JPH11280868A - 車両用駆動装置 - Google Patents
車両用駆動装置Info
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- JPH11280868A JPH11280868A JP8153898A JP8153898A JPH11280868A JP H11280868 A JPH11280868 A JP H11280868A JP 8153898 A JP8153898 A JP 8153898A JP 8153898 A JP8153898 A JP 8153898A JP H11280868 A JPH11280868 A JP H11280868A
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- shaft
- transmission
- gear
- engagement element
- planetary gear
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Abstract
(57)【要約】
【課題】コンパクトでかつ潤滑油の攪拌抵抗の減少が得
られ、しかも容易に4輪駆動車用駆動装置に変更可能な
車両駆動装置を提供する。 【解決手段】縦置きエンジン10、トルクコンバータ2
0、ベルト式無段変速機30を順次連結し、エンジン1
0のクランク軸11と同軸上に出力軸51を配設し、出
力軸51の下方に出力軸51からの動力を伝達するフロ
ントドライブ軸53を配設し、出力軸51に嵌合するハ
ブ56、ハブ56に形成されたサンギヤ61を有するダ
ブルピニオン式プラネタリギヤ60、変速機30からキ
ャリヤ65に動力伝達する第1多板クラッチ70及びリ
ングギヤ62を選択的に回転係止する第2多板ブレーキ
80を有し、第1多板クラッチ70、第2多板ブレーキ
80を選択的に作動せしめて前後進切換えして動力伝達
する。
られ、しかも容易に4輪駆動車用駆動装置に変更可能な
車両駆動装置を提供する。 【解決手段】縦置きエンジン10、トルクコンバータ2
0、ベルト式無段変速機30を順次連結し、エンジン1
0のクランク軸11と同軸上に出力軸51を配設し、出
力軸51の下方に出力軸51からの動力を伝達するフロ
ントドライブ軸53を配設し、出力軸51に嵌合するハ
ブ56、ハブ56に形成されたサンギヤ61を有するダ
ブルピニオン式プラネタリギヤ60、変速機30からキ
ャリヤ65に動力伝達する第1多板クラッチ70及びリ
ングギヤ62を選択的に回転係止する第2多板ブレーキ
80を有し、第1多板クラッチ70、第2多板ブレーキ
80を選択的に作動せしめて前後進切換えして動力伝達
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦置き配置のエン
ジンに用いられる車両用駆動装置に関する。
ジンに用いられる車両用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン及び変速機を縦置きに配
置した駆動装置に関しては実開昭63−84453号公
報の先行技術がある。
置した駆動装置に関しては実開昭63−84453号公
報の先行技術がある。
【0003】この先行技術には、エンジンと、トルクコ
ンバータと、ベルト式無段変速機のプライマリ軸と、プ
ラネタリギヤ式の前後進切換装置を車体前後方向に同軸
上で配置し、ベルト式無段変速機のセカンダリ軸を上記
入力駆動系の下方に配置し、このセカンダリ軸上に別の
プラネタリギヤ式の減速機を設け、前輪または後輪へ動
力伝達する駆動系が示されている。
ンバータと、ベルト式無段変速機のプライマリ軸と、プ
ラネタリギヤ式の前後進切換装置を車体前後方向に同軸
上で配置し、ベルト式無段変速機のセカンダリ軸を上記
入力駆動系の下方に配置し、このセカンダリ軸上に別の
プラネタリギヤ式の減速機を設け、前輪または後輪へ動
力伝達する駆動系が示されている。
【0004】しかし、この駆動装置にあっては、エンジ
ン、トルクコンバータ、前後進切換装置及び変速機のプ
ライマリ軸等の入力駆動系が車体前後方向に同軸上で配
置されることから車体前後方向の長さが大となり、かつ
上記入力駆動系の下方にセカンダリ軸等の出力駆動系が
軸間を離して配置されているため、上記入力駆動系は比
較的高い位置となり、駆動系の後部が車室下部に形成さ
れるトンネル内に大きく張り出した状態でエンジンルー
ム内に収容設置される。
ン、トルクコンバータ、前後進切換装置及び変速機のプ
ライマリ軸等の入力駆動系が車体前後方向に同軸上で配
置されることから車体前後方向の長さが大となり、かつ
上記入力駆動系の下方にセカンダリ軸等の出力駆動系が
軸間を離して配置されているため、上記入力駆動系は比
較的高い位置となり、駆動系の後部が車室下部に形成さ
れるトンネル内に大きく張り出した状態でエンジンルー
ム内に収容設置される。
【0005】この駆動装置の張り出しに伴ってトンネル
が車室内に大きく張り出し、かつエンジンルームと車室
とを区画するトーボードが車室側に押しやられて車室内
の有効居住空間が制限されて居住性に影響を及ぼすと共
に、駆動装置とトーボードが接近して配置され、前面衝
突時のクラッシュストロークを充分に確保しようとする
と更に居住性に影響を与え、またエンジンルーム内の作
業空間が得難く、駆動装置の脱着時や整備等の円滑な作
業が妨げられるおそれがある。
が車室内に大きく張り出し、かつエンジンルームと車室
とを区画するトーボードが車室側に押しやられて車室内
の有効居住空間が制限されて居住性に影響を及ぼすと共
に、駆動装置とトーボードが接近して配置され、前面衝
突時のクラッシュストロークを充分に確保しようとする
と更に居住性に影響を与え、またエンジンルーム内の作
業空間が得難く、駆動装置の脱着時や整備等の円滑な作
業が妨げられるおそれがある。
【0006】この対策としては、エンジン、トルクコン
バータ及びベルト式無段変速機のプライマリ軸を車体前
後方向で同軸上に配置し、エンジンの下方のベルト式無
段変速機の出力駆動系であるセカンダリ軸側に前後進切
換装置を配置して変速機からの出力を前後進切換装置を
介してドライブ軸によりディファレンシャル装置に動力
伝達するように構成して車体前後方向の長さの縮小化を
図ることが考えられる。
バータ及びベルト式無段変速機のプライマリ軸を車体前
後方向で同軸上に配置し、エンジンの下方のベルト式無
段変速機の出力駆動系であるセカンダリ軸側に前後進切
換装置を配置して変速機からの出力を前後進切換装置を
介してドライブ軸によりディファレンシャル装置に動力
伝達するように構成して車体前後方向の長さの縮小化を
図ることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記先行技術
のものにあっては、トルクコンバータとベルト式無段変
速機との間に介装される前後進切換装置がエンジンの下
方に位置することから車体前後方向の長さは縮小される
が、エンジンの下方に前後進切換装置が上下関係に配置
することから駆動装置の全高が増大され、エンジンフー
ドを低くする、いわゆるスラントノーズ化が制限されて
車両設計に自由度が拘束される。またこれをベースとし
た4輪駆動車用駆動装置に変更する場合には、前後進切
換装置からの出力を更に分岐する必要があり、前後進切
換装置とディファレンシャル装置との間に動力分配装置
を介在させなければならず、エンジンの下方が大きく張
り出し、かつ構造が複雑になり好ましくない。また駆動
装置の全高の低減化としては、エンジン側を右或いは左
方向に傾倒させる等が考えられるが、他の駆動装置との
車載互換性等の点で問題が生じる。
のものにあっては、トルクコンバータとベルト式無段変
速機との間に介装される前後進切換装置がエンジンの下
方に位置することから車体前後方向の長さは縮小される
が、エンジンの下方に前後進切換装置が上下関係に配置
することから駆動装置の全高が増大され、エンジンフー
ドを低くする、いわゆるスラントノーズ化が制限されて
車両設計に自由度が拘束される。またこれをベースとし
た4輪駆動車用駆動装置に変更する場合には、前後進切
換装置からの出力を更に分岐する必要があり、前後進切
換装置とディファレンシャル装置との間に動力分配装置
を介在させなければならず、エンジンの下方が大きく張
り出し、かつ構造が複雑になり好ましくない。また駆動
装置の全高の低減化としては、エンジン側を右或いは左
方向に傾倒させる等が考えられるが、他の駆動装置との
車載互換性等の点で問題が生じる。
【0008】一方、一般にフロントディファレンシャル
装置、ベルト式無段変速機、前後進切換装置及び動力分
配装置を収容するトランスミッションケースは連続して
一体的に構成され、これらの内デフオイルが用いられる
フロントディファレンシャル装置を除く、ベルト式無段
変速機及び動力分配装置等は同一の潤滑油(ATF)で
潤滑する構造となっているが、これらを収容するケース
下部に上記潤滑油を貯留するスペースを確保するため、
上記前後進切換装置及び動力分配装置等の一部が潤滑油
の静止油面下に没することになる。
装置、ベルト式無段変速機、前後進切換装置及び動力分
配装置を収容するトランスミッションケースは連続して
一体的に構成され、これらの内デフオイルが用いられる
フロントディファレンシャル装置を除く、ベルト式無段
変速機及び動力分配装置等は同一の潤滑油(ATF)で
潤滑する構造となっているが、これらを収容するケース
下部に上記潤滑油を貯留するスペースを確保するため、
上記前後進切換装置及び動力分配装置等の一部が潤滑油
の静止油面下に没することになる。
【0009】この状態で車両を運転すると、前後進切換
装置及び動力分配装置に潤滑油がつれ回る。この連れ回
り現象は、車速の増大に伴って顕著に表れ、潤滑油の攪
拌抵抗が増大して動力伝達効率が低下し、燃費を悪化さ
せる。
装置及び動力分配装置に潤滑油がつれ回る。この連れ回
り現象は、車速の増大に伴って顕著に表れ、潤滑油の攪
拌抵抗が増大して動力伝達効率が低下し、燃費を悪化さ
せる。
【0010】また、同一形状のエンジンルーム構造体内
にベルト式無段変速機、手動変速機(マニュアルトラン
スミッション、MT)及び有段自動変速機(オートマチ
ックトランスミッション、AT)等との車載互換性を有
することが望ましく、比較的コンパクトに設計可能な手
動変速機と全長寸法やトランスミッションケース外周寸
法、いわゆる胴回り寸法を略同一にすれば車載搭載の支
持部材や排気系の共用化が可能になる。
にベルト式無段変速機、手動変速機(マニュアルトラン
スミッション、MT)及び有段自動変速機(オートマチ
ックトランスミッション、AT)等との車載互換性を有
することが望ましく、比較的コンパクトに設計可能な手
動変速機と全長寸法やトランスミッションケース外周寸
法、いわゆる胴回り寸法を略同一にすれば車載搭載の支
持部材や排気系の共用化が可能になる。
【0011】従って、本発明はかかる点に鑑みなされた
ものであって、その目的は、駆動装置のコンパクト化が
得られ、かつ潤滑油の攪拌抵抗の減少が得られ、しかも
構成部品の共用化を図ることにより車載互換性に優れた
4輪駆動車用駆動装置に変更可能な車両用駆動装置を提
供することにある。
ものであって、その目的は、駆動装置のコンパクト化が
得られ、かつ潤滑油の攪拌抵抗の減少が得られ、しかも
構成部品の共用化を図ることにより車載互換性に優れた
4輪駆動車用駆動装置に変更可能な車両用駆動装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1に記載の車両用駆動装置の発明は、縦置き配置のエ
ンジンと、該エンジンからの出力が入力される変速機
と、上記エンジンのクランク軸に対して下方に配置され
てディファレンシャル装置に動力伝達するドライブ軸
と、上記クランク軸に対して略同軸上に配置されるダブ
ルピニオン式プラネタリギヤと、該ダブルピニオン式プ
ラネタリギヤのキャリヤに変速機からの出力を動力伝達
する第1摩擦係合要素と、上記ダブルピニオン式プラネ
タリギヤのサンギヤに変速機からの出力を動力伝達する
入力部材と、上記ダブルピニオン式プラネタリギヤから
の出力を上記ドライブ軸に動力伝達する出力手段と、上
記ダブルピニオン式プラネタリギヤのリングギヤを回転
係止する第2摩擦係合要素とを有し、上記第1及び第2
の摩擦係合要素を選択的に作動せしめて前後進切り換え
することを特徴とする。
項1に記載の車両用駆動装置の発明は、縦置き配置のエ
ンジンと、該エンジンからの出力が入力される変速機
と、上記エンジンのクランク軸に対して下方に配置され
てディファレンシャル装置に動力伝達するドライブ軸
と、上記クランク軸に対して略同軸上に配置されるダブ
ルピニオン式プラネタリギヤと、該ダブルピニオン式プ
ラネタリギヤのキャリヤに変速機からの出力を動力伝達
する第1摩擦係合要素と、上記ダブルピニオン式プラネ
タリギヤのサンギヤに変速機からの出力を動力伝達する
入力部材と、上記ダブルピニオン式プラネタリギヤから
の出力を上記ドライブ軸に動力伝達する出力手段と、上
記ダブルピニオン式プラネタリギヤのリングギヤを回転
係止する第2摩擦係合要素とを有し、上記第1及び第2
の摩擦係合要素を選択的に作動せしめて前後進切り換え
することを特徴とする。
【0013】この請求項1の発明によると、前後進切換
装置となるダブルピニオン式プラネタリギヤ、第1及び
第2の摩擦係合要素が、エンジンのクランク軸と略同軸
上に配置され、ドライブ軸がクランク軸の下方に平行配
置されることから、駆動装置の高さが増大することなく
コンパクト化が得られ、更にダブルピニオン式プラネタ
リギヤ、第1及び第2の摩擦係合要素等の下方に潤滑油
を貯留しコントロールバルブ等を格納するオイルパンを
効率的に配置することが可能になると共に、ダブルピニ
オン式プラネタリギヤ、第1及び第2多板の摩擦係合要
素等の回転部が比較的高位置に配置されて走行中におけ
る潤滑油による攪拌抵抗の減少が得られて動力伝達効率
の向上及び燃費の向上が図れ、かつ潤滑油の劣化が防止
される。
装置となるダブルピニオン式プラネタリギヤ、第1及び
第2の摩擦係合要素が、エンジンのクランク軸と略同軸
上に配置され、ドライブ軸がクランク軸の下方に平行配
置されることから、駆動装置の高さが増大することなく
コンパクト化が得られ、更にダブルピニオン式プラネタ
リギヤ、第1及び第2の摩擦係合要素等の下方に潤滑油
を貯留しコントロールバルブ等を格納するオイルパンを
効率的に配置することが可能になると共に、ダブルピニ
オン式プラネタリギヤ、第1及び第2多板の摩擦係合要
素等の回転部が比較的高位置に配置されて走行中におけ
る潤滑油による攪拌抵抗の減少が得られて動力伝達効率
の向上及び燃費の向上が図れ、かつ潤滑油の劣化が防止
される。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1の車両
用駆動装置において、前進段は上記第1摩擦係合要素が
