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JPH11162970A - 酸化膜の形成方法 - Google Patents

酸化膜の形成方法

Info

Publication number
JPH11162970A
JPH11162970A JP32360197A JP32360197A JPH11162970A JP H11162970 A JPH11162970 A JP H11162970A JP 32360197 A JP32360197 A JP 32360197A JP 32360197 A JP32360197 A JP 32360197A JP H11162970 A JPH11162970 A JP H11162970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide film
gas
semiconductor layer
temperature
silicon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32360197A
Other languages
English (en)
Inventor
Toyotaka Kataoka
豊隆 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP32360197A priority Critical patent/JPH11162970A/ja
Publication of JPH11162970A publication Critical patent/JPH11162970A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】不完全燃焼した水素ガスによる爆鳴気反応が生
じることを確実に防止でき、しかも、酸化膜の形成を、
安定した状態で、且つ、酸化速度を制御・抑制した状態
にて行うことを可能とする酸化膜の形成方法を提供す
る。 【解決手段】酸化膜の形成方法は、(イ)水蒸気発生装
置に水素ガスを含む不活性ガスを導入する工程と、
(ロ)その後、酸化性ガスを該水蒸気発生装置に導入
し、該水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化性ガスとの
反応によって発生した水蒸気により半導体層の表面を酸
化し、以て半導体層表面に酸化膜を形成する工程から成
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体装置
の製造における酸化膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばシリコン半導体基板を基にしたM
OS型半導体装置の製造においては、シリコン酸化膜か
ら成るゲート酸化膜をシリコン半導体基板の表面に形成
する必要がある。また、薄膜トランジスタ(TFT)の
製造においても、絶縁性基板の上に設けられたシリコン
層の表面にシリコン酸化膜から成るゲート酸化膜を形成
する必要がある。このようなシリコン酸化膜は、半導体
装置の信頼性を担っているといっても過言ではない。従
って、シリコン酸化膜には、常に、高い絶縁破壊耐圧及
び長期信頼性が要求される。
【0003】例えばシリコン半導体基板を基にしてMO
S型半導体装置を製造する場合、従来、ゲート酸化膜を
成膜する前に、NH4OH/H22水溶液で洗浄し更に
HCl/H22水溶液で洗浄するというRCA洗浄によ
りシリコン半導体基板の表面を洗浄し、その表面から微
粒子や金属不純物を除去する。ところで、RCA洗浄を
行うと、シリコン半導体基板の表面は洗浄液と反応し、
厚さ0.5〜1nm程度のシリコン酸化膜が形成され
る。かかるシリコン酸化膜の膜厚は不均一であり、しか
も、シリコン酸化膜中には洗浄液成分が残留する。そこ
で、フッ化水素酸水溶液にシリコン半導体基板を浸漬し
て、かかるシリコン酸化膜を除去し、更に純水で薬液成
分を除去する。これによって、大部分が水素で終端さ
れ、極一部がフッ素で終端されたシリコン半導体基板の
表面を得ることができる。尚、このような工程によっ
て、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で終端さ
れたシリコン半導体基板の表面を得ることを、本明細書
では、シリコン半導体基板の表面を露出させると表現す
る。その後、かかるシリコン半導体基板をシリコン酸化
膜形成装置の処理室(酸化炉)に搬入して、シリコン半
導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成する。
【0004】シリコン酸化膜形成装置としては、ゲート
酸化膜の薄膜化及び基板の大口径化に伴い、石英製の処
理室(酸化炉)を水平に保持した横型方式から垂直に保
持した縦型方式のシリコン酸化膜形成装置への移行が進
んでいる。これは、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置
の方が、横型方式のシリコン酸化膜形成装置よりも、基
板の大口径化に対処し易いばかりか、シリコン半導体基
板を処理室に搬入する際の大気の巻き込みによって生成
するシリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を自
然酸化膜と呼ぶ)を低減することができるからである。
しかしながら、縦型方式のシリコン酸化膜形成装置を用
いる場合であっても、2nm厚程度の自然酸化膜がシリ
コン半導体基板の表面に形成されてしまう。自然酸化膜
には大気中の不純物が多く含まれており、ゲート酸化膜
の薄膜化においては自然酸化膜の存在を無視することが
できない。そのため、(1)シリコン酸化膜形成装置に
配設された基板搬入出部に大量の窒素ガスを流して窒素
ガス雰囲気とする方法(窒素ガスパージ方式)、(2)
一旦、基板搬入出部内を真空とした後、窒素ガス等で基
板搬入出部内を置換して大気を排除する方法(真空ロー
ドロック方式)等を採用し、出来る限り自然酸化膜の形
成を抑制する方法が提案されている。
【0005】そして、処理室(酸化炉)内を不活性ガス
雰囲気とした状態で、シリコン半導体基板を処理室(酸
化炉)に搬入し、次いで、処理室(酸化炉)内を酸化性
雰囲気に切り替え、シリコン半導体基板を熱処理するこ
とでゲート酸化膜を形成する。ゲート酸化膜の形成に
は、高温に保持された処理室内に高純度の水蒸気を導入
することによってシリコン半導体基板の表面を熱酸化す
る方法(湿式酸化法)が採用されており、高純度の乾燥
酸素ガスによってシリコン半導体基板表面を酸化する方
法(乾式酸化法)よりも、電気的信頼性の高いゲート酸
化膜を形成することができる。この湿式酸化法の1つ
に、水素ガスを酸素ガスと高温で混合し、燃焼させるこ
とによって生成した水蒸気を用いるパイロジェニック酸
化法(水素燃焼酸化法とも呼ばれる)があり、多く採用
されている。通常、このパイロジェニック酸化法におい
ては、処理室(酸化炉)の外部に設けられ、そして70
0〜900゜Cに保持された燃焼室内に酸素ガスを供給
し、その後、燃焼室内に水素ガスを供給して、高温中で
水素ガスを燃焼させる。これによって得られた水蒸気を
酸化種として用いる。
【0006】パイロジェニック酸化法によってシリコン
酸化膜を形成するための縦型方式のシリコン酸化膜形成
装置の概念図を図17に示す。この縦型方式のシリコン
酸化膜形成装置は、垂直方向に保持された石英製の二重
管構造の処理室10と、処理室10へ水蒸気等を導入す
るためのガス導入部12と、処理室10からガスを排気
するガス排気部13と、SiCから成る円筒状の均熱管
16を介して処理室10内を所定の雰囲気温度に保持す
るためのヒータ14と、基板搬入出部20と、基板搬入
出部20へ窒素ガスを導入するためのガス導入部21
と、基板搬入出部20からガスを排気するガス排気部2
2と、処理室10と基板搬入出部20とを仕切るシャッ
ター15と、シリコン半導体基板を処理室10内に搬入
出するためのエレベータ機構23から構成されている。
エレベータ機構23には、シリコン半導体基板を載置す
るための石英ボート24が取り付けられている。また、
燃焼室100に供給された水素ガスを酸素ガスと、燃焼
室100内で高温にて混合し、燃焼させることによっ
て、水蒸気を生成させる。かかる水蒸気は、配管31、
ガス流路11及びガス導入部12を介して処理室10内
に導入される。尚、ガス流路11は、二重管構造の処理
室10の内壁及び外壁の間の空間に相当する。
【0007】図17に示した縦型方式のシリコン酸化膜
形成装置を使用した、パイロジェニック酸化法に基づく
従来のシリコン酸化膜の形成方法の概要を、図17、図
18〜図21を参照して、以下、説明する。
【0008】[工程−10]配管33、燃焼室100、
配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処
理室10へ窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス
雰囲気とし、且つ、均熱管16を介してヒータ14によ
って処理室10内の雰囲気温度を700〜800゜Cに
保持する。尚、この状態においては、シャッター15は
閉じておく(図18の(A)参照)。基板搬入出部20
は大気に解放された状態である。
【0009】[工程−20]そして、基板搬入出部20
にシリコン半導体基板40を搬入し、石英ボート24に
シリコン半導体基板40を載置する。基板搬入出部20
へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示
しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21か
ら窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基板
搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする(図18の
(B)参照)。
【0010】[工程−30]基板搬入出部20内が十分
に窒素ガス雰囲気となった時点で、シャッター15を開
き(図19の(B)参照)、エレベータ機構23を作動
させて石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基板
40を処理室10内に搬入する(図20の(A)参
照)。エレベータ機構23が最上昇位置に辿り着くと、
石英ボート24の基部によって処理室10と基板搬入出
部20との間は連通しなくなる。
【0011】シャッター15を開く前に、処理室10内
を窒素ガス雰囲気のままにしておくと、以下の問題が生
じる。即ち、フッ化水素酸水溶液及び純水による表面洗
浄で表面を露出させたシリコン半導体基板を高温の窒素
ガス雰囲気中に搬入すると、シリコン半導体基板40の
表面に荒れが生じる。この現象は、フッ化水素酸水溶液
及び純水での洗浄によってシリコン半導体基板40の表
面に形成されたSi−H結合の一部やSi−F結合の一
部が、水素やフッ素の昇温脱離によって失われ、シリコ
ン半導体基板40の表面にエッチング現象が生じること
に起因すると考えられている。例えば、アルゴンガス中
でシリコン半導体基板を600゜C以上に昇温するとシ
リコン半導体基板の表面に激しい凹凸が生じることが、
培風館発行、大見忠弘著「ウルトラクリーンULSI技
術」、第21頁に記載されている。このような現象を抑
制するために、シャッター15を開く前に、例えば、
0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスをガス導
入部12から処理室10内に導入し、処理室10内を
0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲気と
する(図19の(A)参照)。
【0012】[工程−40]その後、処理室10内の雰
囲気温度を800〜900゜Cとする。そして、配管3
2,33から燃焼室100内に水素ガス及び酸素ガスを
供給し、水素ガスを酸素ガスと燃焼室100内で高温に
て混合し、燃焼させることによって生成した水蒸気を、
配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処
理室10へ導入し、ガス排気部13から排気する(図2
1参照)。尚、燃焼室100内の温度を、例えばヒータ
(図示せず)によって700〜900゜Cに保持する。
これによって、シリコン半導体基板40の表面にシリコ
ン酸化膜が形成される。
【0013】尚、水蒸気を処理室10へ導入するよりも
以前に、不完全燃焼した水素ガスが処理室10内に流入
しそして系外に流出することによって、爆鳴気反応が生
じる虞がある。このような爆鳴気反応の発生を防止する
ためには、配管32から燃焼室100に水素ガスを供給
する前に、配管33から燃焼室100に酸素ガスを供給
する(図20の(B)参照)。その結果、配管31、ガ
ス流路11及びガス導入部12を介して酸素ガスが処理
室10内に流入する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
不完全燃焼した水素ガスによる爆鳴気反応が生じること
を防止するために配管33から燃焼室100に酸素ガス
