JPS6253580B2 - - Google Patents
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- JPS6253580B2 JPS6253580B2 JP54172496A JP17249679A JPS6253580B2 JP S6253580 B2 JPS6253580 B2 JP S6253580B2 JP 54172496 A JP54172496 A JP 54172496A JP 17249679 A JP17249679 A JP 17249679A JP S6253580 B2 JPS6253580 B2 JP S6253580B2
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Description
本発明は焼結合金の製造法に係り、強度、靭
性、耐食性に優れていると共にばらつきの少い安
定した性能を有し、しかも摩擦係数その他の軸受
機能において卓越した特性を示す新規な焼結合金
の製造法を得ようとするものである。 軸受材その他として用いられる焼結合金として
は従来から種々のものが知られているが、これを
大別すると銅系と鉄系とがあり、銅系にはCu−
Sn、Cu−Sn−C、Cu−Sn−Pb−C合金など
が、又鉄系にはFe−C、Fe−Pb−C、Fe−
Cu、Fe−Cu−C合金などが多様に提案され又実
用化されている。しかしこのような従来のものに
おいて、鉄系のものは銅系のものに比較して硬度
が高いので軸材などに対するなじみが必ずしも好
ましいものとなし得ず、又耐食性などにおいても
劣るが、その機械的性質が優れ、したがつて薄肉
化が可能であると共に比較的安価であるなどのメ
リツトを有し、これらの特性に関しては銅系のも
のが対称的な関係を有している。なおこれらの中
間的なものとして鉄に対し銅のみを5〜30%の範
囲で添加した鉄−銅系のものがあるが、このもの
は鉄、銅の単味粒子が軸受面に露出した組織とな
り易く、銅粒子が軸面と接着剥離して摩擦係数を
高め発熱などして軸受寿命を短縮するなどの不利
がある。 なお後述するように亜鉛などを含有し焼結中に
気化脱出する成分を含有した圧粉成形体の焼結に
当つて炭素粉末中に装入し、あるいは金属ケース
内に入れて蓋を施して気化脱出を低減すること
は、本出願人による特公昭27−2956号公報、
昭和39年7月25日日刊工業新聞社発行、粉末冶金
技術協会編「粉末冶金技術講座」第8巻135頁、
昭和42年6月1日技術書院発行、粉体粉末冶金
協会編「焼結機械部品の設計要覧」47頁、昭和
46年5月30日コロナ社発行「非鉄金属材料」26頁
などに夫々記載されていて周知である。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、鉄粉70〜30重量部に
対し黄銅粉末30〜70重量部を添加混合したものに
対し、この混合粉100重量部に対し3〜20重量部
の青銅粉を配合した配合金属粉(必要に応じて6
重量部以下の黒鉛粉又は0〜3部のモリブデン又
は二硫化モリブデンの何れか一方又は双方を混
合)を圧粉成形し焼結することを提案するもので
ある。 即ち斯かる本発明について更に説明すると、本
発明者は上記したような技術構想に立脚して鉄、
銅及び亜鉛の如きを用いた各種焼結合金について
仔細な検討をなした結果、その銅及び亜鉛を単体
として配合した場合とそれを合金とした黄銅とし
て利用した場合においては焼結時の挙動を異にす
ることを発見した。蓋しこの黄銅は一般的に
Cu:59〜88%、Pb,Sn,Al,Feの何れか1種又
は2種以上を夫々1%以下の範囲で含有し残部が
Znの組成を有し(Znは一般的に10〜39%)たも
のであつて、このような範囲内においても夫々の
成分%範囲が種々に異ることによりそれなりに異
つた特性が得られるとしても、斯かる黄銅は何れ
にしても銅単体の場合よりは相当に融点の低いも
のとなる。然して上記のように鉄、銅、亜鉛の各
粉末を配合した場合にはZnが約420℃程度のよう
な比較的低融点のものであるのに対し、Cuは
1083℃、Feは1539℃と夫々に融点が高く、この
ような3種の金属粉末を単に混合成形して焼結さ
せてもZnの偏析の如きを発生してZn含有量の高
いβ相の如きを形成することがあると共にZn単
体として添加混合した場合は固より黄銅として添
加した場合においてもそのZn分が気散し、この
気散を低減する木炭粉中への埋装や鉄箱内収納に
よる焼結をなしてもこの気散を有効に防止できな