変速機からの出力をキャリヤに動力伝達状態でかつ第2
摩擦係合要素がリングギヤ回転許容状態であり、後退段
は上記第1摩擦係合要素が解放状態で第2摩擦係合要素
がリングギヤ回転係止状態であることを特徴とする。
用駆動装置において、前進段は上記第1摩擦係合要素が
変速機からの出力をキャリヤに動力伝達状態でかつ第2
摩擦係合要素がリングギヤ回転許容状態であり、後退段
は上記第1摩擦係合要素が解放状態で第2摩擦係合要素
がリングギヤ回転係止状態であることを特徴とする。
【0015】この請求項2の発明によると、第1及び第
2摩擦係合要素の選択的作動により前後進切換えが可能
になると共に、サンギヤとリングギヤの歯数諸元により
適切な変速比が得られる。
2摩擦係合要素の選択的作動により前後進切換えが可能
になると共に、サンギヤとリングギヤの歯数諸元により
適切な変速比が得られる。
【0016】請求項3に記載の発明は、4輪駆動の場合
は、縦置き配置のエンジンと、該エンジンからの出力が
入力される変速機と、上記エンジンのクランク軸に対し
て下方に配置されてフロントディファレンシャル装置に
動力伝達するフロントドライブ軸と、上記クランク軸に
対して略同軸上に配置されて上記フロントライブ軸に動
力伝達する出力軸と、上記変速機と入力切換手段介在許
容距離離間して上記出力軸に対して同軸上に配置されて
るダブルピニオン式プラネタリギヤと、該ダブルピニオ
ン式プラネタリギヤのキャリヤに変速機からの出力を動
力伝達する第1摩擦係合要素と、上記ダブルピニオン式
プラネタリギヤのサンギヤに変速機からの出力を動力伝
達する入力部材と、上記ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤからの出力を上記出力軸に動力伝達する出力手段と、
上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのリングギヤを回
転係止する第2摩擦係合要素とを有し、前進段は上記第
1摩擦係合要素が変速機からの出力をキャリヤに動力伝
達状態でかつ第2摩擦係合要素がリングギヤ回転許容状
態であり、後退段は上記第1摩擦係合要素が解放状態で
第2摩擦係合要素がリングギヤ回転係止状態であること
を特徴とする。
は、縦置き配置のエンジンと、該エンジンからの出力が
入力される変速機と、上記エンジンのクランク軸に対し
て下方に配置されてフロントディファレンシャル装置に
動力伝達するフロントドライブ軸と、上記クランク軸に
対して略同軸上に配置されて上記フロントライブ軸に動
力伝達する出力軸と、上記変速機と入力切換手段介在許
容距離離間して上記出力軸に対して同軸上に配置されて
るダブルピニオン式プラネタリギヤと、該ダブルピニオ
ン式プラネタリギヤのキャリヤに変速機からの出力を動
力伝達する第1摩擦係合要素と、上記ダブルピニオン式
プラネタリギヤのサンギヤに変速機からの出力を動力伝
達する入力部材と、上記ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤからの出力を上記出力軸に動力伝達する出力手段と、
上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのリングギヤを回
転係止する第2摩擦係合要素とを有し、前進段は上記第
1摩擦係合要素が変速機からの出力をキャリヤに動力伝
達状態でかつ第2摩擦係合要素がリングギヤ回転許容状
態であり、後退段は上記第1摩擦係合要素が解放状態で
第2摩擦係合要素がリングギヤ回転係止状態であること
を特徴とする。
【0017】請求項3の発明によると、前後進切換装置
となるダブルピニオン式プラネタリギヤ、第1及び第2
の摩擦係合要素が、エンジンのクランク軸と略同軸上に
配置され、フロントドライブ軸がクランク軸の下方に平
行配置されることから、請求項1及び2の発明の効果に
加え、変速機とダブルピニオン式プラネタリギヤとの間
を入力切換手段介在許容距離だけ離間させることによっ
て後述する4輪駆動車用駆動装置への変更を容易にする
2輪駆動車用駆動装置が提供される。
となるダブルピニオン式プラネタリギヤ、第1及び第2
の摩擦係合要素が、エンジンのクランク軸と略同軸上に
配置され、フロントドライブ軸がクランク軸の下方に平
行配置されることから、請求項1及び2の発明の効果に
加え、変速機とダブルピニオン式プラネタリギヤとの間
を入力切換手段介在許容距離だけ離間させることによっ
て後述する4輪駆動車用駆動装置への変更を容易にする
2輪駆動車用駆動装置が提供される。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項3の車両
用駆動装置において、4輪駆動の場合は、上記クランク
軸に対して略同軸上に配置されてリヤディファレンシャ
ル装置に動力伝達するリヤドライブ軸と、上記出力手段
に代えて配置されて上記ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤのキャリヤからの出力をリヤドライブ軸に動力伝達す
る動力伝達手段と、上記ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤのサンギヤからの出力を上記出力軸に動力伝達する第
4摩擦係合要素と、上記動力伝達手段と上記出力軸との
間を動力伝達する第5摩擦係合要素と、上記変速機から
の出力を上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのリング
ギヤに選択的に動力伝達する第3摩擦係合要素とを設
け、第1摩擦係合要素が変速機からの出力を上記ダブル
ピニオン式プラネタリギヤのサンギヤに動力伝達可能で
第1及び第3の摩擦係合要素によって変速機からの出力
をダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤ及びリン
グギヤに選択的に動力伝達する入力切換手段を構成し、
上記各摩擦係合要素を選択的に作動せしめて上記変速機
からの入力を上記ダブルピニオン式プラネタリギヤを介
して所定の比率で動力配分及び前後進切換えして出力軸
及びリヤドライブ軸に動力伝達することを特徴とする。
用駆動装置において、4輪駆動の場合は、上記クランク
軸に対して略同軸上に配置されてリヤディファレンシャ
ル装置に動力伝達するリヤドライブ軸と、上記出力手段
に代えて配置されて上記ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤのキャリヤからの出力をリヤドライブ軸に動力伝達す
る動力伝達手段と、上記ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤのサンギヤからの出力を上記出力軸に動力伝達する第
4摩擦係合要素と、上記動力伝達手段と上記出力軸との
間を動力伝達する第5摩擦係合要素と、上記変速機から
の出力を上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのリング
ギヤに選択的に動力伝達する第3摩擦係合要素とを設
け、第1摩擦係合要素が変速機からの出力を上記ダブル
ピニオン式プラネタリギヤのサンギヤに動力伝達可能で
第1及び第3の摩擦係合要素によって変速機からの出力
をダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤ及びリン
グギヤに選択的に動力伝達する入力切換手段を構成し、
上記各摩擦係合要素を選択的に作動せしめて上記変速機
からの入力を上記ダブルピニオン式プラネタリギヤを介
して所定の比率で動力配分及び前後進切換えして出力軸
及びリヤドライブ軸に動力伝達することを特徴とする。
【0019】請求項4の発明によると、請求項3の発明
において、第3、第4、第5の摩擦係合要素及び、リヤ
ディファレンシャル装置へ動力伝達するリヤドライブ軸
等を付加的に配設することにより、請求項3の発明にお
ける2輪駆動車用駆動装置を比較的容易に4輪駆動車用
駆動装置に変更できる。
において、第3、第4、第5の摩擦係合要素及び、リヤ
ディファレンシャル装置へ動力伝達するリヤドライブ軸
等を付加的に配設することにより、請求項3の発明にお
ける2輪駆動車用駆動装置を比較的容易に4輪駆動車用
駆動装置に変更できる。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項4の車両
用駆動装置において、前進段は上記第3及び第4の各摩
擦係合要素が動力伝達状態で上記ダブルピニオン式プラ
ネタリギヤがキャリヤとサンギヤに所定の比率で動力配
分するセンタディファレンシャル装置として機能し、か
つ第5摩擦係合要素を動力伝達状態にしてキャリヤとサ
ンギヤとの間の差動制限を行うことを特徴とする。
用駆動装置において、前進段は上記第3及び第4の各摩
擦係合要素が動力伝達状態で上記ダブルピニオン式プラ
ネタリギヤがキャリヤとサンギヤに所定の比率で動力配
分するセンタディファレンシャル装置として機能し、か
つ第5摩擦係合要素を動力伝達状態にしてキャリヤとサ
ンギヤとの間の差動制限を行うことを特徴とする。
【0021】請求項5の発明によると、前進段において
は変速機からの出力をダブルピニオン式プラネタリギヤ
のリングギヤへ入力し、ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤの諸元によって動力配分してキャリヤからリヤドライ
ブ軸へ、サンギヤから第5摩擦係合要素を介してフロン
トドライブ軸へ各々動力伝達すると共に、第4摩擦係合
要素によって差動制限を行い適切な走行が可能になる。
は変速機からの出力をダブルピニオン式プラネタリギヤ
のリングギヤへ入力し、ダブルピニオン式プラネタリギ
ヤの諸元によって動力配分してキャリヤからリヤドライ
ブ軸へ、サンギヤから第5摩擦係合要素を介してフロン
トドライブ軸へ各々動力伝達すると共に、第4摩擦係合
要素によって差動制限を行い適切な走行が可能になる。
【0022】請求項6に記載の発明は、請求項3または
5の車両用駆動装置において、後退段は上記第1及び第
4の各摩擦係合要素が動力伝達状態で上記第2摩擦係合
要素がリングギヤ回転係止状態であることを特徴とす
る。
5の車両用駆動装置において、後退段は上記第1及び第
4の各摩擦係合要素が動力伝達状態で上記第2摩擦係合
要素がリングギヤ回転係止状態であることを特徴とす
る。
【0023】請求項6の発明によると、変速機からの出
力を第2摩擦係合要素によってリングギヤが回転係止状
態のダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤへ入力
し、ダブルピニオン式プラネタリギヤのキャリヤに反転
及び減速して出力し、キャリヤからリヤドライブ軸へ、
また第4摩擦係合要素を介してフロントドライブ軸に前
進時とは逆回転方向の駆動力を伝達する。
力を第2摩擦係合要素によってリングギヤが回転係止状
態のダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤへ入力
し、ダブルピニオン式プラネタリギヤのキャリヤに反転
及び減速して出力し、キャリヤからリヤドライブ軸へ、
また第4摩擦係合要素を介してフロントドライブ軸に前
進時とは逆回転方向の駆動力を伝達する。
【0024】請求項7に記載の発明は、請求項1から6
の車両用駆動装置において、上記変速機が、上記エンジ
ンのクランク軸と略同軸上に配置されたプライマリ軸
と、該プライマリ軸と平行配置されたセカンダリ軸と、
上記プライマリ軸及びセカンダリ軸に各々設けられたプ
ライマリプーリ及びセカンダリプーリと、該プライマリ
プーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛けられた駆動
ベルトとを有し、上記駆動ベルトのプライマリプーリと
セカンダリプーリとに対する巻付径の比率を換えて無段
階に変速するベルト式無段変速機であることを特徴とす
る。
の車両用駆動装置において、上記変速機が、上記エンジ
ンのクランク軸と略同軸上に配置されたプライマリ軸
と、該プライマリ軸と平行配置されたセカンダリ軸と、
上記プライマリ軸及びセカンダリ軸に各々設けられたプ
ライマリプーリ及びセカンダリプーリと、該プライマリ
プーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛けられた駆動
ベルトとを有し、上記駆動ベルトのプライマリプーリと
セカンダリプーリとに対する巻付径の比率を換えて無段
階に変速するベルト式無段変速機であることを特徴とす
る。
【0025】請求項7の発明によると、変速機を、エン
ジンのクランク軸と同軸上に配置されたプライマリ軸を
具備するベルト式無段変速機により構成することによっ
て、より駆動装置のコンパクト化が得られる。
ジンのクランク軸と同軸上に配置されたプライマリ軸を
具備するベルト式無段変速機により構成することによっ
て、より駆動装置のコンパクト化が得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。
基づいて説明する。
【0027】図1において、本発明が適用される車両用
駆動装置としてベルト式無段変速機付2輪駆動車用駆動
装置の駆動系について説明する。
駆動装置としてベルト式無段変速機付2輪駆動車用駆動
装置の駆動系について説明する。
【0028】符号10は縦置き配置のエンジンであり、
縦置きエンジン10に接合されてトルクコンバータ20
を収容するトルクコンバータケース1、このトルクコン
バータケース1の後方にベルト式無段変速機30及びフ
ロントディファレンシャル40を収容するデフアンドコ
ンバータハウジング2、このデフアンドコンバータハウ
ジング2の後方に後述する軸承板3を介して前後進切換
装置50を収容するケース4及びケース4の後方に位置
してケース4の後端を閉鎖するエンドケース5が順次接
合されてトランスミッションケース6を形成し、トラン
スミッションケース6の下部にオイルパン7が取り付け
られる。
縦置きエンジン10に接合されてトルクコンバータ20
を収容するトルクコンバータケース1、このトルクコン
バータケース1の後方にベルト式無段変速機30及びフ
ロントディファレンシャル40を収容するデフアンドコ
ンバータハウジング2、このデフアンドコンバータハウ
ジング2の後方に後述する軸承板3を介して前後進切換
装置50を収容するケース4及びケース4の後方に位置
してケース4の後端を閉鎖するエンドケース5が順次接
合されてトランスミッションケース6を形成し、トラン
スミッションケース6の下部にオイルパン7が取り付け
られる。
【0029】縦置きエンジン10のクランク軸11がト
ルクコンバータケース1内部のトルクコンバータ20に
連結し、トルクコンバータ20からの入力軸21がデフ
アンドコンバータハウジング2内部のベルト式無段変速
機30のプライマリ軸31に連結することにより、クラ
