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JPH11197576A - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

塗布装置及び塗布方法

Info

Publication number
JPH11197576A
JPH11197576A JP232698A JP232698A JPH11197576A JP H11197576 A JPH11197576 A JP H11197576A JP 232698 A JP232698 A JP 232698A JP 232698 A JP232698 A JP 232698A JP H11197576 A JPH11197576 A JP H11197576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
coater
coating liquid
slit
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP232698A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigehisa Kawabe
川邉  茂寿
Hiroyuki Aizawa
宏行 相沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP232698A priority Critical patent/JPH11197576A/ja
Priority to EP99100089A priority patent/EP0928636A3/en
Publication of JPH11197576A publication Critical patent/JPH11197576A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05CAPPARATUS FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05C5/00Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work
    • B05C5/02Apparatus in which liquid or other fluent material is projected, poured or allowed to flow on to the surface of the work the liquid or other fluent material being discharged through an outlet orifice by pressure, e.g. from an outlet device in contact or almost in contact, with the work
    • B05C5/0254Coating heads with slot-shaped outlet

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被塗布物の部分的な弛みやツレ等の変形の影
響が無く、スジ故障も発生しない安定な高速・薄膜塗布
と均一な塗布膜厚を得ることを可能にし、さらに、バッ
クロールの真円度や被塗布物のバタツキ・ツレ、コータ
ー先端の真直度・たわみ等が塗布膜厚へ殆ど影響しない
ようにし、装置コストの低減、管理の容易化、操作性・
作業性の容易化を可能にした塗布装置及び塗布方法を提
供する。 【解決手段】 コーターを構成する少なくとも2本以上
のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜状に噴
出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接触に設
置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜状に噴
出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布装置におい
て、前記コーターの塗布液と接する面のうち所定の部分
が塗布液を撥水する部材より構成されていることを特徴
とする塗布装置及びそれを用いる塗布方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布方法及び装置に
関し、特に、相対的に移動する被塗布物表面に向けて連
続的に吐出した塗布液を、被塗布物表面に均一な厚さを
もって高速薄膜塗布するコーターヘッドを用いた塗布方
法及び塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より所定の塗布液を可撓性の被塗布
物表面に塗布する方法が種々検討され、行われている。
その各種塗布方式の中で、例えば移動中の被塗布物表面
に向けて連続的に押し出した塗布液を、被塗布物表面に
均一な厚さをもって高速薄膜塗布するエクストルージョ
ン型塗布装置は、他の例えばリバースロール、キスロー
ル、グラビヤロール等のロール型塗布方式に対して、塗
布の均一性、薄膜性、塗布可能速度範囲で優れた点が多
い。またエクストルージョン型塗布方式はいわゆるウエ
ット−オン−ウエットによる同時重層塗布が可能であ
り、最近の高付加価値の高い塗布製品の製法用途にコス
ト及び性能面で非常に有効である。一方その多層化を達
