JPH1093375A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents
弾性表面波フィルタInfo
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- JPH1093375A JPH1093375A JP9179936A JP17993697A JPH1093375A JP H1093375 A JPH1093375 A JP H1093375A JP 9179936 A JP9179936 A JP 9179936A JP 17993697 A JP17993697 A JP 17993697A JP H1093375 A JPH1093375 A JP H1093375A
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Abstract
し、通過帯域幅の拡大と通過帯域外の抑圧度の向上とを
同時に達成できる弾性表面波フィルタを提供することを
目的とする。 【解決手段】 所定の共振周波数を有する第1の一端子
対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の共振器の反共
振周波数に略一致する共振周波数をもつ第2の一端子対
弾性表面波共振器を直列腕に配してなる梯子型の弾性表
面波フィルタにおいて、該第1の弾性表面波共振器(R
1 B)に直列にインダクタンス(L1 )を付加し、且つ
該第1の弾性表面波共振器を、中央の励振電極(13
1)とこの両側の反射器(132,133)とよりな
り、該反射器を、これと該励振電極との中心間距離をd
=(n+β)・λ(ここでnは整数、βは1以下の実
数、λは共振周波数に対応した櫛形電極の周期)とする
とき、βが実質上0.4となる位置に配し、かつ該励振
電極は、電極周期の0.06倍以下の膜厚を有する構成
とした。
Description
に係り、特に自動車電話及び携帯電話などの小型移動体
無線機器のRF(高周波部)のフィルタに適用しうる梯
子型の弾性表面波フィルタに関する。現在の国内の自動
車・携帯電話の仕様の1例は、933.5MHzを中心
として、±8.5MHzの範囲が送信帯域である。比帯
域幅にすると、約2%である。
ような特性であることが必要であり、具体的には、通
過帯域幅が比帯域幅にして2%以上と広いこと、損失
が1.5〜2dB以下と低いこと、抑圧度が20dB
〜30dB以上と高いことが必要とされる。この要求を
満たすため、弾性表面波フィルタは、従来のトランスバ
ーサル型に代わって、弾性表面波素子を共振器として用
い、これを梯子型に構成した共振器型が希望視されてい
る。
記載されている弾性表面波フィルタ1の等価回路を示
す。このフィルタ1は、直列腕2に弾性表面波共振器3
を配置し、並列腕4に弾性表面波共振器5を配置し、且
つ並列腕4の共振器5の等価並列容量COBを直列腕2の
共振器3の等価並列容量COAより大とした構成である。
性を有する。
いて、後述するように等価並列容量COBを大とすると、
矢印7で示すように抑圧度を高めることができる。しか
し、この容量COBを増やすと、矢印8で示すように通過
帯域幅が狭くなり、且つ矢印9で示すように損失が増
え、特性は線10で示す如くになってしまう。
通過帯域幅は比帯域幅にして1%以下となってしまい、
上記の自動車携帯電話の仕様を満たすことができなくな
ってしまう。そこで、本発明は、通過帯域幅の拡大と通
過帯域外の抑圧度の向上とを同時に達成することができ
る弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
は、所定の共振周波数を有する第1の一端子対弾性表面
波共振器を並列腕に、該第1の共振器の反共振周波数に
略一致する共振周波数をもつ第2の一端子対弾性表面波
共振器を直列腕に配してなる梯子型の弾性表面波フィル
タにおいて、該第1の弾性表面波共振器(R1 B)に直
列にインダクタンス(L1 )を付加し、且つ該第1の弾
性表面波共振器を、中央の励振電極(131)とこの両
側の反射器(132,133)とよりなり、該反射器
を、これと該励振電極との中心間距離をd=(n+β)
・λ(ここでnは整数、βは1以下の実数、λは共振周
波数に対応した櫛形電極の周期)とするとき、βが実質
上0.4となる位置に配し、かつ該励振電極は、電極周
期の0.06倍以下の膜厚を有する構成としたことを特
徴とする弾性表面波フィルタである。
て、並列腕に形成された第1の一端子対弾性表面波共振
器が、その両側に同じ電極材料で形成された反射器を有
し、該第1の弾性表面波共振器を構成する励振電極及び
反射器を、材料がAl製又は重量比で数%異種金属を混
ぜたAl合金製であり、膜厚が電極周期の0.06〜
0.09倍である構成としたことを特徴とする弾性表面
波フィルタである。
て、並列腕に形成された第1の一端子対弾性表面波共振
器が、その両側に同じ電極材料で形成された反射器を有
し、該第1の弾性表面波共振器を構成する励振電極及び
反射器を、材料がAu製であり、膜厚が電極周期の0.
0086〜0.013倍である構成としたことを特徴と
する弾性表面波フィルタである。
説明する。図1は本発明の弾性表面波フィルタ20の原
理構成を示す。21は第1の一端子弾性表面波共振器で
あり、所定の共振周波数frpを有し、並列腕22に配し
てある。23は第2の一端子弾性表面波共振器であり、
第1の共振器21の反共振周波数frpに略一致する共振
周波数fasを有し、直列腕24に配してある。25はイ
ンダクタンスであり、第1の共振器21に直列に付加し
てあり、並列腕22に配してある。
腕とにもつ回路がフィルタ特性を有する原理は次の通り
である。この原理については、本特許の原理説明にも必
要であるため、ここで詳しくのべる。共振回路がフィル
タ特性を示すか否かを評価するには、イメージパラメー
タによる方法が理解し易い。この方法は柳沢等による
「フィルタの理論と設計」(産報出版:エレクトロニク
ス選書,1974年発行)に詳しく述べられている。
タ特性を示す基本的な梯子型回路を図2に示す。同図に
おいて斜線のブラックボックスが弾性表面波共振器3
0,31である。今、説明の簡略化のため、弾性表面波
共振器を抵抗分のないリアクタンス回路であると仮定
し、直列腕の共振器30のインピーダンスをZ=jx、
並列腕の共振器31のアドミタンスをY=jbとする。
圧・電流をそれぞれV1 ,I1 、出力側をV2 ,I2 と
すると(図2参照)、
が、重要な意味を持つ。即ち、
であれば図2の二端子対回路全体は通過特性を示し、実
数であれば減衰特性を示す。ここに、A,B,C,Dの
記号は図2の回路全体をF行列で表した時の四端子定数
であり、それぞれを前述のx,bで表すと以下のように
なる。 A=1 B=jx C=jb D=1−bx …(3) 従って、(2)式は、次式になる。
が同符号で小さな値の時、図2の回路全体は通過特性を
示し、bx<0またはbx>1の時、即ちbとxが異符
号またはbx積が大きな値の時、減衰特性を示すことが
分かる。ここでさらにbとxの周波数特性を定性的に知
るために、弾性表面波共振器のインピーダンス及びアド
ミタンスの周波数特性を調べる。
示されるような櫛形電極40で構成される(日経エレク
トロニクス誌1976年11月29日号のP.76〜
P.98に記載)。41は電極対で、42は開口長(交
差幅)、43は櫛形電極周期である。この櫛形電極は抵
抗分を無視すると一般に図3(B)に示されるような等
価回路45で表される。ここにCO は櫛形電極の静電容
量、C1 ,L1 は等価定数である。
示す記号46で表わす。図4(A)(B)は夫々櫛形電
極を図3(b)のような等価回路で表した時のインピー
ダンス及びアドミタンスの周波数依存性を定性的に示
す。同図の特性は水晶による共振器と同様に2つの共振
