JPS62285767A - すり身の製造法 - Google Patents
すり身の製造法Info
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- JPS62285767A JPS62285767A JP61128339A JP12833986A JPS62285767A JP S62285767 A JPS62285767 A JP S62285767A JP 61128339 A JP61128339 A JP 61128339A JP 12833986 A JP12833986 A JP 12833986A JP S62285767 A JPS62285767 A JP S62285767A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、ジェリーミートを発現する原料魚類(ジェリ
ーミート化原因物質を含む原料魚類)を用いてすり身を
製造する方法に関するものである。
ーミート化原因物質を含む原料魚類)を用いてすり身を
製造する方法に関するものである。
ジェリーミート化とは、魚類に寄生した胞子虫等に起因
して発生し、斑点状又は全体に軟化して所謂シェリー状
となったジェリーミートが形成されるもので、これが進
行すると著しく商品価値が下がる。そして、このような
原料魚類の魚肉を原料として、常法によりすり身を製造
しようとしても、魚肉が熔解してすり身が全く製造され
ないか、すり身とは程遠いゲル形成能の著しく低いすり
待伏のものしか得られないことは周知の通りである。
して発生し、斑点状又は全体に軟化して所謂シェリー状
となったジェリーミートが形成されるもので、これが進
行すると著しく商品価値が下がる。そして、このような
原料魚類の魚肉を原料として、常法によりすり身を製造
しようとしても、魚肉が熔解してすり身が全く製造され
ないか、すり身とは程遠いゲル形成能の著しく低いすり
待伏のものしか得られないことは周知の通りである。
従って、ジェリーミートを発現する原料魚類は、商品価
値がないものとして通常利用されていなかった・ しかし、近年、水産資源の需要又は供給の悪化に伴って
、ジェリーミートを発現する原料魚類の利用が注目され
るようになって来ており、ジェリーミートを発現する原
料魚類からすり身を得るべく下記の如き方法が提案され
ている。
値がないものとして通常利用されていなかった・ しかし、近年、水産資源の需要又は供給の悪化に伴って
、ジェリーミートを発現する原料魚類の利用が注目され
るようになって来ており、ジェリーミートを発現する原
料魚類からすり身を得るべく下記の如き方法が提案され
ている。
即ち、特公昭55−42825号公報においては、ジェ
リーミート有する魚肉に卵白を添加してすり身を製造す
ることが、又、特開昭55−108247号公報におい
ては、ジェリーミートを発現する魚肉にチオール系蛋白
分解酵素阻害物質を添加してすり身を製造することが、
又、特開昭56−42567号公報においては、ジェリ
ーミートを発現する魚肉に臭素酸ソーダ、臭素酸カリウ
。
リーミート有する魚肉に卵白を添加してすり身を製造す
ることが、又、特開昭55−108247号公報におい
ては、ジェリーミートを発現する魚肉にチオール系蛋白
分解酵素阻害物質を添加してすり身を製造することが、
又、特開昭56−42567号公報においては、ジェリ
ーミートを発現する魚肉に臭素酸ソーダ、臭素酸カリウ
。
ム、塩素酸ソーダ、塩素酸カリウム等又はSH試薬を接
触させてすり身を製造することが、又、特開昭56−8
879号公報においては、ジェリーミートを発現する魚
肉に、亜硝酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸又はその塩、
臭素酸塩、二酸化塩素、過酸化水素、過酸化ベンゾイル
、過硫化アンモニウム、酸化カルシウム、みょうばんを
添加してすり身を製造することが提案されている。
触させてすり身を製造することが、又、特開昭56−8
879号公報においては、ジェリーミートを発現する魚
肉に、亜硝酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸又はその塩、
臭素酸塩、二酸化塩素、過酸化水素、過酸化ベンゾイル
、過硫化アンモニウム、酸化カルシウム、みょうばんを
添加してすり身を製造することが提案されている。
しかしながら、上記公報において提案されたすり身の製
造法は、何れも、良質のゲル形成能を有するすり身を製
造する上で問題がある。例えば、特公昭55−4282
5号公報における如く、ジェリーミートをする魚肉に卵
白を添加して製造されたすり身は、これを蒲鉾等の水産
練製品とした場合、卵白自体の熱凝固特性、即ち、共存
分子の凝集熱凝固により見掛けの保水性が向上するが、
形成されたゲルは、生臭味、硫化水素臭等がある上、脆
さが強く、滑らかな、伸びのある弾力が、卵白の添加量
の増大と共に低下すると云う問題がある。
造法は、何れも、良質のゲル形成能を有するすり身を製
造する上で問題がある。例えば、特公昭55−4282
5号公報における如く、ジェリーミートをする魚肉に卵
白を添加して製造されたすり身は、これを蒲鉾等の水産
練製品とした場合、卵白自体の熱凝固特性、即ち、共存
分子の凝集熱凝固により見掛けの保水性が向上するが、
形成されたゲルは、生臭味、硫化水素臭等がある上、脆
さが強く、滑らかな、伸びのある弾力が、卵白の添加量
の増大と共に低下すると云う問題がある。
本発明者は、上記の問題点を解決したすり身の製造法を
提供すべく、f重々の形態で原料魚類の筋肉又は組織中
に共存するプロテアーゼ又はプロテアーゼ類イ以酵素等
の存在、例えば胞子虫、寄生虫、筋肉プロテアーゼ等に
着目して広範な検討を加えた結果、哺乳類の乳成分がプ
ロテアーゼ阻害性が高く、ジェリーミートを発現する原
料魚類に、斯る乳成分をプロテアーゼインヒビターとし
て添加すると、良質なゲル形成能ををするすり身が得ら
れることを知見した。
提供すべく、f重々の形態で原料魚類の筋肉又は組織中
に共存するプロテアーゼ又はプロテアーゼ類イ以酵素等
の存在、例えば胞子虫、寄生虫、筋肉プロテアーゼ等に
着目して広範な検討を加えた結果、哺乳類の乳成分がプ
