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JPH11293178A - 塗料用含フッ素樹脂水性分散体 - Google Patents

塗料用含フッ素樹脂水性分散体

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Publication number
JPH11293178A
JPH11293178A JP11999798A JP11999798A JPH11293178A JP H11293178 A JPH11293178 A JP H11293178A JP 11999798 A JP11999798 A JP 11999798A JP 11999798 A JP11999798 A JP 11999798A JP H11293178 A JPH11293178 A JP H11293178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
acrylate
aqueous dispersion
dispersion
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11999798A
Other languages
English (en)
Inventor
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP11999798A priority Critical patent/JPH11293178A/ja
Publication of JPH11293178A publication Critical patent/JPH11293178A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性、耐水性および耐汚染性に優れ、かつ高
光沢の塗膜が得られる塗料用含フッ素樹脂水性分散体を
提供する。 【解決手段】全単量体の合計量を基準とする必須構成単
量体の割合が、(a)フルオロオレフィン:5〜70モ
ル%、(b)シクロヘキシル基に置換基を有しても良い
アクリル酸シクロヘキシルエステル:20〜80モル
%、(c)水酸基を除く親水性官能基を有するエチレン
性不飽和単量体:0.1〜10モル%である、単量体混
合物を乳化重合させて得られる含フッ素共重合体を水性
媒体中に分散させてなる塗料用含フッ素樹脂水性分散
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素樹脂水性
分散体に関するものであり、特に耐候性、耐水性および
耐汚染性に優れ、かつ高光沢の塗膜が得られる塗料用含
フッ素樹脂水性分散体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】塗料の分野において、人体への有害性や
地球環境保護の点から、塗料に含まれる有機溶剤の揮散
が問題になっており、かかる観点より、水系塗料の開発
が精力的に進められ、一般的に、乳化重合によって得ら
れる水性樹脂分散体が使用されている。その中でも、耐
候性および耐薬品性などに優れる含フッ素樹脂の水系塗
料が注目され、例えば、フルオロオレフィン、ポリオキ
シエチレン基含有マクロモノマーおよびヒドロキシル基
含有モノマーを必須成分とする共重合体の水性分散体
(特開平2−225550号公報)ならびにフルオロオ
レフィン、オレフィン、カルボン酸ビニルエステル、モ
ノエチレン性不飽和ジカルボン酸、内部架橋剤および反
応性乳化剤を乳化重合させて得られる水性樹脂分散体
(特開平3−33148号公報)などが提案されてい
る。しかしながら、前者は共重合体の親水性が強いため
耐水性に劣り、さらに塗膜が柔らかいため該共重合体を
使用した塗膜は付着した汚れが除去できず耐汚染性に劣
る。また、後者は水性樹脂分散体の樹脂粒子が架橋して
いるため、塗料の成膜性に劣り、さらに塗膜の光沢が低
く、耐候性も不十分であるという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする問題】本発明の目的は、優れ
た成膜性、耐汚染性、高光沢および耐候性を兼ね備えた
含フッ素樹脂水性分散体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、シクロヘキシル基に置換基を有しても良いア
クリル酸シクロヘキシルエステルを含む特定の組成の含
フッ素共重合体の水性分散体が、前記課題を解決するこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発
明は、全単量体の合計量を基準とする必須構成単量体の
割合が、(a)フルオロオレフィン:5〜70モル%、
(b)シクロヘキシル基に置換基を有しても良いアクリ
ル酸シクロヘキシルエステル:20〜80モル%、
(c)水酸基を除く親水性官能基を有するエチレン性不
飽和単量体:0.1〜10モル%である、単量体混合物
を乳化重合させて得られる含フッ素共重合体を水性媒体
中に分散させてなる塗料用含フッ素樹脂水性分散体であ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明における(a)フルオロオレフィンと
しては、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデンおよびフッ化ビニルなどが例
示される。これらの中でも、取扱いの容易さの面からク
ロロトリフルオロエチレンおよびテトラフルオロエチレ
ンが好ましい。
【0007】本発明における(b)シクロヘキシル基に
置換基を有しても良いアクリル酸シクロヘキシルエステ
ルとしては、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸te
rt-ブチルシクロヘキシル、アクリル酸ヒドロキシメチ
ルシクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシルメチル、
アクリル酸イソボルニル、アクリル酸アダマンチル、お
よびアクリル酸トリシクロデシニルなどが例示される。
これらの中でも、共重合性の面から、アクリル酸シクロ
