JPH1198782A - 回転電機の回転子 - Google Patents
回転電機の回転子Info
- Publication number
- JPH1198782A JPH1198782A JP25156297A JP25156297A JPH1198782A JP H1198782 A JPH1198782 A JP H1198782A JP 25156297 A JP25156297 A JP 25156297A JP 25156297 A JP25156297 A JP 25156297A JP H1198782 A JPH1198782 A JP H1198782A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil
- slot
- armature core
- layer
- insulator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
- Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 スロット絶縁体4の噛み込みを無くしてコイ
ル導体の組立不良を防止すること。また、スロット絶縁
体4を保持するための絶縁体保治具を使用することな
く、スロット絶縁体4の噛み込みを防止すること。 【解決手段】 下層側スロット絶縁体4は、全長がスロ
ット6の軸方向長さより若干長く設けられ、電機子鉄心
3の端面から突出する両端部には、四箇所の角部をそれ
ぞれ三角形状に外側へ(電機子鉄心3の端面側へ)折り
曲げた折り曲げ部4aが設けられている。なお、各折り
曲げ部4aは、長手方向の両側でそれぞれ先端部が電機
子鉄心3の端面に当接する長さに折り曲げられている。
上層側スロット絶縁体は、全長がスロット6の軸方向長
さと略等しく設けられ、その開口縁部には、上層側スロ
ット絶縁体の全長に渡って外側へ折り曲げられた逃げ部
が設けられている。
ル導体の組立不良を防止すること。また、スロット絶縁
体4を保持するための絶縁体保治具を使用することな
く、スロット絶縁体4の噛み込みを防止すること。 【解決手段】 下層側スロット絶縁体4は、全長がスロ
ット6の軸方向長さより若干長く設けられ、電機子鉄心
3の端面から突出する両端部には、四箇所の角部をそれ
ぞれ三角形状に外側へ(電機子鉄心3の端面側へ)折り
曲げた折り曲げ部4aが設けられている。なお、各折り
曲げ部4aは、長手方向の両側でそれぞれ先端部が電機
子鉄心3の端面に当接する長さに折り曲げられている。
上層側スロット絶縁体は、全長がスロット6の軸方向長
さと略等しく設けられ、その開口縁部には、上層側スロ
ット絶縁体の全長に渡って外側へ折り曲げられた逃げ部
が設けられている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機の回転
子、及びその回転子におけるコイル導体の組立方法に関
する。
子、及びその回転子におけるコイル導体の組立方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、略コの字形に形成された所定
数のコイル導体を電機子鉄心に組み立てて電機子を構成
した回転電機が知られている。この回転電機に用いられ
るコイル導体は、電機子鉄心のスロットに収容されるコ
イル辺と、コイル辺の両端からコイル辺に対して略直角
に伸びる一対のコイル端部とを有し、この一対のコイル
端部がコイル辺を中心として互いに反対側へ所定角度傾
斜した形に設けられている。従って、各コイル導体を1
本ずつ電機子鉄心に組み立てていくと、既に電機子鉄心
に組み立てられたコイル導体と、新たに組み立てようと
するコイル導体とのコイル端部同士が干渉するため、コ
イル導体の組み立てが困難となる。そこで、本出願人
は、全てのコイル導体をコイル端部同士が干渉すること
なく電機子鉄心に組み立てることのできる組立方法を出
願した(特願平9−83752号参照)。
数のコイル導体を電機子鉄心に組み立てて電機子を構成
した回転電機が知られている。この回転電機に用いられ
るコイル導体は、電機子鉄心のスロットに収容されるコ
イル辺と、コイル辺の両端からコイル辺に対して略直角
に伸びる一対のコイル端部とを有し、この一対のコイル
端部がコイル辺を中心として互いに反対側へ所定角度傾
斜した形に設けられている。従って、各コイル導体を1
本ずつ電機子鉄心に組み立てていくと、既に電機子鉄心
に組み立てられたコイル導体と、新たに組み立てようと
するコイル導体とのコイル端部同士が干渉するため、コ
イル導体の組み立てが困難となる。そこで、本出願人
は、全てのコイル導体をコイル端部同士が干渉すること
なく電機子鉄心に組み立てることのできる組立方法を出
願した(特願平9−83752号参照)。
【0003】この組立方法は、図11に示す様に、電機
子鉄心3に組み立てようとするコイル導体8を電機子鉄
心3の径方向外周に配置した後、電機子鉄心3のスロッ
ト6に対してコイル導体8のコイル辺8aを所定角度だ
けコイル端部8bの傾斜方向と反対方向に回転させる
(図11はコイル導体8を回転させた状態を示す)。そ
の状態を維持したまま電機子鉄心3の外周面近傍までコ
イル導体8を下降させる。その後、図12に示す様に、
コイル導体8を上記の回転動作と反対側へ回転させて、
コイル辺8aがスロット6と平行になる位置(コイル辺
8aをスロット6に挿入可能な姿勢)へ戻し、そのまま
コイル辺8aをスロット6内に挿入する。この一連の動
作を繰り返すことにより、全てのコイル導体8をコイル
端部8b同士が干渉することなく電機子鉄心3に組み立
てることができる。なお、コイル導体は、図6に示す様
に、スロット6内の底部(内周側)にコイル辺8aが収
容される下層コイル導体8と、スロット6内でコイル辺
8aの外側にコイル辺9aが収容される上層コイル導体
9と有し、下層コイル導体8のコイル辺8aは、下層側
スロット絶縁体4によって電機子鉄心3から絶縁され、
上層コイル導体9のコイル辺9aは、上層側スロット絶
縁体5によって電機子鉄心3と下層コイル導体8のコイ
ル辺8aとから絶縁されている。
子鉄心3に組み立てようとするコイル導体8を電機子鉄
心3の径方向外周に配置した後、電機子鉄心3のスロッ
ト6に対してコイル導体8のコイル辺8aを所定角度だ
けコイル端部8bの傾斜方向と反対方向に回転させる
(図11はコイル導体8を回転させた状態を示す)。そ
の状態を維持したまま電機子鉄心3の外周面近傍までコ
イル導体8を下降させる。その後、図12に示す様に、
コイル導体8を上記の回転動作と反対側へ回転させて、
コイル辺8aがスロット6と平行になる位置(コイル辺
8aをスロット6に挿入可能な姿勢)へ戻し、そのまま
コイル辺8aをスロット6内に挿入する。この一連の動
作を繰り返すことにより、全てのコイル導体8をコイル
端部8b同士が干渉することなく電機子鉄心3に組み立
てることができる。なお、コイル導体は、図6に示す様
に、スロット6内の底部(内周側)にコイル辺8aが収
容される下層コイル導体8と、スロット6内でコイル辺
8aの外側にコイル辺9aが収容される上層コイル導体
9と有し、下層コイル導体8のコイル辺8aは、下層側
スロット絶縁体4によって電機子鉄心3から絶縁され、
上層コイル導体9のコイル辺9aは、上層側スロット絶
縁体5によって電機子鉄心3と下層コイル導体8のコイ
ル辺8aとから絶縁されている。
【0004】また、予めコイル導体のコイル辺とスロッ
ト絶縁体とを組み合わせて、両者を一体にスロット内に
挿入する方法がある(特願平7−326983号参
照)。この方法は、図17に示す様に、先ず下層コイル
導体8のコイル辺8aに下層側スロット絶縁体4を組み
合わせて両者を一体にスロット6内へ挿入した後、図示
しない絶縁体保治具により下層側スロット絶縁体4が内
側に倒れ込まない様に保持する。続いて、上層コイル導
体9のコイル辺9aに上層側スロット絶縁体5を組み合
わせて両者を一体にスロット6内に挿入する。
ト絶縁体とを組み合わせて、両者を一体にスロット内に
挿入する方法がある(特願平7−326983号参
照)。この方法は、図17に示す様に、先ず下層コイル
導体8のコイル辺8aに下層側スロット絶縁体4を組み
合わせて両者を一体にスロット6内へ挿入した後、図示
しない絶縁体保治具により下層側スロット絶縁体4が内
側に倒れ込まない様に保持する。続いて、上層コイル導
体9のコイル辺9aに上層側スロット絶縁体5を組み合
わせて両者を一体にスロット6内に挿入する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、コイル導体
に回転動作を加えて組み立てる方法の場合、以下の問題
があった。スロット6内に収容されている下層側スロッ
