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JPH11207842A - 繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法 - Google Patents

繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法

Info

Publication number
JPH11207842A
JPH11207842A JP3047498A JP3047498A JPH11207842A JP H11207842 A JPH11207842 A JP H11207842A JP 3047498 A JP3047498 A JP 3047498A JP 3047498 A JP3047498 A JP 3047498A JP H11207842 A JPH11207842 A JP H11207842A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforced plastic
honeycomb core
resin
fiber
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3047498A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Noguchi
元 野口
Takaya Komine
孝也 小峰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Aircraft Industry Co Ltd
Original Assignee
Showa Aircraft Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Aircraft Industry Co Ltd filed Critical Showa Aircraft Industry Co Ltd
Priority to JP3047498A priority Critical patent/JPH11207842A/ja
Publication of JPH11207842A publication Critical patent/JPH11207842A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1に、耐熱性に優れ、製品としての耐熱強
度が向上すると共に、第2に、賦形性・成形性・加工性
に富み、製品化に際し所定曲率に容易に曲面成形されや
すく、第3に、しかもこれらがコスト面に優れて実現さ
れる、繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方
法を提案する。 【解決手段】 この製造方法では、高温域での耐熱性を
備えたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を、高強度,高剛
性の繊維2に、付着,含浸,混入させたシート状でプリ
プレグ状の繊維強化プラスチックが、母材4として用い
られる。そして、コルゲート方式や展張方式にて、繊維
強化プラスチック製のハニカムコア1を成形した後、後
処理として、高温域での軟化性を備えた熱可塑性ビスマ
レイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂等の熱可塑性樹脂
9が、そのセル壁7の外表面に付着,含浸せしめられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコアの製造方法に関する。すなわち、
中空柱状のセルの平面的集合体よりなる、繊維強化プラ
スチック(FRP)製のハニカムコアの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチック製のハニカムコア
は、従来、一般のハニカムコアと同様に、コルゲート方
式や展張方式により製造されていた。すなわち、これら
の製造方法では、まず、例えばカーボン繊維等の繊維に
樹脂を付着,含浸,混入等により組み合わせた、プリプ
レグ状でシート状の繊維強化プラスチックが、母材とし
て準備される。それからコルゲート方式では、このよう
な母材を、波板としてから重積,接着することにより、
繊維強化プラスチック製のハニカムコアを得ていた。
又、展張方式では、このような母材に条線状に接着剤を
配設してから、半ピッチずつずらして重積,接着した後
に展張することにより、繊維強化プラスチック製のハニ
カムコアを得ていた。そして、このようなコルゲート方
