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JPH11136004A - 誘電体フィルタ、デュプレクサ及び通信機装置 - Google Patents

誘電体フィルタ、デュプレクサ及び通信機装置

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Publication number
JPH11136004A
JPH11136004A JP10194388A JP19438898A JPH11136004A JP H11136004 A JPH11136004 A JP H11136004A JP 10194388 A JP10194388 A JP 10194388A JP 19438898 A JP19438898 A JP 19438898A JP H11136004 A JPH11136004 A JP H11136004A
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JP
Japan
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dielectric
resonator
conductor
dielectric filter
block
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JP10194388A
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Hitoshi Tada
斉 多田
Hideyuki Kato
英幸 加藤
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP98115531A priority patent/EP0899806B1/en
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Priority to US09/141,986 priority patent/US6087911A/en
Priority to KR1019980035179A priority patent/KR100317468B1/ko
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    • H01P1/208Cascaded cavities; Cascaded resonators inside a hollow waveguide structure
    • H01P1/2084Cascaded cavities; Cascaded resonators inside a hollow waveguide structure with dielectric resonators

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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体ブロックの外形や寸法を変えることな
く、隣り合う誘電体共振器間の結合を簡単に調整するこ
とができる誘電体フィルタを得る。 【解決手段】 共振器孔13a,13bによりそれぞれ
構成された誘電体共振器16a,16bは、誘電体ブロ
ック12の端面12aを開放面、端面12bを短絡面と
している。外導体15は、誘電体ブロック12の端面1
2b(短絡面)上の部分が、共振器孔13a,13bを
略矩形に囲む帯状の導体非形成部19によって、共振器
孔13a,13bを内側に含む内側部21と、この内側
部21の周囲に配設された周辺部22とに電気的に分離
されている。そして、内側部21と周辺部22は、導体
パターン23にて電気的に接続している。二つの誘電体
共振器16a,16bは、その短絡面側が導体パターン
23が有する微小インダクタンスを介してアースに接続
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体フィルタ、
デュプレクサ及び通信機装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、単一の誘電体ブロックに複数
の誘電体共振器を設けた誘電体フィルタとして、例えば
図21に示すものが知られている。この誘電体フィルタ
は、誘電体ブロック1の互いに対向する端面1a,1b
を貫通して二つの共振器孔2a,2bを設けたものであ
る。誘電体ブロック1の外面の略全面には、外導体5が
形成されている。1対の入出力電極6,6は、この外導
体5に対して所定の間隔を確保して、外導体5に非導通
の状態で誘電体ブロック1の外面に形成されている。共
振器孔2a,2bの略内周全面には内導体7が形成され
ており、共振器孔2a,2bの手前側の開口内に延在し
ている外導体5との間にギャップ8を設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の誘電
体フィルタでは、隣り合う共振器孔2aと2bとの間の
電磁界結合強度の強さを調整するためには、共振器孔2
a,2b間の軸間距離を変えたり、誘電体ブロックの外
形寸法を変えたりしなければならなかった。そのため、
誘電体ブロックを製造するための金型を種々の寸法で製
作しておく必要があり、誘電体共振器の電磁界結合強度
の調整が煩雑で、設計変更に対して柔軟性が欠けるばか
りでなく、誘電体フィルタの製造コストも高くなるとい
った問題があった。
【0004】そこで、本発明の目的は、誘電体ブロック
の外形や寸法を変えることなく、隣り合う誘電体共振器
間の電磁界結合強度を簡単に調整することができる誘電
