JPS6154961B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の目的） （産業上の利用分野） 本発明は油容器、たとえば油圧式かじ取装置に
おいて使用されるような油容器に関する。

（従来の技術） 高圧ポンプによつて、かじ取装置の運転中に油
がその油容器から取出され、一方では油はその油
容器内に再び戻され、そしてその油容器内で最初
にフイルタを通過させられる。

従来、このような油容器として、ドイツ連邦共
和国において市販されている油容器が知られてい
る（ドイツ連邦共和国特許出願公告第1036817号
公報）。この従来の油容器は、特許請求の範囲第
１項の前文に記載されたもので、容器口を通して
交換可能な中空円筒状フイルタカートリツジを備
え、そのフイルタカートリツジの中央通路を流入
室として使用し、その場合にその中央通路の一端
部に形成された第１のフイルタ開口部を閉塞し、
そしてその第１のフイルタ開口部の反対側の端面
とばねとによつて安全弁を形成するために、前記
フイルタカートリツジを、油導入部を取囲む座に
密閉的に押し付けるようにした油容器であつて、
油導入部と座とを容器口の反対側に位置する油容
器の器壁に設けたものである。また、容器口は蓋
で閉じられている。フイルタカートリツジはばね
によつて座に押し付けられ、フイルタの汚れのた
めに流入室内が許容値以上の高圧力になると、フ
イルタカートリツジがその座から外れ、油は油容
器内に通される。フイルタカートリツジの固定の
ために、ばねの一方の端部はフツクとして形成さ
れ、容器口に取り付けられた蓋の小穴に引つ掛け
られる。ばねの他方の端部はフイルタカートリツ
ジにねじ止めにより取り付けられる。

（発明が解決しようとする問題点） このような構成の従来の油容器において、フイ
ルタを交換したり、油を再注入する場合、容器口
に取り付けられた蓋とばねとをねじつて蓋とばね
を引き離し、ばねとフイルタカートリツジとをね
じを緩めて引き離し、これら蓋、ばね、およびフ
イルタカートリツジ等のフイルタカートリツジ固
定用の部品を全部分解して、フイルタの交換また
は油の注入を行い、その後再び組み立てなければ
ならない。このようなフイルタカートリツジ固定
用の部品を分解し組み立てる作業は、汚れたねじ
やばねを取り外しその後洗浄して組み立てなけれ
ばならず、全体として時間がかかり汚れる作業で
ある。また、個々の部品は分解、洗浄、および組
み立ての際に紛失するおそれがある。

本発明は、このような点を考慮してなされたも
のであり、フイルタカートリツジの交換または油
を再注入する場合、非常に簡単にかつ汚れた作業
なしに行うことができ、しかも作業中に個々の部
品を紛失させるようなことのない油容器を提供す
ることを目的とする。

（発明の構成） （問題点を解決するための手段） 本発明は、容器口を通して交換可能な中空円筒
状フイルタカートリツジを備え、そのフイルタカ
ートリツジの中央通路を流入室として使用し、そ
の場合にその中央通路の一端部に形成された第１
のフイルタ開口部を閉塞し、そしてその第１のフ
イルタ開口部の反対側の端面とばねとによつて安
全弁を形成するために、前記フイルタカートリツ
ジを、油導入部を取囲む座に密閉的に押し付ける
ようにした油容器であつて、油導入部６と座２２
とを容器口８の反対側に位置する油容器２の器壁
１６に設け、第１のフイルタ開口部２８内に密閉
的に食い込ませられる閉鎖部材３２，３４を、前
記容器口８の縁部に着脱自在に取り付けられた固
定装置４６に、遊嵌させて取り付け、圧縮ばね５
８を、前記閉鎖部材３２，３４と前記固定装置４
６に、その両部品を離させるように押し付け、前
記固定装置４６を油の注入のために前記容器口８
から取外すことができるようにした；ことを特徴
とする交換可能なフイルタカートリツジと安全弁
とを備えた油容器である。