ロテアーゼ阻害性が高く、ジェリーミートを発現する原
料魚類に、斯る乳成分をプロテアーゼインヒビターとし
て添加すると、良質なゲル形成能ををするすり身が得ら
れることを知見した。
本発明は上記知見に基づきなされたもので、ジェリーミ
ートを発現する原料魚類を加工してすり身を製造するに
際し、t+BIii類の乳成分を添加することを特徴と
するすり身の製造法を提供するものである。
ートを発現する原料魚類を加工してすり身を製造するに
際し、t+BIii類の乳成分を添加することを特徴と
するすり身の製造法を提供するものである。
以下、本発明のすり身の製造法について詳述する。
本発明は、哺乳類の乳成分をプロテアーゼインヒビター
として使用するもので、斯る哺乳類の乳成分としては、
牛乳、手孔等の全脂乳又は調整されたコンデンスミルク
等を希釈したものでも良いが、実用上は取扱いの簡便性
から脱脂乳又は脱脂粉乳が好ましい。脱脂乳又は脱脂粉
乳は、乳糖を含まないもの又は乳糖を含んだものでも、
又は乳糖を添力旧周製したものでも有効である。又、脱
脂乳から調製されたチーズ様の熟成加工されたものも、
そのプロテアーゼ活性阻害効果は若干弱いが、実用上有
効である。
として使用するもので、斯る哺乳類の乳成分としては、
牛乳、手孔等の全脂乳又は調整されたコンデンスミルク
等を希釈したものでも良いが、実用上は取扱いの簡便性
から脱脂乳又は脱脂粉乳が好ましい。脱脂乳又は脱脂粉
乳は、乳糖を含まないもの又は乳糖を含んだものでも、
又は乳糖を添力旧周製したものでも有効である。又、脱
脂乳から調製されたチーズ様の熟成加工されたものも、
そのプロテアーゼ活性阻害効果は若干弱いが、実用上有
効である。
上記乳成分は、乳糖、ソルビトール等の糖及び糖アルコ
ールとの共存下で、その効果が安定しており、又、他の
インヒビター、例えば卵白、脱脂大豆粉又はその精製イ
ンヒビター、及び微生物由来インヒビターとの共存下で
も、阻害剤相互の相殺性はなく、魚肉に強いプロテアー
ゼ活性のある場合は、寧ろ相加的、相乗的又は補完的に
10テアーゼ活性の阻害効果を示す。
ールとの共存下で、その効果が安定しており、又、他の
インヒビター、例えば卵白、脱脂大豆粉又はその精製イ
ンヒビター、及び微生物由来インヒビターとの共存下で
も、阻害剤相互の相殺性はなく、魚肉に強いプロテアー
ゼ活性のある場合は、寧ろ相加的、相乗的又は補完的に
10テアーゼ活性の阻害効果を示す。
又、上記乳成分は、pHについては4.5〜8.5の広
領域で有効に作用し、又、触媒としての二価全屈による
乳成分の作用への影響については、生体由来の微量のC
a ”、Mg+4等の存在下では、何等影響がな(、特
にCa←については、過剰添加による弾力(応力)増強
効果が認められる。
領域で有効に作用し、又、触媒としての二価全屈による
乳成分の作用への影響については、生体由来の微量のC
a ”、Mg+4等の存在下では、何等影響がな(、特
にCa←については、過剰添加による弾力(応力)増強
効果が認められる。
このように上記乳成分は、生化学的に広範に安定である
と共に、プロテアーゼ活性の阻害効果が高いもので、し
かも各種の複雑な成分分画を必要とせずに、実用上、乳
、脱脂乳、脱脂粉乳、加工乳等の食品の形態をとどめた
ままで利用できる。
と共に、プロテアーゼ活性の阻害効果が高いもので、し
かも各種の複雑な成分分画を必要とせずに、実用上、乳
、脱脂乳、脱脂粉乳、加工乳等の食品の形態をとどめた
ままで利用できる。
併せて、本発明に用いる乳成分は、卵白インヒビターと
は異なり、ゲル構造に寄与しない成分組成でありながら
、プロテアーゼ活性阻害に寄与するので、魚肉の弾力、
保水性について物性的変化(変質)を伴わない効果もあ
る。即ち、卵白は、それ自体の熱凝固特性、即ち、共存
分子の凝集熱凝固により見掛けの保水性が向上するが、
魚肉に卵白を添加して得られたすり身を用いて製造した
水産練製品のゲルは、脆さが強く、滑らかな、伸びのあ
る弾力が、添加料の増大と共に低下すると云う欠点が認
められるのに対し、本発明で用いる乳成分は、このよう
なことがなく、食品物性的に、保水性、弾力性に対して
影響を示さない特徴がある。
は異なり、ゲル構造に寄与しない成分組成でありながら
、プロテアーゼ活性阻害に寄与するので、魚肉の弾力、
保水性について物性的変化(変質)を伴わない効果もあ
る。即ち、卵白は、それ自体の熱凝固特性、即ち、共存
分子の凝集熱凝固により見掛けの保水性が向上するが、
魚肉に卵白を添加して得られたすり身を用いて製造した
水産練製品のゲルは、脆さが強く、滑らかな、伸びのあ
る弾力が、添加料の増大と共に低下すると云う欠点が認
められるのに対し、本発明で用いる乳成分は、このよう
なことがなく、食品物性的に、保水性、弾力性に対して
影響を示さない特徴がある。
更に、上記乳成分は、保水性、弾力性の物性面と併せて
、卵白インヒビター処理による生臭味、硫化水素臭がな
く、食品の本質条件である色味臭の同時改善効果も認め
られものである。
、卵白インヒビター処理による生臭味、硫化水素臭がな
く、食品の本質条件である色味臭の同時改善効果も認め
られものである。
また、本発明に用いる原料魚類は、ジェリーミートを発
現するもの(ジェリーミート化原因物質を含むもの)で
あれば、特に制限はないが、本発明のすり身の製造法は
、筋肉又は組織内にプロテアーゼ又はプロテアーゼ類似
酵素を多く保有し商品価値の低下し易い魚類、特にイワ
シ、サバ、雑魚、ヘイク、メルルーサ、ノトセニア、オ
キアミを 等の原料魚類に対して効果的である。これら原料魚類は
、従来すり身の製造が困難又は不可能とされていたもの
で、本発明のすり身の製造法によれば、そのを効利用が
可能となるため、漁業規制による漁獲減少のカバーは勿
論、国民栄養、健康の立場からの魚倉普及を図ることが
できる。
現するもの(ジェリーミート化原因物質を含むもの)で
あれば、特に制限はないが、本発明のすり身の製造法は
、筋肉又は組織内にプロテアーゼ又はプロテアーゼ類似
酵素を多く保有し商品価値の低下し易い魚類、特にイワ
シ、サバ、雑魚、ヘイク、メルルーサ、ノトセニア、オ
キアミを 等の原料魚類に対して効果的である。これら原料魚類は
、従来すり身の製造が困難又は不可能とされていたもの
で、本発明のすり身の製造法によれば、そのを効利用が
