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JPH11323003A - 被覆層の除去方法 - Google Patents

被覆層の除去方法

Info

Publication number
JPH11323003A
JPH11323003A JP13807098A JP13807098A JPH11323003A JP H11323003 A JPH11323003 A JP H11323003A JP 13807098 A JP13807098 A JP 13807098A JP 13807098 A JP13807098 A JP 13807098A JP H11323003 A JPH11323003 A JP H11323003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
resin
organic solvent
vinyl chloride
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13807098A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruo Nishida
治男 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP13807098A priority Critical patent/JPH11323003A/ja
Publication of JPH11323003A publication Critical patent/JPH11323003A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/582Recycling of unreacted starting or intermediate materials
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系樹脂を主成分とする基体がオレ
フィン系樹脂被覆層又はアクリル系樹脂被覆層及びオレ
フィン系樹脂被覆層等の塩化ビニル系樹脂以外の樹脂を
含む被覆層で被覆されている成形体から、基体に悪影響
を与えずに該被覆層を効率的に除去する方法を提供す
る。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂(A)を主成分とする
基体の外表面の少なくとも一部がメチルメタクリレート
のようなアクリル系樹脂及び/又はポリエチレンのよう
なポリオレフィン系樹脂を含んでなる被覆層で被覆され
てなる成形体を特定の溶解度パラメータを有する有機溶
剤(S)、例えばトルエン、ヘキサン、イソプロピルア
ルコールと接触させることにより、該基体は溶解させず
に該被覆層のみを溶解又は膨潤させて除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その表面の少なく
とも一部がアクリル系樹脂を含んでなる被覆層及び/又
はポリオレフィン系樹脂を含んでなる被覆層で覆われた
塩化ビニル系樹脂成形体から被覆層を除去する方法に関
する。更に詳しくは、塩化ビニル系プラスチック窓枠等
の部材として使用される、上記のような被覆層を有する
塩化ビニル系樹脂成形体の廃材から被覆層を効率よく除
去して塩化ビニル系樹脂を回収し、再利用する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、その優れた機械的
強度や耐候性、さらに金属材料に比べて格段に小さい熱
伝導率を有することから、寒冷地の住宅などの窓枠材と
して広く使用されている。
【0003】塩化ビニル系樹脂製のプラスチック窓枠
は、所期の形状に押し出し成形された成形体(以下、形
材ともいう。)を適宜切断して作成された各部材を組み
立てて製造されているが、この部材作成時に発生する端
材の量は上記形材の10%にも達するため、該端材は粉
砕して押出成型の際に原料の一部として再使用されてい
る。なお、従来の形材には塩化ビニル系樹脂以外の樹脂
は殆ど使用されていないため(以下、このような従来の
形材を旧形材ともいう。)、端材を再使用しても得られ
る形材の物性には殆ど影響は生じない。
【0004】ところで、旧形材には、表面保護の目的で
その外表面には手で容易に剥離可能なオレフィン系樹脂
フィルムが貼付されいるのが一般的であり、上記端材の
再使用に際しては異種ポリマーの混入による形材の物性
低下を防止するため、該フィルムを除去する必要があっ
た。ところが、一般に端材の大きさや形状は一定ではな
いため、上記フィルムの除去作業を機械化することは難
しく、該作業は手作業で行われるのが普通であり、労力
及び作業効率の点で問題があった。
【0005】また、近年は、住宅に対する嗜好の多様化
を反映して窓枠のカラー化が進んでおり、このことが端
材の再使用に関して新たな問題を引き起こしている。
【0006】即ち、窓枠のカラー化は、塩化ビニル樹脂
基体の表面を様々な色に着色したアクリル系樹脂で被覆
した成形体(以下、カラー形材ともいう。)を窓枠部材
として使用することによって行われているが、該カラー
形材の端材を再使用するに際しては、前記保護フィルム
の除去に加えて該アクリル系樹脂の被覆層を除去すると
いう新たな操作を行わなければならない。この操作を行
わない場合には、アクリル系樹脂の混入により、得られ
る形材の機械的強度が低下したり、好ましくない色に着
色したりするという弊害が発生する。ところが、該アク
リル系樹脂の被覆層は、基体に強固に接合しているた
め、その除去は前記保護フィルムの除去に比べて遥かに
困難である。
