糸田 » パターン形成方法
【技術分野】
本発明は、 レジスト膜よりなるレジストパターンを形成するパターン形成方法 に関し、 特に、 レジスト膜の下に堆積された有機系反射防止膜に対してレジスト パターンをマスクとしてドライエッチングを行なう技術に関する。
【背景技術】
近年、 半導体集積回路素子の微細化に伴って、 リソグラフィー工程における露 光光の光源は短波長化しており、 現在では、 光源としては K r Fエキシマレ一ザ (波長 248 nm) 等が用いられようとしている。
ところで、 露光光の光源が短波長化すればするほど、 レジスト膜に対して露光 を行なう際の露光光の基板反射率が増加するため、 露光光が基板で反射されてな る反射光に起因するレジストパターンの寸法変動が起きやすい。 レジストパター ンの寸法変動は、 露光光がレジスト膜の下の基板で反射されて、 反射光としてレ ジスト膜に入射する際に、 レジスト膜が反射光により再び露光されてしまうため 、 レジスト膜における露光したくない部分まで露光されることにより発生する。 そこで、 最近では、 反射光のレジス卜膜への入射を抑制するために、 レジスト 膜の下に有機系反射防止膜 (Organic Bottom Anti-Reflective Coating :以下、 各表及び図面においては、 単に ARCと略する。 ) を形成するプロセスが提案さ れている。 このプロセスは、 主として、 ゲ一卜幅が 0. 25 m以下のルールを 持つ高性能デバイスにおける半導体素子の製造工程において用いられる技術であ る。
以下、 図 1 (a) 〜 (e) を参照にしながら、 有機系反射防止膜を利用したレ ジス卜パターンの形成方法について説明する。
まず、 図 1 (a) に示すように、 下地膜 1 1 (例えば、 ポリシリコン膜、 シリ コン酸化膜又はタングステンシリサイ ド膜) 上に、 表面が平坦になるように有機 系反射防止膜 1 2を堆積した後、 図 1 (b) に示すように、 有機系反射防止膜 1
2の上に、 ポジ型のレジス卜よりなるレジスト膜 1 3を堆積する。
次に、 図 1 (c) に示すように、 マスク 14を用いてレジスト膜 1 3に対して 選択的に露光を行なった後、 露光されたレジスト膜 1 3に対して現像処理を行な うことにより、 図 1 (d) に示すように、 レジスト膜 1 3における露光部を除去 して、 レジス卜パターン 1 5を形成する。
次に、 図 1 (e) に示すように、 レジストパターン 1 5をマスクとして有機系 反射防止膜 1 2に対してドライエッチングを行なって、 有機系反射防止膜 1 2に おけるレジストパターン 1 5に覆われていない部分を除去する。
ところで、 前記のように有機系反射防止膜 1 2を用いるパターン形成方法にお いては、 有機系反射防止膜 1 2に対してドライエッチングを行なう際に、 有機系 反射防止膜 1 2に寸法変動が発生し易いという問題、 有機系反射防止膜 1 2とシ リコンを含む下地膜 1 1との選択比が低いという問題、 及び、 エッチングを行な う反応室内に発生するパーティクルが増加するという問題がある。
有機系反射防止膜 1 2に寸法変動が発生し易いという問題については、 有機系 反射防止膜 1 2がレジスト膜 1 3と同様に力一ボン系の材料であるため、 有機系 反射防止膜 1 2をエッチングする際にレジストパターン 1 5も同時にエッチング されてしまうことが原因であると考えられる。
また、 反応室内に発生するパーティクルが増加するという問題については、 有 機系反射防止膜 1 2をエッチングする際に、 該有機系反射防止膜 1 2から発生す るパーティクルが原因であると考えられる。
そこで、 前記の各問題を解決するため、 有機系反射防止膜 1 2に対するエッチ ングガスとして、 H B r ZOa 系のガス及び N 2 θ 2 系のガスが提案されてい る。
また、 最近では、 1 996年秋季第 57回応用物理学術講演会において、 有機 系反射防止膜 1 2に対するエッチングガスとして C 12 〇2 系のガスを用いる と、 寸法制御性が良くなると共に下地膜であるポリシリコン膜との選択比も無限 大になると報告されている (NEC :西沢ら、 No.2 p483 7a- T-1) と共に、 有機 系反射防止膜 12に対するエッチングガスとして C OZN 2 /02 系のガスを用 いると、 レジスト膜に対する選択比が向上すると報告されている (LGSemicon Je
onら、 No.2 p522> 8a-T-7) 。
(C 1 2 /Oz 系のガスを用いてドライエッチングを行なう場合の問題) ところが、 本件発明者等が、 C 1 2 /02 系のガスを用いて有機系反射防止膜 1 2に対してドライエッチングを行なったところ、 以下に説明するような新たな 問題が生じた。 '
以下、 C 1 /02 系のガスを用いて有機系反射防止膜に対して行なう ドライ エッチング方法について説明する。 ドライエッチング装置としては、 様々なエツ チング装置を用いることができるが、 ここでは、 図 2に示す第 1のエッチング装 置を用いてドライエッチングを行なった場合の結果について説明する。
第 1のエッチング装置は、 接地されていると共に、 内壁面がセラミック、 アル ミナ又は石英等の絶縁物で覆われているチャンバ一 2 1を備えている。
チャンバ一 2 1の内部における側方には、 第 1の側方電極 22A、 第 2の側方 電極 22 B及び第 3の側方電極 22 Cが同一円周上に等間隔に設けられており、 これら第 1の側方電極 22A、 第 2の側方電極 22 B及び第 3の側方電極 22 C には、 第 1の高周波電源 23 A、 第 2の高周波電源 23 B及び第 3の高周波電源 23 Cから放電電力は等しいが位相が互いにほぼ 1 20° づっ異なる 54. 24 MHzの高周波電力が図示しない整合回路を介して供給される。 すなわち、 第 2 の側方電極 2 2 Bには第 1の側方電極 22 Aに比べて位相が 1 20° 進んだ高周 波電力が供給され、 第 3の側方電極 22 Cには第 1の側方電極 22 Aに比べて位 相が 1 20° 遅れた高周波電力が供給される。 尚、 第 1〜第 3の高周波電源 23 A〜23 Cには、 図示しないフェーズシフ夕により 1 20° づつの位相差が生じ る。 ·
チャンバ一 2 1の内部における底部には、 アース電極 24が設けられ、 該ァー ス電極 24の上には、 基板を載置するための下部電極としての試料台 25が設け られている。 試料台 25には第 4の高周波電源 26からバイアス高周波電圧が印 加される。
また、 図示は省略しているが、 チャンバ一 2 1には、 エッチングガスをマスフ 口一コントローラを介してチャンバ一 2 1内に導入するためのガス導入部が設け られていると共に、 チャンバ一 2 1内の圧力を 0. 1 P a〜 1 0 P a程度に制御
するターボポンプが設けられている。
以下、 第 1のエッチング装置を用いて行なう有機系反射防止膜に対するドライ エッチング方法について、 図 4 (a) 、 (b) を参照しながら説明する。
まず、 図 4 (a) に示すように、 シリコンウェハ 41の上に熱シリコン酸化膜 42を形成した後、 該熱シリコン酸化膜 42の上に下地膜としてのポリシリコン 膜 43を堆積する。 その後、 ポリシリコン膜 43の上に膜厚 1 50 nmの有機系 反射防止膜 44及びレジスト膜を順次堆積した後、 該レジスト膜に対してエッチ ングを行なってレジスト膜よりなるレジストパターン 45を形成する。
次に、 図 4 (b) に示すように、 レジストパターン 45をマスクとして有機系 反射防止膜 44に対してドライエッチングを行なう。 このドライエッチングのプ ロセス条件は [表 1] に示す通りである。
尚、 [表 1 ] において、 LEP (Lissajous Electron Plasma) は、 第 1〜第 3の高周波電源 23 A、 23 B及び 23 Cから供給されるプラズマ発生用の高周 波電力の周波数及び電力を示し、 RF ( Radio Frequency) は第 4の高周波電源 26から供給されるバイアス高周波電力の周波数及び電力を示している。 L E F 及び R Fの意味については、 以下においてエッチングプロセス条件を示す各表及 び説明において共通である。
【表 1】
エッチングプロセス条件
C 1 Z〇 20 / 20 (s c cm)
L E P/RF 54. 24/ 1 3. 56 (MHz)
3 X 100/70 (W) 圧 力 5 (mT o r r ) 下部電極の温度 一 5 (。C)
エッチング結果は [表 2] に示す通りであって、 エッチング後の有機系反射防 止膜 44の断面形状は垂直であり、 寸法変動特性及びポリシリコン膜 4 3との選 択比特性も良好であった。 尚、 [表 2] において、 o p e nとは、 ラインアンド スペースのスペース幅が 1 m以上である配線パターン領域を示し、 d e n s e とはラインアンドスペースのスペース幅が 0. 3 im程度である配線パターン領 域を示している。 o p e n及び d e n s eの意味については、 以下においてエツ チング特性結果を示す各表及び各説明において共通である。
【表 2】
エッチング特性結果
ところが、 シリコンウェハ 4 1の面内における一部の領域、 特にレジストパ夕 ーン 4 5の開口部の面積が小さい領域 (d e n s e領域) では、 有機系反射防止 膜 4 4の下地膜であるポリシリコン膜 4 3もエッチングされてしまい、 ポリシリ
