JPH1183639A - 金属溶湯測温用熱電対 - Google Patents
金属溶湯測温用熱電対Info
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- JPH1183639A JPH1183639A JP9257977A JP25797797A JPH1183639A JP H1183639 A JPH1183639 A JP H1183639A JP 9257977 A JP9257977 A JP 9257977A JP 25797797 A JP25797797 A JP 25797797A JP H1183639 A JPH1183639 A JP H1183639A
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Landscapes
- Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は,測温応答性及び測温精度を向上さ
せ,反復使用可能にした長寿命の金属温測温用熱電対を
提供する。 【解決手段】 本発明は,窒化ケイ素,サイアロン又は
Moを母相とするサーメットから成る第1保護管1,第
1保護管1の外面に配置された被膜4,第1保護管1内
に配置された異なる組成の一対の温度検知用合金素線
6,7,第1保護管1内に充填された非導電性の充填部
材3,第1保護管1の開放端部15を封止した封止部材
8及び第1保護管1の外周に遮熱層5を介して取り付け
られたMoをベースとするサーメットから成る第2保護
管2から構成されている。被膜4は,鉄と反応し難いM
o−ZrN,Mo−ZrB2 又はMo−ZrO2 から構
成されている。
せ,反復使用可能にした長寿命の金属温測温用熱電対を
提供する。 【解決手段】 本発明は,窒化ケイ素,サイアロン又は
Moを母相とするサーメットから成る第1保護管1,第
1保護管1の外面に配置された被膜4,第1保護管1内
に配置された異なる組成の一対の温度検知用合金素線
6,7,第1保護管1内に充填された非導電性の充填部
材3,第1保護管1の開放端部15を封止した封止部材
8及び第1保護管1の外周に遮熱層5を介して取り付け
られたMoをベースとするサーメットから成る第2保護
管2から構成されている。被膜4は,鉄と反応し難いM
o−ZrN,Mo−ZrB2 又はMo−ZrO2 から構
成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,鉄等の金属の溶
湯を測温する保護管を備えた金属溶湯測温用熱電対に関
する。
湯を測温する保護管を備えた金属溶湯測温用熱電対に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来,約1500℃の鋳鉄溶湯を測温す
るための熱電対は,材料として比較的に融点が高く,大
気中で安定であるPt−Rhを素線とし,該Pt−Rh
素線をアルミナシリカファイバー製のパイプに固定した
構造のものが使用されている。このような熱電対は,鋳
鉄溶湯の測温を約1〜2回程度行った後に,正確な温度
の測定が不能となり,廃棄しているのが現状であり,熱
電対を多数回にわたって反復利用できずに熱電対そのも
のが極めて高価なものになっている。
るための熱電対は,材料として比較的に融点が高く,大
気中で安定であるPt−Rhを素線とし,該Pt−Rh
素線をアルミナシリカファイバー製のパイプに固定した
構造のものが使用されている。このような熱電対は,鋳
鉄溶湯の測温を約1〜2回程度行った後に,正確な温度
の測定が不能となり,廃棄しているのが現状であり,熱
電対を多数回にわたって反復利用できずに熱電対そのも
のが極めて高価なものになっている。
【0003】また,シース型熱電対は,W−Reを素線
とし,高温で使用される金属シース型部品の保護管とし
て使用され,ステンレススチール(SUS)等の金属で
作製されたものが知られている。SUSシース型熱電対
は,1000℃以上の雰囲気で使用されるものがあり,
その場合には,インコネル等の特殊耐熱合金で作製され
ている。或いは,熱電対として,保護管をサーメットで
作製して,保護管の内部にPt−Rhを素線とした構造
のものも知られている。
とし,高温で使用される金属シース型部品の保護管とし
て使用され,ステンレススチール(SUS)等の金属で
作製されたものが知られている。SUSシース型熱電対
は,1000℃以上の雰囲気で使用されるものがあり,
その場合には,インコネル等の特殊耐熱合金で作製され
ている。或いは,熱電対として,保護管をサーメットで
作製して,保護管の内部にPt−Rhを素線とした構造
のものも知られている。
【0004】また,特開平6−160200号公報に
は,気密端子付シース型熱電対が開示されている。該熱
電対は,過渡的な温度変化等により,端子部に温度勾配
が生じても測定誤差を生じさせないものであり,アルメ
ル線とクロメル線の異種金属線からなる熱電対素線をス
テンレス製シース内に無機絶縁材と共に,相互に絶縁し
て収納し,シースの基端側を気密端子部により気密に封
止する。気密端子部のセラミック端板に取り付けられた
2本のコパール製の貫通パイプの内部に絶縁スリーブが
挿入され,各熱電対素線はその内部を通って貫通パイプ
