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JP2000212500A - 含フッ素樹脂水性分散体の製造方法 - Google Patents

含フッ素樹脂水性分散体の製造方法

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Publication number
JP2000212500A
JP2000212500A JP11017834A JP1783499A JP2000212500A JP 2000212500 A JP2000212500 A JP 2000212500A JP 11017834 A JP11017834 A JP 11017834A JP 1783499 A JP1783499 A JP 1783499A JP 2000212500 A JP2000212500 A JP 2000212500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
monomer
mol
aqueous dispersion
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11017834A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Etsuzo Marumoto
悦造 丸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP11017834A priority Critical patent/JP2000212500A/ja
Publication of JP2000212500A publication Critical patent/JP2000212500A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗料などに有用な含フッ素樹脂水性分散体の製
造方法を提供する。 【解決手段】乳化剤の存在下、(a)フルオロオレフィ
ン単量体、(b)炭素数が1〜20のアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(c)
カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体、
(d)加水分解性シリル基を有するエチレン性不飽和単
量体、および所望により(e)その他のエチレン性不飽
和単量体からなる単量体混合物を水性媒体中で共重合さ
せて得られた含フッ素樹脂水性分散体の存在下、前記
(a)、(c)、(d)、(e)および(f)置換基を
有しても良いシクロアルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル単量体を共重合させることを特徴とする含
フッ素樹脂水性分散体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素樹脂水性
分散体の製造方法に関するものであり、特に、耐候性、
耐水性に優れた塗膜を形成し、表面タックが低く塗膜の
伸びが大きく、耐汚染性を有する弾性下地用トップコー
トに最適な含フッ素樹脂水性分散体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塗料の分野において、耐候性に優れた材
料に対する要求が強くなってきており、この要求に応え
るものとして、含フッ素樹脂からなる塗料が提案されて
いる。例えば、クロロトリフルオロエチレン、シクロヘ
キシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテルおよび
ヒドロキシアルキルビニルエーテルからなる含フッ素共
重合体(特開昭57−34107号公報)、ならびにク
ロロトリフルオロエチレン、脂肪族ビニルエステルおよ
びヒドロキシル基含有アリルエーテルからなる含フッ素
共重合体(特開昭61−57609号公報)など、水酸
基を含有し有機溶剤に可溶な含フッ素樹脂からなる塗料
が、硬化型の耐候性塗料として注目されている。しかし
ながら、近年、人体への有害性や地球環境保護の点か
ら、塗料に含まれる有機溶剤の飛散が問題になってお
り、有機溶剤を使用した塗料は望ましいものではなくな
ってきた。
【0003】かかる観点より、水性媒体を使用した塗料
の開発が精力的に進められ、乳化重合によって得られる
水性樹脂分散体が検討され、含フッ素水性塗料において
も、フルオロオレフィン、ポリオキシエチレン基含有マ
クロモノマー、ヒドロキシル基含有モノマーを必須成分
とする共重合体の水性分散体(特開平2ー225550
号公報)が提案されている。しかしながら、一般的に水
性塗料は有機溶剤型塗料と同等の塗膜物性を得ることは
難しく、得られる塗膜の光沢、硬度が不十分である。上
記の含フッ素樹脂水性分散体においても、光沢、硬度の
他、耐水性、耐汚染性、弾性下地の追従性が不十分であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光沢
が高く、耐候性、硬度、耐水性に優れるのみならず、塗
膜のタックがないため汚染物質が付きにくく、弾性下地
への追従性にも優れた塗膜を与える含フッ素樹脂水性分