【0007】現在、新規に製造される窓枠の半分以上は
カラー形材を使用したものとなっており、前記保護フィ
ルムの除去における問題と合わせて、アクリル系樹脂被
覆層を如何に効率的に除去するかが課題となっている。
【0008】従来、プラスチック成型品における被覆層
の除去方法としては、いくつかの方法が知られている。
例えば、物理的な方法として、被覆された成型品を粉砕
し、さらに溶融し、これをスクリーンメッシュを通過さ
せ、被覆層のみをメッシュで捕捉して除去するスクリー
ンメッシュ法と呼ばれる方法が知られている。しかし、
この方法では、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂と塩
化ビニル樹脂との融点の差や塩化ビニル特有の粒子流動
性などの特性から被覆層を明確に分離することは難し
い。
【0009】また、機械的な方法として、ウォータージ
ェットを利用した被覆層の剥離方法が特開平6−246
744号公報に開示されている。該方法は、広い被覆表
面をもつ単純な構造の成型品を対象としたものであり、
個々の被処理物が複雑な構造を持ち、その大きさもまち
まちである前記端材に適用することは、実質的に不可能
である。
【0010】また、特開平5−318999号公報や特
開平5−318484号公報には、化学的・静的な剥離
作用に加えて物理的な摺擦力との相乗作用を利用して樹
脂成形体の塗膜を剥離する方法が提案されているが、塩
化ビニル系樹脂とアクリル系被覆層及び/又はオレフィ
ン系保護フィルムで被覆された成形体からの塩化ビニル
系樹脂の選択分離の具体的手段は開示されていない。
【0011】更に、塗膜を化学的に除去する方法とし
て、強アルカリ煮沸法や強酸煮沸法なども知られている
が、これら方法は、塩化ビニルの脱塩化水素反応を促進
するなどの問題を引き起こすため適用不可能である。
【0012】その他、特開平5−84746号公報、及
び特開平5−228432号公報には、ポリオレフィン
系樹脂からなる基体上のウレタン系塗装を塩化メチレン
または熱エタノール用いて剥離除去する技術が、また、
特開平7−331138号公報には、オレフィン系熱可
塑性エラストマー、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレ
ン、メタクリル樹脂等からなる基体上の塗料塗膜を有機
溶媒、酸及びアルコールの混合物からなる除去液を用い
て除去する技術が開示されている。しかしながらこれら
何れの公報にも基体として塩化ビニル系樹脂を用いた場
合の開示はなく、これら方法で使用されている除去液を
前記材形に適用しても、塩化ビニル系樹脂を溶解したり
分解したりすることなくオレフィン系樹脂被覆層又はア
クリル系樹脂被覆層及びオレフィン系樹脂被膜を除去す
ることは出来ない。例えばハロゲン系有機溶剤や酸を用
いた場合には塩化ビニル系樹脂が溶解若しくは分解して
しまい、アルコール類のみを用いた場合にはオレフィン
系樹脂被膜を除去することはできない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、塩化
ビニル系樹脂を主成分とする基体がオレフィン系樹脂被
覆層又はアクリル系樹脂被覆層及びオレフィン系樹脂被
覆層等の塩化ビニル系樹脂以外の樹脂を含む被覆層で被
覆されている成形体から、基体に悪影響を与えずに該被
覆層を効率的に除去する方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究を行った。その結果、塩化ビニル系
樹脂(A)を主成分とする基体の外表面の少なくとも一
部がアクリル系樹脂及び/又はポリオレフィン系樹脂を
含んでなる被覆層で被覆されてなる成形体を特定の溶解
度パラメータを有する有機溶剤(S)と接触させた場合
には、該基体は溶解せずに該被覆層のみが溶解又は膨潤
して除去できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0015】即ち、本発明は、塩化ビニル系樹脂(A)
を主成分とする基体の外表面の少なくとも一部がアクリ
ル系樹脂を含んでなる被覆層及び/又はポリオレフィン
系樹脂を含んでなる被覆層で被覆されてなる成形体を有
機溶剤(S)と接触させて、該基体は溶解させずに該被
覆層を溶解又は膨潤させて該被覆層を除去することを特
徴とする被覆層の除去方法である。
【0016】例えば、上記被覆層がアクリル系樹脂を主
成分とする単一層からなる場合には、有機溶剤(S)と
してその溶解度パラメーターが18.4〜17.4MP
1/2又は22.9〜26.0MPa1/2の有機溶剤を用
いることにより、基体を溶解させずに被覆層を除去する
ことが出来る。
【0017】また、上記被覆層がオレフィン系樹脂を主
成分とする単一層からなる場合には、有機溶剤(S)と
してその溶解度パラメーターが18.4〜13.9MP
1/2の有機溶剤を用いることにより、基体を溶解させ
ずに被覆層を除去することが出来る。
【0018】さらに、上記被覆層がアクリル系樹脂を主
成分とする下層、及びポリオレフィン系樹脂を主成分と
する上層の2層からなる場合には、有機溶剤(S)とし
てその溶解度パラメーターが18.4〜17.4MPa
1/2の有機溶剤を用いることにより、1段の操作で基体
を溶解させずに両被覆層を除去することが出来る。
【0019】更に又、被覆層が上記のような2層からな
る場合において、成形体を先ずその溶解度パラメーター
が18.4〜13.9MPa1/2の有機溶剤に接触させ
た場合には、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする上層
を溶解又は膨潤させて該上層を除去され、次いで該上層
が除去された成形体をその溶解度パラメーターが22.