ト絶縁体4は、その全長がスロット6の軸方向長さより
若干長く形成されているため、図2に示す様に、下層側
スロット絶縁体4の両端部が電機子鉄心3の端面より若
干はみ出している。このため、下層コイル導体8を電機
子鉄心3側へ下降する際に、図18(a)、(b)に示
す様に、電機子鉄心3の端面よりはみ出ている下層側ス
ロット絶縁体4の両端角部に下層コイル導体8のコイル
端部8bが干渉して下層側スロット絶縁体4を巻き込む
ことにより、下層コイル導体8の組立不良が生じる。ま
た、上層コイル導体9を電機子鉄心3に組み立てる時に
は、上層コイル導体9のコイル辺9aをスロット6内に
挿入する際に、スロット6内に収容されている上層側ス
ロット絶縁体5の開口部が内側に変形していると、図1
9(a)、(b)に示す様に、その変形部をコイル辺9
aが引っ掛けて上層側スロット絶縁体5を巻き込むこと
により、上層コイル導体9の組立不良が生じる。
に回転動作を加えて組み立てる方法の場合、以下の問題
があった。スロット6内に収容されている下層側スロッ
ト絶縁体4は、その全長がスロット6の軸方向長さより
若干長く形成されているため、図2に示す様に、下層側
スロット絶縁体4の両端部が電機子鉄心3の端面より若
干はみ出している。このため、下層コイル導体8を電機
子鉄心3側へ下降する際に、図18(a)、(b)に示
す様に、電機子鉄心3の端面よりはみ出ている下層側ス
ロット絶縁体4の両端角部に下層コイル導体8のコイル
端部8bが干渉して下層側スロット絶縁体4を巻き込む
ことにより、下層コイル導体8の組立不良が生じる。ま
た、上層コイル導体9を電機子鉄心3に組み立てる時に
は、上層コイル導体9のコイル辺9aをスロット6内に
挿入する際に、スロット6内に収容されている上層側ス
ロット絶縁体5の開口部が内側に変形していると、図1
9(a)、(b)に示す様に、その変形部をコイル辺9
aが引っ掛けて上層側スロット絶縁体5を巻き込むこと
により、上層コイル導体9の組立不良が生じる。
【0006】一方、予めコイル導体のコイル辺とスロッ
ト絶縁体とを組み合わせて、両者を一体にスロット内に
挿入する方法の場合は、スロット6内に収容された下層
側スロット絶縁体4を保持するための絶縁体保治具がス
ロット6毎に必要となるため、治具費用が多大となり、
且つ組立時間も長くなる。また、下層側スロット絶縁体
4が薄く柔らかい材質で作られていると、絶縁体保治具
により容易に変形したり破れたりする恐れがある。更
に、絶縁体保治具にて下層側スロット絶縁体4を保持す
る前に、下層側スロット絶縁体4の両側面がスロット6
内の内側へ倒れ込んだ場合、絶縁体保治具により下層側
スロット絶縁体4を噛み込んでしまう恐れがあった。本
発明は、上記事情に基づいて成されたもので、第1の目
的は、スロット絶縁体の噛み込みを無くしてコイル導体
の組立不良を防止することである。第2の目的は、スロ
ット絶縁体を保持するための絶縁体保治具を使用するこ
となく、スロット絶縁体の噛み込みを防止することであ
る。
ト絶縁体とを組み合わせて、両者を一体にスロット内に
挿入する方法の場合は、スロット6内に収容された下層
側スロット絶縁体4を保持するための絶縁体保治具がス
ロット6毎に必要となるため、治具費用が多大となり、
且つ組立時間も長くなる。また、下層側スロット絶縁体
4が薄く柔らかい材質で作られていると、絶縁体保治具
により容易に変形したり破れたりする恐れがある。更
に、絶縁体保治具にて下層側スロット絶縁体4を保持す
る前に、下層側スロット絶縁体4の両側面がスロット6
内の内側へ倒れ込んだ場合、絶縁体保治具により下層側
スロット絶縁体4を噛み込んでしまう恐れがあった。本
発明は、上記事情に基づいて成されたもので、第1の目
的は、スロット絶縁体の噛み込みを無くしてコイル導体
の組立不良を防止することである。第2の目的は、スロ
ット絶縁体を保持するための絶縁体保治具を使用するこ
となく、スロット絶縁体の噛み込みを防止することであ
る。
【0007】
(請求項1及び2の手段)電機子鉄心のスロット内に組
み込まれるスロット絶縁体は、スロットの軸方向長さ
(つまり電機子鉄心の軸方向長さ)より若干長く設けら
れ、電機子鉄心の端面より軸方向に突出する両端部の少
なくとも対角位置にある二箇所の角部に任意の形状で電
機子鉄心の端面側へ折り曲げた折り曲げ部を有してい
る。これにより、コイル導体を所定角度回転させた状態
で電機子鉄心の外周面近傍まで移動する際に、電機子鉄
心の端面より突出するスロット絶縁体の端部にコイル端
部が干渉するのを回避でき、スロット絶縁体の巻き込み
を防止できる。
み込まれるスロット絶縁体は、スロットの軸方向長さ
(つまり電機子鉄心の軸方向長さ)より若干長く設けら
れ、電機子鉄心の端面より軸方向に突出する両端部の少
なくとも対角位置にある二箇所の角部に任意の形状で電
機子鉄心の端面側へ折り曲げた折り曲げ部を有してい
る。これにより、コイル導体を所定角度回転させた状態
で電機子鉄心の外周面近傍まで移動する際に、電機子鉄
心の端面より突出するスロット絶縁体の端部にコイル端
部が干渉するのを回避でき、スロット絶縁体の巻き込み
を防止できる。
【0008】(請求項3の手段)スロット絶縁体は、折
り曲げ部が電機子鉄心の軸方向両端面に当接することに
より、スロットに対して軸方向に位置決めされている。
この場合、スロット絶縁体がスロットの長手方向に位置
ずれしないため、コイル導体を電機子鉄心に組み立てる
際に、スロットに対するスロット絶縁体の位置を修正す
る必要がなく、コイル導体の組み立てを容易に行うこと
ができる。
り曲げ部が電機子鉄心の軸方向両端面に当接することに
より、スロットに対して軸方向に位置決めされている。
この場合、スロット絶縁体がスロットの長手方向に位置
ずれしないため、コイル導体を電機子鉄心に組み立てる
際に、スロットに対するスロット絶縁体の位置を修正す
る必要がなく、コイル導体の組み立てを容易に行うこと
ができる。
【0009】(請求項4の手段)下層側スロット絶縁体
と上層側スロット絶縁体の少なくとも一方は、コイル辺
をスロット内に挿入する時のコイル辺との干渉を防止す
る逃げ部がスロット絶縁体の開口縁部に設けられてい
る。これにより、コイル導体を所定角度回転させた状態
で電機子鉄心の外周面近傍まで移動した後、コイル導体
と電機子鉄心との相対位置を修正してからコイル辺をス
ロット絶縁体の内側へ挿入する際に、コイル辺がスロッ
ト絶縁体の開口縁部に干渉することなく、スムーズに挿
入することができる。
と上層側スロット絶縁体の少なくとも一方は、コイル辺
をスロット内に挿入する時のコイル辺との干渉を防止す
る逃げ部がスロット絶縁体の開口縁部に設けられてい
る。これにより、コイル導体を所定角度回転させた状態
で電機子鉄心の外周面近傍まで移動した後、コイル導体
と電機子鉄心との相対位置を修正してからコイル辺をス
ロット絶縁体の内側へ挿入する際に、コイル辺がスロッ
ト絶縁体の開口縁部に干渉することなく、スムーズに挿
入することができる。
【0010】(請求項5の手段)スロット絶縁体は、開
口縁部が外側へ開く様に整形されている。この場合、ス
ロット絶縁体をスロット内に組み込んだ後、コイル辺を
スロット内へ挿入する際に、コイル辺がスロット絶縁体
の開口縁部に干渉するのを防止できる。その結果、コイ
ル辺の挿入時にスロット絶縁体の噛み込みを防ぐことが
できるため、コイル辺の挿入不良を防止できる。また、
本発明では、スロット絶縁体を保持するための絶縁体保
治具を必要としないため、コストを低減でき、且つコイ
ル導体の組立時間を短縮できる。
口縁部が外側へ開く様に整形されている。この場合、ス
ロット絶縁体をスロット内に組み込んだ後、コイル辺を
スロット内へ挿入する際に、コイル辺がスロット絶縁体
の開口縁部に干渉するのを防止できる。その結果、コイ
ル辺の挿入時にスロット絶縁体の噛み込みを防ぐことが
できるため、コイル辺の挿入不良を防止できる。また、
本発明では、スロット絶縁体を保持するための絶縁体保
治具を必要としないため、コストを低減でき、且つコイ
ル導体の組立時間を短縮できる。
【0011】(請求項6の手段)下層側スロット絶縁体
の開口部の内側最小寸法より上層側スロット絶縁体の底
部外側寸法の方が小さく設けられている。この場合、下
層コイル導体を電機子鉄心に組み立てた後、上層側スロ
ット絶縁体をスロット内に挿入する際に、その上層側ス
ロット絶縁体によって下層側スロット絶縁体の開口部を
噛み込むのを防止できる。なお、本発明は、下層コイル
導体を電機子鉄心に組み立てた後、上層側スロット絶縁
体をスロット内に挿入してから上層コイル導体を電機子
鉄心に組み立てる組立方法に適用しても良いし、予め上
層側スロット絶縁体に上層コイル導体のコイル辺を組み
合わせた状態で、上層側スロット絶縁体とコイル辺とを