ンク軸11からの動力をトルクコンバータ20を介して
無段変速機30のプライマリ軸31に伝動構成される。
ルクコンバータケース1内部のトルクコンバータ20に
連結し、トルクコンバータ20からの入力軸21がデフ
アンドコンバータハウジング2内部のベルト式無段変速
機30のプライマリ軸31に連結することにより、クラ
ンク軸11からの動力をトルクコンバータ20を介して
無段変速機30のプライマリ軸31に伝動構成される。
【0030】そして無段変速機30で無段変速した動力
をセカンダリ軸32に出力し、セカンダリ軸32からの
出力をケース4内部の前後進切換装置50に入力し、前
後進切換装置50によってディファレンシャル装置、例
えばフロントディファレンシャル装置40を介して前輪
に伝動する。
をセカンダリ軸32に出力し、セカンダリ軸32からの
出力をケース4内部の前後進切換装置50に入力し、前
後進切換装置50によってディファレンシャル装置、例
えばフロントディファレンシャル装置40を介して前輪
に伝動する。
【0031】次に、図2乃至図9によってトルクコンバ
ータ20、ベルト式無段変速機30、フロントディファ
レンシャル装置40及び前後進切換装置50について順
次説明する。
ータ20、ベルト式無段変速機30、フロントディファ
レンシャル装置40及び前後進切換装置50について順
次説明する。
【0032】トルクコンバータ20は、図2に要部断面
を示すようにデフアンドコンバータハウジング2及び軸
承板3にボールベアリングを介してクランク軸11に対
して同軸上で回転自在に軸支される入力軸21を有して
いる。
を示すようにデフアンドコンバータハウジング2及び軸
承板3にボールベアリングを介してクランク軸11に対
して同軸上で回転自在に軸支される入力軸21を有して
いる。
【0033】入力軸21は、その外周が円筒状で基端に
設けられたフランジ部がデフアンドコンバータハウジン
グ2にボルト結合されたステータ軸22によって回転自
在に囲まれ、ステータ軸22の外周にはインペラ24に
一体的に結合されたオイルポンプドライブ軸が回転自在
に軸支されている。
設けられたフランジ部がデフアンドコンバータハウジン
グ2にボルト結合されたステータ軸22によって回転自
在に囲まれ、ステータ軸22の外周にはインペラ24に
一体的に結合されたオイルポンプドライブ軸が回転自在
に軸支されている。
【0034】インペラ24は、その外周がフロントカバ
ー25の外周と一体的に結合され、フロントカバー25
の外周に設けられたスタータリングギヤ25a及びドラ
イブプレート26を介してクランク軸11にボルト結合
することによってクランク軸11と一体的に回転駆動さ
れる。
ー25の外周と一体的に結合され、フロントカバー25
の外周に設けられたスタータリングギヤ25a及びドラ
イブプレート26を介してクランク軸11にボルト結合
することによってクランク軸11と一体的に回転駆動さ
れる。
【0035】インペラ24と対向して入力軸21にスプ
ライン嵌合するタービン27が配置され、インペラ24
とタービン27との間においてステータ軸22にワンウ
ェイクラッチを介して支持されるステータ28が介装さ
れ、ステータ軸22の基端にオイルポンプドライブ軸に
よって回転駆動されるオイルポンプ8が設けられてい
る。
ライン嵌合するタービン27が配置され、インペラ24
とタービン27との間においてステータ軸22にワンウ
ェイクラッチを介して支持されるステータ28が介装さ
れ、ステータ軸22の基端にオイルポンプドライブ軸に
よって回転駆動されるオイルポンプ8が設けられてい
る。
【0036】そして、クランク軸11が回転すると、イ
ンペラ24が回転駆動され、オイルを介してタービン2
7にインペラ24の回転と同方向のトルク伝達すること
によりタービン27とスプライン嵌合する入力軸21を
回転駆動する。
ンペラ24が回転駆動され、オイルを介してタービン2
7にインペラ24の回転と同方向のトルク伝達すること
によりタービン27とスプライン嵌合する入力軸21を
回転駆動する。
【0037】ベルト式無段変速機30は、互いに平行配
置されたプライマリ軸31及びセカンダリ軸32と、プ
ライマリ軸31とセカンダリ軸32に各々設けられたプ
ライマリプーリ33及びセカンダリプーリ34と、これ
ら両プーリ33、34間に巻き掛けられた駆動ベルト3
5とを有し、各プーリ33、34のプーリ溝巾を変える
ことにより、各プーリ33、34に対する駆動ベルト3
5の有効巻き付け径の比率を換えて無段階に変速するよ
うに構成されている。
置されたプライマリ軸31及びセカンダリ軸32と、プ
ライマリ軸31とセカンダリ軸32に各々設けられたプ
ライマリプーリ33及びセカンダリプーリ34と、これ
ら両プーリ33、34間に巻き掛けられた駆動ベルト3
5とを有し、各プーリ33、34のプーリ溝巾を変える
ことにより、各プーリ33、34に対する駆動ベルト3
5の有効巻き付け径の比率を換えて無段階に変速するよ
うに構成されている。
【0038】このため上記入力軸21と一体に形成され
たプライマリ軸31に設けられるプライマリプーリ33
は、プライマリ軸31と一体に形成された固定シーブ3
3aと、この固定シーブ33aに対して軸方向への移動
を可能にする可動シーブ33bを有している。
たプライマリ軸31に設けられるプライマリプーリ33
は、プライマリ軸31と一体に形成された固定シーブ3
3aと、この固定シーブ33aに対して軸方向への移動
を可能にする可動シーブ33bを有している。
【0039】可動シーブ33bの固定シーブ33aと反
対側の背面には、断面が略逆L字状の第1ピストン37
aが固定されており、この第1ピストン37aはプライ
マリ軸31に中心部が固定された有底円筒状の第1シリ
ンダ37bと協働して油圧室37Aを形成し、更に可動
シーブ33bの背面に固定される第2ピストン37cが
上記第1シリンダ37bに連設一体に設けられた第2シ
リンダ37dに嵌合して油圧室37Bを形成すると共
に、プーリ溝巾を狭くする方向に可動シーブ33bを付
勢するスプリングを具備する油圧アクチュエータ37が
設けられている。
対側の背面には、断面が略逆L字状の第1ピストン37
aが固定されており、この第1ピストン37aはプライ
マリ軸31に中心部が固定された有底円筒状の第1シリ
ンダ37bと協働して油圧室37Aを形成し、更に可動
シーブ33bの背面に固定される第2ピストン37cが
上記第1シリンダ37bに連設一体に設けられた第2シ
リンダ37dに嵌合して油圧室37Bを形成すると共
に、プーリ溝巾を狭くする方向に可動シーブ33bを付
勢するスプリングを具備する油圧アクチュエータ37が
設けられている。
【0040】プライマリ軸31には油圧室37A、37
Bに連通する油路が形成され、スロットル開度等に基づ
いて油圧制御ユニット9によって制御され、軸承板3に
形成される油路等を介して油圧アクチュエータ37の油
圧室37A、37B内に給排する油圧によって可動シー
ブ33bをプライマリ軸31に沿って移動させることに
よってプーリ溝巾を可動制御している。
Bに連通する油路が形成され、スロットル開度等に基づ
いて油圧制御ユニット9によって制御され、軸承板3に
形成される油路等を介して油圧アクチュエータ37の油
圧室37A、37B内に給排する油圧によって可動シー
ブ33bをプライマリ軸31に沿って移動させることに
よってプーリ溝巾を可動制御している。
【0041】一方、プライマリ軸31と平行配置される
セカンダリ軸32は、デフアンドコンバータハウジング
2及び軸承板3にボールベアリングを介して回転自在に
軸支され、セカンダリ軸32に設けられるセカンダリプ
ーリ34は、セカンダリ軸32と一体形成された固定シ
ーブ34aと、この固定シーブ34aに対して軸方向へ
の移動を可能にする可動シーブ34bを有している。
セカンダリ軸32は、デフアンドコンバータハウジング
2及び軸承板3にボールベアリングを介して回転自在に
軸支され、セカンダリ軸32に設けられるセカンダリプ
ーリ34は、セカンダリ軸32と一体形成された固定シ
ーブ34aと、この固定シーブ34aに対して軸方向へ
の移動を可能にする可動シーブ34bを有している。
【0042】可動シーブ34bの背面には略円筒状のシ
リンダ36aが固定されており、セカンダリ軸32に中
心部が固定されたピストン36bと協働して油圧室36
Aを形成すると共にプーリ溝巾を少なくする方向に可動
シーブ34bを付勢するスプリングを具備する油圧アク
チュエータ36が設けられている。
リンダ36aが固定されており、セカンダリ軸32に中
心部が固定されたピストン36bと協働して油圧室36
Aを形成すると共にプーリ溝巾を少なくする方向に可動
シーブ34bを付勢するスプリングを具備する油圧アク
チュエータ36が設けられている。
【0043】スロット開度等に基づいて油圧制御ユニッ
ト9によって制御されてケース4に形成される油路、ス
リーブ等を介して油圧アクチュエータ36の油圧室36
Aに油圧を給排するように構成され、かつセカンダリ軸
32の一端にはドライブスプロケット39が設けられて
いる。
ト9によって制御されてケース4に形成される油路、ス
リーブ等を介して油圧アクチュエータ36の油圧室36
Aに油圧を給排するように構成され、かつセカンダリ軸
32の一端にはドライブスプロケット39が設けられて
いる。
【0044】ここでセカンダリプーリ34の可動シーブ
34bが油圧作用を受ける受圧面積に比べて、プライマ
リプーリ33の可動シーブ33bの油圧面積が大である
ことから油圧室37A、37B及び36Aに給排される
油圧に従ってプライマリプーリ33とセカンダリプーリ
34のプーリ溝巾が逆の関係に変化して各プーリ33、
34に対する駆動ベルト35の有効巻き付け径の比率を
無段階に変化し、無段変速した動力をセカンダリ軸32
に出力する。
34bが油圧作用を受ける受圧面積に比べて、プライマ
リプーリ33の可動シーブ33bの油圧面積が大である
ことから油圧室37A、37B及び36Aに給排される
油圧に従ってプライマリプーリ33とセカンダリプーリ
34のプーリ溝巾が逆の関係に変化して各プーリ33、
34に対する駆動ベルト35の有効巻き付け径の比率を
無段階に変化し、無段変速した動力をセカンダリ軸32
に出力する。
【0045】フロントディファレンシャル装置40は、
デフケース41のクラウンギヤ取付部材に取り付けたク
ラウンギヤ43にテーパローラベアリング53aを介し
て回転自在に軸承板3に支持されたフロントドライブ軸
53が交差して噛み合っている。
デフケース41のクラウンギヤ取付部材に取り付けたク
ラウンギヤ43にテーパローラベアリング53aを介し
て回転自在に軸承板3に支持されたフロントドライブ軸
53が交差して噛み合っている。
【0046】一方、デフケース41にはピニオン軸44
aにより一対のピニオン44bが設けられ、両ピニオン
44bに噛み合う左右のサイドギヤ44cによってディ
ファレンシャルギヤ44を構成し、各サイドギヤ44c
に連結する駆動軸は、等速継手、アクスル軸等を介して
前車輪に動力伝達する。
aにより一対のピニオン44bが設けられ、両ピニオン
44bに噛み合う左右のサイドギヤ44cによってディ
ファレンシャルギヤ44を構成し、各サイドギヤ44c
に連結する駆動軸は、等速継手、アクスル軸等を介して
前車輪に動力伝達する。
【0047】次に図2及び図2の要部拡大を示す図3に
よって前後進切換装置50について説明する。
よって前後進切換装置50について説明する。
【0048】前後進切換装置50は、エンジン10のク
ランク軸11、入力軸21、プライマリ軸31等に対し
て略同軸上に配置される出力軸51及び、出力軸51の
下方に平行配置される上記フロントドライブ軸53を有
している。
ランク軸11、入力軸21、プライマリ軸31等に対し
て略同軸上に配置される出力軸51及び、出力軸51の
下方に平行配置される上記フロントドライブ軸53を有
している。
【0049】そして、図2における矢視A方向からの配
置を図4に示すように、クランク軸11の回転軸芯11
a、入力軸21、プライマリ軸31、出力軸51が略車
体幅中心線上に車体前後方向に同軸上に位置し、セカン
ダリ軸32がプライマリ軸31に対して略同一高さで側
方に平行配置されてプライマリプーリ33とセカンダリ
プーリ34とが略同一高さで配置される。なお符号Bは
車体下部に形成されるトンネルである。
置を図4に示すように、クランク軸11の回転軸芯11
a、入力軸21、プライマリ軸31、出力軸51が略車
体幅中心線上に車体前後方向に同軸上に位置し、セカン
ダリ軸32がプライマリ軸31に対して略同一高さで側
方に平行配置されてプライマリプーリ33とセカンダリ
プーリ34とが略同一高さで配置される。なお符号Bは
車体下部に形成されるトンネルである。
【0050】上記のフロントドライブ軸53は、平面視
プライマリ軸31とセカンダリ軸32との間で、かつ下
方に配置されて上記クラウンギヤ43に噛合することに
より無段変速機30との整合性を良好にして全体の上下
方向の寸法を抑えてコンパクト化を図っている。
プライマリ軸31とセカンダリ軸32との間で、かつ下
方に配置されて上記クラウンギヤ43に噛合することに
より無段変速機30との整合性を良好にして全体の上下
方向の寸法を抑えてコンパクト化を図っている。
【0051】出力軸51は、その先端にフロントドライ
ブ軸53に取り付けられたトランスファドリブンギヤ5
4と常時噛み合うトランスファドライブギヤ51aが形
成されると共に、後端にスプライン51bが形成されて
いる。そして出力軸51の先端部はボールベアリング5
1dを介在して軸承板3にボルト結合された軸支部材4
8に回転自在に軸支され、後端部はスプライン51bに
嵌合してボールベアリング52a及びニードルベアリン
グ52bを介してケース4及びエンドカバー5に回転自
在に軸支されるパーキングギヤ52に結合されている。
ブ軸53に取り付けられたトランスファドリブンギヤ5
4と常時噛み合うトランスファドライブギヤ51aが形
成されると共に、後端にスプライン51bが形成されて
いる。そして出力軸51の先端部はボールベアリング5
1dを介在して軸承板3にボルト結合された軸支部材4
8に回転自在に軸支され、後端部はスプライン51bに
嵌合してボールベアリング52a及びニードルベアリン
グ52bを介してケース4及びエンドカバー5に回転自
在に軸支されるパーキングギヤ52に結合されている。
【0052】一方軸承板3には軸支部材48を介して固
定軸55が設けられている。固定軸55は出力軸51を
囲む略円筒状であって、基端に設けられるフランジ部を
ボルトによって軸支部材48に固定することで取り付け
られ、固定軸55にはスラストベアリングを介して回転
自在にハブ56が嵌合している。
定軸55が設けられている。固定軸55は出力軸51を
囲む略円筒状であって、基端に設けられるフランジ部を
ボルトによって軸支部材48に固定することで取り付け
られ、固定軸55にはスラストベアリングを介して回転
自在にハブ56が嵌合している。
