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JPH11315147A - 吸水剤の製造方法 - Google Patents

吸水剤の製造方法

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Publication number
JPH11315147A
JPH11315147A JP4911399A JP4911399A JPH11315147A JP H11315147 A JPH11315147 A JP H11315147A JP 4911399 A JP4911399 A JP 4911399A JP 4911399 A JP4911399 A JP 4911399A JP H11315147 A JPH11315147 A JP H11315147A
Authority
JP
Japan
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water
agent
acid
weight
absorbing
Prior art date
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Granted
Application number
JP4911399A
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English (en)
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JP4903926B2 (ja
Inventor
Koji Miyake
浩司 三宅
Yasuhiro Fujita
康弘 藤田
Takumi Hatsuda
卓己 初田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP04911399A priority Critical patent/JP4903926B2/ja
Publication of JPH11315147A publication Critical patent/JPH11315147A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 尿を吸収したときの経時的な吸水性樹脂の劣
化の少ない、耐尿性に優れた吸収剤の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 内部架橋剤の存在下に不飽和カルボン酸
を必須に含む単量体成分を重合して得られる吸水性樹脂
の表面近傍を架橋処理した後、該架橋処理された吸水性
樹脂に水とイオン封鎖剤を添加し造粒する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸水剤の製造方法に
関する。更に詳しくは、尿吸収時の劣化の少ない吸水剤
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紙おむつ、生理用ナプキン、いわ
ゆる失禁パッドなどの衛生材料には、その構成材とし
て、尿や経血等の体液を吸収させることを目的として、
吸水性樹脂(吸水剤)が幅広く利用されている。このよ
うな吸水性樹脂としては、例えば、デンプン−アクリロ
ニトリルグラフト重合体の加水分解物(特公昭49−4
3395号)、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の
中和物(特開昭51−125468号)、酢酸ビニル−
アクリル酸エステル共重合体のケン化物(特開昭52−
14689号)、アクリロニトリル共重合体もしくはア
クリルアミド共重合体の加水分解物(特公昭53−15
959号)、またはこれらの架橋体、逆相懸濁重合によ
って得られた自己架橋型ポリアクリル酸ナトリウム(特
開昭53−46389号)、ポリアクリル酸部分中和物
架橋体(特開昭55−84304号)等が知られてい
る。
【0003】かかる吸水性樹脂に望まれる特性として
は、水性液体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸収速
度、通液性、膨潤ゲルのゲル強度、水性液体を含んだ基
材から水を引き上げる吸引力等が挙げられる。しかしな
がら、これらの特性間の関係は必ずしも正の相関関係を
示さず、例えば、吸収倍率の高いものほど通液性、ゲル
強度、吸収速度等の物性は低下してしまうという問題を
有している。
【0004】この様な吸水性樹脂の吸水諸特性をバラン
スよく改良する方法として吸水性樹脂の表面近傍を架橋
する技術が知られており、これまでに様々な方法が提案
されている。例えば、架橋剤として、多価アルコールを
用いる方法(特開昭58−180233号、特開昭61
−16903号)、多価グリシジル化合物、多価アジリ
ジン化合物、多価アミン化合物、多価イソシアネート化
合物を用いる方法(特開昭59−189103号)、多
価金属を用いる方法(特開昭51−136588号、同
61−257235号、同62−7745号)、モノエ
ポキシ化合物を用いる方法(特開昭61−98121
号)、エポキシ化合物とヒドロキシ化合物とを用いる方
法(特開平2−132103号)、アルキレンカーボネ
ートを用いる方法(DE−4020780号)等が知ら
れている。
【0005】しかしながら、これら表面処理により吸水
諸特性はバランスは改善されてきてはいるものの、吸水
性樹脂をおむつの吸収体に用いると経時的に吸水性樹脂
が劣化し、通液性が低下したりゲル強度が低下し、おむ
つから尿が漏れてしまうという問題があった。吸水性樹
脂の劣化は吸水性樹脂の表面から起こり、可溶分が溶出
し、通液性やゲル強度が低下する。このような吸水性樹
脂の劣化は微量の金属イオンと尿中に含まれるL−アス
コルビン酸により起きると考えられている。
【0006】一方、吸水性樹脂は粉末状であり、100
μm以下の微粉を含む場合が有り、取扱い性を改善した
りおむつ中での通液性を改善するために、水を加え造粒
することが知られている。造粒により粉立ちを防止した
り、吸湿時の流動性を改善することができる。しかしな
がら、表面架橋処理のなされた吸水性樹脂に水を加え造
粒すると、表面架橋層が壊れやすくなるという問題があ
る。特に近年望まれている加圧下吸収倍率の高い吸水性
樹脂は、吸水倍率の高い吸水性樹脂の表面近傍を架橋す
ることにより可溶性成分の溶出を防止しているので、尿
を吸収したときにL−アスコルビン酸等により表面架橋
層が劣化を受けると、可溶性成分の溶出を抑制できなく
なってしまう。そのためおむつに用いたとき、通液性が
低下したりゲル強度が低下し、おむつから尿が漏れてし
まうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は尿を吸収したときの経時的な劣化の少ない、耐尿性に