式や展張方式により製造された繊維強化プラスチック製
のハニカムコアは、多くの場合、表面板が接着されたハ
ニカムサンドイッチパネルとされると共に、曲面成形に
供され所定曲率を備えるように全体的に曲げられて製品
化され、その高強度,高剛性等を生かし、例えば航空機
のエンジンカバー等として使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。第1
に、上述したように繊維強化プラスチック製のハニカム
コアは、事後、例えば航空機のエンジンカバーとしての
用途に応じ、所定曲率に曲面成形されることが多く、事
後の賦形性・成形性・加工性が要求される。すなわち、
繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、事後、加熱
されることにより容易に軟化して成形され加工され易い
ことが、製品化上必要である。そして、このような高温
域での柔軟性を備え、賦形性・成形性・加工性に富んだ
従来の繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、製品
として、高温域での耐熱性に難点が指摘されていた。つ
まり、加熱による賦形性・成形性・加工性に富んだもの
は、反面、耐熱強度に難があるという問題が指摘されて
いた。例えば、事後の賦形性・成形性・加工性に富んだ
繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、ガラス転移
点が低く、例えば曝露試験を行う等により高湿度下にさ
らすと、耐熱強度が大幅に低下してしまい、例えば航空
機のエンジンカバーとしての使用に問題が生じることが
ある、という難点があった。
【0004】第2に、そこで繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアの母材について、繊維に付着,含浸,混入
される樹脂として、例えばポリイミド樹脂を用いること
により、耐熱性を向上させたものもあった。そして、こ
のように、ポリイミド樹脂を付着,含浸,混入させた従
来の繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、例えば
曝露試験を行い高湿度下にさらした後も、製品としての
耐熱強度に優れる反面、上述した製品化上の賦形性・成
形性・加工性に、難点が指摘されていた。すなわち、こ
の耐熱性に優れた繊維強化プラスチック製のハニカムコ
アは、固く脆く、高温域で加熱しても軟化しにくく、も
って賦形性・成形性・加工性が悪い、という問題が指摘
されていた。
【0005】第3に、そこで繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアの母材について、繊維に付着,含浸,混入
される樹脂として、例えばポリアミドイミド樹脂を用い
ることにより、耐熱性に優れると共に、同時に賦形性・
成形性・加工性にも富んだものも、開発使用されてい
た。しかしながら、この耐熱性および賦形性・成形性・
加工性を共に備えた繊維強化プラスチック製のハニカム
コアは、ポリアミドイミド樹脂等が材料的に非常に高価
なものであるため、コストアップが著しい、という難点
があった。このように、この種の繊維強化プラスチック
製のハニカムコアは、コスト面に問題が指摘されてい
た。
【0006】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の課題を解決すべくなされたものであって、高温域
での耐熱性を備えた熱硬化性樹脂を繊維に付着,含浸,
混入させた、繊維強化プラスチックを母材として用い、
コルゲート方式や展張方式にて成形した後、後処理とし
て、高温域での軟化性を備えた熱可塑性樹脂を、外表面
に付着,含浸,混入させるようにしたことにより、つま
り、この種従来例のように単一樹脂のみを用いるのでは
なく2種類の樹脂を併用したことにより、第1に、耐熱
性に優れると共に、第2に、賦形性・成形性・加工性に
も富み、第3に、しかもコスト面にも優れた、繊維強化
プラスチック製のハニカムコアの製造方法を提案するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的な手段は、次のとおりである。まず、
請求項1については次のとおり。すなわち、この請求項
1の繊維強化プラスチック製のハニカムコアの製造方法
では、まず、高強度,高剛性の繊維と、高温域での耐熱
性を備えたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とが、付着,
含浸,混入等により組み合わされた、プリプレグ状でシ
ート状の繊維強化プラスチックを、母材として準備す
る。そして該母材を、ギヤやラック等のコルゲート治具
