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JPH1088027A - メタリック顔料及びその色調調整方法 - Google Patents

メタリック顔料及びその色調調整方法

Info

Publication number
JPH1088027A
JPH1088027A JP26655896A JP26655896A JPH1088027A JP H1088027 A JPH1088027 A JP H1088027A JP 26655896 A JP26655896 A JP 26655896A JP 26655896 A JP26655896 A JP 26655896A JP H1088027 A JPH1088027 A JP H1088027A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metallic pigment
color tone
gold
brass
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP26655896A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Saida
淳治 才田
Shuichi Sugita
修一 杉田
Takashi Jokura
貴史 城倉
Eiki Takeshima
鋭機 竹島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP26655896A priority Critical patent/JPH1088027A/ja
Publication of JPH1088027A publication Critical patent/JPH1088027A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の色調を有し、耐熱性に優れた高い光輝
性を有するゴールド色のメタリック顔料及びその色調調
整方法を提供することを目的とするものでる。 【解決手段】 物理蒸着法によりガラス等の粉末基材
に、黄銅合金にアルミニウム、クロム、ニッケル、チタ
ン、金、錫から選択される少なくとも1種を、0.5〜
10重量%含有させて、コーティングしたメタリック顔
料であり、耐熱性と光輝性に優れており、黄銅合金に添
加される金属元素又は合金の添加量を変化させることに
よるゴールド色のメタリック顔料の色調調整方法ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタリック顔料及
びその色調調整方法に関し、特に樹脂練り込み及び塗料
練り込み等に用いられ、耐熱性を備えるとともに、高い
光輝性を有し、美観に優れた意匠性ゴールド色のメタリ
ック塗装等に適するメタリック顔料であり、所望の色調
にできるメタリック顔料の色調調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂練り込み顔料や塗料練り込み
等に用いられるメタリック顔料には、アルミニウムの粉
末に圧延等を施してフレーク状に加工したものや、ある
いはガラス粉末等に無電解めっき等によって、銀やニッ
ケルを被覆したものが用いられていた。また、これらの
ガラス粉末等に真空蒸着法やスパッタリング法等の物理
蒸着によって、銀やニッケル等の金属をコーティングし
てメタリック顔料を製造する方法もある。この物理蒸着
による製造方法は、被覆材として種々の合金系が用いら
れるので自由度が大きい製造方法であり、ゴールド色を
示すようなメタリック顔料を製造することも可能であ
る。ゴールド色を示す安価な合金系として代表的な金属
材料としては、Cu−Zn合金(黄銅)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、樹脂練り込み顔
料や塗料練り込み等に用いられるメタリック顔料は、美
観に優れた高い意匠性を目的とし、種々の色調及び高い
光輝性を兼ね備えたメタリック顔料の要求が高まってい
る。しかしながら、従来のアルミニウム粉末によるメタ
リック顔料は、アルミニウムの粉末に圧延等を施してフ
レーク状に加工したもので、フレーク粉末表面の平滑度
が悪いために、光輝性が著しく劣る欠点があった。ま
た、粉末の圧延性の観点から顔料の材質はアルミニウム
を主とする金属に限られていた。
【0004】また、ガラス粉末等に無電解めっき等によ
って銀やニッケルを被覆したメタリック顔料では、ガラ
ス粉末等に銀やニッケルをめっきした際に、不めっき等