散体の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を改良すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の製造方法で
製造した含フッ素樹脂水性分散体が前記課題を解決する
ことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、乳化剤の存在下、(a)フルオロオレフィン
単量体、(b)炭素数が1〜20のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(c)カ
ルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体、(d)
加水分解性シリル基を有するエチレン性不飽和単量体、
および所望により(e)その他のエチレン性不飽和単量
体からなる単量体混合物を水性媒体中で共重合させて得
られた含フッ素樹脂水性分散体の存在下、前記(a)、
(c)、(d)、(e)および(f)置換基を有しても
良いシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル単量体を乳化共重合させることを特徴とする含フッ
素樹脂水性分散体の製造方法である。ただし、全単量体
単位の合計量を基準として、各単量体単位の割合は、
(a):10〜70モル%、(b):10〜60モル
%、(c):0.1〜10モル%、(d):0.5〜2
0モル%、(e):0〜30モル%および(f):10
〜60モル%である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における含フッ素樹脂水性分散体は、以下
に示すように2段階の重合によって製造されるものであ
る。まず各段階で使用する単量体について説明する。 (a)フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニル、フ
ッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレン等が
例示され、これらの中でも、取扱いの容易さの点からク
ロロトリフルオロエチレンが好ましい。
【0007】(b)炭素数が1〜20のアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、
(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ネ
オペンチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリ
ル、(メタ)アクリル酸トリデシルおよび(メタ)アク
リル酸ステアリルなどが例示される。また、アルキル基
中に酸素原子、窒素原子を含んでも良く、かかる単量体
としては、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸メトキシトリオキシエチレンおよび(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチルなどが例示され
る。これらの中でも、フルオロオレフィンと共重合のし
易さの点から、アクリル酸アルキルエステルが好まし
い。
【0008】また、(c)カルボキシル基を有するエチ
レン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、
ビニル酢酸、1−デケン酸およびそれらのアンモニウム
塩、アミン塩、アルカリ金属塩等が例示され、これらの
中でも、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの塩が
好ましい。
【0009】また、(d)加水分解性シリル基を有する
エチレン性不飽和単量体としては、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメ
トキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニル
トリメトキシエトキシシランなどのアルコキシビニルシ
ラン類、γ―(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ―(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルメチルジエトキシシランなどの(メタ)ア
クリル酸アルキルシラン類、トリメトキシシリルプロピ
ルビニルエーテル、トリエトキシシリルデカン酸ビニル
などのビニルエーテル/ビニルエステル類が例示され
る。これらの中でも、重合反応性および含フッ素樹脂水
性分散体の安定性の点で、アルコキシビニルシラン類お
よび(メタ)アクリル酸アルキルシラン類が好ましく、
さらに好ましくは、加水分解性シリル基としてエトキシ
基を含むものである。
【0010】さらに、所望により(e)その他のエチレ
ン性不飽和単量体を用いることができ、例えば、塩化ビ
ニルおよび塩化ビニリデンなどのハロゲン化オレフィン
類、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ノルポルネ
ン、ノルボルナジエンなどのα−オレフィン類、エチル
ビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブ
チルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテルおよび
シクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエ
ーテル類、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル、ヴェオバ−9{商品名:シェル化学
(株)製}、シクロヘキサンカルボン酸ビニルおよび安
息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類が例示
される。さらに、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、ヒドロキシ
ブチルビニルエーテル、クロトン酸ヒドロキシエチルお
よびアリルアルコールなどの水酸機含有単量体、N−メ
チロールアクリルアミドおよびメタクリルアミドなどの
アミド基含有単量体を使用しても良い。
【0011】次に、第2段目の重合で用いる(f)置換
基を有しても良いシクロアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸シクロ
ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)
アクリル酸トリシクロデシニル、(メタ)アクリル酸t-
ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シルメチルおよび(メタ)アクリル酸アダマンチルなど
が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性の点か
ら、好ましくは置換基を有しても良いシクロアルキル基
を有するアクリル酸エステル類であり、より好ましくは
アクリル酸シクロヘキシルである。
【0012】また、第2段目の重合においては、その他
の共重合可能な単量体として、前記(e)の単量体の
他、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル
および(メタ)アクリル酸t−ブチルなどの(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルなども含まれる。
【0013】本発明の2段階の重合により得られる含フ
ッ素樹脂の組成は、全単量体単位の合計量を基準とし
て、各単量体単位の割合が(a):10〜70モル%、
(b):10〜60モル%、(c):0.1〜10モル
%、(d):0.5〜20モル%、(e):0〜30モ
ル%および(f):10〜60モル%であり、好ましく
は、(a):20〜50モル%、(b):20〜50モ
ル%、(c):1〜5モル%、(d):1〜8モル%、
(e):0〜30モル%および(f):15〜40モル
%である。(a)が70モル%を越えると含フッ素樹脂
水性分散体の成膜性が低下し、10モル%未満では耐候
性が低下する。(b)が60モル%を越えると含フッ素
樹脂水性分散体の耐候性が低下し、10モル%未満では
柔軟性が低下する。(c)が10モル%を越えると含フ
ッ素樹脂水性分散体の耐水性が低下し、0.1モル%未
満では安定性が低下する。(d)が20モル%を越える
と含フッ素樹脂水性分散体の安定性が低下し、0.5モ
ル%未満では塗膜硬度が劣る。また、(e)が30モル
%を越えると含フッ素樹脂水性分散体の耐候性が低下す
る。さらに、(f)が60モル%を越えると含フッ素樹
脂水性分散体の塗膜光沢が低下し、10モル%未満では
タックの低減効果が劣る。
【0014】本発明の製造方法において、第1段目の重
合で得られる含フッ素樹脂(以下、1段目フッ素樹脂と
いう)と第2段目の重合で得られる含フッ素樹脂(以
下、2段目フッ素樹脂という。第2段目の重合を終了し
取り出した全フッ素樹脂の得量から1段目フッ素樹脂の
得量を引いた値である。)の好ましい重量比は20:1
〜1:10の範囲であり、更に好ましくは5:1〜1:
5の範囲である。2段目フッ素樹脂が20:1より少な
いと塗膜の光沢が低下し、1:10より多いと弾性下地
への追従性が低下し塗膜にクラックが入る恐れがある。
【0015】含フッ素樹脂の最低成膜温度は、5〜80
℃であることが好ましく、更に好ましくは10〜60℃
である。80℃を越えると塗膜にクラックが発生しやす
く、5℃未満であると夏場に塗膜が軟化して硬度が低下
しやすくなる。
【0016】前記含フッ素樹脂の分子量は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算
の数平均分子量で10,000〜5,000,000で
あるのが好ましく、更に好ましくは50,000〜1,
000,000である。10,000未満では塗膜の機
械的強度が低く、5,000,000を越えると、塗膜
の成膜性が低下する。
【0017】本発明の製造方法における第1段目の重合
は、乳化剤の存在する水性媒体中において、ラジカル発
生型重合開始剤の存在下、重合温度20〜100℃、か
つ圧力1〜100kg/cm2で、耐圧オートクレーブを用
い、3〜40時間の反応時間で行うことが好適である。
また、全単量体を初期にバッチ仕込みしてもよいし、重
合の進行と共に一部の単量体または単量体と乳化剤のプ
レエマルションを逐次添加してもよい。さらに、必要に
より、PH調整剤として、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素アンモニウムおよびリン酸2−ナトリ