ヘキシルが好ましい。
【0008】本発明における(c)水酸基を除く親水性
官能基を有するエチレン性不飽和単量体は、カルボキシ
ル基またはその塩、スルホン基またはその塩およびアミ
ノ基等の親水性官能基を有するエチレン性不飽和単量体
である。ここで、水酸基を有するエチレン性不飽和単量
体は後記乳化重合または水性分散体中の安定性が悪いた
め好ましくない。前記カルボキシル基を有するエチレン
性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸および
ビニル酢酸等が挙げられ、前記スルホン基を有する単量
体としては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、
アリルスルホン酸および2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸などが挙げられる。上記単量体の
塩としては、アンモニア、アミンまたはアルカリ金属に
よる塩が好ましい。
【0009】また、アミノ基を有する単量体としてはメ
タクリルアミド、アクリルアミド、ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート
およびアミノプロピルビニルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、分散体の製造時および保管時における
安定性に優れるという理由から、カルボキシル基または
その塩を有する単量体およびスルホン基またはその塩を
有する単量体が好ましい。
【0010】本発明における含フッ素共重合体における
上記必須構成単量体の割合は、全単量体の合計量を基準
として、(a):5〜70モル%、(b):20〜80
モル%および(c):0.1〜10モル%であり、好ま
しくは(a):20〜50モル%、(b):40〜70
モル%および(c):1〜8モル%である。(a)が6
0モル%を超えると、含フッ素共重合体の分散体の安定
性が低下し、5モル%未満であると含フッ素共重合体の
耐候性が低下する。(b)が80モル%を超えると耐候
性が低下し、10モル%未満であると得られる塗膜の光
沢と耐水性が低下する。また、(c)が10モル%を超
えると、塗膜の耐水性が低下し、0.1モル%未満であ
ると含フッ素共重合体の分散体の安定性が低下する。
【0011】本発明における含フッ素共重合体には、物
性を損なわない範囲でその他の単量体を共重合してもよ
く、かかる共単量体としては、エチレン、プロピレンお
よびイソブチレンなどのα−オレフィン類、塩化ビニル
および塩化ビニリデンなどのクロロエチレン類、エチル
ビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブ
チルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテルおよび
シクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエ
ーテル類、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル、ヴェオバ−9〔商品名:シェル化学
(株)製〕、シクロヘキサンカルボン酸ビニルおよび安
息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレートなどのメタクリレート類、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロビル、アク
リル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸t−
ブチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸エチルヘ
キシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、
アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル、アクリ
ル酸ベンジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、ア
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、アクリル酸クロロエチル、アクリル酸トリフルオ
ロエチルおよびアクリル酸ヘプタデカフルオロオクチル
エチルなどが挙げられる。
【0012】本発明における含フッ素共重合体のガラス
転移温度(以下、Tgという)は10〜60℃の範囲が
好適である。60℃を超えると塗膜にワレが発生しやす
く、10℃未満であると塗膜が軟化し、汚染物質が付着
し易くなる。含フッ素共重合体における分子量は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCとい
う)による数平均分子量(ポリスチレン換算)で500
0〜100万が好ましく、1万〜50万がより好まし
い。分子量が100万を超えると成膜性が低下し、50
00未満であると塗膜の強度が低下する。
【0013】本発明における含フッ素共重合体は、ラジ
カル発生型重合開始剤の存在下、前記(a)〜(c)成
分などを乳化重合させる方法で製造される。使用する乳
化剤としては、アニオン系/ノニオン系の併用が好まし
く、そのアニオン系乳化剤としては、パーフルオロオク
タノイックアシッドナトリウム塩、カリウム塩またはア
ンモニウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリ
ウム塩またはアンモニウム塩などのフッ素系アニオン乳
化剤、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムおよび
アルカンスルホン酸ナトリウムなどの炭化水素系アニオ
ン乳化剤が例示される。これらの中でも水性分散体の安
定性や塗膜のハジキ防止のため炭化水素系乳化剤が好ま
しい。ノニオン系乳化剤としてはポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ルなどの炭化水素系ノニオン乳化剤、パーフルオロアル