コン膜 4 3に表面荒れが発生するという新たな問題が生じた。 このように有機系 反射防止膜 4 4に対するエッチングの際にポリシリコン膜 4 3に表面荒れが生じ ると、 パターン化されたポリシリコン膜 4 3にも荒れが残るので、 実用上大きな 問題になる。
( N , Z〇2 系のガスを用いてドライエッチングを行なう場合の問題) また、 本件発明者等が、 N 2 /〇2 系のガスを用いて有機系反射防止膜に対し てドライエッチングを行なったところ、 以下に説明するような新たな問題が生じ た。 以下、 N 2 / O z 系のガスを用いて有機系反射防止膜に対して行なうエッチ ング方法について説明する。 尚、 ドライエッチング装置としては、 様々なエッチ ング装置を用いることができるが、 ここでは、 図 3に示す第 2のエッチング装置 を用いてドライエッチングを行なった場合の結果について説明する。
第 2のエッチング装置は、 接地されていると共に、 内壁面がセラミック、 アル ミナ又は石英等の絶縁物で覆われたチャンバ一 3 1を備えており、 該チャンバ一 3 1の内部には、 上部において誘導結合型コイル 3 2が設けられていると共に、 下部において高周波電力が印可される下部電極としての試料台 3 3がアース電極 3 4の上に設けられている。 誘導結合型コイル 3 2の一端には第 1の高周波電力 供給源 3 5から図示しない整合回路を介して 1 3 . 5 6 M H zの高周波電力が印 加されると共に、 試料台 3 3には第 2の高周波電力供給源 3 6から 1 3 . 5 6 M H zの高周波電力が印可される。 尚、 誘導結合型コイル 3 2の他端はチャンバ一 3 1の側壁に接続されることにより接地されている。 また、 図示は省略している が、 チャンバ一 3 1には、 エッチングガスをマスフローコントローラを介してチ ヤンバー 3 1内に導入するためのガス導入部が設けられていると共に、 チャンバ ― 3 1内の圧力を 0 . 1 P a〜 1 0 P a程度に制御するターボポンプが設けられ ている。
以下、 第 2のエッチング装置を用いて行なう有機系反射防止膜に対するドライ エッチング方法について、 図 4 ( a ) 、 ( b ) を参照しながら説明する。
まず、 図 4 ( a ) に示すように、 シリコンウェハ 4 1の上に熱シリコン酸化膜 4 2を形成した後、 該熱シリコン酸化膜 4 2の上に下地膜としてのポリシリコン 膜 4 3を堆積する。 その後、 ポリシリコン膜 4 3の上に膜厚 1 5 0 n mの有機系
反射防止膜 44及びレジスト膜を順次堆積した後、 該レジスト膜に対してエッチ ングを行なってレジスト膜よりなるレジストパターン 45を形成する。
次に、 図 4 (b) に示すように、 レジストパターン 45をマスクとして有機系 反射防止膜 44に対してドライエッチングを行なう。 このドライエッチングのプ ロセス条件は [表 3] に示す通りである。 尚、 [表 3] において、 I CP (Indu ctively Coupled Plasma) は、 第 1の高周波電力供給源 35から供給されるブラ ズマ発生用の高周波電力の周波数及び電力を示しており、 I CPの意味について は、 以下においてエッチングプロセス条件を示す各表及び各説明において共通で ある。
エッチング結果は [表 4] に示す通りであって、 [表 4] から分かるように、 パターン化された有機系反射防止膜 44の断面形状は垂直であって、 寸法変動特 性及びポリシリコン膜 43との選択比特性も良好であった。
【表 3】
エッチングプロセス条件
エッチング特性結果
ところが、 ドライエッチング後に、 被エッチング基板であるシリコンウェハ 4 1を顕微鏡により暗視野で目検を行なったところ、 多数 (3 mm 2 当たり 1 0 0 個程度) の異物状残渣が観察された。 このように有機系反射防止膜 4 4に対する エッチングの際に異物状残渣が生じると、 後工程において行なうポリシリコン膜 4 3に対するエッチングにおいて異物状残渣がポリシリコン膜 4 3に転写される ので、 実用上大きな問題になる。 '
前記に鑑み、 本発明は、 有機系反射防止膜に対するドライエッチングにおいて 、 パターン化された有機系反射防止膜に垂直な断面形状が得られ、 有機系反射防 止膜の寸法変動特性及び下地膜に対する選択比特性も良好である上に、 下地膜に 表面荒れが発生しないようにすることを第 1の目的とし、 パターン化された有機 系反射防止膜に垂直な断面形状が得られ、 有機系反射防止膜の寸法変動特性及び ポリシリコン膜に対する選択比特性も良好である上に、 異物状残渣が発生しない ようにすることを第 2の目的とする。
【発明の開示】
(第 1の目的を達成するための解決手段)
本件発明者等は、 シリコンウェハの面内におけるレジス卜パターンの開口部の 面積が小さい領域で、 下地膜であるポリシリコン膜に表面荒れが発生する理由に ついて検討した結果、 下記のことを見出した。 すなわち、 図 2 1は、 下地膜であ るポリシリコン膜に表面荒れが生じた領域のレジストパターンの平面を示してお り、 図 2 1に示すように、 コの字状に形成されたレジス卜パターンにおける三辺 に囲まれた領域は、 対向する辺同士の間隔が 0 . 3 /i mの狭い領域になっている
。 この狭い領域は、 有機系反射防止膜に対して C 1 2 0 系のエッチングガス を用いるドライエッチングを行なう前には、 下地膜であるポリシリコン膜は有機 系反射防止膜により覆われており、 図 2 1は有機系反射防止膜に対するエツチン グが終了した ¾階の平面を示している。
有機系反射防止膜に対して、 図 2 1に示すようなレジストパターンをマスクと して C 1 2 / 系のエッチングガスを用いてドライエッチングすると、 レジス トパターンにおける 0 . 3 /i m幅の狭い領域は、 周辺をレジス卜パターンによつ て囲まれた状態になっているため、 C 1 2 / O z 系ガスのうちの 0 2 成分がレジ スト膜を構成する Cと反応してしまう結果、 レジストパ夕一ンにおける狭い領域 では、 エッチングガスは C 1 2 の成分が過剰に存在することになる。
ここで、 C 1 2 ガスについて考えると、 C 1 2 ガスは、 ハロゲン系のガスであ るため、 有機系反射防止膜のみならずポリシリコン膜をもエッチングするので、 レジストパターンにおける狭い領域では、 有機系反射防止膜のみならず、 下地膜 であるポリシリコン膜もエッチングされてしまう。 このため、 レジストパターン の狭い領域においてポリシリコン膜に表面荒れが生じるのである。
尚、 C 1 2 / 0 2 系のエッチングガスは、 ポリシリコン膜のほかに、 ァモルフ ァスシリコン膜、 ポリシリコン膜又はタングステンシリサイド膜等のシリコン系 の下地膜をもエッチングするので、 前述の問題は下地膜がシリコン系の膜である 場合に共通して発生する。
以上の説明は、 本件発明者等が C 1 / 0 2 系のエッチングガスを用いて実験 を行なうことによって得られた第 1の知見である。
(第 2の目的を達成するための解決手段)
また、 本件発明者等は、 異物状残渣を E S C A (電子発光分析) により分析し た結果、 異物状残渣はシリコン系の異物であることを見出した。
そこで、 今回、 使用した有機系反射防止膜の材料 (商品名 : C D 9 ; アメリカ 、 ブリューヮサイエンス社製) に対して発光分光分析法により無機系成分の分析 を行なったところ、 有機系反射防止膜の材料から 1 0 p p m程度のシリコン成分 が検出された。
ここで、 N 2 O 2 系ガスについて考える。 N 2 / O 2 系ガスは有機系反射防 止膜の有機成分をエッチングすることは可能であるが、 シリコン系成分をエッチ ングすることはできない。 従って、 有機系反射防止膜にシリコンの不純物が混入 されていると、 混入されたシリコンはエッチングされずに残存し、 残存するシリ コンが異物状残渣の発生源になると考えられる。
以上の説明は、 本件発明者等が N 2 Χ θ 2 系のエッチングガスを用いて実験を 行なうことによって得られた第 2の知見である。
本件発明に係る第 1のパターン形成方法は、 前記の第 1の知見に基づいてなさ れたものであって、 基板上に形成された下地膜の上に有機系反射防止膜を堆積す る第 1の工程と、 有機系反射防止膜の上にレジストパターンを形成する第 2のェ 程と、 レジストパターンをマスクとして有機系反射防止膜に対してドライエッチ ングを行なって有機系反射防止膜よりなる反射防止膜パターンを形成する第 3の 工程とを備えたパターン形成方法を前提とし、 第 3の工程は、 S成分を有するガ スを含むエッチングガスを用いてドライエッチングを行なつて反射防止膜パ夕一 ンを形成する工程を含む。 - 第 1のパターン形成方法によると、 エッチングガスに含まれる S成分が S i と の反応確率が小さいので、 エッチングガスが、 有機系反射防止膜の下側に形成さ れているポリシリコン膜等の S iを含む下地膜をエッチングしたり、 下地膜に局 所的に表面荒れを引き起こしたりしない。
また、 エッチングガスに含まれる S成分が、 レジストパターンや有機系反射防 止膜の主成分である Cと結合することにより、 レジストパターンや有機系反射防 止膜のパターン側壁に C _ Sという形で付着してパ夕一ン側壁を保護するので、
エツチングの有機系反射防止膜の寸法変動特性が優れている。
第 1のパターン形成方法の第 3の工程におけるエッチングガスは S〇 Z D ; 系のガスであることが好ましい。
