JPS59930Y2 - ダンパ−の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、火災の発生に伴う発煙や異常温度上昇等の検
出を基にして自動的に窓や通路などを遮断させるための
ダンパーの構造に関する。

異常事態の発生に伴ってモータ駆動によりダンパーを降
下させる場合、火災には停電を伴いがちであるために、
ダンパーの降下が不能になる危険性が大であり、このこ
とから、一般にダンパーを自重降下させる形態をとって
いるが、この場合は、ダンパーが急速降下して不測に負
傷事故を起す危険性が大であった。

本考案は、上記欠点を解消して安全性を高め得るよう（
こすることを目的としている。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図ないし第３図において、１は縦壁２に備えられた
左右スライド式のガラス窓で、その屋外側には、火災発
生時に窓枠３の開口を閉じるための防火防煙用のダンパ
ー４が設けられている。

５は前記ダンパー４を緩速で降下させるための機構で、
前記ダンパー４の左右両側（左右対称のため、一方を省
略しである。

）に設けられている。前記ダンパー４を構成するに、閉
じ状態において窓枠３の開口を閉じるに足るほぼ同寸形
状の２個の板状ダンパー６．６を、縦ガイド９に沿って
個々に窓枠上縁３ａよりも上方に上下摺動自在に取付け
、この板状ダンパー６．６を重ね合わせて前記窓枠上縁
３ａよりも上方の収納部Ａに収納させた状態において、
それらの自重降下を阻止するためのストッパー７を設け
ると共に、発煙検出や異常温度上昇を基にして火災発生
の異常事態を検出する機構８を屋内に設け、かつ、この
異常事態検出機構８による異常検出情報を基にして前記
ストッパー７を降下阻止解除状態に切換えさせるべく構
成し、もって、前記ストッパー７の降下阻止解除の切換
わりに伴って前記板状ダンパー６．６を降下させて、そ
の板状ダンパー６．６により窓枠３の開口を自動的に遮
断させるようにしである。

前記板状ダンパー６．６において、その上方の板状ダン
パー６の上部には、左右のガイド９，９にわたる連結部
材１０にその上方から係止する部分６ａを設けてあり、
また下方の板状ダンパー６の上部には、上方の板状ダン
パー６の下部に連設した立上り部６ｂにその上方から係
止する部分６Ｃを設けてあり、更に、下方の板状ダンパ
ー６の下部には、上昇に伴って上方の板状ダンパー６に
接当係止としてそれを持上げる係止部材６ｄを設けてあ
って、この下方の板状ダンパー６の持上げによって順次
２個の板状ダンパー６．６を収納部Ａに収納操作できる
ようにしてあり、この収納状態において前記ストッパー
７が下方の板状ダンパー６に係止作用して、板状ダンパ
ー６．６の降下を阻止するようにしである。

前記板状ダンパー６．６を緩速降下させる機構５を構成
するに、窓枠３の左右両側でかつ窓枠上縁３ａよりも上
方にわたって有底状のガイド筒１１を設け、前記ダンパ
ー４の総重量よりもはるかに軽量のピストン１２を前記
ガイド筒１１の内面に沿って昇降自在に設けると共に、
このピストン１２と前記下方の板状ダンパー６とを、プ
ーリー１３に巻回したワイヤー１４で連結して、両者１
２，６を背反的に昇降させるように構威し、次に、前記
ガイド筒１１の下部側に大径の開口ａを形成すと共に、
その開口ａを閉じる蓋体１５を外方に向けて揺動自在に
設けて、ピストン１２の降下に伴って形成されるピスト
ン下部側の加圧側の空間から大気を放出させる一方向弁
Ｂを構成し、そして、前記蓋体１５に小径の孔すを設け
て、前記ダンパー４の降下に伴うピストン１２の背反上
昇によって形成されるピストン下部側の減圧側空間に大
気を徐々に導入させるようにし、もって、ピストン下部
側に形成される減圧作用によって板状タッパ−６，６を
緩速で降下させるようにしである。

