JPS6147536B2 - - Google Patents
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- JPS6147536B2 JPS6147536B2 JP54151286A JP15128679A JPS6147536B2 JP S6147536 B2 JPS6147536 B2 JP S6147536B2 JP 54151286 A JP54151286 A JP 54151286A JP 15128679 A JP15128679 A JP 15128679A JP S6147536 B2 JPS6147536 B2 JP S6147536B2
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- ray
- tomographic image
- projection type
- image reconstruction
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-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06T—IMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
- G06T11/00—2D [Two Dimensional] image generation
- G06T11/003—Reconstruction from projections, e.g. tomography
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- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
- Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
- Image Processing (AREA)
Description
本発明は、X線断層像を再構成するための装置
に関し、特に所望の演算処理を施すことによりX
線断層像を再構成できるようにした装置に関す
る。 一般に、工業および医療界において、製品や人
体の内部構造を知るために、X線による検査が広
く行なわれているが、このように製品や人体の内
部構造を知ることのできる装置として従来からX
線コンピユータ断層撮影装置(これを略して
「CT」という。)の開発が盛んである。 ところで、この種の従来のX線コンピユータ断
層撮影装置では、まず第1図に実線で示すごと
く、X線発生装置aからX線被検査体bへ向けて
X線ビーム束を照射することにより、X線検出器
cにてそのX線射影分布を計測し、ついで第1図
に鎖線で示すごとく、X線発生装置aおよびX線
検出器cを所定の角度α(例えば1゜)だけ回転
移動させてこの位置から再度X線ビーム束をX線
被検査体bへ向けて照射することにより、角度α
だけ移動させた場合のX線射影分布を計測し、以
下同様の操作を合計60ないし360回行なつたのち
に、これら多数のX線射影分布から得られたデー
タを、フーリエ変換法や重畳積分法を用いて演算
処理し、その後この処理結果に基づきX線被検査
体bの断層像を再構成することが行なわれてい
る。 しかしながら、このような従来のX線コンピユ
ータ断層撮影装置では、被検査体bの断層像を再
構成するために、多数のX線射影分布を必要と
し、これにより次のような問題点がある。 (1) データ採取に多大の時間を必要とする(数秒
から数分)ため、動く被検査体bについては、
その断層像を再構成することができない。 (2) X線被曝量が多くなるため、被検査体bが人
体のごとき生体の場合には、この生体に悪影響
を与えるおそれがある。 本発明は、これらの問題点を解決しようとする
もので、被検査体の断層像を再構成するためのデ
ータとして単一のX線射影分布を使用するだけ
で、精度のよい再生像を得ることができるように
した単一X線射影式断層像再構成装置を提供する
ことを目的とする。 このため、本発明の単一X線射影式断層像再構
成装置は、X線被検査体Bの断層面を含み且つ縦
にm個横にn個の画素をそなえて成る仮想断層平
面Sについて単位X線ビームが各画素1〜mnの
コーナー部を少なくとも1個所は通過するように
上記X線被検査体Bへ向けて所定方向から複数の
単位X線ビームを照射するX線発生装置Aと、同
X線発生装置Aから上記X線被検査体Bへ向けて
上記の複数の単位X線ビームを照射することによ
り得られた単一のX線射影分布Dについてその一
端から他端へ向けてN(=m×n)個のX線濃度
d1〜dnoを計測するとともにさらに他端寄りの少
なくともm−1個のX線濃度dno+1〜dno+n-1を
計測するX線濃度計測装置Eとをそなえ、同X線
濃度計測装置Eで得られたM(=mn+m−1)
個のX線濃度d1〜dno+n-1の情報を受けX線吸収
係数ベクトルμを未知量としてX線濃度ベクトル
D、係数行列Lおよび非負の要素よりなる残差ベ
クトルrから決まる関係式Lμ≦r+D,Lμ≧
−r+Dより上記の各画素のX線吸収係数μ1〜
μnoを求める演算装置をもつた射影変換装置Fが
設けられるとともに、同射影変換装置Fからの信
号を受けて上記仮想断層平面Sを構成する上記N
個の各画素1〜mnの位置に上記X線吸収係数μ
1〜μnoをあてはめて上記X線被検査体Bの断層
像を再構成する再構成装置Hと、同再構成装置H
からの出力に基づいて上記X線被検査体Bの断層
像を表示する表示装置Jとが設けられたことを特
徴とする、単一X線射影式断層像再構成装置。 ただし、 〓=(μ1,μ2,μ3,……,μno)T 〓=(d1,d2,d3,……,dno+n-1)T 〓:(mn+m−1)×mnの帯行列 〓=(r1,r2,r3,……,rno+n-1)T α:画素を通過する上記X線ビームの長さ 以下、図面により本発明の実施例について説明
すると、第2〜4図はその第1実施例としての単
一X線射影式断層像再構成装置を示すもので、第
2図はそのX線射影分布の計測手段を示す模式
図、第3図はそのシステム構成図、第4図はその
作用を説明するための模式図である。 第3図(特許請求の範囲に対応する図)に示す
ごとく、X線発生装置AとX線検出器Cとの間
に、X線被検査体Bが位置するようになつてい
て、これによりこのX線被検査体Bへ所定方向か
らX線を照射することができ、その結果X線被検
