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JPWO2004081999A1 - 光学装置、露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

光学装置、露光装置、並びにデバイス製造方法 Download PDF

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JPWO2004081999A1 JP2005503568A JP2005503568A JPWO2004081999A1 JP WO2004081999 A1 JPWO2004081999 A1 JP WO2004081999A1 JP 2005503568 A JP2005503568 A JP 2005503568A JP 2005503568 A JP2005503568 A JP 2005503568A JP WO2004081999 A1 JPWO2004081999 A1 JP WO2004081999A1
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仁 西川
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Abstract

この光学装置は、エネルギービームの光路上に形成され、かつ所定の気体が供給される空間と、前記空間と他の空間との境界に配置される光学部材と、前記光学部材の周縁部に対向する対向面を有し、該対向面と前記光学部材の周縁部との間に隙間を形成した状態で、前記光学部材の周縁部を支持する支持部と、前記光学部材の周縁部と前記支持部が有する対向面との間に配置される流体シール機構とを有する。また、前記流体シール機構は、前記光学部材の周縁部と前記対向面との間に設けられる磁性流体層と、前記磁性流体層を所定の位置に保持する磁石とを備える。

Description

本発明は、エネルギービームの光路上に形成され、かつ所定の気体が供給される空間を備える光学装置に関し、特に、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド等の電子デバイスを製造するための露光装置、並びにデバイス製造方法に用いられる技術に関する。
本願は、2003年3月12日に出願された特願2003−67143号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
半導体素子や液晶表示素子等の電子デバイスをフォトリソグラフィ工程で製造する際に、パターンが形成されたマスクあるいはレチクル(以下、レチクルと称する)のパターン像を投影光学系を介して感光材(レジスト)が塗布された基板上の各投影(ショット)領域に投影する投影露光装置が使用されている。電子デバイスの回路は、上記投影露光装置で被露光基板上に回路パターンを露光することにより転写され、後処理によって形成される。
近年、集積回路の高密度集積化、すなわち、回路パターンの微細化が進められている。そのため、投影露光装置における露光用照明ビーム(露光光)が短波長化される傾向にある。すなわち、これまで主流だった水銀ランプに代わって、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)といった短波長の光源が用いられるようになり、さらに短波長のArFエキシマレーザ(193nm)を用いた露光装置の実用化も最終段階に入りつつある。また、さらなる高密度集積化をめざして、Fレーザ(157nm)を用いた露光装置の開発が進められている。
波長約190nm以下のビームは真空紫外域に属し、これらのビームは、空気を透過しない。これは、空気中に含まれる酸素分子・水分子・二酸化炭素分子などの物質(以下、吸光物質と称する)によってビームのエネルギーが吸収されるからである。
真空紫外域の露光光を用いた露光装置において、被露光基板上に露光光を十分な照度で到達させるには、露光光の光路上の空間から吸光物質を低減もしくは排除する必要がある。そのため、露光装置では、例えば、特開平6−260385号公報(対応USP5,559,584)に示すように、光路上の空間を筐体で囲い、露光光を透過する透過性のガスでその筐体内の空間を充填している場合が多い。この場合、例えば全光路長を1000mmとすると、光路上の空間内の吸光物質濃度は、1ppm程度以下が実用的とされている。
上記露光装置のように、光路上に所定の気体が供給される空間が形成された鏡筒を備える光学装置では、シール構造の採用により気体のリークが防止される。シール構造としては、Oリングなどの固体のシール部材を変形させて隙間を塞ぐ技術が一般的である。しかしながら、上記技術では、所定の気体が供給される空間と外部空間と境界に光学部材が配置される場合において、シール部材を変形させるための力(もしくはその反力)によって光学部材が変形し、光学的な性能の低下を招くおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、光学部材の光学性能を低下させることなく、所定の気体が供給される空間と外部空間との間で、流体(気体や液体等)の侵入やリークを防止できる光学装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、露光精度の向上を図ることができる露光装置を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、形成されるパターンの精度が向上したデバイスを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、光学装置であって、エネルギービーム(IL)の光路上に形成され、かつ所定のガスが供給される空間(11)と、前記空間(11)と他の空間との境界に配置される光学部材(14)と、前記光学部材(14)の周縁部に対向する対向面(20a)を有し、該対向面(20a)と前記光学部材(14)の周縁部との間に隙間を形成した状態で、前記光学部材(14)の周縁部を支持する支持部(20)と、前記光学部材(14)の周縁部と前記支持部(20)が有する対向面(20a)との間に配置される流体シール機構とを有する。
この場合、前記流体シール機構は、前記光学部材(14)の周縁部と前記対向面(20a)との間に設けられる磁性流体層(25)と、前記磁性流体層(25)を所定の位置に保持するための磁石(26)とを備えることが望ましい。
この光学装置では、光学部材の周縁部と支持部との間に隙間を形成した状態で光学部材が支持され、その光学部材の周縁部と支持部との間に磁性流体層が設けられる。磁性流体は、強磁性材料の微粉体を液体等の媒体に分散させた懸濁液であり、磁界を作用させると凝集する。磁石によって所定の位置に磁性流体層を保持させることにより、複数の空間の境界を介した気体のリークを防止することができる。
また、磁性流体層を用いたシール構造では、Oリングなどの固体のシール部材を用いた構造に比べて、シールに伴って光学部材に作用する力が少ない。そのため、この光学装置では、複数の空間の境界に光学部材が配置される場合において、光学部材の変形が抑制される。また、磁性流体層を用いたシール構造では、光学部材の姿勢に対する制約が小さく、光学部材の配置の調整が容易となる。
上記の光学装置において、前記磁性流体層(25)として、フッ素系のベース液が用いられることにより、ケミカルクリーン度の向上が図られる。