くて黄銅を添加したことによる後述するような好
ましい安定した特性が得られないこととなり好ま
しい軸材などとのなじみ性その他に欠けるものと
ならざるを得ないのに対し、そのCuとZnとを一
旦合金化させて得られる黄銅粉末を主体として用
い、しかもこのFe粉との混合物100重量部に青銅
粉を3〜20重量部添加したものにおいては成程
Fe粉末が主体として用いられているとしても一
般的にFe系焼結金属において採用される1100℃
前後より相当に低い温度で焼結せしめられるだけ
でなしに焼結時において黄銅中に含有されたZn
分の気散を有効に防止し、その焼結時に黄銅成分
の一部が鉄と共晶して黄銅−鉄の合金組成を作る
こととなり、特にこのような黄銅−鉄の合金組成
によつて鉄粒子表面を被覆する傾向が認められる
と共にZnによる耐食性を発揮せしめ、相当量の
鉄粉を配合したものにおいても黄銅焼結合金に近
い色彩、感覚を呈することとなつて組成が均一
で、鉄−銅焼結品において不可避的な偏析などを
見ることがなく、又安定した性能的にばらつきの
少い焼結合金を得しめる。このように均一で偏析
がないと共にZnの気散を防止し、Fe粒子表面を
黄銅−鉄の合金で被覆しZnによる防食を確保し
たものは充分な耐食性を示すことは明かであり、
又Fe粒子が中核に存在し、それがZnの気散を抑
止した黄銅質合金で被覆された本発明のものは従
来の鉄系焼結合金と同等ないしそれ以上の機械的
強度を有することとなり、しかもその黄銅質およ
び青銅質被覆層によつて軸材等に対するなじみも
好ましいものとして得られる。 Fe粉末と前記黄銅粉末との配合割合について
は、黄銅粉末を30〜70重量部とFe粉末70〜30重
量部の範囲内で適宜に変更して実施することがで
きる。即ち黄銅粉末が30重量部未満で鉄粉が70重
量部以上の場合には単なる鉄系焼結体に近いよう
なものとなつて黄銅との合金層も充分に得られな
いことから前記した本発明の特性を有効に得るこ
とができない。又黄銅粉末が70重量部以上で鉄粉
が30重量部未満のようなことでは前記したような
Fe粒子による中核的作用が得られず、その機械
的強度等が劣ることとなる。又このような鉄粉と
黄銅粉を混合したものを圧縮成形して焼結する際
のZn分の気散を防止するには鉄箱内に収容し、
あるいは炭素粉中に埋めるだけではなしに該混合
粉100重量部に対して少くとも3重量部の青銅粉
を添加することが必要であり、それによつて焼結
時のZn分気散を適切に防止することができる。
該青銅粉の上限については20重量部であつて、こ
のような限度を超えて添加することは経済的でな
いと共にCu分が高くなつてその機械的強度など
が若干低下する傾向がある。 焼結温度については上記したような範囲内での
黄銅粉末配合量如何によつてそれなりに調整すべ
きであり、例えば黄銅粉末が30重量部で鉄粉が70
重量部のような場合には約900℃前後であり、又
この黄銅粉末が70重量部で鉄粉が30重量部のよう
な場合には820℃程度を採用することが上記した
ような本発明の特性を有効に発揮する所以であ
り、それらの間の中間的配合関係の場合にはその
程度に応じて焼結温度を調整し操業する。 又上記したような主体粉末100重量部に対し場
合によつては黒鉛質粉末を6重量部以下、モリブ
デン又は二硫化モリブデン粉末を3重量部以下の
範囲で添加することによりその性能をより改善す
ることができる。 本発明によるものの具体的な製造例について説
明すると以下の如くである。 製造例 1 Cu:60.5%、Zn:38.5%で残部がPb,Sn,
Al,Feを夫々0.5%以下と不可避不純物より成る
黄銅鋳物を溶融してから噴霧処理し得られた60〜
350メツシユの黄銅粉末(市販の所謂6,4黄銅
粉)と、150〜250メツシユの還元鉄粉および
Sn:10%の噴霧青銅粉(100メツシユ以下)を準
備し、これらの金属粉を次の第1表のように配合
した。 即ちA−1〜A−6は本発明によるもので、イ
−1〜イ−6は比較材であり、XはFe90−Cu10
材、YはCu90−Sn10材である。
性、耐食性に優れていると共にばらつきの少い安
定した性能を有し、しかも摩擦係数その他の軸受
機能において卓越した特性を示す新規な焼結合金
の製造法を得ようとするものである。 軸受材その他として用いられる焼結合金として
は従来から種々のものが知られているが、これを
大別すると銅系と鉄系とがあり、銅系にはCu−
Sn、Cu−Sn−C、Cu−Sn−Pb−C合金など
が、又鉄系にはFe−C、Fe−Pb−C、Fe−
Cu、Fe−Cu−C合金などが多様に提案され又実
