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JP2001329228A - 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物ならびに船舶外板または水中構造物の防汚方法 - Google Patents

防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物ならびに船舶外板または水中構造物の防汚方法

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Publication number
JP2001329228A
JP2001329228A JP2000154539A JP2000154539A JP2001329228A JP 2001329228 A JP2001329228 A JP 2001329228A JP 2000154539 A JP2000154539 A JP 2000154539A JP 2000154539 A JP2000154539 A JP 2000154539A JP 2001329228 A JP2001329228 A JP 2001329228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antifouling
antifouling coating
metal
weight
coating composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000154539A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Tanaka
中 秀 幸 田
Yoichi Tatsuno
野 陽 一 龍
Iwao Matsuoka
岡 巌 松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Marine Paints Ltd
Original Assignee
Chugoku Marine Paints Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Marine Paints Ltd filed Critical Chugoku Marine Paints Ltd
Priority to JP2000154539A priority Critical patent/JP2001329228A/ja
Publication of JP2001329228A publication Critical patent/JP2001329228A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(a)不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カ
ルボキシレート化合物成分単位含有共重合体と、(b)
トリフェニルボロン・アミン錯体とを含有する防汚塗料
組成物。この共重合体(a)が、式[II]:R1−COO
−M−Ln [式[II]中、R1は、CH2=C(CH3
−、CH2=CH−、HOOC−CH=CH−、HOO
C−CH=C(CH3)−のうちのいずれかの式で示さ
れる、不飽和結合を含有する有機基を示し、これら式中
の−COOHは金属塩またはエステルを形成していても
よい。Mは金属原子を示し、Lは、有機酸残基:−OC
OR2を示し、R2は直鎖状アルキル基、直鎖状アルケニ
ル基を示し、nは金属Mの原子価数−1の数を示す。]
で表されるモノマーから誘導される成分単位を含有する
共重合体であることが望ましい。 【効果】長期防汚性に優れた防汚塗膜を形成でき、特に
低温での塗膜の締まりと耐盤木加圧性に優れ、塗膜消耗
度がある程度高く低稼働船に好適な防汚塗膜を形成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚塗料組成物、
防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造
物、船舶外板または水中構造物の塗装方法に関し、さら
に詳しくは、長期防汚性に優れた防汚塗膜を形成でき、
特に低温乾燥した場合における塗膜の締まりと耐盤木加
圧性に優れ、塗膜消耗度がある程度高く低稼働船に好適
な防汚塗膜を形成できるような防汚塗料組成物、防汚塗
膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物なら
びに船舶外板または水中構造物の防汚方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】船舶用防汚塗料には、従来、防汚
剤として有機スズ等の有機化合物が従来用いられていた
が、近年では生体系への安全性の観点から、このような
防汚剤の使用が再検討されている。これに代わる防汚剤
として、最近では亜酸化銅、チオシアン化銅を主成分と
し、これに有機錫不含の各種防汚剤すなわち非有機錫系
防汚剤を配合することにより、亜酸化銅等を主成分とす
る防汚剤の防汚性能の向上を図ったものが検討されてき
た。
【0003】特開平5-171066号公報には、(a)
二重結合を2〜3個有し、かつ金属を含有する重合性単
量体2〜30重量%、(b)水酸基および/またはアミノ
基を含有するビニル単量体2〜30重量%および(c)共
重合可能な他の単量体40〜96重量%からなる加水分
解性の共重合体をビヒクル成分とする防汚性塗料組成物
が開示され、これに防汚剤として亜酸化銅、亜鉛華、ビ
ス(ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛を配合したもの
があげられ、長期間防汚性が持続される旨記載されてい
る。
【0004】特開平8-209005号公報には、R
p−COO−M−OH(式中、Rpは基体樹脂を示し、
Mは2価の金属原子を示す。)で表される分子内に金属
カルボキシレートを有する樹脂を有効成分とする防汚性
樹脂組成物が開示され、Mとしては、2価の金属原子の
銅、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、鉄があげられて
いる。この樹脂は、優れた防汚作用を有し、防汚塗料に
使用できる旨記載されている。
【0005】特開平9-286933号公報には、R
p−COOM−OH(式中、Rpは基体樹脂を示し、M
は2価の金属原子を示す。)で表される分子内に金属カ
ルボキシレートを有する樹脂(A)及び亜酸化銅等の防汚
剤(B)を有効成分とする防汚塗料組成物が開示され、M
としては、同上の2価の金属原子があげられ、また上記
樹脂(A)と併用可能な樹脂成分として、ロジン(c)があげ
られている。該公報には、この組成物は優れた防汚効果
を発揮できる旨記載されている。
【0006】しかしながら、上記〜の各公報に記載
の防汚塗料組成物からなる防汚塗料および塗膜では、含
まれる樹脂(共重合体)が、例えば、銅(メタ)アクリ
レート系共重合体などであり、含まれる防汚剤が亜酸化
銅であるような場合には、研磨性(消耗度)の継続性
(持続性)の点で問題があり、また貯蔵安定性の点で
は、併用する防汚剤によっては防汚剤が分解したり、ま
た塗料の保管または保存時に粘度が増加し、ゲル化が生
ずるという問題点がある。また、塗膜の研磨性を上げる
ために、共重合体中に、共重合可能な親水性モノマーな
どから誘導される成分単位を導入しなければならないと
いう問題点もある。このため例えば従来のような亜酸化
銅等を配合した防汚塗料組成物からなるこれらの塗膜で
は、初期防汚性を有していても、経時的に消耗度が低下
し、長期の防汚性が充分でないとの問題点がある。
【0007】このため、船舶・水中構造物の進水または
浸漬初期(これらをまとめて、単に初期とも言う。)か
ら安定した適度な塗膜消耗速度を有し、船底等への付着
生物に対して優れた防汚性能を長期継続的に発揮し得る
ような塗膜を形成できる非錫系防汚塗料組成物の出現が
求められていた。そこで、本発明者らは、鋭意研究を重
ねた結果、防汚塗料組成物中の樹脂分が、不飽和カルボ
ン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物成分単位含
有共重合体であり、かつ、含まれる金属が二価金属特に
銅、亜鉛などであると、得られる防汚塗料組成物を塗付
した場合に、特に低温乾燥した場合における塗膜の締ま
りが良く、耐盤木加圧性に優れ、しかも塗膜消耗性が比
較的高く低稼働船用の防汚塗料組成物として好適である
こと等を見出して本発明を完成するに至った。
【0008】なお、特開平11−302572号公報
には、トリフェニルボランと炭素数が6以上のアミンと
からなる錯体、及び、加水分解性樹脂組成物を含有する
防汚塗料が開示され、加水分解性樹脂用モノマーとして
は、炭素数10以上の脂肪酸金属(メタ)アクリレート
が挙げられ、脂肪酸としては、何れも炭素数10以上の
オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸が挙げられている。
【0009】しかしながら、該公報に記載の防汚塗料
では、得られる塗膜の長期防汚性及び塗膜乾燥性の点で
改良の余地があった。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、長期防汚性に
優れた防汚塗膜を形成でき、特に低温での塗膜の締まり
と耐盤木加圧性に優れ、塗膜消耗速度がある程度高く低
稼働船に好適な塗膜を形成することができる非錫系の防
汚塗料組成物を提供することを目的としている。
【0011】本発明は、この防汚塗料組成物から形成さ
れており環境汚染のおそれが少なく、特に低温での塗膜
の締まりと耐盤木加圧性に優れ、また適度な塗膜消耗速