体フィルタ、デュプレクサ及び通信機装置を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】以上の目的を達
成するため、本発明に係る誘電体フィルタは、誘電体ブ
ロックの第1の端面が誘電体共振器の短絡面であり、該
短絡面上の外導体を、互いに隣接する共振器孔を略囲む
帯状の導体非形成部によって、前記互いに隣接する共振
器孔を内側に含む内側部と、この内側部の周囲に配設さ
れた周辺部とに電気的に分離し、前記内側部と周辺部と
を微小インダクタンス発生手段にて接続したことを特徴
とする。ここに、微小インダクタンス発生手段は、例え
ば導体パターンや金属リード線である。また、帯状の導
体非形成部が共振器孔を略囲むという意味は、導体非形
成部が完全に共振器孔を囲む場合と、僅かな一部分を残
して導体非形成部が共振器孔を囲む場合との両方が含ま
れるという意味である。
【0006】以上の構成により、短絡面上の外導体の内
側部に含まれた互いに隣接する共振器孔をそれぞれ有し
た、互いに隣接する誘電体共振器は、その短絡端側が微
小インダクタンス発生手段を介して共にアースに接続さ
れる。つまり、互いに隣接する誘電体共振器は、微小イ
ンダクタンス発生手段により相互に結合される。従っ
て、微小インダクタンス発生手段のインダクタンスを変
化させることにより、互いに隣接する誘電体共振器の結
合度が調整される。
【0007】また、本発明に係る誘電体フィルタは、微
小インダクタンス発生手段が、互いに隣接する共振器孔
のそれぞれから略等しい距離の位置に配設されている。
これにより、微小インダクタンス発生手段は、互いに隣
接する共振器孔によりそれぞれ形成される2個の誘電体
共振器に対して均等に作用する。
【0008】また、本発明に係る誘電体フィルタは、共
振器孔のうち少なくとも一つの共振器孔が段差部を有し
ていることを特徴とする。ここに、段差部は、例えば共
振器孔を大径孔部とこの大径孔部に連通した小径孔部と
で構成することにより、大径孔部と小径孔部との境界部
分に形成される。あるいは、共振器孔を横断面の形状が
異なる少なくとも二つの連通された部分で構成すること
により、横断面の形状が異なる境界部分に段差部が形成
される。これらの段差により誘電体共振器の共振器長が
長くなり、誘電体共振器の結合もコントロールされる。
【0009】さらに、本発明に係る誘電体フィルタは、
第2の端面が誘電体共振器の開放面であり、この第2の
端面上に内導体又は外導体のいずれか一方から延在した
周波数微調整用パターンを設けたことを特徴とする。こ
こに、周波数微調整は、例えば中心周波数や帯域幅の微
調整である。微調整用パターンは、隣接する誘電体共振
器の内導体との間の結合容量及び各誘電体共振器と外導
体との間の容量の一部を構成する。従って、微調整用パ
ターンの形状を変化させることにより、互いに隣接する
誘電体共振器の結合容量及び誘電体共振器の共振周波数
を変化させることができる。
【0010】さらに、本発明に係る誘電体フィルタは、
誘電体ブロックの第2の端面上に外導体を延在させて、
共振器孔の内部にて内壁面に形成された内導体との間に
ギャップを設けたことを特徴とする。これにより、誘電
体共振器の開放端が共振器孔内部に形成される。
【0011】また、本発明に係るデュプレクサは、前述
の特徴を有する誘電体フィルタの少なくともいずれか一
つを備えていることを特徴とする。デュプレクサは、無
線通信機器の送信系の誘電体フィルタと受信系の誘電体
フィルタとから構成される。送信系の誘電体フィルタ
は、無線通信機器の送信回路系から出力される信号を所
定の周波数及び帯域幅を有する送信信号としてアンテナ
に供給する。一方、受信系の誘電体フィルタは、アンテ
ナから受信回路系に供給される信号から所定の周波数を
有する信号を選択して、受信回路系に供給する。送信系
及び受信系の誘電体フィルタを構成している誘電体共振
器の結合は微小インダクタンス発生手段により調整され
る。
【0012】また、本発明に係る通信機装置は、前述の
特徴を有する誘電体フィルタやデュプレクサの少なくと
もいずれか一つを備えることにより、誘電体ブロックの
形状や寸法等を変えることなく、誘電体共振器の結合を
簡単かつ広範囲に調整することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る誘電体フィル
タ、デュプレクサ及び通信機装置の実施形態について添
付図面を参照して説明する。
【0014】[第1実施形態、図1及び図2]本発明に
係る誘電体フィルタの一実施形態を図1及び図2に示
す。誘電体フィルタ11は、直方体形状を有する単一の
誘電体ブロック12を備え、誘電体ブロック12は、そ
の互いに対向する端面12a,12bの一方から他方に
それぞれ貫通する二つの共振器孔13a,13bを有す
る。図1は誘電体フィルタ11を端面12b側から見た
斜視図であり、図2は誘電体フィルタ11を端面12a
側から見た斜視図である。これら二つの共振器孔13
a,13bは、その軸が互いに平行になるように誘電体
ブロック12に形成されている。二つの共振器孔13
a,13bの内壁面にはそれぞれ内導体14が形成され
ている。誘電体ブロック12は、端面12aを残して、
外壁面に外導体15、入力電極17及び出力電極18が
形成されている。共振器孔13a,13bのそれぞれの
内導体14は、端面12aで外導体15から電気的に開
放(分離)され、端面12bで外導体15に電気的に短
絡(導通)されている。
【0015】共振器孔13aとその内壁面に形成された
内導体14は、誘電体ブロック12及び外導体15とと
もに、一つの1/4波長(λ/4)の誘電体共振器16
aを構成している。同様に、共振器孔13bとその内壁
面に形成された内導体14は、誘電体ブロック12及び
外導体15とともに、いま一つの1/4波長(λ/4)
