JPH11166136A - 船舶用防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板の防汚方法 - Google Patents
船舶用防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板の防汚方法Info
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- JPH11166136A JPH11166136A JP33314397A JP33314397A JPH11166136A JP H11166136 A JPH11166136 A JP H11166136A JP 33314397 A JP33314397 A JP 33314397A JP 33314397 A JP33314397 A JP 33314397A JP H11166136 A JPH11166136 A JP H11166136A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】(a)下記式[I]で表されるトリフェニルボ
ロン・アルキルアミン錯体、(b)銅化合物および(c)塗膜
形成成分を含有する塗料組成物であって、上記錯体(a)
が該塗料組成物中に2〜20重量%の量で含まれている
船舶用防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆さ
れた船舶、並びに該防汚剤による船舶外板の防汚方法。
上記組成物には、(d)4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-
4-イソチアゾリン-3-オン、2,3,5,6-テトラク
ロロ-4-(メチルスルホニル)ピリジンおよび2-ピリ
ジンチオール-1-オキシド金属塩のうちから選択される
少なくとも1種の有機防汚剤が含まれていてもよい。 【化1】 (R1は炭素数3〜30のアルキル基を示す。) 【効果】長期防汚性に優れた防汚塗膜を形成できる。
ロン・アルキルアミン錯体、(b)銅化合物および(c)塗膜
形成成分を含有する塗料組成物であって、上記錯体(a)
が該塗料組成物中に2〜20重量%の量で含まれている
船舶用防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆さ
れた船舶、並びに該防汚剤による船舶外板の防汚方法。
上記組成物には、(d)4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-
4-イソチアゾリン-3-オン、2,3,5,6-テトラク
ロロ-4-(メチルスルホニル)ピリジンおよび2-ピリ
ジンチオール-1-オキシド金属塩のうちから選択される
少なくとも1種の有機防汚剤が含まれていてもよい。 【化1】 (R1は炭素数3〜30のアルキル基を示す。) 【効果】長期防汚性に優れた防汚塗膜を形成できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶用防汚塗料組
成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、船舶外
板の塗装方法に関し、さらに詳しくは、長期防汚性に優
れた防汚塗膜を形成できるような船舶用防汚塗料組成
物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、並びに船
舶外板の防汚方法に関する。
成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、船舶外
板の塗装方法に関し、さらに詳しくは、長期防汚性に優
れた防汚塗膜を形成できるような船舶用防汚塗料組成
物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶、並びに船
舶外板の防汚方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】船舶用防汚塗料には、従来、防汚
剤として有機スズ等の有機化合物が従来用いられていた
が、近年では生体系への安全性の観点から、このような
防汚剤の使用が再検討されている。
剤として有機スズ等の有機化合物が従来用いられていた
が、近年では生体系への安全性の観点から、このような
防汚剤の使用が再検討されている。
【0003】これに代わる防汚剤として、最近では亜酸
化銅、チオシアン化銅を主成分とし、これに有機錫不含
の各種防汚剤すなわち非有機錫系防汚剤を配合すること
により、亜酸化銅等を主成分とする防汚剤の防汚性能の
向上を図ったものが検討されてきた。
化銅、チオシアン化銅を主成分とし、これに有機錫不含
の各種防汚剤すなわち非有機錫系防汚剤を配合すること
により、亜酸化銅等を主成分とする防汚剤の防汚性能の
向上を図ったものが検討されてきた。
【0004】しかしながら、これらの防汚剤には、溶出
が速く有効期間が短いものや特定の対照生物にのみ防汚
効果を選択的に発揮するものが多く、広範な船底付着生
物に対して充分な防汚性を有しないものが多い。
が速く有効期間が短いものや特定の対照生物にのみ防汚
効果を選択的に発揮するものが多く、広範な船底付着生
物に対して充分な防汚性を有しないものが多い。
【0005】このため、適度な防汚剤溶出速度を有し、
広範な船底付着生物に対して優れた防汚性能を長期継続
的に発揮し得るような非錫系船舶用防汚塗料組成物の出
現が求められていた。
広範な船底付着生物に対して優れた防汚性能を長期継続
的に発揮し得るような非錫系船舶用防汚塗料組成物の出
現が求められていた。
【0006】そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた
ところ、特定のトリフェニルボロン・アルキルアミン錯
体と銅化合物と塗膜形成成分とを特定量比で含有する非
錫系の船舶用防汚塗料組成物が、驚くべきことに適度な
防汚剤溶出速度を有し、広範な船舶付着生物に対して優
れた防汚性能を長期継続的に発揮できることなどを見出
して本発明を完成するに至った。
ところ、特定のトリフェニルボロン・アルキルアミン錯
体と銅化合物と塗膜形成成分とを特定量比で含有する非
錫系の船舶用防汚塗料組成物が、驚くべきことに適度な
防汚剤溶出速度を有し、広範な船舶付着生物に対して優
れた防汚性能を長期継続的に発揮できることなどを見出
して本発明を完成するに至った。
【0007】なお、米国特許3,211,679号明
細書には、トリフェニルボランと、炭素数4〜20のア
ルキルアミンまたは環状アミン(ピリジン系化合物)と
の錯体が有効量で約25%以上の量で含まれた防汚塗料
が記載されている。また、該明細書には、トリフェニル
ボラン・ピリジン錯体に代えて、亜酸化銅を含有するビ
ニル系塗料が記載されている。しかしながら、該明細書
には、トリフェニルボラン・アルキルアミン錯体と亜酸
化銅とを併用するとの技術的思想は、何等記載も示唆も
されていない。
細書には、トリフェニルボランと、炭素数4〜20のア
ルキルアミンまたは環状アミン(ピリジン系化合物)と
の錯体が有効量で約25%以上の量で含まれた防汚塗料
が記載されている。また、該明細書には、トリフェニル
ボラン・ピリジン錯体に代えて、亜酸化銅を含有するビ
ニル系塗料が記載されている。しかしながら、該明細書
には、トリフェニルボラン・アルキルアミン錯体と亜酸
化銅とを併用するとの技術的思想は、何等記載も示唆も
されていない。
【0008】さらに、このUSP3,211,679号
に記載の防汚塗料は、トリフェニルボランアミン錯体含
有率が25重量%以上になると、防汚塗料組成物の粘稠
性が大きくなりすぎ、塗料の取扱いが不便になるととも
に乾燥塗膜に粘着性が生じ、海中浸漬後にクラックが発
生しやくすくなるとの問題点がある。
に記載の防汚塗料は、トリフェニルボランアミン錯体含
有率が25重量%以上になると、防汚塗料組成物の粘稠
性が大きくなりすぎ、塗料の取扱いが不便になるととも
に乾燥塗膜に粘着性が生じ、海中浸漬後にクラックが発
生しやくすくなるとの問題点がある。
【0009】特開平8-277372号公報には、側
鎖にトリオルガノシリル基を有し、かつアルコキシまた