【0053】ハブ56は略円筒状で、その基端はニード
ルベアリングを介して固定軸55に回転自在に軸支され
かつ上記ドライブスプロケット39にサイレントチエー
ン49を介して動力伝達可能に連結されるドリブンスプ
ロケット57が結合され、先端部内径は軸受メタルを介
して出力軸51に回転自在に支持されている。
ルベアリングを介して固定軸55に回転自在に軸支され
かつ上記ドライブスプロケット39にサイレントチエー
ン49を介して動力伝達可能に連結されるドリブンスプ
ロケット57が結合され、先端部内径は軸受メタルを介
して出力軸51に回転自在に支持されている。
【0054】ハブ56の先端外周にはダブルピニオン式
プラネタリギヤ60のサンギヤ61が一体形成され、こ
のダブルピニオン式プラネタリギヤ60は、サンギヤ6
1と、リングギヤ62と、サンギヤ61及びリングギヤ
62に各々が噛み合いかつ互いに噛み合う第1及び第2
のピニオン63、64と、第1及び第2のピニオン6
3、64をニードルベアリングを介して回転自在に支持
するキャリヤ65とによって構成され、キャリヤ65に
入力する動力はそのまま出力軸51に伝達し、リングギ
ヤ62をケース4に係止することによりサンギヤ61に
入力する動力によってキャリヤ65をサンギヤ61に対
して逆方向に回転せしめる機能を有する。
プラネタリギヤ60のサンギヤ61が一体形成され、こ
のダブルピニオン式プラネタリギヤ60は、サンギヤ6
1と、リングギヤ62と、サンギヤ61及びリングギヤ
62に各々が噛み合いかつ互いに噛み合う第1及び第2
のピニオン63、64と、第1及び第2のピニオン6
3、64をニードルベアリングを介して回転自在に支持
するキャリヤ65とによって構成され、キャリヤ65に
入力する動力はそのまま出力軸51に伝達し、リングギ
ヤ62をケース4に係止することによりサンギヤ61に
入力する動力によってキャリヤ65をサンギヤ61に対
して逆方向に回転せしめる機能を有する。
【0055】ドリブンスプロケット57とダブルピニオ
ン式プラネタリギヤ60との間は後述するドリブンスプ
ロケット57からの出力をキャリヤに入力する第1摩擦
係合要素となる第1多板クラッチ70を介装するに十分
な間隙Lが設けてあり、ここにドリブンスプロケット5
7からの出力をキャリヤ65に入力する第1多板クラッ
チ70が配設されている。
ン式プラネタリギヤ60との間は後述するドリブンスプ
ロケット57からの出力をキャリヤに入力する第1摩擦
係合要素となる第1多板クラッチ70を介装するに十分
な間隙Lが設けてあり、ここにドリブンスプロケット5
7からの出力をキャリヤ65に入力する第1多板クラッ
チ70が配設されている。
【0056】この第1多板クラッチ70はクラッチドラ
ム71が固定軸55にブッシュを介して回転自在に軸支
されてドリブンスプロケット57に結合し、クラッチハ
ブ72がダブルピニオン式プラネタリギヤ60のキャリ
ヤ65に結合する。こうして第1多板クラッチ70はド
リブンスプロケット57とキャリヤ65との間にバイパ
スして動力伝達可能に介設される。
ム71が固定軸55にブッシュを介して回転自在に軸支
されてドリブンスプロケット57に結合し、クラッチハ
ブ72がダブルピニオン式プラネタリギヤ60のキャリ
ヤ65に結合する。こうして第1多板クラッチ70はド
リブンスプロケット57とキャリヤ65との間にバイパ
スして動力伝達可能に介設される。
【0057】そしてハブ56とクラッチドラム71によ
って形成される油圧室73の油圧でピストン74を介し
てドライブプレート75aとドリブンプレート75bを
圧接して動力伝達するように構成される。ピストン74
の油圧室73と反対側にはリテーナ76が設けられ、ピ
ストン74にリターンスプリング77の押圧力が付与さ
れる。
って形成される油圧室73の油圧でピストン74を介し
てドライブプレート75aとドリブンプレート75bを
圧接して動力伝達するように構成される。ピストン74
の油圧室73と反対側にはリテーナ76が設けられ、ピ
ストン74にリターンスプリング77の押圧力が付与さ
れる。
【0058】ケース4とダブルピニオン式プラネタリギ
ヤ60のリングギヤ62との間には、選択的にリングギ
ヤ62をケース4に係止してリングギヤ62を固定する
ための第2摩擦係合要素となる第2多板ブレーキ80が
配設される。
ヤ60のリングギヤ62との間には、選択的にリングギ
ヤ62をケース4に係止してリングギヤ62を固定する
ための第2摩擦係合要素となる第2多板ブレーキ80が
配設される。
【0059】第2多板ブレーキ80は、クラッチハブ8
2がリングギヤ62に設けられ、油圧室83の油圧でピ
ストン84を介してケース4とクラッチハブ82の間に
配置されたドライブプレート85aとドリブンプレート
85bを圧接してリングギヤ62をケース4に係止固定
するように構成され、かつピストン84にはリターンス
プリング87の押圧力が付与されている。
2がリングギヤ62に設けられ、油圧室83の油圧でピ
ストン84を介してケース4とクラッチハブ82の間に
配置されたドライブプレート85aとドリブンプレート
85bを圧接してリングギヤ62をケース4に係止固定
するように構成され、かつピストン84にはリターンス
プリング87の押圧力が付与されている。
【0060】ダブルピニオン式プラネタリギヤ60のキ
ャリヤ65とパーキングギヤ52とは係合手段、例えば
スプライン嵌合等により動力伝達可能に結合されてい
る。
ャリヤ65とパーキングギヤ52とは係合手段、例えば
スプライン嵌合等により動力伝達可能に結合されてい
る。
【0061】トランスミッションケース6の下部に設け
られるオイルパン7内には、出力軸51、第1多板クラ
ッチ70及び第2多板ブレーキ80等の下方にオイルポ
ンプ8からの油圧を車速センサ9a、スロットルセンサ
9b、シフトスイッチ9c等からの信号に基づく油圧制
御ユニット9によって制御され、第1多板クラッチ7
0、第2多板ブレーキ80の各油圧室73、83及び無
段変速機30に給排するためのコントロールバルブ88
が設けられている。
られるオイルパン7内には、出力軸51、第1多板クラ
ッチ70及び第2多板ブレーキ80等の下方にオイルポ
ンプ8からの油圧を車速センサ9a、スロットルセンサ
9b、シフトスイッチ9c等からの信号に基づく油圧制
御ユニット9によって制御され、第1多板クラッチ7
0、第2多板ブレーキ80の各油圧室73、83及び無
段変速機30に給排するためのコントロールバルブ88
が設けられている。
【0062】次に、このように構成された車両用駆動装
置の作用を図5乃至図8に示す概略説明図及び図9に示
す各走行レンジにおける第1多板クラッチ70、第2多
板ブレーキ80の連結状態を示す摩擦係合要素作動説明
図に従って説明する。この摩擦係合要素作動説明図にお
いて○印は対応する第1多板クラッチ70或いは第2多
板ブレーキ80が係合或いは作動していることを示して
いる。
置の作用を図5乃至図8に示す概略説明図及び図9に示
す各走行レンジにおける第1多板クラッチ70、第2多
板ブレーキ80の連結状態を示す摩擦係合要素作動説明
図に従って説明する。この摩擦係合要素作動説明図にお
いて○印は対応する第1多板クラッチ70或いは第2多
板ブレーキ80が係合或いは作動していることを示して
いる。
【0063】先ず、エンジン10の動力は、クランク軸
11からトルクコンバータ20を介して無段変速機30
のプライマリ軸31に入力する。そしてプライマリ軸3
1、プライマリプーリ33、駆動ベルト35及びセカン
ダリプーリ34により無段階に変速してセカンダリ軸3
2に出力する。
11からトルクコンバータ20を介して無段変速機30
のプライマリ軸31に入力する。そしてプライマリ軸3
1、プライマリプーリ33、駆動ベルト35及びセカン
ダリプーリ34により無段階に変速してセカンダリ軸3
2に出力する。
【0064】セカンダリ軸32からの変速出力は、ドラ
イブスプロケット39からサイレントチエーン49を介
してドリブンスプロケット57に伝達され、ドライブス
プロケット39とドリブンスプロケット57の歯数諸元
に従って減速されてクラッチドラム71を介して第1多
板クラッチ70からキャリヤ65及びハブ56を介して
ダブルピニオン式プラネタリギヤ60のサンギヤ61に
入力される。ここでニュートラル(N)レンジ、パーキ
ング(P)レンジでは第1多板クラッチ70は解放さ
れ、かつハブ56を介してサンギヤ61は回転駆動され
るものの、第1及び第2ピニオン63、64、リングギ
ヤ62は空転してキャリヤ65への動力は遮断され、こ
れ以降の動力伝達はしなくなる。
イブスプロケット39からサイレントチエーン49を介
してドリブンスプロケット57に伝達され、ドライブス
プロケット39とドリブンスプロケット57の歯数諸元
に従って減速されてクラッチドラム71を介して第1多
板クラッチ70からキャリヤ65及びハブ56を介して
ダブルピニオン式プラネタリギヤ60のサンギヤ61に
入力される。ここでニュートラル(N)レンジ、パーキ
ング(P)レンジでは第1多板クラッチ70は解放さ
れ、かつハブ56を介してサンギヤ61は回転駆動され
るものの、第1及び第2ピニオン63、64、リングギ
ヤ62は空転してキャリヤ65への動力は遮断され、こ
れ以降の動力伝達はしなくなる。
【0065】前進段となるドライブ(D)レンジでは、
第1多板クラッチ70が係合し、図5に動力伝達状態を
太線で示すようになる。即ち係合した第1多板クラッチ
70によりドリブンスプロケット57からの入力はダブ
ルピニオン式プラネタリギヤ60のキャリヤ65に動力
伝達され、キャリヤ65にスプライン嵌合するパーキン
グギヤ52にスプライン嵌合する出力軸51をドリブン
スプロケット57と同方向に回転駆動し、トランスファ
ドライブギヤ51aと噛み合うトランスファドリブンギ
ヤ54を介してフロントドライブ軸53を回転駆動して
フロントディファレンシャル装置40に動力伝達する。
第1多板クラッチ70が係合し、図5に動力伝達状態を
太線で示すようになる。即ち係合した第1多板クラッチ
70によりドリブンスプロケット57からの入力はダブ
ルピニオン式プラネタリギヤ60のキャリヤ65に動力
伝達され、キャリヤ65にスプライン嵌合するパーキン
グギヤ52にスプライン嵌合する出力軸51をドリブン
スプロケット57と同方向に回転駆動し、トランスファ
ドライブギヤ51aと噛み合うトランスファドリブンギ
ヤ54を介してフロントドライブ軸53を回転駆動して
フロントディファレンシャル装置40に動力伝達する。
【0066】従って、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
60は図6に示すように、第2多板ブレーキ80による
リングギヤ62の係合が解除され、第1多板クラッチ7
0を介してドリブンスプロケット57からの動力がキャ
リヤ65に共に入力され、かつキャリヤ65と出力軸5
1がパーキングギヤ52を介して結合されることから出
力軸51と共に全体が一体的に回転する。
60は図6に示すように、第2多板ブレーキ80による
リングギヤ62の係合が解除され、第1多板クラッチ7
0を介してドリブンスプロケット57からの動力がキャ
リヤ65に共に入力され、かつキャリヤ65と出力軸5
1がパーキングギヤ52を介して結合されることから出
力軸51と共に全体が一体的に回転する。
【0067】一方後退段となるリバース(R)レンジで
は第1多板クラッチ70の係合を解除し、第2多板ブレ
ーキ80によりダブルピニオン式プラネタリギヤ60の
リングギヤ62をトランスミッションケース6に係止す
ることにより図7に動力伝達状態を太線で示すようにす
る。
は第1多板クラッチ70の係合を解除し、第2多板ブレ
ーキ80によりダブルピニオン式プラネタリギヤ60の
リングギヤ62をトランスミッションケース6に係止す
ることにより図7に動力伝達状態を太線で示すようにす
る。
【0068】従って、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
60は、図8に示すようにハブ56によって回転駆動さ
れる入力側のサンギヤ61の回転により互いに噛合した
第1及び第2ピニオン63、64が互いに逆転しつつリ
ングギヤ62に沿って回転してキャリヤ65をサンギヤ
61に対して逆回転方向に回転し、パーキングギヤ52
を介して出力軸51を入力側に対して逆方向に回転せし
め、トランスファドライブギヤ51aと噛み合うトラン
スファドリブンギヤ54を介してフロントドライブ軸5
3を回転駆動してフロントディファレンシャル装置40
に動力伝達する。
60は、図8に示すようにハブ56によって回転駆動さ
れる入力側のサンギヤ61の回転により互いに噛合した
第1及び第2ピニオン63、64が互いに逆転しつつリ
ングギヤ62に沿って回転してキャリヤ65をサンギヤ
61に対して逆回転方向に回転し、パーキングギヤ52
を介して出力軸51を入力側に対して逆方向に回転せし
め、トランスファドライブギヤ51aと噛み合うトラン
スファドリブンギヤ54を介してフロントドライブ軸5
3を回転駆動してフロントディファレンシャル装置40
に動力伝達する。
【0069】ここでダブルピニオン式プラネタリギヤ6
0による変速比について説明する。
0による変速比について説明する。
【0070】この場合、サンギヤ61への入力に対する
出力軸51に出力される変速比はサンギヤ61の歯数を
ZS、リングギヤ62の歯数をZRとすると次式で設定
される。
出力軸51に出力される変速比はサンギヤ61の歯数を
ZS、リングギヤ62の歯数をZRとすると次式で設定
される。
【0071】変速比=[ZS+(−ZR)]/ZS
【0072】このことからサンギヤ61の歯数ZSとリ
ングギヤ62の歯数ZRを適切に設定することで変速比
を自由に設定し得ることがわかる。
ングギヤ62の歯数ZRを適切に設定することで変速比
を自由に設定し得ることがわかる。
【0073】ここでZS=37、ZR=82とすると、 変速比=[37+(−82)]/37=−1.216 となり、リバース(R)レンジでの減速比が適切に確保
される。
される。
【0074】従ってダブルピニオン式プラネタリギヤ6
0、第1多板クラッチ70及び第2多板ブレーキ80を
主要部とする前後進切り換え装置が構成される。
0、第1多板クラッチ70及び第2多板ブレーキ80を
主要部とする前後進切り換え装置が構成される。
【0075】よって、エンジン10のクランク軸11、
トルクコンバータ20、ベルト式無段変速機30のプラ
イマリ軸31及び出力軸51が略同軸上でかつ前後進切
換装置となるダブルピニオン式プラネタリギヤ60、第
1多板クラッチ70、第2多板ブレーキ80が出力軸5
1を囲むように出力軸51と同軸上に配置され、フロン
トドライブ軸53が下方に平行配置されることから、駆
動装置の高さが増大することなくコンパクト化が得ら
れ、車室内の居住空間が容易に確保されると共に、従来
の手動変速機とトランスミッションケース6の外周寸