ウムなどを加えてもよい。
【0018】乳化剤としては、アニオン系乳化剤/ノニ
オン系乳化剤の併用が好ましく、アニオン系乳化剤とし
ては、パーフルオロオクタノイックアシドカリウム塩ま
たはアンモニウム塩、パーフルオロオクタンスルホン酸
ナトリウム塩またはアンモニウム塩などのフッ素系アニ
オン乳化剤、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム、アルカンスルホン酸ナトリウムなどの炭化水素系ア
ニオン乳化剤が例示される。これらの中でも、水性分散
体の安定性の点からラウリル硫酸アンモニウムおよびド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。ノニ
オン乳化剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの炭化水
素系ノニオン乳化剤、パーフルオロアルキルエチレンオ
キサイド付加体、モノヒドロポリフルオロアルキルエチ
レンオキサイド付加体などのフッ素系ノニオン乳化剤、
アクアロンRNシリーズ{第一工業製薬(株)製}など
の反応性乳化剤が使用できる。水性分散体粒子径の細か
さとコストの点から炭化水素系ノニオン乳化剤が好まし
く、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよび/また
はポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが好ま
しい。
【0019】ラジカル発生型重合開始剤としては、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブ
チルパーオキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、サクシニックアシドパ
ーオキサドなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスイソバレロニトリル、アゾビスアミジノプ
ロパン塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル
−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]塩酸塩など
のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムな
どの無機過酸化物が使用できる。レドックス重合をする
場合は、還元剤として、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸
ナトリウム、ロンガリットおよびアスコルビン酸などを
併用する。
【0020】本発明の製造方法は、前記第1段目の重合
をおこなった後、第1段目の重合で得られた含フッ素樹
脂水性分散体の存在下に、第2段目の重合をおこなうも
のであるが、第1段目の終了後、直ちに第2段目の重合
に使用する単量体を一括または連続的に添加し、そのま
ま第2段目の重合を行なうことが望ましい。なお、第1
段目の重合の終了時に、得られた含フッ素水性分散体を
反応器より一部抜き出し、ガスクロマトグラフィーなど
により、(b)の単量体の反応率が95%以上であるこ
とを確認することが好ましい。なお、第2段目の重合
も、前記第1段目の重合と同様な条件で行なうことがで
き、また、(a)フルオロオレフィン単量体は第1段目
の重合で使用した未反応をそのまま使用することができ
る。
【0021】前記第1段目および第2段目の重合により
得られた含フッ素樹脂水性分散体は、コア部分とシェル
部分を形成する樹脂が形成されているものと推定され、
コア部の柔軟性の発現とシェル部の耐汚染性の発現によ
り、弾性用下地に塗装した場合も追従し、かつタックが
ない塗膜が形成されると考えられる。
【0022】本発明の製造方法で得られた含フッ素樹脂
水性分散体を塗料として使用する場合は、酸化チタン、
酸化鉄、フタロシアニンブルー、ベンジジンイエローお
よびキナクリドン等の顔料、ステンレス粉、アルミニウ
ム粉およびブロンズ粉等の金属粉、顔料分散剤、紫外線
吸収剤、表面調整剤、増粘剤、防かび剤、防錆剤および
造膜助剤などの添加剤を加えてもよい。上記で得られた
塗料は、鋼板、ステンレス、アルミ、コンクリート、モ
ルタル、プラスチック、木材等の基材に、スプレー、は
け、ロール、バーコーター等により塗装できる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体
的に説明する。 <実施例1>第1段目の重合:攪拌機を備えた2リット
ルのオートクレーブに純水130g、アニオン乳化剤と
してドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム9.5g、
ノニオン乳化剤としてエマルゲン906とエマルゲン9
30{いずれも花王(株)製のポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル}をそれぞれ6.0g加え、次いで
アクリル酸ブチル(以下、BAという)11.1g、ア
クリル酸(以下、AAという)0.2g、ビニルトリエ
トキシシラン(以下、VTESという)0.5g、PH
調整剤として炭酸水素アンモニウムを0.1g仕込ん