このようにすると、 エッチングガスにおける Ο の混合割合を調整することに より、 エッチング後の有機系反射防止膜の寸法変動特性を制御することが容易に なる。
この場合、 S〇2 0 2 系のガスにおける S 02 に対する 0 2 の混合割合は 2 分の 1以上であることがより好ましい。
このようにすると、 エッチング後の有機系反射防止膜の寸法がレジストパ夕一 ンの寸法よりも大きくなる事態を防止できる。
第 1のパターン形成方法の第 3の工程は、 基板を 1 5 °C以下の温度に保持した 状態でドライエッチングを行なって反射防止膜パターンを形成する工程を含むこ とが好ましい。
このようにすると、 エッチング後の有機系反射防止膜の寸法変動特性が向上す る。
第 1のパターン形成方法の第 3の工程におけるエッチングガスは、 硫化力ルポ ニル (C O S ) を含むガスであることが好ましい。
このようにすると、 C O Sは S〇2 に比べて液化し難いので、 取り扱いが容易 になる。
本発明に係る第 2のパターン形成方法は、 前記の第 1の知見に基づいてなされ たものであって、 基板上に形成された下地膜の上に有機系反射防止膜を堆積する 第 1の工程と、 有機系反射防止膜の上にレジストパターンを形成する第 2の工程 と、 レジストパターンをマスクとして有機系反射防止膜に対してドライエツチン グを行なって有機系反射防止膜よりなる反射防止膜パターンを形成する第 3のェ 程とを備えたパターン形成方法を前提とし、 第 3の工程は、 S成分を有するガス を含むエッチングガスを用いてドライエッチングを行なって反射防止膜パターン を形成するパターン形成工程と、 基板上に残留する S成分を除去する S成分除去 工程とを含む。
第 2のパターン形成方法によると、 第 1のパターン形成方法と同様、 エツチン
グガスに含まれる S成分が S i との反応確率が小さいので、 エッチングガスが、 有機系反射防止膜の下側に形成されているポリシリコン膜等の S i を含む下地膜 をエッチングしたり、 下地膜に局所的に表面荒れを引き起こしたりしない。
また、 エッチングガスに含まれる S成分が、 レジス卜パターンや有機系反射防 止膜の主成分である Cと結合することにより、 レジストパ夕一ンゃ有機系反射防 止膜のパターン側壁に C一 Sという形で付着してパターン側壁を保護するので、 エッチングの有機系反射防止膜の寸法変動特性が優れている。
また、 S成分を有するガスを含むエッチングガスから発生した S成分を除去す るため、 基板上に残留する S成分が大気中の水分と反応して残渣となって下地膜 のパターン形状に不良が発生する事態を防止することができる。
第 2のパターン形成方法の S成分除去工程は、 S成分を含まないガスよりなる プラズマを用いてプラズマ処理する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、 プラズマ処理により確実に S成分を除去することができる プラズマ処理は、 アノードカップル方式又は前記基板が載置されている電極に バイアス電圧を印加しない方式により行なわれることがより好ましい。
このようにすると、 レジストパターンの上部に滞留する N + イオン成分が過多 にならないので、 レジス卜パターンの上部が N + イオン成分によりスパッ夕リン グされてパターン崩れが発生する事態を防止することができる。
また、 プラズマ処理は、 下地膜の表面の凹凸の大きさ又は下地膜の種類に応じ て、 ガス圧力、 ガス流量、 温度、 高周波出力及び処理時間のうちの少なくとも 1 つよりなるプラズマ処理条件を設定する工程を含むことがより好ましい。 このよ うにすると、 基板上に残存する S成分を確実に除去できる。
第 2のパターン形成方法の S成分除去工程は、 基板を加熱することにより S成 分を除去する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、 基板上に存在する S成分を含む残留物を気化させることが できるので、 基板上に残存する S成分を確実に除去できる。
第 2のパターン形成方法の S成分除去工程は、 基板を洗浄することにより S成 分を除去する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、 容易且つ確実に基板上に残存する S成分を確実に除去でき る。
第 2のパターン形成方法の S成分除去工程は、 基板上の酸性の堆積物をアル力 リ系の溶液で中和した後、 基板を洗浄することにより、 S成分を除去する工程を 含むことが好ましい。
このようにすると、 基板上に残存する S成分を含む堆積物が中和されて溶解す るので、 洗浄により確実に除去することができる。
本発明に係る第 3のパターン形成方法は、 前記の第 2の知見に基づいてなされ たものであって、 基板上に形成された下地膜の上に有機系反射防止膜を堆積する 第 1の工程と、 有機系反射防止膜の上にレジストパターンを形成する第 2の工程 と、 レジストパターンをマスクとして有機系反射防止膜に対してドライエツチン グを行なって有機系反射防止膜よりなる反射防止膜パターンを形成する第 3のェ 程とを備えたパターン形成方法を前提とし、 第 3の工程は、 有機系反射防止膜中 にシリコンが含有されているときに、 有機系反射防止膜に対してハロゲン系のガ ス及びフロロ力一ボン系のガスのうちの少なくとも 1つのガスを含むエッチング ガスを用いてドライエッチングを行なつて反射防止膜パ夕一ンを形成する工程を 含む。
第 3のパターン形成方法によると、 ハロゲン系のガス及びフロロカーボン系の ガスのうちの少なくとも 1つのガスを含むエッチングガスは、 有機系反射防止膜 の有機成分をエッチングすることができると共に、 有機系反射防止膜に含まれる シリコン等の不純物をもエッチングすることができる。 このため、 垂直な断面形 状を持つパターン化された有機系反射防止膜を形成することができると共に、 基 板上に未反応のシリコン等の不純物が残存しないので、 基板上にシリコン等の不 純物よりなる異物状残渣が形成されることがない。
【図面の簡単な説明】
図 1 ( a ) 〜 (e ) は、 従来及び本発明の各実施形態に係るパターン形成方法 の各工程を示す断面図である。
図 2は、 従来及び本発明の各実施形態に係るパターン形成方法に用いる第 1の エッチング装置の概略図である。
図 3は、 従来及び本発明の各実施形態に係るパターン形成方法に用いる第 2の エッチング装置の概略図である。
図 4 ( a ) 及び (b ) は、 従来及び本発明の各実施形態に係るパターン形成方 法の各工程を具体的に説明する断面図である。
図 5は、 本発明の第 3の実施形態に係るパターン形成方法において、 エツチン グガスに含まれる 0 2 ガスの量と、 有機系反射防止膜のエッチングレート及び膜 厚の均一性との関係を示す図である。
図 6は、 本発明の第 3の実施形態に係るパターン形成方法において、 エツチン グガスに含まれる〇2 ガスの量と、 o p e nパターン部及び d e n s eパターン 部の寸法変動量との関係を示す図である。
図 7は、 本発明の第 4の実施形態に係るパターン形成方法において、 下部電極 の温度と、 o p e nパターン部及び d e n s eパターン部の寸法変動量との関係 を示す特性図である。
図 8は、 本発明の第 6の実施形態に係るパターン形成方法において、 プラズマ の処理時間及びポリシリコン膜のグレインサイズを変化させたときの、 グレイン サイズとパーティクル数との関係を示す図である。
図 9は、 本発明の第 6の実施形態に係るパターン形成方法において、 プラズマ 処理のガスのガス圧力及びポリシリコン膜のグレインサイズを変化させたときの 、 グレインサイズとパーティクル数との関係を示す図である。
図 1 0は、 本発明の第 6の実施形態に係るパターン形成方法において、 プラズ マ処理のガス流量及びポリシリコン膜のグレインサイズを変化させたときの、 グ レインサイズとパーティクル数との関係を示す図である。
図 1 1は、 本発明の第 6の実施形態に係るパターン形成方法において、 プラズ マ処理の温度及びポリシリコン膜のグレインサイズを変化させたときの、 グレイ ンサイズとパーティクル数との関係を示す図である。
図 1 2は、 本発明の第 6の実施形態に係るパターン形成方法において、 プラズ マ処理における L E Pパワー及びポリシリコン膜のグレインサイズを変化させた ときの、 グレインサイズとパーティクル数との関係を示す図である。
図 1 3は、 本発明の第 6の実施形態に係るパターン形成方法において、 プラズ
マ処理における R Fパヮ一及びポリシリコン膜のグレインサイズを変化させたと きの、 グレインサイズとパーティクル数との関係を示す図である。
図 1 4は、 本発明の第 6の実施形態に係るパターン形成方法において、 下地膜 の種類及びプラズマの処理時間を変化させたときの、 処理時間とパーティクル数 との関係を示す図である。
図 1 5は、 本発明の第 7の実施形態に係るパターン形成方法において、 ホット プレートの加熱温度を変化させたときの、 加熱温度とパーティクル数との関係を 示す図である。
図 1 6は、 本発明の第 7の実施形態に係るパターン形成方法において、 ホット プレートによる加熱時間を変化させたときの、 加熱時間とパーティクル数との関 係を示す図である。