と直接接触せずに外部に引き出されている。
は,気密端子付シース型熱電対が開示されている。該熱
電対は,過渡的な温度変化等により,端子部に温度勾配
が生じても測定誤差を生じさせないものであり,アルメ
ル線とクロメル線の異種金属線からなる熱電対素線をス
テンレス製シース内に無機絶縁材と共に,相互に絶縁し
て収納し,シースの基端側を気密端子部により気密に封
止する。気密端子部のセラミック端板に取り付けられた
2本のコパール製の貫通パイプの内部に絶縁スリーブが
挿入され,各熱電対素線はその内部を通って貫通パイプ
と直接接触せずに外部に引き出されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら.Pt−
Rh熱電対は,不活性ガス雰囲気での使用はできず,大
気中での使用可能温度は1500℃が限界温度である。
また,W−Re熱電対は,大気中及び不活性ガス雰囲気
中での使用が可能であり,大気中での使用可能温度は4
00℃が限界温度であり,不活性ガス雰囲気中での使用
可能温度は2300℃が限界温度である。更に,Pt−
Rh素線を用いたPR熱電対について,PR熱電対の熱
起電力は,CA熱電対の約1/15であり,W−Re熱
電対の約1/7と小さいため,それらの熱電対に比較し
て測温の精度が劣り,応答性が悪いという問題を有して
いる。そのため,現場においては,溶鉱炉の溶湯を測温
するため,作業者は溶解炉の近傍で温度が安定するまで
の約8秒間,その測定場所に居ることを余儀なくされ
る。
Rh熱電対は,不活性ガス雰囲気での使用はできず,大
気中での使用可能温度は1500℃が限界温度である。
また,W−Re熱電対は,大気中及び不活性ガス雰囲気
中での使用が可能であり,大気中での使用可能温度は4
00℃が限界温度であり,不活性ガス雰囲気中での使用
可能温度は2300℃が限界温度である。更に,Pt−
Rh素線を用いたPR熱電対について,PR熱電対の熱
起電力は,CA熱電対の約1/15であり,W−Re熱
電対の約1/7と小さいため,それらの熱電対に比較し
て測温の精度が劣り,応答性が悪いという問題を有して
いる。そのため,現場においては,溶鉱炉の溶湯を測温
するため,作業者は溶解炉の近傍で温度が安定するまで
の約8秒間,その測定場所に居ることを余儀なくされ
る。
【0006】また,従来の熱電対は,溶湯の測温に際し
て,鉄の溶湯が付着し易く,応答性が悪いという問題を
有している。熱電対のPt−Rh素線や保護管に,溶湯
の鋳鉄が付着し,それを除去するための工程は煩雑にな
り,しかも現行品は寿命が2回程度の測温であり,熱電
対の交換作業も手間がかかるという問題がある。また,
熱電対におけるW−Re素線は,大気中では酸化し易
く,鋳鉄溶湯の温度測定には使用できないものである。
しかも,外側の保護管には,鉄溶湯が付着し易いという
問題を有している。
て,鉄の溶湯が付着し易く,応答性が悪いという問題を
有している。熱電対のPt−Rh素線や保護管に,溶湯
の鋳鉄が付着し,それを除去するための工程は煩雑にな
り,しかも現行品は寿命が2回程度の測温であり,熱電
対の交換作業も手間がかかるという問題がある。また,
熱電対におけるW−Re素線は,大気中では酸化し易
く,鋳鉄溶湯の温度測定には使用できないものである。
しかも,外側の保護管には,鉄溶湯が付着し易いという
問題を有している。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
の課題を解決することであり,応答性を良好にすると共
に,耐久性を向上させることであり,溶湯の熱を熱電対
の測温点の先端部に短時間に集中させるために先端部の
熱容量を可及的に小さくすると共に,熱電対の第1保護
管の後部及側面への熱の逃げを可及的に小さくし,第1
保護管の後方や側面への熱の逃げを極力抑え,熱通過面
積の低減と遮熱構造に構成し,十分な耐久性を持たせ,
耐熱性に富むと共に鉄と反応し難い材料で作製されてい
る金属溶湯測温用熱電対を提供することである。
の課題を解決することであり,応答性を良好にすると共
に,耐久性を向上させることであり,溶湯の熱を熱電対
の測温点の先端部に短時間に集中させるために先端部の
熱容量を可及的に小さくすると共に,熱電対の第1保護
管の後部及側面への熱の逃げを可及的に小さくし,第1
保護管の後方や側面への熱の逃げを極力抑え,熱通過面
積の低減と遮熱構造に構成し,十分な耐久性を持たせ,
耐熱性に富むと共に鉄と反応し難い材料で作製されてい
る金属溶湯測温用熱電対を提供することである。
【0008】この発明は,一端が閉鎖され且つ他端が開
放した窒化ケイ素,サイアロン又はMoを母相とするサ
ーメットから成る第1保護管,前記第1保護管の外面に
配置された熱膨張係数が小さく且つ鉄と反応し難い耐熱
性被膜,前記第1保護管内に配置され且つ先端部で結合
された測温部を構成する異なる組成の一対の温度検知用
合金素線,前記第1保護管の内部で前記合金素線を埋設
した状態で充填された非導電性の充填部材,前記合金素
線を延び出させた状態で前記第1保護管の開放端部を封
止した緻密な耐熱ガラスから成る封止部材,及び前記第
1保護管の外周に遮熱層を介して取り付けられたMoを
ベースとするサーメットから成る第2保護管,から成る
金属溶湯測温用熱電対に関する。
