JPH11323488A - 面内異方性が小さく成形性に優れた冷延鋼板 - Google Patents
面内異方性が小さく成形性に優れた冷延鋼板Info
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- JPH11323488A JPH11323488A JP14043498A JP14043498A JPH11323488A JP H11323488 A JPH11323488 A JP H11323488A JP 14043498 A JP14043498 A JP 14043498A JP 14043498 A JP14043498 A JP 14043498A JP H11323488 A JPH11323488 A JP H11323488A
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Abstract
を提供する。 【解決手段】Ti―Mg―O系の酸化物および/または
複合酸化物を平均粒子径で0.005μm以上0.1μ
m以下で面密度が40個/mm2以上1000個/mm
2以下含有する鋼板にすることによって面内異方性が小
さく成形性に優れた冷延鋼板を製造する。
Description
延鋼板に関するものであり、特に、円筒もしくは円錐形
の回転対称な自動車部品等に好適な成形性に優れた冷延
鋼板に関するものである。
性は年々高度になっている。特に、自動車のフェンダー
やオイルパン等の部品については、極めて過酷なプレス
成形がなされることから、深絞り性および延性について
はより一層の向上が期待されてきた。さらに最近では、
CO2排出規制等の地球環境問題、燃費の向上および衝
突安全性などの観点から車体の軽量化と高強度化が求め
られている。このような状況下で、引張強度が340M
Pa以上でかつ良好な成形性をそなえる高強度冷延鋼板
が、自動車の車体を構成する各種部品に広範囲にわたっ
て使用されている。
成形部品として成形されるが、円筒もしくは円錐形の回
転対称な部品に深絞りされる場合もある。このような部
品に成形する際に問題になるのは、耳と呼ばれる材料の
不均一変形で、プレス成形を行った場合r値の異方性が
顕著であると、特定方向のr値が低いために耳と呼ばれ
る材料の流れ込みが良くない方向が現れる。
対応していることが知られている。例えば、r90≧r
0>r45のV字分布ならば、圧延方向より0°および
90°方向に耳が発生し、r45>r90≧r0の逆V
字分布ならば、45°方向に耳が発生する。ただし、こ
こで、r0、r45およびr90はそれぞれ圧延方向に
対して0°方向のランクフォード値、圧延方向に対して
45°方向のランクフォード値および圧延方向に対して
90°方向のランクフォード値である。また、耳の大き
さは、r値の異方性の程度によって決まり、耳の高さが
大きいと、成形部品の板厚が圧延方向によって変動し、
十分な均一性を持たなったり、材料歩留りが悪いなどの
問題点があり、品質および経済性での面で改善が期待さ
れている。
Mn、P、Si等の固溶強化元素で強化し、Ti、Nb
等の炭窒化物形成元素を添加した極低炭素鋼を連続焼鈍
装置にて製造する方法がある。例えば、特公昭59―4
2742号公報等は、Tiを添加した極低炭素高強度冷
延鋼板に関する技術である。しかし、これらの技術は、
r値の面内異方性が大きい欠点があった。そこで、この
ような高強度鋼板のr値の面内異方性の改善の方策とし
て以下の既知技術が開示されている。
i、Nbを添加し固溶Cと固溶Nを熱延時に固定し、ま
た熱延はオーステナイト域で再結晶しない温度域で圧延
し、直ちに低温で巻取り、冷延、再結晶焼鈍することに
より、r値の面内異方性を小さくする技術である。しか
しながら、上記の技術は、極低炭素鋼ベースの成分系に
おける高強度冷延鋼板のr値の面内異方性改善方法を開
示したものであり、C、Nなどの進入型固溶元素を低減
させるためにRHなどの二次精練を行わなければなら
ず、製鋼コストが高くなるという難点がある。
は、熱間圧延でスラブ加熱温度を低温にし、巻取り温度
を高温にすることにより適当なAlNを析出させたr値
の面内異方性の小さな熱延鋼板を85〜93%の高冷延
率で冷延し、再結晶焼鈍することによってr値の面内異
方性を小さくする技術が報告されている。しかしなが
ら、上記の技術は、r値の面内異方性改善のために85
%以上という高い冷延率が必要となり、冷間圧延の負荷
が高くなるという問題点がある。
4003には、低炭素アルミキルド鋼の成分系をベース
としてTiまたはNbを添加してNをTiNで固定し
て、焼鈍時にAlNの析出を抑制し、TiCの析出物サ
イズを制御することによってr値の面内異方性を小さく
する技術が開示されている。しかしながら、この技術
は、長時間低温焼鈍である箱焼鈍を前提としており、単
位時間あたりの生産量が低いという問題点がある。
は円錐形の回転対称な自動車部品等の成形に好適な冷延
鋼板に関するもので、r値の面内異方性を改善するため
に微細な分散粒子のサイズ、分布等を最適化して再結晶
焼鈍時のr値の面内異方性を顕著にする方位の核生成、
粒成長を抑制してr値の面内異方性を小さくするように
集合組織を最適化した冷延鋼板を提供しようとするもの
である。
ろは、 (1)質量%にて、C=0.01〜0.06%、Si=
0.005〜0.5%、Mn=0.01〜2.0%、P
=0.01〜0.10%、S≦0.02%、Al≦0.
