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JPH1130723A - 合分波素子 - Google Patents

合分波素子

Info

Publication number
JPH1130723A
JPH1130723A JP9351198A JP9351198A JPH1130723A JP H1130723 A JPH1130723 A JP H1130723A JP 9351198 A JP9351198 A JP 9351198A JP 9351198 A JP9351198 A JP 9351198A JP H1130723 A JPH1130723 A JP H1130723A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveguide
output
face
multiplexing
demultiplexing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9351198A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Okayama
秀彰 岡山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP9351198A priority Critical patent/JPH1130723A/ja
Publication of JPH1130723A publication Critical patent/JPH1130723A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各出力ポートから等しいパワーの光を出力す
る合分波素子を実現する。 【解決手段】 合分波素子の連絡導波路16は、波面変
換構造26を有している。この波面変換構造26は、光
信号の波面中心28が出力端面18bの2つの入射位置
30aおよび30bに向けて各連絡導波路16から出射
されるように、これら連絡導波路16に付加された構造
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、波長多重された
光信号を波長に応じて分離し、分離した光信号を波長に
応じた経路に導く合分波素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、入力側平面導波路と出力側平
面導波路との間に互いに長さの異なる複数の連絡導波路
を設けた構成の合分波素子が提案されている(文献1
「Electronics Letters,Vol.
32,No.17,pp.1580−1582,199
6年8月)。この素子では、連絡導波路によって光に位
相差を与え、出力側平面導波路内で干渉させる。そし
て、この結果形成される干渉パタンの波長依存性を利用
して、光を波長に応じて分離する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、文献1
に開示の合分波素子では、連絡導波路から出力側平面導
波路内に入射される光の広がりが狭いため、出力ポート
によって光のパワーが大きく異なるといった欠点があ
る。以下、図を参照して説明する。
【0004】図7は、従来の合分波素子の構成を示す平
面図である。図7には、合分波素子の出力側平面導波路
100の近傍を示してあり、連絡導波路106の一部と
出力導波路108の一部とをともに示してある。出力側
平面導波路100は、通常、それぞれ円弧状の入力端面
102と出力端面104とを有している。入力端面10
2には、導波路アレイ110を構成する複数の連絡導波
路106の一端が接続されている。また、出力端面10
4には、複数の出力導波路108の一端が接続されてい
る。この出力端面104と出力導波路108との接続点
は出力導波路108への光の入射位置となる。出力側平
面導波路100の入力端面102は、出力端面104と
出力導波路108との接続点付近を曲率中心とする円弧
状となっている。
【0005】各連絡導波路106から出力される光は、
回折によって広がりながら、出力側平面導波路100内
を伝播する。この従来構成では、各波長の光の波面中心
114が、波長ごとに、出力端面104の実質的な1点
(中点112)に集光されるように、各連絡導波路10
6を配置してある(ここで、波面中心とは、光波の等位
相面において光強度が最大となる位置をいう。)。尚、
従来構成では、光の波面中心114が伝播する方向は、
光パワーが実際に集中する方向でもある。
【0006】図8は、この従来構成の出力端面104で
の光強度分布を示すグラフである。グラフの横軸は、出
力端面104上の位置(相対位置)を表している。ま
た、グラフの縦軸は、光強度(任意の単位)を表してい
る。図中、破線116は、導波路アレイ110を構成す
る各連絡導波路106からの回折光の強度分布を表す。
また、実線118で示される各ピークは、複数の連絡導
波路106からの回折光の重ね合わせにより干渉して生
じた光の強度分布(干渉パタン)である。
【0007】上述したように、従来構成では、出力端面
104上の1点に光の波面中心が集光される。このた
め、破線116で示される比較的狭い範囲に光パワーが
集中する。また、干渉により生じる透過ピーク(実線1
18)の最大強度は、破線116を包絡線として定ま
る。図8に示すように、透過ピークが生じる出力端面1
04上の位置は、波長ごとに異なる。従って、透過ピー
クの強度は、出力導波路の接続点すなわち波長に応じて
異なる。よって、各出力ポートから出力される光のパワ
ーは、それぞれ比較的大きく異なってしまう。
【0008】従って、従来より、各出力ポートから等し
いパワーの光が出力される合分波素子の出現が望まれて
いた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明の合分
波素子によれば、光信号が入力する複数の入力ポート
と、それぞれ一端が対応する前記入力ポートに接続され
た複数の入力導波路と、これら入力導波路の他端が接続
された入力側平面導波路と、それぞれ一端が前記入力側
平面導波路に接続された複数の連絡導波路と、これら連
絡導波路の他端が接続された入力端面を有する出力側平
面導波路と、この出力側平面導波路の出力端面に一端が
接続された複数の出力導波路と、これら出力導波路の他
端が接続された光信号が出力する複数の出力ポートとを
具えてなる合分波素子において、光信号の波面中心が前
記出力端面上の複数の入射位置に向けて各前記連絡導波
路から出射されるように、前記入力端面と接続する側の
前記連絡導波路に波面変換構造を設けてあることを特徴
とする。
【0010】このように、光信号の波面中心が出力端面
の複数の位置に集光されるようにしてあるため、従来の
ように1点に集光されない。従って、波面中心の伝播す
る方向と光パワーが集中する方向とを分離することがで
きるから、出力端面における光パワーの広がりが従来に
比べて大きくなる。よって、出力導波路および出力端面
の各接続点で、光のパワーを等しくすることが可能にな
る。すなわち、各出力ポートから等しいパワーの光が出
力される。
【0011】また、この発明の合分波素子において、好
ましくは、前記入射位置は、前記出力導波路の一端が接
続される前記出力端面の第1領域を含みかつこれより大
きな第2領域に、散在しており、各前記光信号の波面中
心の合成パワーが前記第1領域で一定になるようにして
あるのが良い。
【0012】このように構成してあるので、光信号の波
面中心は、出力端面の複数の位置に集光される。従っ
て、出力端面における光パワーの広がりを従来に比べて
大きくできる。また、第1領域における光の合成パワー
を一定にしてあるから、この第1領域における透過ピー
クの強度が、出力端面および出力導波路の接続位置によ
らず一定になる。従って、各出力ポートから等しいパワ
ーの光が出力される。
【0013】また、この発明の合分波素子の実施に当
り、2つの前記入射位置を有するのが好適である。
【0014】また、この発明の合分波素子において、好
ましくは、隣接する前記連絡導波路の前記入力端面にお
ける接続位置を一定間隔で離間させてあるのが良い。
【0015】このように構成すると、連絡導波路で光に
与えた位相差が、出力導波路の接続位置によってばらつ
いてしまうのを防げる。従って、所期の干渉パタンが得
られる。
【0016】また、この発明の合分波素子において、好
ましくは、前記入力端面に接続する各前記連絡導波路の
端部を分岐させてあるのが良い。
【0017】このように構成すると、光信号の波面中心
が出力端面の複数の位置に集光されるようになる。従っ
て、従来のように1点に集光されないので、出力端面に