はアルーロキシエチレンオキシド基を有する特定の加水
分解性シリルエステル共重合体、およびトリフェニルボ
ラン・ピリジン錯体を含む船舶防汚塗料が記載されてい
る。
鎖にトリオルガノシリル基を有し、かつアルコキシまた
はアルーロキシエチレンオキシド基を有する特定の加水
分解性シリルエステル共重合体、およびトリフェニルボ
ラン・ピリジン錯体を含む船舶防汚塗料が記載されてい
る。
【0010】しかしながらこの公報に記載の船舶防汚塗
料には、有機溶媒不溶性のトリフェニルボラン・ピリジ
ン錯体が含まれており、樹脂の加水分解が速すぎ、また
耐水性が悪いという問題点がある。
料には、有機溶媒不溶性のトリフェニルボラン・ピリジ
ン錯体が含まれており、樹脂の加水分解が速すぎ、また
耐水性が悪いという問題点がある。
【0011】特開平8-295608号公報には、
式:
式:
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R1は、炭素数3〜30のアルキ
ル基を示す)により表されるトリフェニルボラン・アル
キルアミン錯化合物の1種または2種以上を有効成分と
して含有し、さらに、これらを溶解する有機溶剤を含有
する有機溶剤溶解型の漁網防汚剤が記載され、この漁網
防汚剤には、有機溶剤に溶解しないため銅等の重金属は
含有されないとされ、該錯化合物と銅化合物との併用系
については何等記載も示唆もされていない。なお、また
上記アルキルアミンとしては、n-ドデシルアミン、n-
オクタデシルアミン等が挙げられている。
ル基を示す)により表されるトリフェニルボラン・アル
キルアミン錯化合物の1種または2種以上を有効成分と
して含有し、さらに、これらを溶解する有機溶剤を含有
する有機溶剤溶解型の漁網防汚剤が記載され、この漁網
防汚剤には、有機溶剤に溶解しないため銅等の重金属は
含有されないとされ、該錯化合物と銅化合物との併用系
については何等記載も示唆もされていない。なお、また
上記アルキルアミンとしては、n-ドデシルアミン、n-
オクタデシルアミン等が挙げられている。
【0014】また、特開平8-295609号公報に
は、式:
は、式:
【0015】
【化3】
【0016】(式中、R1は、n-オクタデシル基を示
す)により表されるトリフェニルボラン-アルキルアミ
ン錯化合物と、有機溶剤とを含有する有機溶剤溶解型の
漁網防汚剤が記載され、この漁網防汚剤には、有機溶剤
に溶解しないため銅等の重金属は含有されないとされ、
該錯化合物と銅化合物との併用系については何等記載も
示唆もされていない。
す)により表されるトリフェニルボラン-アルキルアミ
ン錯化合物と、有機溶剤とを含有する有機溶剤溶解型の
漁網防汚剤が記載され、この漁網防汚剤には、有機溶剤
に溶解しないため銅等の重金属は含有されないとされ、
該錯化合物と銅化合物との併用系については何等記載も
示唆もされていない。
【0017】また、特公昭39-28579号公報に
は、トリフェニルボラン(但しフェニルはハロまたは低
級アルコキシ置換基をp位に有していてもよい)、トリ
トリルボランまたはトリナフチルボランと、特定のアミ
ン化合物との錯化合物を活性剤として含有する微生物成
長抑制用組成物が記載され、微生物として不完全菌、藻
類等が挙げられている。
は、トリフェニルボラン(但しフェニルはハロまたは低
級アルコキシ置換基をp位に有していてもよい)、トリ
トリルボランまたはトリナフチルボランと、特定のアミ
ン化合物との錯化合物を活性剤として含有する微生物成
長抑制用組成物が記載され、微生物として不完全菌、藻
類等が挙げられている。
【0018】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、適度な防汚剤
溶出速度を有し、広範な船舶付着生物に対して優れた防
汚性能を長期継続的に発揮し得るような非錫系の船舶用
防汚塗料組成物を提供することを目的としている。
問題点を解決しようとするものであって、適度な防汚剤
溶出速度を有し、広範な船舶付着生物に対して優れた防
汚性能を長期継続的に発揮し得るような非錫系の船舶用
防汚塗料組成物を提供することを目的としている。
【0019】本発明は、この防汚塗料組成物から形成さ
れており環境汚染の虞が少なく長期防汚性に優れた防汚
塗膜および該防汚塗膜で被覆された船舶、並びに該防汚
塗料組成物を用いた船舶外板の防汚方法を提供すること
を目的としている。
れており環境汚染の虞が少なく長期防汚性に優れた防汚
塗膜および該防汚塗膜で被覆された船舶、並びに該防汚
塗料組成物を用いた船舶外板の防汚方法を提供すること
を目的としている。
【0020】
【発明の概要】本発明に係る船舶用防汚塗料組成物は、
(a)下記式[I]で表されるトリフェニルボロン・アルキ
ルアミン錯体、(b)銅化合物および(c)塗膜形成成分を含
有する塗料組成物であって、上記トリフェニルボロン・
アルキルアミン錯体(a)が該塗料組成物中に2〜20重
量%の量で含まれていることを特徴としている。
(a)下記式[I]で表されるトリフェニルボロン・アルキ
ルアミン錯体、(b)銅化合物および(c)塗膜形成成分を含
有する塗料組成物であって、上記トリフェニルボロン・
アルキルアミン錯体(a)が該塗料組成物中に2〜20重
量%の量で含まれていることを特徴としている。
【0021】
【化4】
【0022】(式[I]中、R1は炭素数3〜30のアル
キル基を示す。)。本発明においては、上記塗料組成物
が、上記(a)トリフェニルボロン・アルキルアミン錯体
[I]、(b)銅化合物および(c)塗膜形成成分に加えて、
(d)4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリ
ン-3-オン、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチ
ルスルホニル)ピリジンおよび2-ピリジンチオールー1
ーオキシド金属塩のうちから選択される少なくとも1種
の有機防汚剤を含有し、上記トリフェニルボロン・アル
キルアミン錯体(a)が該塗料組成物中に2〜20重量%
の量で含まれていることが好ましい。
キル基を示す。)。本発明においては、上記塗料組成物
が、上記(a)トリフェニルボロン・アルキルアミン錯体
[I]、(b)銅化合物および(c)塗膜形成成分に加えて、
(d)4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリ
ン-3-オン、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチ
ルスルホニル)ピリジンおよび2-ピリジンチオールー1
ーオキシド金属塩のうちから選択される少なくとも1種
の有機防汚剤を含有し、上記トリフェニルボロン・アル
キルアミン錯体(a)が該塗料組成物中に2〜20重量%
の量で含まれていることが好ましい。
【0023】本発明においては、上記銅化合物(b)が亜
酸化銅、チオシアン化銅のうちの何れか1種以上である
ことが好ましく、さらにこの銅化合物(b)が塗料組成物
中に合計で5〜70重量%の量で含まれていることが好
ましい。
酸化銅、チオシアン化銅のうちの何れか1種以上である
ことが好ましく、さらにこの銅化合物(b)が塗料組成物
中に合計で5〜70重量%の量で含まれていることが好
ましい。
【0024】本発明においては、上記(d)有機防汚剤が
0.5〜10重量%の量で船舶用防汚塗料組成物中に含
まれていることが好ましい。本発明によれば、塗布硬化
前は適度な粘稠性を有し、取扱性に優れ、塗布硬化後
は、適度な防汚剤溶出速度を有し、広範な船舶付着生物
に対して優れた防汚性能を長期継続的に発揮し得るよう
な非錫系の船舶用防汚塗料組成物が提供される。
0.5〜10重量%の量で船舶用防汚塗料組成物中に含
まれていることが好ましい。本発明によれば、塗布硬化
前は適度な粘稠性を有し、取扱性に優れ、塗布硬化後
は、適度な防汚剤溶出速度を有し、広範な船舶付着生物
に対して優れた防汚性能を長期継続的に発揮し得るよう
な非錫系の船舶用防汚塗料組成物が提供される。
【0025】本発明に係る防汚塗膜、船舶は、この防汚
塗料組成物から形成されており環境汚染の虞が少なく広
汎な船舶付着生物に対して長期防汚性に優れている。本
発明に係る船舶外板の防汚方法では、環境汚染の恐れが
