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JPH1036995A - 錫−銀合金めっき浴 - Google Patents

錫−銀合金めっき浴

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Publication number
JPH1036995A
JPH1036995A JP20768396A JP20768396A JPH1036995A JP H1036995 A JPH1036995 A JP H1036995A JP 20768396 A JP20768396 A JP 20768396A JP 20768396 A JP20768396 A JP 20768396A JP H1036995 A JPH1036995 A JP H1036995A
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JP
Japan
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ion
tin
silver
bath
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Application number
JP20768396A
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English (en)
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JP3466824B2 (ja
Inventor
Keigo Obata
惠吾 小幡
Tetsuya Kondo
哲也 近藤
Hidemi Nawafune
秀美 縄舟
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Kasei Kenkyusho KK
Original Assignee
Daiwa Kasei Kenkyusho KK
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Publication date
Application filed by Daiwa Kasei Kenkyusho KK filed Critical Daiwa Kasei Kenkyusho KK
Priority to JP20768396A priority Critical patent/JP3466824B2/ja
Publication of JPH1036995A publication Critical patent/JPH1036995A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 錫−鉛はんだを代替する新規な非シアン錫−
銀合金めっき浴。 【解決手段】 2価の錫イオン及び1価の銀イオンに加
えて、ピロリン酸イオン、グルコン酸イオン及びクエン
酸イオンから選ばれたイオンの1種又は2種以上を2価
の錫イオンの錯化剤とし、ヨウ素イオンを1価の銀イオ
ンの錯化剤として含有する溶液に、さらに、硝酸イオン
及び/又はアミンアルコール類及び(又は)下記一般式
(II) [R1 はフェニル基、ピリジル基、スチリル基、アルキ
ル基、アシル基又は−C(CH3 )=NOHを表し、該
フェニル基、ピリジル基及びスチリル基の水素はヒドロ
キシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、メトキシ基
又はニトロ基で置換されていてもよい。R2 は水素、ア
ルキル基又はφ−C(OH)H−(φはフェニル基)を
表す。Xはヒドロキシル基又はスルホン酸基を表す。]
で表わされるオキシム若しくはスルファミン酸類から選
ばれた化合物を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、錫−銀合金電気め
っき浴に関し、特に、非シアン系の錯化剤によって安定
化させた浴から平滑で緻密な電着物を得るために、硝酸
イオン及び/又はアミンアルコール類及び(又は)オキ
シム若しくはスルファミン酸類を添加してなる錫−銀合
金電気めっき浴に関する。