の誘電体共振器16bを構成している。誘電体共振器1
6a、16bは、それぞれ誘電体ブロック12の端面1
2aを開放面、端面12bを短絡面としている。誘電体
ブロック12は、これら誘電体共振器16a,16bが
λ/4共振器として動作するようにするため、端面12
aと端面12bとの間の距離(いわゆる誘電体共振器1
6a,16bの長さ)Dが1/4波長に等しくなるよう
に設定されている。
【0016】入力電極17及び出力電極18は、誘電体
ブロック12の端面12a寄りの位置に、外導体15に
対して所定の間隔を確保して、外導体15に非導通の状
態で形成されている。入力電極17と誘電体共振器16
aの内導体14との間、並びに、出力電極18と誘電体
共振器16bの内導体14との間には、それぞれ外部結
合容量Ceが形成される。
【0017】外導体15は、誘電体ブロック12の端面
12b(短絡面)上の部分が、共振器孔13a,13b
を略矩形に囲む帯状の導体非形成部19によって、共振
器孔13a,13bを内側に含む内側部21と、この内
側部21の周囲に配設された周辺部22とに電気的に分
離されている。すなわち、第1実施形態は、導体非形成
部19が僅かな一部分を残して、共振器孔13a,13
bを囲む例である。そして、内側部21と周辺部22
は、導体パターン23にて電気的に接続している。導体
パターン23は、二つの共振器孔13a,13bのそれ
ぞれから略等しい距離に位置している。この導体パター
ン23は、外導体15の形成の際に併せて形成される。
【0018】以上の構成を有する図1及び図2の誘電体
フィルタ11は、図3に実線で示すような等価回路を有
する。即ち、二つの誘電体共振器16a,16bは、そ
の短絡面側が導体パターン23が有する微小インダクタ
ンスを介してアースに接続される。また、誘電体共振器
16aの開放面側が外部結合容量Ceにより入力電極1
7に接続され、誘電体共振器16bの開放面側が外部結
合容量Ceにより出力電極18に接続される。
【0019】導体パターン23は、その厚みや形状及び
寸法によってインダクタンスが決まる。従って、導体パ
ターン23の厚みや形状もしくは図1においてWで示す
幅等を変えることにより、隣接する誘電体共振器16
a,16bの結合を調整することができる。
【0020】表1は、誘電体ブロック12の誘電率Er
が92、誘電体共振器16a,16bのインピーダンス
Zaが10.7Ω、誘電体共振器16a,16bの長さ
Dが8mmである場合の、導体パターン23のインダク
タンスと二つの誘電体共振器16a,16bの結合度k
の関係を示したものである。図4は表1をグラフにプロ
ットしたものである。
【0021】
【表1】
【0022】表1及び図4から、導体パターン23のイ
ンダクタンスが0.01nHから0.9nHまで変化す
ると、結合度kが0.6パーセントから45.0パーセ
ントに増加することが分かる。一方、既に述べたよう
に、導体パターン23の厚みや形状もしくは寸法を変化
させれば、そのインダクタンスが変化する。導体パター
ン23の厚みや形状もしくは寸法は、導体パターン23
を削る等の簡単な手法で変化させることができる。従っ
て、誘電体共振器16a,16bの結合度kを簡単に調
整することができる。
【0023】[第2実施形態、図5]本発明に係る誘電
体フィルタの別の実施形態を図5に示す。誘電体フィル
タ31は、図1及び図2にて説明した誘電体フィルタ1
1において、導体パターン23に代えて、誘電体ブロッ
ク12の端面12b(短絡面)上で分離されている外導
体15の内側部21と周辺部22とを、金属リード線2
4によって接続したものである。端面12b上の外導体
15は、共振器孔13a,13bを完全に囲む矩形環状
の導体非形成部19によって、共振器孔13a,13b
を内側に含む内側部21と、この内側部21の周囲に配
設された周辺部22とに電気的に分離されている。金属
リード線24は、その断面積や長さを変化させたり、屈
曲させることにより、そのインダクタンスが変化する。
従って、金属リード線24を屈曲させる等により、誘電
体共振器16a,16bの結合度kを簡単に調整するこ
とができる。なお、図5において、図1及び図2に対応
する部分には対応する符号を付して示し、重複した説明
は省略する。
【0024】[第3実施形態、図6]本発明に係るデュ
プレクサの一実施形態を図6に示す。デュプレクサ32
は無線通信機器のアンテナと送信回路系及び受信回路系
との間に介装されるものである。このデュプレクサ32
は、無線通信機器のアンテナと送信回路系との間に介装
される送信系の誘電体フィルタ11Tと、アンテナと受
信回路系との間に介装される受信系の誘電体フィルタ1
1Rとが、単一の誘電体ブロック41に構成されてい
る。送信系の誘電体フィルタ11T及び受信系の誘電体
フィルタ11Rの各々は、図1及び図2において説明し
た誘電体フィルタ11と同様の構成を有している。
【0025】すなわち、デュプレクサ32は単一の誘電
体ブロック41を備え、誘電体ブロック41は、その互
いに対向する端面41a,41bの一方から他方にそれ
ぞれ貫通する四つ共振器孔13aT,13bT,13a
R,13bRを有する。これら四つの共振器孔13aT
〜13bRは、誘電体ブロックの長手方向に一列に並
び、かつその軸が互いに平行となるように誘電体ブロッ
ク41に形成されている。四つの共振器孔13aT〜1
3bRの内壁面にはそれぞれ内導体14が形成されてい
る。誘電体ブロック41は、奥側の端面41aを残し
て、外壁面に外導体15、送信回路接続電極Tx、受信
回路接続電極Rx及びアンテナ接続電極ANTが形成さ
れている。共振器孔13aT〜13bRのそれぞれの内
導体14は、端面41aで外導体15から電気的に開放
(分離)され、端面41bで外導体15に電気的に短絡
(導通)されている。