を備えたコルゲート成形装置に供給して、波形の凹凸が
連続的に折曲形成された波板とする。それから、複数枚
の該波板を、相互間で底部と頂部とを合わせる位置関係
で波の半ピッチ分ずつずらせて重積すると共に、介装さ
れた接着剤にて加熱,加圧により相互間を接着し、もっ
て該波板をセル壁とし、該セル壁にて区画形成された中
空柱状の多数のセルの平面的集合体たる、繊維強化プラ
スチック製のハニカムコアを成形する。しかる後、後処
理として該ハニカムコアについて、該セル壁の外表面
に、高温域での軟化性を備えた熱可塑性ビスマレイミド
樹脂やポリアミドイミド樹脂等の熱可塑性樹脂が、付
着,含浸されること、を特徴とする。
【0008】次に、請求項2については次のとおり。す
なわち、この請求項2の繊維強化プラスチック製のハニ
カムコアの製造方法では、まず、高強度,高剛性の繊維
と、高温域での耐熱性を備えたエポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂とが、付着,含浸,混入等により組み合わされ
た、プリプレグ状でシート状の繊維強化プラスチック
を、母材として準備する。そして該母材に、条線状に接
着剤を配設した後、複数枚の該母材を、該接着剤が半ピ
ッチずつずれた位置関係で重積し、加熱,加圧により相
互間を接着してから、重積方向に引張力を加えて展張す
る。これにより該母材が、条線状の接着箇所の縁に沿っ
て折曲されると共に、該接着箇所以外の箇所が分離,離
隔され、もって該母材をセル壁とし、該セル壁にて区画
形成された中空柱状の多数のセルの平面的集合体たる、
繊維強化プラスチック製のハニカムコアを成形する。し
かる後、後処理として該ハニカムコアについて、該セル
壁の外表面に、高温域での軟化性を備えた熱可塑性ビス
マレイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂等の熱可塑性樹
脂が、付着,含浸されること、を特徴とする。
【0009】このように、この繊維強化プラスチック製
のハニカムコアの製造方法では、高温域での耐熱性を備
えた熱硬化性樹脂を高強度,高剛性の繊維に、付着,含
浸,混入させてなる繊維強化プラスチックを、母材とし
て用いてなる。そしてコルゲート方式では、このような
母材を波板としてから、重積すると共に接着剤にて接着
することにより、展張方式では、このような母材に条線
状に接着剤を配設してから、半ピッチずつずらして重
積,接着した後に展張することにより、それぞれ繊維強
化プラスチック製のハニカムコアを成形する。そして後
処理として、高温域での軟化性を備えた熱可塑性樹脂
を、そのセル壁の外表面に付着,含浸する。このよう
に、この製造方法では、熱硬化性と熱可塑性の2種類の
樹脂を、組み合わせて併用してなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を、図面に示す発明の
実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,
図3は、本発明の実施の形態の説明に供する。図1は、
発明の実施の形態の1例たるコルゲート方式の説明に供
する。そして図1の(1)図は、準備された母材の斜視
図、(2)図は、波板の斜視図、(3)図は、重積,接
着された波板そしてハニカムコアの1例を示す正面図、
(4)図は、同ハニカムコアの他の例を示す正面図であ
る。図2は、発明の実施の形態の他の例たる展張方式の
説明に供する斜視図である。そして図2の(1)図は、
準備された母材を、(2)図は、接着剤が配設された母
材を、(3)図は、重積された母材を、(4)図は、加
熱,加圧により接着された母材を、(5)図は、展張さ
れた母材そしてハニカムコアを、それぞれ示す。図3
は、これらの発明の実施の形態の説明に供する斜視図で
ある。そして図3の(1)図は、成形されたハニカムコ
アを示し、(2)図は、後処理中のハニカムコアを示
す。
【0011】まず、この繊維強化プラスチック製のハニ
カムコア1の製造方法では、コルゲート方式では図1の
(1)図に示したように、又、展張方式では図2の
(1)図に示したように、共に、次の母材4が準備され
る。すなわち、まず、高強度,高剛性の繊維2と、高温
域での耐熱性を備えたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂3
とが、付着,含浸,混入等により組み合わされた、プリ
プレグ状でシート状の繊維強化プラスチックが、母材4
として準備される。
【0012】このような、母材4の準備工程について、
更に詳述する。まず、高強度,高剛性の繊維2として
は、例えばカーボン繊維の織物が用いられるが、他にガ
