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JPH1158106A - ダイヤモンドコーティング切削工具及びその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンドコーティング切削工具及びその製造方法

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JPH1158106A
JPH1158106A JP23907197A JP23907197A JPH1158106A JP H1158106 A JPH1158106 A JP H1158106A JP 23907197 A JP23907197 A JP 23907197A JP 23907197 A JP23907197 A JP 23907197A JP H1158106 A JPH1158106 A JP H1158106A
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JP
Japan
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diamond
coating layer
cemented carbide
diamond coating
tool
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JP23907197A
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Makoto Kawanishi
真 川西
Katsunori Tomari
克則 泊
Shigenobu Kawai
成宣 河合
Masato Yoshitake
理人 吉武
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Osaka Diamond Industrial Co Ltd
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Osaka Diamond Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は高速切削が可能で、長寿命の精密な
切削面の得られるダイヤモンドコーティング切削工具を
提供しようとするものである。 【解決手段】 超硬合金1として、熱膨張係数が5.0
×10-6/℃以下であって、主成分とするWCを90重
量%以上を含有している素材を用い、ダイヤモンドコー
ティング層2はダイヤモンドの結晶粒径が3μm以下で
あり、ダイヤモンド合成率が0.1以下に形成する。上
記ダイヤモンドコーティング層2の形成は、超硬合金1
を熱処理し、超微粒ダイヤモンドを種付けした工程を経
たものに、気相合成法を施すことにより、容易に行うこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非鉄金属材料、電
子材料、光学部品などの加工に用いられる工具、特に気
相合成法による薄膜のダイヤモンドコーティング層を有
する切削工具とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種加工に用いられる切削工具材料と
しては、硬度、熱伝導性外の特性により天然又は合成の
単結晶乃至多結晶ダイヤモンドが優れたものとして知ら
れている。又合成ダイヤモンドとしては、超高圧の焼結
法による焼結ダイヤモンドと、低圧の気相合成法による
ダイヤモンドコーティング層によるものとが実用されて
いる。
【0003】上記の各種のダイヤモンドは夫々に特徴を
有するが、コストその他の面より、気相合成法によるダ
イヤモンドコーティング層によるものが最も好ましいと
されながら、生成したダイヤモンドコーティング層の接
着力や品質に不安定性があるなどの問題を残している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ダイヤモンドコーティ
ング層の接着力を高めるための方法や、品質や層厚を高
めるための方法は非常に沢山に提案されているが、未だ
充分とは言えない状態である。また層厚を薄くし、高品
質で平滑な表面を有するダイヤモンドコーティング層を
得るため、合成気体中に窒素を含有せしめることが特開
平7−172988号公報によって提案されている。
【0005】上記提案は、エアノズル、ウォーターノズ
ルなどにおいて、層厚の薄い即ち微粒薄膜ダイヤモンド
コーティング層が、素晴らしい効果を発揮すると言う、
優れた提案であるが、未だ充分な実用の域に達していな
い模様である。
【0006】切削加工分野では超硬合金の表面にダイヤ
モンド層を10〜30μm被覆し、切削工具として実用
化されてきたが、薄膜のダイヤモンドコーティング法は