度を有し、長期防汚性に優れた防汚塗膜および該防汚塗
膜で被覆された船舶または水中構造物ならびに該防汚塗
料組成物を用いた船舶外板または水中構造物表面の防汚
方法を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】本発明の防汚塗料組成物は、(a)不飽
和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物成
分単位含有共重合体と、(b)トリフェニルボロン・ア
ミン錯体とを含有することを特徴としている。
【0013】本発明においては、該共重合体(a)が、
一般式[II]: R1−COO−M−Ln ・・・・・ [II] [式[II]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=C
H−、HOOC−CH=CH−、HOOC−CH=C
(CH3)−のうちのいずれかの式で示される、不飽和
結合を含有する有機基を示し、これら式中の−COOH
は金属塩またはエステルを形成していてもよい。
【0014】Mは金属原子を示し、Lは、有機酸残基:
−OCOR2(R2は、直鎖状アルキル基、直鎖状アルケ
ニル基を示す。)を示し、nは金属Mの原子価数−1の
数を示す。]で表される不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪
族カルボキシレート化合物から誘導される成分単位を含
有する共重合体であることが望ましい。
【0015】本発明においては、上記金属Mが二価金属
であることが好ましく、さらには、亜鉛または銅である
ことが望ましい。本発明においては、上記不飽和カルボ
ン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物成分単位含
有共重合体(a)が、(メタ)アクリル酸金属直鎖脂肪
族カルボキシレート化合物単量体(イ)から誘導される成
分単位と、該単量体(イ)と共重合可能な他の単量体
(ロ)から誘導される成分単位とからなり、上記単量体
(イ)から誘導される成分単位を2〜65重量%、他の
単量体(ロ)から誘導される成分単位を35〜98重量
%(成分単位(イ)+(ロ)=100重量%)で含まれ
ていることが好ましい。
【0016】本発明においては、上記トリフェニルボロ
ン・アミン錯体(b)が、トリフェニルボロン・ピリジ
ン錯体であることが望ましい。本発明においては、上記
共重合体(a)およびトリフェニルボロン・アミン錯体
(b)の合計100重量部に対して、この(a)成分を
20〜98重量部、(b)成分を2〜80重量部の量で
含有することが望ましい。
【0017】本発明においては、上記(a)成分および
(b)成分に加えて、さらに他の有機防汚剤(c)を含
有することが望ましい。本発明においては、上記その他
の防汚剤(c)が、テトラフェニルボロンアンモニウム
塩、金属ピリチオン類、 N,N−ジメチルジクロロフ
エニル尿素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミ
ド、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シ
クロプロピルアミノ−s−トリアジン、4,5−ジクロ
ロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
および2,4,5,6−テトラクロロイソフタロラトリ
ルからなる群から選ばれた少なくとも1種の有機防汚剤
であることが望ましい。
【0018】本発明の船舶または水中構造物は、海水と
接触する船舶外板または水中構造物の表面が、上記の何
れかに記載の防汚塗料組成物を塗布硬化してなる防汚塗
膜にて被覆されていることを特徴としている。本発明の
船舶外板または水中構造物の防汚方法は、海水と接触す
る船舶外板または水中構造物の表面に、上記のいずれか
に記載の防汚塗料組成物を塗布し、防汚塗膜を形成する
ことを特徴としている。
【0019】本発明によれば、長期間の貯蔵安定性に優
れ、これを基材表面に塗布硬化させれば、得られる塗膜
は、適度な塗膜消耗速度を有し、加水分解性が長期間持
続し、船舶または水中構造物付着生物に対して優れた防
汚性能を長期継続的に発揮でき、特に低温での塗膜の締
まりと耐盤木加圧性に優れ、特に低稼働船(長期間一カ
所に係留されることが多く、稼働率の低い船)に好適に
使用されるような非錫系の防汚塗料組成物が提供され
る。
【0020】本発明の防汚塗膜およびその塗膜で被覆さ
れた船舶は、環境汚染の恐れが少なく、長期防汚性に優
れている。本発明の船舶外板の防汚方法では、環境汚染
のおそれが少ない。
【0021】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る防汚塗料組成
物について具体的に説明する。 [防汚塗料組成物]本発明に係る防汚塗料組成物(単
に、塗料組成物、防汚塗料ともいう)は、上記のように
不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合
物から誘導される成分単位を含有する共重合体である不
飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物
成分単位含有共重合体(a)(以下、単に「共重合体
(a)」とも言う。)と、トリフェニルボロン・アミン
錯体(b)とを含有している。なお、本明細書において
は、化合物(X)から誘導される成分単位を含有する共重
合体を、「化合物(X)含有共重合体」、「共重合体(X)」
等と言うことがある。
【0022】以下、この防汚塗料組成物中に含まれる各
成分について、順次説明する。<不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート 化合物成分単位含有共重合体(a)> 本発明の防汚塗料に使用される不飽和カルボン酸金属直
鎖脂肪族カルボキシレート化合物成分単位含有共重合体
(a)では、該共重合体(a)を構成する金属原子
(M)として、周期律表のIb、IIa、IIb、II
Ia、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、VI
b、VIIb、VIII族の金属原子があげられ、具体
的にはCu、Zn、Ni、Co、Pb、Al、Mg、S
n、Si、Ge等の2価以上の金属原子があげられ、中
でもCu、Zn、Mgなどの二価金属が好ましく、C
u、Znがとくに好ましい。
【0023】上記共重合体(a)を構成する金属原子が
Cu、Zn、Ni、Co、Pb、Al、Mgであるとき
には、下記不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシ
レート化合物成分単位はカルボン酸の金属塩成分単位を
形成していることが多い。なお、本発明の不飽和カルボ
ン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物成分単位含
有共重合体(a)を構成する不飽和カルボン酸成分とし
て、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸などを例示することができ
るが、アクリル酸、メタクリル酸であることがとくに好
ましく、これらアクリル酸とメタクリル酸とをまとめて
(メタ)アクリル酸とも言う。
【0024】本発明において好ましく用いられる、上記
不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合
物成分単位含有共重合体(a)は、ビヒクル成分として
長期微水溶性を有し塗膜に長期防汚性を付与する働きを
有し、この共重合体(a)は、該共重合体(a)を構成
する不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート
化合物成分単位(イ)として、一般式[II]: R1−COO−M−Ln ・・・・・[II] [式[II]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=C
H−、HOOC−CH=CH−、HOOC−CH=C
(CH3)−等の式で示される、炭素−炭素不飽和結合
を含有する有機基を示し、これら式中のカルボキシル
基:−COOHは、同上の金属またはアルコール等と反
応して、金属塩またはエステルを形成していてもよい。
【0025】Mは金属原子を示し、通常2価以上の金属
原子、好ましくは2価の金属原子を示し、Lは有機カル
ボン酸残基:−OCOR2(R2は、直鎖状アルキル基
や、直鎖状不飽和炭化水素基含有基好ましくは直鎖状ア
ルケニル基などを示し、R2の炭素数は通常特に限定さ
れないが、好ましくは1〜25の範囲にある。)を示
し、nは金属Mの原子価数−1の数を示す。]で表され
る不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化
合物から誘導される成分単位を含有する共重合体であ
る。
【0026】本発明では、共重合体として、このように
2が直鎖状のものを成分(b)とともに用いているの
で、得られる防汚塗料組成物は、塗膜乾燥性特に低温時
の塗膜の締まり、耐盤木加圧性などに優れ、塗膜消耗性
が適度の高さを有しており、塗膜表面が適度の速度で更
新されるため、特に海中生物の汚損被害を受けやすい低
稼働船用の防汚塗料として好適である。
【0027】上記金属Mとしては、前記と同様のものが
挙げられ、前記と同様にCu、Zn等の二価金属が好ま
しく用いられる。上記Lがカルボン酸残基(−OCOR
2)である場合、このような基を誘導し得るカルボン酸
(HOCOR2)としては、直鎖状であれば、R2がアル
キル基(飽和炭化水素基)でも、炭素−炭素二重結合が
1個または2個以上のアルケニル基(不飽和炭化水素基
含有基)でもよく、主鎖炭素−炭素原子間には、他の原
