[go: up one dir, main page]

JPH1131311A - シールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

シールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH1131311A
JPH1131311A JP19943597A JP19943597A JPH1131311A JP H1131311 A JPH1131311 A JP H1131311A JP 19943597 A JP19943597 A JP 19943597A JP 19943597 A JP19943597 A JP 19943597A JP H1131311 A JPH1131311 A JP H1131311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate portion
shield
core
thickness
thin plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19943597A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Shoji
茂 庄司
Atsushi Toyoda
篤志 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP19943597A priority Critical patent/JPH1131311A/ja
Publication of JPH1131311A publication Critical patent/JPH1131311A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーバライト特性の改善とサーボ特性の改善
を両立させる。 【解決手段】 下シールド18と上シールド22の間の
再生ギャップ20内の記録媒体対向面16を臨む位置に
MR素子24を配置して再生用ヘッド26を構成する。
上シールド22を下コアとして兼用して下コア22と上
コア32との間にコイル28を配置し、記録媒体対向面
16を臨む位置で上コア32の先端の上ポール32aと
下コア22の先端の下ポール22aとの間に書込ギャッ
プ34を形成して記録用ヘッド36を構成する。上シー
ルド兼下コア22は、記録媒体対向面16を臨む位置で
薄い平板状に形成された薄板部22bと、この薄板部2
2bに続き記録媒体対向面16から奥まった位置で厚い
平板状に形成された厚板部22cで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハードディスク
装置等に用いられるシールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘ
ッド(通常のMR素子を用いたもののほかにGMR素子
等各種磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドを含む。以
下「シールド型MRヘッド」という。)に関し、磁気記
録媒体に対する書込特性および再書込(オーバライト)
特性を改善するとともに、サーボエラーを生じにくくし
たものである。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置に用いられているシ
ールド型MRヘッドは、下シールドと上シールドの間の
再生ギャップ内の記録媒体対向面を臨む位置にMR素子
を配置した再生用ヘッドと、上シールドを下コアとして
兼用して下コアと上コアとの間にコイルを配置しかつ上
コアと下コアとの間の記録媒体対向面を臨む位置に書込
ギャップを形成した記録用ヘッドとを積層配置したMR
型・誘導型複合磁気ヘッドとして構成される。
【0003】ハードディスク用の従来のシールド型MR
ヘッドの中心の断面図を図2に示す。スライダを構成す
る基板12の上には非磁性絶縁層14が被覆されてい
る。非磁性絶縁層14の上部の記録媒体対向面16を臨
む位置には、下シールド18が埋め込まれている。下シ
ールド18の上には再生ギャップ20を挟んで一定厚の
上シールド22が対向して配置されている。再生ギャッ
プ20内の記録媒体対向面16を臨む位置にはMR素子
24が埋め込まれている。MR素子24の左右両端部に
は、このMR素子24にセンス電流を流すためのリード
(図示せず)が接続されている。以上で再生用ヘッド2
1(MR型ヘッド)が構成される。
【0004】上シールド22は書込下コアを兼用し、そ
の上にコイル28が絶縁層30内に埋め込まれた状態で
配置されている。絶縁層30の上には上コア32が配置
されている。上シールド兼下コア22の先端の下ポール
22aと上コア32の先端の上ポール32aとは、記録
媒体対向面16に臨む位置で書込ギャップ34を挟んで
対向している。以上で記録用ヘッド36(誘導型ヘッ