実用化されていない。超硬合金工具は切削時に激しい熱
衝撃が加わるため、超硬合金母材とコーティング層はか
なり強固に接合していることが要求されている。一般に
よく用いられるダイヤモンドコーティングの母材として
は、Si結晶が用いられ、その膜厚を薄膜から厚膜まで
自由に制御する技術はすでに公知のところであるが、超
硬合金を母材とする工具のような、厳しい環境条件で用
いられる工具におけるダイヤモンドコーティングについ
てはまだ検討が十分なされていない。とくに切削加工の
分野においては、このような微粒薄膜コーティング層は
実用されていない。これは所要のコーティング層の生成
に困難性があると共に、コーティング層に適した切削工
具形状などの問題の研究が不充分なためと思われる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような課
題に着目し、試作研究を重ねた結果到達したもので、そ
の特徴とするところを列記すれば次の通りである。
【0008】切削加工におけるダイヤモンドコーティン
グの問題は種々検討、研究を重ねた結果、コート層の剥
離、エッジ部欠けが問題となり、ダイヤモンド層の摩耗
は特に大きな問題でないことを見いだした。すなわち超
硬合金の熱膨張係数とダイヤモンドの熱膨張係数の差を
少なくし、かつ刃先にかかる圧縮応力の軽減などにより
解決される。とくに刃先にかかる応力の低減ではコート
層の厚みを薄くすることは超硬合金では非常に難しい。
それは、超硬合金上では初期のダイヤモンド層はCoな
どの金属の反応によりダイヤモンド層が炭素、あるいは
アモルファスダイヤモンドに変化するため数μmのオー
ダーでは完全なダイヤモンド結晶にならない。これは図
5に示したアモルファス層から図6に示す結晶化が進行
し、20〜30μmを積むと図7の如く完全結晶とな
る。
【0009】本発明の骨子は超硬合金上にて、3μm以
下の薄膜ダイヤモンドコーティング層を形成させること
に成功したものである。とくにスローアウェイチップ、
ドリル、エンドミルなど工具刃先にかなりの熱応力がか
かる切削工具での問題を解決したことを特徴とする。
【0010】本発明の構成は超硬合金の熱膨張係数が
5.0×10-6/℃以下であり、かつ主成分とするWC
が90重量%以上である母材を用いることにより、切削
加工時に発生するダイヤモンドコーティング層と超硬合
金層の界面の応力を少なくさせたことにある。熱膨張係
数が5.0×10-6/℃以上であれば、直ぐに膜剥離が
おきるため、実用に適さなかった。また主成分とするW
Cが90重量%以下のときは微粒の薄膜コートが出来な
かった。該超硬合金の結晶粒は1μm以下が好ましい。
また超硬合金の強度が200kg/mm2 以上が望まし
い。これ以下の強度では信頼性にかける。
【0011】次ぎの発明の要件はダイヤモンドコーティ
ング層の結晶が粒径3μm以下であり、かつダイヤモン
ド相のラマン分光分析の結果によるダイヤモンド合成率
(1333cm-1付近のダイヤモンドピークと1500
cm-1〜1600cm-1の黒鉛構造の非晶質ピークの比
率)が0.1以下であり、かつダイヤモンドコーティン
グ層の表面粗さがRmax3μm以下であることを特徴
とする。ダイヤモンドコーティング層の結晶粒を3μm
以下に制御すると、ダイヤモンドの膜強度が向上し、か
つダイヤモンドコーティング層の表面粗度が良くなるた
め、ダイヤモンドコーティング層と被削材との間の摩擦
係数が低減される。好ましくは、ダイヤモンドコーティ
ング層の結晶粒径を1μm以下にすると、さらに耐剥離
性が向上する。従って超微粒結晶の析出はさらに良い結
果をだす。
【0012】本発明の実施に当っては、超硬合金のWC
結晶の粒径を細かく、望ましくは1μm以下の結晶で構
成された超硬合金を用い、該WC結晶のエッジ部分に超
微粒のダイヤモンド粒を種付けすることにより、微粒ダ
イヤモンドが析出されることを見いだした。超硬合金を
ベースとするダイヤモンドコーティングにおいては、超
硬合金のWC結晶のエッジ部分から微細なダイヤモンド
結晶が析出することが明らかになった。
【0013】またあらかじめ超微粒のダイヤモンド粒を
種付けしておくと、該生成の初期から完全なダイヤモン
ドが合成されることを見いだした。すなわちコーティン
グ初期から微粒でかつ完全結晶のダイヤモンド(図7)
が生成されるので、薄膜で強度の強い気相合成ダイヤモ
ンドが得られる。
【0014】さらに超硬合金とダイヤモンドの界面の接
着強度を向上させるためには、コーティング前処理とし
ての熱処理即ち還元性雰囲気である水素、CH4 ,CO
などのガス、あるいは還元雰囲気が形成される有機物な
どの溶液、固形物などの存在下で加熱されることが良い
結果を得る。
【0015】上記熱処理は、超硬合金基材表面の結合金
属、特にCoの含有量を減少せしめる効果があり、その
効果を上げるには処理雰囲気中に炭素元素を存在せしめ
