JPH1111933A - 非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法 - Google Patents
非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法Info
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- JPH1111933A JPH1111933A JP18457297A JP18457297A JPH1111933A JP H1111933 A JPH1111933 A JP H1111933A JP 18457297 A JP18457297 A JP 18457297A JP 18457297 A JP18457297 A JP 18457297A JP H1111933 A JPH1111933 A JP H1111933A
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- alkali metal
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルカリ土類金属イオン捕捉能と吸油能が大
きく界面活性剤をよく含浸し、洗剤用ビルダーに好適な
非晶質アルミノシリケート粉末の製造法の提供。 【解決手段】 非晶質アルミノシリケートのスラリーを
合成後、含有水分を有機溶媒で置換した後に150℃以
下で乾燥して非晶質アルミノシリケート粉末を製造す
る。
きく界面活性剤をよく含浸し、洗剤用ビルダーに好適な
非晶質アルミノシリケート粉末の製造法の提供。 【解決手段】 非晶質アルミノシリケートのスラリーを
合成後、含有水分を有機溶媒で置換した後に150℃以
下で乾燥して非晶質アルミノシリケート粉末を製造す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗剤、特に衣料用
洗剤、食器用洗剤、洗顔洗身用洗剤又は工業用洗剤等へ
配合する洗剤用ビルダーとして好適なアルカリ土類金属
イオン捕捉能と吸油性とに優れた、アルカリ土類金属イ
オン捕捉剤として使用できる、X線回折装置で測定した
ときに実質的に非晶質であるアルミノシリケート(この
明細書全体を通して、これを単に「非晶質アルミノシリ
ケート」と称する)粉末の製造方法に関する。
洗剤、食器用洗剤、洗顔洗身用洗剤又は工業用洗剤等へ
配合する洗剤用ビルダーとして好適なアルカリ土類金属
イオン捕捉能と吸油性とに優れた、アルカリ土類金属イ
オン捕捉剤として使用できる、X線回折装置で測定した
ときに実質的に非晶質であるアルミノシリケート(この
明細書全体を通して、これを単に「非晶質アルミノシリ
ケート」と称する)粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、洗剤用ビルダーとして用いられて
いるNaA型ゼオライトはアルカリ土類金属イオン捕捉
能が大きいことから、アニオン系界面活性剤との混合ス
ラリーをスプレードライする方法で粒状の洗剤に配合さ
れている。しかしながら、このNaA型ゼオライトは、
その吸油量が40g/100g程度のため、ノニオン系
界面活性剤と混練して洗剤に配合する場合には、ホワイ
トカーボンのようなアルカリ土類金属イオン捕捉能は持
たないものの、吸油量の大きい材料を添加しなければ粒
状洗剤にならなかった。
いるNaA型ゼオライトはアルカリ土類金属イオン捕捉
能が大きいことから、アニオン系界面活性剤との混合ス
ラリーをスプレードライする方法で粒状の洗剤に配合さ
れている。しかしながら、このNaA型ゼオライトは、
その吸油量が40g/100g程度のため、ノニオン系
界面活性剤と混練して洗剤に配合する場合には、ホワイ
トカーボンのようなアルカリ土類金属イオン捕捉能は持
たないものの、吸油量の大きい材料を添加しなければ粒
状洗剤にならなかった。
【0003】このために洗剤のコンパクト化が難しいと
いう欠点があった。上記した問題点を解決する手段とし
て、非晶質アルミノシリケートが使用されつつあるが、
