JPS6313148B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS6313148B2 JPS6313148B2 JP56004295A JP429581A JPS6313148B2 JP S6313148 B2 JPS6313148 B2 JP S6313148B2 JP 56004295 A JP56004295 A JP 56004295A JP 429581 A JP429581 A JP 429581A JP S6313148 B2 JPS6313148 B2 JP S6313148B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- sensor
- polymer film
- sensor according
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/28—Electrolytic cell components
- G01N27/30—Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells
- G01N27/333—Ion-selective electrodes or membranes
- G01N27/3335—Ion-selective electrodes or membranes the membrane containing at least one organic component
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Immunology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
発明の背景
技術分野
この発明はPHセンサーに係り、特に、重合体膜
を導電体表面に直接被着したPHセンサーであつて
水素イオン濃度を電極電位応答で測定するものに
関する。 先行技術および問題点 従来、水素イオン濃度を測定する電極として水
素電極やキンヒドロン電極が知られているが、今
日、適用範囲の広さ、精確さという点でガラス電
極が広く用いられるようになつてきている。この
ガラス電極によるPH測定の原理は一方を基準液と
する水素イオン濃度の異なる二つの溶液を薄いガ
ラス膜で分離し、このガラス膜の両側に生じた電
位差を測定することからなる。 すなわち、ガラス電極では基準液室を設ける必
要があり、したがつて微小化が困難である。ま
た、粘着性物質を含む溶液中ではガラス膜上に粘
着性物質が付着し、PHの測定が困難であつたり、
電極電位応答の再現性が悪くなつたりする。ま
た、ガラス電極のガラス膜の抵抗は10〜100MΩ
と大きく、PHの測定には普通の電位差計を単独で
用いることができず、高入力インピーダンスの増
幅器が必要となる。 発明の目的 したがつて、この発明の目的は基準液室を設け
る必要がなく、従つて微小化を計ることのできる
PHセンサーを提供することにある。 また、この発明の目的は電位応答速度も早く、
測定試料溶液の種類を問わず広範なPHの測定が可
能なPHセンサーを提供することにある。 さらにこの発明の目的は測定に当つて高入力イ
ンピーダンスの増幅器を併用する必要のないPHセ
ンサーを提供することにある。 上記諸目的および以後の記載から明らかとなる
であろう他の目的は、この発明によれば、導電体
表面にヒドロキシ芳香族化合物から誘導された重
合体膜を直接被着してなるPHセンサーによつて達
成される。 前記重合体膜は低インピーダンス化され、また
電解酸化重合によつて得るのが好ましい。 ヒドロキシ芳香族化合物は式 (ここで、Arは芳香核、各Rは置換基、およ
びmはOないしArの有効原子価数)で示すこと
ができる。その具体例はフエノール、ジメチルフ
エノール、ヒドロキシピリジン、o―およびm―
ベンジルアルコール、o―、m―およびp―ヒド
ロキシベンズアルデヒド、o―およびm―ヒドロ
キシアセトフエノン、o―、m―およびp―ヒド
ロキシプロピオフエノン、o―、m―およびp―
ベンゾフエノール、o―m―およびp―ヒドロキ
シベンゾフエノン、o―、m―およびp―カルボ
キシフエノール、ジフエニルフエノール、2―メ
チル―8―ヒドロキノリン、5―ヒドロキシ―
1,4―ナフトキノン、4―(p―ヒドロキシフ
エニル)―2―ブタノン、1,5―ジヒドロキシ
―1,2,3,4―テトラヒドロナフタレン、ビ