ておくことが好ましい。
【0016】切削工具としては、工具の刃部のみが超硬
合金で形成されているか、又は工具全体が一体の超硬合
金で形成されている回転切削工具、旋削工具乃至はスロ
ーアウェイチップのようなその一部となるものである。
【0017】スローアウェイ(TA)チップの場合、前
記構成を具備した多角形の超硬合金薄板の少なくとも切
刃面上に、前記構成を具備したダイヤモンドコーティン
グ層を設ければ何のような形状でもよいが、その多角形
状を次のような形に特定すれば、総型TAチップとして
用いることが出来る。
【0018】即ち多角形の少なくとも二つ以上の辺上
に、各辺の一部を切欠いて、その切欠き縁により凹状の
総型刃を形成する。この多角形を正方形、正三角形など
の正多角形とし、切欠き縁を各辺の夫々対称位置に対称
形状に形成すれば、更に効果的に使用することが出来
る。
【0019】上記のような形状を備えた総型TAチップ
の場合、切削条件によっては超硬合金並びにダイヤモン
ドコーティング層の構成は、必ずしも前記した要件を具
備していなくても、使用可能と思われる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施状態を次の
実施例の項で説明する。
【0021】
【実施例】
(実施例1)図1(イ)及び(ロ)は工具全体が一体の
超硬合金1よりなるエンドミルの実施例の正面図及び側
面図で、工具長Aは45mm、刃径Bは5mmで、4枚
刃の刃長Cは20mmである。なお超硬合金1の材質は
JISK10(WC−6%Co)で、刃長C(切れ刃構
成部)の部分は次の製造法により全面がハッチングで示
すようにダイヤモンドコーティング層2の薄膜で被われ
ている。この薄膜は刃先部分3(切れ刃)のみに設けて
もよいが、製作上も使用上もむしろ刃長C全体に設けた
方が有利なことが多いので、実施例はそれによった。
【0022】WC層の結晶粒径が0.5μm、結合層の
Co含有量が4重量%、熱膨張係数が4.5×10-6
℃の超硬合金基材に機械加工を施して、図1におけるダ
イヤモンドコーティング層2のないエンドミル基体を作
成した。この基体を本出願人が国際公開番号WO94/
13852公報で示したような熱処理、即ち基体を熱フ
ィラメントCVD装置に装入して、H2 −1%CH4
雰囲気で基体温度約900℃、1時間程度以上保持し
た。
【0023】この熱処理により、超硬合金表面上へのダ
イヤモンド結晶の析出がしやすくなり、接着力が向上す
るが、熱処理による析出物や煤が超硬合金表面上に残存
する場合は、これを除去してWC結晶が該表面に良くで
るようにしておく必要がある。
【0024】上記析出物や煤の除去は、CVD装置内雰
囲気をH2 に置換して加熱除去するか、又は同装置より
取出して洗浄やエッチングを施すなどして行うことが出
来る。何れにしても、次の超微粒ダイヤモンドの種付け
や、CVD装置によるダイヤモンドコーティング層の生
成には、除去された表面の表面粗さをRmax1μm程
度以下としておくことが好ましく、本実施例においては
加熱によって除去した。
【0025】上記除去したエンドミル基体をよく洗浄し
て、切り刃形成面上に0〜1/8μm程度以下の超砥粒
ダイヤモンドを分散種付けした。上記除去した切り刃形
成面は、結合金属が少なく、硬質相粒子間の間隔が狭く
て、微小な亀裂が生じており、手作業による分散種付け
に好影響を与えているようであった。なおこの超微粒ダ
イヤモンドとして不純物を減少して親水性を高めたもの
を使用した超微粒ダイヤモンドコロイド溶液によれば、
水中における均一な分散種付けが行なえることが、牧田
寛氏(徳島大学・NEW DIAMOND.1996.
Vol,12No.3)によって報じられており、これ
によることも可能と考えられる。
【0026】上記熱処理並びに生成物を除去したエンド
ミル基材を、切れ刃側を上にして前記熱フィラメントC
VD装置内に直立して装入し、下記条件で切れ刃部の全
長にわたってダイヤモンドコーティング層を形成した。 雰囲気 H2 −1%CH4 圧力 100Torr 温度 フィラメント温度 2180℃ 基材温度 850℃ 反応時間 5時間
【0027】上記のように種付けしないで行なう従来の
反応時間に比べ、1/2程度以下にしたことにより、ダ
イヤモンドの粒成長が抑制されて、粒径が1μm以下で
厚みは5μmまでの、緻密な高品質の微粒ダイヤモンド
コーティング層2を基材表面と強い接着力で得ることが
できた。
【0028】このダイヤモンドコーティング層2をラマ
ン分光分析により測定したところ、図7に示すような、
1333cm-1付近のダイヤモンドピークのみでダイヤ
モンド相と同定することができた。またダイヤモンドコ
ーティング層2の表面の粗さはRmax1μm以下であ
った。なお、上記ダイヤモンド相のダイヤモンド合成率
(1333cm-1付近のダイヤモンドピークと1500