成するためには例えば特開昭51−119204号、同
52−51908号及び同53−16604号公報等に
開示されている様に、被塗布物上に一層ずつ塗布液を塗
布・乾燥することにより多層の前記塗布層を形成する方
法が従来行われていた。しかしながら、この方法では、
塗布、乾燥等の工程を繰り返すため生産性が悪いことや
最上層の薄膜化が難しい等の問題があり、特開昭48−
98803号や特開昭61−111168号にウエット
−オン−ウエットの同時重層塗布による磁気記録媒体の
製造方法が開示されているが、両方式ともバックロール
上に保持された連続的に走行する前記被塗布物上に予め
重層された塗布液を塗布する方法であり、バックロール
の回転ブレ精度が不十分で塗布長手方向に塗布ムラが生
じやすく、被塗布物とコーター先端との距離も狭められ
ず高速や薄膜の塗布が困難で、最適な磁気記録媒体が製
造しにくかった。
【0003】そこで、特開昭62−124631号に開
示されている様な単層の押し出しコーターをバックロー
ルの保持なしに被塗布物上に下層が湿潤状態のままで上
層を塗布する方法や、特開昭63−88080号や特開
平2−251265号に開示されているような二つの塗
布液が導出されるスリットを有したコーターヘッドが提
案されている。しかしこの様なエクストルージョン型塗
布方法の問題点はコーターのエッジ先端部に異物や塗布
液の乾燥した物等が引っかかり生ずる塗布方向に沿って
発生するいわゆるスジ故障と呼ばれる故障を皆無に出来
ない点である。
【0004】またバックロールにしっかり保持された被
塗布物上に塗布を行なうのではなく、二本のサポートロ
ール間で塗布を行う場合は、その被塗布物の幅方向や長
手方向の撓みがコーターの方向に対する圧力分布とな
り、幅手及び長手の方向の膜厚分布となり塗布品質の大
きな劣化を引き起こす事となる。これに対して特開平1
−203075号や特開平6−254466号に開示さ
れている様な押し出しコーターの直前または直後のサポ
ートロールの直径を変化させ、幅方向の被塗布物のツレ
に対抗する方法や、また特開平1−224071号に開
示されている様な、ツレている被塗布物の裏面より流体
加圧手段を設け、そのツレた部分を均一化する方法も考
案されている。しかしながら、この様な方法では、大き
な周期のツレには対応できるが、例えば数十センチ以下
のツレに関しては、追従が難しい為、実質的には数メー
トル周期のツレにのみ対応可能である。またそれ以外に
は特開平6−508571号の様に押し出しコーターの
ポケット部とスリット部分の形状を幅方向で変化させ、
塗布液流量の幅方向での均一化を計る方法も提案されて
いるが、前記のように長手方向で周期的に変動するツレ
に対しては、やはり効果が全く期待できない。
【0005】このような欠点への対応として、バックロ
ールで被塗布物を保持しながら下向きに設置したコータ
ーで塗布液膜を落下させて塗布するエクストルージョン
型コーターにおいて、スリットが塗布液吐出側に向けて
斬減している塗布装置を使用して圧力損失を低下し、比
較的狭いスリットでもある程度高粘度の液の塗布を可能
とした装置が特開昭63−20070号に開示されてい
る。しかしこの先端部の斬減による構成では、より高速
に塗布を行う場合や、より高粘度の塗布液を塗布する際
には圧力が高すぎ、先端の鋭角部分の精度が十分に得ら
れないため膜厚分布が均一ではなく、さらにはコーター
先端部と被塗布物の距離が、実際には他のエクストルー
ジョン型コーター同様にあまり広げられないため、筋故
障が発生する、等の問題を皆無にすることは出来ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、以上
のような従来技術の問題点を解決して、押し出し塗布方
式の利点を生かしつつ、被塗布物のツレ等の影響を受け
ず、周辺部のゴミや塗布液中にある凝集物等による塗布
スジ発生の無い薄膜塗布を、塗布速度に限定されること
なく可能にする塗布方法及びその塗布装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的は次の技術手段
(1)〜(18)項の何れか1項によって達成される。
【0008】(1) コーターを構成する少なくとも2
本以上のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜
状に噴出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接
触に設置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜
状に噴出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布装
置。
【0009】(2) コーターを構成する少なくとも2
本以上のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜
状に噴出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接
触に設置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜
状に噴出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布装置
において、前記コーターの塗布液と接する面のうち所定
の部分が塗布液を撥水する部材より構成されていること
を特徴とする塗布装置。
