JPH116031A - 加工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
加工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼板およびその製造方法Info
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- JPH116031A JPH116031A JP17129197A JP17129197A JPH116031A JP H116031 A JPH116031 A JP H116031A JP 17129197 A JP17129197 A JP 17129197A JP 17129197 A JP17129197 A JP 17129197A JP H116031 A JPH116031 A JP H116031A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ほうろう特性を良好に維持しつつ、加工性に
優れ、かつほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷
延鋼板およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 重量%で、C:0.005%以下、S
i:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.7%、P:
0.004〜0.025%、S:0〜0.025%、s
ol.Al:0〜0.01%、O:0.045〜0.1
%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.005%以
下、Nb:0.01〜0.1%で、かつ、0.5O〜
2.5OのCrを含有することで、加工性に優れ、ほう
ろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼板を得る。
優れ、かつほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷
延鋼板およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 重量%で、C:0.005%以下、S
i:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.7%、P:
0.004〜0.025%、S:0〜0.025%、s
ol.Al:0〜0.01%、O:0.045〜0.1
%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.005%以
下、Nb:0.01〜0.1%で、かつ、0.5O〜
2.5OのCrを含有することで、加工性に優れ、ほう
ろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼板を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性に優れ、ほ
うろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼板および
その製造方法に関する。
うろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼板および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ほうろう製品は、台所用品、建材、流し
台等に利用されている。ほうろう用鋼としては、耐爪と
び性等のほうろう特性を良好にする観点から、製鋼段階
で鋼中のC、Nを極力低減し、未脱酸で製造した鋼(以
下、高酸素鋼という)が使用されている。
台等に利用されている。ほうろう用鋼としては、耐爪と
び性等のほうろう特性を良好にする観点から、製鋼段階
で鋼中のC、Nを極力低減し、未脱酸で製造した鋼(以
下、高酸素鋼という)が使用されている。
【0003】ところで、鍋類、ケトルなどでは、ほうろ
う用鋼板に対して優れた加工性が要求される。また、こ
のような用途には、意匠性の観点から絵や模様などを焼
き付けることが多く、ほうろう上釉薬を施釉、焼成した
後、絵や模様などを転写する。このため、通常のほうろ
う焼成に加えて、さらに転写のための焼成が必要とな
る。しかし、このような用途では、鋼板がかなりきつい
加工を受けるため、複数回のほうろう焼成で鋼板に粗大
粒が発生し、軟質化しやすくなる。鋼板の軟質化はほう
ろう製品の強度を低下させ、ほうろう層が変形により割
れやすくなる。また、鋼板が軟質化すると、再度焼成し
た際に変形しやすくなるので好ましくない。
う用鋼板に対して優れた加工性が要求される。また、こ
のような用途には、意匠性の観点から絵や模様などを焼
き付けることが多く、ほうろう上釉薬を施釉、焼成した
後、絵や模様などを転写する。このため、通常のほうろ
う焼成に加えて、さらに転写のための焼成が必要とな
る。しかし、このような用途では、鋼板がかなりきつい
加工を受けるため、複数回のほうろう焼成で鋼板に粗大
粒が発生し、軟質化しやすくなる。鋼板の軟質化はほう
ろう製品の強度を低下させ、ほうろう層が変形により割
れやすくなる。また、鋼板が軟質化すると、再度焼成し
た際に変形しやすくなるので好ましくない。
【0004】ほうろうは、一般に焼成回数を重ねる毎に
密着性が低下する傾向にあるため、上記のような用途に
は密着性の優れた鋼板が望ましい。さらに、加工性を考
慮すると、極低炭素系の鋼板が好ましい。上述した高酸
素鋼は、製鋼段階でC、Nを極力低減しているものの、
鋼中に固溶C、Nが存在するため、加工性、耐時効性が
比較的劣り、鍋類、ケトルなどの用途には不十分であ
る。
密着性が低下する傾向にあるため、上記のような用途に
は密着性の優れた鋼板が望ましい。さらに、加工性を考
慮すると、極低炭素系の鋼板が好ましい。上述した高酸
素鋼は、製鋼段階でC、Nを極力低減しているものの、
鋼中に固溶C、Nが存在するため、加工性、耐時効性が
比較的劣り、鍋類、ケトルなどの用途には不十分であ
る。
【0005】耐時効性を改善するための対策として、鋼
中にTi等を添加することが、例えば特開昭63−27
7742号公報に開示されている。しかし、この方法で
は、Ti酸化物が多くなり、耐爪とび性が不安定にな
る。また、本発明者らは耐時効性を改善するために以前
にBを添加することを提案している(特願平8−259
467号)。しかし、Bを添加すると、製鋼段階で酸素
と結合しやすいため鋳造しにくく、スラブ割れが生じや
すく、さらに圧延負荷が大きくなるため、Bに代わる耐
時効性を改善する元素が望まれている。一方、このよう
な鋼板の焼成軟化特性について検討された例はない。
中にTi等を添加することが、例えば特開昭63−27
7742号公報に開示されている。しかし、この方法で
は、Ti酸化物が多くなり、耐爪とび性が不安定にな
る。また、本発明者らは耐時効性を改善するために以前
にBを添加することを提案している(特願平8−259
467号)。しかし、Bを添加すると、製鋼段階で酸素
と結合しやすいため鋳造しにくく、スラブ割れが生じや
すく、さらに圧延負荷が大きくなるため、Bに代わる耐
時効性を改善する元素が望まれている。一方、このよう
な鋼板の焼成軟化特性について検討された例はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、加工性に
優れ、かつほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷
延鋼板は、未だ得られていない。本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、ほうろう特性を良好に維
持しつつ、加工性に優れ、かつほうろう焼成時に軟化し
にくいほうろう用冷延鋼板およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
優れ、かつほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷
延鋼板は、未だ得られていない。本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、ほうろう特性を良好に維
持しつつ、加工性に優れ、かつほうろう焼成時に軟化し
にくいほうろう用冷延鋼板およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために鋭意研究を重ねてきた結果、加工性
に優れ、かつほうろう焼成時に軟化しにくい鋼板を得る
ためには、CrとNbの添加が有効であることを見出し
た。すなわち、Crは、鋼中のMn、Oと結合して加工
性、特に深絞り性を向上させる効果があり、Nbは、熱
延板のフェライト粒の微細化を通して塑性ひずみ比(r
値)の向上、塑性ひずみ比の異方性(Δr)の改善をも
たらし、さらに鋼中のC、Nと結合して耐時効性を向上
させ、ほうろう焼成時の軟化を防止する効果がある。
題を解決するために鋭意研究を重ねてきた結果、加工性
に優れ、かつほうろう焼成時に軟化しにくい鋼板を得る
ためには、CrとNbの添加が有効であることを見出し
た。すなわち、Crは、鋼中のMn、Oと結合して加工
性、特に深絞り性を向上させる効果があり、Nbは、熱
延板のフェライト粒の微細化を通して塑性ひずみ比(r
値)の向上、塑性ひずみ比の異方性(Δr)の改善をも
たらし、さらに鋼中のC、Nと結合して耐時効性を向上
させ、ほうろう焼成時の軟化を防止する効果がある。
【0008】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものであり、重量%で、C:0.005%以下、S
i:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.7%、P:
0.004〜0.025%、S:0〜0.025%、s
ol.Al:0〜0.01%、O:0.045〜0.1
%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.005%以
下、Nb:0.01〜0.1%で、かつ、0.5O〜
2.5OのCrを含有することを特徴とする、加工性に
優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼
板を提供するものである。また、さらに、重量%で0.
001〜0.1%のVを含有することを特徴とする、加
工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用
冷延鋼板を提供するものである。
れたものであり、重量%で、C:0.005%以下、S
i:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.7%、P:
0.004〜0.025%、S:0〜0.025%、s
ol.Al:0〜0.01%、O:0.045〜0.1
%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.005%以
下、Nb:0.01〜0.1%で、かつ、0.5O〜
2.5OのCrを含有することを特徴とする、加工性に
優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼
板を提供するものである。また、さらに、重量%で0.
001〜0.1%のVを含有することを特徴とする、加
工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用
冷延鋼板を提供するものである。
【0009】本発明はまた、重量%で、C:0.005
%以下、Si:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.7
%、P:0.004〜0.025%、S:0〜0.02
5%、sol.Al:0〜0.01%、O:0.045
〜0.1%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.0
05%以下、Nb:0.01〜0.1%で、かつ、0.
5O〜2.5OのCrを含有する鋼に対して熱間圧延を
施した後、640℃以上の温度で巻取って熱延鋼板と
し、酸洗、冷間圧延後、800℃以上、850℃以下の
温度で連続焼鈍を行うことを特徴とする、加工性に優
れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼の
製造方法を提供するものである。また、さらに、重量%
で0.001〜0.1%のVを含有することを特徴とす
る、加工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほう
ろう用冷延鋼板の製造方法を提供するものである。
%以下、Si:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.7
%、P:0.004〜0.025%、S:0〜0.02
5%、sol.Al:0〜0.01%、O:0.045
〜0.1%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.0
05%以下、Nb:0.01〜0.1%で、かつ、0.
5O〜2.5OのCrを含有する鋼に対して熱間圧延を
施した後、640℃以上の温度で巻取って熱延鋼板と
し、酸洗、冷間圧延後、800℃以上、850℃以下の
温度で連続焼鈍を行うことを特徴とする、加工性に優
れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼の
製造方法を提供するものである。また、さらに、重量%
で0.001〜0.1%のVを含有することを特徴とす
る、加工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほう
ろう用冷延鋼板の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、鋼の成分
・組成、製造方法に分けて詳細に説明する。 1.鋼成分 本発明の鋼板における鋼の成分・組成は、C:0.00
5%以下、Si:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.
7%、P:0.004〜0.025%、S:0〜0.0
25%、sol.Al:0〜0.01%、O:0.04
5〜0.1%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.
005%以下、Nb:0.01〜0.1%、Cr:か
つ、0.5O〜2.5Oで、選択成分としてV:0.0
01〜0.1%を含有してもよい。
・組成、製造方法に分けて詳細に説明する。 1.鋼成分 本発明の鋼板における鋼の成分・組成は、C:0.00
5%以下、Si:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.
7%、P:0.004〜0.025%、S:0〜0.0
25%、sol.Al:0〜0.01%、O:0.04
5〜0.1%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.