図 1 7は、 本発明の第 7の実施形態に係るパターン形成方法において、 ホット プレートの加熱温度を変化させたときの、 加熱温度と T D S法による S〇2 成分 の検出強度との関係を示す図である。
図 1 8は、 本発明の第 8の実施形態に係るパターン形成方法において、 水洗温 度を変化させたときの、 水洗温度とパーティクル数との関係を示す図である。 図 1 9は、 本発明の第 8の実施形態に係るパターン形成方法において、 水洗時 間を変化させたときの、 水洗時間とパーティクル数との関係を示す図である。 図 2 0は、 本発明の第 9の実施形態に係るパターン形成方法において、 中和時 間を変化させたときの、 中和時間とパーティクル数との関係を示す図である。 図 2 1は、 従来のパターン形成方法において、 下地膜の表面荒れが生じるレジ ストパターンの平面図である。 ·
図 2 2は、 本発明の第 1 2の実施形態に係るパターン形成方法におけるドライ エッチング後のレジス卜パターンの上部の様子を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、 本発明の各実施形態に係るパターン形成方法について説明するが、 その 前提として、 各実施形態に共通するパターン形成工程について図 1 ( a ) 〜 (e ) を参照しながら説明する。
まず、 図 1 ( a ) に示すように、 ポリシリコン膜よりなる下地膜 1 1の上に、
表面が平坦になるように有機系反射防止膜 1 2を堆積した後、 図 1 (b) に示す ように、 有機系反射防止膜 1 2の上に、 ポジ型のレジストよりなるレジス卜膜 1 3を堆積する。
次に、 図 1 (c) に示すように、 マスク 14を用いてレジスト膜 1 3に対して 選択的に露光を行なった後、 露光されたレジスト膜 1 3に対して現像処理を行な うことにより、 図 1 (d) に示すように、 レジスト膜 1 3における露光部を除去 して、 レジストパターン 1 5を形成する。
次に、 図 1 (e) に示すように、 レジストパターン 1 5をマスクとして有機系 反射防止膜 1 2に対してドライエッチングを行なって、 有機系反射防止膜 1 2に おけるレジストパターン 1 5に覆われていない部分を除去する。
(第 1の実施形態)
第 1の実施形態は、 前記の第 1の知見に基づいてなされたものであって、 具体 的には、 SO 2 / O 2 系のエッチングガスを用いて有機系反射防止膜に対してド ライエッチングを行なうものである。
ドライエッチングを行なう装置については、 特に問題にならないが、 比較のた めに、 図 2に示した第 1のドライエッチング装置を用い、 被エッチング膜につい ては図 4に示した構成のものとした。
第 1の実施形態に係るエッチングのエッチングプロセス条件は、 [表 5] に示 す通りであり、 エッチング特性結果は [表 6] に示す通りである。 [表 6] から 分かるように、 有機系反射防止膜 44に多少の寸法変動は存在するが、 垂直形状 が得られると共に、 C l 2 /O2 系のガスを用いる従来のドライエッチングにお いて発生していた、 下地膜であるポリシリコン膜 43の表面荒れは一切発生しな 力、つた。
【表 5】
エッチングプロセス条件
【表 6】
エッチング特性結果
AR Cエッチレート 2000 (人 Zm i n) 均一性 ± 3. 5 ( ) 寸法変動 + 0. 05 m o p e n)
+ 0. 06 /im (d e n s e) ポリシリコン膜 CO
との選択比 ポリシリコン膜の荒れ なし パーティクルの発生 多い
このように、 有機系反射防止膜 44に垂直形状が得られる理由は、 エッチング ガスに含まれる S成分が、 レジストパターン 4 5や有機系反射防止膜 44の主成 分である Cと結合することにより、 レジストパターン 4 5及び有機系反射防止膜 44のパターン側壁に C一 Sという形で付着してパターン側壁を保護するからで あると考えられる。
また、 ポリシリコン膜 43に表面荒れが全く発生しなかった理由は、 Sは S i との反応確率が小さいので、 有機系反射防止膜 44の下地膜がポリシリコン膜 4 3の場合であっても、 S成分がポリシリコン膜 43をエッチングしたり、 局所的 にポリシリコン膜 43に表面荒れを引き起こしたりすることがないためと考えら れる。
(第 2の実施形態)
第 2の実施形態は、 前記の第 1の知見に基づいてなされたものであって、 具体 的には、 硫化カルボニル (COS) と酸素 (02 ) との混合ガスよりなるエッチ ングガスを用いて有機系反射防止膜に対してドライエッチングを行なうものであ る。 COSの沸点は一 5 0. 2 °Cであるため、 COSは S 02 (沸点 : — 1 0. 0 6°C) に比べて液化し難いので取り扱いが容易である。
ドライエッチングを行なう装置については、 特に問題にならないが、 比較のた めに、 図 2に示した第 1のドライエッチング装置を用い、 被エッチング膜につい ては図 4に示した構成のものとした。
第 2の実施形態に係るエッチングのエッチングプロセス条件は [表 7] に示す 通りであって、 エッチング特性結果は [表 8] に示す通りである。
【表 7】
エッチングプロセス条件
【表 8】
エッチング特性結果
AR Cエツチレ一卜 1 8 0 0 (A/m i n) 均一性 ± 3. 0 (%) 寸法変動 ― 0. 0 1 μ,πι ^o p e n) — 0. 0 3 m (d e n s e ) ポリシリコン膜 CO
との選択比 ポリシリコン膜の荒れ なし
[表 8] に示すように、 CO SZ〇2 系のエッチングガスを用いる場合の有機 系反射防止膜の寸法変動 (Open— 0.01 ^m、 Dense -0.03 zm) は、 [表 2 ] に 示す C 1 2 Z〇2 系のエッチングガスを用いる場合の寸法変動 (Open— 0.02 ΠΙ 、 Dense -0.05^m) 及び [表 6 ] に示す第 1の実施形態の S〇 2 / ; 系のェ ツチングガスを'用いる場合の寸法変動 (Open + 0.05 m、 Dense +0. OQtim) に 比べて小さい。
また、 COSZOz 系のエッチングガスを用いてドライエッチングすると、 ェ ツチング後の有機系反射防止膜 4 4としては垂直形状が得られると共に、 従来の ように C l 2 κο2 系のガスを用いるエッチングの際に発生していた、 下地膜で あるポリシリコン膜 4 3に表面荒れは全く発生しなかった。
CO S/02 系ガスを用いると、 CO Sに C及び Sが含まれているため、 CO Sと、 レジス卜パターン 4 5及び有機系反射防止膜 44との間で容易に C一 S結 合又は C一 C結合等が形成され、 C一 S結合又は C一 C結合がレジストパターン 4 5及び有機系反射防止膜 44の側壁に堆積物として付着するので、 レジストパ ターン 4 5及び有機系反射防止膜 44の側壁が保護されるためであると考えられ る。
また、 CO SZ02 系ガスを用いると、 ポリシリコン膜 4 3に表面荒れが全く 発生しなかった理由は、 Sは S i との反応確率が小さいので、 有機系反射防止膜 4 4の下地膜がポリシリコン膜 4 3の場合であっても、 Sがポリシリコン膜 4 3 をエッチングしたり、 局所的にポリシリコン膜 4 3の表面荒れを引き起こしたり することがないためと考えられる。
(第 3の実施形態) - ところで、 S 02 /02 系のエッチングガスを用いて有機系反射防止膜 44に 対してドライエッチングを行なう第 1の実施形態によると、 下地膜であるポリシ リコン膜 4 3に表面荒れは発生しなかったが、 有機系反射防止膜 44に多少の寸 法変動が存在していると共にパーティクルの発生数が多いという問題があった。 すなわち、 [表 6 ] に示すように、 エッチング後の有機系反射防止膜 44の寸法 がレジストパターン 4 5の寸法よりも大きくなつてしまうと共に、 パーティクル の発生数も多かった。 エッチング後の有機系反射防止膜 44の寸法がレジストパ
ターン 4 5の寸法よりも大きくなると、 後工程において、 レジストパターン 4 5 を用いてポリシリコン膜 4 3に対してエッチングを行なうと、 パターン化された ポリシリコン膜 4 3の寸法が変動してしまうという問題が生じる。
そこで、 第 3の実施形態は、 第 1の実施形態により得られる効果に加えて、 有 機系反射防止膜 ·4 4に寸法変動が生じないようにすると共にパーティクル数を低 減させるものである。 具体的には S 02 / O 2 系のエッチングガスにおける〇2 ガスの混合割合を制御するものである。
第 3の実施形態においても、 図 2に示した第 1のドライエッチング装置を用い 、 被エッチング膜については図 4に示した構成のものとした。
第 3の実施形態に係るエッチングのエッチングプロセス条件は、 [表 9 ] に示 す通りである。
【表 9】
エッチングプロセス条件
尚、 [表 9 ] の S O s O 2 における Xは O 2 ガスの混合量であって、 具体的 な数値については後述する。
エッチング特性結果は [表 1 0 ] に示す通りであって、 エッチング後の有機系 反射防止膜 4 4として垂直形状が得られると共に、 寸法変動特性及びポリシリコ ン膜 4 3との選択比特性も良好であった。 また、 Sラジカルが吸着しているため
局所的にイオン成分が集中しているポリシリコン膜 4 3の表面においても、 S i と Sとの反応性が S i と C 1 との反応性に比べて著しく低いので、 ポリシリコン 膜 4 3の表面荒れが発生せず、 これにより、 パターン化されたポリシリコン膜 4 3にも荒れが発生しないので、 実用上の問題は特になかった。 さらに、 〇2ガスの 流量が最も低い 5 s c c mの場合でも、 パーティクルは全く発生しなかった。 【表 1 0】