キルエチレンオキサイド付加体、モノヒドロポリフルオ
ロアルキルエチレンオキサイド付加体などのフッ素系ノ
ニオン乳化剤ならびにアクアロンRNシリーズ〔第一工
業製薬(株)社製〕などの反応性乳化剤が使用できる。
これらの中でも得られる共重合体の粒子径の細かさとコ
ストの点から炭化水素系ノニオン乳化剤が好ましく、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルおよびポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテルが特に好ましい。
【0014】前記ラジカル発生型重合開始剤としては、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリ
ーブチルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイドなどの油溶性有機過酸
化物、サクシニックアシッドパーオキサイドおよびター
シャリーブチルハイドロパーオキサイドなどの水溶性有
機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビ
スイソバレロニトリルなどの油溶性アゾ化合物、アゾビ
ス(イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩、アゾビ
ス(メチルイミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩、
アゾビスアミジノプロパン塩酸塩、アゾビスシアノバレ
リックアシッドなどの水溶性アゾ化合物、過硫酸アンモ
ニウムおよび過硫酸カリウムなどの水溶性無機過酸化物
が使用できる。これらの中でも水溶性の重合開始剤が好
ましい。また、レドックス重合させる場合は、還元剤と
して、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ロン
ガリットおよびアスコルビン酸などを併用することが好
ましい。
【0015】重合条件としては、特に限定されないが、
好ましい反応における好適な重合温度は20〜100℃
であり、好適な圧力は1〜200kg/cm2であり、好適な
重合時間は3〜40時間である。重合に使用する単量体
は、その全量を初期にバッチ仕込しても良いし、重合の
進行と共に一部の単量体または単量体と乳化剤のプレエ
マルションを逐次添加しても良い。また、Tgの高い含
フッ素共重合体成分を添加し第1段の重合を行った後、
Tgの低い含フッ素共重合体成分を添加し第2段の重合
を行ってコア/シェル構造の含フッ素共重合体としても
良い。また、pH調整剤として、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウムおよびリン酸2ナトリウムなどを加えるこ
とが好ましい。
【0016】本発明における含フッ素樹脂水性分散体を
塗料として使用するに際し、必要により、酸化チタン、
酸化鉄、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー、
キナクリドンレッドおよびカーボンブラック等の顔料、
ステンレス粉、アルミニウム粉およびブロンズ粉等の金
属粉、顔料分散剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、増粘
剤、防かび剤、防錆剤、成膜助剤および硬化促進剤など
の添加剤を加えることができる。上記含フッ素樹脂水性
分散体から得られた塗料用組成物は、塗料分野で通常、
行われている方法で使用することができ、例えば、鋼
板、ステンレス、アルミ、コンクリート、モルタル、プ
ラスチックおよび木材等の塗装基材にスプレー、はけお
よびロール等により塗装することができる。以下、実施
例を挙げて、具体的に説明する。
【0017】
【実施例】実施例1 攪拌機を備えた2リットルのオートクレーブにイオン交
換水230g、アニオン性乳化剤としてパーフルオロオ
クタン酸アンモニウム塩3.2g、ノニオン性乳化剤と
してポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルである
花王(株)製のエマルゲン906を7.7gおよびエマ
ルゲン930を7.7g、単量体としてシクロヘキシル
アクリレート(以下、CHAという)16.7g、pH
調整剤として炭酸水素アンモニウム2.7g、還元剤と
して亜硫酸水素アンモニウム0.7gを仕込み、脱気と
窒素置換を3回繰り返した後脱気し、クロロトリフルオ
ロエチレン(以下、CTFEという)510gを仕込ん
だ。40℃まで昇温した後、1時間後から5時間に渡っ
て、重合開始剤として過硫酸アンモニウム10.3gを
純水65gに溶かした水溶液を、一定の割合で添加し
た。また、純水120g中にパーフルオロオクタン酸ア
ンモニウム塩3.8g、エマルゲン906を9.3gお
よびエマルゲン930を9.3g添加し、ここにCHA
150.2gおよびアクリル酸(以下、AAという)
5.6gを分散させた分散液を追加単量体として昇温1
時間後から一定の割合で5時間添加し、合計10時間重
合を行った。 その後室温まで冷却し、未反応のCTF
Eをパージし、オートクレーブを開放して、固形分が3
8重量%である含フッ素樹脂水性分散体(E1)を得
た。この時含フッ素樹脂水性分散体の凝集物は観察され
なかった。分散体の粒子径を測定した結果、粒度分布は
単分散であり、平均粒径は0.09μmであった。得ら
れた分散体の一部をメタノール中に投入し、洗浄乾燥
し、各種分析用に供した。GPCで測定したポリスチレ
ン換算の数平均分子量は150,000であり、Tgは
38℃であった。共重合体のフッ素分析をおこなったと
ころ13.5重量%であり、1H−NMRおよび13C−
NMRより、共重合体の組成は、CTFE/CHA/A
A=36/61/3(モル%)であることを確認した。
上記で得られたE1をベースに、下記試験例に示す配合
割合で塗料用組成物を調製し、それぞれの評価試験を実
施した。
【0018】実施例2 初期仕込単量体をCTFE/CHA/エチルアクリレー
ト(以下、EAという)=510g/10.0g/4.