005%以下、Nb:0.01〜0.1%、Cr:か
つ、0.5O〜2.5Oで、選択成分としてV:0.0
01〜0.1%を含有してもよい。
【0011】C、N:C、N量が多すぎると、耐時効性
が劣化する。このため、C,Nはできる限り少ない方が
望ましい。このため、C、Nの含有量をいずれも0.0
05%以下とする。これらの好ましい範囲は、0.00
25%以下である。
が劣化する。このため、C,Nはできる限り少ない方が
望ましい。このため、C、Nの含有量をいずれも0.0
05%以下とする。これらの好ましい範囲は、0.00
25%以下である。
【0012】Si:Siは、鋼を溶製する際、鋼中の酸
素量の調整のため、必要に応じて添加する。しかし、鋼
の表面性状の向上のためには少ない方がよい。すなわ
ち、0.05%を超えるとSiスケールに関連した表面
欠陥が発生しやすい。したがって、Siの含有量を0.
05%以下(無添加の場合を含む)とする。
素量の調整のため、必要に応じて添加する。しかし、鋼
の表面性状の向上のためには少ない方がよい。すなわ
ち、0.05%を超えるとSiスケールに関連した表面
欠陥が発生しやすい。したがって、Siの含有量を0.
05%以下(無添加の場合を含む)とする。
【0013】sol.Al:Alは鋼を溶製する際、鋼
中の酸素量を制御するため必要に応じて添加する。しか
し、Al添加量が多すぎるとsol.Alが鋼中のNと
結びついて微細なAlNとなり、鋼の加工性を著しく劣
化させる。このため、Alはできるだけ添加しないのが
よく、実質的に問題ない範囲としてsol.Alの含有
量を0.01%以下(無添加も含む)とする。好ましい
範囲は0.002%以下である。
中の酸素量を制御するため必要に応じて添加する。しか
し、Al添加量が多すぎるとsol.Alが鋼中のNと
結びついて微細なAlNとなり、鋼の加工性を著しく劣
化させる。このため、Alはできるだけ添加しないのが
よく、実質的に問題ない範囲としてsol.Alの含有
量を0.01%以下(無添加も含む)とする。好ましい
範囲は0.002%以下である。
【0014】Mn:Mnは、鋼中のOと結合してMnO
となり、ほうろう焼成時に進入したHのトラップサイト
として働くことで、耐爪とび性を向上させる。また、M
nの一部はCrと複合酸化物を作り、これが深絞り性に
好ましい集合組織を形成する。しかし、Mn量が0.2
%未満ではその効果がなく、0.7%超えでは鋼の加工
性を劣化させる。したがって、Mnの含有量を0.2〜
0.7%とする。ただし、本発明のようにO量が多く、
Nbを添加する系においてはNbが酸化物とならないた
め、Mn量は多いほうが好ましく、0.25〜0.45
%が好ましい。
となり、ほうろう焼成時に進入したHのトラップサイト
として働くことで、耐爪とび性を向上させる。また、M
nの一部はCrと複合酸化物を作り、これが深絞り性に
好ましい集合組織を形成する。しかし、Mn量が0.2
%未満ではその効果がなく、0.7%超えでは鋼の加工
性を劣化させる。したがって、Mnの含有量を0.2〜
0.7%とする。ただし、本発明のようにO量が多く、
Nbを添加する系においてはNbが酸化物とならないた
め、Mn量は多いほうが好ましく、0.25〜0.45
%が好ましい。
【0015】Cr:Crは、加工性を向上させるととも
に、耐爪とび性の向上にも寄与する。また、CrはNb
より酸化しやすいため、本発明において添加するNbが
酸化物となりにくく、Cr添加により後述するNbのr
値向上効果、r値の異方性改善効果、さらには耐時効性
および焼成軟化特性の改善効果を十分に発揮させること
ができる。Crは、Mn,Oと複合酸化物を形成し、結
晶粒界の移動を妨げる微細な酸化物を減少させ、焼鈍時
にフェライト粒の成長性を向上させることにより深絞り
性の向上に寄与すると考えられる。このため、CrはO
の量に応じて、その量を規定する必要がある。CrがO
の0.5未満では上記効果を十分に発揮することができ
ず、また2.5超えでは逆に固溶Crが増え加工性を劣
化させる。したがって、Crの含有量を0.5O〜2.
5Oの範囲とする。好ましいCr量の範囲は0.8O〜
1.5Oである。
に、耐爪とび性の向上にも寄与する。また、CrはNb
より酸化しやすいため、本発明において添加するNbが
酸化物となりにくく、Cr添加により後述するNbのr
値向上効果、r値の異方性改善効果、さらには耐時効性
および焼成軟化特性の改善効果を十分に発揮させること
ができる。Crは、Mn,Oと複合酸化物を形成し、結
晶粒界の移動を妨げる微細な酸化物を減少させ、焼鈍時
にフェライト粒の成長性を向上させることにより深絞り
性の向上に寄与すると考えられる。このため、CrはO
の量に応じて、その量を規定する必要がある。CrがO
の0.5未満では上記効果を十分に発揮することができ
ず、また2.5超えでは逆に固溶Crが増え加工性を劣
化させる。したがって、Crの含有量を0.5O〜2.