可能となるため、漁業規制による漁獲減少のカバーは勿
論、国民栄養、健康の立場からの魚倉普及を図ることが
できる。
而して、本発明のすり身の製造法を実施するには、プロ
テアーゼインヒビターとしての上記乳成分を、常法のす
り身製造工程における何れかの時期に、ジェリーミート
を発現する上記原料魚類に添加れば良い。
テアーゼインヒビターとしての上記乳成分を、常法のす
り身製造工程における何れかの時期に、ジェリーミート
を発現する上記原料魚類に添加れば良い。
上記乳成分の上記原料魚類の魚肉に対する添加は、原料
魚類の魚肉の状態が、例えばフィレー、スキンレスフィ
レー、ダイスカット、ミンチ、落し身、粉砕肉、磨砕肉
の何れの状態であっても行うことができる。
魚類の魚肉の状態が、例えばフィレー、スキンレスフィ
レー、ダイスカット、ミンチ、落し身、粉砕肉、磨砕肉
の何れの状態であっても行うことができる。
又、上記乳成分の原料魚類の添加方法には特に制限はな
いが、原料魚類の状態がフィレー〜グイスカノトの状態
では、IS漬又は筋肉にインジェクノヨンする方法を用
いるのが好ましく、又、ミンチ−暦砕肉の状態では、単
純に乳成分を所要量添加混合することができる。
いが、原料魚類の状態がフィレー〜グイスカノトの状態
では、IS漬又は筋肉にインジェクノヨンする方法を用
いるのが好ましく、又、ミンチ−暦砕肉の状態では、単
純に乳成分を所要量添加混合することができる。
又、上記乳成分の原料魚類の添加時期にも特に制限はな
いが、より効果的なプロテアーゼ活性の阻害効果を得る
ためには、原料魚類を水晒しするに際して、その魚肉の
酵素活性に合わせて所要量の乳成分を水晒し用水に溶解
せしめておき、水晒し時において乳成分を作用させた後
、これらを脱水してから次工程に供するのが好ましい。
いが、より効果的なプロテアーゼ活性の阻害効果を得る
ためには、原料魚類を水晒しするに際して、その魚肉の
酵素活性に合わせて所要量の乳成分を水晒し用水に溶解
せしめておき、水晒し時において乳成分を作用させた後
、これらを脱水してから次工程に供するのが好ましい。
勿論、水晒し工程中でのプロテアーゼによる筋肉変性が
弱い場合は、これらを水晒しく1〜数時間)l&、脱水
したもの又は更に裏漉ししたものに所要量の上記乳成分
を添加混合して、次工程に供することができる。このよ
うに上記乳成分を添加して水晒し、脱水を行うことによ
り、プロテアーゼの除去効果(洗浄効果)を著しく高め
ることができ、得られるすり身の食品5条件(保水、弾
力、色調、呈味、除臭)を著しく高めることができる。
弱い場合は、これらを水晒しく1〜数時間)l&、脱水
したもの又は更に裏漉ししたものに所要量の上記乳成分
を添加混合して、次工程に供することができる。このよ
うに上記乳成分を添加して水晒し、脱水を行うことによ
り、プロテアーゼの除去効果(洗浄効果)を著しく高め
ることができ、得られるすり身の食品5条件(保水、弾
力、色調、呈味、除臭)を著しく高めることができる。
又、上記乳成分の添加量は、使用する乳成分の種類によ
っても異なるが、使用する原料魚類の筋肉又は組織中の
プロテアーゼ及びプづテアーゼ類似酵素の保有状態、保
有原因、保有量、その活性、更に原料魚類の漁場、漁期
変化に合わせて、即ちその強弱、多少に合わせて、通常
、原料魚tJil。
っても異なるが、使用する原料魚類の筋肉又は組織中の
プロテアーゼ及びプづテアーゼ類似酵素の保有状態、保
有原因、保有量、その活性、更に原料魚類の漁場、漁期
変化に合わせて、即ちその強弱、多少に合わせて、通常
、原料魚tJil。
0重量部に対し0.01〜50重量部(固形分として)
の範囲から適宜選択される。例えば、税脂粉乳、脱脂乳
の場合、0.05〜10重量部(固形分として)の範囲
から適宜選択するのが好ましい。
の範囲から適宜選択される。例えば、税脂粉乳、脱脂乳
の場合、0.05〜10重量部(固形分として)の範囲
から適宜選択するのが好ましい。
次に、原料魚類としてオキアミ及びメルルーサを使用し
た場合について、本発明のすり身の製造法を詳細に説明
する。
た場合について、本発明のすり身の製造法を詳細に説明
する。
本発明のすり身の製造法は、殻、内皮等を含むオキアミ
、例えばオキアミのドレスに適用する場合、オキアミを
水とともに粉砕する粉砕工程と、該粉砕工程で得られた
粉砕物から殻や内皮、結締組織等の未粉砕物を除去する
濾過工程と、該濾過工程で得られた液相を遠心分離する
遠心分離工程と、何れかの上記工程において呻乳類の乳
成分を添加する添加工程とからなるオキアミすり身の製
造法として実施するのが好ましく、メルルーサの場合は
、常法のすり身の製造法又は上記オキアミすり身の製造
法と同様に製造することができる。
、例えばオキアミのドレスに適用する場合、オキアミを
水とともに粉砕する粉砕工程と、該粉砕工程で得られた
粉砕物から殻や内皮、結締組織等の未粉砕物を除去する
濾過工程と、該濾過工程で得られた液相を遠心分離する
遠心分離工程と、何れかの上記工程において呻乳類の乳
成分を添加する添加工程とからなるオキアミすり身の製
造法として実施するのが好ましく、メルルーサの場合は
、常法のすり身の製造法又は上記オキアミすり身の製造
法と同様に製造することができる。
上記すり身の製造法における前記乳成分の添加量、添加
態様等は前述の通りであるから、これらの説明は省略し
て以下に最も製造が困難とされる上記のオキアミすり身
の製造法について詳述するが、メルルーサの場合もオキ
アミの場合と同様に、下記条件を必要に応じて選択して
製造するのが望ましい、尚、特に、上記遠心分離工程後
に乳成分を添加する場合、その添加量は、前記の範囲内
であることには変わりはないが、上記粉砕工程で添加す
る場合の添加量よりも多くするのが好ましい。
態様等は前述の通りであるから、これらの説明は省略し
て以下に最も製造が困難とされる上記のオキアミすり身
の製造法について詳述するが、メルルーサの場合もオキ
アミの場合と同様に、下記条件を必要に応じて選択して
製造するのが望ましい、尚、特に、上記遠心分離工程後
に乳成分を添加する場合、その添加量は、前記の範囲内
であることには変わりはないが、上記粉砕工程で添加す
る場合の添加量よりも多くするのが好ましい。
而して、上記のオキアミすり身の製造法の実施に際して
は、先ず、オキアミを、水とともに粉砕する。粉砕の程