【0002】
【従来の技術】電子工業において錫−鉛を基本組成とす
るはんだによる接合は不可欠の技術として広く行われて
いる。はんだ付けを迅速かつ確実に行うために、はんだ
付けしようとする部品に予めはんだ付け性の良好な皮膜
を施しておくことが行われるが、このはんだ付け性皮膜
として錫−鉛合金めっき皮膜が一般に利用されている。
しかしながら、近年、鉛の健康・環境への影響が懸念さ
れ、有害な鉛を含む錫−鉛はんだを規制しようとする考
えが急速に広まりつつある。工業的な生産条件並びに使
用条件という観点から勘案すると、錫−鉛はんだに代替
できる特性を有するような鉛を含まないはんだはいまの
ところなく、日欧米を中心として研究開発が行われてい
るところであり、錫−鉛はんだの代替として錫と銀、ビ
スマス、銅、インジウム、アンチモン、亜鉛などの二元
或いは多元合金が候補として挙げられており、錫−銀合
金も、はんだの有力な代替合金の一つである。代替はん
だに対応して、はんだ付け用のめっき皮膜もまた鉛を含
まないものに変更していく必要がある。これに対して、
錫−銀合金めっき皮膜を得るためのめっき浴は、銀を主
成分とするものは古くからあるが、錫を主成分とする非
シアン錫−銀合金めっき浴は工業的に行われていない。
銀単独のめっき浴としては、古くからシアン浴が用いら
れてきた。公害防止上好ましくないシアン浴に代わっ
て、硝酸銀浴、スルファミン酸浴、塩化銀浴、チオシア
ン酸浴、チオ硫酸浴などが検討されてきたが、シアン以
外の銀の錯化剤は安定度定数が小さいので、シアン浴に
比べて析出物の結晶が粗く工業的な応用を満足する性能
を有しなかった。最近、これらに比べて微細な粒子の析
出物が得られる浴として、有機スルホン酸の銀塩とヨウ
化カリウムを含むめっき浴にスルファニル酸の誘導体を
添加した浴が特開平2−290993号に、コハク酸イ
ミド又はその誘導体を錯化剤とする浴が特開平7−16
6391号に記載されているが、錫との合金めっきの可
能性については記載されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】錫−銀合金が電気めっ
きによって得られること自体は、古くから知られてお
り、シアン浴から得られているが、シアンを用いること
もまた環境衛生・公害・毒劇物管理の観点から好ましく
ない。シアン浴以外の錫−銀合金めっき浴としては、1
971年に松下はシアン−ピロリン酸混合浴(金属表面
技術 22,60(1971))から、また、1983
年に久保田らは非シアン浴としてピロリン酸浴(金属表
面技術 34,37(1983))から、錫−銀合金皮
膜を得ている。しかし、これらは、銀めっきの代替もし
くは銀めっきの性能向上を主たる目的に開発研究された
ものであり、銀を主成分とした銀−錫合金電気めっき皮
膜を得るための浴であり、錫が主成分となった場合に、
平滑で緻密なめっきが得られるものではなかった。錫−
鉛はんだの代替としての錫−銀合金めっき皮膜は、ウィ
スカーの発生を抑制できるに十分な比率で銀が含まれて
さえいれば、コスト上の観点からできるだけ銀含有率は
低い方が望ましく、おおむね20%以下の含有率のも
の、特に、Sn−3.5%Agの共晶組成を中心とした
組成が使用されるようになると考えられる。
【0004】このような組成の錫−銀合金めっき皮膜を
得るための浴として、最近、伊勢らによって錫酸カリ−
硝酸銀浴(表面技術協会第93回講演大会予講集 20
5(1996))、また、新井らによってピロリン酸−
ヨウ化物浴(表面技術協会第93回講演大会予講集 1
95(1996))が報告されている。しかしながら、
前者は錯化剤を含まないために銀が優先的に析出し易
く、数%の含有率の錫−銀めっき皮膜を得るためには、
めっき液中の銀比率を極端に低くしなければならず、工
業的操業には管理上の困難を伴うものである。また、後
者は、銀イオンに対する錯化剤の観点から、銀の優先析
出を抑制しようとした点で前者よりも進歩した浴と考え
られるが、電極表面近傍で電析反応に関与して金属の析
出を抑制するとともに電析合金結晶を微細化させるよう
な添加剤を含んでいないものであるが故に、電着物中の
合金比率の電流密度依存性が大きく、この点に問題点を
残しているとともに、工業上利用できるに十分微細な結
晶を有した平滑で緻密なめっき皮膜ではない。
【0005】発明者らは、該問題を解決するために良好