による色むらや光沢むらが発生して品質の劣化をもたら
したり、製造時の廃液処理によるコスト上昇を来す欠点
があった。
【0005】更に、無電解めっきによるメタリック顔料
では、コーティングされる金属及び合金系が限られ、銀
やニッケルによるシルバー色や銅合金のコーティングに
よる赤色しかなく、その色調調整はコーティング量の増
減によるものであり、色調及び色調調整が極めて自由度
のないものであった。
【0006】一方、真空蒸着やスパッタリング法等の物
理蒸着では、コーティングできる合金系の自由度は大き
く、ゴールド色を示すメタリック顔料も製造することが
可能であるが、合金をコーティングする際に、融点及び
蒸気圧の差により皮膜組成が変化したり、コーティング
時に皮膜から蒸気圧の高い亜鉛(Zn)が再蒸発するな
どして、色調の変化や光輝性の劣化が問題となってい
た。これらの低融点、高蒸気圧元素の再蒸発等による色
調変化は予見が困難であり、これによって色調のコント
ロールが極めて難しいものであった。
【0007】また、近年、ゴールド色を示すメタリック
顔料では、その色調として濃黄色から淡黄色まで種々の
黄色度が要求されており、これらの要求を上記のような
方法で満たすのは困難であった。更に、黄銅合金をコー
ティングしたメタリック顔料そのものもプラスチックや
樹脂練り込み時及び塗装焼き付け時の熱履歴によってZ
nが蒸発して減少したり、表面酸化物の生成によって色
調の変化や光輝性が低下する問題があった。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あって、所望の色調を有し、耐熱性に優れ、かつ高い光
輝性を有するゴールド色のメタリック顔料及びその色調
調整方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、請求項1記載の発明
は、粉末基材表面のコーティング層がアルミニウム、ク
ロム、ニッケル、チタン、金、錫から選択された少なく
とも1種の金属を含む黄銅合金であることを特徴とする
メタリック顔料である。
【0010】また、請求項2記載の発明は、粉末基材表
面のコーティング層がアルミニウム、クロム、ニッケ
ル、チタン、金、錫から選択される少なくとも1種の金
属を0.5〜10重量%含有した黄銅合金であることを
特徴とするメタリック顔料である。
【0011】また、請求項3記載の発明は、前記粉末基
材がガラスフレーク及びマイカであることを特徴とする
請求項1又は2記載のメタリック顔料である。
【0012】また、請求項4記載の発明は、前記黄銅合
金に含む金属がアルミニウムであることを特徴とする請
求項1、2、又は3記載のメタリック顔料である。
【0013】また、請求項5記載の発明は、粉末基材表
面に黄銅合金を物理蒸着法によってコーティングする際
に、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、錫
から選択される少なくとも1種の金属を含ませた成分と
し、かつ選択した金属の重量%を変えることによって、
メタリック顔料の色調を調整することを特徴とするメタ
リック顔料の色調調整方法である。
【0014】また、請求項6記載の発明は、前記黄銅合
金に含まれる金属をアルミニウムとし、前記アルミニウ
ムの重量%を変えることによって、メタリック顔料の色
調を調整することを特徴とする請求項5記載のメタリッ
ク顔料の色調調整方法である。
【0015】本発明のメタリック顔料は、ゴールド色を
示す合金として知られている黄銅(Cu−Zn合金)に
特定の金属又は合金を添加し、真空蒸着法やスパッタリ
ング法等の物理蒸着法によって、ガラス、ガラスフレー
ク、マイカ等の粉末基材にコーティングしたものであ
る。このメタリック顔料は色調が安定し、更に、コーテ
ィング材として多種の成分を合金化することによって、
メタリック顔料のコーティング層(皮膜)中の結晶粒の
微細化を図り、その表面皮膜は緻密で平滑なものとな
り、色調及び光輝性を向上させることができる。
【0016】また、黄銅に添加する金属元素として、本
発明で提示した種類を用いることによって、耐熱性が著
しく向上する。また、黄銅に添加される金属量を調整す
ることにより、色調をコントロールすることができるの
で、高い光輝性のゴールド色メタリック顔料を容易にし
かも大量に安定した品質で製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のメタリック顔料及びその
色調調整方法の実施の形態について説明する。メタリッ