優れた吸水剤の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討した結果、内部架橋剤の存在下に
不飽和カルボン酸を必須に含む単量体成分を重合して得
られる吸水性樹脂の表面近傍を架橋処理した後、該架橋
処理された吸水性樹脂を水で造粒するときにイオン封鎖
剤を添加することにより上記課題を解決できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0009】従って、本発明の吸水剤の製造方法は、内
部架橋剤の存在下に不飽和カルボン酸を必須に含む単量
体成分を重合して得られる吸水性樹脂の表面近傍を架橋
処理した後、該架橋処理された吸水性樹脂に水とイオン
封鎖剤を添加し造粒することを含む。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いることのできる吸水性樹脂としては、水中
において多量の水を吸収してヒドロゲルを形成するもの
であり、カルボキシル基を有していることが好ましい。
このような吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸部分中
和物架橋体、デンプンーアクリロニトリルグラフト重合
体の加水分解物、デンプンーアクリル酸グラフト重合体
の加水分解物、酢酸ビニルーアクリル酸エステル共重合
体のケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアク
リルアミド共重合体の加水分解物又はこれらの架橋体、
カルボキシル基含有架橋ポリビニルアルコールケン化
物、架橋イソブチレンー無水マレイン酸共重合体等を挙
げることができる。
【0011】このような吸水性樹脂は一般に不飽和カル
ボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、β―ヒドロキシアクリル酸、β―アクリルオキシ
プロピオン酸およびこれらの中和物から選ばれる一種以
上を必須に含む単量体成分を重合させることにより得ら
れる。好ましい単量体成分は、アクリル酸、メタクリル
酸およびこれらのリチウム、ナトリウム、カリウム等の
アルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩である。
【0012】本発明に用いることのできる吸水性樹脂
は、必要により他の単量体を上記不飽和カルボン酸に併
用して用い重合させてもよい。具体的には、2−(メ
タ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アク
リロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸等のアニオン性単量体やそのリ
チウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩やア
ンモニウム塩;(メタ)アクリルアミド、N−置換(メ
タ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド等
のノニオン性親水性基含有単量体;N,N−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、等のアミノ基
含有不飽和単量体やそれらの4級化物等を挙げることが
できる。また、得られる吸水性樹脂のの親水性を極度に
阻害しない程度の量で、例えば、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート等のアクリル酸エステル類や酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル等の疎水性単量体を使用してもよ
い。
【0013】吸水性樹脂の有するカルボキシル基の量に
ついては特に制限ないが、吸水性樹脂100gにつきカ
ルボキシル基が0.01当量以上存在することが好まし
い。例えば、ポリアクリル酸未中和物の比率は、1〜6
0モル%の範囲にあることが望ましく、10〜50モル
%の範囲にあることがより望ましい。また、吸水性樹脂
は架橋剤を使用しない自己架橋型のものよりは、2個以
上の重合性不飽和基や2個以上の反応性基を有する内部
架橋剤をごく少量共重合または反応させたものを使用す
る。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、N,N´−メチレンビス(メタ)ア
クリルアミド、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸
トリアリル、トリメチロールプロパンジ(メタ)アリル
エーテル、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタ
ン、グリセロールプロポキシトリアクリレート等の1分
子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物;エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、
ポリグリセリン、プロピレングルコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルアルコール、ジエタノール
アミン、トリジエタノールアミン、ポリプロピレングリ
コール、ポリビニルアルコール、ペンタエリスリトー
ル、ソルビット、ソルビタン、グルコース、マンニッ
ト、マンニタン、ショ糖、ブドウ糖などの多価アルコー
ル;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル;エ
ピクロロヒドリン、α−メチルクロルヒドリン等のハロ
エポキシ化合物;グルタールアルデヒド、グリオキザー
ル等のポリアルデヒド;エチレンジアミン等のポリアミ
ン類;水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシ
ウム、酸化カルシウム、塩化硼砂マグネシウム、酸化マ
グネシウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛および塩化ニ
ッケル等の周期律表2A族、3B族、8族の金属の水酸
化物、ハロゲン化物、炭酸塩、酸化物、硼砂等の硼酸
塩、アルミニウムイソプロピラート等の多価金属化合物
等が挙げられる。これらの1種または2種以上を、反応
性を考慮した上で用いることができるが、1分子中にエ
チレン性不飽和基を2個以上有する化合物を架橋剤とし
て用いるのが最も好ましい。架橋剤の使用量は前記単量
体成分に対して、0.005〜2モル%、より好ましく
は0.01〜1モル%である。
【0014】重合に際しては、デンプン、セルロース及
びそれらの誘導体;ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリ
ル酸(塩)架橋体、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール等の親水性高分子;次亜リン酸(塩)、長鎖
アルキルメルカプタン等の連鎖移動剤;界面活性剤;炭
酸塩、ドライアイス、アゾ化合物等の発泡剤等を添加し
てもよい。
【0015】本発明の吸水性樹脂を得るために上記単量
体を重合する際には、バルク重合や沈殿重合を行うこと
も可能であるが、性能面や重合の制御の容易さから、単
量体を水溶液として、水溶液重合や逆相懸濁重合を行う
ことが好ましい。その際の水溶液濃度としては、通常1
0重量%〜飽和濃度、好ましくは20〜40重量%であ
る。重合後得られる含水ゲルはアルカリにより中和する
こともできる。
【0016】これらの重合方法で得られた吸水性樹脂の
形状は不定形破砕状、球状、繊維状、棒状、略球状、鱗
片状等種々のものが本発明に好ましく使用できる。本発
明に用いる吸水性樹脂は、含水率(湿量基準)がたとえ
ば1〜50%、好ましくは1〜20%、更に好ましくは
1〜10%で粉体として取り扱えるものである。含水率
が50%を越えると表面架橋剤が内部まで浸透しすぎ、
吸水性能に優れた吸水性樹脂を得ることが困難となるこ
とがある。
【0017】この発明では吸水性樹脂はその表面近傍が
吸水性樹脂の有するカルボキシル基等の官能基と反応す
ることのできる官能基を2個以上有する表面架橋剤で表
面架橋処理されている。本発明に用いることのできるカ
ルボキシル基と反応し得る表面架橋剤としては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリ
コール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−
1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2
−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサ
ンジオール、トリメチロールプロパン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、
オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、
ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコー
ル化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセ
ロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグ
リシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリ
シドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエ
チレンイミン、ポリアミドポリアミン等の多価アミン化
合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−
メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上
記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合
物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;
1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリ
ン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシラン
カップリング剤;1,3−ジオキソラン−2−オン、4
−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−
ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−
ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチ
ル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシ
メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジ
オキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン
−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−
2−オン、1,3−ジオキソバン−2−オン等のアルキ
レンカーボネート化合物;亜鉛、カルシウム、マグネシ
ウム、アルミニウム等の水酸化物及び塩化物等の多価金
属化合物;等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。
【0018】上記例示の表面架橋剤のうち、多価アルコ
ール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物、多価
アミン化合物とハロエポキシ化合物との縮合物、および
アルキレンカーボネート化合物がより好ましい。これら
表面架橋剤は、単独で用いてもよく、また、2種類以上
を併用してもよい。2種類以上の表面架橋剤を併用する
場合には、溶解度パラメータ(SP値)が互いに異なる
第1表面架橋剤および第2表面架橋剤を組み合わせるこ
とにより、吸水特性がさらに一層優れた吸水剤を得るこ
とができる。なお、上記の溶解度パラメータとは、化合
物の幅性を表すファクターとして一般に用いられる値で
ある。
【0019】上記の第1表面架橋剤は、吸水性樹脂が有
するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメータが
12.5(cal/cm3 1/2 以上の化合物であり、
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート等が該当する。上記の第2表面架橋剤は、吸水性樹
脂が有するカルボキシル基と反応可能な、溶解度パラメ
ータが12.5(cal/cm3 1/2 未満の化合物で
あり、例えば、グリセロールポリグリシジルエーテル、
(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、1,3−ブタンジ
オール、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール等が該当する。
【0020】吸水性樹脂に対する表面架橋剤の使用量
は、吸水性樹脂および表面架橋剤の組み合わせ等にもよ
るが、乾燥状態の吸水性樹脂100重量部に対して0.