なめっき皮膜を得るための界面活性剤、添加剤を見出
し、すでに特許出願を行っている(特願平8−1434
81号)が、複雑な形状の対象物にめっきした際に、対
象物のエッジ部分において若干平滑性に欠ける問題点を
残していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の発明者は、2価
の錫イオンと1価の銀イオンを含み、さらに2価の錫イ
オンを浴中に安定に溶解保持させるための錯化剤として
ピロリン酸イオン、グルコン酸イオン、クエン酸イオン
の1種又は2種以上を、また1価の銀イオンを浴中に安
定に溶解させるための錯化剤としてヨウ素イオンを含む
溶液に、さらに、硝酸イオン及び/又はアミンアルコー
ル類及び(又は)オキシム若しくはスルファミン酸類か
ら選ばれた化合物の1種又は2種以上を添加することに
よって、めっき皮膜の平滑性、特に、めっき対象物のエ
ッジ部分の平滑性を向上させることができることを見出
し、環境・衛生・公害上問題のある錫−鉛はんだを代替
する非シアンの錫−銀合金めっきの実用化を可能とし、
代替はんだ問題を解決するに至った。
【0007】発明の概要 すなわち、本発明は、2価の錫イオン及び1価の銀イオ
ンを含有し、さらにピロリン酸イオン、グルコン酸イオ
ン、クエン酸イオンの1種又は2種以上を2価の錫イオ
ンの錯化剤とし、ヨウ素イオンを1価の銀イオンの錯化
剤とする溶液に、さらに、硝酸イオン及び/又は下記一
般式(I)
【化3】 [ここで、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立に、水
素、メチル基、エチル基又は(CH2n −CH(R
4 )(OH)を表し、R1 、R2 及びR3 のうち少なく
とも一つは(CH2n −CH(R4 )(OH)であ
る。R4 は水素又はメチル基を表し、nは1又は2の整
数を表す。]で表わされるアミンアルコール類及び(又
は)下記一般式(II)
【化4】 [ここで、R1 はフェニル基、ピリジル基、スチリル
基、アルキル基(C1 〜C5 )、アシル基(C1 〜C
5 )又は−C(CH3 )=NOHを表し、該フェニル
基、ピリジル基及びスチリル基の水素はヒドロキシル
基、カルボキシル基、アルデヒド基、メトキシ基又はニ
トロ基で置換されていてもよい。R2 は水素、アルキル
基(C1 〜C5 )又はφ−C(OH)H−(ここで、φ
はフェニル基である)を表す。Xはヒドロキシル基又は
スルホン酸基を表す。]で表わされるオキシム若しくは
スルファミン酸類から選ばれた化合物の1種又は2種以
上を添加してなる非シアン錫−銀合金めっき浴を提供す
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の非シアン系錫−銀合金電
気めっき浴において、2価の錫化合物としては、公知の
ものがいずれも使用でき、例えば、酸化錫、硫酸錫、塩
化錫、ホウフッ化錫、ケイフッ化錫、スルファミン酸
錫、シュウ酸錫、酒石酸錫、グルコン酸錫、スルホコハ
ク酸錫、ピロリン酸錫、1−ヒドロキシエタン−1,1
−ビスホスホン酸錫、トリポリリン酸錫又は、一般式
(i)及び(ii)で表される脂肪族スルホン酸の錫塩、
例えばメタンスルホン酸錫、メタンジスルホン酸錫、メ
タントリスルホン酸錫、トリフルオロメタンスルホン酸
錫、或いは一般式(iii)で表される芳香族スルホン酸の
錫塩、例えばフェノールスルホン酸錫、スルホ安息香酸
錫などを単独又は適宜混合して使用できる。
【0009】・一般式(i)
【化5】 [ここで、RはC1 〜C5 のアルキル基を表し、Xは水
素、水酸基、アルキル基、アリール基、アルキルアリー
ル基、カルボキシル基又はスルホン酸基を表し、そして
アルキル基の任意の位置にあってよく、nは0〜3の整
数である。] ・一般式(ii)
【化6】 [ここで、R1 はC1 〜C3 のアルキル基を表し、R2
はC1 〜C3 のアルキレン基を表し、水酸基はアルキレ
ン基の任意の位置にあってよく、Xは塩素及びフッ素の
ハロゲンを表し、アルキル基及びアルキレン基の水素と
置換された塩素又はフッ素の置換数は1からアルキル基
又はアルキレン基に配位したすべての水素が飽和置換さ
れたものまでを表し、置換されたハロゲン種は1種類又
は2種類であり、塩素又はフッ素の置換基は任意の位置