を供給する結果、配管31、ガス流路11及びガス導入
部12を介して酸素ガスが処理室10内に流入し、シリ
コン半導体基板40の表面に乾燥酸素ガスによってシリ
コン酸化膜(以下、ドライ酸化膜と呼ぶ)が形成されて
しまう。ゲート酸化膜の薄膜化が進むに従い、このドラ
イ酸化膜の占める割合が大きくなり、無視できなくなっ
てきている。
【0015】パイロジェニック酸化法において、不活性
ガスで十分に希釈した水素ガスを配管32から燃焼室1
00に供給した後、配管33から燃焼室100に酸素ガ
スを供給し、燃焼室100内で水蒸気を生成させれば、
酸素ガスが処理室10内に流入することが無くなり、ド
ライ酸化膜の形成を抑制することが可能となる。ここ
で、不活性ガスで水素ガスを十分に希釈するとは、水素
ガス濃度を、空気中若しくは酸素ガス中での燃焼範囲以
下の濃度にすることを意味する。
【0016】しかしながら、このような方法では、水素
ガス濃度が低すぎる結果、燃焼室100内で水素ガスを
安定して燃焼させることが困難であるという問題を有す
る。
【0017】また、薄いシリコン酸化膜を形成しようと
した場合、乾燥酸化法と比較すると、加湿酸化法では酸
化速度が早いため、例えば、酸化温度を低温とし、しか
も酸化時間を短くしなければならない。しかしながら、
酸化時間の短縮化は、シリコン酸化膜の膜厚の均一化を
妨げるという問題がある。従って、加湿酸化法を採用し
て薄いシリコン酸化膜を形成する場合、別の方法で酸化
速度の抑制を図らなければならない。
【0018】酸化速度の抑制方法として、減圧下で水蒸
気を生成させ、減圧下でシリコン酸化膜を形成する方法
がある。このように、減圧下でシリコン酸化膜を形成す
れば、酸化種の供給量が少ないので、酸化速度を抑制す
ることができる。しかしながら、かかる減圧下で水蒸気
を生成させる方法では、水蒸気を生成させるための燃焼
室100の動作が安定しない。即ち、減圧下、安定して
水素ガスを燃焼させることが困難であり、その結果、酸
化速度を抑制した状態で安定して薄いシリコン酸化膜を
形成することが難しいという問題がある。
【0019】従って、本発明の目的は、不完全燃焼した
水素ガスによる爆鳴気反応が生じることを確実に防止で
き、しかも、酸化膜の形成を、安定した状態で、且つ、
酸化速度を制御・抑制した状態にて行うことを可能とす
る酸化膜の形成方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の酸化膜の形成方法は、(イ)水蒸気発生装
置に水素ガスを含む不活性ガスを導入する工程と、
(ロ)その後、酸化性ガスを該水蒸気発生装置に導入
し、該水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化性ガスとの
反応によって発生した水蒸気により半導体層の表面を酸
化し、以て半導体層表面に酸化膜を形成する工程、から
成ることを特徴とする。尚、本発明における酸化膜には
窒化酸化膜も包含される。
【0021】本発明の酸化膜の形成方法における水蒸気
発生装置内での水素ガスと酸化性ガスとの反応は、例え
ばNiO等のNi系触媒、PtやPtO2等のPt系触
媒、PdやPdO等のPd系触媒、Ir系触媒、Ruや
RuO2等のRu系触媒、AgやAg2O等のAg系触
媒、Au系触媒、CuO等のCu系触媒、MnO2等の
Mn系触媒、Co34等のCo系触媒を用いた触媒作用
に基づく反応とすることができる。尚、このような形態
を、以下、本発明の第1の態様に係る酸化膜の形成方法
と呼ぶ。
【0022】あるいは又、本発明の酸化膜の形成方法に
おける水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化性ガスとの
反応は、水素ガス及び酸化性ガスへの電磁波の照射に基
づく反応とすることができる。尚、このような形態を、
以下、本発明の第2の態様に係る酸化膜の形成方法と呼
ぶ。この場合、電磁波として、例えば周波数2.45G
Hzのマイクロ波を用いることができる。
【0023】本発明の酸化膜の形成方法において、工程
(イ)における水素ガス濃度は、空気中若しくは酸素ガ
ス中での燃焼範囲以下の濃度(空気と水素ガスとの混合
ガス若しくは酸素ガスと水素ガスとの混合ガスを点火し
たとき、混合ガスの温度が自然発火温度を維持すること
ができず、燃焼が起こらないような水素ガスの濃度)で
あることが望ましい。具体的には、使用する酸化性ガス
にも依るが、水素ガスの濃度を、空気中での燃焼範囲以
下(空気との容量%で表した場合、4.0容量%以
下)、あるいは又、酸素中での燃焼範囲以下(酸素との
容量%で表した場合、4.5容量%以下)となるような
濃度とすることが望ましい。
【0024】水素ガスを含む不活性ガスとしては、窒
素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノ
ンを挙げることができる。
【0025】本発明の酸化膜の形成方法における酸化性
ガスとして、酸素ガス、あるいは酸化窒素系ガス(例え
ば、NOガスやN2Oガス、NO2)を挙げることができ
る。酸化性ガスとして酸素ガスを用いる場合、酸化膜
は、半導体層を主に構成する元素の酸化物から構成され
る。例えば、半導体層を主に構成する元素がSiの場
合、酸化膜の組成はSiO2となる。一方、酸化性ガス
としてNOガス又はN2Oガス、NO2を用いる場合、酸
化膜は、半導体層を主に構成する元素の窒化酸化物から
構成される。例えば、半導体層を主に構成する元素がS
iの場合、酸化膜の組成はSiOXYとなる。尚、場合
によっては、酸化性ガスを、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、ネオン、クリプトン、キセノン等の不活性ガスで希
釈してもよい。
【0026】加湿酸化法に基づきシリコン酸化膜を形成
する前の雰囲気を高温の窒素ガス雰囲気とする結果、シ
リコン半導体基板の表面に荒れ(凹凸)が生じる現象の
発生を回避するために、本発明の方法においては、工程
(ロ)において、半導体層の表面から半導体層を主に構
成する原子が脱離しない温度に雰囲気温度を保持した状
態にて、酸化膜の形成を開始することが好ましい。尚、
半導体層の表面から半導体層を主に構成する原子が脱離
しない温度は、半導体層表面を終端している原子と半導
体層を主に構成する原子との結合が切断されない温度で
あることが望ましい。半導体層を主に構成する原子がS
iである場合、即ち、半導体層がシリコン半導体基板、
単結晶シリコン層、ポリシリコン層あるいはアモルファ
スシリコン層から構成されている場合、半導体層の表面
から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度を、
半導体層表面のSi−H結合が切断されない温度、ある
いは又、半導体層表面のSi−F結合が切断されない温
度とすることが望ましい。面方位が(100)のシリコ
ン半導体基板を半導体層として用いる場合、シリコン半
導体基板の表面における水素原子の大半がシリコン原子
の2本の結合手のそれぞれに1つずつ結合しており、H
−Si−Hの終端構造を有する。然るに、シリコン半導
体基板の表面状態が崩れた部分(例えばステップ形成箇
所)には、シリコン原子の1本の結合手のみに水素原子
が結合した状態の終端構造、あるいは、シリコン原子の
3本の結合手のそれぞれに水素原子が結合した状態の終
端構造が存在する。尚、通常、シリコン原子の残りの結
合手は結晶内部のシリコン原子と結合している。本明細
書における「Si−H結合」という表現には、シリコン
原子の2本の結合手のそれぞれに水素原子が結合した状
態の終端構造、シリコン原子の1本の結合手のみに水素
原子が結合した状態の終端構造、あるいは、シリコン原
子の3本の結合手のそれぞれに水素原子が結合した状態
の終端構造の全てが包含される。半導体層の表面に酸化
膜の形成を開始するときの温度は、より具体的には、水
蒸気が半導体層上で結露しない温度以上、好ましくは2
00゜C以上、より好ましくは300゜C以上とするこ
とが、スループットの面から望ましい。
【0027】本発明の方法においては、工程(ロ)にお
いて、酸化膜の形成が完了したときの半導体層の温度
を、酸化膜の形成を開始する際の半導体層の温度よりも
高くしてもよい。この場合、酸化膜の形成が完了したと
きの半導体層の温度は、600乃至1200゜C、好ま
しくは700乃至1000゜C、更に好ましくは750
乃至900゜Cであることが望ましいが、このような値
に限定するものではない。尚、階段状(ステップ状)に
昇温してもよく、あるいは又、連続的に昇温してもよ
い。
【0028】昇温を階段状にて行う場合、半導体層の表
面から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度に
て半導体層の表面に酸化膜の形成を開始した後、所定の
期間、半導体層の表面から半導体層を主に構成する原子
が脱離しない温度範囲に半導体層を保持して酸化膜を形
成する第1の酸化膜形成工程と、半導体層の表面から半
導体層を主に構成する原子が脱離しない温度範囲よりも
高い温度にて、所望の厚さになるまで酸化膜を更に形成
する第2の酸化膜形成工程を含むことが好ましい。第2
の酸化膜形成工程における酸化膜の形成温度は、600
乃至1200゜C、好ましくは700乃至1000゜
C、更に好ましくは750乃至900゜Cであることが
望ましい。尚、第1の酸化膜形成工程における半導体層
の保持温度範囲の上限としては、500゜C、好ましく
は450゜C以下、より好ましくは400゜Cを挙げる
ことができる。第2の酸化膜形成工程を経た後の最終的
な酸化膜の膜厚は、半導体素子に要求される所定の厚さ
とすればよい。一方、第1の酸化膜形成工程を経た後の
酸化膜の膜厚は、出来る限り薄いことが好ましい。但
し、現在、半導体装置の製造に用いられているシリコン
半導体基板の面方位は殆どの場合(100)であり、如
何にシリコン半導体基板の表面を平滑化しても(10
0)シリコンの表面には必ずステップと呼ばれる段差が
形成される。このステップは通常シリコン原子1層分で
あるが、場合によっては2〜3層分の段差が形成される
ことがある。従って、第1の酸化膜形成工程を経た後の
酸化膜の膜厚は、半導体層として(100)シリコン半
導体基板を用いる場合、1nm以上とすることが好まし
いが、これに限定するものではない。
【0029】第1の酸化膜形成工程と第2の酸化膜形成
工程との間に昇温工程を含んでもよい。この場合、昇温
工程における雰囲気を、不活性ガス雰囲気若しくは減圧
雰囲気とするか、あるいは又、水蒸気を含む酸化雰囲気
とすることが望ましい。ここで、不活性ガスとして、窒
素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示することが
できる。尚、昇温工程における雰囲気中の不活性ガス若
しくは水蒸気を含むガスには、ハロゲン元素が含有され
ていてもよい。これによって、第1の酸化膜形成工程に
て形成された酸化膜の特性の一層の向上を図ることがで
きる。即ち、半導体層を主に構成する原子がSiの場
合、第1の酸化膜形成工程において生じ得る欠陥である
シリコンダングリングボンド(Si・)やSiOHが昇
温工程においてハロゲン元素と反応し、シリコンダング
リングボンドが終端しあるいは脱水反応を生じる結果、
信頼性劣化因子であるこれらの欠陥が排除される。特
に、これらの欠陥の排除は、第1の酸化膜形成工程にお
いて形成された初期のシリコン酸化膜に対して効果的で
ある。ハロゲン元素として、塩素、臭素、フッ素を挙げ
ることができるが、なかでも塩素であることが望まし
い。不活性ガス若しくは水蒸気を含むガス中に含有され
るハロゲン元素の形態としては、例えば、塩化水素(H
Cl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3
を挙げることができる。不活性ガス若しくは水蒸気を含
むガス中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物の
形態を基準として、0.001〜10容量%、好ましく
は0.005〜10容量%、更に好ましくは0.02〜
10容量%である。例えば塩化水素ガスを用いる場合、
不活性ガス若しくは水蒸気を含むガス中の塩化水素ガス
含有率は0.02〜10容量%であることが望ましい。
尚、昇温工程における雰囲気を、不活性ガスで希釈され
た水蒸気を含む雰囲気とすることもできる。
【0030】本発明の酸化膜の形成方法においては、酸
化膜の形成中の水蒸気を含むガス雰囲気にハロゲン元素
を含有させてもよい。これによって、タイムゼロ絶縁破
壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性
に優れた酸化膜を得ることができる。尚、ハロゲン元素
として、塩素、臭素、フッ素を挙げることができるが、
なかでも塩素であることが望ましい。水蒸気を含むガス
中に含有されるハロゲン元素の形態としては、例えば、
塩化水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、Cl2、H
Br、NF3を挙げることができる。水蒸気を含むガス
中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を
基準として、0.001〜10容量%、好ましくは0.