査体Bを透過してきたX線によつて、単一のX線
射影分布D(第4図参照)を得ることができるよ
うになつている。 なお、このX線発生装置Aは、第4図に示すご
とく、縦にm個横にn個の画素をそなえて成る仮
想断層平面S(この平面SはX線被検査体Bの断
層面を含む)について、単位X線ビームが各画素
1〜mnの左下コーナー部を少なくとも1個所は
通過するようにX線被検査体Bへ向けて所定方向
θから複数の単位X線ビームを照射するもので、
検査の対象となるX線被検査体Bに適合する線質
(透過力)と線量とを有するX線を発生できるよ
うになつており、その発生X線の波長は印加され
る電圧に比例し、又X線の線質はその波長によつ
て決まるようになつている。 そして、印加電圧は、適用用途によつて異な
り、医学診断に用いるときは5万ボルトから12万
ボルトの範囲で、非破壊検査に用いるときは10万
ボルトから30万ボルトの範囲でそれぞれ使用され
る。 X線被検査体Bとは、X線の照射を受け、その
透過線量分布(X線射影分布)を測定されること
によつて、所望の断層面における像を再構成され
るべきものをいい、例えば医学診断の場合は人体
(一般には生体)であり、非破壊検査の場合はい
わゆる工業製品である。 さらに、X線検出器Cとしては、X線フイル
ム、シンチレーシヨン検出器、半導体検出器がキ
セノンガス検出器等が用いられる。 ところで、X線検出器Cで得られる単一のX線
射影分布データDは、X線射影分布測定手段(X
線濃度計測装置)Eにより、上記X線射影分布D
の一端から他端へ至るまで、相互に等しい間隔w
をあけたmn(=N)個のX線濃度の値d1〜dno
を計測されるとともに、さらに相互に等しい間隔
wをあけた他端寄りのm−1個のX線濃度の値d
no+1〜dno+n-1を計測され、合計mn+m−1(=
M)個の位置kにおける各値dkが計測されるよ
うになつている(第4図参照)。 このX線射影分布測定手段Eとしては、X線検
出器CがX線フイルムの場合は、このフイルム上
に黒化度の濃淡として得られたX線濃度分布(い
わゆるレントゲン写真)上の複数個の値を計測し
うるマイクロデンシトメータが用いられる。 このようにX線射影分布Dの一端から他端へ至
るまで、相互に等しい間隔wをあけた複数位置k
における各値dkを計測する手段として、上述の
例の他に、X線検出器CがX線被検査体Bを透過
してくるX線を受けてX線濃度に対応する信号を
出力するシンチレーシヨン検出器の場合は、1台
のシンチレーシヨン検出器とこれを上記X線射影
分布Dの一端から他端へ至るまで移動させうる機
構とを組合わせたり、多数のシンチレーシヨン検
出器をX線射影分布Dの全幅に亘つて配置したり
することが行なわれる。 またX線検出器Cが、同じくX線被検査体Bを
透過してくるX線を受けてX線濃度に対応する信
号を出力する半導体検出器の場合は、上記手段と
して上述のシンチレーシヨン検出器の場合と同様
に、1台の半導体検出器とこれを移動させうる機
構とを組合わせたり、多数の半導体検出器を配設
したりすることが行なわれる。 さらにX線検出器Cがキセノンガス検出器の場
合は、上記手段として上述のシンチレーシヨン検
出器や半導体検出器の場合と同様に、1台のキセ
ノンガス検出器とこれを移動させうる機構とを組
合わせたり、多数のキセノンガス検出器を配設し
たりすることが行なわれる。 このようにしてマイクロデンシトメータ、シン
チレーシヨン検出器や半導体検出器により得られ
た信号は、アナログ信号であるので、これをデイ
ジタルコンピユータへ入力するためにこの信号を
アナログ−デイジタル変換器E′(以下、「A/D
変換器」という。)にてデイジタル信号に変換し
て、その後デイスク等に記憶することが行なわれ
る。 つぎに、このA/D変換器からのデータ出力d
k(デイジタル信号)は、射影変換装置Fへ入力
されるようになつている。 この射影変換装置Fは、X線濃度測定装置Eで
得られたM(=mn+m−1)個のX線濃度d1〜
dno+n-1の情報を受けX線吸収係数ベクトルμを
未知量としてX線濃度ベクトルD、係数行列Lお
よび非負の要素よりなる残差ベクトルrから決ま
る関係式Lμ≦r+D,Lμ≧−r+Dより上記
の各画素のX線吸収係数μ1〜μnoを求める演算
装置をもつたもので、その具体例としては、所望
のプログラムを内蔵したデイジタルコンピユータ
が挙げられる。 ここで、単一のX線射影分布D上にM個の各値
dk(一次元データ)から、X線被検査体Bの断
層面を含んだ仮想断層平面Sの構成要素としての
N個の画素の各X線吸収係数μt(2次元デー
タ)を求める手法について説明する。 まず、X線被検査体Bの断層像再生面としての
仮想断層平面Sを、第4図に示すごとく、小さく
区分されたmn(=N)個の画素からなると考
え、また平面Sの中心をx−y座標の原点にと
る。 なお、1つの画素内は同一のX線吸収係数をも
つものと仮定し、説明の都合上、m,nは偶数と
し、1画素の大きさは△×△の正方形とする。 また、この仮想平面Sを通過するX線ビームは
θ=tan-1mを満足する方向θから平行に照射す
るものとし、各単位X線ビームのビーム径は各画
素に比べ十分に小さいものとする。 いま、第4図のような順序に従つて各画素に番
号をつけ、その吸収係数μtで表わし、θ方向か
ら照射し、x−y座標の点(xj,yi)を通る単
位X線ビームによつて得られる射影濃度をdkと
すれば、次式が得られる。 ここで、 xj=(−n/2+j−1)・△, yi=(m/2−i)・△, t=(j−1)・m+i (i=1,2,……,m;j=1,2,……,
n) k=(j−1)・m+i, ただし=k≠mn+m (i=1,2,……,m;j=1,2,……,n
+1) で、iは行を、jは列をそれぞれ表わしている。 〓〓=〓 ……(1) ただし なお〓=(μ1,μ2,μ3……,μno)T 〓=(d1,d2,d3……,dno+n-1)T Lは(mn+m−1)×mnの帯行列である。 またαは画素を透過するX線ビームの長さで、
a=△√1+2であり、記号Tは転置を表わ
している。 ところで、式(1)においては、未知量としてのX
線吸収係数μtの数Nよりも方程式の数Mの方が
多くなつているから、この未知量としてのX線吸
収係数μtの最確値を求めることになるが、これ
を達成するために、最小自乗法なる手法がある。 したがつて、式(1)に最小自乗法を適用すると、
すなわち式(1)の両辺左側からそれぞれLの転置行