少ない。
塗料組成物から形成されており環境汚染の虞が少なく広
汎な船舶付着生物に対して長期防汚性に優れている。本
発明に係る船舶外板の防汚方法では、環境汚染の恐れが
少ない。
【0026】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る船舶用防汚塗
料組成物について具体的に説明する。 [船舶用防汚塗料組成物] <トリフェニルボロン・アルキルアミン錯体(a)>本発
明に係る船舶用防汚塗料組成物(単に、塗料組成物、防
汚塗料ともいう)は、(a)下記式[I]で表されるトリフ
ェニルボロン・アルキルアミン錯体、(b)銅化合物およ
び(c)塗膜形成成分を含有する塗料組成物であって、上
記トリフェニルボロン・アルキルアミン錯体(a)が該塗
料組成物中に2〜20重量%、好ましくは5〜15重量
%の量で含まれている。また該トリフェニルボロン・ア
ルキルアミン錯体(a)は、塗料組成物中に含まれる樹脂
固形分100重量部に対して、通常、6〜140重量
部、好ましくは20〜80重量部の量で含まれているこ
とが望ましい。
料組成物について具体的に説明する。 [船舶用防汚塗料組成物] <トリフェニルボロン・アルキルアミン錯体(a)>本発
明に係る船舶用防汚塗料組成物(単に、塗料組成物、防
汚塗料ともいう)は、(a)下記式[I]で表されるトリフ
ェニルボロン・アルキルアミン錯体、(b)銅化合物およ
び(c)塗膜形成成分を含有する塗料組成物であって、上
記トリフェニルボロン・アルキルアミン錯体(a)が該塗
料組成物中に2〜20重量%、好ましくは5〜15重量
%の量で含まれている。また該トリフェニルボロン・ア
ルキルアミン錯体(a)は、塗料組成物中に含まれる樹脂
固形分100重量部に対して、通常、6〜140重量
部、好ましくは20〜80重量部の量で含まれているこ
とが望ましい。
【0027】
【化5】
【0028】(式[I]中、R1は炭素数3〜30のアル
キル基を示す。)。このトリフェニルボロン・アルキル
アミン錯体(a)の量が該塗料組成物中に上記量で含まれ
ていると、塗料は適度な粘稠性を有し取り扱い性に優
れ、塗布硬化後には、塗膜にべたつきがなく、クラック
も生じにくい。なお、このトリフェニルボロン・アルキ
ルアミン錯体(a)が2重量%未満では、防汚性が不十分
となる傾向が生じ、また20重量%を超えると塗布硬化
前は過度な粘稠性を有し、塗料の取扱性に劣り、塗布硬
化後は、塗膜が粘着性を有し、クラックが生ずる傾向が
ある。
キル基を示す。)。このトリフェニルボロン・アルキル
アミン錯体(a)の量が該塗料組成物中に上記量で含まれ
ていると、塗料は適度な粘稠性を有し取り扱い性に優
れ、塗布硬化後には、塗膜にべたつきがなく、クラック
も生じにくい。なお、このトリフェニルボロン・アルキ
ルアミン錯体(a)が2重量%未満では、防汚性が不十分
となる傾向が生じ、また20重量%を超えると塗布硬化
前は過度な粘稠性を有し、塗料の取扱性に劣り、塗布硬
化後は、塗膜が粘着性を有し、クラックが生ずる傾向が
ある。
【0029】上記R1しては炭素数3〜30の直鎖状ま
たは分岐アルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、
n-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、i-ブチル
基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、nードデシ
ル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペン
タデシル基、nーヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、
n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル
基、n-ヘンエイコシル基、n-ドコシル基、n-トリコ
シル基、n-テトラコシル基、n-ペンタコシル基、n-
ヘキサコシル基、n-ヘプタコシル基、n-オクタコシル
基、n-ノナコシル基、n-トリアコンチル基が挙げら
れ、炭素数5〜25の直鎖状または分岐状アルキル基が
好ましく、特に炭素数10〜20の上記直鎖状アルキル
基が好ましい。
たは分岐アルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、
n-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、i-ブチル
基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、nードデシ
ル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペン
タデシル基、nーヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、
n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル
基、n-ヘンエイコシル基、n-ドコシル基、n-トリコ
シル基、n-テトラコシル基、n-ペンタコシル基、n-
ヘキサコシル基、n-ヘプタコシル基、n-オクタコシル
基、n-ノナコシル基、n-トリアコンチル基が挙げら
れ、炭素数5〜25の直鎖状または分岐状アルキル基が
好ましく、特に炭素数10〜20の上記直鎖状アルキル
基が好ましい。
【0030】このようなアルキル基を有するトリフェニ
ルボロン・アルキルアミン錯体は、1種または2種以上
組合わせて用いることができる。 <銅化合物(b)>上記銅化合物(b)としては、亜酸化銅、
チオシアン化銅(好ましくはチオシアン酸第一銅)、塩
基性硫酸銅、塩基性酢酸銅などが挙げられ、好ましくは
亜酸化銅、チオシアン化銅が用いられる。
ルボロン・アルキルアミン錯体は、1種または2種以上
組合わせて用いることができる。 <銅化合物(b)>上記銅化合物(b)としては、亜酸化銅、
チオシアン化銅(好ましくはチオシアン酸第一銅)、塩
基性硫酸銅、塩基性酢酸銅などが挙げられ、好ましくは
亜酸化銅、チオシアン化銅が用いられる。
【0031】このような銅化合物(b)は、1種または2
種以上組合わせて用いることができる。このような銅化
合物(b)は、本発明の塗料組成物中に、通常、5〜70
重量%、好ましくは10〜50重量%の量で含まれてい
ることが好ましい。また塗料組成物中に含まれる樹脂固
形分100重量部に対して、該銅化合物(b)は、通常、
20〜400重量部、好ましくは40〜250重量部の
量で含まれていることが望ましい。
種以上組合わせて用いることができる。このような銅化
合物(b)は、本発明の塗料組成物中に、通常、5〜70
重量%、好ましくは10〜50重量%の量で含まれてい
ることが好ましい。また塗料組成物中に含まれる樹脂固
形分100重量部に対して、該銅化合物(b)は、通常、
20〜400重量部、好ましくは40〜250重量部の
量で含まれていることが望ましい。
【0032】特に、銅化合物(b)として、亜酸化銅を用
いる場合には、本発明の塗料組成物中に、トリフェニル
ボロン・アルキルアミン錯体(a)が2〜20重量%、好
ましくは5〜15重量%の量で、亜酸化銅が20〜55
重量%、好ましくは25〜45重量%の量で、必要によ
り用いられる下記有機防汚剤(d)は0.5〜10重量
%、好ましくは2〜5重量%の量で、塗膜形成成分など
は残部量で含まれていることが望ましい。
いる場合には、本発明の塗料組成物中に、トリフェニル
ボロン・アルキルアミン錯体(a)が2〜20重量%、好
ましくは5〜15重量%の量で、亜酸化銅が20〜55
重量%、好ましくは25〜45重量%の量で、必要によ
り用いられる下記有機防汚剤(d)は0.5〜10重量
%、好ましくは2〜5重量%の量で、塗膜形成成分など
は残部量で含まれていることが望ましい。
【0033】また、銅化合物(b)として、チオシアン化
銅を用いる場合には、本発明の塗料組成物中に、トリフ
ェニルボロン・アルキルアミン錯体(a)が2〜20重量
%、好ましくは5〜15重量%の量で、チオシアン化銅
が10〜40重量%、好ましくは15〜25重量%の量