にあってよい。Yは水素又はスルホン酸基を表し、Yで
表されるスルホン酸基の置換数は0〜2の範囲にあ
る。] ・一般式(iii)
【化7】 [ここで、Xは水酸基、アルキル基、アリール基、アル
キルアリール基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニト
ロ基、メルカプト基、スルホン酸基又はアミノ基を表
し、或いは2個のXはベンゼン環と一緒になってナフタ
リン環を形成でき、mは0〜3の整数である。]。
【0010】錫化合物の使用量は、錫分として5〜50
g/l程度が適当であり、好ましくは10〜30g/l
程度とする。
【0011】1価の銀化合物としては、公知のものがい
ずれも使用でき、例えば、酸化銀、硝酸銀、硫酸銀、塩
化銀、臭化銀、ヨウ化銀、安息香酸銀、スルファミン酸
銀、クエン酸銀、乳酸銀、メルカプトコハク酸銀、リン
酸銀、トリフルオロ酢酸銀、ピロリン酸銀、1−ヒドロ
キシエタン−1,1−ビスホスホン酸銀、又は一般式
(i)及び(ii)で表される脂肪族スルホン酸の銀塩、
例えばメタンスルホン酸銀、スルホコハク酸銀、トリフ
ルオロメタンスルホン酸銀、或いは一般式(iii)で表さ
れる芳香族スルホン酸の銀塩、例えばp−トルエンスル
ホン酸銀、スルホ安息香酸銀などを単独又は適宜混合し
て使用できる。
【0012】・一般式(i)
【化8】 [ここで、RはC1 〜C5 のアルキル基を表し、Xは水
素、水酸基、アルキル基、アリール基、アルキルアリー
ル基、カルボキシル基又はスルホン酸基を表し、そして
アルキル基の任意の位置にあってよく、nは0〜3の整
数である。] ・一般式(ii)
【化9】 [ここで、R1 はC1 〜C3 のアルキル基を表し、R2
はC1 〜C3 のアルキレン基を表し、水酸基はアルキレ
ン基の任意の位置にあってよく、Xは塩素及びフッ素の
ハロゲンを表し、アルキル基及びアルキレン基の水素と
置換された塩素又はフッ素の置換数は1からアルキル基
又はアルキレン基に配位したすべての水素が飽和置換さ
れたものまでを表し、置換されたハロゲン種は1種類又
は2種類であり、塩素又はフッ素の置換基は任意の位置
にあってよい。Yは水素又はスルホン酸基を表し、Yで
表されるスルホン酸基の置換数は0から2の範囲にあ
る。] ・一般式(iii)
【化10】 [ここで、Xは水酸基、アルキル基、アリール基、アル
キルアリール基、アルデヒド基、カルボキシル基、ニト
ロ基、メルカプト基、スルホン酸基又はアミノ基を表
し、或いは2個のXはベンゼン環と一緒になってナフタ
リン環を形成でき、mは0〜3の整数である。]。
【0013】銀化合物の使用量は、銀分として0.05
〜10g/1程度が適当であり、好ましくは0.1〜5
g/l程度とする。ただし、銀含有量の多い錫−銀合金
めっき皮膜を得ようとする場合には、これに限定される
ものではなく、概ね50g/l程度の銀濃度とすること
ができる。
【0014】2価の錫イオンの錯化剤としては、ピロリ
ン酸イオン、グルコン酸イオン、クエン酸イオンの1種
又は2種以上が単独又は適宜混合して使用できる。ま
た、1価の銀イオンの錯化剤としてヨウ素イオンが使用
される。錫イオンに対する錯化剤であるピロリン酸イオ
ン、グルコン酸イオン又はクエン酸イオンの供給は、公
知のものがいずれも使用でき、酸、アルカリ金属塩、ア
ンモニウム塩或いは錫又は銀塩などを単独又は適宜混合
して添加することができる。それらの使用量は、錯化剤
の種類に応じて適宜選択されるが、浴中の錫分1モルに
対して1〜20モル程度が適当であり、好ましくは2〜
15モル程度である。また、銀イオンに対する錯化剤で
あるヨウ素イオンの供給は、公知のものがいずれも使用
でき、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、錫塩、或いは
銀塩或いはヨウ化水素酸などを単独又は適宜混合して添
加することができる。その使用量は、銀イオンの5〜1
000倍を使用し、好ましくは10〜600倍を使用す
る。
【0015】本発明の電気めっき浴は、上述の溶液に、
さらに、硝酸イオン及び/又は下記一般式(I)
【化11】 [ここで、R1 、R2 、及びR3 はそれぞれ独立に、水
素、メチル基、エチル基又は(CH2n −CH(R
4 )(OH)を表し、R1 、R2 、及びR3 の内、少な