005〜10重量部の範囲内、より好ましくは0,05
〜5重量部の範囲内とすればよい。上記の範囲内で表面
架橋剤を用いることにより、尿や汗、経血等の体液(水
性液体)に対する吸水特性をさらに一層向上させること
ができる。表面架橋剤の使用量が0.005重量部未満
では、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度をほとんど高め
ることができない。また、表面架橋剤の使用量が5重量
部より多い場合には、該表面架橋剤が過剰となり、不経
済であるとともに、架橋密度を適正な値に制御すること
が困難となるおそれがある。
【0021】本発明において吸水性樹脂と表面架橋剤と
を混合する際、水を用いることが好ましい。本発明にお
いて、使用される水の量は、吸水性樹脂の種類や粒度や
含水率に応じて異なるが、吸水性樹脂の固形分100重
量部に対し、0.5〜10重量部、好ましくは0.5〜
3重量部の範囲である。水の使用量が10重量部を越え
ると吸収倍率が低下してしまうことがある。0.5重量
部よりも少ないと加圧下吸収倍率の高い吸水性樹脂を得
ることが困難となることがある。
【0022】また、本発明において吸水性樹脂と表面架
橋剤とを混合する際、親水性有機溶媒を用いてもよい。
用いられる親水性有機溶媒としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール;アセ
トン等のケトン類;ジオキサン、アルコキシ(ポリ)エ
チレングリコール、テトラヒドロフラン等のエ―テル
類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメ
チルスルホキサイド等のスルホキサイド類が挙げられ
る。使用される有機溶媒の量は、吸水性樹脂の種類や粒
度によって異なるが、通常、吸水性樹脂100重量部に
対し0〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の範
囲である。
【0023】本発明において、吸水性樹脂と表面架橋剤
の混合はシクロヘキサン、ペンタン等の有機溶媒中に吸
水性樹脂を分散させた状態で行ったり、必要により水ま
たは水と親水性有機溶媒との混合溶媒と表面架橋剤とを
予め混合した後、次いで、該混合物を吸水性樹脂に噴霧
あるいは滴下により行うことができる。前記混合に用い
られる好適な混合装置は、均一な混合を確実にするため
大きな混合力を生み出せることが必要である。本発明に
用いることのできる混合装置としては、例えば、円筒型
混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字
型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動
型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型
ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合
機、スクリュー型押出機等が好適である。
【0024】本発明で加熱処理を行う場合、処理温度は
80〜250℃の範囲が好ましい。加熱温度が80℃未
満では、加熱処理に時間がかかり生産性の低下を引き起
こすのみならず、均一な架橋が達成されず、本発明の目
的とする可溶成分の溶出の抑制や加圧下の吸水特性の高
い吸水剤が得られなくなる恐れがある。加熱処理は通常
の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができ、溝型混
合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾
燥機、気流型乾燥機、および赤外線乾燥機が例示され
る。
【0025】こうして表面架橋処理して得られる吸水性
樹脂としては、0.7psiの荷重下における0.9重
量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)の加圧下吸収
倍率が20(g/g)以上、好ましくは22(g/g)
以上、より好ましくは24(g/g)以上の吸水性樹脂
を後述の造粒に用いるとよい。加圧下吸収倍率が20
(g/g)よりも低いと、おむつ中で十分に吸水性能を
発揮することができない。
【0026】本発明に用いられるイオン封鎖剤として
は、以下の化合物が挙げられる。 (1)アミノカルボン酸及びその塩、(2)ポリカルボ
ン酸及びその誘導体、(3)(ポリ)リン酸及びその誘
導体、(4)N−アシル化グルタミン酸及びN−アシル
化アスパラギン酸及びそれらの塩、(5)β―ジケトン
誘導体、(6)トロポロン誘導体、(7)有機リン酸化
合物。
【0027】(1)アミノカルボン酸及びその塩として
