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JPH11284429A - 回折波抑圧型マイクロストリップアンテナ - Google Patents

回折波抑圧型マイクロストリップアンテナ

Info

Publication number
JPH11284429A
JPH11284429A JP8170798A JP8170798A JPH11284429A JP H11284429 A JPH11284429 A JP H11284429A JP 8170798 A JP8170798 A JP 8170798A JP 8170798 A JP8170798 A JP 8170798A JP H11284429 A JPH11284429 A JP H11284429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
microstrip antenna
wave
length
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8170798A
Other languages
English (en)
Inventor
Tamotsu Suda
保 須田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP8170798A priority Critical patent/JPH11284429A/ja
Publication of JPH11284429A publication Critical patent/JPH11284429A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造で、地導体の端部からの回折波を
阻止可能なマイクロストリップアンテナを提供する。 【解決手段】 マイクロストリップアンテナは、アンテ
ナ基板102の表面に放射素子105を設け、裏面には
地導体103が設けられることにより構成される。この
地導体103は、アンテナ基板102と高周波増幅回路
104によって挟まれている。アンテナ基板102の端
部には無給電素子107−2と107−1とが設けられ
ている。この無給電素子107−1の幅108は、送受
信する電磁波の波長の2分の1に電気的に長さが設定さ
れている。従って、この無給電素子107−1の放射素
子105側から生じる回折波とアンテナ基板102の端
部に沿った部分から放出される回折波とはその位相が互
いに打ち消し合う関係にある。従って両回折波は互いに
打ち消し合い、マイクロストリップアンテナ全体として
は回折波が抑止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回折波を抑圧する
ことができるマクロストリップアンテナに関する。特
に、マイクロストリップアンテナからなる平面アンテナ
と、無線装置が表裏一体となっている通信装置や、高精
度GPS用アンテナ装置などに用いられるマイクロスト
リップアンテナに関する。また、自動料金収受システム
用車載通信装置などに用いられるマイクロストリップア
ンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術1.マイクロストリップアン
テナは、簡易に製造でき、通信装置と一体化しやすいた
め、幅広く用いられている。
【0003】図5には、マイクロストリップアンテナと
無線装置の高周波増幅器とを一体化して構成した場合の
従来例が示されている。この図5において、マイクロス
トリップアンテナは、アンテナ基板302を含んでい
る。また、同図に示されているようにアンテナ基板30
2の裏面には、地導体303が取り付けられている。ま
た、この地導体303のさらに裏面には、高周波増幅器
回路基板304が設けられている。したがって、同図に
示すように、この高周波増幅器回路基板304とアンテ
ナ基板302とが地導体303を挟むように、マイクロ
ストリップアンテナは形成されている。このようにし
て、図5に示されているように、アンテナ基板302、
地導体303、高周波増幅器回路基板304は多層基板
構造を形成している。
【0004】また、この多層基板の略中央部分には、図
5に示されているように放射素子305が設けられてい
る。この放射素子305の給電点301から、この放射