（作用） 本発明による油容器は次のような多数の機能を
有する。

(1) 圧縮ばねは容器壁の座に向つてフイルタカー
トリツジを押し付け、それによりフイルタカー
トリツジは位置決めされて固定支持され、そし
て安全弁が構成される。

(2) 容器口から固定装置を抜き取る際には、固定
装置がフイルタカートリツジに結合されている
ので、固定装置とフイルタカートリツジとを両
者一緒に油容器から抜き取ることができる。

(3) フイルタカートリツジは第１のフイルタ開口
部用の閉鎖部材から簡単に取り外すことができ
る。

このため、フイルタカートリツジの交換作業を
行う場合は、固定装置と共にフイルタカートリツ
ジを油容器から取り出して交換することができ、
また油を再注入する場合は、固定装置および閉鎖
部材をフイルタカートリツジから切り離して取り
外しフイルタカートリツジを油容器に置いたまま
油を再注入することができる。

このように、本発明によればフイルタカートリ
ツジの交換または油の再注入を行う場合、非常に
簡単にかつ汚れた作業なしに行うことができる。

また、特許請求の範囲第２項に記載した本発明
の実施態様によれば、圧縮ばねは２つの機能を持
つている。この２つの機能は、既に述べたよう
に、フイルタカートリツジをその座に押し付け、
それにより弁作用が得られるようにするという機
能と固定装置を内部から容器口の縁部に向けて押
し付け、その固定装置を固定用突出部に固定する
という機能である。

（実施例） 次に本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

油容器２は合成樹脂によつて製作され、油導出
用ニツプル４、油導入用ニツプル６および容器口
８を有している。容器口８は油注入用ニツプル９
によつて囲まれ、この油注入用ニツプル９は環状
パツキン１４を有する蓋１２によつて気密に閉ざ
すことができる。

油容器２の底部の器壁１６内には位置決め台１
８が突き出ており、この位置決め台１８は油導入
用ニツプル６の内部に続いている。この位置決め
台１８は位置決め円錐２０および環状座２２を有
している。

フイルタカートリツジ２４は中空円筒状をして
おり、中央通路２６を有している。この中央通路
２６は両端面がそれぞれ１つの開口部、すなわち
第１のフイルタ開口部２８および第２のフイルタ
開口部３０により外室に接続される。油はフイル
タカートリツジを中央通路２６から放射状に外側
へ向けて貫流する。

フイルタカートリツジは第２のフイルタ開口部
３０によつて環状座２２上に気密に着座してい
る。位置決め円錐２０はフイルタカートリツジの
取付けを容易にしている。環状座２２は、フイル
タカートリツジの端面２９を密閉する環状平面２
７と、弓形状、半円形状あるいは他の形状の断面
を持つ溢流通路３３あるいは３３ａよつて部分的
に切欠かれているほぼ円筒状の位置決め面３１と
を有している。溢流通路は位置決め面３１の位置
決め作用を妨げてはならず、しかもフイルタカー
トリツジが僅かでも浮上つた際には直ぐに油の溢
流を行なわさせなければならない。その油は中央
通路２６から溢流通路を通り、その後面２９と２
７との間から油容器の内室内へ流れる。

第１のフイルタ開口部２８内には、脹みを付け
られた栓３２が上方から押込められている。この
栓３２は第１のフイルタ開口部を密閉するためと
フイルタカートリツジを支持するためとに用いら
れている。栓３２の蓋板３４には固定装置４６に
遊嵌させて取り付けられる管状部品３６が設けら
れている。この管状部品３６は栓３２の一部分を
なし、その上端部に外部フランジ３８を有してい
る。この外部フランジ３８の外面は先端たとえば
円錐状になつている。内側の管状部品３６の外壁
は第４図および第６図に示すように弓形状切欠き
部４０を有し、この切欠き部４０は、油等がその
管状部品の内にも注入された場合のために、油の
出口の役目をしている。