法、いわゆる胴回り寸法を略同一に形成可能で、手動変
速機(マニュアルトランスミッション、MT)及び有段
自動変速機(オートマチックトランスミッション、A
T)搭載車との車載互換性に優れ、搭載のための支持部
材や排気系の共用化が可能になる。
トルクコンバータ20、ベルト式無段変速機30のプラ
イマリ軸31及び出力軸51が略同軸上でかつ前後進切
換装置となるダブルピニオン式プラネタリギヤ60、第
1多板クラッチ70、第2多板ブレーキ80が出力軸5
1を囲むように出力軸51と同軸上に配置され、フロン
トドライブ軸53が下方に平行配置されることから、駆
動装置の高さが増大することなくコンパクト化が得ら
れ、車室内の居住空間が容易に確保されると共に、従来
の手動変速機とトランスミッションケース6の外周寸
法、いわゆる胴回り寸法を略同一に形成可能で、手動変
速機(マニュアルトランスミッション、MT)及び有段
自動変速機(オートマチックトランスミッション、A
T)搭載車との車載互換性に優れ、搭載のための支持部
材や排気系の共用化が可能になる。
【0076】またトーボードと駆動装置との間、即ちト
ーボードの前方空間の増大に伴って衝突時のクラッシュ
ストロークが確保され、かつ駆動装置等の脱着時の作業
空間が確保できる。
ーボードの前方空間の増大に伴って衝突時のクラッシュ
ストロークが確保され、かつ駆動装置等の脱着時の作業
空間が確保できる。
【0077】更に、出力軸51等の下方に潤滑油を貯留
しコントロールバルブ88を格納するオイルパン7を効
率的に配置することが可能になると共に、出力軸51、
ダブルピニオン式プラネタリギヤ60、第1多板クラッ
チ70、第2多板ブレーキ80の回転部が比較的高位置
に配置され、走行中における潤滑油による攪拌抵抗が減
少して動力伝達効率の向上が得られて燃費の向上及び潤
滑油の劣化が防止される。
しコントロールバルブ88を格納するオイルパン7を効
率的に配置することが可能になると共に、出力軸51、
ダブルピニオン式プラネタリギヤ60、第1多板クラッ
チ70、第2多板ブレーキ80の回転部が比較的高位置
に配置され、走行中における潤滑油による攪拌抵抗が減
少して動力伝達効率の向上が得られて燃費の向上及び潤
滑油の劣化が防止される。
【0078】上記車両用駆動装置において、ドリブンス
プロケット57とダブルピニオン式プラネタリギヤ60
との間に入力切換手段を介装し、ハブ56及び出力軸5
1を4輪駆動車用のハブ及び出力軸に代えて、かつパー
キングギヤ52に代えてリヤディファレンシャル装置に
動力伝達するトランスファ機構を付加的に配設すること
により上記車両用駆動装置の主要部を共用する4輪駆動
車用駆動装置を構成することができる。
プロケット57とダブルピニオン式プラネタリギヤ60
との間に入力切換手段を介装し、ハブ56及び出力軸5
1を4輪駆動車用のハブ及び出力軸に代えて、かつパー
キングギヤ52に代えてリヤディファレンシャル装置に
動力伝達するトランスファ機構を付加的に配設すること
により上記車両用駆動装置の主要部を共用する4輪駆動
車用駆動装置を構成することができる。
【0079】そこで、次に図10乃至図19において上
記車両用駆動装置をベースとする4輪駆動車用駆動装置
について述べる。なお便宜上図1乃至図8と同一部分に
同一符号を付する。
記車両用駆動装置をベースとする4輪駆動車用駆動装置
について述べる。なお便宜上図1乃至図8と同一部分に
同一符号を付する。
【0080】図10は4輪駆動車用駆動装置の駆動系の
概要を説明する図であり、図11は同駆動装置の断面
図、図12は図11に示す断面図の要部拡大図である。
概要を説明する図であり、図11は同駆動装置の断面
図、図12は図11に示す断面図の要部拡大図である。
【0081】トランスミッションケース6を構成するケ
ース4及びエンドケース5に代えて4輪駆動車用のトラ
ンスファユニット100を収容するためのケース95及
びエクステンションケース96が軸承板3の後方に順次
接合される。
ース4及びエンドケース5に代えて4輪駆動車用のトラ
ンスファユニット100を収容するためのケース95及
びエクステンションケース96が軸承板3の後方に順次
接合される。
【0082】そして変速機30から入力されるエンジン
10からの駆動力をトランスファユニット100によっ
てデフアンドコンバータハウジング2内のフロントディ
ファレンシャル装置40を介して前輪に伝動構成する一
方、プロペラ軸98、リヤディファレンシャル装置99
等を介して後輪に伝動構成される。
10からの駆動力をトランスファユニット100によっ
てデフアンドコンバータハウジング2内のフロントディ
ファレンシャル装置40を介して前輪に伝動構成する一
方、プロペラ軸98、リヤディファレンシャル装置99
等を介して後輪に伝動構成される。
【0083】次に図11乃至図13によってトランスフ
ァユニット100の部分について述べる。
ァユニット100の部分について述べる。
【0084】トランスファユニット100は、エンジン
10のクランク軸11、入力軸21、プライマリ軸31
等に対して略同軸上に配置される4輪駆動車用の出力軸
101、リヤドライブ軸102及び、出力軸101の下
方に平行配置される上記フロントドライブ軸53を有し
ている。
10のクランク軸11、入力軸21、プライマリ軸31
等に対して略同軸上に配置される4輪駆動車用の出力軸
101、リヤドライブ軸102及び、出力軸101の下
方に平行配置される上記フロントドライブ軸53を有し
ている。
【0085】図11における矢視A方向からの配置を図
13に示すように、クランク軸11の回転軸芯11a、
入力軸21、プライマリ軸31、出力軸101、リヤド
ライブ軸102が略車体幅中心線上に車体前後方向に略
同軸上に位置し、フロントドライブ軸53が平面視プラ
イマリ軸31とセカンダリ軸32との間で、かつ下方に
配置されている。なお符号Bは車体下部に形成されるト
ンネルである。
13に示すように、クランク軸11の回転軸芯11a、
入力軸21、プライマリ軸31、出力軸101、リヤド
ライブ軸102が略車体幅中心線上に車体前後方向に略
同軸上に位置し、フロントドライブ軸53が平面視プラ
イマリ軸31とセカンダリ軸32との間で、かつ下方に
配置されている。なお符号Bは車体下部に形成されるト
ンネルである。
【0086】従って、リヤドライブ軸102をエンジン
10のクランク軸11と略同軸上に配置することにより
リヤドライブ軸102の地上高を確保し、リヤドライブ
軸102から車体後方に自在継手を介して長く延設され
るプロペラ軸98等のロードクリアランスを確保してオ
フロード走行を良好にしている。
10のクランク軸11と略同軸上に配置することにより
リヤドライブ軸102の地上高を確保し、リヤドライブ
軸102から車体後方に自在継手を介して長く延設され
るプロペラ軸98等のロードクリアランスを確保してオ
フロード走行を良好にしている。
【0087】出力軸101は、その先端にフロントドラ
イブ軸53に取り付けられたトランスファドリブンギヤ
54と常時噛み合うトランスファドライブギヤ101a
が形成されると共に、先端部はボールベアリング51d
を介して軸支部材48に回転自在に軸支され、後端部は
エクステンションケース96にボルト結合された軸保持
部材104に回転自在に支持されるリヤドライブ軸10
2にニードルベアリング101eを介して軸支されてい
る。
イブ軸53に取り付けられたトランスファドリブンギヤ
54と常時噛み合うトランスファドライブギヤ101a
が形成されると共に、先端部はボールベアリング51d
を介して軸支部材48に回転自在に軸支され、後端部は
エクステンションケース96にボルト結合された軸保持
部材104に回転自在に支持されるリヤドライブ軸10
2にニードルベアリング101eを介して軸支されてい
る。
【0088】また出力軸101の軸方向後端部外周には
クラッチハブ119が嵌合するスプライン101bが形
成されている。
クラッチハブ119が嵌合するスプライン101bが形
成されている。
【0089】出力軸101にはハブ103が回転自在に
嵌合している。ハブ103は出力軸101に嵌合する円
筒部103aと、円筒部103aの基端に形成されるフ
ランジ部103bを有し、円筒部103aのフランジ部
103bの近傍外周にはダブルピニオン式プラネタリギ
ヤ60のサンギヤ61が一体に形成され、後端には第5
摩擦係合要素となる第5多板クラッチ130のクラッチ
ドラム131が嵌合するスプライン103dが形成さ
れ、フランジ部103bには第1多板クラッチ70のス
プライン104が形成されている。
嵌合している。ハブ103は出力軸101に嵌合する円
筒部103aと、円筒部103aの基端に形成されるフ
ランジ部103bを有し、円筒部103aのフランジ部
103bの近傍外周にはダブルピニオン式プラネタリギ
ヤ60のサンギヤ61が一体に形成され、後端には第5
摩擦係合要素となる第5多板クラッチ130のクラッチ
ドラム131が嵌合するスプライン103dが形成さ
れ、フランジ部103bには第1多板クラッチ70のス
プライン104が形成されている。
【0090】ダブルピニオン式プラネタリギヤ60は、
リングギヤ62に入力する動力をサンギヤ61とリング
ギヤ62との歯車諸元によるトルク配分でサンギヤ61
とキャリヤ65に伝達し、リングギヤ62をケース95
に係止することによりサンギヤ61に入力する動力によ
ってキャリヤ65をサンギヤ61に対して逆方向に回転
せしめる機能を有する。
リングギヤ62に入力する動力をサンギヤ61とリング
ギヤ62との歯車諸元によるトルク配分でサンギヤ61
とキャリヤ65に伝達し、リングギヤ62をケース95
に係止することによりサンギヤ61に入力する動力によ
ってキャリヤ65をサンギヤ61に対して逆方向に回転
せしめる機能を有する。
【0091】固定軸55にはドリブンスプロケット57
がニードルベアリングを介して回転自在に設けられ、ド
リブンスプロケット57と上記ダブルピニオン式プラネ
タリギヤ60との間に選択的にドリブンスプロケット5
7からの出力をリングギヤ62或いはハブ103を介し
てサンギヤ61に入力する第3摩擦係合要素となる第3
多板クラッチ110及び上記第1多板クラッチ70とを
有する入力切換手段69が設けられている。
がニードルベアリングを介して回転自在に設けられ、ド
リブンスプロケット57と上記ダブルピニオン式プラネ
タリギヤ60との間に選択的にドリブンスプロケット5
7からの出力をリングギヤ62或いはハブ103を介し
てサンギヤ61に入力する第3摩擦係合要素となる第3
多板クラッチ110及び上記第1多板クラッチ70とを
有する入力切換手段69が設けられている。
【0092】第1多板クラッチ70は、スプライン10
4がハブ103と一体に形成され、ドリブンスプロケッ
ト57とハブ103との間を選択的に動力伝達可能に介
設されている。
4がハブ103と一体に形成され、ドリブンスプロケッ
ト57とハブ103との間を選択的に動力伝達可能に介
設されている。
【0093】第3クラッチ110について述べると、ク
ラッチドラム71を第1多板クラッチ70と共用し、リ
ングギア62の外スプライン82を第2多板ブレーキ8
0と共用して第3多板クラッチ110はドリブンスプロ
ケット57とリングギヤ62との間を選択的に動力伝達
可能に介設される。そして油圧室73の油圧でピストン
74を介してドライブプレート115aとドリブンプレ
ート115bを圧接して動力伝達するように構成されて
いる。
ラッチドラム71を第1多板クラッチ70と共用し、リ
ングギア62の外スプライン82を第2多板ブレーキ8
0と共用して第3多板クラッチ110はドリブンスプロ
ケット57とリングギヤ62との間を選択的に動力伝達
可能に介設される。そして油圧室73の油圧でピストン
74を介してドライブプレート115aとドリブンプレ
ート115bを圧接して動力伝達するように構成されて
いる。
【0094】トランスミッションケース6の中間ケース
95とダブルピニオン式プラネタリギヤ60のリングギ
ヤ62との間には中間ケース95に係止してリングギヤ
62を固定するための第2多板ブレーキ80が配設さ
れ、第2多板ブレーキ80は、油圧室83の油圧でピス
トン84を介してドライブプレート85aとドリブンプ
レート85bを圧接してリングギヤ62をケース95に
係止固定するように構成されている。
95とダブルピニオン式プラネタリギヤ60のリングギ
ヤ62との間には中間ケース95に係止してリングギヤ
62を固定するための第2多板ブレーキ80が配設さ
れ、第2多板ブレーキ80は、油圧室83の油圧でピス
トン84を介してドライブプレート85aとドリブンプ
レート85bを圧接してリングギヤ62をケース95に
係止固定するように構成されている。
【0095】ダブルピニオン式プラネタリギヤ60に対
して入力切換手段69と反対側には筒状の連結部材11
6がボールベアリング116aを介してケース95に支
持され、かつベアリングを介してハブ103に回転自在
に軸支され、キャリヤ65と連結部材116とは動力伝
達可能にスプライン嵌合されている。
して入力切換手段69と反対側には筒状の連結部材11
6がボールベアリング116aを介してケース95に支
持され、かつベアリングを介してハブ103に回転自在
に軸支され、キャリヤ65と連結部材116とは動力伝
達可能にスプライン嵌合されている。
【0096】第4多板クラッチ120は、連結部材11
6に一体のドラム部材121aがドラム121を介して
係合連結すると共に出力軸101と同軸上で回転自在に
エクステンションケース96に設けられた軸保持部材1
04に支持されたリヤドライブ軸102に動力伝達可能
に結合されている。一方、クラッチハブ119は出力軸
101のスプライン101bに嵌合して出力軸101と
リヤドライブ軸102との間にバイパスして動力伝達可
能に介設される。
6に一体のドラム部材121aがドラム121を介して
係合連結すると共に出力軸101と同軸上で回転自在に
エクステンションケース96に設けられた軸保持部材1
04に支持されたリヤドライブ軸102に動力伝達可能
に結合されている。一方、クラッチハブ119は出力軸
101のスプライン101bに嵌合して出力軸101と
リヤドライブ軸102との間にバイパスして動力伝達可
能に介設される。
【0097】そして油圧室123の油圧でピストン12
4を介してクラッチドラム121と一方のクラッチスプ
ライン122との間に配設されたドライブプレート12
5aとドリブンプレート125bとの圧接を図ることに
より動力伝達するように構成されている。更にピストン
124の油圧室123と反対側にはリテーナ126によ
り油圧室123に発生する遠心油圧を相殺するバランス
油圧室127が設けられ、ピストン124にはリターン
スプリング128の押圧力が付勢される。
4を介してクラッチドラム121と一方のクラッチスプ
ライン122との間に配設されたドライブプレート12
5aとドリブンプレート125bとの圧接を図ることに