素子305に対して電流が供給され、またこの給電点3
01を介して放射素子305から電磁波が放射される。
この給電点301からは、高周波増幅器回路基板304
まで貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔には
導体が挿入されており、その結果、給電点301と、高
周波増幅器回路基板304との間における電気的な接続
が達成されている。
【0005】図5に示されている従来例においては、矢
印306の方向に電界が励振されるようにマイクロスト
リップアンテナが形成されている。なお、図5におい
て、アンテナ基板302の幅が309で表されている。
また、アンテナ基板302の長さが310で表されてい
る。
【0006】図9〜図14に示されているグラフは、こ
の図5に示されているマイクロストリップアンテナの電
界方向と平行で、かつアンテナに対して垂直な軸を含む
面内における指向性が表されている。換言すれば、図5
において矢印306が示す方向と平行な断面における指
向性が図9〜図14に示されているグラフに表されてい
る。
【0007】図9において、横軸は放射又は受信される
電磁波の方向を表す角度であり、その単位はディグリ
(deg.)である。また、縦軸は利得(ゲイン)であ
り、その単位はデシベル(dB)である。この図9に示
されているグラフは、アンテナ基板302の寸法が、使
用周波数の自由空間波長で1波長の場合、すなわち図5
における幅309や長さ310が1波長である場合の指
向性を表すグラフである。
【0008】図10に示されているグラフは、図9と同
様に横軸は角度を表し、縦軸は利得を表す。そして、こ
の図10のグラフで表されている指向性は、アンテナ基
板302の寸法が電磁波の波長の2倍である場合の例を
示している。すなわち、図5における幅309や長さ3
10が波長の2倍の値である場合の指向性が図10に表
されている。この図10に示されているように、指向性
の凸部が2個生じている。
【0009】図11には、図9や図10と同様に指向性
のグラフが示されており、横軸は角度であり縦軸は利得
である。そして、この図11に示されている指向性は、
アンテナ基板302の幅309や長さ310が波長の3
倍の場合を示している。この図11に示されているよう
に、指向性の凸部が3個生じており、リップルが生じて
いることが理解される。
【0010】以下、同様に図12、図13、図14にお
いてもそれぞれ指向性を表すグラフが示されており、横
軸は角度を表し、縦軸は利得を表す。そして、図12に
おけるグラフはアンテナ基板の幅309や長さ310が
4波長である場合の指向性の例を表す。また図13は、
アンテナ基板の幅309や長さ310が5波長の場合の
指向性を表す。図14に示されているグラフは、アンテ
ナ基板の幅309や長さ310が6波長である場合の指
向性を表すものである。この図12〜図14に示されて
いるように、アンテナの幅309や長さ310が波長に
比べて大きくなればなるほど指向性の凸部の個数が増
え、生じているリップルが増えてくるのである。
【0011】従来の技術2.上記従来の技術1において
は、直線偏波のマイクロストリップアンテナの例につい
て示した。図6には、円偏波を放射するマイクロストリ
ップアンテナの例が示されている。図6と、図5とを比
較すれば理解されるように、基本的なマイクロストリッ
プアンテナの構成はほとんど同一である。図6に示され
ているマイクロストリップアンテナが、図5に示されて
いる例と異なる点は、給電点が2つ設けられていること
である。すなわち、図6においては、放射素子405に
対して電力を供給し、また、この放射素子405から電
力を取り出す給電点として401−1と401−2の2
個の給電点が設けられている。この2つの給電点401
−1と401−2は、放射素子405を直交する2点
(給電点401−1と401−2)から等振幅で90度
の位相差をもって給電する。このように、90度の位相
差をもって等振幅で給電を行うと、矢印406−1と、
矢印406−2の2つの矢印が示す方向に電界が励振さ
れる。
【0012】その結果、放射素子405からは円偏波で
励振された電磁波が発生し、自由空間中に放射されるこ
とになる。
【0013】図6に示されているようなマイクロストリ
ップアンテナにおいて、幅409及び長さ410が、と
もに6波長である場合の指向性を表すグラフが図15に