列を掛けると、次式が得られる。 〓T〓〓=〓T〓 ……(3) このようにして得られた式(3)は未知量の数と方
程式の数とが同じになつているから、この式(3)か
ら直ちにX線被検査体Bの断層2次元データμt
を算出することができる。 なお、式(1)に非負の要素よりなる残差ベクトル
(補正値ベクトル)r〔=(r1,r2,r3,……,r
M)T〕を導入して一般化すると、式(1)は次のよう
になる。
に関し、特に所望の演算処理を施すことによりX
線断層像を再構成できるようにした装置に関す
る。 一般に、工業および医療界において、製品や人
体の内部構造を知るために、X線による検査が広
く行なわれているが、このように製品や人体の内
部構造を知ることのできる装置として従来からX
線コンピユータ断層撮影装置(これを略して
「CT」という。)の開発が盛んである。 ところで、この種の従来のX線コンピユータ断
層撮影装置では、まず第1図に実線で示すごと
く、X線発生装置aからX線被検査体bへ向けて
X線ビーム束を照射することにより、X線検出器
cにてそのX線射影分布を計測し、ついで第1図
に鎖線で示すごとく、X線発生装置aおよびX線
検出器cを所定の角度α(例えば1゜)だけ回転
移動させてこの位置から再度X線ビーム束をX線
被検査体bへ向けて照射することにより、角度α
だけ移動させた場合のX線射影分布を計測し、以
下同様の操作を合計60ないし360回行なつたのち
に、これら多数のX線射影分布から得られたデー
タを、フーリエ変換法や重畳積分法を用いて演算
処理し、その後この処理結果に基づきX線被検査
体bの断層像を再構成することが行なわれてい
る。 しかしながら、このような従来のX線コンピユ
ータ断層撮影装置では、被検査体bの断層像を再
構成するために、多数のX線射影分布を必要と
し、これにより次のような問題点がある。 (1) データ採取に多大の時間を必要とする(数秒
から数分)ため、動く被検査体bについては、
その断層像を再構成することができない。 (2) X線被曝量が多くなるため、被検査体bが人
体のごとき生体の場合には、この生体に悪影響
を与えるおそれがある。 本発明は、これらの問題点を解決しようとする
もので、被検査体の断層像を再構成するためのデ
ータとして単一のX線射影分布を使用するだけ
で、精度のよい再生像を得ることができるように
した単一X線射影式断層像再構成装置を提供する
ことを目的とする。 このため、本発明の単一X線射影式断層像再構
成装置は、X線被検査体Bの断層面を含み且つ縦
にm個横にn個の画素をそなえて成る仮想断層平
面Sについて単位X線ビームが各画素1〜mnの
コーナー部を少なくとも1個所は通過するように
上記X線被検査体Bへ向けて所定方向から複数の
単位X線ビームを照射するX線発生装置Aと、同
X線発生装置Aから上記X線被検査体Bへ向けて
上記の複数の単位X線ビームを照射することによ
り得られた単一のX線射影分布Dについてその一
端から他端へ向けてN(=m×n)個のX線濃度
d1〜dnoを計測するとともにさらに他端寄りの少
なくともm−1個のX線濃度dno+1〜dno+n-1を
計測するX線濃度計測装置Eとをそなえ、同X線
濃度計測装置Eで得られたM(=mn+m−1)
個のX線濃度d1〜dno+n-1の情報を受けX線吸収
係数ベクトルμを未知量としてX線濃度ベクトル
D、係数行列Lおよび非負の要素よりなる残差ベ
クトルrから決まる関係式Lμ≦r+D,Lμ≧
−r+Dより上記の各画素のX線吸収係数μ1〜
μnoを求める演算装置をもつた射影変換装置Fが
設けられるとともに、同射影変換装置Fからの信
号を受けて上記仮想断層平面Sを構成する上記N
個の各画素1〜mnの位置に上記X線吸収係数μ
1〜μnoをあてはめて上記X線被検査体Bの断層
像を再構成する再構成装置Hと、同再構成装置H
からの出力に基づいて上記X線被検査体Bの断層
像を表示する表示装置Jとが設けられたことを特
徴とする、単一X線射影式断層像再構成装置。 ただし、 〓=(μ1,μ2,μ3,……,μno)T 〓=(d1,d2,d3,……,dno+n-1)T 〓:(mn+m−1)×mnの帯行列 〓=(r1,r2,r3,……,rno+n-1)T α:画素を通過する上記X線ビームの長さ 以下、図面により本発明の実施例について説明
すると、第2〜4図はその第1実施例としての単
一X線射影式断層像再構成装置を示すもので、第
2図はそのX線射影分布の計測手段を示す模式
図、第3図はそのシステム構成図、第4図はその
作用を説明するための模式図である。 第3図(特許請求の範囲に対応する図)に示す
ごとく、X線発生装置AとX線検出器Cとの間
に、X線被検査体Bが位置するようになつてい
て、これによりこのX線被検査体Bへ所定方向か
らX線を照射することができ、その結果X線被検
査体Bを透過してきたX線によつて、単一のX線
射影分布D(第4図参照)を得ることができるよ
うになつている。 なお、このX線発生装置Aは、第4図に示すご
とく、縦にm個横にn個の画素をそなえて成る仮
想断層平面S(この平面SはX線被検査体Bの断
層面を含む)について、単位X線ビームが各画素
1〜mnの左下コーナー部を少なくとも1個所は
通過するようにX線被検査体Bへ向けて所定方向
θから複数の単位X線ビームを照射するもので、
検査の対象となるX線被検査体Bに適合する線質
(透過力)と線量とを有するX線を発生できるよ
うになつており、その発生X線の波長は印加され
る電圧に比例し、又X線の線質はその波長によつ
て決まるようになつている。 そして、印加電圧は、適用用途によつて異な
り、医学診断に用いるときは5万ボルトから12万
ボルトの範囲で、非破壊検査に用いるときは10万
ボルトから30万ボルトの範囲でそれぞれ使用され
る。 X線被検査体Bとは、X線の照射を受け、その
透過線量分布(X線射影分布)を測定されること
によつて、所望の断層面における像を再構成され
るべきものをいい、例えば医学診断の場合は人体
(一般には生体)であり、非破壊検査の場合はい
わゆる工業製品である。 さらに、X線検出器Cとしては、X線フイル
ム、シンチレーシヨン検出器、半導体検出器がキ
セノンガス検出器等が用いられる。 ところで、X線検出器Cで得られる単一のX線
射影分布データDは、X線射影分布測定手段(X
線濃度計測装置)Eにより、上記X線射影分布D
の一端から他端へ至るまで、相互に等しい間隔w
をあけたmn(=N)個のX線濃度の値d1〜dno
を計測されるとともに、さらに相互に等しい間隔
wをあけた他端寄りのm−1個のX線濃度の値d