はジヒドロキシエチルグリシン、イミノジ酢酸、ヒドロ
キシエチルイミノジ酢酸、ジヒドロキシエチルグリシ
ン、ニトリロトリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、
ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラ
アミンヘキサ酢酸、シクロヘキサンー1,2−ジアミン
テトラ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミント
リ酢酸、エチレングリコールジエチルエーテルジアミン
テトラ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、N
−アルキルーN‘−カルボキシメチルアスパラギン酸、
N−アルケニルーN’−カルボキシメチルアスパラギン
酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩もしくはアミン塩が挙げられる。中
でもカルボキシル基を3個以上有するアミノカルボン酸
及びその塩がイオン封鎖能の点で好ましい。
【0028】(2)ポリカルボン酸及びその誘導体とし
ては、コハク酸、ポリアクリル酸、クエン酸モノアルキ
ルアミド、クエン酸モノアルケニルアミド、マロン酸モ
ノアルキルアミド、マロン酸モノアルケニルアミド、及
びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アン
モニウム塩もしくはアミン塩が挙げられる。 (3)(ポリ)リン酸及びその誘導体としては、ヘキサ
メタリン酸、メタリン酸、トリポリリン酸、リン酸アル
キルエステル、リン酸アルケニルエステル及びこれらの
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩
もしくはアミン塩が挙げられる。
【0029】(4)N−アシル化グルタミン酸及びN−
アシル化アスパラギン酸及びそれらの塩としては、例え
ば(株)味の素より市販されているアミソフトHS−1
1やGS−11等が挙げられる。 (5)β―ジケトン誘導体としては、アセチルアセト
ン、ベンゾイルアセトン等が挙げられる。
【0030】(6)トロポロン誘導体としてはトロポロ
ン、β―ツヤプリシン、γ―ツヤプリシン等が挙げられ
る。 (7)有機リン酸化合物としてはエチリデンホスホン
酸;1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸;アミノトリメチレンホスホン酸;エチレンジアミン
テトラ(メチレンホスホン酸);ジエチレントリアミン
ペンタ(メチレンホスホン酸)等を挙げることができる
が、特に好ましいものは1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸;エチレンジアミンテトラ(メチ
レンホスホン酸);ジエチレントリアミンペンタ(メチ
レンホスホン酸)である。塩として好ましいものは、N
a塩、K塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミ
ン塩を挙げることができる。これらの化合物は、金属封
鎖剤の一種として知られているものである。
【0031】これらイオン封鎖剤の中でも好ましくはカ
ルボキシル基を3個以上有するアミノカルボン酸及びそ
の塩であり、中でもジエチレントリアミンペンタ酢酸、
トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸、シクロヘキサン
ー1,2−ジアミノテトラ酢酸、N−ヒドロキシエチル
エチレンジアミントリ酢酸及びその塩が、耐尿性の点で
最も好ましい。
【0032】本発明において上記イオン封鎖剤の使用量
は、通常吸水性樹脂の固形分100重量部に対して0.
0001〜10重量部、好ましくは0.0002〜5重
量部の範囲である。使用量が10重量部を越えると、使
用に見合う効果が得られれず不経済になるばかりか、吸
収量が低下するなどの問題が生じる。また、0.000
1重量部よりも少ないと耐尿性向上の効果が得られな
い。
【0033】本発明では、前述した表面架橋処理剤を用
いて予め表面架橋処理のなされた吸水性樹脂に水及び前
述イオン封鎖剤を噴霧する等して添加し、水をバインダ
ーとして該吸水性樹脂粒子を結合せしめ、造粒すること
により、耐尿性の優れた吸水剤を得る。前記吸水性樹脂
は、内部架橋剤の存在下に不飽和カルボン酸を必須に含
む単量体成分を重合して得られる吸水性樹脂の表面近傍
を架橋処理して得られる。内部架橋剤を用いることで、
膨潤ゲルが劣化雰囲気にさらされた時にゲル内部からの
可溶分の溶出を抑制することができる。造粒により吸水