【0010】(3) 前記コーターの塗布液と接する面
のうち所定の部分が、塗布液との接触角が45°以上の
部材より構成されたことを特徴とする(2)項に記載の
塗布装置。
【0011】(4) コーターを構成する少なくとも2
本以上のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜
状に噴出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接
触に設置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜
状に噴出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布装置
において、前記コーターの塗布液と接する面のうち所定
の部分が表面粗さRmaxがRmax≦0.8(μm)
を満たす面で構成されていることを特徴とする塗布装
置。
【0012】(5) 前記スリットの間隙が塗布液の入
口側が広く出口側が狭まっており、かつスリット出口間
隙dがd≦5×10-5[m]であることを特徴とする
(1)、(2)、(4)の何れか1項に記載の塗布装
置。
【0013】(6) 前記スリットの出口部にスリット
が平行な部分を有することを特徴とする(5)項に記載
の塗布装置。
【0014】(7) スリット間隙が最も狭い部分を、
ビッカース硬度が280以上の部材で構成することを特
徴とする(5)項に記載の塗布装置。
【0015】(8) 前記コーターの塗布液と接する面
のうち所定の部分が金属、セラミックス、樹脂、ガラス
のうちの少なくとも1種以上で構成されていることを特
徴とする(2)又は(4)項に記載の塗布装置。
【0016】(9) 前記コーターの塗布液と接する面
のうち所定の部分が被覆により撥水性を付与されている
ことを特徴とする(2)項に記載の塗布装置。
【0017】(10) 前記コーターの塗布液と接する
面のうち所定の部分が表面粗さRmax≦0.8(μ
m)の部材により被覆されていることを特徴とする
(4)項に記載の塗布装置。
【0018】(11) 前記コーターの塗布液と接する
面のうち所定の部分がフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、
セラミックのうちの少なくとも1種以上で被覆されてい
ることを特徴とする(9)又は(10)項に記載の塗布
装置。
【0019】(12) 前記コーターの塗布液と接する
面のうち所定の部分が研磨等による鏡面仕上げであるこ
とを特徴とする(2)又は(4)項に記載の塗布装置。
【0020】(13) 前記コーターの塗布液と接する
面のうち所定の部分が、少なくとも1つの前記コーター
を構成するバーの少なくともスリット出口部分を含むス
リット面であることを特徴とする(2)又は(4)項に
記載の塗布装置。
【0021】(14) 前記コーターの塗布液と接する
面のうち所定の部分が、少なくとも1つの前記コーター
を構成するバーの少なくともエッジ及びエッジから外側
に向かった部分であることを特徴とする(2)又は
(4)項に記載の塗布装置。
【0022】(15) 前記コーターの塗布液と接する
面のうち所定の部分が、少なくとも1つの前記コーター
を構成するバーの少なくともスリット出口部分を含むス
リット面及びエッジ及びエッジから外側に向かった部分
であることを特徴とする(2)又は(4)項に記載の塗
布装置。
【0023】(16) コーターを構成する少なくとも
2本以上のバーにより形成されるスリットから塗布液を
膜状に噴出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非
接触に設置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記
膜状に噴出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布方
法。
【0024】(17) コーターを構成する少なくとも
2本以上のバーにより形成されるスリットから塗布液を
膜状に噴出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非
接触に設置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記
膜状に噴出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布方
法において、前記コーターの塗布液と接する面のうち所
定の部分が塗布液を撥水する部材より構成されている塗
布装置を用いて塗布することを特徴とする塗布方法。
【0025】(18) コーターを構成する少なくとも
2本以上のバーにより形成されるスリットから塗布液を
膜状に噴出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非
接触に設置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記
膜状に噴出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布方
法において、前記コーターの塗布液と接する面のうち所
定の部分が表面粗さRmaxがRmax≦0.8(μ
m)を満たす面で構成されている塗布装置を用いて塗布
することを特徴とする塗布方法。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1のコー
