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JPH11320750A - 光触媒性親水性複合材料 - Google Patents

光触媒性親水性複合材料

Info

Publication number
JPH11320750A
JPH11320750A JP10327322A JP32732298A JPH11320750A JP H11320750 A JPH11320750 A JP H11320750A JP 10327322 A JP10327322 A JP 10327322A JP 32732298 A JP32732298 A JP 32732298A JP H11320750 A JPH11320750 A JP H11320750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
composite material
photocatalytic
silicone
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10327322A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Takahashi
一雄 高橋
Koji Takeda
宏二 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
Priority to JP10327322A priority Critical patent/JPH11320750A/ja
Publication of JPH11320750A publication Critical patent/JPH11320750A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性が高く、基材の耐熱性が低い場合で
も、光触媒層との密着性の高い接着層を備えた光触媒性
親水性複合材料を提供することである。 【解決手段】 基材表面に接着層を介して光触媒性材料
を含む表面層が形成されている光触媒性親水性複合材料
において、表面層側が無機分の濃度が高く、基材表面側
が有機分の濃度が高い接着層を備えた光触媒性親水性複
合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材表面を高度の
親水性になし、かつ維持する技術に関する。より詳しく
は、本発明は、鏡、レンズ、ガラス、プリズムその他の
透明部材の表面を高度に親水化することにより、部材の
曇りや水滴形成を防止する防曇技術に関する。本発明
は、また、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面を高
度に親水化することにより、表面が汚れるのを防止し、
又は表面を自己浄化(セルフクリ−ニング)し若しくは
容易に清掃する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒機能を有する材料を製造する上で
光触媒を直接基材に塗布したのでは十分な密着性が得ら
れない。そのため、特開平9−613で示されるような
基材に樹脂層とシリカ層の2層を介して光触媒層を塗布
させる手法がある。しかし、これは樹脂層とシリカ層の
2層を形成しなければならず加工性が低かった。
【0003】また、特開平8−103488で示される
ような基材と光触媒層のの密着性を向上させるために基
材上に非晶質層を設け、非晶質層が軟化する温度で焼成
することにより光触媒層を埋設させ、密着性の向上を図
る手法がある。しかし、これは、基材がタイル、セラミ
ックなど耐熱性があり、その上の非晶質層がガラス質等
には適応が可能であるが、樹脂等の耐熱温度の低い基材
の場合、適応することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を改善することを目的とし、加工性が高く、基材の耐熱
性が低い場合でも、光触媒層との密着性の高い接着層を
備えた光触媒性親水性複合材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の光触媒性親水性複合材料は、基材
表面に接着層を介して光触媒性材料を含む表面層が形成
されている光触媒性親水性複合材料において、前記接着
層の表面層側が無機分の濃度が高く、基材表面側が有機
分の濃度が高いことを特徴とする。
【0006】また、請求項2に記載の光触媒性親水性複
合材料は、請求項1の接着層の無機分の濃度は基材表面
に近づくにつれて連続的または段階的に低くなり、且
つ、有機分の濃度は表面層に近づくにつれて連続的また
は段階的に低くなることを特徴とする。
【0007】また、請求項3に記載の光触媒性親水性複
合材料は、請求項2の接着層がアクリル変性シリコンで
あることを特徴とする。
【0008】請求項4に記載の光触媒性親水性複合材料
は請求項3のアクリル変性シリコンのシリコン成分が1
0〜20%で、アクリル成分が80〜90%であること