子が介在して、エーテル結合(例:C−O−C、C−S
−C)、エステル結合(−COO−)等が存在していて
もよく、またそのカルボキシル基の数は1個(1価)で
も複数(多価)でもよい。
【0028】上記カルボン酸残基を誘導しうるカルボン
酸としては、例えば、1価の飽和直鎖状カルボン酸であ
る酢酸、プロピオン酸(C25COOH)、ブタン酸
(CH 3(CH22COOH)、吉草酸(CH3(C
23COOH)、ラウリン酸(CH3(CH210CO
OH)、パルミチン酸(CH3(CH214COOH)、
ステアリン酸(C1735COOH)など;1価の不飽和
直鎖状カルボン酸であるアクリル酸、2−ブテン酸(C
3CH=CHCOOH)、オレイン酸[CH3(CH2
7CH=CH(CH27COOH]、リノール酸[CH3
(CH24CH=CHCH2CH=CH(CH27CO
OH]、リノレン酸[CH3CH2(CH=CHCH23
(CH26COOH]などが挙げられる。
【0029】また、2価以上の多価カルボン酸として
は、フマル酸(HOOCCH=CHCOOH)、アゼラ
イン酸(HOOC(CH27COOH)等が挙げられ
る。本発明では、これら直鎖状カルボン酸のうちでは、
その炭素数が通常1〜25、好ましくは1〜18の1価
のカルボン酸が望ましい。これらカルボン酸は、1種ま
たは2種以上組み合わせて用いることができ、2種以上
のカルボン酸を組み合わせて用いる場合には、上記R2
の炭素数は、平均値で示す。
【0030】本発明において、不飽和カルボン酸金属直
鎖脂肪族カルボキシレート化合物成分単位含有共重合体
(a)、たとえば(メタ)アクリル酸金属直鎖脂肪族カ
ルボキシレート化合物成分単位含有共重合体(i)は、ビ
ヒクル成分として長期微水溶性を有し塗膜に長期防汚性
を付与する働きを有し、この(メタ)アクリル酸金属直
鎖脂肪族カルボキシレート化合物成分単位含有共重合体
(i)としては、重合性不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族
カルボキシレート化合物単量体 (イ)および該単量体(イ)
と共重合可能な「他の単量体」(ロ)を共重合してなるも
のであり、該単量体(イ)由来の成分単位が通常2〜65
重量%、単量体(イ)と共重合可能な他の単量体(ロ)由来の
成分単位が残部量すなわち35〜98重量%(成分単位
(イ)+(ロ)の合計を100重量%)で含まれている。
【0031】なお、上記共重合体(a)中あるいは、該共
重合体(a)を含有する本発明の防汚塗料組成物を塗付硬
化してなる防汚塗膜中においては、不飽和カルボン酸金
属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物など、後述する各
共重合性モノマー(単量体)は、その共重合性二重結合
部位で開裂して、生じた成分単位(モノマーユニット)
がランダムにあるいはブロックに配列した状態で結合し
ているものと考えられ、このような共重合性二重結合部
位が2カ所以上存在するモノマーを含むものを共重合さ
せている場合などには、架橋構造を形成していてもよ
い。
【0032】不飽和単量体(イ)および(ロ)が共重合されて
なる不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート
化合物成分単位含有共重合体(a)の数平均分子量は、
通常、5,000〜100,000であり、ガラス転移
温度Tgは、通常−20℃〜+50℃である。本発明に
おいて、不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレ
ート化合物成分単位含有共重合体(a)を製造する方法
としては、次の(1)〜(3)のいずれかの方法を採用
することが可能である。これらの共重合体は、特公平7
−64985号公報、特開平4−80205号公報、特
開平4−80269号公報、特開平4−80270号公
報、特開昭63−128008号公報、特開昭63−1
28084号公報、特開平1−16809号公報、特開
平5−171066号公報等および特開平10−158
547号公報に開示された方法に準じるかまたは参照す
ることにより、容易に製造することができる。たとえ
ば、次の方法を例示することができる。
【0033】(1)その第一の方法として、重合性不飽
和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物単
量体[具体的には(メタ)アクリル酸金属直鎖脂肪族カ
ルボキシレート単量体等](イ)およびこの単量体(イ)と共
重合可能な他の単量体(ロ)を有機溶剤と混合し、ターシ
ャリ−ブチルパーオキシオクトエート(t−BPO)等
のラジカル重合開始剤の存在下に、60〜180℃の温
度で5〜14時間溶液重合させることにより、形成させ
ることができる。
【0034】(2)その第二の方法として、重合性不飽
和カルボン酸単量体[具体的には(メタ)アクリル酸
等](イ)、この単量体(イ)と共重合可能な他の単量体
(ロ)、および「飽和直鎖脂肪族カルボン酸金属塩」(ハ)を
有機溶剤と混合し、ターシャリ−ブチルパーオキシオク
トエート(t−BPO)等のラジカル重合開始剤の存在
下に、60〜180℃の温度で5〜14時間溶液重合さ
せることにより、形成させることができる。
【0035】(3)その第三の方法として、重合性不飽
和カルボン酸単量体[具体的には(メタ)アクリル酸
等](イ)およびこの単量体(イ)と共重合可能な他の単量体
(ロ)を有機溶剤と混合し、ターシャリ−ブチルパーオキ
シオクトエート(t−BPO)等のラジカル重合開始剤
の存在下に、60〜180℃の温度で5〜14時間溶液
重合させることにより、重合性不飽和カルボン酸単量体
成分単位[具体的には(メタ)アクリル酸(イ)から誘導
される成分単位](イ)およびこの単量体(イ)と共重合可能
な他の単量体(ロ)から誘導される成分単位からなる共重
合体を形成させ、さらに引き続いて、この共重合体に、
「飽和直鎖脂肪族カルボン酸金属塩」 (ハ)を反応させる
か、またはこの共重合体に「飽和直鎖脂肪族カルボン
酸」(ハ-1)と「上記と同種の金属を含有する金属塩化合
物、上記と同種の金属を含有するその他の化合物」(ニ)
を反応させることにより、形成させることができる。
【0036】上記反応の際に用いられる、上記一般式[I
I]で表される不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキ
シレート化合物単量体(単量体[II])として、たとえ
ば、(メタ)アクリル酸金属塩単量体類に属するものと
して具体的には、例えば、メタクリル酸亜鉛アクリレー
ト:[(CH2=C(CH3)−COO−)(CH2=C
H−COO−)Zn]、アクリル酸亜鉛:[(CH2
CH−COO−)2Zn]、2−ブテン酸亜鉛アクリレ
ート:[(CH3CH=CHCOO−)(CH2=CH−
COO−)Zn]、酢酸亜鉛アクリレート、酢酸亜鉛メ
タクリレート、プロピオン酸亜鉛アクリレート、プロピ
オン酸亜鉛メタクリレート、吉草酸亜鉛アクリレート
[(CH3(CH23COO−)(CH2=CH−COO
−)Zn]、吉草酸亜鉛メタクリレート、ラウリン酸亜
鉛アクリレート、ラウリン酸亜鉛メタクリレート、ミリ
スチン酸亜鉛アクリレート、ミリスチン酸亜鉛メタクリ
レート、パルミチン酸亜鉛アクリレート、パルミチン酸
亜鉛メタクリレート、オレイン酸亜鉛メタクリレート、
オレイン酸亜鉛アクリレート、ステアリン酸亜鉛メタク
リレート、ステアリン酸亜鉛アクリレート、リノール酸
亜鉛アクリレート、リノール酸亜鉛メタクリレート、リ
ノレン酸亜鉛メタクリレート、リノレン酸亜鉛アクリレ
ート、フマル酸亜鉛アクリレート又はマレイン酸亜鉛ア
クリレート[(HOOCCH=CHCOO−)(CH2
=CH−COO−)Zn]、1−メチルフマル酸亜鉛ア
クリレート又は1−メチルマレイン酸亜鉛アクリレート
[(HOOCCH=C(CH3)COO−)(CH2=C
H−COO−)Zn]、エチル−ステアリン酸亜鉛マレ
エート[(C1735COO−)(C25−OCOCH=
CHCOO−)Zn]、n−プロピル−オレイン酸亜鉛
マレエート[(CH3(CH27CH=CH(CH27
COO−)(n−C37−OCOCH=CHCOO−)
Zn]、n−プロピル−ラウリン酸亜鉛フマレート
[(CH3(CH210COO−)(n−C37−OCO
CH=CHCOO−)Zn]等の亜鉛系のもの;メタク
リル酸銅アクリレート:[(CH2=C(CH3)−CO
O−)(CH2=CH−COO−)Zn]、アクリル酸
銅:[(CH2=CH−COO−)2Zn]、2−ブテン
酸銅アクリレート:[(CH3CH=CHCOO−)
(CH2=CH−COO−)Cu]、酢酸銅アクリレー
ト、酢酸銅メタクリレート、プロピオン酸銅アクリレー
ト、プロピオン酸銅メタクリレート、吉草酸銅アクリレ
ート、吉草酸銅メタクリレート、ラウリン酸銅アクリレ
ート、ラウリン酸銅メタクリレート、ミリスチン酸銅ア
クリレート、ミリスチン酸銅メタクリレート、パルミチ
ン酸銅アクリレート、パルミチン酸銅メタクリレート、
オレイン酸銅メタクリレート、オレイン酸銅アクリレー
ト、ステアリン酸銅メタクリレート、ステアリン酸銅ア
クリレート、リノール酸銅アクリレート、リノール酸銅
メタクリレート、リノレン酸銅メタクリレート、リノレ
ン酸銅アクリレート、フマル酸銅アクリレート又はマレ
イン酸銅アクリレート[(HOOCCH=CHCOO
−)(CH2=CH−COO−)Cu]、1−メチルフ
マル酸銅アクリレート又は1−メチルマレイン酸銅アク
リレート[(HOOCCH=C(CH3)COO−)
(CH2=CH−COO−)Cu]、エチル−ステアリ
ン酸銅マレエート[(C1735COO−)(C25−O
COCH=CHCOO−)Cu]、n−プロピル−オレ
イン酸銅マレエート[(CH3(CH27CH=CH
(CH27COO−)(n−C37−OCOCH=CH
COO−)Cu]、n−プロピル−ラウリン酸銅フマレ
