JPH10507952A - バイオプシー針 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 バイオプシー針装置は、組織を穿刺する尖った先端を有する外側カニューレ（１２）と、該カニューレ（１２）の中に設けられていて側部が切り欠かれているスタイレット（１４）とを備える。スタイレット（１４）及びカニューレ（１２）は、互いに関して軸方向に運動可能である。スタイレット（１４）は、先端付近にノッチ（８）を有する中実の棒から構成されている。ノッチ（８）のその長さに沿う部分は、壁で形成された領域によってその境界が定められていて、保護された標本収容空間を少なくとも部分的に形成している。スタイレット（１４）は、組織を穿刺する尖った先端を備えている。ノッチ（８）は、円筒形の領域を形成しており、また、上記壁によって形成された領域は、半円形状の断面を有している。

Description

【発明の詳細な説明】 バイオプシー針 本発明は、バイオプシー針に関する。 発明の背景 バイオプシー針器具は、患者が受ける外傷を最小限にして、悪性度を判定する 顕微鏡観察を行うための組織標本を採取するために頻繁に使用される。一般的に 、そのような器具は、スタイレットと呼ばれる細く長いプローブを備えており、 このプローブは、カニューレと呼ばれる中空の針に緊密に嵌合している。最初に 、発射装置が、スタイレットを組織の中に投射し、その後直ちにカニューレが続 く。スタイレットはノッチすなわち切欠部を備えており、スタイレットが組織の 中に入ると、上記ノッチの中に組織が入ることになる。その後、カニューレがス タイレットの周囲で摺動するので、カニューレは、スタイレットの中に入った上 記組織を周囲の組織から切断し、該切断された組織を標本として上記ノッチの中 に捕獲する。一般的に、上記器具をその後後退させ、上記組織をスタイレットか ら取り除く。 発明の概要 本発明は、ある観点において、組織を穿刺する尖った先端を有するカニューレ と、該カニューレの中に位置していて側部が切り欠かれたスタイレットとを含む タイプのバイオプシー針装置を提供するという特徴を備えている。上記スタイレ ット及びカニューレは、互いに関して軸方向に運動可能である。スタイレットは 、先端付近にノッチを有する中実の棒部材から構成される。上記ノッチのその長 さに沿う部分は、壁で形成される領域によってその境界が定められており、保護 された標本収容空間を少なくとも部分的に形成している。 幾つかの実施例は、１又はそれ以上の以下の特徴を備えることができる。スタ イレットは、組織を穿刺する尖った先端を有している。ノッチは、円筒形の領域 を形成し、また、上記壁で形成された領域は、半円形状の断面を有している。ノ ッチは、上記棒の直径の約９０−９７％の断面積を有している。上記壁で形成さ れた領域の肉厚は、約０．２０３ｍｍ−０．３３０ｍｍ（０．００８インチ−０ ．０１３インチ）の範囲である。上記棒の断面積は、１４乃至１８ゲージである 。上記ノッチの長さは、約１０−２０ｍｍである。上記ノッチの長さは、約１７ ｍｍである。 別の観点においては、本発明は、生検標本を採取する方法を提供するという特 徴を備えており、この方法は、組織を穿刺する尖った先端を有する外側カニュー レと、該カニューレの中に位置していて側部が切り欠かれているスタイレットと を含むタイプのバイオプシー針を準備する工程を備えている。スタイレット及び カニューレは、互いに関して軸方向に運動可能である。スタイレットは、先端付 近にノッチを有する中実の棒部材から実質的に構成されている。ノッチは、その 長さに沿って、上記棒部材の薄肉の領域によってその境界が定められていて、標 本収容空間を形成している。本方法は、スタイレットの先端をカニューレの組織 を穿刺する尖った先端に整合させる工程と、バイオプシー針を採取すべき組織の 中に導入する工程と、スタイレットを先端方向に前進させて、採取すべき組織を ノッチの中に入れる工程と、カニューレを先端方向に前進させて、上記組織を切 断し該組織を標本収容空間の中に保持する工程と、バイオプシー針を取り除く工 程とを備えている。本方法は、硬いガン病巣から標本を採取する工程を含むこと ができる。 本発明は、多くの利点を有している。例えば、バイオプシー針のスタイレット は、挫傷アーチファクトを生じさせることが少ない大きな組織標本を受け入れて これを保護するための、実質的に包囲された大きな標本収容空間を提供する。一 般的に、スタイレットのノッチは、連続的な中実の棒に形成されていて、スタイ レットの強度を全体的に維持するように、短い軸方向の長さを有している。従っ て、座屈又は他の故障を生ずることなく、硬いガン病巣の如き硬い組織から大き な標本を採取することができ、また、骨からでさえも（あるいは、針が偶発的に 骨に当たる場合でも）、大きな標本を採取することができる。 更に別の利点、特徴及び観点は、後に説明する。 図面の簡単な説明 図１は、通常のバイオプシー針に通常使用されるあるタイプの針ノッチの断面 図である。 