度は、オキアミが落し身(直径3〜10mn+)乃至筋
原繊維のレベルまで粉砕されるような範囲で適宜選択さ
れるが、特に従来法の筋束レベルを超え、従来法では塩
溶性蛋白質の回収が不可能であった筋原繊維のレベルに
近づける程、従来法では完全分離できなかった筋束間の
水溶性蛋白質等のゲル阻害性因子の分離(分画)が容易
となるため、そのようにすることが好ましい。又、斯る
粉砕においては、オキアミをそのまま粉砕せずに上記水
とともに粉砕するため発熱が生じ難い。
は、先ず、オキアミを、水とともに粉砕する。粉砕の程
度は、オキアミが落し身(直径3〜10mn+)乃至筋
原繊維のレベルまで粉砕されるような範囲で適宜選択さ
れるが、特に従来法の筋束レベルを超え、従来法では塩
溶性蛋白質の回収が不可能であった筋原繊維のレベルに
近づける程、従来法では完全分離できなかった筋束間の
水溶性蛋白質等のゲル阻害性因子の分離(分画)が容易
となるため、そのようにすることが好ましい。又、斯る
粉砕においては、オキアミをそのまま粉砕せずに上記水
とともに粉砕するため発熱が生じ難い。
上記水の使用量は、オキアミの好ましくは等量乃至10
倍量、更に好ましくは3〜5倍量である。
倍量、更に好ましくは3〜5倍量である。
この範囲で水を使用することにより、加水量に比例して
、得られるすり身の色調、魚臭、旨味を従来品に比べて
改善することができ、塩溶性蛋白質の回収率で95%を
超えさせることができ、且つ塩溶性蛋白質の酵素活性も
従来品よりも高い値とすることができる。水の使用量が
オキアミの等量未満であると、このような効果は得られ
花<、オキアミの10倍量を超えて加水しても、加水量
に比例した効果は得られ難く実用的ではない。
、得られるすり身の色調、魚臭、旨味を従来品に比べて
改善することができ、塩溶性蛋白質の回収率で95%を
超えさせることができ、且つ塩溶性蛋白質の酵素活性も
従来品よりも高い値とすることができる。水の使用量が
オキアミの等量未満であると、このような効果は得られ
花<、オキアミの10倍量を超えて加水しても、加水量
に比例した効果は得られ難く実用的ではない。
また、上記水は、脱水率の向上、塩溶性蛋白質の分離及
びゲル阻害性因子の溶出による塩溶性蛋白質の回収率の
向上、脱色、脱臭のため、そのイオン強度を調整するこ
とができる。好ましいイオン強度は、0.01〜0.1
0であり、更に具体的には、脱水率の向上、塩溶性蛋白
質の回収率の向上の面では0.02〜0.08に調整し
、又脱色、脱臭の面では0.01〜0.10に調整する
のが好ましい。
びゲル阻害性因子の溶出による塩溶性蛋白質の回収率の
向上、脱色、脱臭のため、そのイオン強度を調整するこ
とができる。好ましいイオン強度は、0.01〜0.1
0であり、更に具体的には、脱水率の向上、塩溶性蛋白
質の回収率の向上の面では0.02〜0.08に調整し
、又脱色、脱臭の面では0.01〜0.10に調整する
のが好ましい。
イオン強度が0.01未満では効果が得られ難く、0.
10を超えてイオン強度を高めても、脱水性を低下させ
て逆効果である。又、イオン強度の調整は、ゲル阻害性
酵素の増大を抑え、又粉砕による表面積の増大、即ち水
分含量の増大に対処するもので、このようなイオン強度
の調整による効果は、前記粉砕により前記魚介類原料が
筋原繊維レベルまで粉砕される場合により効果的に発揮
される。
10を超えてイオン強度を高めても、脱水性を低下させ
て逆効果である。又、イオン強度の調整は、ゲル阻害性
酵素の増大を抑え、又粉砕による表面積の増大、即ち水
分含量の増大に対処するもので、このようなイオン強度
の調整による効果は、前記粉砕により前記魚介類原料が
筋原繊維レベルまで粉砕される場合により効果的に発揮
される。
又、水のイオン強度の調整は洗浄効果もをしている。又
、イオン強度の個整には、NaC1,にC1、CaC1
、MgC1等が適宜選択して使用される。尚、脱色に関
しては、イオン強度の調整によって血液の熔解及び肉色
素の溶解を効果的に行うことができるが、更に、皮下色
素細胞(色素蛋白質)の脱色を完全に行うためには、ρ
11シフト法を併用するのが好ましい、pHシフト法は
、例えば、最初にpH8゜0〜8.5として沈澱を回収
後、pH6,8〜7.0として再度沈澱を回収すること
により行うことができる。
、イオン強度の個整には、NaC1,にC1、CaC1
、MgC1等が適宜選択して使用される。尚、脱色に関
しては、イオン強度の調整によって血液の熔解及び肉色
素の溶解を効果的に行うことができるが、更に、皮下色
素細胞(色素蛋白質)の脱色を完全に行うためには、ρ
11シフト法を併用するのが好ましい、pHシフト法は
、例えば、最初にpH8゜0〜8.5として沈澱を回収
後、pH6,8〜7.0として再度沈澱を回収すること
により行うことができる。
また、前記水には、前述の如くプロテアーゼインヒビタ
ーとしての乳成分として例示したちの以外のプロテアー
ゼインヒビター及び/又はキレート剤を添加できる。こ
のような添加剤の添加により、ラウンド、ドレス等の落
し身に加工される以前の処理段階のオキアミを使用した
ことによるゲル阻害性酵素の発現又は作用をいくらか抑
える(ブロック又はキレートする)ことができる。この
ような添加剤及び前記乳成分を添加しない場合、特にラ
ウンド乃至ドレスでは筋肉蛋白の/8解又はゼリー強度
の低下が見られる。
ーとしての乳成分として例示したちの以外のプロテアー
ゼインヒビター及び/又はキレート剤を添加できる。こ
のような添加剤の添加により、ラウンド、ドレス等の落
し身に加工される以前の処理段階のオキアミを使用した
ことによるゲル阻害性酵素の発現又は作用をいくらか抑
える(ブロック又はキレートする)ことができる。この
ような添加剤及び前記乳成分を添加しない場合、特にラ
ウンド乃至ドレスでは筋肉蛋白の/8解又はゼリー強度
の低下が見られる。
前記の乳成分以外として例示し上記プロテアーゼインヒ
ビターとしては、微生物、大豆、馬鈴薯、卵白等に含ま
れるトリプシンインヒビター、ペプシンインヒビター、
キモトリプンンインヒビター等のプロテアーゼインヒビ
ター、特にトリプシンインヒビターが有効である。その
添加量は、前記乳成分の使用量にもよるが、例えば、ト
リプシンインヒビター(シグマ社11S)の場合、0.