005〜10容量%、更に好ましくは0.02〜10容
量%である。例えば塩化水素ガスを用いる場合、水蒸気
を含むガス中の塩化水素ガス含有率は0.02〜10容
量%であることが望ましい。
【0031】形成された酸化膜の特性を一層向上させる
ために、本発明の方法においては、工程(ロ)の完了
後、形成された酸化膜に熱処理を施すことが好ましい。
【0032】この場合、熱処理の雰囲気を、ハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。
ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中で酸化膜を
熱処理することによって、タイムゼロ絶縁破壊(TZD
B)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に優れた酸
化膜を得ることができる。熱処理における不活性ガスと
しては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示
することができる。また、ハロゲン元素として、塩素、
臭素、フッ素を挙げることができるが、なかでも塩素で
あることが望ましい。不活性ガス中に含有されるハロゲ
ン元素の形態としては、例えば、塩化水素(HCl)、
CCl4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3を挙げる
ことができる。不活性ガス中のハロゲン元素の含有率
は、分子又は化合物の形態を基準として、0.001〜
10容量%、好ましくは0.005〜10容量%、更に
好ましくは0.02〜10容量%である。例えば塩化水
素ガスを用いる場合、不活性ガス中の塩化水素ガス含有
率は0.02〜10容量%であることが望ましい。
【0033】熱処理の温度は、700〜1200゜C、
好ましくは700〜1000゜C、更に好ましくは70
0〜950゜Cである。また、熱処理の時間は、枚葉処
理にて行う場合、1〜10分とすることが好ましく、バ
ッチ式にて行う場合、5〜60分、好ましくは10〜4
0分、更に好ましくは20〜30分とすることが望まし
い。
【0034】本発明の酸化膜の形成方法において熱処理
を行う場合、形成された酸化膜に熱処理を施す際の雰囲
気温度を、酸化膜の形成が完了したときの温度よりも高
くすることが望ましい。この場合、酸化膜の形成が完了
した後、処理室内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に切り替
えた後、熱処理を施すための雰囲気温度まで昇温しても
よいが、雰囲気をハロゲン元素を含有する不活性ガス雰
囲気に切り替えた後、熱処理を施すための雰囲気温度ま
で昇温することが好ましい。ここで、不活性ガスとして
は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスを例示する
ことができる。ハロゲン元素として、塩素、臭素、フッ
素を挙げることができるが、なかでも塩素であることが
望ましい。また、不活性ガス中に含有されるハロゲン元
素の形態としては、例えば、塩化水素(HCl)、CC
4、C2HCl3、Cl2、HBr、NF3を挙げること
ができる。不活性ガス中のハロゲン元素の含有率は、分
子又は化合物の形態を基準として、0.001〜10容
量%、好ましくは0.005〜10容量%、更に好まし
くは0.02〜10容量%である。例えば塩化水素ガス
を用いる場合、不活性ガス中の塩化水素ガス含有率は
0.02〜10容量%であることが望ましい。
【0035】本発明の酸化膜の形成方法においては、熱
処理後、シリコン酸化膜を窒化処理してもよい。この場
合、窒化処理を、N2Oガス、NOガス、NO2ガス雰囲
気中で行うことが望ましいが、中でもN2Oガス雰囲気
中で行うことが望ましい。あるいは又、窒化処理をNH
3ガス、N24、ヒドラジン誘導体雰囲気中で行い、そ
の後、N2Oガス、O2雰囲気中でアニール処理を行うこ
とが望ましい。窒化処理を700乃至1200゜C、好
ましくは800乃至1150゜C、更に好ましくは90
0乃至1100゜Cの温度で行うことが望ましく、この
場合、シリコン層の加熱を赤外線照射、炉アニール処理
によって行うことが好ましい。あるいは又、熱処理の雰
囲気を、窒素系ガス雰囲気としてもよい。ここで窒素系
ガスとして、N2、NH3、N2O、NO2、NOを例示す
ることができる。
【0036】通常、シリコン半導体基板の表面にシリコ
ン酸化膜を形成する前に、NH4OH/H22水溶液で
洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄するというRC
A洗浄によりシリコン半導体基板の表面を洗浄し、その
表面から微粒子や金属不純物を除去した後、フッ化水素
酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板を洗浄す
る。ところが、その後、シリコン半導体基板が大気に曝
されると、シリコン半導体基板の表面が汚染され、水分
や有機物がシリコン半導体基板の表面に付着し、あるい
は又、シリコン半導体基板表面のSi原子が水酸基(O
H)と結合する虞がある(例えば、文献 "Highly-relia
ble Gate Oxide Formation for Giga-Scale LSIs by us
ing Closed Wet Cleaning System and Wet Oxidation w
ith Ultra-Dry Unloading", J. Yugami, et al., Inter
national Electron Device MeetingTechnical Digest 9
5, pp 855-858 参照)。このような場合、そのままの状
態で酸化膜の形成を開始すると、形成されたシリコン酸
化膜中に水分や有機物、あるいは又、例えばSi−OH
が取り込まれ、形成されたシリコン酸化膜の特性低下あ
るいは欠陥部分の発生の原因となり得る。尚、欠陥部分
とは、シリコンダングリングボンド(Si・)やSi−
H結合といった欠陥が含まれるシリコン酸化膜の部分、
あるいは又、Si−O−Si結合が応力によって圧縮さ
れ若しくはSi−O−Si結合の角度が厚い若しくはバ
ルクのシリコン酸化膜中のSi−O−Si結合の角度と
異なるといったSi−O−Si結合が含まれたシリコン
酸化膜の部分を意味する。それ故、このような問題の発
生を回避するために、本発明の方法においては、酸化膜
の形成の前に半導体層表面を洗浄する工程を含み、表面
洗浄後の半導体層を大気に曝すことなく(即ち、例え
ば、半導体層表面の洗浄から酸化膜形成工程の開始まで
の雰囲気を不活性ガス雰囲気若しくは真空雰囲気と
し)、酸化膜の形成を実行することが好ましい。これに
よって、例えば半導体層としてシリコン半導体基板を用
いる場合、大部分が水素で終端され、極一部がフッ素で
終端された表面を有するシリコン半導体基板の表面にシ
リコン酸化膜を形成することができ、形成されたシリコ
ン酸化膜の特性低下あるいは欠陥部分の発生を防止する
ことができる。
【0037】半導体層としては、シリコン単結晶ウエハ
といったシリコン半導体基板だけでなく、半導体基板上
にエピタキシャルシリコン層、ポリシリコン層、あるい
はアモルファスシリコン層、更には、シリコン半導体基
板やこれらの層に半導体素子が形成されたもの等、酸化
膜を形成すべき下地を意味する。半導体層に酸化膜を形
成するとは、半導体基板等の上若しくは上方に形成され
た半導体層に酸化膜を形成する場合だけでなく、半導体
基板の表面に酸化膜を形成する場合を含む。尚、シリコ
ン単結晶ウエハは、CZ法、MCZ法、DLCZ法、F
Z法等、如何なる方法で作製されたウエハであってもよ
く、また、予め水素アニールが加えられたものでもよ
い。また、半導体層はSi−Geから構成されていても
よい。
【0038】本発明の酸化膜の形成方法は、例えばMO
S型トランジスタのゲート酸化膜、層間絶縁膜や素子分
離領域の形成、トップゲート型若しくはボトムゲート型
薄膜トランジスタのゲート酸化膜の形成、フラッシュメ
モリのトンネル酸化膜の形成等、各種半導体装置におけ
る酸化膜の形成に適用することができる。
【0039】本発明の第2の態様に係る酸化膜の形成方
法では、マイクロ波放電によって生成した酸素プラズマ
においては、基底状態O2(X3Σg-)は電子の衝突に
よって励起状態O2(A3Σu+)又はO2(B3Σu-)に
励起され、それぞれ、以下の式のように酸素原子に解離
する。
【0040】
【化1】 O2(X3Σg-)+ e → O2(A3Σu+)+ e 式(1−1) O2(A3Σu+)+ e → O(3P)+O(3P)+ e 式(1−2) O2(X3Σg-)+ e → O2(B3Σu-)+ e 式(1−3) O2(B3Σu-)+ e → O(3P)+O(1D)+ e 式(1−4)
【0041】従って、酸素プラズマ中には励起酸素分子
と酸素原子が存在し、これらが反応種となる。ここに水
素H2を導入すると、以下のようなプラズマが生成す
る。
【0042】
【化2】H2 + e → 2H 式(2)
【0043】そして、酸素プラズマの内、例えば式(1
−2)で生成した酸素プラズマと式(2)で生成した水
素プラズマが反応して、水蒸気が発生する。そして、加
熱された半導体層の表面は、かかる水蒸気によって酸化
され、半導体層の表面に酸化膜が形成される。
【0044】
【化3】2H + O(3P) → H2O 式(3)
【0045】本発明の酸化膜の形成方法においては、酸
化性ガスを水蒸気発生装置に導入する前に水蒸気発生装
置に水素ガスを含む不活性ガスを導入するので、半導体
層が酸化性ガスと接触することが無く、半導体層の表面
にドライ酸化膜が形成されることを確実に防止すること
ができる。しかも、水蒸気を用いた酸化法によって酸化
膜を形成するので、優れた経時絶縁破壊(TDDB)特
性を有する酸化膜を得ることができる。
【0046】本発明の第1の態様に係る酸化膜の形成方
法においては、触媒作用に基づき水素ガスと酸化性ガス
を反応させて水蒸気を発生させるので、水素ガス濃度が
十分に低くとも水蒸気を発生させることができる。ま
た、本発明の第2の態様に係る酸化膜の形成方法におい
ても、上述の酸素プラズマと水素プラズマとの反応に基
づき水蒸気を発生させるので、水素ガス濃度が十分に低
くとも水蒸気を発生させることができる。従って、水素
ガスによる爆鳴気反応が生じることを確実に防止するこ
とができるばかりか、酸化膜の形成を安定した状態で、
且つ、酸化速度を制御・抑制した状態にて行うことが可
能となる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0048】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の第1の態様に係る酸化膜の形成方法に関する。即ち、
実施の形態1における酸化膜の形成方法は、(イ)水蒸
気発生装置に水素ガスを含む不活性ガスを導入する工程
と、(ロ)その後、酸化性ガスを水蒸気発生装置に導入
し、水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化性ガスとの反
応によって発生した水蒸気により半導体層の表面を酸化
し、以て半導体層表面に酸化膜を形成する工程から成
り、水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化性ガスとの反
応を、触媒作用に基づく反応とした。尚、酸化性ガスと
して酸素ガスを用いる。また、半導体層は、シリコン半
導体基板それ自体から構成されている。形成された酸化
膜はゲート酸化膜として機能する。
【0049】実施の形態1の酸化膜の形成方法を実施す
るのに適した酸化膜形成装置の模式的な断面図を図1に
示す。この酸化膜形成装置は、実質的には、図17に示
した従来の縦型方式のシリコン酸化膜形成装置と同様の
