JPH10511756A - 一体の冷却通路付きピストンの製法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ピストンリング帯域（３）の領域に閉じられた冷却通路（８）を備えかつピストンリング帯域（３）とボックス状のピストンスカート（４）との間に切欠き（７）を備えた一体のピストン（６）を得るために、次のステップのプロセスが行われる。即ち、ピストン素材（１）を鍛造プロセスで製作し、環状の切欠き（７）を切削加工により設け、この場合、環状の切欠き（７）の軸方向高さを、少なくとも冷却通路の軸方向高さに等しくし、下向きに開いた冷却通路（８）を切削加工により設け、ボス孔（９）を設けかつピストン（６）の外郭を仕上げ加工し、下向きに開いた冷却通路（８）を二部分から成るカバーリング（１０）によって閉鎖する。

Description

【発明の詳細な説明】 一体の冷却通路付きピストンの製法 本発明は、請求の範囲第１項の上位概念に記載の形式の、一体の冷却通路付き ピストンの製法に関する。 鋳造プロセスで鋼から製作されるこのようなピストンは、実地から公知である 。この場合閉じられた冷却通路を得るために、解離可能な鋳造コアが使用される が、これにより、製作プロセスが複雑になりかつコスト高になる。 本発明の課題は、構造的に簡単な形式で、閉じられた冷却通路を有する一体の 冷却通路付きピストンを製作できるようにすることにある。 前記課題は本発明によれば、請求の範囲第１項の特徴部分に記載の本発明によ る一体の冷却通路付きピストンの製法によって解決された。 本発明の有利な製法は、その他の請求項に記載されている。 従来技術は、ピストンヘッドがピストンスカートから分離されてピストンピン を介してのみピストンスカートに連結されている（ドイツ国特許出願公開第３６ ４３０３９号明細書参照）リンクピストン（揺動スカートピストン＝Pendelscha ftkolben）の構成に向けられている。このようなリンクピストンの場合には、ピ ストンヘッド内に、下向きに開いた冷却通路が設けられていて、この冷却通路は 、分割された薄板リングによって閉鎖されている。このような冷却通路の製作は 、ピストンを二部分から構成することによってのみ行われるが、これにより、リ ンクピストンの製作費用が増大する。それというのも、例えばピストンスカート を別個に付加的に加工しなければならないからである。更に、リンクピストンは 、本発明の一体のピストンに比して長いピストンピンを必要とし、従って、重量 を増大させることになる。 以下に図示の実施例に基づき、本発明による製法により製作された一体の冷却 通路付きピストンを詳述する。 第１図は、本発明によるピストン素材の断面側面図、第２図は、ピストン素材 を下方からみた図、第３図は、仕上げ加工されたピストンの部分断面側面図、第 ４図は、仕上げ加工されたピストンを下方からみた部分断面図である。 第１図及び第２図では、公知の型鍛造プロセスにより製作された一体のピスト ン素材１を図示している。一点鎖線により完成したピストンの輪郭が示されてい る。ピストン素材１は、ピストンリング帯域３を後で加工されるピストンヘッド ２と、ピストンスカート４と、ピストンヘッド２に懸架されたピストンボス５と を有していてかつ鍛造可能な鋼又はＡＬ（アルミニウ ム）・合金から製作される。 第３図及び第４図では、本発明による製法で製作された仕上げ加工されたピス トン６を図示している。第１の方法ステップでは、切削加工（旋削）によりピス トン素材１に環状の切欠き７が設けられ、この場合、切欠き７の軸方向の高さは 、後で加工される冷却通路８の高さよりも僅かばかり大きい。これにより、ピス トンスカート４がピストンボス５を介してのみピストンヘッド２に連結されてい るように、ピストンヘッド２とピストンスカート４とが分離される。下向きに開 いた冷却通路８を製作するために、フック状の旋削工具が切欠き７内に導入され かつ相応の軸方向及び半径方向のインフィードによって所望の形状で冷却通路が 旋削される。次いで、ボス孔９が公知の形式で設けられかつピストン６の外郭が 切削加工により仕上げ加工される。 