ラス繊維,ケブラー繊維,セラミック繊維,金属繊維,
その他の繊維織物も、選択的に使用可能である。なお、
繊維2の織り方としては、平織,繻子織,綾織,その他
各種の織り方が考えられる。又、常温域での強度,剛性
に優れるのは勿論のこと、高温域での耐熱強度を備えた
熱硬化性樹脂3としては、例えばエポキシ樹脂,熱硬化
性アミドイミド樹脂,その他が選択的に使用される。そ
して、上述した繊維2にこの熱硬化性樹脂3を、付着,
含浸,混入等のいずれか又はその組み合わせによりしみ
込ませた、シート状の繊維強化プラスチックが、まだ完
全硬化せず柔軟性を備えたプリプレグ状にて、基材たる
母材4として準備される。母材4の準備工程は、このよ
うに、なっている。
【0013】以下の工程に関し、まず、コルゲート方式
について説明する。コルゲート方式の繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコア1の製造方法では、次に、このよ
うに準備された母材4を、ギヤやラック等のコルゲート
治具を備えたコルゲート成形装置に供給して、図1の
(2)図に示したように、波形の凹凸が連続的に折曲形
成された波板5とする。
【0014】このような、波板5を得る工程について、
更に詳述する。上述した準備工程で準備されたプリプレ
グ状でシート状の母材4は、ギヤとギヤや、ギヤとラッ
ク等のコルゲート治具を備えたコルゲート成形装置(図
示せず)に供給されて、加熱,加圧される。もって、波
形の凹凸が短手方向に直線的で平行、かつ長手方向に繰
り返し連続的に、所定ピッチと高さで折曲形成された繊
維強化プラスチック製の波板5が、成形される。なお、
波板5の波形の凹凸の断面形状は、図示の六角形の半分
の台形状のほか、略三角形状,略四角形状,その他の各
種形状のものも可能である。波板5を得る工程は、この
ようになっている。
【0015】次に、このコルゲート方式の製造方法で
は、図1の(3)図に示したように、複数枚の波板5
を、相互間で底部と頂部とを合わせる位置関係で、波の
半ピッチ分ずつずらせて重積すると共に、介装された接
着剤6にて加熱,加圧により相互間を接着する。
【0016】このような、波板5の重積工程について、
更に詳述する。上述した工程で得られた波板5は、硬化
された後、その波形の凹凸の底部下面や頂部上面に、接
着剤6を条線状に塗布して乾燥,硬化させた後、所定長
さ毎に切断される。それから、上下の波板5間で順次波
の半ピッチ分ずつ左右にずれ、底部と頂部とを合わせる
位置関係で上下に重積する。このように各波板5は、接
着剤6を介して、全体的に空間が存した積層ブロック状
に重積される。それから加熱,加圧することにより、塗
布されていた接着剤6にて、各波板5間が条線状に接着
される。ところで、図1の(4)図に示した例では、各
波板5間に、バイセクトシートとも称される平板Aが介
装されている。この平板Aは、図1の(1)図に示した
シート状の母材4を、そのまま所定長さ毎に切断したも
のよりなり、各波板5は、このような平板7を介し接着
剤6にて、上述した位置関係にて条線状に接着されてな
る。波板5の重積工程は、このようになっている。
【0017】さて、このコルゲート方式の製造方法で
は、このような各工程を辿ることにより、図3の(1)
図にも示したように、波板5をセル壁7とし、セル壁7
にて区画形成された中空柱状の多数のセル8の平面的集
合体たる、繊維強化プラスチック製のハニカムコア1が
成形される。すなわち、前述した工程で重積,接着され
た波板5をセル壁7とし、図1の(4)図の例では更に
平板Aをもセル壁7とした、繊維強化プラスチック製の
ハニカムコア1が得られる。そこで、このハニカムコア
1は、前述した繊維強化プラスチック製の母材4よりな
るセル壁7にて区画形成された空間たる各セル8の集合
体よりなり、セル8の断面形状は、図示の正六角形状や
台形状のものが代表的であるが、略三角形状,略四角形
状,その他各種形状のものも可能である。コルゲート方
式の繊維強化プラスチック製のハニカムコア1の製造方
法は、このようになっている。
【0018】次に、展張方式の繊維強化プラスチック製
のハニカムコア1の製造方法について説明する。展張方
式の製造方法では、まず、図2の(2)図に示したよう
に、前述により準備された母材4に、幅方向に条線状に
所定ピッチと幅で接着剤6が配設される。それから、一
定長さ毎に切断された多数枚等複数枚の母材4を、図2
の(3)図に示したように、接着剤6が半ピッチずつず
れた位置関係で上下に重積した後、図2の(4)図に示
したように、加熱,加圧により重積された母材4相互間
を接着する。しかる後、図2の(5)図に示したよう
に、重積,接着された母材4について、重積方向に引張
力を加えて展張することにより、各母材4が、接着剤6