だ。その後、脱気と窒素置換を3回繰り返した後脱気
し、クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEとい
う)200gを仕込み、44℃まで昇温して1時間攪拌
した後、2,2‘−アゾビス[2−(5−メチル−2−
イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロラ
イド[VA−044、和光純薬工業(株)製]6.4g
を純水56gに溶解した開始剤溶液を1時間かけて圧入
した。ついで、BA106.8g、VTES6.9g、
AA2.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
5.8g、エマルゲン906とエマルゲン930をそれ
ぞれ3.7g、炭酸水素アンモニウム1.3g、純水6
0gからなるプレエマルションAを3時間かけて圧入
し、全体で5.5時間の重合を行なった。ついで、重合
液の一部を抜き出し、固形分を測定したところ45%で
あった。また、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと
いう)で分析したところ、CTFE以外の単量体の反応
率がほぼ100%であった。第2段目の重合:上記重合
で得られた含フッ素樹脂水性分散体と未反応のCTFE
が存在するオートクレーブに、引き続き44℃の温度条
件で、アクリル酸シクロヘキシル(以下、CHAとい
う)106.8g、VTES6.9g、AA2.5g、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.8g、エマ
ルゲン906とエマルゲン930をそれぞれ3.7g、
炭酸水素アンモニウム1.3g、純水60gからなるプ
レエマルションBを3時間かけて圧入し、全体で5.5
時間の重合をおこなった。重合終了後、未反応のCTF
Eをパージし、内圧が−600mmHgになるまで脱気
と窒素置換を繰り返した後、オートクレーブを開放して
固形分50.5%の含フッ素樹脂水性分散体(以下、E
1という)を得た。得られた水性分散体の平均粒径は
0.1μmであり、GC分析より未反応の単量体が存在
しないことを確認した。1段目フッ素樹脂と2段目フッ
素樹脂の重量比率は1.1:1であった。上記で得られ
たフッ素樹脂のフッ素含有量は10.7wt%であり、
最低成膜温度(以下、MFTという)は15℃であり、G
PCより求めた数平均分子量は150,000であっ
た。フッ素含有量およびCTFE以外の単量体のGC分
析結果より算出したフッ素樹脂の組成は、CTFE/B
A/AA/VTES/CHA=25/39/3/3/3
0(モル%)であった。
【0024】<実施例2>第1段目の重合に、CTFE
/アクリル酸イソブチル(以下、iBAという)/アク
リル酸ターシャリーブチル(以下、tBAという)/A
A/VTES=250g/3.7g/3.7g/0.2
g/0.1gからなる初期仕込みの単量体と、iBA/
tBA/AA/VTES=71.2g/71.2g/
3.3g/7.0gからなるプレエマルションAの単量
体を仕込んだ以外、実施例1と同様に重合をおこない、
引き続き、第2段目の重合に、CHA/プロピオン酸ビ
ニル(以下、VPrという)/AA/VTES=71.
2g/3.0g/1.7g/6.7gからなるプレエマ
ルションBの単量体を仕込んで重合をおこない、含フッ
素樹脂水性分散体(以下、E2という)を得た。平均粒
径は0.1μmであり、GCの分析結果より未反応の単
量体は存在しなかった。また、第1段目フッ素樹脂と第
2段目フッ素樹脂の比率は2:1であった。上記で得ら
れたフッ素樹脂のフッ素含有量は13.3wt%であ
り、MFTは28℃、GPCより求めた数平均分子量は
120,000であった。フッ素含有量およびCTFE
以外の単量体のGC分析結果より算出したフッ素樹脂の
組成は、CTFE/iBA/tBA/AA/VTES/
VPr/CHA=30/22/23/3/3/1/18
(モル%)であった。
【0025】<比較例>攪拌機を備えた2リットルのオ
ートクレーブ純水に150g、アニオン乳化剤としてド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8.5g、ノニオ
ン乳化剤としてエマルゲン906とエマルゲン930を
それぞれ5.3g加え、次いでCHA5.9g、BA
4.9g、AA0.4g、VTES0.1g、炭酸水素
アンモニウムを0.2g仕込んだ。その後、脱気と窒素
置換を3回繰り返した後脱気し、CTFE200gを仕
込み、44℃まで昇温して1時間攪拌した後、VA−0
44の6.2gを純水50gに溶解した開始剤溶液を1
時間かけて圧入した。ついで、CHA117.0g、B
A97.2g、VTES13.6g、AA4.7g、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10.2g、エマ
ルゲン906とエマルゲン930をそれぞれ6.4g、
炭酸水素アンモニウム2.5g、純水120gよりなる
プレエマルションを9時間かけて圧入し、全体で11時
間の重合をおこなった。重合終了後、未反応のCTFE
をパージし、内圧が−600mmHgになるまで脱気と
窒素置換を繰り返した後、オートクレーブを開放して固
形分53.2%の含フッ素樹脂水性分散体(以下、E3
という)を得た。得られた水性分散体の平均粒径は0.