図２は、本発明のバイオプシー針の実施例の平面図である。 図２ａは、図２の線２ａ−２ａに沿って取った、図２のバイオプシー針の溝型 ノッチの横断面図である。 図２ｂは、図２のバイオプシー針の先端領域の側面図である。 好ましい実施例の説明 図１を参照すると、通常使用されているバイオプシー針（生検針）は、開口し た棚状の領域を有するスタイレットノッチ８を有している。このノッチは、例え ば、棒を切断することにより形成される半円筒形の形状を有することができる。 標本すなわちサンプルは、上記棚部に入り、カニューレの内側面によって、そこ に保持される。上記カニューレは、上記針の周囲を通過して、体から組織を切除 する。 図２を参照すると、本発明のバイオプシー針装置１０は、ハンドル１１と、中 空カニューレ１２と、スタイレット１４とを備えている。スタイレット１４は、 その先端２２に鋭利なチップ２０を有している。スタイレットは、チップ２０の 基端側に、直ぐ後に詳細に説明する溝型ノッチ１６を備えている。この溝型ノッ チは、大きな標本を採取してこれを保護することを可能にすると同時に、座屈す ることなく硬い病巣を穿刺することができるように針の強度を維持する。カニュ ーレ１２及びスタイレット１４は、互いに関して軸方向に運動可能である。使用 の際には、バイオプシー針は、スタイレット１４をカニューレ１２の中に入れた 状態で、標本を採取すべき組織の部位に達するまで、体の中に挿入される。次に 、スタイレット１４を前進させて、溝型ノッチ１６を露出させる。組織が溝型ノ ッチ１６の中に入り、カニューレ１２を前進させて組織を切断して標本を切除す る。この標本は、溝型ノッチの内部で保護された状態に保持される。次に、バイ オプシー針装置１０を体から取り除く。カニューレを後退させ、標本をノッチか ら取り除く。この標本は、例えば、ＤＮＡ又は他の検査によって分析され、その 悪性度の検討が行われる。バイオプシー針を駆動するための機構が、本件出願人 が所有する米国特許第４，９５８，６２５号、及び、同第５，１９５，５３３号 に教示されている。 図２ａも一緒に参照すると、針スタイレット１４は、その先端領域１８に位置 する溝型ノッチの標本収容領域１６を除いて、中実の棒である。溝型ノッチは、 スタイレット１４の断面積よりもほんの僅かに小さい断面積を有する円筒形の空 間を画成している。上記領域の下方部分は、壁で囲まれた半円形の部分２４によ ってその境界が定められている。上記半円形の部分は、カニューレがスタイレッ トの周囲で高速で摺動する際に、標本の大きな部分がカニューレに係合しないよ うに保護することができる。上記ノッチの長さは、座屈を防止するために、また 、大きなトルクの伝達を許容するために、比較的短く維持されている。ノッチが 短くても、比較的大きな標本を収集することができる。その理由は、スタイレッ トの半円形の部分によってその境界が定められている上記ノッチの下方部分が、 標本を収容するための大きな領域を提供するからである。 溝型ノッチは、３０４ステンレス鋼の中実の棒を放電加工又は研削することに よって、形成することができる。一実施例においては、溝型ノッチは、スタイレ ット１４の先端２２から約５．３３−６．６０ｍｍ（約０．２１０−０．２６０ インチ）の位置に設けられている。半円形の部分２４の肉厚は、１４−１８ゲー ジのスタイレットに関しては、約０．２０３−０．３３０ｍｍ（約０．００８− ０．０１３インチ）であり、すなわち、スタイレット１４の直径の約３−７％で ある。溝型ノッチ１６の長さは、約１０−２０ｍｍであって、例えば、約１７ｍ ｍとすることができる。 同じ長さの半円筒形のノッチを有する同じゲージのスタイレットと比較すると 、溝型ノッチは、一般的に、約３５−４０％大きい断面積を有していて、各標本 当たり約３５−４０％多いＤＮＡをもたらす大きな標本を採取することができ、 また、１４ゲージの針に関しては約２３．４％だけ大きく、また、１５ゲージの 針に関しては約２７％だけ大きく、更に、１８ゲージの針に関しては約３０．８ ％だけ大きい組織重量を有する標本を採取することができる。組織標本は溝型ノ ッチの中にぎっしりと詰め込まれる。そのような組織標本は、バイオプシー針か ら取り除かれた後には、半円筒形のノッチを有するバイオプシー針の場合と比較 すると、１４ゲージの針に関しては、１０．２％だけ長く、また、１５ゲージの 針に関しては、５．７％だけ長いことが判明している。体積が増大されたそのよ う なノッチは、より大きな組織標本が該ノッチの中に入ることを許容し、その結果 、より広く且つより深い組織の領域からより大きな標本を採取することが可能と なる。より大きな標本を採取することができるので、必要とされる生検材料の数 が減少する。また、組織病理学的な評価を行うためには、十分な数の細胞をもた らす大きな単一の生検標本の方が、小さな複数の標本よりも好ましい。