JPH10506825A - 化粧用ペンシル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 化粧用ペンシル（１０）は、ケースの柄部分（１２）とケースの前部分（１４）とを有する。化粧用スティック（２４）は、駆動部材（２２）によって、ケースの前部分（１４）の開口部（４０）に対して変位可能である。化粧用スティック（２４）をケースから出没させるために、駆動部材（２２）は、ケースの前部分（１４）内に軸線方向双方向に移動可能に配置された筒状のスティック保持部材（２６）の形態を有している。スティック保持部材（２６）から突出する化粧用スティック（２４）は、その後部固定部（４２）においてスティック保持部材（２６）内に固定されている。化粧用スティック（２４）とケースの前部分（１４）またはその開口部（４０）との間に常に遊びが存在しないように、かつ化粧用スティック（２４）の外周面（３４）はスティック保持部材（２６）の外面（３２）に段差がないように整合されており、化粧用スティック（２４）の外周面（３４）の径とスティック保持部材（２６）の外面（３２）の径とは、化粧用ペンシル（１０）のケースの前部分（１４）の開口部（４０）の内径と一致している。

Description

【発明の詳細な説明】 化粧用ペンシル 発明の属する技術分野 本発明は、ケースの柄部分と、このケースの柄部分に連結されたケースの前部 分と、化粧用スティックを上記ケースの前部分の開口部に対して相対的に移動さ せるために設けられかつ上記ケースの前部分内において軸線方向に進退するよう に配置された筒状のスティック保持部材の形態を有する駆動部材とを備え、上記 筒状のスティック保持部材から突出する塗布部を備えた上記化粧用スティックが 、上記筒状のスティック保持部材内の後部の固定部に固定され、上記化粧用ステ ィックの塗布部が、遊びがない状態で上記ケースの前部分の開口部を通って延び る化粧用ペンシルに関するものである。 発明の背景 ドイツ国特許Ｃ１第３７２８４２７号明細書には、ケースの柄部分と、このケ ースの柄部分に連結されたケースの前部分と、このケースの前部分の開口部に対 して化粧用スティックを移動させるための駆動部材とを備えた化粧用ペンシルが 開示されている。上記公知の化粧用ペンシルは、型抜きされた化粧用スティック かまたは押出し成形された化粧用スティックを備えている。この化粧用スティッ クは、前方への供給動作を行なうときに、単にケースの前部分に対して前方への 供給動作を行なうのみでなく、同時に回転動作も行ない、この回転動作が問題を 生じることが判明している。同じ事が、英国特許Ａ第９５６６５１号明細書に記 載された化粧用ペンシルにもあてはまる。この場合の化粧用スティックも、ケー スの前部分に対し、前方への供給動作を行なうのみでなく、同時に回転動作も行 なっている。さらに、後者の形式の化粧用ペンシルの場合、化粧用スティックを 受け入れるために設けられかつねじ溝の切られた心棒の前端に配置された固定部 分内に化粧用スティックが挿入され、かつこの化粧用スティックが上記固定部分 内に固定されることを要する。したがって、上記公知の化粧用ペンシルにおける 化粧用スティックの取付け操作は複雑でかつ不経済である。 口紅の形態の化粧用ペンシルがドイツ国特許Ａ１第３７１１０３６号明細書で 知られている。この口紅の場合、前方への供給動作を行なうとき、化粧用スティ ック部分がケースの前部分に対して問題を起こしやすい回転動作を行なわないこ とは明らかではあるが、ケースの前部分の開口部のエッジと化粧用スティック部 分の外周面との間に、化粧用スティック部分を保持する保持部材の壁の厚さに対 応する間隙が存在し、この間隙が障害の原因となることが判明している。 ドイツ国特許Ｃ２第３２１５２１５号明細書には、ケースの柄部分と、このケ ースの柄部分に連結されたケースの前部分と、化粧用スティックを上記ケースの 前部分の開口部に対して相対的に移動させるための駆動部材とを備えた化粧用ペ ンシルが記載されており、この化粧用ペンシルは、化粧用スティックをケースの 開口部から前進移動させることのみが可能である。この公知の化粧用ペンシルで は、化粧用スティックがケース内に戻る方向に移動するのは不可能である。 本明細書の冒頭で述べた種類の化粧用ペンシルは米国特許第４８２００７０号 明細書で知られている。この明細書は化粧用スティックの外径に関する情報を伝 えるものではない。しかしながら、上記公知の化粧用ペンシルでは、その筒状の スティック保持部材が、化粧用ペンシルのケースの前部分の縦方向の長さよりも 実質的に短いことが明らかである。さらに、この場合、化粧用スティックの塗布 部が、スティック保持部材の外周面よりも小さい外径を有し、したがって、ステ ィック保持部材と化粧用スティックの塗布部との間の位置に段差が存在する。 