スフエノールAまたはこれらの混合物等である。
重合体膜としてみた場合は、重合体膜が溶媒に溶
解し表面に塗布乾燥したポリフエリレンオキシ
ド、ポリカーボネートであり、具体的にはポリフ
エニレンオキシド誘導体、ポリジフエニル・フエ
ニレンオキシド、ポリジメチルフエニレンオキシ
ド、ポリカーボネート誘導体等が挙げられる。 発明の具体的説明 以下、この発明を添付の図面に沿つて詳しく説
明する。 第1図に示すようにこの発明のPHセンサーは任
意形状の導電体11の周囲に絶縁体13を被覆
し、先端表面の所定の重合体膜12を被着・固定
してなるものである。導電体11は導電性材料で
構成され、白金等が好ましい。 導電体11の表面に被着されている重合体膜1
2はヒドロキシ芳香族化合物の重合体よりなる。
このようなヒドロキシ芳香族化合物は例えば、一
般式 (ここで、Arは芳香核、各Rは置換基、およ
びmはOないしArの有効原子価数)で示すこと
ができる。芳香核Arは単環式(例えば、ベンゼ
ン核、ピリジン核)であつても、多核式(例え
ば、キノリン核、ナフトキノン核、ビスフエノー
ル核)であつてもよい。 置換基Rの例を挙げると、アルキル基例えばメ
チル基、アリール基例えばフエニル基、アルキル
カルボニル基およびアリールカルボニル基
を導電体表面に直接被着したPHセンサーであつて
水素イオン濃度を電極電位応答で測定するものに
関する。 先行技術および問題点 従来、水素イオン濃度を測定する電極として水
素電極やキンヒドロン電極が知られているが、今
日、適用範囲の広さ、精確さという点でガラス電
極が広く用いられるようになつてきている。この
ガラス電極によるPH測定の原理は一方を基準液と
する水素イオン濃度の異なる二つの溶液を薄いガ
ラス膜で分離し、このガラス膜の両側に生じた電
位差を測定することからなる。 すなわち、ガラス電極では基準液室を設ける必
要があり、したがつて微小化が困難である。ま
た、粘着性物質を含む溶液中ではガラス膜上に粘
着性物質が付着し、PHの測定が困難であつたり、
電極電位応答の再現性が悪くなつたりする。ま
た、ガラス電極のガラス膜の抵抗は10〜100MΩ
と大きく、PHの測定には普通の電位差計を単独で
用いることができず、高入力インピーダンスの増
幅器が必要となる。 発明の目的 したがつて、この発明の目的は基準液室を設け
る必要がなく、従つて微小化を計ることのできる
PHセンサーを提供することにある。 また、この発明の目的は電位応答速度も早く、
測定試料溶液の種類を問わず広範なPHの測定が可
能なPHセンサーを提供することにある。 さらにこの発明の目的は測定に当つて高入力イ
ンピーダンスの増幅器を併用する必要のないPHセ
ンサーを提供することにある。 上記諸目的および以後の記載から明らかとなる
であろう他の目的は、この発明によれば、導電体
表面にヒドロキシ芳香族化合物から誘導された重
合体膜を直接被着してなるPHセンサーによつて達
成される。 前記重合体膜は低インピーダンス化され、また
電解酸化重合によつて得るのが好ましい。 ヒドロキシ芳香族化合物は式 (ここで、Arは芳香核、各Rは置換基、およ
びmはOないしArの有効原子価数)で示すこと
ができる。その具体例はフエノール、ジメチルフ
エノール、ヒドロキシピリジン、o―およびm―
ベンジルアルコール、o―、m―およびp―ヒド
ロキシベンズアルデヒド、o―およびm―ヒドロ
キシアセトフエノン、o―、m―およびp―ヒド
ロキシプロピオフエノン、o―、m―およびp―
ベンゾフエノール、o―m―およびp―ヒドロキ
シベンゾフエノン、o―、m―およびp―カルボ
キシフエノール、ジフエニルフエノール、2―メ
チル―8―ヒドロキノリン、5―ヒドロキシ―
1,4―ナフトキノン、4―(p―ヒドロキシフ
エニル)―2―ブタノン、1,5―ジヒドロキシ
―1,2,3,4―テトラヒドロナフタレン、ビ
スフエノールAまたはこれらの混合物等である。
重合体膜としてみた場合は、重合体膜が溶媒に溶
解し表面に塗布乾燥したポリフエリレンオキシ
ド、ポリカーボネートであり、具体的にはポリフ
エニレンオキシド誘導体、ポリジフエニル・フエ
ニレンオキシド、ポリジメチルフエニレンオキシ
ド、ポリカーボネート誘導体等が挙げられる。 発明の具体的説明 以下、この発明を添付の図面に沿つて詳しく説
明する。 第1図に示すようにこの発明のPHセンサーは任
意形状の導電体11の周囲に絶縁体13を被覆
し、先端表面の所定の重合体膜12を被着・固定
してなるものである。導電体11は導電性材料で