また、上記の光学装置において、前記光学部材(14)は、例えば、光学的な有効領域を有する光学面(14a)と、該光学面(14a)と同一面内の周縁面(14c)と、前記光学部材の側面(14e)とを含み、前記磁性流体層(25)は、前記光学部材の周縁面(14c)と、前記光学部材の側面(14e)との少なくとも一方に接するように配置される。
この場合において、前記磁性流体層(25)が、前記光学部材の周縁部における周縁面(14c)に接するように配置され、前記周縁面(14c)が、前記磁性流体層(25)と接する部分が他の部分と異なる表面特性に処理されているとよい。あるいは、前記磁性流体層(41)が、前記光学部材の側面(14e)に接するように配置され、前記側面(14e)が、前記磁性流体層(41)と接する部分が他の部分と異なる表面特性に処理されているとよい。
磁性流体層が接する部分の表面特性が他の部分と異なることにより、磁性流体層の保持性やシール性を向上させることが可能となる。
例えば、磁性流体層が接する部分に磁性を有する金属膜を形成することにより、前記磁石を介した磁力回路が確実に形成され、磁性流体層の保持性やシール性を向上させることが可能となる。
また、例えば、磁性流体層が接する部分の磁性流体層に対する濡れ性を向上させることにより、磁性流体層の保持性やシール性を向上させることが可能となる。
また、上記の光学装置において、前記光学部材(14)の周縁部は、互いに平行な面(14c,14d)を有し、前記支持部(20)は、前記互いに平行な面の一方(14c)に接触し、前記光学部材(14)の周縁部をほぼ等間隔で支持する3つの座(27)と、前記3つの座(27)のそれぞれに対応する位置に配置され、前記互いに平行な面の他方(14d)と接触し、かつ前記光学部材(14)の周縁部を前記3つの座(27)とともに挟み込む3つの押さえ部材(28)とを有し、前記磁性流体層(25)は、前記互いに平行な面の少なくとも一方(14c)に接するとよい。
この光学装置では、3つの座、及び3つの押さえ部材によって、光学部材の保持のための力が光学部材を挟んで押し合うように作用する。そのため、光学部材内部での曲げモーメントの発生が抑制され、光学部材の歪みの発生が抑制される。
また、上記の光学装置において、前記磁石(26)が、前記対向面(20a)の一部に埋め込まれることにより、その埋め込まれた位置に磁性流体層が保持される。
また、上記の光学装置において、前記磁石(26)は、前記対向面(20a)上に凸状に配置されていてもよい。
磁石が前記対向面上に凸状に配置されることにより、磁力回路が良好に形成され、磁性流体層の保持性の向上が図られる。
前記他の空間には、前記所定の気体とは異なる気体を供給してもよい。
本発明の第2の態様は、露光装置であって、パターンが形成されたマスク(R)をエネルギービーム(IL)により照明する照明系(121)と、前記マスク(R)のパターンを基板(W)上に転写する投影光学系(PL)との少なくとも一方を、上記の光学装置で構成する。
この露光装置では、光学装置における気体のリークが防止されるとともに、光学的な性能の向上が図られることから、露光精度の向上が図られる。
上記の露光装置において、例えば、前記光学部材は、前記投影光学系(PL)を構成する複数の光学素子のうち、前記基板(W)に対向する光学素子(351)であり、前記空間は、前記投影光学系(PL)内の空間(301)であり、前記他の空間は、前記光学素子(351)と前記基板(W)との間の空間(303)である。
この場合において、前記投影光学系(PL)内の空間(301)に第1のガスを供給する第1のガス供給機構(310)と、前記光学素子(351)と前記基板(W)との間の空間(303)に、前記第1のガスとは種類が異なる第2のガスを供給する第2のガス供給機構(311)とを有することにより、投影光学系内の空間(301)と、光学素子と基板との間の空間(303)とに互いに異なる種類のガスが供給されるとともに、それらの空間の境界を介した気体のリークが防止される。
また、上記の露光装置において、例えば、前記光学部材は、前記投影光学系(PL)を構成する複数の光学素子のうち、前記マスク(R)側に配置される光学素子(350)であり、前記空間は、前記投影光学系(PL)内の空間(301)であり、前記他の空間は、前記光学素子(350)と前記マスク(R)との間の空間(302)である。
この場合において、前記投影光学系(PL)内の空間(301)に第1のガスを供給する第1のガス供給機構(310)と、前記光学素子(350)と前記マスク(R)との間の空間(302)に、前記第1のガスとは種類が異なる第2のガスを供給する第2のガス供給機構(311)とを有することにより、投影光学系(PL)内の空間(301)と、光学素子とマスクとの間の空間(302)とに互いに異なる種類のガスが供給されるとともに、それらの空間の境界を介した気体のリークが防止される。
また、前記他の空間は、液体雰囲気であってもよい。
本発明の第3の態様は、デバイス製造方法であって、上記の露光装置を用いて、マスク(R)上に形成されたデバイスパターンを基板(W)上に転写する工程を含む。
このデバイス製造方法によれば、露光精度の向上により、形成されるパターンの精度が向上したデバイスを提供することができる。
図1は、本発明に係る光学装置の第1実施形態例を模式的に示す図である。
図2は、磁性流体を用いたシール構造を部分的に拡大して示す図である。
図3は、図1に示すA−A矢視断面図である。
図4は、光学部材の磁性流体層と接する部分が他の部分と異なる表面特性に処理された例を示す図である。
図5は、光学部材の磁性流体層と接する部分が他の部分と異なる表面特性に処理された他の例を示す図である。
図6は、磁石が面上に凸状に配置された例を示す図である。
図7は、本発明に係る光学装置の第2実施形態例を示す図である。
図8は、本発明に係る光学装置の第3実施形態例を示す図である。
図9は、本発明の光学装置を露光装置に適用した実施形態例を示す図である。
図10は、露光光の光路上の各空間にガスを供給するガス供給システムの構成の一例を示す図である。
以下、本発明の光学装置の実施の形態例について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の各実施例に限定されるものではなく、例えば、これら実施例の構成要素同士を適宜組み合わせてもよい。
図1は、本発明に係る光学装置の第1実施形態例を模式的に示す図である。
光学装置10は、エネルギービームILの光路上に形成され、かつ所定の気体が供給される空間11を備える。この空間11は光学装置10を構成する筒状の筐体12の内部空間である。この空間11と外部空間13との境界には、光学部材14が配置されている。すなわち、筐体12には、エネルギービームILが通過する開口15が形成されており、その開口15を塞ぐように上記光学部材14が配置されている。また、本例では、光学部材14は、互いに平行な面を有する平行平板(平行平面板)からなり、光学的な有効領域を有する光学面14a,14bと、この光学面と同一面内の周縁面14c,14dと、側面14eとを含む。光学面14aと光学面14bとは互いに平行であり、周縁面14cと周縁面14dとも互いに平行である。
この光学装置10では、光学部材14と筐体12との間に流体シール機構が設けられ、この流体シール機構によって、光学部材14と筐体12との間がシールされている。本実施形態では、流体シール機構として磁性流体を用いた例について説明する。
図2に、磁性流体を用いたシール構造を、部分的に拡大して示す。
