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JPH1096840A - プラスチック光ファイバコードおよびその製造方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバコードおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH1096840A
JPH1096840A JP8252568A JP25256896A JPH1096840A JP H1096840 A JPH1096840 A JP H1096840A JP 8252568 A JP8252568 A JP 8252568A JP 25256896 A JP25256896 A JP 25256896A JP H1096840 A JPH1096840 A JP H1096840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
plastic optical
layer
core wire
tensile strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8252568A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nonaka
毅 野中
Chikasuke Okumi
慎祐 奥見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP8252568A priority Critical patent/JPH1096840A/ja
Publication of JPH1096840A publication Critical patent/JPH1096840A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチック光ファイバ芯線の外方に樹脂層を
設けたプラスチック光ファイバコードは、樹脂層を押出
し被覆するときの温度によって芯線に熱履歴が与えられ
て工程間で伝送損失が変動する。本発明はこのような伝
送損失の変動の少ない均一なプラスチック光ファイバコ
ードを提供する。 【解決手段】コアおよびクラッドがプラスチックである
プラスチック光ファイバ母材を延伸成形してなるプラス
チック光ファイバ芯線の外周に抗張力体を配してなる抗
張力体層を有し、該抗張力体層の外周に、内径が外径の
2/3以上でかつ厚みが前記抗張力体層の厚みの4/5
以下である熱可塑性樹脂層が押出し被覆されてなるプラ
スチック光ファイバコードである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送損失が工程間
でバラツキが少なく均一で安定的なプラスチック光ファ
イバおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コア材およびクラッド材ともにプラスチ
ックからなるいわゆるプラスチック光ファイバは、光信
号の送受を行なう例えば電子装置間において、ガラス光
ファイバに比べて使い易く低価格であることから、その
伝送損失が問題とされない近距離の光伝送路として、多
く使用されており、特にLAN、ISDN等の次世代通
信網構想において重要となっている。
【0003】光ファイバは、屈折率分布によりステップ
インデックス(SI)型ファイバとグレーテッドインデ
ックス(GI)型ファイバに大別されるが、階段状の屈
折率分布とするGI型ファイバがSI型に比べ容易に伝
送容量を増加させることができる。
【0004】プラスチック光ファイバは、予めGI型の
屈折率分布を有する透明プラスチックのコア材とその外
周に設けられたクラッド材とから形成された母材を所定
の外径になるように延伸成形して製造される。通常、ク
ラッド材として、メチルメタクリレート系樹脂、ポリカ
ーボネート(PC)、スチレン系樹脂などが使用され
る。メチルメタクリレート系樹脂として、メチルメタク
リレート重合体(PMMA)の他、メチルメタクリレー
トと単官能のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート
類、多官能の(メタ)アクリレート類、アクリル酸、メ
タクリル酸、スチレン、クロルスチレン等の単量体との
透明な共重合体を使用される。
【0005】クラッド材として用いる重合体をPMMA
とした場合、コア材はクラッド材よりも屈折率の高い樹
脂、例えば、フタル酸ブチルベンジルエステル、酢酸2
−フェニルエチル、フタル酸ジメチル、ジフェニルスル