周波数fr,faをもつ2重共振特性となる。ここでf
rを共振周波数、faを反共振周波数と呼ぶ。このよう
な2重共振特性をもつ共振器をそれぞれ直列腕及び並列
腕に配置し、さらに並列腕の反共振周波数fapを直列
腕の共振周波数frsに略一致させると、それを中心周
波数とするバンドパス型のフィルタ特性を示す回路を構
成できる。その理由は、図5(A)のインミタンスの周
波数特性の図にも示したように、fap≒frsである
中心周波数近傍では、0<bx<1が満たされ前述の条
件から通過域となり、中心周波数から少し離れた周波数
領域ではbx>1、大きく離れた領域ではbx<0とな
り共に減衰域となるからである。
ルタ1は、図5(B)中線47で示すフィルタ特性を定
性的に有する。 〔通過帯域幅決定要因〕次に、このような共振器型弾性
表面波フィルタにおけるバンド幅決定要因を考察する。
れぞれの共振器における共振周波数frと反共振周波数
faとの差で決定されている。この差が大きくとれれば
バンド幅は広く広帯域となり、小さければ狭帯域とな
る。ここでfr,faは図3(B)の等価回路定数を使
って次式から決定できる。
aの差から決まってしまうため、(6),(7)式を使
い次式のように表される。 Δf/f0 =2(fa−fr)/(fa+fr) ≒2/(4γ+1) …(8) 上式から明らかなようにγ(容量比)が比帯域幅を決め
る重要な因子となる。しかし、この値は特開昭52−1
9044号公報にも記載されているように、櫛形電極を
形成する基板材料の種類によりほぼ決まってしまう。例
えば材料の電気機械結合係数が小さなSTカット水晶で
は、γは1300以上となるのに対し、電気機械結合係
数が大きな36°Ycut−x伝搬LiTaO3 では、
γは15位の値になる。比帯域幅は(8)式より、ST
カット水晶では0.04%、36°Ycut−X伝搬L
iTaO3 では3.3%となる。従って、基板材料が決
まれば帯域幅はほぼ決定してしまう。
昭52−19044号に記載されているように、等価並
列容量COBを大とすると、帯域幅はどんどん狭くなって
しまう。これを図6を使って詳しく説明する。前述の原
理説明からも明らかなように並列共振器のfrとfaを
固定したまま、アドミタンス値を大きくしていくと(ア
ドミタンス値を増加するにはγを一定にしたまま櫛形電
極の開口長または対数を増やして静電容量C0 を大きく
していく)、図6(A)に示すように帯域外ではbx積
が負で増加するため減衰量は増え特性は良くなるが、中
心周波数の近傍ではbx積が正で増加するためbx>1
の領域が拡がり、結果として0<bx<1なる通過域が
狭まって帯域が十分取れなくなる。この様子を図6
(B)中の矢印で表す。
一つの手段として、直列腕の共振器か若しくは並列腕
の共振器かどちらかすくなくとも一方の共振器のfrと
faとの差を広げ、かつそのインピーダンス値若しく
はアドミタンス値を大きくするという2つの条件を満た
すことが必要である。インピーダンス値やアドミタンス
値を大きくする理由は、帯域外減衰量を大きくするため
である。これが実現できれば、通過帯域を広げつつ若し
くは狭くすることなく、帯域外減衰量を改善できること
になる。
の差を広げる方法としては、一端子対弾性表面波共振器
に直列にインダクタンスLを付加する方法が有効であ
る。図7(A),(B)に一端子対弾性表面波共振器に
直列にLとして8nHを接続した時のインピーダンス及
びアドミタンスの周波数変化を示す。計算に用いた弾性
表面波共振器の等価回路の各定数は同図に示す。
のインピーダンス特性を示す。線51は、Lを付加した
後のインピーダンス特性を示す。図7(B)、線52は
Lを付加する前のアドミタンス特性を示す。線53は、
Lを付加した後のアドミタンス特性を示す。図7(A)
より、Lを付加することによってfrとfaの間隔は広
がっていることが分かる。この場合では約30MHz拡
大した。この理由は、同図(A)のインピーダンスの周
波数特性から明らかなように、直列にLが加わることに
より元の共振器だけのインピーダンスが+側へ、ωL分
だけ引上げられる結果、frがfr’へと変化したため
である。この時faはほとんど動かない。インピーダン
スの逆数であるアドミタンスも同じ理由から同図(A)
に示すように変化する。この場合も、frがfr’へと
変化していることが明確にわかる。
図7(B)からも明らかのようにLを付加することで大
きくなっている。しかし、インピーダンス値は図7
(A)に示すように帯域外では逆に小さくなっている。
従って、直列腕の共振回路にこの方法を適用する場合に
はインピーダンス値を大きくする方法が更に必要とす
る。それには直列に複数個の同じ弾性表面波共振器を接
続することにより解決できる。
ーダンス特性を示す。線56は、n個の共振器を直列に
接続した場合の共振部分のインピーダンス特性を示す。
図8に示すように、n個の共振器を接続することにより
共振器部のインピーダンス値はn倍になる。一方faと
frの差については、Lを繋いだ時の共振周波数の拡が
りはfr”と、1個の共振器の場合のfr’よりやや狭
くなるものの、Lを繋がない時よりもfaとfrの差は
大きくとれる。もし必要であればLの値を増やすことに
よりfaとfrの差はさらに大きくなる。
て、図44に示すように並列腕共振器の反共振周波数fa
p と直列腕共振周波数frs を略一致させるのではなく、
frs >fap とする方法が考えられる。但し、frs >fap
とした場合、図44にも示すように中心周波数近傍でb
x<0となって、前述の通過域条件を満たさなくなり、
損失とリップルが増加する危険がある。
きさを制御することで、実質上、損失増加、並びにリッ
プル増加を防いで通過帯域の拡大を実現することが可能
である。また、Δfの拡大により、帯域外抑圧度の改善
も同時に実現することができる。詳細は実施例11で後
述する。
り説明する。実施例はほとんどシミュレーションにより
行った。そこで、まず本発明に用いたシミュレーション
について簡単に述べるとともに、シミュレーションの正
当性を証明するために、実験との比較を示す。図3
(B)に示した等価回路は一端子対弾性表面波共振器の
特性を簡略にシミュレーションできるが、共振器を構成
する櫛形電極の対数、開口長、電極膜厚などの変化並び
に反射器の効果等を正確にシミュレーションすることが
難しい。そこで発明者等が既に開発したところのスミス
の等価回路を基本にこれを転送行列で表す方法を用い、
共振器へ応用した(O.Ikata et al.:1990 ULTRASONIC S
YMPOSIUM Proceedings,vol.1, pp83-86, (1990).を参
照、これを文献(1)とする。)。
共振器を配した場合の、シミュレーションの結果を示
す。図9(B)は、並列腕に、材料がAl−2%Cu、
膜厚が1600Åの櫛形電極よりなる一端子対弾性表面
波共振器を配し、更にこの共振器に長さ3mmのボンデ
ィングワイヤ(L=1.5nH)を接続した場合の、実
験の結果を示す。
変化による共振点(図中fr1 ,fr2 ,fr3 で示し
た)の動きや共振点近傍での減衰量について、実験値と
計算値が良く一致していることが分かる。図10(A)
は、直列腕に共振器を配した場合の、シミュレーション
の結果を示す。後述する実験で用いたボンディングパッ
ドがやや大きかったため、シミュレーションでは、その
浮遊容量として、0.5pFのコンデンサを考慮してい
る。
た場合の実験の結果を示す。図10(A),(B)を比
較するに、反共振周波数fa1 ,fa2 ,fa3 が開口
長に依存しない点や、反共振周波数近傍での減衰量の変
化などが実験と良く一致していることがわかる。従っ
て、これらを組み合わせた時のフィルタ特性も実験と良
く一致することは明らかであり、以降の実施例はシミュ
レーションで行った。
例になる弾性表面波フィルタ60を示す。現在、国内の