【0026】共振器孔13aTとその内壁面に形成され
た内導体14は、誘電体ブロック41及び外導体15と
ともに一つの1/4波長の誘電体共振器16aTを構成
している。同様に、共振器孔13aTに隣接した共振器
孔13bTとその内壁面に形成された内導体14は、誘
電体ブロック41及び外導体15とともに、いま一つの
1/4波長の誘電体共振器16bTを構成している。こ
れら二つの誘電体共振器16aT,16bTは、送信系
の誘電体フィルタ11Tを構成している。
【0027】受信系の誘電体共振器16aR,16bR
も、送信系の誘電体共振器11Tの二つの誘電体共振器
16aT,16bTと全く同じ構成を有する。これら二
つの誘電体共振器16aR,16bRは、受信系の誘電
体フィルタ11Rを構成している。
【0028】外導体15は、誘電体ブロック41の端面
41b(短絡面)上の部分が、送信系の誘電体共振器1
1Tの共振器孔13aT,13bTを略矩形に囲む帯状
の導体非形成部19Tによって、共振器孔13aT,1
3bTを内側に含む内側部21と、この内側部21の周
囲に配設された周辺部22とに電気的に分離されてい
る。すなわち、第3実施形態の導体非形成部19Tは、
僅かな一部分を残して、共振器孔13aT,13bTを
囲むものである。そして、内側部21と周辺部22は、
導体パターン23Tにて電気的に接続している。導体パ
ターン23Tは、二つの共振器孔13aT,13bTの
それぞれから略等しい距離に位置している。
【0029】さらに、外導体15は、誘電体ブロック4
1の端面41b(短絡面)上の部分が、受信系の誘電体
共振器11Rの共振器孔13aR,13bRを略矩形に
囲む帯状の導体非形成部19Rによって、共振器孔13
aR,13bRを内側に含む内側部21と、この内側部
21の周囲に配設された周辺部22とに電気的に分離さ
れている。すなわち、第3実施形態の導体非形成部19
Rは、僅かな一部分を残して、共振器孔13aR,13
bRを囲むものである。そして、内側部21と周辺部2
2は、導体パターン23Rにて電気的に接続している。
導体パターン23Rは、二つの共振器孔13aR,13
bRのそれぞれから略等しい距離に位置している。
【0030】送信回路接続電極Tx及び受信回路接続電
極Rxは、誘電体ブロック41の端面41a寄りの位置
に、外導体15に対して所定の間隔を確保して、外導体
15に非導通の状態で形成されている。送信回路接続電
極Txと誘電体共振器16bTの内導体14との間、並
びに、受信回路接続電極Rxと誘電体共振器16aRの
内導体14との間に、それぞれ外部結合容量Ceが形成
される。さらに、アンテナに接続されるアンテナ接続電
極ANTは、誘電体ブロック41の端面41b中央部の
位置に、外導体15に対して所定の間隔を確保して、外
導体15に非導通の状態で形成されている。つまり、ア
ンテナ接続電極ANTは、送信系の誘電体フィルタ11
Tと受信系の誘電体フィルタ11Rとの間に設けられて
いる。そして、アンテナ接続電極ANTには励振用穴4
2が設けられ、その励振用穴42の内壁面に内導体が形
成されている。送信系の誘電体フィルタ11Tの誘電体
共振器16aTとアンテナ接続電極ANTの励振用穴4
2との間、並びに、受信系の誘電体フィルタ11Rの誘
電体共振器16bRとアンテナ接続電極ANTの励振用
穴42との間は、それぞれ電磁界結合している。
【0031】以上の構成を有する図6のデュプレクサ3
2では、送信系の誘電体フィルタ11Tを構成している
二つの誘電体共振器16aT,16bTは、その短絡面
側が導体パターン23Tが有する微小インダクタンスを
介してアースに接続される。また、受信系の誘電体フィ
ルタ11Rを構成している二つの誘電体共振器16a
R,16bRもその短絡面側が導体パターン23Rが有
する微小インダクタンスを介してアースに接続される。
従って、導体パターン23Tの形状、寸法等を変えるこ
とにより、送信系の誘電体フィルタ11Tを構成してい
る誘電体共振器16aT,16bTの結合度kを調整す
ることができる。また、いま一つの導体パターン23R
の形状、寸法等を変えることにより、受信系の誘電体フ
ィルタ11Rを構成している誘電体共振器16aR,1
6bRの結合度kを調整することができる。
【0032】[第4実施形態、図7及び図8]本発明に
かかる誘電体フィルタの別の実施形態を図7及び図8に
示す。図7は誘電体フィルタ33を端面12a(開放面
12a)側から見た斜視図であり、図8は誘電体フィル
タ33を端面12b(短絡面12b)側から見た斜視図
である。誘電体フィルタ33は、その中心周波数及び帯
域幅を微調整するため、図1及び図2にて説明した誘電
体フィルタ11において、図7に示すように、誘電体フ
ィルタ33の開放面12a側に、共振器孔13a,13
bの内導体14,14にそれぞれ導通する微調整用パタ
ーン43a,43b及び外導体15に導通する微調整用
パターン44を形成してなるものである。
【0033】図8に示すように、外導体15は、誘電体
ブロック12の短絡面12b上の部分が、共振器孔13
a,13bを略矩形に囲む帯状の導体非形成部19によ
って、共振器孔13a,13bを内側に含む内側部21
と、この内側部21の周囲に配設された周辺部22とに
電気的に分離されている。そして、内側部21と周辺部
22は、導体パターン23にて電気的に接続している。
なお、図7及び図8において、図1及び図2に対応する
部分には対応する符号を付して示し、重複した説明は省
略する。
【0034】この構成を有する誘電体フィルタ33で
は、導体パターン23の形状や寸法等を変えることによ
り二つの誘電体共振器16a,16bの結合度kを調整
することができるが、微調整用パターン43a,43b
の間の静電容量は、二つの誘電体共振器16a,16b
の結合容量の一部を構成している。従って、微調整用パ