構造を有する。但し、燃焼室100の代わりに、水蒸気
発生装置30が配設されている。水蒸気発生装置30の
内部にはNi系触媒(図示せず)が充填されており、N
i系触媒は水蒸気発生装置30の内部に配設されたヒー
タ(図示せず)によって所望の温度に加熱される。水蒸
気発生装置30には、配管32,33,34のそれぞれ
から水素ガス、酸素ガス、不活性ガス(実施の形態1に
おいては窒素ガス)が供給される。
【0050】以下、実施の形態1の酸化膜の形成方法
を、シリコン半導体基板等の模式的な一部断面図である
図2、及び酸化膜形成装置等の概念図である図3〜図5
を参照して、説明する。
【0051】[工程−100]先ず、リンをドープした
直径8インチのN型シリコンウエハ(CZ法にて作製)
であるシリコン半導体基板40に、公知の方法でLOC
OS構造を有する素子分離領域41を形成し、次いでウ
エルイオン注入、チャネルストップイオン注入、閾値調
整イオン注入を行う。尚、素子分離領域はトレンチ構造
を有していてもよいし、LOCOS構造とトレンチ構造
の組み合わせであってもよい。その後、RCA洗浄によ
りシリコン半導体基板40の表面の微粒子や金属不純物
を除去し、次いで、0.1%フッ化水素酸水溶液及び純
水によりシリコン半導体基板40の表面洗浄を行い、シ
リコン半導体基板40の表面を露出させる(図2の
(A)参照)。尚、シリコン半導体基板40の表面は大
半が水素で終端しており、極一部がフッ素で終端されて
いる。
【0052】[工程−110]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図1に示した酸化膜形成装置の基板搬
入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボート24
に載置する(図3の(A)参照)。尚、処理室10へガ
ス導入部12から窒素ガスを導入し、処理室10内を窒
素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、且つ、均熱管16を
介してヒータ14によって処理室10内の雰囲気温度を
800゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャ
ッター15は閉じておく。
【0053】[工程−120]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図
示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21
から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基
板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする。尚、基板搬
入出部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃
度が例えば100ppm以下となったならば、基板搬入
出部20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断す
る。その後、シャッター15を開き(図3の(B)参
照)、エレベータ機構23を作動させて石英ボート24
を上昇させ(上昇速度:250mm/分)、シリコン半
導体基板40を石英製の二重管構造の処理室10内に搬
入する(図4の(A)参照)。エレベータ機構23が最
上昇位置に辿り着くと、石英ボート24の基部によって
処理室10と基板搬入出部20との間は連通しなくな
る。
【0054】[工程−130]次いで、水蒸気発生装置
30に配管32,34から水素ガス(流量:0.2SL
M)及び窒素ガス(流量:10SLM)を供給する(図
4の(B)参照)。これらのガスは、水蒸気発生装置3
0、配管31、ガス流路11及びガス導入部12を経由
して処理室10内に流入し、ガス排気部13から系外に
排出される。水素ガスと窒素ガスとの混合ガス中の水素
ガス濃度は2容積%であるが故に、爆鳴気反応が生じる
ことを確実に防止することができる。また、酸化性ガス
である酸素ガスが存在していないので、半導体層(実施
の形態1においてはシリコン半導体基板40)の表面に
ドライ酸化膜が形成されることを確実に防ぐことができ
る。
【0055】[工程−140]処理室10の雰囲気が十
分に水素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気となったな
らば、水蒸気発生装置30に配管32,34から水素ガ
ス(流量:0.2SLM)及び窒素ガス(流量:10S
LM)を供給し続けながら、水蒸気発生装置30に配管
33から酸素ガス(流量:10SLM)を供給する。
尚、水蒸気発生装置30の内部に充填された触媒を予め
所定の温度にヒータ(図示せず)によって加熱してお
く。これによって、水蒸気発生装置30内で水素ガスと
酸化性ガスである酸素ガスとが反応して水蒸気が発生す
る。この水蒸気は、配管31、ガス流路11及びガス導
入部12を経由して処理室10内に導入され、半導体層
であるシリコン半導体基板40の表面が酸化され、半導
体層表面に酸化膜(実施の形態1においてはSiO
2膜)が形成される(図5及び図2の(B)参照)。
【0056】[工程−150]所望の厚さの酸化膜が形
成されたならば、水蒸気発生装置30への水素ガス及び
酸素ガスの供給を中止する。そして、処理室10内を窒
素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、エレベータ機構23
を動作させて石英ボート24を下降させ、次いで、図示
しない扉を開き、シリコン半導体基板40を搬出する。
【0057】[工程−160]その後、全面に不純物を
含んでいないポリシリコン層をCVD法にて成膜する。
次いで、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング
技術に基づきポリシリコン層をパターニングする。そし
て、ポリシリコン層及びシリコン半導体基板40に不純
物をイオン注入法にて注入する。これによって、ゲート
酸化膜であるシリコン酸化膜42上にゲート電極43を
形成することができ、併せて、LDD構造を形成するこ
とができる(図4の(C)参照)。
【0058】[工程−170]次に、全面に絶縁膜を形
成し、異方性ドライエッチング技術に基づき絶縁膜をエ
ッチングして、ゲート電極43の側壁にサイドウオール
44を形成する。次いで、ソース/ドレイン領域45を
形成するために、シリコン半導体基板40に不純物をイ
オン注入法にて注入した後、イオン注入された不純物の
活性化熱処理を行う。その後、全面に絶縁層46をCV
D法にて成膜し、ソース/ドレイン領域45の上方の絶
縁層46に開口部を設け、かかる開口部内を含む絶縁層
46の上に配線材料層をスパッタ法にて形成し、配線材
料層をパターニングすることによって配線47を形成
し、図2の(D)に模式的な一部断面図を示すMOS型
FETを得ることができる。
【0059】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の
形態1の酸化膜の形成方法の変形である。実施の形態2
においては、酸化膜の形成工程において、半導体層の表
面から半導体層を主に構成する原子(実施の形態2にお
いてはSi)が脱離しない温度に雰囲気温度を保持した
状態にて、酸化膜の形成を開始する。尚、半導体層の表
面から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度
は、半導体層表面を終端している原子と半導体層を主に
構成する原子との結合が切断されない温度であり、より
具体的には、半導体層表面のSi−H結合が切断されな
い温度である。
【0060】更には、実施の形態2においては、半導体
層の表面から半導体層を主に構成する原子が脱離しない
温度にて半導体層の表面に酸化膜の形成を開始した後、
所定の期間、半導体層の表面から半導体層を主に構成す
る原子が脱離しない温度範囲に半導体層を保持して酸化
膜を形成する第1の酸化膜形成工程と、半導体層の表面
から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度範囲
よりも高い温度にて、所望の厚さになるまで酸化膜を更
に形成する第2の酸化膜形成工程を含む。
【0061】実施の形態2においても、半導体層をシリ
コン半導体基板40から構成した。また、図1に示した
酸化膜形成装置を使用し、第1の酸化膜形成工程及び第
2の酸化膜形成工程をこの処理室10内で行う。更に
は、第1の酸化膜形成工程及び第2の酸化膜形成工程を
バッチ式にて行う。
【0062】以下、図7〜図10を参照して、実施の形
態2のシリコン酸化膜の形成方法を説明する。また、実
施の形態2における雰囲気温度プロファイルを模式的に
図6の(A)に示す。尚、図6中、半導体層の表面に酸
化膜の形成を開始する時の雰囲気温度の下限値をT1
示し、半導体層の表面から半導体層を主に構成する原子
が脱離しない雰囲気温度の上限値をT2で示す。また、
第2の酸化膜形成工程における雰囲気温度をT3で示
し、熱処理における雰囲気温度をT4で示す。更には、
図6中、実線は酸化膜が形成されている状態を表し、一
点鎖線は、半導体層の表面に酸化膜の形成を開始する雰
囲気温度まで雰囲気温度を昇温する過程、あるいは又、
酸化膜の形成完了後、室温まで雰囲気温度を降温させる
過程を表し、二重線は熱処理工程を表す。図中、「R
T」は室温(常温)を意味する。
【0063】[工程−200]先ず、シリコン半導体基
板に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0064】[工程−210]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図1に示した酸化膜形成装置の基板搬
入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボート24
に載置する(図7の(A)参照)。尚、処理室10へガ
ス導入部12から窒素ガスを導入し、処理室10内を窒
素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、且つ、均熱管16を
介してヒータ14によって処理室10内の雰囲気温度を
400゜Cに保持する。尚、この状態においては、シャ
ッター15は閉じておく。
【0065】[工程−220]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図
示しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21
から窒素ガスを導入し、ガス排気部22から排出し、基
板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とした。尚、基板搬
入出部20内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃
度が例えば100ppm以下となったならば、基板搬入
出部20内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断す
る。その後、シャッター15を開き(図7の(B)参
照)、エレベータ機構23を作動させて石英ボート24
を上昇させ(上昇速度:250mm/分)、シリコン半
導体基板40を石英製の二重管構造の処理室10内に搬
入する(図8の(A)参照)。処理室10内の雰囲気温
度はヒータ14によって400゜Cに保持されているの
で、即ち、半導体層の表面から半導体層を主に構成する
原子が脱離しない温度に雰囲気温度が保持されているの
で、半導体層(実施の形態2においてはシリコン半導体
基板40)の表面に荒れが発生することを抑制すること
ができる。
【0066】[工程−230]次いで、実施の形態1の