性樹脂はその平均粒径が大きくなり、また吸湿流動性も
改善され取り扱いやすくなる。水の添加量は吸水性樹脂
100重量部に対し、0.1〜20重量部の範囲であり
好ましくは0.1〜10重量部の範囲であり、より好ま
しくは0.5〜4重量部の範囲である。水の添加量が
0.1重量部よりも少ないと吸水性樹脂粒子を造粒する
ことが困難となる。また、イオン封鎖剤を吸水性樹脂表
面近傍に固定することが出来なくなる。また、水の添加
量が20重量部よりも多いと、吸水性樹脂の内部まで膨
潤しゲルを形成するため本発明の目的とする造粒物が選
られなくなると共に、吸水性樹脂表面の表面架橋層が壊
れてしまう恐れが有る。
【0034】イオン封鎖剤を添加しての造粒方法は特に
制限なく、上記の方法以外にも、例えば、イオン封鎖剤
を吸水性樹脂に添加した後に水を添加し造粒する方法等
が挙げられる。イオン封鎖剤及び水と吸水性樹脂との混
合性を改善するため、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等の親水性有機溶媒を併用することが
できる。更には、界面活性剤やシリカや酸化チタン等の
無機微粒子を予めあるいは同時に添加することもでき
る。
【0035】イオン封鎖剤の添加は、前述したように、
吸水性樹脂の表面近傍を架橋処理した後に、水を加えて
造粒する際に行う。これにより、イオン封鎖剤を吸水性
樹脂の表面に固定することができる。吸水性樹脂の劣化
は樹脂表面から起こるのでイオン封鎖剤を吸水性樹脂の
表面近傍に配するのである。吸水性樹脂を形成し得る水
溶性単量体を重合する際に前記イオン封鎖剤を加える
と、前記イオン封鎖剤の存在下に前記単量体の重合を行
うと前記単量体の重合が阻害され、吸収性能に優れた吸
水性樹脂が得られなくなる恐れがある。また、重合中に
イオン封鎖剤がイオン封鎖能やキレート能を失活する恐
れがある。
【0036】上記の吸水剤に、さらに、必要に応じて、
消臭剤、抗菌剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔
料、染料、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性
剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を添加し、これ
により、吸水剤に種々の機能を付与してもよい。無機粉
末としては、水性液体等に対して不活性な物質、例え
ば、各種の無機化合物の微粒子、粘土鉱物の微粒子等が
挙げられる。該無機粉体は、水に対して適度な親和性を
有し、かつ、水に不溶もしくは難溶であるものが好まし
い。具体的には、例えば、二酸化珪素や酸化チタン等の
金属酸化物、天然ゼオライトや合成ゼオライト等の珪酸
(塩)、カオリン、タルク、クレー、ベントナイト等が
挙げられる。このうち、二酸化珪素および珪酸(塩)が
より好ましく、コールターカウンター法により測定され
た平均粒子径が200μm以下の二酸化珪素および珪酸
(塩)がさらに好ましい。
【0037】吸水性樹脂に対する無機粉末の使用量は、
吸水性樹脂および無機粉体の組み合わせ等にもよるが、
吸水性樹脂100重量部に対し0.001〜10重量部
の範囲内、より好ましくは0.01〜5重量部の範囲内
とすればよい。吸水性樹脂と無機粉体との混合方法は、
特に限定されるものではなく、例えばドライブレンド
法、湿式混合法等を採用できるが、ドライブレンド法を
採用するのが好ましい。
【0038】このようにして得られた吸水剤は、例え
ば、パルプ等の繊維質材料と複合化する(組み合わせ
る)ことにより、吸収性物品とされる。吸収性物品とし
ては、例えば、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パッ
ト、創傷保護材、創傷治癒材等の衛生材料(体液吸収物
品);ペット用の尿等の吸収物品;建材や土壌用保水
材、止水材、パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資
材;ドリップ吸収材や鮮度保持材、保冷材等の食品用物
品;油水分離材、結露防止材、凝固材などの各種産業用
物品;植物や土壌等の保水材等の農園芸用物品;等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。なお、例え
ば紙オムツは、液不透過性の材料からなるバックシート
(裏面材)、上記の吸水性組成物、および液透過性の材
料からなるトップシート(表面材)を、この順に積層し
て互いに固定するとともに、この積層物に、ギャザー
(弾性部)やいわゆるテープファスナー等を取り付ける
ことにより形成される。また、紙オムツには、幼児に排