図2において、筐体12の軸方向の端部には、光学部材14を支持する支持部20が設けられている。この支持部20は、光学部材14の一方の周縁面14cに対向する対向面20aを有し、その対向面20aと光学部材14の上記周縁面14cとの間に隙間を形成した状態で、光学部材14を支持している。そして、光学部材14の周縁面14cと支持部20における対向面20aとの間に、磁性流体からなる磁性流体層25が設けられている。この磁性流体層25は、対向面20aに配置された磁石26(永久磁石)によって所定の位置に保持されている。
図3は、図1に示すA−A矢視断面図である。
図3及び先の図2において、支持部20は、光学部材14の周縁部における一方の周縁面14cに接触し、光学部材14の周縁部をほぼ等間隔(本例では、周方向に120°間隔)で支持する3つの座27を有している。これらの座27は、支持部20における上記対向面20aから突出して形成されており、光学部材14との接触面積は小さい。
また、支持部20は、上記3つの座27のそれぞれに対応する位置に配置され、光学部材14の他方の周縁面14dに接触し、かつ光学部材14の周縁部を上記3つの座27とともに挟み込む3つのレンズ押さえ部材28を有している。これら3つのレンズ押さえ部材28には、光学部材14と接する部分(レンズ押圧部29)が突出して形成されており、光学部材14との接触面積は小さい。レンズ押さえ部材28のレンズ押圧部29は、光学部材14を挟んで上記座27と互いに向かい合う位置関係(両者が同一軸線L1上に位置する関係)になるように配置される。つまり、レンズ押さえ部材28のそれぞれのレンズ押圧部29は、対向面20a上の座27に対向するように、周方向に互いにほぼ等間隔(本例では、周方向に120°間隔)で配される。なお、本例では、3つのレンズ押さえ部材28は、個々に筐体12に固定されるが、一体的に筐体12に固定される構造であってもよい。すなわち、レンズ押さえ部材は、例えば、一の部材に、3つの突出部(レンズ押圧部)を設けた構造であってもよい。
磁石26は、支持部20における対向面20aの一部に埋め込まれている。また、磁石26は、N極部とS極部とを有しており、光学部材14の周縁面14cに沿うように、N極部とS極部とが並べて配されている。磁石26から生じる磁束は、図2に一点鎖線で示すように磁気回路26aを作って循環する。磁性流体層25は、磁石26の磁束によって凝集しかつ拘束され、対向面20a上の磁石26が埋め込まれた位置に保持される。なお、磁石26において、N極とS極とは図2に示したものの逆の配置であってもよい。
磁性流体は、強磁性材料の微粉体(鉄粉など)を液体等の媒体(ベース液、ベースオイル)に分散させた懸濁液であり、磁界を作用させると凝集する。ベース液としては、低蒸気圧で脱ガスが少ないものが好ましく、例えば、アルキルナフタレン、パーフルオロポリエーテルなどが用いられる。ベース液として、パーフルオロポリエーテルなどのフッ素系を用いることにより、ケミカルクリーン度の向上が図られる。なお、磁性流体は、磁性材料の微粉体の分散を促進するための活性剤を含んでもよい。
上記構成の光学装置10では、光学部材14の周縁部と支持部20との間に設けられた磁性流体層25によって、筐体12の内部空間11と外部空間13との境界における気体のリークが防止される。つまり、磁性流体を用いたシール構造では、磁性流体層25が光学部材14及び支持部20のそれぞれに対して周縁部の周方向全体にわたって接触しており、磁性流体層25が壁となって、内部空間11と外部空間13との間での気体の流れが確実に遮断される。しかも、磁性流体の経時的な劣化は少なく、シール性能の経時変化も極めて少ない。そのため、この光学装置10では、高いシール性能により、筐体12内を、所定のガスで高純度かつ安定的に満たすことが可能となる。
また、磁性流体を用いたシール構造では、Oリングなどの固体のシール部材を用いた構造に比べて、シールに伴って光学部材14に作用する力が少なくて済む。つまり、磁性流体層25は、磁石26の磁力及び磁性流体の粘性等によって保持されるために、その保持に伴って光学部材14に作用する力が小さい。そのため、この光学装置10では、保持に伴う光学部材14の変形が抑制され、光学的な性能の向上が図られる。しかも、磁性流体を用いたシール構造では、Oリングに比べて、シール部材である磁性流体と物体との間の摩擦抵抗が小さく、また、磁性流体層25の形が容易に変化する。そのため、光学部材14の姿勢に対する制約が小さく、光学部材14の配置の調整が容易である。
また、この光学装置10では、光学部材14の一方の周縁面14cに支持部20の3つの座27が接し、光学部材14の他方の周縁面14dに3つのレンズ押さえ部材28のレンズ押圧部29が接し、座27とレンズ押圧部29とは光学部材14を挟んで向かい合って配置される。そのため、レンズ押さえ部材28の押圧の力は、光学部材14を挟んで同一軸線L1上で押し合うように作用し、保持に伴う光学部材14内部での曲げモーメントの発生が抑制される。したがって、この光学装置10では、光学部材14の歪みの発生が抑制され、光学的な性能の向上が図られる。
また、この光学装置10では、光学部材14の周縁面14cと支持部20における対向面20aとの間に磁性流体層25が配置されており、磁性流体層25が配置される隙間、すなわち、光学部材14の一方の周縁部14cと、支持部20の対向面20aとの間隔は、座27によって規定されている。この場合、磁性流体層25の厚みなど、磁性流体層25の形状に変化が生じることが少なく、シール性能の低下が起こりにくい。
ここで、光学部材14の周縁面14cのうち、磁性流体層25に接する部分は他の部分と異なる表面特性に処理されるのが好ましい。これにより、磁性流体層25の保持性やシール性を向上させることが可能となる。
例えば、図4に示すように、周縁面14cの磁性流体層25と接する部分に、磁性を有する物質(金属など)の膜30を形成するとよい。これにより、その磁性膜30を磁束の経路の一部とする磁気回路が安定して形成され、磁性流体層25の保持性やシール性が向上する。また、光学部材14の周縁面14cに金属膜を形成して磁化するか、磁石(永久磁石)を配設してもよい。
また、例えば、図5に示すように、周縁面14cの磁性流体層25と接する部分を、磁性流体(ベース液、ベースオイル)に対して親液性を有するように表面処理してもよい。これにより、光学部材14に対する磁性流体層25の濡れ性が向上し、磁性流体層25の保持性やシール性が向上する。この場合、光学部材14の周縁面14cの他の部分を磁性流体層25に対して撥液性に処理することにより、磁性流体層25の保持性がさらに向上する。なお、光学部材14に限らず、支持部20に対して同様の表面処理を施してもよい。親液性の表面処理は、例えば、光学部材の表面に磁性流体に対して親液性を示す膜を形成するとよい。また、撥液性の表面処理も同様に、例えば、光学部材の表面に磁性流体に対して親液性を示す膜を形成するとよい。
また、磁石26は、図6に示すように、支持部20における対向面20a上に凸状に配置されてもよい。すなわち、図6において、磁石26は、対向面20a上の他の部分に対して突出した状態に配設される。この場合、先の図2に示した磁石26が物体に埋め込まれる場合に比べて、磁石26の周囲に物体が少なく、磁力回路が良好に形成される。すなわち、磁石26の磁束が磁力回路として特徴付けられやすい。そのため、磁性流体層25の保持性の向上が図られる。
図7は、本発明に係る光学装置の第2実施形態例を示す図であり、磁性流体を用いたシール構造を部分的に拡大して示している。なお、本例において、上述した実施形態例と同一の機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図7において、光学装置40では、第1実施形態例と同様に、光学部材14と筐体12との間が磁性流体を用いてシールされている。本実施形態例では、磁性流体からなる磁性流体層41が光学部材14の周縁部における側面14eに接するように配置されている。
