JPH10502303A - カッティングインサート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 それ自体は公知の方法におけるカッティングエッジ（５，６）に沿ったプライマリーランドを具えている旋削用のインデックス可能なカッティングインサート。このプライマリーランドの幅は０．１ｍｍ（５０．８ｍｍの間にある。このプライマリーランドの上に、カッティングエッジに隣接して長く延びたマイクロリッジ（１１）と前記カッティングエッジの背後に配置されたプライマリーランド面（１３）とによって構成されるマイクロチップブレーカー（１０）が延びている。このマイクロチップブレーカーによって良好な切削屑破壊作用を得て、カッティングインサートが微細な旋削と通常の旋削との双方に使用されることができる。微細な旋削においては、切削屑はプライマリーランドに隣接している傾斜したチップアングル面（８）の背後の穴又は窪み（１４）に衝突して破壊される。

Description

【発明の詳細な説明】 カッティングインサート 本発明は特許請求の範囲の請求項１の前文に記載されたカッティングインサー ト（cutting insert，切削加工用工具の挿入体）に係り、望ましくは、旋盤加工 用のインデックス可能なカッティングインサート、それも請求項１の特徴部分に 記載されたマイクロチップブレーカー（micro chip breaker，切削屑を微小に破 断させるための障害物）を具えるインサート（挿入体）に関する。このカッティ ングインサートは片面用のものであっても、或いは両面用のものであってもよい 。 インサートのすくい面（rake surface）の中に形成されたチップブレーカーを 具えている旋削用のカッティングインサートを使用することは以前から知られて おり、このブレーカーはカッティングエッジ（切れ刃）を形成するインサートの 複数のエッジ（edges，縁部）に沿って延びている。これらのチップブレーカー は１個ないし数個の段部から形成され得る。 このように、スウェーデン特許第３４９７５９号（及び米国特許第３７９２５ １５号）において開示されている旋削用のカッティングインサートは、互いに背 後に位置する２つのチップブレーカー段部を具えており、それらは２つともカッ ティングエッジに対して実質的に平行となっている。切削屑（chip，チップ）の 厚さが比較的小さいときには、切削屑は、カッティングエッジに隣接して位置す る第１のチップブレーカー段部によって破壊される。切削屑の厚さが増したとき には、切削屑は第１の段部を越えて大きな長さになるまで通過し、第２のチップ ブレーカー段部の中へ落ち込んで行く。 最初に小さな曲げを得るような強い材料に対しては、或る場合には切削屑は第２ の段部の底部までの全ての道筋を下方へ移動し、底部に突き当たって破壊される 。２つのチップブレーカー段部を有するこの構成は、それ以前に使用されていた 実施例と比較して大きな切削屑の厚さにおいてより円滑な切削屑破断作用をもた らす。しかしながら、送り量（feed）が小さいときには、満足な切削屑破断作用 を得ることができない。可能な最小の送り量がプライマリーランド面の幅と概ね 一致するということが通常の目安である。スウェーデン特許第３４９７５９号に 対応する市販用のカッティングインサートは、プライマリーランド面が約０．３ ｍｍの最小の幅を有する。従って、０．３ｍｍよりも小さい送り量を使用すると 、これらのカッティングインサートによっては満足な切削屑破断が達成されない 。 高度に平滑な表面が要求されるときには、微小な旋削が適用される。これは当 然のこととして０．１ｍｍまで送り量を減少させることを伴うが、上述の公知の インサートによっては良好な切削屑破断作用と組み合わせて実行することはでき ない。 送り量を小さくしたときの他の不都合は、プライマリーランドにおいて摩耗が 増加することで、その原因はこの面に対して切削屑が直接に接触するためである 。更に、インサートが、きわめて普通に行われているように、表面に被膜を有す る場合には表面被膜の剥がれ落ちる傾向が増加することである。これらの被膜は 、通常、酸化アルミニウム（Al₂O₃）、窒化チタニウム及び／又は炭化チタニウ ムからなると共に、それ自体公知のＰＶＤ又はＣＶＤ技術と呼ばれる方法によっ て適用される。 従って、本発明の第１の目的は、満足できる切削屑破断作用によって微細な旋 削を可能にするところのカッティングインサートを提 供することである。 本発明の第２の目的は、インサートのプライマリーランドにおける面摩耗抵抗 力を増加させることである。 本発明の更に他の目的は、被覆されたインサートの面の剥落抵抗力を改良する ことである。 