尿・排便の躾をする際に用いられる紙オムツ付きパンツ
も含まれる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲がこれらの実施例にのみに限定される
ものではない。また実施例および比較例中の%は特に断
りの無い限り重量%を、また部は重量部を意味するもの
とする。なお、吸水剤の吸水量、水可溶性成分量、人工
尿中での可溶成分溶出量は以下の方法により測定した。 (1)吸水剤の吸水量 吸水性樹脂0.2gをティーバッグ式袋(6cm×6c
m)に均一に入れ、開口部をヒートシールした後、生理
食塩水中に浸漬した。60分後にティーバック式袋を引
き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを
行った後、該袋の重量W1 (g)を測定した。また、同
様の操作を吸水性樹脂を用いないで行い、その時の重量
0 (g)を測定した。そして、これら重量W1 、W0
から次式に従って吸水量(g/g)を算出した。
【0040】吸水量(g/g)=(W1 −W0 )/吸水
性樹脂の重量(g) (2)吸水剤の可溶性成分溶出量 100mlのビーカー中、吸水剤1gを人工尿25ml
に膨潤させ、37℃で16時間放置した。次いで膨潤し
たゲルを975mlの脱イオン水中に分散させ、1時間
攪拌した後、濾紙で濾過した。得られた濾液をコロイド
滴定により滴定し吸水剤の可溶性成分溶出量(%)を求
めた。
【0041】人工尿の組成を以下に示す。 尿素 1.9% 塩化ナトリウム 0.8% 塩化マグネシウム 0.1% 塩化カルシウム 0.1% (3)吸水剤の劣化可溶性成分溶出量 100mlのビーカー中、吸水剤1gをL−アスコルビ
ン酸0.005%含有人工尿25mlに膨潤させ、37
℃で16時間放置した。次いで膨潤したゲルを975m
lの脱イオン水中に分散させ、溶出した可溶分を脱イオ
ン水でリンスした。1時間攪拌した後濾紙で濾過し、得
られた濾液をコロイド滴定により滴定し吸水剤の劣化可
溶性成分溶出量(%)を求めた。 (4)荷重下吸収倍率 図1に示す測定装置を用いて荷重下吸水倍率を求めた。
図1に示すように、測定装置は、天秤1、天秤1上に載
置された所定容量の容器2、外気吸入パイプシート3、
導管4、ガラスフィルター6、ガラスフィルター6上に
載置された測定部5からなっている。容器2は、頂部に
開口部2aと側部に開口部2bを有している。開口部2
aには外気吸入パイプ3が嵌入されており、開口部2b
には導管4が取り付けられている。また、容器2には所
定量の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(以下、生理
食塩水と称す)12が入っている。外気吸入パイプ3の
下端部は生理食塩水12中に没している。外気吸入パイ
プ3は、容器2内の圧力をほぼ大気圧に保つために設け
られている。上記のガラスフィルター6は、直径55m
mに形成されている。容器2及びガラスフィルター6
は、シリコーン樹脂からなる導管4によって互いに連通
している。また、ガラスフィルター6は、容器2に対す
る位置および高さが固定されている。上記の測定部5
は、濾紙7、支持円筒9、支持円筒9の底部に貼着され
た金網10、重り11とを有している。測定部5は、ガ
ラスフィルター6上に、濾紙7、支持円筒9(つまり金
網10)がこの順に載置されてなっている。金網10は
ステンレスからなり、その網目の大きさは400メッシ
ュである。金網10の上面、すなわち、金網10と吸水
剤15との接触面の高さは、外気吸入パイプ3の下端面
3aの高さと等しくなるように設定されている。金網1
0上には、所定量の吸水剤が均一に散布される。重り1
1は、金網10、即ち吸水剤15に対して、0.7ps
iの荷重を均一に加えることができるように、その重量
が調整されている。
【0042】上記構成の測定装置を用いて荷重下吸水倍
率を測定した。測定方法について以下に説明する。容器
2に所定量の生理食塩水12をいれる。容器2に外部吸
入パイプ3を嵌入する等の所定の準備動作を行った。次
に、ガラスフィルター6上に濾紙7を載置した。また、
載置と平行して、支持円筒9内部、即ち、金網10上
に、吸水剤0.9gを均一に散布し、この吸水剤15上
に重り11を載置した。次いで、濾紙7上に、金網1
0、即ち吸水剤15及び重り11を載置した上記支持円
筒9を、その中心部がガラスフィルター6の中心部に一
致するように載置した。次いで、濾紙7上に支持円筒9
を載置した時点から、60分間にわたって経時的に、該
吸水剤15が吸水した生理食塩水の重量を天秤1の測定
値から求めた。また、同様の操作を吸水剤15を用いな
いで行い、吸水剤以外の例えば濾紙7等が吸水した生理
食塩水の重量を、天秤1の測定値から求め、これをブラ