で、必要により用いられる下記有機防汚剤(d)は0.5
〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の量で、下記塗
膜形成成分(c)などは残部量で含まれていることが望ま
しい。
銅を用いる場合には、本発明の塗料組成物中に、トリフ
ェニルボロン・アルキルアミン錯体(a)が2〜20重量
%、好ましくは5〜15重量%の量で、チオシアン化銅
が10〜40重量%、好ましくは15〜25重量%の量
で、必要により用いられる下記有機防汚剤(d)は0.5
〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の量で、下記塗
膜形成成分(c)などは残部量で含まれていることが望ま
しい。
【0034】<(c)塗膜形成成分>(c)塗膜形成成分とし
ては、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリブテン
樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂(ゴム)、ポリア
ミド樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、塩化ゴム(樹
脂)、塩素化オレフィン樹脂、スチレン・ブタジエン共
重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹脂、トリアルキル
シリルアクリレート(共)重合体(シリル系樹脂)、石
油樹脂等の難あるいは非水溶性樹脂(以下、難/非水溶
性樹脂ともいう)が挙げられる。
ては、例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリブテン
樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂(ゴム)、ポリア
ミド樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、塩化ゴム(樹
脂)、塩素化オレフィン樹脂、スチレン・ブタジエン共
重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹脂、トリアルキル
シリルアクリレート(共)重合体(シリル系樹脂)、石
油樹脂等の難あるいは非水溶性樹脂(以下、難/非水溶
性樹脂ともいう)が挙げられる。
【0035】このような難/非水溶性樹脂のうちでは、
アクリル樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、スチレン・ブ
タジエン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂が好ましく用いら
れる。
アクリル樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、スチレン・ブ
タジエン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂が好ましく用いら
れる。
【0036】上記塩化ビニル系共重合樹脂として、さら
に具体的には、例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重
合樹脂、塩化ビニル・ビニルi-ブチルエーテル共重合樹
脂、塩化ビニル・プロピオン酸ビニル共重合樹脂、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体の塩素化物が挙げられる。
に具体的には、例えば、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重
合樹脂、塩化ビニル・ビニルi-ブチルエーテル共重合樹
脂、塩化ビニル・プロピオン酸ビニル共重合樹脂、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体の塩素化物が挙げられる。
【0037】本発明においては、これらの樹脂あるいは
ゴムを1種または2種以上組み合わせて用いることがで
きる。このような塩化ビニル系共重合樹脂のうちでは、 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル(重量比)が80〜90/20〜10
(合計100重量部)であり、(数)平均分子量が20
000〜35000のものが好ましい。
ゴムを1種または2種以上組み合わせて用いることがで
きる。このような塩化ビニル系共重合樹脂のうちでは、 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル(重量比)が80〜90/20〜10
(合計100重量部)であり、(数)平均分子量が20
000〜35000のものが好ましい。
【0038】塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコ
ール共重合樹脂としては、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビ
ニルアルコール(重量比)が80〜90/11〜4/9
〜6(合計100重量部)であり、(数)平均分子量が
15000〜40000のものが好ましい。
ール共重合樹脂としては、塩化ビニル/酢酸ビニル/ビ
ニルアルコール(重量比)が80〜90/11〜4/9
〜6(合計100重量部)であり、(数)平均分子量が
15000〜40000のものが好ましい。
【0039】塩化ビニル・ビニルi-ブチルエーテル共
重合樹脂としては、塩化ビニル/ビニルi-ブチルエーテ
ル(重量比)が75〜25/55〜45(合計100重
量部)であり、例えば、(数)平均分子量が15000
〜20000のものが挙げられる。
重合樹脂としては、塩化ビニル/ビニルi-ブチルエーテ
ル(重量比)が75〜25/55〜45(合計100重
量部)であり、例えば、(数)平均分子量が15000
〜20000のものが挙げられる。
【0040】塩化ビニル・プロピオン酸ビニル共重合
樹脂としては、塩化ビニル/プロピオン酸ビニル(重量
比)が70〜50/30〜50(合計100重量部)で
あり、(数)平均分子量が15000〜40000のも
のが好ましい。
樹脂としては、塩化ビニル/プロピオン酸ビニル(重量
比)が70〜50/30〜50(合計100重量部)で
あり、(数)平均分子量が15000〜40000のも
のが好ましい。
【0041】上記スチレン・ブタジエン共重合樹脂とし
ては、スチレン/ブタジエン(重量比)が、65〜75
/35〜25(合計100重量部)であり、(数)平均
分子量が10000〜20000程度のものが用いられ
る。
ては、スチレン/ブタジエン(重量比)が、65〜75
/35〜25(合計100重量部)であり、(数)平均
分子量が10000〜20000程度のものが用いられ
る。
【0042】本発明においては、上記難/非水溶性樹脂
と、下記のような水溶性樹脂とを組合わせて用いること
ができる。水溶性樹脂としては、ロジン(例:商品名
「ロジンWW」)、モノカルボン酸およびその塩が挙げ
られる。モノカルボン酸としては、例えば、炭素数9〜
19程度の脂肪酸、ナフテン酸が挙げられる。モノカル
ボン酸の塩としては、Cu塩、Zn塩、Ca塩等が挙げ
られる。これらの水溶性樹脂のうちでは、特にロジンが
好ましい。ロジンには、ガムロジン、ウッドロジン、ト
ール油ロジンなどがあるが、本発明ではいずれをも使用
することができる。これらの水溶性樹脂は、1種または
2種以上組み合わせて用いることができる。これらの水
溶性樹脂は、防汚塗料組成物中に、好ましくは、0.1
〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%の
量で含有されていることが望ましい。水溶性樹脂の配合
割合は、塗膜の防汚性能および耐水性能の観点からこの
範囲にあることが望ましい。
と、下記のような水溶性樹脂とを組合わせて用いること
ができる。水溶性樹脂としては、ロジン(例:商品名
「ロジンWW」)、モノカルボン酸およびその塩が挙げ
られる。モノカルボン酸としては、例えば、炭素数9〜
19程度の脂肪酸、ナフテン酸が挙げられる。モノカル
ボン酸の塩としては、Cu塩、Zn塩、Ca塩等が挙げ