外側の管状部品４２は先細にされた内面たとえ
ば円錐面を持つ内部フランジ４４を有している。
この管状部品４２は、固定部として使われている
固定装置４６の一部分をなしている。この固定装
置４６は直立のリブ５０によつて補強されている
横断部材４８を有している。そのリブ５０は取つ
手の役目も果している。固定装置４６は外側の管
状部品４２の中央開口に真直ぐに続いている中央
開口部５２を有している。

第１図ないし第３図に示したように、油容器の
油注入用ニツプル９は、互いに向き合つている位
置に、注入口を僅かに狭めている２つの弓形状突
出部５４を有している。この突出部５４にはその
下面に横ばりの横断部材４８の両端部の固定用切
欠き５６がそれぞれ設けられている。

第１図および第４図に示すように、圧縮ばね５
８は一方においては横断部材４８の下端面で支え
られ、他方においては栓３２の蓋板３４の上部肩
５９で支えられている。

管状部分３６，４２を合成樹脂で成形すると、
両者は弾性作用による一時的な収縮および拡大に
よつて互いに嵌め合うことができ、従つて両者は
互いにぴつたり掛止し合うようになる。既に嵌め
られている圧縮ばね５８は、外部フランジ３８と
内部フランジ４４とが当接する最終位置（第４図
参照）までその両者を離そうとする。

使用中には、栓３２はフイルタカートリツジ２
４の上部の第１のフイルタ開口部内に押込められ
る。このためには、フイルタカートリツジを下方
から栓３２に向けて押し付ける。最初に、圧縮ば
ね５８が圧縮される。栓３２の蓋板３４が内部フ
ランジ４４に達すると、栓３２を第１のフイルタ
開口部内に押し込める強い圧力結合が構成され
る。栓３２はその後フイルタカートリツジを確実
に保持し、第１のフイルタ開口部を密閉する。

その次に、固定装置４６に固定されているフイ
ルタカートリツジを容器口８を通して油容器２内
に差し込み、第２のフイルタ開口部を位置決め円
錐２０上に着座させる。固定装置４６は、容器口
８において、その両端部が下方から固定用切欠き
５６内に食い込むようにして着脱自在に取り付け
らる。圧縮ばね５８は、この固定装置４６を下方
からの圧力によつてその固定用切欠き５６内に確
実に保持させ、かつ他方においてはフイルタカー
トリツジを環状平面２７に押し付ける。それによ
り、所望の安全弁作用が実現される。

中央通路２６内の油圧は蓋板３４の下面に作用
する。圧縮ばね５８は、その圧力が最大許容値を
越えた場合に、フイルタカートリツジをその座２
２から浮き上がらせるように設計されている。

フイルタの交換作業を行う場合は、固定装置４
６を外し、そしてこの固定装置４６と共にフイル
タカートリツジ２４を油容器２から取り出す。捨
ててもよい布を用いて使用済のフイルタカートリ
ツジ２４を簡単に取り外しそして捨てる。その後
新しいフイルタカートリツジ２４を取り付け、固
定装置４６と共に再び油容器２内に入れ、そして
油容器２に固定する。

また、油を再注入する場合は、固定装置４６お
よび蓋３２をフイルタカートリツジ２４から切り
離して取り外し、フイルタカートリツジ２４は油
容器に置いたまま油を再注入し、その後固定装置
４６および蓋３２を取り付ける。

このように本実施例によればフイルタカートリ
ツジ２４の交換または油の再注入を行う場合、非
常に簡単にかつ汚れた作業なしに行うことができ
る。

なお、内側の管状部品３６および外側の管状部
品４２を合成樹脂でなく金属によつて製作しても
よいが、この場合には、互いに嵌め込む際に広が
ることができるようにするため、外側の管状部品
に軸に平行に走るスリツトを形成するとよい。