これまでの非晶質アルミノシリケートは、水分を含有し
た状態で乾燥して粉末化しており、この非晶質アルミノ
シリケートのアルカリ土類金属イオン捕捉能と吸油性
は、洗剤に配合してアルカリ土類金属イオン捕捉剤とし
て使用するには、その性能が必ずしも満足できるものと
はいえず、この両性能がさらに優れた非晶質アルミノシ
リケートの製造・開発が求められていた。
いう欠点があった。上記した問題点を解決する手段とし
て、非晶質アルミノシリケートが使用されつつあるが、
これまでの非晶質アルミノシリケートは、水分を含有し
た状態で乾燥して粉末化しており、この非晶質アルミノ
シリケートのアルカリ土類金属イオン捕捉能と吸油性
は、洗剤に配合してアルカリ土類金属イオン捕捉剤とし
て使用するには、その性能が必ずしも満足できるものと
はいえず、この両性能がさらに優れた非晶質アルミノシ
リケートの製造・開発が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、この問
題を解決すべく研究を進める過程において、意外にも乾
燥手段を工夫することで、アルカリ土類金属イオン捕捉
能と吸油能が従前の方法で得られたものに比し、優れた
ものが得られることを見い出し、この発明をなしたもの
である。したがって、この発明は、この両性能に関し優
れた特性を持つ非晶質アルミノシリケートの製造方法を
提供することを目的とするものである。
題を解決すべく研究を進める過程において、意外にも乾
燥手段を工夫することで、アルカリ土類金属イオン捕捉
能と吸油能が従前の方法で得られたものに比し、優れた
ものが得られることを見い出し、この発明をなしたもの
である。したがって、この発明は、この両性能に関し優
れた特性を持つ非晶質アルミノシリケートの製造方法を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の優れた
性質を有する非晶質アルミノシリケートを提供するもの
であり、まず第一に非晶質アルミノシリケートのスラリ
ーを合成後、含有水分を有機溶媒で置換した後に150
℃以下で乾燥する非晶質アルミノシリケート粉末の製造
方法を、第二に、使用する有機溶媒が表面張力が50d
yn/cm以下の脂肪族および/または芳香族の液体で
ある非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法を、第三
に、有機溶媒中の水が10重量%以下であることを特徴
とする非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法を提供
する。
性質を有する非晶質アルミノシリケートを提供するもの
であり、まず第一に非晶質アルミノシリケートのスラリ
ーを合成後、含有水分を有機溶媒で置換した後に150
℃以下で乾燥する非晶質アルミノシリケート粉末の製造
方法を、第二に、使用する有機溶媒が表面張力が50d
yn/cm以下の脂肪族および/または芳香族の液体で
ある非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法を、第三
に、有機溶媒中の水が10重量%以下であることを特徴
とする非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法を提供
する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記した問題を解
決するために、非晶質アルミノシリケートスラリーの粉
末化における乾燥時のアルカリ土類金属捕捉能と吸油能
に与える影響について鋭意検討を重ねた。その結果、含
有水分を好ましくは表面張力が50dyn/cm以下の
脂肪族および/または芳香族の有機溶媒で置換した後に
150℃以下の温度で乾燥することにより、合成スラリ
ーのまま乾燥した場合に比べ、アルカリ土類金属捕捉能
と吸油能の両性能が従前のものに比し、高いものが得ら
れることを見出したものである。
決するために、非晶質アルミノシリケートスラリーの粉
末化における乾燥時のアルカリ土類金属捕捉能と吸油能
に与える影響について鋭意検討を重ねた。その結果、含