られる。これらの水溶性樹脂のうちでは、特にロジンが
好ましい。ロジンには、ガムロジン、ウッドロジン、ト
ール油ロジンなどがあるが、本発明ではいずれをも使用
することができる。これらの水溶性樹脂は、1種または
2種以上組み合わせて用いることができる。これらの水
溶性樹脂は、防汚塗料組成物中に、好ましくは、0.1
〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%の
量で含有されていることが望ましい。水溶性樹脂の配合
割合は、塗膜の防汚性能および耐水性能の観点からこの
範囲にあることが望ましい。
【0043】このような水溶性樹脂と、前記難/非水溶
性樹脂との組み合わせのうちでは、(i)塩化ビニル系共
重合樹脂と水溶性樹脂との組み合わせ、(ii)スチレン・
ブタジエン共重合樹脂と水溶性樹脂との組み合わせが好
ましい。
性樹脂との組み合わせのうちでは、(i)塩化ビニル系共
重合樹脂と水溶性樹脂との組み合わせ、(ii)スチレン・
ブタジエン共重合樹脂と水溶性樹脂との組み合わせが好
ましい。
【0044】なお、このように1種または2種以上の難
/非水溶性樹脂と、水溶性樹脂とを組み合わせて用いる
場合、水溶性樹脂100重量部に対して、塩化ビニル系
共重合樹脂などの難/非水溶性樹脂は、合計で0.1〜
99重量部、好ましくは30〜80重量部程度の量で用
いることが初期防汚性能を適正な範囲にコントロールで
き、しかも長期防汚性能にも優れるため望ましい。
/非水溶性樹脂と、水溶性樹脂とを組み合わせて用いる
場合、水溶性樹脂100重量部に対して、塩化ビニル系
共重合樹脂などの難/非水溶性樹脂は、合計で0.1〜
99重量部、好ましくは30〜80重量部程度の量で用
いることが初期防汚性能を適正な範囲にコントロールで
き、しかも長期防汚性能にも優れるため望ましい。
【0045】このような(a)トリフェニルボロン・アル
キルアミン錯体と、(b)銅化合物と、(c)塗膜形成成分と
を含有し、錫、錫化合物を含有しない本発明の船舶用防
汚塗料組成物は、塗布硬化前は適度な粘稠性を有し、取
扱性に優れ、塗布硬化後は、適度な防汚剤溶出速度を有
し、広範な船舶付着生物に対して優れた防汚性能を長期
継続的に発揮できる。
キルアミン錯体と、(b)銅化合物と、(c)塗膜形成成分と
を含有し、錫、錫化合物を含有しない本発明の船舶用防
汚塗料組成物は、塗布硬化前は適度な粘稠性を有し、取
扱性に優れ、塗布硬化後は、適度な防汚剤溶出速度を有
し、広範な船舶付着生物に対して優れた防汚性能を長期
継続的に発揮できる。
【0046】<有機防汚剤(d)>本発明に係る上記船舶
用防汚塗料組成物には、上記(a)トリフェニルボロン・
アルキルアミン錯体、(b)銅化合物および(c)塗膜形成成
分に加えて、4,5-ジクロロ-2-n-オクチルー4ーイソ
チアゾリン-3-オン、2,3,5,6-テトラクロロ-4
-(メチルスルホニル)ピリジンおよび2-ピリジンチオ
ールー1ーオキシド金属塩等の有機防汚剤(d)が含まれて
いてもよい。これらの有機防汚剤(d)うちでは、4,5-
ジクロロ-2-n-オクチルー4ーイソチアゾリン-3-オ
ン、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホ
ニル)ピリジンおよび2-ピリジンチオールー1ーオキシ
ド金属塩のうちから選択される少なくとも1種の有機防
汚剤が含有されていることが望ましい。2-ピリジンチ
オールー1ーオキシド金属塩としては、2-ピリジンチオ
ール-1-オキシド亜鉛塩、2-ピリジンチオール-1-オ
キシド銅塩が望ましい。
用防汚塗料組成物には、上記(a)トリフェニルボロン・
アルキルアミン錯体、(b)銅化合物および(c)塗膜形成成
分に加えて、4,5-ジクロロ-2-n-オクチルー4ーイソ
チアゾリン-3-オン、2,3,5,6-テトラクロロ-4
-(メチルスルホニル)ピリジンおよび2-ピリジンチオ
ールー1ーオキシド金属塩等の有機防汚剤(d)が含まれて
いてもよい。これらの有機防汚剤(d)うちでは、4,5-
ジクロロ-2-n-オクチルー4ーイソチアゾリン-3-オ
ン、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルホ
ニル)ピリジンおよび2-ピリジンチオールー1ーオキシ
ド金属塩のうちから選択される少なくとも1種の有機防
汚剤が含有されていることが望ましい。2-ピリジンチ
オールー1ーオキシド金属塩としては、2-ピリジンチオ
ール-1-オキシド亜鉛塩、2-ピリジンチオール-1-オ
キシド銅塩が望ましい。
【0047】このような有機防汚剤(d)を含む船舶用防
汚塗料組成物においては、それぞれ上記量のトリフェニ
ルボロン・アルキルアミン錯体(a)、亜酸化銅(b)、塗膜
形成成分(c)に加えて上記(d)有機防汚剤が通常、0.5
〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の量で含まれて
いることが望ましい。また塗料組成物中に含まれる樹脂
固形分100重量部に対して、該有機防汚剤(d)は、通
常、3〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の量で
含まれていることが望ましい。このような量で、有機防
汚剤(d)が塗料組成物中に含まれていると、適度な防汚
剤溶出速度を有し、広範な船舶付着生物に対していっそ
う優れた防汚性能を長期継続的に発揮できる傾向があ
る。
汚塗料組成物においては、それぞれ上記量のトリフェニ
ルボロン・アルキルアミン錯体(a)、亜酸化銅(b)、塗膜
形成成分(c)に加えて上記(d)有機防汚剤が通常、0.5
〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の量で含まれて
いることが望ましい。また塗料組成物中に含まれる樹脂
固形分100重量部に対して、該有機防汚剤(d)は、通
常、3〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の量で
含まれていることが望ましい。このような量で、有機防
汚剤(d)が塗料組成物中に含まれていると、適度な防汚
剤溶出速度を有し、広範な船舶付着生物に対していっそ
う優れた防汚性能を長期継続的に発揮できる傾向があ
る。
【0048】<任意成分>このような本発明に係る船舶
用防汚塗料組成物は、上記トリフェニルボロン・アルキ
ルアミン錯体(a)、銅化合物(b)、塗膜形成成分(c)に加
えて、さらには上記有機化合物(d)が含まれていてもよ
く、また以下に述べるような脱水剤、可塑剤、タレ止め
・沈降防止剤、安定剤、顔料など、通常防汚塗料に配合
されるような各種成分が含まれていてもよい。
用防汚塗料組成物は、上記トリフェニルボロン・アルキ
ルアミン錯体(a)、銅化合物(b)、塗膜形成成分(c)に加
えて、さらには上記有機化合物(d)が含まれていてもよ
く、また以下に述べるような脱水剤、可塑剤、タレ止め
・沈降防止剤、安定剤、顔料など、通常防汚塗料に配合
されるような各種成分が含まれていてもよい。
【0049】脱水剤が含有されたこのような防汚塗料組
成物では、貯蔵安定性を一層向上させることができ、こ
のような脱水剤としては、無水石膏(CaSO4)、合
成ゼオライト系吸着剤(商品名:モレキュラーシーブ
等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル等のオルソ
エステル類、オルソほう酸エステル、シリケート類やイ
ソシアネート類(商品名:アディティブTI)等が挙げ
られ、無水石膏、モレキュラーシーブが好ましく、特に
モレキュラーシーブが好ましく用いられる。このような
脱水剤は、1種または2種以上組み合わせて用いること
ができる。
成物では、貯蔵安定性を一層向上させることができ、こ
のような脱水剤としては、無水石膏(CaSO4)、合
成ゼオライト系吸着剤(商品名:モレキュラーシーブ
等)、オルソギ酸メチル、オルソ酢酸メチル等のオルソ
エステル類、オルソほう酸エステル、シリケート類やイ
ソシアネート類(商品名:アディティブTI)等が挙げ
られ、無水石膏、モレキュラーシーブが好ましく、特に
モレキュラーシーブが好ましく用いられる。このような