9〜26.0MPa1/2の有機溶剤と接触させた場合に
は、基体は溶解させずにアクリル系樹脂を主成分とする
下層を溶解又は膨潤させて該下層を除去することができ
る。
【0020】上記本発明の被覆層の除去方法に於いて
は、被覆層を除去した後、被覆層が溶解又は浮遊した有
機溶剤(S)の廃液から有機溶剤(S)を分離し、分離
した有機溶剤(S)を再使用することもできる。
【0021】本発明の被覆層の除去方法によって被覆層
が除去された基体は、基本的に塩化ビニル系樹脂以外の
樹脂を含んでいないので、塩化ビニル系樹脂成形体の原
料として再利用することが出来る。
【0022】即ち、本発明の被覆層の除去方法により被
覆層が除去された基体を破砕し、得られた破砕物を溶融
成形することにより、塩化ビニル系樹脂成形体を製造す
る(以下、この製造方法を「本発明の成形体製造方法」
ともいう。)ことができ、、更に他の本発明は、本発明
の成形体製造方法により製造された塩化ビニル系樹脂成
形体を切断して作成した部材を用いて構造体を製造する
(以下、この製造方法を「本発明の構造体製造方法」と
もいう。)ことができる。
【0023】ここで、本発明の成形体製造方法で製造さ
れる成形体とは、例えば、旧形材又はカラー形材であ
り、本発明の構造体製造方法で製造される構造体とは、
例えば窓枠である。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の被覆層の除去方法では、
塩化ビニル系樹脂(A)を主成分とする基体の外表面の
少なくとも一部がアクリル系樹脂を含んでなる被覆層及
び/又はポリオレフィン系樹脂を含んでなる被覆層で被
覆されてなる成形体を使用する。
【0025】ここで、塩化ビニル系樹脂(A)とは、塩
化ビニルの単独重合体;塩化ビニル−エチレン共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニルを
主体として他の単量体との共重合体;及びゴム変性塩化
ビニル樹脂等を意味する。ここでゴム変性塩化ビニル樹
脂としては、耐衝撃性や耐候性に優れるアクリル系ゴム
変性塩化ビニル樹脂が好適に使用できる。該アクリル系
ゴム変性塩化ビニル樹脂は、例えば、アクリル系ゴム状
重合体の存在下で塩化ビニル単量体をグラフト共重合す
ることによって製造される。このアクリル系ゴム状重合
体としては、アルキルアクリレート及び/又はアルキル
メタクリレートを主体とする単量体、又はそれと共重合
する他の適宜の単量体との混合物を共重合して得られた
ゴム状重合体が挙げられる。一般に、上記の塩化ビニル
を主体として他の単量体との共重合体及びゴム変性塩化
ビニル樹脂は、1〜20重量部、好ましくは2〜15重
量部の他の単量体及び/又はゴム状重合体の存在下で1
00重量部の塩化ビニル単量体を共重合することにより
得られている。
【0026】前記基体は、これら塩化ビニル系樹脂
(A)に、熱安定剤、滑材、紫外線安定剤、安定化助
剤、着色剤(顔料)、可塑剤及び充填剤等の添加剤を必
要に応じて適宜配合した組成物を押出成型、射出成型、
シート成型などの各種成型方法により種々形状に成型し
たものであり、例えば、窓枠用部材、管、電気電子機器
の筐体、各種容器類、玩具類、園芸用資材などである。
【0027】なお、塩化ビニル系樹脂(A)に添加され
る上記各添加剤としては、塩化ビニル系樹脂(A)の成
形に於いて一般的に使用されるものが何等制限無く使用
できる。本発明で好適に使用できる代表的な各種添加剤
を例示すれば、熱安定剤としては、ステアリン酸カルシ
ウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛等の金属
石鹸、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜り
ん酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、ステアリン酸鉛等の鉛
系安定剤、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマ
レエート、ジブチルスズメルカプチド等の錫系安定剤等
が挙げられる。また、滑剤としては、ステアリン酸、パ
リミチン酸、ブチルステアレート、オクチルステアレー
ト等の飽和脂肪酸及びその誘導体、カルナバワックス、
キャンデリワックス、パラフィンワックス等の各種ワッ
クス類等が挙げられる。また、紫外線安定剤としては、
ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体等
が、安定化助剤としては、ホスファイト、エポキシ化合
物、β−ジケトン、ポリオール等が、着色剤(顔料)と
しては、クロムイエロー、フタロシアニンブルー等が、
可塑剤としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、
ジ−n−オクチルフタレート、ジオクチルアジペート、
トリクレジルホスフェート、エポキし化大豆油等が、充
填剤としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシ
ウム、カオリン、酸化チタン等が挙げられる。また、こ
れら添加剤を添加した上記組成物の組成は各基体の用途
によって異なるが、例えば、基体が窓枠用部材である場
合の組成は、塩化ビニル系樹脂(A)100重量部に対
して、充填剤1〜100重量部、熱安定剤、紫外線安定
剤及び安定化助剤の総和で0.01〜10重量部、滑
材、着色剤(顔料)及び可塑剤の総和で0.5〜50重
量部である。
【0028】本発明の被覆層の除去方法で使用する成形
体の外表面の少なくとも一部は、アクリル系樹脂を含ん
でなる被覆層及び/又はポリオレフィン系樹脂を含んで
なる被覆層で被覆されている。