有水分を好ましくは表面張力が50dyn/cm以下の
脂肪族および/または芳香族の有機溶媒で置換した後に
150℃以下の温度で乾燥することにより、合成スラリ
ーのまま乾燥した場合に比べ、アルカリ土類金属捕捉能
と吸油能の両性能が従前のものに比し、高いものが得ら
れることを見出したものである。
【0007】すなわち、合成スラリーのまま乾燥を行う
と得られた非晶質アルミノシリケート粉末は、アルカリ
土類金属捕捉能と吸油能が低いのに対し、含有水分を上
記有機溶媒に置換した後に乾燥すると、アルカリ土類金
属捕捉能が高く、吸油能も大きい非晶質アルミノシリケ
ート粉末が容易に得られることを見い出し、本発明に至
ったものである。また得られたアルミノシリケートは、
凝集も起きておらず、含水状態で乾燥した場合のように
凝集を招くこともない。
と得られた非晶質アルミノシリケート粉末は、アルカリ
土類金属捕捉能と吸油能が低いのに対し、含有水分を上
記有機溶媒に置換した後に乾燥すると、アルカリ土類金
属捕捉能が高く、吸油能も大きい非晶質アルミノシリケ
ート粉末が容易に得られることを見い出し、本発明に至
ったものである。また得られたアルミノシリケートは、
凝集も起きておらず、含水状態で乾燥した場合のように
凝集を招くこともない。
【0008】以下、本発明の非晶質アルミノシリケート
の製造方法について更に詳しく説明する。本発明の非晶
質アルミノシリケートは、ケイ酸アルカリ金属塩水溶液
とアルミン酸アルカリ金属塩水溶液とを混合し、反応さ
せることによって製造するのが好ましい。ケイ酸アルカ
リ金属塩としては、ケイ酸ナトリウム、またはケイ酸カ
リウムなどが使用できる。アルミン酸アルカリ金属塩と
しては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムな
どが使用できる。
の製造方法について更に詳しく説明する。本発明の非晶
質アルミノシリケートは、ケイ酸アルカリ金属塩水溶液
とアルミン酸アルカリ金属塩水溶液とを混合し、反応さ
せることによって製造するのが好ましい。ケイ酸アルカ
リ金属塩としては、ケイ酸ナトリウム、またはケイ酸カ
リウムなどが使用できる。アルミン酸アルカリ金属塩と
しては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムな
どが使用できる。
【0009】ケイ酸アルカリ金属塩水溶液またはアルミ
ン酸アルカリ金属塩水溶液には、必要に応じてアルカリ
金属の水酸化物水溶液を混合してもよい。また、ケイ酸
アルカリ金属塩水溶液とアルミン酸アルカリ金属塩水溶
液の混合の際に水酸化アルカリ金属塩水溶液を混合して
もよい。アルカリ金属の水酸化物水溶液としては水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどが使用できる。
ン酸アルカリ金属塩水溶液には、必要に応じてアルカリ
金属の水酸化物水溶液を混合してもよい。また、ケイ酸
アルカリ金属塩水溶液とアルミン酸アルカリ金属塩水溶
液の混合の際に水酸化アルカリ金属塩水溶液を混合して
もよい。アルカリ金属の水酸化物水溶液としては水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどが使用できる。
【0010】ケイ酸アルカリ金属塩水溶液とアルミン酸
アルカリ金属塩水溶液の混合方法は特に限定されない。
一方のアルカリ金属塩水溶液を満たした容器中に他方の
アルカリ金属塩水溶液を添加してもよく、また両アルカ
リ金属塩水溶液を同時に反応容器中に添加してもよい。
添加に際しては、それぞれのアルカリ金属塩水溶液が充
分混合できるように攪拌しながら行うことが好ましい。
アルカリ金属塩水溶液の混合方法は特に限定されない。
一方のアルカリ金属塩水溶液を満たした容器中に他方の
アルカリ金属塩水溶液を添加してもよく、また両アルカ
リ金属塩水溶液を同時に反応容器中に添加してもよい。
添加に際しては、それぞれのアルカリ金属塩水溶液が充
分混合できるように攪拌しながら行うことが好ましい。
【0011】具体的には、R2O/SiO2モル比が0.