1μmであり、GC分析より未反応の単量体が存在しな
いことを確認した。上記で得られたフッ素樹脂のフッ素
含有量は12.0wt%であり、MFTは5℃以下、G
PCより求めた数平均分子量は120,000であっ
た。フッ素含有量およびCTFE以外の単量体のGC分
析結果より算出したフッ素樹脂の組成は、CTFE/C
HA/BA/AA/VTES=28/33/33/3/
3(モル%)であった。
【0026】<試験例1>上記実施例1、2および比較
例で得られた含フッ素樹脂水性分散体(E1〜E3)を
用いて、下記表1に示す割合で調製例1、2および比較
調製例のクリア塗料を調製した。
【0027】
【表1】
【0028】上記で得られた塗料組成物をエポキシ樹脂
を塗装したスレート板(JIS A5403、サイズ3
×70×150mm)に刷毛で乾燥膜厚が30μmとな
るように塗装し、塗装板を常温で1週間乾燥させた後、
以下の試験を行い、その結果を表2に示す。 1)塗膜を指先で強く押し、指蝕でタックの有無を観察
した。 ○:タックなし、△:指に塗膜が少し粘着する、×:指
に塗膜が強く粘着する 2)塗装板を40℃温水に7日間浸漬させ、取り出した
2時間後に白化程度を目視で観察した。 1)上記2)の試験前後の60゜光沢値を測定し、保持
率を算出した。
【0029】
【表2】
【0030】<試験例2>酸化チタン{石原産業(株)
製、商品名CR−97}200g、顔料分散剤{サンノ
プコ(株)製、商品名SNディスパーザント5027}
10g、消泡剤{ダウコーニング(株)製、商品名FS
アンチフォーム013B}1g、イオン交換水98gお
よびガラスビーズ260gをホモディスパーを用いて混
合、分散させて得られたミルベース(以下、ミルとい
う)からガラスビーズを除去した後、含フッ素樹脂水性
分散体E1〜E3を下記表3に示す割合で混合、攪拌し
調製例1、2および比較調製例の白色塗料を調製した。
【0031】
【表3】
【0032】0.6mm厚のアルミ板(アロジン処理
材、JISA5052P)にエポキシプライマー{東亜
合成(株)製、商品名アロン水性プライマー)を塗装
し、常温で1日乾燥した後、上記で調製した白色塗料を
アプリケーターで乾燥膜厚40μmに塗装した。塗装板
は常温で1週間乾燥させた後、下記の試験を実施し、そ
の結果を表4に示す。 1)光沢値:JIS K5400に記載の方法で60#
光沢値を測定した。 2)硬度:JIS K5400に記載の鉛筆硬度(破
れ)を測定した。 3)耐汚染性:塗装板を名古屋市南部工業地帯におい
て、45度の角度で6ヶ月間、暴露試験をおこない、試
験前後の色差(ΔL値)を測定した。 4)耐候性:QUV(スガ試験機■製蛍光紫外線耐候性
試験機)を用いて、連続4時間紫外線照射し、次いで4
時間イオン交換水をスプレーするというサイクルを繰り
返し、2000時間後の60#光沢保持率を示した。
【0033】
【表4】
【0034】<試験例3>スレート板にエポキシプライ
マー{東亞合成(株)製、商品名アロン水性プライマ
ー}を塗装し、常温で1日乾燥した後、アクリルゴム系
防水材{東亞合成(株)製、商品名アロンコートST}
を塗装し、更に常温で1日乾燥した。上記の白色塗料を
アプリケーターで乾燥膜厚40μmに塗装し、常温で1
週間乾燥させた後、−20℃×3時間、50℃×3時
間、20℃水中×18時間の冷熱サイクル試験(JIS
K5658)を50サイクル行なった後、外観を観察
し、その結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られた含フッ
素樹脂水性分散体は、光沢が高く、耐候性、耐水性、耐
汚染性に優れた塗膜を与えるばかりでなく、硬度と下地
追従性という相反する特性も両立することができ、弾性
下地用のトップコートとして広範囲な使用が可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27/12 C08J 3/03 CEW 33/10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳化剤の存在下、(a)フルオロオレフィ
    ン単量体、(b)炭素数が1〜20のアルキル基を有す
    る(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(c)
    カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体、
    (d)加水分解性シリル基を有するエチレン性不飽和単
    量体、および所望により(e)その他のエチレン性不飽
    和単量体からなる単量体混合物を水性媒体中で共重合さ
    せて得られた含フッ素樹脂水性分散体の存在下、前記
    (a)、(c)、(d)、(e)および(f)置換基を
    有しても良いシクロアルキル基を有する(メタ)アクリ
    ル酸エステル単量体を共重合させることを特徴とする含
    フッ素樹脂水性分散体の製造方法。ただし、全単量体単
    位の合計量を基準として、各単量体単位の割合は、
    (a):10〜70モル%、(b):10〜60モル
    %、(c):0.1〜10モル%、(d):0.5〜2
    0モル%、(e):0〜30モル%および(f):10
    〜60モル%である。
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