尚、ダンパー６．６を人為的に持上げることによってピ
ストン１２の下部側が加圧空間となり、それに伴って一
方向弁Ｂが開くと共にピストン１２は自重降下するもの
である。

第４図は緩速降下機構５の変形例を示し、ピストン１２
を内装し、かつ、下端が大きく開口ａしたガイド筒１１
を窓枠３の左右一方に設けると共に、そのガイド筒１１
の上部に２個のプーリー１３．１３を同軸上に設け、そ
れとは左右反対側に１個のプーリー１３を設け、これら
のプーリー１３に巻回した２本のワイヤー１４．１４に
より、下方の板状ダンパー６とピストン１２を背反昇降
自在に連結し、そして、ガイド筒１１の天壁に設けた前
記ワイヤー１４．１４の挿通孔とワイヤー１４．１４と
のクリアランスを適当に設定することにより、この挿通
孔を、前記ダンパー４の降下に伴うピストン１２の上昇
によって形成されるところの、ピストン上部側の加圧側
空間を大気に連通させる小径孔すに兼用させ、そして、
ピストン１２の降下に伴って形成されるピストン１２上
部側の減圧側空間に大気を導入するための一方向弁Ｂを
設け、もって、ダンパー６．６を緩速で降下させるよう
にしである。

以上説明したように、本考案にダンパーの構造は、ダン
パーとガイド筒内面に沿って昇降自在なピストンとを背
反昇降自在に連結し、上方への収納状態において前記ダ
ンパーの降下を阻止するストッパーを異常事態検出機構
からの情報を基にして降下阻止解除自在に設け、前記ダ
ンパーの降下に伴うピストンの上昇によって形成される
減圧側あるいは加圧側のガイド筒空間を大気に連通させ
る小径孔を設けると共に、前記ピストンの降下に伴って
形成される加圧側の空間から大気を放出させるあるいは
減圧側の空間に大気を導入させる前記小径孔よりも大な
る開口を有する一方向弁を設けであることを特徴とする
。

即ち、異常事態の検出に基いてダンパーを自重降下させ
るものでありながら、そのダンパーの降下に伴って背反
的に上昇するピストンによって、それの下部側に減圧空
間をあるいは上部側に加圧空間を形成させて、その空間
を小径の孔によって大気に連通させるだけの簡単な構造
により、ダンパーを緩速で降下させることができるよう
になり、勿論ダンパーの上昇操作も一方向弁の作用で容
易に行なわせることができるようになり、しかも、減圧
あるいは加圧の作用によってダンパーを緩速降下させる
ので、ピストン自体を軽量のものと威し得、全体として
、簡単な構造の付加によってダンパーの閉塞時における
安全性を向上できるようになった。

尚、ダンパーを複数の板状ダンパーから構成することに
よって、下方の板状ダンパーのみを軽い操作力で開くこ
とができ、例えば通路を対象にしてダンパーを設ける場
合において、避難遅れの罹災者の脱出が容易になるが、
受上げ式のダンパー構造とするも良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はスライド式窓と
ダンパーの縦断面図、第２図は緩速降下機構の縦断面図
、第３図は同横断平面図、第４図は緩速降下機構の変形
例を示す縦断面図である。 ４・・・・・・ダンパー、７・・・・・・ストッパー、
８・・・・・・異常事態検出機構、１１・・・・・・ガ
イド筒、１２・・・・・・ピストン、ａ・・・・・・開
口、ｂ・・・・・・小径孔、Ｂ・・・・・・一方向弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダンパーとガイド筒内面に沿って昇降自在なピストンと
   を背反昇降自在に連結し、上方への収納状態において前
   記ダンパーの降下を阻止するストッパーを異常事態検出
   機構からの情報を基にして降下阻止解除自在に設け、前
   記ダンパーの降下に伴うピストンの上昇によって形成さ
   れる減圧側あるいは加圧側のガイド筒空間を大気に連通
   させる小径孔を設けると共に、前記ピストンの降下に伴
   って形成される加圧側の空間から大気を放出させるある
   いは減圧側の空間に大気を導入させる前記小径孔よりも
   大なる開口を有する一方向介設けであることを特徴とす
   るダンパーの構造。