5Oの範囲とする。好ましいCr量の範囲は0.8O〜
1.5Oである。
【0016】O:Oは、鋼中のMn、CrやFeと結合
して、酸化物を形成し、Hのトラップサイトとして耐爪
とび性に寄与する。また、一部がCr,Mnと酸化物を
作り、加工性、特に深絞り性向上に寄与する集合組織を
形成する。しかし、O量が0.045%未満ではその効
果がなく、0.1%超えではNbが酸化物を形成しやす
くなり、Nbの効果を減じる。したがって、Oの含有量
を0.045〜0.1%の範囲とする。ただし、耐爪と
び性の観点から、0.05%以上、加工性の観点から
0.07%以下とすることが好ましい。
して、酸化物を形成し、Hのトラップサイトとして耐爪
とび性に寄与する。また、一部がCr,Mnと酸化物を
作り、加工性、特に深絞り性向上に寄与する集合組織を
形成する。しかし、O量が0.045%未満ではその効
果がなく、0.1%超えではNbが酸化物を形成しやす
くなり、Nbの効果を減じる。したがって、Oの含有量
を0.045〜0.1%の範囲とする。ただし、耐爪と
び性の観点から、0.05%以上、加工性の観点から
0.07%以下とすることが好ましい。
【0017】本発明鋼板のようにCrを添加した場合、
酸洗減量値が大きくなるので、以下のようにP,S,C
u量を調整し、密着性、泡性を確保するのが必要であ
る。
酸洗減量値が大きくなるので、以下のようにP,S,C
u量を調整し、密着性、泡性を確保するのが必要であ
る。
【0018】P:Pは、酸洗減量値を大きく左右し、ほ
うろうの密着性に影響を与える。すなわち、P量が0.
004%未満では、酸洗速度が遅すぎ通常の酸洗条件で
は十分な酸洗減量値が得られない。一方、0.025%
を超えると酸洗減量値が大きくなりすぎ、焼成中の露点
が高いときなど、泡欠陥が発生しやすくなる。この観点
から、Pの含有量を0.004〜0.025%の範囲と
する。ただし、極めて良好な耐泡性を確保するために
は、0.015%以下とすることが好ましい。
うろうの密着性に影響を与える。すなわち、P量が0.
004%未満では、酸洗速度が遅すぎ通常の酸洗条件で
は十分な酸洗減量値が得られない。一方、0.025%
を超えると酸洗減量値が大きくなりすぎ、焼成中の露点
が高いときなど、泡欠陥が発生しやすくなる。この観点
から、Pの含有量を0.004〜0.025%の範囲と
する。ただし、極めて良好な耐泡性を確保するために
は、0.015%以下とすることが好ましい。
【0019】S:Sは酸洗減量値を増大させる効果があ
り、ほうろう密着性に影響する。また、耐爪とび性に効
果があるため、必要に応じて添加する。しかし、本発明
のようにNbを添加した系では特にS量が多くなりすぎ
ると、加工性、密着性が劣化しやすくなる。このため、
S含有量を0.025%以下とする。より好ましくは、
0.015〜0.02%の範囲である。
り、ほうろう密着性に影響する。また、耐爪とび性に効
果があるため、必要に応じて添加する。しかし、本発明
のようにNbを添加した系では特にS量が多くなりすぎ
ると、加工性、密着性が劣化しやすくなる。このため、
S含有量を0.025%以下とする。より好ましくは、
0.015〜0.02%の範囲である。
【0020】Cu:Cuはほうろう焼成時のほうろう層
と鋼板の界面の凹凸を増大させ、ほうろう密着性を向上
させる元素である。しかし、Cu量が0.02%未満で
は通常のほうろう条件では良好な密着性を得ることがで
きない。一方、Cuはほうろう前処理時の酸洗速度を小
さくする元素であり、0.05%超えて添加すると酸洗
減量値が小さくなりすぎて、通常のほうろう条件では良
好な密着性を得ることができない。したがって、Cu含
有量を0.02〜0.05%の範囲とする。ただし、極
めて良好な密着性を得るためには、0.025〜0.0
35%の範囲がより好ましい。
と鋼板の界面の凹凸を増大させ、ほうろう密着性を向上
させる元素である。しかし、Cu量が0.02%未満で
は通常のほうろう条件では良好な密着性を得ることがで
きない。一方、Cuはほうろう前処理時の酸洗速度を小
さくする元素であり、0.05%超えて添加すると酸洗
減量値が小さくなりすぎて、通常のほうろう条件では良
好な密着性を得ることができない。したがって、Cu含
有量を0.02〜0.05%の範囲とする。ただし、極
めて良好な密着性を得るためには、0.025〜0.0
35%の範囲がより好ましい。
【0021】Nb:Nbは、熱延板粒径の微細化による
r値の向上、r値の異方性の改善をもたらし、鋼中のC
およびNと結合して鋼の時効性の向上に寄与する。さら
に、ほうろう焼成時にNb析出物、固溶Nbによりフェ
ライト粒の粗大化防止効果がある。Nb添加によるr値
向上効果により、Cr、Mnの複合酸化物による深絞り
性向上効果を倍増させる。しかし、Nb量が0.01%
未満ではNbがほとんど酸化物となってしまい、上記効
果を奏することができず、一方、0.1%超えではNb
系の酸化物が多量に発生し、爪とびが発生しやすくな
る。したがって、Nb含有量を0.01〜0.1%の範
囲とする。好ましい範囲は、0.02〜0.06%の範
囲である。
r値の向上、r値の異方性の改善をもたらし、鋼中のC
およびNと結合して鋼の時効性の向上に寄与する。さら
に、ほうろう焼成時にNb析出物、固溶Nbによりフェ
ライト粒の粗大化防止効果がある。Nb添加によるr値
向上効果により、Cr、Mnの複合酸化物による深絞り
性向上効果を倍増させる。しかし、Nb量が0.01%
未満ではNbがほとんど酸化物となってしまい、上記効
果を奏することができず、一方、0.1%超えではNb
系の酸化物が多量に発生し、爪とびが発生しやすくな
る。したがって、Nb含有量を0.01〜0.1%の範
囲とする。好ましい範囲は、0.02〜0.06%の範
囲である。
【0022】V:Vは、鋼中のNまたはCと結合して、
鋼の耐時効性の向上に寄与するため、必要に応じて添加
する選択成分である。しかし、V量が0.001%未満
ではほとんどが酸化物となってしまい、その効果がな
く、0.1%超えでは鋼の加工性、ほうろう性が劣化す
る。したがって、Vを添加する場合には、その含有量を
0.001〜0.1%の範囲とする。好ましい範囲とし
ては0.02〜0.04%である。
鋼の耐時効性の向上に寄与するため、必要に応じて添加
する選択成分である。しかし、V量が0.001%未満
ではほとんどが酸化物となってしまい、その効果がな
く、0.1%超えでは鋼の加工性、ほうろう性が劣化す
る。したがって、Vを添加する場合には、その含有量を
0.001〜0.1%の範囲とする。好ましい範囲とし
ては0.02〜0.04%である。
【0023】その他の元素については、Niは0.05
%、Snは0.01%、Asは0.01%、Sbは0.