フィド、安息香酸ビニル、ベンジルメタクリレート、フ
タル酸ジアクリル等の重合体が使用される。
【0006】プラスチック光ファイバ芯線は、上記の母
材を延伸成形して製造されたものであるから芯線単独で
は伸び易く、破断し易い。そのために、例えば、プラス
チック光ファイバ芯線に樹脂で1次被覆した後補強用繊
維からなる補強層を添わせることが行われる。さらに、
耐久性、耐摩耗性、耐湿性等を付与するために、その上
にプラスチックで被覆して2次被覆を形成して光ファイ
バコードとすることが行われる。このような被覆層や補
強層は、コア材料がガラスである光ファイバの場合にお
いても適用されている(特開平1−161208号公
報)
【0007】しかし、1次被覆時や2次被覆時における
樹脂の押出し工程で、プラスチック光ファイバ芯線のプ
ラスチックが押出し温度による熱履歴を受けることとな
り、プラスチック光ファイバコードの製造工程において
伝送損失が低下するなどの変動を生ずるという問題があ
る。この伝送損失の低下は、プラスチック光ファイバは
延伸により高度に配向されているから、熱による影響を
受け易いためと考えられる。この点がプラスチック光フ
ァイバを製造する上で、コア材料がガラスである光ファ
イバに比べて、以下のような技術的な困難を伴う理由で
ある。
【0008】例えば、特開平1−161208号公報に
おいて記載されているコア材がガラスの光ファイバで
は、溶融温度320〜370℃のフッ素系樹脂がシース
として使用されているが、コア材がプラスチックの場合
はこのような高温で押出し被覆することは不可能であ
る。コアのプラスチックが溶けてしまうからである。従
って、コア材が例えば軟化温度が71〜107℃のPM
MAの場合は、1次また2次被覆層としてできるだけ低
い押出し温度で被覆できる樹脂を用いなければならない
ことになる。しかし、コードの耐熱性の観点から軟化温
度の高い樹脂であることも必要であることから、押出し
温度にも下限がある。
【0009】低い押出し温度で樹脂を被覆した例とし
て、例えば、特開昭59−9603号公報に開示された
ように低融点ポリエチレンを被覆したプラスチック光フ
ァイバコードや、特開昭59−31903号公報に開示
されているように、プラスチック光ファイバ芯線に低融
点ポリエチレンの1次被覆層を押出し温度140℃で形
成し、その外周に補強用繊維ポリエステルフィラメント
を介在させ、さらに軟質系高分子材料として塩化ビニル
樹脂の2次被覆層を押出し温度160℃で形成すること
が提案されている。
【0010】また、特開昭59−114505号公報に
開示されているように、電子線または紫外線照射により
硬化し得る高粘度液状化合物を塗布して被覆層を形成し
た後、該被覆層を電子線ないし紫外線を照射して硬化成
形して高弾性体樹脂層としたり、または更にその上に熱
可塑性樹脂層を押出し成形することも試みられている。
この試みにおいて、この高弾性体樹脂層の形成には押出
し温度は不要であるので、プラスチック光ファイバに熱
が加わることがなく、また高弾性体樹脂層の上に熱可塑
性樹脂層を押出し成形した場合も、熱可塑性樹脂層が断
熱層としての役割を担うので熱によって光ファイバの光
伝送特性が低下する等の熱的障害をある程度は防止でき
る。
【0011】電子線照射を利用した他の例として、プラ
スチック光ファイバー芯線の表層に電子線架橋樹脂被覆
層が形成されたプラスチック光ファイバケーブルが特開
昭61−137112号公報に記載されている。これに
より押出し被覆における熱による悪影響を受けることが
ないとされている。さらに、特開平2−223905号
公報において、プラスチック光ファイバコードに電子線
を照射した後、熱処理を施すことによって芯材中に発生
した活性物質を消滅させた低損失で耐熱性のあるプラス
チック光ファイバコードが提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
59−31903号公報に記載されているプラスチック
光ファイバにおいては、プラスチック光ファイバの製造
工程において伝送損失が低下するなどの変動に対しては
ある程度解決することがものの、完全にはこの問題を解
決することができない。その理由は、PMMAの無配向
の軟化温度は71〜107℃であり、それよりも押出し
温度が50℃以上も高く、しかも実際のファイバ芯線は
高配向であるからなお一層配向に乱れを生じやすい。そ
のためにプラスチック光ファイバコードの製造工程にお
いて伝送損失の低下が起き易いためと考えられる。
【0013】また、特開昭61−137112号公報に
開示されているコア材がPMMAのプラスチック光ファ
イバにおいては、特開平2−223905号公報におい