放した窒化ケイ素,サイアロン又はMoを母相とするサ
ーメットから成る第1保護管,前記第1保護管の外面に
配置された熱膨張係数が小さく且つ鉄と反応し難い耐熱
性被膜,前記第1保護管内に配置され且つ先端部で結合
された測温部を構成する異なる組成の一対の温度検知用
合金素線,前記第1保護管の内部で前記合金素線を埋設
した状態で充填された非導電性の充填部材,前記合金素
線を延び出させた状態で前記第1保護管の開放端部を封
止した緻密な耐熱ガラスから成る封止部材,及び前記第
1保護管の外周に遮熱層を介して取り付けられたMoを
ベースとするサーメットから成る第2保護管,から成る
金属溶湯測温用熱電対に関する。
【0009】前記被膜は,熱膨張係数が小さく且つ鉄と
反応し難いMo−ZrN,Mo−ZrB2 ,Mo−Zr
O2 のうちのいずれか一種或いは複合物から成る溶射被
膜で構成されている。
反応し難いMo−ZrN,Mo−ZrB2 ,Mo−Zr
O2 のうちのいずれか一種或いは複合物から成る溶射被
膜で構成されている。
【0010】前記合金素線は,タングステン−レニウム
合金素線である。
合金素線である。
【0011】また,前記充填部材は,Tiが添加された
反応焼結窒化ケイ素である。
反応焼結窒化ケイ素である。
【0012】前記充填部材は,Fe2 O3 ,SiO2 を
含有する耐熱性ガラスである。
含有する耐熱性ガラスである。
【0013】前記第1保護管は,外径が5mm以下のサ
イズに形成されている。
イズに形成されている。
【0014】前記第1保護管と前記第2保護管との間に
介在した前記遮熱層は,前記第1保護管の側面からの熱
の流出を防止する遮熱空気層又はセラミック繊維から構
成されている。
介在した前記遮熱層は,前記第1保護管の側面からの熱
の流出を防止する遮熱空気層又はセラミック繊維から構
成されている。
【0015】前記第1保護管と前記第2保護管との測温
領域とは反対側の端部は,前記第1保護管と前記第2保
護管との間の隙間が封止される状態でコレットチャック
によって金属製支持パイプに固定されている。
領域とは反対側の端部は,前記第1保護管と前記第2保
護管との間の隙間が封止される状態でコレットチャック
によって金属製支持パイプに固定されている。
【0016】この金属溶湯測温用セラミック熱電対は,
上記のように,第1保護管の径を極力小さくした窒化ケ
イ素等の耐熱材料を使用し,その表面に鉄等の金属と濡
れ難い被膜を溶射して構成されているので,細い保護管
の破損防止と保護管の側面からの熱の逃げを抑えること
ができ,保護管の周囲に同じく耐熱性から成る外筒即ち
第2保護管を設け,第1保護管と第2保護管との間に空
気層やセラミック繊維等から成る遮熱層を設け,第1保
護管と第2保護管との先端が開口しているが,金属溶湯
に浸した時には,空気層は密閉されて両保護管の間に溶
湯が侵入することがなく,遮熱効果を発揮でき,合金素
線の線径を極力小さく構成し,素線を通じて熱が逃げる
ことが防止される。
上記のように,第1保護管の径を極力小さくした窒化ケ
イ素等の耐熱材料を使用し,その表面に鉄等の金属と濡
れ難い被膜を溶射して構成されているので,細い保護管
の破損防止と保護管の側面からの熱の逃げを抑えること
ができ,保護管の周囲に同じく耐熱性から成る外筒即ち
第2保護管を設け,第1保護管と第2保護管との間に空
気層やセラミック繊維等から成る遮熱層を設け,第1保
護管と第2保護管との先端が開口しているが,金属溶湯
に浸した時には,空気層は密閉されて両保護管の間に溶
湯が侵入することがなく,遮熱効果を発揮でき,合金素
線の線径を極力小さく構成し,素線を通じて熱が逃げる
ことが防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による金属溶湯測温用熱電対の実施例を説明する。図1
はこの金属溶湯測温用熱電対の実施例を示す断面図,及
び図2は図1の金属溶湯測温用熱電対の第1保護管の拡
大断面図である。
による金属溶湯測温用熱電対の実施例を説明する。図1
はこの金属溶湯測温用熱電対の実施例を示す断面図,及
び図2は図1の金属溶湯測温用熱電対の第1保護管の拡
大断面図である。
【0018】この金属溶湯測温用熱電対は,測温領域の
外側保護管として第1保護管1の測温領域を遮熱層5を
介して第2保護管2によって覆って耐熱性,耐溶損性を
向上させたものである。この金属溶湯測温用熱電対は,
主として,一端が閉鎖され且つ他端が開放した第1保護
管1,第1保護管1の外面に配置された熱膨張係数が小
さく且つ鉄と反応し難い耐熱性被膜4,第1保護管1内
に配置され且つ先端接合部16で結合された測温部9を
構成する異なる組成の一対の温度検知用合金素線6,
7,第1保護管1の内部で合金素線6,7を埋設した状
態で充填された充填部材3,合金素線6,7を延び出さ
せた状態で第1保護管1の開放端部を封止した緻密な耐
熱ガラスから成る封止部材8,及び第1保護管1の外周
に遮熱層5を介して取り付けられた第2保護管2から構
成されている。
外側保護管として第1保護管1の測温領域を遮熱層5を
介して第2保護管2によって覆って耐熱性,耐溶損性を
向上させたものである。この金属溶湯測温用熱電対は,
主として,一端が閉鎖され且つ他端が開放した第1保護
管1,第1保護管1の外面に配置された熱膨張係数が小