01%まで含有されても本発明の効果を損なうことはな
い。また、本発明ではBは意図的には添加しない。
%、Snは0.01%、Asは0.01%、Sbは0.
01%まで含有されても本発明の効果を損なうことはな
い。また、本発明ではBは意図的には添加しない。
【0024】2.製造方法 まず、前述の鋼成分範囲内に成分調整したスラブを製造
する。スラブ製造に関しては、鋼塊法ではリム層とコア
部との間に粗大介在物が存在しやすくなり、ほうろう加
工後、ふくれ欠陥が発生しやすくなる。よって、連続鋳
造法で製造するのが好ましい。
する。スラブ製造に関しては、鋼塊法ではリム層とコア
部との間に粗大介在物が存在しやすくなり、ほうろう加
工後、ふくれ欠陥が発生しやすくなる。よって、連続鋳
造法で製造するのが好ましい。
【0025】鋳造後、鋼片を冷却後、加熱し熱間圧延を
行うか、もしくは鋳造後、鋼片を加熱することなく直接
熱間圧延を行う。熱間圧延条件は特に限定されるもので
はなく、常法に従って行えばよい。ただし、本発明のよ
うにNbを添加した鋼では、加熱によるNbの析出物の
固溶を抑えるため、加熱温度が1150℃以下が好まし
い。熱間圧延するに際して、粗圧延後の鋼板を再度加熱
温度以下に再度加熱しても本発明の効果は損なわれな
い。仕上圧延は好ましくはAr3変態点以上900℃以
下で行う。これにより、熱延板のフェライト粒が微細化
し、鋼の加工性が向上する。一方、仕上温度を900℃
以下とすることにより、仕上げ圧延前のオーステナイト
粒が小さくなるため、フェライト粒の粒成長を抑制し、
加工性が向上する。
行うか、もしくは鋳造後、鋼片を加熱することなく直接
熱間圧延を行う。熱間圧延条件は特に限定されるもので
はなく、常法に従って行えばよい。ただし、本発明のよ
うにNbを添加した鋼では、加熱によるNbの析出物の
固溶を抑えるため、加熱温度が1150℃以下が好まし
い。熱間圧延するに際して、粗圧延後の鋼板を再度加熱
温度以下に再度加熱しても本発明の効果は損なわれな
い。仕上圧延は好ましくはAr3変態点以上900℃以
下で行う。これにより、熱延板のフェライト粒が微細化
し、鋼の加工性が向上する。一方、仕上温度を900℃
以下とすることにより、仕上げ圧延前のオーステナイト
粒が小さくなるため、フェライト粒の粒成長を抑制し、
加工性が向上する。
【0026】本発明では、仕上げ圧延後の巻取りは、N
bC等の析出物を粗大に析出させ、焼鈍時における分解
を少なくするために、640℃以上とすることが好まし
い。一方、巻取温度が高すぎると酸洗性が劣化すること
から700℃以下で巻き取ることが望ましい。なお、本
発明においては、粗圧延を省略して薄スラブに対し直接
仕上圧延を行っても発明の効果は損なわれない。
bC等の析出物を粗大に析出させ、焼鈍時における分解
を少なくするために、640℃以上とすることが好まし
い。一方、巻取温度が高すぎると酸洗性が劣化すること
から700℃以下で巻き取ることが望ましい。なお、本
発明においては、粗圧延を省略して薄スラブに対し直接
仕上圧延を行っても発明の効果は損なわれない。
【0027】熱間圧延を終了した鋼帯は酸洗後、冷間圧
延される。冷間圧延条件は特に限定されるものではな
く、常法に従って行えばよい。ただし、冷間圧延率は加
工性の観点から70%以上とするのが好ましい。
延される。冷間圧延条件は特に限定されるものではな
く、常法に従って行えばよい。ただし、冷間圧延率は加
工性の観点から70%以上とするのが好ましい。
【0028】冷間圧延後鋼帯を焼鈍するが、その製造方
法は特に規定されるものではなく箱焼鈍法(タイトコイ
ル焼鈍法)、オープンコイル焼鈍法、連続焼鈍法のいず
れでも構わない。しかし、コスト、製造時間の観点から
連続焼鈍法が好ましい。連続焼鈍での焼鈍温度は、加工
性の観点から800℃以下が好ましい。しかし、焼鈍温
度が高すぎるとNbCが熔解し、耐時効性が劣化するた
め850℃以下が好ましい。焼鈍後の鋼帯はそのまま製
品とすることができるが、爪とび性の向上および形状を
確保するため、必要に応じて伸長率:5.0%以下の調
質圧延を施してもよい。ただし、ほうろう焼成時の軟化
防止の観点からは、伸張率は低いほうが好ましく、1.