25〜4.0のケイ酸アルカリ金属塩水溶液と、R2O
/Al2O3 モル比が1.0〜3.0のアルミン酸アル
カリ金属塩水溶液とを混合するのが好ましい(ここで、
Rはアルカリ金属より選ばれる1種類以上の元素の総
称)。その際混合組成は、ケイ酸アルカリ金属塩水溶液
とアルミン酸アルカリ金属塩水溶液とを、SiO2分と
Al2O3分とR2O分とがモル比でSiO2:Al2O3:
R2O=5〜30:2〜10:60〜93となるように
するのが好ましい(ここで、Rはアルカリ金属より選ば
れる1種類以上の元素の総称)。
25〜4.0のケイ酸アルカリ金属塩水溶液と、R2O
/Al2O3 モル比が1.0〜3.0のアルミン酸アル
カリ金属塩水溶液とを混合するのが好ましい(ここで、
Rはアルカリ金属より選ばれる1種類以上の元素の総
称)。その際混合組成は、ケイ酸アルカリ金属塩水溶液
とアルミン酸アルカリ金属塩水溶液とを、SiO2分と
Al2O3分とR2O分とがモル比でSiO2:Al2O3:
R2O=5〜30:2〜10:60〜93となるように
するのが好ましい(ここで、Rはアルカリ金属より選ば
れる1種類以上の元素の総称)。
【0012】この混合の結果得られたスラリー状の非晶
質アルミノシリケートは、ろ過および水洗によって、ま
ず析出沈殿より母液を除去する。その後、ここで生成し
たろ過ケーキを有機溶媒にて再びろ過洗浄することで、
ケーキ付着水分を有機溶媒により置換する。この場合の
有機溶媒による置換は、好ましくは、含有水分の50重
量%、特には60重量%以上であることが適当である。
ここで使用される有機溶媒としては、非晶質アルミノシ
リケート粉末表面の水分を置換できることが必要であ
る。また後に乾燥するときに非晶質アルミノシリケート
粉末表面での凝縮を抑制するためには表面張力が小さい
ことが好ましく、実質的には50dyn/cm以下であ
ることが好ましく、30dyn/cm以下であることが
より好ましい。
質アルミノシリケートは、ろ過および水洗によって、ま
ず析出沈殿より母液を除去する。その後、ここで生成し
たろ過ケーキを有機溶媒にて再びろ過洗浄することで、
ケーキ付着水分を有機溶媒により置換する。この場合の
有機溶媒による置換は、好ましくは、含有水分の50重
量%、特には60重量%以上であることが適当である。
ここで使用される有機溶媒としては、非晶質アルミノシ
リケート粉末表面の水分を置換できることが必要であ
る。また後に乾燥するときに非晶質アルミノシリケート
粉末表面での凝縮を抑制するためには表面張力が小さい
ことが好ましく、実質的には50dyn/cm以下であ
ることが好ましく、30dyn/cm以下であることが
より好ましい。
【0013】つまり、これらの条件を満たす有機溶媒、
すなわち表面張力が50dyn/cm以下の脂肪族およ
び/または芳香族の有機溶媒であればいずれのものでも
使用可能である。中でも良好に使用されるものとして、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール等の低級アルコールや、ベンゼン、アセ
トンなどがある。有機溶媒には水が含まれていてもよい
が、水の含有量が大きい場合には、有機溶媒による置換
の効率が小さくなるので、水の含有量は好ましくは10
重量%以下、より好ましくは5重量%以下がよい。
すなわち表面張力が50dyn/cm以下の脂肪族およ
び/または芳香族の有機溶媒であればいずれのものでも
使用可能である。中でも良好に使用されるものとして、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール等の低級アルコールや、ベンゼン、アセ
トンなどがある。有機溶媒には水が含まれていてもよい
が、水の含有量が大きい場合には、有機溶媒による置換
の効率が小さくなるので、水の含有量は好ましくは10
重量%以下、より好ましくは5重量%以下がよい。
【0014】有機溶媒にて置換された非晶質アルミノシ
リケートのスラリーは、150℃以下、好ましくは10
0℃以下で乾燥する。温度が高い場合にはCaイオン捕
捉能などの特性が低下するので好ましくない。乾燥する
手段としては、種々の方法が適用可能であるが、スプレ
ードライ、流動乾燥、混合乾燥、静置乾燥もしくは真空
乾燥が好ましい。特に、真空乾燥を使用した場合、60
℃以下での乾燥が容易であることと、使用した有機溶媒
を回収することも容易であるため好ましい。また回収し
た有機溶媒は再利用することも可能である。スプレード
ライを使用した場合は、乾燥時間が短いため高温とでき
るが150℃以下が好ましい。
リケートのスラリーは、150℃以下、好ましくは10
0℃以下で乾燥する。温度が高い場合にはCaイオン捕
捉能などの特性が低下するので好ましくない。乾燥する
手段としては、種々の方法が適用可能であるが、スプレ
ードライ、流動乾燥、混合乾燥、静置乾燥もしくは真空
乾燥が好ましい。特に、真空乾燥を使用した場合、60
℃以下での乾燥が容易であることと、使用した有機溶媒
を回収することも容易であるため好ましい。また回収し
た有機溶媒は再利用することも可能である。スプレード
ライを使用した場合は、乾燥時間が短いため高温とでき
るが150℃以下が好ましい。
【0015】本発明の非晶質アルミノシリケートは、X
線回折装置で測定したときに結晶質のものが検出されな
いか又は検出されても好ましくは5重量%以下である。
かかる非晶質アルミノシリケートは、アルカリ土類金属
イオン捕捉剤、特に衣料用洗剤、食器用洗剤、洗顔洗身
用洗剤または工業用洗剤へ配合する洗剤用ビルダーとし
て好適である。
線回折装置で測定したときに結晶質のものが検出されな
いか又は検出されても好ましくは5重量%以下である。
かかる非晶質アルミノシリケートは、アルカリ土類金属
イオン捕捉剤、特に衣料用洗剤、食器用洗剤、洗顔洗身
用洗剤または工業用洗剤へ配合する洗剤用ビルダーとし
て好適である。
【0016】
【実施例】以下、実施例1、2および比較例1、2によ
り、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら
により限定されるものではない。なお、測定値は次に示
す方法により測定した。 [A法によるCaイオン捕捉能]無水物換算で試料1.