さく且つ鉄と反応し難い耐熱性被膜4,第1保護管1内
に配置され且つ先端接合部16で結合された測温部9を
構成する異なる組成の一対の温度検知用合金素線6,
7,第1保護管1の内部で合金素線6,7を埋設した状
態で充填された充填部材3,合金素線6,7を延び出さ
せた状態で第1保護管1の開放端部を封止した緻密な耐
熱ガラスから成る封止部材8,及び第1保護管1の外周
に遮熱層5を介して取り付けられた第2保護管2から構
成されている。
【0019】第1保護管1は,窒化ケイ素(Si
3 N4 ),サイアロン(sialon),Moを母相と
するサーメット(Mo−ZrO2 ),場合によっては炭
化ケイ素(SiC)から選択されるセラミックスによっ
て作製されている。第1保護管1は,外径が5mm以下
のサイズ,例えば,外径3.5mmに形成されている。
第2保護管2は,Moをベースにしたサーメット(Mo
−ZrO2 )から作製されている。第1保護管1の外周
面に溶射された被膜4は,熱膨張係数が小さく且つ鉄と
反応し難いMo−ZrN,Mo−ZrB2 ,Mo−Zr
O2 のうちのいずれか一種或いは複合物から構成されて
いる。また,第2保護管2の外周面には,第1保護管1
と同様に,熱膨張係数が小さく且つ鉄と反応し難いMo
−ZrN及び/又はMo−ZrB2 から成る被膜を溶射
することができる。また,封止部材8は,第1保護管1
の端部を封止した緻密な耐熱ガラスから構成されてい
る。
3 N4 ),サイアロン(sialon),Moを母相と
するサーメット(Mo−ZrO2 ),場合によっては炭
化ケイ素(SiC)から選択されるセラミックスによっ
て作製されている。第1保護管1は,外径が5mm以下
のサイズ,例えば,外径3.5mmに形成されている。
第2保護管2は,Moをベースにしたサーメット(Mo
−ZrO2 )から作製されている。第1保護管1の外周
面に溶射された被膜4は,熱膨張係数が小さく且つ鉄と
反応し難いMo−ZrN,Mo−ZrB2 ,Mo−Zr
O2 のうちのいずれか一種或いは複合物から構成されて
いる。また,第2保護管2の外周面には,第1保護管1
と同様に,熱膨張係数が小さく且つ鉄と反応し難いMo
−ZrN及び/又はMo−ZrB2 から成る被膜を溶射
することができる。また,封止部材8は,第1保護管1
の端部を封止した緻密な耐熱ガラスから構成されてい
る。
【0020】第1保護管1内に配置された互いに組成が
異なる一対の合金製素線は,タングステン−レニウム合
金製素線であり,W−5Re素線6とW−26Re素線
7とから構成されている。W−5Re素線6とW−26
Re素線7は,第1保護管1内に隔置して延びるように
配置されている。W−5Re素線6とW−26Re素線
7との先端部は,互いに結合されて測温部9を構成して
いる。W−5Re素線6とW−26Re素線7との他端
部は第1保護管1の端部から延び出した端子12,13
に結線されている。端子12,13は,第1保護管1の
端部の封止部材8から延び出したコバールチューブ24
内でリード線25(補償導線)に接続されている。
異なる一対の合金製素線は,タングステン−レニウム合
金製素線であり,W−5Re素線6とW−26Re素線
7とから構成されている。W−5Re素線6とW−26
Re素線7は,第1保護管1内に隔置して延びるように
配置されている。W−5Re素線6とW−26Re素線
7との先端部は,互いに結合されて測温部9を構成して
いる。W−5Re素線6とW−26Re素線7との他端
部は第1保護管1の端部から延び出した端子12,13
に結線されている。端子12,13は,第1保護管1の
端部の封止部材8から延び出したコバールチューブ24
内でリード線25(補償導線)に接続されている。
【0021】第1保護管1と第2保護管2との間の隙間
に形成された遮熱層5には,空気を多く含む層又は炭化
ケイ素繊維等のセラミック繊維から構成され,第1保護
管1の側面からの熱の流出を防止するように構成されて
いる。第1保護管1は,第2保護管2内に遮熱層5に隔
置して配置された窒化ケイ素から成る支持リング17に
よって支持されている。遮熱層5は,第1保護管1の外
周面から熱が外部へ流出するのを防止する作用を有し,
第1保護管1の熱容量を可及的に小さく構成することが
できる。第1保護管1と第2保護管2との端部は,スリ
ット23付きのテーパ面を有するコレットチャック22
によって,ステンレス製支持棒である金属パイプ18に
固定されている。図1では,金属パイプ18は二重構造
に構成され,内側の金属パイプ18には外面にテーパ面
を持ったコレットチャック22が固定され,外側の金属
パイプ18には内面にテーパ面を持ったコレットチャッ
ク20が固定されている。金属パイプ18の端部に形成
されたねじ27には,板ばね19を介在して固定ナット
26が螺入されている。また,内側の金属パイプ18の
ねじ27に螺入されたナット21を板ばね19のばね力
に抗して締め付ければ,コレットチャック22のスリッ
ト23はコレットチャック20によって弾性的に締め付
けられて縮径され,コレットチャック22によって第1
保護管1を緊締することになる。
に形成された遮熱層5には,空気を多く含む層又は炭化
ケイ素繊維等のセラミック繊維から構成され,第1保護