[工程−130]と同様に、水蒸気発生装置30に配管
32,34から水素ガス(流量:0.2SLM)及び窒
素ガス(流量:10SLM)を供給する(図8の(B)
参照)。これらのガスは、水蒸気発生装置30、配管3
1、ガス流路11及びガス導入部12を経由して処理室
10内に流入し、ガス排気部13から系外に排出され
る。水素ガスと窒素ガスとの混合ガス中の水素ガス濃度
は2容積%であるが故に、爆鳴気反応が生じることを確
実に防止することができる。また、酸化性ガスである酸
素ガスが存在していないので、半導体層の表面にドライ
酸化膜が形成されることを確実に防ぐことができる。
【0067】[工程−240]次いで、半導体層の表面
から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度に雰
囲気温度を保持した状態にて、酸化膜の形成を開始す
る。そして、半導体層の表面から半導体層を主に構成す
る原子(実施の形態2においてはSi)が脱離しない温
度範囲に半導体層を保持して酸化膜を形成する第1の酸
化膜形成工程を実行する。即ち、実施の形態1の[工程
−140]と同様に、処理室10の雰囲気が十分に水素
ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気となったならば、水
蒸気発生装置30に配管32,34から水素ガス(流
量:0.2SLM)及び窒素ガス(流量:10SLM)
を供給し続けながら、水蒸気発生装置30に配管33か
ら酸素ガス(流量:10SLM)を供給する。これによ
って、水蒸気発生装置30内で水素ガスと酸化性ガスと
が反応して水蒸気が発生する。この水蒸気は、配管3
1、ガス流路11及びガス導入部12を経由して処理室
10内に流入し、半導体層であるシリコン半導体基板4
0の表面が酸化され、半導体層表面に酸化膜(実施の形
態2においてはSiO2膜)が形成される(図9の
(A)参照)。尚、均熱管16を介してヒータ14によ
って処理室10内の雰囲気温度を400゜Cに保持し続
ける。この[工程−240]においては、シリコン半導
体基板40の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜を
形成する。このシリコン酸化膜の厚さはSiO2の数分
子層に相当する厚さであり、シリコン半導体基板の表面
のステップを考慮しても、保護膜として機能するのに十
分な厚さである。
【0068】[工程−250]その後、水蒸気発生装置
30への水素ガス及び酸素ガスの供給を中止し、不活性
ガス(窒素ガス)を、配管34、水蒸気発生装置30、
配管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処
理室10内に導入しながら、酸化膜形成装置の処理室1
0内の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒータ14に
よって800゜Cまで昇温する(図9の(B)参照)。
尚、昇温速度を10゜C/分とした。[工程−240]
にて半導体層の表面には保護膜としても機能する酸化膜
が既に形成されているので、この[工程−250]にお
いて、半導体層(シリコン半導体基板40)の表面に荒
れが発生することはない。
【0069】[工程−260]半導体層の表面から半導
体層を主に構成する原子が脱離しない温度範囲よりも高
い温度(実施の形態2においては800゜C)に処理室
10内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保
持した状態にて、所望の厚さになるまで酸化膜を更に形
成する第2の酸化膜形成工程を実行する。具体的には、
再び、[工程−230]と同様に、水蒸気発生装置30
に配管32,34から水素ガス(流量:0.2SLM)
及び窒素ガス(流量:10SLM)を供給し、処理室1
0の雰囲気を水素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気と
する(図10の(A)参照)。水素ガスと窒素ガスとの
混合ガス中の水素ガス濃度は2容積%であるが故に、爆
鳴気反応が生じることを確実に防止することができる。
その後、水蒸気発生装置30に配管32,34から水素
ガス(流量:0.2SLM)及び窒素ガス(流量:10
SLM)を供給し続けながら、水蒸気発生装置30に配
管33から酸素ガス(流量:10SLM)を供給する。
これによって、発生した水蒸気は、配管31、ガス流路
11及びガス導入部12を経由して処理室10内に流入
し、半導体層であるシリコン半導体基板40の表面が更
に酸化され、半導体層表面に所望の厚さの酸化膜(実施
の形態2においては総厚4.0nmのSiO2膜)が形
成される(図10の(B)参照)。尚、所望の厚さの酸
化膜の形成が完了したときの雰囲気温度(実施の形態2
においては800゜C)は、半導体層の表面に酸化膜の
形成を開始する際の雰囲気温度(実施の形態2において
は400゜C)よりも高い。
【0070】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以
降、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、エレベータ機構23を動作させて石英ボート24を
下降させ、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導
体基板40を搬出する。
【0071】尚、[工程−250]において処理室10
への水蒸気の供給を中止すること無く、酸化膜形成装置
の処理室10内の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒ
ータ14によって800゜Cまで昇温してもよい。
【0072】また、[工程−260]においては、既に
酸化膜が半導体層の表面に形成されているので、酸化性
ガスである酸素ガスが半導体層と接触してもドライ酸化
膜が形成されることがない。従って、処理室10の雰囲
気を水素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気とする代わ
りに、水蒸気発生装置30に配管34から窒素ガス(流
量:10SLM)を供給し続けながら、水蒸気発生装置
30に配管33から酸素ガス(流量:10SLM)を供
給し、その後、水蒸気発生装置30に配管32から水素
ガス(流量:10SLM)を供給して、水蒸気を発生さ
せてもよい。あるいは又、従来のパイロジェニック酸化
法に基づき酸化膜を更に形成してもよい。
【0073】(実施の形態3)実施の形態3は実施の形
態2の酸化膜の形成方法の変形である。実施の形態3に
おいては、実施の形態2の[工程−260]に引き続
き、形成された酸化膜に対して、ハロゲン元素を含有す
る不活性ガス雰囲気(塩化水素を含む窒素ガス雰囲気)
中で熱処理(炉アニール処理)を施す。これによって、
タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊
(TDDB)特性に優れた酸化膜を得ることができる。
【0074】具体的には、実施の形態2の[工程−26
0]の完了後、水蒸気発生装置30への水素ガス及び酸
素ガスの供給を中止し、不活性ガス(窒素ガス)を、配
管34、水蒸気発生装置30、配管31、ガス流路11
及びガス導入部12を介して処理室10内に導入しなが
ら、酸化膜形成装置の処理室10の雰囲気温度をヒータ
14によって850゜Cまで昇温する。その後、塩化水
素を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部12か
ら処理室10内に導入し、30分間、熱処理を行う。以
上により、シリコン半導体基板40の表面におけるシリ
コン酸化膜の形成が完了するので、以降、処理室10内
を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、エレベータ機構
23を動作させて石英ボート24を下降させ、次いで、
図示しない扉を開き、シリコン半導体基板40を搬出す
る。尚、実施の形態3における雰囲気温度プロファイル
を模式的に図6の(B)に示す。
【0075】(実施の形態4)実施の形態4は、本発明
の第2の態様に係る酸化膜の形成方法に関する。即ち、
実施の形態4における酸化膜の形成方法は、(イ)水蒸
気発生装置に水素ガスを含む不活性ガスを導入する工程
と、(ロ)その後、酸化性ガスを水蒸気発生装置に導入
し、水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化性ガスとの反
応によって発生した水蒸気により半導体層の表面を酸化
し、以て半導体層表面に酸化膜を形成する工程から成
り、水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化性ガスとの反
応を、水素ガス及び酸化性ガスへの電磁波の照射に基づ
く反応とした。ここで、電磁波は、2.45GHzのマ
イクロ波とし、酸化性ガスとして酸素ガスを用いる。ま
た、半導体層は、シリコン半導体基板それ自体から構成
されている。形成された酸化膜はゲート酸化膜として機
能する。
【0076】実施の形態4の酸化膜の形成方法の実施に
適した装置の概念図を図13に示す。この装置は、処理
室60と水蒸気発生装置70から構成されている。水蒸
気発生装置70は、石英製の水蒸気発生室71、マイク
ロ波導波管72、及びマイクロ波導波管72に取り付け
られたマグネトロン73から構成されている。マグネト
ロン73においては、周波数2.45GHzのマイクロ
波が生成する。かかるマイクロ波は、マイクロ波導波管
72を介して、水蒸気発生室71に導入される。水蒸気
発生室71には、配管74,75を経由して水素ガス及
び酸素ガスが導入される。水蒸気発生室71に導入され
た水素ガス及び酸素ガスに対してマイクロ波(電磁波)
が照射される。これによって、式(1−1)〜式(1−
4)、及び式(2)に示した反応が進行し、酸素プラズ
マ及び水素プラズマが生成され、式(3)に示した反応
の結果、水蒸気が発生する。水蒸気発生室71の外側に
はヒータ77が配設され、水蒸気発生室71の内部は所
望の温度(例えば、200〜300゜C)に保持され
る。水蒸気発生室71にて発生された水蒸気は、配管7
8から処理室60内に導入される。尚、配管78の外側
には、配管78内での水蒸気の結露を防止するためにヒ
ータ79を配設し、例えば配管78内を200〜300
゜Cに保持することが好ましい。また、不活性ガス(例
えば窒素ガス)を水蒸気発生室71に導入するための配
管76が、水蒸気発生室71に設けられている。
【0077】処理室60内には、石英ボート61、及び
加熱用ランプから成るヒータ62が備えられており、処
理室60内の雰囲気温度を所望の温度とすることができ
る。尚、処理室60内の水蒸気やガスはガス排気部63
から系外に排気される。
【0078】以下、図13に示した酸化膜形成装置を用
いた、実施の形態4の酸化膜の形成方法を説明する。
【0079】[工程−400]先ず、シリコン半導体基
板に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0080】[工程−410]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図13に示した酸化膜形成装置の処理
室60内に搬入し、石英ボート61に載置する。尚、処
理室60へ配管76,78を経由して窒素ガスを導入
し、処理室10内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、且つ、ヒータ62によって処理室60内の雰囲気温
度を予め800゜Cに保持しておく。
【0081】[工程−420]次いで、水蒸気発生室7
1に配管74から水素ガス(流量:0.2SLM)を供
給し、配管76から窒素ガス(流量:10SLM)を供