0gを秤取し、塩化カルシウム溶液(CaO濃度は30
0重量ppm)1000ml中に加え、さらに1Nの水
酸化ナトリウム溶液を加えてpHを10.0〜10.5
に調整した後、25℃で10分間攪拌した。10分後、
5種C番(JIS P3801に規定される、以下同
じ)のろ紙を用いてろ過した。そのろ液20mlを取っ
て、EDTA滴定によりろ液中のCa量を測定し、その
値より、ろ液中に残存した、すなわち捕捉されなかった
(未捕捉の)Caイオン量を求め、ついで当初存在した
Caイオン量から未捕捉のCaイオン量を差し引くこと
によって、試料の無水物1gあたりのCaイオン捕捉量
を求めた。
り、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら
により限定されるものではない。なお、測定値は次に示
す方法により測定した。 [A法によるCaイオン捕捉能]無水物換算で試料1.
0gを秤取し、塩化カルシウム溶液(CaO濃度は30
0重量ppm)1000ml中に加え、さらに1Nの水
酸化ナトリウム溶液を加えてpHを10.0〜10.5
に調整した後、25℃で10分間攪拌した。10分後、
5種C番(JIS P3801に規定される、以下同
じ)のろ紙を用いてろ過した。そのろ液20mlを取っ
て、EDTA滴定によりろ液中のCa量を測定し、その
値より、ろ液中に残存した、すなわち捕捉されなかった
(未捕捉の)Caイオン量を求め、ついで当初存在した
Caイオン量から未捕捉のCaイオン量を差し引くこと
によって、試料の無水物1gあたりのCaイオン捕捉量
を求めた。
【0017】[B法によるCaイオン捕捉能」無水物換
算で試料0.10gを秤取し、塩化カルシウム溶液(C
aO濃度は30重量ppm)1000ml中に加え、さ
らに1Nの水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを10.
0〜10.5に調整した後、25℃で10分間攪拌し
た。10分後、5種C番(JIS P3801に規定さ
れる、以下同じ)のろ紙を用いてろ過した。そのろ液1
0mlを取って、純水で10倍に希釈した後、原子吸光
分析によってろ液中のCa濃度を測定し、その値より、
ろ液中に残存した未捕捉のCaイオン量を求め、ついで
当初存在したCaイオン量から未捕捉のCaイオン量を
差し引くことによって、試料の無水物1gあたりのCa
イオン捕捉量を求めた。
算で試料0.10gを秤取し、塩化カルシウム溶液(C
aO濃度は30重量ppm)1000ml中に加え、さ
らに1Nの水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを10.