ート[(CH3(CH210COO−)(n−C37−O
COCH=CHCOO−)Cu]等の銅系のもの;メタ
クリル酸マグネシウムアクリレート:[(CH2=C
(CH3)−COO−)(CH2=CH−COO−)Z
n]、アクリル酸マグネシウム:[(CH2=CH−C
OO−)2Zn]、2−ブテン酸マグネシウムアクリレ
ート:[(CH3CH=CHCOO−)(CH2=CH−
COO−)Mg]、酢酸マグネシウムアクリレート、酢
酸マグネシウムメタクリレート、プロピオン酸マグネシ
ウムアクリレート、プロピオン酸マグネシウムメタクリ
レート、吉草酸アクリレート、吉草酸メタクリレート、
ラウリン酸マグネシウムアクリレート、ラウリン酸マグ
ネシウムメタクリレート、ミリスチン酸マグネシウムア
クリレート、ミリスチン酸マグネシウムメタクリレー
ト、パルミチン酸マグネシウムアクリレート、パルミチ
ン酸マグネシウムメタクリレート、オレイン酸マグネシ
ウムメタクリレート、オレイン酸マグネシウムアクリレ
ート、ステアリン酸マグネシウムメタクリレート、ステ
アリン酸マグネシウムアクリレート、リノール酸マグネ
シウムアクリレート、リノール酸マグネシウムメタクリ
レート、リノレン酸マグネシウムメタクリレート、リノ
レン酸マグネシウムアクリレート、フマル酸マグネシウ
ムアクリレート又はマレイン酸マグネシウムアクリレー
ト[(HOOCCH=CHCOO−)(CH2=CH−
COO−)Mg]、1−メチルフマル酸マグネシウムア
クリレート又は1−メチルマレイン酸マグネシウムアク
リレート[(HOOCCH=C(CH3)COO−)
(CH2=CH−COO−)Mg]、エチル−ステアリ
ン酸マグネシウムマレエート[(C1735COO−)
(C25−OCOCH=CHCOO−)Mg]、n−プ
ロピル−オレイン酸マグネシウムマレエート[(CH3
(CH27CH=CH(CH27COO−)(n−C3
7−OCOCH=CHCOO−)Mg]、n−プロピ
ル−ラウリン酸マグネシウムフマレート[(CH3(C
210COO−)(n−C37−OCOCH=CHC
OO−)Mg]等のマグネシウム系のもの;その他、上
記2価金属を他の二価金属例えばCaに置き換えたもの
(例:オレイン酸カルシウムアクリレート)等を例示す
ることができる。
【0037】上記不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カル
ボキシレート化合物単量体(イ)と共重合しうる他の単量
体(ロ)としては、たとえば、(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体類としては、具体的には、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピ
ル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリ
レート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレー
ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−プロポキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート
等の脂肪族系の単量体;シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環族
系の単量体;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート等の芳香族系単量体、ジエチルマ
レエート、ジイソプロピルマレエート、ジイソプロピル
フマレート、ジブチルイタコネート、エチル−ステアリ
ン酸亜鉛マレエート、イソプロピル−オレイン酸銅マレ
エート、ヘキシル−バーサチック酸銅マレエート、イソ
プロピル−ラウリル酸亜鉛フマレート、ブチルアビエチ
ン酸銅フマレート等があげられる。
【0038】上記不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カル
ボキシレート化合物単量体(イ)と共重合しうる他の単量
体(ロ)としては、具体的には、2-ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト等水酸基を1個有する不飽和単量体;2-ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等の2〜3量体;グリセロール
(メタ)アクリレート等の水酸基を複数個有する単量体
等の水酸基含有不飽和系単量体があげられる。
【0039】また、上記不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪
族カルボキシレート化合物単量体(イ)と共重合しうる他
の単量体(ロ)として、具体的には、(メタ)アクリルア
ミド、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のア
ミノ基またはアミド基含有単量体;ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレー
ト、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の、第一〜第三
のアミノ基またはアミド基を有する単量体があげられ
る。
【0040】また、上記不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪
族カルボキシレート化合物単量体(イ)と共重合しうる他
の単量体(ロ)として、具体的には、スチレン、ビニルト
ルエン、α-メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等があげられる。
不飽和単量体 (ロ)は、それぞれ1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。
【0041】なお、上記第二あるいは第三の方法で用い
られる重合性不飽和カルボン酸単量体としては、例え
ば、上記例示の各種不飽和単量体中のカルボキシル基を
有するもの以外に、(メタ)アクリル酸、2−ブテン
酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。また、上記
飽和直鎖脂肪族カルボン酸あるいはその金属塩として
は、従来より公知のものを広く用いることができ、例え
ば、プロピオン酸、吉草酸、ブタン酸、パルミチン酸、
ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸など、および
その金属塩が挙げられる。
【0042】上記反応の際に用いられるラジカル重合開
始剤(触媒)としては、従来より公知のものを広く用い
ることができ、例えば、ターシャリ−ブチルパーオキシ
オクトエート(t−BPO)、(過酸化ベンゾイル、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、アゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN))等の過酸化物等が挙げられる。
【0043】また上記反応の際に用いられる有機溶剤と
しては、特に限定されず、例えば、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、シクロペンタン、オクタン、へプ
タン、シクロヘキサン、ホワイトスピリッツ等の炭化水
素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート等のエステル類;メチルイソブチルケト
ン、エチルイソブチルケトン等のケトン類;n−ブタノ
ール、プロパノールなどのアルコール類;等が挙げられ
る。
【0044】<トリフェニルボロン・アミン錯体(b)
トリフェニルボロン・アミン錯体(b)は、トリフェリ
ルボロンとアミン類とのあいだで形成される錯体であ
る。アミン類としては、脂肪族アミン、脂環式アミン、
芳香族アミン、ヘテロ環式アミン等の第一アミン、第二
アミンまたは第三アミンのいずれでもよい。具体的に
は、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ヘキ
シルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、
n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テト
ラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−オクタ
デシルアミン、アニリン、トルイジン等の第一アミン;
ジn−ブチルアミン、ジn−ヘキシルアミン、ジn−オ
クチルアミン、ジn−デシルアミン、ジn−ドデシルア
ミン、ジn−トリデシルアミン、ジn−テトラデシルア
ミン、ジn−ヘキサデシルアミン、ジn−オクタデシル
アミン、ジフェニルアミン等の第二アミン;トリn−プ
ロピルアミン、トリn−ヘキシルアミン、トリn−オク
チルアミン、トリn−デシルアミン、トリn−ドデシル
アミン、トリn−トリデシルアミン、トリn−テトラデ
シルアミン、トリn−ヘキサデシルアミン、トリn−オ
クタデシルアミン、トリフェニルアミン等の第三アミ
ン;ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコ
リン、2−クロロピリジン、3−クロロピリジン、4−
クロロピリジンなどのピリジンまたはその核置換体等の
ピリジン類などを例示することができる。
【0045】これらのトリフェニルボロン・アミン錯体
のうちでは、トリフェニルボロンと第一アミンまたはピ
リジン類との錯体が防汚性能に優れているので好まし