すなわち、筐体12の軸方向の端部には、光学部材14を支持する支持部42が設けられている。この支持部42は、第1実施形態例と同様に、光学部材14の周縁部における一方の周縁面14cに接触し、光学部材14の周縁部をほぼ等間隔(周方向に120°間隔)で支持する3つの座43と、上記3つの座43のそれぞれに対応する位置に配置され、光学部材14の他方の周縁面14dに接触し、かつ光学部材14の周縁部を上記3つの座43とともに挟み込む3つのレンズ押さえ部材44とを有している。また、支持部42は、光学部材14の一方の周縁面14cに対向する対向面42aと、光学部材14の側面14eに対向する対向面42bとを有し、対向面42aと光学部材14の上記周縁面14cとの間、及び対向面42bと光学部材14の上記側面14eとの間にそれぞれ隙間を形成した状態で光学部材14を支持している。そして、本実施形態例では、光学部材14の側面14eと支持部42における対向面42bとの間に、磁性流体層41が設けられている。この磁性流体層41は、対向面42bに埋め込まれた磁石46(永久磁石)によって所定の位置に保持されている。
本例の光学装置40では、第1実施形態例と同様に、光学部材14の側面14eと支持部42の対向面42bとの間に設けられた磁性流体層41によって、筐体12の内部空間11と外部空間13との境界における気体のリークが防止される。また、本例では、光学部材14の側面14eに接するように磁性流体層41が配置されることから、光学部材14が光軸方向に微動したり、光学部材14が軸周りに回転したりしても、磁性流体層41の形状の変化が小さい。そのため、光学部材14の光軸方向への位置調整や、光学部材14の回転角度の調整が容易に行なえる。なお、本例においても、光学部材14の側面14eの表面に、磁性を有する物質(金属)の膜を形成したり、磁性流体に対して親液性を有する表面処理を施すことにより、磁性流体層41の保持性やシール性が向上する。
図8は、本発明に係る光学装置の第3実施形態例を示す図であり、磁性流体を用いたシール構造を部分的に拡大して示している。なお、本例において、上述した実施形態例と同一の機能を有するものは同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図8において、光学装置50では、第2実施形態例と同様に、光学部材14と筐体12との間が磁性流体を用いてシールされ、磁性流体からなる磁性流体層51が光学部材14の周縁部における側面14eに配置されている。
すなわち、筐体12の軸方向の端部には、光学部材14を支持する支持部52が設けられている。この支持部52は、第2実施形態例と同様に、光学部材14の周縁部における一方の周縁面14cに接触し、光学部材14の周縁部をほぼ等間隔(周方向に120°間隔)で支持する3つの座53と、上記3つの座53のそれぞれに対応する位置に配置され、光学部材14の他方の周縁面14dに接触し、かつ光学部材14の周縁部を上記3つの座53とともに挟み込む3つのレンズ押さえ部材54とを有している。また、支持部52は、光学部材14の一方の周縁面14cに対向する対向面52aと、光学部材14の側面14eに対向する対向面52bとを有し、対向面52aと光学部材14の上記周縁面14cとの間、及び対向面52bと光学部材14の上記側面14eとの間にそれぞれ隙間を形成した状態で光学部材14を支持している。そして、光学部材14の側面14eと支持部52における対向面52bとの間に、磁性流体(磁性流体層51)が配置されている。本実施形態例では、この磁性流体層51は、光学部材14の側面14e及びその対向面52bに配設されたハウジング(第1のハウジング55、第2のハウジング56)の内部に配置されている。
第1のハウジング55は、環状に形成され、締まりばめや接着固定などによって光学部材14の側面14eに配設されている。第1のハウジング55の外周面には凹部55aが形成されており、この凹部55aの内部に磁性流体が収容されている(磁性流体層51)。第2のハウジング56は、環状に形成され、接着固定などによって支持部52の対向面52bに配設されている。第2のハウジング56の内周面には凹部56aが形成されており、この凹部56aの内部に磁性流体が収容されている(磁性流体層51)。第1のハウジング55、及び第2のハウジング56は、互いの間に隙間を有した状態で、それぞれの凹部55a,56aが互いに対向するように配されている。なお、上記接着固定においては、ケミカルクリーン度の向上を図る上で、トールシールやフッ素系の接着剤を用いるのが好ましい。
また、第1のハウジング55と第2のハウジング56との間には、磁石57(永久磁石)が配置されている。この磁石57は、環状に形成されており、例えば、ハウジング55,56のいずれか一方に設けられた座面によって支持されている。また、磁石57の内周側の一部が第1のハウジング55の凹部55aに挿入され、磁石57の外周側の一部が第2のハウジング56の凹部56aに挿入されている。そして、この磁石57によって各ハウジング55,56の凹部55a,56aにおける磁性流体の収容状態が保持されている。
本例の光学装置50では、第2実施形態例と同様に、光学部材14の側面14eと支持部52の対向面52bとの間に設けられた磁性流体層51によって、筐体12の内部空間11と外部空間13との境界における気体のリークが防止される。また、本例では、光学部材14の側面14eに磁性流体層51が配置されることから、光学部材14が光軸方向に微動したり、光学部材14が軸周りに回転したりしても、磁性流体層51の形状の変化が小さい。そのため、光学部材14の光軸方向への位置調整や、光学部材14の回転角度の調整が容易に行なえる。さらに、本例では、磁性流体層51がハウジング55,56の凹部55a,56aに配置され、鉛直下向きへの磁性流体の移動(重力に伴う移動)が止められており、磁性流体層51が所定の位置に確実に保持される。
図9は、本発明の光学装置を露光装置に適用した実施形態例を示している。なお、図9ではXYZ直交座標系を採用している。XYZ直交座標系は、基板(感光性基板)としてのウエハWを保持するウエハステージWSに対して平行となるようにX軸及びY軸が設定され、Z軸がウエハステージWSに対して直交する方向に設定される。実際には、図中のXYZ直交座標系は、XY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直方向に設定される。
本実施形態に係る露光装置は、露光光源としてFレーザ光源を使用している。また、マスク(投影原版)としてのレチクルR上の所定形状の照明領域に対して相対的に所定の方向へレチクルR及びウエハWを同期して走査することにより、ウエハW上の1つのショット領域に、レチクルRのパターン像を逐次的に転写するステップ・アンド・スキャン方式を採用している。このようなステップ・アンド・スキャン型の露光装置では、投影光学系の露光フィールドよりも広い基板(ウエハW)上の領域にレチクルRのパターンを露光できる。
図9において、露光装置100は、レーザ光源120、このレーザ光源120からのエネルギービームとしての露光光ILによりレチクルRを照明する照明光学系121、レチクルRから射出される露光光ILをウエハW上に投射する投影光学系PL、及び装置全体を統括的に制御する不図示の主制御装置等を備えている。さらに、露光装置100は全体としてチャンバ(不図示)の内部に収納されている。