自動車・携帯電話の仕様のなかで1つの例をあげると、
933.5MHzを中心周波数として、±8.5MHz
の範囲が移動機器の送信帯域で、そこから−55MHz
離れた878.5MHzを中心周波数として、±8.5
MHzの範囲が受信帯域という仕様がある。
ルタに適するように設計してある。後述する他の実施例
も同様である。直列腕61に一端子対弾性表面波共振器
R2 及びR4 が配してある。並列腕62,63,64に
夫々一端子対弾性表面波共振器R1 ,R3 ,R5 が配し
てある。
り、夫々共振器R1 ,R3 ,R5 と接続して並列腕6
2,63,64に配してある。共振器R1 〜R5 は、図
3(A)に示す櫛形電極構造を有する。対数は100、
開口長は80μmである。材料は、Al−2%Cuであ
り、膜厚は3,000Åである。
並列腕62,63,64中の各共振器R1 ,R3 ,R5
の共振周波数は、912MHz、反共振周波数は934
MHzとしてある。直列腕61中の各共振器R2 ,R4
の共振周波数は934MHz、反共振周波数は962M
Hzとしてある。
nHである。上記構成の弾性表面波フィルタ60は、図
12中、線65で示す通過特性を有する。インダクタン
スLが2nH、6nHの場合、図11のフィルタ60の
通過特性は、夫々図12中、線66,67で示す如くに
なる。
依存性を表わすと、図13(A)の線70で示す如くに
なる。ここで、最小挿入損失から−3dB下がった減衰
量のレベルにおける周波数幅を、通過帯域幅とした。同
様に、図12に基づいて、通常帯域外抑圧度に対するL
依存性を表わすと、図13(B)の線71で示す如くに
なる。
くすると、中心周波数から55MHz低周波数側の抑圧
領域が充分とれなくなってしまう。そこで、Lは上記の
ように4nHとしてある。なお、Lの値は、フィルタの
仕様に応じて適当に選択されるものである。図70に示
す従来構成のフィルタ1の通過特性は、図12中線68
で示す如くになる。
特性(線65)を従来のフィルタの通過特性(線68)
と比較するに、本実施例のフィルタ60は、従来のフィ
ルタに比べて、矢印75で示すように通過帯域幅が広
く、矢印76で示すように通過帯域外の抑圧度が高く、
しかも矢印77で示すように損失が低いことが分かる。
図14及び図15は、図11の弾性表面波フィルタ60
を実現した弾性表面波フィルタ装置80を示す。
ルタチップ、83はアースとして機能する蓋である。セ
ラミックパッケージ81はアルミナセラミック製であ
り、サイズは5.5×4mm2 の高さが1.5mmと小
さい。このセラミックパッケージ81にはAu製の電極
端子84-1〜84-6が形成してある。
あり、サイズは2×1.5mm2 の厚さが0.5mmで
ある。このフィルタチップ82の表面に、対数が10
0、開口長が80μm、材料がAl−2%Cu、膜厚が
3,000Åの櫛形電極構造を有する共振器R1 〜R5
が、互いに弾性表面波の伝播路を共有しないように、ず
らして配置してある。
ディング用端子としての、二つの信号線用端子85-1,
85-2及び三つのアース用端子85-3,85-4,85-5
が形成してある。86-1〜86-5はボンディングワイヤ
であり、Al又はAu製であり、径が25μmφであ
り、夫々端子84-1〜84-5と端子85-1〜85-5とに
ボンディングされて接続してある。
11中の直列腕61の一部61a及び61bを構成す
る。ワイヤ86-3はアース用電極端子84-3と85-3と
の間に接続してあり、ワイヤ86-4は別のアース用電極
端子84-4と85-4との間に接続してあり、ワイヤ86
-5は別のアース用電極端子84-5と85-5との間に接続
してある。
2.0mmと長い。このように、細くて長いワイヤは高
周波の理論によれば、インダクタンス分を持つ。空中リ
ボンインダクタの理論式(倉石:理工学講座、「例題円
周マイクロ波回路」東京電機大学出版局のP199に記
載)によれば、上記のワイヤ86-3,86-4,86-5の
インダクタンスは約1nHとなる。
れでは不充分であり、後述する図40及び図41に図示
するようなセラミックパッケージとフィルタチップ上の
Lを利用した。このようにして、図11中のインダクタ
ンスL1 ,L2 ,L3 を構成する。 〔実施例2〕図16は本発明の第2実施例になる弾性表
面波フィルタ90を示す。
分に同一符号を付す。直列腕61内の共振器R2 の開口
長AS は、80μmである。並列腕62には、共振器R
1AとインダクタンスL1 とが直列に接続されて配してあ
る。共振器R1Aは開口長AP が120μmである。
長AS の1.5倍である。なお、共振器R2 及びR1Aの
対数NP ,NS は共に100であり、等しい。このフィ
ルタ90は、図17中、線91で示す通過特性を有す
る。この通過特性を線65で示す図11のフィルタ60
の通過特性と比較すると、通過帯域幅を変えずに、矢印
92で示すように、通過帯域外抑圧度が改善されている
ことが分かる。
特性の開口長依存性を示す。同図(A)は、図16に示
すようにLが付加されている場合、図42に示すように
Lが付加されていない場合において、夫々の直列腕共振
器の開口長(AS )に対する並列腕共振器の開口長(A
P )の比AP /AS と、帯域外抑圧度の関係を示す。
Lが付加されている場合には、線92で示す如くにな
り、インダクタンスLが付加されていない場合には、線
93で示す如くになる。また、図18(B)は、AP /
AS と通過帯域幅との関係を示す。通過帯域幅は、4n
HのインダクタンスLが付加されている場合には、線9
5で示す如くになり、インダクタンスLが付加されてい
ない場合には、線96で示す如くになる。
分かる。 並列腕62内の共振器R1Aの開口長AP を直列腕61
内の共振器R2 の開口長AS より長くすることにより、
帯域外抑圧度が増える。 並列腕62にインダクタンスL1 を付加することによ
り、インダクタンスを有しない場合に比べて、共振器R
1Aの開口長AP の増大の効果が大きくなり、しかも帯域
幅の劣化も殆ど無い。
90は、図11のフィルタ60に比べて、通過帯域幅は
何ら狭くせずに、通過帯域外抑圧度が増えた通過特性を
有することが分かる。 〔実施例3〕図19は本発明の第3実施例による弾性表
面波フィルタ100を示す。
対応する部分には同一符号を付す。直列腕61の共振器
R2 の対数NS は100である。並列腕62には、共振
器R1BとインダクタンスL1 とが直列に接続されて配し
てある。共振器R1Bは、対数NP が150であり、上記
の共振器R2 の対数NS よりも多く、その1.5倍であ
る。
AP は共に80μmであり、等しい。このフィルタ10
0は、図20中、線101で示す通過特性を有する。こ
の通過特性を、線65で示す図11のフィルタ60の通
過特性と比較すると、通過帯域幅を狭めることなく、矢
印102で示すように、通過帯域外抑圧度が改善されて
いることが分かる。
ルタ90の通過特性と比較すると、損失劣化が少ないこ
とが分かる。従って、本実施例のフィルタ100は、図
11のフィルタ11に比べて、通過帯域幅を狭くせず
に、通過帯域外抑圧度が増し、且つ図16のフィルタ9
0に比べて、損失劣化が少ない通過特性を有する。
になる弾性表面波フィルタ110を示す。本実施例は、
直列腕の共振回路の反共振周波数fa と共振周波数fr
との差を拡大することによって通過特性を改善したもの
である。図中、図11に示す構成部分と対応する部分に
は同一符号を付す。
の部分に同じ共振器R2 が二つ直列に接続され、更にこ
れに直列に3nHのインダクタンスLS が付加してあ
る。同じく、直列腕61のうち、並列腕63,64の間
の部分に、同じ共振器R4が二つ直列に接続され、更
に、これに直列に3nHのインダクタンスLS が付加し
てある。
が配してある。同じく、並列腕63には、一の共振器R