給する。これらのガスは、配管78を経由して処理室6
0内に流入し、ガス排気部63から系外に排出される。
水素ガスと窒素ガスとの混合ガス中の水素ガス濃度は2
容積%であるが故に、爆鳴気反応が生じることを確実に
防止することができる。また、酸化性ガスである酸素ガ
スが存在していないので、半導体層(実施の形態4にお
いてもシリコン半導体基板40)の表面にドライ酸化膜
が形成されることを確実に防ぐことができる。
【0082】[工程−430]処理室60の雰囲気が十
分に水素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気となったな
らば、水蒸気発生室71に配管74,76から水素ガス
(流量:0.2SLM)及び窒素ガス(流量:10SL
M)を供給し続けながら、水蒸気発生室71に配管75
から酸素ガス(流量:10SLM)を供給する。併せ
て、マグネトロン73にマイクロ波電力を供給し、マグ
ネトロン73にて生成した2.45GHzのマイクロ波
をマイクロ波導波管72を介して水蒸気発生室71に導
入する。これによって、即ち、水素ガス及び酸化性ガス
(実施の形態4においては酸素ガス)に電磁波を照射す
ることによって、上述の式(1−1)〜(1−4)の反
応、及び式(2)、式(3)の反応が生じ、水蒸気が発
生する。発生した水蒸気は配管78を経由して処理室6
0に到達し、ヒータ62によって加熱された半導体層
(具体的にはシリコン半導体基板40)の表面が酸化さ
れる。こうして、半導体層の表面に酸化膜(実施の形態
4においてはSiO2膜)を形成することができる。酸
化膜の形成条件を、以下の表1に例示する。
【0083】
【表1】 マイクロ波電力 :10kW マイクロ波周波数:2.45GHz 酸素ガス流量 :10SLM 水素ガス流量 :0.2SLM 窒素ガス流量 :10SLM
【0084】[工程−440]所望の厚さの酸化膜が形
成されたならば、水蒸気発生室71への水素ガス及び酸
素ガスの供給を中止する。そして、処理室60内を窒素
ガス等の不活性ガス雰囲気とした後、図示しない扉を開
き、シリコン半導体基板40を搬出する。
【0085】(実施の形態5)実施の形態5は、実施の
形態4の酸化膜の形成方法の変形である。実施の形態5
においては、酸化膜の形成工程において、半導体層の表
面から半導体層を主に構成する原子(実施の形態5にお
いてはSi)が脱離しない温度に雰囲気温度を保持した
状態にて、酸化膜の形成を開始する。尚、半導体層の表
面から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度
は、半導体層表面を終端している原子と半導体層を主に
構成する原子との結合が切断されない温度であり、より
具体的には、半導体層表面のSi−H結合が切断されな
い温度である。
【0086】更には、実施の形態5においては、半導体
層の表面から半導体層を主に構成する原子が脱離しない
温度にて半導体層の表面に酸化膜の形成を開始した後、
所定の期間、半導体層の表面から半導体層を主に構成す
る原子が脱離しない温度範囲に半導体層を保持して酸化
膜を形成する第1の酸化膜形成工程と、半導体層の表面
から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度範囲
よりも高い温度にて、所望の厚さになるまで酸化膜を更
に形成する第2の酸化膜形成工程を含む。
【0087】実施の形態5においても、半導体層をシリ
コン半導体基板40から構成した。また、図13に示し
た酸化膜形成装置を使用し、第1の酸化膜形成工程及び
第2の酸化膜形成工程をこの処理室60内で行う。更に
は、第1の酸化膜形成工程及び第2の酸化膜形成工程を
バッチ式にて行う。
【0088】以下、実施の形態5のシリコン酸化膜の形
成方法を説明する。尚、実施の形態5における雰囲気温
度プロファイルは図6の(A)と同様である。
【0089】[工程−500]先ず、シリコン半導体基
板に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0090】[工程−510]次に、複数のシリコン半
導体基板40を、図13に示した処理室60に図示しな
い扉から搬入し、石英ボート61に載置する。尚、処理
室60へ配管76から窒素ガスを導入し、処理室60内
を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、且つ、ヒータ6
2によって処理室60内の雰囲気温度を400゜Cに保
持する。
【0091】[工程−520]そして、処理室60への
シリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示しな
い扉を閉める。処理室60内の雰囲気温度はヒータ62
によって400゜Cに保持されているので、即ち、半導
体層の表面から半導体層を主に構成する原子が脱離しな
い温度に雰囲気温度が保持されているので、半導体層
(実施の形態5においてはシリコン半導体基板40)の
表面に荒れが発生することを抑制することができる。
【0092】[工程−530]次いで、実施の形態4の
[工程−420]と同様に、水蒸気発生室71に配管7
4から水素ガス(流量:0.2SLM)を供給し、配管
76から窒素ガス(流量:10SLM)を供給する。こ
れらのガスは、配管78を経由して処理室60内に流入
し、ガス排気部63から系外に排出される。水素ガスと
窒素ガスとの混合ガス中の水素ガス濃度は2容積%であ
るが故に、爆鳴気反応が生じることを確実に防止するこ
とができる。また、酸化性ガスである酸素ガスが存在し
ていないので、半導体層(実施の形態5においてもシリ
コン半導体基板40)の表面にドライ酸化膜が形成され
ることを確実に防ぐことができる。
【0093】[工程−540]次いで、半導体層の表面
から半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度に雰
囲気温度を保持した状態にて、酸化膜の形成を開始す
る。そして、半導体層の表面から半導体層を主に構成す
る原子(実施の形態5においてはSi)が脱離しない温
度範囲に半導体層を保持して酸化膜を形成する第1の酸
化膜形成工程を実行する。即ち、実施の形態4の[工程
−430]と同様に、処理室60の雰囲気が十分に水素
ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気となったならば、水
蒸気発生室71に配管74,76から水素ガス(流量:
0.2SLM)及び窒素ガス(流量:10SLM)を供
給し続けながら、水蒸気発生室71に配管75から酸素
ガス(流量:10SLM)を供給する。併せて、マグネ
トロン73にマイクロ波電力を供給し、マグネトロン7
3にて生成した2.45GHzのマイクロ波をマイクロ
波導波管72を介して水蒸気発生室71に導入する。こ
れによって、即ち、水素ガス及び酸化性ガス(実施の形
態5においても酸素ガス)に電磁波を照射することによ
って、水蒸気が発生する。発生した水蒸気は配管78を
経由して処理室60に到達し、ヒータ62によって加熱
された半導体層(具体的にはシリコン半導体基板40)
の表面が酸化される。こうして、半導体層の表面に酸化
膜(実施の形態5においてはSiO2膜)を形成するこ
とができる。酸化膜の形成条件は、表1に例示した条件
と同様とすればよい。尚、ヒータ62によって処理室6
0内の雰囲気温度を400゜Cに保持し続ける。この工
程においては、シリコン半導体基板40の表面に厚さ
1.2nmのシリコン酸化膜を形成する。このシリコン
酸化膜の厚さはSiO2の数分子層に相当する厚さであ
り、シリコン半導体基板の表面のステップを考慮して
も、保護膜として機能するのに十分な厚さである。
【0094】[工程−550]その後、水蒸気発生室7
1への水素ガス及び酸素ガスの供給を中止し、不活性ガ
ス(窒素ガス)を、配管76、配管78から処理室60
内に導入しながら、酸化膜形成装置の処理室60内の雰
囲気温度を、ヒータ62によって800゜Cまで昇温す
る。尚、昇温速度を10゜C/分とする。[工程−54
0]にて半導体層の表面には保護膜としても機能する酸
化膜が既に形成されているので、この[工程−550]
において、半導体層(シリコン半導体基板40)の表面
に荒れが発生することはない。
【0095】[工程−560]半導体層の表面から半導
体層を主に構成する原子が脱離しない温度範囲よりも高
い温度(実施の形態5においては800゜C)に処理室
60内の雰囲気温度が達した後、この温度に雰囲気を保
持した状態にて、所望の厚さになるまで酸化膜を更に形
成する第2の酸化膜形成工程を実行する。具体的には、
再び、[工程−540]と同様に、水蒸気発生室71に
配管74,76から水素ガス(流量:0.2SLM)及
び窒素ガス(流量:10SLM)を供給し、処理室60
の雰囲気を水素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気とす
る。水素ガスと窒素ガスとの混合ガス中の水素ガス濃度
は2容積%であるが故に、爆鳴気反応が生じることを確
実に防止することができる。その後、水蒸気発生室71
に配管74,76から水素ガス(流量:0.2SLM)
及び窒素ガス(流量:10SLM)を供給し続けなが
ら、水蒸気発生室71に配管75から酸素ガス(流量:
10SLM)を供給する。これによって、発生した水蒸
気は、配管78を経由して処理室60内に流入し、半導
体層であるシリコン半導体基板40の表面が更に酸化さ
れ、半導体層表面に所望の厚さの酸化膜(実施の形態5
においては総厚4.0nmのSiO2膜)が形成され
る。尚、所望の厚さの酸化膜の形成が完了したときの雰
囲気温度(実施の形態5においては800゜C)は、半
導体層の表面に酸化膜の形成を開始する際の雰囲気温度
(実施の形態5においては400゜C)よりも高い。
【0096】以上により、シリコン半導体基板40の表
面におけるシリコン酸化膜の形成が完了するので、以
降、処理室60内を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気と
し、次いで、図示しない扉を開き、シリコン半導体基板
40を搬出する。
【0097】尚、[工程−550]において処理室60
への水蒸気の供給を中止すること無く、酸化膜形成装置
の処理室60内の雰囲気温度を、ヒータ62によって8
00゜Cまで昇温してもよい。
【0098】また、[工程−560]においては、既に
酸化膜が半導体層の表面に形成されているので、酸化性
ガスである酸素ガスが半導体層と接触してもドライ酸化
膜が形成されることがない。従って、処理室60の雰囲
気を水素ガスと窒素ガスとの混合ガス雰囲気とする代わ
りに、水蒸気発生室71に配管76から窒素ガス(流
量:10SLM)を供給し続けながら、水蒸気発生室7
1に配管75から酸素ガス(流量:10SLM)を供給
し、その後、水蒸気発生室71に配管74から水素ガス
(流量:10SLM)を供給して、水蒸気を発生させて
もよい。あるいは又、従来のパイロジェニック酸化法に
基づき酸化膜を更に形成してもよい。
【0099】(実施の形態6)実施の形態6は実施の形
態5の酸化膜の形成方法の変形である。実施の形態6に
おいては、実施の形態5の[工程−560]に引き続
き、形成された酸化膜に対して、ハロゲン元素を含有す
る不活性ガス雰囲気(塩化水素を含む窒素ガス雰囲気)
中で熱処理(炉アニール処理)を施す。これによって、
タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊
(TDDB)特性に優れた酸化膜を得ることができる。
【0100】具体的には、実施の形態5の[工程−56
0]の完了後、水蒸気発生室71への水素ガス及び酸素
ガスの供給を中止し、不活性ガス(窒素ガス)を、配管
76、配管78から処理室60内に導入しながら、酸化
膜形成装置の処理室60の雰囲気温度をヒータ62によ
って850゜Cまで昇温する。その後、塩化水素を0.