下向きに開いた冷却通路８を閉鎖するために、二部分から成るカバーリング１ ０（例えば分割された皿ばね）が、プレロード（予ばね力）下でピストンヘッド ２の対応する支持部内に取り付けられる。カバーリング１０は、冷却オイル用の 供給開口１０及び排出開口１２を備えている。 このような製法によって、安価に閉じられた冷却通路を有する一体のピストン が製作される。このピストンは、自由な材料選択（鍛造された鋼又は鍛造可能な ＡＬ・合金）に基づき、鋳造プロセスで製作されたピストンに比して、例えば高 い強度を有するので、ピストンは高負荷されるディーゼル機関のために特に適す る。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９６年１０月１７日 【補正内容】 明細書 一体の冷却通路付きピストンの製法 本発明は、請求の範囲第１項の上位概念に記載の形式の、一体の冷却通路付き ピストンの製法に関する。 鋳造プロセスで鋼から製作されるこのようなピストンは、実地から公知である 。この場合閉じられた冷却通路を得るために、解離可能な鋳造コアが使用される が、これにより、製作プロセスが複雑になりかつコスト高になる。 一体の冷却通路付きピストンは、アメリカ合衆国特許第４６０８９４７号明細 書からも公知であるが、この場合、製法に関しては何等記載されてない。 本発明の課題は、構造的に簡単な形式で、閉じられた冷却通路を有する一体の 冷却通路付きピストンを製作できるようにすることにある。 前記課題は本発明によれば、請求の範囲第１項の特徴部分に記載の本発明によ る一体の冷却通路付きピストンの製法によって解決された。 本発明の有利な製法は、その他の請求項に記載されている。 請求の範囲 １．特にディーゼル機関用の一体の冷却通路付きピストンの製法であって、該ピ ストンが、ピストンヘッド（２）のピストンリング帯域（３）の高さで環状に周 方向に延びる閉じられた冷却通路（８）、並びに、ピストンリング帯域（３）と ボックス状のピストンスカート（４）との間に設けられた環状の切欠き （７） を備えており、ピストンスカート（４）が、ピストンヘッド（２）に懸架された ピストンボス（５）に連結されている形式のものにおいて、 ピストン素材（１）を鍛造プロセスで製作し、 環状の切欠き（７）を切削加工により設け、 下向きに開いた冷却通路（８）を切削加工により設け、 ボス孔（９）を設けかつピストン（６）の外郭を仕上げ加工し、 下向きに開いた冷却通路（８）をカバーリング（１０）によって閉鎖するこ とを特徴とする、一体の冷却通路付きピストンの製法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．特にディーゼル機関用の一体の冷却通路付きピストンの製法であって、該ピ ストンが、ピストンヘッドのピストンリング帯域の高さで環状に周方向に延びる 閉じられた冷却通路、並びに、ピストンリング帯域とボックス状のピストンスカ ートとの間に設けられた環状の切欠きを備えており、ピストンスカートが、ピス トンヘッドに懸架されたピストンボスに連結されている形式のものにおいて、 ピストン素材（１）を鍛造プロセスで製作し、 環状の切欠き（７）を切削加工により設け、 下向きに開いた冷却通路（８）を切削加工により設け、 ボス孔（９）を設けかつピストン（６）の外郭を仕上げ加工し、 下向きに開いた冷却通路（８）をカバーリング（１０）によって閉鎖するこ とを特徴とする、一体の冷却通路付きピストンの製法。 ２．環状の切欠き（７）の軸方向高さを、少なくとも冷却通路の軸方向高さに等 しくすることを特徴とする、請求項１記載の製法。 ３．カバーリング（１０）を二部分から構成することを特徴とする、請求項１又 は２記載の製法。 ４．冷却通路（８）を製作するために、フック状の旋 削工具を使用することを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項記載の 製法。 ５．ピストン材料として、鍛造可能な耐熱性の鋼を使用することを特徴とする、 請求項１から４までのいずれか１項記載の製法。 ６．ピストン材料として、鍛造可能なＡＬ・合金を使用することを特徴とする、 請求項１から５までのいずれか１項記載の製法。