本発明の更に他の目的は、切削力を減少させることである。 本発明の更に他の目的は、普通及び繊細な機械加工の双方を可能にするカッテ ィングインサートを提供することである。 これらの目的及び他の目的は、請求項１の特徴部分に記載されているマイクロ チップブレーカーを具えたインサートを形成することによって達成される。 例示のために、しかし限定の目的ではなく、本発明は次に添付の図面を参照し てより一層詳しく説明される。提出された図面は次のようなものである。 図１Ａは、本発明のカッティングインサートを上から斜めに見た斜視図である 。 図１Ｂは、図１Ａのカッティングインサートのコーナー部分の拡大図である。 図２は、図１ＢにおけるＡ−Ａ断面図である。 図３は、図１ＢにおけるＢ−Ｂ断面図である。 図４Ａは、本発明の他のカッティングインサートを上から斜めに見た斜視図で ある。 図４Ｂは、図４Ａのカッティングインサートのコーナー部分の拡大図である。 本発明のカッティングインサートが概括的に１によって示されている。それは 上部のすくい面２を有すると共に、それが両面インサートである場合には、実質 的に同様な下部のすくい面をも有する。 これら２つの主要な面の間に側面３が延びている。図１Ａ（及び図４Ａもまた） 中にカッティングインサートが四角形の基本形状を有するものとして図示されて いるが、それは、三角形、長方形、六角形、菱形等のような、他の多角形の基本 形状であってもよいことは言うまでもない。これら全ての形状に共通な必須の特 徴は、少なくとも２つの側面３が、その形状が図１Ｂにより明瞭に示されている １つの作用的な、丸みを付けられたカッティングコーナー４において接続してい ることである。これは丸みを付けられた先端或いはコーナーカッティングエッジ ５と共に、コーナーカッティングエッジから延びる２つのメインカッティングエ ッジ６を具えている。プライマリーランド７はカッティングエッジのあとに直ち に隣接しており、このランドは正又は負の傾斜の双方を有し得るが、通常はすく い面２の平面と実質的に平行な平面である。下方に向かって傾斜するチップアン グル面８は、プライマリーランド７の背後に延びている。図示されているインサ ートは両面型のものであるから、上方の面２に平らな支持面９が存在する。しか しながら、インサートのすくい面におけるこの形態或いは他の形態は本発明の必 須の特徴を構成するものではなく、必須の特徴はカッティングコーナーと関連す るマイクロチップブレーカー１０の存在に向けられる。 このように、本発明の必須の特徴はマイクロチップブレーカー１０と呼ばれて いるものの存在にある。これはカッティングインサート全体を取り巻いて延びて いてもよいが、少なくともワークピースに作用的に係合するカッティングエッジ 部分に沿って延びていなければならない。これらの部分は、一方において丸みを 付けられたコーナーカッティングエッジ５を含むと共に、他方において２つのメ インカッティングエッジ６のうちの所定の部分を含む。図２及び図３を比較する と、マイクロチップブレーカーが断面Ａ−Ａにおいて 終わっていることが明瞭に判る。マイクロチップブレーカーは連続的に減少する か、或いは不意に終わるかのいずれの場合もあり、前者の方が好ましい。図１Ｂ （及び図４Ｂ）における距離ｄは、インサートのエッジ全体の長さの１０％と５ ０％の間で変化させてもよいが、好ましいのは２０％と４０％の間である。 図３に示されたマイクロチップブレーカーは、例えば型押し工具の微視的な形 態を成形することにより、それと形状を一致させるという方法によって製造され る。それはまた研磨によっても達成することができる。マイクロリッジ（micro ridge，微小な尾根）１１の幅ｂは、プライマリーランド７の全体の幅ａの２５ ％と８０％の間で適当に構成することができるが、望ましいのは４５％と７０％ の間である。この幅ａは０．１ｍｍと０．８ｍｍの間にあり、適当なのは０．１ ｍｍと０．６ｍｍの間であるが、望ましいのは０．１５ｍｍと０．４ｍｍの間、 そして特に０．２ｍｍと０．３５ｍｍの間である。プライマリーランドの幅は、 図２における寸法ａ’に見られるようにマイクロリッジ１１が終わるときに順当 に減少する。マイクロリッジの高さｃは０．０１ｍｍと０．１ｍｍの間が適当で あるが、好ましいのは０．０１５ｍｍと０．０６ｍｍの間である。 マイクロリッジ１１は、それぞれメインカッティングエッジとコーナーカッテ ィングエッジに直接に隣接している。この接続がシャープな中断線に沿って起き るようにしてもよいけれども、望ましくは１５μｍと６０μｍの間の曲率半径を 有するカッティングエッジの丸み１２を越えて起きるようにするのが望ましい。 ２重に働くチップブレーカーの形態のおかげで、そのカッティングインサート 及び同様なものにおいて今まではできなかった組み合わせの可能性が得られるこ とになった。従って、そのカッティングインサート及び同様なものは、繊細な旋 削と通常の旋削の双方に使 用することができる。例えば１回転あたり０．１５ｍｍの送り量を有する繊細な 旋削においては、切削屑はマイクロリッジ１１の背後に位置するプライマリーラ ンド部１３に衝突して破壊される。プライマリーランド部１３の延長線と、カッ ティングエッジに対して反面しているマイクロリッジの側面との間の角度αとし ては、１０°と４０°の間が適当であるが、好ましいのは１５°と３０°の間で ある。より普通の送り量、例えば１回転あたり０．５ｍｍと０．６ｍｍの間にお いて、切削屑はマイクロチップブレーカーを越えて流れると共に、チップアング ル面８の背後の拡大された凹部或いは窪み１４の中で破壊されるまで、チップア ングル面８に沿って下方へ流れる。そのうえ、マイクロリッジの存在によって剥 離片の形成が減少すると共にプライマリーランドの面摩耗抵抗力も増大する。 切削屑からカッティングインサートへ伝達される熱を減少させるためと、製作 された面から切削屑を離して導くために、プライマリーランド部１３とチップア ングル面８の間に、窪み１５を転位させて形成することができる。そのような窪 みは例えばスウェーデン特許第４６７３９７号（及び米国特許第４９９８２４２ 号）に更に詳しく記載されているので、この引用によってそれらの記載はこの出 願の中に組みこまれる。しかしながら、そのような窪みの存在は本発明の１つの 好ましい実施形態を構成するものに過ぎず、図４Ａ及び図４Ｂに示されているよ うに、そのようなものを用いない場合もまたあり得る。 結局、前述の上方の面の形態は４つのコーナーの中の１つだけを取り出したも のに過ぎないということを指摘しておかなければならない。言うまでもなく、前 述のすくい面の形状は、他のコーナーにおいてもまた同様な様式で形成されるこ とが可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．硬質の材料、望ましくは被覆されるか或いは被覆されない焼結炭化物合金 からなり、多角形の基本形状を有すると共にすくい面（２）と場合によっては反 対側の下方のすくい面と、作用する丸みを付けられたカッティングコーナー（４ ）を介して相互に接続する少なくとも２つの側面（３）とを具えており、側面と カッティングコーナーが、メインカッティングエッジ（６）とコーナーカッティ ングエッジ（５）に沿って、それぞれすくい面（２）に隣接していると共に、前 記カッティングエッジに隣接するすくい面上に長く延びているプライマリーラン ド（７）を具えているところのカッティングインサートにおいて、少なくとも作 用するカッティングコーナーに隣接しているプライマリーランド上に、近接する カッティングエッジに沿って延びているマイクロチップブレーカー（１０）が設 けられていると共に、プライマリーランド部（１３）がマイクロリッジのあとに 位置しており、作用するカッティングコーナーにおけるプライマリーランドの全 体の幅（ａ）が０．１ｍｍと０．８ｍｍの間であると共に、マイクロリッジ（１ １）の幅（ｂ）が前記幅の２５％と８０％の間で構成されることを特徴とするカ ッティングインサート。 ２．作用するカッティングコーナーにおけるプライマリーランドの全体の幅（ ａ）が０．１ｍｍと０．６ｍｍの間にあることを特徴とする請求項１記載のカッ ティングインサート。 ３．プライマリーランド部（１３）に関連するマイクロリッジ（１１）の高さ （ｃ）が０．０１ｍｍと０．１ｍｍの間にあることを特徴とする請求項１又は２ 記載のカッティングインサート。 ４．マイクロチップブレーカーがインサートのエッジの全体の長 さの１０％と５０％の間で延びており、作用するカッティングコーナーに近接し ている２つのメインカッティングエッジの延長線の交点からスタートして、イン サートエッジの全体の長さがこの交点とそれに対応する次の交点との間の距離と して定義されることを特徴とする請求項１，２又は３記載のカッティングインサ ート。 ５．全ての作用するカッティングエッジが丸み（１２）を具えていることを特 徴とする１から４までの各請求項に記載のカッティングインサート。 ６．作用するカッティングコーナーに関連して窪み（１５）が設けられており 、その窪みが、プライマリーランド部（１３）と前記ランド部に近接して下方に 向かって傾斜している面（８）との間の中断線と重なっていることを特徴とする 前述の各請求項のいずれかに記載のカッティングインサート。 ７．それが両面型であることを特徴とする前述の各請求項のいずれかに記載の カッティングインサート。