3 だけが配してある。同様に、並列腕64には、一の共
振器R4 だけが配してある。このフィルタ110は、図
22中、線111で示す通過特性を有する。ここで、イ
ンダクタンスLS 及び一の共振器R2 ,R4 の付加の効
果について説明する。
ンスLS と一の共振器R2 ,R4 とを削除すると、図4
2に示す従来のフィルタ1と同じくなる。この状態の通
過特性は、線68(図12参照)で示す如くである。上
記インダクタンスLS を追加すると、矢印112で示す
ように通過帯域幅が拡大すると共に、矢印113で示す
ように帯域外抑圧度が増えた。特に通過帯域幅について
みると、特に高周波数側への拡大が大きく、高周波数側
に約15MHz帯域幅が拡大した。通過特性は、線11
4で示すごとくになった。
い。そこで一の共振器R2 ,R4 を追加した。この一の
共振器R2 ,R4 を追加すると、通過帯域幅を狭めるこ
となく、矢印115で示すように、帯域外抑圧度が約5
dB改善され、線111で示す通過特性となった。
6で示すように損失も従来に比べて改善されている。な
お、直列腕61の共振器R2 ,R4 は夫々三個以上でも
よい。また、図21中二点鎖線で示すように、並列腕6
2〜64に、インダクタンスを挿入してもよい。
になる弾性表面波フィルタ120を示す。図中、図11
に示す構成部分と同一部分には同一符号を付し、その説
明は省略する。並列腕62のインダクタンスL1 のイン
ダクタンス値は4nHである。
ンダクタンス値は5.5nHである。更に別の並列腕6
4のインダクタンスL3 のインダクタンス値は7nHで
ある。このように、各並列腕62〜64のインダクタン
スL1 〜L3 のインダクタンス値を異ならしめることに
よって、フィルタ120は、図24中、線121で示す
通過特性となる。
ダクタンス値が全て4nHと等しい図11のフィルタ6
0の通過特性と比較してみる。このフィルタ60は、図
24中、線65で示す通過特性(図12参照)を有す
る。本実施例のフィルタ120の通過特性は、上記フィ
ルタ60の通過特性に比べて、通過帯域幅を何ら狭める
ことなく、矢印122で示すように通過帯域外抑圧度が
高められる。
フィルタ60にあっては902MHz付近に一の減衰極
123しかなかったものに対して、875MHzと89
2MHzの二個所に減衰極124,125が発生してい
る。これにより、二つの減衰極124,125との間の
周波数帯域126が阻止域127となる。
になる弾性表面波フィルタ130を示す。本実施例は、
損失の低下を図ったものである。図中、図11に示す構
成部分と対応する部分には同一符号を付し、その説明は
省略する。
は、図26に示すように励振電極131と、この両側に
反射器132,133を配した構成である。反射器13
2,133は励振電極131と反射器132,133と
の中心間距離dを次式 d=(n+β)・λ … (ここで、nは適当な整数、βは1以下の実数、λは共
振周波数に対応した櫛形電極の周期である)で表わすと
き、β=0.4としたときの位置に配してある。
である。反射器を備えた共振器R1Bは、図25に示すよ
うに「*」を追加した記号で表わす。他の並列腕63,
64の共振器R3B,R5Bも、上記の共振器R1Bと同様
に、反射器を備えた構成である。
134で示す通過特性を有する。この通過特性は、図1
1のフィルタ60の通過特性(線65で示す)に比べ
て、矢印135で示すように、通常帯域の挿入損失が低
減されている。ここで、リップルrP は、図26に示す
ように並列腕の励振電極131の両側に反射器132,
133を配置したことによって発生したものである。
を上記のように定めた理由について説明する。上記式
において、βを0から0.5まで変化させてリップルr
P の幅への影響は、図28中線140で示す如くにな
る。同図中、点141がリップル幅が最小の点であり、
このときのβが0.4である。
図29は、図25のフィルタ130を実現した弾性表面
波フィルタ装置150を示す。図中、図14に示す構成
部分と対応する部分には同一符号を付し、その説明は省
略する。
3,154は夫々反射器である。次に、第1の一端子対
弾性表面波共振器の変形例について説明する。図30は
一の変形例を示す。この共振器R1 Baは、励振電極1
31の両側に、反射器として、電気的負荷が短絡型の櫛
形電極160,161を配した構成である。
R1 Bb は、励振電極131の両側に反射器として、ス
トリップアレイ型電極165,166を配した構成であ
る。 〔実施例7〕図32は本発明の第7実施例になる弾性表
面波フィルタ170を示す。本実施例は、実施例6と同
様に損失の低下を図ったもので、図中、図21に示す構
成部分と対応する部分には同一符号を付し、その説明は
省略する。
0のうち、各並列腕62,63,64の第1の弾性表面
波共振器R1B,R3B,R5Bを夫々図26に示すように励
振電極131の両側のβが0.4で定まる位置に反射器
132,133を配した構成である。このフィルタ17
0によれば、図22中線111で示す特性よりも、通過
帯域の損失が少なく、且つリップルも抑えられた通過特
性が得られる。
プルrP を取り除くことを目的としたものである。ま
ず、前記反射器付加時に現れるリップルを効果的に取り
除く手段について述べる。
電極膜厚との関係をシミュレーションにより調べた。シ
ミュレーションでは膜厚増加の効果を電極下の音響イン
ピーダンス(Zm)と自由表面の音響インピーダンス
(Zo)との比を大きくしていくことで置き換えた。そ
れは文献(1)でも述べているように、電極膜厚の増加
は質量が増加することであり、これはそのまま音響イン
ピーダンスの不連続量の増加に比例すると考えられるた
めである従って、 Q=Zo/Zm=Vo/Vm=1+k2 /2+α(t) …(9) (Vo,Vm:自由表面及び電極下での音速、k2 :電
気機械結合係数)とし、α(t)を膜厚tに比例するパ
ラメータとしてこれを変化させた。
不連続がない時の中心周波数fo’から低周波数側へ移
動していくという良く知られた実験事実とも一致する。
シミュレーションの結果、α(t)を大きくすると、即
ち電極膜厚を厚くしていくと、リップルrP の現れる周
波数位置が図33中、矢印180で示すように、通過帯
域の高周波側へ移動してゆき、ついには高周波側の減衰
極の中に落ちてしまうことが分かった。これを模式的に
図33に示す。
列腕共振器の反射器が原因で発生するものである。図3
4はα(t)=0.08の時で、並列腕の共振器の反射
器から生じるリップルが、丁度高周波側の減衰極の中に
落ちている場合の通過特性を示す。従って、同図では通
過帯域からリップルが消え、しかも挿入損失がかなり低
減している。なお、この図では、通過帯域の中心が(1
0)式に従って低周波側へ移動したため、これを補正す
べく、中心周波数を932MHzになるように、直列腕
及び並列腕の共振器の共振周波数を15MHzだけ高周
波側へシフトしている。
ップを試作し、その通過特性を調べた。図35(A),
(B),(C)の線185,186,187は、夫々膜
厚が2000Å,3000Å,4000Åの時の通過特
性を対応させて示す。尚、膜厚を変えることにより中心
周波数が変わるが、同図のデータはこれを補正するべ
く、櫛形電極の周期を変え、中心周波数があまり変動し
ないように調整している。
時に帯域内に現れていた並列腕の共振器のリップル
rP 、及び帯域外の直列腕のリップルrS が、3000
Åの時には高周波側へ移動してrP ’,rS ’となり、
rP ’は高周波側の減衰極に埋もれてしまった結果、帯
域内にリップルのない良好な特性となった。この結果は
シミュレーションの結果と定性的に良く一致している。
ーションでは計算できないバルク波による損失劣化(江
畑他:「LiTaO3 基板上の弾性表面波共振子とその
VTR用発振器への応用」,電子通信学会論文誌,vol.
