッチングアンプ 43へ通電されることによリ、スイッチングアンプ 43から着火確認用 L ED47へ通電され、この L EDの点灯により着火したことが確認できる。

一方、マイクロスィッチ 45が 0 F Fにされると、スイッチングアンプ 43への信号が遮断されることにより、マグネッ卜ュニッ卜 35と送風機 1 7の直流モータ 1 9への通電も遮断される。

上記のマグネッ卜ユニット 35への通電が遮断したことにより、ガス開放状態に保持されていた操作レバー 33は離脱され、元の原位置に戻るために、コント口一ルバルブ 3 1は閉じられ、ガス供給は停止し、また、直流モータ 1 9への通電も遮断されたことにより、送風も停止することとなる。

また、上記のマグネッ卜ユニット 3 5が装着されていることにより、以下の事態が生じた場合にガス供給の停止が可能となリ、安全装置として機能する。

一つ目の事態としては、着火ミスが生じた場合、あるいは何らかの影響でガス燃焼が中断してしまつた場合がある。着火操作を行ったにもかかわらず着火センサ 4 9がー定時間内に予め設定した設定温度に達しなかった場合、あるいはガス燃焼中であるにもかかわらず着火センサ 4 9が上記の設定温度を下回った揚合は、着火センサ 4 9からスイッチングアンプ 4 3への信号が遮断される。

このように着火センサ 4 9からの信号が一定時間以上ない場合は、スイッチングアンプ 4 3から与えられる指令によりマグネットユニット 3 5、直流モータ 1 9、及び着火確認用 L E D 4 7への通電は一切遮断されることになリ、マグネッ卜ュニッ卜 3 5によって保持されていた操作レバー 3 3が離脱され、コントロールバルブ 3 1が閉じ、ガス供給が停止する。同時に直流モータ 1 9も停止して送風が停止され、着火確認用 L E D 4 7は消灯する。以上のように、へヤードライヤー 1は完全な停止状態となる。

また、二つ目の事態としては、へヤードライヤ一 1を使用中に燃料ガスが無くなつてしまつた場合がある。このときは、燃料ガス量の不足によリ燃焼温度が低下し、もしくは燃焼継続が不可能となるために燃焼中断となるので、送風機 1 7からの送風により着火センサ 4 9が冷却されて着火センサ 4 9の温度が設定温度より下がるために、着火センサ 4 9からスイッチングアンプ 4 3への信号が遮断される。したがって、前述した最初の事態で説明したようにへヤードライヤー 1は完全な停止状態となる。

また、三つ目の事態としては、へヤードライヤー 1を使用中に温風温度が高温になり、温風温度が設定温度を超えてしまった揚合がある。このように設定温度を超えてしまうと、温風過熱センサ 5 1の内部の接点が離れ、スイッチングアンプ 4 3 への信号が遮断される。

温風過熱センサ 5 1からの信号が遮断されると、スイッチングアンプ 4 3から与えられる指令によりマグネットュニッ卜 3 5への通電は直ちに遮断され、ガス供給は停止する。また、直流モータ 1 9は予め設定した一定の設定時間だけ通電され、送風機 1 7の送風により過熱した温風が冷却され、その後停止する。へヤードライヤー 1は完全な停止状態となる。

また、四つ目の事態としては、へヤードライヤー 1を使用中に電池残量が少なくなった場合がある。このときは、へャ一ドライヤー 1を使用中にスイッチングアンプ 4 3にて電池 2 7の電圧が検知され、電圧が予め設定したレベル以下の場合は、マグネッ卜ユニット 3 5と直流モータ 1 9への通電が遮断され、ガス供給、送風共に停止する。したがって、前述した最初の事態で説明したようにへヤードライヤ一 1は完全な停止状態となる。

以上のように、マグネッ卜ユニット 3 5が装着されることにより、危険な事態が生じた場合は容易にガス供給の停止が可能となり、へヤードライヤー 1を安全に保つことができる。

なお、本発明のガス燃焼式携帯ドライヤーとしては、上記実施の形態のヘアードライヤ一以外にも、熱収縮チューブの収縮作業や乾燥、接着、溶解、八ンダ付けなどに使用されるヒー卜ガンなどが使用可能なものとして挙げられる。産業上の利用可能性

以上のごとき説明から理解されるように、本発明によれば、ェゼクタ一では燃料ガスの噴射速度によるェゼクタ一効果によって負圧が発生するので、燃焼に必要な空気を燃料ガスの増減に比例して自動的に吸引できる。したがって、たとえ電池の電圧低下が生じて送風機による送風量が減少しても不完全燃焼を防止できる。また、二次燃焼室では一次燃焼室で燃焼を終えたガスと二次エアーを混合するので燃焼反応し易くして完全燃焼を促進するので燃焼性能を向上できる。結果として燃焼器の外部に火炎が出る事態を防止できる。また、燃焼性能が向上するので燃焼ガス消費を少なくできる。