構成され、白金等が好ましい。 導電体11の表面に被着されている重合体膜1
2はヒドロキシ芳香族化合物の重合体よりなる。
このようなヒドロキシ芳香族化合物は例えば、一
般式 (ここで、Arは芳香核、各Rは置換基、およ
びmはOないしArの有効原子価数)で示すこと
ができる。芳香核Arは単環式(例えば、ベンゼ
ン核、ピリジン核)であつても、多核式(例え
ば、キノリン核、ナフトキノン核、ビスフエノー
ル核)であつてもよい。 置換基Rの例を挙げると、アルキル基例えばメ
チル基、アリール基例えばフエニル基、アルキル
カルボニル基およびアリールカルボニル基
【式】ヒドロキシアルキル基(−
R″OH)、カルボキシル基、アルデヒド基、ヒド
ロキシル基等である。 このようなヒドロキシ芳香族化合物の具体例を
挙げると、フエノール、ジメチルフエノール(例
えば、2,6―および3,5―ジメチルフエノー
ル)、2―、3―および4―ヒドロキシピリジン、
o―およびm―ベンジルアルコール、o―、m―
およびp―ヒドロキシベンズアルデヒド、o―、
m―およびn―ヒドロキシアセトフエノン、o
―、m―およびp―ヒドロキシプロピオフエノ
ン、o―、m―およびp―ベンゾフエノール、o
―m―およびp―ヒドロキシベンゾフエノン、o
―、m―およびp―カルボキシフエノール、ジフ
エニルフエノール(例えば、2,6―および3,
5―ジフエニルフエノール)、2―メチル―8―
ヒドロキノリン、5―ヒドロキシ―1,4―ナフ
トキノン、4―(p―ヒドロキシフエニル)―2
―ブタノン、1,5―ジヒドロキシ―1,2,
3,4―テトラヒドロナフタレン、ビスフエノー
ルA等である。なお、この明細書で用いられてい
る重合体という語は単独重合体および相互重合体
(例えば、共重合体、三元共重合体等)の双方を
含む。具体的な重合体膜としては、ポリフエニレ
ンオキシド又はポリカーボネート等である。具体
的には前述したとおりである。 このようなヒドロキシ芳香族化合物の重合体膜
を導電体11表面上に被着するためには、ヒドロ
キシ芳香族化合物を電解酸化重合法、プラズマ重
合法、熱重合法、放射線重合法等で導電体11表
面上で重合させる方法、予め合成された重合体を
溶媒に溶かし、この溶液を浸漬・塗布および乾燥
により導電体表面に固定する方法、さらには重合
体膜を化学的処理、物理的処理もしくは照射処理
によつて導電体表面に直接固定する方法を採るこ
とができる。 上記被着方法のうち最も好都合な方法は電解酸
化重合法による方法である。この方法は、アルカ
リ性のメタノール等の溶媒中でヒドロキシ芳香族
化合物を電解酸化重合させ動作電極としての所望
導電体の表面に重合体膜を被着するものである。 重合体膜の厚さに特に制限はないが0.1μないし
2μ程度が適当である。 発明の具体的作用 以上の構成のPHセンサーを用いて試料溶液のPH
を測定するには、第2図に示すように、槽21中
にPHを測定すべき試料溶液22を入れ、この溶液
にこの発明のPHセンサー23および参照電極24
としての銀―塩化銀電極、カロメル電極等を浸漬
する。そして参照電極24に対するPHセンサー2
3を電位差(起電力)を電位差計26で測定す
る。このとき、試料溶液22を撹拌機25で撹拌
するとよい。そしてあらかじめ作製しておいた起
電力とPHとの相関図から試料溶液のPHを続み取
る。 この発明のPHセンサーによる起電力とPHとの関
係は広範囲のPH領域で59mV/PHの勾配を持つ直
線関係を示し式 E=E0−RT/Fln〔H+〕 (ここで、Eは起電力(mV)、E0は一定電位
(mV)、Rはガス定数、Tは絶対温度、Fはフア
ラデー定数、〔H+〕は水素イオン濃度)で示され
るネルンストの式を満足する。 以下、この発明の実施例を記す。 実施例 1 電極被覆膜作成のために、電解セルとして通常
の3電極式H型セルを使用し、対極として白金
網、基準電極として飽和カロメル電極を使用し、
動作電極として被覆固体電極用の白金線(直径1
mm)をテフロン(登録商標名)で線の回りを絶縁
したものを用い、電極表面は研摩機で平滑にし、
希王水で先滌した後蒸留水で水洗いし電解液に浸
漬した。電解液は、メタノール溶媒で、10mMの
フエノールと30mMの水酸化ナトリウムを含み、
電解前にアルゴンガスで十分に脱酸素した。印加
電圧を走査させ、フエノール単量体の酸化反応が
白金電極表面で生起していることを確認したの
ち、印加電圧を0.9ボルト(対飽和カロメル電極)
で止め、3分間定電解し電極表面に酸化重合体生