を特徴とする。
【0009】また、請求項5に記載の光触媒性親水性複
合材料は、請求項1〜3いずれか1項の基材が樹脂であ
ることを特徴とする。
【0010】また、請求項6に記載の光触媒性親水性複
合材料は、請求項5の基材がポリエチレンテレフタレー
トであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に示される光触媒性材料と
は伝導電子帯と価電子との間のエネルギーギャップより
も大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起
光)を照射したときに価電子中の電子の励起(光励起)
によって、伝導電子と正孔を生成しうるものをいい、ア
ナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、
酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸
化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等が利用可能であ
る。光触媒の光励起に用いる光源としては蛍光灯、白熱
電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内
照明、太陽光それらの光源からの光を低損失のファイバ
ーで誘導した光源等がりようできる。
【0012】本発明の光触媒性材料を含む表面層にシリ
カ及び/又はケイ素原子に結合する有機基の少なくとも
一部が水酸基に置換されたシリコ−ンが含有されること
により、暗所における親水維持性能が向上する。 ケイ
素原子に結合する有機基の少なくとも一部が水酸基に置
換されたシリコ−ンとしては、加水分解性シラン、アル
キルシリケ−ト、それらの(部分)加水分解物、加水分
解・縮合物などが使用できる。ここで加水分解性シラン
としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルト
リプロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラ
ン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルト
リプロポキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラ
ン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルト
リプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチ
ルトリブトキシシラン、n−プロピルブトキシシラン、
イソプロピルブトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロ
ポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリプロポキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプ
ロポキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリエトキシシラン、フェニルメチルジ
エトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェニ
ルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン等の加水分解性オルガ
ノシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキ
シシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラブトキ
シシラン、テトラメトキシシラン、ジメトキシジエトキ
シシラン等のテトラアルコキシシランなどが使用でき
る。 アルキルシリケ−トとしては、メチルシリケ−
ト、エチルシリケ−ト、プロピルシリケ−ト、ブチルシ
リケ−トなどが使用できる。
【0013】本発明の光触媒性材料を含む表面層には、
他の無機酸化物も添加できる。無機酸化物としてはセリ
ア、ジルコニア、アルミナ、無定型酸化チタン、酸化
錫、マグネシア、カルシア、イットリア、酸化マンガ
ン、クロミア、酸化バナジウム、酸化銅、酸化コバル
ト、酸化ニッケル、酸化ルテニウム、ハフニア、酸化ス
トロンチウム、酸化銀の群から選ばれる1種又は2種以
上等が挙げられる。 これら無機酸化物は充填剤として
被膜の強度を向上させる。さらに、このうちジルコニア
を添加すると耐水性が向上する。またアルミナ、セリ
ア、イットリアを添加すると暗所親水維持性が向上す
る。また酸化ルテニウム、酸化銅を添加すると酸化還元
力が向上する。また、酸化銀、酸化銅を添加すると抗菌
性が向上する。
【0014】本発明の光触媒性材料を含む表面層には、
銀、銅、パラジウム、白金、ロジウム、プラチウム、ル