おける光パワーの広がりが従来に比べて大きくなる。よ
って、各出力ポートから等しいパワーの光が出力され
る。
【0018】また、この発明の合分波素子の実施に当
り、前記端部を光信号のパワーが集中する方向から等し
く傾かせたY分岐としてあるのが好適である。
【0019】このように構成すると、光信号の波面中心
が出力端面の2点に集光されるようになる。また、Y分
岐すなわちY字状に分岐される各連絡導波路は、互いに
波面中心から等しい角度だけ傾くように設計すればよい
から、設計が容易である。
【0020】また、この発明の合分波素子において、好
ましくは、前記各連絡導波路の各々の全長が互いに等し
くなるように、前記第1接続部分から前記入力側平面導
波路および前記各連絡導波路の第3接続部分に至る複数
の光伝播経路の光路長を違えてあるのが良い。
【0021】このように、入力導波路から入射して各連
絡導波路に到達する光信号が、それぞれ異なる長さの光
路長を伝播されるように構成されている。従って、入力
側平面導波路内を伝播して各連絡導波路に達した光信号
は、それぞれ異なった位相状態となっている。よって、
連絡導波路の全長を異ならせなくても所期の機能が得ら
れる。さらに、連絡導波路で位相差を与えているのでは
ないから、連絡導波路幅の作成誤差による波長ずれが生
じにくい構成が得られる。
【0022】また、この発明の合分波素子において、好
ましくは、入力端面との接続部分近傍における各連絡導
波路の幅が当該入力端面に近づくにつれて小さくなって
いると良い。
【0023】このように、連絡導波路の端部をテーパ形
に構成することにより、連絡導波路と出力側平面導波路
との接続面でのモード界分布が適切に設定される。この
結果、光の透過ピーク強度を均一化させることができ
る。
【0024】また、この発明の合分波素子において、好
ましくは、上述の幅の小さくなる割合が入力端面に近づ
くにつれて小さくなると良い。すなわち、幅を直線的に
狭くするのではなく、湾曲させるように形成すると好適
である。
【0025】また、この発明の合分波素子において、好
ましくは、入力端面との接続部分近傍における各連絡導
波路が通常部分および幅広部分より構成されており、幅
広部分の幅が通常部分の幅に比べて大きいと良い。
【0026】このように、幅広導波路構造を設けること
により、連絡導波路と出力側平面導波路との接続面での
モード界分布が適切に設定される。この結果、光の透過
ピーク強度を均一化させることができる。
【0027】また、この発明の合分波素子の実施に当た
り、幅広部分の幅が一定であると好適である。
【0028】また、この発明の合分波素子において、好
ましくは、通常部分と幅広部分との間にさらにテーパ部
分を画成してあり、テーパ部分の幅が入力端面に近づく
につれて大きくなっていると良い。
【0029】このように、テーパ形導波路構造を設ける
ことにより、幅広部分で励起されるモードが制御され
る。
【0030】また、この発明の合分波素子において、好
ましくは、各連絡導波路の延在する方向に対して斜めに
配向した界面を有した斜め導波路構造が、各連絡導波路
の端部との結合部分において略V字形状の境界面を形成
するように、入力端面に設けられていると良い。
【0031】このように、連絡導波路の端部に斜め導波
路構造を配置させることにより、連絡導波路と出力側平
面導波路との接続面でのモード界分布が適切に設定され
る。この結果、光の透過ピーク強度を均一化させること
ができる。
【0032】また、この発明の合分波素子の実施に当た
り、各斜め導波路構造との接続部分近傍における各連絡
導波路の幅が入力端面に近づくにつれて小さくなってい
ると好適である。
【0033】また、この発明の合分波素子の実施に当た
り、各斜め導波路構造との接続部分近傍における各連絡
導波路の端部に低屈折率領域を設けることによって各端
部を分岐させてあると好適である。
【0034】また、この発明の合分波素子の実施に当た
り、入力端面との結合部分近傍における各連絡導波路の
端部を、当該入力端面に近づくにつれて幅が小さくなる
テーパ構造としてあり、入力端面から離間するにつれて
幅が小さくなる斜め導波路構造を、テーパ構造に近接さ
せて配置してあると好適である。
【0035】
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
実施の形態につき説明する。尚、図は、この発明が理解
できる程度に、構成、大きさおよび配置関係が示されて
いるに過ぎず、また、以下に記載する数値等の条件は単
なる一例に過ぎない。従って、この発明は、この実施の
形態に何ら限定されることがない。
【0037】先ず、図2を参照して、実施の形態の合分
波素子の全体的な構成につき説明する。図2は、合分波
素子の構成を示す平面図である。この合分波素子は、複
数の入力ポート10a、10bおよび10cと、それぞ
れ一端が対応する入力ポート10a〜10cに接続され
た複数の入力導波路12と、これら入力導波路12の他
端が接続された入力側平面導波路14とを具えている。
この構成例では、3個の入力ポート10a、10bおよ
び10cが設けられていて、これら各々に3本の入力導
波路12の一端がそれぞれ接続されている。入力側平面
導波路14は、一定の肉厚の板状体であって、対向する
2つの湾曲面14aおよび14bを有した両凸形状とな
っている。そして、これら湾曲面14aおよび14b
は、例えば、それぞれ一定の曲率半径の円筒面の一部分
の形状となっている。上述した入力導波路12の各々の
他端が、一方の湾曲面14aにそれぞれ接続されてい
る。
【0038】また、入力側平面導波路14の他方の湾曲
面14bに複数の連絡導波路16の一端が接続されてい
る。この構成例では、6本の連絡導波路16を設けてあ
る。また、この合分波素子は、これら連絡導波路16の
他端が接続された入力端面18aを有する出力側平面導
波路18を具えている。入力側平面導波路14と同様
に、この構成例の出力側平面導波路18は、2つの円弧
状の湾曲面18aおよび18bを有した両凸形状であ
る。そして、一方の湾曲面18aを上述した入力端面と
している(以下、入力端面18aと称する場合があ
る。)。また、他方の湾曲面18bを出力端面としてい
る(以下、出力端面18bと称する場合がある。)。こ
の合分波素子は、この出力側平面導波路18の出力端面
18bに一端が接続された複数の出力導波路20を具え
ている。そして、これら出力導波路20の他端が接続さ
れた、光信号が出力する複数の出力ポート22a、22
bおよび22cを具えている。この構成例では、3個の
出力ポート22a〜22cが設けられていて、これら各
々に3本の出力導波路20の他端が接続されている。
【0039】この合分波素子の構成につき、さらに詳細
に説明する。これら各構成は基板24上に形成されてい
る。基板24は例えば電気光学結晶であって、この基板
主面24aに入力導波路12、入力側平面導波路14、
連絡導波路16、出力側平面導波路18および出力導波
路20を設ける。これら入力導波路12、入力側平面導
波路14、連絡導波路16、出力側平面導波路18およ
び出力導波路20の材料としては、例えば石英や強誘電
体材料が用いられる。
【0040】また、連絡導波路16は基板主面24aの
中央部に配置させる。この構成例では、任意好適な複数
個の連絡導波路ここでは6個の連絡導波路16を設けて
導波路アレイを構成し、各連絡導波路16の一端を入力
側平面導波路14の他方の端面14bに接続し、各連絡
導波路16の他端を出力側平面導波路18の他方の端面
18aに接続する。
【0041】そして、これら各連絡導波路16の両端に
入力側および出力側平面導波路14および18の端面1
4bおよび18aが結合されるように、また、図に示し
た平面的な構成では、基板24の中心線(I−I線)に
関して線対称となるように、これら入力側および出力側
平面導波路14および18を配置する。また、入力側平
面導波路14と一方の基板端面24bとの間および出力
側平面導波路18と他方の基板端面24cとの間に、そ
れぞれ入力導波路12および出力導波路20を、これら
が基板24の中心線(I−I線)に関して図中において
線対称となるように配置する。
【0042】また、一方の基板端面24bに3つの入力
ポート10a〜10cを配置し、これら入力ポート10
a〜10cと同数の入力導波路12を設けて導波路アレ
イを構成する。各入力導波路12の一端をそれぞれ対応
する入力ポート10a、10bおよび10cに接続し、
さらに各入力導波路12の他端をそれぞれ入力側平面導
波路14の一方の端面14aに接続する。
【0043】また、他方の基板端面24cに3つの出力
ポート22a〜22cを配置し、これら出力ポート22
a〜22cと同数の出力導波路20を設けて導波路アレ
イを構成する。各出力導波路20の一端をそれぞれ対応