脱水剤は、1種または2種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0050】このような脱水剤は、本発明の非錫系防汚
塗料組成物中に、通常、0.1〜10重量%程度の量で
含まれていてもよく、例えば、合成ゼオライトでは、
0.2〜5重量%程度の量で含まれていてもよい。
塗料組成物中に、通常、0.1〜10重量%程度の量で
含まれていてもよく、例えば、合成ゼオライトでは、
0.2〜5重量%程度の量で含まれていてもよい。
【0051】可塑剤としては、TCP(トリクレジルフ
ォスフェート)、塩化パラフィン、ポリビニルエチルエ
ーテルなどが使用できる。このような可塑剤は、この防
汚塗料組成物中に、例えば、0〜2重量%程度の量で配
合される。
ォスフェート)、塩化パラフィン、ポリビニルエチルエ
ーテルなどが使用できる。このような可塑剤は、この防
汚塗料組成物中に、例えば、0〜2重量%程度の量で配
合される。
【0052】タレ止め・沈降防止剤としては、有機粘土
などのような防汚塗料組成物の貯蔵安定性を害するもの
以外は、任意量で配合されていてもよい。このようなタ
レ止め・沈降防止剤としては、有機粘度系Al、Ca、
Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン
酸塩などの塩類、ポリエチレンワックス、アマイドワッ
クス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワックス
系および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチ
レン系ワックス等が挙げられ、好ましくは、ポリアマイ
ドワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワッ
クス、有機粘度系が用いられる。このようなタレ止め・
沈降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパロ
ン305」、「ディスパロン4200-20」等の他、「ディスパ
ロンA630-20X」等の商品名で上市されているものが挙げ
られる。
などのような防汚塗料組成物の貯蔵安定性を害するもの
以外は、任意量で配合されていてもよい。このようなタ
レ止め・沈降防止剤としては、有機粘度系Al、Ca、
Znのステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン
酸塩などの塩類、ポリエチレンワックス、アマイドワッ
クス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワックス
系および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチ
レン系ワックス等が挙げられ、好ましくは、ポリアマイ
ドワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワッ
クス、有機粘度系が用いられる。このようなタレ止め・
沈降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパロ
ン305」、「ディスパロン4200-20」等の他、「ディスパ
ロンA630-20X」等の商品名で上市されているものが挙げ
られる。
【0053】このようなタレ止め・沈降防止剤は、この
防汚塗料組成物中に、例えば、2〜10重量%の量で配
合される。安定剤としては、低分子エポキシ樹脂(商品
名「EP828」,「E−028−90X」)等が挙げ
られる。
防汚塗料組成物中に、例えば、2〜10重量%の量で配
合される。安定剤としては、低分子エポキシ樹脂(商品
名「EP828」,「E−028−90X」)等が挙げ
られる。
【0054】顔料としては、従来公知の有機系、無機系
の各種顔料を用いることができる。有機系顔料として
は、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、紺青等
が挙げられる。無機系顔料としては、例えば、チタン
白、ベンガラ、バライト粉、白亜、酸化鉄粉等のように
中性で非反応性のもの;亜鉛華(ZnO)、鉛白、鉛
丹、亜鉛末、亜酸化鉛粉等のように塩基性で塗料中の酸
性物質と反応性のもの(活性顔料)等が挙げられる。な
お、染料等の各種着色剤も含まれていてもよい。このよ
うな各種顔料は、防汚塗料組成物中に、例えば、合計で
5〜35重量%程度の量で配合される。特に、活性顔料
とそれ以外の顔料とを併用する場合には、活性顔料は、
防汚塗料組成物中に、例えば、3〜8重量%の量で、ま
たそれ以外の上記顔料は、4〜25重量%程度の量で配
合してもよい。
の各種顔料を用いることができる。有機系顔料として
は、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、紺青等
が挙げられる。無機系顔料としては、例えば、チタン
白、ベンガラ、バライト粉、白亜、酸化鉄粉等のように
中性で非反応性のもの;亜鉛華(ZnO)、鉛白、鉛
丹、亜鉛末、亜酸化鉛粉等のように塩基性で塗料中の酸
性物質と反応性のもの(活性顔料)等が挙げられる。な
お、染料等の各種着色剤も含まれていてもよい。このよ
うな各種顔料は、防汚塗料組成物中に、例えば、合計で
5〜35重量%程度の量で配合される。特に、活性顔料
とそれ以外の顔料とを併用する場合には、活性顔料は、
防汚塗料組成物中に、例えば、3〜8重量%の量で、ま
たそれ以外の上記顔料は、4〜25重量%程度の量で配
合してもよい。
【0055】本発明の防汚塗料では、上記のような各種
成分は、溶剤に溶解若しくは分散している。ここで使用
される溶剤としては、例えば、脂肪族系、芳香族系、ケ
トン系、エステル系、エーテル系など、通常、防汚塗料
に配合されるような各種溶剤が用いられる。上記芳香族
系溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン等等が挙
げられ、ケトン系溶剤としては、例えば、MIBK等が
挙げられる。
成分は、溶剤に溶解若しくは分散している。ここで使用
される溶剤としては、例えば、脂肪族系、芳香族系、ケ
トン系、エステル系、エーテル系など、通常、防汚塗料
に配合されるような各種溶剤が用いられる。上記芳香族
系溶剤としては、例えば、キシレン、トルエン等等が挙
げられ、ケトン系溶剤としては、例えば、MIBK等が
挙げられる。
【0056】上記のような防汚塗料組成物を例えば、火
力・原子力発電所の給排水口等の水中構造物、湾岸道
路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のような各
種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜、船舶、漁業資材
(例:ロープ、漁網、浮き子、ブイ)などの各種成形体
の表面に常法に従って1回〜複数回塗布すれば防汚性に
優れ、防汚剤成分が長期間に亘って徐放可能であり、厚
塗りしても適度の可撓性を有し耐クラック性に優れた防
汚塗膜被覆船舶または水中構造物などが得られる。
力・原子力発電所の給排水口等の水中構造物、湾岸道
路、海底トンネル、港湾設備、運河・水路等のような各
種海洋土木工事の汚泥拡散防止膜、船舶、漁業資材
(例:ロープ、漁網、浮き子、ブイ)などの各種成形体
の表面に常法に従って1回〜複数回塗布すれば防汚性に
優れ、防汚剤成分が長期間に亘って徐放可能であり、厚
塗りしても適度の可撓性を有し耐クラック性に優れた防
汚塗膜被覆船舶または水中構造物などが得られる。
【0057】すなわちこのような本発明に係る防汚塗料
組成物を各種成形体の表面に塗布硬化してなる防汚塗膜
は、アオサ、フジツボ、アオノリ、セルプラ、カキ、フ
サコケムシ等の水棲生物の付着を長期間継続的に防止で
きるなど防汚性に優れている。
組成物を各種成形体の表面に塗布硬化してなる防汚塗膜
は、アオサ、フジツボ、アオノリ、セルプラ、カキ、フ
サコケムシ等の水棲生物の付着を長期間継続的に防止で
きるなど防汚性に優れている。
【0058】特に、該防汚塗料組成物は、船舶等の素材
が、FRP、鋼鉄、木、アルミニウム合金などである場
合にもこれらの素材表面に良好に付着する。また、該防