ターン43a,43bの互いに対向する突出部m1とm
1の間隔を変化させたり、微調整用パターン43a,4
3bの突出部m1とm1が対向する部分に張り出してい
る微調整用パターン44の突出部m3の張り出し量を変
化させることにより、二つの誘電体共振器16a,16
bの結合を微調整することができ、帯域幅を調整するこ
とができる。また、微調整用パターン43a,43bの
突出部m2,m2と微調整用パターン44との間隔を調
整することにより、誘電体共振器16a,16bの中心
周波数を調整することができる。
【0035】[第5実施形態、図9及び図10]本発明
にかかる誘電体フィルタのさらに別の実施形態を図9及
び図10に示す。図9は誘電体フィルタ34を端面12
a(開放面12a)側から見た斜視図であり、図10は
誘電体フィルタ34を端面12b(短絡面12b)側か
ら見た斜視図である。誘電体フィルタ34は、図1及び
図2にて説明した誘電体フィルタ11において、誘電体
共振器16a,16bの共振器孔13a,13bを、そ
れぞれ開放面12a側に配設した横断面矩形の部分と、
この横断面矩形の部分に連通しかつ短絡面12b側に配
設した横断面円形の部分とで構成したものである。
【0036】横断面矩形の部分と横断面円形の部分の境
界部には、段差部45が形成されている。段差部45の
形成位置は、共振器孔13a,13bの軸方向に任意で
ある。図10に示すように、外導体15は、誘電体ブロ
ック12の短絡面12b上の部分が、共振器孔13a,
13bを略矩形に囲む帯状の導体非形成部19によっ
て、共振器孔13a,13bを内側に含む内側部21
と、この内側部21の周囲に配設された周辺部22とに
電気的に分離されている。そして、内側部21と周辺部
22は、導体パターン23にて電気的に接続している。
なお、図9及び図10において、図1及び図2に対応す
る部分には対応する符号を付して、重複した説明は省略
する。
【0037】このような構成を有する誘電体フィルタ3
4では、共振器孔13a,13bの段差部45により、
隣接する誘電体共振器16a,16bの結合度kをコン
トロールすることができるばかりでなく、誘電体共振器
16a,16bの共振器長を変えることもできる。
【0038】[第6実施形態、図11]本発明に係る誘
電体フィルタのさらに別の実施形態を図11に示す。誘
電体フィルタ35は、二つの1/2波長の誘電体共振器
46a,46bから構成されている。単一の誘電体ブロ
ック12’には、二つの共振器孔13a’,13b’が
形成されている。共振器孔13a’とその内壁面に形成
された内導体14’は、誘電体ブロック12’及び外導
体15’とともに、一つの1/2波長(λ/2)の誘電
体共振器46aを構成している。同様に、共振器孔13
b’とその内壁面に形成された内導体14’は、誘電体
ブロック12’及び外導体15’とともに、いま一つの
1/2波長(λ/2)の誘電体共振器46bを構成して
いる。誘電体共振器46a、46bは、それぞれ誘電体
ブロック12’の二つの端面12a’,12b’を短絡
面としている。誘電体ブロック12’は、これら誘電体
共振器46a,46bがλ/2共振器として動作するよ
うにするため、端面12a’と端面12b’との間の距
離(いわゆる誘電体共振器46a,46bの長さ)が1
/2波長に等しくなるように設定されている。
【0039】入力電極17’及び出力電極18’は、誘
電体ブロック12’の両端面12a’と12b’の中間
位置に、外導体15’に対して所定の間隔を確保して、
外導体15’に非導通の状態で形成されている。入力電
極17’と誘電体共振器46aの内導体14’との間、
並びに、出力電極18’と誘電体共振器46bの内導体
14’との間には、それぞれ外部結合容量Ceが形成さ
れる。
【0040】外導体15’は、誘電体ブロック12’の
端面12b’(短絡面)上の部分が、共振器孔13
a’,13b’を略矩形に囲む帯状の導体非形成部19
によって、共振器孔13a’,13b’を内側に含む内
側部21と、この内側部21の周囲に配設された周辺部
22とに電気的に分離されている。すなわち、第6実施
形態は、導体非形成部19が僅かな一部分を残して、共
振器孔13a’,13b’を囲む例である。そして、内
側部21と周辺部22は、導体パターン23にて電気的
に接続している。導体パターン23は、二つの共振器孔
13a’,13b’のそれぞれから略等しい距離に位置
している。この導体パターン23は、外導体15’の形
成の際に併せて形成される。さらに、外導体15’は、
誘電体ブロック12’の端面12a’(短絡面)上の部
分においても前記と同様に、導体非形成部19が、形成
される。
【0041】以上の構成を有する図11の誘電体フィル
タ35は、導体パターン23の厚みや形状及び寸法によ
ってインダクタンスが決まる。従って、導体パターン2
3の厚みや形状もしくは幅等を変えることにより、隣接
する誘電体共振器46a,46bの結合を調整すること
ができる。従って、導体パターン23のインダクタンス
を変化させることにより、誘電体ブロック12’の形状
や寸法等を変えることなく、誘電体共振器46a,46
bの結合を簡単かつ広範囲に調整することができる。ま
た、誘電体ブロック12’は外導体15’によってほぼ
全面が覆われているので、誘電体フィルタ35から周囲
への高周波のリークが少なくなる。
【0042】[第7実施形態、図12及び図13]本発
明にかかる誘電体フィルタのさらに別の実施形態を図1
2及び図13に示す。図12は誘電体フィルタ36を端
面12a(開放面12a)側から見た斜視図であり、図
13は誘電体フィルタ36を端面12b(短絡面12
b)側から見た斜視図である。誘電体フィルタ36は、
誘電体ブロック12の互いに対向する端面12a,12
bを貫通して二つの共振器孔13a,13bを設けたも