する出力ポート22a〜20cに接続し、さらに各出力
導波路20の他端をそれぞれ出力側平面導波路18の一
方の端面18bに接続する。
【0044】一方、この構成例では、光信号を入力ポー
ト10a〜10cから入力させ、入力導波路12、入力
側平面導波路14および連絡導波路16を通過させて光
信号に位相差を与える。このため、光信号が入力する入
力導波路12および入力側平面導波路14の第1接続部
分すなわち端面14aから、各連絡導波路16および出
力側平面導波路18の第2接続部分すなわち端面18a
に至る複数の光伝播経路の各光路長を異ならせてある。
このように構成するには、各連絡導波路16に沿って測
った連絡導波路16の全長をそれぞれ異ならせる。各連
絡導波路16の全長を異ならせることにより、各連絡導
波路16を伝播する光信号の間に位相差を生じさせるこ
とができる。通常は、各連絡導波路16の全長は、連絡
導波路16の配列順次に一定長ずつ長くしてゆく(例え
ば、上記文献1参照)。
【0045】上述したように構成してあるので、出力側
平面導波路18に入射した光は、この出力側平面導波路
18内で干渉し、出力端面18bに光の波長に応じた干
渉パタンが生じる。この干渉パタンは、各々の波長に応
じて出力端面18bの異なる位置に分離された光束から
なる。従って、光をその波長に応じた特定の出力端面1
8bの位置に集光させることができる。よって、各出力
導波路20から異なった波長の光を出力させ、それぞれ
異なった出力ポート22a〜22cに導くことができ
る。
【0046】尚、図示例では、基板24の長手方向にお
ける合分波素子の小型化を図るため、入力側平面導波路
14および出力側平面導波路18を基板24の長手方向
に対して斜めに配置し、入力導波路12、連絡導波路1
6および出力導波路20を曲り導波路としている。ま
た、入力導波路12、連絡導波路16および出力導波路
20の端部が、入力側平面導波路14または出力側平面
導波路18の各端面に接続するところでは、端部の延在
する方向が端面に対してほぼ垂直となるようにするのが
良い。このようにすると、各接続部分における光の入出
力が良好に行われる。
【0047】[第1の実施の形態]次に、この実施の形
態の特徴的構成について説明する。図1は、出力側平面
導波路18の近傍を拡大して示す要部平面図である。図
1には、この出力側平面導波路18に接続される連絡導
波路16および出力導波路20の一部を、出力側平面導
波路18とともに示してある。この実施の形態の合分波
素子の連絡導波路16は、波面変換構造26を有してい
る。波面変換構造26は、各連絡導波路16の、入力側
平面導波路14との接続部分および出力側平面導波路1
8との接続部分、すなわち端面14bおよび端面18a
の付近に形成されている。
【0048】この波面変換構造26は、光信号の波面中
心が出力端面18b上の複数の入射位置に向けて各連絡
導波路16から出射されるように、入力端面18aと接
続する側の連絡導波路16に設けられている。光信号
は、各連絡導波路16から出力側平面導波路18に球面
波として入射する。そして、これら球面波の波面中心2
8は、出力端面18bにおける2つの入射位置30aお
よび30bに向かって伝播してゆく。このように構成す
るために、以下に説明するように、連絡導波路16に波
面変換構造26を形成する。
【0049】図1において、出力側平面導波路18内に
おける破線32は、出力端面18bにおける中点34
(中央の出力導波路20が接続している位置)から各連
絡導波路16に向けて放射状に延在する半直線である。
つまり、半直線32は、光のパワーが集中する方向を表
している。
【0050】従来構成では、連絡導波路16が延在する
方向と上述の半直線32が延在する方向とが一致するよ
うに、連絡導波路16の延在方向を決めていた。すなわ
ち、各連絡導波路16を延長させると、互いに中点34
で交わるように構成していた。これに対して、この構成
例では、この半直線32が延在する方向と連絡導波路1
6が延在する方向とを、入力端面18aに接続するとこ
ろで異ならせてある。連絡導波路16から出射される光
信号の波面中心28は、連絡導波路16の延在方向に沿
った方向に伝播される。従って、この構成例では、光信
号の波面中心28が伝播する方向と、光のパワーが実際
に集中する方向32とを異ならせることができる。
【0051】図示例は、2焦点型の例であり、光の波面
中心28が2つの入射位置(焦点)30aおよび30b
に向かって伝播されてゆく。ここで、各連絡導波路16
を、これらが配列する順に、それぞれ連絡導波路16
a、16b、16c、16d、16eおよび16fと称
することにする。この構成例では、上述したように光の
波面中心28を伝播させるために、連絡導波路16a、
16cおよび16eの、入力端面18aに対する取り付
け方向を、各々の出射開口(入力端面18aに接続する
連絡導波路16の先端部分の断面)が入射位置30aを
臨む方向になるようにしてある。また、連絡導波路16
b、16dおよび16fの入力端面18aに対する取り
付け方向を、各々の出射開口が入射位置30bを臨む方
向になるようにしてある。このように構成してあるの
で、連絡導波路16a、16cおよび16eから出射さ
れる光の波面中心28が入射位置30aに集まり、連絡
導波路16b、16dおよび16fから出射される光の
波面中心28が入射位置30bに集まるようにできる。
【0052】このように、従来は、光信号の波面中心2
8が伝播する方向と、光のパワーが実際に集中する方向
32とが同一であったが、この発明の実施の形態では、
これらが分離されて別々の方向になる。これにより、従
来に比べて、出力端面18bでの光の広がりを大きくで
きる。
【0053】また、この構成例では、入射位置30aお
よび30bは、出力導波路20の一端が接続される出力
端面18bの第1領域を含む第2領域であって、この第
1領域より大きな当該第2領域中に散在している。この
第1領域は、各出力導波路20の一端が接続されている
出力端面18bの領域である。そして、第2領域は、波
面中心28が集中する入射位置30aおよび30bを含
む出力端面18bの領域である。ここで、出力側平面導
波路18の対称軸(中点34を通り、出力端面18bに
垂直な軸)に垂直な方向の第1領域および第2領域の幅
をそれぞれD1およびD2とする。このとき、D2>D
1である。また、第1領域は、第2領域中に含まれた領
域となっている。そして、各光信号の波面中心28の合
成パワーが第1領域で一定になるようにしてある。この
ように構成すると、出力側平面導波路18から各出力導
波路20に出力される光のパワーをそれぞれ均一にする
ことができる。
【0054】以上説明したように、この実施の形態で
は、光信号の波面中心28が伝播する方向と光のパワー
が実際に集中する方向32とを分離してあるので、従来
に比べて、出力端面18bにおける光のパワーの広がり
を大きくできる。また、出力導波路20が接続される第
1領域にあっては、波面中心28の合成パワーすなわち
光の重ね合わせにより生じる干渉光のパワーが一定にな
るようにしてあるので、各出力導波路20に出力される
光のパワーを一定にできる。次に、これら効果が得られ
る理由につき図3を参照して説明する。
【0055】図3は、この実施の形態における出力端面
18bでの光強度分布を示すグラフである。グラフは、
横軸に出力端面18b上の位置を取り、縦軸に光強度分
布を取って示す。グラフにおいて、破線で示す曲線36
および38は、入射位置30aおよび30bに向けて波
面中心が出射された光の強度分布をそれぞれ表してい
る。各光強度分布のピーク位置が、それぞれ入射位置3
0aおよび30bに相当している。これら光強度分布
は、互いに同じ形状および大きさとなっていて、各々が
ガウス分布である。これら強度分布を合成したものが、
破線で示す曲線40で表されている。曲線40は、テー
ブル形状となっている。この曲線40が表しているよう
に、第1領域すなわち出力導波路20を設けてある出力
端面18b上の領域においては、光強度が最大値を取
り、かつ、この領域で光強度が一定である。従って、出
力端面18bにおける光の合成パワーは、この第1領域
内で一定となる。このように構成するには、例えば、以
下に説明するように、入射位置30aおよび30bを設
定する。
【0056】例えば、強度分布36のピーク位置30a
における光強度が3dB(デシベル)減少する位置を、
それぞれP1およびP2とする。また、強度分布38の
ピーク位置30bにおける光強度が3dB減少する位置
を、それぞれP3およびP4とする。尚、出力端面18
b上で、これらの位置P1、P2、P3およびP4は、
この順に配列しているとする。また、位置P1およびP
2間の距離および位置P3およびP4間の距離をそれぞ