く、特にトリフェニルボロンと炭素数5以下の第一アミ
ン類、ピリジン類との錯体が長期防汚性、塗膜乾燥性が
良好である点で望ましい。 <任意成分>本発明の防汚塗料組成物においては、上記
(a)成分、(b)成分に加えて、下記に示す成分、例
えば、有機防汚剤(c)などの「その他の防汚剤」、さ
らには可塑剤(d)、無機脱水剤(安定剤)、タレ止め・
沈降防止剤、着色顔料、不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪
族カルボキシレート化合物成分単位含有共重合体(a)
以外の塗膜形成成分、溶剤などの各種成分が含まれてい
てもよい。
【0046】<その他の防汚剤>本発明の防汚塗料組成
物において、防汚剤としては、上記トリフェニルボロン
・アミン錯体(b)に加えて、有機防汚剤(c)、銅お
よび/または無機銅系化合物などの「その他の防汚剤」
が含まれていてもよい。このようなその他の防汚剤は、
例えば、防汚塗料組成物中の溶剤を除く成分の合計10
0重量%中に、0.1〜30重量%程度の量で含まれて
いてもよい。
【0047】有機防汚剤(c) 本発明の防汚塗料組成物において、有機防汚剤(c)と
しては、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリ
ウム、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、鉛等の金属ピリチ
オン類を例示することができる。上記金属ピリチオン類
のうちでは、銅ピリチオン、ジンクピリチオンが好まし
い。
【0048】また、その他の有機防汚剤(c)として
は、テトラメチルチウラムジサルファイド等のチウラム
サルファイド類;ジンクジメチルジチオカーバメート、
マンガン-2-エチレンビスジチオカーバメート等のカー
バメート系の化合物類;2,4,6−トリクロロフェニ
ルマレイミド、ニカルバジン、3,4,5−トリブロモ
サリチルアニリド、N−トリクロロメチルメルカプトフ
タルイミド、3,5−ジニトロベンザミド、N−フルオ
ロジクロロメチルチオフタルイミド等のイミド類及びア
ミド類;フタリルサルファチアゾール、サルファニリド
ピリジン、サルフォメトキシン、N,N’−ジメチル−
N’−フェニル−N−フルオロジクロロメチルチオスル
ファミド等のスルファミド類;グリオジン、フェンチゾ
ール、ポリサイド等のピロール類及びイミダゾール類;
テラゾール、アステロール、マイロン等のチオキサン類
及びチオザンソン類;2,4,5,6−テトラクロロイ
ソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロフェニル
尿素、4,5−ジクロロ-2-n-オクチル-4−イソチア
ゾリン−3−オン、2−メチルチオ−4−t−ブチルア
ミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2
−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩、2,3,
5,6−テトラクロロ−4−メチルスルホニルピリジ
ン、3−ヨード−2−プロピルブチルカーバメート、ジ
ヨードメチルパラトリルスルホン等の含硫黄有機化合物
及び含ハロゲン有機化合物;などの他、後述するテトラ
フェニルボロン・アンモニウム塩等をあげることができ
る。
【0049】本発明においては、これら防汚剤を1種ま
たは2種以上組み合わせて用いることができる。上記有
機防汚剤(c)のうちでは、テトラフェニルボロン・ア
ンモニウム塩、銅ピリチオン、ジンクピリチオン等の金
属ピリチオン類、N,N−ジメチルジクロロフェニル尿
素、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド、2−
メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピ
ルアミノ−s−トリアジン、4,5−ジクロロ-2-n-
オクチル-4−イソチアゾリン−3−オン、2,4,
5,6−テトラクロロイソフタロニトリルが好ましい。
【0050】さらには、これらの有機防汚剤(c)の内
では、以下に詳説するテトラフェニルボロン・アンモニ
ウム塩あるいは、金属ピリチオン類、4,5−ジクロロ
−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンが
好ましく、とくに、テトラフェニルボロン・アンモニウ
ム塩、銅ピリチオン、亜鉛ピリチオン、4,5−ジクロ
ロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン
を用いることが好ましい。
【0051】テトラフェニルボロン・アンモニウム塩 本発明においては、テトラフェニルボロン・アンモニウ
ム塩は第1〜第4級アンモニウム塩であり、前記トリフ
ェニルボロン・アミン錯体で例示した第一アミン、第二
アミン、第三アミン、ヘテロ環アミン等に該当するテト
ラフェニルボロン・アンモニウム塩が例示できる。
【0052】このようなテトラフェニルボロン・アンモ
ニウム塩は、例えば、特公昭54−1571号公報に記
載され、好ましくは、下記式(i)〜(vi)で示される。 (i):(Ph)4B・NH4(Ph:フェニル基)、 (ii):(Ph)4B・NRH3 (Ph:フェニル基、R:脂肪族炭化水素基、脂環式炭
化水素基またはアリ ール基を示し、それぞれ置換基を
有していてもよい。また該脂肪族または脂環式炭化水素
基は、その炭素数が3〜25、好ましくは4〜10であ
り、また該アリール基は、その炭素数が6〜15、好ま
しくは6〜10である。)、 (iii):(Ph)4B・NR22 (Ph:フェニル基、R:同上の脂肪族炭化水素基また
はアリール基を示し、複 数個のRは互いに同一でも異
なっていてもよい。)、 (iv):(Ph)4B・NR3H(Ph、R:同上)、 (v): (Ph)4B・NR4(Ph、R:同上)、 (vi):(Ph)4B・(NC54)H(Ph:フェニル
基、NC54H:ピリジニウム)。
【0053】上記テトラフェニルボロン・アンモニウム
塩(i)〜(vi)として、より具体的には、テトラフェニル
ボロン・アンモニウム、上記式(ii)で示されるテトラフ
ェニルボロン・第一アンモニウム塩であるテトラフェニ
ルボロン・ブチルアンモニウム[式(ii)中、R=C
49]、テトラフェニルボロン・オクチルアンモニウム
[式(ii)中、R=C817]、テトラフェニルボロン・デ
シルアンモニウム[式(ii)中、R=C1021]、テトラフ
ェニルボロン・ドデシルアンモニウム[式(ii)中、R=
1225]、等が挙げられる。
【0054】上記式(iii)で示されるテトラフェニルボ
ロン・第二アンモニウム塩としては、例えばテトラフェ
ニルボロン・ジフェニルアンモニウム[式(iii)中、2個
のRがフェニル基]、テトラフェニルボロン・ジオクチ
ルアンモニウム[式(iii)中、R=C817]、テトラフェ
ニルボロン・ジデシルアンモニウム[式(iii)中、R=C
1021]、テトラフェニルボロン・ジ−ドデシルアンモ
ニウム[式(iii)中、R=C1225]、等が挙げられる。
【0055】上記式(iv)で示されるテトラフェニルボロ
ン・第三アンモニウム塩としては、例えばテトラフェニ
ルボロン・トリエチルアンモニウム[式(iv)中、3個の
Rがエチル基]、テトラフェニルボロン・トリヘキシル
アンモニウム[式(iv)中、R=C613]、テトラフェニ
ルボロン・トリオクチルアンモニウム[式(iv)中、R=
817]、テトラフェニルボロン・トリ−テトラデシル
アンモニウム[式(iv)中、R=C1429]が挙げられる。
【0056】上記式(v)で示されるテトラフェニルボロ
ン・第三アンモニウム塩としては、例えばテトラフェニ
ルボロン・テトラエチルアンモニウム[式(v)中、4個
のRがエチル基]、テトラフェニルボロン・テトラヘキ
シルアンモニウム[式(v)中、4個のRがR=C
613]、テトラフェニルボロンテトラオクチルアンモニ
ウム[式(v)中、4個のRがR=C817]、テトラフェ
ニルボロン・テトラ−テトラデシルアンモニウム[式
(v)中、4個のRがR=C1429]が挙げられる。
【0057】上記式(vi)で示されるテトラフェニルボロ
ン・ヘテロ環アンモニウム塩としては、例えばテトラフ
ェニルボロン・ピリジニウムニウム、テトラフェニルボ
ロン・ピリコリニウムなどが挙げられる。テトラフェニ
ルボロン・ピリジニウム核置換体塩としては、そのピリ
ジン核に、炭素数1〜5のアルキルが1〜4個程度置換
したもの、ハロゲン原子(F、Cl、Brなど)が1〜
4個程度置換したもの等が挙げられる。
【0058】これらテトラフェニルボロン・アンモニウ
ム塩のうちでは、テトラフェニルボロン・ピリジニウム
ニウムまたはテトラフェニルボロン・脂肪族第一アンモ
ニウム塩が好ましい。テトラフェニルボロン・アンモニ
ウム塩は、1種または2種以上組み合わせて用いられ
る。上記テトラフェニルボロン・アンモニウム塩のうち
でテトラフェニルボロン・脂肪族アンモニウム塩は液体
であるので、得られる防汚塗料組成物は被塗物基材への
含浸性に優れ、漁具・漁網用として好適である。
【0059】また、上記テトラフェニルボロン・アンモ
ニウム塩のうちでテトラフェニルボロン・ピリジニウム
塩は固体であるので、これを含有する防汚塗料組成物
は、テトラフェニルボロン・脂肪族アンモニウム塩を含
有する防汚塗料組成物にくらべて、防汚性ならびに長期
防汚性維持性能にすぐれかつ塗膜強度に優れるので、と
くに船舶用防汚塗料組成物に優れている。
【0060】銅および/または無機銅系化合物 銅および/または無機銅化合物のうちで無機銅化合物と
しては、無機系の銅化合物の何れであってもよく、無機
系銅化合物の複合体粉末(銅系複合体粉末)となってい
てもよい。無機系銅化合物 これらのうちで、無機系銅化合物(上記銅系複合体粉末