ド)が構成される。そして、全体に保護膜38が被せら
れてシールド型MRヘッド10全体が構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】シールド型MRヘッド
においては、トラック位置のサーボをかけるために、書
込んだ信号をその位置が変化しないうちに即座に読み込
むことが必要である。そのためには、書込ギャップ34
と再生ギャップ20の間隔Srwを短くする必要がある。
すなわち、間隔Srwが長くなると、サーボエラーが出や
すくなる。特に、高速のアクセスが可能なヘッド、磁気
記録媒体間の相対速度が大きな場合ほど、サーボエラー
は出やすくなる。この点についてもう少し詳しく説明す
る。
【0006】いま、シールド型MRヘッド10をロータ
リ型ヘッドポジショナに搭載してディスク径方向に移動
させるハードディスク装置において、記録用ヘッド36
で書込まれた信号を次の周回で再生用ヘッド21で再生
する場合を考える。記録用ヘッド36と再生用ヘッド2
1が同一トラック上をトレースしているとすると、1周
の書込みを終えたあと、直ぐに再生用ヘッド21でこの
信号を拾うことができる。ところが、記録用ヘッド36
と再生用ヘッド21のトレース位置がずれていると、書
込まれたサーボ信号をすぐに読めないことがある。
【0007】すなわち、ロータリ型ヘッドボジショナで
シールド型MRヘッド10を位置決めする場合、ディス
ク最内周側または最外周側で大きなスキュー角(トラッ
ク接線方向に対するシールド型MRヘッド10の中心線
方向の角度ずれ)が生じていると、記録用ヘッド36と
再生用ヘッド21のトレース位置がずれてくる。そし
て、同一のスキュー角では、記録用ヘッド36と再生用
ヘッド21の間隔Srwが離れているほど、トレース位置
のずれ量は大きくなる。ずれ量が僅かであれば、サーボ
の補正がすぐに掛かるため、たかだか1トラック分の移
動をした後サーボが掛かる。しかし、1トラック分以上
ずれているときは、サーボ信号を1本ずつ捜す動作に移
行する。その探索動作が、目的とするトラック位置と反
対の方向に捜しに行くとすると、シールド型MRヘッド
10がディスク内周側あるいは外周側の外れまで移動
し、再び戻って来るまで捜し続ける。このような動作
は、書込み、読み出しのアクセス速度を著しく遅くす
る。特に、ディスクの回転速度を速くしてアクセス速度
を上げようとする機種において致命的な応答遅れとな
る。
【0008】したがって、1周書込み後直ぐにその信号
を拾えるような位置に再生用ヘッド21があることは、
アクセス速度を速くするために最も大切なことである。
つまり、記録用ヘッド36と再生用ヘッド21の間隔S
rwが短いほど高速アクセスの性能がよくなる。間隔Srw
は上シールド兼下コア22の厚さによって決まるので、
間隔Srwを短くするには、上シールド兼下コア22を薄
く形成する必要がある。
【0009】一方、シールド型MRヘッドで高密度記録
を行うには、磁気記録媒体の保持力(Hc)を大きくす
る必要がある。しかし、磁気記録媒体の保持力が大きく
なると、磁気記録媒体に信号を書き込むために、書込ギ
ャップ34からの大きな漏れ磁束が必要である(もし、
漏れ磁束の量が十分でないときは、オーバライト特性が
低下し、エラー発生の原因となる。)。シールド型MR
ヘッドの記録用ヘッド36においては、書込時に上下コ
ア32,22間で漏洩磁束が生じる。この漏洩磁束はコ
ア厚が薄くなればなるほどコアの磁気抵抗が増大するた
め多くなり、その分書込ギャップ34からの漏れ磁束が
弱くなる(図3参照)。したがって、オーバライト特性
を良好にするには、コア厚を厚くする必要がある。この
場合、上コア32はコア層を重ねることで容易に厚くす
ることができるが、下コア22は上シールドを兼ねてお
り、これを厚くすると、前述のように書込ギャップ34
と再生ギャップ20の間隔Srwが長くなり、サーボ特性
が悪化する。
【0010】このように、従来のシールド型MRヘッド
においては、オーバライト特性の改善とサーボ特性の改
善を両立させることができなかった。
【0011】この発明は、前記従来の技術における問題
点を解決して、オーバライト特性の改善とサーボ特性の
改善を両立させたシールド型MRヘッドおよびその製造
方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明のシールド型M
Rヘッドは、上シールド兼下コアの厚さを、記録媒体対
向面を臨む位置で薄く形成し、記録媒体対向面から奥ま
った位置で厚く形成したものである。これによれば、上
シールド兼書込下コアの厚さを、記録媒体対向面を臨む
位置で薄く形成したので、書込ギャップと再生ギャップ
との間隔を短くすることができ、これによりサーボエラ
ーが出にくくなってサーボ特性が改善される。また上シ
ールド兼下コアの厚さを、記録媒体対向面から奥まった
位置で厚く形成したので、コアの磁気抵抗の増大を抑え
て上下コア間の漏洩磁束を少なくすることができ、これ