れ記号Wで表すとする。
【0057】そして、ピーク位置30aおよび30b間
の距離がWとなるように、連絡導波路16の配置を決め
る。そのためには、位置P2およびP3が同一位置とな
るように、連絡導波路16を位置決めする。このように
構成すると、第1領域(位置30aおよび30b間に含
まれる領域)における強度分布36および38の合成強
度分布40は、一定の強度を示すようになる。従って、
第1領域における光の合成パワーを一定にできる。ま
た、第1領域において光強度が3dB減少する位置は、
それぞれ上述した位置P1およびP4となる。従って、
光パワーの広がりが、個々のガウス分布に比べて2倍に
増える。
【0058】尚、距離Wは、光信号の波長をλとし、各
連絡導波路16が入力端面18aに接続する端部の口径
すなわち出射開口をdとし、光信号の波面中心28が入
力端面18aから出力端面18bに向けて伝播する距離
をLとしたとき、 W=L・λ/2d ・・・(1) と表すことができる。従って、入射位置30aおよび3
0bが第1領域外に設定されるためには、W>D1とな
るように出力側平面導波路18および連絡導波路16を
設計するのが好適である。
【0059】以上説明したように、この構成例では、光
のパワーが出力端面18bの比較的広い領域に分布する
ようになる。そして、各連絡導波路16から出力される
光の干渉パタンは、曲線40を包絡線として定まる複数
の透過ピークからなる。図3のグラフにおいて、実線で
示す曲線42はそれぞれの透過ピークを表している。個
々の透過ピーク42の最大強度は、曲線40で示す光の
強度で定まる。この実施の形態では、上述したように、
第1領域における光の合成パワーを一定にしてあるの
で、第1領域に現れる個々の透過パワーの最大強度を一
定にすることができる。この第1領域は、各出力導波路
20の一端が接続されている領域である。従って、各出
力導波路20に出射される光の強度が一定に揃えられ
る。また、透過ピークは波長に応じた位置に現れるの
で、各出力導波路20の一端は波長に応じた位置に接続
されている。よって、各出力ポート22a〜22cに異
なる波長の光を導くことができ、しかも、これらの光の
強度は一定となる。
【0060】尚、図1に示す構成例は2焦点型の例であ
るが、入射位置の数はこれに限られない。例えば、図4
に示す構成例は、6本の連絡導波路16から入射される
光の波面中心が伝播される入射位置を6つにした場合、
すなわち、無焦点型の例である。図4は、この変形例を
示す平面図であり、この変形例の連絡導波路16は、図
1に示す構成と異なる波面変換構造26aを有してい
る。
【0061】この波面変換構造26aは、波面変換構造
26と同様に、光信号の波面中心28が出力端面18b
の複数の入射位置に向けて各連絡導波路16から出射さ
れる構造である。そして、これら入射位置は、出力導波
路20の一端が接続される出力端面18bの第1領域を
含み、かつ、これより大きな第2領域に散在している。
従って、この変形例のように、光の波面中心28をラン
ダムに分散させた場合であっても、上述した効果を奏す
る。
【0062】また、上述した2つの構成例では、隣接す
る連絡導波路16の入力端面18aにおける接続位置を
一定間隔(以下、ピッチと称する。)にしておくのが好
適である。例えば、図1では、連絡導波路16aが入力
端面18aに接続する位置と、連絡導波路16bが入力
端面18aに接続する位置との間の距離が上述したピッ
チに相当している。このように構成すると、出力端面1
8bにおける各出力導波路20の接続位置が異なること
によって、連絡導波路16で光に与えた位相差が均一に
ならなくなってしまうことを防ぐことができる。つま
り、各出力導波路20に到達する光の位相差を、出力導
波路20によらず一定にすることができる。従って、干
渉パタンが乱れてしまうことがない。
【0063】また、図1および図4に示す構成例では、
複数の入射位置に光の波面中心が伝播されるように連絡
導波路16を設けてあるので、従来のように、中点34
を基準とした設計をすることが困難である。そして、各
連絡導波路16の取り付け方向が、個別の連絡導波路1
6に応じて異なっているので設計が容易でない。しかし
ながら、例えば、文献2「Journal of Li
ghtwave Technology Vol.1
4,pp.985−990,1996年6月」に開示さ
れている遂次計算法によれば、容易に設計することが可
能である。
【0064】尚、入力導波路12、連絡導波路16およ
び出力導波路20の個数や材質は、上述した構成例に限
られない。また、入力側平面導波路14や出力側平面導
波路18の形状や材質も上述した構成例に限られるもの
ではない。
【0065】また、上述した波面変換構造26および2
6aは、出力側平面導波路18の近傍だけではなく、入
力側平面導波路14の近傍にも設けられている(図
2)。すなわち、この合分波素子は、基板24の中心I
−Iに関して線対称となっている。従って、入力ポート
10a〜10c側から光を入射させるときだけではな
く、出力ポート22a〜22c側から光を入射させる場
合であっても、上述した機能が達成される。
【0066】[第2の実施の形態]次に、第2の実施の
形態につき説明する。図5は、第2の実施の形態の構成
を示す平面図である。図5(A)に出力側平面導波路1
8の近傍を示してあり、図5(B)に連絡導波路16a
と出力側平面導波路18との接続部分を拡大して示して
ある。尚、図1の構成要素と同じものには同じ番号を付
して示し、また、重複する説明を省略する。
【0067】図5に示す波面変換構造26bでは、入力
端面18aに接続する各連絡導波路16の端部を分岐さ
せてある。例えば、図5(B)には、連絡導波路16a
の端部46を示してある。端部46は、入力端面18a
に接続される連絡導波路16aの先端部分である。この
構成例では、端部46を光信号のパワーが集中する方向
32から等しく傾かせたY分岐としてある。すなわち、
端部46は2つの分岐44aおよび44bに分離されて
おり、これら分岐44aおよび44bの先端がそれぞれ
入力端面18aに接続されている。このように、端部4
6はY字状に分岐しており、すなわち、Y分岐となって
いる。連絡導波路16aを伝搬された光は、この端部4
6で2方向に等分されてから出力側平面導波路18にそ
れぞれ入射される。
【0068】そして、これら分岐44aおよび44bが
延在する方向は、分岐44aから出射される光の波面中
心28が入射位置30aに向けて伝播されるように、か
つ、分岐44bから出射される光の波面中心28が入射
位置30bに向けて伝播されるように、定められてい
る。また、この構成例では、これら分岐44aおよび4
4bが延在する方向は、この連絡導波路16aから出射
される光のパワーが集中する方向32から、それぞれ等
しい角度θだけ傾いている。このような構成を各連絡導
波路16a〜16fの各々が有している。従って、2焦
点型の構成が得られる。また、各連絡導波路16の取り
付け方向を、各連絡導波路16から出力される光のパワ
ーが集中する方向32を基準として定めることができる
ので、設計が容易である。
【0069】尚、図5(B)に示すように、各分岐44
aおよび44bが接続される入力端面18aに傾きをも
たせてある。このように入力端面18aの形状を工夫す
ることにより、各分岐44aおよび44bの延在する方
向が入力端面18aに対して垂直となるようにできる。
従って、光の入力動作が、この接続部分で良好に行われ
る。また、上述したように、分岐44aと方向32とが
なす角度と、分岐44bと方向32とがなす角度とを、
必ずしも同じ角度θにしなくてもよい。さらに、分岐数
も2つに限られない。
【0070】[第3の実施の形態]上述した構成例で
は、各連絡導波路16の全長を互いに異ならせることに
よって光に位相差を与えたが、この機能を達成させるた
めの構成は、この構成例に限られない。図6は、第3の
実施の形態の構成を示す平面図である。尚、図2の構成
要素と同じものには同じ番号を付して示してある。
【0071】図6に示す構成例では、図2に示した構成
の入力側平面導波路14、連絡導波路16および出力側
平面導波路18の代りに、それぞれ入力側平面導波路4
8、連絡導波路50および出力側平面導波路52を具え
ている。そして、この構成例では、各連絡導波路50の
全長、すなわち各連絡導波路50の部分での光伝播経路
の長さが互いに等しくなるように、入力側および出力側
平面導波路48および52の形状を工夫してある。すな
わち、この構成例では、各連絡導波路50の各々の全長
が互いに等しくなるように、第1接続部分(端面48
a)から入力側平面導波路48および各連絡導波路50
の第3接続部分(端面48b)に至る複数の光伝播経路
の光路長を違えてある。