ク顔料は、樹脂練り込みや塗料練り込み等に用いられる
顔料であり、ゴールド色を発するメタリック顔料には、
黄銅(Cu−Zn合金)をガラス、ガラスフレーク、マ
イカ等の粉末基材表面に物理蒸着等によって被着して製
造されることは周知である。本発明は、粉末基材の表面
に物理蒸着等によって被着される皮膜材(コーティング
材)及びその色調調整方法に特徴を有するメタリック顔
料である。
【0018】本実施形態のメタリック顔料では、粉末基
材は、従来のメタリック顔料と同様に、ガラス、ガラス
フレーク、マイカ等が用いられ、粉末基材表面に被着さ
れる皮膜材として、アルミニウム、クロム、ニッケル、
チタン、金、錫のいずれか1種を選択するか、2種以上
を選択して、黄銅に含有させたものである。皮膜材は、
真空蒸着法やスパッタリング法等の物理蒸着法によっ
て、粉末基材表面にコーティングされる。
【0019】この物理蒸着法は、例えば発明者らが特開
平2−153068号公報に開示した回転式バレルによ
る公知の装置によって製造することが可能である。即
ち、回転するバレルに所定の粉末を入れ、粉末基材を攪
拌しながら蒸着粒子又はスパッタされた粒子を粉末基材
に当てればコーティングすることができる。粉末基材に
多種の成分をコーティングする場合は、真空蒸着では皮
膜材を溶融する際に成分が変化することがあるので、ス
パッタリング法を用いることが望ましい。
【0020】真空蒸着でコーティングする場合は、溶解
るつぼに黄銅と添加元素を入れて所定の成分にした合金
を投入して、溶解するなどして蒸着する。殊に、黄銅と
融点及び蒸気圧の著しく異なる金属又は合金を添加する
場合には前もって黄銅と合金化しておくことが望まし
い。また、スパッタリング法では、黄銅に他元素を添加
し所定の成分にした合金をターゲットにするか、黄銅タ
ーゲットと添加元素のターゲットの2種又はそれ以上を
組み合わせてスパッタリングすればよい。これらの物理
蒸着法によってコーティングされる粉末基材は、特に制
限されないが、優れた光輝性を得るためには表面の平滑
性に優れたガラスフレークやマイカ等を用いることが望
ましい。
【0021】本実施形態では、粉末基材の被膜材として
用いられる金属として、黄銅に添加元素を入れることに
より、ゴールド色メタリック顔料の光輝性を向上させる
ことができる。この光輝性は添加量によって若干変化す
るが、いずれも添加しない場合に比べて改善できる。ま
た、色調は、後の実施例で述べるように、アルミニウ
ム、錫、金以外は添加量を増大させるとゴールド色の黄
色度が減少するが、本発明に示す組成成分範囲では黄色
味がなくなることがなく、これらの光輝性に優れるメタ
リック顔料は、600℃までの熱履歴によってもその色
度は添加元素を混入しないもの、あるいは本発明以外の
添加元素に比べて変化が少なく、これまでの黄銅合金で
問題となったような色調変化は認められない。
【0022】また、黄銅に添加される金属の添加量を調
整することによって、黄銅の持つ黄色度から淡いあるい
は濃い黄色味まで色度を調整することが可能である。例
えば、アルミニウム、錫を添加した場合には、5〜7重
量%付近までは黄色度を増大させる効果があり、それ以
上添加した場合は黄色度を低くすることができる。黄色
度がなくなる組成範囲は、本発明で示す組成範囲より多
い12重量%以上である。一方、金を添加した場合には
添加量に従って黄色度は増大するが、本発明に示す組成
範囲を超える11重量%付近では、金属間化合物を生成
して急激に色調が変わり、ゴールド色のメタリック顔料
を得ることはできない。
【0023】本実施形態のゴールド色メタリック顔料
は、優れた耐熱性と高い光輝性を有しており、かつ添加
元素の種類、量により黄色味の色調を調整することがで
きるため種々の意匠的要求に応えることができる意匠性
塗料及び樹脂練込み用の顔料であり、工業的用途は極め
て大きく、その製造方法も容易であり、コストの低減も
可能である。
【0024】以下、本発明の具体的な実施例によって、
詳細に説明する。 (実施例1)実施例1のメタリック顔料は、粉末基材に
黄銅(Cu−Zn合金)と金属元素との合金を被覆した
ものである。粉末基材としては、平均粒径100μmの
ガラス粉末、ガラスフレーク又は平均粒径1μmのマイ
カが用いられる。これらの粉末基材表面には物理蒸着に
よるコーテング層が形成される。コーテング層は、JI
S H 2202規定の3種黄銅合金に、アルミニウ
ム、クロム、ニッケル、チタン、金、錫のいずれか一種
の金属元素を7重量%添加した黄銅合金である。コーテ
ング層は、真空蒸着法又はスパッタリング法による公知