用化されている。しかしこのような従来のものに
おいて、鉄系のものは銅系のものに比較して硬度
が高いので軸材などに対するなじみが必ずしも好
ましいものとなし得ず、又耐食性などにおいても
劣るが、その機械的性質が優れ、したがつて薄肉
化が可能であると共に比較的安価であるなどのメ
リツトを有し、これらの特性に関しては銅系のも
のが対称的な関係を有している。なおこれらの中
間的なものとして鉄に対し銅のみを5〜30%の範
囲で添加した鉄−銅系のものがあるが、このもの
は鉄、銅の単味粒子が軸受面に露出した組織とな
り易く、銅粒子が軸面と接着剥離して摩擦係数を
高め発熱などして軸受寿命を短縮するなどの不利
がある。 なお後述するように亜鉛などを含有し焼結中に
気化脱出する成分を含有した圧粉成形体の焼結に
当つて炭素粉末中に装入し、あるいは金属ケース
内に入れて蓋を施して気化脱出を低減すること
は、本出願人による特公昭27−2956号公報、
昭和39年7月25日日刊工業新聞社発行、粉末冶金
技術協会編「粉末冶金技術講座」第8巻135頁、
昭和42年6月1日技術書院発行、粉体粉末冶金
協会編「焼結機械部品の設計要覧」47頁、昭和
46年5月30日コロナ社発行「非鉄金属材料」26頁
などに夫々記載されていて周知である。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、鉄粉70〜30重量部に
対し黄銅粉末30〜70重量部を添加混合したものに
対し、この混合粉100重量部に対し3〜20重量部
の青銅粉を配合した配合金属粉(必要に応じて6
重量部以下の黒鉛粉又は0〜3部のモリブデン又
は二硫化モリブデンの何れか一方又は双方を混
合)を圧粉成形し焼結することを提案するもので
ある。 即ち斯かる本発明について更に説明すると、本
発明者は上記したような技術構想に立脚して鉄、
銅及び亜鉛の如きを用いた各種焼結合金について
仔細な検討をなした結果、その銅及び亜鉛を単体
として配合した場合とそれを合金とした黄銅とし
て利用した場合においては焼結時の挙動を異にす
ることを発見した。蓋しこの黄銅は一般的に
Cu:59〜88%、Pb,Sn,Al,Feの何れか1種又
は2種以上を夫々1%以下の範囲で含有し残部が
Znの組成を有し(Znは一般的に10〜39%)たも
のであつて、このような範囲内においても夫々の
成分%範囲が種々に異ることによりそれなりに異
つた特性が得られるとしても、斯かる黄銅は何れ
にしても銅単体の場合よりは相当に融点の低いも
のとなる。然して上記のように鉄、銅、亜鉛の各
粉末を配合した場合にはZnが約420℃程度のよう
な比較的低融点のものであるのに対し、Cuは
1083℃、Feは1539℃と夫々に融点が高く、この
ような3種の金属粉末を単に混合成形して焼結さ
せてもZnの偏析の如きを発生してZn含有量の高
いβ相の如きを形成することがあると共にZn単
体として添加混合した場合は固より黄銅として添
加した場合においてもそのZn分が気散し、この
気散を低減する木炭粉中への埋装や鉄箱内収納に
よる焼結をなしてもこの気散を有効に防止できな
くて黄銅を添加したことによる後述するような好
ましい安定した特性が得られないこととなり好ま
しい軸材などとのなじみ性その他に欠けるものと
ならざるを得ないのに対し、そのCuとZnとを一
旦合金化させて得られる黄銅粉末を主体として用
い、しかもこのFe粉との混合物100重量部に青銅
粉を3〜20重量部添加したものにおいては成程
Fe粉末が主体として用いられているとしても一
般的にFe系焼結金属において採用される1100℃
前後より相当に低い温度で焼結せしめられるだけ
でなしに焼結時において黄銅中に含有されたZn
分の気散を有効に防止し、その焼結時に黄銅成分
の一部が鉄と共晶して黄銅−鉄の合金組成を作る
こととなり、特にこのような黄銅−鉄の合金組成
によつて鉄粒子表面を被覆する傾向が認められる
と共にZnによる耐食性を発揮せしめ、相当量の
鉄粉を配合したものにおいても黄銅焼結合金に近
い色彩、感覚を呈することとなつて組成が均一
で、鉄−銅焼結品において不可避的な偏析などを
見ることがなく、又安定した性能的にばらつきの
少い焼結合金を得しめる。このように均一で偏析
がないと共にZnの気散を防止し、Fe粒子表面を
黄銅−鉄の合金で被覆しZnによる防食を確保し
たものは充分な耐食性を示すことは明かであり、
又Fe粒子が中核に存在し、それがZnの気散を抑
止した黄銅質合金で被覆された本発明のものは従
来の鉄系焼結合金と同等ないしそれ以上の機械的
強度を有することとなり、しかもその黄銅質およ