ても指摘されているように、電子線照射すると、650
nmでの伝送損失が約8000dB/km、550nm
での伝送損失が約10万dB/kmと、非常に高く、1
mのコードに白色光を入射しても暗い赤色光しか通過せ
ず、実用にならないものであると言われている。その理
由は、電子線照射によってPMMA分子内に分子切断、
ラジカル発生が起き、分子の再結合や二重結合が起き
て、白色光の特定波長が吸収されるためと考えられる。
【0014】特開平2−223905号公報のプラスチ
ック光ファイバコードでは、電子線照射により生じたラ
ジカル等の活性物質は加熱によりある程度は消滅し得る
ものの伝送損失の原因の一つである二重結合や再結合は
単なる加熱だけでは除去することはできない。すなわ
ち、残留ラジカルが加熱により消滅する前に隣接する分
子鎖を攻撃して再結合や水素原子の引き抜きによる二重
結合の形成に消費される場合があるからである。
【0015】以上説明したように、従来のプラスチック
光ファイバコードにおいては、伝送損失の低下をもたら
す電子線照射を行うことなく、しかも押出し被覆による
熱の悪影響を受けずに伝送損失を低下させずに、均一で
安定的なプラスチック光ファイバを製造する適当な方法
が存在しなかった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題に
鑑み、伝送損失の変動の少ないプラスチック光ファイバ
コードを提供するものであり、また、その製造方法を提
供することを目的とする。すなわち、本発明は、図1に
示すように、延伸成形してなるコア1とクラッド2から
構成されたプラスチック光ファイバ芯線の外周に抗張力
体層3を配し、その外周に熱可塑性樹脂層4を設けてな
るプラスチック光ファイバコードであって、熱源に相当
する熱可塑性樹脂層の厚さとその内側にある抗張力体を
断熱層として機能できる厚さにすることによって、熱可
塑性樹脂層の押出し成形時におけるプラスチック光ファ
イバ芯線への熱の伝搬を押さえたものである。
【0017】本発明においては、抗張力体層の外周に押
出し被覆された熱可塑性樹層はその内径が外径の2/3
以上であって、抗張力体層の厚みに対して4/5以下に
なるように、プラスチック光ファイバと熱可塑性樹脂層
との間に介在する抗張力体の割合を増加させ、相対的に
熱可塑性樹脂層の厚さを薄くしたものである。これによ
り、プラスチック光ファイバ芯線に悪影響を与える熱可
塑性樹脂層からの熱を極力防ぐことができ、その結果、
プラスチック光ファイバコードの工程間における伝送損
失を少なく均一にすることに成功した。
【0018】すなわち、通常、熱可塑性樹脂層はその内
径を外径の2/3以上にすると押出し被覆成形時におい
て樹脂切れを起し所々被覆されない個所が発生したり、
扁平になる可能性があるが、本発明は、従来いわゆる樹
脂切れにより押出し被覆成形できなかった薄い熱可組成
樹脂層の押出し成形を、その下層の抗張力体層の存在の
下で、特定の押出し条件により可能とし、本発明を実現
することができたものである。
【0019】従来の被覆電線の製造において、導体に熱
可塑性樹脂層を成形するとき、その内径を外径の2/3
以上にすると押出し被覆成形時において樹脂切れを起し
所々被覆されない個所が発生したり扁平になる原因を種
々検討したところ、その主な原因は、押出し成形時の熱
可塑性樹脂の熱量が熱伝導性のよい導体に移動するため
であると考えられた。
【0020】さらに詳細に説明すれば、押出し時に軟化
温度以上に加熱された熱可塑性樹脂は導体に接触すると
導体に熱が奪われ、特に熱可塑性樹脂の厚みが薄い場合
は樹脂に含まれる熱量が少ないため、直ちに温度低下を
招きやすい。そのため、一定以上の線速になると導体周
囲を完全に樹脂が被覆する前に樹脂が軟化点以下になっ
て、線速に追随できる程度に樹脂が軟化しないため延伸
されず、いわゆる樹脂切れと言われる現象になるものと
考えられる。同様のことが、導体に比べ熱伝導性の低い
プラスチック芯線を用いた場合に言える。考えられる理
由の一つとして、熱が移動する代わりにプラスチック芯
線の溶解に使われるからである。樹脂の押出し供給量を
増加させればこのような樹脂切れは起さなくなるが、樹
脂層の厚さが増し光ファイバコードの径が大きくなり仕
上がり外径1.35ないし2.1mm程度のコードにす
ることは困難である。
【0021】以上の現象を考慮して、本発明において、
押出し被覆成形時に軟化温度以上に加熱された熱可塑性
樹脂の熱量がプラスチック光ファイバ芯線に奪われない
ように充分な断熱効果を抗張力体層にもたせたものであ
る。この抗張力体層は、断熱とプラスチック光ファイバ
の補強とを兼ね備えるものであり、さらに、従来樹脂切