エッチング特性結果
図 5は、 0 2 ガスの混合量 Xとして種々な値を採用した場合における有機系反 射防止膜 3 4のエッチングレート及び膜厚の均一性を示し、 図 6は、 〇2 ガスの 混合量 Xとして種々な値を採用した場合における o p e nパターン部及び d e n s eパターン部の寸法変動量を示している。
図 6から明らかなように、 0 2 ガスの流量が 1 0 s c c m以上であると、 エツ チング後の有機系反射防止膜 4 4の寸法がレジス卜パターン 4 5の寸法よりも大
きくなることはなかった。 従って、 〇2 ガスの流量が 1 0 s c c m以上、 つまり S 0 2 ガスに対する Ο 2 ガスの混合割合が 1 / 2以上であれば、 寸法変動の問題 が生じないので、 後に行なうレジス卜パターン 4 5を用いたドライエッチング加 ェを正確に行なうことができる。
尚、 図 6において、 0 2 ガスの流量が少ない (0 2 ガスの混合割合が少ない) ときに寸法変動量がプラスになる理由は、 S成分の割合が多くなつて Sと Cとの 反応が多く起こるため、 S— C結合がエッチング後の有機系反射防止膜 4 4の側 壁に多く付着することに起因し、 〇2 ガスの流量が多い (0 2 ガスの混合割合が 多い) ときに寸法変動量がマイナスになるのは、 S成分の割合が少なくなつて S と Cとの反応が余り起こらないため、 S— C結合がエッチング後の有機系反射防 止膜 4 4の側壁に殆ど付着しないことに起因するものと考えられる。
(第 4の実施形態)
ところで、 第 3の実施形態によると、 寸法変動特性及びポリシリコン膜 4 3と の選択比特性が良好であり、 ポリシリコン膜 4 3の表面荒れが発生しないと共に パーティクルも全く発生しないが、 第 4の実施形態は、 寸法変動特性を一層改善 するべく、 基板を載置する下部電極としての試料台 2 5の温度を制御するもので ある。 具体的には、 第 3の実施形態において示したような条件下、 つまりエッチ ング後の有機系反射防止膜 4 4の寸法がレジストパターン 4 5の寸法よりも大き くならないような〇2 ガスの混合割合の条件下で、 下部電極である試料台 2 5の 温度を制御するものである。
第 4の実施形態においても、 図 2に示した第 1のドライエッチング装置を用い 、 被エッチング膜については図 4に示した構成のものとした。
第 4の実施形態に係るエッチングのエッチングプロセス条件は、 [表 1 1 ] に 示す通りである。 尚、 [表 1 1 ] の下部電極の温度である Xの具体的な数値につ いては後述する。
また、 エッチング特性結果は [表 1 2 ] に示す通りであって、 エッチング後の 有機系反射防止膜 4 4として垂直形状が得られ、 ポリシリコン膜 4 3との選択比 特性も良好であり、 ポリシリコン膜 4 3に表面荒れが発生しない上に、 寸法変動 特性が一層改善されている。
【表
エッチングプロセス条件
【表 1 2】
エッチング特性結果
AR Cエッチレー卜 1 800〜 2000 (A/m i n) 均一性 4. 0 (%) 以下
- 0. 03〜0. 00 m (o e n) - 0. 03〜0. 00 zm (d e n s e) ポリシリコン膜 CO
との選択比 ポリシリコン膜の荒れ なし パーティクルの発生 少ない
図 7は、 下部電極の温度 Xとして種々な値を採用した場合における o p e n領 域及び d e n s e領域の寸法変動量を示している。
図 7から明らかなように、 下部電極の温度 Xが上昇するに伴って、 寸法変動は マイナス側にシフトする傾向がある。 特に下部電極の温度 Xが + 6 5 °Cのときに は寸法変動量は 0 . 0 3 程度マイナスになる。 これは下部電極の温度 Xが高 くなると、 レジストパターン 4 5や有機系反射防止膜 4 4の主成分である Cとェ ッチャントである Sとが反応して C S という形でガス化し、 外部に排出され易 いため、 C一 S結合を持つポリマー状の堆積成分が少なくなつて、 レジス卜バタ —ン 4 5や有機系反射防止膜 4 4の側壁に C一 S結合を持つポリマー状の堆積成 分が付着し難くなるためと考えられる。 従って、 寸法変動をマイナス側にシフト させないという観点からは、 下部電極の温度 Xは低い方が好ましい。
また、 図 7から明らかなように、 下部電極の温度 Xが 1 5 °Cを越えると寸法変 動量が大きくなる傾向が見られる。 従って、 下部電極の温度 Xとしては 1 5 °C以 下であることが好ましい。
(第 5の実施形態)
ところで、 第 1〜第 4の実施形態においては S〇2 〇2 系又は C O S Z 0 2 系等のように S成分を有するガスを含むエツチングガスを用いてドライエツチン グを行なうため、 シリコンウェハ 4 1上に S系又は S〇 系の残留物が存在する ので、 後工程においてレジストパターン 4 5をマスクとしてポリシリコン膜 4 3 に対してエッチングを行なうと、 ポリシリコン膜 4 3、 レジストパターン 4 5及 び有機系反射防止膜 4 4の上に存在する S成分が大気中の水分と反応して残渣と なり、 ポリシリコン膜 4 3のパターン形状に不良が発生する恐れがある。
そこで、 第 5の実施形態においては、 S成分を有するガスを含むエッチングガ スを用いてドライエッチングを行なった後に、 S成分を含まないガス例えば N ガスを用いてプラズマ処理を施すことにより、 シリコンウェハ 4 1上に残存する S成分を除去するものである。
第 5の実施形態においても、 図 2に示した第 1のドライエッチング装置を用い 、 被エッチング膜については図 4に示した構成のものとした。
第 5の実施形態に係るエッチングのエッチングプロセス条件は [表 1 3 ] に示
す通りであって、 [表 14] は、 エッチング後に残存する Sの定量分析をイオン クロマ卜グラフィ一法により行なった結果を示している。
【表 1 3】
エッチングプロセス条件
(1) S 02ガスを使った (2) N 2ガスのプラズマ
A R Cエッチング を使った S成分の スアツノ 除去ス: rッフ 力 ス Ο ϋ 2 / U 2 Ν 2
= 20/20 ( s c c m) = 1 00 ( s c c m) し E F R F 54. 24/ 1 3. 56 54. 24/ 1 3. 56
(MH z ) (MH z ) 3 X 100 / 70 (W) 3 X 1 00 /70 (W) 圧 力 5 (mT o r r ) 50 (mT o r r ) 下部電極 一 1 0 (°C) ― 10 (°C)
の温度 エッチング 60 %オーバ一 · 1 5秒
時間の設定
【表 1 4】
[表 1 4 ] から分かるように、 有機系反射防止膜 4 4に対して S〇 ガスを用 いてドライエッチングを行なうステップのみの場合には、 イオンクロマ卜グラフ ィ一法により Sの定量分析をした結果は 2 0 0 g Z 8インチ基板である。 これ に対して、 有機系反射防止膜 4 4に対して S 0 2 ガスを用いてドライエッチング を行なった後に、 N 2 ガスを用いるプラズマ処理を施した場合には、 イオンクロ マトグラフィ一法により Sの定量分析をした結果は 4 0 8インチ基板であ つて、 プラズマ処理を施さない場合に比べて、 Sの量は大きく減少している。 従って、 有機系反射防止膜 4 4に対して S 0 2 ガスを用いてドライエッチング を行なった後に、 N 2 ガスを用いるプラズマ処理を施すことにより、 シリコンゥ ェハ 4 1上に残留する S成分を大きく減少できることが分かる。
尚、 第 5の実施形態においては、 N 2 ガスを用いるプラズマ処理を行なったが 、 これに代えて、 〇2 ガス、 A rガス又は H e'ガス等のように S成分を含まない ガスを用いるプラズマ処理を行なっても同様の効果を得ることができる。
(第 6の実施形態)
第 6の実施形態は、 S成分を有するガスを含むエッチングガスを用いてドライ エッチングを行なった後に、 S成分を含まないガス例えば N 2 ガスよりなるブラ ズマの処理を施す場合において、 ポリシリコン膜 4 3等の下地膜の凹凸量や下地 膜の種類によって、 プラズマ処理の時間、 ガス圧力、 ガス流量、 処理温度及び高 周波電力の出力を制御するものである。 ドライエッチングを行なう装置について
は、 特に問題にならないが、 比較のために、 図 2に示した第 1のドライエツチン グ装置を用い、 被エッチング膜については図 4に示した構成のものとした。 第 6の実施形態に係る S〇2 ガスを用いる有機系反射防止膜 44に対するエツ チングプロセス条件は [表 1 5] に示す通りであり、 N2 ガスよりなるプラズマ のプラズマ処理は [表 1 6] に示す通りである。
【表 1 5】
エッチングプロセス条件
【表 1 6】
プラズマ処理条件
図 4 (a) に示す有機系反射防止膜 44を、 図 4 (b) に示すように S0
2 ガ スを用いて 60 %相当のドライエッチングをした後、 ポリシリコン膜 43を N 2 ガスよりなるプラズマによりプラズマ処理する。
図 8は、 N2 ガスよりなるプラズマの処理時間及びポリシリコン膜 43のダレ ィンサイズを変'化させたときの、 グレインサイズとボリシリコン膜 43上のパー ティクル数との関係を示している。 パ一ティクル数は、 レ一ザ一光をポリシリコ ン膜 43上に照射したときの光学的な反射によってカウントしており、 個数 Z8 ィンチウェハで示している。