のである。誘電体ブロック12の外面の略全面には、外
導体15が形成されている。入力電極17及び出力電極
18は、この外導体15に対して所定の間隔を確保し
て、外導体15に非導通の状態で誘電体ブロック12の
外面に形成されている。共振器孔13a,13bの略内
周全面にはそれぞれ内導体14が形成されている。この
内導体14は、誘電体ブロック12の端面12a側(開
放面12a)において、共振器孔13a,13bの開口
内に延在している外導体15との間にギャップ51を設
けている。
【0043】外導体15は、誘電体ブロック12の端面
12b(短絡面12b)上の部分が、共振器孔13a,
13bを略矩形に囲む帯状の導体非形成部19によっ
て、共振器孔13a,13bを内側に含む内側部21
と、この内側部21の周囲に配設された周辺部22とに
電気的に分離されている。そして、内側部21と周辺部
22は、導体パターン23にて電気的に接続している。
以上の構成を有する誘電体フィルタ36は、導体パター
ン23の厚みや形状及び寸法によってインダクタンスが
決まる。従って、導体パターン23の厚みや形状もしく
は幅等を変えることにより、隣接する誘電体共振器16
a,16bの結合を調整することができる。また、誘電
体ブロック12は外導体15によってほぼ全面が覆われ
ているので、誘電体フィルタ36から周囲への高周波の
リークが少なくなる。なお、図12及び図13において
も、図1及び図2と対応する部分には対応する符号を付
して示し、重複した説明は省略する。
【0044】[第8実施形態、図14及び図15]本発
明にかかる誘電体フィルタのさらに別の実施形態を図1
4及び図15に示す。図14は誘電体フィルタ37を端
面12a(開放面12a)側から見た斜視図であり、図
15は誘電体フィルタ37を端面12b(短絡面12
b)側から見た斜視図である。誘電体フィルタ37は、
図1及び図2にて説明した誘電体フィルタ11におい
て、入力電極17及び出力電極18が誘電体共振器16
a,16bの開放端側で内導体14に直接、接続される
ようにしたものである。これら入力電極17及び出力電
極18は、外導体15に対して所定の間隔を確保して、
外導体15に非導通の状態で誘電体ブロック12の外面
に形成されている。
【0045】外導体15は、誘電体ブロック12の端面
12b(短絡面12b)上の部分が、共振器孔13a,
13bを略矩形に囲む帯状の導体非形成部19によっ
て、共振器孔13a,13bを内側に含む内側部21
と、この内側部21の周囲に配設された周辺部22とに
電気的に分離されている。そして、内側部21と周辺部
22は、導体パターン23にて電気的に接続している。
【0046】以上の構成を有する誘電体フィルタ37で
は、図3に点線で示すように、誘電体共振器16aは入
力電極17に直接接続され、誘電体共振器16bは出力
電極18に直接、接続されており、外部回路のインピー
ダンスZ0と誘電体共振器16a,16bのインピーダ
ンスZaとの差によって発生するQe(=πZ0/4Z
a)によって外部結合する。そして二つの誘電体共振器
16a,16bは、導体パターン23の形状や寸法等を
変化させることにより、誘電体共振器の結合度kを簡単
に調整することができる。なお、図14及び図15にお
いても、図1及び図2に対応する部分には対応する符号
を付して示し、重複した説明は省略する。
【0047】[第9実施形態、図16]本発明にかかる
誘電体フィルタのさらに別の実施形態を図16に示す。
図16は誘電体フィルタ38を端面12b(短絡面12
b)側から見た斜視図である。誘電体フィルタ38は、
図1及び図2にて説明した誘電体フィルタ11におい
て、誘電体ブロック12の端面12b(短絡面12b)
に凹部48を設け、この凹部48に共振器孔13a,1
3bの短絡側開口部が形成されている。
【0048】外導体15は、端面12b(短絡面12
b)の部分において、凹部48の内側壁に共振器孔13
a,13bを略囲むように設けた帯状の導体非形成部1
9によって、共振器孔13a,13bを内側に含む内側
部21と、この内側部21の周囲に配設された周辺部2
2とに電気的に分離されている。そして、内側部21と
周辺部22は、導体パターン23にて電気的に接続して
いる。
【0049】以上の構成を有する誘電体フィルタ38に
おいて、誘電体共振器16a,16bの短絡面が、誘電
体ブロック12の端面12bから後退しているため、誘
電体フィルタ38内に発生した高周波が外部へリークし
にくくなる。また、外部環境からの高周波によって誘電
体フィルタ38が受ける影響も低減される。
【0050】[第10実施形態、図17]第10実施形
態は、本発明に係る通信機装置の一実施形態を示すもの
で、携帯電話を例にして説明する。
【0051】図17は携帯電話120のRF部分の電気
回路ブロック図である。図17において、122はアン
テナ素子、123はデュプレクサ、131は送信側アイ
ソレータ、132は送信側増幅器、133は送信側段間
用バンドパスフィルタ、134は送信側ミキサ、135
は受信側増幅器、136は受信側段間用バンドパスフィ
ルタ、137は受信側ミキサ、138は電圧制御発振装
置(VCO)、139はローカル用バンドパスフィルタ
である。
【0052】ここに、デュプレクサ123として、例え
ば前記第3実施形態のデュプレクサ32を使用すること
ができる。また、送信側段間用バンドパスフィルタ13
3、受信側段間用バンドパスフィルタ136及びローカ
ル用バンドパスフィルタ139として、例えば前記第
1、第2、第4〜第9実施形態の誘電体フィルタ11,
31,33〜38を使用することができる。これらのフ
ィルタ11,31,33〜38やデュプレクサ32を実
装することにより、誘電体共振器の電磁界結合強度の調
整が簡単で、設計変更に対して柔軟に対応でき、製造コ