成物を被覆させた。その後電極表面を蒸留水で3
回以上洗滌し、高分子被覆化学修飾電極(PHセン
サー)を作製した。第3図は酸化重合反応の開始
を示すサイクリツクボルタングラムであり、第一
走査酸化波と第二走査波とのピーク電流の違いは
電極表面での被覆膜生成に起因するものである。
なお、電位走査速度は74mV/秒であつた。 PH測定用試料溶液として、0.05Mの全リン酸濃
度を含む緩衝溶液を用い、水酸化ナトリウムおよ
び過塩素酸で溶液のPHを2.00から12.00の範囲に
調整したものを用いた。この試料溶液に被覆膜電
極を浸し、銀―塩化銀電極を基準電極として起電
力を測定した。この被覆膜電極の測定起電力と市
販のガラス電極で測定したPH値とをプロツトした
ものを第4図に白丸印で示す。この直線の勾配は
広範囲のPH領域で59mV/PHで、ネルンストの関
係式を完全に満足する。又、本実施例で得たPHセ
ンサーの交流インピーダンス測定結果を表1に示
す。重合体膜をコートする前後での抵抗成分、容
量成分の変化が少なく極めて低インピーダンスの
PHセンサーが提供されさたことが認められる。な
お、測定条件はPH7の0.05Mリン酸緩衝液溶液中
で白金を電極として用いた。
ロキシル基等である。 このようなヒドロキシ芳香族化合物の具体例を
挙げると、フエノール、ジメチルフエノール(例
えば、2,6―および3,5―ジメチルフエノー
ル)、2―、3―および4―ヒドロキシピリジン、
o―およびm―ベンジルアルコール、o―、m―
およびp―ヒドロキシベンズアルデヒド、o―、
m―およびn―ヒドロキシアセトフエノン、o
―、m―およびp―ヒドロキシプロピオフエノ
ン、o―、m―およびp―ベンゾフエノール、o
―m―およびp―ヒドロキシベンゾフエノン、o
―、m―およびp―カルボキシフエノール、ジフ
エニルフエノール(例えば、2,6―および3,
5―ジフエニルフエノール)、2―メチル―8―
ヒドロキノリン、5―ヒドロキシ―1,4―ナフ
トキノン、4―(p―ヒドロキシフエニル)―2
―ブタノン、1,5―ジヒドロキシ―1,2,
3,4―テトラヒドロナフタレン、ビスフエノー
ルA等である。なお、この明細書で用いられてい
る重合体という語は単独重合体および相互重合体
(例えば、共重合体、三元共重合体等)の双方を
含む。具体的な重合体膜としては、ポリフエニレ
ンオキシド又はポリカーボネート等である。具体
的には前述したとおりである。 このようなヒドロキシ芳香族化合物の重合体膜
を導電体11表面上に被着するためには、ヒドロ
キシ芳香族化合物を電解酸化重合法、プラズマ重
合法、熱重合法、放射線重合法等で導電体11表
面上で重合させる方法、予め合成された重合体を
溶媒に溶かし、この溶液を浸漬・塗布および乾燥
により導電体表面に固定する方法、さらには重合
体膜を化学的処理、物理的処理もしくは照射処理
によつて導電体表面に直接固定する方法を採るこ
とができる。 上記被着方法のうち最も好都合な方法は電解酸
化重合法による方法である。この方法は、アルカ
リ性のメタノール等の溶媒中でヒドロキシ芳香族
化合物を電解酸化重合させ動作電極としての所望
導電体の表面に重合体膜を被着するものである。 重合体膜の厚さに特に制限はないが0.1μないし
2μ程度が適当である。 発明の具体的作用 以上の構成のPHセンサーを用いて試料溶液のPH
を測定するには、第2図に示すように、槽21中
にPHを測定すべき試料溶液22を入れ、この溶液
にこの発明のPHセンサー23および参照電極24
としての銀―塩化銀電極、カロメル電極等を浸漬
する。そして参照電極24に対するPHセンサー2
3を電位差(起電力)を電位差計26で測定す
る。このとき、試料溶液22を撹拌機25で撹拌
するとよい。そしてあらかじめ作製しておいた起
電力とPHとの相関図から試料溶液のPHを続み取
る。 この発明のPHセンサーによる起電力とPHとの関
係は広範囲のPH領域で59mV/PHの勾配を持つ直
線関係を示し式 E=E0−RT/Fln〔H+〕 (ここで、Eは起電力(mV)、E0は一定電位
(mV)、Rはガス定数、Tは絶対温度、Fはフア
ラデー定数、〔H+〕は水素イオン濃度)で示され
るネルンストの式を満足する。 以下、この発明の実施例を記す。 実施例 1 電極被覆膜作成のために、電解セルとして通常
の3電極式H型セルを使用し、対極として白金
網、基準電極として飽和カロメル電極を使用し、
動作電極として被覆固体電極用の白金線(直径1
mm)をテフロン(登録商標名)で線の回りを絶縁