の方法によって、これらの粉末基材の表面にコーティン
グされる。
【0025】実施例1のメタリック顔料は、その光輝性
が、JIS Z 8741規定に基づいて表面光沢度が
評価された。実施例1のメタリック顔料を1重量%添加
した透明アクリル樹脂を試験紙にコーティングして光輝
性の評価を行っている。その結果は、図1、図2に示す
通りである。なお、図1、図2の横軸に黄銅に添加され
る元素が示され、縦軸にメタリック顔料の光沢度が示さ
れている。これらの図には、実施例1のメタリック顔料
との比較例として、黄銅に元素を添加しない場合と、本
実施例以外の元素(鉄、コバルト)を添加した場合のメ
タリック顔料による光沢度の測定結果が示されている。
【0026】図1は真空蒸着法によるメタリック顔料の
光沢度を示し、図2はスパッタリング法によるメタリッ
ク顔料の光沢度を示している。図1、図2から明らかな
ように、本実施例1によるメタリック顔料は、いずれの
皮膜材の場合であっても、比較例よりも光沢度が向上す
ることが分かる。この中で、特にアルミニウム(Al)
を添加したメタリック顔料が最も光沢度が高くなること
が分かった。また、図1(a)〜(c)及び図2(a)
〜(c)の実施例の比較から図1(b)、(c)及び図
2(b)、(c)が光沢度が高いことを示している。即
ち、高い光輝性を得る粉末基材としては、ガラスフレー
ク及びマイカであることを示している。
【0027】(実施例2)実施例2のメタリック顔料
は、粉末基材に黄銅(Cu−Zn合金)合金を被覆した
ものである。実施例1と同様に、粉末基材としては、平
均粒径100μmのガラス粉末、ガラスフレーク、平均
粒径1μmのマイカが用いられる。これらの粉末基材表
面には、真空蒸着法又はスパッタリング法によって、J
IS H 2202規定の3種黄銅合金に、アルミニウ
ム、クロム、ニッケル、チタン、金、錫のいずれか二種
類以上の金属を7重量%添加したものをコーティングし
たメタリック顔料である。図3、図4に実施例2のメタ
リック顔料の特性が示されている。実施例2の添加材元
素の組み合わせは、Al50Ni50、Ti50Cr50、Au
50Ni50、Al50Sn50、Al50Ti50、Cr50
50、Al40Ni30Ti30、Al40Au30Cr30の8種
がある。ここで添字、例えばAl40Ni30Ti30の4
0、30、30は、それぞれアルミニウムが40重量
部、ニッケルが30重量部、チタンが30重量部含まれ
ていることを示す。以下の実施例においても、添字の意
味は同様である。
【0028】図3は真空蒸着法による場合であり、図4
はスパッタリング法による場合である。図3、図4の横
軸は、黄銅合金に添加される元素種を示し、縦軸は光沢
度を示している。実施例2のメタリック顔料の光輝性
は、実施例1の場合と同様に、JIS Z 8741規
定に基づいて表面光沢度が評価された。実施例2のメタ
リック顔料を1重量%添加した透明アクリル樹脂を試験
紙にコーティングして光輝性の測定がなされた。また、
比較例は、黄銅に金属元素を添加しない場合と本実施例
以外の金属元素の組み合わせによる金属合金(Al50
50、Co50Cr50)を添加した場合の光沢度の測定結
果が示されている。
【0029】本実施例2によるメタリック顔料は、図
3、図4から明らかなように、黄銅合金にいずれの元素
種を添加した場合でも、比較例より光沢度は向上してい
ることが分かる。また、図3(a)、図4(a)は粉末
基材がガラス粉末あり、図3(b)、図4(b)はガラ
スフレーク、図3(c)、図4(c)はマイカであり、
この光沢度を示す図から高い光輝性を得るためには、粉
末基材としてはガラスフレーク及びマイカが適している
ことを示している。
【0030】(実施例3)実施例3のメタリック顔料
は、平均粒径100μmのガラスフレークにスパッタリ
ング法により、JIS H 2202規定の3種黄銅合
金に、種々の金属(Au、Al、Ni、Cr、Sn)及
び合金(Al50Ni50、Ti50Cr50)を3重量%添加
したものをコーティングしてあり、真空中で100〜6
00℃の温度範囲で1時間熱処理を行って、その耐熱性
を検査した。その時の光輝性の変化は、JIS Z 8
741規定の方法に従って表面光沢度で評価して、その
結果を図5に示した。また、黄色度の変化は、JIS
Z 8729規定のb値で評価し、その結果を図6に示
した。なお、評価は顔料を1重量%添加した透明アクリ
ル樹脂を試験紙にコーティングして測定した。また、比
較例として、添加元素が無い場合と本発明以外の元素
(Co、Fe)、合金(Al50Fe50)を加えた場合の