004%、Mg=0.0001〜0.01%、O=0.
001〜0.01%、N=0.001〜0.01%、T
i=0.005〜0.1%、を含み、残部がFe及び不
可避的不純物であることを特徴とする面内異方性が小さ
く成形性に優れた冷延鋼板。 (2)平均粒子径で0.005μm以上0.1μm以下
であるMgとTiの酸化物および/または複合酸化物を
鋼中に含有することを特徴とする前記(1)に記載の面
内異方性が小さく成形性に優れた冷延鋼板。 (3)鋼中に含有するMgとTiの酸化物および/また
は複合酸化物の面密度が40〜1000個/mm2であ
ることを特徴とする前記(2)に記載の面内異方性が小
さく成形性に優れた冷延鋼板。にある。
化物とはMgOのようなMg単独およびTiO、Ti2
O3,TiO2のようなTi単独の酸化物粒子およびその複
合酸化物粒子だけでなく、それら以外の酸化物およびT
iC、TiN、MnS等の析出物が含まれるような複合
粒子のことを指す。なお、本発明は、溶融亜鉛めっき鋼
板にも適用可能である。
いる。例えば、「鉄と鋼」第57年(1971)113
4〜1154ページによれば、{110}〈100〉方
位が強い場合は、r90≧r0>r45のV字分布の異
方性を示し、{100}〈110〉方位が強い場合に
は、r45>r90≧r0の逆V字分布を示す。また、
耳の大きさとr値の異方性の程度(以下dr=rmax
−rmin、ただしrmaxは、r0、r45およびr
90の最大値、rminは、r0、r45およびr90
の最小値と定義する)には、強い相関がある。従って、
drを小さくするためには、再結晶焼鈍時の{110}
〈100〉方位および{100}〈110〉方位の核生
成または、粒成長を抑制すればよい。
工業的規模の連続焼鈍設備または連続溶融亜鉛めっき設
備による製造を念頭において冷延鋼板のr値の面内異方
性を改善すべく鋭意研究を重ねた結果、焼鈍後の結晶粒
径が同等であってもMgを添加するとdrが小さくなる
ことを新規に知見した。そして、更に詳細に調査した結
果、鋼板中のMgとTiの酸化物および/または複合酸
化物の大きさとdrの間に強い相関があることを見出
し、MgとTiの酸化物および/または複合酸化物の大
きさおよび分布を最適化すれば、強度―延性バランスを
損なうことなく、かつ成形後の耳の高さが実用上問題と
ならないdr≦0.2という鋼板を製造できることを新
規に知見した。
結果について述べる。まず、焼鈍後の鋼板の結晶粒径と
drの関係をMgを添加したものと添加しないものにつ
いて比較した。0.02%C―0.02%Si―0.2
%Mn―0.02%P―0.005%S―0.003%
Al―0.05%Tiの成分の鋼をベースとして、純M
g金属(99%以上)を鉄箔で包んで添加したMg含有
鋼とMgを添加しないMg無添加鋼を50kgの実験室
溶解にてそれぞれ溶製した。得られた鋳塊を1230℃
で1時間加熱後、仕上温度(FT)800〜870℃で
熱間圧延し、500〜700℃で巻取った。酸洗後、圧
延率80%で冷間圧延を施し、焼鈍炉で750〜820
℃で1分間の焼鈍の後、冷却速度20℃/Sで冷却し、
さらに1%のスキンパス圧延を行った。
drとの関係を調査した。ただし、得られた鋼板の平均
結晶粒径は、圧延方向と平行な断面で測定し、JIS
G 0522記載の切断法にて粒度番号にて整理した。
また、r値は、JIS Z 2201記載の5号試験片
にて、15%の引張変化の前後における板厚の変化量を
板幅の変化量で除した値と定義し、r0(圧延方向での
r値)、r45(圧延方向から45°方向でのr値)、
r90(圧延方向から90°(板幅方向)でのr値)の
それぞれを測定し、drを得た。図1に粒度番号とdr
との関係を示す。このように、Mgを含有させた場合に
は、含有させない場合と比較して顕著にdrを低くでき
ることが分かった。
または複合酸化物の大きさとdrの関係を調査した。
0.02%C―0.02%Si―0.2%Mn―0.0
2%P―0.005%S―0.003%Al―0.05
%Ti―0.0005%Mgの成分の鋼をベースとし、
脱酸剤であるAl、Si、TiおよびMg等の添加順