一度にスロット内に挿入する組立方法に適用することも
できる。
の開口部の内側最小寸法より上層側スロット絶縁体の底
部外側寸法の方が小さく設けられている。この場合、下
層コイル導体を電機子鉄心に組み立てた後、上層側スロ
ット絶縁体をスロット内に挿入する際に、その上層側ス
ロット絶縁体によって下層側スロット絶縁体の開口部を
噛み込むのを防止できる。なお、本発明は、下層コイル
導体を電機子鉄心に組み立てた後、上層側スロット絶縁
体をスロット内に挿入してから上層コイル導体を電機子
鉄心に組み立てる組立方法に適用しても良いし、予め上
層側スロット絶縁体に上層コイル導体のコイル辺を組み
合わせた状態で、上層側スロット絶縁体とコイル辺とを
一度にスロット内に挿入する組立方法に適用することも
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。 (第1実施例)図1(a)は下層側スロット絶縁体の展
開図、(b)は斜視図である。本実施例は、例えば、図
5に示す様なスタータモータのアーマチャ1(回転子)
に適用される。アーマチャ1は、回転軸2、電機子鉄心
3、電機子コイル(下述する)、及びスロット絶縁体
4、5(図6参照)等から構成されている。
づいて説明する。 (第1実施例)図1(a)は下層側スロット絶縁体の展
開図、(b)は斜視図である。本実施例は、例えば、図
5に示す様なスタータモータのアーマチャ1(回転子)
に適用される。アーマチャ1は、回転軸2、電機子鉄心
3、電機子コイル(下述する)、及びスロット絶縁体
4、5(図6参照)等から構成されている。
【0013】電機子鉄心3は、プレスマシン等で円板状
に形成された薄い鋼板を複数枚重ね合わせて構成され、
回転軸2の外周に形成されたセレーション2aに嵌合し
て回転軸2と一体に回転可能に設けられている。電機子
鉄心3の外周部には、所定数(例えば25個)のスロッ
ト6(図7参照)がそれぞれ軸方向に沿って凹設され、
各スロット6が電機子鉄心3の周方向に等ピッチに設け
られている。また、電機子鉄心3の軸方向端面には、図
7に示す様に、電機子鉄心3を軸方向に貫通する長孔7
が開口している。この長孔7は、円弧状に形成されて、
電機子鉄心3の周方向に3か所設けられている。なお、
以下の説明では、回転軸2に電機子鉄心3を固定したも
のをロータRと呼ぶ。
に形成された薄い鋼板を複数枚重ね合わせて構成され、
回転軸2の外周に形成されたセレーション2aに嵌合し
て回転軸2と一体に回転可能に設けられている。電機子
鉄心3の外周部には、所定数(例えば25個)のスロッ
ト6(図7参照)がそれぞれ軸方向に沿って凹設され、
各スロット6が電機子鉄心3の周方向に等ピッチに設け
られている。また、電機子鉄心3の軸方向端面には、図
7に示す様に、電機子鉄心3を軸方向に貫通する長孔7
が開口している。この長孔7は、円弧状に形成されて、
電機子鉄心3の周方向に3か所設けられている。なお、
以下の説明では、回転軸2に電機子鉄心3を固定したも
のをロータRと呼ぶ。
【0014】電機子コイルは、それぞれスロット6の数
と同数の下層コイル導体8と上層コイル導体9から成
り、以下に述べるコイル組立装置10(図9参照)によ
り電機子鉄心3に組み立てられる。その下層コイル導体
8と上層コイル導体9は、電気抵抗の低い純銅または純
アルミニウムを材料として、それぞれ以下に述べる所定
の形状に整形されている。下層コイル導体8は、図8に
示す様に、スロット6内に挿入される直線状のコイル辺
8aと、このコイル辺8aの両端からコイル辺8aに対
して略直角に伸びる一組のコイル端部8bと、各コイル
端部8bの先端から略直角にコイル辺8aと反対側へ伸
びる一組のコイル突出部8cとから成り、側方から見た
形状が略コの字形に設けられている(図8(a)参
照)。但し、一組のコイル端部8bは、図8(b)に示
す様に、コイル辺8aを中心として互いに反対側へ所定
角度傾斜して設けられている。
と同数の下層コイル導体8と上層コイル導体9から成
り、以下に述べるコイル組立装置10(図9参照)によ
り電機子鉄心3に組み立てられる。その下層コイル導体
8と上層コイル導体9は、電気抵抗の低い純銅または純
アルミニウムを材料として、それぞれ以下に述べる所定
の形状に整形されている。下層コイル導体8は、図8に
示す様に、スロット6内に挿入される直線状のコイル辺
8aと、このコイル辺8aの両端からコイル辺8aに対
して略直角に伸びる一組のコイル端部8bと、各コイル
端部8bの先端から略直角にコイル辺8aと反対側へ伸
びる一組のコイル突出部8cとから成り、側方から見た
形状が略コの字形に設けられている(図8(a)参
照)。但し、一組のコイル端部8bは、図8(b)に示
す様に、コイル辺8aを中心として互いに反対側へ所定
角度傾斜して設けられている。
【0015】上層コイル導体9は、スロット6内で下層
コイル導体8のコイル辺8aより外周側に挿入される直
線状のコイル辺9aと、このコイル辺9aの両端からコ
イル辺9aに対して略直角に伸びる一組のコイル端部9
bと、各コイル端部9bの先端から略直角にコイル辺9
aと反対側へ伸びる一組のコイル突出部9cとから成
り、側方から見た形状が略コの字形に設けられている。
但し、一組のコイル端部9bは、コイル辺9aを中心と
して互いに反対側へ所定角度傾斜して設けられている。
なお、上層コイル導体9の全体形状は、図8に示した下
層コイル導体8と略同じである。
コイル導体8のコイル辺8aより外周側に挿入される直
線状のコイル辺9aと、このコイル辺9aの両端からコ
イル辺9aに対して略直角に伸びる一組のコイル端部9
bと、各コイル端部9bの先端から略直角にコイル辺9
aと反対側へ伸びる一組のコイル突出部9cとから成
り、側方から見た形状が略コの字形に設けられている。
但し、一組のコイル端部9bは、コイル辺9aを中心と
して互いに反対側へ所定角度傾斜して設けられている。
なお、上層コイル導体9の全体形状は、図8に示した下
層コイル導体8と略同じである。
【0016】スロット絶縁体4、5は、それぞれスロッ
ト6の数と同数の下層側スロット絶縁体4と上層側スロ
ット絶縁体5とから成る。下層側スロット絶縁体4は、
図6に示す様に、下層コイル導体8のコイル辺8aより
先にスロット6内に組み込まれて、コイル辺8aと電機
子鉄心3(スロット6の内壁面)との間を絶縁するもの
で、例えば絶縁紙や樹脂製の薄板を断面コの字形に折り
曲げて形成されている。この下層側スロット絶縁体4
は、図2に示す様に、その全長がスロット6の軸方向長
さ(電機子鉄心3の軸方向長さ)より若干長く設けら
れ、電機子鉄心3の端面から突出する両端部には、図1
に示す様に、四箇所の角部をそれぞれ三角形状に外側へ
(電機子鉄心3の端面側へ)折り曲げた折り曲げ部4a
が設けられている。なお、各折り曲げ部4aは、図3に
示す様に、長手方向の両側でそれぞれ先端部が電機子鉄
心3の端面に当接する長さに折り曲げられている。
ト6の数と同数の下層側スロット絶縁体4と上層側スロ
ット絶縁体5とから成る。下層側スロット絶縁体4は、
図6に示す様に、下層コイル導体8のコイル辺8aより
先にスロット6内に組み込まれて、コイル辺8aと電機
子鉄心3(スロット6の内壁面)との間を絶縁するもの
で、例えば絶縁紙や樹脂製の薄板を断面コの字形に折り
曲げて形成されている。この下層側スロット絶縁体4
は、図2に示す様に、その全長がスロット6の軸方向長
さ(電機子鉄心3の軸方向長さ)より若干長く設けら
れ、電機子鉄心3の端面から突出する両端部には、図1
に示す様に、四箇所の角部をそれぞれ三角形状に外側へ
(電機子鉄心3の端面側へ)折り曲げた折り曲げ部4a
が設けられている。なお、各折り曲げ部4aは、図3に
示す様に、長手方向の両側でそれぞれ先端部が電機子鉄
心3の端面に当接する長さに折り曲げられている。
【0017】上層側スロット絶縁体5は、図6に示す様
に、既に下層コイル導体8のコイル辺8aが挿入されて
いるスロット6内で上層コイル導体9のコイル辺9aよ
り先にスロット6内に組み込まれ、コイル辺9aと電機
子鉄心3(スロット6の内壁面)との間、及びコイル辺
9aと下層コイル導体8のコイル辺8aとの間を絶縁す
るもので、例えば絶縁紙を断面コの字形に折り曲げて形
成されている。この上層側スロット絶縁体5は、その全
長がスロット6の軸方向長さと略等しく設けられ、その
開口縁部には、図4に示す様に、上層側スロット絶縁体
5の全長に渡って外側へ折り曲げられた逃げ部5aが設
けられている。
に、既に下層コイル導体8のコイル辺8aが挿入されて
いるスロット6内で上層コイル導体9のコイル辺9aよ
り先にスロット6内に組み込まれ、コイル辺9aと電機
子鉄心3(スロット6の内壁面)との間、及びコイル辺
9aと下層コイル導体8のコイル辺8aとの間を絶縁す