により書込ギャップからの漏れ磁束を強くすることがで
き、オーバライト特性が改善される。
【0013】この発明のシールド型MRヘッドの上シー
ルド兼下コアは、例えば記録媒体対向面に露出する部分
に薄い平板状の薄板部を形成し、記録媒体対向面から奥
まった部分に、薄板部に続き厚い平板状の厚板部を形成
して構成することができる。この場合、薄板部と、厚板
部との境界を構成する段差が記録媒体対向面から近い位
置にあると、書込磁界により上シールド兼下コアは形状
異方性による異方性エネルギが減少して磁区分割を生じ
るため、記録モードから再生モードに転じた特に、再生
波形にノイズ(バルクハウゼンノイズ)が生じる。そこ
で、段差を記録媒体対向面から10μm以上離したとこ
ろに形成することにより磁区分割をほぼ防止して、記録
モードから再生モードに転じた時のノイズの発生を防止
することができる。
【0014】また、薄板部のトラック幅方向を上シール
ド兼下コアの全幅のうち中央部に限定して形成し、薄板
部を取り囲むように厚板部を形成することにより、上シ
ールド兼下コアの全面積のうち厚板部の面積の割合を大
きくすることができ、コアの磁気抵抗の増大をより抑制
して、上下コア間の漏洩磁束をより減少させることがで
き、これにより書込ギャップからの漏れ磁束をより強く
してオーバライト特性をより改善することができる。
【0015】この発明のシールド型MRヘッドの上シー
ルド兼上コアの薄板部と厚板部は、例えば薄板部の厚さ
で平板状の下層部を形成する第1の工程と、当該下層部
上の厚板部を形成する位置に薄板部と厚板部の厚さの差
に相当する厚さで平板状の上層部を積層して当該厚板部
を形成する第2の工程とで作ることができる。あるい
は、厚板部を形成する位置に薄板部と厚板部の厚さの差
に相当する厚さで平板状の下層部を形成する第1の工程
と、薄板部と厚板部を形成する位置全体にわたり薄板部
の厚さで上層部を積層する第2の工程とで作ることがで
きる。あるいは、板部と厚板部を形成する位置全体にわ
たり厚板部の厚さで平板状の層を形成する第1の工程
と、この層の薄板部を形成する位置を薄板部と厚板部の
厚さの差に相当する厚さ分掘り込んで薄板部を形成する
第2の工程とで作ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を以下説明
する。図1はこの発明によるハードディスク用シールド
型MRヘッド40の中心断面図を示すものである。前記
図2の従来のシールド型MRヘッド10と共通する部分
には、同一の符号を用いる。
【0017】スライダを構成する基板12の上には非磁
性絶縁層14が被覆されている。非磁性絶縁層14の上
部の記録媒体対向面16を臨む位置には、下シールド1
8が埋め込まれている。下シールド18の上には再生ギ
ャップ20を挟んで一定厚の上シールド22が対向して
配置されている。再生ギャップ20内の記録媒体対向面
16を臨む位置にはMR素子24が埋め込まれている。
MR素子24の左右両端部には、このMR素子24にセ
ンス電流を流すためのリード(図示せず)が接続されて
いる。以上で再生用ヘッド21(MR型ヘッド)が構成
される。
【0018】上シールド22は書込下コアを兼用し、そ
の上にコイル28が絶縁層30内に埋め込まれた状態で
配置されている。絶縁層30の上には上コア32が配置
されている。上シールド兼下コア22の先端の下ポール
22aと上コア32の先端の上ポール32aとは、記録
媒体対向面16に臨む位置で書込ギャップ34を挟んで
対向している。以上で記録用ヘッド36(誘導型ヘッ
ド)が構成される。そして、全体に保護膜38が被せら
れてシールド型MRヘッド10全体が構成されている。
【0019】上シールド兼下コア22は、記録媒体対向
面16を臨む位置で薄い平板状に形成された薄板部22
bと、この薄板部22bに続き記録媒体対向面16から
奥まった位置で厚い平板状に形成された厚板部22cを
有している。上シールド兼下コア22の上面には薄板部
22bと厚板部22cの境界に段部22dが構成されて
いる。上シールド兼下コア22の下面は平坦である。記
録媒体対向面16から段部22dまでの距離(すなわち
薄板部22bの奥行方向の長さ)は10μm以上に設定
され、これにより書込磁界による上シールド兼下コア2
2の磁区分割設定をほぼ防止することができる。
【0020】このような上シールド兼下コア22の構造
によれば、記録媒体対向面16を臨む位置に薄板部22
bを構成したので、書込ギャップ34と再生ギャップ2
0の間隔Srwを短くすることができ、サーボエラーを少
くすることができる。また、記録媒体対向面16から奥
まった位置に厚板部22cを構成したので、上シールド
兼下コア22の磁気抵抗を減少させて、上下コア32,
22間の漏洩磁束を少なくすることができ、これにより
書込ギャップ34からの漏れ磁束が強くなってオーバラ
イト特性を良好にすることができる。
【0021】ここで、図2の従来のシールド型MRヘッ
ド10と図1のこの発明によるシールド型MRヘッド4