ンク値とした。荷重下吸水量は以下の式より求めた。 荷重下吸水倍率(g/g)=(60分後の吸水量―ブラ
ンク値)/吸水剤の重量 (5)吸水剤の平均粒径 吸水剤を850μm,600μm,500μm,425
μm,300μm,220μm,150μm,105μ
mの篩を用いて篩い分級した後、残留百分率Rを対数確
立紙にプロットし、R=50%に相当する粒径を平均粒
径とした。
【0043】(参考例1)37%アクリル酸ナトリウム
水溶液67.0部、アクリル酸10.2部、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート(平均ポリエチレンオキサ
イドユニット数8)0.079部及び水22.0部を混
合しモノマー水溶液を調製した。バット中で前記水溶液
に窒素を吹き込み溶液中の溶存酸素を0.1ppm以下
とした。
【0044】引き続き窒素雰囲気下前記水溶液の温度を
18℃に調整し、次いで5%過硫酸ナトリウム水溶液
0.16部、5%2,2’−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)塩酸塩水溶液0.16部、0.5%L−アスコ
ルビン酸水溶液0.15部及び0.35%過酸化水素水
溶液0.17部を順番に攪拌下滴下した。過酸化水素滴
下後直ちに重合が開始し、10分後にモノマーの温度は
ピーク温度に達した。ピーク温度は85℃であった。引
き続きバットを80℃の湯浴に浸し、10分間熟成し
た。
【0045】得られた透明の含水ゲルをミートチョッパ
ーで砕き、次いで180℃で30分間乾燥した。乾燥物
を粉砕機で粉砕し、500μmの篩を通過し105μm
の篩上に残るものに分級した。この分級物100部にエ
チレングリコールジグリシジルエーテル0.05部、プ
ロピレングリコール1部、水3部及びイソプロピルアル
コール1部からなる組成液を混合し、180℃で40分
間処理して吸水性樹脂(A)を得た。
【0046】(実施例1)吸水性樹脂(A)100部に
ジエチレントリアミンペンタ酢酸5ナトリウム0.00
1部、水3部からなる混合液を噴霧し、造粒した後、8
0℃で乾燥して吸水剤を得た。得られた吸水剤(1)の
評価結果を表1に示した。 (実施例2)実施例1においてジエチレントリアミンペ
ンタ酢酸5ナトリウムを0.1部添加した他は実施例1
と同様にして本発明の吸水剤を得た。得られた吸水剤
(2)の評価結果を表1に示した。
【0047】(実施例3)実施例1においてジエチレン
トリアミンペンタ酢酸5ナトリウムに代えてトリエチレ
ンテトラアミンヘキサ酢酸6ナトリウム0.001部を
用いた他は実施例1と同様にして本発明の吸水剤を得
た。得られた吸水剤(3)の評価結果を表1に示した。
【0048】(比較例1)吸水性樹脂(A)をそのまま
で比較吸水剤(1)とした。比較吸水剤(1)の性能評
価結果を表1に示した。 (比較例2)実施例1において水3部を混合した他は実
施例1と同様にして比較吸水剤を得た。得られた比較吸
水剤(2)の性能評価結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法により、尿による経時
的な劣化や溶出成分の少ない吸水剤を容易に得ることが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 荷重下吸水倍率の測定装置である。
【符号の説明】
1 天秤 2 容器 2a 頂部の開口部 2b 側部の開口部 3 外気吸入パイプシート 4 導管 5 測定部 6 ガラスフィルター 7 濾紙 9 支持円筒 10 金網 11 重り 12 生理食塩水 15 吸水剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部架橋剤の存在下に不飽和カルボン酸を
    必須に含む単量体成分を重合して得られる吸水性樹脂の
    表面近傍を架橋処理した後、該架橋処理された吸水性樹
    脂に水とイオン封鎖剤を添加し造粒する、吸水剤の製造
    方法。
  2. 【請求項2】架橋処理された吸水性樹脂100重量部に
    対し水0.1〜20重量部、イオン封鎖剤0.0001
    〜10重量部を配合する、請求項1記載の吸水剤の製造
    方法。
  3. 【請求項3】架橋処理された吸水性樹脂の含水率(湿量
    基準)が20重量%以下である、請求項1または2記載
    の吸水剤の製造方法。
  4. 【請求項4】架橋処理された吸水性樹脂が、少なくとも
    20(g/g)の荷重下吸収倍率を有する、請求項1から3
    までのいずれかに記載の吸水剤の製造方法。
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