るもので、例えば絶縁紙を断面コの字形に折り曲げて形
成されている。この上層側スロット絶縁体5は、その全
長がスロット6の軸方向長さと略等しく設けられ、その
開口縁部には、図4に示す様に、上層側スロット絶縁体
5の全長に渡って外側へ折り曲げられた逃げ部5aが設
けられている。
【0018】(コイル組立装置10の説明)コイル組立
装置10は、図9に示す様に、各コイル導体8、9を把
持するチャック部11、このチャック部11に所定の動
作を付与するアクチュエータ(図示しない)、ロータR
を支持するロータ受け部12、回転動力を発生する電動
機13等から構成されている。チャック部11は、固定
部材11aの両側に弾性部材11b(例えば板バネ)が
取り付けられ、その両弾性部材11bで各コイル導体
8、9の両側(コイル端部8b、9bの外側面)を押さ
えて各コイル導体8、9を把持している。なお、弾性部
材11bには、各コイル導体8、9を所定の姿勢で把持
できる様に、各コイル導体8、9の位置決め手段(例え
ばコイル端部8b、9bが嵌まり込む嵌合溝/図示しな
い)が設けられている。
装置10は、図9に示す様に、各コイル導体8、9を把
持するチャック部11、このチャック部11に所定の動
作を付与するアクチュエータ(図示しない)、ロータR
を支持するロータ受け部12、回転動力を発生する電動
機13等から構成されている。チャック部11は、固定
部材11aの両側に弾性部材11b(例えば板バネ)が
取り付けられ、その両弾性部材11bで各コイル導体
8、9の両側(コイル端部8b、9bの外側面)を押さ
えて各コイル導体8、9を把持している。なお、弾性部
材11bには、各コイル導体8、9を所定の姿勢で把持
できる様に、各コイル導体8、9の位置決め手段(例え
ばコイル端部8b、9bが嵌まり込む嵌合溝/図示しな
い)が設けられている。
【0019】アクチュエータは、固定部材11aに連結
された作動軸11cを通じてチャック部11に所定の動
作を付与する。この「所定の動作」とは、作動軸11c
を中心として回転する「回転動作」、作動軸11cの軸
方向に上下移動する「上下動作」、及び作動軸11cの
アクチュエータ側の端部(図示しない)を支点として揺
動する「揺動動作」である。ロータ受け部12は、一定
の間隔を保って直立する2つの直立壁面12a、12b
を具備したベース部12Aと、回転軸2の一端面を支持
する支持ピン12Bと、回転軸2の他端面を支持する回
転シャフト12Cとを備え、支持ピン12Bと回転シャ
フト12CによってロータRを回転自在に支持してい
る。支持ピン12Bは、ベース部12Aの一方の直立壁
面12aに軸受(図示しない)を介して回転自在に支持
されている。回転シャフト12Cは、ベース部12Aの
他方の直立壁面12bに軸受(図示しない)を介して回
転自在に支持され、電動機13の回転動力が伝達されて
回転する。
された作動軸11cを通じてチャック部11に所定の動
作を付与する。この「所定の動作」とは、作動軸11c
を中心として回転する「回転動作」、作動軸11cの軸
方向に上下移動する「上下動作」、及び作動軸11cの
アクチュエータ側の端部(図示しない)を支点として揺
動する「揺動動作」である。ロータ受け部12は、一定
の間隔を保って直立する2つの直立壁面12a、12b
を具備したベース部12Aと、回転軸2の一端面を支持
する支持ピン12Bと、回転軸2の他端面を支持する回
転シャフト12Cとを備え、支持ピン12Bと回転シャ
フト12CによってロータRを回転自在に支持してい
る。支持ピン12Bは、ベース部12Aの一方の直立壁
面12aに軸受(図示しない)を介して回転自在に支持
されている。回転シャフト12Cは、ベース部12Aの
他方の直立壁面12bに軸受(図示しない)を介して回
転自在に支持され、電動機13の回転動力が伝達されて
回転する。
【0020】電動機13は、回転シャフト12Cと駆動
ピン14を通じてロータRに回転力を付与する。但し、
この電動機13は、回転角度を微小制御できる例えばサ
ーボモータであり、駆動ピン14を介してロータRを所
定の回転位置に位置決めすることができる。駆動ピン1
4は、一端が回転シャフト12Cに連結された連結部材
15に固定され、他端が電機子鉄心3の端面に開口する
長孔7に差し込まれている。この駆動ピン14は、電機
子鉄心3の各長孔7にそれぞれ1本ずつ合計3本設けら
れ、連結部材15とともに回転シャフト12Cと一体に
回転する。
ピン14を通じてロータRに回転力を付与する。但し、
この電動機13は、回転角度を微小制御できる例えばサ
ーボモータであり、駆動ピン14を介してロータRを所
定の回転位置に位置決めすることができる。駆動ピン1
4は、一端が回転シャフト12Cに連結された連結部材
15に固定され、他端が電機子鉄心3の端面に開口する
長孔7に差し込まれている。この駆動ピン14は、電機
子鉄心3の各長孔7にそれぞれ1本ずつ合計3本設けら
れ、連結部材15とともに回転シャフト12Cと一体に
回転する。
【0021】次に、コイル組立装置10により下層コイ
ル導体8を電機子鉄心3に組み立てる工程について説明
する。まず、下層コイル導体8を電機子鉄心3に組み立
てる前に、電機子鉄心3の各スロット6に下層側スロッ
ト絶縁体4が1個ずつ手動(または自動)によって挿入
される。この下層側スロット絶縁体4は、予め図1に示
した形状に整形されている。その後、回転軸2の両端面
をロータ受け部12の支持ピン12Bと回転シャフト1
2Cで支持する。この時、電機子鉄心3の端面に開口す
る長孔7に駆動ピン14が差し込まれ、その駆動ピン1
4を介してロータRを回転方向に位置決めする。
ル導体8を電機子鉄心3に組み立てる工程について説明
する。まず、下層コイル導体8を電機子鉄心3に組み立
てる前に、電機子鉄心3の各スロット6に下層側スロッ
ト絶縁体4が1個ずつ手動(または自動)によって挿入
される。この下層側スロット絶縁体4は、予め図1に示
した形状に整形されている。その後、回転軸2の両端面
をロータ受け部12の支持ピン12Bと回転シャフト1
2Cで支持する。この時、電機子鉄心3の端面に開口す
る長孔7に駆動ピン14が差し込まれ、その駆動ピン1
4を介してロータRを回転方向に位置決めする。
【0022】つぎに、任意な位置から1本目の下層コイ
ル導体8をチャック部11で把持して取り出し、ロータ
受け部12に支持された電機子鉄心3の径方向上方に移
動する(図9に示す状態)。この時、下層コイル導体8
は、コイル辺8aが電機子鉄心3のスロット6に対し平
行な姿勢に位置決めされている。また、ロータRは、1
つのスロット6が電機子鉄心3の最上部に位置する様に
駆動ピン14を介して位置決めされている。続いて、作
動軸11cの軸方向に沿ってチャック部11を下方へ移
動させ、チャック部11に把持された下層コイル導体8
を下降させて電機子鉄心3の最上部に位置するスロット
6内にコイル辺8aを挿入する。これにより、1本目の
下層コイル導体8の電機子鉄心3への組み立てが終了す
る。
ル導体8をチャック部11で把持して取り出し、ロータ
受け部12に支持された電機子鉄心3の径方向上方に移
動する(図9に示す状態)。この時、下層コイル導体8
は、コイル辺8aが電機子鉄心3のスロット6に対し平
行な姿勢に位置決めされている。また、ロータRは、1
つのスロット6が電機子鉄心3の最上部に位置する様に
駆動ピン14を介して位置決めされている。続いて、作
動軸11cの軸方向に沿ってチャック部11を下方へ移
動させ、チャック部11に把持された下層コイル導体8
を下降させて電機子鉄心3の最上部に位置するスロット
6内にコイル辺8aを挿入する。これにより、1本目の
下層コイル導体8の電機子鉄心3への組み立てが終了す
る。
【0023】続いて、1本目と同様に、任意な位置から
2本目の下層コイル導体8をチャック部11で把持して
取り出し、ロータ受け部12に支持された電機子鉄心3
の径方向上方に移動する。一方、ロータRは、1本目の
下層コイル導体8の組み立てが終了した後、チャック部
11により2本目の下層コイル導体8が電機子鉄心3の
径方向上方へ移動するまでの間に、次のスロット6が電
機子鉄心3の最上部へ移動する様に1スロット分だけ回
転して位置決めされている(この電機子鉄心3の位置決
め動作は、3本目の下層コイル導体8以降も同様に行わ
れる)。
2本目の下層コイル導体8をチャック部11で把持して
取り出し、ロータ受け部12に支持された電機子鉄心3
の径方向上方に移動する。一方、ロータRは、1本目の
下層コイル導体8の組み立てが終了した後、チャック部
11により2本目の下層コイル導体8が電機子鉄心3の
径方向上方へ移動するまでの間に、次のスロット6が電
機子鉄心3の最上部へ移動する様に1スロット分だけ回
転して位置決めされている(この電機子鉄心3の位置決