no+1〜dno+n-1を計測され、合計mn+m−1(=
M)個の位置kにおける各値dkが計測されるよ
うになつている(第4図参照)。 このX線射影分布測定手段Eとしては、X線検
出器CがX線フイルムの場合は、このフイルム上
に黒化度の濃淡として得られたX線濃度分布(い
わゆるレントゲン写真)上の複数個の値を計測し
うるマイクロデンシトメータが用いられる。 このようにX線射影分布Dの一端から他端へ至
るまで、相互に等しい間隔wをあけた複数位置k
における各値dkを計測する手段として、上述の
例の他に、X線検出器CがX線被検査体Bを透過
してくるX線を受けてX線濃度に対応する信号を
出力するシンチレーシヨン検出器の場合は、1台
のシンチレーシヨン検出器とこれを上記X線射影
分布Dの一端から他端へ至るまで移動させうる機
構とを組合わせたり、多数のシンチレーシヨン検
出器をX線射影分布Dの全幅に亘つて配置したり
することが行なわれる。 またX線検出器Cが、同じくX線被検査体Bを
透過してくるX線を受けてX線濃度に対応する信
号を出力する半導体検出器の場合は、上記手段と
して上述のシンチレーシヨン検出器の場合と同様
に、1台の半導体検出器とこれを移動させうる機
構とを組合わせたり、多数の半導体検出器を配設
したりすることが行なわれる。 さらにX線検出器Cがキセノンガス検出器の場
合は、上記手段として上述のシンチレーシヨン検
出器や半導体検出器の場合と同様に、1台のキセ
ノンガス検出器とこれを移動させうる機構とを組
合わせたり、多数のキセノンガス検出器を配設し
たりすることが行なわれる。 このようにしてマイクロデンシトメータ、シン
チレーシヨン検出器や半導体検出器により得られ
た信号は、アナログ信号であるので、これをデイ
ジタルコンピユータへ入力するためにこの信号を
アナログ−デイジタル変換器E′(以下、「A/D
変換器」という。)にてデイジタル信号に変換し
て、その後デイスク等に記憶することが行なわれ
る。 つぎに、このA/D変換器からのデータ出力d
k(デイジタル信号)は、射影変換装置Fへ入力
されるようになつている。 この射影変換装置Fは、X線濃度測定装置Eで
得られたM(=mn+m−1)個のX線濃度d1〜
dno+n-1の情報を受けX線吸収係数ベクトルμを
未知量としてX線濃度ベクトルD、係数行列Lお
よび非負の要素よりなる残差ベクトルrから決ま
る関係式Lμ≦r+D,Lμ≧−r+Dより上記
の各画素のX線吸収係数μ1〜μnoを求める演算
装置をもつたもので、その具体例としては、所望
のプログラムを内蔵したデイジタルコンピユータ
が挙げられる。 ここで、単一のX線射影分布D上にM個の各値
dk(一次元データ)から、X線被検査体Bの断
層面を含んだ仮想断層平面Sの構成要素としての
N個の画素の各X線吸収係数μt(2次元デー
タ)を求める手法について説明する。 まず、X線被検査体Bの断層像再生面としての
仮想断層平面Sを、第4図に示すごとく、小さく
区分されたmn(=N)個の画素からなると考
え、また平面Sの中心をx−y座標の原点にと
る。 なお、1つの画素内は同一のX線吸収係数をも
つものと仮定し、説明の都合上、m,nは偶数と
し、1画素の大きさは△×△の正方形とする。 また、この仮想平面Sを通過するX線ビームは
θ=tan-1mを満足する方向θから平行に照射す
るものとし、各単位X線ビームのビーム径は各画
素に比べ十分に小さいものとする。 いま、第4図のような順序に従つて各画素に番
号をつけ、その吸収係数μtで表わし、θ方向か
ら照射し、x−y座標の点(xj,yi)を通る単
位X線ビームによつて得られる射影濃度をdkと
すれば、次式が得られる。 ここで、 xj=(−n/2+j−1)・△, yi=(m/2−i)・△, t=(j−1)・m+i (i=1,2,……,m;j=1,2,……,
n) k=(j−1)・m+i, ただし=k≠mn+m (i=1,2,……,m;j=1,2,……,n
+1) で、iは行を、jは列をそれぞれ表わしている。 〓〓=〓 ……(1) ただし なお〓=(μ1,μ2,μ3……,μno)T 〓=(d1,d2,d3……,dno+n-1)T Lは(mn+m−1)×mnの帯行列である。 またαは画素を透過するX線ビームの長さで、
a=△√1+2であり、記号Tは転置を表わ
している。 ところで、式(1)においては、未知量としてのX
線吸収係数μtの数Nよりも方程式の数Mの方が
多くなつているから、この未知量としてのX線吸
収係数μtの最確値を求めることになるが、これ
を達成するために、最小自乗法なる手法がある。 したがつて、式(1)に最小自乗法を適用すると、
すなわち式(1)の両辺左側からそれぞれLの転置行
列を掛けると、次式が得られる。 〓T〓〓=〓T〓 ……(3) このようにして得られた式(3)は未知量の数と方
程式の数とが同じになつているから、この式(3)か
ら直ちにX線被検査体Bの断層2次元データμt
を算出することができる。 なお、式(1)に非負の要素よりなる残差ベクトル
(補正値ベクトル)r〔=(r1,r2,r3,……,r
M)T〕を導入して一般化すると、式(1)は次のよう
になる。
【表】
そして、式(1)′からX線吸収係数ベクトルμを
求める1つの方法として最小自乗法があるが、こ
の式(1)′に最小自乗法を用いてX線吸収係数μtの
最確値を求めると、その解は式(3)で得られたもの
と同じになる。 しかしながら、実際のX線被検査体Bにおいて
は、μtが一定であるとすることは困難であり、
また一般には測定誤差も含まれる。そこで上記の
仮定が僅かに崩れたときおよび測定誤差が少し混
入したときにおいてもなお、式(3)で算出される2
次元データμtがよい結果になることは期待しが
たい。 そこで、Lμ≦r+D,Lμ≦−rDからX線
吸収係数μtを求める他の方法としての数理計画
法を用いて前述の非負の補正値(残差)値r1,
r2,r3,……,rMを導入する。また、物体を透
過するX線ビームの吸収係数は一般には、非負で
かつある正の上限値Uを超えないので、それらの
制約条件を付加して式(1)を次のように表わす。
求める1つの方法として最小自乗法があるが、こ
の式(1)′に最小自乗法を用いてX線吸収係数μtの
最確値を求めると、その解は式(3)で得られたもの
と同じになる。 しかしながら、実際のX線被検査体Bにおいて
は、μtが一定であるとすることは困難であり、
また一般には測定誤差も含まれる。そこで上記の
仮定が僅かに崩れたときおよび測定誤差が少し混