同様の測定結果を示している。図5、図6から明らかな
ように、本実施例3によるメタリック顔料は、真空中で
も600℃までの熱処理に対しても光沢度及び色度の変
化は非常に少なく、比較例よりも耐熱性が極めて優れて
いることが判明した。
【0031】(実施例4)実施例4とし、メタリック顔
料の色調調整方法について説明する。実施例4のメタリ
ック顔料は、JIS H 2202規定の3種黄銅合金
に、添加される種々の元素(Au、Al、Ni、Cr、
Sn)又は合金(Al50Ni50、Ti50Cr50)の添加
量(重量%)を変えて、平均粒径100μmのガラスフ
レークに真空蒸着法及びスパッタリング法により、それ
ぞれコーティングしたメタリック顔料である。これらの
添加量の異なるメタリック顔料によって、光沢度と黄色
度の測定を行った。光輝性は、JIS Z 8741規
定の方法に従って表面光沢度で評価した結果が図7、図
9に示され、色度の内、黄色度は、JIS Z 872
9規定のb値で評価した結果が図8、図10に示されて
いる。図7、図8は真空蒸着法で製造したものの結果を
示し、図9、図10はスパッタリング法で製造したもの
の結果を示している。なお、評価方法は上記実施例と同
じである。また、比較例として、本発明以外の元素(F
e、Co)及び合金(Al50Fe50)を加えた場合の同
様の結果を示している。
【0032】本実施例4によるメタリック顔料は、いず
れのコーティング方法でも比較例の場合よりも光沢度は
向上していることがわかる。この光沢度は添加元素の量
が、本発明に示す組成範囲の上限である10重量%を超
えると次第に減少する。従って、添加元素の量は、概ね
0.5〜10重量%の範囲と設定する。
【0033】また、色度は、アルミニウム、錫、金をの
ぞく金属では、添加量が増大するのに従って黄色味(b
値の+値)が減少し、淡黄色になる。本請求にある組成
範囲では、b値はいずれも+値で黄色が認められるが、
添加元素の量が、概ね10重量%の範囲より増加する
と、b値は急激に減少し、黄色度は失われる。したがっ
って、これらの元素等を実施例4の範囲で添加すること
により、黄色度を淡黄色側に調整することができる。一
方、図8、図10の比較例(点線で表示)で示した本発
明以外に金属を添加した場合では、添加量の増大により
急激に黄色度は失われる。
【0034】また、図8、図9に示されているように、
アルミニウム及び錫は添加量の増大につれて5〜7重量
%付近まではb値は増大して黄色度が強くなることを示
している。その後は、添加量の増大についてはb値は減
少し、黄色度は薄れていく。従って、これら添加元素に
より黄色度を黄銅よりも濃くあるいは淡くすることがで
きる。即ち、黄銅合金に対して元素又は合金の添加量
(重量%)を調整することで、ゴールド色の色調を自由
に制御することができる。
【0035】更に、金は、添加量の増大により黄色度を
増大させることができるが、10重量%を超えると金属
間化合物の生成によって、急激に青色度が強くなり黄色
度が無くなる。
【0036】上記実施例で説明したように、本発明で
は、耐熱性に優れた高い光輝性を有したメタリック顔料
を提供でき、かつ本発明による組成範囲においてはゴー
ルド色に対応する黄色度を濃黄から淡黄まで調整するこ
とが可能であるが、添加元素として、特にアルミニウム
を添加した場合が製造コストが低く、かつその光輝性も
高く、色調調整範囲も非常に広いことが立証された。
【0037】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、極めて
耐熱性と光輝度に優れたゴールド色のメタリック顔料を
提供することができる利点があり、高意匠性の樹脂練り
込み用顔料、塗料用顔料等の広範囲な工業分野に応用で
きる利点がある。
【0038】また、本発明によれば、黄銅合金に上記実
施例に示した金属元素又は合金を添加することによっ
て、高い光輝度が保持され、かつ金属元素又は合金の添
加量を変えることによって、黄色度を調整することがで
きる利点があり、大量に安定した品質の高光輝性ゴール
ド色のメタリック顔料を提供できる利点がある。
【0039】また、本発明によれば、黄銅合金の添加金
属としてアルミニウムを用いることによって、安価なメ
タリック顔料を提供できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の真空蒸着法によるゴー
ルド色メタリック顔料の添加元素の種類と光沢度の関係
を示す図である。
【図2】本発明に係る実施例1のスパッタリング法によ
るゴールド色メタリック顔料の添加元素の種類と光沢度