J66-C,No.1, pp23-30,1988)と抵抗損による損失改善が
あり、その兼ね合いも重要な因子となる。そこで図36
(A)に膜厚を変えた時の最小挿入損の変化をプロット
した。
線191は抵抗損による損失を示す。線192が実験値
である。同図より分かるように、挿入損は2500Å位
で両者の効果が均衡し、約3500Åくらいからバルク
波による損失増加が支配的になり劣化し始める。図36
(B)の線193は、図26中の励振電極131と反射
器132,133の膜厚を変えた場合の、リップルrP
の周波数位置の、通過帯域中心周波数f 0 に対する変化
を示す。
と、膜厚としては、2600Å〜4000Åが帯域内に
もリップルを作らず、かつ損失劣化も少ないことから適
当である。これを、フィルタの中心周波数からほぼ決ま
る並列腕共振器の電極周期λ P (932MHzで4.4
μmであり、図26参照)で規格化すると、0.06〜
0.09となる。
である。図37は本発明の弾性表面波フィルタの第1の
一端子対弾性表面波共振器200を示す。同図中、20
1励振電極202,203は反射器であり、夫々Al製
又は重量比で数%異種金属を混ぜたAl混合製であり、
膜厚t1 は、電極周期λpの0.06〜0.09倍の厚
さである。
共振器R1B,R3B,R5Bに適用した弾性表面波フィルタ
の通過特性は、図38中、線205で示す如くになり、
通過帯域内にリップルは現われていない。なお、上記の
Al合金製とした場合には、Al製とした場合に比べて
耐電力特性が向上する。混合させる異種金属はCu,T
iなどである。
器210を示す。211は励振電極、212,213は
反射器である。これらは、Au製である。質量付加効果
の影響でこの現象が生じていることから、最適な膜厚値
の範囲Alの密度との比だけ上記値より小さくなる。
9=0.143であるため、最適膜厚t2 は、0.14
3倍して、電極周期λP の0.0086〜0.013倍
の厚さとしてある。この共振器210を図25及び図3
2中の共振器R1B,R3B,R5Bに適用した弾性表面波フ
ィルタの通過特性も、図38に示す如くになり、通過帯
域にリップルは現われない。
ダクタンスL1 ,L2 ,L3 を実現する別の例である。
図40中、図14に示す構成部分と対応する部分には同
一符号を付し、その説明は省略する。
トリップラインであり、夫々端子84-3及び84-5より
延出してセラミックパッケージ81上に形成してある。
各マイクロストリップライン220,221の先端がア
ースと接続してある。各マイクロストリップライン22
0,221のパターン幅は100μm、マイクロストリ
ップラインとアース間の長さは0.5mmである。
とすると、リボンインダクタの理論式から、上記のマイ
クロストリップライン220,221のインダクタンス
値は2nHとなる。 〔実施例10〕本実施例は、図11中のインダクタンス
L1 ,L2 ,L3 を実現する更に別の例である。
る部分には同一符号を付し、その説明は省略する。23
0,231はジグザグ状のマイクロストリップラインで
あり、夫々共振器R1 ,R2 より延出して、フィルタチ
ップ82上に形成してある。各マイクロストリップライ
ン230,231の先端に、端子85-3,85-5が形成
してある。
1は、厚さが3000Å、幅が60μm、全長が約2m
mである。フィルタチップ(LiTaO3 )82の比誘
電率を44とすると、マイクロストリップライン23
0,231のインダクタンス値は、理論式より、2.2
nHとなる。
イヤ86-3、セラミックパッケージ81上のマイクロス
トリップライン220,フィルタチップ82上のマイク
ロストリップライン230を適宜組合わせることによっ
て形成することもできる。 〔実施例11〕図42は本発明の第11実施例による弾
性表面波フィルタ240を示す。図43はこれを具体化
した構成を示す。
実施例の基本構成についての説明する。 本実施例の概要 本実施例は、直列腕の共振器の共振周波数frs を並列腕
の共振器の反共振周波数fap より適宜高く定めて、通過
帯域幅を拡大するものであり、また、Δf≡frs −fap
を、通過帯域内の損失を著しく劣化させない範囲に定め
た構成である。
帯域を形成するためには必須な条件とされている。しか
し、この条件を守る限り、通過帯域には上限が生じてし
まう。そこで通過帯域幅を拡大するために、図44に示
すようにfap <frs とすることを考えた。
p <f<frs の範囲ではbx<0となり、前述の理論か
ら減衰域となる恐れがある。しかし、現実には以下に述
べるようにΔf(=frs −fap )の大きさを制限してや
れば、bx積の値は非常に小さい値に留まるため、減衰
は起こらず、実質上通過帯域として何ら問題がないこと
がわかった。
していった時の梯子型フィルタの通過特性を示す。実験
条件としては、圧電基板は電気機械結合係数が0.05
のLiTaO3 を、櫛形電極用のAl電極は膜厚300
0Åの条件を用いた。電極構成は、図42に示すような
並列共振器と直列共振器を梯子型に接続したものを基本
構成としてこれを2段に縦続接続し、それに入力側及び
出力側を対称とするための並列共振器を最後段に接続し
たものである。梯子型回路を多段化するのは、帯域外抑
圧度を実用的な値にまで高めるためである。
増加するため、多段化の段数は具体的なフィルタの仕様
により調整する。本例は損失2dB以下、帯域外抑圧度
20dB以上を実現する1つの構成例として挙げたもの
である。櫛形電極の設計条件としては、直並列腕の共振
器共に開口長が180μmで対数が50対である。直並
列共振器の対数、開口長条件が等しいのでそれぞれの静
電容量の比P=Cp/Csは1である。
合、即ち前記の実施例の場合である。同図(B)はΔf
=10MHzの場合である。同図(A)と比べると、通
過帯域の最小挿入損はほとんど劣化せずに、通過帯域幅
(損失2.5dB以下を保証する帯域幅とする)が22
MHzから40MHzへ改善されている。Δfの増加以
上に帯域幅が改善されているのは、通過帯域の低周波側
の損失回復が見られるためである。
(A),(B)において高周波側の帯域外抑圧度(図中
に示した)が19dBから20dBに改善されている。
このように、Δfの拡大は、単に帯域幅拡大に効果があ
るのみでなく、同時に帯域外抑圧の改善も図れる技術で
ある。このようにΔfを増加させると特性の改善がみら
れるがその増加量には制限がある。
の通過特性図である。通過帯域内のやや高周波側に損失
劣化が見られ始める。この場合で約2.5dBである。
これは帯域内リップルを増加させる原因ともなり、この
例ではリップル仕様限度の約1.0dBとなった。これ
以上のΔfの増加は損失劣化と帯域内リップルの増加と
なった。従って、Δf=19MHzが、Δfを増加させ
る場合の限度となる。また、この時の帯域外抑圧度は図
45(C)で示すように約21dBとなり、従来の図4
5(A)に比べ2dBの改善が得られる。
っているのかを図45(C)のΔf=19MHzの場合
を例に調べた。まず、図42の並列腕を構成する弾性表
面波共振器と直列腕を構成する弾性表面波共振器を個別
に作製し、図46(A),(B)で示すような回路構成
で、並列腕の共振器はアドミタンスを、直列腕の共振器
はインピーダンスをそれぞれ測定した。測定はネットワ
ークアナライザを使用して行ない、各々のS21を測定し
た。そして、その値を図46(A),(B)に示す式に
代入し、インピーダンスZp 及びアドミタンスYp を求
めた。
を得た。この特性はアドミタンス、インピーダンスの虚
数部のみの値、即ちbまたはxの値である。これらより
bx積の値を計算するとその周波数特性は図48のよう
になる。同図からfap <f<frs の範囲ではbx積が負
で小さな値をとっていることがわかる。
述するように
あった。即ち|bxmax |値がこの値以下であれば、前
述した挿入損の劣化及び帯域内リップルが共に1dB以
下と小さく抑ええられることがわかる。Δf>19MH
zとすると、|bxmax |値も増加し、損失劣化、帯域
内リップルが共に1dB以上となり実用的ではない。
の指標となり、Δfの許容値を定める。以下に更に一般
化して詳述する。図49に図3と同じように弾性表面波
共振器をLCの2重共振回路で近似して図2のように梯
子型フィルタに組んだ時の等価回路図を示す。
スをZs、並列腕の弾性表面波共振器のアドミタンスを
Ypとすると、
を求めると
角周波数ωは∂(bx)/∂ω=0から求まり、それ
は、
通過帯域内のbx積の絶対値の最大値となる。これを求
めると
てP=Cop/Cosをパラメータとしてプロットすると図
50のようになる。
積の許容値0.06以下という条件を図示すると斜線の
ような領域になる。従って、P=Cop/Cosによって異
なるΔf/frsの許容値αが決定でき、それは(15)
式の|bxmax |=0.06として、次式となる。
ば、36°Yカット伝搬LiTaO 3 で約15であっ
た。このため、(17)式は、
り、frs=948MHzの図45の実施例の場合でΔf
=19MHzとなり、(18)式が成り立っていること
が確認できる。Δfを増大させる効果は、容量比γが小
さい圧電基板材料、即ち電気機械結合係数の大きな基板
材料に有効であり、そのような圧電基板材料に対して
(17)式を求めた。
するため、36°YカットX伝搬のLiTaO3 のγ値
と、k2 =0.05の値とを用いて、他の高い電気機械
結合係数をもつ材料64°YカットX伝搬LiNbO3
(k2 =0.11)と、41°YカットX伝搬LiNb
O3 (k2 =0.17)のγ値を求めると、前者が6.