テニウム、金、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、ナトリ
ウム、リチウム、ストロンチウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウム又はそれら金属の化合物の群から選ば
れる1種以上が添加してもよい。 銀、銅、亜鉛又はそ
れら金属の化合物の群から選ばれる1種以上を添加する
ことで、抗菌性を付与することができる。 パラジウ
ム、白金、ロジウム、プラチウム、ルテニウム、金、コ
バルト、鉄、ニッケル又はそれら金属の化合物の群から
選ばれる1種以上を添加することで、光半導体の光励起
による酸化還元触媒性能を向上させることができる。
ナトリウム、リチウム、ストロンチウム、カリウム、カ
ルシウム、マグネシウム又はそれら金属の化合物の群か
ら選ばれる1種以上を添加することで、光半導体の光励
起に応じた親水化性能を向上させることができる。
【0015】光触媒の光励起により基材表面が高度に親
水化させるためには、励起光の照度は0.001mW/cm
2以上あればよいが、0.01mW/cm2以上だと好ま
しく、0.1mW/cm2以上だとより好ましい。 表
面層の形成方法について説明する。まず表面層が光触媒
のみからなる場合の製法について、光触媒がアナタ−ゼ
型酸化チタンの場合を例にとり説明する。この場合の方
法は、大別して3つの方法がある。1つの方法はゾル塗
布焼成法であり、他の方法は有機チタネ−ト法であり、
他の方法は電子ビ−ム蒸着法である。 (1)ゾル塗布焼成法 アナタ−ゼ型酸化チタンゾルを、基材表面に、スプレ−
コ−ティング法、ディップコ−ティング法、フロ−コ−
ティング法、スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティン
グ法等の方法で塗布し、焼成する。 (2)有機チタネ−ト法 チタンアルコキシド(テトラエトキシチタン、テトラメ
トキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキ
シチタン等)、チタンアセテ−ト、チタンキレ−ト等の
有機チタネ−トに加水分解抑制剤(塩酸、エチルアミン
等)を添加し、アルコ−ル(エタノ−ル、プロパノ−
ル、ブタノ−ル等)などの非水溶媒で希釈した後、部分
的に加水分解を進行させながら又は完全に加水分解を進
行させた後、混合物をスプレ−コ−ティング法、ディッ
プコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−
ティング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗布し、
乾燥させる。乾燥により、有機チタネ−トの加水分解が
完遂して水酸化チタンが生成し、水酸化チタンの脱水縮
重合により無定型酸化チタンの層が基材表面に形成され
る。その後、アナタ−ゼの結晶化温度以上の温度で焼成
して、無定型酸化チタンをアナタ−ゼ型酸化チタンに相
転移させる。 (3)電子ビ−ム蒸着法 酸化チタンのタ−ゲットに電子ビ−ムを照射することに
より、基材表面に無定型酸化チタンの層を形成する。そ
の後、アナタ−ゼの結晶化温度以上の温度で焼成して、
無定型酸化チタンをアナタ−ゼ型酸化チタンに相転移さ
せる。
【0016】次に、表面層が光触媒とシリカからなる場
合について、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタンの場合を
例にとり説明する。この場合の方法は、例えば、以下の
3つの方法がある。1つの方法はゾル塗布焼成法であ
り、他の方法は有機チタネ−ト法であり、他の方法は4
官能性シラン法である。 (1)ゾル塗布焼成法 アナタ−ゼ型酸化チタンゾルとシリカゾルとの混合液
を、基材表面にスプレ−コ−ティング法、ディップコ−
ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティン
グ法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗布し、焼成す
る。 (2)有機チタネ−ト法 チタンアルコキシド(テトラエトキシチタン、テトラメ
トキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキ
シチタン等)、チタンアセテ−ト、チタンキレ−ト等の
有機チタネ−トに加水分解抑制剤(塩酸、エチルアミン
等)とシリカゾルを添加し、アルコ−ル(エタノ−ル、
プロパノ−ル、ブタノ−ル等)などの非水溶媒で希釈し
た後、部分的に加水分解を進行させながら又は完全に加
水分解を進行させた後、混合物をスプレ−コ−ティング
法、ディップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、
スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法
で塗布し、乾燥させる。乾燥により、有機チタネ−トの
加水分解が完遂して水酸化チタンが生成し、水酸化チタ
ンの脱水縮重合により無定型酸化チタンの層が基材表面