序、添加間隔等を製鋼工程にてさまざまに変化させ得ら
れた鋼片を1230℃で1時間加熱後、仕上温度(F
T)840℃で熱間圧延し、600℃で巻取った。酸洗
後、圧延率80%で冷間圧延を施し、焼鈍炉で800℃
で1分間の焼鈍の後、冷却速度20℃/Sで冷却し、更
に1%のスキンパス圧延を行った。
およびMgとTiの酸化物および/または複合酸化物の
粒子サイズとdrとの関係を調査した。ただし、機械的
性質は、JIS Z 2201記載の5号試験片にて、
JIS Z 2241記載の引張試験方法で測定した。
またdrは、既に述べたものと同一の方法によって求め
た。一方、MgとTiの酸化物および複合酸化物の状態
は、供試鋼の表面から1/4厚のところから透過型電子
顕微鏡サンプルを採取し、エネルギー分散型X線分光
(Energy Dispersive X−ray
Spectroscope:EDS)や電子エネルギー
損失分光(Electron EnergyLoss
Spectroscope:EELS)の組成分析機能
を加えた、200kVの加速電圧の電界放射型電子銃
(Field Emission Gun:FEG)を
搭載した透過型電子顕微鏡によって観察した。観察され
る粒子の組成は、上記EDSおよびEELSによりMg
とTiの酸化物および複合酸化物であることを確認し
た。また、本願で規定するMgとTiの酸化物および複
合酸化物の平均粒子径は、10000〜500000倍
の倍率で少なくとも1000μm2以上の面積にわたっ
て観察し、対象となる粒子をそれぞれ測定したもののそ
の一視野での平均の値である。図2に強度―延性バラン
ス(引張強度×全伸び:TS×El)およびdrとMg
とTiの酸化物および複合酸化物の粒子サイズの測定結
果を示す。このように、強度―延性バランスとdrがと
もに優れるMgとTiの酸化物および複合酸化物の粒子
サイズは0.005μm以上0.1μm以下と分かっ
た。
て説明する。 C : Cは、0.01%未満であるとdrが大きくな
り過ぎるので0.01%以上とする。また、0.06%
超含有していると硬度が高くなりすぎ冷間圧延性が悪く
なるので、0.01%以上0.06%以下とする。 Si: Siは固溶強化元素であり必要に応じて添加す
る。ただし、0.005%未満では製鋼段階での製造コ
ストの上昇を招くので0.005%以上とする。一方、
Siは、0.5%超添加すると固溶硬化が著しくなり加
工用に不適当になるので、0.5%以下とする。さらに
好ましくは、溶融亜鉛めっきの密着性を損なわないよう
にするために、0.1%以下とする。
であり必要に応じて添加する。ただし、0.01%未満
では製鋼段階での製造コストの上昇を招くので0.01
%以上とする。一方、2.0%超添加すると延性が低下
するため2.0%以下とする。また、Ac3点を低下さ
せる作用があるため再結晶焼鈍の温度を確保するために
好ましくは、1.0%以下がよい。 P: Pは、強力な固溶強化元素であるので求められる
強度レベルに応じて0.01%以上添加する。ただし
0.10%超添加すると溶接性に悪影響を及ぼすので、
上限を0.10%とする。 S: Sは不純物であり、多すぎると熱間圧延時の割れ
を引き起こすばかりでなく、平均ランクフォード値の劣
化を起こすので極力低減させるべきであるが、0.02
%以下ならば許容できる範囲である。 Al: 通常Alは溶鋼脱酸のために添加されるが本発
明においてはMg添加の効果を阻害するため少ないほど
好ましい。ただし、0.004%以下ならば、許容でき
る範囲である。
な添加元素の一つである。Mgは、酸素と結合して微細
な酸化物を形成する。鋼中に微細に分散したMgとTi
の酸化物および複合酸化物はピニング効果によって、熱
延板段階での結晶粒の粗大化を抑制し、drを低減す
る。また、再結晶焼鈍時にこれらの粒子は、{110}
〈100〉方位および{100}〈110〉方位の核生
成または粒成長を抑制する効果がある考えられる。ただ
し、0.0001%未満ではその効果が不十分である。
一方、0.01%超添加すると、r値面内異方性を小さ