入したときにおいてもなお、式(3)で算出される2
次元データμtがよい結果になることは期待しが
たい。 そこで、Lμ≦r+D,Lμ≦−rDからX線
吸収係数μtを求める他の方法としての数理計画
法を用いて前述の非負の補正値(残差)値r1,
r2,r3,……,rMを導入する。また、物体を透
過するX線ビームの吸収係数は一般には、非負で
かつある正の上限値Uを超えないので、それらの
制約条件を付加して式(1)を次のように表わす。
【表】
さらに、非負のスラツクス変数s1,s2,s3,…
…,s3Mを導入すると、式(4)の連立一次不等式は
次式の連立一次方程式となる。
…,s3Mを導入すると、式(4)の連立一次不等式は
次式の連立一次方程式となる。
【表】
上式(5)の制約条件式のもとに目的関数
を最小とする解を数理計画法によつて求めると、
有限回の計算後には循環することなく、最適な2
次元データμtが算出されるのである。 上例では、制約条件式における補正値の絶対値
の総和を最小にする目的関数のもとに2次元デー
タμtを算出したが、それに対して次の式(7)の制
約条件式のもとに式(8)に目的関数を最小とする方
法もある。
有限回の計算後には循環することなく、最適な2
次元データμtが算出されるのである。 上例では、制約条件式における補正値の絶対値
の総和を最小にする目的関数のもとに2次元デー
タμtを算出したが、それに対して次の式(7)の制
約条件式のもとに式(8)に目的関数を最小とする方
法もある。
【表】
上式を解けば、制約条件式における絶対値の最
大補正値が最小となる条件のもとに、X線被検査
体Bの断層2次元データμtが算出されるのであ
る。 さらに、式(5)の制約条件式のもとに目的関数 を最小とする方法、あるいは、式(7)の制約条件式
のもとに目的関数 F=r2 ……(10) を最小とする方法によつて実施することも可能で
ある。なお、Mはmn+m−1,Nはmnを表わし
ていることは、前述のとおりである。 上記のような数理計画法によれば、既述したこ
とから明らかなように次の関係式が成立するが、
この関係式における残差ベクトル(補正値ベクト
ル)rの非負の要素r1〜rMの自乗和〓rk 2[式
(9)参照]または絶対値和〓rk[式(6)参照]を最
小にするようなX線吸収係数μ1〜μnoの最適解
が求められるのである。 ここで関係式は式(4)から、
大補正値が最小となる条件のもとに、X線被検査
体Bの断層2次元データμtが算出されるのであ
る。 さらに、式(5)の制約条件式のもとに目的関数 を最小とする方法、あるいは、式(7)の制約条件式
のもとに目的関数 F=r2 ……(10) を最小とする方法によつて実施することも可能で
ある。なお、Mはmn+m−1,Nはmnを表わし
ていることは、前述のとおりである。 上記のような数理計画法によれば、既述したこ
とから明らかなように次の関係式が成立するが、
この関係式における残差ベクトル(補正値ベクト
ル)rの非負の要素r1〜rMの自乗和〓rk 2[式
(9)参照]または絶対値和〓rk[式(6)参照]を最
小にするようなX線吸収係数μ1〜μnoの最適解
が求められるのである。 ここで関係式は式(4)から、
【表】
すなわち
【表】
となる。
そして、
〓=(μ1,μ2,……,μno)T
〓=(r1,r2,……,rM)T
〓=(p1,p2,……,pM)T=〓/α
〓=(d1,d2,……,dM)T
また、LはM×Nの帯行列である。
このようにして得られた2次元データμtは、
3次元内部構造記憶装置Gに転送される。 この3次元内部構造記憶装置Gとは、射影変換
装置Fから転送されてくる断層像構成用2次元デ
ータμtを時系列的に記憶し、さらにX線被検査
体Bの3次元内部構造データを算出するメモリを
いう。 ところで、射影変換装置Fから初め送られてく
る2次元データμtは、X線被検査体Bのある断
面についてのものであるが、X線射影分布測定手
段Eで測定個所を変えることによつて他のX線射
影分布D′を得、これにより他の断面についての
2次元データμ′tが容易に得られるから、異なつ
たいくつかの断面についての2次元データμt,
μ′t,μ″t,……を集積することによつてX線被
検査体Bの3次元的な内部構造を記憶させること
が可能になるが、完全な3次元内部構造を構成す
るためには、各断面データ間の補間等が必要にな
るので、そのための算出機能を保有したメモリ装
置として本メモリGが使用される。 このメモリGには、任意断層像構成装置(再構
成装置)Hが接続されており、この任意断層像構
成装置Hは、メモリGに記憶されているX線被検
査体Bの3次元内部構造データからこのX線被検
査体Bの指定された任意断面についての2次元デ
ータを選択抽出して断層像を構成する装置であ
る。 なお、ここでいう任意断層とは、X線被検査体
Bの水平、垂直あるいは斜め方向等の断面を指す
ものである。 このようにしてこの任意断層像構成装置Hによ
つて得られる任意断層像の2次元データは、X線
射影分布測定手段Eで求めたX線射影分布をもと
にして一貫して数学的に矛盾なく算出されてきた
ものであるから、これを適宜のデイジタル−アナ
ログ変換器F′(以下「D/A変換器」という。)
を介し任意断層像表示装置Jへ送つて表示すれ
ば、X線被検査体Bの断層像を表示することが可
能となるが、この像では雑音やボケ等の画質劣下
の要素も含まれているので、好適な画像が得られ
るという保証はない。 したがつて、この任意断層像構成装置Hからの
データを修正するため、このデータは任意断層像
画質改善装置Iへ送られる。 この任意断層像画質改善装置Iは、任意断層像
構成装置Hから送られてきた任意断層像データに
ついての雑音の除去、平滑化および尖鋭度の強調
等を施して画像の質を向上させるもので、雑音の
除去用としてはデイジタルフイルタが用いられ、
平滑化用としては平滑化回路が用いられ、尖鋭度
の強調用としては微分回路が用いられる。 このようにして画質を改善された信号はD/A
変換器F′を介して上記任意断層像表示装置Jへ
送られる。 この任意断層像表示装置Jは、任意断層像画質
改善装置Iから送られてくる信号を受けてカラー
または黒白の陰極線管(ブラウン管)モニタ上に
X線被検査体Bの任意断層像を可視像として表示
する装置をいい、一般的には上述のごとくブラウ
ン管が使用される。 上述の構成により、X線被検査体Bの断層像を
再構成するには、まずX線発生装置AよりX線被
検査体Bへ所定方向からX線を照射することによ