を除く。)としては、例えば、亜酸化銅、チオシアン化
銅(チオシアン酸第一銅、ロダン銅)、塩基性硫酸銅、
塩基性酢酸銅、塩基性炭酸銅、水酸化第二銅、などが挙
げられ、好ましくは亜酸化銅が用いられる。
【0061】このような無機系銅化合物は、銅に代え
て、あるいは銅と共に1種または2種以上組合わせて用
いることができる。銅系複合体粉末 本発明の防汚塗料組成物において、銅系複合体粉末は、
銅および/または無機銅化合物の表面の一部または全部
が、粒子状および/または膜状(層状)の酸化銅(ただ
し、芯材となる上記無機銅化合物とは別異のもの)にて
被覆された構造を有している。
【0062】無機銅化合物としては、無機系の銅化合物
のいずれであってもよく、例えば、銅粉または亜酸化銅
などがあげられ、好ましくは亜酸化銅が用いられる。上
記銅系複合体粉末としては、芯材となる無機銅化合物が
亜酸化銅(酸化第一銅)であり、その芯材の表面が酸化
第二銅にて被覆されたものが好ましい。銅系複合体粉末
は、例えば、亜酸化銅の表面(表面層)を酸化処理し、
酸化第二銅に変化させることにより形成される。
【0063】より具体的には、このような銅系複合体粉
末は、米国特許第5707438号明細書に記載されて
いるように、例えば、平均粒子径が325メッシュ以下
の亜酸化銅(Cu2O)の微粒子を、空気中で、約20
0〜490℃、好ましくは260〜430℃の温度で適
当な時間、好ましくは40〜120分、さらに好ましく
は60〜120分程度加熱することにより、この微粒子
の表面を部分的に酸化させて、亜酸化銅微粒子の表面を
黒色の酸化第二銅(CuO)に変化させることにより得
られる。
【0064】このような銅系複合体粉末は、亜酸化銅と
酸化第二銅との合計を100重量%とするとき、亜酸化
銅は80〜99重量%、好ましくは90〜97重量%の
量で、酸化第二銅は残部量、すなわち20〜1重量%、
好ましくは10〜3重量%の量で含有されている。[各主要成分の配合組成] 本発明の防汚塗料組成物に配合される主成分の配合組成
は下記のとおりである。
【0065】本発明の防汚塗料組成物において、不飽和
カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物成分
単位含有共重合体(a)は、該共重合体(a)(固形
分)(a)と、トリフェニルボロン・アミン錯体(b)
との合計((a)+(b))100重量部に対して、通
常20〜98量部、好ましくは25〜95重量部、さら
に好ましくは50〜80重量部の量で含まれ、前記トリ
フェニルボロン・アミン錯体(b)は残部量、すなわ
ち、通常2〜80重量部、好ましくは5〜75重量部、
特に好ましくは20〜50重量部の量で含まれている。
【0066】また、本発明の防汚塗料組成物において、
前記不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート
化合物成分単位含有共重合体(a)は、該組成物中の固
形分合計100重量部中に、通常5〜90重量部、好ま
しくは10〜50重量部、さらに好ましくは15〜30
重量部の量で含有されており、前記トリフェニルボロン
・アミン錯体(b)は通常0.5〜25重量部、好まし
くは3〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部
の量で含有されている。
【0067】上記共重合体(a)およびトリフェニルボ
ロン・アミン錯体(b)が、防汚塗料組成物中にこの範
囲で含まれていると、塗膜表面の長期消耗性、防汚性、
低温での塗膜の締まり、耐盤木加圧性などが優れるよう
になる傾向にある。また、塗料組成物中に含まれる樹脂
固形分の合計100重量部に対して、該トリフェニルボ
ロン・アミン錯体(b)は、合計で通常5〜10000
重量部、好ましくは20〜600重量部、特に好ましく
は25〜200重量部の量で含まれている。このトリフ
ェニルボロン・アミン錯体(b)が、上記のような範囲
にあると、得られる防汚塗膜は、長期間の塗膜の消耗持
続性に優れ、しかも長期防汚性にも優れる傾向がある。 <可塑剤 (d)>可塑剤としては、TCP(トリクレジル
フォスフェート)、塩素化パラフィン、ポリビニルエチ
ルエーテル等が挙げられる。これらの可塑剤は、1種ま
たは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0068】これら可塑剤のうちで、塩素化パラフィン
(塩化パラフィン)が好ましく用いられる。塩素化パラ
フィンを用いると、得られる防汚塗料組成物を用いて割
れ(クラック)、剥がれの少ない塗膜を形成できる。こ
のような塩素化パラフィンとしては、東ソー(株)製の
「トヨパラックス150」、「トヨパラックスA-70」など
が挙げられる。塩素化パラフィンは、本発明に係る防汚
塗料組成物においては、上記直鎖状不飽和カルボン酸二
価金属化合物成分単位含有共重合体(a)(固形分)1
00重量部に対して、通常特に限定されないが、例え
ば、10重量部以下の量で配合してもよい。また、防汚
塗料組成物中の固形分100重量%中に、10重量%以
下の量で含まれていてもよい。
【0069】<無機脱水剤(安定剤)>無機脱水剤(安
定剤)は、防汚塗料組成物の貯蔵安定性を一層向上させ
ることができ、このような無機脱水剤としては、無水石
膏(CaSO4)、合成ゼオライト系吸着剤(商品名:
モレキュラーシーブ等)、シリケート類等が挙げられ、
無水石膏、モレキュラーシーブ等の無機脱水剤が好まし
く用いられる。このような無機脱水剤は、1種または2
種以上組み合わせて用いることができる。このような無
機脱水剤を含む防汚塗料組成物においては、この無機脱
水剤は、本発明の非錫系防汚塗料組成物中の共重合体
(a)(固形分)100重量部に対して、通常特に限定
されないが、例えば、25重量部以下の量で含まれてい
ても良く、また該塗料組成物中の固形分100重量%中
に、5重量%以下の量で含まれていてもよい。 <カルボン酸の金属塩>なお、本発明の防汚塗料組成物
には、さらに、カルボン酸の金属塩が含まれていてもよ
い。カルボン酸金属塩を構成するカルボン酸としては、
ナフテン酸等の脂環構造を有する酸、α-(2-カルボキ
シフェノキシ)ステアリン酸等の芳香環構造を有するカ
ルボン酸、ロジン系樹脂酸、脂肪酸等があげられ、ナフ
テン酸、ロジン系樹脂酸、脂肪酸が好ましい。
【0070】ロジン系樹脂酸はロジン中に含まれる樹脂
酸であって、例えばアビエチン酸、ネオアビンエチン
酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン
酸、ピマル酸、デヒドロアビエチン酸、レボピマル酸等
が挙げられる。脂肪酸としては飽和脂肪酸、不飽和脂肪
酸の何れであってもよく、飽和脂肪酸としては、例えば
酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パル
ミチン酸など炭素数1〜18程度のものがあげられ、不
飽和脂肪酸としてはアクリル酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸などの同様な炭素数のものが挙げられ
る。
【0071】また、該カルボン酸金属塩を構成する金属
としては、多価金属のマグネシウム、カルシウム、アル
ミニウム、マンガン、コバルト、鉛、クロム、銅、鉄、
亜鉛、ニッケル等があげられ、亜鉛または銅が好まし
い。このカルボン酸金属塩は、防汚塗料組成物中に、固
形分として、通常1〜95重量%、好ましくは5〜80
重量%の量であり、またこのカルボン酸の金属塩は防汚
塗料組成物中の不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カルボ
キシレート化合物成分単位含有共重合体(a)(固形
分)100重量部に対して、100重量部以下の量で、
また該組成物中の固形分100重量%中に50重量%以
下の量で含まれていてもよい。 <タレ止め・沈降防止剤(搖変剤)>タレ止め・沈降防
止剤(搖変剤)としては、有機粘度系Al、Ca、Zn
のステアレート塩、レシチン塩、アルキルスルホン酸塩
などの塩類、ポリエチレンワックス、アマイドワック
ス、水添ヒマシ油ワックス系、ポリアマイドワックス系
および両者の混合物、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレ
ン系ワックス等が挙げられ、好ましくは、ポリアマイド
ワックス、合成微粉シリカ、酸化ポリエチレン系ワック
ス、有機粘度系が用いられる。このようなタレ止め・沈
降防止剤としては、楠本化成(株)製の「ディスパロン
305」、「ディスパロン4200-20」等の他、「ディスパロ
ンA630-20X」等の商品名で上市されているものが挙げら
れる。このようなタレ止め・沈降防止剤は、この防汚塗
料組成物中の共重合体(a)(固形分)100重量部に
対して、25重量部以下の量で、また該組成物中の固形
分100重量%中に2重量%以下の量で含まれていても
よい。
【0072】<顔料>防汚剤以外の顔料としては、従来
公知の有機系、無機系の各種顔料を用いることができ
る。有機系顔料としては、カーボンブラック、フタロシ
アニンブルー、紺青等が挙げられる。無機系顔料として
は、例えば、チタン白、ベンガラ、バライト粉、シリ
カ、タンカル、タルク、白亜、酸化鉄粉等のように中性
で非反応性のもの;亜鉛華(ZnO、酸化亜鉛)、鉛
白、鉛丹、亜鉛末、亜酸化鉛粉等のように塩基性で塗料
中の酸性物質と反応性のもの(活性顔料)等が挙げられ
る。このような各種顔料は、防汚塗料組成物中の共重合
体(a)(固形分)100重量部に対して、200重量
部以下の量で、また該組成物中の固形分100重量%中
に50重量%以下の量で含まれていてもよい。
【0073】<その他の塗膜形成成分>本発明の防汚塗
料組成物には、塗膜形成成分として不飽和カルボン酸金
属直鎖脂肪族カルボキシレート化合物成分単位含有共重