ターの側断面図を用いて説明する。
【0027】本発明者らは、コーターのスリット出口間
隙を50μm以下望ましくは18μm以下と、従来のエ
クストルージョン型コーターよりもはるかに狭くするこ
とで、塗布液を極めて薄い膜状に噴出させ、従来のエク
ストルージョン型コーターよりも広い距離に離間して搬
送あるいは保持される被塗布物にこの噴出した塗布液膜
を衝突させて塗布を行うことで、ゴミ等がコーターの先
端と被塗布物の間に引っかからなくなってスジの発生が
なく、さらには被塗布物が可撓性の場合にはそのツレの
影響も受けずに、薄膜塗布が可能なことを見いだした。
また、この塗布方法においては、噴出液膜さえ形成され
れば、塗布速度によらず塗布可能となり、従来の塗布方
法とは逆に、高速塗布になるほど液膜が引き延ばされて
薄膜化することも判明した。
【0028】さらに、高速化以外での従来のコーターよ
り薄膜での塗布を可能にするための条件について鋭意検
討した結果、本発明の塗布方法においては被塗布物への
単位幅当たりの塗布液噴出量Q(m3/m・分)と塗布さ
れたウエット膜厚Hw(m)、被塗布物の搬送速度U
(m/分)の間にはHw×U=Qの関係が成り立ち、薄
膜塗布のためには噴出量Qを低下させること、すなわ
ち、塗布液の噴出速度低下か噴出膜厚の低下が必要で、
コーターの塗布液に接する部分を塗布液との接触角が大
きい部材で構成したり表面を鏡面仕上げとすることで塗
布液をコーターから撥水させ、塗布液をコーターより離
間しやすくすることが重要であることを見出した。
【0029】コーターと塗布液の接触角は概ね45°以
上であれば撥水性は良好で、薄い噴出膜の形成が可能で
あるが、塗布液に低表面張力化等のために活性剤等が添
加されている場合や、溶剤系の塗布液の場合には、塗布
液自体の表面張力が低くはじきにくいため、より低いコ
ーター表面張力にする必要がある。
【0030】塗布液を撥水させるコーターの場所は、塗
布液と接する部分のみで充分だが、特に、液の流出通路
であるスリットの出口付近のスリット間隙が最も狭まっ
ている部分が、塗布液流速がスリット面との接触によっ
て低下させられるのを低減でき、薄い噴出膜を形成しや
すくなり有効である。また、液がコーターから離れて噴
出し始めるエッジ部近傍を撥水させる事も薄い噴出膜を
形成には効果的である。
【0031】コーターを塗布液に対して撥水させる手段
としては、コーター自体を撥水性の高いセラミックスや
テフロン、シリコン、アクリル等の樹脂、ガラス等の部
材で構成するほか、フッ素系やシラン等他のシリコン系
樹脂等のコーティングや、バフ・ラップ等の研磨による
鏡面化加工等の方法があるが、本発明はこれに限定され
るものではなく、同様の効果がえられるものならば何で
も良い。
【0032】特に、コーターが金属で構成される場合に
は、表面研磨等により、表面粗さRmaxが0.8μm
以下、望ましくは0.1μm以下とすることで概ね接触
角を45°以上とすることが可能である。
【0033】3つ以上のバーで構成された、スリットを
2つ以上持ついわゆる重層塗布用のコーターにおいて
も、本発明の効果は同様に得られる。その場合、コータ
ーの被塗布物に対して最上流側のフロントエッジと最下
流側のバックエッジはもちろん、これらの中間に位置す
る1つ以上のセンターエッジでも、適用可能である。
【0034】本発明によれば、コーター先端部が完全に
被塗布物から離間しているため、被塗布物が可撓性の場
合にも撓みやツレによる塗布液の圧力分布が発生せず、
極めて均一な塗布膜厚を得ることが可能となった。本発
明は、バックロールを用いて塗布部近傍での可撓性被塗
布物を平らに伸ばした方が好ましいが、バックロール無
しでも高めの張力で被塗布物のツレがある程度に伸ばさ
れていれば良好な塗布が可能である。
【0035】高粘度液においては、本発明のような狭い
スリット出口間隙ではスリット抵抗が非常に大きくな
り、すなわち圧力損失大のため、非常に大きな送液圧力
が必要となり、通常用いているギヤポンプ等の送液手段
では流量の低下や脈動、ポンプの故障等の原因となっ
た。この解決策としては、スリット出口側間隙を狭めた
代わりに、スリットの塗布液入口側間隙を広げて、スリ
ットが入側から出側に向かって縮小する形状とすること
が有効である。薄膜塗布のためにはスリット出口側間隙
は50μm以下が必要で望ましくは18μm以下であ
り、その際スリット入口側間隙は圧力低下のために10
0μm以上と広くすることが望ましい。
【0036】この縮小の方法は従来テーパーで漸減させ
て形成しているが、この方法ではスリット出口でコータ
ーの先端部が鋭角となり、例えば単層塗布用のコーター
ではフロントバー側の先端とバックバー側の先端との高
さや平行度等を高精度に製作することが困難で、塗布幅
方向の膜厚分布を悪化させていた。しかし、スリット出
口部分にフロントバーのスリット面とバックバーのスリ
ット面がテーパーではなく平行な部分を設けることで、
加工が容易で真直精度が向上し、より均一な噴出膜を形
成可能となり、塗布膜厚の塗布幅方向分布を良好にでき
る。
【0037】スリット出口間隙を従来のエクストルージ
ョン型コーターより狭めることにより、塗布液中に研磨
剤や金属粉等が含有される場合、これらがスリット内を
高速で流れることでスリット内壁が削られて荒れてしま
い、膜厚分布の悪化や筋故障の原因となり、コーターの
寿命を早めることが判明した。しかし、スリットの材質
を、スリット出口近傍のスリット間隙が最も狭い部分に