〜1600cm-1の黒鉛構造の非晶質ピークの比率)
は、0.1以下が必要である。
【0029】このように、基材表面と強い接着力を持っ
た緻密で高品質の薄膜によるダイヤモンドコーティング
層によって構成された切れ刃によれば、例えば従来焼結
ダイヤモンド切れ刃によって高Si−Al合金の切削を
行なった場合、刃先のチッピングよりRmax1μmの
切削面を得ることはできず、また従来の気相合成法によ
るダイヤモンドコーティング層においては、膜厚が10
μm乃至30μm程度となり、鋭い刃先構成の形成は困
難で、かつ熱歪による剥離を生じたが、これらの問題を
一挙に解消することができる。
【0030】図2の斜視図で示すように、上記ダイヤモ
ンドコーティングエンドミル1′により、JIS記号A
DC12のSi−11wt%、Cu−2.5wt%残A
lよりなるAl合金ブロック4に切削加工を行って、同
ドリルによるスパイラルコンプレッサーの溝加工(取代
0.1mm)の疑似テストを行った。図中矢印は該エン
ドミル1′の回転方向並びに進行方向を示す。
【0031】なお上記疑似テストの条件及び結果は図3
及び図4に示す通りであるが、図中Adはアクシャルデ
プス、Rd=ラジアルデプスを示し、表中の黒丸は同形
の超硬合金エンドミル、黒三角は同形の従来の標準ダイ
ヤモンドコーティング(CVDによる柱状結晶などの1
5μm程度の膜厚)エンドミル、黒四角は上記実施例1
のエンドミルによるものを示す。
【0032】図3により了解できるように、実施例によ
るものは従来の超硬合金切れ刃によるものに比し、逃げ
面摩耗幅が安定して遥かに少なく、又図4によって了解
されるように、ワークの切削面の表面粗さは従来の超硬
合金切れ刃は勿論、標準ダイヤモンドコーティングエン
ドミルよりも良好である。
【0033】(実施例2)図8(イ)及び(ロ)はダイ
ヤモンドコーティングスローアウェイ(TA)チップの
平面図及び側面図で、図9はその切れ刃先部3の展開図
である。当TAチップは、実施例1と同質の超硬合金基
材を用いて図面通りに形成した超硬合金TAチップ5
に、ダイヤモンドコーティング層2の形成下限ライン6
即ち厚みDの略中間に当る点線より刃先側に実施例1と
同様な方法により同様のダイヤモンドコーティング層2
を形成した。
【0034】このダイヤモンドコーティング層2の形成
方法並びにその品質、厚み、表面粗さは、実施例1と同
様にしたが、ダイヤモンドコーティング層2を設ける部
分は、TAチップの殆ど全周面上でも、切れ刃先部3の
みでもよい。
【0035】当実施例の一辺の長さEは6mmで、厚み
Dは2.38mmである。各辺のすくい面の交わるコー
ナーには0.2mmのRを設け、各辺の中央には幅Fが
2.3mm、深さGが0.5mm傾斜角Hが90°の凹
状総形刃7を形成した。この凹状総形刃7の1番角Iは
16°で、その幅Kは0.2mm、2番角Lは16°で
ある。
【0036】上記実施例TAチップをクランプ式バイト
シャンクに取付けて総形切削試験を行ったところ、前記
実施例1と同傾向の結果を得ることが出来た。
【0037】これは従来の粗粒や柱状乃至ダイヤモンド
ライクカーボンの含まれた10μm乃至30μm程度の
厚みによるダイヤモンドコーティング層によったエンド
ミル切れ刃先では、シャープな総形切削が困難であった
ものが、本5μm程度以下の高品質のダイヤモンドコー
ティング層によるシャープな切れ刃先により、これが可
能となったものと思われる。因みに刃先部分3の拡大顕
微鏡写真を図10に、同部分の逃げ面の拡大顕微鏡写真
を図11により示す。
【0038】(実施例3)本実施例は図12に示すよう
に実施例2の正方形に対し正三角形のTAチップ形状と
し、凹状総形刃7も、中央部に設けず片寄った対称位置
に設けた例である。一辺の長さEは16.5mm、厚み
Dは3.18mm、切れ刃の幅Fは2.3mm、傾斜角
Hは90°、1番角Iは11°、2番角Lは20°であ
る。この切削試験の結果も良好であった。
【0039】このようにTAチップに凹状の総形刃を多
角形の各辺に設けることにより、単一刃に比し、設けた
刃数だけチップの寿命を倍増することができる。従って
切削の品質と共その効率を飛躍的に向上させることがで
きる。なお実施例においては、正多角形の各辺の中央部
又は対称位置に総形刃を設けるものについて示し、この
形が製作上及び使用上最も効果的であるが、必要によっ
ては辺のいくつかを残して、2辺以上に中央部や対称位
置以外の位置に設けてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上各項において述べたように、本発明
によればアルミニウム合金等の非鉄金属材料、電子材
料、光学部品の精密で表面粗さの小さい切削が可能であ
り、寿命も長い。またTAチップとして用いる時は総形
切削を極めて効率的に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)及び(ロ)は、実施例1のエンドミルの