0〜10.5に調整した後、25℃で10分間攪拌し
た。10分後、5種C番(JIS P3801に規定さ
れる、以下同じ)のろ紙を用いてろ過した。そのろ液1
0mlを取って、純水で10倍に希釈した後、原子吸光
分析によってろ液中のCa濃度を測定し、その値より、
ろ液中に残存した未捕捉のCaイオン量を求め、ついで
当初存在したCaイオン量から未捕捉のCaイオン量を
差し引くことによって、試料の無水物1gあたりのCa
イオン捕捉量を求めた。
【0018】[吸油量]300mlのビーカーに乾燥試
料粉末25gを秤取し、よく混ぜながらアマニ油を1g
ずつ加えた。当初の乾燥した粉状の状態から一塊(ひと
かたまり)のガム状になった状態(時点)、すなわち光
沢のある滑らかなペースト状になったところで、吸着限
界として重量を測定し、試料100gあたりの吸油量を
求めた。なお、これ以上アマニ油を添加すると粘性が急
激に低下する。
料粉末25gを秤取し、よく混ぜながらアマニ油を1g
ずつ加えた。当初の乾燥した粉状の状態から一塊(ひと
かたまり)のガム状になった状態(時点)、すなわち光
沢のある滑らかなペースト状になったところで、吸着限
界として重量を測定し、試料100gあたりの吸油量を
求めた。なお、これ以上アマニ油を添加すると粘性が急
激に低下する。
【0019】[実施例1]市販の3号ケイ酸ナトリウム
水溶液(Na2O:9.49重量%、SiO2:29.3
7重量%)336.0gを1000mlのビーカーに取
り、攪袢しながら48%水酸化ナトリウム水溶液36.
0gを加えて、372.0gのオルトケイ酸ナトリウム
水溶液(Na2O/SiO2モル比0.48)を調整した
(以下「A液」という)。市販のアルミン酸ナトリウム
溶液(Na2O:20.46重量%、Al2O3 :20.
32重量%、Na2O/Al2O3 モル比1.66)45
6.0gを3000mlのビーカーに取り、攪袢しなが
ら48%水酸化ナトリウム水溶液720.0gを加え
て、アルミン酸ナトリウム水溶液(Na2O/Al2O3
モル比7.79)を調整した(以下「B液」という)。
水溶液(Na2O:9.49重量%、SiO2:29.3
7重量%)336.0gを1000mlのビーカーに取
り、攪袢しながら48%水酸化ナトリウム水溶液36.
0gを加えて、372.0gのオルトケイ酸ナトリウム
水溶液(Na2O/SiO2モル比0.48)を調整した
(以下「A液」という)。市販のアルミン酸ナトリウム
溶液(Na2O:20.46重量%、Al2O3 :20.
32重量%、Na2O/Al2O3 モル比1.66)45
6.0gを3000mlのビーカーに取り、攪袢しなが
ら48%水酸化ナトリウム水溶液720.0gを加え
て、アルミン酸ナトリウム水溶液(Na2O/Al2O3
モル比7.79)を調整した(以下「B液」という)。
【0020】B液をホモミキサーで強力に攪拌(700
0rpm)しながら、A液を20分かけてゆっくりと添
加した。混合溶液中の各酸化物成分の割合はモル比でS
iO2:Al2O3:Na2O=15.8:8.7:75.
5であり、SiO2/Al2O3 モル比は1.81であっ
た。添加終了後も30分間攪袢を続け、反応させて沈殿
を析出させた。添加中及び添加後の反応液の温度は25
〜40℃の範囲内であった。攪袢終了後、反応物を5種
C番のろ紙でろ過し、純水7500gを用いて洗浄し
た。得られたケーキを更に99.5wt%エタノール
(表面張力22.0dyn/cm、25℃)1200g
を使用して洗浄し、ケーキ含有水分を99.5wt%の
エタノールにて置換した。その後、40度にて真空乾燥
しアルミノシリケートの粉末を得た。
0rpm)しながら、A液を20分かけてゆっくりと添
加した。混合溶液中の各酸化物成分の割合はモル比でS
iO2:Al2O3:Na2O=15.8:8.7:75.
5であり、SiO2/Al2O3 モル比は1.81であっ
た。添加終了後も30分間攪袢を続け、反応させて沈殿
を析出させた。添加中及び添加後の反応液の温度は25
〜40℃の範囲内であった。攪袢終了後、反応物を5種
C番のろ紙でろ過し、純水7500gを用いて洗浄し
た。得られたケーキを更に99.5wt%エタノール
(表面張力22.0dyn/cm、25℃)1200g
を使用して洗浄し、ケーキ含有水分を99.5wt%の
エタノールにて置換した。その後、40度にて真空乾燥
しアルミノシリケートの粉末を得た。
【0021】このアルミノシリケート粉末の重量は、無
水物換算で195.0gであった。化学分析したとこ
ろ、酸化物モル比でNa2O:Al2O3:SiO2=1.