0のオーバライト特性について比較する。図4は従来の
シールド型MRヘッド10におけるオーバライト特性の
上シールド兼下コア22の厚さ依存性の測定結果を示し
たものである。測定に用いたシールド型MRヘッド10
の各部の寸法を図5に示す。図6はこの発明によるシー
ルド型MRヘッド40におけるオーバライト特性の上シ
ールド兼下コア22の厚さ依存性の測定結果を示したも
のである。測定に用いたシールド型MRヘッド40の各
部の寸法を図7に示す。図7における上シールド兼下コ
ア22の薄板部22bと厚板部22cの厚さの差(段部
22dの高さ)は0.2μm、薄板部22bの奥行方向
の長さ(記録媒体対向面16から段部22dまでの長
さ)は20μm、MR素子24の奥行方向の長さは1〜
2μmである。また、書込ギャップ34と再生ギャップ
20の間隔Srwは、 Srw=薄板部22bの厚さ+(書込ギャップ長+再生ギ
ャップ長)/2 である。
【0022】図4、図6によれば、この発明によるシー
ルド型MRヘッド40の上シールド兼下コア22は厚板
部22cが形成されて磁気抵抗が減少しているので、書
込ギャップ34と再生ギャップ20の間隔が従来のシー
ルド型MRヘッド10と同じであるにもかかわらず、上
下コア32,22間の漏洩磁束は少なく、小さな書込電
流で書込ギャップ34に大きな漏れ磁束が有効に発生す
るので、オーバライト特性の改善が著しい。
【0023】図8は、図5の従来のシールド型MRヘッ
ド10におけるオーバライト特性の書込電流依存性の測
定結果を示したものである。また、図9は、図7のこの
発明によるシールド型MRヘッド40におけるオーバラ
イト特性の書込電流依存性の測定結果を示したものであ
る。書込ギャップ34と再生ギャップ20の間隔Srwは
両ヘッド10,40で等しく設定している。これによれ
ば、従来のシールド型MRヘッド10の場合、磁気ディ
スクの保持力Hcが2000Oeでは書込電流が30m
Aでオーバライト特性は飽和しているが、Hc=250
0Oeでは50mAでも飽和していない。また、書込電
流30mAでのオーバライト値は30dB前後と低い。
これに対し、図1のこの発明によるシールド型MRヘッ
ド40では、Hc=2500Oeでも約30mAで飽和
している。また、オーバライト値は39dB前後と高
い。
【0024】このように、上シールド兼下コア22のポ
ールの先端の厚さ(下ポール長)を変えずに奥行方向後
部の厚さを厚くすることにより、書込ギャップ34と再
生ギャップ20の間隔Srwを大きくすることなくオーバ
ライト特性を大幅に改善することができる。また、下ポ
ール長が少しぐらい短くなってもオーバライト値が大幅
に低下することもないので、下ポール長のばらつきによ
る歩留りの低下も少ない。さらに、高記録密度用の高い
保持力Hcの磁気記録媒体に対しても優れた書込能力を
有するので、高記録密度のハードディスク装置を実現す
ることができる。
【0025】なお、図1のシールド型MRヘッド40の
薄板部22bは上シールド兼下コア22のトラック幅方
向全体に延在させることもできるが、トラック幅方向の
一部にのみ形成することもできる。トラック幅方向の一
部にのみ形成した場合の上下コア32,22の平面形状
および上下ポール32a,22aの端面形状の一例を図
10(a),(b)にそれぞれ示す。薄板部22bのト
ラック幅方向は上シールド兼下コア22の全幅のうち中
央部に限定して形成され、厚板部22cは薄板部22b
を三方から取り囲むように形成されている(段部22d
も薄板部22bを三方から取り囲むように形成されてい
る。)。したがって、薄板部22bはポール端面から見
ると、図10(b)に示すように、上方に開口した凹所
42を構成している。凹所42内には、そのトラック幅
方向の中央部に上ポール32aが収容配置されている。
【0026】図10のような上シールド兼下コア22の
構造によれば、厚板部22cの面積を広く確保すること
ができるので、上シールド兼下コア22の磁気抵抗の増
大をより抑えて、上下コア32,22間の漏洩磁束をよ
り減少させることができ、これにより書込ギャップ34
からの漏れ磁束をより強くして、オーバライト特性をよ
り良好にすることができる。なお、薄板部22bのトラ
ック幅方向の長さを上ポール32aのトラック幅方向の
長さの20倍以上に形成することにより、書込磁界によ
る段部22dでの上シールド兼下コア22の磁区分割を
ほぼ防止することができる。
【0027】次に、図1のシールド型MRヘッド40の
製造方法について説明する。図11は、上シールド兼下
コア22を作る各種方法を示したものである。図11
(a)は、薄板部22bの厚さで平板状の下層部22−
1を形成し、下層部22−1上の厚板部22cを形成す
る位置に薄板部22bと厚板部22cの厚さの差に相当
する厚さ(2μm等)で平板状の上層部22−2を積層
嵩上げして厚板部22cを形成したものである。
【0028】図11(b)は、厚板部22cを形成する