くする効果が飽和してしまうばかりでなく、製鋼技術上
非常に難しい。従ってMgの添加量は0.0001%以
上0.01%以下とする。
たは/およびTiを含む微細な粒子を得るためには、
0.001%以上必要である。しかし、0.01%超で
は、酸化物が粗大化し、その効果が失われるばかりか、
成形性に好ましくないC系介在物が増加する。従ってO
の含有量は0.001%以上0.01%以下とする。 N : Nは、drを低減する効果のあるMgとTiの
酸化物および複合酸化物を含む微細な粒子の形成に関与
し、drを低減する効果を促進する。この効果を得るた
めにNは0.001%以上含有する必要がある。しか
し、0.01%超含有してもその効果は飽和するので、
Nの含有量は0.001%以上0.01%以下とする。
な添加元素の一つである。Tiは、drを低減する効果
のあるMgとTiの酸化物および複合酸化物を形成し、
均一に微細に分散させるのに必要である。また、再結晶
焼鈍時にこれらの粒子は、{110}〈100〉方位お
よび{100}〈110〉方位の核生成または粒成長を
抑制する効果があると考えられる。ただし、0.005
%未満ではその効果が不十分である。一方、0.1%超
添加すると、r値面内異方性を小さくする効果が飽和し
てしまうだけでなく、表面性状や化成処理性が劣化する
ので、その上限は0.1%以下とする。さらに、Ti
は、0.06%超添加すると溶融亜鉛めっきの密着性を
悪くし、プレス成形時にパウダリングを起こすので、好
ましくは0.06%以下がよい。なお、本発明において
上記以外の成分はFeとなるが、スクラップ等の溶製原
料から混入する不可避的不純物の含有は許容される。
の酸化物および複合酸化物の存在状態について説明す
る。これらの酸化物の直径が、平均粒子径で0.005
μm未満であると硬質化してしまい良好な強度―延性バ
ランスが得られない。また、0.1μm超であるとdr
の低減にとって好ましくない{110}〈100〉方位
および{100}〈110〉方位の再結晶焼鈍時の核生
成、粒成長を抑制することが不十分になりdr≦0.2
が得られない。従って、良好な強度―延性バランスおよ
びdr≦0.2の両方を満足させるためには、MgとT
iの酸化物および複合酸化物の平均粒子径を0.005
μm以上0.1μm以下とする。
物の面密度は、40個/mm2未満では、これら粒子の
数が少く、drの低減にとって好ましくない{110}
〈100〉方位および{100}〈110〉方位の再結
晶焼鈍時の核生成、粒成長を抑制することが不十分にな
りdr≦0.2が得られない。従って、MgとTiの酸
化物および複合酸化物の面密度は、40個/mm2以上
とする。一方、MgとTiの酸化物および複合酸化物の
面密度は、1000個/mm2超では、r値の面内異方
性にとって好ましくない{110}〈100〉方位およ
び{100}〈110〉方位の再結晶焼鈍時の核生成、
粒成長を抑制する効果が飽和するだけでなく、伸びを劣
化させる。従って、MgとTiの酸化物および複合酸化
物の面密度は、1000個/mm2以下とする。
る。表1に示す化学成分を有するA〜Mの鋼を、転炉に
て溶製して、連続鋳造後、加熱温度1230℃で再加熱
し、800℃〜900℃の仕上げ圧延温度で6.0mm
に圧延した後、500〜700℃で温度でそれぞれ巻取
った。酸洗後0.8mmまで冷間圧延を施し(圧延率8
6.7%)、連続焼鈍ライン(最高加熱温度760〜7
80℃、スキンパス圧延率0.8%)を通板した。ただ
し、鋼Bについては、再結晶焼鈍処理後に350℃×1
80秒の過時効処理を施した。また、鋼Hについては、
冷延後、溶融亜鉛めっきライン(最高加熱温度770〜
780℃、溶融亜鉛めっき460℃、合金化処理520
℃×20秒、スキンパス圧延率0.8%)を通板した。
なお、表1の化学組成についての表示は質量%である。
およびMgとTiの酸化物および/または複合酸化物の
粒子サイズと平均ランクフォード値(rm)およびdr
との関係を調査した。ただし、得られた鋼板の機械的性
質は、JIS Z 2201記載の5号試験片にて、J
IS Z 2241記載の引張試験方法で測定した。r