レーザ光源120は、発振波長157nmのパルス紫外光を出力するFレーザを有する。また、レーザ光源120には、図示しない光源制御装置が併設されており、この光源制御装置は、主制御装置からの指示に応じて、射出されるパルス紫外光の発振中心波長及びスペクトル半値幅の制御、パルス発振のトリガ制御、レーザチャンバ内のガスの制御等を行う。
レーザ光源120からのパルスレーザ光(照明光)は、偏向ミラー130にて偏向されて、光アッテネータとしての可変減光器131に入射する。可変減光器131は、ウエハ上のフォトレジストに対する露光量を制御するために、減光率が段階的又は連続的に調整可能である。可変減光器131から射出される照明光は、光路偏向ミラー132にて偏向された後に、第1フライアイレンズ133、ズームレンズ134、振動ミラー135等を順に介して第2フライアイレンズ136に達する。第2フライアイレンズ136の射出側には、有効光源のサイズ・形状を所望に設定するための照明光学系開口絞り用の切り替えレボルバ137が配置されている。本実施形態では、照明光学系開口絞りでの光量損失を低減させるために、ズームレンズ134による第2フライアイレンズ136への光束の大きさを可変としている。
照明光学系開口絞りの開口から射出した光束は、コンデンサレンズ群140を介して照明視野絞り(レチクルブラインド)141を照明する。なお、照明視野絞り141については、特開平4−196513号公報及びこれに対応する米国特許第5,473,410号公報に開示されている。
照明視野絞り141からの光は、偏向ミラー142,145、レンズ群143,144,146からなる照明視野絞り結像光学系(レチクルブラインド結像系)を介してレチクルR上に導かれ、レチクルR上には、照明視野絞り141の開口部の像である照明領域が形成される。レチクルR上の照明領域からの光は、投影光学系PLを介してウエハW上へ導かれ、ウエハW上には、レチクルRの照明領域内のパターンの縮小像が形成される。レチクルRを保持するレチクルステージRSはXY平面内で二次元的に移動可能であり、その位置座標は干渉計150によって計測されかつ位置制御される。また、ウエハWを保持するウエハステージWSもXY平面内で二次元的に移動可能であり、その位置座標は干渉計151によって計測されかつ位置制御される。これらにより、レチクルR及びウエハWを高精度に同期走査することが可能になる。なお、上述したレーザ光源120〜照明視野絞り結像光学系等により照明光学系121が構成される。
本実施形態で使用するFレーザ光(波長:157nm)のように、真空紫外域の光を露光光とする場合には、透過率の良好な光学硝材(光学素子)としては、蛍石(CaFの結晶)、フッ素や水素等をドープした石英ガラス、及びフッ化マグネシウム(MgF)等に限られる。この場合、投影光学系PLにおいて、屈折光学部材のみで構成して所望の結像特性(色収差特性等)を得るのは困難であることから、屈折光学部材と反射鏡とを組み合わせた反射屈折系を採用してもよい。
また、真空紫外域の光に対する吸光物質としては、酸素(O)、水(水蒸気:HO)、一酸化炭素(CO)、炭酸ガス(二酸化炭素:CO)、有機物、及びハロゲン化物等がある。一方、真空紫外域の光が透過する気体(エネルギ吸収がほとんど無い物質)としては、窒素ガス(N)、水素(H)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)よりなる希ガスがある。以降、この窒素ガス及び希ガスをまとめて「透過性ガス」と呼ぶことにする。本実施形態では、照明光路(レーザ光源120〜レチクルRへ至る光路)及び投影光路(レチクルR〜ウエハWへ至る光路)を外部雰囲気から遮断し、それらの光路を真空紫外域の光に対して吸収の少ない特性を有する透過性ガスとしての窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドンなどのガス、またはそれらの混合ガスで満たしている。
具体的には、レーザ光源120から可変減光器131までの光路がケーシング160により外部雰囲気より遮断され、可変減光器131から照明視野絞り141までの光路がケーシング161により外部雰囲気より遮断され、照明視野絞り結像光学系がケーシング162により外部雰囲気から遮断され、それらの光路内に上記透過性ガスが充填されている。なお、ケーシング161とケーシング162はケーシング163により接続されている。また、投影光学系PL自体もその鏡筒169がケーシングとなっており、その内部光路に上記透過性ガスが充填されている。
また、ケーシング164は、照明視野絞り結像光学系を納めたケーシング162と投影光学系PLとの間の空間を外部雰囲気から遮断しており、その内部にレチクルRを保持するレチクルステージRSが収納されている。このケーシング164には、レチクルRを搬入・搬出するための扉170が設けられており、この扉170の外側には、レチクルRを搬入・搬出時にケーシング164内の雰囲気が汚染されるのを防ぐためのガス置換室165が設けられている。このガス置換室165にも扉171が設けられており、複数種のレチクルを保管しているレチクルストッカ166との間のレチクルの受け渡しは扉171を介して行われる。
また、ケーシング167は、投影光学系PLとウエハWとの間の空間を外部雰囲気から遮断しており、その内部に、ウエハホルダ180を介してウエハWを保持するウエハステージWS、ウエハWの表面のZ方向の位置(フォーカス位置)や傾斜角を検出するための斜入射形式のオートフォーカスセンサ181、オフ・アクシス方式のアライメントセンサ182、ウエハステージWSを載置している定盤183等が収納されている。このケーシング167には、ウエハWを搬入・搬出するための扉172が設けられており、この扉172の外側にはケーシング167内部の雰囲気が汚染されるのを防ぐためのガス置換室168が設けられている。このガス置換室168には扉173が設けられており、装置内部へのウエハWの搬入、装置外部へのウエハWの搬出はこの扉173を介して行われる。
各光路上の空間に充填される透過性ガス(パージガス)としては、窒素やヘリウムを用いることが好ましい。窒素は波長が150nm程度以下の光に対しては吸光物質として作用し、ヘリウムは波長100nm程度以下の光に対して透過性ガスとして使用することができる。ヘリウムは熱伝導率が窒素の約6倍であり、気圧変化に対する屈折率の変動量が窒素の約1/8であるため、特に高透過率と光学系の結像特性の安定性や冷却性とで優れている。なお、投影光学系PLの鏡筒について透過性ガスとしてヘリウムを用い、他の光路(例えばレーザ光源120〜レチクルRまでの照明光路など)については透過性ガスとして窒素を用いてもよい。
ここで、ケーシング161,162,164,167のそれぞれには、給気弁200,201,202,203が設けられており、これらの給気弁200〜203は不図示のガス供給システムにおける給気管路に接続されている。また、ケーシング161,162,164,167のそれぞれには、排気弁210,211,212,213が設けられており、これらの排気弁210〜213は、それぞれガス供給システムにおける排気管路に接続されている。
同様に、ガス置換室165,168にも給気弁204,205及ぶ排気弁214,215が設けられ、投影光学系PLの鏡筒169にも給気弁206及び排気弁216が設けられ、これらはガス供給システムにおける給気管路あるいは排気管路に接続されている。