に形成される。その後、アナタ−ゼの結晶化温度以上の
温度で焼成して、無定型酸化チタンをアナタ−ゼ型酸化
チタンに相転移させる。 (3)4官能性シラン法 テトラアルコキシシラン(テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメ
トキシシラン等)とアナタ−ゼ型酸化チタンゾルとの混
合物を基材の表面にスプレ−コ−ティング法、ディップ
コ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−テ
ィング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗布し、必
要に応じて加水分解させてシラノ−ルを形成した後、加
熱等の方法でシラノ−ルを脱水縮重合に付す。
【0017】次に、表面層が光触媒とシリコ−ンからな
る場合について、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタンの場
合を例にとり説明する。この場合の方法は、未硬化の若
しくは部分的に硬化したシリコ−ン又はシリコ−ンの前
駆体からなる塗料とアナタ−ゼ型酸化チタンゾルとを混
合し、シリコ−ンの前駆体を必要に応じて加水分解させ
た後、混合物を基材の表面にスプレ−コ−ティング法、
ディップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピ
ンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗
布し、加熱等の方法でシリコ−ンの前駆体の加水分解物
を脱水縮重合に付して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子と
シリコ−ンからなる表面層を形成する。形成された表面
層は、紫外線を含む光の照射によりアナタ−ゼ型酸化チ
タンが光励起されることにより、シリコ−ン分子中のケ
イ素原子に結合した有機基の少なくとも一部を水酸基に
置換され、さらにその上に物理吸着水層が形成されて、
高度の親水性を呈する。 ここでシリコ−ンの前駆体に
は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリプ
ロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
フェニルトリプロポキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、フェニル
メチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシ
ラン、フェニルメチルジブトキシシラン、フェニルメチ
ルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、及びそれらの加水分解物、それらの混
合物が好適に利用できる。
【0018】本発明の有機分とは、炭素、水素、酸素を
主たる元素として構成される有機化合物の含まれる割合
を言い、無機分とは、炭素を含まない化合物、金属およ
びその酸化物で無機化合物の含まれる割合のこと言う。
【0019】アクリル変性シリコンはアクリル樹脂とシ
リコーン樹脂と複合化し、ブロック共重合させたもの、
グラフト重合させたもの、ポリメタクリレート樹脂とシ
リコーン樹脂を複合化させたもの等である。樹脂中のシ
リコン成分の含有量は、光触媒による酸化劣化に対して
強固であれば良いが、5%から80%が好ましく、中で
も10%から60%が特に好ましい。表面硬度を高めた
り、柔軟性を高める目的でアクリル変性シリコン中にシ
リカを添加したり、アクリル変性シリコンを2種以上混
合したり、シリコーン系樹脂を添加してもよい。ここに
用いるシリコーン系樹脂はシリコーン樹脂、アルキド変
性シリコン、ウレタン変性シリコン、ポリエステル変性
シリコン、エポキシ変性シリコン等が利用できる。 ア
クリル変性シリコンは光安定剤を混合すると耐久性の向
上に効果がある。光安定剤としてはヒンダードアミン
系、トリアゾール等の紫外線吸収剤を単独、あるいは混
合して利用することができる。 アクリル変性シリコン
の膜形成方法としてはバーコート、フローコート、スプ
レーコートなど塗料の一般的な塗布方法と同様な方法が
可能である。熱処理により硬化させることも可能であ
り、常温にて硬化させることも可能である。 尚、接着
層としてはアクリル変性シリコン以外に、アルキド変性
シリコン、ウレタン変性シリコン、ポリエステル変性シ
リコン、エポキシ変性シリコン等が使用できる。 本発
明が適用可能な基材としての材質は、例えば金属、セラ
ミックス、ガラス、プラスチックス、木、石、セメン
ト、コンクリート、繊維、布、それらの組合せ、それら
の積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を用途で
いえば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、