3〜3000μg/mlとするのがゲル阻害性酵素の活
性をブロックする上で好ましい。
ビターとしては、微生物、大豆、馬鈴薯、卵白等に含ま
れるトリプシンインヒビター、ペプシンインヒビター、
キモトリプンンインヒビター等のプロテアーゼインヒビ
ター、特にトリプシンインヒビターが有効である。その
添加量は、前記乳成分の使用量にもよるが、例えば、ト
リプシンインヒビター(シグマ社11S)の場合、0.
3〜3000μg/mlとするのがゲル阻害性酵素の活
性をブロックする上で好ましい。
また、上記キレート剤としては、EDTA。
EGTA、 フィチン酸、クエン酸、リン酸、ボリリ
ン酸等が挙げられる。その添加量は、前記乳成分の使用
量にもよるが、水及び魚肉中(骨、殻、内臓を含む)か
ら溶出する重金属をキレートし、併せてこれによりゲル
阻害性酵素の活性(付活)をブロックする上で、例えば
EDTAについては1〜1000μMとするのが好まし
い。
ン酸等が挙げられる。その添加量は、前記乳成分の使用
量にもよるが、水及び魚肉中(骨、殻、内臓を含む)か
ら溶出する重金属をキレートし、併せてこれによりゲル
阻害性酵素の活性(付活)をブロックする上で、例えば
EDTAについては1〜1000μMとするのが好まし
い。
上記プロテアーゼインヒビター及び上記キレート剤は併
用することができる。
用することができる。
次いで、前記粉砕により得られた粉砕物を濾過し該粉砕
物から殻、内皮及び結締組織等の未粉砕物を除去して液
相を得る。この濾過により基質蛋白質が完全に除去され
る。
物から殻、内皮及び結締組織等の未粉砕物を除去して液
相を得る。この濾過により基質蛋白質が完全に除去され
る。
前記粉砕、上記濾過は、リファイナー、マスコロイダー
及びスパイラルセパレーター、ホモジナイザー等を用い
、短時間で行うことができる。
及びスパイラルセパレーター、ホモジナイザー等を用い
、短時間で行うことができる。
しかる後、上記の如くして得られた液相を遠心分離して
すり身とする。この遠心分離は、粉砕による表面積の増
大、即ち水分含量の増大に対処するもので、使用する遠
心分離機には特に制限はないが、連続的且つ短時間(数
秒乃至2分間程度)処理を可能にする上で、デカンタ−
を用いるのが特に好ましい。遠心分離に際し、液相に付
与する遠心力は、100OGを下回っても、液厚、差速
及び流量を変化させれば、好ましい結果が得られること
もあるが、実用上は200OG以上の遠心力で分離する
ことが、歩留り、水分等の観点から望ましく、寧ろ、斯
る遠心力以上の遠心力で、種々の条件を選択することに
より、目的とする水分レベルのすり身が容易に得られる
。又、200OG以上の遠心力で分離すれば、含水率8
0〜90%に脱水された良質のすり身を容易に得ること
ができる。
すり身とする。この遠心分離は、粉砕による表面積の増
大、即ち水分含量の増大に対処するもので、使用する遠
心分離機には特に制限はないが、連続的且つ短時間(数
秒乃至2分間程度)処理を可能にする上で、デカンタ−
を用いるのが特に好ましい。遠心分離に際し、液相に付
与する遠心力は、100OGを下回っても、液厚、差速
及び流量を変化させれば、好ましい結果が得られること
もあるが、実用上は200OG以上の遠心力で分離する
ことが、歩留り、水分等の観点から望ましく、寧ろ、斯
る遠心力以上の遠心力で、種々の条件を選択することに
より、目的とする水分レベルのすり身が容易に得られる
。又、200OG以上の遠心力で分離すれば、含水率8
0〜90%に脱水された良質のすり身を容易に得ること
ができる。
上記遠心分離においては、連続且つ短時間の遠心分離に
より、塩溶性蛋白質の温度上昇を抑えその活性を維持す
ることができるため、良質のすり身が得られる。又、上
記遠心分離においては、ゲル阻害性因子である水溶性蛋
白質を完全に除去することができ、且つ色素、臭成分も
水溶状にして分離することができるため、色が白く旨味
があり魚臭のない良質のすり身が得られる。又、遠心分
離は、比重差による分別(分画)のため、前記粉砕が筋
原繊維のレベルまで行われていても、筋原繊維の大小に
拘わらず、塩溶性蛋白質を略完全に回収してその歩留り
を向上させることができる。
より、塩溶性蛋白質の温度上昇を抑えその活性を維持す
ることができるため、良質のすり身が得られる。又、上
記遠心分離においては、ゲル阻害性因子である水溶性蛋
白質を完全に除去することができ、且つ色素、臭成分も
水溶状にして分離することができるため、色が白く旨味
があり魚臭のない良質のすり身が得られる。又、遠心分
離は、比重差による分別(分画)のため、前記粉砕が筋
原繊維のレベルまで行われていても、筋原繊維の大小に
拘わらず、塩溶性蛋白質を略完全に回収してその歩留り
を向上させることができる。
また、上記のすり身の製造法においては、胸奥を更に効
果的にするため、卵白等の動物性蛋白質(卵白等からの
抽出水溶性成分)又は青菜、ゴボウ、玉葱等の植物エキ
ス(植物エキス成分)、マルトール類(お茶ガラ、甘草
等の植物焙焼物からの抽出物)等の植物性成分をマスキ
ング剤として使用することができる。このマスキング剤
は、前記水又は上記の如くして得られたすり身に添加し
て使用するが、前者の方がより効果的である。マルトー
ルをマスキング剤として使用する場合のそのrK加量は
、水中には0.01〜0.2重量%、すり身には0.1
〜1.0重量%とするのが効果的である。
果的にするため、卵白等の動物性蛋白質(卵白等からの
抽出水溶性成分)又は青菜、ゴボウ、玉葱等の植物エキ
ス(植物エキス成分)、マルトール類(お茶ガラ、甘草
等の植物焙焼物からの抽出物)等の植物性成分をマスキ
ング剤として使用することができる。このマスキング剤
は、前記水又は上記の如くして得られたすり身に添加し
て使用するが、前者の方がより効果的である。マルトー
ルをマスキング剤として使用する場合のそのrK加量は
、水中には0.01〜0.2重量%、すり身には0.1
〜1.0重量%とするのが効果的である。
尚、マスキング剤は、すり身を更に加工して蒲鉾等の練
製品にする際にも添加しても良いが、その効果は最も小
さく、しかも、マルトールの場合、0.6〜2.5重量
%添加する必要がある。
製品にする際にも添加しても良いが、その効果は最も小
さく、しかも、マルトールの場合、0.6〜2.5重量