による条線状の接着箇所の縁に沿って折曲されると共
に、接着箇所以外の非接着箇所が分離,離隔,変形され
る。
【0019】展張方式の製造方法では、このような各工
程を辿ることにより、図3の(1)図にも示したよう
に、繊維強化プラスチック製の母材4をセル壁7とし、
セル壁7にて区画形成された中空柱状の多数のセル8の
平面的集合体たる、繊維強化プラスチック製のハニカム
コア1が成形される。展張方式の繊維強化プラスチック
製のハニカムコア1の製造方法は、このようになってい
る。
【0020】さて、このようにコルゲート方式や展張方
式で成形された繊維強化プラスチック製のハニカムコア
1については、図3の(2)図に示したように、後処理
として、そのセル壁7の外表面に、高温域での軟化性を
備えた熱可塑性ビスマレイミド樹脂やポリアミドイミド
樹脂等の熱可塑性樹脂9が、付着,含浸される。
【0021】このような後処理工程について、更に詳述
する。すなわち、コルゲート方式によるか展張方式によ
るかを問わず、成形された繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア1については、高温域での軟化性を備えた熱
可塑性樹脂9が、セル壁7の外表面に付着,含浸せしめ
られる。この高温域での軟化性を備えた熱可塑性樹脂9
としては、熱可塑性ビスマレイミド樹脂(ポリビスマレ
イミド樹脂),ポリアミドイミド樹脂,ポリエーテルイ
ミド樹脂,ポリエーテルサルフォン樹脂,その他が選択
的に使用される。そして、このような熱可塑性樹脂9
が、溶剤と共に溶液状態で貯溜された含浸槽たる浴槽1
0中に、繊維強化プラスチック製のハニカムコア1が浸
漬され、もって、そのセル壁7の外表面、つまり母材4
の前述した熱硬化性樹脂3の外表面上に、熱可塑性樹脂
9が、コーティングにより付着,含浸せしめられる。そ
れから、このように付着,含浸が施された繊維強化プラ
スチック製のハニカムコア1は、浴槽10から取り出さ
れた後、熱風オーブンにて乾燥せしめられ、溶剤が除去
される。そして、このような浸漬,乾燥が、必要に応じ
複数回繰り返される。この繊維強化プラスチック製のハ
ニカムコア1の製造方法では、このような後処理が施さ
れることにより、最終的に製造工程が完了する。後処理
工程は、このようになっている。
【0022】なお、このようにして製造された繊維強化
プラスチック製のハニカムコア1は、必要に応じ所定厚
さにスライスされる。さて、この繊維強化プラスチック
製のハニカムコア1は、一般のものと同様に、重量比強
度に優れ、軽量であると共に高い剛性・強度を備え、
又、整流効果,平面精度,保温性,遮音性にも優れ、単
位容積当りの表面積が大である、等々の特性が知られ、
広く各種の構造材として使用される。そして、この繊維
強化プラスチック製のハニカムコア1は、そのセル8の
開口端面に、例えば繊維強化プラスチック製の表面板が
接着されたハニカムサンドイッチパネルとされると共
に、曲面成形に供され所定曲率を備えるように全体的に
曲げられて、製品化されることが多い。
【0023】本発明は、以上説明したように構成されて
いる。そこで以下のようになる。この繊維強化プラスチ
ック製のハニカムコア1の製造方法では、このように、
高温域での耐熱性を備えた熱硬化性樹脂3を、高強度,
高剛性の繊維2に、付着,含浸,混入させてなる繊維強
化プラスチックを、母材4として用いてなる。そしてコ
ルゲート方式では、このような母材4を波板5としてか
ら、重積すると共に接着剤6にて条線状に接着すること
により、展張方式では、このような母材4に条線状に接
着剤6を配設してから、半ピッチずつずらして重積,接
着した後に展張することにより、それぞれ繊維強化プラ
スチック製のハニカムコア1を成形する。そして後処理
として、高温域での軟化性を備えた熱可塑性樹脂9を、
そのセル壁の外表面に付着,含浸する。さてそこで、こ
の繊維強化プラスチック製のハニカムコア1の製造方法
では、熱硬化性樹脂3と熱可塑性樹脂9とを組み合わせ
併用してなるので、次の第1,第2,第3のようにな
る。
【0024】第1に、この製造方法で得られた繊維強化
プラスチック製のハニカムコア1は、高温域での耐熱性
を備えたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂3を、母材4に
ついて用いてなる。そこで、製品としての耐熱強度に優
れている。
【0025】第2に、この製造方法で得られた繊維強化
プラスチック製のハニカムコア1は、高温域での軟化性
を備えた熱可塑性ビスマレイミド樹脂やポリアミドイミ
ド樹脂等の熱可塑性樹脂9が、後処理にて、セル壁7の
外表面に付着,含浸されている。そこで事後の製品化に