したものを用い、電極表面は研摩機で平滑にし、
希王水で先滌した後蒸留水で水洗いし電解液に浸
漬した。電解液は、メタノール溶媒で、10mMの
フエノールと30mMの水酸化ナトリウムを含み、
電解前にアルゴンガスで十分に脱酸素した。印加
電圧を走査させ、フエノール単量体の酸化反応が
白金電極表面で生起していることを確認したの
ち、印加電圧を0.9ボルト(対飽和カロメル電極)
で止め、3分間定電解し電極表面に酸化重合体生
成物を被覆させた。その後電極表面を蒸留水で3
回以上洗滌し、高分子被覆化学修飾電極(PHセン
サー)を作製した。第3図は酸化重合反応の開始
を示すサイクリツクボルタングラムであり、第一
走査酸化波と第二走査波とのピーク電流の違いは
電極表面での被覆膜生成に起因するものである。
なお、電位走査速度は74mV/秒であつた。 PH測定用試料溶液として、0.05Mの全リン酸濃
度を含む緩衝溶液を用い、水酸化ナトリウムおよ
び過塩素酸で溶液のPHを2.00から12.00の範囲に
調整したものを用いた。この試料溶液に被覆膜電
極を浸し、銀―塩化銀電極を基準電極として起電
力を測定した。この被覆膜電極の測定起電力と市
販のガラス電極で測定したPH値とをプロツトした
ものを第4図に白丸印で示す。この直線の勾配は
広範囲のPH領域で59mV/PHで、ネルンストの関
係式を完全に満足する。又、本実施例で得たPHセ
ンサーの交流インピーダンス測定結果を表1に示
す。重合体膜をコートする前後での抵抗成分、容
量成分の変化が少なく極めて低インピーダンスの
PHセンサーが提供されさたことが認められる。な
お、測定条件はPH7の0.05Mリン酸緩衝液溶液中
で白金を電極として用いた。
【表】
電極電位(起電力)応答の精度と安定性に関し
ては、3〜5分以内で電位は一定値となりその後
数時間、±2mVの範囲内で安定であり、水素イオ
ン濃度測定に極めて優れた電極である。また、ネ
ルンスト式を満足するPH範囲は、3.0PH10.5
の範囲にあり、ガラス電極と同様の測定PH範囲を
もつ。 次に、該当電極をPH=7のリン酸緩衝液に24時
間浸漬を続けた後、起電力測定を行つた結果を第
4図に黒丸印で示すが、この場合もネルンスト式
を満足し、被覆膜電極の耐久性が極めて良いこと
が証明できた。 実施例 2〜21 実施例1と同様の電解重合法で、下記表2に示
すヒドロキシ芳香族化合物を白金電極上で重合さ
せ被覆膜とし、該電極のPHセンサーとしての機能
性を検討した。この結果を表2にまとめて示す。
この中で、o―ヒドロキシベンゾフエノン、o―
ヒドロキシベンジルアルコール、3,5―ジメチ
ルフエノールの電解重合被覆電極が特に水素イオ
ン濃度測定センサーとして優れていることがわか
つた。
ては、3〜5分以内で電位は一定値となりその後
数時間、±2mVの範囲内で安定であり、水素イオ
ン濃度測定に極めて優れた電極である。また、ネ
ルンスト式を満足するPH範囲は、3.0PH10.5
の範囲にあり、ガラス電極と同様の測定PH範囲を
もつ。 次に、該当電極をPH=7のリン酸緩衝液に24時
間浸漬を続けた後、起電力測定を行つた結果を第
4図に黒丸印で示すが、この場合もネルンスト式
を満足し、被覆膜電極の耐久性が極めて良いこと
が証明できた。 実施例 2〜21 実施例1と同様の電解重合法で、下記表2に示
すヒドロキシ芳香族化合物を白金電極上で重合さ
せ被覆膜とし、該電極のPHセンサーとしての機能
性を検討した。この結果を表2にまとめて示す。
この中で、o―ヒドロキシベンゾフエノン、o―
ヒドロキシベンジルアルコール、3,5―ジメチ
ルフエノールの電解重合被覆電極が特に水素イオ
ン濃度測定センサーとして優れていることがわか
つた。
【表】
【表】
【表】
【表】
*注)φはフェニル基を示す。
実施例 22 試料溶液中のイオン濃度をかえるため全リン酸
濃度を0.1Mから5×10-4Mまで変化させ、実施
例1で作製された電極で水素イオン濃度に対する
起電力応答を調べた。PH範囲3.0<PH<10.0で
59mV/PHの傾きを満足した。該電極が、支持電
解質をほとんど含まない試料溶中でも、PHセンサ
ーとして使用可能であることがわかつた。 実施例 23 ポリフエニレンオキシド、ポリ2,6―ジメチ
ルフエニレンオキシド及びポリカーボネートをそ
れぞれ0.01重量%の濃度でベンゼンに溶解し、こ
れら各溶液に白金線の末端部を浸漬した。数秒後
各白金線を各溶液から取り出し、乾燥させて実施
例1のものと同様の機能を有するPHセンサーを得