0%以下がより好ましい。
法は特に規定されるものではなく箱焼鈍法(タイトコイ
ル焼鈍法)、オープンコイル焼鈍法、連続焼鈍法のいず
れでも構わない。しかし、コスト、製造時間の観点から
連続焼鈍法が好ましい。連続焼鈍での焼鈍温度は、加工
性の観点から800℃以下が好ましい。しかし、焼鈍温
度が高すぎるとNbCが熔解し、耐時効性が劣化するた
め850℃以下が好ましい。焼鈍後の鋼帯はそのまま製
品とすることができるが、爪とび性の向上および形状を
確保するため、必要に応じて伸長率:5.0%以下の調
質圧延を施してもよい。ただし、ほうろう焼成時の軟化
防止の観点からは、伸張率は低いほうが好ましく、1.
0%以下がより好ましい。
【0029】
(実施例1)表1に示す成分の鋼を連続鋳造法によりス
ラブとした。1120℃で加熱後、仕上温度を890℃
で2.8mm厚まで熱間圧延を行い、680℃でコイル
に巻き取った。得られた熱延鋼帯を酸洗した後、0.7
mmまで冷間圧延した(圧延率=75%)。得られた冷
延コイルを加熱速度7℃/秒で820℃で30秒間の連
続焼鈍を行い、1.0%の調質圧延を施してほうろう用
冷延鋼板とした。該鋼板よりJIS5号試験片を圧延方
向から採取し、引張試験を行った。また、圧延方向、圧
延方向と45度、圧延直角方向からJIS5号試験片を
採取し、ランクフォード値(平均r値)を測定した。 平均r値=(圧延方向のr値+2×圧延方向と45度の
r値+圧延直角方向のr値)/4 また、焼成後の機械的性質を評価するため、850℃×
3分間で3回焼成した後の機械的性質をJIS5号試験
片で評価した。
ラブとした。1120℃で加熱後、仕上温度を890℃
で2.8mm厚まで熱間圧延を行い、680℃でコイル
に巻き取った。得られた熱延鋼帯を酸洗した後、0.7
mmまで冷間圧延した(圧延率=75%)。得られた冷
延コイルを加熱速度7℃/秒で820℃で30秒間の連
続焼鈍を行い、1.0%の調質圧延を施してほうろう用
冷延鋼板とした。該鋼板よりJIS5号試験片を圧延方
向から採取し、引張試験を行った。また、圧延方向、圧
延方向と45度、圧延直角方向からJIS5号試験片を
採取し、ランクフォード値(平均r値)を測定した。 平均r値=(圧延方向のr値+2×圧延方向と45度の
r値+圧延直角方向のr値)/4 また、焼成後の機械的性質を評価するため、850℃×
3分間で3回焼成した後の機械的性質をJIS5号試験
片で評価した。
【0030】さらに、以下の条件でほうろう特性を調査
した。ただし、密着性試験では、良好な密着性が得にく
い硫酸酸洗時間が短い条件で、焼成は、下釉、上釉、転
写を模擬するため3回焼成を行った。耐爪とび性試験で
は爪とびが発生しやすい釉薬を用い、無酸洗で焼成時の
露点(DP)が高い条件で行った(促進試験)。
した。ただし、密着性試験では、良好な密着性が得にく
い硫酸酸洗時間が短い条件で、焼成は、下釉、上釉、転
写を模擬するため3回焼成を行った。耐爪とび性試験で
は爪とびが発生しやすい釉薬を用い、無酸洗で焼成時の
露点(DP)が高い条件で行った(促進試験)。
【0031】密着性試験 前処理:アルカリ脱脂→硫酸酸洗(15%H2SO4,7
0℃×3min) 施釉:日本フエロー製H釉薬、目標―両面に各100μ
m 焼成:850℃×2min、焼成は3回行った。 これを10枚のサンプル(100×100mm)につ
き、PEI法により密着性を測定した。
0℃×3min) 施釉:日本フエロー製H釉薬、目標―両面に各100μ
m 焼成:850℃×2min、焼成は3回行った。 これを10枚のサンプル(100×100mm)につ
き、PEI法により密着性を測定した。
【0032】耐爪とび性試験 前処理:アルカリ脱脂のみ(硫酸酸洗、Ni‐dip無
し) 施釉:日本フエロー製H:1553B=1:1の混合釉
薬、目標―両面に各100μm 焼成:830℃×2min(加湿雰囲気、DP=30
℃) これを10枚のサンプル(100×100mm)につき
ほうろう掛けを行い、表裏に1つでも爪とびが発生した
ものを爪とび発生とした。
し) 施釉:日本フエロー製H:1553B=1:1の混合釉
薬、目標―両面に各100μm 焼成:830℃×2min(加湿雰囲気、DP=30
℃) これを10枚のサンプル(100×100mm)につき
ほうろう掛けを行い、表裏に1つでも爪とびが発生した
ものを爪とび発生とした。
【0033】これらの結果を表2に示す。表2より、本
発明鋼板は加工性、ほうろう性を兼ね備えていることが
確認された。また、3回焼成後にほとんど軟化していな
いことが確認された。さらに、本発明の範囲内で選択成
分としてのVを添加した鋼は耐時効性がより改善されて
いることが確認された。なお、3回焼成後のYSが焼鈍
板のYSより大きいのがあるのは、降伏点伸びの回復の
ためである。
発明鋼板は加工性、ほうろう性を兼ね備えていることが
確認された。また、3回焼成後にほとんど軟化していな
いことが確認された。さらに、本発明の範囲内で選択成