【0072】つまり、この構成例では、各連絡導波路5
0の全長を異ならせることによって光信号に位相差を与
えるのではなく、入力側平面導波路48において光信号
に位相差を与える構成となっている。すなわち、第1接
続部分(端面48a)から第3接続部分(端面48b)
までのそれぞれの光の伝播経路の光路長を違えて、それ
ぞれの伝播経路を進む光に位相差を与える。逆に、この
ように構成してあるので、各連絡導波路の全長を等しく
しても、所定の機能が達成される。尚、図6では各連絡
導波路50の全長を必ずしも等しく示していないが、実
際には、各連絡導波路50のそれぞれの全長は等しくな
っている。
【0073】図6に示す構成例では、入力側平面導波路
48の端面48aおよび端面48bがそれぞれ凸面とな
るように湾曲している。そして、上述したように構成す
るため、入力側平面導波路48の出力側の端面48bに
は、回折格子構造が設けられている。この構成例では、
基板主面24aに対して垂直な方向に延在する4本の溝
を出力端面48bに設けることで、この回折格子構造を
形成している。各溝は、基板主面24aに対して垂直な
方向からみた入力側平面導波路48の出力端面48bが
略V字形状となるように形成されている。そして、これ
らの溝でもって、5つの格子が階段状に連なるような面
形状が出力端面48bに形成されている。各連絡導波路
50の各々の一端は、これら格子にそれぞれ接続され
る。
【0074】また、出力側に設けられた出力側平面導波
路52の入力端面52aにも、図中においてI−I線に
関して線対称となるように、入力側平面導波路48の端
面48bと同様の回折格子構造が形成されている。この
出力側平面導波路52は、主として合波素子として機能
する。各連絡導波路50をそれぞれ通過して出力側平面
導波路52に入射した光信号の間には、それぞれ所定の
位相差が与えられており、これがため各光信号は互いに
干渉し合い、所定の出力導波路20に振り分けられる。
また、この実施の形態では、出力側平面導波路52を上
述したように構成してあるので、出力ポート22a〜2
2c側から光信号を入力させても、合分波素子として機
能する。
【0075】以上説明したように、入力側平面導波路4
8および出力側平面導波路52の各々は、回折格子構造
を有した端面を具えている。このように構成すると、連
絡導波路50で光に位相差を与えるのではないから、連
絡導波路50の幅の作成誤差によって波長ずれが生じて
しまうことを抑制することができる。そして、このよう
な構成に対しても、第1および第2の実施の形態で説明
した波面変換構造26(26a、26b)を付加するこ
とが可能である。従って、この構成例によれば、波長ず
れの心配が少なく、しかも、各出力ポート22a〜22
cから出力される光の強度が一定である合分波素子が得
られる。
【0076】[第4の実施の形態]次に、第4の実施の
形態につき説明する。図9は、第4の実施の形態の構成
を示す平面図である。図9には、連絡導波路16と出力
側平面導波路18との接続部分を拡大して示してある。
【0077】この実施の形態では、波面変換構造とし
て、入力端面18aとの接続部分近傍における各連絡導
波路16の幅が当該入力端面18aに近づくにつれて小
さくなるように、テーパ構造60を設けてある。このよ
うに、この構成例は、連絡導波路16の端部をテーパ構
造60に形成することによって、上述した透過光強度の
包絡線を制御するものである。
【0078】図9(A)には、テーパ構造60のテーパ
開始位置での幅が連絡導波路16の通常部分における幅
と同一である例が示されている。すなわち、連絡導波路
16の幅は入力端面に近くなるに従い連続的に徐々に小
さくなる。
【0079】また、図9(B)には、テーパ構造60の
テーパ開始位置での幅が連絡導波路16の通常部分にお
ける幅と異なる例が示されている。すなわち、連絡導波
路16の幅はテーパ開始位置で一旦太くなり、それ以降
では入力端面に近づくにつれて徐々に小さくなる。これ
ら図9(A)および図9(B)に示すいずれの構成であ
っても良い。
【0080】また、テーパ構造60の幅の小さくなる割
合(率、速さ)が入力端面18aに近づくにつれて小さ
くなっている。このように、テーパ構造60の幅を入力
端面18aに向けて直線的に狭くするよりも、例えば指
数関数的あるいは4乗関数的に狭くしてゆく方が好まし
い。また、テーパ構造60の側面部を湾曲させ、その湾
曲線の接線が導波路内側(コア側)に向くように、すな
わち、導波路内側に向けて湾曲面が凸となるように形成
すると良い。
【0081】図10は、BPM(Beam Propagation Met
hod )によるシミュレーション結果を示すグラフであ
り、光強度分布の様子を示す図である。図10には、シ
ミュレーション結果と共にテーパ構造60の設計例が示
してある。図10に示すグラフの横軸には、連絡導波路
16の延在する方向に対して直交する方向(以下、横方
向と称する。)のサイズをμm単位で取り、−20μm
から20μmの範囲を1μm毎に目盛って示してある。
また、縦軸には、連絡導波路16の延在する方向(以
下、縦方向と称する。)のサイズをμm単位で取り、−
10μmから230μmの範囲を10μm毎に目盛って
示してある。グラフ中の各曲線は、横方向サイズおよび
縦方向サイズで示す位置における光強度の大きさを表
す。また、グラフ中の黒塗り部分は、連絡導波路16の
テーパ構造60および出力側平面導波路18の一部を表
す。
【0082】ここで、図10を参照して、このシミュレ
ーションにおいて設計した導波路構造の各部のサイズに
つき簡単に説明する。先ず、連絡導波路16の通常部分
における幅は2μmである。また、連絡導波路16のテ
ーパ構造60の部分の全長は50μmである。さらに、
この連絡導波路16のテーパ開始位置における幅は5μ
mである。
【0083】以上説明したように設計を行い、BPMに
よるシミュレーションを行った結果、連絡導波路16、
テーパ構造60および出力側平面導波路18を経て伝播
する光の強度分布は図10に示すように変化する。図1
0に示すように、テーパ構造60に至る以前の連絡導波
路16中では1つの光強度ピークだけが現れている。し
かし、光がテーパ構造60を経て出力側平面導波路18
に至ると、その光強度には2つのピークが現れるように
なり、次第に各ピークが横方向に離間しながら進行方向
に伝播してゆく。よって、光が広い範囲に拡散されるの
で、出力導波路20の位置で所定のテーブル形状の光強
度包絡線が得られる。
【0084】このように、テーパ構造60を設けること
により、連絡導波路16と出力側平面導波路18との接
続面でのモード界分布が適切に設定される。この結果、
光の透過ピーク強度を均一化させることができる。
【0085】また、この実施の形態で説明した構造は、
第2の実施の形態の構造に比べて、以下に挙げる理由か
ら優れている。第1に、第2の実施の形態のように分岐
構造を用いると、各連絡導波路間の間隔を通常より大き
く設計する必要がある。従って、設計上の制限が生じ
る。第2に、比較的強い閉じ込めの導波路を用いた場合
には、分岐部分において光の散乱が生じることがある。
これに対して、この実施の形態の場合には、このような
分岐構造を有していないので、上述した問題が生じな
い。
【0086】[第5の実施の形態]次に、第5の実施の
形態につき説明する。図11は、第5の実施の形態の構
成を示す平面図である。図11には、連絡導波路16と
出力側平面導波路18との接続部分を拡大して示してあ
る。
【0087】この実施の形態では、入力端面18aとの
接続部分近傍における各連絡導波路16が通常部分62
aおよび幅広部分62bにより構成されている。そし
て、波面変換構造として、幅広部分62bの幅が通常部
分62aの幅に比べて大きくなっているといった構造を
具えている。このように、この構成例は、連絡導波路1
6の端部の幅を太くすることによって、上述した透過光
強度の包絡線を制御するものである。
【0088】図11(A)には、幅広部分62bを四角
形状にした例が示されている。つまり、この構成例の場
合、幅広部分62bの幅が一定である。
【0089】また、図11(B)には、幅広部分62b
と通常部分62aとの間に、テーパ部分64を設けた構
成が示されている。すなわち、各連絡導波路16におけ
る通常部分62aと幅広部分62bとの間が、入力端面
18aに近づくにつれて幅が大きくなるテーパ部分64
を介して結合している。このテーパ部分64により、幅
広部分62bで励起されるモードが制御される。つま
り、多モード導波路における固有モードの中で、どの次
数のモードをどの程度の割合で励起させるかが制御され
る。
【0090】図12は、BPMによるシミュレーション
結果を示すグラフであり、光強度分布の様子を示す図で