示されている。この図15においても、横軸は電磁波が
放射される角度を表し、縦軸は利得(ゲイン)をそれぞ
れ表す。また、この図15においては、円偏波の楕円の
長軸方向の振幅と、同じく円偏波の楕円の短軸方向の振
幅を表す2つの曲線が示されている。図15のグラフに
おいて全体的に利得の高い曲線が長軸方向の振幅を表
し、利得の低い曲線が短軸方向の振幅を表す。なお、こ
の長軸と短軸の振幅の差は円偏波軸比となる。
【0014】従来の技術3.以上、上記従来の技術1に
おいては、直線偏波のマイクロストリップアンテナの
例、また上記従来の技術2においては円偏波のマイクロ
ストリップアンテナの例をそれぞれ示した。
【0015】このような、マイクロストリップアンテナ
においては、地導体303の端部から回折波が生じてし
まう。そのため、この回折波を阻止するために、その端
部にλ/4チョークを設けた構成が、従来から採用され
ている。このように、λ/4チョークが設けられた例
が、図7及び図8に示されている。
【0016】図7に示されているマイクロストリップア
ンテナは従来の技術1及び2と同様のマイクロストリッ
プアンテナであり、上記アンテナ基板302に相当する
構成は誘電体基板502である。また、誘電体基板50
2の表面には放射素子505が設けられている。さら
に、誘電体基板502の裏面には地導体503が備えら
れている。
【0017】図8に示されているマイクロストリップア
ンテナは従来の技術1及び2と同様のマイクロストリッ
プアンテナであり、上記アンテナ基板に相当する構成は
誘電体基板602である。また、誘電体基板602の表
面には放射素子605が設けられている。さらに、誘電
体基板602においては、その裏面には地導体603が
備えられている。
【0018】図7や図8に示されている構成において、
上記従来の技術1や2と異なる点は、λ/4チョーク5
11や611が地導体503、603の端部に設けられ
ていることである。ここで、λは、電磁波の波長を表す
のでλ/4チョーク511や611は、1/4波長のチ
ョークを意味する。
【0019】図7、図8に示されているように、このλ
/4チョーク511、611はその先端が短絡されてい
る。さて、図7や図8に示されているλ/4チョーク5
11、611などにおいては、そのショートされた先端
からλ/4すなわち4分の1波長離れた点におけるイン
ピーダンスが無限大になることが知られている。そし
て、このインピーダンスが無限大になる点と、地導体5
03や603の端部とが一致するようにこのλ/4チョ
ークの位置が調整されている(図7及び図8参照)。こ
のような構成により、地導体503、603の端部に電
流が流れるのを阻止することができ、地導体503、6
03の端部から回折波が発生するのを防止している。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】さて、マイクロストリ
ップアンテナのアンテナ基板の寸法が1波長より大きく
なると、その指向性にはリップルが生じてくる。このよ
うに、リップルを生じてくる様子は図9〜図14に示さ
れた指向性を表すグラフにおいて既に説明した。このよ
うに、アンテナ基板の寸法が大きくなることにより指向
性にリップルが生じるのは、アンテナ基板の端部、つま
り地導体の端からの回折波と放射素子(アンテナの放射
素子)から放出される電波が合成されるためである。
【0021】そのため、放射素子と、アンテナ基板の端
部との距離に応じて、位相が周期的に変化するため、ア
ンテナ基板の寸法が大きくなるほどリップルの波の数が
増える。また、例えばアンテナ基板の寸法(幅及び長
さ)が波長の奇数倍の場合には正面方向が凸となり、偶
数倍の場合には凹となる。
【0022】このような現象が生じるのは、アンテナの
電界と平行な面内の指向性だけであり、電界の方向と直
交するような面内の指向性には、地導体のはじからの回
折波は生じないことが知られている。
【0023】課題1.このような現象を防止するために
は、アンテナ基板の寸法(幅及び長さ)を電磁波の波長
に対して十分に小さくすればよい。しかしながら、高周
波増幅回路の規模が大きい場合には、基板寸法を小さく
することは困難である。さらに、送受信する電磁波の周
波数が高く、その波長が短い場合には、放射素子の寸法
が小さくなり、相対的にアンテナ基板の寸法が波長に対
して大きくなってしまい、アンテナ基板の寸法を小さく