8、後者が4.4である。尚これらのk2 の値は文献
(“Applications for Piezoelectric Leaky Surface W
ave":K.Yamanouchi and M.Takeuchi,1990 ULTRASONICS
SYMPOSIUM Proceedings, pp11-18, 1990) を参照した。
数k2 との関係を示す。同図の関係は36°Yカット伝
搬LiTaO3 のk2 とγ値との値を使い、
ら、64Y°カットと41°YカットのX伝搬LiTa
O3 のγ値を求めることができ、前記と同じくそれぞれ
γ=6.8、と4.4となる。 実施例11の構成 こゝで、図42及び図43に示す実施例の構成について
説明する。
板であり、1.5×2×0.5mmの大きさである。入
力側から順番に並列腕共振器(Rp1 )、直列腕共振器
(Rs1 )、並列腕共振器(Rp2 )、直列腕共振器
(Rs2 )、並列腕共振器(Rp3 )の順で並んでい
る。
(短絡型)をもった構造である。個々の共振器はいづれ
も開口長が180μm、電極指の対数が50対、反射器
も50対である。櫛形電極指の周期のみ並列腕共振器と
直列腕共振器とで変えてある。並列腕共振器の周期はλ
p=4.39μm(パターン幅とギャップは1:1 で
あるため、パターン幅はλp/4≒1.1μm)、直列
共振器の周期はλs=4.16μm(同様にパターン幅
はλs/4=1.04μm)である。
周波数(frp ,frs)が所定の値(frp =893MHz、
frs =942MHz)となるように λs=Vm /frs 、及び λp=Vm /frp より決定したものである。ここで、Vm は電極膜厚30
00Åの時の36°YカットX伝搬LiTaO3 結晶の
表面波の音速であり、実験的にVm =3920m/sと
求められた。
図45(C)に示す広帯域で且つ低損失の通過特性を有
する。なお、Δf=19MHzである。図43中、λp
だけを変えて4.35μmとすると、Δfが10MHz
となり、図45(B)の特性が得られる。
厚は3000Åで、表面波が圧電基板241のX軸方向
に伝搬するように配置してある。次に、他の圧電基板を
用いた場合の例について説明する。64°YカットX伝
搬LiNbO3 の場合には、γ=6.8であり(17)
式は、
3 の場合には、γ=4.4であり、
械結合係数が大きな基板になる程、αは大きくなり、Δ
fを大きく広げても特性劣化は起りにくい。 〔実施例12〕図52は本発明の第12実施例になる表
面波フィルタ250の回路構成図を示す。
フィルタを具体化した構造を示す。図54及び図55
は、図52,53の弾性表面波フィルタの特性を示す。 実施例の概要 説明の便宜上、まず本実施例の概要について説明する。
本実施例の弾性表面波フィルタは、直並列に弾性表面波
共振器を接続し、これを複数個多段化した梯子型の弾性
表面波フィルタにおいて、直並列共振器1つずつからな
る単位区間の間のイメージインピーダンスの整合を図
り、各接続点での損失を減らす構成としたものである。
低減することが可能となる。 発明の完成までの思考過程 次に、本発明の完成までの思考過程について説明する。
図56(A),(B)に示すように少なくとも1個づつ
の直列腕共振器と並列腕共振器の梯子型接続により、バ
ンドパス特性を得ることができる。なお、この一個づつ
の直列腕共振器と並列腕共振器の梯子型接続が、フィル
タの単位区間となる。
共振器の反共振周波数は一致若しくは、通過帯域幅拡大
の上から前者が後者より高い周波数を持つことが望まし
い。図56(A),(B)の単位区間は互いに入出力端
が直列腕であるかで、二つのタイプがあり、これらを多
段に接続したものは、図57(A),(B),(C)に
示すように3つのタイプに分類される。
他方が並列腕である場合、(非対称型)、(B)は入出
力端共に並列腕である場合(対称型)、同図(C)は入
出力端共に直列腕である場合(対称型)である。このよ
うに多段化した場合、挿入損失、帯域外抑圧度ともに単
位区間のn倍となり、一般に挿入損失は悪くなるもの
の、帯域外抑圧度は改善する。とくに単位区間の損失が
0に近い場合はこの多段化は有効である。
おけるインピーダンス整合が適切でないと、挿入損失が
理論的なn倍よりもさらに悪化する。インピーダンス整
合が適切でないと、単位区間の境界(図57中の線1−
1’からn−n’までの各境界)で電力の反射が起こ
り、損失増加となるからである。
もn10log(Г)となる。従って単位区間同士のイ
ンピーダンス整合をはかり、境界での電力反射を押さえ
ることにより、挿入損失の増加を極力押さえることが重
要である。次に、単位区間同士のインピーダンス整合を
図る方法について説明する。図58に示すように、一般
に2つの異なる4端子定数(F行列の4つの定数A,
B,C,D)をもつ回路同士を、インピーダンス整合を
図って接続する場合、境界b−b’からそれぞれの回路
側を見たイメージインピーダンスが互いに等しいと置け
ば良い。
ジインピーダンスZi1は、回路1の4端子定数A1 ,B
1 ,C1 ,D1 を使って次式のように表される。
ンスZi2は、次式のように表される。
抗(純抵抗)R0 とは無関係に決まる。(21)式と
(22)式を等しいと置くと、次式のようなインピーダ
ンス整合条件が求まる。 D1 B1 /C1 A1 =A2 B2 /C2 D2 …(23) 図59は、前述のインピーダンス整合条件を梯子型回路
の単位区間に適用した場合を示す。
い接続方法で、(23)式の条件を満たさない。境界b
−b’から右側をみた反射係数Гは、
域でも完全に0とはならないためГも0にはならない。
これに比べ、図59(B)、または図59(C)は境界
b−b’で(23)式の条件を満たすため反射は0とな
り、損失は生じない。例えば、図59(B)の場合、境
界b−b’から左側みたイメージインピーダンスは、
(21)式から、
ージインピーダンスZi2も(22)式から求めると、Z
i1と等しくなることが分かる。従ってインピーダンス整
合がとれ、境界での反射係数は0となる。図59(C)
も同様にインピーダンス整合がとれていることが証明さ
れる。次に図59(B),(C)のような接続法を利用
して単位区間を多段接続する方法を考察する。
接続法を交互に繰り返して単位区間をn(>2)段接続
した回路を示す。このような接続方法をつかえば、前述
の理由から何段接続しても各単位区間の電力反射は起こ
らない。図60(A)の構成で、互いに隣接しあう並列
腕の共振器同士、または直列腕の共振器同士を加えてひ
とまとめにすると図60(B)と等価になる。
れより内側の腕に対して半分の大きさのインピーダンス
あるいはアドミタンス値をもつようになることがわか
る。図57で示した3種類の多段化の仕方に対してこの
原理を適用すると、インピーダンス整合を図った接続法
として、それぞれ図61(A),(B),(C)の方法
が得られる。
合化接続法で、入出力端のどちらか一方が直列腕で、他
方が並列腕の場合である。この場合は、端部の直列腕共
振器のインピーダンス値は、内側直列腕共振器のインピ
ーダンス値の半分であり、また、他方の端部の並列腕共
振器のアドミタンス値も、内側の並列腕共振器のアドミ
タンス値の半分である。
た図61(C)は図57(C)の整合化接続法である。
図61(B)の場合は両端部が並列腕の場合で、両端部
の並列腕共振器のアドミタンス値は、それより内側の並
列腕共振器のアドミタンス値の半分となっている。
合で、両端部の直列腕共振器のインピーダンス値は、そ
れより内側の直列腕共振器のインピーダンス値の半分と
なっている。 実施例12の構成 次に、上記の考え方に基づく、本発明の第12実施例に
ついて説明する。
表面波フィルタ250の基本的構成を示す。この弾性表