汚塗料組成物は、既存の防汚塗膜表面に上塗してもよ
い。
が、FRP、鋼鉄、木、アルミニウム合金などである場
合にもこれらの素材表面に良好に付着する。また、該防
汚塗料組成物は、既存の防汚塗膜表面に上塗してもよ
い。
【0059】また例えば、該防汚塗料組成物を海中構造
物表面に塗布すれば、海中生物の付着防止を図ることが
でき、該構造物の機能を長期間維持でき、漁網に塗布す
れば、漁網の網目の閉塞を防止でき、しかも環境汚染の
恐れが少ない。
物表面に塗布すれば、海中生物の付着防止を図ることが
でき、該構造物の機能を長期間維持でき、漁網に塗布す
れば、漁網の網目の閉塞を防止でき、しかも環境汚染の
恐れが少ない。
【0060】なお、この本発明に係る防汚塗料組成物
は、直接漁網に塗布してもよく、また予め防錆剤、プラ
イマーなどの下地材が塗布された船舶または水中構造物
等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚
塗料による塗装が行われ、あるいは本発明発明の防汚塗
料組成物による塗装が行われている船舶、特にFRP船
あるいは水中構造物等の表面に、補修用として本発明の
防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。このようにして船
舶、水中構造物等の表面に形成された防汚塗膜の厚さは
特に限定されないが、例えば、30〜150μm/回程
度である。
は、直接漁網に塗布してもよく、また予め防錆剤、プラ
イマーなどの下地材が塗布された船舶または水中構造物
等の表面に塗布してもよい。さらには、既に従来の防汚
塗料による塗装が行われ、あるいは本発明発明の防汚塗
料組成物による塗装が行われている船舶、特にFRP船
あるいは水中構造物等の表面に、補修用として本発明の
防汚塗料組成物を上塗りしてもよい。このようにして船
舶、水中構造物等の表面に形成された防汚塗膜の厚さは
特に限定されないが、例えば、30〜150μm/回程
度である。
【0061】上記のようにして得られる本発明に係る防
汚塗膜、船舶は、前述したような防汚塗料組成物から形
成されており環境汚染の虞が少なく広汎な船舶付着生物
に対して長期防汚性に優れている。
汚塗膜、船舶は、前述したような防汚塗料組成物から形
成されており環境汚染の虞が少なく広汎な船舶付着生物
に対して長期防汚性に優れている。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、塗布硬化前は適度な粘
稠性を有し、取扱性に優れ、塗布硬化後は、適度な防汚
剤溶出速度を有し、広範な船舶付着生物に対して優れた
防汚性能を長期継続的に発揮し得るような非錫系の船舶
用防汚塗料組成物が提供される。
稠性を有し、取扱性に優れ、塗布硬化後は、適度な防汚
剤溶出速度を有し、広範な船舶付着生物に対して優れた
防汚性能を長期継続的に発揮し得るような非錫系の船舶
用防汚塗料組成物が提供される。
【0063】本発明に係る防汚塗膜、船舶は、この防汚
塗料組成物から形成されており環境汚染の虞が少なく広
汎な船舶付着生物に対して長期防汚性に優れている。本
発明に係る船舶外板の防汚方法では、環境汚染の恐れが
少ない。
塗料組成物から形成されており環境汚染の虞が少なく広
汎な船舶付着生物に対して長期防汚性に優れている。本
発明に係る船舶外板の防汚方法では、環境汚染の恐れが
少ない。
【0064】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づきさらに
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何等限定
されるものではない。
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何等限定
されるものではない。
【0065】なお、以下の実施例、比較例で使用した各
配合成分およびその組成、物性、製造販売元等は、下記
の通り。 「WWロジン」(ロジン、分子量:302) 「塩化ビニル・ビニルイソブチルエーテル共重合体」
[商品名「ラロフレックスMP-15」、BASF社製、塩
化ビニル/ビニルi-ブチルエーテル(共重合重 量
比)=75/25] 「エポキシ樹脂」(商品名「E−028−90X」、
大竹化学社 製、分子量:340) 「チタン白」(石原産業(株)製) 「酸化亜鉛」(九州白水(株)製) 「亜酸化銅」(日進化学(株)製) 「チオシアン化銅」(日本化学産業(株)製) 「トリフェニルボロン・n-ドデシルアミン錯体」
(北興化学(株)製) 「トリフェニルボロン・n-オクタデシルアミン錯
体」(北興化学(株)製) (10)「2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩」(吉
富製薬 株)製) (11)「4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾ
リン-3-オン」(ローム&ハース社 製) (12)「無水石膏」(ノリタケ(株)製) (13)「アマイドワックス」(商品名「ディスパロン63
0-20X」、楠本化成(株)製) (14)「2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスル
ホニル)ピリジン」(ゼネカ(株)製) (15)「2-ピリジンチオール-1-オキシド銅塩」(オー
リン(株)製) <海中生物の付着面積評価基準>評価基準は、以下の通
り。
配合成分およびその組成、物性、製造販売元等は、下記
の通り。 「WWロジン」(ロジン、分子量:302) 「塩化ビニル・ビニルイソブチルエーテル共重合体」
[商品名「ラロフレックスMP-15」、BASF社製、塩
化ビニル/ビニルi-ブチルエーテル(共重合重 量
比)=75/25] 「エポキシ樹脂」(商品名「E−028−90X」、
大竹化学社 製、分子量:340) 「チタン白」(石原産業(株)製) 「酸化亜鉛」(九州白水(株)製) 「亜酸化銅」(日進化学(株)製) 「チオシアン化銅」(日本化学産業(株)製) 「トリフェニルボロン・n-ドデシルアミン錯体」
(北興化学(株)製) 「トリフェニルボロン・n-オクタデシルアミン錯
体」(北興化学(株)製) (10)「2-ピリジンチオール-1-オキシド亜鉛塩」(吉
富製薬 株)製) (11)「4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾ
リン-3-オン」(ローム&ハース社 製) (12)「無水石膏」(ノリタケ(株)製) (13)「アマイドワックス」(商品名「ディスパロン63
0-20X」、楠本化成(株)製) (14)「2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスル
ホニル)ピリジン」(ゼネカ(株)製) (15)「2-ピリジンチオール-1-オキシド銅塩」(オー
リン(株)製) <海中生物の付着面積評価基準>評価基準は、以下の通
り。
【0066】 5点・・・・海中生物の付着面積が0%。 4点・・・・海中生物の付着面積が0%を超え5%以下。 3点・・・・海中生物の付着面積が5%を超え10%以下。
【0067】 2点・・・・海中生物の付着面積が10%を超え25%以下。 1点・・・・海中生物の付着面積が25%を超え50%以下。 0点・・・・海中生物の付着面積が50%を超える。
【0068】
【実施例1】表1に示す配合組成の防汚塗料を常法に従
って調製した。すなわち、WWロジン11重量部、塩化
ビニル・ビニルイソブチルエーテル共重合体7重量部、
エポキシ樹脂0.3重量部、チタン白5重量部、酸化亜
鉛6重量部、亜酸化銅35重量部、トリフェニルボロン
・-nドデシルアミン錯体10重量部、脂肪酸アマイド
ワックス3.5重量部、トルエン4重量部、キシレン1
8.2重量部からなる防汚塗料(合計100重量部)を
調製した。
って調製した。すなわち、WWロジン11重量部、塩化
ビニル・ビニルイソブチルエーテル共重合体7重量部、
エポキシ樹脂0.3重量部、チタン白5重量部、酸化亜
鉛6重量部、亜酸化銅35重量部、トリフェニルボロン
・-nドデシルアミン錯体10重量部、脂肪酸アマイド
ワックス3.5重量部、トルエン4重量部、キシレン1