値は、JIS Z 2201記載の5号試験片にて、1
5%における板厚の変化量を板幅の変化量で除した値と
定義し、r0(圧延方向でのr値)、r45(圧延方向
から45°方向でのr値)、r90(圧延方向から90
°(板幅方向)でのr値)のそれぞれを測定し、rmと
drを得た。
物の状態は、供試鋼の1/4厚のところから透過型電子
顕微鏡サンプルを採取し、エネルギー分散型X線分光
(Energy Dispersive X−ray
Spectroscope:EDS)や電子エネルギー
損失分光(Electron Energy Loss
Spectroscope:EELS)の組成分析機
能を加えた、200kVの加速電圧の電界放射型電子銃
(Field Emission Gun:FEG)を
搭載した透過型電子顕微鏡によって観察した。観察され
る粒子の組成は、上記EDSおよびEELSによりMg
とTiの酸化物および複合酸化物であることを確認し
た。また、それらの粒子径は、10000〜50000
0倍の倍率で少なくとも1000μm2以上の面積にわ
たって観察し、対象となる粒子をそれぞれ測定したもの
のその一視野での平均の値である。一方、それら対象と
なるサイズの粒子の面密度(1mm2あたりの個数)も
同時に測定した。
G、H、Lの7鋼である。上記以外の鋼は、以下の理由
によって面内異方性が小さく成形性に優れた冷延鋼板が
得られていない。鋼Aは、Oの含有量が本発明の範囲よ
り多いので、MgとTiの酸化物および複合酸化物の粒
子径が大きい、従ってdrが本発明の範囲外である。鋼
Eは、Alの含有量が本発明の範囲外であるのでMgと
Tiの酸化物および複合酸化物の面密度が低い、従って
drが本発明の範囲外である。鋼Iは、Mgが添加され
ていないため、酸化物粒子の径が大きい、従ってdrが
本発明の範囲外である。鋼Kは、Tiが添加されていな
いため、酸化物粒子の面密度が低い、従ってdrが本発
明の範囲外である。鋼Jは、Cの含有量が本発明の範囲
より少ないので、drが本発明の範囲外である。鋼M
は、Oの含有量が本発明の範囲より少ないので、Mgと
Tiの酸化物および複合酸化物の粒子の面密度が低い、
従ってdrが本発明の範囲外である。
異方性が小さく成形性に優れた冷延鋼板を与えるもの
で、これらの冷延鋼板を用いることで、円筒もしくは円
錐形の回転対称な自動車部品等の成形性に大幅な改善が
期待できる。
平行な断面における焼鈍後の再結晶粒の粒度番号Nと面
内異方性の程度drの関係を示す図である。
合酸化物の平均粒子径dと面内異方性の程度drおよび
強度―延性バランスの関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 質量%にてC =0.01〜0.06
%、Si=0.005〜0.5%、Mn=0.01〜
2.0%、P =0.01〜0.10%、S ≦0.0
2%、Al≦0.004%、Mg=0.0001〜0.
01%、O =0.001〜0.01%、N =0.0
01〜0.01%、Ti=0.005〜0.1%、 を含み、残部がFe及び不可避的不純物であることを特
徴とする面内異方性が小さく成形性に優れた冷延鋼板。 - 【請求項2】 平均粒子径で0.005μm以上0.1
μm以下であるMgとTiの酸化物および/または複合
酸化物を鋼中に含有することを特徴とする請求項1に記
載の面内異方性が小さく成形性に優れた冷延鋼板。 - 【請求項3】 鋼中に含有するMgとTiの酸化物およ
び/または複合酸化物の面密度が40〜1000個/m
m2であることを特徴とする請求項2に記載の面内異方
性が小さく成形性に優れた冷延鋼板。
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JP14043498A JP3872595B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | 面内異方性が小さく成形性に優れた冷延鋼板 |
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