正面図及び側面図である。
【図2】実施例1のエンドミルによる疑似テストを行う
方法を説明する斜視図である。
【図3】疑似テストの条件及びその結果を示す図表であ
る。
【図4】図3と同様の図表である。
【図5】ダイヤモンド層のラマン分光分析結果を示す図
表で、アモルファス層が現れている。
【図6】ダイヤモンド層のラマン分光分析結果を示す図
表で、アモルファス層中にダイヤモンドの結晶化が進ん
でいることが現れている。
【図7】ダイヤモンド層のラマン分光分析結果を示す図
表で、全面がダイヤモンド結晶のみであることが現れて
いる。
【図8】(イ)及び(ロ)は実施例2のTAチップの平
面図及び側面図である。
【図9】実施例2の刃先部を説明する展開図である。
【図10】実施例2の刃先部分の組織を示す拡大顕微鏡
写真である。
【図11】図7の刃先部分の逃げ面の組織を示す拡大顕
微鏡写真である。
【図12】実施例3のTAチップを示す(イ)正面図、
(ロ)前面図、(ハ)一部側面図である。
【符号の説明】
1 一体の超硬合金 1′ ダイヤモンドコーティングエンドミル 2 ダイヤモンドコーティング層 3 刃先部分 4 Al合金ブロック 5 超硬合金TAチップ 6 ダイヤモンドコーティング層2の形成下限ライン 7 凹状総形刃 A 工具長 B 刃径 C 刃長 D TAチップの厚み E TAチップの一辺の長さ R コーナーのR F 辺より切欠いた刃の幅 G 辺より切欠いた刃の長さ H 辺に切欠いた刃の傾斜角 I 凹状総形刃の1番角 K Iの幅 L 凹状総形刃の2番角 Ad アクシャルデプス Rd ラジアルデプス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉武 理人 大阪府堺市鳳北町2丁80番地 大阪ダイヤ モンド工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刃部を形成する工具の一部のみが超硬合
    金で構成されているか、又は工具全体が一体の超硬合金
    で構成されている工具において、切れ刃が、超硬合金基
    材の所要表面上に気相合成法によって生成されたダイヤ
    モンドコーティング層によって形成され、かつ該超硬合
    金基材並びに、ダイヤモンドコーティング層は下記A、
    B及びCの総べてを具備していることを特徴とするダイ
    ヤモンドコーティング切削工具。 A.超硬合金基材は熱膨張係数が5.0×10-6/℃以
    下であり、かつ主成分とするWCを90重量%以上含有
    している。 B.ダイヤモンドコーティング層は、ダイヤモンド相の
    結晶の粒径が3μm以下であり、かつラマン分光分析の
    結果によるダイヤモンド合成率(1333cm-1付近の
    ダイヤモンドピークと1500cm-1〜1600cm-1
    の黒鉛構造の非晶質ピークの比率)が、0.1以下であ
    る。 C.ダイヤモンドコーティング層の表面粗さは、Rma
    x3μm以下である。
  2. 【請求項2】 超硬合金素材は、WC層の結晶粒径が1
    μm以下で、抗折力強度が200kg/mm2 以上であ
    り、ダイヤモンドコーティング層の厚みは5μm以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の工具。
  3. 【請求項3】 全体が一体の超硬合金で形成された工具
    がエンドミル又はドリルであり、該エンドミル又はドリ
    ルのダイヤモンドコーティング層は下記A又はBの何れ
    かに形成されてなることを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の工具。 A.切れ刃構成部全体にのみダイヤモンドコーティング
    層が形成されている。 B.切れ刃構成部中の切れ刃のみにダイヤモンドコーテ
    ィング層が形成されている。
  4. 【請求項4】 全体が一体の超硬合金で形成された工具
    が、スローアウェイチップであることを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載の工具。
  5. 【請求項5】 超硬合金基材を炭素、水素などの還元性
    雰囲気中で熱処理する工程と、該基材のダイヤモンドコ
    ーティング層を形成すべき部分に超微粒ダイヤモンドを
    種付けする工程を経た超硬合金基材を、気相合成装置に
    挿入し、上記種付け周面上にダイヤモンド結晶の結晶粒
    径が3μm以下で、層厚が3μm以下のダイヤモンドコ
    ーティング層を形成することを特徴とするダイヤモンド
    コーティング切削工具の製造方法。
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