【0029】ここで、アクリル系樹脂としては、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−
ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル
類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−
ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル
類;メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メ
タアクリル酸n−プロピル、メタアクリル酸イソプロピ
ル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソブ
チル、メタアクリル酸sec−ブチル、メタアクリル酸
t−ブチル、メタアクリル酸オクチル、メタアクリル酸
エチルヘキシルなどのメタアクリル酸エステル類等が挙
げられる。これら樹脂は1種類単独であっても複数種類
が混合されたものであっても良い。
【0030】また、ポリオレフィン系樹脂としては、例
えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレンおよび、ポリ(エチレン−co−プロピレ
ン)等が挙げられる。これら樹脂は1種類単独であって
も複数種類が混合されたものであっても良い。
【0031】前記各被覆層におけるアクリル系樹脂又は
ポリオレフィン系樹脂の含有量は特に限定されないが、
基体からの除去効率の観点から、該被覆層中の各樹脂の
含有量は60重量%以上、好ましくは80重量%以上で
あるのが好適である。
【0032】なお、前記のアクリル系樹脂は一般的な塗
料に含まれるものであり、該アクリル系樹脂を含んでな
る被覆層は、化粧用或いは着色用の塗膜の形態をとるこ
とが多い。該塗膜は、一般に基体と共に共押出成形や基
体表面に貼付等の手段により形成される。
【0033】また、前記ポリオレフィン系樹脂を含んで
なる被覆層は、保護フィルムとして多用されているポリ
オレフィン系樹脂であることが多い。該保護フィルムは
一般に、基体に直接、又は塗膜であるアクリル系樹脂を
含んでなる被覆層で被覆された基体に積層される。この
際、ポリオレフィン系樹脂が分子内に極性基を有しない
ため一般に接着性が不足している。そのため、その接着
側の面に、例えば、前述したアクリル酸エステル類およ
びメタアクリル酸エステル類の重合体および共重合体か
らなるアクリル系接着層を有し、この接着層によりアク
リル系樹脂被覆層および塩化ビニル系樹脂基体表面に接
着性を発現する。
【0034】前記基体が窓枠用部材である場合には、被
覆層がアクリル系樹脂を含んでなる被覆層の単一層から
なる場合がカラー形材そのままの態様に相当し、被覆層
がポリオレフィン系樹脂を含んでなる被覆層の単一層か
らなる場合が旧形材に保護フィルムを施した態様に、被
覆層がアクリル系樹脂を主成分とする下層、及びポリオ
レフィン系樹脂を主成分とする上層の2層からなる場合
がカラー形材に保護フィルムを施した態様となる。
【0035】本発明の被覆層の除去方法では、前記基体
を特定の有機溶剤と接触させて、被覆層を溶解又は膨潤
させて基体表面から被覆層を除去する。ここで、上記の
特定の有機溶剤とは、アセトン、ベンゼン、クロロホル
ム、酢酸エチル、エチレンクロライド、トリクレン、ジ
メチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の塩化ビ
ニル系樹脂に対する溶解性があることが知られている有
機溶剤以外の有機溶剤(以下、塩ビ非溶解性溶剤ともい
う。)であって、基体を溶解せずに被覆層を溶解又は膨
潤させ得る有機溶剤であれば特に限定されない。この様
な有機溶剤(S)は、基体の組成、被覆層の構造および
組成等によって適宜選択すればよい。このときの有機溶
剤(S)の選択は、基体及び被覆層とそせぞれ別々に接
触させてそれぞれの状態(溶解若しくは膨潤しているか
どうか)を調べることにより行うことが出来る。
【0036】本発明の被覆層の除去方法に於いては、被
覆層の種類に応じて特定の範囲の溶解度パラメータ(S
P値)を有する有機溶剤が好適に使用出来る。
【0037】ここで、上記有機溶剤のSP値とは、下記
の式に従って実験的に求めることができる値であり、そ
の値は、多くの溶剤についてポリマーハンドブック(Po
lymer Handbook,3rd edition, edited by J. Brandrup
and E. H. Immergut, A Wiley Interscience Publicati
on (1989))等に纏められている。
【0038】(SP)2=(ΔE)/V={(ΔH)−R
T}/V=d{(ΔH)−RT}/M {式中、ΔEは蒸発エネルギー(cal/mol)であり、dは
密度(g/cc)であり、Vはモル容積(cc/mol)であり、ΔH
は蒸発潜熱(cal/mol)であり、Tは絶対温度(K)であ
り、Rはガス定数(cal/molK)である。} 本発明の被覆層の除去方法に於いては、被覆層がアクリ
ル系樹脂を主成分とする単一層からなる場合(以下、ケ
ース1ともいう。)には、有機溶剤(S)として、その
SP値が18.4〜17.4MPa1/2又は22.9〜
26.0MPa1 /2である有機溶剤が好適に使用でき
る。 この時、該有機溶剤(S)は、塩ビ非溶解性溶剤
であってそのSP値が18.4〜17.4MPa1/2
は22.9〜26.0MPa1/2である有機溶剤であれ
ば特に限定されないが、SP値が18.4〜17・4M
Pa1/2の場合には水素結合性の弱い有機溶剤であるの
が、また、SPが22.9〜26.0MPa1/2の場合
には水酸基を有する有機溶剤であるのが、被覆層の除去