際し、加熱により軟化して柔軟性を帯びやすく、用途に
応じ所定曲率に曲面成形されやすい等、賦形性・成形性
・加工性に富んでいる。更に、例えば曝露試験を行う等
により高湿度下にさらした場合、劣化しやすい母材4の
熱硬化性樹脂3は、その外表面に付着,含浸せしめられ
た熱可塑性樹脂9にて、カバーされ保護されており、そ
の劣化が防止されるようになっている。
【0026】第3に、この製造方法では、母材4とし
て、比較的安価な各種の繊維2や、エポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂3を用いてることが可能である。又、後処理
にて付着,含浸される熱可塑性樹脂9は、例え高価なポ
リアミドイミド樹脂を用いたとしても、その量は前述し
たこの種従来例に比し少なくなる。つまり、この種従来
例では、繊維に付着,含浸,混入されて母材を構成する
単一樹脂として、ポリアミドイミド樹脂が必須的に用い
られていたので、その量が多いのに対し、本発明では母
材4としてではなく、後処理用として用いられるに過ぎ
ないので、その量は少ない(例えば後述の表1を参
照)。更に、このような後処理用の熱可塑性樹脂9とし
ては、勿論、ポリアミドイミド樹脂よりはるかに安価な
ものを、選択するようにしてもよい。このように、この
製造方法では、比較的安価な材料を用いることが可能で
ある。
【0027】ここで、本発明の製造方法の具体例たる実
施例に関し、次の表1に示した結果が得られた。この表
1中の、実施例1,2は、本発明の製造方法にて得られ
た繊維強化プラスチック製のハニカムコア1の例を示
し、母材4の繊維2としては、カーボン繊維が用いら
れ、母材4の熱硬化性樹脂3としては、耐熱エポキシ
樹脂が用いられ、後処理にて付着,含浸される熱可塑
性樹脂9として、実施例1では、熱可塑性ポリビスマレ
イミド樹脂が用いられ、実施例2では、ポリアミドイミ
ド樹脂が用いられている。その構成は重量比で、実施例
1では、カーボン繊維が40%、耐熱エポキシ樹脂
が30%、熱可塑性ポリビスマレイミド樹脂が30%
となっている。実施例2では、カーボン繊維が50
%、耐熱エポキシ樹脂が25%、ポリアミドイミド
樹脂が25%となっている。これに対し、この表1中の
従来例は、前述したこの種従来例の繊維強化プラスチッ
ク製のハニカムコアの1例を示し、母材の繊維として
は、カーボン繊維が用いられると共に、このカーボン
繊維にポリアミドイミド樹脂が、付着,含浸,混入等に
より組み合わされた、母材が用いられている。そして、
その構成は重量比で、カーボン繊維が50%、ポリ
アミドイミド樹脂が50%となっている。
【0028】
【表1】
【0029】この表1により、2種類の樹脂を併用した
本発明の実施例1,2に係る繊維強化プラスチック製の
ハニカムコア1は、従来例の高価なポリアミドイミド樹
脂のみを単一樹脂として用いた繊維強化プラスチック製
のハニカムコアと比べ、まず第1に、同等以上の耐熱強
度(例えば圧縮強度)が得られると共に、より低温での
賦形性・成形性・加工性が得られるようになる。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアの製造方法は、以上説明したように、高温
域での耐熱性を備えた熱硬化性樹脂を繊維に付着,含
浸,混入させた、繊維強化プラスチックを母材として用
い、コルゲート方式や展張方式にて成形した後、後処理
として、高温域での軟化性を備えた熱可塑性樹脂を、外
表面に付着,含浸させるようにしたことにより、つま
り、この種従来例のように単一樹脂のみを用いるのでは
なく、2種類の樹脂を組み合わせ併用したことにより、
次の効果を発揮する。
【0031】第1に、耐熱性に優れている。すなわち、
この製造方法で得られた繊維強化プラスチック製のハニ
カムコアは、高温域での耐熱性を備えた熱硬化性樹脂
を、母材について用いてなるので、製品として耐熱強度
に優れている。例えば、この繊維強化プラスチック製の
ハニカムコアは、曝露試験を行う等により高湿度下にさ
らした後も、耐熱強度が低下することがなく、航空機の
エンジンカバーとしても問題なく使用できる。
【0032】第2に、賦形性・成形性・加工性に富んで
いる。すなわち、この製造方法で得られた繊維強化プラ
スチック製のハニカムコアは、高温域での軟化性を備え
た熱可塑性樹脂を、後処理により外表面に付着,含浸さ
せてなる。そこで、この繊維強化プラスチック製のハニ
カムコアは、事後の製品化に際し、加熱により軟化し柔
軟性を帯びやすく、用途に応じ所定曲率に曲面成形され
やすい等、賦形性・成形性・加工性に富んでおり、例え
ば航空機のエンジンカバーの形状に容易に成形可能であ
る。更に、この繊維強化プラスチック製のハニカムコア