合体(a)以外の樹脂が含まれていてもよい。その他の
塗膜形成成分としては、例えばアクリル樹脂、アクリル
シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フッ素樹
脂、ポリブテン樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂
(ゴム)、ポリアミド樹脂、塩化ビニル系共重合樹脂、
塩化ゴム(樹脂)、塩素化オレフィン樹脂、スチレン・
ブタジエン共重合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹
脂、塩化ビニル樹脂、アルキッド樹脂、クマロン樹脂、
トリアルキルシリルアクリレート(共)重合体(シリル
系樹脂)、石油樹脂等の難水溶性あるいは非水溶性樹脂
が挙げられる。
【0074】難水溶性あるいは非水溶性樹脂とともに、
水溶性樹脂を組合わせて用いることができる。水溶性樹
脂としては、ロジン(例:商品名「ロジンWW」)、ガ
ムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどのロジン
系化合物、モノカルボン酸が挙げられる。前記重合性不
飽和カルボン酸金属化合物含有共重合体(a)以外のこ
れらの塗膜形成成分は、防汚塗料組成物中の共重合体
(a)(固形分)100重量部に対して、100重量部
以下の量で、また該組成物中の固形分100重量%中に
50重量%以下の量で含まれていてもよい。 <溶剤>本発明の防汚塗料では、上記のような各種成分
は、溶剤に溶解若しくは分散している。ここで使用され
る溶剤としては、例えば、脂肪族系、芳香族系、ケトン
系、エステル系、エーテル系など、通常防汚塗料に配合
されるような各種溶剤が用いられる。上記芳香族系溶剤
としては、例えばキシレン、トルエン等があげられ、ケ
トン系溶剤としては、例えば、MIBK等があげられ、
エーテル系溶剤としては、例えば、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート(PMAC)等が挙げられる。
【0075】防汚塗料組成物の製造 本発明の防汚塗料組成物は、従来から公知の方法を適宜
利用することにより製造することができ、例えば上記直
鎖状不飽和カルボン酸二価金属化合物成分単位含有共重
合体(a)と、トリフェニルボロン・アミン錯体(b)
の他に、必要により有機防汚剤(c)等の防汚剤、可塑
剤、無機脱水剤(安定剤)、タレ止め・沈降防止剤、着
色顔料、その他の塗膜形成成分、溶剤(例:キシレン)
などとを所定の割合で一度にあるいは任意の順序で加え
て撹拌・混合し、溶媒に溶解・分散等すればよい。
【0076】防汚塗料組成物の用途 本発明の防汚塗料組成物を、例えば、船舶、漁業資材
(例:ロープ、漁網、浮き子、ブイ)、火力・原子力発
電所の給排水口等の水中構造物、湾岸道路、海底トンネ
ル、港湾設備、運河・水路等のような各種海洋土木工事
の汚泥拡散防止膜などの各種基材の表面に塗布すれば防
汚性に優れ、防汚剤成分が長期間にわたって徐放可能で
あり、厚塗りしても適度の可撓性を有し耐クラック性に
優れた防汚塗膜被覆船舶または水中構造物などが得られ
る。
【0077】すなわち、本発明の防汚塗料組成物を各種
基材の表面に塗布硬化してなる防汚塗膜は、アオサ、フ
ジツボ、アオノリ、セルプラ、カキ、フサコケムシ等の
水棲生物の付着を長期間継続的に防止できるなど防汚性
に優れている。とくに、該防汚塗料組成物は基材が鋼
鉄、FRP、木、アルミニウム合金などである場合にも
これらの基材表面に良好に付着する。また、該防汚塗料
組成物は、既存の防汚塗膜表面に上塗してもよい。
【0078】また、本発明の防汚塗料組成物を海中構造
物表面に塗布すれば、海中生物の付着防止を図ることが
でき、該構造物の機能を長期間維持できるという特徴を
有している。また、本発明の防汚塗料組成物を漁網また
は漁具等の漁業資材に塗布すれば、漁網または漁具の汚
損を防止でき、しかも環境汚染のおそれが少ない。本発
明の防汚塗膜、すなわち船舶または水中構造物の接水部
表面に施された塗膜は前述した防汚塗料組成物から形成
されており、環境汚染のおそれが少なく、船舶または水
中構造物への付着生物に対して長期防汚性に優れてい
る。
【0079】
【発明の効果】本発明の防汚塗料組成物は、非錫系防汚
塗料組成物であって、不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族
カルボキシレート化合物成分単位含有共重合体(a)お
よびトリフェニルボロン・アミン錯体(b)を含有して
いるため、従来の不飽和カルボン酸金属分岐状・脂環状
カルボキシレート化合物由来の成分単位を含有する共重
合体、およびトリフェニルボロン・アミン錯体などの防
汚剤を配合した防汚塗料に比べて、塗料の貯蔵安定性に
優れ、水中浸漬初期から適度な塗膜消耗速度を有し、加
水分解性が長期間持続し、船舶、水中構造物等に付着し
ようとする水棲生物に対して優れた防汚性能を長期継続
的に発揮でき、しかも低温での塗膜の締まりと耐盤木加
圧性に優れ、ある程度高い塗膜消耗性を有するため、低
稼働率船など、魚介類、藻などの付着しやすい船舶用と
して特に好適な塗膜を形成できる。
【0080】本発明の防汚塗膜は、この防汚塗料組成物
から形成されており、環境汚染のおそれが少なく、長期
防汚性に優れている。本発明に係る船舶外板の防汚方法
では、環境汚染のおそれが少ない。
【0081】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づきさらに
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何等限定
されるものではない。なお、以下の実施例、比較例で使
用した各配合成分およびその組成、物性、製造販売元等
は、下記の通り。(なお、共重合体A〜G調製時のモノ
マー組成、共重合体の物性については、併せて表2に示
す。) (1)オレイン酸亜鉛アクリレート成分単位含有共重合体
(A):アクリル酸亜鉛14重量部、オレイン酸亜鉛ア
クリレート26重量部、メチルメタクリレート15重量
部、エチルアクリレート45重量部からなるモノマー混
合物(これら共重合性モノマー合計40重量部)を、溶
剤(酢酸ブチル40重量部、n-ブタノール20重量
部)に溶解(合計100重量部)し、重合開始剤AIB
Nの存在下に100℃で6時間に亘って共重合反応させ
て、分子量(MW)が約8000の共重合体(A)含有
物(固形分40重量%)を得た。
【0082】この共重合体(A)調製時のモノマー組
成、得られた共重合体(A)の物性等を表2に示す。 (2)共重合体(B)〜(G):上記共重合(A)用のモ
ノマーに代えて、それぞれ表2に示すモノマー組成の原
料を用いた以外は、上記共重合(A)と同様にしてそれ
ぞれ表2に示す共重合体を得た。
【0083】モノマー組成などを表2に示す。 (3)ロジン:(商品名「ロジンWW」(大竹明新化学
(株)製) (4)塩化ビニル・ビニルイソブチルエーテル共重合体:
商品名「ラロフレックスMP−15」、BASF社製、
不溶解性樹脂) (5)塩素化ポリエチレン:商品名「スーパークロン51
0」、日本製紙(株)製) (6)塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体:商品名「VYH
H」、ユニオンカーバイト社製、分子量:約2万) (7)塩素化パラフィン:商品名「トヨパラックス15
0」(平均炭素数:14.5、塩素含有率(量)50
%、粘度:12ポイズ/25℃、比重:1.25/25
℃、東ソー(株)製) (8)酸化亜鉛:商品名「亜鉛華3号」(九州白水(株)
製) (9)タルク:商品名「TTKタルク」、タケハラ化学工
業(株)製) (10)チタン白:商品名「チタン白 R−5N」(堺化学
工業(株)製) (11)フタロシアニンブルー:商品名「シアニンブルー−
S−2010」、大日精化社製) (12)亜酸化銅:商品名「NC−301」(日進ケムコ社
製) (13)トリフェニルボロン・ピリジン錯体:商品名「PK
ボロン」(北興化学工業(株)製、防汚剤) (14)トリフェニルボラン・オクタデシルアミン錯体:
(「YN−18」、吉富ファインケミカル(株)製、防
汚剤) (15)トリフェニルボラン・ドデシルアミン錯体:(北興
化学工業(株)製、防汚剤) (16)2−ピリジンチオール−1−オキシド亜鉛塩:商品
名「ジンクオマジン」(オーリン(株)製) (17)2-ピリジンチオール-1-オキシド銅塩:商品名
「銅ピリチオン」(オーリン(株)製) (18)4,5−ジクロロ-2-n-オクチル-4−イソチアゾ
リン−3−オン:商品名「シーナイン211」、(ロー
ムアンドハース社製、固形分30重量%) (19)酸化ポリエチレンワックス:商品名「ディスパロン
4200-20」(楠本化成(株)製、沈降防止剤、固形分2
0重量%のキシレンペースト) (20)脂肪酸アマイドワックス:商品名「ディスパロン63
0-20X」(楠本化成(株)製、沈降防止剤、固形分20
重量%) (21)プロピレングリコールモノメチルエーテル:商品名
「クラレPGM」(クラレ(株)製、溶剤) <海中生物の付着面積評価基準(防汚性評価基準)>評
価基準は、以下の通り。
【0084】 5点・・・・海中生物の付着面積が0%。 4点・・・・海中生物の付着面積が0%を超え5%以
下。 3点・・・・海中生物の付着面積が5%を超え10%以
下。 2点・・・・海中生物の付着面積が10%を超え25%
以下。 1点・・・・海中生物の付着面積が25%を超え50%
以下。
【0085】 0点・・・・海中生物の付着面積が50%を超える。 <防汚塗料と防汚塗膜の評価方法>(1)静置防汚性試験 この防汚塗料を3mm×100mm×100mmの大きさの塩
化ビニル板にその乾燥膜厚が100〜150μm厚にな
るように塗布し、室温(約20℃)にて7日間放置乾燥