び青銅質被覆層によつて軸材等に対するなじみも
好ましいものとして得られる。 Fe粉末と前記黄銅粉末との配合割合について
は、黄銅粉末を30〜70重量部とFe粉末70〜30重
量部の範囲内で適宜に変更して実施することがで
きる。即ち黄銅粉末が30重量部未満で鉄粉が70重
量部以上の場合には単なる鉄系焼結体に近いよう
なものとなつて黄銅との合金層も充分に得られな
いことから前記した本発明の特性を有効に得るこ
とができない。又黄銅粉末が70重量部以上で鉄粉
が30重量部未満のようなことでは前記したような
Fe粒子による中核的作用が得られず、その機械
的強度等が劣ることとなる。又このような鉄粉と
黄銅粉を混合したものを圧縮成形して焼結する際
のZn分の気散を防止するには鉄箱内に収容し、
あるいは炭素粉中に埋めるだけではなしに該混合
粉100重量部に対して少くとも3重量部の青銅粉
を添加することが必要であり、それによつて焼結
時のZn分気散を適切に防止することができる。
該青銅粉の上限については20重量部であつて、こ
のような限度を超えて添加することは経済的でな
いと共にCu分が高くなつてその機械的強度など
が若干低下する傾向がある。 焼結温度については上記したような範囲内での
黄銅粉末配合量如何によつてそれなりに調整すべ
きであり、例えば黄銅粉末が30重量部で鉄粉が70
重量部のような場合には約900℃前後であり、又
この黄銅粉末が70重量部で鉄粉が30重量部のよう
な場合には820℃程度を採用することが上記した
ような本発明の特性を有効に発揮する所以であ
り、それらの間の中間的配合関係の場合にはその
程度に応じて焼結温度を調整し操業する。 又上記したような主体粉末100重量部に対し場
合によつては黒鉛質粉末を6重量部以下、モリブ
デン又は二硫化モリブデン粉末を3重量部以下の
範囲で添加することによりその性能をより改善す
ることができる。 本発明によるものの具体的な製造例について説
明すると以下の如くである。 製造例 1 Cu:60.5%、Zn:38.5%で残部がPb,Sn,
Al,Feを夫々0.5%以下と不可避不純物より成る
黄銅鋳物を溶融してから噴霧処理し得られた60〜
350メツシユの黄銅粉末(市販の所謂6,4黄銅
粉)と、150〜250メツシユの還元鉄粉および
Sn:10%の噴霧青銅粉(100メツシユ以下)を準
備し、これらの金属粉を次の第1表のように配合
した。 即ちA−1〜A−6は本発明によるもので、イ
−1〜イ−6は比較材であり、XはFe90−Cu10
材、YはCu90−Sn10材である。
【表】
【表】
上記のように配合されたものは何れも外径10
mm、内径4mmで高さが8mmであり、気孔率約20%
の軸受材に形成され、それを上述した周知手法の
1つである鉄箱内に収容すると共に蓋を施しアン
モニア分解ガス中で前記したような鉄粉と黄銅粉
の配合割合を考慮した820〜900℃の温度により30
分間の焼結処理をなし、更にサイジングして製品
としたが、このようにして得られた軸受材につい
て配合時および焼結後におけるZn分測定結果を
Feおよび黄銅の配合比が同じもの毎に区分して
示すと次の第2表の如くである。
mm、内径4mmで高さが8mmであり、気孔率約20%
の軸受材に形成され、それを上述した周知手法の
1つである鉄箱内に収容すると共に蓋を施しアン
モニア分解ガス中で前記したような鉄粉と黄銅粉
の配合割合を考慮した820〜900℃の温度により30
分間の焼結処理をなし、更にサイジングして製品
としたが、このようにして得られた軸受材につい
て配合時および焼結後におけるZn分測定結果を
Feおよび黄銅の配合比が同じもの毎に区分して
示すと次の第2表の如くである。
【表】
【表】
即ち青銅を用いない比較材イ−1、イ−2、イ
−3のものは鉄箱内に収容して気散防止条件下で
あつても何れも焼結によつてZn分が2%以上も
減少しているのに対して、本発明によるものは僅
かに3%の青銅添加によつてもこのZn減量を少
くとも3分の1以下と大きく低減させ、20%の添
加では7分の1程度に低減することができる。 なお上記のような焼結に際し鉄箱内に収容する
ことなく、あるいは炭素粉中に埋装せず、しかも
青銅を用いない場合においては「焼結時の減量
Zn%」が4〜6%台に達することになり、焼結
後のZn%は(a)群で6〜7%、(b)群で10〜12%、
(c)群では17〜19%程度となるものである。 又これらの製品についての各30個の圧環強度を
測定した結果の平均値と偏差値は第2表に併せて
示す通りであつて、本発明材は青銅を用いない比