構造部材、乗り物の外装、および塗装、機械装置や物品
の外装、防塵カバー、および塗装、交通標識、各種表示
装置、広告塔、道路用防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガ
ードレールの外装、および塗装、トンネル内装、および
塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバ
ー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、住宅設
備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所
用品、食器、食器洗浄機、食器乾燥機、流し、調理レン
ジ、キッチンフード、換気扇、および上記物品表面に貼
付させるためのフィルムを含む。
【0020】
【実施例】実施例1 光触媒層用の塗料は以下の要領で準備を行う。 光触媒
性材料としてはTiO 2(昭和電工製 FT−1 固形
分10%)を使用し、SiO2はエチルシリケート(コ
ルコート製 ES40)をメタノール、硝酸にて加水分
解したものを用いる。エチルシリケート(コルコート製
ES40)の加水分解は以下の要領で行う。エチルシ
リケート(コルコート製 ES40)を6.0g、メタ
ノール(JIS試薬特級)44.7g、2%硝酸水溶液
(試薬特級) 9.3gの混合物を30℃で保温し、5
時間攪拌したものを用いる。光触媒用塗料は固形分を
1.0%、TiO2とSiO2の重量比を4:1とするた
めにTiO2(昭和電工製 FT−1)を40g、エチ
ルシリケート(コルコート製 ES40)加水分解物2
5g、エチルアルコール435gにて混合する。混合物
をさらに30℃で保温し、2時間攪拌し光触媒用塗料と
した。
【0021】接着層塗料の調整を以下の要領で準備す
る。シリコン成分量10〜20%、アクリル成分量80
〜90%のアクリルシリコン塗料(鐘淵化学製 ゼムラ
ック YC3918)を有機スズ系硬化触媒 (鐘淵化
学製、BT120S)とそれぞれ重量比で10:1とな
るように計りとり、接着層塗料とする。
【0022】試験片の作成 100ミリ角に裁断したPETフィルム(ダイアホイル
ヘキスト製S100)に上記のように調整した接着層を
塗布する。塗布の方法はバーコート、フローコート、ス
プレーコートなど塗料の一般的な塗布方法と同様な方法
が可能である。接着層を塗布したPETフィルムを10
0℃の空気中で20分間乾燥する。室温まで冷却させて
から、上記のように調整した光触媒塗料をバーコート方
により塗布する。光触媒塗料を塗布したPETフィルム
を120℃の空気中で30分で乾燥させ、試験片を得
た。
【0023】実施例2 接着層塗料に使用するアクリルシリコン塗料をシリコン
成分量20〜30%、アクリル成分量70〜80%のア
クリルシリコン塗料(鐘淵化学製 ゼムラックYC36
23)とする以外は実施例1と同様である。
【0024】実施例3 シリコン成分量30〜40%、アクリル成分量60〜7
0%のアクリルシリコン塗料(鐘淵化学製 ゼムラック
YC5920)とする以外は実施例1と同様である。
【0025】実施例4 光触媒層用の塗料は実施例1と同様の要領で準備を行
う。接着層塗料の調整を以下の要領で準備する。シリコ
ン成分量10〜20%、アルキド樹脂成分量80〜90
%のアルキド変性シリコン塗料(東レダウコーニングシ
リコーン製 SR2114)を接着層塗料とする。試験
片の作成 100ミリ角に裁断した塩化ビニルフィルム
(信越ポリマー製SGシート)に上記のように調整した
接着層を塗布する。塗布の方法はバーコート、フローコ
ート、スプレーコートなど塗料の一般的な塗布方法と同
様な方法が可能である。接着層を塗布した塩化ビニルフ
ィルムを80℃の空気中で30分間乾燥する。室温まで
冷却させてから、上記のように調整した光触媒塗料をバ
ーコート方により塗布する。光触媒塗料を塗布した塩化
ビニルフィルムを80℃の空気中で30分で乾燥させ、
試験片を得た。
【0026】比較例1 接着層塗料として、シリコン成分量100%の信越化学
製プラスチック用シリコンハードコート剤(KP85
8)を用いる以外は実施例1と同様である。
【0027】親水性能の評価 作成した試験片の親水性
を水との接触角により評価した。なお接触角測定には協
和界面科学製CX−150を使用した。試験片は紫外線
(BLBランプにより紫外線照度1.0mW/cm2
を24時間照射した後の水との接触角とした。
【0028】密着性の評価 作成した試験片の基材(PETフィルム、塩化ビニルフ
ィルム)との密着性を以下のように評価した。作成した
試験片の塗装膜の上からカッターで1mm幅の碁盤目の
切り込みを入れる。大きさは1cm角にし、碁盤目の数
を100個とする。その後その碁盤目を完全に覆うよう
にセロハンテープを貼付ける。その後すばやく引き剥が
して、付着して残っている碁盤目の数を数える。 密着
性の指標としては引き剥がした後に付着している碁盤目
の数/100(初期の碁盤目の数)で表すものとする。