63:1.00:2.81であった。また、X線回折に
より非晶質であることを確認した。BET表面積(単
位:m2 /g)、A法およびB法によるCaイオン捕捉
量(単位:mgCaO/g)、吸油量(単位:g/10
0g)を測定した結果を表1に示す。
水物換算で195.0gであった。化学分析したとこ
ろ、酸化物モル比でNa2O:Al2O3:SiO2=1.
63:1.00:2.81であった。また、X線回折に
より非晶質であることを確認した。BET表面積(単
位:m2 /g)、A法およびB法によるCaイオン捕捉
量(単位:mgCaO/g)、吸油量(単位:g/10
0g)を測定した結果を表1に示す。
【0022】[実施例2]ケーキ含有水分を置換するの
に使用する有機溶媒を、99.5wt%のイソプロピル
アルコール(表面張力20.9dyn/cm、25℃)
とする以外実施例1と同様の操作を行い、アルミノシリ
ケート粉末を得た。このアルミノシリケート粉末の重量
は、無水物換算で192.0gであった。化学分析した
ところ、酸化物モル比でNa2O:Al2O3:SiO2=
1.63:1.00:2.81であり、実施例1で得た
非晶質アルミノシリケート粉末と同等であった。また、
X線回折により非晶質であることを確認した。BET表
面積(単位:m2 /g)、A法及びB法によるCaイオ
ン捕捉量(単位:mgCaO/g)、吸油量(単位:g
/100g)を測定した結果を表1に示す。
に使用する有機溶媒を、99.5wt%のイソプロピル
アルコール(表面張力20.9dyn/cm、25℃)
とする以外実施例1と同様の操作を行い、アルミノシリ
ケート粉末を得た。このアルミノシリケート粉末の重量
は、無水物換算で192.0gであった。化学分析した
ところ、酸化物モル比でNa2O:Al2O3:SiO2=
1.63:1.00:2.81であり、実施例1で得た
非晶質アルミノシリケート粉末と同等であった。また、
X線回折により非晶質であることを確認した。BET表
面積(単位:m2 /g)、A法及びB法によるCaイオ
ン捕捉量(単位:mgCaO/g)、吸油量(単位:g
/100g)を測定した結果を表1に示す。
【0023】[比較例1]ケーキ含有水分を有機溶媒で
置換せず、そのまま40度にて真空乾燥する以外実施例
1と同様の操作を行い、アルミノシリケートの粉末を得
た。このアルミノシリケート粉末の重量は、無水物換算
で199.0gであった。化学分析したところ、酸化物
モル比でNa2O:Al2O3:SiO2=1.68:1.
00:2.72であった。またX線回折により非晶質で
あることを確認した。BET表面積(単位:m2 /
g)、A法およびB法によるCaイオン捕捉量(単位:
mgCaO/g)、吸油量(単位:g/100g)を測
定した結果を表1に示す。
置換せず、そのまま40度にて真空乾燥する以外実施例
1と同様の操作を行い、アルミノシリケートの粉末を得
た。このアルミノシリケート粉末の重量は、無水物換算
で199.0gであった。化学分析したところ、酸化物
モル比でNa2O:Al2O3:SiO2=1.68:1.