れのため成形できなかった薄い樹脂層の押出被覆が可能
となった。従って、熱の影響を受けやすい高度に延伸さ
れたプラスチック光ファイバ芯線のコア材とクラッド材
は、従来から使用されている透明プラスチックを使用し
たものであっても本発明を適用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチック光ファイバ
コードは以上のような構成をなしており、芯線の外周に
配する抗張力体としては、ガラス繊維、アラミド繊維、
カーボン繊維など特に断熱特性に優れたものを使用する
ことができる。繊維径としては例えばアラミド繊維の場
合100〜500デニールの繊維を使用することができ
るが、特にこの範囲の限定されるものではない。
【0023】抗張力体層の外周に押出し被覆される熱可
塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹
脂、ナイロン、ポリウレタンなどの汎用熱可塑性樹脂を
使用することができる。熱可塑性樹脂層は、その内径が
外径の2/3以上であって、抗張力体層の厚みに対4/
5以下になるように押出し被覆すれば成形可能である。
すなわち、従来樹脂切れにより押出し被覆成形できなか
った薄い熱可塑性樹脂層の押出し成形を、その下層の抗
張力体層の存在の下で、特定の押出し条件により可能と
し、本発明を実現することができたものである。ここに
言う特定の押出し条件とは、熱可塑性樹脂をプラスチッ
ク光ファイバ芯線の長さ方向に分子配向し得る線速で押
出し被覆することによって製造可能な条件を言う。この
条件は、熱可塑性樹脂の種類、被覆厚み、押出し温度等
によって適宜決定できるが、例えば、ポリ塩化ビニルを
180℃で被覆厚みを350μmにして押し出すとき
は、線速は45m/分〜70m/分であるのが望まし
い。
【0024】さらに熱可塑性樹脂が抗張力体層内を通過
して芯線の表面まで達しない押出し量と線速にすると熱
可塑性樹脂の熱の芯線に伝わる量が少なくなり、なお一
層熱の影響を少なくすることができるので好ましい。こ
のような押出し被覆の結果、抗張力体層の厚み方向の一
部(例えば、厚みの1/4〜2/3)に樹脂層の樹脂が
入り込んで、繊維と樹脂からなる複合体層が形成されて
いてもよい。
【0025】本発明において、プラスチック光ファイバ
芯線はコア材およびラクッド材として如何なる種類の材
料であっも適用することができる。例えば、従来からク
ラッド材として使用されているメチルメタクリレート系
樹脂、ポリカーボネート(PC)、スチレン系樹脂など
が使用される。メチルメタクリレート系樹脂として、メ
チルメタクリレート重合体(PMMA)の他、メチルメ
タクリレートと単官能のフッ素化アルキル(メタ)アク
リレート類、多官能の(メタ)アクリレート類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、スチレン、クロルスチレン等の単
量体との透明な共重合体を使用してもよく、コア材に、
クラッド材よりも屈折率の高い樹脂、例えば、フタル酸
ブチルベンジルエステル、酢酸2−フェニルエチル、フ
タル酸ジメチル、ジフェニルスルフィド、安息香酸ビニ
ル、ベンジルメタクリレート、フタル酸ジアクリル等の
重合体を使用してもよい。
【0026】プラスチック光ファイバ芯線は、上記クラ
ッドとコアのプラスチック材料の組合せからなるGI型
の屈折率を持った母材(外径が例えば、50mm)を軟
化させてから所定の外径(例えば、1.0mm)に延伸
成形して製造されたものである。このように光ファイバ
芯線は極度に延伸されているから、熱により収縮を受け
やすい。
【0027】次に、本発明のプラスチック光ファイバコ
ードを製造する場合について説明する。まず、最初に母
材を線引きし、所望の外径になるように延伸成形してプ
ラスチック光ファイバ芯線を作製する。次ぎにこのファ
イバ芯線をボビンから繰り出し抗張力体(例えば、アラ
ミド繊維であるケブラー(デュポン社製登録商標))を
縦添えし、その外周に熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル樹脂等)を被覆して単心プラスチック光フ
ァイバコードを作製する。このとき押出しのクロスヘッ
ドを通過後、冷却までの間当該ファイバーは熱を受ける
ことになる。ファイバは熱を受けると収縮してロスアッ
プする可能性がある。熱可塑性樹脂の厚みを薄くするこ
とにより、ファイバにかかる熱を少なくしてロスアップ
を防止することが可能である。このように樹脂の厚みが
薄くなると一般には樹脂切れを起しやすくなるが、本発
明においては、抗張力体層の厚みを一定以上確保するこ