の容易さの観点から特に好適である。
【0039】これら溶剤を具体的に例示すれば、トルエ
ン(18.2MPa1/2)、キシレン(18.0MPa
1/2)、エチルベンゼン(18.0MPa1/2)などの芳
香族炭化水素類;ジブチルフマレート(18.4MPa
1/2)、酢酸ブチル(17.4MPa1/2)のようなエス
テル類;ジエチルケトン(18.0MPa1/2)のよう
なケトン類;イソプロピルアルコール(23.5MPa
1/2)、ブチルアルコール(23.3MPa1/2)、シク
ロヘキサノール(23.3MPa1/2)、エチレングリ
コールモノメチルエーテル(23.3MPa1/2)、エ
タノール(26.0MPa1/2)などのモノアルコール
類;ペンタンジオール(23.5MPa1/2)、ブタン
ジオール(24.8MPa1/2)、ジエチレングリコー
ル(24.8MPa1/2)、イソブチレングリコール
(22.9MPa1/2)、プロピレングリコール(2
5.8MPa1/2)などのグリコール類;およびブチロ
ラクトン(25.8MPa1/2)などが挙げられる。こ
れらの有機溶剤の中でも、トルエンおよびイソプロピル
アルコールは、溶剤の再利用性の点で優れており、最も
好適に使用される。なお、上記各溶剤は単独で使用して
も、複数種類混合して使用しても良い。
【0040】また、被覆層がオレフィン系樹脂を主成分
とする単一層からなる場合(以下、ケース2ともい
う。)には、有機溶剤(S)として、そのSP値が1
8.4〜13.9MPa1/2の水素結合性の弱い有機溶
剤が好適に使用できる。該有機溶剤(S)は、塩ビ非溶
解性溶剤であってそのSP値が18.4〜13.9MP
1/ 2の有機溶剤であれば特に限定されないが、被覆層
の除去の容易さの観点から、炭化水素系溶剤であるのが
特に好適である。
【0041】このような炭化水素系溶剤を例示すれば、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン
(14.9MPa1/2)、ヘプタン(15.1MP
1/2)、ペンタン(14.3MPa1/2)などの飽和脂
肪族鎖状炭化水素類;シクロヘキサン(16.8MPa
1/2)、シクロペンタン(17.8MPa1/2)などの飽
和環状炭化水素類;ヘキセン−1(15.1MP
1/2)などの不飽和鎖状炭化水素類;及びこれらの混
合物等が挙げられる。これらの中でも、ヘキサンは、除
去効率、基体への影響の小ささ、及び溶剤の再利用性の
点で優れており、最も好適に使用される。
【0042】また、被覆層がアクリル系樹脂を主成分と
する下層、及びポリオレフィン系樹脂を主成分とする上
層の2層からなる場合において、両層を1段階で除去し
ようとする場合(以下、ケース3ともいう。)には、有
機溶剤(S)として、そのSP値が18.4〜17.4
MPa1/2の有機溶剤が使用できる。該有機溶剤(S)
は、塩ビ非溶解性溶剤であってSP値が18.4〜1
7.4MPa1/2の有機溶剤であれば特に限定されない
が、上層及び下層を同時に除去する効果の高さからトル
エンを使用するのが特に好適である。
【0043】また、被覆層が上記2層からなる場合にお
いて、先ず上層を除去した後に下層を除去するという2
段法を採用する場合(以下、ケース4ともいう。)に
は、1段目おいてはそのSP値が18.4〜13.9M
Pa1/2の有機溶剤を、2段目においてはそのSP値が
22.9〜26.0MPa1/2の有機溶剤を使用するの
が好適である。
【0044】該ケース4の1段目で好適に使用される有
機溶剤(S)としては、ケース2において好適に使用で
きる溶剤と同じものが挙げられるが、ヘキサンあるいは
トルエンを使用するのが特に好適である。また、2段目
で好適に使用できる有機溶剤としてはケース1で好適に
使用できる有機溶剤のうちSP値が22.9〜26.0
MPa1/2のものと同じものが挙げられるが、イソプロ
ピルアルコールを使用するのが特に好適である。
【0045】基体からの被覆層の除去は、いずれのケー
ス場合にも、成形体を上記の有機溶剤の中に浸漬、ある
いは上記有機溶剤が流動する状態の中に該被覆された成
型体を挿入する等して、成形体と有機溶剤(S)とを接
触させることにより行うことが出来る。なお、上記流動
する状態とは、攪伴による回転流動、循環回路による一
次元流動、振とうによる往復流動、噴出口からのシャワ
ー状噴出流動、超音波照射による流動等である。また、
上記接触に際しては、撹拌やあるいは摺擦のような機械
的な作用、加熱などの物理的な作用も効果的に作用する
場合がある。しかしながら、これらの機械的・物理的な
作用は、塩化ビニル系樹脂基体にも影響し、変質を伴う
場合があるので溶剤の種類により適宜条件を選択するの
が好ましい。
【0046】以下に、前記の各ケース毎に、特定の有機
溶剤(S)を用いた場合を例にとって、被覆層の除去方
法を具体的に説明する。
【0047】ケース1において、例えば、有機溶剤
(S)としてトルエンを使用してアクリル系樹脂被覆層
の除去を行う場合、有機溶剤(S)の温度は0〜70
℃、好ましくは、50〜70℃の温度範囲にするのが好
ましい。この温度範囲内では、塩化ビニル系樹脂に殆ど
変質が認められない。0℃未満では、除去速度が著しく
低下し、また、70℃を超える温度では、除去速度は速
いものの、塩ビ系樹脂基体の若干の膨潤等の支障が生じ
る場合がある。アクリル系樹脂被覆層の除去に要する時
間は、0〜50℃では、30分〜数時間が必要であり、
一晩浸漬などの方法も選択される。一方、50〜70℃
の温度範囲では約30分以内で除去が行える。トルエン
の再利用は、直接蒸留、あるいは冷却後に析出物をろ過
した後に蒸留等の操作によって、有機溶剤(S)と基体
から除去されたアクリル系樹脂被覆層とを分離すること
により実施される。
【0048】又、有機溶剤(S)としてイソプロピルア