ある。図12には、シミュレーション結果と共にテーパ
構造16の設計例が示してある。図12に示すグラフの
横軸には、横方向のサイズをμm単位で取り、−20μ
mから20μmの範囲を1μm毎に目盛って示してあ
る。また、縦軸には、縦方向のサイズをμm単位で取
り、−20μmから230μmの範囲を5μm毎に目盛
って示してある。グラフ中の各曲線は、横方向サイズお
よび縦方向サイズで示す位置における光強度の大きさを
表す。また、グラフ中の黒塗り部分は、連絡導波路16
の通常部分62a、幅広部分62bおよび出力側平面導
波路18の一部を表す。
【0091】ここで、図12を参照して、このシミュレ
ーションにおいて設計した導波路構造の各部のサイズに
つき簡単に説明する。先ず、連絡導波路16の通常部分
62aにおける幅は2μmである。また、連絡導波路1
6の幅広部分62bにおける全長は20μmであり、こ
の幅広部分62bの幅は7μmである。
【0092】以上説明したように設計を行い、BPMに
よるシミュレーションを行った結果、連絡導波路16の
通常部分62a、幅広部分62bおよび出力側平面導波
路18を経て伝播する光の強度分布は図12に示すよう
に変化する。図12に示すように、幅広部分62bに至
る前の連絡導波路16中では1つの光強度ピークだけが
現れているが、幅広部分62bを経て出力側平面導波路
18に至ると2つのピークが現れるようになり、次第に
各ピークが横方向に離間しながら進行方向に伝播してゆ
く。よって、光が広い範囲に拡散されるので、出力導波
路20の位置で所定のテーブル形状の光強度包絡線が得
られる。
【0093】このように、幅広部分62bを設けること
により、連絡導波路16と出力側平面導波路18との接
続面でのモード界分布が適切に設定される。この結果、
光の透過ピーク強度を均一化させることができる。
【0094】尚、第4の実施の形態の構成と同様に、こ
の実施の形態で説明した構造では分岐構造を用いていな
いので、設計上の制限が無く、光の散乱が抑制されると
いった利点がある。
【0095】[第6の実施の形態]次に、第6の実施の
形態につき説明する。図13は、第6の実施の形態の構
成を示す平面図である。図13には、連絡導波路16と
出力側平面導波路18との接続部分を拡大して示してあ
る。
【0096】この実施の形態では、波面変換構造とし
て、各連絡導波路16の延在する方向に対して斜めに配
向した界面を有した斜め導波路構造66が、各連絡導波
路16の端部との結合部分において略V字形状の境界面
を形成するように、入力端面18aに設けられている。
このように、この構成例では、連絡導波路16の端部か
ら出力した光がその進行方向に対して斜めに配向した界
面を介して出力側平面導波路18に入射することによ
り、波面が制御され、上述した透過光強度の包絡線が制
御される。図13には、4つの構成例が示されている。
以下、各構成例につき順次に説明する。
【0097】先ず、図13(A)に示す第1構成例で
は、斜め導波路構造66の斜め界面に接した状態で、連
絡導波路16のフラット終端部が設けられている。すな
わち、斜め導波路構造66の界面で形成された略V字形
状の凹面部分に、短冊状の連絡導波路16の終端部分が
位置している。
【0098】図13(B)に示す第2構成例では、各斜
め導波路構造66との接続部分近傍における各連絡導波
路16の幅が入力端面18aに近づくにつれて小さくな
っている。すなわち、連絡導波路16の端部近傍をテー
パ構造68として形成してある。そして、そのテーパ構
造68の端部が、斜め導波路構造66の略V字形状凹面
部分の中央の位置に接続している。
【0099】図13(C)に示す第3構成例では、各斜
め導波路構造66との接続部分近傍における各連絡導波
路16の端部に低屈折率領域70を設けることによって
各連絡導波路16の端部を分岐させてある。図13
(C)に示すように、連絡導波路16の端部が2分岐さ
れ、各分岐した端部が斜め導波路構造66の斜め界面に
接続している。
【0100】図13(D)に示す第4構成例では、入力
端面18aとの結合部分近傍における各連絡導波路16
の端部を、当該入力端面18aに近づくにつれて幅が小
さくなるテーパ構造72としてあり、入力端面18aか
ら離間するにつれて幅が小さくなる斜め導波路構造66
を、テーパ構造72に近接させて配置してある。このよ
うに、連絡導波路16の端部をテーパ構造72にし、そ
のテーパ構造72に近接させてかつ接触しないように斜
め導波路構造66を設けてある。従って、テーパ構造7
2の側面部が斜め導波路構造66の斜め界面に沿うよう
に配置される。
【0101】図14は、斜め導波路構造66における光
波面の様子を示す平面図である。連絡導波路16から出
力した光は、斜め導波路構造66において、回折現象お
よび斜め界面における光波面のトンネル現象により、斜
め界面の側に引き寄せられる。図14に示すように、光
波面74は伝播方向76の方に引き寄せられる。従っ
て、図13(A)〜(D)に示す構成によれば、連絡導
波路16から出力した光は斜め導波路構造66を経て2
つのビームに分割される。そして、出力側平面導波路1
8内において、各ビームが互いに離間しながら進行して
ゆき、光が拡散する。よって、光が広い範囲にわたり拡
散し、出力導波路20の位置で所定のテーブル形状の光
強度包絡線が得られる。
【0102】次に、図13(A)〜(D)に示した各構
成の設計例とシミュレーション結果とを順次に説明す
る。
【0103】<第1構成の設計例およびシミュレーショ
ン結果>図15は、図13(A)に示した構成例に対す
るBPMによるシミュレーション結果を示すグラフであ
り、光強度分布の様子を示す図である。図15には、シ
ミュレーション結果と共にテーパ構造16の設計例が示
してある。図15に示すグラフの横軸には、横方向のサ
イズをμm単位で取り、−25μmから25μmの範囲
を1μm毎に目盛って示してある。また、縦軸には、縦
方向のサイズをμm単位で取り、−45μmから235
μmの範囲を5μm毎に目盛って示してある。グラフ中
の各曲線は、横方向サイズおよび縦方向サイズで示す位
置における光強度の大きさを表す。また、グラフ中の黒
塗り部分は、連絡導波路16、斜め導波路構造66およ
び出力側平面導波路18の一部を表す。
【0104】図15を参照して、このシミュレーション
において設定した導波路構造の各部のサイズにつき簡単
に説明する。先ず、連絡導波路16の幅は2μmであ
る。また、連絡導波路16の斜め導波路構造66部分の
全長は15μmである。
【0105】以上設計した構造に対してシミュレーショ
ンを行うと、連絡導波路16、斜め導波路構造66およ
び出力側平面導波路18を経て伝播する光の強度分布が
図15に表すように変化する。図15に示すように、斜
め導波路構造66に至る前の連絡導波路16中では1つ
の光強度ピークだけが示されているが、斜め導波路構造
66を経て出力側平面導波路18内に至ると2つのピー
クを示すようになり、次第に各ピークが横方向に離間し
ながら進行方向に伝播してゆく。よって、光が広い範囲
に拡散されるので、出力導波路20の位置で所定のテー
ブル形状の光強度包絡線が得られる。
【0106】このように、斜め導波路構造66を設ける
ことにより、連絡導波路16と出力側平面導波路18と
の接続面でのモード界分布が適切に設定される。この結
果、光の透過ピーク強度を均一化させることができる。
【0107】<第2構成の設計例およびシミュレーショ
ン結果>図16は、図13(B)に示した構成例に対す
るBPMによるシミュレーション結果を示すグラフであ
り、光強度分布の様子を示す図である。図16には、シ
ミュレーション結果と共にテーパ構造68の設計例が示
してある。図16に示すグラフの横軸には、横方向のサ
イズをμm単位で取り、−25μmから25μmの範囲
を1μm毎に目盛って示してある。また、縦軸には、縦
方向のサイズをμm単位で取り、0μmから240μm
の範囲を10μm毎に目盛って示してある。グラフ中の
各曲線は、横方向サイズおよび縦方向サイズで示される
位置における光強度の大きさを表す。また、グラフ中の
黒塗り部分は、連絡導波路16、テーパ構造68、斜め
導波路構造66および出力側平面導波路18の一部を表
す。
【0108】図16を参照して、このシミュレーション
において設計した導波路構造の各部のサイズにつき簡単
に説明する。先ず、連絡導波路16の幅は2μmであ
る。また、連絡導波路16の斜め導波路構造66部分の
全長は20μmである。さらに、連絡導波路16のテー
パ構造68部分の全長は40μmである。
【0109】以上設計した構造に対してシミュレーショ
ンを行うと、連絡導波路16、テーパ構造68、斜め導
波路構造66および出力側平面導波路18を経て伝播す
る光の強度分布が図16に表すように変化する。図16