は、硬度の高い部材を使用することでこれを防止出来る
ことを見出した。この硬度は使用する塗布液にもよるが
実用上ビッカース硬度が280以上あれば充分である。
また、スリットの全面をこの硬度で構成するのが望まし
いが、実用上はスリットの狭まっているスリット出口平
行部分のみをすべてビッカース硬度が280以上の部材
で構成すれば良い。さらに、前記平行部分の最もスリッ
ト出口側のみをビッカース硬度が280以上の部材で構
成してもある程度は削れによる膜厚分布の悪化や塗布ム
ラが防止可能である。高硬度化の加工が高価な場合はこ
のようにする事でコスト低下が可能である。また、その
目的上、1つのスリットを構成する2本のバーの両スリ
ット面をビッカース硬度280以上の部材で構成するこ
とが望ましい。
【0038】本発明の塗布装置あるいは塗布方法は、被
塗布物としてPETやTAC、PEN、ペーパー、アル
ミ板等の可撓性支持体やガラス板等の非可撓性支持体へ
の直接塗布に有効であるのはもちろん、塗布ロールやベ
ルト等へ間接的に塗布液を塗布し、これを支持体等へ転
写する場合にも適用可能である。また、被塗布物がある
程度平面性の無いものであっても塗布可能である。
【0039】
【実施例】実施例1 被塗布物:厚さ100μm,幅1000mmのPETの
支持体ウエブを使用 コーター:図1の側断面図に示すものを用いたd<50
μmで、スリットが段差で縮小し、スリット面の出口近
傍部分が平行 コーターと被塗布物の距離:0.3mm 塗布液:下記磁性塗料(表面張力約30dyn/cm、
粘度約50cp・密度約1000kg/m3) 塗布長さ:10000m 磁性塗料の組成 Co−γ−Fe23(Hc:900エルステット,BET値:45m2/g) : 10部 ジアセチルセルロース :100部 α−アルミナ(平均粒径:0.2μm) : 5部 ステアリン酸 : 3部 カルナバワックス : 10部 シクロヘキサノン :100部 アセトン :200部 以上の条件で、コーター接液面の部材の材質を種々変更
して、塗布速度の違いでの膜厚と膜厚分布を測定し薄膜
塗布限界を確認した。
【0040】その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】結果は、コーターに撥水性をもたせた場合
に薄膜塗布可能となり膜厚分布も良好と判明した。
【0043】なお、全条件でスジ故障・塗布ムラも発生
せず良好であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の関係式に基づいて塗布条件を設
定することで、被塗布物の部分的な弛みやツレ等の変形
の影響が無く、スジ故障も発生しない塗布方法による安
定な高速・薄膜塗布が可能となった。また、本発明のコ
ータースリット形状とすることで、容易に均一な塗布膜
厚を得ることも可能となった。さらに、バックロールの
真円度や被塗布物のバタツキ・ツレ、コーター先端の真
直度・たわみ等の塗布膜厚への影響がほとんど無いた
め、これらの精度が関係なく、装置コストの低減、管理
の容易化、操作性・作業性の容易化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いたコーターの側断面図。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーターを構成する少なくとも2本以上
    のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜状に噴
    出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接触に設
    置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜状に噴
    出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布装置。
  2. 【請求項2】 コーターを構成する少なくとも2本以上
    のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜状に噴
    出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接触に設
    置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜状に噴
    出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布装置におい
    て、 前記コーターの塗布液と接する面のうち所定の部分が塗
    布液を撥水する部材より構成されていることを特徴とす
    る塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記コーターの塗布液と接する面のうち
    所定の部分が、塗布液との接触角が45°以上の部材よ
    り構成されたことを特徴とする請求項2に記載の塗布装
    置。
  4. 【請求項4】 コーターを構成する少なくとも2本以上
    のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜状に噴
    出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接触に設
    置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜状に噴