管1の側面からの熱の流出を防止するように構成されて
いる。第1保護管1は,第2保護管2内に遮熱層5に隔
置して配置された窒化ケイ素から成る支持リング17に
よって支持されている。遮熱層5は,第1保護管1の外
周面から熱が外部へ流出するのを防止する作用を有し,
第1保護管1の熱容量を可及的に小さく構成することが
できる。第1保護管1と第2保護管2との端部は,スリ
ット23付きのテーパ面を有するコレットチャック22
によって,ステンレス製支持棒である金属パイプ18に
固定されている。図1では,金属パイプ18は二重構造
に構成され,内側の金属パイプ18には外面にテーパ面
を持ったコレットチャック22が固定され,外側の金属
パイプ18には内面にテーパ面を持ったコレットチャッ
ク20が固定されている。金属パイプ18の端部に形成
されたねじ27には,板ばね19を介在して固定ナット
26が螺入されている。また,内側の金属パイプ18の
ねじ27に螺入されたナット21を板ばね19のばね力
に抗して締め付ければ,コレットチャック22のスリッ
ト23はコレットチャック20によって弾性的に締め付
けられて縮径され,コレットチャック22によって第1
保護管1を緊締することになる。
【0022】第1保護管1内には,非導電性の充填部材
3が充填されると共に,Ar,N2等の不活性ガスが封
入され,W−Re素線6,7の酸化腐食による断線を阻
止する機能を有する。充填部材3は,Tiが添加された
多孔質の窒化ケイ素セラミックス(反応焼結窒化ケイ素
セラミックス),或いはSi3 N4 ,SiO2 ,Fe2
O3 ,Cr2 O3 を含有する耐熱ガラスから構成されて
いる。
3が充填されると共に,Ar,N2等の不活性ガスが封
入され,W−Re素線6,7の酸化腐食による断線を阻
止する機能を有する。充填部材3は,Tiが添加された
多孔質の窒化ケイ素セラミックス(反応焼結窒化ケイ素
セラミックス),或いはSi3 N4 ,SiO2 ,Fe2
O3 ,Cr2 O3 を含有する耐熱ガラスから構成されて
いる。
【0023】また,第1保護管1の先端部14は,第2
保護管2の開放端部10から僅かに突出した状態に配置
されている。また,熱電対を金属溶湯中に浸した状態で
は開放端部10は金属溶湯自体で密封され,第1保護管
1と第2保護管2との間に存在する空気は,密封され,
第1保護管1と第2保護管2との間に金属溶湯が侵入す
ることが阻止される。第1保護管1の先端部14の測温
領域を,第1保護管1と第1保護管1の外側に配置した
第2保護管2で二重構造に構成され,先端部14の熱容
量と熱通過面積を可及的に小さく構成して第1保護管1
の後端部15への熱の伝達を低減することができる。
保護管2の開放端部10から僅かに突出した状態に配置
されている。また,熱電対を金属溶湯中に浸した状態で
は開放端部10は金属溶湯自体で密封され,第1保護管
1と第2保護管2との間に存在する空気は,密封され,
第1保護管1と第2保護管2との間に金属溶湯が侵入す
ることが阻止される。第1保護管1の先端部14の測温
領域を,第1保護管1と第1保護管1の外側に配置した
第2保護管2で二重構造に構成され,先端部14の熱容
量と熱通過面積を可及的に小さく構成して第1保護管1
の後端部15への熱の伝達を低減することができる。
【0024】また,サーメットから作製された第2保護
管2は,耐熱性,耐溶損性に優れ,しかも,遮熱層5の
存在によって熱衝撃で亀裂が発生しても緩やかに破壊す
るので,例えば,従来のセラミックスから成る外殻のよ
うな壊滅的な破壊に至ることがない。第2保護管2内に
封入された第1保護管1は,窒化ケイ素等を主成分とす
るセラミックスから作製され,鉄等の金属溶湯に露出さ
れると,窒化ケイ素は鉄と反応し,溶損が激しく,サー
メットに比較して熱衝撃性が劣るが,第1保護管1は鉄
の溶湯に直接接触することがないので,熱伝達率を小さ
くすることができ,従って,第1保護管1が熱衝撃で破
損することが防止される。
管2は,耐熱性,耐溶損性に優れ,しかも,遮熱層5の
存在によって熱衝撃で亀裂が発生しても緩やかに破壊す
るので,例えば,従来のセラミックスから成る外殻のよ
うな壊滅的な破壊に至ることがない。第2保護管2内に
封入された第1保護管1は,窒化ケイ素等を主成分とす
るセラミックスから作製され,鉄等の金属溶湯に露出さ
れると,窒化ケイ素は鉄と反応し,溶損が激しく,サー
メットに比較して熱衝撃性が劣るが,第1保護管1は鉄
の溶湯に直接接触することがないので,熱伝達率を小さ
くすることができ,従って,第1保護管1が熱衝撃で破
損することが防止される。
【0025】この金属溶湯測温用熱電対は,第1保護管
1及び被膜4の合計の熱容量を小さく構成できるので,
測温領域の先端部を二重構造に構成しても,温度測定の
応答性を低下させることはない。第1保護管1の後端部
に設けられた封止部材8は,緻密な耐熱ガラス部材から
構成されている。第1保護管1の内部には,充填部材3
を充填して製造する時にN2 やArの不活性ガスを封入
し,第1保護管1の端部に封止部材8が嵌合して密閉状
態に構成することができる。
1及び被膜4の合計の熱容量を小さく構成できるので,
測温領域の先端部を二重構造に構成しても,温度測定の
応答性を低下させることはない。第1保護管1の後端部
に設けられた封止部材8は,緻密な耐熱ガラス部材から