さらに、本発明によれば、送風機からの空気流が二次エア一管路を通ることにより、一次燃焼室の温度を下げることができ、さらに、二次エアー管路にて高温に温められた二次エア一を二次燃焼室へ導入するので、一次燃焼室で燃焼を終えたガスと高温の二次エアーが混合することから完全燃焼し易くし燃焼性能を向上できる。さらに、本発明によれば、着火検出器により着火していないことを検出したとき、スイッチング制御部によりマグネッ卜ュニッ卜を遮断して燃料ガスの供給を停止でき、送風機による送風を停止できる。あるいは、燃焼器で加熱された温風が過熱状態にあることを過熱検出器によリ検出したとき、スィツチング制御部によりマグネッ卜ュニッ卜を遮断して燃料ガスの供給を停止でき、送風機による送風を一定時間続行して燃焼器を冷却してから停止できる。

さらに、本発明によれば、 L P Gはブタンガスとプロパンガスを主成分としたガスであり、燃焼反応を起こすと、二酸化炭素と水蒸気が生成され、燃焼後のガスは水蒸気を含んだ温風となる。この水蒸気を含んだ高温ガスは二次燃焼室で完全燃焼し燃焼温度が高いので水分子を活性化し、しかも二次エアーの流れによって二次燃焼室で乱流を発生せしめるので水分子同士の衝突を激しくし、マイナスイオンを多量に発生できる。なお、二次燃焼室で完全燃焼するので一酸化炭素濃度を小さくできる。

Claims

請求の範囲

1 . ガス燃料式携帯ドライヤーであって、

燃料ガスを貯留するためのガスタンクと、

前記ガスタンクから供給された燃料ガスと一次エアーを混合した混合ガスを燃焼する一次燃焼室と、前記一次燃焼室で燃焼したガスに二次エアーを供給して燃焼する二次燃焼室と、を設けた燃焼器と、

前記燃焼器で加熱された空気を、上記燃焼器を内装した筒状のケ一シングの出口側へ流出せしめるための送風機と、

前記送風機のモータを回転するための電源と、

前記燃料ガスに点火するための点火装置と、

前記ガスタンクから前記燃焼器に至るガス流路中に、前記燃焼器へ供給される燃料ガスの流速により生じる負圧に起因して前記一次エアーを吸引するためのェゼクタ一と、を備えたことを特徴とする。

2 . 請求項 1記載のガス燃焼式形態ドライヤーであって、前記燃焼器は、送風機と出口との間に配置してあり、当該燃焼器の外周面とケーシングの内周面との間に前記送風機から送風される空気流路を形成する複数のフィンを外周側に備えた略円形の断面を有する筒状部であって、前記燃焼器は、当該筒状部に前記一次燃焼室とその前方に前記二次燃焼室を備え、前記一次燃焼室の中心部にガス燃焼部を備えると共に前記一次燃焼室の内壁に前後方向に延伸する複数の溝部を設け、前記二次燃焼室へ二次エアーを供給する複数の二次エアー管路を前記一次燃焼室の壁内に設けられたことを特徴とする。

3 . 請求項 2記載のガス燃焼式携帯ドライヤーであって、前記ガス燃焼部の前方端には前記混合ガスの直進を抑制する混合ガス直進抑制部が設けられたことを特徵とする。

4 . ガス燃焼式携帯ドライヤーであって、

燃料ガスを貯留するためのガス夕ンクと、

前記ガスタンクから供給された燃料ガスを燃焼する燃焼器と、

前記燃焼器で加熱された空気を、上記燃焼器を内装した筒状のケーシングの出口側へ流出せしめるための送風機と、

前記送風機のモータを回転するための電源と、

前記燃料ガスに点火するための点火装置と、

前記ガスタンクから前記燃焼器に至るガス流路中に燃料ガスの供給を保持せしめるマグネッ卜ュニッ卜と、

前記燃焼器の外壁温度により着火状態を検出する着火検出器と、

前記燃焼器で加熱された空気の過熱状態を検出する過熱検出器と、

前記着火検出器と過熱検出器とからの検出信号により前記マグネッ卜ュニッ卜と前記送風機の動作を制御するスイッチング制御部と、

を備えることを特徴とする。

5 . 請求項 4記載のガス燃焼式携帯ドライヤーであって、前記スイッチング制御部は、前記着火検出器により前記燃焼器が着火していないことを検出したとき、マグネッ卜ュニッ卜を遮断して燃料ガスの供給を停止し、送風機による送風を停止するか、あるいは、前記加熱検出器により前記燃焼器で加熱された温風が過熱状態にあることを検出したとき、マグネッ卜ュニッ卜を遮断して燃料ガスの供給を停止でき、送風機による送風を一定時間続行して燃焼器を冷却してから停止することを特徵とする。

6 . 燃料ガスを貯留するためのガスタンクと、前記ガスタンクから供給された燃料ガスと一次エアーを混合した混合ガスを燃焼する一次燃焼室と、前記一次燃焼室で燃焼したガスに二次エアーを供給して燃焼する二次燃焼室とを設けた燃焼器と、前記燃料ガスに点火するための点火装置とを備えたガス燃焼式携帯ドライヤーにおけるマイナスイオン発生方法において、

前記燃料ガスと一次エアーとを混合して一次燃焼室へ噴出し、

この噴出した混合ガスを前記点火装置にて前記一次燃焼室において燃焼せしめ、前記二次燃焼室にて前記一次燃焼室で燃焼したガスに二次エアーを供給して完全燃焼すると共に乱流を発生せしめ、

前記燃焼ガスの燃焼で多量に発生した水分子の分子運動を活性化せしめてマイナスイオンを発生せしめる、

ことを特徴とする。