較材に対し平均値で相当に高い値を示すだけでな
く、偏差値においても半減に近いものであつて、
これは焼結時における亜鉛分揮散が有効に阻止さ
れたことを示すことは明かである。 軸受性能についての摩擦係数と温度上昇は第1
〜3図として夫々示す如くであつて、摩擦係数は
特に高荷重、高PV値領域において優れ、温度上
昇は従来の高価な銅系焼結金属体(錫10%程度含
有)の場合に準じたものであることが確認され
た。 更に圧環強さの気孔率変化に対する変動状態は
第4図に示す通りであつて、何れにしても優質の
製品であることが確認された。 製造例 2 製造例1におけると同じ黄銅粉および鉄粉を用
い、黄銅粉50部、鉄粉48部、黒鉛粉末2部の割合
に配合した比較例ロ−1と、このものに青銅粉20
部を更に配合した本発明例B−1を準備した。 又これとは別に同じ黄銅粉および鉄粉を用い、
黄銅粉50部、鉄粉50部、黒鉛粉末2部の割合に配
合した比較例ロ−2と、このものに青銅粉3部を
更に配合した本発明例B−2を準備した。 然して、これら本発明例および比較例のもの
は、前記した製造例1におけると同じに成形し、
焼結させた。 更にこのような本発明例および比較例のものに
対し、それとをは更に別に、Fe系焼結合金とし
て鉄粉90部に銅粉10部を配合成形したものを従来
例Xとし、又銅粉90部に錫粉10部の割合で配合し
てから成形し、800℃で焼結させたものを従来例
Yとして製造した。 又これらの本発明例B−1、B−2、比較例ロ
−1、ロ−2および従来例X,Yの各焼結合金に
夫々同じタービン油系の潤滑油を含浸させたもの
について、その軸受性能を試験測定した結果は第
5図に示す通りであり、本発明によるものが荷重
15Kg/mm2以上(PV値1000以上)において従来の
銅系軸受よりも軸受性能の改善を得ていることが
確認され、勿論鉄系のものよりも全領域に亘つて
好ましい特性のものであつて、比較例のものより
も更に好ましいものであることを知つた。 又上記したような本発明製造例及び比較例と従
来例のものについてその機械的強度を検討し、即
ち圧縮成形、焼結後の気孔率を種々に調整したも
のについてその圧環強度を測定した結果は第6図
に示す通りであり、本発明によるものが如何なる
気孔率のものにおいても従来例より卓越した機械
的強度を示し、比較例よりも更に良好なものであ
ることが確認された。 なお本発明者等は上記した黄銅粉末として、別
に次のような成分組成のものについても夫々検討
したが、何れも同様な結果を得ることができた。 本発明範囲内でZn分が低目のCu:83〜88
%、Zn:22〜27%、Pb:0.5%以下、Sn,Al,
Feの合計値が1.0%以下。 本発明範囲内でZn分が中間的なCu:65〜70
%、Zn:30〜35%、Pb:0.5〜3%、Sn:1%
以下、Al:0.5%以下、Fe:0.8%以下。 又その製品としても上記したような範囲内でそ
の配合比および成形密度、焼結温度を適宜に変更
することにより歯車や電動機部品、バルブ材など
の各種機械部品を製造することができる。 以上説明したような本発明によるときは黄銅を
用い、しかも適量の青銅粉を用いることにより該
黄銅中のZn分の気散を適切に防止して軸材など
に対するなじみや耐食性において従来の銅系焼結
合金と同等ないしそれ以上であり、しかもその機
械的強度においては従来の鉄系焼結合金に準ずる
優れた特質性を有し、加うるにばらつきの少い品
質的に安定した特性を有する新規な焼結合金を的
確に提供し得るわけであり、その圧縮成形に当つ
ても従来の鉄系焼結合金の場合より金型の摩耗が
少いなどの特質を有するものであつて、工業的に
その効果の大きい発明である。
−3のものは鉄箱内に収容して気散防止条件下で
あつても何れも焼結によつてZn分が2%以上も
減少しているのに対して、本発明によるものは僅
かに3%の青銅添加によつてもこのZn減量を少
くとも3分の1以下と大きく低減させ、20%の添
加では7分の1程度に低減することができる。 なお上記のような焼結に際し鉄箱内に収容する
ことなく、あるいは炭素粉中に埋装せず、しかも
青銅を用いない場合においては「焼結時の減量
Zn%」が4〜6%台に達することになり、焼結
後のZn%は(a)群で6〜7%、(b)群で10〜12%、
(c)群では17〜19%程度となるものである。 又これらの製品についての各30個の圧環強度を
測定した結果の平均値と偏差値は第2表に併せて
示す通りであつて、本発明材は青銅を用いない比
較材に対し平均値で相当に高い値を示すだけでな
く、偏差値においても半減に近いものであつて、