ストの安価な携帯電話120を実現することができる。
【0053】[他の実施形態]なお、本発明に係る誘電
体フィルタ、デュプレクサ及び通信機装置は前記実施形
態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に
変更することができる。
【0054】例えば、誘電体フィルタやデュプレクサの
共振器孔の形状や径は、個々に異なってもよい。つま
り、一つの誘電体フィルタ内に設けられた複数の共振器
孔が、個々にその形状や径を異ならせていたり、デュプ
レクサの送信系の誘電体フィルタの共振器孔と受信系の
誘電体フィルタの共振器孔との間で相互にその形状や径
が異なっていてもよい。さらに、誘電体フィルタやデュ
プレクサの小型化のために、共振器孔を大径孔部とこの
大径孔部に連通する小径孔部にて構成し、大径孔部と小
径孔部の境界に段差部を設け、内導体の導体路長を長く
するようにしてもよい。
【0055】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。前
記第8実施形態における図14及び図15の構成を有す
る誘電体フィルタ37を製作し、図3において矢印S1
1及びS21で示されるように流れるマイクロ波エネル
ギーのS行列(散乱マトリックス)要素S11及びS2
1を測定した。その結果を図18に示す。測定結果か
ら、誘電体フィルタ37は、所定の周波数の信号を通過
させるバンドパスフィルタとして機能していることがわ
かった。
【0056】また、前記第8実施形態の誘電体フィルタ
37において、図15においてP1の位置に導体パター
ン23を形成する代わりにP2の位置に導体パターン2
3を形成した誘電体フィルタと、図15においてP1の
位置に導体パターン23を形成する代わりにP3及びP
4で示す二つの位置に導体パターン23を形成した誘電
体フィルタとをそれぞれ製作し、そのS行列成分S11
及びS12を測定した。その結果を図19及び図20に
示す。測定結果から、いずれの誘電体フィルタ37も、
所定の周波数の信号を通過させるバンドパスフィルタと
して機能していることがわかった。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、誘電体ブロックの第1の端面が誘電体共振器
の短絡面であり、該短絡面上の外導体を、共振器孔のう
ち互いに隣接する共振器孔を略囲む帯状の導体非形成部
によって、互いに隣接する共振器孔を内側に含む内側部
と、この内側部の周囲に配設された周辺部とに電気的に
分離し、内側部と周辺部とを微小インダクタンス発生手
段にて接続したことにより、互いに隣接する誘電体共振
器が微小インダクタンス発生手段により相互に結合され
る。従って、微小インダクタンス発生手段のインダクタ
ンスを変化させることにより、誘電体ブロックの形状や
寸法等を変えることなく、誘電体共振器の結合を簡単か
つ広範囲に調整することができる。
【0058】また、微小インダクタンス発生手段を、互
いに隣接する共振器孔のそれぞれから略等しい距離の位
置に配設したことにより、微小インダクタンス発生手段
のインダクタンスはこれら共振器孔により形成される誘
電体共振器に対して均等に作用し、誘電体共振器の結合
度をより効果的に調節することができる。
【0059】さらに、微小インダクタンス発生手段を、
導体パターンや金属リード線により形成すれば、その厚
みや形状及び寸法を変えることにより、誘電体ブロック
の形状や寸法を変えることなく、隣接する誘電体共振器
の結合を簡単に調整することができる。
【0060】また、互いに隣接する共振器孔のうち少な
くとも一つの共振器孔が内部に段差部を有していること
により、段差部の位置調整によって、誘電体共振器の共
振器長を調整したり、誘電体共振器の結合を微調整する
ことができる。
【0061】さらに、誘電体ブロックの第2の端面を誘
電体共振器の開放面とし、この開放面上に内導体又は外
導体のいずれか一方から延在した周波数微調整用パター
ンを設けることにより、この周波数微調整用パターン
は、隣接する誘電体共振器の内導体との間の結合容量及
び各誘電体共振器と外導体との間の容量の一部を構成す
る。従って、周波数微調整用パターンの形状を変化させ
ると、互いに隣接する誘電体共振器の結合容量及び誘電
体共振器の共振周波数が変化し、結合度や共振周波数を
簡単に微調整することができる。
【0062】また、誘電体ブロックの第2の端面上に外
導体を延在させて、共振器孔の内部にて内壁面に形成さ
れた内導体との間にギャップを設けることにより、誘電
体共振器の開放端を共振器孔内部に形成することができ
る。
【0063】さらに、デュプレクサを構成している送信
系及び受信系の誘電体フィルタの誘電体共振器の結合を
微小インダクタンス発生手段により調整するようにすれ
ば、送信系の誘電体フィルタ及び受信系の誘電体フィル
タの誘電体共振器の結合を、誘電体ブロックの形状や寸
法等を変えることなく簡単かつ広範囲に調整することが
できる。
【0064】また、本発明に係る通信機装置は、前述の
特徴を有する誘電体フィルタやデュプレクサを少なくと
もいずれか一つを備えることにより、誘電体ブロックの
形状や寸法等を変えることなく、誘電体共振器の結合を
簡単かつ広範囲に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誘電体フィルタの一実施形態を短
絡面側から見た斜視図。
【図2】図1の誘電体フィルタを開放面側から見た斜視
図。
【図3】図1の誘電体フィルタの等価回路図。
【図4】図1の誘電体フィルタの誘電体共振器の結合度
の測定結果を示すグラフ。
【図5】本発明に係る誘電体フィルタの別の実施形態を
短絡面側から見た斜視図。
【図6】本発明に係るデュプレクサの一実施形態を示す
斜視図。