りX線検出器Cで得られた単一のX線射影分布D
について、X線射影分布測定手段Eを用いて、上
記X線射影分布Dの一端から等しい相互間隔wを
あけたM個の位置kでの各値dkを上記X線射影
分布Dの他端へ至るまで計測することにより、1
次元データdkが求められる。 ついで、これらの1次元データdkは適宜アナ
ログ−デイジタル変換されてから、射影変換装置
Fにて、前述の手法を用いて、仮想断層平面Sに
おけるN(<M)個の画素の各X線吸収係数μt
(2次元データ)が求められる。 その後、この2次元データμtは、メモリG、
任意断層像構成装置H、任意断層像画質改善装置
IおよびD/A変換器F′を経由して、任意断層
像表示装置Jで、X線被検査体Bの断層像として
再構成表示されるのである。 第5図は本発明の第2実施例としての単一X線
射影式断層像再構成装置の作用を説明するための
模式図である。 この第2実施例の場合は、X線発生装置AとX
線被検査体Bとが接近している場合で、すなわち
X線ビームがフアンビームの場合であるが、この
場合は第5図のような変形極座標をした画素で断
層2次元データμtを構成すれば、式(1)が得られ
上述の理論がそのまま適用できる。 第5図において、X線源を原点0、極座標画素
の内側の半径をR1、外側の半径をR0とし、画素
はm×nで構成する。画素には第5図に示すよう
な番号をつけ、00′を通る直線を角度の基準とす
る。 半径R1,R2と角1,2,3,4を次
式のように表わす。
3次元内部構造記憶装置Gに転送される。 この3次元内部構造記憶装置Gとは、射影変換
装置Fから転送されてくる断層像構成用2次元デ
ータμtを時系列的に記憶し、さらにX線被検査
体Bの3次元内部構造データを算出するメモリを
いう。 ところで、射影変換装置Fから初め送られてく
る2次元データμtは、X線被検査体Bのある断
面についてのものであるが、X線射影分布測定手
段Eで測定個所を変えることによつて他のX線射
影分布D′を得、これにより他の断面についての
2次元データμ′tが容易に得られるから、異なつ
たいくつかの断面についての2次元データμt,
μ′t,μ″t,……を集積することによつてX線被
検査体Bの3次元的な内部構造を記憶させること
が可能になるが、完全な3次元内部構造を構成す
るためには、各断面データ間の補間等が必要にな
るので、そのための算出機能を保有したメモリ装
置として本メモリGが使用される。 このメモリGには、任意断層像構成装置(再構
成装置)Hが接続されており、この任意断層像構
成装置Hは、メモリGに記憶されているX線被検
査体Bの3次元内部構造データからこのX線被検
査体Bの指定された任意断面についての2次元デ
ータを選択抽出して断層像を構成する装置であ
る。 なお、ここでいう任意断層とは、X線被検査体
Bの水平、垂直あるいは斜め方向等の断面を指す
ものである。 このようにしてこの任意断層像構成装置Hによ
つて得られる任意断層像の2次元データは、X線
射影分布測定手段Eで求めたX線射影分布をもと
にして一貫して数学的に矛盾なく算出されてきた
ものであるから、これを適宜のデイジタル−アナ
ログ変換器F′(以下「D/A変換器」という。)
を介し任意断層像表示装置Jへ送つて表示すれ
ば、X線被検査体Bの断層像を表示することが可
能となるが、この像では雑音やボケ等の画質劣下
の要素も含まれているので、好適な画像が得られ
るという保証はない。 したがつて、この任意断層像構成装置Hからの
データを修正するため、このデータは任意断層像
画質改善装置Iへ送られる。 この任意断層像画質改善装置Iは、任意断層像
構成装置Hから送られてきた任意断層像データに
ついての雑音の除去、平滑化および尖鋭度の強調
等を施して画像の質を向上させるもので、雑音の
除去用としてはデイジタルフイルタが用いられ、
平滑化用としては平滑化回路が用いられ、尖鋭度
の強調用としては微分回路が用いられる。 このようにして画質を改善された信号はD/A
変換器F′を介して上記任意断層像表示装置Jへ
送られる。 この任意断層像表示装置Jは、任意断層像画質
改善装置Iから送られてくる信号を受けてカラー
または黒白の陰極線管(ブラウン管)モニタ上に
X線被検査体Bの任意断層像を可視像として表示
する装置をいい、一般的には上述のごとくブラウ
ン管が使用される。 上述の構成により、X線被検査体Bの断層像を
再構成するには、まずX線発生装置AよりX線被
検査体Bへ所定方向からX線を照射することによ
りX線検出器Cで得られた単一のX線射影分布D
について、X線射影分布測定手段Eを用いて、上
記X線射影分布Dの一端から等しい相互間隔wを
あけたM個の位置kでの各値dkを上記X線射影
分布Dの他端へ至るまで計測することにより、1
次元データdkが求められる。 ついで、これらの1次元データdkは適宜アナ
ログ−デイジタル変換されてから、射影変換装置
Fにて、前述の手法を用いて、仮想断層平面Sに
おけるN(<M)個の画素の各X線吸収係数μt
(2次元データ)が求められる。 その後、この2次元データμtは、メモリG、
任意断層像構成装置H、任意断層像画質改善装置
IおよびD/A変換器F′を経由して、任意断層
像表示装置Jで、X線被検査体Bの断層像として
再構成表示されるのである。 第5図は本発明の第2実施例としての単一X線
射影式断層像再構成装置の作用を説明するための
模式図である。 この第2実施例の場合は、X線発生装置AとX
線被検査体Bとが接近している場合で、すなわち
X線ビームがフアンビームの場合であるが、この
場合は第5図のような変形極座標をした画素で断
層2次元データμtを構成すれば、式(1)が得られ
上述の理論がそのまま適用できる。 第5図において、X線源を原点0、極座標画素
の内側の半径をR1、外側の半径をR0とし、画素
はm×nで構成する。画素には第5図に示すよう
な番号をつけ、00′を通る直線を角度の基準とす
る。 半径R1,R2と角1,2,3,4を次
式のように表わす。
【表】
いま、点R1,1とR2,3を通る直線を
L1、点R1,2とR2,4を通る直線をL2とす
れば、画素tは半径R1,R2と2直線L1,L2で囲
まれる面積となる。 ただし、t=i+(j−1)・m,θ′は極座標
画素の内側(半径R1)のはる頂角とする。 このようにX線ビームがフアンビームの場合で
も、前述の第1実施例のごとく平行ビームの場合
と同様にして1次元データdkから2次元データ
μtを求めることができ、これにより単一のX線