これは焼結時における亜鉛分揮散が有効に阻止さ
れたことを示すことは明かである。 軸受性能についての摩擦係数と温度上昇は第1
〜3図として夫々示す如くであつて、摩擦係数は
特に高荷重、高PV値領域において優れ、温度上
昇は従来の高価な銅系焼結金属体(錫10%程度含
有)の場合に準じたものであることが確認され
た。 更に圧環強さの気孔率変化に対する変動状態は
第4図に示す通りであつて、何れにしても優質の
製品であることが確認された。 製造例 2 製造例1におけると同じ黄銅粉および鉄粉を用
い、黄銅粉50部、鉄粉48部、黒鉛粉末2部の割合
に配合した比較例ロ−1と、このものに青銅粉20
部を更に配合した本発明例B−1を準備した。 又これとは別に同じ黄銅粉および鉄粉を用い、
黄銅粉50部、鉄粉50部、黒鉛粉末2部の割合に配
合した比較例ロ−2と、このものに青銅粉3部を
更に配合した本発明例B−2を準備した。 然して、これら本発明例および比較例のもの
は、前記した製造例1におけると同じに成形し、
焼結させた。 更にこのような本発明例および比較例のものに
対し、それとをは更に別に、Fe系焼結合金とし
て鉄粉90部に銅粉10部を配合成形したものを従来
例Xとし、又銅粉90部に錫粉10部の割合で配合し
てから成形し、800℃で焼結させたものを従来例
Yとして製造した。 又これらの本発明例B−1、B−2、比較例ロ
−1、ロ−2および従来例X,Yの各焼結合金に
夫々同じタービン油系の潤滑油を含浸させたもの
について、その軸受性能を試験測定した結果は第
5図に示す通りであり、本発明によるものが荷重
15Kg/mm2以上(PV値1000以上)において従来の
銅系軸受よりも軸受性能の改善を得ていることが
確認され、勿論鉄系のものよりも全領域に亘つて
好ましい特性のものであつて、比較例のものより
も更に好ましいものであることを知つた。 又上記したような本発明製造例及び比較例と従
来例のものについてその機械的強度を検討し、即
ち圧縮成形、焼結後の気孔率を種々に調整したも
のについてその圧環強度を測定した結果は第6図
に示す通りであり、本発明によるものが如何なる
気孔率のものにおいても従来例より卓越した機械
的強度を示し、比較例よりも更に良好なものであ
ることが確認された。 なお本発明者等は上記した黄銅粉末として、別
に次のような成分組成のものについても夫々検討
したが、何れも同様な結果を得ることができた。 本発明範囲内でZn分が低目のCu:83〜88
%、Zn:22〜27%、Pb:0.5%以下、Sn,Al,
Feの合計値が1.0%以下。 本発明範囲内でZn分が中間的なCu:65〜70
%、Zn:30〜35%、Pb:0.5〜3%、Sn:1%
以下、Al:0.5%以下、Fe:0.8%以下。 又その製品としても上記したような範囲内でそ
の配合比および成形密度、焼結温度を適宜に変更
することにより歯車や電動機部品、バルブ材など
の各種機械部品を製造することができる。 以上説明したような本発明によるときは黄銅を
用い、しかも適量の青銅粉を用いることにより該
黄銅中のZn分の気散を適切に防止して軸材など
に対するなじみや耐食性において従来の銅系焼結
合金と同等ないしそれ以上であり、しかもその機
械的強度においては従来の鉄系焼結合金に準ずる
優れた特質性を有し、加うるにばらつきの少い品
質的に安定した特性を有する新規な焼結合金を的
確に提供し得るわけであり、その圧縮成形に当つ
ても従来の鉄系焼結合金の場合より金型の摩耗が
少いなどの特質を有するものであつて、工業的に
その効果の大きい発明である。
図面は本発明の技術的内容を示すものであつ
て、第1図から第3図は本発明の製造例1による
焼結合金についての軸受性能を従来例と共に測定
した結果を示す図表、第4図はその代表例につい
ての機械的性能に関し従来例および比較例と共に
測定した結果を示す図表、第5図は本発明におけ
る製造例2について第1〜3図と同様な関係を示
した図表、第6図はその機械的性能についいて第
4図と同様な関係を示した図表である。
て、第1図から第3図は本発明の製造例1による
焼結合金についての軸受性能を従来例と共に測定
した結果を示す図表、第4図はその代表例につい
ての機械的性能に関し従来例および比較例と共に
測定した結果を示す図表、第5図は本発明におけ
る製造例2について第1〜3図と同様な関係を示
した図表、第6図はその機械的性能についいて第
4図と同様な関係を示した図表である。
Claims (1)
- 1 Cu:59〜88%とPb,Sn,Al,Feの何れか1
種又は2種以上を夫々1%以下の範囲で含有し、