また、ガス置換室165,168においては、レチクル交換又はウエハ交時等の際にガス置換を行う必要がある。例えば、レチクル交換の際には、扉171を開いてレチクルストッカ166からレチクルをガス置換室165内に搬入し、扉171を閉めてガス置換室165内を透過性ガスで満たし、その後、扉170を開いて、レチクルをレチクルステージRS上に載置する。また、ウエハ交換の際には、扉173を開いてウエハをガス置換室168内に搬入し、この扉173を閉めてガス置換室168内を透過性ガスで満たす。その後、扉172を開いてウエハをウエハホルダ180上に載置する。なお、レチクル搬出、ウエハ搬出の場合はこの逆の手順である。また、ガス置換室165,168のガス置換の際には、ガス置換室内の雰囲気を減圧した後に、給気弁から透過性ガスを供給しても良い。
また、ケーシング164,167においては、ガス置換室165,168によるガス置換を行った気体が混入する可能性があり、このガス置換室165,168のガス中にはかなりの量の酸素などの吸光物質が混入している可能性が高い。そのため、ガス置換室165,168のガス置換と同じタイミングでガス置換を行うことが望ましい。また、ケーシング及びガス置換室においては、外部雰囲気の圧力よりも高い圧力の透過性ガスを充填しておくことが好ましい。
図10は、上述した露光光の光路上の各空間に、パージガスとして上述した透過性ガスを供給するガス供給システム300の構成の一例を示している。図10では、透過性ガスの供給先として、前述した露光光ILの光路上の空間のうち、投影光学系PLにおける鏡筒169内部の空間301、レチクルステージRSを収納するケーシング164内部の空間302、及びウエハステージWSを収納するケーシング167内部の空間303を代表的に示している。本例では、空間301にはヘリウムガス(He)が供給され、空間302及び空間303には窒素ガス(N)が供給される。なお、露光光の光路上の空間のうち、その他の空間にはヘリウムガス及び窒素ガスのいずれかが適宜供給される。
ガス供給システム300は、ヘリウムガス用の第1ガス供給機構310と、窒素ガス用の第2ガス供給機構311とを備える。第1ガス供給機構310及び第2ガス供給機構311はそれぞれ、ヘリウムガスもしくは窒素ガスを収容するガスボンベなどのガス供給源320,321、ガス供給源320,321から光路上の各空間にガスを供給するガス供給装置322,323,324、光路上の各空間からガスを含む気体を排出する排気装置325,326等を有している。なお、ガス供給システム300は、フィルタ、ガスの温度を制御するための温調装置、光路上の各空間内の吸光物質の濃度を計測する濃度計などを適宜備えるとよい。
ガス供給装置322,323,324は、ガス供給源320,321から送られるガスを例えば加圧することにより、そのガスを給気管路330,331,332を介して各空間301,302,303に供給する。なお、ガス供給源320,321から排出されるガスが十分に圧力を有している場合はガス供給装置を省くことも可能である。また、給気管路330,331,332に用いられる配管としては、洗浄されたステンレスなどの金属、あるいは洗浄された四フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン−テレフルオロ(アルキルビニルエーテル)、またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン共重合体等の各種ポリマー等、ケミカルクリーンな素材のものが用いられ、配管継手としては、例えば禁油処理されたステンレスなどの金属製、あるいは各種ポリマー製のものが用いられる。
排気装置325,326は、例えば真空圧を発生させることにより、排気管路333,334,335を介して空間301,302,303内の気体を排出する。各空間301,302,303から排出した気体は、例えば装置外部の空間に排出される。なお、各空間301,302,303から排出した気体を、精製してパージガスとして再利用してもよい。ガスの再利用により、パージガス(本例ではヘリウムガス)の消費量を低減することができる。
本例の露光装置100では、第1ガス供給機構310により、投影光学系PLの鏡筒169内部の空間301にヘリウムガス(He)が供給され、第2ガス供給機構311により、レチクルRが配置される空間302と、ウエハWが配置される空間303とに窒素ガス(N)が供給される。すなわち、投影光学系PL内の空間302と、その空間302に隣接する空間303、304とで、互いに種類が異なるガスが供給される。
また、投影光学系PLを構成する複数の光学部材(光学素子)のうち、レチクルR側の最上段に配置される光学素子350、及びウエハW側の最下段に配置される光学素子351のそれぞれに対して、上述した磁性流体を用いたシール構造が用いられている。すなわち、光学素子350は、投影光学系PLの内部の空間301とレチクルRが配置される空間302との境界に配置され、先の図1〜図3に示したシール構造を有する支持部355によって支持されている。また、光学素子351も同様に、投影光学系PLの内部の空間301とウエハWが配置される空間303との境界に配置され、先の図1〜図3に示した磁性流体を用いたシール構造を有する支持部355によって支持されている。
本例の露光装置では、投影光学系PL内の空間301とレチクルRが配置される空間302との境界、及び投影光学系PL内の空間301とウエハWが配置される空間303との境界のそれぞれが、磁性流体を用いてシールされていることから、それらの境界を介した気体のリークが防止される。そのため、高いシール性能により、露光光の光路上の各空間301,302,303が、ヘリウムガスまたは窒素ガスに高純度かつ安定的に満たされる。また、シールに伴う光学素子350,351の変形が小さく、光学特性の向上が図られる。
ここで、光学素子350,351は、互いに平行な面を有する平行平板(平行平面板)からなる。また、光学素子350,351の姿勢や位置を調整することにより、露光光の局所的な収差(回転対称でないディストーションなど)を補正することが可能である。本例では、光学素子350,351の支持部355において、磁性流体を用いたシール構造が用いられていることから、シール部材である磁性流体と物体との間の摩擦抵抗が小さく、また、磁性流体層の形が容易に変化する。そのため、光学素子350,351の姿勢に対する制約が小さく、光学素子350,351の位置や姿勢を容易に調整することができる。この点からも、光学特性の向上が図られる。
このように本例の露光装置100によれば、露光光の光路上の空間における気体のリークが防止されかつ、光学的な性能の向上が図られることから、露光精度の向上を図ることができる。
なお、上記例では、投影光学系PLにおける露光光の入口及び出口に配置される光学部材に対して、磁性流体を用いたシール構造が用いられていたが、照明光学系121における各ケーシング(例えば、ケーシング161,162。図9参照。)の露光光の入口または出口に配置される光学部材に対しても同様に、磁性流体を用いたシール構造を用いてもよい。この場合にも、各ケーシング内の空間における気体のリークが防止されるとともに、光学特性の向上が図られる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、磁性流体を用いたシール構造によって支持する光学部材としては、平行平板に限らず、曲面レンズ、ビームスプリッタ、ダイクロイックミラーなど、光学装置に用いられる様々な光学部材が適用可能である。また、その支持構造は、上述した実施例で示した構造に限らず、光学部材の設置スペースや光学部材の特性や要求精度に応じて適宜決定される。
また、光学部材と支持部との間に磁性流体層を設ける際、光学部材の一面における磁性流体層と接する部分に段差を設けてもよい。この技術は、光学的な有効領域を有する光学面が曲面である場合などに光学部材を確実に支持する上で有利である。