め動作は、3本目の下層コイル導体8以降も同様に行わ
れる)。
【0024】このまま、1本目の下層コイル導体8と同
様に2本目の下層コイル導体8を下降させると、一組の
コイル端部8bがコイル辺8aに対して互いに反対側へ
傾斜しているため、1本目の下層コイル導体8のコイル
端部8bと2本目の下層コイル導体8のコイル端部8b
とが干渉して組立不能となる。そこで、コイル端部8b
同士の干渉を防ぐために、作動軸11cを中心とする回
転動作をチャック部11に付与して下層コイル導体8を
任意の角度分だけ回転させる。即ち、コイル辺8aを回
転軸2と平行に保ったまま、図10に示す様に、回転軸
2に対しコイル辺8aをコイル端部8bの傾斜方向と反
対側(図10の矢印で示す方向)へ所定角度だけ回転さ
せる。
様に2本目の下層コイル導体8を下降させると、一組の
コイル端部8bがコイル辺8aに対して互いに反対側へ
傾斜しているため、1本目の下層コイル導体8のコイル
端部8bと2本目の下層コイル導体8のコイル端部8b
とが干渉して組立不能となる。そこで、コイル端部8b
同士の干渉を防ぐために、作動軸11cを中心とする回
転動作をチャック部11に付与して下層コイル導体8を
任意の角度分だけ回転させる。即ち、コイル辺8aを回
転軸2と平行に保ったまま、図10に示す様に、回転軸
2に対しコイル辺8aをコイル端部8bの傾斜方向と反
対側(図10の矢印で示す方向)へ所定角度だけ回転さ
せる。
【0025】続いて、図11に示す様に、上記姿勢(下
層コイル導体8を回転させた姿勢)を保ったまま、作動
軸11cの軸方向に沿ってチャック部11を下方へ移動
させ、チャック部11に把持された下層コイル導体8を
電機子鉄心3の外周面近傍まで下降させる。その後、図
12に示す様に、上記の回転動作と反対側へチャック部
11を回転させて、上記の回転動作を付与する前の姿勢
(コイル辺8aをスロット6内へ挿入可能な姿勢)に戻
す。なお、図11及び図12は5本目の下層コイル導体
8を組み立てる過程を示しているが、2本目以降全て同
じである。
層コイル導体8を回転させた姿勢)を保ったまま、作動
軸11cの軸方向に沿ってチャック部11を下方へ移動
させ、チャック部11に把持された下層コイル導体8を
電機子鉄心3の外周面近傍まで下降させる。その後、図
12に示す様に、上記の回転動作と反対側へチャック部
11を回転させて、上記の回転動作を付与する前の姿勢
(コイル辺8aをスロット6内へ挿入可能な姿勢)に戻
す。なお、図11及び図12は5本目の下層コイル導体
8を組み立てる過程を示しているが、2本目以降全て同
じである。
【0026】続いて、作動軸11cの軸方向に沿ってチ
ャック部11を下方へ移動させて、チャック部11に把
持された下層コイル導体8を下降させ、電機子鉄心3の
最上部に位置するスロット6内にコイル辺8aを挿入す
る。これにより、2本目の下層コイル導体8の電機子鉄
心3への組み立てが終了する。以後、3本目からも2本
目と同様の工程を繰り返して順次電機子鉄心3へ組み立
てていく。上層コイル導体9は、全ての下層コイル導体
8を電機子鉄心3に組み立てた後、予め図4に示す形状
に整形された上層側スロット絶縁体5をスロット6内
(下層コイル導体8のコイル辺8aの上部)に挿入し、
上記のコイル組立装置10により下層コイル導体8と同
様の工程を経て電機子鉄心3に組み立てられる。
ャック部11を下方へ移動させて、チャック部11に把
持された下層コイル導体8を下降させ、電機子鉄心3の
最上部に位置するスロット6内にコイル辺8aを挿入す
る。これにより、2本目の下層コイル導体8の電機子鉄
心3への組み立てが終了する。以後、3本目からも2本
目と同様の工程を繰り返して順次電機子鉄心3へ組み立
てていく。上層コイル導体9は、全ての下層コイル導体
8を電機子鉄心3に組み立てた後、予め図4に示す形状
に整形された上層側スロット絶縁体5をスロット6内
(下層コイル導体8のコイル辺8aの上部)に挿入し、
上記のコイル組立装置10により下層コイル導体8と同
様の工程を経て電機子鉄心3に組み立てられる。
【0027】(第1実施例の効果)本実施例では、下層
側スロット絶縁体4の両端角部にそれぞれ折り曲げ部4
aを設けているため、電機子鉄心3に対して下層コイル
導体8を所定角度回転させた状態で電機子鉄心3の外周
面近傍まで下降する際に、電機子鉄心3の端面より突出
する下層側スロット絶縁体4の端部にコイル端部8bが
干渉するのを回避できる。これにより、下層側スロット
絶縁体4の巻き込みを防ぐことができ、下層コイル導体
8の電機子鉄心3への組立不良(コイル辺8aのスロッ
ト6内への挿入不良)を防止できる。また、下層側スロ
ット絶縁体4は、スロット6内に挿入された状態で、各
折り曲げ部4aの先端部が電機子鉄心3の端面に当接す
ることにより(図3参照)、スロット6に対する軸方向
の位置決め機能を持たせることができる。この場合、下
層コイル導体8を電機子鉄心3に組み立てる際に、スロ
ット6に対する下層側スロット絶縁体4の位置を修正す
る必要がない。あるいは別の位置決め手段によって下層
側スロット絶縁体4を位置決めしておく必要がない。こ
れにより、下層コイル導体8の組立工程を簡略化できる
メリットが生じる。
側スロット絶縁体4の両端角部にそれぞれ折り曲げ部4
aを設けているため、電機子鉄心3に対して下層コイル
導体8を所定角度回転させた状態で電機子鉄心3の外周
面近傍まで下降する際に、電機子鉄心3の端面より突出
する下層側スロット絶縁体4の端部にコイル端部8bが
干渉するのを回避できる。これにより、下層側スロット
絶縁体4の巻き込みを防ぐことができ、下層コイル導体
8の電機子鉄心3への組立不良(コイル辺8aのスロッ
ト6内への挿入不良)を防止できる。また、下層側スロ
ット絶縁体4は、スロット6内に挿入された状態で、各
折り曲げ部4aの先端部が電機子鉄心3の端面に当接す
ることにより(図3参照)、スロット6に対する軸方向
の位置決め機能を持たせることができる。この場合、下
層コイル導体8を電機子鉄心3に組み立てる際に、スロ
ット6に対する下層側スロット絶縁体4の位置を修正す
る必要がない。あるいは別の位置決め手段によって下層
側スロット絶縁体4を位置決めしておく必要がない。こ
れにより、下層コイル導体8の組立工程を簡略化できる
メリットが生じる。
【0028】更に、図4に示した様に、上層側スロット
絶縁体5は、開口縁部に全長に渡って外側へ折り曲げら
れた逃げ部5aを設けているため、スロット6内に挿入
された上層側スロット絶縁体5は、図13に示す様に、
両逃げ部5aが外側へ開いた状態となる。これにより、
上層コイル導体9の組み立て時において、コイル辺9a
をスロット6内に挿入する際に、コイル辺9aが上層側
スロット絶縁体5の開口縁部に干渉するのを防止でき
る。これにより、上層側スロット絶縁体5の巻き込みが
無くなるため、上層コイル導体9の組立不良(コイル辺
9aのスロット6内への挿入不良)を防止できる。
絶縁体5は、開口縁部に全長に渡って外側へ折り曲げら
れた逃げ部5aを設けているため、スロット6内に挿入
された上層側スロット絶縁体5は、図13に示す様に、
両逃げ部5aが外側へ開いた状態となる。これにより、
上層コイル導体9の組み立て時において、コイル辺9a
をスロット6内に挿入する際に、コイル辺9aが上層側
スロット絶縁体5の開口縁部に干渉するのを防止でき
る。これにより、上層側スロット絶縁体5の巻き込みが
無くなるため、上層コイル導体9の組立不良(コイル辺
9aのスロット6内への挿入不良)を防止できる。
【0029】なお、上層側スロット絶縁体5は、その全
長がスロット6の軸方向長さと略等しく設けられている
ため、上層側スロット絶縁体5の両端部が電機子鉄心3
の端面より突出することはない。従って、上層コイル導
体9を電機子鉄心3に組み立てる時に、コイル端部9b
が上層側スロット絶縁体5の両端部と干渉することもな
いため、上層側スロット絶縁体5の両端部に下層側スロ
ット絶縁体4と同様な折り曲げ部を設ける必要はない。
長がスロット6の軸方向長さと略等しく設けられている
ため、上層側スロット絶縁体5の両端部が電機子鉄心3
の端面より突出することはない。従って、上層コイル導
体9を電機子鉄心3に組み立てる時に、コイル端部9b
が上層側スロット絶縁体5の両端部と干渉することもな
いため、上層側スロット絶縁体5の両端部に下層側スロ
ット絶縁体4と同様な折り曲げ部を設ける必要はない。
【0030】(変形例)本実施例では、下層側スロット
絶縁体4の両端角部(つまり4か所)にそれぞれ折り曲
げ部4aを設けているが、下層コイル導体8を所定角度
だけ回転させた状態で下降させる際にコイル端部8bが
干渉する角部のみ(本実施例では対角位置にある2か
所)に折り曲げ部4aを設けても良い。また、上層側ス