発明の概要 本発明の目的は、本明細書の冒頭で述べた種類の化粧用ペンシルを提供するこ とにあり、この化粧用ペンシルにおいては、細い化粧用スティックが、ケースの 開口部内で遊びがない状態でケースの前部分から出没し得るように配置される。 本発明による、本明細書の冒頭で述べた種類の化粧用ペンシルにおいては、化 粧用スティックが２mm〜６mmの間で一定の外径を有し、この化粧用スティックの 塗布部の外周面が筒状のスティック保持部材の外面に対して段差がないように整 合され、かつ筒状のスティック保持部材が、ケースの前部分の縦方向の長さより も僅かに長い長さを有することによって、上記目的を達成するものである。 本発明による化粧用ペンシルは、２mm〜６mmの間で一定の外径を有する上記の ような化粧用スティックを備えていることによって、化粧用スティックとケース の前部分との間の相対的な回転運動を回避しつつ、化粧用スティックがケースの 前部分から外方へ突出するように移動せしめられるのみでなく、ケースの前部分 内に戻るように移動せしめられることを可能としながら、化粧用スティックとケ ースの前部分の開口部との間に遊びがないという利点を有する。 本発明による化粧用ペンシルの場合、化粧用スティックがその後端から筒状の スティック保持部材内に挿入されることが好ましい。このような工程およびこの 工程の実施に用いられる装置がドイツ国特許出願Ｐ第４４４５２３１．４号明細 書に記載されている。 本発明による化粧用ペンシルにおいては、もしその筒状のスティック保持部材 が、回転運動を阻止された態様でケースの前部分内に軸線方向に調整移動可能に 配置され、かつそのケースの前部分の後端から突出するスティック保持部材の後 端部に雄ねじが設けられ、ケースの柄部分に、その内部で筒状のスティック保持 部材の雄ねじ部材が螺装される雌ねじが設けられているのであれば都合がよいこ とが判明している。このような構成により、ケースの柄部分がケースの前部分に 対して回転運動をすることによって、化粧用スティックは、ケースの前部分と化 粧用スティックとの間の相対回転運動は阻止されながら、ケースの前部分から出 没するという効果が得られる。 筒状のスティック保持部材上に設けられた雄ねじ部材の損傷またはケースの柄 部分の雌ねじ部に与える損傷を防止するために、上記雄ねじ部材がその回転し過 ぎを防止するための弾力性をもって曲がる手段を備えていることが望ましい。 筒状のスティック保持部材の前端部が化粧用スティックを固定するための固定 用部材を備えていれば、化粧用スティックを筒状のスティック保持部材に対して 信頼性をもって固定することができる。これら固定用部材は、突起、リブ、少な くとも１つの段差を備えた肩部とすることができ、これによって、簡単な手段を 用いながら、化粧用スティックがスティック保持部材あるいは化粧用ペンシルの ケースの前部分から落下するのを高い信頼性をもって防止することができる。 特に、本発明による化粧用ペンシルにおいては、化粧用スティックが揮発性の 成分を有している場合、筒状のスティック保持部材がその後端部においてシール 部材によってシールされていることが好ましい。このシール部材は、ボール、栓 、プラグ等とすることができる。 さらなる詳細構成、特徴および利点は、図示された本発明による化粧用ペンシ ルの実施例の説明によって明らかになるであろう。 図面の簡単な説明 第１図は、化粧用スティックがケースの前部分から突出した状態で示されてい る化粧用ペンシルの縦断面図である。 第２図は、第１図における部分IIの拡大詳細図である。 第３図は、第１図における部分IIIの拡大詳細図である。 発明の詳細な説明 第１図は、互いに軸線方向には相対移動不能にかつ相対回転可能に連結された 柄部分１２と前部分１４とからなるケースを備えた化粧用ペンシル１０を示す。 ケースの柄部分１２には雌ねじ部１６が形成されている。ケースの柄部分１２は その後端において、閉鎖プラグまたは栓２０によってシール状態に閉塞された孔 １８を備えている。 この化粧用ペンシル１０のケースの前部分１４内には、化粧用スティック２４ のための駆動部材２２が配置されており、この駆動部材２２は筒状のスティック 保持部材２６の形態を有する。このスティック保持部材２６は、軸線方向には移 動可能にかつ回転不能にケースの前部分１４内に配置されている。そのため、ケ ースの前部分には、例えば縦溝２８が形成され、スティック保持部材２６には、 上記縦溝２８内に突出する突起３０（第２図参照）が設けられている。第１図と 同一の部分に同じ参照番号を付して示されている第２図に見られるように、筒状 のスティック保持部材２６は、化粧用スティック２４の塗布部３６の周面３４に 対して段差がないように整合された外面３２を備えている。 筒状のスティック保持部材２６の外面３２と、これと同じ好ましくは円柱状の 外面輪郭を有する化粧用スティック２４の塗布部３６の周面３４とは、化粧用ペ ンシル１０のケースの前部分１４内の開口部４０の好ましくは円形の内面輪郭３ ８に対してほとんど遊びがないように適合されている。