図 8から分かるように、 ポリシリコン膜 43のグレインサイズを 0. 5 zmか ら 0. 05 mまで小さくするに伴って、 ポリシリコン膜 43上のパーティクル 数は減少している。 これは、 グレインサイズが大きいほどグレイン及びグレイン の界面の凹凸が大きく、 S系の残留物が多く残るためと考えられる。 また、 N2 ガスよりなるプラズマの処理時間を 30秒から 90秒に長くすることによって、 ポリシリコン膜 43上のパーティクル数を減少させることができる。 つまり、 ポ リシリコン膜 43のグレインサイズに応じて N2 ガスよりなるプラズマの処理時 間を増加することによって、 ポリシリコン膜 43及びレジストパターン 45の上 の S系の残留物を低減し、 これにより、 パーティクル数を減少させることができ る。
図 9は、 プラズマ処理の N2 ガスのガス圧力及びポリシリコン膜の 33のダレ ィンサイズを変化させたときの、 グレインサイズとポリシリコン膜 43上のパー ティクル数との関係を示している。 パーティクル数は、 レーザー光をポリシリコ ン膜 43上に照射したときの光学的な反射によってカウントしており、 個数 Z8 ィンチウェハで示している。
図 9から分かるように、 ポリシリコン膜 43のグレインサイズを 0. か ら 0. 05 μπ まで小さくするに伴って、 ポリシリコン膜 43上のパーティクル 数は減少している。 また、 プラズマ処理の Ν2 ガスの圧力を 1 OmT o r rから 1 0 OmT o r rに高くすることによって、 ポリシリコン膜 43上のパーティク ル数は減少させることができる。 つまり、 ポリシリコン膜 43のグレインサイズ ひいてはポリシリコン膜 43表面の凹凸に応じてプラズマ処理の ガスのガス
圧力を高くすることによって、 ポリシリコン膜 4 3及びレジストパターン 4 5の 上の S系の残留物を低減し、 これにより、 パ一ティクル数を減少させることがで さる。
図 1 0は、 プラズマ処理の N 2 ガスのガス流量及びボリシリコン膜 4 3のダレ ィンサイズを変'化させたときの、 グレインサイズとポリシリコン膜 4 3上のパ一 ティクル数との関係を示している。 パーティクル数は、 レーザー光をポリシリコ ン膜 4 3上に照射したときの光学的な反射によってカウントしており、 個数 Z 8 ィンチウェハで示している。
図 1 0から分かるように、 ポリシリコン膜 4 3のグレインサイズを 0 . 5 j m から 0 . 0 5 mまで小さくするに伴って、 ポリシリコン膜 4 3上のパーテイク ル数は減少している。 また、 ガスよりなるプラズマ処理のガス流量を 2 0 s c c mから 8 0 s c c mまで多くすることによって、 ポリシリコン膜 4 3上のパ —ティクル数は減少させることができる。 つまり、 ポリシリコン膜 4 3のグレイ ンサイズひいてはポリシリコン膜 4 3表面の凹凸に応じてプラズマ処理の N 2 ガ スのガス流量を多くすることにより、 ポリシリコン膜 4 3及びレジストパターン 4 5の上の S系の残留物を低減し、 これにより、 パーティクル数を減少させるこ とができる。
図 1 1は、 N 2 ガスよりなるプラズマ処理におけるシリコンウェハ 4 1の温度 及びポリシリコン膜 4 3のグレインサイズを変化させたときの、 グレインサイズ とポリシリコン膜 4 3上のパーティクル数との関係を示している。 パーティクル 数は、 レーザー光をポリシリコン膜 4 3上に照射したときの光学的な反射によつ てカウントしており、 個数 / 8インチウェハで示している。
図 1 1から分かるように、 ポリシリコン膜 4 3のグレインサイズを 0 . 5 ^ m から 0 . 0 5 mまで小さくするに伴って、 ポリシリコン膜 4 3上のパーテイク ル数は減少している。 また、 N 2 ガスよりなるプラズマ処理におけるシリコンゥ ェハ 4 1の温度を一 1 0 °Cから 5 0 °Cに高くすることによって、 ポリシリコン膜 4 3上のパーティクル数を減少させることができる。 つまり、 ポリシリコン膜 4 3のグレインサイズひいてはポリシリコン膜 4 3表面の凹凸に応じて N 2 ガスよ りなるプラズマ処理におけるシリコンウェハ 4 1の温度を高くすることによって
、 ポリシリコン膜 43及びレジストパターン 45の上の S系の残留物を低減し、 これにより、 パーティクル数を減少させることができる。
図 1 2は、 N2 ガスよりなるプラズマ処理における LEPパワー及びポリシリ コン膜 43のグレインサイズを変化させたときの、 グレインサイズとポリシリコ ン膜 43上のパーティクル数との関係を示している。 パーティクル数は、 レーザ 一光をポリシリコン膜 43上に照射したときの光学的な反射によってカウントし ており、 個数 8インチウェハで示している。
図 1 2から分かるように、 ポリシリコン膜 43のグレインサイズを 0. 5 m から 0. 05 mまで小さくするに伴って、 ポリシリコン膜 43上のパーテイク ル数は減少している。 また、 N2 ガスよりなるプラズマ処理における LEPパヮ —を 50Wから 1 50Wまで大きくすることによって、 ポリシリコン膜 43上の パ一ティクル数を減少させることができる。 つまり、 ポリシリコン膜 43のダレ インサイズひいてはポリシリコン膜 43表面の凹凸に応じて、 N2 ガスよりなる プラズマ処理における LEPパワーを大きくすることにより、 ポリシリコン膜 4 3及びレジストパ夕一ン 45の上の S系の残留物を低減し、 これにより、 パ一テ ィクル数を減少させることができる。
図 1 3は、 N2 ガスよりなるプラズマ処理における R Fパワー及びポリシリコ ン膜 43のグレインサイズを変化させたときの、 グレインサイズとポリシリコン 膜 43上のパ一ティクル数との関係を示している。 パーティクル数は、 レーザ一 光をポリシリコン膜 43上に照射したときの光学的な反射によってカウントして おり、 個数 / 8インチウェハで示している。
図 1 3から分かるように、 ポリシリコン膜 43のグレインサイズを 0. 5〃m から 0. 05 mまで小さくするに伴って、 ポリシリコン膜 43上のパーテイク ル数は減少している。 また、 N2 ガスよりなるプラズマ処理における RFパワー を 50Wから 1 50Wまで大きくすることによって、 ボリシリコン膜 43上のパ —ティクル数を減少させることができる。 つまり、 ボリシリコン膜 43のグレイ ンサイズひいてはポリシリコン膜 43表面の凹凸に応じて N 2 ガスよりなるブラ ズマ処理における RFパワーを大きくすることにより、 ポリシリコン膜 43及び レジストパターン 45の上の S系の残留物を低減し、 これにより、 パーティクル
数を減少させることができる。
図 1 4は、 下地膜の種類及び N 2 ガスよりなるプラズマの処理時間を変化させ たときの、 処理時間とポリシリコン膜 4 3上のパーティクル数との関係を示して いる。 パーティクル数は、 レーザー光をポリシリコン膜 4 3上に照射したときの 光学的な反射に'よってカウントしており、 個数 Z 8インチウェハで示している。 図 1 4から分かるように、 下地膜の種類が、 アモルファスシリコン膜、 ポリシ リコン膜、 W S i膜又は T E O S膜と変わることにより、 N 2 ガスよりなるブラ ズマ処理後のパーティクル数は変化している。 また、 N 2 ガスよりなるプラズマ 処理時間を 0秒から 9 0秒に長くすることによって、 下地膜上のパ一ティクル数 を減少させることができる。 つまり、 下地膜の変化に応じて N 2 ガスよりなるプ ラズマ処理時間を変化させることにより、 パーティクルを減少させることができ る。
尚、 以上においては、 下地膜の変化に対応する N 2 ガスよりなるプラズマ処理 の変化の効果をプラズマ処理時間を例にとつて説明したが、 プラズマ処理におけ る、 ガス圧力、 ガス流量、 L E Pパワー、 R Fパワー又はシリコンウェハ 4 1の 温度等を変化させても、 同様の効果が得られることは言うまでもない。
(第 7の実施形態)
第 7の実施形態は、 有機系反射防止膜に対して S〇2 系のエッチングガスを用 いてドライエッチングを行なった後、 シリコンウェハ 4 1を加熱することにより 、 ポリシリコン膜 4 3、 レジストパターン 4 5及び有機系反射防止膜 4 4の上に 存在する S成分を有する残留物を気化して除去するものである。
ドライエッチングを行なう装置については、'特に問題にならないが、 比較のた めに、 図 2に示した第 1のドライエッチング装置を用い、 被エッチング膜につい ては図 4に示した構成のものとした。
第 7の実施形態に係る S〇2 ガスを用いる有機系反射防止膜 4 4に対するエツ チングのエッチングプロセス条件は、 [表 1 7 ] に示す通りである。
【表 1 7】
エッチングプロセス条件
有機系反射防止膜 4 4に対して S 0 2 ガスを用いてドライエッチングした後、 シリコンウェハ 4 1をホットプレート上に設置して 1分間加熱する。
図 1 5は、 ホッ トプレートの加熱温度を変化させたときの、 加熱温度とポリシ リコン膜 4 3上のパーティクル数との関係を示している。 パ一ティクル数は、 レ 一ザ一光をポリシリコン膜 4 3上に照射したときの光学的な反射によってカウン 卜しており、 個数 / 8インチウェハで示している。