することはさらに困難となってしまう。
【0024】課題2.また、円偏波を扱う場合には、図
15に示したように軸比特性にリップルが生じてしま
う。従って、特定の方位において軸比が悪化してしま
う。つまり、直線偏波のアンテナの場合には指向性にリ
ップルが生じるのに対し、円偏波のアンテナにおいて
は、その問題に加えてさらに軸比の悪化が生じるという
特有の問題がある。
【0025】課題3.図7、図8に示したように、地導
体の端部にλ/4チョークを設ける構成が従来から知ら
れているが、このような構成を採用すると複雑な構造が
必要で、マイクロストリップアンテナの小型化や、その
製造コストの低減が困難となってしまう。
【0026】そして、誘電体基板の表面にλ/4チョー
クを取り付けることも考えられるが、スルーホールを設
けることが必要となり、多くの製造工程が必要となって
しまう。さらに、このようにスルーホールを設けると、
高周波増幅回路と多層構造でアンテナを一体化する場合
には、このスルーホールと高周波回路のパターンが干渉
を生じてしまうおそれもある。従って、スルーホールを
用いずに、マイクロストリップアンテナを構成すること
が望まれている。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために、大別すると以下のような2つの
手段を講じている。
【0028】手段1.上記課題を解決するために、本発
明においては、回折波が発生するアンテナ基板の端部の
放射素子と同一平面内に細長い形状の無給電素子を設け
たものである。この無給電素子の幅は、放射素子の電界
が発生する方向(後述する図1において矢印106で示
されている)と平行な方向(後述する図1においては矢
印108で示されている)の幅を意味する。そして、本
発明の手段1において特徴的なことは、この幅が電気的
な長さにおいて電磁波の半波長とされていることであ
る。この電気的長さとは、具体的には基板の誘電率と厚
み、さらにはアンテナ基板の長さから計算されることに
なる。さらに、この無給電素子の長さはアンテナ基板の
長さ(後述する図1において110で示されている)と
同一の長さである。
【0029】手段2.本発明においては、上記課題を解
決するために、円偏波のマイクロストリップアンテナに
おいては、次のような手段を講じている。
【0030】円偏波でマイクロストリップアンテナを利
用する場合には電界の方向は、直交する2方向となる。
従って、基板の周囲を全て囲むように無給電素子を設け
るような構成を採用することが望ましい。より具体的に
は、アンテナ基板の周囲を囲むように全ての基板の端部
の放射素子と同一平面内に細長い形状の無給電素子が設
けられるのである。この無給電素子の幅は、上記手段1
と同様に電気的な長さで半波長である。この電気的長さ
とは、具体的にはアンテナ基板の誘電率と厚み、さらに
は基板の一辺の長さから計算されるものである。
【0031】このように、上記手段1、または円偏波の
場合には手段2を採用することにより、本発明によれば
放射素子と同一平面内に細長い形状の無給電素子が構成
として設けられている。さて、この無給電素子の端部か
らは回折波が生じる。具体的には、無給電素子の放射素
子側と基板端部側の2箇所から回折波が生じる。しか
し、この2箇所から生じる回折波はその位相が反転して
いるため互いに打ち消し合う関係にある。従って、生じ
た回折波は互いに打ち消し合って消滅するため、マイク
ロストリップアンテナ全体としては回折波の発生を抑止
することが可能となる。
【0032】より詳細に言えば、本発明は、以下のよう
な手段を講じている。
【0033】上記課題を解決するために、第1の本発明
は、アンテナ素子において励振される電界方向と平行な
平面を有する地板と、前記地板の辺縁部であって、前記
電界方向と直角方向に伸展している辺縁部に沿って設け
られた無給電素子と、を含み、前記無給電素子は、前記
電界方向における幅が励振される電磁波の半波長の長さ
であり、前記辺縁部に沿った方向の長さが前記電磁波の
1波長以上の長さであることを特徴とするマイクロスト
リップアンテナである。
【0034】このように、地板のいわば縁の部分に沿っ
て、幅が半波長の無給電素子を、前記縁に沿って設けた
ものである。この結果、この無給電素子から生じる回折
波は、後述する実施の形態において説明するように、互
いに打ち消し合う。
【0035】第2の本発明は、上記第1の本発明のマイ