面波フィルタを具体化すると、図53に示す如くにな
る。3つの直列腕共振器(Rs1 ,Rs2 ,Rs3 )と
3つの並列腕共振器(Rp 1 ,Rp2 ,Rp3 )とから
成り、それぞれ図52に示す等価回路のように接続され
ている。
μm)が同じであり、且つ電極指対数(100対)も同
じである。また、各共振器は同図に示すような短絡型の
反射器を両側に有し、Qを高めている。反射器の対数は
100対程度である。
同じ長さの電極指周期(λs)であり、λs=4.19
μmである。又、並列腕共振器(Rp1 〜Rp3 )の周
期は、これと異なる周期λp=4.38μmとしてあ
る。比較の対象として、この構成に対する従来構成を図
62に示す。
ーダンスZs で示される直列腕の一端子弾性表面波共振
器の設計条件は、開口長90μm、対数100対であ
る。アドミタンスYp で示される並列腕の一端子対弾性
表面波共振器も同じ条件である。圧電基板結晶は、36
°YカットX伝搬LiTaO3 を用い、その上に弾性表
面波共振器として3000ÅのAl合金膜の櫛形パター
ンが形成してある。
250の特性を示す。破線252は図62の従来のフィ
ルタの特性を示す。両者より本実施例のフィルタ250
の方が、低損失化されていることがわかる。特に通過帯
域の両端での改善が大きい。次に図62の従来のフィル
タにおいて、単位区間(3)のアドミタンスYp で表さ
れる並列共振器のみ、対数を100対から80対に減ら
してアドミタンスY p の値を小さくした時の通過特性を
図55中、線253で示す。同様に挿入損失が改善され
ていることが分かる。従って、端部のアドミタンス値は
1/2としなくとも、内側のアドミタンス値より減らす
だけでも、十分ではないが効果があると言える。インピ
ーダンス値に対しても同様である。
例を示したが、これは中央部に多数の単位区間が増えて
も同様な効果を有する。 〔実施例13〕図63は、本発明の第13実施例になる
弾性表面波フィルタ260である。この弾性表面波フィ
ルタは、図61(B)に示す構成方法に基づいたもので
ある。
の線251で示したものと同様な損失低減効果をもたら
す。 〔実施例14〕図64は、本発明の第14実施例になる
弾性表面波フィルタ270である。この弾性表面波フィ
ルタは、図61(C)に示す構成方法に基づいたもので
ある。
の線251で示したものと同様な損失低減効果をもたら
す。 〔実施例15〕次に本発明の第15実施例になる弾性表
面波フィルタについて図65及び図66等を参照して説
明する。
本実施例は、通過帯域における挿入損失を決定している
原因として、櫛形電極の抵抗分とコンダクタンス分に着
目し、直列配列の共振器に対しては抵抗分を減少させ、
並列腕の共振器に対しては、コンダクタンス分を減少さ
せることによりこれらを梯子型に組んだ時のフィルタ特
性の挿入損失を低減させるものである。
frp)の異なる2つの弾性表面波共振器を配置した梯子型
フィルタ回路の基本構成を示す。ここで、並列腕共振器
のアドミタンスを、 Yp = g + j・b …(26) g:コンダクタンス分 b:サセプタンス分 とする。
周波数特性は図69のようになる。並列腕共振器のアド
ミタンスYp のサセプタンス分b(図69中の点線)
は、共振周波数frp で最大値をとり、そこで符号を+か
ら−へ変え、反共振周波数fap で0(零)となり、fap
以上で符号が再び+になり、少しづつ増大してゆく。一
方、Yp のコンダクタンス分g(図69中の一点鎖線)
は、同様にfap で最大値をとり、fap を越えると急激に
減少し、除々に0に近づいていく。
い。直列腕共振器のインピーダンス分Zs のリアクタン
ス分x(図69中の実線)は、アドミタンスとは逆で共
振周波数frs で0となり、反共振周波数fas で最大値を
とり、さらに+から−へ符号を変え、fas 以上では一側
から0へ近づいていく。
き、反共振周波数fas で最大値をとり、それ以上で徐々
に減少していく。rもgと同様に+の値しかとらない。
ここで、フィルタ特性を作るためには、前記並列共振器
の反共振周波数fap と直列共振器の共振周波数frs とは
略一致もしくは後者がやや大きいことが条件である。
ミタンスの周波数特性に合わせて、フィルタ回路として
の通過特性を示す。fap ≒frs 近傍で通過帯域をとり、
それ以外では減衰領域となる。同図からも明らかなよう
に、通過帯域の特に中心周波数近傍ではb及びxは0に
なる。
は、rとgのみで決まり、
で、(28)式はr,g共に増加するほどS 21は1より
小さくなり、20log|S21|で表される挿入損失も
増大していく。従って、r,gは共に0に近い程、挿入
損失は小さいことになる。
る櫛形電極のどのような部分から生じているのかを説明
する。こゝでは、図3(B)中、r1 をも考慮に入れて
考える。r1 は櫛形電極の電気抵抗分及び櫛形電極指の
各端部から基板内部へバルク波となっと漏れていくエネ
ルギー損失分を音響抵抗分として表したものを合計した
ものである。
の形状に殆ど依存しないため、櫛形電極の電気抵抗r1
に比例する。特にx=0の中心周波数近傍ではr=r1
となる。また、並列腕共振器のアドミタンスのコンダク
タンス分gは、櫛形電極の電気抵抗のコンダクタンス1
/r1 に比例する。
極指の幅をW、膜厚をtとし、直列腕共振器の開口長を
ls 、対数をNs とすると、 r=ls ・ρo /(Ns ・W・t) …(29) となる。また、並列腕共振器の開口長をlp 、対数をN
p とすると、同一基板、同一金属膜を使う場合はρo ,
W,tはほぼ等しいから、 g=Np ・W・t/(lp ・ρo ) …(30) となる。
ける増加分は、 r+50r・g+2500g =ls ・ρo /(Ns ・W・t)+50・(ls /lp )・(Np /Ns ) +2500・Np ・W・t/(lp ・ρo )…(31) となる。
s が短く、対数Ns が多い程、また、並列共振器は開口
長lp が長く、対数Np が少ない程、損失低減に効果が
あることが分かる。特に、ls /lp <1,Np /Ns
<1である程、言い換えれば開口長は、直列腕共振器の
方が並列腕共振器より短い方が、対数は、直列腕共振器
の方が並列腕共振器より多い方が一層効果がある。
(31)式において、r=rs (rs :直列腕共振器の
電気抵抗)及びg=1/rp (rp :並列腕の電気抵
抗)であるから r+50r・g+2500g=rs +50(rs /
rp )+2500(1/rp ) となる。従って、(rs /rp )<1、即ちrs <rp
であれば挿入損失の増大は抑制できる。
表面波の回折による損失が現れ、逆にlp を長くしすぎ
ると抵抗増大による並列共振器のQ低下を招き、低周波
側の帯域外抑圧度が悪くなるため、その大きさには限度
がある。さらに櫛形電極を形成している金属膜の膜厚を
直列腕の方をts 、並列腕の方をtp とすると(31)
式は次のようになる。
る。この他にも抵抗率の異なる(ρos,ρop)2種類の
金属膜からなる共振器を、直列腕と並列腕に配置してフ
ィルタを作り、ρos/ρop<1とすることも可能である
が、実際に素子をつくる場合、量産性等を考慮すると実
際的ではない。
図65は本発明の第15実施例の弾性表面波フィルタ2
80の回路構成を示す。図66は図65の回路構成を具
体化した構造を示す。
LiTaO3 であり、電極材料は3000ÅのAl膜で
ある。従来は、直列腕、並列腕共に、櫛形電極の開口長
ls =lp =90μm、対数Np =Ns =100対であ
るのに対し、本実施例では、直列腕を、ls =45μ
m、Ns =200対、並列腕をlp =180μm、Np
=50対とした。lp >ls であり、Ns >Np であ
る。また、ls /lp =0.25及びNp /Ns =0.