くとも一つは(CH2n −CH(R4 )(OH)であ
る。R4 は、水素又はメチル基を表し、nは1又は2の
整数を表す。]で表わされるアミンアルコール類及び
(又は)下記一般式(II)
【化12】 [ここで、R1 はフェニル基、ピリジル基、スチリル
基、アルキル基(C1 〜C5 )、アシル基(C1 〜C
5 )又は−C(CH3 )=NOHを表し、該フェニル
基、ピリジル基及びスチリル基の水素はヒドロキシル
基、カルボキシル基、アルデヒド基、メトキシ基又はニ
トロ基で置換されていてもよい。R2 は水素、アルキル
基(C1 〜C5 )又はφ−C(OH)H−(ここで、φ
はフェニル基である)を表す。Xはヒドロキシル基又は
スルホン酸基を表す。]で表わされるオキシム若しくは
スルファミン酸類から選ばれた化合物の1種又は2種以
上を添加することを特徴とする非シアン錫−銀合金めっ
き浴である。
【0016】硝酸イオンの供給は、公知のものがいずれ
も使用でき、硝酸、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、
銀塩などを単独又は適宜混合して添加することができ
る。その使用量は、硝酸イオンとして1g/1〜200
g/lを使用し、好ましくは、3g/1〜100g/1
を使用する。また、アミンアルコール類は、上記(I)
で表したものが使用でき、具体的には、N−メチルエタ
ノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、3−ジ
エチルアミノ−1−プロパノール、1−(ジメチルアミ
ノ)−2−プロパノール、3−(ジメチルアミノ)−2
−プロパノール、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミンなどを単独又は適宜混合
して添加することができる。その使用量は、銀イオンに
対して、10〜1000倍を使用し、好ましくは、30
〜600倍を使用する。硝酸イオン及びアミンアルコー
ルはともに、該範囲を越える過剰の添加は析出物外観を
黒っぽくし、一方、不足の場合にはエッジ部の析出物を
平滑化、緻密化するという所期の目的を達成しない。ま
た、硝酸イオンについては、該範囲を越える過剰の使用
は銅系素地を腐食するという新たな問題を生じる可能性
がある。さらに、オキシム又はスルファミン酸類は、上
記の式(II)で表したものが使用でき、具体的には、ベ
ンズアルデヒドオキシム、アセトフェノンオキシム、サ
リチルアルデヒドオキシム、ベンゾイン−α−オキシ
ム、2−ピリジンカルバアルデヒドオキシム、アセトア
ルデヒドオキシム、プロピオンアルデヒドオキシム、ア
セトキシム、ピルバルデヒド−1−オキシム、ジメチル
グリオキシム、ベンズアルデヒドとスルファミン酸との
反応生成物、桂皮アルデヒドとスルファミン酸との反応
生成物などを単独又は適宜混合して添加することができ
る。その使用量は、0.005〜5g/lで、さらに好
ましくは0.01〜3g/lを使用する。過剰の添加は
コゲ状の外観となり、一方、添加の不足はエッジ部の析
出物を平滑化、緻密化するという所期の目的を達成しな
い。
【0017】また、本発明のめっき浴では、めっき液の
電気伝導度を向上し、浴電圧を低くするために、電導塩
を添加することができる。電導塩には、公知のものが使
用でき、例えば、塩化カリウム、塩化アンモニウムなど
を単独又は適宜混合して使用できる。電導塩の使用量
は、5〜50g/l程度が適当であり、好ましくは10
〜20g/l程度添加される。
【0018】さらに、本発明のめっき浴では、浴のpH
変動を少なくするために、pH緩衝剤を添加することが
できる。緩衝剤には、公知のものが使用でき、例えば、
リン酸、酢酸、硼酸、酒石酸のそれぞれナトリウム、カ
リウムおよびアンモニウムの塩さらには多塩基酸の場合
には、水素イオンを含む酸性塩などを単独又は適宜混合
して使用できる。pH緩衝剤の使用量は、5〜50g/
l程度が適当であり、好ましくは10〜20g/l程度
添加される。pH緩衝剤は当然電解質であるので、pH
緩衝剤の添加をもって電導塩としての役割を担わせても
よい。
【0019】本発明のめっき浴では、2価の錫イオンの
自然酸化を抑制するために、酸化防止剤を添加すること
ができる。酸化防止剤には、公知のものが使用でき、例
えば、レゾールシノール、ピロカテコール、ハイドロキ