各試験片の親水化性能、密着性能を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1においてアクリル変性シリコンを用い
ることで高い密着性が得られることが確認できた。アル
キド変性シリコンにおいても高い密着性が得られるが、
アクリル変性シリコンよりも若干密着性が落ちる。シリ
コン成分100%のものでは全く密着性が得られなかっ
た。アクリル変性シリコンのシリコン成分が少ないほど
水との接触角が低いことが確認できた。
【0031】実施例5 実施例1の試験片の断面のEDX定性スペクトルを測定
し、各元素の強度比により有機分と無機分の存在比を確
認した。有機分と無機分の存在比を各元素の強度比によ
り強度比により存在比とした。測定位置は接着層の光触
媒層側(測定位置 基材面より2.6μm)、中間層の
中間部(測定位置基材面より1.3μm)、接着層の基
材側(測定位置 基材面より0.0μm)とした。 接
着層内でのシリコンとアクリルの存在比をケイ素(S
i)と炭素(C)のスペクトル強度比を表2に示す。
【0032】実施例6 実施例2の試験片の断面のEDX定性スペクトルを測定
し、各元素の強度比により有機分と無機分の存在比を確
認した。有機分と無機分の存在比を各元素の強度比によ
り強度比により存在比とした。測定位置は接着層の光触
媒層側(測定位置 基材面より2.6μm)、中間層の
中間部(測定位置基材面より1.3μm)、接着層の基
材側(測定位置 基材面より0.0μm)とした。 接
着層内でのシリコンとアクリルの存在比をケイ素(S
i)と炭素(C)のスペクトル強度比を表2に示す。
【0033】実施例7 実施例3の試験片の断面のEDX定性スペクトルを測定
し、各元素の強度比により有機分と無機分の存在比を確
認した。有機分と無機分の存在比を各元素の強度比によ
り強度比により存在比とした。 測定位置は接着層の光
触媒層側(測定位置 基材面より3.0μm)、中間層
の中間部(測定位置基材面より1.5μm)、接着層の
基材側(測定位置 基材面より0.0μm)とした。
接着層内でのシリコンとアクリルの存在比をケイ素(S
i)と炭素(C)のスペクトル強度比を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2よりアクリル変性シリコンのシリコン
成分がいずれの場合も中間層内の無機分の濃度が基材表
面に近づくにつれ低くなり、有機分の濃度は表面層に近
づくにつれて低くなることが確認できた。
【0036】
【発明の効果】本発明では、加工性が高く、基材の耐熱
性が低い場合でも、光触媒性材料を含む表面層との密着
性の高い接着層を備えた光触媒性親水性複合材料を提供
することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDE // B05D 7/24 301 B05D 7/24 301P

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に接着層を介して光触媒性材料
    を含む表面層が形成されている光触媒性親水性複合材料
    において、前記接着層の表面層側が無機分の濃度が高
    く、基材表面側が有機分の濃度が高いことを特徴とする
    光触媒性親水性複合材料。
  2. 【請求項2】 前記接着層の無機分の濃度は基材表面に
    近づくにつれて連続的または段階的に低くなり、且つ、
    有機分の濃度は表面層に近づくにつれて連続的または段
    階的に低くなることを特徴とする請求項1記載の光触媒
    性親水性複合材料。
  3. 【請求項3】 前記接着層がアクリル変性シリコンであ
    ることを特徴とする請求項2記載の光触媒性親水性複合
    材料。
  4. 【請求項4】 前記接着層のアクリル変性シリコンのシ
    リコン成分が10〜20%で、アクリル成分が80〜9
    0%であることを特徴とする請求項3記載の光触媒性親
    水性複合材料。
  5. 【請求項5】 前記基材が樹脂であることを特徴とする
    請求項1〜4いずれか1項記載の光触媒性親水性複合材
    料。
  6. 【請求項6】 前記基材がポリエチレンテレフタレート
    であることを特徴とする請求項5記載の光触媒性親水性
    複合材料。
JP10327322A 1998-03-18 1998-11-17 光触媒性親水性複合材料 Pending JPH11320750A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010513006A (ja) * 2006-12-19 2010-04-30 デグサ ノヴァラ テクノロジー ソチエタ ペル アツィオーニ ポリマー基材用の保護皮膜を製造するためのゾルゲル法
JP2011131447A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Kimoto & Co Ltd 光触媒シート

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