ルコールを使用してアクリル系樹脂被覆層を除去する場
合には、成形体とイソプロピルアルコールとの接触条件
は、50〜沸点(82.3℃)の溶剤温度範囲で約1時
間〜30分で行うのが好適である。溶剤温度が上昇する
に連れてアクリル系樹脂被覆層の除去速度は向上する。
イソプロピルアルコールを使用した場合、被覆層の除去
実施後に溶剤温度を50℃未満、好ましくは30℃未満
の温度に冷却することで、溶解していたアクリル系樹脂
被覆層成分が不溶化し析出してくるため、単純なろ過操
作のみでイソプロピルアルコールの分離し、再利用する
ことが可能である。
【0049】ケース2において、有機溶剤(S)として
トルエンを使用してポリオレフィン系樹脂被覆層の除去
を行う場合、0〜70℃、好ましくは、50〜70℃の
溶剤温度範囲で基体と接触させるのが好適である。この
温度範囲内では、ポリオレフィン系樹脂被覆層が溶解す
ることなく膨潤して剥離してくるため、単純なろ過操作
のみでトルエンの再利用が可能である。剥離に要する時
間は、約5〜15分である。70℃以上では、オレフィ
ン系樹脂被覆層の溶解が起こりトルエンの再利用に支障
が生じる場合がある。又、有機溶剤(S)としてヘキサ
ンを用いてポリオレフィン系樹脂被覆層を除去する場
合、0℃〜沸点(68.6℃)の温度範囲が好ましい使
用範囲である。ヘキサンの場合、この温度範囲内であれ
ばポリオレフィン系樹脂被覆層は簡単に基体から剥離
し、除去に要する時間は、数秒〜5分以内と短い。この
ように除去速度が十分速いため特に温度はあまり影響し
ないが、溶剤温度が上昇するに連れてポリオレフィン系
樹脂被覆層の除去速度は向上する傾向にある。ヘキサン
を用いてのポリオレフィン系樹脂被覆層の除去は、速や
かな剥離のみが進行するため、除去処理後、溶液の単純
なろ過操作のみでヘキサンの再利用が可能である。
【0050】ケース3において、有機溶剤(S)として
トルエンを使用して被覆層の除去を行う場合の条件は、
ケース1及び2においてトルエンを使用した場合と同様
である。
【0051】ケース4において、有機溶剤(S)として
1段目においてヘキサンを用い、2段目においてイソプ
ロピルアルコールを使用する場合、ケース2におけるヘ
キサンの使用の場合、およびケース1におけるイソプロ
ピルアルコールの使用の場合とほぼ同様の方法で実施さ
れる。但し、この2段法の実施に当っては、異なる処理
槽の設置、処理物のろ過取り出し、或いは有機溶剤の交
換を行う等の装置およびプロセスの配慮によって各段に
用いる2種類の有機溶剤が互いに混和することを防ぐよ
うにすることが、除去効率および有機溶剤の再利用の観
点から好ましい。
【0052】ケース1〜4において、被覆層の除去後に
廃液から有機溶剤を分離して再利用できることは既に述
べたとおりであるが、蒸留により有機溶剤を再生するか
どうかは、単純ろ過操作により有機溶剤の分離が可能か
どうか、あるいは単純ろ過操作を繰り返し行った場合の
汚濁等の状況に応じて適宜決定される。
【0053】被覆層除去後の塩化ビニル系樹脂基体は、
熱風乾燥などの処理によって有機溶剤を除去した後に、
後述するような方法によって再利用(リサイクル)する
ことが出来る。
【0054】即ち、本発明の被覆層の除去方法により、
被覆層が除去された基体は粉砕されて、塩化ビニル系樹
脂成形体を溶融成形する際の原料として再利用される。
粉砕方法としては特に限定されず、公知の破砕機あるい
は粉砕機を用いた粉砕が適用可能である。好適に用いら
れる破砕機および粉砕機として、低速一軸回転せん断式
破砕機、低速二軸回転せん断式破砕機、中速一軸回転せ
ん断式粉砕機、高速一軸回転せん断式微粉砕機、押切り
油圧式切断機等である。破砕(粉砕)は、破砕物が次の
溶融成形に用いるに適当な粒度になるまで内部で繰り返
し破砕を行う循環型の破砕機および粉砕機が好適に使用
される。
【0055】破砕物の溶融成形は、一般の塩化ビニル系
樹脂に用いられる成形機および成形条件がそのまま適用
され得る。用途に応じて、押し出し成形、射出成形、カ
レンダー成形、ブロー成形等が適宜選択されるが、一般
的には、上記破砕物は、成形性や成形後の物性の要請に
応じて、バージンの塩化ビニル系樹脂および/又は前記
した各種添加剤に追加混合されて成形される。破砕物の
バージン樹脂に対する割合は、100重量部:1重量部
〜1重量部:100重量部の範囲から適宜選択される。
破砕物は溶融成形後、管、板、シート、棒、異型形材等
の成形体とされる。
【0056】上記のようにして製造された成形体は、適
宜必要な形状に切断して部材とした後、該部材を組み立
てることにより構造体を製造することが出来る。例え
ば、構造体が窓枠(框体を含む)である場合には、前記
の異型形材を該窓枠の各辺を構成するように適宜切断し
て部材とし、得られた各部材を溶接等により適宜接合す
ることにより窓枠を製造することが出来る。
【0057】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0058】実施例1〜6(ケース1) 塩化ビニル樹脂基体上の一面をブラウン色にカラー被覆
するようメタクリル酸メチル樹脂を塩化ビニル系樹脂と
共押出しすることによって異型押出成型体を作成し、塩
化ビニル製プラスチック窓枠用の形材とした。この形材
を約3cm幅に切り出して、窓枠形材の端材サンプルと
した。この端材サンプルを、300ml容量のビーカー
中に入れ、次に、表1に示した有機溶剤100mlを添
加した。このビーカーをホットスターラー上で表2に示
した温度に加温し、磁器撹拌を行った。表1に併記した
所定時間の撹拌の後、被覆材の除去状況および塩化ビニ
ル樹脂基体の変質状況について観察した。結果は表1に
併記した。
【0059】
【表1】
【0060】比較例1〜3 実施例1〜6の有機溶剤の代わりに、アセトン(20.