クロストリップアンテナにおいて、前記無給電素子は長
方形であり、前記アンテナ素子が直線偏波の電波を励振
することを特徴とする直線偏波マイクロストリップアン
テナである。
【0036】実施の形態において説明するように、直線
偏波の場合は、電界の変化する方向が1方向に定まって
いるため、その方向と直行する辺縁部は、地板の一部分
だけである。そのため、その一部についてのみ長方形の
無給電素子を設けることにより、回折波が抑止される。
【0037】第3の本発明は、アンテナ素子において励
振される電界方向と平行な平面を有する地板と、前記地
板の辺縁部に沿って設けられた無給電素子と、を含み、
前記無給電素子は、前記辺縁部に沿った方向の長さが電
磁波の1波長以上の長さであり、前記辺縁部と直角な方
向の幅が、前記励振される電磁波の半波長の長さである
ことを特徴とするマイクロストリップアンテナである。
【0038】また、第4の本発明は、第3の本発明のマ
イクロストリップアンテナにおいて、前記無給電素子
は、前記地板の全周囲を取り囲んで設けられており、前
記アンテナ素子が円偏波の電波を励振することを特徴と
する円偏波マイクロストリップアンテナである。
【0039】上記第1の本発明では、無給電素子を電界
方向と直行する辺縁部に対してのみ設けたが、全部の辺
縁部分に設け、アンテナ素子を取り囲むように構成する
ことも好ましい。
【0040】このように構成すれば、電磁波が直線偏波
の場合だけでなく、円偏波の場合でも回折波を抑止する
ことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を、図面に基づいて説明する。
【0042】実施の形態1.直線偏波の電磁波を送受信
するマイクロストリップアンテナの説明図が図1に示さ
れている。この図において、アンテナ面のアンテナ基板
102の表面には放射素子105が設けられており、裏
面には地導体103が備えられている。放射素子105
は、給電点101において多層基板を貫通し、高周波増
幅回路104と接続されている。この多層基板は、図1
に示されているようにアンテナ基板102と、地導体1
03とから構成される。
【0043】このような構成により、本実施の形態にお
けるマイクロストリップアンテナは、矢印106で示さ
れる方向に電界成分が励振されて電磁波が放射される。
この電磁波が放射される動作自体は、従来のマイクロス
トリップアンテナと同様である。
【0044】本実施の形態において特徴的な構成は、無
給電素子107−1と107−2とが、アンテナ基板1
02の表面に設けられていることである。
【0045】図1に示されているマイクロストリップア
ンテナの幅109(基板寸法とも呼ぶ)が自由空間波長
の2倍の長さである場合の、電界方向と平行な面内にお
けるこのアンテナの指向性が図3に示されている。図3
においては、上述した図9〜図14に示されているグラ
フと同様に、この図3においても横軸はマイクロストリ
ップアンテナから放射される電磁波の向きを示す角度を
表し、縦軸はアンテナの利得(ゲイン)を表す。
【0046】この図3に示されたグラフにおいては、図
10に示した従来のマイクロストリップアンテナの指向
性と、本実施の形態1(図1)におけるマイクロストリ
ップアンテナの指向性の2つのグラフが示されている。
図10に関する説明において既に述べたように、無給電
素子107−1や107−2がない場合には、角度0度
付近がへこんで2つの山を有する指向性となる。一方、
本実施の形態においては方位角度が0度の部分が凸状と
なり、1つの山のみを有する指向性が実現されている。
【0047】同様に、アンテナ基板102の幅109の
長さが、電磁波の自由空間波長の3倍である場合の指向
性を表すグラフが図4に示されている。この図4におい
ても、無給電素子107−1と107−2がない場合の
図11に示された曲線と、無給電素子107−1及び1
07−2を備えた本実施の形態におけるマイクロストリ
ップアンテナの指向性を表す曲線と、の2つの曲線が示
されている。無給電素子107−1及び107−2を備
えない従来のマイクロストリップアンテナにおいては、
指向性の山が3個観察されているが、本実施の形態にお
いてはそのような指向性のリップル成分はほとんど観察
できないことが理解されよう。
【0048】実施の形態2.上記実施の形態1において
は、直線偏波アンテナであるマイクロストリップアンテ