は、例えば曝露試験を行う等により高湿度下にさらした
場合において、劣化しやすい母材の熱硬化性樹脂を、外
表面に付着,含浸せしめられた熱可塑性樹脂が、カバー
して保護し、もって母材の劣化が防止される、という利
点もある。
【0033】第3に、コスト面にも優れている。すなわ
ち、この製造方法によると、上述した第1の耐熱性と第
2の賦形性・成形性・加工性という、相い反しやすい2
つの要求を、前述したこの種従来例のようにいずれか一
方のみでなく、双方を共に満足可能であると共に、その
為に、非常に高価なポリアミドイミド樹脂等を必須的に
多量に用いる必要もない。このように、この製造方法に
て得られた繊維強化プラスチック製のハニカムコアは、
コスト面にも優れている。このように、この種従来例に
存した課題が、すべて解決される等、本発明の発揮する
効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアの製造方法について、発明の実施の形態の1例た
るコルゲート方式の説明に供し、(1)図は、準備され
た母材の斜視図、(2)図は、波板の斜視図、(3)図
は、重積,接着された波板そしてハニカムコアの1例を
示す正面図、(4)図は、同ハニカムコアの他の例を示
す正面図である。
【図2】本発明に係る繊維強化プラスチック製のハニカ
ムコアの製造方法について、発明の実施の形態の他の例
たる展張方式の説明に供する斜視図であり、(1)図
は、準備された母材を、(2)図は、接着剤が配設され
た母材を、(3)図は、重積された母材を、(4)図
は、加熱,加圧により接着された母材を、(5)図は、
展張された母材そしてハニカムコアを、それぞれ示す。
【図3】これらの発明の実施の形態の説明に供する斜視
図であり、(1)図は、成形されたハニカムコアを示
し、(2)図は、後処理中のハニカムコアを示す。
【符号の説明】
1 ハニカムコア 2 繊維 3 熱硬化性樹脂 4 母材 5 波板 6 接着剤 7 セル壁 8 セル 9 熱可塑性樹脂 10 浴槽 A 平板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 まず、高強度,高剛性の繊維と、高温域
    での耐熱性を備えたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と
    が、付着,含浸,混入等により組み合わされた、プリプ
    レグ状でシート状の繊維強化プラスチックを、母材とし
    て準備し、 該母材を、ギヤやラック等のコルゲート治具を備えたコ
    ルゲート成形装置に供給して、波形の凹凸が連続的に折
    曲形成された波板とした後、 複数枚の該波板を、相互間で底部と頂部とを合わせる位
    置関係で波の半ピッチ分ずつずらせて重積すると共に、
    介装された接着剤にて加熱,加圧により相互間を接着
    し、もって該波板をセル壁とし、該セル壁にて区画形成
    された中空柱状の多数のセルの平面的集合体たる、繊維
    強化プラスチック製のハニカムコアを成形した後、 後処理として該ハニカムコアについて、該セル壁の外表
    面に、高温域での軟化性を備えた熱可塑性ビスマレイミ
    ド樹脂やポリアミドイミド樹脂等の熱可塑性樹脂が、付
    着,含浸されること、を特徴とする繊維強化プラスチッ
    ク製のハニカムコアの製造方法。
  2. 【請求項2】 まず、高強度,高剛性の繊維と、高温域
    での耐熱性を備えたエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と
    が、付着,含浸,混入等により組み合わされた、プリプ
    レグ状でシート状の繊維強化プラスチックを、母材とし
    て準備し、 該母材に、条線状に接着剤を配設した後、複数枚の該母
    材を、該接着剤が半ピッチずつずれた位置関係で重積
    し、加熱,加圧により相互間を接着してから、重積方向
    に引張力を加えて展張することにより、 該母材が、条線状の接着箇所の縁に沿って折曲されると
    共に、該接着箇所以外の箇所が分離,離隔され、もって
    該母材をセル壁とし、該セル壁にて区画形成された中空
    柱状の多数のセルの平面的集合体たる、繊維強化プラス
    チック製のハニカムコアを成形した後、 後処理として該ハニカムコアについて、該セル壁の外表
    面に、高温域での軟化性を備えた熱可塑性ビスマレイミ
    ド樹脂やポリアミドイミド樹脂等の熱可塑性樹脂が、付
    着,含浸されること、を特徴とする繊維強化プラスチッ
    ク製のハニカムコアの製造方法。
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