3gとし、追加単量体をCHA/EA/AA=90.0
g/39.0g/5.6gとした以外は実施例1と同様
の方法で重合をおこない、固形分が35重量%である含
フッ素樹脂水性分散体(E2)を得た。この時含フッ素
樹脂水性分散体の凝集物は観察されなかった。分散体の
粒子径を測定した結果、粒度分布は単分散であり、平均
粒径は0.09μmであった。得られた共重合体の数平
均分子量は180,000であり、Tgは34℃であっ
た。この共重合体のフッ素分析値は14.3重量%であ
り、実施例1と同様に分析した結果、CTFE/CHA
/EA/AA=35/37/25/3(モル%)である
ことを確認した。上記で得られたE2をベースに、下記
試験例に示す配合割合で塗料用組成物を調製し、それぞ
れの評価試験を実施した。
【0019】実施例3 初期仕込単量体をCTFE/CHA/ターシャリーブチ
ルアクリレート(以下tBAという)=400g/1
0.0g/5.5gとし、追加単量体をCHA/tBA
/AA=90.0g/50.0g/5.6gとした以外
は実施例1と同様の方法で重合をおこない、固形分が3
5重量%である含フッ素樹脂水性分散体(E3)を得
た。この時含フッ素樹脂水性分散体の凝集物は観察され
なかった。分散体の粒子径を測定した結果、粒度分布は
単分散であり、平均粒径は0.10μmであった。得ら
れた共重合体の数平均分子量は190,000であり、
Tgは40℃であった。この共重合体のフッ素分析値は
11.5重量%であり、実施例1と同様に分析したとこ
ろCTFE/CHA/tBA/AA=31/40/27
/2(モル%)であることを確認した。上記で得られた
E3をベースに、下記試験例に示す配合割合で塗料用組
成物を調製し、それぞれの評価試験を実施した。
【0020】比較例1 実施例1と同様のオートクレーブに、イオン交換水49
5g、パーフルオロオクタノイックアシッドアンモニウ
ム塩3.6g、エチルビニルエーテル(以下、EVEと
いう)110g、ヒドロキシブチルビニルエーテル(以
下、HBVEという)7.5g、数平均分子量が700
であるポリオキシエチレンビニルエーテル(以下、EO
VEという)22.5g、炭酸カリウム5gを仕込み、
脱気と窒素置換を3回繰り返した後脱気し、CTFE1
90gを仕込んだ。30℃まで昇温後、過硫酸アンモニ
ウム0.8g、還元剤として亜硫酸水素ナトリウム0.