1容量%含有する窒素ガスを配管76、配管78から処
理室60内に導入し、30分間、熱処理を行う。以上に
より、シリコン半導体基板40の表面におけるシリコン
酸化膜の形成が完了するので、以降、処理室60内を窒
素ガス等の不活性ガス雰囲気とし、次いで、図示しない
扉を開き、シリコン半導体基板40を搬出する。尚、実
施の形態6における雰囲気温度プロファイルは、図6の
(B)に示したと同様とすればよい。
【0101】(実施の形態7)実施の形態7は実施の形
態5及び実施の形態6の変形である。実施の形態7の酸
化膜の形成方法の実施に適した酸化膜形成装置の概念図
を図14に示す。この酸化膜形成装置が図13に示した
装置と相違する点は、水蒸気発生装置と処理室とが一体
となった構造を有する点にある。この酸化膜形成装置
は、処理室80と、半導体層(実施の形態7においても
シリコン半導体基板40)を載置するステージ81と、
処理室80の外部に配設された磁石83と、処理室80
の頂部に取り付けられたマイクロ波導波管84と、処理
室80の頂部に配設されたガス導入部86,87から構
成されている。処理室80は、プラズマ発生領域80A
と、反応領域80Bから構成されている。また、シリコ
ン半導体基板40を加熱するための加熱手段82である
ランプがステージ81内に納められている。マイクロ波
導波管84にはマグネトロン85が取り付けられ、マグ
ネトロン85によって2.45GHzのマイクロ波が生
成され、マイクロ波導波管84を介してかかるマイクロ
波は処理室80のプラズマ発生領域80Aに導入され
る。水蒸気発生装置は、プラズマ発生領域80A、マイ
クロ波導波管84及びマグネトロン85から構成されて
いる。更には、ガス導入部86,87のそれぞれから処
理室10内に水素ガス及び酸素ガスが導入される。ま
た、処理室80の側面に配設されたガス導入部88から
処理室80内に不活性ガス(例えば窒素ガス)が導入さ
れる。処理室80内に導入された各種のガスは、処理室
80の下部に設けられたガス排気部89から系外に排気
される。図14に示した酸化膜形成装置は、枚葉方式に
て酸化膜を形成する方法に適した装置であり、ステージ
81には、例えば1枚のシリコン半導体基板40が載置
される。
【0102】実施の形態7においても、半導体層として
シリコン半導体基板を用いた。図14に示した酸化膜形
成装置を用いた実施の形態7の酸化膜の形成方法を、以
下、説明する。
【0103】[工程−700]先ず、シリコン半導体基
板に、実施の形態1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液及び純水によりシリコン半導体基板の
表面洗浄を行い、シリコン半導体基板の表面を露出させ
る。
【0104】[工程−710]次に、シリコン半導体基
板40を、図14に示した酸化膜形成装置に図示しない
扉から搬入し、ステージ81に載置した後、ガス導入部
88から不活性ガス(例えば窒素ガス)を処理室80内
に導入する。そして、加熱手段82によってシリコン半
導体基板40を400゜Cに加熱する。尚、この温度に
おいては、半導体層表面のSi−H結合は切断されな
い。従って、半導体層(実施の形態7においてはシリコ
ン半導体基板40)の表面に凹凸(荒れ)が生じること
がない。
【0105】[工程−720]その後、希釈用ガスとし
ての不活性ガス(例えば窒素ガス。流量10SLM)を
ガス導入部88から処理室80内に導入しながら、ガス
導入部86から処理室80内に流量0.2SLMの水素
ガスを導入する。これによって、水蒸気発生前の処理室
80内における水素ガス濃度は十分に低い値となり、爆
鳴気反応が生じることを確実に防止することができ、し
かも、ドライ酸化膜の形成を確実に防止することができ
る。
【0106】[工程−730]処理室80内の雰囲気が
十分に水素ガス及び不活性ガスとの混合ガス雰囲気とな
った後、ガス導入部88からの不活性ガスの処理室80
内への導入、及びガス導入部86から処理室80内への
水素ガスの導入を継続しながら、ガス導入部87から処
理室80内に例えば流量10SLMの酸素ガスを導入す
る。併せて、マグネトロン85にマイクロ波電力を供給
し、マグネトロン85にて生成した2.45GHzのマ
イクロ波をマイクロ波導波管84を介して処理室80の
プラズマ発生領域80Aに導入する。これによって、即
ち、水素ガス及び酸化性ガスに電磁波を照射することに
よって、上述の式(1−1)〜(1−4)の反応、及び
式(2)、式(3)の反応が生じ、水蒸気が発生する。
発生した水蒸気は処理室80の下方に位置する反応領域
80Bに到達し、加熱手段82によって加熱された半導
体層(具体的にはシリコン半導体基板40)の表面が酸
化される。こうして、半導体層の表面に酸化膜(実施の
形態7においてはシリコン酸化膜)を形成することがで
きる。酸化膜の形成条件は、表1と同様とすればよい。
尚、この工程において、厚さ1nmの酸化膜を形成す
る。
【0107】[工程−740]その後、マグネトロン8
5へのマイクロ波電力の供給、処理室80への水素ガス
及び酸素ガスの導入を中止し、ガス導入部88からの不
活性ガスの処理室80内への導入を継続しながら、加熱
手段82によってシリコン半導体基板を800゜Cまで
昇温する。尚、半導体層の表面に既に酸化膜が形成され
ているので、この昇温工程において半導体層の表面に凹
凸(荒れ)が生じることがない。次いで、再び、ガス導
入部86及びガス導入部87から処理室80内に水素ガ
ス及び酸素ガスを導入する。併せて、再び、マグネトロ
ン85にマイクロ波電力を供給し、マグネトロン85に
て生成した2.45GHzのマイクロ波をマイクロ波導
波管84を介して処理室80のプラズマ発生領域80A
に導入する。これによって、即ち、水素ガス及び酸素ガ
スに電磁波を照射することによって、上述の式(1−
1)〜(1−4)の反応、及び式(2)、式(3)の反
応が生じ、水蒸気が発生する。発生した水蒸気は処理室
80の下方に位置する反応領域80Bに到達し、加熱手
段82によって加熱された半導体層(具体的にはシリコ
ン半導体基板)の表面を更に酸化する。こうして、半導
体層の表面に総厚4nmの酸化膜(実施の形態7におい
てはSiO2膜)を形成する。酸化膜の形成条件を、以
下の表2に例示する。
【0108】
【表2】 マイクロ波電力 :10kW マイクロ波周波数:2.45GHz 酸素ガス流量 :10SLM 水素ガス流量 :0.2SLM 不活性ガス流量 :10SLM 基板温度 :800゜C
【0109】その後、酸化膜形成装置の処理室80から
半導体層を搬出してもよいが、一層高い特性を有する酸
化膜の形成を意図する場合には、以下に説明する熱処理
を酸化膜に施すことが好ましい。即ち、[工程−74
0]に引き続き、マグネトロン85へのマイクロ波電力
の供給、処理室80への水素ガス及び酸素ガスの導入を
中止し、ガス導入部88からの不活性ガスの処理室80
内への導入を継続しながら、加熱手段82によってシリ
コン半導体基板を850゜Cまで昇温する。次いで、塩
化水素ガスを0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入
部88から処理室80内に導入し、5分間、熱処理を行
う。これによって、タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特
性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性に優れた酸化膜を
得ることができる。
【0110】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明した酸化膜形成装置は例
示であり、適宜設計変更することができる。また、発明
の実施の形態にて説明した水蒸気の発生条件や酸化条件
も例示であり、必要に応じて適宜変更し得る。
【0111】本発明の第1の態様に係る酸化膜の形成方
法の実施に適した酸化膜形成装置の変形を図11及び図
12に示す。図11に示す酸化膜形成装置は、処理室5
0と、半導体層を加熱するための加熱手段である抵抗加
熱ヒータ51とを備えている。処理室50は石英炉心管
から成り、半導体層に酸化膜を形成するためにその内部
に半導体層(具体的には、例えばシリコン半導体基板)
を収納する。加熱手段である抵抗加熱ヒータ51は、処
理室50の外側に配設されており、且つ、半導体層の表
面と略平行に配設されている。半導体層(例えばシリコ
ン半導体基板40)は、ウエハ台52に載置され、処理
室50の一端に設けられたゲートバルブ53を介して、
処理室50内に搬入出される。酸化膜形成装置には、処
理室50へ水蒸気等を導入するためのガス導入部54
と、処理室50からガスを排気するガス排気部55が更
に備えられている。図11に示した酸化膜形成装置は、
枚葉方式にて酸化膜を形成する方法に適した装置であ
り、ウエハ台52には、例えば1枚のシリコン半導体基
板40が載置される。半導体層(具体的には、例えばシ
リコン半導体基板)の温度は、図示しない熱電対によっ
て測定することができる。尚、実施の形態1と同様の構
造を有する水蒸気発生装置で水素ガスと酸化性ガスとを
反応させることによって発生した水蒸気により半導体層
の表面を酸化し、以て半導体層表面に酸化膜を形成す
る。尚、水蒸気発生装置、及び水蒸気発生装置とガス導
入部54とを結ぶ配管の図示は省略した。
【0112】あるいは又、図12に模式図を示す形式の
横型方式の酸化膜形成装置を用いることもできる。この
図12に示した横型方式の酸化膜形成装置においては、
加熱手段は、赤外線若しくは可視光を発する複数のラン
プ51Aから構成されている。また、図示しないパイロ
メータによってシリコン半導体基板の温度を測定する。
その他の構造は、基本的には、図11に示した酸化膜形
成装置と同様とすることができるので、詳細な説明は省
略する。これらの図11あるいは図12に示した酸化膜
形成装置を用いた酸化膜の形成方法、水蒸気の発生条
件、酸化膜の形成条件は、実質的には実施の形態1〜実
施の形態3にて説明した酸化膜の形成方法と同様とする
ことができるので、詳細な説明は省略する。
【0113】本発明の第2の態様に係る酸化膜の形成方
法の実施に適した酸化膜形成装置の変形を図15に示
す。この酸化膜形成装置が図13に示した装置と相違す
る点は、処理室60の外側にヒータ62が配設されてい
る代わりに、処理室60内に加熱用ランプ65が配設さ
れている点にある。図15に示した酸化膜形成装置は、
枚葉方式にて酸化膜を形成する方法に適した装置であ
り、基板載置台64には、例えば1枚のシリコン半導体
基板40が載置される。その他の構造は、図13に示し
た装置と同様であるので、詳細な説明は省略する。ま
た、図15に示した酸化膜形成装置を用いた酸化膜の形
成方法、水蒸気の発生条件、酸化膜の形成条件は、実質
的には実施の形態4〜実施の形態6にて説明した酸化膜
の形成方法と同様とすることができるので、詳細な説明
は省略する。
【0114】実施の形態3、実施の形態6あるいは実施
の形態7において、不活性ガス(例えば窒素ガス)をガ
ス導入部や配管から処理室内に導入しつつ半導体層の温
度を加熱手段によって850゜Cまで昇温したが、その
代わりに、例えば塩化水素ガスを0.1容量%含有する
不活性ガス(例えば窒素ガス)をガス導入部や配管から
処理室内に導入しつつ、半導体層の温度を加熱手段によ
って850゜Cまで昇温してもよい。
【0115】発明の実施の形態においては、専らシリコ
ン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成したが、本
発明の酸化膜の形成方法に基づき、基板の上に成膜され
たエピタキシャルシリコン層にシリコン酸化膜を形成す
ることもできるし、基板の上に形成された絶縁層の上に
成膜されたポリシリコン層あるいはアモルファスシリコ
ン層等の表面にシリコン酸化膜を形成することもでき
る。あるいは又、SOI構造におけるシリコン層の表面
にシリコン酸化膜を形成してもよいし、半導体素子や半
導体素子の構成要素が形成された基板やこれらの上に成
膜されたシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成して
もよい。更には、半導体素子や半導体素子の構成要素が
形成された基板やこれらの上に成膜された下地絶縁層の