ロット絶縁体5の全長をスロット6の軸方向長さより若
干長くする必要がある場合には、下層側スロット絶縁体
4と同様に、上層側スロット絶縁体5の両端角部にそれ
ぞれ折り曲げ部を設けても良い。
絶縁体4の両端角部(つまり4か所)にそれぞれ折り曲
げ部4aを設けているが、下層コイル導体8を所定角度
だけ回転させた状態で下降させる際にコイル端部8bが
干渉する角部のみ(本実施例では対角位置にある2か
所)に折り曲げ部4aを設けても良い。また、上層側ス
ロット絶縁体5の全長をスロット6の軸方向長さより若
干長くする必要がある場合には、下層側スロット絶縁体
4と同様に、上層側スロット絶縁体5の両端角部にそれ
ぞれ折り曲げ部を設けても良い。
【0031】本実施例では、下層コイル導体8の組立工
程において、電機子鉄心3に対して下層コイル導体8を
所定角度だけ回転させているが、電機子鉄心3を下層コ
イル導体8に対して所定角度だけ回転させても良い。ま
た、本実施例では、1本目の下層コイル導体8と2本目
以降の下層コイル導体8とで組立方法が異なるが(つま
り、1本目の下層コイル導体8は電機子鉄心3に対して
回転動作を付与していない)、1本目の下層コイル導体
8も2本目以降の下層コイル導体8と同様の組立方法で
行っても良い。
程において、電機子鉄心3に対して下層コイル導体8を
所定角度だけ回転させているが、電機子鉄心3を下層コ
イル導体8に対して所定角度だけ回転させても良い。ま
た、本実施例では、1本目の下層コイル導体8と2本目
以降の下層コイル導体8とで組立方法が異なるが(つま
り、1本目の下層コイル導体8は電機子鉄心3に対して
回転動作を付与していない)、1本目の下層コイル導体
8も2本目以降の下層コイル導体8と同様の組立方法で
行っても良い。
【0032】(第2実施例)図14及び図15は下層側
スロット絶縁体4の長手方向正面図である。なお、第1
実施例と同一名称の部品には、それぞれ同一の番号を付
与して説明する。本実施例は、下層コイル導体8のコイ
ル辺8aに予め下層側スロット絶縁体4を組み合わせて
おき、両者を一体にして電機子鉄心3に組み立てた後、
同様に上層コイル導体9のコイル辺9aに予め上層側ス
ロット絶縁体5を組み合わせておき、両者を一体にして
電機子鉄心3に組み立てる組立方法を示すものである。
この組立方法に使用される下層側スロット絶縁体4は、
図14に示す様に、断面略コの字状に折り曲げられ、且
つ両側面の途中から開口部側が任意の角度だけ外側へ折
り曲げられている。あるいは、図15に示す様に、両側
面の途中から開口部側が任意の曲率で外側へ湾曲した形
状に整形されている。一方、上層側スロット絶縁体5
は、図16に示す様に、断面略U字状に折り曲げられ、
その両側面が少し外側へ開いた形状に整形されている。
また、上層側スロット絶縁体5の底部外側の幅w2 は、
下層側スロット絶縁体4の開口部内側の最小幅w1 より
小さく設定されている。
スロット絶縁体4の長手方向正面図である。なお、第1
実施例と同一名称の部品には、それぞれ同一の番号を付
与して説明する。本実施例は、下層コイル導体8のコイ
ル辺8aに予め下層側スロット絶縁体4を組み合わせて
おき、両者を一体にして電機子鉄心3に組み立てた後、
同様に上層コイル導体9のコイル辺9aに予め上層側ス
ロット絶縁体5を組み合わせておき、両者を一体にして
電機子鉄心3に組み立てる組立方法を示すものである。
この組立方法に使用される下層側スロット絶縁体4は、
図14に示す様に、断面略コの字状に折り曲げられ、且
つ両側面の途中から開口部側が任意の角度だけ外側へ折
り曲げられている。あるいは、図15に示す様に、両側
面の途中から開口部側が任意の曲率で外側へ湾曲した形
状に整形されている。一方、上層側スロット絶縁体5
は、図16に示す様に、断面略U字状に折り曲げられ、
その両側面が少し外側へ開いた形状に整形されている。
また、上層側スロット絶縁体5の底部外側の幅w2 は、
下層側スロット絶縁体4の開口部内側の最小幅w1 より
小さく設定されている。
【0033】次に、本実施例の組立方法について説明す
る。まず、下層コイル導体8のコイル辺8aを包み込む
様にしてコイル辺8aに下層側スロット絶縁体4を組み
合わせる。続いて、組み合わされたコイル辺8aと下層
側スロット絶縁体4とを電機子鉄心3の径方向外周側か
ら一体にスロット6内へ挿入する(図16参照)。つぎ
に、上層コイル導体9のコイル辺9aを包み込む様にし
てコイル辺9aに上層側スロット絶縁体5を組み合わせ
る。続いて、組み合わされたコイル辺9aと上層側スロ
ット絶縁体5とを電機子鉄心3の径方向外周側から一体
にスロット6内へ挿入する。
る。まず、下層コイル導体8のコイル辺8aを包み込む
様にしてコイル辺8aに下層側スロット絶縁体4を組み
合わせる。続いて、組み合わされたコイル辺8aと下層
側スロット絶縁体4とを電機子鉄心3の径方向外周側か
ら一体にスロット6内へ挿入する(図16参照)。つぎ
に、上層コイル導体9のコイル辺9aを包み込む様にし
てコイル辺9aに上層側スロット絶縁体5を組み合わせ
る。続いて、組み合わされたコイル辺9aと上層側スロ
ット絶縁体5とを電機子鉄心3の径方向外周側から一体
にスロット6内へ挿入する。
【0034】(第2実施例の効果)本実施例では、下層
側スロット絶縁体4の両側面の途中から開口部側が任意
の角度だけ外側へ折り曲げられている。あるいは、両側
面の途中から開口部側が任意の曲率で外側へ湾曲した形
状に整形されているため、下層側スロット絶縁体4の開
口縁部が、上層コイル導体9のコイル辺9aと上層側ス
ロット絶縁体5とを一体にスロット6内に挿入する際に
噛み込まれる恐れがない。また、上層側スロット絶縁体
5の底部外側の幅w2 を、下層側スロット絶縁体4の開
口部内側の最小幅w1 より小さく設定しているため、上
層側スロット絶縁体5の底部が下層側スロット絶縁体4
の開口縁部に干渉することなく、スムーズに下層側スロ
ット絶縁体4の開口部内側へ挿入することが可能とな
る。本実施例では、上層側スロット絶縁体5と上層コイ
ル導体9のコイル辺9aとを挿入する際に、下層側スロ
ット絶縁体4を保持するための絶縁体保治具を必要とし
ないため、その分コストダウンできるとともに、各コイ
ル導体8、9の組立工程を短縮できる。また、絶縁体保
治具を使用しないため、絶縁体保治具による下層側スロ
ット絶縁体4の保持不良が無く、その保持不良による下
層側スロット絶縁体4の変形や破損を防止できる。
側スロット絶縁体4の両側面の途中から開口部側が任意
の角度だけ外側へ折り曲げられている。あるいは、両側
面の途中から開口部側が任意の曲率で外側へ湾曲した形
状に整形されているため、下層側スロット絶縁体4の開
口縁部が、上層コイル導体9のコイル辺9aと上層側ス
ロット絶縁体5とを一体にスロット6内に挿入する際に
噛み込まれる恐れがない。また、上層側スロット絶縁体
5の底部外側の幅w2 を、下層側スロット絶縁体4の開
口部内側の最小幅w1 より小さく設定しているため、上
層側スロット絶縁体5の底部が下層側スロット絶縁体4
の開口縁部に干渉することなく、スムーズに下層側スロ
ット絶縁体4の開口部内側へ挿入することが可能とな
る。本実施例では、上層側スロット絶縁体5と上層コイ
ル導体9のコイル辺9aとを挿入する際に、下層側スロ
ット絶縁体4を保持するための絶縁体保治具を必要とし
ないため、その分コストダウンできるとともに、各コイ
ル導体8、9の組立工程を短縮できる。また、絶縁体保
治具を使用しないため、絶縁体保治具による下層側スロ
ット絶縁体4の保持不良が無く、その保持不良による下
層側スロット絶縁体4の変形や破損を防止できる。
【0035】なお、本実施例の場合、下層側スロット絶
縁体4と下層コイル導体8のコイル辺8a、及び上層側
スロット絶縁体5と上層コイル導体9のコイル辺9aと
をそれぞれ手動によって一組ずつスロット6内に挿入し
ても良いが、図示しない治具を使用して下層側と上層側
とをそれぞれ複数個ずつ、あるいは全部を一度に挿入す
ることもできる。また、本実施例では、各コイル導体
8、9のコイル辺8a、9aに、それぞれスロット絶縁
体4、5を組み合わせてから両者を一体にスロット6内
へ挿入しているが、スロット絶縁体4、5とコイル辺8
a、9aとを別々にスロット6内へ挿入する方法に適用
しても良い。この場合、スロット絶縁体4、5を先にス
ロット6内に挿入してから、そのスロット絶縁体4、5
の内側にコイル辺8a、9aを挿入するため、従来のス
ロット絶縁体であれば、コイル辺8a、9aの挿入時に
スロット絶縁体4、5の開口縁部を噛み込む恐れが生じ
るが、本実施例では、例えば下層側スロット絶縁体4の
開口部が外側へ開いているため、コイル辺8aの挿入時
に下層側スロット絶縁体4の開口縁部をコイル辺8aに