また、磁性流体層を保持するための磁石に対してヨークを配置し、磁力を向上させる構成としてもよい。
また、上述したレンズ押さえ部材など、支持部における光学部材に接する部分の材質としては、ケミカルクリーン対策が施された樹脂あるいは金属部材が好ましく用いられる。また、インバー材など、熱歪みが生じにくい材質を用いることにより、熱の発生に伴う台座の変形を防ぎ、光学素子での歪みの発生や、光学素子の姿勢の乱れを抑制することができる。
また、光路上から吸光物質を排除するには、予め構造材料表面からの脱ガス量を低減する処置を施しておくことが好ましい。例えば、(1)構造材料の表面積を小さくする、(2)構造材料表面を機械研磨、電解研磨、バフ研磨、化学研磨、又はGBB(Glass Beads Blasting)といった方法によって研磨し、構造材料の表面粗さを低減しておく、(3)超音波洗浄、クリーンドライエア等の流体の吹き付け、真空加熱脱ガス(ベーキング)などの手法によって、構造材料表面を洗浄する、(4)炭化水素やハロゲン化物を含む電線被膜物質やシール部材(Oリング等)、接着剤等を光路空間に可能な限り設置しない、等の方法がある。
また、照明系チャンバからウエハ操作部のカバーを構成する筐体(筒状体等も可)や、透過性ガスを供給する配管は、不純物ガス(脱ガス)の少ない材料、例えばステンレス鋼、チタン合金、セラミックス、四フッ化エチレン、テトラフルオロエチレン−テルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、又はテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン共重合体等の各種ポリマーで形成することが望ましい。
また、各筐体内の駆動機構(レチクルブラインドやステージ等)などに電力を供給するケーブルなども、同様に上述した不純物ガス(脱ガス)の少ない材料で被覆することが望ましい。
なお、本発明は走査露光型の投影露光装置のみならず、一括露光型(ステッパー型)の投影露光装置等にも適用できることは明らかである。これらに備えられる投影光学系は、反射屈折系のみならず、屈折系や反射系であってもよい。さらに、投影光学系の倍率は縮小倍率のみならず、等倍や拡大であってもよい。
また、本発明はエネルギービームとして、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)を使用する場合や、Krレーザ光(波長146nm)、Arレーザ光(波長126nm)、YAGレーザ等の高調波、又は半導体レーザの高調波等の波長が200nm〜100nm程度の真空紫外光にも適用できる。
近年、焦点深度を広く確保するために液浸法を用いた露光装置が提案されている。この液浸法とは、投影光学系の下面と基板表面との間を、流体として所定の液体(水や有機溶媒等)で満たして液浸領域を形成し、液体中での露光光の波長が空気中の1/n(nは液体の屈折率で通常1.2〜1.6程度)になることを利用して解像度を向上すると共に、焦点深度を約n倍に拡大するというものである。上述した液浸領域は、液体供給口及び液体回収口を有するノズル部材を使って液体の供給及び回収を行っているが、ノズル部材と投影光学系との間の隙間や、投影光学系に液体が侵入すると、投影光学系を構成する光学部材を保持する筐体(鏡筒)に錆びが生じる可能性がある。そこで、ノズル部材と投影光学系との間の隙間に、本実施形態例で説明した流体シール機構を設けても良い。
液浸法を用いた露光装置では、投影光学系の下面とウエハWとの間に液体が供給されることになる。すなわち、各実施形態で説明した光学装置の外部空間13が液体雰囲気になる。このように、光学装置の外部空間13に液体が供給されて液体雰囲気になったとしても、各実施形態で説明したように、光学部材14と筐体12との間に流体シール機構を設けることによって、筐体12内に液体が侵入したり、筐体12内から所定の気体がリークし、リークした所定の気体が液体中に侵入したりすることを防止することができる。
なお、レーザ光源120がFレーザを発振する場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体としては、Fレーザ光を透過可能な、例えば過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体を用いればよい。この場合、投影光学系の筐体のうち、液体と接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体としては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えば、セダー油)を用いることも可能である。
また、レーザ光源120がArFエキシマレーザ光(波長193nm)を発振する場合には、純水(水)を用いることができる。純水(水)の屈折率nは、ほぼ1.44と言われており、ArFエキシマレーザ光の場合、基板P上では1/n、すなわち、約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。さらに、焦点深度は、空気中に比べて約n倍、すなわち、約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
上述したように液浸法を用いた場合には、投影光学系の開口数NAが、0.9〜1.3になることもある。このように投影光学系の開口数NAが大きくなる場合には、従来から露光光として用いられているランダム偏光光では、偏光効果によって結像性能が悪化することもあるので、偏光照明を用いるのが望ましい。その場合、マスク(レチクル)のライン・アンド・スペースパターンのラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明を行い、マスク(レチクル)のパターンからは、S偏光成分(TE偏光成分)、すなわち、ラインパターンの長手方向に沿った偏光成分の回折光が多く射出されるようにするとよい。投影光学系PLと基板P表面に塗布されたレジストとの間が液体で満たされている場合、投影光学系PLと基板P表面に塗布されたレジストとの間が空気(気体)で満たされている場合に比べて、コントラストの向上に寄与するS偏光成分(TE偏光成分)の回折光のレジスト表面での透過率が高くなるため、投影光学系の開口数NAが1.0を超えるような場合でも高い結像性能を得ることができる。また、位相シフトマスクや、特開平6−188169公報に開示されているようなラインパターンの長手方向に合わせた斜入射照明法(特にダイボール照明法)等を適宜組み合わせると更に効果的である。
また、例えばArFエキシマレーザを露光光とし、1/4程度の縮小倍率の投影光学系を使って、微細のライン・アンド・スペースパターン(例えば25〜50nm程度のライン・アンド・スペース)をウエハW上に露光するような場合、マスク構造(例えばパターンの微細度やクロムの厚み)によっては、Wave guide効果によりマスクが偏光板として作用し、コントラストを低下させるP偏光成分(TE偏光成分)の回折光よりS偏光成分(TE偏光成分)の回折光が多くマスクから射出されるようになるので、上述の直線偏光照明を用いることが望ましいが、ランダム偏光光でマスクを照明しても、投影光学系の開口数NAが0.9〜1.3のように大きい場合でも高い解像性能を得ることができる。また、マスク上の極微細なライン・アンド・スペースパターンをウエハ上に露光するような場合、Wire grid効果によりP偏光成分(TM偏光成分)がS偏光成分(TE偏光成分)よりも大きくなる可能性もあるが、例えば、ArFエキシマレーザを露光光とし、1/4程度の縮小倍率の投影光学系を使って、25nmより大きいライン・アンド・スペースパターンをウエハ上に露光するような場合には、S偏光成分(TE偏光成分)の回折光がP偏光成分(TM偏光成分)の回折光よりも多くマスクMから射出されるので、投影光学系PLの開口数NAが0.9〜1.3のように大きい場合でも高い解像性能を得ることができる。