た。起電力とPHとの関係では、ポリカーボネート
で54mV/PHとなり、他は59mV/PHであつた。 発明の具体的効果 以上述べたように、この発明のPHセンサーは従
来のガラス電極と異なり以下に列挙する効果を奏
する。 (1) ヒドロキシ芳香族化合物から誘導された重合
体膜を被着してなる導電体を溶液に浸漬し、そ
の電極電位応答でPHを測定できる。したがつ
て、基準液室を設ける必要がなく、導電体の加
工限定範囲まで微小化でき、測定試料液が少量
でよい。また、電位応答速度も早い。この発明
のPHセンサーは体内挿入可能なように形成する
こともできる。 (2) 重合体膜の導電性は極めて良く、膜抵抗は非
常に小さく、低インピーダンス化されているの
で、測定に高入力インピーダンスの増幅器を併
用する必要がない。 (3) 多種類のイオン種を含む溶液中でも短時間に
PHを定量的に確実に測定できる。また、懸濁液
やスラリー状液のような不均一物質を含む溶液
系でもPHの測定ができるように適当な被覆膜処
理をおこなえる。 (4) 基準液室がなく、しかも重合体膜は約200℃
の耐熱性を示すので、高温液中でのPH測定が可
能である。 (5) 重合体膜が消耗するまで何回も使用できる。 (6) ガラス電極のPH測定可能範囲(PH=3〜10)
ばかりでなく、それを越える範囲にわたつてPH
の測定ができ、特にアルカリ領域でのPH測定に
好適である。
実施例 22 試料溶液中のイオン濃度をかえるため全リン酸
濃度を0.1Mから5×10-4Mまで変化させ、実施
例1で作製された電極で水素イオン濃度に対する
起電力応答を調べた。PH範囲3.0<PH<10.0で
59mV/PHの傾きを満足した。該電極が、支持電
解質をほとんど含まない試料溶中でも、PHセンサ
ーとして使用可能であることがわかつた。 実施例 23 ポリフエニレンオキシド、ポリ2,6―ジメチ
ルフエニレンオキシド及びポリカーボネートをそ
れぞれ0.01重量%の濃度でベンゼンに溶解し、こ
れら各溶液に白金線の末端部を浸漬した。数秒後
各白金線を各溶液から取り出し、乾燥させて実施
例1のものと同様の機能を有するPHセンサーを得
た。起電力とPHとの関係では、ポリカーボネート
で54mV/PHとなり、他は59mV/PHであつた。 発明の具体的効果 以上述べたように、この発明のPHセンサーは従
来のガラス電極と異なり以下に列挙する効果を奏
する。 (1) ヒドロキシ芳香族化合物から誘導された重合
体膜を被着してなる導電体を溶液に浸漬し、そ
の電極電位応答でPHを測定できる。したがつ
て、基準液室を設ける必要がなく、導電体の加
工限定範囲まで微小化でき、測定試料液が少量
でよい。また、電位応答速度も早い。この発明
のPHセンサーは体内挿入可能なように形成する
こともできる。 (2) 重合体膜の導電性は極めて良く、膜抵抗は非
常に小さく、低インピーダンス化されているの
で、測定に高入力インピーダンスの増幅器を併
用する必要がない。 (3) 多種類のイオン種を含む溶液中でも短時間に
PHを定量的に確実に測定できる。また、懸濁液
やスラリー状液のような不均一物質を含む溶液
系でもPHの測定ができるように適当な被覆膜処
理をおこなえる。 (4) 基準液室がなく、しかも重合体膜は約200℃
の耐熱性を示すので、高温液中でのPH測定が可
能である。 (5) 重合体膜が消耗するまで何回も使用できる。 (6) ガラス電極のPH測定可能範囲(PH=3〜10)
ばかりでなく、それを越える範囲にわたつてPH
の測定ができ、特にアルカリ領域でのPH測定に
好適である。
第1図はこの発明のPHセンサーの一部の拡大断
面図、第2図はこの発明のPHセンサーによるPH測
定方法を示す概略図、第3図はフエノールの電極
酸化反応時のサイクリツクボルタングラム、第4
図はこの発明のPHセンサーの起電力とPHとの関係
を示すグラフ。 11……導電体、12……重合体膜、23……
PHセンサー、24……参照電極、26……電位差
計。
面図、第2図はこの発明のPHセンサーによるPH測
定方法を示す概略図、第3図はフエノールの電極
酸化反応時のサイクリツクボルタングラム、第4
図はこの発明のPHセンサーの起電力とPHとの関係
を示すグラフ。 11……導電体、12……重合体膜、23……
PHセンサー、24……参照電極、26……電位差
計。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 溶液のPHを電極電位応答で測定するPHセンサ