図 1 5から分かるように、 加熱温度を 3 0 °Cから上昇させるに伴って、 ポリシ リコン膜 4 3上のパーティクル数は減少し、 特に加熱温度が 7 0 °C以上になると パーティクル数は大きく減少する。 これに対じて、 加熱温度が 1 2 0 °C以上にな ると、 レジストパターン 4 5の形状が変形するので、 加熱温度は 7 0〜 1 2 0 °C の範囲が好ましい。 また、 加熱温度が 1 0 0 °C以上になると、 パーティクル数は 1 0個以下で殆ど変化していないので、 加熱温度としては 1 0 0 °C程度が特に好 ましい。
図 1 6は、 シリコンウェハ 4 1をホットプレートにより 1 0 0 °Cに加熱したと きの、 加熱時間とポリシリコン膜 4 3上のパーティクル数との関係を示している 。 パーティクル数は、 レーザー光をポリシリコン膜 4 3上に照射したときの光学
的な反射によってカウントしており、 個数 Z 8ィンチウェハで示している。
図 1 6から分かるように、 加熱時間を 0秒から 6 0秒まで増加させるに伴って
、 ポリシリコン膜 4 3上のパーティクル数は減少しているが、 加熱時間が 6 0秒 以上になると、 パーティクル数は 1 0個以下で殆ど変化しない。
また、 図 1 7は、 加熱温度と T D S (Therma l Des ola t i on mass Spec t roscopy
) 法による S 0 2 成分の検出強度との関係、 つまり加熱温度と S成分の脱離との 関係を示している。
図 1 7から分かるように、 加熱温度が 0 °Cから 3 0 0 °Cまでの間では、 多少の ばらつきはあるが、 加熱温度を上げるに伴って S〇2 の放出量が増加している。 以上の結果から、 有機系反射防止膜 4 4を S〇 ガスを用いてドライエツチン グした後、 シリコンウェハ 4 1をホットプレート上で加熱することにより、 ポリ シリコン膜 4 3及びレジストパターン 4 5上の S系の残留物が気化して除去され るので、 パーティクル数を減少することができる。
(第 8の実施形態)
第 8の実施形態は、 有機系反射防止膜に対して S〇 系のエッチングガスを用 いてドライエッチングを行なった後、 シリコンウェハ 4 1を温水で洗浄すること により、 ポリシリコン膜 4 3、 レジストパターン 4 5及び有機系反射防止膜 4 4 上に存在する S成分を有する残留物を除去するものである。
ドライエッチングを行なう装置については、 特に問題にならないが、 比較のた めに、 図 2に示した第 1のドライエッチング装置を用い、 被エッチング膜につい ては図 4に示した構成のものとした。
第 8の実施形態に係る S〇 ガスを用いる有機系反射防止膜 4 4に対するエツ チングのエッチングプロセス条件は、 [表 1 8 ] に示す通りである。
【表 1 8】
エッチングプロセス条件
有機系反射防止膜 4 4に対して S 0
2 ガスを用いてドライエッチングした後、 シリコンウェハ 4 1を水洗槽にて 9 0秒間洗浄する。
図 1 8は、 水洗温度を変化させたときの、 水洗温度とポリシリコン膜 4 3上の パーティクル数との関係を示している。 パーティクル数は、 レーザ一光をポリシ リコン膜 4 3上に照射したときの光学的な反射によってカウントしており、 個数 Z 8インチウェハで示している。
図 1 8から分かるように、 水洗温度を 2 0 °Cから 1 0 0 °Cまで上昇させるに伴 つて、 ポリシリコン膜 4 3上のパーティクル数は減少している。 しかしながら、 水は 1 0 0 °Cで沸縢するので、 9 0 °C以下の水洗温度で洗浄しなければならない 図 1 9は、 シリコンウェハ 4 1を 7 0 °Cの水洗漕で洗浄したときの、 洗浄時間 とポリシリコン膜 4 3上のパーティクル数との関係を示している。 パ一ティクル 数は、 レーザー光をポリシリコン膜 4 3上に照射したときの光学的な反射によつ てカウントしており、 個数 Z 8インチウェハで示している。
図 1 9から分かるように、 洗浄時間を 0秒から 1 2 0秒まで増加させるに伴つ て、 ポリシリコン膜 4 3上のパーティクル数は減少している。 しかしながら、 洗
浄時間が 120秒以上になると、 パーティクル数は 1 0個以下で殆ど変化しない 以上の結果から、 有機系反射防止膜 44を S 02 ガスを用いてドライエツチン グした後、 シリコンウェハ 41を温水で洗浄することにより、 ポリシリコン膜 4 3及びレジス卜パターン 45上の S系の残留物が気化して除去されるので、 パー ティクル数を減少することができる。
(第 9の実施形態)
第 9の実施形態は、 有機系反射防止膜に対して S〇 系のエッチングガスを用 いてドライエッチングを行なった後、 シリコンウェハ 4 1上に残存している酸性 である硫酸系残留物をアル力リ性溶液であるリソグラフィ一の現像液で中和して 洗浄することにより、 ポリシリコン膜 43、 レジストパターン 45及び有機系反 射防止膜 44上に存在する S成分を有する残留物を除去するものである。
ドライエッチングを行なう装置については、 特に問題にならないが、 比較のた めに、 図 2に示した第 1のドライエッチング装置を用い、 被エッチング膜につい ては図 4に示した構成のものとした。
第 9の実施形態に係る S〇2 ガスを用いる有機系反射防止膜 44に対するエツ チングのエッチングプロセス条件は、 [表 1 9] に示す通りである。
【表 1 9】
エッチングプロセス条件 so2 / O 2 32/8 (s c cm)
L E P/R F 54. 24/ 1 3. 56 (MH z )
3 X 1 00 /70 (W) 圧 力 5 (mT 0 r r j 下部電極の温度 20 (°C)
有機系反射防止膜 44に対して S〇 ガスを用いてドライエッチングすると、 シリコンウェハ 41の上には硫酸系の残留物が残存している。 この硫酸系の残留 物をアルカリ性の溶液である現像液により中和して除去する。 その後、 シリコン ウェハ 4 1及び有機系反射防止膜 44を水で洗浄して、 残留する現像液を除去す る。 現像液は一般的に半導体製造工程のリソグラフィ一にて用いられているもの を用いた。 現像液は、 TMH (Tri-Methyl anmonium Hydrooxide) を主成分とし ており、 アル力リ金属を含まないので金属汚染は発生しない。
図 20は、 硫酸系の残留物を 22°Cの現像液で中和したときの、 中和時間とポ リシリコン膜 43上のパーティクル数との関係を示している。 パーティクル数は 、 レーザ一光をポリシリコン膜 43上に照射したときの光学的な反射によって力 ゥン卜しており、 個数 Z 8インチウェハで示している。 図 20から分かるように 、 現像時間を 0秒から 1 20秒まで増加するに伴つて 、 ポリシリコン膜 43上の パーティクル数は減少している。 しかしながら、 現像時間が 1 20秒以上では、 パーティクル数は 1 0個以下で殆ど変化しない。
以上の結果かち、 有機系反射防止膜 44を S02 ガスを用いてドライエツチン グした後、 シリコンウェハ 4 1上の酸性の残留物をアルカリ性の現像液で中和し 、 その後、 現像液を水で洗浄することにより、 ボリシリコン膜 43及びレジス卜 パターン 45上の S系の残留物が除去されるので、 パーティクル数を減少させる ことができる。
尚、 第 5〜第 9の実施形態においては、 有機系反射防止膜 44の下地膜として ポリシリコン膜 43を用いたが、 S成分を有するガスを含むエッチングガスを用 いてドライエッチングを行なった後に、 残留する S成分を除去する後処理は、 下 地膜が TEO S等の酸化膜、 窒化膜、 タングステンシリサイ ド膜、 メタル合金膜 又は強誘電体膜等の場合でも、 同様の効果が得られることは言うまでもない。 また、 第 1〜第 9の実施形態においては、 図 2に示す LEP (Lissajous Elec tron Plasma) 方式の第 1のドライエッチング装置を用いたが、 これに代えて、 例えば、 R I E (Reactive Ion Etching ) 、 ECR (Electron Cyclotron Re sonance) 、 I CP (Inductive Coupled Plasma) 又は TCP (Trans former Cou pled Plasma) 方式等のプラズマ源を有するドライエッチング装置を用いても、 同
搽の効果が得られることは言うまでもない。
(第 1 0の実施形態)
第 1 0の実施形態は、 前記の第 2の知見に基づいてなされたものであって、 具 体的には、 シリコン含有の有機系反射防止膜 4 4に対して、 ハロゲン系である C
1 2 Z〇2 系のエッチングガスを用いてドライエッチングを行なうものである。 尚、 第 1 0の実施形態で使用した有機系反射防止膜の材料 (商品名 : C D 9 ; ァ メリ力、 ブリューヮサイエンス社製) には、 分析の結果 1 0 p p m程度のシリコ ンが混入されていた。
ドライエッチングを行なう装置については、 特に問題にならないが、 比較のた め、 図 3に示した第 2のドライエッチング装置を用い、 被エッチング膜について は図 4に示した構成のものとした。
第 1 0の実施形態に係るエッチングのエッチングプロセス条件は、 [表 2 0 ] に示す通りである。
【表 2 0】
エッチングプロセス条件