より動力伝達するように構成されている。更にピストン
124の油圧室123と反対側にはリテーナ126によ
り油圧室123に発生する遠心油圧を相殺するバランス
油圧室127が設けられ、ピストン124にはリターン
スプリング128の押圧力が付勢される。
【0098】出力軸101とハブ103の後端部との間
には出力軸101とハブ103とを動力伝達する第5摩
擦係合要素となる第5多板クラッチ130が配設され
る。第5多板クラッチ130は、クラッチドラム131
の小径部にハブ103のスプライン103dにスプライ
ン嵌合し、クラッチハブ119の他方のスプライン13
2がクラッチハブ119を介して出力軸101にスプラ
イン嵌合して出力軸101とハブ103との間に動力伝
達可能に介設される。
には出力軸101とハブ103とを動力伝達する第5摩
擦係合要素となる第5多板クラッチ130が配設され
る。第5多板クラッチ130は、クラッチドラム131
の小径部にハブ103のスプライン103dにスプライ
ン嵌合し、クラッチハブ119の他方のスプライン13
2がクラッチハブ119を介して出力軸101にスプラ
イン嵌合して出力軸101とハブ103との間に動力伝
達可能に介設される。
【0099】そして油圧室133の油圧でピストン13
4を介してクラッチドラム131とクラッチハブ132
との間のドライブプレート135aとドリブンプレート
135bとの圧接を図ることにより動力伝達するように
構成され、更にリテーナ136により油圧室133によ
る遠心油圧を相殺するバランス室137が設けられ、か
つピストン134にはリターンスプリング138の押圧
力が付勢される。
4を介してクラッチドラム131とクラッチハブ132
との間のドライブプレート135aとドリブンプレート
135bとの圧接を図ることにより動力伝達するように
構成され、更にリテーナ136により油圧室133によ
る遠心油圧を相殺するバランス室137が設けられ、か
つピストン134にはリターンスプリング138の押圧
力が付勢される。
【0100】トランスミッションケース6の下部に設け
られるオイルパン7内には、オイルポンプ8からの油圧
を車速センサ9a、スロットルセンサ9b、シフトスイ
ッチ9c、前輪回転数センサ9d、後輪回転数センサ9
e、蛇角センサ9f等からの信号に基づく油圧制御ユニ
ット9によって制御され、上記各多板クラッチ及び多板
ブレーキ70、80、110、120、130の各油圧
室37、83、113、123、133及び無段変速機
30に供給するためのコントロールバルブ88が設けら
れている。
られるオイルパン7内には、オイルポンプ8からの油圧
を車速センサ9a、スロットルセンサ9b、シフトスイ
ッチ9c、前輪回転数センサ9d、後輪回転数センサ9
e、蛇角センサ9f等からの信号に基づく油圧制御ユニ
ット9によって制御され、上記各多板クラッチ及び多板
ブレーキ70、80、110、120、130の各油圧
室37、83、113、123、133及び無段変速機
30に供給するためのコントロールバルブ88が設けら
れている。
【0101】次に、このように構成された4輪駆動車用
駆動装置の作動を図14乃至図18に示す概略説明図及
び図19に示す各走行レンジにおける各多板クラッチ及
び多板ブレーキ70、80、110、120、130の
連結状態を示す摩擦係合要素作動説明図に従って説明す
る。この摩擦係合要素作動説明図において○印は係合或
いは作動していることを示し、(○)は後述する必要に
応じて係合或いは作動していることを示している。
駆動装置の作動を図14乃至図18に示す概略説明図及
び図19に示す各走行レンジにおける各多板クラッチ及
び多板ブレーキ70、80、110、120、130の
連結状態を示す摩擦係合要素作動説明図に従って説明す
る。この摩擦係合要素作動説明図において○印は係合或
いは作動していることを示し、(○)は後述する必要に
応じて係合或いは作動していることを示している。
【0102】先ず、エンジン10の動力は、クランク軸
11からトルクコンバータ20を介して無段変速機30
のプライマリ軸31に入力する。そしてプライマリ軸3
1、プライマリプーリ33、駆動ベルト35及びセカン
ダリプーリ34により無段階に変速してセカンダリ軸3
2に出力する。
11からトルクコンバータ20を介して無段変速機30
のプライマリ軸31に入力する。そしてプライマリ軸3
1、プライマリプーリ33、駆動ベルト35及びセカン
ダリプーリ34により無段階に変速してセカンダリ軸3
2に出力する。
【0103】セカンダリ軸32からの変速出力は、ドラ
イブスプロケット39からサイレントチエーン49を介
してドリブンスプロケット57に伝達され、ドライブス
プロケット39とドリブンスプロケット57の歯数諸元
に従って減速されてクラッチドラム71を介して第1多
板クラッチ70及び第3多板クラッチ110へ入力され
る。
イブスプロケット39からサイレントチエーン49を介
してドリブンスプロケット57に伝達され、ドライブス
プロケット39とドリブンスプロケット57の歯数諸元
に従って減速されてクラッチドラム71を介して第1多
板クラッチ70及び第3多板クラッチ110へ入力され
る。
【0104】ここでニュートラル(N)レンジ、パーキ
ング(P)レンジでは第1及び第3の多板クラッチ7
0、110は解放されて動力伝達遮断状態となり、これ
以降の動力伝達はしなくなる。
ング(P)レンジでは第1及び第3の多板クラッチ7
0、110は解放されて動力伝達遮断状態となり、これ
以降の動力伝達はしなくなる。
【0105】前進段となるドライブ(D)レンジでは、
第3多板クラッチ110及び第5多板クラッチ130が
係合し、図14に動力伝達状態を太線で示すようにな
る。即ち係合した第3多板クラッチ110によりドリブ
ンスプロケット57からダブルピニオン式プラネタリギ
ヤ60のリングギヤ62に動力伝達すると共に、係合す
る第5多板クラッチ130によりダブルピニオン式プラ
ネタリギヤ60のサンギヤ61と出力軸101がハブ1
03、第5多板クラッチ130、クラッチハブ119を
介して動力伝達可能に連結する。
第3多板クラッチ110及び第5多板クラッチ130が
係合し、図14に動力伝達状態を太線で示すようにな
る。即ち係合した第3多板クラッチ110によりドリブ
ンスプロケット57からダブルピニオン式プラネタリギ
ヤ60のリングギヤ62に動力伝達すると共に、係合す
る第5多板クラッチ130によりダブルピニオン式プラ
ネタリギヤ60のサンギヤ61と出力軸101がハブ1
03、第5多板クラッチ130、クラッチハブ119を
介して動力伝達可能に連結する。
【0106】従って、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
60は、図15に示すように入力側のリングギヤ62が
第2ピニオン64に噛み合い、第2ピニオン64に噛み
合う第1ピニオン34がサンギヤ61に噛み合いサンギ
ヤ61及びキャリヤ65をリングギヤ62と同一方向に
回転させてサンギヤ61とキャリヤ65とに所定の配分
比でトルクを伝達しながら作動回転するように構成され
る。
60は、図15に示すように入力側のリングギヤ62が
第2ピニオン64に噛み合い、第2ピニオン64に噛み
合う第1ピニオン34がサンギヤ61に噛み合いサンギ
ヤ61及びキャリヤ65をリングギヤ62と同一方向に
回転させてサンギヤ61とキャリヤ65とに所定の配分
比でトルクを伝達しながら作動回転するように構成され
る。
【0107】そしてサンギヤ61が一体形成されたハブ
103、ハブ103と第5多板クラッチ130、クラッ
チハブ119等を介して結合する出力軸101及びキャ
リヤ65にスプライン嵌合する連結部材116とをリン
グギヤ62と同一方向に回転せしめ、出力軸101のト
ランスファドライブギヤ101aに噛み合うトランスフ
ァドリブンギヤ54に出力してフロントドライブ軸53
をリングギヤ62と逆方向に回転駆動する。一方連結部
材116に結合されたドラム部材121a、第4多板ク
ラッチ120のクラッチドラム121を介してリヤドラ
イブ軸102をリングギヤ62と同一方向に回転駆動す
る。
103、ハブ103と第5多板クラッチ130、クラッ
チハブ119等を介して結合する出力軸101及びキャ
リヤ65にスプライン嵌合する連結部材116とをリン
グギヤ62と同一方向に回転せしめ、出力軸101のト
ランスファドライブギヤ101aに噛み合うトランスフ
ァドリブンギヤ54に出力してフロントドライブ軸53
をリングギヤ62と逆方向に回転駆動する。一方連結部
材116に結合されたドラム部材121a、第4多板ク
ラッチ120のクラッチドラム121を介してリヤドラ
イブ軸102をリングギヤ62と同一方向に回転駆動す
る。
【0108】また、トルク伝達時に第1ピニオン63及
び第2ピニオン64の自転と公転とによりサンギヤ61
とキャリヤ65との回転差を吸収するいわゆるセンタデ
ィファレンシャル装置として機能する。
び第2ピニオン64の自転と公転とによりサンギヤ61
とキャリヤ65との回転差を吸収するいわゆるセンタデ
ィファレンシャル装置として機能する。
【0109】ここで図16の略図を用いてダブルピニオ
ン式プラネタリギヤ60のトルク配分について説明す
る。
ン式プラネタリギヤ60のトルク配分について説明す
る。
【0110】リングギヤ62の入力トルクをTi、サン
ギヤ61によるフロント側トルクをTF、キャリヤ65
によるリヤ側トルクをTR、サンギヤ61の歯数をZ
S、リングギヤ62の歯数をZRとすると、 Ti=TF+TR TF:TR=ZS:(ZR−ZS) が成立する。
ギヤ61によるフロント側トルクをTF、キャリヤ65
によるリヤ側トルクをTR、サンギヤ61の歯数をZ
S、リングギヤ62の歯数をZRとすると、 Ti=TF+TR TF:TR=ZS:(ZR−ZS) が成立する。
【0111】このことからサンギヤ61の歯数ZSとリ
ングギヤ62の歯数ZRとを適切に設定することでフロ
ント側トルクTF及びリヤ側トルクTRの基準トルク配
分を自由に設定し得ることがわかる。
ングギヤ62の歯数ZRとを適切に設定することでフロ
ント側トルクTF及びリヤ側トルクTRの基準トルク配
分を自由に設定し得ることがわかる。
【0112】ここで上記のようにZS=37、ZR=8
2にすると、 TF:TR=37:(82−37) になる。従って前後輪トルク配分率は TF:TR≒45:55 になり、前輪に約45%、後輪に約55%各々配分され
充分に後輪偏重の基準トルク配分に設定し得る。
2にすると、 TF:TR=37:(82−37) になる。従って前後輪トルク配分率は TF:TR≒45:55 になり、前輪に約45%、後輪に約55%各々配分され
充分に後輪偏重の基準トルク配分に設定し得る。
【0113】一方第4多板クラッチ120は油圧室12
3の油圧でピストン124を介してドライブプレート1
25aとドリブンプレート125bを圧接せしめてクラ
ッチトルクTcを生じるように構成され、油圧制御ユニ
ット9によって制御されるコントロールバルブ88から
の油圧によってクラッチトルクTcを可変制御する。
3の油圧でピストン124を介してドライブプレート1
25aとドリブンプレート125bを圧接せしめてクラ
ッチトルクTcを生じるように構成され、油圧制御ユニ
ット9によって制御されるコントロールバルブ88から
の油圧によってクラッチトルクTcを可変制御する。
【0114】ここで、前輪回転数センサ9d及び後輪回
転数センサ9eにより検出された前輪回転数NF、後輪
回転数NRは、油圧制御ユニット9に入力されるが滑り
易い路面走行時にはTF<TRの後輪偏重の基準トルク
配分で常に後輪が先にスリップすることから、スリップ
率S=NF/NR(S>0)に算出される。
転数センサ9eにより検出された前輪回転数NF、後輪
回転数NRは、油圧制御ユニット9に入力されるが滑り
易い路面走行時にはTF<TRの後輪偏重の基準トルク
配分で常に後輪が先にスリップすることから、スリップ
率S=NF/NR(S>0)に算出される。
【0115】このスリップ率Sと蛇角センサ9fから油
圧制御ユニット9に入力される蛇角ψとによって油圧制
御ユニット9の図16に示すマップからクラッチ圧Pc
を検索する。ここでS≧1のノンスリップではクラッチ
圧Pcは低い値にされていて、S<1のスリップ状態で
はスリップ率Sの減少に応じてクラッチ圧Pcを増大
し、スリップ率S1 以下になるとPmax に定める。この
クラッチ圧Pcにライン圧が調圧され第4多板クラッチ
120のクラッチトルクTcを可変制御する。
圧制御ユニット9に入力される蛇角ψとによって油圧制
御ユニット9の図16に示すマップからクラッチ圧Pc
を検索する。ここでS≧1のノンスリップではクラッチ
圧Pcは低い値にされていて、S<1のスリップ状態で
はスリップ率Sの減少に応じてクラッチ圧Pcを増大
し、スリップ率S1 以下になるとPmax に定める。この
クラッチ圧Pcにライン圧が調圧され第4多板クラッチ
120のクラッチトルクTcを可変制御する。
【0116】従って第4多板クラッチ120によってキ
ャリヤ65から連結部材116を介して伝達されるリヤ
ドライブ軸側と、サンギヤ61、ハブ103、第5多板
クラッチ130を介して出力軸101に至るフロントド
ライブ側との間にバイパス系140が別個に構成され
る。
ャリヤ65から連結部材116を介して伝達されるリヤ
ドライブ軸側と、サンギヤ61、ハブ103、第5多板
クラッチ130を介して出力軸101に至るフロントド
ライブ側との間にバイパス系140が別個に構成され
る。
【0117】このバイパス系140では、後輪がスリッ
プすると、トランスファユニット100内で後輪回転数
NR>リングギヤ62の回転数>前輪回転数NFの作動
機能が成立し、クラッチトルクTcに応じて出力軸10
1は、連結部材116から第4多板クラッチ120を介
して出力軸101にトルクがTcだけ増加して伝達し、
トランスファドライブギヤ101aに噛み合うトランス
ファドリブンギヤ54を介してフロントドライブ軸53
に伝達され、一方第4多板クラッ120のクラッチドラ
ム121に結合されるリヤドライブ軸102には前輪に
流れたクラッチトルクTc分を減じたトルクが伝達され
る。この結果、前後輪トルクTF、TRは以下のように
なる。
プすると、トランスファユニット100内で後輪回転数
NR>リングギヤ62の回転数>前輪回転数NFの作動
機能が成立し、クラッチトルクTcに応じて出力軸10
1は、連結部材116から第4多板クラッチ120を介
して出力軸101にトルクがTcだけ増加して伝達し、
トランスファドライブギヤ101aに噛み合うトランス
ファドリブンギヤ54を介してフロントドライブ軸53
に伝達され、一方第4多板クラッ120のクラッチドラ
ム121に結合されるリヤドライブ軸102には前輪に
流れたクラッチトルクTc分を減じたトルクが伝達され
る。この結果、前後輪トルクTF、TRは以下のように
なる。