    出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布装置におい
    て、 前記コーターの塗布液と接する面のうち所定の部分が表
    面粗さRmaxがRmax≦0.8(μm)を満たす面
    で構成されていることを特徴とする塗布装置。
  5. 【請求項5】 前記スリットの間隙が塗布液の入口側が
    広く出口側が狭まっており、かつスリット出口間隙dが
    d≦5×10-5[m]であることを特徴とする請求項
    1、2、4の何れか1項に記載の塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記スリットの出口部にスリットが平行
    な部分を有することを特徴とする請求項5に記載の塗布
    装置。
  7. 【請求項7】 スリット間隙が最も狭い部分を、ビッカ
    ース硬度が280以上の部材で構成することを特徴とす
    る請求項5に記載の塗布装置。
  8. 【請求項8】 前記コーターの塗布液と接する面のうち
    所定の部分が金属、セラミックス、樹脂、ガラスのうち
    の少なくとも1種以上で構成されていることを特徴とす
    る請求項2又は4に記載の塗布装置。
  9. 【請求項9】 前記コーターの塗布液と接する面のうち
    所定の部分が被覆により撥水性を付与されていることを
    特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
  10. 【請求項10】 前記コーターの塗布液と接する面のう
    ち所定の部分が表面粗さRmax≦0.8(μm)の部
    材により被覆されていることを特徴とする請求項4に記
    載の塗布装置。
  11. 【請求項11】 前記コーターの塗布液と接する面のう
    ち所定の部分がフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、セラミ
    ックのうちの少なくとも1種以上で被覆されていること
    を特徴とする請求項9又は10に記載の塗布装置。
  12. 【請求項12】 前記コーターの塗布液と接する面のう
    ち所定の部分が研磨等による鏡面仕上げであることを特
    徴とする請求項2又は4に記載の塗布装置。
  13. 【請求項13】 前記コーターの塗布液と接する面のう
    ち所定の部分が、少なくとも1つの前記コーターを構成
    するバーの少なくともスリット出口部分を含むスリット
    面であることを特徴とする請求項2又は4に記載の塗布
    装置。
  14. 【請求項14】 前記コーターの塗布液と接する面のう
    ち所定の部分が、少なくとも1つの前記コーターを構成
    するバーの少なくともエッジ及びエッジから外側に向か
    った部分であることを特徴とする請求項2又は4に記載
    の塗布装置。
  15. 【請求項15】 前記コーターの塗布液と接する面のう
    ち所定の部分が、少なくとも1つの前記コーターを構成
    するバーの少なくともスリット出口部分を含むスリット
    面及びエッジ及びエッジから外側に向かった部分である
    ことを特徴とする請求項2又は4に記載の塗布装置。
  16. 【請求項16】 コーターを構成する少なくとも2本以
    上のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜状に
    噴出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接触に
    設置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜状に
    噴出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布方法。
  17. 【請求項17】 コーターを構成する少なくとも2本以
    上のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜状に
    噴出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接触に
    設置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜状に
    噴出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布方法にお
    いて、 前記コーターの塗布液と接する面のうち所定の部分が塗
    布液を撥水する部材より構成されている塗布装置を用い
    て塗布することを特徴とする塗布方法。
  18. 【請求項18】 コーターを構成する少なくとも2本以
    上のバーにより形成されるスリットから塗布液を膜状に
    噴出させ、所定の間隙を隔てて前記コーターと非接触に
    設置あるいは搬送される被塗布物に対して、前記膜状に
    噴出された塗布液を衝突させて塗布を行う塗布方法にお
    いて、 前記コーターの塗布液と接する面のうち所定の部分が表
    面粗さRmaxがRmax≦0.8(μm)を満たす面
    で構成されている塗布装置を用いて塗布することを特徴
    とする塗布方法。
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