%添加する必要がある。
また、上記のオキアミ又はメルルーサのすり身の製造法
においては、前記水又は前記すり身に、糖又は糖アルコ
ールを添加することができる。すり身に糖又は糖アルコ
ールを添加する場合の効果は、公知の冷凍変性防止効果
である。冷凍変性防止効果を発揮させるための糖又は糖
アルコールの添加量は、好ましくは1〜10重量%、更
に好ましくは5〜10重量%である。一方、水中への糖
又ハtfiアルコールを添加すると、キレート剤やプロ
テアーゼインヒビターを用いた場合の効果と同様な効果
、即ち、水溶性蛋白質によるゲル阻害の防止効果を発揮
でき、脱水率を向上させることができると共に、得られ
るすり身のゲル強度を向上させることができることを本
発明者は知見した。
においては、前記水又は前記すり身に、糖又は糖アルコ
ールを添加することができる。すり身に糖又は糖アルコ
ールを添加する場合の効果は、公知の冷凍変性防止効果
である。冷凍変性防止効果を発揮させるための糖又は糖
アルコールの添加量は、好ましくは1〜10重量%、更
に好ましくは5〜10重量%である。一方、水中への糖
又ハtfiアルコールを添加すると、キレート剤やプロ
テアーゼインヒビターを用いた場合の効果と同様な効果
、即ち、水溶性蛋白質によるゲル阻害の防止効果を発揮
でき、脱水率を向上させることができると共に、得られ
るすり身のゲル強度を向上させることができることを本
発明者は知見した。
これは、糖又は糖アルコールを前記水中へ添加すること
により、糖又は糖アルコールと粉砕中の魚肉蛋白分子表
面とが水素結合し、この水素結合がゲル阻害性因子をブ
ロックする作用、及び糖又は糖アルコールのキレート作
用によるものと考えられる。水中への糖又は糖アルコー
ル、例えばソルビットの添加量は、好ましくは1〜10
重量%、更に好ましくは1.0〜5.0重量%である。
により、糖又は糖アルコールと粉砕中の魚肉蛋白分子表
面とが水素結合し、この水素結合がゲル阻害性因子をブ
ロックする作用、及び糖又は糖アルコールのキレート作
用によるものと考えられる。水中への糖又は糖アルコー
ル、例えばソルビットの添加量は、好ましくは1〜10
重量%、更に好ましくは1.0〜5.0重量%である。
水中への糖又は糖アルコールの添加量は、少な過ぎると
効果がなく、多過ぎても糖のイオン強度の上昇のためか
、ゲル強度が低下し、且つ塩溶性蛋白質の回収量が減少
するため好ましくない。
効果がなく、多過ぎても糖のイオン強度の上昇のためか
、ゲル強度が低下し、且つ塩溶性蛋白質の回収量が減少
するため好ましくない。
以上詳述した如く、上記のオキアミすり身の製造法は、
オキアミを水とともに粉砕して液相となしこれを濾過し
且つ遠心分離するという液相分離法を採用したもので、
落し身を水晒し後裏漉しして脱水するという固相分離法
による常法の従来のすり身の製造法とは本質的に異なる
ものである。
オキアミを水とともに粉砕して液相となしこれを濾過し
且つ遠心分離するという液相分離法を採用したもので、
落し身を水晒し後裏漉しして脱水するという固相分離法
による常法の従来のすり身の製造法とは本質的に異なる
ものである。
換言すれば、従来法では、水晒しによる落し身か「
らの水溶性蛋白質の除去、裏漉しによる落し身からの基
質蛋白質の除去、脱水による落し身からの塩溶性蛋白質
の分離という順序で魚肉蛋白質を処理しているのに対し
、上記のオキアミすり身の製造法では、水中でのオキア
ミの粉砕による塩溶性蛋白質、水溶性蛋白質及び基質蛋
白質の分離、濾過による分離された基質蛋白質の除去、
遠心分離による水溶性蛋白質の除去及び塩溶性蛋白質の
回収という順序でオキアミ蛋白質を処理しているから、
本発明法の処理態様は従来法の処理態様と本質的に異な
っており、しかも、従来法では、各種蛋白質の分離又は
除去を完全に行い得ずしかも処理に時間を要し且つ処理
中に発熱も生じるのに対し、上記のオキアミすり身の製
造法では、プロテアーゼインヒビターとしての乳成分の
添加等と相俟ち、各種蛋白質の分離又は除去を、発熱を
生じることなく短時間に完全、確実且つ容易に行い得る
から、効果の面においても、上記のオキアミすり身の製
造法は従来法と本質的に異なっている。
質蛋白質の除去、脱水による落し身からの塩溶性蛋白質
の分離という順序で魚肉蛋白質を処理しているのに対し
、上記のオキアミすり身の製造法では、水中でのオキア
ミの粉砕による塩溶性蛋白質、水溶性蛋白質及び基質蛋
白質の分離、濾過による分離された基質蛋白質の除去、
遠心分離による水溶性蛋白質の除去及び塩溶性蛋白質の
回収という順序でオキアミ蛋白質を処理しているから、
本発明法の処理態様は従来法の処理態様と本質的に異な
っており、しかも、従来法では、各種蛋白質の分離又は
除去を完全に行い得ずしかも処理に時間を要し且つ処理
中に発熱も生じるのに対し、上記のオキアミすり身の製
造法では、プロテアーゼインヒビターとしての乳成分の
添加等と相俟ち、各種蛋白質の分離又は除去を、発熱を
生じることなく短時間に完全、確実且つ容易に行い得る
から、効果の面においても、上記のオキアミすり身の製
造法は従来法と本質的に異なっている。
従って、上記のオキアミすり身の製造法によれば、オキ
アミの臭成分、色素成分及び不味成分を水溶化してこれ
を分離することが可能である。
アミの臭成分、色素成分及び不味成分を水溶化してこれ
を分離することが可能である。
尚、上記のオキアミすり身の製造法は、オキアミ以外の
原料魚類からのすり身の製造法としてそのまま用いるこ
とができ、例えば、鱈、筋肉又は組織内にプロテアーゼ
又はプロテアーゼ類似酵素を多(保有し商品価値の低下
し易い魚類、特にイワシ、サバ、雑魚、ヘイク、メルル
ーサ、ノトセニア等の魚体(ラウンド、ドレス、セミド
レス等)から直接良質なすり身を製造する場合に用いる
ことができる。
原料魚類からのすり身の製造法としてそのまま用いるこ
とができ、例えば、鱈、筋肉又は組織内にプロテアーゼ
又はプロテアーゼ類似酵素を多(保有し商品価値の低下
し易い魚類、特にイワシ、サバ、雑魚、ヘイク、メルル
ーサ、ノトセニア等の魚体(ラウンド、ドレス、セミド
レス等)から直接良質なすり身を製造する場合に用いる
ことができる。
次に実施例を挙げ、本発明のすり身の製造法について更
に具体的に説明する。