位置に薄板部22bと厚板部22cの厚さの差に相当す
る厚さ(2μm等)で平板状の下層部22−11を形成
し、薄板部22bと厚板部22cを形成する位置全体に
わたり薄板部22bの厚さで上層部22−12を積層し
たものである。
【0029】図11(c)は、薄板部22bと厚板部2
2cを形成する位置全体にわたり厚板部22cの厚さで
平板状の層22′を形成し、この層22′の薄板部22
bを形成する位置を薄板部22bと厚板部22cの厚さ
の差に相当する厚さ分(2μm等)掘り込んで(掘り込
み44)薄板部22bを形成したものである。
【0030】〔図11(a)の構造の製造工程〕図11
(a)の構造を有するシールド型MRヘッド40の製造
工程の一例を図12〜図15に工程(1)〜(14)で
示す。各工程について説明する。 (1) Al2 3 −TiC(アルチック)等で作られ
た基板12上にAl23 (アルミナ)等の非磁性絶縁
層14を形成し、その上にNiFe等の軟磁性体でめっ
き下地膜46を形成する。めっき下地膜46の上に、下
シールド18を形成するためのフレーム48をレジスト
で形成する。 (2) めっき下地膜46の上に下シールド18を形成
するためにNiFe等の軟磁性体を電気めっきして、め
っき膜50を形成する。めっき膜50を形成後フレーム
レジスト48を除去する。フレームレジスト48を除去
した部分に凹部52が形成される。
【0031】(3) 全体をイオンミリングして、凹部
52の底部に露出しているめっき下地膜46を除去す
る。 (4) めっき膜50のうち、下シールド18として残
す部分を保護レジスト56で覆う。 (5) めっき膜50のうち露出している部分をエッチ
ング除去する。エッチング後保護レジスト56を除去す
る。 (6) スパッタ等でAl2 3 等の保護膜58を全面
に堆積させる。 (7) 表面を研磨して平坦化する。研磨はめっき膜5
0が下シールド18の規定の厚さになるまで行われる。
これで下シールド18が完成する。
【0032】(8) 再生ギャップ20を構成するため
にAl2 3 等を再生ギャップ層60の規定の厚さの半
分堆積し、その上にリード膜を積層して所定のリードの
パターンにカットする。さらにMR素子膜を積層して所
定のMR素子のパターンにカットして、MR素子24を
形成する。その上に再生ギャップ層60の残り半分を堆
積して、MR素子24およびリードを中間に挟み込んだ
再生ギャップ層60が完成する。
【0033】(9) NiFe等の軟磁性体でめっき下
地層を上シールド兼下コア22の全体のパターンに形成
し、その上にNiFe等の軟磁性体を上シールド兼下コ
ア22の薄板部22bの厚さに電気めっきして下層部2
2−1を形成する。 (10) 薄板部22bを形成する部分をフレームレジス
トで覆い、NiFe等の軟磁性体を薄板部22bと厚板
部22cとの厚さの差に相当する分電気めっきして、上
層部22−2を形成する。これで上シールド兼下コア2
2が完成する。
【0034】(11) 書込ギャップ34を構成するため
にAl2 3 等の書込ギャップ層62を堆積する。 (12) 書込ギャップ層62の後部をカット後、コイル
層と絶縁層を交互に積層してコイル28を絶縁層30中
に形成する。 (13) NiFe等の軟磁性体でめっき下地層を上コア
32のパターンに形成し、その上にNiFe等の軟磁性
体を電気めっきして、上コア32を形成する。
【0035】(14) 最後にAl2 3 等の保護膜38
を被せて完成する。
【0036】〔図11(b)の構造の製造工程〕図11
(b)の構造を有するシールド型MRヘッド40の製造
工程の一例を図16〜図17に工程(9)〜(14)で示
す。なお、工程(1)〜(8)は図12〜図13の工程
(1)〜(8)と同じであるので省略する。工程(9)
〜(14)について説明する。
【0037】(9) 再生ギャップ層60の上に上シー
ルド兼下コア22の全体のパターンのうち薄板部22b
を除くパターンで、NiFe等の軟磁性体を、薄板部2
2bと厚板部22cの厚さの差に相当する厚さに電気め
っきして、下層部22−11を形成する。
【0038】(10) 上シールド兼下コア22の全体の
パターンで、NiFe等の軟磁性体を、薄板部22bの
厚さで電気めっきして、上層部22−12を形成して、
上シールド兼下コア22を完成する。
【0039】(11) 書込ギャップ34を構成するため
にAl2 3 等の書込ギャップ層62を堆積する。 (12) 書込ギャップ層62の後部をカット後、コイル
28を絶縁層30中に形成する。 (13) NiFe等の軟磁性体でめっき下地層を上コア
32のパターンに形成し、その上にNiFe等の軟磁性
体を電気めっきして、上コア32を形成する。
【0040】(14) 最後にAl2 3 等の保護膜38
を被せて完成する。
【0041】〔図11(c)の構造の製造工程〕図11
(c)の構造を有するシールド型MRヘッド40の製造
工程の一例を図18〜図19に工程(9)〜(16)で示
す。なお、工程(1)〜(8)は図12〜図13の工程