溝型ノッ チを有する本バイオプシー針の設計は、例えば、硬いガン病巣から標本を採取す る時のように、小さな標本が損傷することにより正確な分析が阻害されるような 状況において標本を採取する場合に、特に効果的である。そのような標本は、挫 傷アーチファクトを少なくする。 本発明のバイオプシー針装置は、体の多くの部分においてサンプリング（標本 採取）を行うために使用することができる。本バイオプシー針装置は、大きな標 本を採取しこれを保護するという効果を享受しながら、例えば、肺、腎臓、肝臓 、及び、胸部の如き総ての軟らかい組織に使用することができる。溝型ノッチを 有するバイオプシー針のスタイレットの設計は、標本のサイズを犠牲にすること なく、長手方向の強度を維持することができるので、極めて硬い病巣にも使用す ることができ、骨にでさえ使用することができる。 別の実施例においては、溝型ノッチの標本収容領域の壁で形成された部分の断 面形状を変えることができる。２以上の溝型ノッチの標本収容領域をスタイレッ トの軸方向に連続して形成して、複数の生検材料をサンプリングすることができ るようにすることができる。溝型ノッチは、本件出願人が所有する米国特許第５ ，１９５，５３３号に記載されているような、複数の標本を採取するための他の 装置に使用することができる。また、溝型ノッチは、国際特許公開９４／２６１ ７２（ＷＯ９４／２６１７２）に記載されているような可撓性の長いカテーテル ボディの中に設けることによって、深い組織の生検標本を採取するために使用す ることもできる。 更に別の実施例も以下の請求の範囲に入る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チン，イェン アメリカ合衆国マサチューセッツ州01803, バーリントン，ユニバーシティ・アベニュ ー 35 (72)発明者 ベイテス，ジェームズ アメリカ合衆国インディアナ州47404，ブ ルーミントン，ノース・メリーベル・ウェ イ 4725

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 組織を穿刺する尖った先端を有する外側カニューレと、該カニューレの 中に位置していてその側部が切り欠かれているスタイレットとを備え、前記スタ イレット及びカニューレが、互いに関して軸方向に運動可能であるように構成さ れたバイオプシー針装置であって、前記スタイレットは、先端付近にノッチを有 する中実の棒部材から形成されており、前記ノッチのその長手方向に沿う部分は 、保護された標本収容空間を少なくとも部分的に形成するように、壁で形成され た領域によってその境界が定められていることを特徴とするバイオプシー針装置 。 ２． 請求項１のバイオプシー針装置において、前記スタイレットは、組織を 穿刺する尖った先端を備えていることを特徴とするバイオプシー針装置。 ３． 請求項１のバイオプシー針装置において、前記ノッチは、円筒形の領域 を形成しており、前記壁で形成された領域は、半円形状の断面を有していること を特徴とするバイオプシー針装置。 ４． 請求項３のバイオプシー針装置において、前記ノッチは、前記棒の直径 の約９０−９７％の断面積を有していることを特徴とするバイオプシー針装置。 ５． 請求項３のバイオプシー針装置において、前記壁で形成された領域の肉 厚が、約０．２０３乃至０．３３０ｍｍ（０．００８乃至０．０１３インチ）の 範囲にあることを特徴とするバイオプシー針装置。 ６． 請求項５のバイオプシー針装置において、前記棒の断面積が、１４乃至 １８ゲージの範囲にあることを特徴とするバイオプシー針装置。 ７． 請求項６のバイオプシー針装置において、前記ノッチの長さが、約１０ −２０ｍｍであることを特徴とするバイオプシー針装置。 ８． 請求項７のバイオプシー針装置において、前記ノッチの長さが、約１７ ｍｍであることを特徴とするバイオプシー針装置。 ９． 生検標本を採取する方法であって、 組織を穿刺する尖った先端を有する外側カニューレと、該カニューレの中に位 置していてその側部が切り欠かれているスタイレットとを備え、前記スタイレッ ト及びカニューレが、互いに関して軸方向に運動可能であり、前記スタイレット は、先端付近にノッチを有する中実の棒部材から実質的に形成されており、前記 ノッチは、その長手方向に沿って、前記棒部材の薄肉の領域によってその境界が 定められていて、標本収容空間を形成するように構成されている、バイオプシー 針を準備する工程と、 前記スタイレットの先端を前記カニューレの組織を穿刺する尖った先端に整合 させる工程と、 前記バイオプシー針を採取すべき組織の中に導入する工程と、 前記スタイレットを先端方向に前進させて、採取すべき組織を前記ノッチの中 に入れる工程と、 前記カニューレを先端方向に前進させて、前記組織を切断し、該組織を前記標 本収容空間の中に保持する工程と、 前記バイオプシー針を取り除く工程とを備えることを特徴とする方法。 １０． 請求項９の方法において、硬いガン病巣から標本を採取する工程を備え ることを特徴とする方法。