【0118】TF=0.45Ti+Tc TR=0.55Ti−Tc
【0119】従って、ノンスリップ状態においては、ク
ラッチトルクTcが零であることからTF:TR=4
5:55の後輪偏重にトルク配分され、後輪スリップ発
生時にクラッチトルクTcが生じると、このクラッチト
ルクTcに応じてクラッチトルクTcが大きい程バイパ
ス系140を経由して入力トルクTiが前輪側に流れ、
図16に示すようにTF:TR=TF1 :TR1 に変化
して前輪トルクが積極的に増大制御され、後輪トルクが
減じてスリップの発生がなくなり走破性も良好になる。
ラッチトルクTcが零であることからTF:TR=4
5:55の後輪偏重にトルク配分され、後輪スリップ発
生時にクラッチトルクTcが生じると、このクラッチト
ルクTcに応じてクラッチトルクTcが大きい程バイパ
ス系140を経由して入力トルクTiが前輪側に流れ、
図16に示すようにTF:TR=TF1 :TR1 に変化
して前輪トルクが積極的に増大制御され、後輪トルクが
減じてスリップの発生がなくなり走破性も良好になる。
【0120】一方前輪がスリップすると、トランスファ
ユニット100内で後輪回転数NR<リングギヤ62の
回転数<前輪回転数NFの作動機能が成立し、クラッチ
トルクTcに応じて出力軸101から第4多板クラッチ
120のクラッチドラム121を介してリヤドライブ軸
102にトルクが伝達し、かつ出力軸101からトラン
スファドライブギヤ101aに噛み合うトランスファド
リブンギヤ54を介してフロントドライブ軸53にはク
ラッチトルクTc分を減じたトルクが伝達され、後輪ト
ルクが積極的に増大制御され、前輪トルクが減じてスリ
ップの発生がなくなり走破性も良好になる。
ユニット100内で後輪回転数NR<リングギヤ62の
回転数<前輪回転数NFの作動機能が成立し、クラッチ
トルクTcに応じて出力軸101から第4多板クラッチ
120のクラッチドラム121を介してリヤドライブ軸
102にトルクが伝達し、かつ出力軸101からトラン
スファドライブギヤ101aに噛み合うトランスファド
リブンギヤ54を介してフロントドライブ軸53にはク
ラッチトルクTc分を減じたトルクが伝達され、後輪ト
ルクが積極的に増大制御され、前輪トルクが減じてスリ
ップの発生がなくなり走破性も良好になる。
【0121】一方、上述のスリップの発生に伴うトルク
配分制御において旋回する場合にはその蛇角ψにより第
4多板クラッチ120の作動制限トルクが減少補正され
る。このためトランスファユニット100の作動制限は
減じて回転数差を充分に吸収することが可能になり、タ
イトコーナーブレーキング現象が回避され、良好な操縦
性が確保される。
配分制御において旋回する場合にはその蛇角ψにより第
4多板クラッチ120の作動制限トルクが減少補正され
る。このためトランスファユニット100の作動制限は
減じて回転数差を充分に吸収することが可能になり、タ
イトコーナーブレーキング現象が回避され、良好な操縦
性が確保される。
【0122】後退段にとなるリバース(R)レンジで
は、第3多板クラッチ110及び第5多板クラッチ13
0が解放され、第1多板クラッチ70、第4多板クラッ
チ120及び第2多板ブレーキ80が係合して図17に
示す動力伝達状態を太線で示すようになる。即ち第1多
板クラッチ70を係合してドリブンスプロケット57か
らハブ103を介してダブルピニオン式プラネタリギヤ
60のサンギヤ61に動力伝達すると共に、第2多板ブ
レーキ80によりリングギヤ62をケース95に係止固
定する。そして第4多板クラッチ120によって連結部
材116から出力軸101に動力伝達可能にする。
は、第3多板クラッチ110及び第5多板クラッチ13
0が解放され、第1多板クラッチ70、第4多板クラッ
チ120及び第2多板ブレーキ80が係合して図17に
示す動力伝達状態を太線で示すようになる。即ち第1多
板クラッチ70を係合してドリブンスプロケット57か
らハブ103を介してダブルピニオン式プラネタリギヤ
60のサンギヤ61に動力伝達すると共に、第2多板ブ
レーキ80によりリングギヤ62をケース95に係止固
定する。そして第4多板クラッチ120によって連結部
材116から出力軸101に動力伝達可能にする。
【0123】従って、ダブルピニオン式プラネタリギヤ
60は、図18に示すように入力側のサンギヤ61の回
転により互いに噛合した第1及び第2のピニオン63、
64は互いに逆方向に回転しつつリングギヤ62に沿っ
て回転してキャリヤ65をサンギヤ61と逆方向に回転
して連結部材116を入力側に対して逆方向に回転せし
め、リヤドライブ軸102を逆方向に回転駆動すると共
に第4多板クラッチ120を介して出力軸101に動力
伝達する。
60は、図18に示すように入力側のサンギヤ61の回
転により互いに噛合した第1及び第2のピニオン63、
64は互いに逆方向に回転しつつリングギヤ62に沿っ
て回転してキャリヤ65をサンギヤ61と逆方向に回転
して連結部材116を入力側に対して逆方向に回転せし
め、リヤドライブ軸102を逆方向に回転駆動すると共
に第4多板クラッチ120を介して出力軸101に動力
伝達する。
【0124】従ってドリブンスプロケット57からの入
力は、ダブルピニオン式プラネタリギヤ60のリングギ
ヤ62を第2多板ブレーキ70によってケース95に係
止することによりドライブ(D)レンジ状態と逆方向に
フロントドライブ軸53及びリヤドライブ軸102に出
力され、このダブルピニオン式プラネタリギヤ60は前
後進切換機能を有する。
力は、ダブルピニオン式プラネタリギヤ60のリングギ
ヤ62を第2多板ブレーキ70によってケース95に係
止することによりドライブ(D)レンジ状態と逆方向に
フロントドライブ軸53及びリヤドライブ軸102に出
力され、このダブルピニオン式プラネタリギヤ60は前
後進切換機能を有する。
【0125】この場合、サンギヤ61の入力に対する出
力軸101、即ちフロントドライブ軸53及びリヤドラ
イブ軸102に出力される減速比は次式で設定される。
力軸101、即ちフロントドライブ軸53及びリヤドラ
イブ軸102に出力される減速比は次式で設定される。
【0126】減速比=[ZS+(−ZR)]/ZS ここで上記同様ZS=37、ZR=82とすると、 減速比=[37+(−82)]/37=−1.216 となり、リバース(R)レンジでの減速比が適切に確保
される。
される。
【0127】一方、サンギヤ61に入力するトルクTi
はクラッチトルクTcに応じて出力軸101を介してフ
ロントドライブ軸53に伝達し、後輪には前輪に伝達し
たクラッチトルクTc分を減じたトルクが入力され、こ
の結果前後輪トルクTF、TRは以下のようになる。
はクラッチトルクTcに応じて出力軸101を介してフ
ロントドライブ軸53に伝達し、後輪には前輪に伝達し
たクラッチトルクTc分を減じたトルクが入力され、こ
の結果前後輪トルクTF、TRは以下のようになる。
【0128】Ti=TF+TR TR=Ti−Tc TF=Tc
【0129】従って後輪スリップ発生時にクラッチトル
クTcを増大することにより前輪トルクを積極的に増大
制御し、後輪トルクを減じてスリップを生じなくして走
破性を良好にする。後輪はダイレクトで駆動され前軸は
クラッチ120を介して伝達されるので前輪のみ単独ス
リップは生じない。
クTcを増大することにより前輪トルクを積極的に増大
制御し、後輪トルクを減じてスリップを生じなくして走
破性を良好にする。後輪はダイレクトで駆動され前軸は
クラッチ120を介して伝達されるので前輪のみ単独ス
リップは生じない。
【0130】更に旋回する場合には、その蛇角ψにより
第4多板クラッチ120の作動制限トルクが減少され、
回転数差を充分に吸収することが可能になり、タイトコ
ーナーブレーキング現象が回避され、操作性が良好にな
る。
第4多板クラッチ120の作動制限トルクが減少され、
回転数差を充分に吸収することが可能になり、タイトコ
ーナーブレーキング現象が回避され、操作性が良好にな
る。
【0131】従って、以上説明した本実施の形態では、
ベルト式無段変速機30の出力側に伝動構成した出力軸
101、リヤドライブ軸102を縦置きエンジン10の
クランク軸11の回転軸芯と略同軸上に配置し、フロン
トドライブ軸53を出力軸101の下方に平行配置し、
出力軸101にサンギヤ61がハブ103及び第5多板
クラッチ130を介して結合するダブルピニオン式プラ
ネタリギヤ60を設け、無段変速機30の出力をリング
ギヤ62に伝達する第3多板クラッチ110、ハブ10
3に伝達する第1多板クラッチ70、出力軸101とキ
ャリヤ65を動力伝達可能に連結する第4多板クラッチ
120及びリングギヤ62を係止する第2多板ブレーキ
80を設け、これら各多板クラッチ及び多板ブレーキ7
0、80、110、120、130等を選択的に制御す
ることによって前進段であるドライブ(D)レンジ及び
後退段であるリバース(R)レンジでは前後輪への適切
なトルク配分及び作動制限を可能にするセンターディフ
ァレンシャル装置として機能して良好な走行が得られ、
かつドライブ(D)レンジ、リバース(R)レンジへの
切換時の前後進切換装置として機能する。
ベルト式無段変速機30の出力側に伝動構成した出力軸
101、リヤドライブ軸102を縦置きエンジン10の
クランク軸11の回転軸芯と略同軸上に配置し、フロン
トドライブ軸53を出力軸101の下方に平行配置し、
出力軸101にサンギヤ61がハブ103及び第5多板
クラッチ130を介して結合するダブルピニオン式プラ
ネタリギヤ60を設け、無段変速機30の出力をリング
ギヤ62に伝達する第3多板クラッチ110、ハブ10
3に伝達する第1多板クラッチ70、出力軸101とキ
ャリヤ65を動力伝達可能に連結する第4多板クラッチ
120及びリングギヤ62を係止する第2多板ブレーキ
80を設け、これら各多板クラッチ及び多板ブレーキ7
0、80、110、120、130等を選択的に制御す
ることによって前進段であるドライブ(D)レンジ及び
後退段であるリバース(R)レンジでは前後輪への適切
なトルク配分及び作動制限を可能にするセンターディフ
ァレンシャル装置として機能して良好な走行が得られ、
かつドライブ(D)レンジ、リバース(R)レンジへの
切換時の前後進切換装置として機能する。
【0132】よって、従来センターディファレンシャル
装置用及び前後進切換装置用として各々専用のダブルピ
ニオン式プラネタリギヤを要したが単一のダブルピニオ
ン式プラネタリギヤによって両機能が達成され、高性能
を維持しつつ駆動装置の構成及び制御の簡素化及び軽量
化が可能になり、コスト低減及び全長が短縮されてコン
パクト化が得られ、トーボードと駆動装置との間が充分
に離間し、車室内の居住空間が容易に確保されて居住性
がもたされると共に、特に出力軸101、リヤドライブ
軸102、ダブルピニオン式プラネタリギヤ60及び上
記各多板クラッチがエンジン10のクランク軸11の回
転軸芯と略同軸上に配置され、フロントドライブ軸53
をそれらの下方に平行配置することから、手動変速機と
トランスミッションケース6の外周寸法、いわゆる胴回
り寸法を略同一に形成可能でかつ、従来一般に使用され
る手動変速機、有段自動変速機と略同一のレイアウトが
可能になり、手動変速機及び有段自動変速機等搭載車と
の車載互換性に優れ、搭載のための支持部材や排気系の
共用化が可能になる。
装置用及び前後進切換装置用として各々専用のダブルピ
ニオン式プラネタリギヤを要したが単一のダブルピニオ
ン式プラネタリギヤによって両機能が達成され、高性能
を維持しつつ駆動装置の構成及び制御の簡素化及び軽量
化が可能になり、コスト低減及び全長が短縮されてコン
パクト化が得られ、トーボードと駆動装置との間が充分
に離間し、車室内の居住空間が容易に確保されて居住性
がもたされると共に、特に出力軸101、リヤドライブ
軸102、ダブルピニオン式プラネタリギヤ60及び上
記各多板クラッチがエンジン10のクランク軸11の回
転軸芯と略同軸上に配置され、フロントドライブ軸53
をそれらの下方に平行配置することから、手動変速機と
トランスミッションケース6の外周寸法、いわゆる胴回
り寸法を略同一に形成可能でかつ、従来一般に使用され
る手動変速機、有段自動変速機と略同一のレイアウトが
可能になり、手動変速機及び有段自動変速機等搭載車と
の車載互換性に優れ、搭載のための支持部材や排気系の
共用化が可能になる。
【0133】またトーボードと駆動装置との間、即ちト
ーボードの前方空間の増大に伴って衝突時のクラッシュ
ストロークが確保され、トランスミッション脱着時の作
業空間として有効活用できる。
ーボードの前方空間の増大に伴って衝突時のクラッシュ
ストロークが確保され、トランスミッション脱着時の作
業空間として有効活用できる。
【0134】更に、フロントドライブ軸53の後方で上
記出力軸101等の下方に潤滑油を貯留しコントロール
バルブ88を格納するオイルパン7を効率的に配置する
ことが可能になると共に、出力軸101、ダブルピニオ
ン式プラネタリギヤ60、各多板クラッチ及び多板ブレ
ーキ70、80、110、120、130の回転部が比
較的上方に配置されることから、走行中における潤滑油
による攪拌抵抗が減少して動力伝達効率の向上が得られ
て燃費の向上が得れると共に潤滑油の劣化が防止され
る。
記出力軸101等の下方に潤滑油を貯留しコントロール
バルブ88を格納するオイルパン7を効率的に配置する
ことが可能になると共に、出力軸101、ダブルピニオ
ン式プラネタリギヤ60、各多板クラッチ及び多板ブレ
ーキ70、80、110、120、130の回転部が比
較的上方に配置されることから、走行中における潤滑油
による攪拌抵抗が減少して動力伝達効率の向上が得られ
て燃費の向上が得れると共に潤滑油の劣化が防止され
る。
【0135】以上説明した実施の形態によると、2輪駆
動車用駆動装置と4輪駆動車用駆動装置との相互間にお
いて、トルクコンバータ20、ベルト式無段変速機3
0、フロントディファレンシャル装置40及びこれらを
収容するトランスミッションケース6のトルクコンバー
タケース1、デフアンドコンバータハウジング2、軸承
板3は勿論前後進切換装置50及びトランスファユニッ
ト100においてもダブルピニオン式プラネタリギヤ6
0、固定軸55、第1多板クラッチ70、第2多板ブレ
ーキ80等の多くの主要部の共用化が得られ、2輪駆動
車用駆動装置をベースとして第3、第4及び第5の多板
クラッチ及び、リヤドライブ軸等のリヤディファレンッ
シャル装置に動力伝達する動力伝達機構を付加的に配置
することにより比較的容易に4輪駆動車用駆動装置の主
要部を構成することが可能になり大幅な製造コストの削
減が可能になる。
動車用駆動装置と4輪駆動車用駆動装置との相互間にお
いて、トルクコンバータ20、ベルト式無段変速機3
0、フロントディファレンシャル装置40及びこれらを
収容するトランスミッションケース6のトルクコンバー
タケース1、デフアンドコンバータハウジング2、軸承
板3は勿論前後進切換装置50及びトランスファユニッ