(1)〜(8)と同じであるので省略する。工程(9)
〜(16)について説明する。
【0042】(9) 再生ギャップ層60の上に上シー
ルド兼下コア22の全体のパターンで、NiFe等の軟
磁性体を、厚板部22cの厚さに電気めっきして、層2
2′を形成する。 (10) 薄板部22bを形成する位置を残して、掘り込
みのためのレジストパターンを形成する。
【0043】(11) 全体をイオンミリングして、層2
2′の露出している部分を、薄板部22bと厚板部22
cの厚さの差に相当する分掘り込む。 (12) 掘り込み44を形成後レジストパターン64を
除去すると、薄板部22bと厚板部22cが構成された
上シールド兼下コア22が完成する。
【0044】(13) 書込ギャップ34を構成するAl
2 3 等の書込ギャップ層62を堆積する。 (14) 書込ギャップ層62の後部をカット後、コイル
28を絶縁層30中に形成する。 (15) NiFe等の軟磁性体でめっき下地層を上コア
32のパターンに形成し、その上にNiFe等の軟磁性
体を電気めっきして、上コア32を形成する。
【0045】(16) 最後にAl2 3 等の保護膜38
を被せて完成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示すシールド型MR
ヘッドの中心線に沿った断面図である。
【図2】 従来のシールド型MRヘッドの中心線に沿っ
た断面図である。
【図3】 従来のシールド型MRヘッドにおいて、上シ
ールド兼下コアの厚さが薄い場合と厚い場合の書込電流
による磁束の違いを示す図である。
【図4】 従来のシールド型MRヘッドにおけるオーバ
ライト特性の上シールド兼下コアの厚さ依存性を示す特
性図である。
【図5】 図4の特性を測定した従来のシールド型MR
ヘッドの各部の寸法を示す図である。
【図6】 図1のこの発明によるシールド型MRヘッド
におけるオーバライト特性の上シールド兼下コアの厚さ
依存性を示す特性図である。
【図7】 図6の特性を測定した図1のシールド型MR
ヘッドの各部の寸法を示す図である。
【図8】 図5の従来のシールド型MRヘッドにおける
オーバライト特性の書込電流依存性を示す特性図であ
る。
【図9】 図7のこの発明のシールド型MRヘッドにお
けるオーバライト特性の書込電流依存性を示す特性図で
ある。
【図10】 図1のシールド型MRヘッドにおける上下
コアの平面形状およびポール正面形状の一例を示す図で
ある。
【図11】 図1のシールド型MRヘッドにおける上シ
ールド兼下コアの各種製法による構造の違いを示す図で
ある。
【図12】 図11(a)の構造の製造工程の一例を示
す中心線に沿った断面図である。
【図13】 図12の続きを示す工程図である。
【図14】 図13の続きを示す工程図である。
【図15】 図14の続きを示す工程図である。
【図16】 図11(b)の構造の製造工程の一例を示
す中心線に沿った断面図で、図13からの続きを示す工
程図である。
【図17】 図16の続きを示す工程図である。
【図18】 図11(c)の構造の製造工程の一例を示
す中心線に沿った断面図で、図13からの続きを示す工
程図である。
【図19】 図18の続きを示す工程図である。
【符号の説明】
16 記録媒体対向面 18 下シールド 20 再生ギャップ 21 再生用ヘッド 22 上シールド兼下コア 22a 下ポール 22b 薄板部 22c 厚板部 22d 段部 22−1,22−11 下層部 22−2,22−12 上層部 22′ 層 24 MR素子 26 再生用ヘッド 28 コイル 32 上コア 32a 上ポール 34 書込ギャップ 36 記録用ヘッド 40 シールド型MRヘッド(シールド型磁気抵抗効果
薄膜磁気ヘッド) 44 掘り込み

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下シールドと上シールドの間の再生ギャッ
    プ内の記録媒体対向面を臨む位置にMR素子を配置した
    再生用ヘッドと、前記上シールドを下コアとして兼用し
    て当該下コアと上コアとの間にコイルを配置しかつ前記
    記録媒体対向面を臨む位置で前記上コアの先端の上ポー
    ルと前記下コアの先端の下ポールとの間に書込ギャップ
    を形成した記録用ヘッドとを積層配置したシールド型磁
    気抵抗効果薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記上シールド兼下コアの厚さを、前記記録媒体対向面
    を臨む位置で薄く形成し、当該記録媒体対向面から奥ま
    った位置で厚く形成してなるシールド型磁気抵抗効果薄
    膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】下シールドと上シールドの間の再生ギャッ
    プ内の記録媒体対向面を臨む位置にMR素子を配置した
    再生用ヘッドと、前記上シールドを下コアとして兼用し