よって噛み込むのを防止できる。また、上層側スロット
絶縁体5では、両側面が外側へ開いた形状に整形されて
いるため、上層側スロット絶縁体5をスロット6内に挿
入しても両側面が内側へ倒れ込むことがなく、コイル辺
9aの挿入時に上層側スロット絶縁体5の開口縁部をコ
イル辺9aによって噛み込むのを防止できる。
縁体4と下層コイル導体8のコイル辺8a、及び上層側
スロット絶縁体5と上層コイル導体9のコイル辺9aと
をそれぞれ手動によって一組ずつスロット6内に挿入し
ても良いが、図示しない治具を使用して下層側と上層側
とをそれぞれ複数個ずつ、あるいは全部を一度に挿入す
ることもできる。また、本実施例では、各コイル導体
8、9のコイル辺8a、9aに、それぞれスロット絶縁
体4、5を組み合わせてから両者を一体にスロット6内
へ挿入しているが、スロット絶縁体4、5とコイル辺8
a、9aとを別々にスロット6内へ挿入する方法に適用
しても良い。この場合、スロット絶縁体4、5を先にス
ロット6内に挿入してから、そのスロット絶縁体4、5
の内側にコイル辺8a、9aを挿入するため、従来のス
ロット絶縁体であれば、コイル辺8a、9aの挿入時に
スロット絶縁体4、5の開口縁部を噛み込む恐れが生じ
るが、本実施例では、例えば下層側スロット絶縁体4の
開口部が外側へ開いているため、コイル辺8aの挿入時
に下層側スロット絶縁体4の開口縁部をコイル辺8aに
よって噛み込むのを防止できる。また、上層側スロット
絶縁体5では、両側面が外側へ開いた形状に整形されて
いるため、上層側スロット絶縁体5をスロット6内に挿
入しても両側面が内側へ倒れ込むことがなく、コイル辺
9aの挿入時に上層側スロット絶縁体5の開口縁部をコ
イル辺9aによって噛み込むのを防止できる。
【図1】(a)は下層側スロット絶縁体の展開図、
(b)は斜視図である。
(b)は斜視図である。
【図2】下層側スロット絶縁体の全長を示す平面図であ
る。
る。
【図3】スロット内に挿入された下層側スロット絶縁体
の平面図である。
の平面図である。
【図4】(a)は上層側スロット絶縁体の展開図、
(b)は斜視図である。
(b)は斜視図である。
【図5】アーマチャの半断面図である。
【図6】スロット内に挿入された各コイル辺と各スロッ
ト絶縁体の断面図である。
ト絶縁体の断面図である。
【図7】ロータと下層コイル導体の斜視図である。
【図8】(a)は下層コイル導体の側面図、(b)は
(a)のA視図、(c)は(a)のB視図である。
(a)のA視図、(c)は(a)のB視図である。
【図9】コイル組立装置の斜視図である。
【図10】下層コイル導体を所定角度回転させた状態を
説明する平面図である。
説明する平面図である。
【図11】下層コイル導体の組立工程を示す側面図であ
る。
る。
【図12】下層コイル導体の組立工程を示す側面図であ
る。
る。
【図13】スロット内に挿入された上層側スロット絶縁
体の形状を示す断面図である。
体の形状を示す断面図である。
【図14】下層側スロット絶縁体の長手方向正面図であ
る。
る。
【図15】下層側スロット絶縁体の長手方向正面図であ
る。
る。
【図16】各コイル辺と各スロット絶縁体とをスロット
内に挿入する過程を説明する断面図である。
内に挿入する過程を説明する断面図である。
【図17】コイル辺とスロット絶縁体とを一体にスロッ
ト内へ挿入する場合の断面図である(従来技術)。
ト内へ挿入する場合の断面図である(従来技術)。
【図18】従来技術の問題点を示す説明図である。
【図19】従来技術の問題点を示す説明図である。
1 アーマチャ(回転子) 3 電機子鉄心 4 下層側スロット絶縁体 4a 下層側スロット絶縁体の折り曲げ部 5 上層側スロット絶縁体 5a 上層側スロット絶縁体の逃げ部 6 スロット 8 下層コイル導体 8a コイル辺(下層コイル導体) 8b コイル端部(下層コイル導体) 9 上層コイル導体 9a コイル辺(上層コイル導体) 9b コイル端部(上層コイル導体)
Claims (6)
- 【請求項1】外周に複数のスロットを有する電機子鉄心
と、 直線状のコイル辺と、このコイル辺の両端から前記コイ
ル辺に対して略直角に伸びる一対のコイル端部とを有
し、この一対のコイル端部が互いに前記コイル辺を中心
として反対側へ所定角度傾斜して設けられ、前記コイル
辺を前記スロット内に挿入して前記電機子鉄心に組み付
けられるコイル導体と、 前記スロット内にて前記電機子鉄心より前記コイル辺を
絶縁する断面コの字状のスロット絶縁体とを備えた回転
電機の回転子であって、 前記コイル導体は、前記スロット絶縁体を前記スロット
内に組み込んだ後、前記コイル辺を前記スロットに対し
所定角度回転させた状態で、前記電機子鉄心の径方向外
周から前記電機子鉄心の外周面近傍まで移動し、その
後、前記コイル辺を前記スロット内へ挿入可能な姿勢に
前記電機子鉄心との相対位置を修正してから、前記コイ
ル辺を前記スロット絶縁体の内側へ挿入して前記電機子
鉄心に組み立てられ、 前記スロット絶縁体は、前記スロットの軸方向長さより
若干長く設けられ、前記電機子鉄心の端面より軸方向に
突出する両端部の少なくとも対角位置にある二箇所の角
部に任意の形状で前記電機子鉄心の端面側へ折り曲げた
折り曲げ部を有することを特徴とする回転電機の回転
子。 - 【請求項2】前記スロット絶縁体は、前記コイル導体の
うち前記スロット内の内周側に挿入される下層コイル導
体のコイル辺を前記電機子鉄心から絶縁する下層側スロ
ット絶縁体であることを特徴とする請求項1に記載した
回転電機の回転子。 - 【請求項3】前記スロット絶縁体は、前記折り曲げ部が
前記電機子鉄心の軸方向両端面に当接することにより、
スロットに対して軸方向に位置決めされていることを特
徴とする請求項1または2に記載した回転電機の回転
子。 - 【請求項4】前記スロット内にて前記下層コイル導体の
コイル辺より外周側に挿入される上層側コイル導体のコ
イル辺を前記電機子鉄心及び前記下層コイル導体のコイ
ル辺から絶縁する上層側スロット絶縁体を有し、 前記下層側スロット絶縁体と前記上層側スロット絶縁体
の少なくとも一方は、前記コイル辺を前記スロット内に
挿入する際に前記コイル辺との干渉を防止する逃げ部が
前記スロット絶縁体の開口縁部に設けられていることを
特徴とする請求項1〜3に記載した何れかの回転電機の
回転子。 - 【請求項5】外周に複数のスロットを有する電機子鉄心
と、 直線状のコイル辺と、このコイル辺の両端から前記コイ
ル辺に対して略直角に伸びる一対のコイル端部とを有
し、この一対のコイル端部が互いに前記コイル辺を中心
として反対側へ所定角度傾斜して設けられ、前記コイル
辺を前記スロット内に挿入して前記電機子鉄心に組み付
けられるコイル導体と、 前記スロット内にて前記電機子鉄心より前記コイル辺を
絶縁する断面コの字状のスロット絶縁体とを備え、 前記スロット絶縁体を前記スロット内に組み込んだ後、
前記コイル導体を前記電機子鉄心に組み立てて構成され
た回転電機の回転子であって、 前記スロット絶縁体は、開口縁部が外側へ開く様に整形
されていることを特徴とする回転電機の回転子。 - 【請求項6】前記スロット絶縁体は、前記コイル導体の
うち前記スロット内の内周側に挿入される下層コイル導
体のコイル辺と前記電機子鉄心とを絶縁する下層側スロ
ット絶縁体と、前記スロット内の外周側に挿入される上
層コイル導体のコイル辺と前記電機子鉄心及び前記下層
コイル導体のコイル辺とを絶縁する上層側スロット絶縁
体とを有し、 前記下層側スロット絶縁体の開口部の内側最小寸法より
前記上層側スロット絶縁体の底部外側寸法の方が小さく
設けられていることを特徴とする請求項5に記載した回
転電機の回転子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25156297A JPH1198782A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 回転電機の回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25156297A JPH1198782A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 回転電機の回転子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1198782A true JPH1198782A (ja) | 1999-04-09 |
Family