ト100においてもダブルピニオン式プラネタリギヤ6
0、固定軸55、第1多板クラッチ70、第2多板ブレ
ーキ80等の多くの主要部の共用化が得られ、2輪駆動
車用駆動装置をベースとして第3、第4及び第5の多板
クラッチ及び、リヤドライブ軸等のリヤディファレンッ
シャル装置に動力伝達する動力伝達機構を付加的に配置
することにより比較的容易に4輪駆動車用駆動装置の主
要部を構成することが可能になり大幅な製造コストの削
減が可能になる。
【0136】上記実施の形態ではトルクコンバータ20
を用いたが、トルクコンバータ20に換えて発進クラッ
チとして電磁クラッチや湿式クラッチを用いることも可
能であり、また無段変速機30のセカンダリ軸32に設
けられたドライブスプロケット39と前後進切換装置5
0或いはトランスファユニット100のドリブンスプロ
ケット57との間にチエーン49を巻き掛けて無段変速
機30からの出力を前後進切換装置50或いはトランス
ファユニット100に動力伝達したがサイレントチエー
ン49によらずアイドルギヤを介在して動力伝達するこ
とも可能であり、本発明は上記実施の形態に限定される
ことなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能
である。
を用いたが、トルクコンバータ20に換えて発進クラッ
チとして電磁クラッチや湿式クラッチを用いることも可
能であり、また無段変速機30のセカンダリ軸32に設
けられたドライブスプロケット39と前後進切換装置5
0或いはトランスファユニット100のドリブンスプロ
ケット57との間にチエーン49を巻き掛けて無段変速
機30からの出力を前後進切換装置50或いはトランス
ファユニット100に動力伝達したがサイレントチエー
ン49によらずアイドルギヤを介在して動力伝達するこ
とも可能であり、本発明は上記実施の形態に限定される
ことなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能
である。
【0137】
【発明の効果】以上説明した車両用用駆動装置による
と、前後進切換装置となるダブルピニオン式プラネタリ
ギヤ、第1及び第2摩擦係合要素が、エンジンのクラン
ク軸と略同軸上に配置され、ドライブ軸がクランク軸の
下方に平行配置されることから、駆動装置の高さが増大
することなくコンパクト化が得られ、コンパクト化に伴
い車載互換性に優れ、車載状態においてトンネル内への
突出量の削減によるトンネル断面積の削減が可能で車室
内の居住空間が確保されて居住性の向上がもたらされる
と共に、衝突時のクラッシュストローク及び組立、整備
等の作業空間が確保できる。
と、前後進切換装置となるダブルピニオン式プラネタリ
ギヤ、第1及び第2摩擦係合要素が、エンジンのクラン
ク軸と略同軸上に配置され、ドライブ軸がクランク軸の
下方に平行配置されることから、駆動装置の高さが増大
することなくコンパクト化が得られ、コンパクト化に伴
い車載互換性に優れ、車載状態においてトンネル内への
突出量の削減によるトンネル断面積の削減が可能で車室
内の居住空間が確保されて居住性の向上がもたらされる
と共に、衝突時のクラッシュストローク及び組立、整備
等の作業空間が確保できる。
【0138】更に、ダブルピニオン式プラネタリギヤ、
第1及び第2多板摩擦係合要素等の下方に潤滑油を貯留
しコントロールバルブ等を格納するオイルパンを効率的
に配置することが可能になると共に、ダブルピニオン式
プラネタリギヤ、第1及び第2多板摩擦係合要素等の回
転部が比較的高位置に配置されて走行中における潤滑油
による攪拌抵抗の減少が得られて動力伝達効率の向上及
び燃費の向上が図れ、かつ潤滑油の劣化が防止される。
第1及び第2多板摩擦係合要素等の下方に潤滑油を貯留
しコントロールバルブ等を格納するオイルパンを効率的
に配置することが可能になると共に、ダブルピニオン式
プラネタリギヤ、第1及び第2多板摩擦係合要素等の回
転部が比較的高位置に配置されて走行中における潤滑油
による攪拌抵抗の減少が得られて動力伝達効率の向上及
び燃費の向上が図れ、かつ潤滑油の劣化が防止される。
【0139】また、変速機とダブルピニオン式プラネタ
リギヤとの間に入力切換手段を介装し、複数の摩擦係合
要素及び動力伝達機構を付加的に排泄することにより比
較的容易に4輪駆動車用駆動装置の主要部が構成でき、
共用部品が多く、大幅な製造コストの削減が可能になる
等本発明特有の効果を有し、自動車の製造及び利用分野
に貢献すること大なるものである。
リギヤとの間に入力切換手段を介装し、複数の摩擦係合
要素及び動力伝達機構を付加的に排泄することにより比
較的容易に4輪駆動車用駆動装置の主要部が構成でき、
共用部品が多く、大幅な製造コストの削減が可能になる
等本発明特有の効果を有し、自動車の製造及び利用分野
に貢献すること大なるものである。
【図1】本発明による車両用駆動装置の一実施の形態の
駆動系を示す図である。
駆動系を示す図である。
【図2】同じく、車両用用駆動装置を説明する要部断面
図である。
図である。
【図3】同じく、図2の要部拡大断面図である。
【図4】同じく、図2における矢視A方向から見た要部
配置説明図である。
配置説明図である。
【図5】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図6】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図7】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図8】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図9】同じく、作動を示す摩擦係合要素作動説明図で
ある。
ある。
【図10】同じく、本実施の形態の車両用駆動装置を4
輪駆動車用駆動装置への転用を説明する駆動系を示す図
である。
輪駆動車用駆動装置への転用を説明する駆動系を示す図
である。
【図11】同じく、車両用用駆動装置を説明する要部断
面図である。
面図である。
【図12】同じく、図11の要部拡大断面図である。
【図13】同じく、図11における矢視A方向から見た
要部配置説明図である。
要部配置説明図である。
【図14】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図15】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図16】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図17】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図18】同じく、作用を示す概略説明図である。
【図19】同じく、作動を示す摩擦係合要素作動説明図
である。
である。
10 エンジン 11 クランク軸 20 トルクコンバータ 30 ベルト式無段変速機 31 プライマリ軸 32 セカンダリ軸 33 プライマリプーリ 34 セカンダリプーリ 35 駆動ベルト 40 フロントディファレンシャル装置 48 リヤディファレンシャル装置 50 前後進切換装置 51 出力軸(出力手段) 51a トランスファドライブギヤ(出力手段) 53 フロントドライブ軸 54 トランスファドリブンギヤ(出力手段) 56 ハブ 60 ダブルピニオン式プラネタリギヤ 61 サンギヤ 62 リングギヤ 65 キャリヤ 69 入力手段 70 第1多板クラッチ(第1摩擦係合要素) 80 第2多板ブレーキ(第2摩擦係合要素) 99 リヤディファレンシャル装置 100 トランスファユニット 101 出力軸(出力手段) 101a トランスファドライブギヤ(出力手段) 102 リヤドライブ軸 103 ハブ 110 第3多板クラッチ(第3摩擦係合要素) 120 第4多板クラッチ(第4摩擦係合要素) 130 第5多板クラッチ(第5摩擦係合要素)
Claims (7)
- 【請求項1】縦置き配置のエンジンと、 該エンジンからの出力が入力される変速機と、 上記エンジンのクランク軸に対して下方に配置されてデ
ィファレンシャル装置に動力伝達するドライブ軸と、 上記クランク軸に対して略同軸上に配置されるダブルピ
ニオン式プラネタリギヤと、 該ダブルピニオン式プラネタリギヤのキャリヤに変速機
からの出力を動力伝達する第1摩擦係合要素と、 上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤに変速
機からの出力を動力伝達する入力部材と、 上記ダブルピニオン式プラネタリギヤからの出力を上記
ドライブ軸に動力伝達する出力手段と、 上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのリングギヤを回
転係止する第2摩擦係合要素とを有し、 上記第1及び第2の摩擦係合要素を選択的に作動せしめ
て前後進切り換えすることを特徴とする車両用駆動装
置。 - 【請求項2】前進段は、上記第1摩擦係合要素が変速機
からの出力をキャリヤに動力伝達状態でかつ第2摩擦係
合要素がリングギヤ回転許容状態であり、 後退段は、上記第1摩擦係合要素が解放状態で第2摩擦
係合要素がリングギヤ回転係止状態であることを特徴と
する請求項1に記載の車両用駆動装置。 - 【請求項3】縦置き配置のエンジンと、 該エンジンからの出力が入力される変速機と、 上記エンジンのクランク軸に対して下方に配置されてフ
ロントディファレンシャル装置に動力伝達するフロント
ドライブ軸と、 上記クランク軸に対して同軸上に配置されて上記フロン
トライブ軸に動力伝達する出力軸と、 上記変速機と入力切換手段介在許容距離離間して上記出
力軸に対して同軸上に配置されてるダブルピニオン式プ
ラネタリギヤと、 該ダブルピニオン式プラネタリギヤのキャリヤに変速機
からの出力を動力伝達する第1摩擦係合要素と、 上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤに変速
機からの出力を動力伝達する入力部材と、 上記ダブルピニオン式プラネタリギヤからの出力を上記
出力軸に動力伝達する出力手段と、 上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのリングギヤを回
転係止する第2摩擦係合要素とを有し、 前進段は、上記第1摩擦係合要素が変速機からの出力を
キャリヤに動力伝達状態でかつ第2摩擦係合要素がリン
グギヤ回転許容状態であり、後退段は、上記第1摩擦係
合要素が解放状態で第2摩擦係合要素がリングギヤ回転
係止状態であることを特徴とする車両用駆動装置。 - 【請求項4】4輪駆動の場合は、 上記クランク軸に対して略同軸上に配置されてリヤディ
ファレンシャル装置に動力伝達するリヤドライブ軸と、 上記出力手段に代えて配置されて上記ダブルピニオン式
プラネタリギヤのキャリヤからの出力をリヤドライブ軸
に動力伝達する動力伝達手段と、 上記ダブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤからの
出力を上記出力軸に動力伝達する第4摩擦係合要素と、 上記動力伝達手段と上記出力軸との間を動力伝達する第
5摩擦係合要素と、 上記変速機からの出力を上記ダブルピニオン式プラネタ
リギヤのリングギヤに選択的に動力伝達する第3摩擦係
合要素とを設け、 第1摩擦係合要素が変速機からの出力を上記ダブルピニ
オン式プラネタリギヤのサンギヤに動力伝達可能で第1
及び第3の摩擦係合要素によって変速機からの出力をダ
ブルピニオン式プラネタリギヤのサンギヤ及びリングギ
ヤに選択的に動力伝達する入力切換手段を構成し、上記
各摩擦係合要素を選択的に作動せしめて上記変速機から
の入力を上記ダブルピニオン式プラネタリギヤを介して
所定の比率で動力配分及び前後進切換えして出力軸及び
リヤドライブ軸に動力伝達することを特徴とする請求項
3に記載の車両用駆動装置。 - 【請求項5】前進段は、上記第3及び第4の各摩擦係合
要素が動力伝達状態で上記ダブルピニオン式プラネタリ
ギヤがキャリヤとサンギヤに所定の比率で動力配分する
センタディファレンシャル装置として機能し、かつ第5
摩擦係合要素を動力伝達状態にしてキャリヤとサンギヤ
との間の差動制限を行うことを特徴とする請求項4に記
載の車両用駆動装置。 - 【請求項6】後退段は、上記第1及び第4の各摩擦係合
要素が動力伝達状態で上記第2摩擦係合要素がリングギ
ヤ回転係止状態であることを特徴とする請求項4または
5に記載の車両用駆動装置。 - 【請求項7】上記変速機が、 上記エンジンのクランク軸と同軸上に配置されたプライ
マリ軸と、 該プライマリ軸と平行配置されたセカンダリ軸と、 上記プライマリ軸及びセカンダリ軸に各々設けられたプ
ライマリプーリ及びセカンダリプーリと、 該プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛
けられた駆動ベルトとを有し、 上記駆動ベルトのプライマリプーリとセカンダリプーリ
とに対する巻付径の比率を換えて無段階に変速するベル
ト式無段変速機であることを特徴とする請求項1〜6に
記載の車両用駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8153898A JPH11280868A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 車両用駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8153898A JPH11280868A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 車両用駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11280868A true JPH11280868A (ja) | 1999-10-15 |
Family
ID=13749086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8153898A Withdrawn JPH11280868A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 車両用駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11280868A (ja) |
-
1998
- 1998-03-27 JP JP8153898A patent/JPH11280868A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050107 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20051219 |