また、 エッチング特性結果は [表 2 1 ] に示す通りであって、 有機系反射防止 膜 4 4に多少の寸法変動は存在するが、 垂直形状が得られると共に、 N 2 O 2 系のガスを用いる従来のエッチングにおいて発生していた異物状残渣は全く発生 しなかった。
【表 2 1】
エッチング特性結果
このように、 異物状残渣が発生しなかった理由は、 シリコン含有の有機系反射 防止膜 44中のシリコンが、 C 12 /02 系のエッチングガスに含まれる C 1 ラジカルによりエッチングされ、 未反応のシリコン成分が存在しないためである と考えられる。
(第 1 1の実施形態)
第 1 1の実施形態も、 前記の第 2の知見に基づいてなされたものであって、 具 体的には、 シリコン含有の有機系反射防止膜 4· 4に対して、 C l 2 / O 2 ガス系 に S 02 ガスが添加されてなるエッチングガスを用いてドライエッチングを行な うものである。 尚、 第 1 1の実施形態においても、 第 10の実施形態と同様、 有 機系反射防止膜の材料 (商品名 : CD 9 ; アメリカ、 ブリューヮサイエンス社製 ) を用いた。 また、 第 1 0の実施形態と同様、 図 3に示した第 2のドライエッチ ング装置を用い、 被エッチング膜については図 4に示した構成のものとした。 第 1 1の実施形態に係るエッチングのエッチングプロセス条件は、 [表 22] に示す通りである。 また、 エッチング特性結果は [表 23] に示す通りであって
、 垂直形状が得られると共に寸法変動も小さかった。 また、 第 1 0の実施形態と 同様、 異物状残渣は全く発生しなかった。
【表 22】
エッチングプロセス条件
【表 23】
エッチング特性結果
A R Cエッチレート 1 500 (A/m i n) 均一性 ±4. 0 ( ) 寸法変動 0. 00 zm (o p e n)
― 0. Ο Ι ΠΊ (d e n s e) ポリシリコン膜との CO
選択比 異物状残渣 なし
第 1 0の実施形態においては、 [表 2 1 ] に示すように、 エッチング後の有機 系反射防止膜 4 4の寸法がレジストパターン 4 5の寸法に比べて若干小さくなる 多少の寸法変動が存在したが、 第 1 1の実施形態においては寸法変動は小さかつ た。 エッチング後の有機系反射防止膜 4 4の寸法がレジストパターン 4 5の寸法 よりも小さくな'ると、 レジストパターン 4 5及び有機系反射防止膜 4 4をマスク としてポリシリコン膜 4 3に対してエッチングを行なうと、 得られるポリシリコ ン膜 4 3のパターン寸法が変動してしまうという問題が発生するが、 第 1 1の実 施形態によると、 得られるポリシリコン膜 4 3のパターン寸法は変動しない。 第 1 1の実施形態において、 異物状残渣物が発生しなかった理由は、 シリコン 含有の有機系反射防止膜 4 4中のシリコンが、 C l 2 / O z 2 系のエツ チングガスに含まれる C 1 ラジカルによりエッチングされ、 未反応のシリコン成 分が存在しないためであると考えられる。
また、 有機系反射防止膜 4 4の寸法変動が小さくなる理由は、 レジストパター ン 4 5及び有機系反射防止膜 4 4の主成分である Cとエツチャントである Sとが C S という形でガス化し難くなり、 C— S結合を持ったポリマー状の側壁保護 膜がレジストパターン 4 5や有機系反射防止膜 4 4の側壁に付着し易くなるので 、 有機系反射防止膜 4 4の寸法の細りが抑制されるためであると考えられる。 (第 1 2の実施形態)
第 1 2の実施形態は、 シリコン含有の有機系反射防止膜に対して、 C l Z S O 2 / O 2 ガスよりなるエッチングガスを用いてドライエッチングステップを行 なった後、 S成分を含まない不活性ガスである N 2 ガスを用いてプラズマ処理を 行なうものである。 - 尚、 第 1 2の実施形態においても、 第 1 0の実施形態と同様、 有機系反射防止 膜の材料 (商品名 : C D 9 ; アメリカ、 ブリューヮサイエンス社製) を用いた。 また、 第 1 0の実施形態と同様、 図 3に示した第 2のドライエッチング装置を 用い、 被エッチング膜については図 4に示した構成のものとした。
第 1 2の実施形態に係るエッチングプロセス条件及びプラズマ処理条件は、 [ 表 2 4 ] に示す通りであって、 イオンクロマトグラフィー法により Sの定量分析 を行なった結果は、 [表 2 5 ] に示す通りである。
【表 24】
エッチングプロセス条件
【表 25】 ステップの イオンクロマ卜グラフィ法 組合せ による Sの定量
(1) のみ 1 60 8ィンチウェハ
(1)+ (2) 30 gZ8ィンチウェハ
[表 25] に示すように、 (1) のステップのみを行なった場合、 すなわち、 シ リコン含有の有機系反射防止膜 44に対して C 12 /S 02 / 2 ガスよりなる エッチングガスを用いるドライエッチングのみを行なった場合には、 イオンクロ マトグラフィ一法による Sの定量分析の結果は、 1 60 /X g / 8インチウェハで あった。 これに対して、 (1) 及び(2) のステップを行なった場合、 すなわち、 シ リコン含有の有機系反射防止膜 44に対して C 12 /S θ 2 / θ 2 ガスよりなる エッチングガスを用いるドライエッチングを行なった後に、 被エッチング材であ るシリコンウェハ 4 1が載置されている下部電極としての試料台 23にバイアス 電圧を印加することなく、 Ν2 ガスのプラズマ処理を施した場合には、 イオンク ロマトグラフィ一法による Sの定量分析の結果は、 30 ^ g/8インチウェハで あった。 (1) 及び(2) のステップを行なった場合には、 (1) のステップのみを行 なった場合に比べて、 Sの量は大きく減少している。
第 1 2の実施形態においては、 エッチングガスに S成分が含まれているので、 前述したように、 有機系反射防止膜 44に対するドライエッチングの後にシリコ ンウェハ 41の上に S成分が残存し、 残存する S成分が空気中の水分と反応して 残渣が発生する恐れがある。
ところが、 第 1 2の実施形態のように、 シリコン含有の有機系反射防止膜 44 に対して C l 2 /S O 2 / O 2 ガスを用いてドライエッチングを行なった後に、 シリコンウェハ 4 1が載置されている試料台 2 3にバイアス電圧を印加すること なく、 N2 ガスのプラズマ処理を施すと、 シリコンウェハ 4 1に残留する S成分 が大きく減少するので、 残渣を低減する効果は極めて大きい。
シリコンウェハ 41が載置されている試料台 23にバイアス電圧を印加した状 態で N2 ガスのプラズマ処理を施す場合には、 残留する S成分を除去する効果は あるが、 図 22に示すように、 レジス卜パターン 45の上部がパターン崩れを起 こしてしまう恐れがある。 これは、 レジストパターン 45の上部に N+ イオン成 分が過多に存在し、 該 N+ イオン成分がレジス卜パターン 45の上部をスパッ夕 リングするためであると考えられる。
これに対して、 試料台 23にバイアス電圧を印加することなく N 2 ガスのプラ ズマ処理を施すと、 レジストパターン 45の上部に存在する N+ イオン成分が多
くないため、 N+ イオン成分がレジストパターン 45の上部をスパッタリングす る事態を防止でき、 これにより、 レジストパターン 45の上部のパターン崩れを 防止できる。
尚、 第 1 2の実施形態においては、 試料台 2 3にバイアス電圧を印加すること なく N2 ガスのプラズマ処理を施したが、 これに代えて、 アノードカップル方式 のプラズマ処理を行なつてもよい。
また、 第 1 2の実施形態においては、 プラズマ処理のガスとして、 N2 ガスを 用いたが、 これに代えて、 〇2 ガス、 A rガス又は H eガス等を用いても同様の 効果が得られる。
ところで、 第 1 2の実施形態は、 ドライエッチングステップが S成分を含むェ ツチングガスを用いて行なわれるため、 S成分を含まない N 2 ガスよりなるブラ ズマを用いてプラズマ処理を行なうものであるから、 第 1 2の実施形態における プラズマ処理の条件、 特に試料台 2 3にバイアス電圧を印加することなくプラズ マ処理を行なつたり、 アノードカツプル方式によりプラズマ処理を行なったりす る条件は、 第 5の実施形態又は第 6の実施形態におけるプラズマ処理にも適用す ることができる。
また、 第 1 0の実施形態においては C 1 2 / z 系のエッチングガスを用い、 第 1 1及び第 1 2の実施形態においては C 12 /S θ 2 Ζ〇2 系のエッチングガ スを用いたが、 これらに代えて、 HB rZOs 系のガス、 HB r/S〇2 /O 系のガス、 C F4 ノ HB r/02 系のガス、 又は C F / C H F , / r /Ο 系のエツチングガスを用いても、 同様の効果が得られる。
また、 第 1 0〜第 1 2の実施形態においては、 図 3に示す I C P (Inductivel y Coupled Plasma) 方式の第 2のドライエッチング装置を用いたが、 これに代え て、 例えば R I E (Reactive Ion Etching) 、 ECR (Electron Cyclotron Re sonance) 、 TC P (Trans former Coupled Plasma) 又は、 L E P (Lissaj ous E lectron Plasma) 方式等のプラズマ源を有するドライエッチング装置を用いても 、 同様の効果が得られることは言うまでもない。