ーであつて、導電体の表面にヒドロキシ芳香族化
合物から誘導された重合体膜を直接的に被着して
なることを特徴とするPHセンサー。 2 重合体膜が低インピーダンス化されているこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のPHセ
ンサー。 3 重合体膜が電解酸化重合膜である特許請求の
範囲第1項または第2項記載のPHセンサー。 4 ヒドロキシ芳香族化合物が式 (ここで、Arは芳香核、各Rは置換基、およ
びmはOないしArの有効原子価数)で示される
特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかに
記載のPHセンサー。 5 ヒドロキシ芳香族化合物がフエノール、ジメ
チルフエノール、ヒドロキシピリジン、o―およ
びm―ベンジルアルコール、o―、m―およびp
―ヒドロキシベンズアルデヒド、o―およびm―
ヒドロキシアセトフエノン、o―、m―およびp
―ヒドロキシプロピオフエノン、o―、m―およ
びp―ベンゾフエノール、o―、m―およびp―
ヒドロキシベンゾフエノン、o―、m―およびp
―カルボキシフエノール、ジフエニルフエノー
ル、2―メチル―8―ヒドロキノリン、5―ヒド
ロキシ―1,4―ナフトキノン、4―(p―ヒド
ロキシフエニル)―2―ブタノン、1,5―ジヒ
ドロキシ―1,2,3,4―テトラヒドロナフタ
レン、並びにビスフエノールAよりなる群の中か
ら選ばれた少なくとも1種である特許請求の範囲
第4項記載のPHセンサー。 6 重合体膜が溶媒に溶解し表面に塗布乾燥した
ポリフエニレンオキシド又はポリカーボネートで
ある特許請求の範囲第1項又は第2項記載のPHセ
ンサー。 7 重合体膜がポリフエニレンオキシド、ポリフ
エニレンオキシド誘導体、ポリジフエニルフエニ
レンオキシド、ポリジメチル・フエニレンオキシ
ド、ポリカーボネート誘導体の少くとも1つより
なる群の中から選ばれたものである特許請求の範
囲第1項、第2項および第6項のいずれかに記載
のPHセンサー。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56004295A JPS57118153A (en) | 1981-01-14 | 1981-01-14 | Ph sensor |
DE8282100198T DE3264957D1 (en) | 1981-01-14 | 1982-01-13 | Ion sensor |
EP19820100198 EP0056283B1 (en) | 1981-01-14 | 1982-01-13 | Ion sensor |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56004295A JPS57118153A (en) | 1981-01-14 | 1981-01-14 | Ph sensor |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57118153A JPS57118153A (en) | 1982-07-22 |
JPS6313148B2 true JPS6313148B2 (ja) | 1988-03-24 |
Family
ID=11580517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56004295A Granted JPS57118153A (en) | 1981-01-14 | 1981-01-14 | Ph sensor |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57118153A (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5832155A (ja) * | 1981-08-19 | 1983-02-25 | Terumo Corp | イオン選択透過膜およびイオンセンサー |
JPS5852556A (ja) * | 1981-09-24 | 1983-03-28 | Terumo Corp | イオン選択透過膜およびイオンセンサ− |
JPS59123395U (ja) * | 1983-02-07 | 1984-08-20 | 株式会社アドバンテスト | Icテスタ用マガジン移送装置 |
JPS6114560A (ja) * | 1984-06-30 | 1986-01-22 | Terumo Corp | Phセンサ− |