に具体的に説明する。
実施例1
魚肉又はその組織中のプロテアーゼ又はプロテアーゼ類
似酵素の形響を知るため、先ず、ジェリーミート化の著
しく進行し易いメルルーサのフイレーを、45°Cで6
0分恒温保蔵した結果、プロテアーゼ活性の程度によっ
て、ジェリーミート化が進行し、P ++、P”、P士
及びP−の4つの特徴的群(グループ)が得られた。こ
こで、P+十群は完全に溶解した群、P+群はフィレー
の形状を略維持した群、P士は目視的には殆ど変化のな
い群、P−はジェリーミート化が全く進行しなかった群
である。
似酵素の形響を知るため、先ず、ジェリーミート化の著
しく進行し易いメルルーサのフイレーを、45°Cで6
0分恒温保蔵した結果、プロテアーゼ活性の程度によっ
て、ジェリーミート化が進行し、P ++、P”、P士
及びP−の4つの特徴的群(グループ)が得られた。こ
こで、P+十群は完全に溶解した群、P+群はフィレー
の形状を略維持した群、P士は目視的には殆ど変化のな
い群、P−はジェリーミート化が全く進行しなかった群
である。
得られたP0〜P−の4群のフィレーからすり身を得る
ために、これらを、低温度(0〜5・C)でミンチ肉と
し裏漉しした1&、各種プロテアーゼインヒビターを各
種濃度で添加して45℃で60分恒温保蔵したところ、
無添加区に対するインヒビター添加量はそれぞれ効果の
強弱は認められたが、添加量に対応して変化を示した。
ために、これらを、低温度(0〜5・C)でミンチ肉と
し裏漉しした1&、各種プロテアーゼインヒビターを各
種濃度で添加して45℃で60分恒温保蔵したところ、
無添加区に対するインヒビター添加量はそれぞれ効果の
強弱は認められたが、添加量に対応して変化を示した。
中でも、本発明による乳成分子K加区(脱脂粉乳添加量
)の効果は顕著であった。例えば、p++のフィレーで
はフィシ−100重量部に対し乳成分を0.5〜20重
量部添加すれば、又、P+では乳成分を0.1〜10重
量部添加すれば、更にP士では乳成分をQ、Ql〜0.
1 ’i量部添加すれば、溶解又は変化は起こらなかっ
た。
)の効果は顕著であった。例えば、p++のフィレーで
はフィシ−100重量部に対し乳成分を0.5〜20重
量部添加すれば、又、P+では乳成分を0.1〜10重
量部添加すれば、更にP士では乳成分をQ、Ql〜0.
1 ’i量部添加すれば、溶解又は変化は起こらなかっ
た。
また、P++〜P+では、卵白、及びトリプシンインヒ
ビター等の試薬インヒビターにつき、広範な濃度分布幅
で検討したが、乳成分区程の効果はなかった。例えば、
卵白の場合、フィシ−100重量部に対し6〜10重量
部添加で、P軸がP+程度に、又P+がP士程度になっ
ただけで、1〜5重量部添加区では、強い魚臭と硫化水
素臭が発生し、5重量部を超える添加量では、強い硫化
水素臭が発生し、魚肉の粘性と異なる粘性、色調を呈し
た。
ビター等の試薬インヒビターにつき、広範な濃度分布幅
で検討したが、乳成分区程の効果はなかった。例えば、
卵白の場合、フィシ−100重量部に対し6〜10重量
部添加で、P軸がP+程度に、又P+がP士程度になっ
ただけで、1〜5重量部添加区では、強い魚臭と硫化水
素臭が発生し、5重量部を超える添加量では、強い硫化
水素臭が発生し、魚肉の粘性と異なる粘性、色調を呈し
た。
また、上記P+1〜P−区(粗酵素)をそれぞれ30〜
35重量部添加した肋木すり身の弾力の変化を検討した
ところ、20区では肋木すり身共々完全に熔解乃至フレ
ーク状となり、P+区ではフレーク乃至豆腐状であった
ものが、乳成分を添加した場合、例えば、乳成分1重量
部添加区でP→がP+に、又P+がP−に向上し、5重
量部添加区では、P++でもP士に向上し、10重量部
添加区では、P++がP士乃至P−に向上した。
35重量部添加した肋木すり身の弾力の変化を検討した
ところ、20区では肋木すり身共々完全に熔解乃至フレ
ーク状となり、P+区ではフレーク乃至豆腐状であった
ものが、乳成分を添加した場合、例えば、乳成分1重量
部添加区でP→がP+に、又P+がP−に向上し、5重
量部添加区では、P++でもP士に向上し、10重量部
添加区では、P++がP士乃至P−に向上した。
一方、卵白添加量では、卵白の添加量が5重量部を超え
ると、強い硫化水素臭と魚臭の他に、卵白特有の脆さと
色調の変化が起こり、且つ過剰添加による物性の劣化も
発生した。又、5重量部以下の添加ではPoのものはP
+まで改善されることはなかった。
ると、強い硫化水素臭と魚臭の他に、卵白特有の脆さと
色調の変化が起こり、且つ過剰添加による物性の劣化も
発生した。又、5重量部以下の添加ではPoのものはP
+まで改善されることはなかった。
実施例2
乳成分の分画又は状態によるプロテアーゼインヒビター
としての阻害活性の状態を検討するため、■全脂生牛乳
、■脱脂牛乳、■脱脂粉乳、■コンデンスミルク、■加
工乳としてのチーズ、■羊の脱脂乳をそれぞれ凍結乾燥
し、実施例1のP++〜P+のメルルーサすり身(粗酵
素)を20重量%添加した肋木すり身100重量部に0
.01〜10重量部添加してゲルを調製したところ、P
+レベルの場合、0.01〜0.1重量部添加区でも弱
いながらゲル構造が得られ、0.1〜IM量部添加区で
は対照としての肋木すり身と遜色のないゲルが得られた
が、10重量部添加区ではそれ以上の増強効果は得られ
なかった。又、P+″)レベルでは、0゜1〜1重量部
の添加でゲル構造が得られ、1〜10重量部添加区で対
照に近い応力を得た。■〜■のゲル形成能の強さは、■
≧■≧■〉■≧■≧■で、脱脂乳が望ましいが、乳成分
のi類による差異はあまり認められず、何れも広範に安
定したプロテアーゼインヒビターであることが認められ
た。
としての阻害活性の状態を検討するため、■全脂生牛乳
、■脱脂牛乳、■脱脂粉乳、■コンデンスミルク、■加
工乳としてのチーズ、■羊の脱脂乳をそれぞれ凍結乾燥
し、実施例1のP++〜P+のメルルーサすり身(粗酵
素)を20重量%添加した肋木すり身100重量部に0
.01〜10重量部添加してゲルを調製したところ、P
+レベルの場合、0.01〜0.1重量部添加区でも弱
いながらゲル構造が得られ、0.1〜IM量部添加区で
は対照としての肋木すり身と遜色のないゲルが得られた
が、10重量部添加区ではそれ以上の増強効果は得られ