とによって、このような問題は殆どない。なお、このと
き母材の線引きと熱可塑性樹脂の押出し被覆とは同一工
程で行っても良く、それぞれ別の工程で行ってもよい。
また、ファイバ芯線は単心でも多心でもよい。
【0028】
【実施例】実施例1 クラッドがPMMAからなり、コアがPMMA及びフタ
ル酸ブチルベンゼンエステルからなる50倍に延伸され
た外径1.0mmの単心のプラスチック光ファイバ芯線
上に、ポリパラフェニレンテレフタラミド繊維(デュポ
ン社製、登録商標ケブラー)を縦添えして、厚さ200
μmの抗張力体層を形成させた。引き続き同一工程にお
いて、ポリ塩化ビニル樹脂(可塑剤DOP:10重量部
含有)を180℃で押出し被覆し、仕上がり外径2.1
mmの30%すなわち630μmの樹脂層を形成した。
このときの押出し速度は50m/分であり、樹脂切れは
なかった。なお、得られたコート断面を観測したとこ
ろ、樹脂が抗張力体層の厚み1/4程度まで入り込んで
いることが認められた。作製したコード500mを5等
分した100mの試料について波長650nmで伝送損
失を測定したところ平均200dB/kmであり、その
バラツキは±10dB/km以下であった。
【0029】実施例2 実施例1と同様の光ファイバ芯線を用い、抗張力体層の
材料と厚みを実施例1と同様として、その上に実施例1
と同様の組成のポリ塩化ビニル樹脂を180℃で押出し
被覆して、仕上がり外径2.1mmの25%すなわち5
25μmの樹脂層を形成した。このときの押出し速度は
50m/分であり、樹脂切れはなかった。作製したコー
ド500mを5等分した100mの試料について波長6
50nmで伝送損失を測定したところ平均180dB/
kmであり、そのバラツキは±10dB/km以下であ
った。
【0030】実施例3 実施例1と同様の光ファイバ芯線を用い、抗張力体層の
材料と厚みを実施例1と同様として、その上に実施例1
と同様の組成のポリ塩化ビニル樹脂を押出し被覆して、
仕上がり外径2.1mmの20%すなわち420μmの
樹脂層を形成した。このときの押出し速度は50m/分
であり、樹脂切れはなかった。作製したコード500m
を5等分した100mの試料について波長650nmで
伝送損失を測定したところ平均160dB/kmであ
り、そのバラツキは±10dB/km以下であった。
【0031】実施例4 実施例1と同様の光ファイバ芯線を用い、抗張力体層の
材料と厚みを実施例1と同様として、その上に実施例1
と同様の組成のポリエチレンを200℃で押出し被覆し
て、仕上がり外径2.1mmの30%すなわち350μ
mの樹脂層を形成した。このときの押出し速度は50m
/分であり、樹脂切れはなかった。作製したコード50
0mを5等分した100mの試料について波長650n
mで伝送損失を測定したところ平均200dB/kmで
あり、そのバラツキは±10dB/km以下であった。
【0032】比較例1 実施例1と同様の光ファイバ芯線を用い、抗張力体層の
材料と厚みを実施例1と同様として、その上に実施例1
と同様の組成のポリ塩化ビニル樹脂を押出し被覆して、
仕上がり外径2.1mmの35%すなわち735μmの
樹脂層を形成した。このときの押出し速度は50m/分
であり、樹脂切れはなかった。作製したコード500m
を5等分した100mの試料について波長650nmで
伝送損失を測定したところ平均400dB/kmであ
り、そのバラツキは±50dB/kmであった。
【0033】比較例2 実施例1と同様の光ファイバ芯線を用い、抗張力体層の
材料と厚みを実施例1と同様として、その上に実施例1
と同様の組成のポリ塩化ビニル樹脂を押出し被覆して、
仕上がり外径2.1mmの38%すなわち798μmの
樹脂層を形成した。このときの押出し速度は50m/分
であり、樹脂切れはなかった。作製したコード500m
を5等分した100mの試料について波長650nmで
伝送損失を測定したところ平均400dB/kmであ
り、そのバラツキは±50dB/kmであった。
【0034】比較例3 実施例1と同様の光ファイバ芯線を用い、抗張力体層の
材料と厚みを実施例1と同様として、その上に実施例1
と同様の組成のポリ塩化ビニル樹脂を押出し被覆して、
仕上がり外径2.1mmの38%すなわち798μmの
樹脂層を形成した。このときの押出し速度は50m/分
であり、樹脂切れはなかった。作製したコード100m
を5等分した100mの試料について波長650nmで
伝送損失を測定したところ平均400dB/kmであ
り、そのバラツキは±50dB/kmであった。
【0035】比較例4 実施例1と同様の光ファイバ芯線を用い、抗張力体層の
材料を実施例1と同様として厚みを0.2mmとし、そ
の上に実施例1と同様の組成のポリ塩化ビニル樹脂を押