ナの例を示した。本実施の形態2においては、円偏波の
電磁波を送受信するマイクロストリップアンテナについ
て説明する。このようなマイクロストリップアンテナの
説明図が図2に示されている。この図に示されているよ
うに、アンテナ面の誘電体基板202の表面には、放射
素子205が設けられており、誘電体基板202の裏面
には地導体203が備えられている。また、この地導体
203には高周波増幅回路204が設けられている。地
導体203は、図2に示されているように誘電体基板2
02と高周波増幅回路204とにおいて挟まれるように
形成されている。
【0049】放射素子205には、2つの給電点201
−1と201−2とが設けられている。この2つの給電
点201−1と201−2は、基板を貫通して高周波増
幅回路204と電気的に接続されている。その結果、こ
の放射素子205も高周波増幅回路204と電気的に接
続されている。従って、従来のマイクロストリップアン
テナと同様に2つの給電点201−1と201−2か
ら、放射素子205に対して90度の位相差で高周波電
力を供給することにより、矢印206−1と矢印206
−2で示される方向に90度の位相差で電界成分が励振
される。このような動作自体は、従来の技術と全く同様
である。
【0050】本実施の形態2において特徴的なことは、
マイクロストリップアンテナの誘電体基板202の端部
(辺縁部)に無給電素子207を設けたことである。本
実施の形態2における無給電素子207は、上記実施の
形態1における無給電素子107−1、107−2と異
なることは、誘電体基板202の端部(辺縁部)の全周
にわたって、放射素子205を取り囲むように設けられ
ていることである。
【0051】上記実施の形態1においては、電界の励振
方向は矢印106で示されている方向に対してのみであ
った。従って、この矢印106の方向に対応して長方形
状の無給電素子107−1と107−2とのみを設けれ
ば、アンテナ基板102の端部(辺縁部)からの回折波
を防止することができた。
【0052】これに対し、図2に示されているマイクロ
ストリップアンテナにおいては矢印206−1と206
−2の直交する2つの方向に対して電界成分が励振され
る。従って、この2つの方向に対応すべく、放射素子2
05を取り囲むように誘電体基板202の全ての端部に
おいて無給電素子202を設けたことである。このよう
な構成により、円偏波の電磁波を送受信するマイクロス
トリップアンテナにおいても誘電体基板202の端部に
おいて生じる回折波を抑止することが可能となる。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、自
由空間波長に比べて大きな寸法のアンテナ基板、すなわ
ちアンテナ基板の幅や長さを電磁波の波長より大きくし
ても、指向性利得の角度変化に対するリップル成分が生
じないマイクロストリップアンテナを実現することがで
きる。
【0054】特に、第1、第2の本発明によれば、電界
方向と直交する辺縁部に対してのみ無給電素子を設けた
ので、直線偏波に対して回折波を効率よく抑止すること
ができる。
【0055】特に、第3、第4の本発明によれば、特に
円偏波の電磁波を送受信するマイクロストリップアンテ
ナにおいては、さらに軸比が改善される。従って、マル
チパスによる回線品質の劣化を防止することが可能とな
る。
【0056】また、本発明によれば、マイクロストリッ
プアンテナのアンテナ基板の寸法(幅や長さ)の制限が
なくなる。従って、マイクロストリップアンテナの設計
自由度が増すことにより、高周波通信装置に合致したマ
イクロストリップアンテナを設計することができるとい
う効果を奏する。
【0057】また、本発明によれば、マイクロストリッ
プアンテナの指向性にリップルを生じることがなく、い
わばなめらかな指向性を得ることができる。従って、通
信回線の設計が容易となる効果を奏する。
【0058】さらには、本発明によれば、簡単な構造で
回折波を抑止することができるため、マイクロストリッ
プアンテナの軽量化に寄与することができ、また低コス
トで性能のよいマイクロストリップアンテナを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態1における直線偏波のマイクロ
ストリップアンテナの説明図である。
【図2】 本実施の形態2における円偏波のマイクロス
トリップアンテナの説明図である。