構成されている。第1保護管1の内部には,充填部材3
を充填して製造する時にN2 やArの不活性ガスを封入
し,第1保護管1の端部に封止部材8が嵌合して密閉状
態に構成することができる。
【0026】また,第1保護管1内に充填された充填部
材3は,Si3 N4 系反応焼結セラミックス等の材料か
ら構成された多孔質構造に構成し,その熱伝導率が小さ
く構成されている。例えば,充填部材3は,空隙が多い
構造に構成することによって熱伝導率を小さく構成する
ことができる。従って,この金属溶湯測温用熱電対は,
鉄等の金属の溶湯に入れられる第1保護管1が位置する
測温領域の熱容量を小さく構成でき,該測温領域から後
方の領域への熱の伝導を阻止できる。
材3は,Si3 N4 系反応焼結セラミックス等の材料か
ら構成された多孔質構造に構成し,その熱伝導率が小さ
く構成されている。例えば,充填部材3は,空隙が多い
構造に構成することによって熱伝導率を小さく構成する
ことができる。従って,この金属溶湯測温用熱電対は,
鉄等の金属の溶湯に入れられる第1保護管1が位置する
測温領域の熱容量を小さく構成でき,該測温領域から後
方の領域への熱の伝導を阻止できる。
【0027】−実施例−一対のW−Re素線6,7は,
互いに異なった組成を有するW−5ReとW−26Re
からそれぞれ構成され,それぞれ線径が0.2mmであ
り,長さが200mmであり,先端部が互いに溶接で結
合されている結合部16を備えている。W−Re素線
6,7を,Si3 N4 粉末を主成分とする耐熱ガラスの
原料粉末で着肉した。第1保護管1は,その外径が3.
5mmで且つ長さが120〜150mmであり,先端部
14が閉鎖され且つ後端部15が開放した形状を有して
いる窒化ケイ素製のものを使用した。第1保護管1の外
面には,Mo−ZrN,Mo−ZrB2 から成る被膜4
が溶射されている。上記の原料粉末が着肉したW−Re
素線6,7を,第1保護管1の開放した後端部15から
挿入して第1保護管1内に配置した。更に,第1保護管
1内にArやN2 の不活性ガスを注入し,次いで,第1
保護管1の後端部15を耐熱性緻密質ガラスから成る封
止部材8で密封した。
互いに異なった組成を有するW−5ReとW−26Re
からそれぞれ構成され,それぞれ線径が0.2mmであ
り,長さが200mmであり,先端部が互いに溶接で結
合されている結合部16を備えている。W−Re素線
6,7を,Si3 N4 粉末を主成分とする耐熱ガラスの
原料粉末で着肉した。第1保護管1は,その外径が3.
5mmで且つ長さが120〜150mmであり,先端部
14が閉鎖され且つ後端部15が開放した形状を有して
いる窒化ケイ素製のものを使用した。第1保護管1の外
面には,Mo−ZrN,Mo−ZrB2 から成る被膜4
が溶射されている。上記の原料粉末が着肉したW−Re
素線6,7を,第1保護管1の開放した後端部15から
挿入して第1保護管1内に配置した。更に,第1保護管
1内にArやN2 の不活性ガスを注入し,次いで,第1
保護管1の後端部15を耐熱性緻密質ガラスから成る封
止部材8で密封した。
【0028】第2保護管2を,MoをベースにしたZr
O2 から成るサーメットによって外径10mmで内径7
mmのサイズに形成した。第2保護管2の外周面には,
ZrN及び/又はZrB2 を分散させたMoをベースに
した複合材から成る被膜が溶射によって形成されてい
る。被膜を溶射した第2保護管2の内部へ第1保護管1
を挿入した。この時,第1保護管1は,その先端部14
が第2保護管2の開放端部10から僅かに突出するよう
に挿入されている。第1保護管1と第2保護管2との間
には支持リング17が隔置状態に配置され,第1保護管
1と第2保護管2との間に空気室11を形成されると共
に,空気室11に遮熱材が充填された遮熱層5が形成さ
れている。第1保護管1と第2保護管2との端部は,コ
レットチャック22によってステンレス製の支持パイプ
18に固定されている。
O2 から成るサーメットによって外径10mmで内径7
mmのサイズに形成した。第2保護管2の外周面には,
ZrN及び/又はZrB2 を分散させたMoをベースに
した複合材から成る被膜が溶射によって形成されてい
る。被膜を溶射した第2保護管2の内部へ第1保護管1
を挿入した。この時,第1保護管1は,その先端部14
が第2保護管2の開放端部10から僅かに突出するよう
に挿入されている。第1保護管1と第2保護管2との間
には支持リング17が隔置状態に配置され,第1保護管
1と第2保護管2との間に空気室11を形成されると共
に,空気室11に遮熱材が充填された遮熱層5が形成さ
れている。第1保護管1と第2保護管2との端部は,コ
レットチャック22によってステンレス製の支持パイプ
18に固定されている。
【0029】上記のように構成した金属溶湯測温用熱電
対(本発明品)を使用して,約1450℃の鋳鉄溶湯の
測温を行ったところ,充填部材3を構成する原料粉末が
焼成されて安定化するまでの時間は約4秒かかったが,
鋳鉄溶湯の測温を500サイクル繰り返した。本発明品
は,鋳鉄溶湯の測温を500サイクル繰り返した後に,
第2保護管2に亀裂が認められたが,鋳鉄溶湯の測温性
能には問題がなく,その状態で更に鋳鉄溶湯の測温を1