出し被覆して、仕上がり外径2.1mmの38%すなわ
ち798μmの樹脂層を形成した。このときの押出し速
度は50m/分であり、樹脂切れはなかった。作製した
コード500mを5等分した100mの試料について波
長650nmで伝送損失を測定したところ平均400d
B/kmであり、そのバラツキは±50dB/kmであ
った。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるプ
ラスチック光ファイバコードは、抗張力体層の厚みに対
する樹脂層の厚み一定以下で、樹脂層が一般に樹脂切れ
を起すような厚みである200〜350μmの範囲であ
っても、樹脂切れを起すことなく、しかも、プラスチッ
ク光ファイバ芯線に押出し温度の影響を与えることがな
い。したがって、伝送損失のバラツキは極めて少なく、
工程間の変動が少ないことが分かる。
【0037】本発明の主な効果は、上記の通りである
が、本発明のプラスチック光ファイバコードはさらに以
下のような予想しなかった効果も発揮することが分かっ
た。すなわちコードの両端末が機器に接続された場合
に、長さ方向の外力を受けても光伝送特性に対して余り
影響を受けない点である。その理由は必ずしも明らかで
ないが、芯線表面と樹脂層の樹脂とが接触していないか
接触していても接着していないので、芯線と抗張力体層
との間が滑りやすくなっており、このためコードを機器
の端末間で接続し固定されたコードの端末において、そ
の固定は樹脂層と一体になった抗張力体層のところでさ
れることとなり、その結果コードにかかる外力は主とし
抗張力体層にかかり、芯線まで外力が余り及ぶことがな
いための考えられる。本発明のコードは、その他に芯線
から抗張力体層と樹脂層を剥離しやすいことから、端末
処理が極めて容易であるという効果も兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバコードの断面
図を示す。
【符号の説明】
1 コア 2 クラッド 3 抗張力体層 4 熱可塑性樹脂層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアおよびクラッドがプラスチックであ
    るプラスチック光ファイバ母材を延伸成形してなるプラ
    スチック光ファイバ芯線とその外周に抗張力体を配して
    なる抗張力体層を有し、該抗張力体層の外周には、内径
    が外径の2/3以上でかつ厚みが前記抗張力体層の厚み
    の4/5以下である熱可塑性樹脂層が押出し被覆されて
    なることを特徴とするプラスチック光ファイバコード。
  2. 【請求項2】 プラスチック光ファイバ母材を延伸成形
    してなるプラスチック光ファイバ芯線とその外周に抗張
    力体を配してなる抗張力体層を有し、該抗張力体層の外
    周には、内径が外径の2/3以上でかつ厚みが前記抗張
    力体層の厚みの4/5以下である熱可塑性樹脂層が押出
    し被覆され、前記プラスチック光ファイバ芯線の表面に
    当該熱可塑性樹脂が達していないことを特徴とするプラ
    スチック光ファイバコード。
  3. 【請求項3】 プラスチック光ファイバ母材を延伸成形
    されてなるプラスチック光ファイバの外周に抗張力体を
    配して抗張力体層を設け、その外周に、熱可塑性樹脂を
    前記プラスチック光ファイバの長さ方向に分子配向し得
    る線速で押出し被覆して、内径が外径の2/3以上でか
    つ厚みが前記抗張力体層の厚みの4/5以下の熱可塑性
    樹脂層を形成することを特徴とするプラスチック光ファ
    イバコードの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004102243A1 (ja) * 2003-05-15 2004-11-25 Asahi Glass Company, Limited プラスチック光ファイバコード
WO2004107005A1 (ja) * 2003-05-27 2004-12-09 Asahi Glass Company, Limited 光ファイバケーブルの製造方法、および光ファイバケーブル

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WO2004107005A1 (ja) * 2003-05-27 2004-12-09 Asahi Glass Company, Limited 光ファイバケーブルの製造方法、および光ファイバケーブル

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