3MPa1/2)、クロロホルム(19.0MPa1/2)、
テトラヒドロヒドロフラン(18.6MPa1 /2)を用
いて、実施例と同様に行った。結果は表1に併記した。
【0061】表1の結果から、実施例1〜6の処理では
塩化ビニル樹脂基体の変化は認められなかったが、比較
例1〜3では該基体の表面状態が劣化していることが明
らかである。
【0062】実施例7〜9(ケース2) 塩化ビニル樹脂基体の異型押出成型体を作成した。これ
に、ポリエチレン保護フィルムをアクリル酸エステル共
重合体の接着層を介して成型体の被覆層表面に貼付し、
塩化ビニル製プラスチック窓枠用の形材を作成した。こ
の形材を約3cm幅に切り出して、窓枠形材の端材サン
プルとした。この端材サンプルを、300ml容量のビ
ーカー中に入れ、次に、ヘキサン100mlを添加し
た。このビーカーをホットスターラー上で表2に示した
温度に加温し、磁器撹拌を行った。表2に併記した所定
時間の撹拌の後、ポリエチレン製保護フィルムの除去状
況および塩化ビニル樹脂基体の変質状況について観察し
た。結果は表2に併記した。塩化ビニル樹脂基体の変質
を一切伴わず、表面被覆層であるポリエチレン保護フィ
ルムが効率的に除去された。
【0063】
【表2】
【0064】実施例10〜13(ケース3) 10重量%のアクリルゴムをグラフト重合したゴム変性
塩化ビニル樹脂基体上の一面をブラウン色にカラー被覆
するようメタクリル酸メチル樹脂をゴム変性塩化ビニル
樹脂と共押出しすることによって異型押出成型体を作成
した。これに、ポリエチレン保護フィルムをアクリル酸
エステル共重合体の接着層を介して成型体の被覆層表面
に貼付し、塩化ビニル系プラスチック窓枠用の形材を作
成した。この形材を約3cm幅に切り出して、窓枠形材
の端材サンプルとした。この端材サンプルを、300m
l容量のビーカー中に入れ、次に、トルエン100ml
を添加した。このビーカーをホットスターラー上で表3
に示した温度に加温し、磁器撹拌を行った。表3に併記
した所定時間の撹拌の後、被覆材の除去状況および塩化
ビニル系樹脂基体の変質状況について観察した。結果は
表3に併記したように、塩化ビニル系樹脂基体の変質を
伴わず、被覆層が除去された。
【0065】
【表3】
【0066】比較例4〜9 実施例10〜12のトルエンの代わりに、アセトン(2
0.3MPa1/2)、クロロホルム(19.0MP
1/2)、テトラヒドロヒドロフラン(18.6MPa
1/2)、ブチルエーテル(17.2MPa1/2)、メタノ
ール(29.7MPa1/2)、アミルエーテル(14.
9MPa1/2)を用いて、実施例と同様に行った。結果
は表3に併記した。表3に示されるように、被覆層の除
去が完全でなかったり、塩化ビニル樹脂系基体の表面の
変質(溶解)が認められた。
【0067】実施例14(ケース4) 塩化ビニル樹脂基体上の一面をブラウン色にカラー被覆
するようメタクリル酸メチル樹脂を塩化ビニル系樹脂と
共押出しすることによって異型押出成型体を作成した。
これに、ポリエチレン保護フィルムをアクリル酸エステ
ル共重合体の接着層を介して成型体の被覆層表面に貼付
し、塩化ビニル製系プラスチック窓枠用の形材を作成し
た。この形材を約3cm幅に切り出して、窓枠形材の端
材サンプルとした。この端材サンプルを、ホットスター
ラー上で磁気攪伴下に50℃に加温された300ml容
量のビーカー中のヘキサン中に2分間浸漬し、ポリエチ
レン製保護フィルムを剥離した。保護フィルムが除去さ
れた成型体は、ヘキサン槽から取り出し、ホットスター
ラー上で磁気攪伴下に80℃に加温された300ml容
量のビーカー中のイソプロピルアルコール中に投入し
た。30分後、成型体表面のアクリル保護層が除去さ
れ、表面変質の無い塩化ビニル系樹脂基体が回収され
た。
【0068】実施例15(イソプロピルアルコールの再
使用) 実施例1の処理後、アクリル系樹脂被覆層の溶解あるい
は分散したイソプロピルアルコール溶液を、約30℃ま
で冷却したところ、アクリル系樹脂被覆層由来の高分子
物質が析出し、沈殿または浮遊する状態となった。この
液を、濾布を用いてろ過した結果、無色透明のイソプロ
ピルアルコールが回収された。この回収イソプロピルア
ルコールを用いて、再び、実施例1と同様の操作を繰り
返した結果、アクリル系樹脂被覆層の除去効率、基体へ
の影響には殆ど違いは認められなかった。
【0069】実施例16(ヘキサンの再使用) 実施例7の処理後、オレフィン系樹脂保護フィルムの浮
遊したイソプロピルアルコール溶液から、浮遊した保護
フィルムを取り出し、繰り返し十度の実施例7と同様の
操作を行った結果、オレフィン系樹脂保護フィルムの除
去効率、基体への影響には殆ど違いは認められなかっ
た。
【0070】実施例17(トルエンの再使用) 実施例12の処理後、オレフィン系樹脂保護フィルムが
浮遊し、アクリル系樹脂被覆層の溶解あるいは一部分散
したトルエン溶液から、浮遊保護フィルムを除去し、次
いで約30℃まで冷却したところ、アクリル系樹脂被覆
層由来の高分子物質が一部析出し、沈殿または浮遊する
状態となった。この液を、濾布を用いてろ過した結果、
わずかに暗黒色に着色したトルエンが回収された。この
回収トルエンを用いて、再び、実施例12と同様の操作
を繰り返した結果、オレフィン系樹脂保護フィルムの剥