23gを圧入し重合を開始した。その後12時間重合を
行い、未反応のCTFEをパージし、オートクレーブを
開放して固形分が39%である含フッ素水性分散体(E
4)を得た。この時含フッ素樹脂水性分散体の凝集物は
観察されなかった。分散体の粒子径を測定した結果、粒
度分布は単分散であり、平均粒径は0.15μであっ
た。得られた分散体の一部をメタノール中に投入し、洗
浄乾燥することで分析用の共重合体を得た。得られた共
重合体のGPCで測定したポリスチレン換算の数平均分
子量は58000であり、Tgは12℃であった。共重
合体のフッ素分析をおこなったところ28.0重量%で
あり、1H−NMRおよび13C−NMRより、共重合体
の組成は、CTFE/EVE/HBVE/EOVE=5
0/47/2/1(モル%)であった。上記で得られた
E4をベースに、下記試験例に示す配合割合で塗料用組
成物を調製し、それぞれの評価試験を実施した。
【0021】比較例2 特開平3−33148の実施例記載の方法でCTFE/
エチレン/酢酸ビニル/イタコン酸/「エレミノールJ
S−2」〔三洋化成工業(株)製のアルキルアリルスル
ホこはく酸ナトリウム〕/1,9−デカジエン/VES
=41/15/41/1/1/0.5/0.5なる組成
の水性樹脂分散体(E5)を得た。得られた共重合体の
GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は1
50000であり、Tgは40℃であった。共重合体の
フッ素分析を行った結果、22.0%であった。上記で
得られたE5をベースに、下記試験例に示す配合割合で
塗料用組成物を調製し、それぞれの評価試験を実施し
た。
【0022】試験例 白塗料での評価 (白塗料の調整)酸化チタン〔石原産業(株)製CR−
97〕200.0g、顔料分散剤〔サンノプコ(株)製
SNディスパーサント5027〕10.0g、消泡剤
〔ダウコーニング(株)製FSアンチフォーム013
B〕1.0g、イオン交換水98.0gおよびガラスビ
ーズ260gをホモディスパーを用いて混合・分散させ
て得られたミルベース(以下、ミルという)からガラス
ビーズを除去した後、水性分散体E1〜E5に下記表1
に示す重量割合で混合、攪拌して白塗料を調製した。
【0023】
【表1】 CS12:チッソ(株) 2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3 −モノイソブチレート 増粘剤 :旭電化(株)製 アデカノールUH420の10重量%水溶液
【0024】(塗装および試験)0.6mmアルミ板
(アロジン処理5052P材)に川上塗料(株)製アク
リルウレタン塗料であるウレオール800を塗装した1
日後、上記で得られた白塗料用組成物を、バーコーター
で乾燥膜厚が30μmとなるように塗装した。塗装板は
常温で1週間乾燥させた後、以下の試験を行った。 ・光沢値:JIS K5400に記載の方法で60゜光
沢値を測定した。 ・耐水性:塗装板を40℃温水に3日間浸漬させ、試験
前後の光沢値を測定し、その保持率を算出した。 ・耐汚染性:得られた塗膜を名古屋市南部工業地帯にお
いて、45度の角度で6カ月間暴露試験を行い、試験前
後の明度差(ΔL値)を算出した。 ・耐候性:QUV(Qパネル社製蛍光紫外線耐候性試験
機)を用いて、4時間連続照射後、4時間塗面裏側から
イオン交換水をスプレーすることを1サイクルとし、2
50サイクル試験後の60度光沢保持率(%)を示し
た。 上記各試験の結果を下記表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明における塗料用含フッ素樹脂水性
分散体は、耐候性のみならず、高光沢と耐汚染性に優れ
た塗膜を与えるため、各種塗料用途に幅広く利用され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全単量体の合計量を基準とする必須構成単
    量体の割合が、(a)フルオロオレフィン:5〜70モ
    ル%、(b)シクロヘキシル基に置換基を有しても良い
    アクリル酸シクロヘキシルエステル:20〜80モル
    %、(c)水酸基を除く親水性官能基を有するエチレン
    性不飽和単量体:0.1〜10モル%である、単量体混
    合物を乳化重合させて得られる含フッ素共重合体を水性
    媒体中に分散させてなる塗料用含フッ素樹脂水性分散
    体。
JP11999798A 1998-04-14 1998-04-14 塗料用含フッ素樹脂水性分散体 Pending JPH11293178A (ja)

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JP11999798A JPH11293178A (ja) 1998-04-14 1998-04-14 塗料用含フッ素樹脂水性分散体

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JP (1) JPH11293178A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015091914A (ja) * 2013-10-01 2015-05-14 Jsr株式会社 塗料用組成物、塗料及び塗装体

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