なかった。又、P+″)レベルでは、0゜1〜1重量部
の添加でゲル構造が得られ、1〜10重量部添加区で対
照に近い応力を得た。■〜■のゲル形成能の強さは、■
≧■≧■〉■≧■≧■で、脱脂乳が望ましいが、乳成分
のi類による差異はあまり認められず、何れも広範に安
定したプロテアーゼインヒビターであることが認められ
た。
実施例3
鱈のフィレーについて、実施例1と同様に、ジェリーミ
ート化を進行させ、ジェリーミートを発現する鱈の魚肉
について、実施例1と同様に処理したところ、実施例1
と同様な結果が得られた。
ート化を進行させ、ジェリーミートを発現する鱈の魚肉
について、実施例1と同様に処理したところ、実施例1
と同様な結果が得られた。
実施例4
ジェリーミートを発現するオキアミのドレスに、10倍
量の5%脱脂粉乳液を加え、これをホモジナイザーによ
り筋原繊維レベルまで粉砕し、濾過後、得られた液相を
デカンタ−により3000Gの遠心力が働くように12
0秒間遠心分離したところ、脱脂粉乳の無添加区では略
熔解したのに対し、良質のゲル形成能を有するすり身が
得られた。
量の5%脱脂粉乳液を加え、これをホモジナイザーによ
り筋原繊維レベルまで粉砕し、濾過後、得られた液相を
デカンタ−により3000Gの遠心力が働くように12
0秒間遠心分離したところ、脱脂粉乳の無添加区では略
熔解したのに対し、良質のゲル形成能を有するすり身が
得られた。
実施例5
ジェリーミートを発現するオキアミのドレスに、10倍
量の水を加え、これをホモジナイザーにより筋原繊維レ
ベルまで粉砕し、濾過後、得られた液相をデカンタ−に
より2500Gの遠心力が働くように90秒間遠心分離
し、遠心分離された筋原繊維蛋白に対して10重量%の
脱脂粉乳を添加したところ、良質のゲル形成能を有する
すり身が得られた。
量の水を加え、これをホモジナイザーにより筋原繊維レ
ベルまで粉砕し、濾過後、得られた液相をデカンタ−に
より2500Gの遠心力が働くように90秒間遠心分離
し、遠心分離された筋原繊維蛋白に対して10重量%の
脱脂粉乳を添加したところ、良質のゲル形成能を有する
すり身が得られた。
叙上の如く、本発明のすり身の製造法は、乳成分の添加
により、即ち、生化学的に広範に安定でプロテアーゼ活
性の阻害効果が高く、しかも各種の複雑な成分分画を必
要とせずに、実用上、乳、脱脂乳、脱脂粉乳、加工乳等
の食品の形態をとどめたままで利用できる乳成分を添加
することにより、ジェリーミートを発現する原料魚類か
ら、異臭、脆さがなく、滑らかで伸びのある弾力を有す
る良質のゲル形成能を持つすり身を製造することができ
るという絶大な効果を奏する。
により、即ち、生化学的に広範に安定でプロテアーゼ活
性の阻害効果が高く、しかも各種の複雑な成分分画を必
要とせずに、実用上、乳、脱脂乳、脱脂粉乳、加工乳等
の食品の形態をとどめたままで利用できる乳成分を添加
することにより、ジェリーミートを発現する原料魚類か
ら、異臭、脆さがなく、滑らかで伸びのある弾力を有す
る良質のゲル形成能を持つすり身を製造することができ
るという絶大な効果を奏する。
Claims (2)
- (1)ジェリーミートを発現する原料魚類を加工してす
り身を製造するに際し、哺乳類の乳成分を添加すること
を特徴とするすり身の製造法。 - (2)原料魚類100重量部に対し乳成分を0.01〜
50重量部(固形分として)添加する、特許請求の範囲
第(1)項記載のすり身の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61128339A JPS62285767A (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | すり身の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61128339A JPS62285767A (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | すり身の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62285767A true JPS62285767A (ja) | 1987-12-11 |
Family
ID=14982353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61128339A Pending JPS62285767A (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | すり身の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62285767A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002335915A (ja) * | 2001-05-22 | 2002-11-26 | Kibun Foods Inc | 冷凍スリ身の製造方法 |
JP2010104309A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Unitec Foods Co Ltd | 中性風味デザートベース |
-
1986
- 1986-06-02 JP JP61128339A patent/JPS62285767A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002335915A (ja) * | 2001-05-22 | 2002-11-26 | Kibun Foods Inc | 冷凍スリ身の製造方法 |
JP4663911B2 (ja) * | 2001-05-22 | 2011-04-06 | 株式会社紀文食品 | 冷凍スリ身の製造方法 |
JP2010104309A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Unitec Foods Co Ltd | 中性風味デザートベース |
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