に示すように、斜め導波路構造66に至る前の連絡導波
路16中では1つの光強度ピークだけが示されている
が、斜め導波路構造66を経て出力側平面導波路18内
に至ると2つのピークを示すようになり、次第に各ピー
クが横方向に離間しながら進行方向に伝播してゆく。よ
って、光が広い範囲に拡散されるので、出力導波路20
の位置で所定のテーブル形状の光強度包絡線が得られ
る。
【0110】このように、斜め導波路構造66を設ける
ことにより、連絡導波路16と出力側平面導波路18と
の接続面でのモード界分布が適切に設定される。この結
果、光の透過ピーク強度を均一化させることができる。
【0111】<第3構成の設計例およびシミュレーショ
ン結果>図17は、図13(C)に示した構成例に対す
るBPMによるシミュレーション結果を示すグラフであ
り、光強度分布の様子を示す図である。図17には、シ
ミュレーション結果と共に低屈折率領域70の設計例が
示してある。図17に示すグラフの横軸には、横方向の
サイズをμm単位で取り、−20μmから20μmの範
囲を1μm毎に目盛って示してある。また、縦軸には、
縦方向のサイズをμm単位で取り、10μmから230
μmの範囲を5μm毎に目盛って示してある。グラフ中
の各曲線は、横方向サイズおよび縦方向サイズで示す位
置における光強度の大きさを表す。また、グラフ中の黒
塗り部分は、連絡導波路16、斜め導波路構造66およ
び出力側平面導波路18の一部を表す。
【0112】図17を参照して、このシミュレーション
において設計した導波路構造の各部のサイズにつき簡単
に説明する。先ず、連絡導波路16の幅は2μmであ
る。また、連絡導波路16の斜め導波路構造66部分の
全長は20μm程度である。さらに、低屈折率領域70
部分の全長は10μm程度である。
【0113】以上設計した構造に対してシミュレーショ
ンを行うと、連絡導波路16、斜め導波路構造66およ
び出力側平面導波路18を経て伝播する光の強度分布が
図17に表すように変化する。図17に示すように、斜
め導波路構造66に至る前の連絡導波路16中では1つ
の光強度ピークだけが示されているが、斜め導波路構造
66を経て出力側平面導波路18内に至ると2つのピー
クを示すようになり、次第に各ピークが横方向に離間し
ながら進行方向に伝播してゆく。よって、光が広い範囲
に拡散されるので、出力導波路20の位置で所定のテー
ブル形状の光強度包絡線が得られる。
【0114】このように、斜め導波路構造66を設ける
ことにより、連絡導波路16と出力側平面導波路18と
の接続面でのモード界分布が適切に設定される。この結
果、光の透過ピーク強度を均一化させることができる。
【0115】<第4構成の設計例およびシミュレーショ
ン結果>図18は、図13(D)に示した構成例に対す
るBPMによるシミュレーション結果を示すグラフであ
り、光強度分布の様子を示す図である。図18には、シ
ミュレーション結果と共にテーパ構造72の設計例が示
してある。図18に示すグラフの横軸には、横方向のサ
イズをμm単位で取り、−20μmから20μmの範囲
を1μm毎に目盛って示してある。また、縦軸には、縦
方向のサイズをμm単位で取り、−40μmから270
μmの範囲を10μm毎に目盛って示してある。グラフ
中の各曲線は、横方向サイズおよび縦方向サイズで示す
位置における光強度の大きさを表す。また、グラフ中の
黒塗り部分が連絡導波路16、テーパ構造72、斜め導
波路構造66および出力側平面導波路18の一部を表
す。
【0116】図18を参照して、このシミュレーション
において設計した導波路構造の各部のサイズにつき簡単
に説明する。先ず、連絡導波路16の幅は2μmであ
る。また、連絡導波路16の斜め導波路構造66部分の
全長は80μm程度である。さらに、連絡導波路16の
テーパ構造72部分の全長は60μm程度である。
【0117】以上設計した構造に対してシミュレーショ
ンを行うと、連絡導波路16、テーパ構造72、斜め導
波路構造66および出力側平面導波路18を経て伝播す
る光の強度分布が図18に表すように変化する。図18
に示すように、斜め導波路構造66に至る前の連絡導波
路16中では1つの光強度ピークだけが示されている
が、斜め導波路構造66を経て出力側平面導波路18内
に至ると2つのピークを示すようになり、次第に各ピー
クが横方向に離間しながら進行方向に伝播してゆく。よ
って、光が広い範囲に拡散されるので、出力導波路20
の位置で所定のテーブル形状の光強度包絡線が得られ
る。
【0118】このように、斜め導波路構造66を設ける
ことにより、連絡導波路16と出力側平面導波路18と
の接続面でのモード界分布が適切に設定される。この結
果、光の透過ピーク強度を均一化させることができる。
【0119】以上説明した第6の実施の形態の構成で
は、光路中に低屈折率領域が入り込むため、閉じ込めの
強い導波路を用いると光の散乱が生じるおそれがある。
しかし、第2の実施の形態のような分岐構造を用いるよ
りも、連絡導波路16と入力端面18aとの接続部分を
小さく構成できるので、各連絡導波路16を密に並べて
小型化することが可能である。
【0120】
【発明の効果】この発明の合分波素子によれば、光信号
の波面中心が出力端面上の複数の入射位置に向けて各連
絡導波路から出射されるように、入力端面と接続する側
の連絡導波路に波面変換構造を設けてある。このよう
に、光信号の波面中心が出力端面の複数の位置に集光さ
れるようにしてあるため、従来のように1点に集光され
ない。従って、波面中心の伝播する方向と光パワーが集
中する方向とを分離することができるから、出力端面に
おける光パワーの広がりが従来に比べて大きくなる。よ
って、出力導波路および出力端面の各接続点で、光のパ
ワーを等しくすることが可能になる。すなわち、各出力
ポートから等しいパワーの光が出力される。
【0121】また、この発明の合分波素子によれば、入
射位置は、出力導波路の一端が接続される出力端面の第
1領域を含みかつこれより大きな第2領域に、散在して
おり、各光信号の波面中心の合成パワーが第1領域で一
定になるようにしてある。このように構成してあるの
で、光信号の波面中心は、出力端面の複数の位置に集光
される。従って、出力端面における光パワーの広がりを
従来に比べて大きくできる。また、第1領域における光
の合成パワーを一定にしてあるから、この第1領域にお
ける透過ピークの強度が、出力端面および出力導波路の
接続位置によらず一定になる。従って、各出力ポートか
ら等しいパワーの光が出力される。
【0122】また、この発明の合分波素子によれば、隣
接する連絡導波路の入力端面における接続位置を一定間
隔で離間させてある。このように構成すると、連絡導波
路で光に与えた位相差が、出力導波路の接続位置によっ
てばらついてしまうのを防げる。従って、所期の干渉パ
タンが得られる。
【0123】また、この発明の合分波素子によれば、入
力端面に接続する各連絡導波路の端部を分岐させてあ
る。このように構成すると、光信号の波面中心が出力端
面の複数の位置に集光されるようになる。従って、従来
のように1点に集光されないので、出力端面における光
パワーの広がりが従来に比べて大きくなる。よって、各
出力ポートから等しいパワーの光が出力される。
【0124】また、この発明の合分波素子によれば、端
部を光信号のパワーが集中する方向から等しく傾かせた
Y分岐としてある。このように構成すると、光信号の波
面中心が出力端面の2点に集光されるようになる。ま
た、Y分岐すなわちY字状に分岐される各連絡導波路
は、互いに波面中心から等しい角度だけ傾くように設計
すればよいので、設計が容易である。
【0125】また、この発明の合分波素子によれば、各
連絡導波路の各々の全長が互いに等しくなるように、第
1接続部分から入力側平面導波路および各連絡導波路の
第3接続部分に至る複数の光伝播経路の光路長を違えて
ある。このように、入力導波路から入射して各連絡導波
路に到達する光信号が、それぞれ異なる長さの光路長を
伝播されるように構成されている。従って、入力側平面
導波路内を伝播して各連絡導波路に達した光信号は、そ
れぞれ異なった位相状態となっている。よって、連絡導
波路の全長を異ならせなくても所期の機能が得られる。
さらに、連絡導波路で位相差を与えているのではないか
ら、連絡導波路幅の作成誤差による波長ずれが生じにく
い構成が得られる。
【0126】また、この発明の合分波素子によれば、連
絡導波路の端部をテーパ形に構成することにより、連絡
導波路と出力側平面導波路との接続面でのモード界分布
が適切に設定される。この結果、光の透過ピーク強度を
均一化させることができる。
【0127】また、この発明の合分波素子によれば、幅
広部分を設けることにより、連絡導波路と出力側平面導
波路との接続面でのモード界分布が適切に設定される。