ID=17224672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25156297A Withdrawn JPH1198782A (ja) | 1997-09-17 | 1997-09-17 | 回転電機の回転子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1198782A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6657352B1 (en) | 1999-12-27 | 2003-12-02 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Alternator and method of manufacture therefor |
JP2010045956A (ja) * | 2008-08-18 | 2010-02-25 | Denso Corp | 電動機 |
CN103219840A (zh) * | 2013-05-16 | 2013-07-24 | 哈尔滨工业大学 | 一种电机转子铜排挤压机床 |
WO2018019969A1 (de) * | 2016-07-27 | 2018-02-01 | Grob-Werke Gmbh & Co. Kg | Verfahren zum einbringen eines isolierpapiers |
WO2019039143A1 (ja) * | 2017-08-22 | 2019-02-28 | ダイキン工業株式会社 | 固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機 |
WO2019176107A1 (ja) * | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 三菱電機株式会社 | 誘導電動機の回転子及び誘導電動機 |
-
1997
- 1997-09-17 JP JP25156297A patent/JPH1198782A/ja not_active Withdrawn
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6657352B1 (en) | 1999-12-27 | 2003-12-02 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Alternator and method of manufacture therefor |
US6717316B2 (en) | 1999-12-27 | 2004-04-06 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Alternator and method of manufacture therefor |
JP2010045956A (ja) * | 2008-08-18 | 2010-02-25 | Denso Corp | 電動機 |
CN103219840A (zh) * | 2013-05-16 | 2013-07-24 | 哈尔滨工业大学 | 一种电机转子铜排挤压机床 |
CN103219840B (zh) * | 2013-05-16 | 2015-05-13 | 哈尔滨工业大学 | 一种电机转子铜排挤压机床 |
WO2018019969A1 (de) * | 2016-07-27 | 2018-02-01 | Grob-Werke Gmbh & Co. Kg | Verfahren zum einbringen eines isolierpapiers |
WO2019039143A1 (ja) * | 2017-08-22 | 2019-02-28 | ダイキン工業株式会社 | 固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機 |
JP2019041444A (ja) * | 2017-08-22 | 2019-03-14 | ダイキン工業株式会社 | 固定子、この固定子を備えるモータ、このモータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備える空気調和機 |
CN111033953A (zh) * | 2017-08-22 | 2020-04-17 | 大金工业株式会社 | 定子、具备该定子的马达、具备该马达的压缩机以及具备该压缩机的空调机 |
WO2019176107A1 (ja) * | 2018-03-16 | 2019-09-19 | 三菱電機株式会社 | 誘導電動機の回転子及び誘導電動機 |
JPWO2019176107A1 (ja) * | 2018-03-16 | 2020-04-16 | 三菱電機株式会社 | 誘導電動機の回転子及び誘導電動機 |
CN111903037A (zh) * | 2018-03-16 | 2020-11-06 | 三菱电机株式会社 | 感应电动机的转子及感应电动机 |
CN111903037B (zh) * | 2018-03-16 | 2021-08-17 | 三菱电机株式会社 | 感应电动机的转子及感应电动机 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3551376B2 (ja) | 回転電機のステータコイルの製造方法 | |
CN109256876B (zh) | 用于旋转电机的定子以及该定子的制造方法 | |
US7185418B2 (en) | Stacked stator core and method of manufacturing thereof, and rotary motor and method of manufacturing thereof | |
US9300193B2 (en) | Methods and apparatus for twisting rotor and stator conductor ends | |
EP1517425B1 (en) | Manufacturing method of stator coil composed of conductor segments | |
KR20030055175A (ko) | 회전전기장치용 코일, 그 코일 제조방법 및 그 코일을이용한 회전전기장치 제조방법 | |
CN111937281B (zh) | 线圈段定位方法、线圈段定位工具以及线圈段定位装置 | |
US20200321819A1 (en) | Stator with tip ends of conductors of different phases having larger distance between them than distance between tip ends of same phase conductors of a rotary electric machine | |
JP2019140821A (ja) | ステータの製造方法、ステータおよび曲げ加工装置 | |
US5606208A (en) | Brushless motor having terminals for connecting winding ends to circuit board lands | |
JPH1198782A (ja) | 回転電機の回転子 | |
JP2009254137A (ja) | インナーロータ型回転電機の分割コア型ステータの組み立て方法 | |
JP3178468B2 (ja) | 車両用交流発電機のステータ製造方法及びその製造装置 | |
JP7205479B2 (ja) | モータおよびモータの製造方法 | |
JP2017085843A (ja) | ステータ、モータ及びステータの製造方法 | |
JP2005130577A (ja) | セグメント位置決め装置、ステータの製造方法、及び、ステータ | |
JP2000014095A (ja) | 歯形状固定子,そのコイル組付方法及びコイル組付装置 | |
JP2000278920A (ja) | ステータ製造方法およびその製造装置 | |
JP2005304108A (ja) | 回転電動機の固定子、回転電動機のコイル装着方法、コイル巻線機 | |
JP2019140822A (ja) | 曲げ加工装置 | |
JP4453489B2 (ja) | 回転電機の固定子巻線の製造方法および回転電機の固定子巻線 | |
JP2004320848A (ja) | 回転電機の巻線の製造方法 | |
JPH10117455A (ja) | 回転電機の回転子及びその製造方法 | |
WO2023223690A1 (ja) | 把持装置、把持方法および回転電機の製造方法 | |
JP4474805B2 (ja) | コイル捻り整形方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20040728 |