【図7】本発明に係る誘電体フィルタの別の実施形態を
開放面から見た斜視図。
【図8】図7の誘電体フィルタを短絡面側から見た斜視
図。
【図9】本発明に係る誘電体フィルタのさらに別の実施
形態を開放面側から見た斜視図。
【図10】図9の誘電体フィルタを短絡面側から見た斜
視図。
【図11】本発明に係る誘電体フィルタのさらに別の実
施形態を示す斜視図。
【図12】本発明に係る誘電体フィルタのさらに別の実
施形態を開放面側から見た斜視図。
【図13】図12の誘電体フィルタを短絡面側から見た
斜視図。
【図14】本発明に係る誘電体フィルタのさらに別の実
施形態を開放面側から見た斜視図。
【図15】図14の誘電体フィルタを短絡面側から見た
斜視図。
【図16】本発明に係る誘電体フィルタのさらに別の実
施形態を短絡面側から見た斜視図。
【図17】本発明に係る通信機装置の一実施形態を示す
ブロック図。
【図18】図14及び図15の構成を有する誘電体フィ
ルタの通過及び反射特性を示すグラフ。
【図19】図14及び図15の構成を有する誘電体フィ
ルタにおいて、導体パターンの位置を変えたときの通過
及び反射特性を示すグラフ。
【図20】図14及び図15の構成を有する誘電体フィ
ルタにおいて、導体パターンの位置をさらに変えたとき
の通過及び反射特性を示すグラフ。
【図21】従来の誘電体フィルタの斜視図。
【符号の説明】
11,11T,11R…誘電体フィルタ 12,12’…誘電体ブロック 12a,12b,12a’,12b’…端面 13a,13b,13a’,13b’…共振器孔 13aT,13bT,13aR,13bR…共振器孔 14,14’…内導体 15,15’…外導体 16a,16b…誘電体共振器 16aT,16bT,16aR,16bT…誘電体共振
器 17,17’…入力電極 18,18’…出力電極 19…導体非形成部 21…内側部 22…周辺部 23,23T,23R…導体パターン(微小インダクタ
ンス発生手段) 24…金属リード線(微小インダクタンス発生手段) 31…誘電体フィルタ 32…デュプレクサ 33〜37…誘電体フィルタ 41…誘電体ブロック 41a,41b…端面 43a,43b,44…微調整用パターン 45…段差部 46a,46b…誘電体共振器 120…携帯電話 123…デュプレクサ 133…送信側段間用バンドパスフィルタ 136…受信側段間用バンドパスフィルタ 139…ローカル用バンドパスフィルタ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体ブロックの第1の端面から該第1
    の端面に対向した第2の端面に貫通する複数個の共振器
    孔を有し、該共振器孔の内壁面に内導体を形成するとと
    もに、前記誘電体ブロックの外面に外導体を形成して、
    前記誘電体ブロック内に複数の誘電体共振器を構成した
    誘電体フィルタにおいて、 前記誘電体ブロックの第1の端面が前記誘電体共振器の
    短絡面であり、該短絡面上の外導体を、前記共振器孔の
    うち互いに隣接する共振器孔を略囲む帯状の導体非形成
    部によって、前記互いに隣接する共振器孔を内側に含む
    内側部と、この内側部の周囲に配設された周辺部とに電
    気的に分離し、前記内側部と周辺部とを微小インダクタ
    ンス発生手段にて接続したことを特徴とする誘電体フィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 前記微小インダクタンス発生手段が、前
    記互いに隣接する共振器孔のそれぞれから略等しい距離
    の位置に配設されていることを特徴とする請求項1記載
    の誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記微小インダクタンス発生手段が導体
    パターンであることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記微小インダクタンス発生手段が金属
    リード線であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の誘電体フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記互いに隣接する共振器孔のうち少な
    くとも一つの共振器孔が内部に段差部を有していること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4記載の誘電体フィ
    ルタ。
  6. 【請求項6】 前記誘電体ブロックの第2の端面が前記
    誘電体共振器の開放面であり、この開放面上に前記内導
    体又は前記外導体のいずれか一方から延在した周波数微
    調整用パターンを設けたことを特徴とする請求項1ない
    し請求項5記載の誘電体フィルタ。
  7. 【請求項7】 前記誘電体ブロックの第2の端面上に外
    導体を延在させて、前記共振器孔の内部にて内壁面に形
    成された内導体との間にギャップを設けたことを特徴と
    する請求項1ないし請求項5記載の誘電体フィルタ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7記載の誘電体フ
    ィルタの少なくともいずれか一つを備えていることを特
    徴とするデュプレクサ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項7記載の誘電体フ
    ィルタ、又は、請求項8記載のデュプレクサの少なくと
    もいずれか一つを備えていることを特徴とする通信機装
    置。
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