上に形成されたシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形
成してもよい。
【0116】あるいは又、発明の実施の形態において
0.1%フッ化水素酸水溶液及び純水により半導体層の
表面洗浄を行った後、半導体層を酸化膜形成装置に搬入
したが、半導体層の表面洗浄から酸化膜形成装置への搬
入までの雰囲気を、不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲
気としてもよい。尚、このような雰囲気は、例えば、半
導体層の表面洗浄装置の雰囲気を不活性ガス雰囲気と
し、且つ、不活性ガスが充填された搬送用ボックス内に
半導体層(例えばシリコン半導体基板)を納めて酸化膜
形成装置に搬入する方法や、図16に模式図を示すよう
に、表面洗浄装置、酸化膜形成装置、搬送路、ローダー
及びアンローダーから構成されたクラスターツール装置
を用い、表面洗浄装置から酸化膜形成装置までを搬送路
で結び、かかる表面洗浄装置、搬送路及び酸化膜形成装
置の処理室の雰囲気を不活性ガス雰囲気とする方法によ
って達成することができる。
【0117】あるいは又、0.1%フッ化水素酸水溶液
及び純水により半導体層の表面洗浄を行う代わりに、表
3に例示する条件にて、無水フッ化水素ガスを用いた気
相洗浄法によって半導体層の表面洗浄を行ってもよい。
尚、パーティクルの発生防止のためにメタノールを添加
する。あるいは又、表4に例示する条件にて、塩化水素
ガスを用いた気相洗浄法によって半導体層の表面洗浄を
行ってもよい。尚、半導体層の表面洗浄開始前あるいは
表面洗浄完了後における表面洗浄装置内の雰囲気や搬送
路等内の雰囲気は、不活性ガス雰囲気としてもよいし、
例えば1.3×10-1Pa(10-3Torr)程度の真空雰
囲気としてもよい。尚、搬送路等内の雰囲気を真空雰囲
気とする場合には、半導体層を搬入する際の酸化膜形成
装置の基板搬入出部あるいは処理室の雰囲気を例えば
1.3×10-1Pa(10-3Torr)程度の真空雰囲気と
しておき、半導体層の搬入完了後、基板搬入出部あるい
は処理室の雰囲気を不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲
気とすればよい。
【0118】
【表3】 無水フッ化水素ガス:300SCCM メタノール蒸気 :80SCCM 窒素ガス :1000SCCM 圧力 :0.3Pa 温度 :60゜C
【0119】
【表4】 塩化水素ガス/窒素ガス:1容量% 温度 :800゜C
【0120】これらの方法を採用することによって、酸
化膜の形成前に半導体層の表面を汚染等の無い状態に保
つことができる結果、形成された酸化膜中に水分や有機
物、あるいは又、例えばSi−OHが取り込まれ、形成
された酸化膜の特性が低下しあるいは欠陥部分が発生す
ることを、効果的に防ぐことができる。
【0121】
【発明の効果】本発明の酸化膜の形成方法においては、
酸化膜を形成する前に半導体層が酸化性ガスと接触する
ことが無いので、半導体層の表面にドライ酸化膜が形成
されることを確実に防止することができる。しかも、水
蒸気を用いた酸化法によって酸化膜を形成するので、優
れた経時絶縁破壊(TDDB)特性を有する酸化膜を得
ることができる。また、触媒作用に基づき水素ガスと酸
化性ガスを反応させて水蒸気を発生させ、あるいは又、
例えば酸素プラズマと水素プラズマとの反応に基づき水
蒸気を発生させれば、水素ガス濃度が十分に低くとも水
蒸気を発生させることができる結果、水素ガスによる爆
鳴気反応が生じることを確実に防止することができるば
かりか、酸化膜の形成を安定した状態で、且つ、酸化速
度を制御・抑制した状態にて行うことが可能となり、極
薄の酸化膜を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る酸化膜の形成方法の
実施に適した酸化膜形成装置の模式的な断面図である。
【図2】発明の実施の形態1の酸化膜の形成方法を説明
するためのシリコン半導体基板等の模式的な一部断面図
である。
【図3】発明の実施の形態1の酸化膜の形成方法を説明
するための酸化膜形成装置等の概念図である。
【図4】図3に引き続き、発明の実施の形態1の酸化膜
の形成方法を説明するための酸化膜形成装置等の概念図
である。
【図5】図4に引き続き、発明の実施の形態1の酸化膜
の形成方法を説明するための酸化膜形成装置等の概念図
である。
【図6】発明の実施の形態2及び発明の実施の形態5、
並びに発明の実施の形態3及び発明の実施の形態6にお
ける雰囲気温度プロファイルである。
【図7】発明の実施の形態2における酸化膜の形成方法
を説明するための酸化膜形成装置等の概念図である。
【図8】図7に引き続き、発明の実施の形態2における
酸化膜の形成方法を説明するための酸化膜形成装置等の
概念図である。
【図9】図8に引き続き、発明の実施の形態2における
酸化膜の形成方法を説明するための酸化膜形成装置等の
概念図である。
【図10】図9に引き続き、発明の実施の形態2におけ
る酸化膜の形成方法を説明するための酸化膜形成装置等
の概念図である。
【図11】本発明の第1の態様に係る酸化膜の形成方法
の実施に適した酸化膜形成装置の変形の模式的な断面図
である。
【図12】本発明の第1の態様に係る酸化膜の形成方法
の実施に適した酸化膜形成装置の変形の模式的な断面図
である。
【図13】本発明の第2の態様に係る酸化膜の形成方法
の実施に適した酸化膜形成装置の変形例の模式的な断面
図である。
【図14】本発明の第2の態様に係る酸化膜の形成方法
の実施に適した酸化膜形成装置の変形の模式的な断面図
である。
【図15】本発明の第2の態様に係る酸化膜の形成方法
の実施に適した酸化膜形成装置の変形の模式的な断面図
である。
【図16】クラスターツール装置の模式図である。
【図17】従来の縦型方式のシリコン酸化膜形成装置
(熱酸化炉)の模式的な断面図である。
【図18】従来のシリコン酸化膜の形成方法を説明する
ためのシリコン酸化膜形成装置等の模式的な断面図であ
る。
【図19】図18に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【図20】図19に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【図21】図20に引き続き、従来のシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜形成装置等の
模式的な断面図である。
【符号の説明】
10・・・処理室、11・・・ガス流路、12・・・ガ
ス導入部、13・・・ガス排気部、14・・・ヒータ、
15・・・シャッター、16・・・均熱管、20・・・
基板搬入出部、21・・・ガス導入部、22・・・ガス
排気部、23・・・エレベータ機構、24・・・石英ボ
ート、30・・・水蒸気発生装置、31,32,33,
34・・・配管、31,131・・・配管、40・・・
シリコン半導体基板、41・・・素子分離領域、42・
・・酸化膜、43・・・ゲート電極、50・・・処理
室、51・・・抵抗加熱ヒータ、51A・・・ランプ、
52・・・ウエハ台、53・・・ゲートバルブ、54・
・・ガス導入部、55・・・ガス排気部、60・・・処
理室、61・・・石英ボート、62・・・ヒータ、63
・・・ガス排気部、70・・・水蒸気発生装置、71・
・・水蒸気発生室、72・・・マイクロ波導波管、73
・・・マグネトロン、74,75,76,78・・・配
管、77,79・・・ヒータ、80・・・処理室、80
A・・・プラズマ発生領域、80B・・・反応領域、8
1・・・ステージ、82・・・加熱手段、83・・・磁
石、84・・・マイクロ波導波管、85・・・マグネト
ロン、86,87,88・・・ガス導入部、89・・・
ガス排気部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)水蒸気発生装置に水素ガスを含む不
    活性ガスを導入する工程と、 (ロ)その後、酸化性ガスを該水蒸気発生装置に導入
    し、該水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化性ガスとの
    反応によって発生した水蒸気により半導体層の表面を酸
    化し、以て半導体層表面に酸化膜を形成する工程、から
    成ることを特徴とする酸化膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化
    性ガスとの反応は、触媒作用に基づく反応であることを
    特徴とする請求項1に記載の酸化膜の形成方法。
  3. 【請求項3】前記水蒸気発生装置内での水素ガスと酸化
    性ガスとの反応は、水素ガス及び酸化性ガスへの電磁波
    の照射に基づく反応であることを特徴とする請求項1に
    記載の酸化膜の形成方法。
  4. 【請求項4】電磁波はマイクロ波であることを特徴とす
    る請求項3に記載の酸化膜の形成方法。
  5. 【請求項5】工程(イ)における水素ガス濃度は、空気
    中若しくは酸素ガス中での燃焼範囲以下の濃度であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の酸化膜の形成方法。
  6. 【請求項6】酸化性ガスは、酸素ガス、NOガス又はN
    2Oガスであることを特徴とする請求項1に記載の酸化
    膜の形成方法。
  7. 【請求項7】工程(ロ)において、半導体層の表面から
    半導体層を主に構成する原子が脱離しない温度に雰囲気
    温度を保持した状態にて、酸化膜の形成を開始すること
    を特徴とする請求項1に記載の酸化膜の形成方法。
  8. 【請求項8】半導体層の表面から半導体層を主に構成す
    る原子が脱離しない温度は、半導体層表面を終端してい
    る原子と半導体層を主に構成する原子との結合が切断さ
    れない温度であることを特徴とする請求項7に記載の酸
    化膜の形成方法。
  9. 【請求項9】半導体層を主に構成する原子はSiである
    ことを特徴とする請求項8に記載の酸化膜の形成方法。
  10. 【請求項10】半導体層の表面から半導体層を主に構成
    する原子が脱離しない温度は、半導体層表面のSi−H
    結合が切断されない温度であることを特徴とする請求項
    9に記載の酸化膜の形成方法。
  11. 【請求項11】半導体層の表面から半導体層を主に構成
    する原子が脱離しない温度は、半導体層表面のSi−F
    結合が切断されない温度であることを特徴とする請求項
    9に記載の酸化膜の形成方法。
  12. 【請求項12】工程(ロ)において、酸化膜の形成が完
    了したときの半導体層の温度を、酸化膜の形成を開始す
    る際の半導体層の温度よりも高くすることを特徴とする
    請求項7に記載の酸化膜の形成方法。
  13. 【請求項13】工程(ロ)の完了後、形成された酸化膜
    に熱処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の酸化
    膜の形成方法。
  14. 【請求項14】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有
    する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項1
    3に記載の酸化膜の形成方法。
  15. 【請求項15】ハロゲン元素は塩素であることを特徴と
    する請求項14に記載の酸化膜の形成方法。
  16. 【請求項16】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガ
    ス中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容
    量%であることを特徴とする請求項15に記載の酸化膜
    の形成方法。
  17. 【請求項17】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項13に記載の酸化膜の
    形成方法。
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