の関係を示す図である。
【図3】本発明に係る実施例2の真空蒸着法によるゴー
ルド色メタリック顔料の添加合金の種類と光沢度の関係
を示す図である。
【図4】本発明に係る実施例2のスパッタリング法によ
るゴールド色メタリック顔料の添加合金の種類と光沢度
の関係を示す図である。
【図5】本発明に係る実施例3のゴールド色メタリック
顔料の熱処理温度と光沢度の関係を示す図である。
【図6】本発明に係る実施例3のゴールド色メタリック
顔料の熱処理温度と黄色度(b値) の関係を示す図であ
る。
【図7】本発明に係る実施例4において、真空蒸着法に
より製造したゴールド色メタリック顔料の添加元素の量
と光沢度の関係を示す図である。
【図8】本発明に係る実施例4において、真空蒸着法に
より製造したゴールド色メタリック顔料の添加元素の量
と黄色度(b値) の関係を示す図である。
【図9】本発明に係る実施例4において、スパッタリン
グ法により製造したゴールド色メタリック顔料の添加元
素の量と光沢度の関係を示す図である。
【図10】本発明に係る実施例4において、スパッタリ
ング法により製造したゴールド色メタリック顔料の添加
元素の量と黄色度(b値) の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹島 鋭機 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社塗装複合材料研究部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末基材表面のコーティング層がアルミ
    ニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、錫から選択さ
    れる少なくとも1種の金属を含有させた黄銅合金である
    ことを特徴とするメタリック顔料。
  2. 【請求項2】 粉末基材表面のコーティング層がアルミ
    ニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、錫から選択さ
    れる少なくとも1種の金属を0.5〜10重量%含有さ
    せた黄銅合金であることを特徴とするメタリック顔料。
  3. 【請求項3】 前記粉末基材がガラスフレークあるいは
    マイカであることを特徴とする請求項1又は2記載のメ
    タリック顔料。
  4. 【請求項4】 前記黄銅合金に含有させた金属がアルミ
    ニウムであることを特徴とする請求項1、2、又は3記
    載のメタリック顔料。
  5. 【請求項5】 粉末基材表面に黄銅合金を物理蒸着法に
    よってコーティングする際に、アルミニウム、クロム、
    ニッケル、チタン、金、錫から選択される少なくとも1
    種の金属を含有させた成分とし、かつ選択した金属の重
    量%を変えることによって、メタリック顔料の色調を調
    整することを特徴とするメタリック顔料の色調調整方
    法。
  6. 【請求項6】 前記黄銅合金に含有させた金属をアルミ
    ニウムとし、前記アルミニウムの重量%を変えることに
    よって、メタリック顔料の色調を調整することを特徴と
    する請求項5記載のメタリック顔料の色調調整方法。
JP26655896A 1996-09-18 1996-09-18 メタリック顔料及びその色調調整方法 Withdrawn JPH1088027A (ja)

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JP26655896A JPH1088027A (ja) 1996-09-18 1996-09-18 メタリック顔料及びその色調調整方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007116769A1 (ja) * 2006-03-27 2007-10-18 Nippon Sheet Glass Company, Limited 金色調を有する光輝性顔料、これを含有する化粧料、塗料、インク、または樹脂組成物

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JP5030946B2 (ja) * 2006-03-27 2012-09-19 日本板硝子株式会社 金色調を有する光輝性顔料、これを含有する化粧料、塗料、インク、または樹脂組成物

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