8.2重量部からなる防汚塗料(合計100重量部)を
調製した。
【0069】この防汚塗料は、適度な粘稠性(粘度:k
u値90)を有しており、取扱いに好都合であった。次
いで、この防汚塗料を、3×100×300(mm)の
大きさの塩化ビニル板にその乾燥膜厚が250〜300
μm厚(平均:270μm厚)となるように塗布し、3
日間、常温20℃の室内に静置し乾燥した後、平成8年
4月から平成9年3月まで1年間、広島湾の水深1.5
mの位置に浸漬し、海中生物による汚損状況を調査し
た。
u値90)を有しており、取扱いに好都合であった。次
いで、この防汚塗料を、3×100×300(mm)の
大きさの塩化ビニル板にその乾燥膜厚が250〜300
μm厚(平均:270μm厚)となるように塗布し、3
日間、常温20℃の室内に静置し乾燥した後、平成8年
4月から平成9年3月まで1年間、広島湾の水深1.5
mの位置に浸漬し、海中生物による汚損状況を調査し
た。
【0070】また、上記乾燥塗膜の粘着性、および該塗
膜付き塩化ビニル板を海水中に浸漬した後のクラックの
有無を調査したところ、海中浸漬3ヶ月後及び6ヶ月後
では、海中生物の付着がなく(海中生物付着面積:0%
/評価5)、9ヶ月後および12ヶ月後では、海中生物
の付着が0を超え5%以下の量で認められた(評価
4)。また、塩化ビニル板にこの防汚塗料を塗布硬化さ
せてなる塗膜に粘着性は認められず(評価:良好)、海
中浸漬後、12ヶ月経過してもその塗膜にクラックは生
じなかった。
膜付き塩化ビニル板を海水中に浸漬した後のクラックの
有無を調査したところ、海中浸漬3ヶ月後及び6ヶ月後
では、海中生物の付着がなく(海中生物付着面積:0%
/評価5)、9ヶ月後および12ヶ月後では、海中生物
の付着が0を超え5%以下の量で認められた(評価
4)。また、塩化ビニル板にこの防汚塗料を塗布硬化さ
せてなる塗膜に粘着性は認められず(評価:良好)、海
中浸漬後、12ヶ月経過してもその塗膜にクラックは生
じなかった。
【0071】併せて、結果を表2に示す。
【0072】
【実施例2〜6、比較例1〜4】上記実施例1におい
て、防汚塗料組成物の配合組成をそれぞれ表1に示すよ
うに代えた以外は、実施例1と同様にして防汚塗料組成
物を得て、硬化塗膜の粘着性、海水中に浸漬した後のク
ラックの有無を調査した。
て、防汚塗料組成物の配合組成をそれぞれ表1に示すよ
うに代えた以外は、実施例1と同様にして防汚塗料組成
物を得て、硬化塗膜の粘着性、海水中に浸漬した後のク
ラックの有無を調査した。
【0073】結果を表2に示す。表2に明かなように、
本発明の船舶用防汚塗料組成物は、長期に亘り優れた防
汚性を示した。
本発明の船舶用防汚塗料組成物は、長期に亘り優れた防
汚性を示した。
【0074】また、比較例1に示すように、トリフェニ
ルボロン・アルキルアミン錯体の含有量が25%を超え
た塗膜では、粘着性があり、クラックが発生した。
ルボロン・アルキルアミン錯体の含有量が25%を超え
た塗膜では、粘着性があり、クラックが発生した。
【0075】
【表1】
【0076】(注)(1)商品名「ラロフレックスMP-1
5」(BASF社製) (2)商品名「E−028−90X」(大竹化学社製) (3)商品名「ディスパロン630-20X」(楠本化成
(株)製)
5」(BASF社製) (2)商品名「E−028−90X」(大竹化学社製) (3)商品名「ディスパロン630-20X」(楠本化成
(株)製)
【0077】
【表2】
Claims (8)
- 【請求項1】(a)下記式[I]で表されるトリフェニルボ
ロン・アルキルアミン錯体、(b)銅化合物および(c)塗膜
形成成分を含有する塗料組成物であって、 上記トリフェニルボロン・アルキルアミン錯体(a)が該
塗料組成物中に2〜20重量%の量で含まれていること
を特徴とする船舶用防汚塗料組成物: 【化1】 (式[I]中、R1は炭素数3〜30のアルキル基を示
す。)。 - 【請求項2】(a)上記トリフェニルボロン・アルキルア
ミン錯体[I]、(b)銅化合物および(c)塗膜形成成分
と、 (d)4,5-ジクロロ-2-n-オクチル-4-イソチアゾリ
ン-3-オン、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチ
ルスルホニル)ピリジンおよび2-ピリジンチオール-1
-オキシド金属塩のうちから選択される少なくとも1種
の有機防汚剤とを含有する塗料組成物であって、 上記トリフェニルボロン・アルキルアミン錯体(a)が該
塗料組成物中に2〜20重量%の量で含まれていること
を特徴とする船舶用防汚塗料組成物。 - 【請求項3】上記銅化合物(b)が亜酸化銅、チオシアン
化銅のうちの何れか1種以上であることを特徴とする請
求項1〜2の何れかに記載の船舶用防汚塗料組成物。 - 【請求項4】上記銅化合物(b)が塗料組成物中に5〜7
0重量%の量で含まれていることを特徴とする請求項1
〜3の何れかに記載の船舶用防汚塗料組成物。 - 【請求項5】上記(d)有機防汚剤が0.5〜10重量%
の量で含まれていることを特徴とする請求項2〜4の何
れかに記載の船舶用防汚塗料組成物。 - 【請求項6】請求項1〜5の何れかに記載の船舶用防汚
塗料組成物から形成されたことを特徴とする防汚塗膜。 - 【請求項7】海水と接触する船舶外板の表面が、請求項
1〜5の何れかに記載の船舶用防汚塗料組成物を塗布硬
化してなる防汚塗膜にて被覆されていることを特徴とす
る船舶。 - 【請求項8】海水と接触する船舶外板表面に、請求項1
〜5の何れかに記載の船舶用防汚塗料組成物を塗布し、
防汚塗膜を形成することを特徴とする船舶外板の防汚方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33314397A JPH11166136A (ja) | 1997-12-03 | 1997-12-03 | 船舶用防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板の防汚方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33314397A JPH11166136A (ja) | 1997-12-03 | 1997-12-03 | 船舶用防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板の防汚方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11166136A true JPH11166136A (ja) | 1999-06-22 |
Family
ID=18262783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33314397A Pending JPH11166136A (ja) | 1997-12-03 | 1997-12-03 | 船舶用防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板の防汚方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11166136A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020246432A1 (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-10 | 日東化成株式会社 | 防汚塗料組成物 |
-
1997
- 1997-12-03 JP JP33314397A patent/JPH11166136A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020246432A1 (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-10 | 日東化成株式会社 | 防汚塗料組成物 |
JP2020200368A (ja) * | 2019-06-06 | 2020-12-17 | 日東化成株式会社 | 防汚塗料組成物 |
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