更に、マスク(レチクル)のラインパターンの長手方向に合わせた直線偏光照明(S偏光照明)だけでなく、特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線(周)方向に直線偏光する偏光照明法と斜入射照明法との組み合わせも効果的である。特に、マスク(レチクル)のパターンが所定の一方向に延びるラインパターンだけでなく、複数の異なる方向に延びるラインパターンが混在する場合には、同じく特開平6−53120号公報に開示されているように、光軸を中心とした円の接線方向に直線偏光する偏光照明法と輪帯照明法とを併用することによって、投影光学系の開口数NAが大きい場合でも高い結像性能を得ることができる。
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子が取り付けられており、このレンズにより投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。
また、液浸法を用いた露光装置を一括露光型に適用する場合には、例えば、投影光学系として、倍率1/8の屈折系とし、ウエハW上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式にしてもよい。
また、露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
また、ウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
また、ステージの駆動装置として平面モータを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
そして、上記のように露光が行われたウエハが、現像工程、パターン形成工程、ボンディング工程、パッケージング等を経ることによって、半導体素子等の電子デバイスが製造される。
産業上の利用の可能性
本発明は、光学装置であって、エネルギービームの光路上に形成され、かつ所定のガスが供給される空間と、前記空間と他の空間との境界に配置される光学部材と、前記光学部材の周縁部に対向する対向面を有し、該対向面と前記光学部材の周縁部との間に隙間を形成した状態で、前記光学部材の周縁部を支持する支持部と、前記光学部材の周縁部と前記支持部が有する対向面との間に配置される流体シール機構とを備えるので、光学部材の光学特性を低下させることなく、所定の気体が供給される空間と外部空間との間で、流体(気体や液体)の侵入やリークを防止することができる。

Claims (18)

  1. 光学装置であって、
    エネルギービームの光路上に形成され、かつ所定の気体が供給される空間と、
    前記空間と他の空間との境界に配置される光学部材と、
    前記光学部材の周縁部に対向する対向面を有し、該対向面と前記光学部材の周縁部との間に隙間を形成した状態で、前記光学部材の周縁部を支持する支持部と、
    前記光学部材の周縁部と前記支持部が有する対向面との間に配置される流体シール機構と、を有する。
  2. 請求項1記載の光学装置であって、
    前記流体シール機構は、前記光学部材の周縁部と前記対向面との間に設けられる磁性流体層と、
    前記磁性流体層を所定の位置に保持する磁石と、を備える。
  3. 請求項2記載の光学装置であって、
    前記磁性流体層は、フッ素系のベース液が用いられる。
  4. 請求項2記載の光学装置であって、
    前記光学部材は、光学的な有効領域を有する光学面と、該光学面と同一面内の周縁面と、前記光学部材の側面とを含み、
    前記磁性流体層は、前記光学部材の周縁面と、前記光学部材の側面との少なくとも一方に接するように配置される。
  5. 請求項4記載の光学装置であって、
    前記磁性流体層は、前記光学部材の周縁部における周縁面に接するように配置され、
    前記周縁面は、前記磁性流体層と接する部分が他の部分と異なる表面特性に処理される。
  6. 請求項4記載の光学装置であって、
    前記磁性流体層は、前記光学部材の側面に接するように配置され、
    前記側面は、前記磁性流体層と接する部分が他の部分と異なる表面特性に処理される。
  7. 請求項2記載の光学装置であって、
    前記光学部材の周縁部は、互いに平行な面を有し、
    前記支持部は、前記互いに平行な面の一方に接触し、前記光学部材の周縁部をほぼ等間隔で支持する3つの座と、
    前記3つの座のそれぞれに対応する位置に配置され、前記互いに平行な面の他方と接触し、かつ前記光学部材の周縁部を前記3つの座とともに挟み込む3つの押さえ部材とを有し、
    前記磁性流体層は、前記互いに平行な面の少なくとも一方に接する。
  8. 請求項2記載の光学装置であって、
    前記磁石は、前記対向面の一部に埋め込まれる。
  9. 請求項2記載の光学装置であって、
    前記磁石は、前記対向面上に凸状に配置されている。
  10. 請求項1記載の光学装置であって、
    前記他の空間には、前記所定の気体とは異なる気体が供給される。
  11. 露光装置であって、
    パターンが形成されたマスクをエネルギービームにより照明する照明系と、前記マスクのパターンを基板上に転写する投影光学系との少なくとも一方を、請求項1記載の光学装置で構成する。
  12. 請求項11記載の露光装置であって、
    前記光学部材は、前記投影光学系を構成する複数の光学素子のうち、前記基板に対向する光学素子であり、
    前記空間は、前記投影光学系内の空間であり、
    前記他の空間は、前記光学素子と前記基板との間の空間である。
  13. 請求項12記載の露光装置であって、
    前記投影光学系内の空間に第1のガスを供給する第1のガス供給機構と、
    前記光学素子と前記基板との間の空間に、前記第1のガスとは種類が異なる第2のガスを供給する第2のガス供給機構と、を有する。
  14. 請求項11記載の露光装置であって、
    前記光学部材は、前記投影光学系を構成する複数の光学素子のうち、前記マスク側に配置される光学素子であり、
    前記空間は、前記投影光学系内の空間であり、
    前記他の空間は、前記光学素子と前記マスクとの間の空間である。
  15. 請求項14記載の露光装置であって、
    前記投影光学系内の空間に第1のガスを供給する第1のガス供給機構と、
    前記光学素子と前記マスクとの間の空間に、前記第1のガスとは種類が異なる第2のガスを供給する第2のガス供給機構と、を有する。
  16. 請求項12記載の露光装置であって、
    前記他の空間は、液体雰囲気である。
  17. デバイス製造方法であって、
    請求項11記載の露光装置を用いて、マスク上に形成されたデバイスパターンを基板上に転写する工程を含む。
  18. デバイス製造方法であって、
    請求項16記載の露光装置を用いて、マスク上に形成されたデバイスパターンを基板上に転写する工程を含む。
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