25である。
る櫛形電極の静電容量CO は変わらないようにした。図
66の実線281が本実施例の特性、破線282が従来
例の特性である。従来では損失が2.5dBであったも
のが本実施例により2.0dBとなり、本実施例により
0.5dB以上改善した。即ち、フィルタの挿入損失が
dB換算で25%も改善された。
数を増加したことにより、耐電力性も向上し、印加可能
な最大電力が20%向上した。以上の実施例の場合、l
s =30μm以下で回折損が現れ始め、lp =300μ
m以上で低周波側の帯域外劣化が起こり始めたことか
ら、これらの値が限度であった。
電気抵抗を上げる(コンダクトタンスを下げる)ことに
より、通過帯域の挿入損が改善されることは明らかであ
る。また、並列腕共振器の膜厚を直列腕共振器の膜厚よ
り薄くした構成とすることもできる。この構成によって
も、上記実施例の場合と同様に、通過帯域の損失を少な
くできる。
記載の発明によれば、従来のものに比べて、通過帯域外
抑圧度を高めることができ、しかも同時に通過帯域幅を
広げることができ、更にはリップルを小さく又は実質的
に無くすことができる。
図である。
路及びその記号を示す図である。
びアドミタンスの周波数特性を示す図である。
ンミタンス特性及びそれらを接続してなる図1のフィル
タのフィルタ特性を示す図である。
図である。
の効果を示す図である。
た場合の効果を示す図である。
図である。
す図である。
回路図である。
る。
を示す図である。
を取り外した状態で示す平面図である。
示す図である。
る。
器の開口長(AS )の比(AP /AS )の増大効果を示
す図である。
示す図である。
る。
示す図である。
る。
示す図である。
る。
回路図である。
示す図である。
る。
るリップル幅への影響を示す図である。
を取り外した状態で示す平面図である。
の一の変形例を示す図である。
の別の変形例を示す図である。
示す図である。
を示す図である。
(rP )が高周波減衰極へ落ちたときの状態を示す図で
ある。
示す図である。
の実験の結果を示す図である。
第1の一端子対弾性表面波共振器を示す図である。
タの通過特性を示す図である。
第1の一端子対弾性表面波共振器の変形例を示す図であ
る。
スを実現する別の例を示す図である。
スを実現する更に別の例を示す図である。
の回路図である。
る。
インミタンス特性を示す図である。
梯子型フィルタの通過特性の変化を説明する図である。
である。
ドミタンス及びインピーダンスの特性を示す図である。
した図である。
である。
の回路図である。
る。
である。
た場合の特性を示す図である。
単位区間の回路図である。
なる回路の回路図である。
である。
明する図である。
図である。
の回路図である。
の回路図である。
の回路図である。
る。
面波共振器を配置した梯子型フィルタ回路を示す図であ
る。
数特性及び直列腕共振器のインピーダンス(Zs )の周
波数特性を対応させて示す図である。
ある。
る。
0,250,260,270,280 弾性表面波フィ
ルタ 80,150 弾性表面波フィルタ装置 81 セラミックパッケージ 82 フィルタチップ 83 蓋 84-1〜85-6 電極端子 85-1〜85-5 端子 86-1〜86-5 ボンディングワイヤ 124,125 減衰極 127 阻止域 131,201,211 励振電極 132,133,160,161,166,167,2
02,203,212,213,242 反射器 220,221,230,231 マイクロストリップ
ライン 241 36°YカットX伝搬LiTaO3 基板(チッ
プ) Rs1 ,Rs2 直列腕共振器 Rp1 〜Rp3 並列腕共振器
Claims (3)
- 【請求項1】 所定の共振周波数を有する第1の一端子
対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の共振器の反共
振周波数に略一致する共振周波数をもつ第2の一端子対
弾性表面波共振器を直列腕に配してなる梯子型の弾性表
面波フィルタにおいて、 該第1の弾性表面波共振器(R1 B)に直列にインダク
タンス(L1 )を付加し、 且つ該第1の弾性表面波共振器を、中央の励振電極(1
31)とこの両側の反射器(132,133)とよりな
り、該反射器を、これと該励振電極との中心間距離をd
=(n+β)・λ(ここでnは整数、βは1以下の実
数、λは共振周波数に対応した櫛形電極の周期)とする
とき、βが実質上0.4となる位置に配し、かつ該励振
電極は、電極周期の0.06倍以下の膜厚を有する構成
としたことを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 【請求項2】並列腕に形成された第1の一端子対弾性表
面波共振器が、その両側に同じ電極材料で形成された反
射器を有し、該第1の弾性表面波共振器を構成する励振
電極及び反射器を、 材料がAl製又は重量比で数%異種金属を混ぜたAl合
金製であり、 膜厚が電極周期の0.06〜0.09倍である構成とし
たことを特徴とする請求項1記載の弾性表面波フィル
タ。 - 【請求項3】 並列腕に形成された第1の一端子対弾性
表面波共振器が、その両側に同じ電極材料で形成された
反射器を有し、該第1の弾性表面波共振器を構成する励
振電極及び反射器を、 材料がAu製であり、 膜厚が電極周期の0.0086〜0.013倍である構
成としたことを特徴とする請求項1記載の弾性表面波フ
ィルタ。
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- 1997-07-04 JP JP17993697A patent/JP3152418B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US9270254B2 (en) | 2011-09-30 | 2016-02-23 | Qualcomm Mems Technologies, Inc. | Cross-sectional dilation mode resonators and resonator-based ladder filters |
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