【図3】 図1に示されているマイクロストリップアン
テナの指向性を表すグラフである。
【図4】 図1に示されているマイクロストリップアン
テナの幅が波長の3倍である場合の指向性を表すグラフ
である。
【図5】 従来のマイクロストリップアンテナであっ
て、直線偏波の電磁波を送受信するマイクロストリップ
アンテナの説明図である。
【図6】 従来のマイクロストリップアンテナであっ
て、円偏波の電磁波を送受信するマイクロストリップア
ンテナの説明図である。
【図7】 λ/4チョークを用いた従来のマイクロスト
リップアンテナの説明図である。
【図8】 λ/4チョークを用いた従来のマイクロスト
リップアンテナの説明図である。
【図9】 図5に示された直線偏波の従来のマイクロス
トリップアンテナの指向性を表すグラフである。
【図10】 図5に示された直線偏波の従来のマイクロ
ストリップアンテナの指向性を表すグラフである。
【図11】 図5に示された直線偏波の従来のマイクロ
ストリップアンテナの指向性を表すグラフである。
【図12】 図5に示された直線偏波の従来のマイクロ
ストリップアンテナの指向性を表すグラフである。
【図13】 図5に示された直線偏波の従来のマイクロ
ストリップアンテナの指向性を表すグラフである。
【図14】 図5に示された直線偏波の従来のマイクロ
ストリップアンテナの指向性を表すグラフである。
【図15】 図6に示された円偏波の従来のマイクロス
トリップアンテナの指向性を表すグラフである。
【符号の説明】
101 給電点、102 アンテナ基板、103 地導
体、104 高周波増幅回路、105 放射素子、10
6 矢印、107−1,107−2 無給電素子、10
8 無給電素子の幅、109 アンテナ基板102の
幅、110 長さ、201−1,201−2 給電点、
202 誘電体基板、203 地導体、204 高周波
増幅回路、205 放射素子、206−1,206−2
矢印、207 無給電素子、301 給電点、302
アンテナ基板、303 地導体、304 高周波増幅
器回路基板、305 放射素子、306 矢印、309
幅、310 長さ、401−1,401−2 給電
点、405 放射素子、406−1,406−2 矢
印、409 幅、410 長さ、502 誘電体基板、
503 地導体、505 放射素子、511 λ/4チ
ョーク、602 誘電体基板、603 地導体、605
放射素子、611 λ/4チョーク。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナ素子において励振される電界方
    向と平行な平面を有する地板と、 前記地板の辺縁部であって、前記電界方向と直角方向に
    伸展している辺縁部に沿って設けられた無給電素子と、 を含み、 前記無給電素子は、前記電界方向における幅が励振され
    る電磁波の半波長の長さであり、前記辺縁部に沿った方
    向の長さが前記電磁波の1波長以上の長さであることを
    特徴とする回折波抑圧型マイクロストリップアンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回折波抑圧型マイクロス
    トリップアンテナにおいて、 前記無給電素子は長方形であり、前記アンテナ素子が直
    線偏波の電波を励振することを特徴とする直線偏波の回
    折波抑圧型マイクロストリップアンテナ。
  3. 【請求項3】 アンテナ素子において励振される電界方
    向と平行な平面を有する地板と、 前記地板の辺縁部に沿って設けられた無給電素子と、 を含み、 前記無給電素子は、前記辺縁部に沿った方向の長さが電
    磁波の1波長以上の長さであり、前記辺縁部と直角な方
    向の幅が、前記励振される電磁波の半波長の長さである
    ことを特徴とする回折波抑圧型マイクロストリップアン
    テナ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の回折波抑圧型マイクロス
    トリップアンテナにおいて、 前記無給電素子は、前記地板の全周囲を取り囲んで設け
    られており、前記アンテナ素子が円偏波の電波を励振す
    ることを特徴とする円偏波の回折波抑圧型マイクロスト
    リップアンテナ。
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