000回以上の鋳鉄溶湯の測温を行ったが,金属溶湯測
温用熱電対の起電力の変化はなく,安定して測温するこ
とができた。
対(本発明品)を使用して,約1450℃の鋳鉄溶湯の
測温を行ったところ,充填部材3を構成する原料粉末が
焼成されて安定化するまでの時間は約4秒かかったが,
鋳鉄溶湯の測温を500サイクル繰り返した。本発明品
は,鋳鉄溶湯の測温を500サイクル繰り返した後に,
第2保護管2に亀裂が認められたが,鋳鉄溶湯の測温性
能には問題がなく,その状態で更に鋳鉄溶湯の測温を1
000回以上の鋳鉄溶湯の測温を行ったが,金属溶湯測
温用熱電対の起電力の変化はなく,安定して測温するこ
とができた。
【0030】また,鋳鉄溶湯の測温とは別に,上記の金
属溶湯測温用熱電対を使用して,約1500℃の他の金
属溶湯の連続測温を行ったところ,500時間以上経過
した時点においても,この金属溶湯測温用熱電対の起電
力の変化等の異常は確認できなかった。即ち,この金属
溶湯測温用熱電対は,耐熱性,耐溶損性が良好であるこ
とが分かった。
属溶湯測温用熱電対を使用して,約1500℃の他の金
属溶湯の連続測温を行ったところ,500時間以上経過
した時点においても,この金属溶湯測温用熱電対の起電
力の変化等の異常は確認できなかった。即ち,この金属
溶湯測温用熱電対は,耐熱性,耐溶損性が良好であるこ
とが分かった。
【0031】この金属溶湯測温用熱電対(本発明品)を
別の熱電対と比較するため,比較例として,サーメット
から成る外径13mmの保護管内に,上記の原料粉末が
着肉したW−Re素線を挿入した構造を持つ熱電対(比
較品)を作製した。比較品の応答性,鉄溶湯の付着性,
及び耐久性の評価を行ったところ,本発明品に比較し
て.外径のサイズが大きいため,応答性が悪く,5秒以
内にすることはできなかった。このことより,応答性を
向上させるには,第1保護管1の外径を5mm以下に形
成することが好ましいことが分かった。
別の熱電対と比較するため,比較例として,サーメット
から成る外径13mmの保護管内に,上記の原料粉末が
着肉したW−Re素線を挿入した構造を持つ熱電対(比
較品)を作製した。比較品の応答性,鉄溶湯の付着性,
及び耐久性の評価を行ったところ,本発明品に比較し
て.外径のサイズが大きいため,応答性が悪く,5秒以
内にすることはできなかった。このことより,応答性を
向上させるには,第1保護管1の外径を5mm以下に形
成することが好ましいことが分かった。
【0032】
【発明の効果】この発明による金属溶湯測温用熱電対
は,上記のように,窒化ケイ素製第1保護管がMoをベ
ースにしたサーメット等の複合材から成る第2保護管で
保護されているので,耐熱性,耐溶損性を向上でき,反
復使用しても,鉄溶湯等の金属溶湯の温度を高精度に且
つ迅速に測定でき,その寿命を向上させることができ,
第1保護管の外径を可及的に小さいサイズに形成して熱
容量を小さくし,測温応答性を向上させることができ
る。第1保護管及び第2保護管の表面に,熱膨張係数が
小さく且つ鉄と反応し難いZrB2 及び/又はZrNを
分散したMoをベースにした材料から成る被膜を形成す
ることによって,鋳鉄溶湯の付着を防止し,測温性能を
アップした。また,測温領域の温度は,第1保護管内の
多孔質セラミックスから成る充填部材によってその領域
が制限され,前記第1保護管内を通じて後方へ熱が逃げ
難くなり,測温領域の熱容量を小さく構成でき,熱電対
の測温応答性を向上させることができる。
は,上記のように,窒化ケイ素製第1保護管がMoをベ
ースにしたサーメット等の複合材から成る第2保護管で
保護されているので,耐熱性,耐溶損性を向上でき,反
復使用しても,鉄溶湯等の金属溶湯の温度を高精度に且
つ迅速に測定でき,その寿命を向上させることができ,
第1保護管の外径を可及的に小さいサイズに形成して熱
容量を小さくし,測温応答性を向上させることができ
る。第1保護管及び第2保護管の表面に,熱膨張係数が
小さく且つ鉄と反応し難いZrB2 及び/又はZrNを
分散したMoをベースにした材料から成る被膜を形成す
ることによって,鋳鉄溶湯の付着を防止し,測温性能を
アップした。また,測温領域の温度は,第1保護管内の
多孔質セラミックスから成る充填部材によってその領域
が制限され,前記第1保護管内を通じて後方へ熱が逃げ
難くなり,測温領域の熱容量を小さく構成でき,熱電対
の測温応答性を向上させることができる。
【図1】この金属溶湯測温用熱電対の一実施例を示す断
面図である。
面図である。
【図2】図1の金属溶湯測温用熱電対の第1保護管の拡
大断面図である。
大断面図である。
1 第1保護管 2 第2保護管 3 充填部材 4 被膜 5 遮熱層 6,7 タングステン−レニウム合金製素線 8 封止部材 9 測温部 10 開放端部 12,13 端子 14 先端部 15 後端部 16 接合部 17 支持リング 18 金属パイプ 20,22 コレットチャック
Claims (8)
- 【請求項1】 一端が閉鎖され且つ他端が開放した窒化
ケイ素,サイアロン又はMoを母相とするサーメットか
ら成る第1保護管,前記第1保護管の外面に配置された
熱膨張係数が小さく且つ鉄と反応し難い耐熱性被膜,前
記第1保護管内に配置され且つ先端部で結合された測温
部を構成する異なる組成の一対の温度検知用合金素線,