離効率、アクリル系樹脂被覆層の除去効率、及び基体へ
の影響にはあまり違いは認められなかった。暗黒色に着
色した回収トルエンを単蒸留操作で処理したところ、無
色透明のトルエンが回収された。この無色透明の再回収
トルエンも、実施例12と同様の操作を繰り返した結
果、オレフィン系樹脂保護フィルムの剥離効率、アクリ
ル系樹脂被覆層の除去効率、及び基体への影響には殆ど
違いは認められなかった。
【0071】実施例18(被覆層が除去された基体の破
砕と破砕物を用いた溶融成形) 10重量%のアクリルゴムをグラフト重合したゴム変性
塩化ビニル樹脂基体上の一面をブラウン色にカラー被覆
するようメタクリル酸メチル樹脂をゴム変性塩化ビニル
樹脂と共押出しすることによって作製された異型押出成
型体10kgを、約30cm長さに切断し、廃材のモデ
ル材とした。該モデル材を、80℃に加熱され攪伴機で
回転攪伴された200Lのイソプロピルアルコール中に
投入した。30分後、モデル材を取り出し、メタクリル
酸メチル樹脂被覆層が除去されていることを確認した。
回収モデル材は、熱風乾燥により有機溶剤を除去した
後、低速一軸回転せん断式破砕機を用いて、約1〜3m
mの粒度まで粉砕した。得られた粉砕物8kgは、同様
の組成のバージンペレット2kgと混合し、押出成形機
に供給した。異型押出金型を用いて溶融成形した結果、
異型押し出し成型体(形材)が再生された。この形材か
ら必要部材を切り出し、これと補強用金属部材、シール
用ゴム部材、およびガラス部材と組み合わせ、溶接操作
により再び窓枠を作製した。
【0072】
【発明の効果】本発明は、塩化ビニル系樹脂成形体のリ
サイクル技術を提案するものであり、従来、カスケード
的なリサイクルや埋め立てなどの最終処分に回っていた
被覆された塩化ビニル系樹脂成形体の廃材や組み立て時
の端材を、再度、成形体として有効利用するために、表
面の被覆材を効率的に除去する方法を開示するものであ
る。本発明により、様々の環境問題の原因として取り上
げられている塩化ビニル系樹脂成形体の廃材や端材等
を、環境中に廃棄することなく有効利用することが可能
となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂(A)を主成分とする
    基体の外表面の少なくとも一部がアクリル系樹脂を含ん
    でなる被覆層及び/又はポリオレフィン系樹脂を含んで
    なる被覆層で被覆されてなる成形体を有機溶剤(S)と
    接触させて、該基体は溶解させずに該被覆層を溶解又は
    膨潤させて該被覆層を除去することを特徴とする被覆層
    の除去方法。
  2. 【請求項2】 被覆層がアクリル系樹脂を主成分とする
    単一層からなり、有機溶剤(S)がその溶解度パラメー
    ターが18.4〜17.4MPa1/2又は22.9〜2
    6.0MPa1/2の有機溶剤である請求項1記載の被覆
    層の除去方法。
  3. 【請求項3】 被覆層がオレフィン系樹脂を主成分とす
    る単一層からなり、有機溶剤(S)がその溶解度パラメ
    ーターが18.4〜13.9MPa1/2の有機溶剤であ
    る請求項1記載の被覆層の除去方法。
  4. 【請求項4】 被覆層がアクリル系樹脂を主成分とする
    下層、及びポリオレフィン系樹脂を主成分とする上層の
    2層からなる請求項1記載の被覆層の除去方法。
  5. 【請求項5】 有機溶剤(S)がその溶解度パラメータ
    ーが18.4〜17.4MPa1/2の有機溶剤である請
    求項4記載の被覆層の除去方法。
  6. 【請求項6】 成形体を有機溶剤(S)と接触させて基
    体は溶解させずに被覆層を溶解若しくは膨潤させて被覆
    層を除去する方法が、成形体を先ずその溶解度パラメー
    ターが18.4〜13.9MPa1/2の有機溶剤に接触
    させてポリオレフィン系樹脂を主成分とする上層を溶解
    又は膨潤させて該上層を除去した後、次いで該上層が除
    去された成形体をその溶解度パラメーターが22.9〜
    26.0MPa1/2の有機溶剤と接触させて基体は溶解
    させずにアクリル系樹脂を主成分とする下層を溶解又は
    膨潤させて該下層を除去することを特徴とする請求項4
    記載の被覆層の除去方法。
  7. 【請求項7】 被覆層を除去した後、被覆層が溶解又は
    浮遊した有機溶剤(S)の廃液から有機溶剤(S)を分
    離し、分離した有機溶剤(S)を再使用することを特徴
    とする請求項1〜6の何れかに記載の被覆層の除去方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れかに記載の被覆層の
    除去方法により被覆層が除去された基体を破砕し、得ら
    れた破砕物を溶融成形することを特徴とする塩化ビニル
    系樹脂成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の製造方法により製造され
    た塩化ビニル系樹脂成形体を切断して作成した部材を用
    いて構造体を製造することを特徴とする構造体の製造方
    法。
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