US4717673A (en) * | 1984-11-23 | 1988-01-05 | Massachusetts Institute Of Technology | Microelectrochemical devices |
JPS61213661A (ja) * | 1985-03-19 | 1986-09-22 | Terumo Corp | pHセンサ− |
JPS63131057A (ja) * | 1986-11-20 | 1988-06-03 | Terumo Corp | 酵素センサ |
JPS63131056A (ja) * | 1986-11-20 | 1988-06-03 | Terumo Corp | Fet電極 |
US5156728A (en) * | 1987-02-12 | 1992-10-20 | Terumo Kabushiki Kaisha | Ion sensor |
JPH0743338B2 (ja) * | 1987-07-03 | 1995-05-15 | テルモ株式会社 | マルチセンサ |
JPH0781980B2 (ja) * | 1989-06-05 | 1995-09-06 | 工業技術院長 | イオン選択性修飾電極 |
-
1981
- 1981-01-14 JP JP56004295A patent/JPS57118153A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57118153A (en) | 1982-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR890002940B1 (ko) | 이온센서 | |
EP0167126B1 (en) | Ph sensor | |
US6797152B2 (en) | Sensors and sensing methods for detecting analytes based on changes in pKa of a sensing polymer | |
JPH10507521A (ja) | アナライト選択センサ | |
JPH0431545B2 (ja) | ||
JPS6313148B2 (ja) | ||
Agui et al. | Analytical applications of cylindrical carbon fiber microelectrodes. Simultaneous voltammetric determination of phenolic antioxidants in food | |
JPH048744B2 (ja) | ||
JPS59142451A (ja) | イオンセンサ− | |
JP6875673B2 (ja) | キラル化合物の検出方法 | |
JPS61251764A (ja) | ↓pHセンサ− | |
JP5311501B2 (ja) | ホウ素ドープダイヤモンド電極を用いたpHの測定方法及び装置 | |
Passamonti et al. | Determination of Captropril using adsorptive cathodic differential pulse stripping voltammetry with the HMDE | |
JPH0446378B2 (ja) | ||
EP0614082A2 (en) | Procedure and apparatus for the determination of concentration of ammonia, and a procedure for the manufacturing of a detector | |
JPH0410985B2 (ja) | ||
JPS5832155A (ja) | イオン選択透過膜およびイオンセンサー | |
JPS5852556A (ja) | イオン選択透過膜およびイオンセンサ− | |
JPH0375063B2 (ja) | ||
JPH0339582B2 (ja) | ||
JPS6262261A (ja) | 炭酸水素イオンセンサ− | |
JPH0376863B2 (ja) | ||
JP2704568B2 (ja) | 電気化学測定システム | |
JPH0339586B2 (ja) | ||
JPS6252449A (ja) | カルシウムイオンセンサ− |