00:2.72であった。またX線回折により非晶質で
あることを確認した。BET表面積(単位:m2 /
g)、A法およびB法によるCaイオン捕捉量(単位:
mgCaO/g)、吸油量(単位:g/100g)を測
定した結果を表1に示す。
【0024】[比較例2]ケーキ含有水分を、エタノー
ルを90.0wt%含有するエタノールと水の混合溶液
にて置換した後に40度にて真空乾燥する以外実施例1
と同様の操作を行い、アルミノシリケートの粉末を得
た。このアルミノシリケート粉末の重量は、無水物換算
で201.5.0gであった。化学分析したところ、酸
化物モル比でNa2O:Al2O3:SiO2=1.70:
1.00:2.71であった。またX線回折により非晶
質であることを確認した。BET表面積(単位:m2 /
g)、A法およびB法によるCaイオン捕捉量(単位:
mgCaO/g)、吸油量(単位:g/100g)を測
定した結果を表1に示す。
ルを90.0wt%含有するエタノールと水の混合溶液
にて置換した後に40度にて真空乾燥する以外実施例1
と同様の操作を行い、アルミノシリケートの粉末を得
た。このアルミノシリケート粉末の重量は、無水物換算
で201.5.0gであった。化学分析したところ、酸
化物モル比でNa2O:Al2O3:SiO2=1.70:
1.00:2.71であった。またX線回折により非晶
質であることを確認した。BET表面積(単位:m2 /
g)、A法およびB法によるCaイオン捕捉量(単位:
mgCaO/g)、吸油量(単位:g/100g)を測
定した結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】この表をみると、非晶質アルミノシリケー
トのケーキ含有水分を有機溶媒により置換した後に、1
50℃以下で乾燥することで、アルカリ土類金属イオン
捕捉能と吸油能の高い非晶質アルミノシリケートが得ら
れることが一層明確に理解できる。
トのケーキ含有水分を有機溶媒により置換した後に、1
50℃以下で乾燥することで、アルカリ土類金属イオン
捕捉能と吸油能の高い非晶質アルミノシリケートが得ら
れることが一層明確に理解できる。
【0027】
【発明の効果】本発明により、アルカリ土類金属イオン
捕捉能と吸油能の両性能が高く、優れた特性を示すアル
ミノシリケート粉末が製造でき、得られたアルミノシリ
ケート粉末は、現在洗剤用ビルダーとして用いられてい
るNaA型ゼオライトと比較してアルカリ土類金属イオ
ン捕捉能は、ほぼ同等でかつ吸油能が大きく、界面活性
剤の含浸性に優れた、衣料用洗剤、食器用洗剤、洗顔洗
身用洗剤または工業用洗剤に配合する洗剤用ビルダーと
して好適な、アルカリ土類金属イオン捕捉剤として使用
できるものである。
捕捉能と吸油能の両性能が高く、優れた特性を示すアル
ミノシリケート粉末が製造でき、得られたアルミノシリ
ケート粉末は、現在洗剤用ビルダーとして用いられてい
るNaA型ゼオライトと比較してアルカリ土類金属イオ
ン捕捉能は、ほぼ同等でかつ吸油能が大きく、界面活性
剤の含浸性に優れた、衣料用洗剤、食器用洗剤、洗顔洗
身用洗剤または工業用洗剤に配合する洗剤用ビルダーと
して好適な、アルカリ土類金属イオン捕捉剤として使用
できるものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 非晶質アルミノシリケートのスラリーを
合成後、含有水分を有機溶媒で置換した後に150℃以
下の温度で乾燥することを特徴とする非晶質アルミノシ
リケート粉末の製造方法。 - 【請求項2】 有機溶媒が、表面張力が50dyn/c
m以下の脂肪族および/または芳香族の液体である請求
項1記載の非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法。 - 【請求項3】 有機溶媒中の水が、10重量%以下であ
る請求項1又は2記載の非晶質アルミノシリケート粉末
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18457297A JPH1111933A (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18457297A JPH1111933A (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1111933A true JPH1111933A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=16155563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18457297A Pending JPH1111933A (ja) | 1997-06-26 | 1997-06-26 | 非晶質アルミノシリケート粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1111933A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100886945B1 (ko) | 2007-08-13 | 2009-03-09 | 울산대학교 산학협력단 | 비정질-금속 복합분말 제조방법 |
KR100905808B1 (ko) | 2007-08-13 | 2009-07-02 | 안일만 | 규산염 광물의 흡착제용 분말의 제조방법 |
-
1997
- 1997-06-26 JP JP18457297A patent/JPH1111933A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100886945B1 (ko) | 2007-08-13 | 2009-03-09 | 울산대학교 산학협력단 | 비정질-금속 복합분말 제조방법 |
KR100905808B1 (ko) | 2007-08-13 | 2009-07-02 | 안일만 | 규산염 광물의 흡착제용 분말의 제조방법 |
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