分としてのVを添加した鋼は耐時効性がより改善されて
いることが確認された。なお、3回焼成後のYSが焼鈍
板のYSより大きいのがあるのは、降伏点伸びの回復の
ためである。
【0034】これに対して、鋼板21はC量が多すぎる
ため、加工性、耐時効性が劣っている。鋼板22はP量
が多すぎるため、加工性、密着性が劣化している。鋼板
23はS量が多すぎるため、加工性、密着性が劣ってい
る。鋼板24はN量が多すぎるため、加工性、耐時効性
が劣っている。鋼板25は酸素量が少なすぎるため、爪
とびが発生している。鋼板26はCu量が多すぎるた
め、密着性が劣っている。鋼板27はCr量が少なすぎ
たため、深絞り性があまり良くない。また、Crが少な
いため、添加したNbのほとんどが酸化物となりNb添
加による深絞り性向上効果、異方性改善効果、耐時効性
向上効果、および焼成軟化防止効果がほとんど認められ
ない。鋼板28はNbを添加していないため、深絞り
性、異方性、耐時効性、焼成軟化特性が劣っている。鋼
板29はNb量が多すぎるため、耐爪とび性が劣ってい
る。鋼板30はV量が多すぎるため、加工性が劣化して
いる。鋼板31はTiを添加しているため、耐爪とび性
が劣化している。
ため、加工性、耐時効性が劣っている。鋼板22はP量
が多すぎるため、加工性、密着性が劣化している。鋼板
23はS量が多すぎるため、加工性、密着性が劣ってい
る。鋼板24はN量が多すぎるため、加工性、耐時効性
が劣っている。鋼板25は酸素量が少なすぎるため、爪
とびが発生している。鋼板26はCu量が多すぎるた
め、密着性が劣っている。鋼板27はCr量が少なすぎ
たため、深絞り性があまり良くない。また、Crが少な
いため、添加したNbのほとんどが酸化物となりNb添
加による深絞り性向上効果、異方性改善効果、耐時効性
向上効果、および焼成軟化防止効果がほとんど認められ
ない。鋼板28はNbを添加していないため、深絞り
性、異方性、耐時効性、焼成軟化特性が劣っている。鋼
板29はNb量が多すぎるため、耐爪とび性が劣ってい
る。鋼板30はV量が多すぎるため、加工性が劣化して
いる。鋼板31はTiを添加しているため、耐爪とび性
が劣化している。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】(実施例2)Nbの加工性への影響を明確
化するため、表3に示す成分・組成の鋼に、Nbを添加
して溶製し、連続鋳造法によりスラブとした。1130
℃で加熱後、仕上温度を890℃で2.8mm厚まで熱
間圧延を行い、660℃でコイルに巻き取った。得られ
た熱延鋼帯を酸洗した後、0.7mmまで冷間圧延した
(圧延率=75%)。得られた冷延コイルを加熱速度7
℃/秒で850℃で30秒間の連続焼鈍を行い、1.0
%の調質圧延を施してほうろう用冷延鋼板とした。得ら
れた鋼板より実施例1と同様の方法で850℃×3分間
×3回焼成後のYSを測定し、さらに耐爪とび性試験を
行った。結果を図1に示す。図1は、横軸にNb量をと
り、縦軸にYSおよび爪とび発生率をとって、これらの
関係を示す図である。この図からNbが本発明の範囲内
で3回焼成後のYSが高く、爪とびも発生していないこ
とがわかる。
化するため、表3に示す成分・組成の鋼に、Nbを添加
して溶製し、連続鋳造法によりスラブとした。1130
℃で加熱後、仕上温度を890℃で2.8mm厚まで熱
間圧延を行い、660℃でコイルに巻き取った。得られ
た熱延鋼帯を酸洗した後、0.7mmまで冷間圧延した
(圧延率=75%)。得られた冷延コイルを加熱速度7
℃/秒で850℃で30秒間の連続焼鈍を行い、1.0
%の調質圧延を施してほうろう用冷延鋼板とした。得ら
れた鋼板より実施例1と同様の方法で850℃×3分間
×3回焼成後のYSを測定し、さらに耐爪とび性試験を
行った。結果を図1に示す。図1は、横軸にNb量をと
り、縦軸にYSおよび爪とび発生率をとって、これらの
関係を示す図である。この図からNbが本発明の範囲内
で3回焼成後のYSが高く、爪とびも発生していないこ
とがわかる。
【0038】
【表3】
【0039】(実施例3)表4に示す成分の鋼を溶製
し、連続鋳造してスラブとした後、直送圧延、もしくは
1100℃で加熱して3.2mmまで熱間圧延して、8
80℃で仕上げ圧延を行い、表4に示す温度でコイルに
巻き取った。得られた熱延鋼帯を酸洗した後、板厚0.
8mmまで冷間圧延した(冷圧率75%)。得られた冷
延コイルを表4に示す温度で焼鈍し、0.8%の調質圧
延を施して製品とした。製品よりJIS5号試験片を採
取し、平均r値を測定した。得られた結果を表4に示
す。本発明範囲の巻取温度、焼鈍温度で高い平均r値が
得られ、また耐時効性が良好であることがわかる。
し、連続鋳造してスラブとした後、直送圧延、もしくは
1100℃で加熱して3.2mmまで熱間圧延して、8
80℃で仕上げ圧延を行い、表4に示す温度でコイルに
巻き取った。得られた熱延鋼帯を酸洗した後、板厚0.