この結果、光の透過ピーク強度を均一化させることがで
きる。
【0128】また、この発明の合分波素子によれば、連
絡導波路の端部に斜め導波路構造を配置させることによ
り、連絡導波路と出力側平面導波路との接続面でのモー
ド界分布が適切に設定される。この結果、光の透過ピー
ク強度を均一化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】実施の形態の合分波素子の構成を示す図であ
る。
【図3】実施の形態の光強度分布を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の変形例を示す図である。
【図5】第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図6】第3の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】従来構成を示す図である。
【図8】従来の光強度分布を示す図である。
【図9】第4の実施の形態の構成を示す図である。
【図10】光強度分布の様子を示す図である。
【図11】第5の実施の形態の構成を示す図である。
【図12】光強度分布の様子を示す図である。
【図13】第6の実施の形態の構成を示す図である。
【図14】光波面の様子を示す図である。
【図15】光強度分布の様子を示す図である。
【図16】光強度分布の様子を示す図である。
【図17】光強度分布の様子を示す図である。
【図18】光強度分布の様子を示す図である。
【符号の説明】
10a〜10c:入力ポート 12:入力導波路 14,48:入力側平面導波路 14a,14b,18a,18b,24b,24c,4
8a,48b,52a:端面 16,50,106:連絡導波路 18,52,100:出力側平面導波路 20,108:出力導波路 22a〜22c:出力ポート 24:基板 24a:主面 26,26a,26b:波面変換構造 28,114:波面中心 30a,30b:入射位置 32:光パワーが集中する方向 34,112:中点 44a,44b:分岐 46:端部 60:テーパ構造 62a:通常部分 62b:幅広部分 64:テーパ部分 66:斜め導波路構造 68:テーパ構造 70:低屈折率領域 72:テーパ構造 74:波面 76:伝播方向 102:入力端面 104:出力端面 110:導波路アレイ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光信号が入力する複数の入力ポートと、
    それぞれ一端が対応する前記入力ポートに接続された複
    数の入力導波路と、これら入力導波路の他端が接続され
    た入力側平面導波路と、それぞれ一端が前記入力側平面
    導波路に接続された複数の連絡導波路と、これら連絡導
    波路の他端が接続された入力端面を有する出力側平面導
    波路と、該出力側平面導波路の出力端面に一端が接続さ
    れた複数の出力導波路と、これら出力導波路の他端が接
    続された光信号が出力する複数の出力ポートとを具えて
    おり、 光信号に位相差を与えるため、前記入力導波路および前
    記入力側平面導波路の第1接続部分から各前記連絡導波
    路および前記出力側平面導波路の第2接続部分に至る複
    数の光伝播経路の各光路長を異ならせてなる合分波素子
    において、 光信号の波面中心が前記出力端面上の複数の入射位置に
    向けて各前記連絡導波路から出射されるように、前記入
    力端面と接続する側の前記連絡導波路に波面変換構造を
    設けてあることを特徴とする合分波素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の合分波素子において、 前記入射位置は、前記出力導波路の一端が接続される前
    記出力端面の第1領域を含みかつこれより大きな第2領
    域に、散在しており、 各前記光信号の波面中心の合成パワーが前記第1領域で
    一定になるようにしてあることを特徴とする合分波素
    子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の合分波素子において、 2つの前記入射位置を有することを特徴とする合分波素
    子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の合分波素子において、 隣接する前記連絡導波路の前記入力端面における接続位
    置を一定間隔で離間させてあることを特徴とする合分波
    素子。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の合分波素子において、 前記入力端面に接続する各前記連絡導波路の端部を分岐
    させてあることを特徴とする合分波素子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の合分波素子において、 前記端部を光信号のパワーが集中する方向から等しく傾
    かせたY分岐としてあることを特徴とする合分波素子。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の合分波素子において、 前記各連絡導波路の各々の全長が互いに等しくなるよう
    に、前記第1接続部分から前記入力側平面導波路および
    前記各連絡導波路の第3接続部分に至る複数の光伝播経
    路の光路長を違えてあることを特徴とする合分波素子。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の合分波素子において、 前記入力端面との接続部分近傍における各前記連絡導波
    路の幅が当該入力端面に近づくにつれて小さくなってい
    ることを特徴とする合分波素子。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の合分波素子において、 前記幅の小さくなる割合が前記入力端面に近づくにつれ
    て小さくなることを特徴とする合分波素子。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の合分波素子におい
    て、 前記入力端面との接続部分近傍における各前記連絡導波
    路が通常部分および幅広部分より構成されており、 前記幅広部分の幅が前記通常部分の幅に比べて大きいこ
    とを特徴とする合分波素子。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の合分波素子におい
    て、 前記幅広部分の幅が一定であることを特徴とする合分波
    素子。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の合分波素子におい
    て、 前記通常部分と前記幅広部分との間にさらにテーパ部分
    を画成してあり、 前記テーパ部分の幅が前記入力端面に近づくにつれて大
    きくなっていることを特徴とする合分波素子。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の合分波素子におい
    て、 各前記連絡導波路の延在する方向に対して斜めに配向し
    た界面を有した斜め導波路構造が、各前記連絡導波路の
    端部との結合部分において略V字形状の境界面を形成す
    るように、前記入力端面に設けられていることを特徴と
    する合分波素子。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の合分波素子におい
    て、 各前記斜め導波路構造との接続部分近傍における各前記
    連絡導波路の幅が前記入力端面に近づくにつれて小さく
    なることを特徴とする合分波素子。
  15. 【請求項15】 請求項13に記載の合分波素子におい
    て、 各前記斜め導波路構造との接続部分近傍における各前記
    連絡導波路の端部に低屈折率領域を設けることによって
    各前記端部を分岐させてあることを特徴とする合分波素
    子。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載の合分波素子におい
    て、 前記入力端面との結合部分近傍における各前記連絡導波
    路の端部を、当該入力端面に近づくにつれて幅が小さく
    なるテーパ構造としてあり、 前記入力端面から離間するにつれて幅が小さくなる前記
    斜め導波路構造を、前記テーパ構造に近接させて配置し
    てあることを特徴とする合分波素子。
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