（発明の効果） このように本発明によれば、フイルターカート
リツジの交換または油を再注入する場合、非常に
簡単にかつ汚れた作業なしに交換または再注入を
行うことができ、また作業中に個々の部品を紛末
させることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図はフイルタカートリツジを有する油容器
の主要部分の縦断面図、第２図は蓋を取除いた際
の油容器の主要部分の平面図、第３図は第２図に
おける―部分断面図、第４図は部分的に側面
図で示したフイルタ支持部のユニツトの軸方向縦
断面図、第５図は第４図に示したフイルタ支持部
の平面図、第６図は第４図における―断面
図、第７図はフイルタカートリツジを取除いた際
に、第１図において矢印方向から見た位置決め
台１８の平面図である。 ２…油容器、４…油導出用ニツプル、６…油導
入用ニツプル、８…容器口、１６…器壁、２２…
座、２４…フイルタカートリツジ、２８…第１の
フイルタ開口部、３０…第２のフイルタ開口部、
３２…栓、３４…蓋板、３６…内側の管状部品、
３８…外部フランジ、４２…外側の管状部品、４
４…内部フランジ、４６…固定装置、４８…横断
部材、５４…突出部、５６…固定用切欠き、５８
…圧縮ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 容器口を通して交換可能な中空円筒状フイル
   タカートリツジを備え、そのフイルタカートリツ
   ジの中央通路を流入室として使用し、その場合に
   その中央通路の一端部に形成された第１のフイル
   タ開口部を閉塞し、そしてその第１のフイルタ開
   口部の反対側の端面とばねとによつて安全弁を形
   成するために、前記フイルタカートリツジを、油
   導入部を取囲む座に密閉的に押し付けるようにし
   た油容器において： 油導入部６と座２２とを容器口８の反対側に位置
   する油容器２の器壁１６に設け： 第１のフイルタ開口部２８内に密閉的に食い込ま
   せられる閉鎖部材３２，３４を、前記容器口８の
   縁部に着脱自在に取り付けられた固定装置４６
   に、遊嵌させて取り付け： 圧縮ばね５８を、前記閉鎖部材３２，３４と前記
   固定装置４６に、その両部品を離させるように押
   し付け： 前記固定装置４６を油の注入のために前記容器口
   ３から取外すことができるようにしたことを特徴
   とする交換可能なフイルタカートリツジと安全弁
   とを備えた油容器。 ２ 固定装置４６は、圧縮ばね５８の力作用によ
   り内側から容器口８の縁部に食い込ませられた状
   態で支持されていることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載の交換可能なフイルタカートリ
   ツジと安全弁とを備えた油容器。 ３ 閉鎖部材としては、第１のフイルタ開口部２
   ８内に嵌め込まれる栓３２が用いられることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項または第２項のい
   ずれかの項に記載の交換可能なフイルタカートリ
   ツジと安全弁とを備えた油容器。 ４ 固定装置４６は横断部材４８を有し、この横
   断部材の両端部は、容器口８の縁部の直径上で互
   いに向き合つている位置に設けられた突出部５４
   の下側に食い込み、そしてこの突出部にはその横
   断部材の両端部の固定用切欠き５６が設けられて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第３項のいずれかの項に記載の交換可能なフイ
   ルタカートリツジと安全弁とを備えた油容器。 ５ 座２２は位置決め台１８を取囲み、この位置
   決め台は、油容器２内に突き出ており、使用状態
   においては圧縮ばね５８の力作用によつて第２の
   フイルタ開口部３０を密閉することを特徴とする
   特許請求の範囲第１項ないし第４項のいずれかの
   項に記載の交換可能なフイルタカートリツジと安
   全弁とを備えた油容器。 ６ 座２２は、フイルタカートリツジの一方の端
   面２９を密閉する環状平面２７と、そのフイルタ
   カートリツジの位置決めのために第２のフイルタ
   開口部３０内に突出する位置決め面３１とを有
   し、その際にその位置決め面３１には溢流通路３
   ３，３３ａが形成されていることを特徴とする特
   許請求の範囲第５項に記載の交換可能なフイルタ
   カートリツジと安全弁とを備えた油容器。