    て当該下コアと上コアとの間にコイルを配置しかつ前記
    記録媒体対向面を臨む位置で前記上コアの先端の上ポー
    ルと前記下コアの先端の下ポールとの間に書込ギャップ
    を形成した記録用ヘッドとを積層配置したシールド型磁
    気抵抗効果薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記上シールド兼下コアが、前記記録媒体対向面を臨む
    位置で薄い平板状に形成された薄板部と、この薄板部に
    続き前記記録媒体対向面から奥まった位置で厚い平板状
    に形成された厚板部とを具備してなるシールド型磁気抵
    抗効果薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】前記薄板部と前記厚板部との境界を構成す
    る段部を、前記記録媒体対向面から奥行き方向に10μ
    m以上離れた位置に形成してなる請求項2記載のシール
    ド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】前記薄板部のトラック幅方向を、前記上シ
    ールド兼下コアの全幅のうち中央部に限定して形成し、
    当該薄板部を取り囲むように前記厚板部を形成してなる
    請求項2または3記載のシールド型磁気抵抗効果薄膜磁
    気ヘッド。
  5. 【請求項5】前記薄板部のトラック幅方向の長さを、前
    記記録媒体対向面に露出した位置で、前記上ポールのト
    ラック幅方向の長さの20倍以上に形成してなる請求項
    4記載のシールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】前記請求項2から5のいずれかに記載のシ
    ールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドを製造する方法で
    あって、 前記上シールド兼下コアを作る工程が、前記薄板部の厚
    さで平板状の下層部を形成する第1の工程と、当該下層
    部上の前記厚板部を形成する位置に前記薄板部と前記厚
    板部の厚さの差に相当する厚さで平板状の上層部を積層
    して当該厚板部を形成する第2の工程とを含んでなるシ
    ールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】前記請求項2から5のいずれかに記載のシ
    ールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドを製造する方法で
    あって、 前記上シールド兼下コアを作る工程が、前記厚板部を形
    成する位置に前記薄板部と前記厚板部の厚さの差に相当
    する厚さで平板状の下層部を形成する第1の工程と、前
    記薄板部と前記厚板部を形成する位置全体にわたり前記
    薄板部の厚さで上層部を積層する第2の工程とを含んで
    なるシールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記請求項2から5のいずれかに記載のシ
    ールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドを製造する方法で
    あって、 前記上シールド兼下コアを作る工程が、前記薄板部と前
    記厚板部を形成する位置全体にわたり前記厚板部の厚さ
    で平板状の層を形成する第1の工程と、この層の前記薄
    板部を形成する位置を前記薄板部と前記厚板部の厚さの
    差に相当する厚さ分掘り込んで前記薄板部を形成する第
    2の工程とを含んでなるシールド型磁気抵抗効果薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
JP19943597A 1997-07-09 1997-07-09 シールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 Pending JPH1131311A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19943597A JPH1131311A (ja) 1997-07-09 1997-07-09 シールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19943597A JPH1131311A (ja) 1997-07-09 1997-07-09 シールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1131311A true JPH1131311A (ja) 1999-02-02

Family