前記第1保護管の内部で前記合金素線を埋設した状態で
充填された非導電性の充填部材,前記合金素線を延び出
させた状態で前記第1保護管の開放端部を封止した緻密
な耐熱ガラスから成る封止部材,及び前記第1保護管の
外周に遮熱層を介して取り付けられたMoをベースとす
るサーメットから成る第2保護管,から成る金属溶湯測
温用熱電対。 - 【請求項2】 前記被膜は,熱膨張係数が小さく且つ鉄
と反応し難いMo−ZrN,Mo−ZrB2 ,Mo−Z
rO2 のうちのいずれか一種或いは複合物から成る溶射
被膜で構成されていることから成る請求項1に記載の金
属溶湯測温用熱電対。 - 【請求項3】 前記合金素線は,タングステン−レニウ
ム合金素線であることから成る請求項1に記載の金属溶
湯測温用熱電対。 - 【請求項4】 前記充填部材は,Tiが添加された反応
焼結窒化ケイ素であることから成る請求項1に記載の金
属溶湯測温用熱電対。 - 【請求項5】 前記充填部材は,Fe2 O3 ,SiO2
を含有する耐熱性ガラスであることから成る請求項1に
記載の金属溶湯測温用熱電対。 - 【請求項6】 前記第1保護管は,外径が5mm以下の
サイズに形成されていることから成る請求項1に記載の
金属溶湯測温用熱電対。 - 【請求項7】 前記第1保護管と前記第2保護管との間
に介在した前記遮熱層は,前記第1保護管の側面からの
熱の流出を防止する遮熱空気層又はセラミック繊維から
構成されていることから成る請求項1に記載の金属溶湯
測温用熱電対。 - 【請求項8】 前記第1保護管と前記第2保護管との測
温領域とは反対側の端部は,前記第1保護管と前記第2
保護管との間の隙間が封止される状態でコレットチャッ
クによって金属製支持パイプに固定されていることから
成る請求項1に記載の金属溶湯測温用熱電対。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25797797A JP3306426B2 (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 金属溶湯測温用熱電対 |
EP98304965A EP0887632A1 (en) | 1997-06-24 | 1998-06-24 | A ceramic thermocouple for measuring temperature of molten metal |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25797797A JP3306426B2 (ja) | 1997-09-08 | 1997-09-08 | 金属溶湯測温用熱電対 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1183639A true JPH1183639A (ja) | 1999-03-26 |
JP3306426B2 JP3306426B2 (ja) | 2002-07-24 |
Family
ID=17313843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25797797A Expired - Fee Related JP3306426B2 (ja) | 1997-06-24 | 1997-09-08 | 金属溶湯測温用熱電対 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3306426B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002079322A (ja) * | 2000-09-06 | 2002-03-19 | Seiko Instruments Inc | 薄板を部材に巻き付ける方法およびコレットチャック |
JP4535306B2 (ja) * | 2000-10-27 | 2010-09-01 | いすゞ自動車株式会社 | 温度測定器 |
KR101514048B1 (ko) * | 2014-12-09 | 2015-04-22 | (주)센테크이엔지 | 열전대 온도 측정 장치 |
JP2020085524A (ja) * | 2018-11-19 | 2020-06-04 | Toyo Tire株式会社 | 温度センサおよび空気入りタイヤの製造方法 |
CN112609159A (zh) * | 2020-12-16 | 2021-04-06 | 尚越光电科技股份有限公司 | 一种cigs薄膜太阳能电池热电偶装配的共蒸设备 |
CN113607294A (zh) * | 2021-05-25 | 2021-11-05 | 安徽宏康特种金属材料有限公司 | 一种方便测温热电偶防护套管 |
CN114184292A (zh) * | 2021-11-25 | 2022-03-15 | 长沙新立硅材料科技有限公司 | 一种连续测量石墨坩埚壁温度的装置及放置方法 |
-
1997
- 1997-09-08 JP JP25797797A patent/JP3306426B2/ja not_active Expired - Fee Related
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