射影分布DからX線被検査体Bの断層像を再構成
できるのである。 なお、k=(j−1)・m+i,k≠m(n+
1)(i=1,2,……,m;j=1,2,…
…,n+1)とする。 以上詳述したように、本発明の単一X線射影式
断層像再構成装置によれば、単一のX線射影分布
DからX線被検査体Bの断層像を再構成すること
ができるので、次のような効果ないし利点が得ら
れる。 (1) データ採取の時間が非常に短くてすむ(30ミ
リ秒以下)ため、動くX線被検査体B(例えば
心臓)についても、その断層像を鮮明に再構成
することができる。 (2) X線被曝量が非常に少ない(従来の手段に比
べ数十分の1ないし数百分の1)ため、X線被
検査体Bが生体の場合でも、悪影響を与えるこ
とがない。 (3) X線被検査体Bを含んだ断層平面Sを構成す
る画素tの数Nよりも多いM個の計測値に基づ
いて、X線断層像を再構成することが行なわれ
るため、再構成の精度を大幅に向上できる。
L1、点R1,2とR2,4を通る直線をL2とす
れば、画素tは半径R1,R2と2直線L1,L2で囲
まれる面積となる。 ただし、t=i+(j−1)・m,θ′は極座標
画素の内側(半径R1)のはる頂角とする。 このようにX線ビームがフアンビームの場合で
も、前述の第1実施例のごとく平行ビームの場合
と同様にして1次元データdkから2次元データ
μtを求めることができ、これにより単一のX線
射影分布DからX線被検査体Bの断層像を再構成
できるのである。 なお、k=(j−1)・m+i,k≠m(n+
1)(i=1,2,……,m;j=1,2,…
…,n+1)とする。 以上詳述したように、本発明の単一X線射影式
断層像再構成装置によれば、単一のX線射影分布
DからX線被検査体Bの断層像を再構成すること
ができるので、次のような効果ないし利点が得ら
れる。 (1) データ採取の時間が非常に短くてすむ(30ミ
リ秒以下)ため、動くX線被検査体B(例えば
心臓)についても、その断層像を鮮明に再構成
することができる。 (2) X線被曝量が非常に少ない(従来の手段に比
べ数十分の1ないし数百分の1)ため、X線被
検査体Bが生体の場合でも、悪影響を与えるこ
とがない。 (3) X線被検査体Bを含んだ断層平面Sを構成す
る画素tの数Nよりも多いM個の計測値に基づ
いて、X線断層像を再構成することが行なわれ
るため、再構成の精度を大幅に向上できる。
第1図は従来のX線断層像の再構成手段を説明
するための模式図であり、第2〜4図は本発明の
第1実施例としての単一X線射影式断層像再構成
装置を示すもので、第2図はそのX線射影分布の
計測手段を示す模式図、第3図はそのシステム構
成図、第4図はその作用を説明するための模式図
であり、第5図は本発明の第2実施例としての単
一X線射影式断層像再構成装置の作用を説明する
ための模式図である。 A……X線発生装置、B……X線被検査体、C
……X線検出器、D……X線射影分布、E……X
線射影分布測定手段(X線濃度計測装置)、E′…
…A/D変換器、F……射影変換装置、F′……
D/A変換器、G……メモリとしての3次元内部
構造記憶装置、H……任意断層像構成装置(再構
成装置)、I……任意断層像画質改善装置、J…
…任意断層像表示装置、S……仮想断層平面。
するための模式図であり、第2〜4図は本発明の
第1実施例としての単一X線射影式断層像再構成
装置を示すもので、第2図はそのX線射影分布の
計測手段を示す模式図、第3図はそのシステム構
成図、第4図はその作用を説明するための模式図
であり、第5図は本発明の第2実施例としての単
一X線射影式断層像再構成装置の作用を説明する
ための模式図である。 A……X線発生装置、B……X線被検査体、C
……X線検出器、D……X線射影分布、E……X
線射影分布測定手段(X線濃度計測装置)、E′…
…A/D変換器、F……射影変換装置、F′……
D/A変換器、G……メモリとしての3次元内部
構造記憶装置、H……任意断層像構成装置(再構
成装置)、I……任意断層像画質改善装置、J…
…任意断層像表示装置、S……仮想断層平面。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 X線被検査体Bの断層面を含み且つ縦にm個
横にn個の画素をそなえて成る仮想断層平面Sに
ついて単位X線ビームが各画素1〜mnのコーナ
ー部を少なくとも1個所は通過するように上記X
線被検査体Bへ向けて所定方向から複数の単位X
線ビームを照射するX線発生装置Aと、同X線発
生装置Aから上記X線被検査体Bへ向けて上記の
複数の単位X線ビームを照射することにより得ら
れた単一のX線射影分布Dについてその一端から
他端へ向けてN(=m×n)個のX線濃度d1〜d
noを計測するとともにさらに他端寄りの少なくと
もm−1個のX線濃度dno+1〜dno+n-1を計測す
るX線濃度計測装置Eとをそなえ、同X線濃度計
測装置Eで得られたM(=mn+m−1)個のX
線濃度d1〜dno+n-1の情報を受けX線吸収係数ベ
クトルμを未知量としてX線濃度ベクトルD、係
数行列Lおよび非負の要素よりなる残差ベクトル
rから決まる関係式Lμ≦r+D,Lμ≧−r+
Dより上記の各画素のX線吸収係数μ1〜μnoを
求める演算装置をもつた射影変換装置Fが設けら
れるとともに、同射影変換装置Fからの信号を受
けて上記仮想断層平面Sを構成する上記N個の各
画素1〜mnの位置に上記X線吸収係数μ1〜μn
oをあてはめて上記X線被検査体Bの断層像を再
構成する再構成装置Hと、同再構成装置Hからの
出力に基づいて上記X線被検査体Bの断層像を表
示する表示装置Jとが設けられたことを特徴とす
る、単一X線射影式断層像再構成装置。 ただし、 〓=(μ1,μ2,μ3,……,μno)T 〓=(d1,d2,d3,……,μno+n-1)T 〓:(mn+m−1)×mnの帯行列 〓=(r1,r2,r3,……,rno+n-1)T α:画素を通過する上記X線ビームの長さ 2 上記X線濃度計測装置Eが、X線フイルム上
に得られたX線濃度分布上の複数個のX線濃度の
値を計測しうるマイクロデンシトメータと、この
マイクロデンシトメータからのアナログ信号をデ
イジタル信号に変換しうるアナログ−デイジタル
変換器とで構成された特許請求の範囲第1項に記
載の単一X線射影式断層像再構成装置。 3 上記X線濃度計測装置Eが、上記X線被検査
体Bを透過してくるX線を受けてX線濃度に対応
する信号を出力する移動機構付きシンチレーシヨ
ン検出器と、同シンチレーシヨン検出器からのア