換言すれば、化粧用ステ ィック２４の外径は、ケースの開口部４０の内径よりも僅かに小径（摺動可能公 差）になっており、その結果、ケースの開口部４０において、化粧用スティック ２４が動きが取れなくなることを無くし、あるいは化粧用スティック２４のステ ィック材料が削られるのを防止している。 化粧用スティック２４は、その後部の固定部４２において筒状のスティック保 持部材２６の前端部４４内に固定される。化粧用スティック２４の固定部４２を 、筒状のスティック保持部材２６の前端部４４内において信頼性をもって固定す るために、上記前端部４４が固定用部材４６を備えていることが望ましい。第２ 図に示されているように、固定用部材４６は、例えば鉤爪状の突起、こぶまたは リブよりなり、固定用部材４６はまた、周方向に延びる鍔、肩部あるいはその他 の望ましい形状を有するものであってもよい。 筒状のスティック保持部材２６は、ケースの前部分１４の後端から常に外方に 突出する後端部４８に、ケースの柄部分１２の雌ねじ部１６に螺合し得る雄ねじ 部材５０を備えている。この雄ねじ部材５０は、回転し過ぎを防止するための弾 力性をもって曲がる機構５４を構成すべく、少なくとも１つの弾力性を有するリ ブ５２を介してスティック保持部材２６から突出している（第３図参照）。 筒状のスティック保持部材２６は、第１図に示されているように、ケースの前 部分１４の縦方向の長さｌ２よりも僅かに長い長さｌ１を有する。スティック保 持部材２６とケースの前部分１４とは、ケースの前部分１４の製作時には、ステ ィック保持部材２６の前端部４４がケースの前部分１４またはケースの開口部４ ０から範囲を限定された態様で突出することができるが、しかしその後の化粧用 ペンシルの使用に際しては、スティック保持部材２６のこのようなケースの開口 部４０からの外方への移動がもはや不可能なような形状を有する。 化粧用スティック２４の外径は、第１図に符号ｄで示されている。この外径は 一定でかつ２mm〜６mmの間であることが好ましい。 筒状のスティック保持部材２６は、その後端部４８においてシール部材５６に よってシールされている。このシール部材５６は、例えば後端部４８内に係止さ れるボールまたは栓、あるいは臘栓等よりなる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴィンクラー，ヴォルフガング ドイツ連邦共和国 ディー−91207 ラオ フ レーフェルトシュトラーセ 25

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ケースの柄部分（１２）と、該ケースの柄部分（１２）に連結されたケース の前部分（１４）と、化粧用スティック（２４）を前記ケースの前部分（１４） の開口部４０に対して相対的に移動させるために設けられかつ前記ケースの前部 分（１４）内において軸線方向に進退するように配置された筒状のスティック保 持部材（２６）の形態を有する駆動部材（２２）とを備え、前記筒状のスティッ ク保持部材（２６）から突出する塗布部（３６）を備えた前記化粧用スティック （２４）が、前記筒状のスティック保持部材（２６）内の後部固定部（４２）に 固定され、前記化粧用スティック（２４）の塗布部（３６）の周面（３４）が、 前記筒状のスティック保持部材（２６）の外面（３２）に対して段差がないよう に整合され、前記筒状のスティック保持部材（２６）が、前記ケースの前部分（ １４）内に回転を阻止された態様で軸線方向に移動可能に配置され、かつ該筒状 のスティック保持部材（２６）の前記ケースの前部分（１４）の後端から外方に 突出する後端部（４８）が雄ねじ部材（５０）を備え、前記ケースの柄部分（１ ２）は、前記筒状のスティック保持部材（２６）の前記雄ねじ部材（５０）が内 部に螺装される雌ねじ部（１６）を備えてなる化粧用ペンシルにおいて、 前記化粧用スティック（２４）の前記塗布部（３６）は、遊びがない状態で 前記ケースの前部分（１４）の開口部（４０）を通って延び、前記化粧用スティ ック（２４）の前記塗布部（３６）は２mm〜６mmの間で一定の外径を有し、前記 筒状のスティック保持部材（２６）は、前記ケースの前部分（１４）の縦方向の 長さｌ２よりも僅かに長い長さｌ１を有し、前記雄ねじ部材（５０）が、回転し 過ぎを防止するための弾力性をもって曲がる手段（５４）を備えてなることを特 徴とする化粧用ペンシル。 ２．前記筒状のスティック保持部材（２６）の前端部４４が前記化粧用スティッ ク（２４）のための固定用部材４６を備えてなることを特徴とする請求の範囲第 １項記載の化粧用ペンシル。 ３．前記筒状のスティック保持部材（２６）がその後端部４８においてシール部 材５６によってシールされてなることを特徴とする請求の範囲第１項または第２ 項記載の化粧用ペンシル。