ID=16407781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19943597A Pending JPH1131311A (ja) 1997-07-09 1997-07-09 シールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1131311A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7436633B2 (en) 2004-10-15 2008-10-14 Tdk Corporation Thin-film magnetic head, head gimbal assembly and hard disk system
US7440237B2 (en) 2004-11-08 2008-10-21 Tdk Corporation Thin film magnetic head, head gimbal assembly, and hard disk drive

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7436633B2 (en) 2004-10-15 2008-10-14 Tdk Corporation Thin-film magnetic head, head gimbal assembly and hard disk system
US7440237B2 (en) 2004-11-08 2008-10-21 Tdk Corporation Thin film magnetic head, head gimbal assembly, and hard disk drive

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1503372B1 (en) Perpendicular recording magnetic head
JP2870437B2 (ja) Mrヘッドおよびその製造方法
US6134080A (en) Magnetic head with precisely defined zero throat height
US20050013058A1 (en) Magnetic head and magnetic disk drive
JP2004342210A (ja) 垂直磁気記録用磁気ヘッドおよびその製造方法、ヘッドジンバルアセンブリならびにハードディスク装置
JPH0291806A (ja) 垂直磁化薄膜ヘッド
JP2001256608A (ja) 磁気ヘッド及び磁気記憶再生装置
JP3551099B2 (ja) 磁気テープ装置用薄膜磁気ヘッド
JPH11353614A (ja) 薄膜磁気ヘッド及びこれを用いた磁気記憶装置
JP3324507B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びこれを用いた磁気記憶装置
JP3367877B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP2001283409A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3292148B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、その製造方法及び磁気記憶装置
JPH1131311A (ja) シールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
US6785098B2 (en) First pole piece with frequency dependent variable effective throat height
JP2973850B2 (ja) 磁気抵抗型薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2828673B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
US5778514A (en) Method for forming a transducing head
JP2993759B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP2001023117A (ja) 磁気抵抗効果型複合ヘッド及びそれを用いた磁気記憶装置並びに磁気抵抗効果型複合ヘッドの製造方法
JP3266589B2 (ja) 複合型磁気ヘッド
JP2001126216A (ja) 磁気記録ヘッド及びその製造方法
JPH07254120A (ja) 複合型薄膜磁気ヘッド
JPH11203630A (ja) シールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH10154313A (ja) シールド型磁気抵抗効果薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法