8mmまで冷間圧延した(冷圧率75%)。得られた冷
延コイルを表4に示す温度で焼鈍し、0.8%の調質圧
延を施して製品とした。製品よりJIS5号試験片を採
取し、平均r値を測定した。得られた結果を表4に示
す。本発明範囲の巻取温度、焼鈍温度で高い平均r値が
得られ、また耐時効性が良好であることがわかる。
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ほうろう特性を良好に維持しつつ、加工性および焼成軟
化特性に優れたほうろう用冷延鋼板が得られ、その工業
的価値は極めて高い。
ほうろう特性を良好に維持しつつ、加工性および焼成軟
化特性に優れたほうろう用冷延鋼板が得られ、その工業
的価値は極めて高い。
【図1】Nb量とYSおよび爪とび発生率との関係を示
す図。
す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下、S
i:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.7%、P:
0.004〜0.025%、S:0〜0.025%、s
ol.Al:0〜0.01%、O:0.045〜0.1
%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.005%以
下、Nb:0.01〜0.1%で、かつ、0.5O〜
2.5OのCrを含有することを特徴とする、加工性に
優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼
板。 - 【請求項2】 さらに、重量%で0.001〜0.1%
のVを含有することを特徴とする、請求項1に記載の加
工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用
冷延鋼板。 - 【請求項3】 重量%で、C:0.005%以下、S
i:0〜0.05%、Mn:0.2〜0.7%、P:
0.004〜0.025%、S:0〜0.025%、s
ol.Al:0〜0.01%、O:0.045〜0.1
%、Cu:0.02〜0.05%、N:0.005%以
下、Nb:0.01〜0.1%で、かつ、0.5O〜
2.5OのCrを含有する鋼に対して熱間圧延を施した
後、640℃以上の温度で巻取って熱延鋼板とし、酸
洗、冷間圧延後、800℃以上、850℃以下の温度で
連続焼鈍を行うことを特徴とする、加工性に優れ、ほう
ろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼の製造方
法。 - 【請求項4】 さらに、重量%で0.001〜0.1%
のVを含有することを特徴とする、請求項3に記載の加
工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用
冷延鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17129197A JPH116031A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 加工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17129197A JPH116031A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 加工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH116031A true JPH116031A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=15920591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17129197A Pending JPH116031A (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | 加工性に優れ、ほうろう焼成時に軟化しにくいほうろう用冷延鋼板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH116031A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001004371A1 (fr) * | 1999-07-13 | 2001-01-18 | Nippon Steel Corporation | Plaque d'acier coulee en continu, destinee a etre revetue d'un email de porcelaine et dotee d'excellentes proprietes de formabilite, de resistance a la formation de bulles ou points noirs, et d'adherence avec l'email de la porcelaine |
AU2007301332B2 (en) * | 2006-09-27 | 2011-02-10 | Nippon Steel Corporation | Enameling steel sheet highly excellent in unsusceptibility to fishscaling and process for producing the same |
WO2017043660A1 (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼板およびほうろう製品 |
JPWO2021193953A1 (ja) * | 2020-03-27 | 2021-09-30 | ||
CN115181902A (zh) * | 2022-05-12 | 2022-10-14 | 马鞍山钢铁股份有限公司 | 一种用于双面搪瓷的冷轧低合金钢板及其制备方法 |
-
1997
- 1997-06-13 JP JP17129197A patent/JPH116031A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001004371A1 (fr) * | 1999-07-13 | 2001-01-18 | Nippon Steel Corporation | Plaque d'acier coulee en continu, destinee a etre revetue d'un email de porcelaine et dotee d'excellentes proprietes de formabilite, de resistance a la formation de bulles ou points noirs, et d'adherence avec l'email de la porcelaine |
US6544355B1 (en) | 1999-07-13 | 2003-04-08 | Nippon Steel Corporation | Continuous casting steel plate for porcelain enameling excellent in formability resistance to occurrence of bubble or black point, and adhesion with porcelain enamel |
AU2007301332B2 (en) * | 2006-09-27 | 2011-02-10 | Nippon Steel Corporation | Enameling steel sheet highly excellent in unsusceptibility to fishscaling and process for producing the same |
US9073114B2 (en) | 2006-09-27 | 2015-07-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Enameling steel sheet, excellent in fishscale resistance and method of producing the same |
WO2017043660A1 (ja) * | 2015-09-11 | 2017-03-16 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼板およびほうろう製品 |
JP6115691B1 (ja) * | 2015-09-11 | 2017-04-19 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼板およびほうろう製品 |
EP3348661A4 (en) * | 2015-09-11 | 2019-02-13 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Steel sheet and enameled product |
JPWO2021193953A1 (ja) * | 2020-03-27 | 2021-09-30 | ||
WO2021193953A1 (ja) * | 2020-03-27 | 2021-09-30 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板およびほうろう製品 |
CN115181902A (zh) * | 2022-05-12 | 2022-10-14 | 马鞍山钢铁股份有限公司 | 一种用于双面搪瓷的冷轧低合金钢板及其制备方法 |
CN115181902B (zh) * | 2022-05-12 | 2023-08-25 | 马鞍山钢铁股份有限公司 | 一种用于双面搪瓷的冷轧低合金钢板及其制备方法 |
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