ナログ信号をデイジタル信号に変換しうるアナロ
グ−デイジタル変換器とで構成された特許請求の
範囲第1項に記載の単一X線射影式断層像再構成
装置。 4 上記X線濃度計測装置Eが、上記X線被検査
体Bを透過してくるX線を受けてX線濃度に対応
する信号を出力する多数のシンチレーシヨン検出
器と、これらのシンチレーシヨン検出器からのア
ナログ信号をデイジタル信号に変換しうるアナロ
グ−デイジタル変換器とで構成された特許請求の
範囲第1項に記載の単一X線射影式断層像再構成
装置。 5 上記X線濃度計測装置Eが、上記X線被検査
体Bを透過してくるX線を受けてX線濃度に対応
する信号を出力する移動機構付き半導体検出器
と、同半導体検出器からのアナログ信号をデイジ
タル信号に変換しうるアナログ−デイジタル変換
器とで構成された特許請求の範囲第1項に記載の
単一X線射影式断層像再構成装置。 6 上記X線濃度計測装置Eが、上記X線被検査
体Bを透過してくるX線を受けてX線濃度に対応
する信号を出力する多数の半導体検出器と、これ
らの半導体検出器からのアナログ信号をデイジタ
ル信号に変換しうるアナログ−デイジタル変換器
とで構成された特許請求の範囲第1項に記載の単
一X線射影式断層像再構成装置。 7 上記X線濃度計測装置Eが、上記X線被検査
体Bを透過してくるX線を受けてX線濃度に対応
する信号を出力する移動機構付きキセノンガス検
出器と、同キセノンガス検出器からのアナログ信
号をデイジタル信号に変換しうるアナログ−デイ
ジタル変換器とで構成された特許請求の範囲第1
項に記載の単一X線射影式断層像再構成装置。 8 上記X線濃度計測装置Eが、上記X線被検査
体Bを透過してくるX線を受けてX線濃度に対応
する信号を出力する多数のキセノンガス検出器
と、これらのキセノンガス検出器からのアナログ
信号をデイジタル信号に変換しうるアナログ−デ
イジタル変換器とで構成された特許請求の範囲第
1項に記載の単一X線射影式断層像再構成装置。 9 上記射影変換装置Fが、上記データ出力に基
づき上記各画素のX線吸収係数に対応するデイジ
タル信号を演算して出力するデイジタルコンピユ
ータを含んで構成された特許請求の範囲第1項な
いし第8項のいずれかに記載の単一X線射影式断
層像再構成装置。 10 上記射影変換装置Fと再構成装置Hとの間
に、上記X線被検査体Bにおける複数の断層像情
報を記憶して上記表示装置Jで任意の断層像を表
示すべく、上記射影変換装置Fからの信号を記憶
しうるメモリが介装された特許請求の範囲第1項
ないし第9項のいずれかに記載の単一X線射影式
断層像再構成装置。 11 上記の再構成装置Hと表示装置Jとの間
に、上記表示装置Jで表示される画像の質を向上
させるべく、デイジタルフイルタが介装された特
許請求の範囲第1項ないし第10項のいずれかに
記載の単一X線射影式断層像再構成装置。 12 上記の再構成装置Hと表示装置Jとの間
に、上記表示装置Jで表示される画像の質を向上
させるべく、平滑化回路が介装された特許請求の
範囲第1項ないし第10項のいずれかに記載の単
一X線射影式断層像再構成装置。 13 上記の再構成装置Hと表示装置Jとの間
に、上記表示装置Jで表示される画像の質を向上
させるべく、微分回路が介装された特許請求の範
囲第1項ないし第10項のいずれかに記載の単一
X線射影式断層像再構成装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15128679A JPS5672852A (en) | 1979-11-21 | 1979-11-21 | Method of regenerating tomographing image and its regenerating device |
US06/186,425 US4418387A (en) | 1979-09-18 | 1980-09-12 | Method of reconstructing a computed tomographic image from a single X-ray projection |
DE19803034559 DE3034559A1 (de) | 1979-09-18 | 1980-09-12 | Verfahren zur rekonstruktion einer roentgentomographie |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15128679A JPS5672852A (en) | 1979-11-21 | 1979-11-21 | Method of regenerating tomographing image and its regenerating device |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5672852A JPS5672852A (en) | 1981-06-17 |
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Family
ID=15515354
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3098899B2 (ja) * | 1993-11-01 | 2000-10-16 | 富士写真フイルム株式会社 | 長尺ウェブ巻取物の転倒装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS521274A (en) * | 1975-06-24 | 1977-01-07 | Ito Kikai Seisakusho:Kk | Stroke device |
-
1979
- 1979-11-21 JP JP15128679A patent/JPS5672852A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS521274A (en) * | 1975-06-24 | 1977-01-07 | Ito Kikai Seisakusho:Kk | Stroke device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5672852A (en) | 1981-06-17 |
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