した後、広島湾の水深1.0mの位置に浸漬し、海中生
物による汚損状況を6ヶ月にわたり調査した。(2)防汚塗膜の消耗度測定: この防汚塗料を、1mm×5
0mm×50mmの大きさの塩化ビニル板(基材)にその乾
燥膜厚が約150μm厚になるようにドクターブレード
を用い塗布し、室温(約20℃)にて7日間放置乾燥し
た後、乾燥膜厚をレーザー変位測定器にて測定した後、
広島県呉港に設置した周速15ノットの大型ロータリー
試験機に取り付け、毎日防汚塗膜の膜厚(消耗膜厚:μ
m)を測定し、6ヶ月間にわたって継続して測定した。(3)劣化防汚塗膜との付着性 劣化防汚塗膜との付着性は、中国塗料(株)にて、既存
の防汚塗料が塗布された下記の試験板を海水中に1年間
浸漬させて製作した劣化防汚塗膜表面に、実施例、比較
例に示す各防汚塗料組成物からなる防汚塗膜を塗付形成
した後、海水中に浸漬して6ヶ月後に、「JIS K−
5400X カットテープ法」により評価した。(4)塗膜乾燥性(盤木加圧試験) : 試験方法 1.試験板の調製 7mm×150mm×2.3mmの太祐機材(株)製サ
ンドブラスト板に、塗料(イ)/(ロ)/(ハ)/(ニ)の
順序で、それぞれ以下の膜厚で1回ずつ各塗料を塗布
し、それぞれ下記温度で下記日数乾燥し、試験片を作製
した。なお、塗料(ニ)については、20℃/1日と、
5℃/1日の2態様で試験板を作製し、各種試験を行っ
た。 (イ)エポキシジンクリッチプライマー 18μm×1回 25℃/1日乾燥 (ロ)エポキシ防錆塗料 100μm×1回 25℃/1日乾燥 (ハ)ビニル系防錆塗料 40μm×1回 25℃/1日乾燥 (ニ)各種防汚塗料 75μm×1回 20℃及び5℃ /1日乾燥 2.加圧条件 塗膜表面に5×5cmのポリエチレン製シートを置き、
その上に3×3cmの模擬盤木を置いて、40kg/2
0分間加圧し、塗膜表面の状態を観察した。
【0086】評価基準は、下記表1の通り、1〜5段階
とした。
【0087】
【表1】
【0088】
【実施例1】表3に示す配合組成の防汚塗料を常法に従
って調製した。すなわち、上記共重合体(A)含有液
(固形分40wt%,共重合体分子量約8000)5
0.0重量部、酸化亜鉛(「TiO2、R−5N」堺化
学工業(株)製)12.0重量部、フタロシアニンブル
ー(「シアニンブルー−S−2010」、大日精化
(株)製)4.0重量部、ピリジン・トリフェニルボロ
ン(「PKボロン」、北興化学工業(株)製、防汚剤)
10.0重量部、酸化ポリエチレンワックス(「Dispa
l.4200-20」、楠本化成(株)製、沈降防止剤、固形分
20重量%のキシレンペースト)2.0重量部、脂肪酸
アマイドワックス(「Dispal.A630-20X」、楠本化成
(株)製、沈降防止剤、固形分20重量%)2.5重量
部、溶剤(キシレン)14.5重量部、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル(「Kuraray PGM」、クラ
レ社製、溶剤)5.0重量部、からなる防汚塗料組成物
(合計100重量部)をガラスビーズを分散材として、
ペイントコンディショナーにて分散し、防汚塗料を調製
した。
【0089】次いで、防汚塗料と、該防汚塗料を基材表
面に塗付してなる防汚塗膜の各種性能を調査したとこ
ろ、表3に明らかなように本発明の防汚塗料組成物から
なる防汚塗膜は、静置防汚性については海水浸漬3ヶ月
で評価5(海中生物の付着面積が0%)、6ヶ月で評価
5(同面積が0%)となり、付着性(劣化防汚塗膜との
塗り重ね/10点満点(海水浸漬経過月数))は評価1
0となり、塗膜消耗性(消耗膜厚:μm)は、3ヶ月間
の合計で57.3μm厚、6ヶ月間合計では、120.
1μmとなり、塗膜乾燥性(盤木加圧試験)は、乾燥温
度20℃×1日では、評価5となり、乾燥温度5℃×1
日では、評価5となり、防汚性、劣化防汚塗膜表面への
付着性、塗膜消耗性、塗膜乾燥性の何れにも良好な結果
が得られた。
【0090】
【実施例2〜9、比較例1〜13】実施例1において、
防汚塗料の配合組成を表3〜5に示すように変えた以外
は、実施例1と同様にして、防汚塗料を調製し、また該
防汚塗料より防汚塗膜を作製し、防汚性などを調査し
た。結果を表3〜5に示す。
【0091】この表3〜5によれば、本発明の実施例で
は、得られる塗膜は、長期にわたり優れた防汚性、劣化
防汚塗膜表面への付着性、塗膜消耗性、塗膜乾燥性の何
れにも良好な結果を示したことが分かる。
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 303 B05D 7/24 303E C09D 5/16 C09D 5/16 (72)発明者 松 岡 巌 広島県大竹市明治新開1番地の7 中国塗 料株式会社内 Fターム(参考) 4D075 CA33 CA34 DA06 DB02 DC06 DC08 EA05 EB22 EC08 4J038 CG011 CG031 EA011 GA06 JC37 NA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カ
    ルボキシレート化合物成分単位含有共重合体と、(b)
    トリフェニルボロン・アミン錯体とを含有することを特
    徴とする防汚塗料組成物。
  2. 【請求項2】上記不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カル
    ボキシレート化合物成分単位含有共重合体(a)が、一
    般式[II]: R1−COO−M−Ln ・・・・・ [II] [式[II]中、R1は、CH2=C(CH3)−、CH2=C
    H−、HOOC−CH=CH−、HOOC−CH=C
    (CH3)−のうちのいずれかの式で示される、不飽和
    結合を含有する有機基を示し、これら式中の−COOH
    は金属塩またはエステルを形成していてもよい。Mは金
    属原子を示し、 Lは、有機酸残基:−OCOR2(R2は、直鎖状アルキ
    ル基、直鎖状アルケニル基を示す。)を示し、 nは金属Mの原子価数−1の数を示す。]で表される重
    合性不飽和カルボン酸金属塩直鎖脂肪族カルボキシレー
    ト化合物から誘導される成分単位を含有する共重合体で
    ある請求項1〜2の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  3. 【請求項3】上記金属Mが二価金属である請求項1〜2
    の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  4. 【請求項4】上記二価金属が亜鉛または銅である請求項
    3に記載の防汚塗料組成物。
  5. 【請求項5】上記不飽和カルボン酸金属直鎖脂肪族カル
    ボキシレート化合物成分単位含有共重合体(a)が、
    (メタ)アクリル酸金属直鎖脂肪族カルボキシレート化
    合物単量体(イ)から誘導される成分単位と、該単量体
    (イ)と共重合可能な他の単量体(ロ)から誘導される成
    分単位とからなり、上記単量体(イ)から誘導される成
    分単位を2〜65重量%、他の単量体(ロ)から誘導さ
    れる成分単位を35〜98重量%(成分単位(イ)+
    (ロ)=100重量%)で含まれている重合性不飽和カ
    ルボン酸金属塩成分単位含有共重合体である請求項1〜
    4の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  6. 【請求項6】上記トリフェニルボロン・アミン錯体
    (b)が、トリフェニルボロン・ピリジン錯体である請
    求項1〜5の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  7. 【請求項7】上記(a)成分および(b)成分の合計1
    00重量部に対して、(a)成分を20〜98重量部、
    (b)成分を2〜80重量部の量で含有する請求項1〜
    6の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  8. 【請求項8】上記(a)成分および(b)成分に加え
    て、さらに他の有機防汚剤(c)を含有する請求項1〜
    7の何れかに記載の防汚塗料組成物。
  9. 【請求項9】上記防汚剤(c)が、テトラフェニルボロ
    ンアンモニウム塩、金属ピリチオン類、 N,N−ジメ
    チルジクロロフエニル尿素、2,4,6−トリクロロフ
    ェニルマレイミド、2−メチルチオ−4−tert−ブチル
    アミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、
    4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾ
    リン−3−オンおよび2,4,5,6−テトラクロロイ
    ソフタロラトリルからなる群から選ばれた少なくとも1
    種の有機防汚剤である請求項1〜8の何れかに記載の防
    汚塗料組成物。
  10. 【請求項10】請求項1〜9の何れかに記載の防汚塗料
    組成物から形成されたことを特徴とする防汚塗膜。
  11. 【請求項11】海水と接触する船舶外板または水中構造
    物の表面が、請求項1〜9の何れかに記載の防汚塗料組
    成物から形成された防汚塗膜で被覆されていることを特
    徴とする船舶または水中構造物。
  12. 【請求項12】海水と接触する船舶外板または水中構造
    物の表面に、請求項1〜9の何れかに記載の防汚塗料組
    成物を塗付し、防汚塗膜を形成させることを特徴とする
    船舶または水中構造物の防汚方法。
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