残部がZnより成る黄銅粉末30〜70重量部と鉄粉
70〜30重量部を主体とし、これらの粉末100重量
部に対して3〜20重量部の青銅粉を配合し、該配
合金属粉を圧粉成形してから焼結処理することを
特徴とする焼結合金の製造法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17249679A JPS5696001A (en) | 1979-12-29 | 1979-12-29 | Sintered alloy |
GB8037929A GB2067221B (en) | 1979-12-22 | 1980-11-26 | Sintered alloys |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17249679A JPS5696001A (en) | 1979-12-29 | 1979-12-29 | Sintered alloy |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13186987A Division JPS6324040A (ja) | 1987-05-29 | 1987-05-29 | 焼結合金の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5696001A JPS5696001A (en) | 1981-08-03 |
JPS6253580B2 true JPS6253580B2 (ja) | 1987-11-11 |
Family
ID=15943045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17249679A Granted JPS5696001A (en) | 1979-12-22 | 1979-12-29 | Sintered alloy |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5696001A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07169523A (ja) * | 1993-12-16 | 1995-07-04 | Nec Corp | コネクタ |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01283346A (ja) * | 1988-05-09 | 1989-11-14 | Isamu Kikuchi | 焼結合金材およびその製造法 |
JPH03199348A (ja) * | 1989-12-28 | 1991-08-30 | Isamu Kikuchi | 焼結合金軸受 |
CN108436073A (zh) * | 2018-03-07 | 2018-08-24 | 金川集团股份有限公司 | 一种低松装密度黄铜粉的生产方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4944842A (ja) * | 1972-09-05 | 1974-04-27 | ||
JPS5755927A (en) * | 1980-09-18 | 1982-04-03 | Sanyo Chem Ind Ltd | Production of polyether |
-
1979
- 1979-12-29 JP JP17249679A patent/JPS5696001A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4944842A (ja) * | 1972-09-05 | 1974-04-27 | ||
JPS5755927A (en) * | 1980-09-18 | 1982-04-03 | Sanyo Chem Ind Ltd | Production of polyether |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07169523A (ja) * | 1993-12-16 | 1995-07-04 | Nec Corp | コネクタ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5696001A (en) | 1981-08-03 |
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