ノン、フロログリシノール、ピロガロール、ヒドラジ
ン、アスコルビン酸などを単独又は適宜混合して使用で
きる。酸化防止剤の使用量は、0.05〜50g/l程
度が適当であり、好ましくは0.1〜10g/l添加さ
れる。本発明のめっき浴の各成分濃度は、バレルめっ
き、ラックめっき、連続めっき等に対応して、前記の範
囲内にて任意に選択することができる。
【0020】
【実施例】次に実施例によって、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら数例によって限定されるも
のではなく、前述した目的に沿ってめっき浴の組成及び
めっき条件は適宜、任意に変更することができる。比較
例としてアミンアルコール又は硝酸イオンを含まない下
記組成を有する錫−銀合金めっき浴を調製した。得られ
た浴を用いて、電流密度2.0A/dm2 、めっき時間
5分、温度25℃でめっきした。試料は、0.3×30
×25mmの銅板とし、バフ研磨→ベンジン脱脂→電解
脱脂→水洗→5%硫酸浸漬→水洗→錫−銀合金めっき→
水洗→乾燥の工程でめっきを行い、めっき外観を評価し
た。
【0021】比較例1 塩化第一錫 0.195 mol/l ヨウ化銀 0.005 mol/l ピロリン酸カリウム 0.55 mol/l ヨウ化カリウム 2.0 mol/l pH 9比較例2 塩化第一錫 0.18 mol/l ヨウ化銀 0.02 mol/l ピロリン酸カリウム 0.55 mol/l ヨウ化カリウム 2.0 mol/l pH 9比較例3 メタンスルホン酸錫 0.195 mol/l ヨウ化銀 0.005 mol/l ピロリン酸カリウム 0.6 mol/l ヨウ化カリウム 2.0 mol/l 界面活性剤(ジメチルヤシ油アルキルベタイン) 10 g/l pH 5
【0022】実施例としてアミンアルコール又は/及び
硝酸イオンを含む下記組成を有する錫−銀合金めっき浴
を調製した。めっき条件及び工程は比較例と同様として
めっきを施した後、めっき外観を評価した。
【0023】実施例1 メタンスルホン酸錫 0.195 mol/l ヨウ化銀 0.005 mol/l ピロリン酸カリウム 0.6 mol/l ヨウ化カリウム 2.0 mol/l トリエタノールアミン 0.4 mol/l pH 5
【0024】実施例2 硫酸錫 0.20 mol/l 硫酸銀 0.02 mol/l ピロリン酸カリウム 0.4 mol/l ヨウ化カリウム 1.5 mol/l 硝酸カリウム 20 g/l pH 4.5
【0025】実施例3 塩化錫 0.15 mol/l 塩化銀 0.003 mol/l グルコン酸ナトリウム 0.9 mol/l ヨウ化カリウム 1.5 mol/l トリエタノールアミン 0.15 mol/l 硝酸 100 g/l pH 4.5
【0026】実施例4 メタンスルホン酸錫 0.195 mol/l ヨウ化銀 0.005 mol/l ピロリン酸カリウム 0.6 mol/l ヨウ化カリウム 2.0 mol/l トリエタノールアミン 0.39 mol/l 硝酸アンモニウム 1 g/l サリチルアルデヒドオキシム 0.01 g/l ハイドロキノン 0.05 g/l pH 5
【0027】実施例5 ピロリン酸錫 0.30 mol/l ピロリン酸銀 0.005 mol/l ピロリン酸カリウム 0.30 mol/l ヨウ化カリウム 2.0 mol/l N−メチルエタノールアミン 0.3 mol/l 硝酸カリウム 10 g/l サリチルアルデヒドオキシム 3 g/l アスコルビン酸 10 g/l pH 5
【0028】実施例6 メタンスルホン酸錫 0.15 mol/l メタンスルホン酸銀 0.005 mol/l クエン酸カリウム 0.6 mol/l ヨウ化カリウム 1.0 mol/l 2−ジエチルアミノエタノール 0.15 mol/l 硝酸カリウム 10 g/l 塩化カリウム 20 g/l pH 5
【0029】実施例7 メタンスルホン酸錫 0.10 mol/l メタンスルホン酸銀 0.001 mol/l ピロリン酸カリウム 1.0 mol/l ヨウ化カリウム 0.8 mol/l トリエタノールアミン 0.6 mol/l 硝酸ナトリウム 1 g/l リン酸2水素1ナトリウム 10 g/l pH 5
【0030】上記比較例及び実施例の各めっき浴から得
られためっき皮膜の外観は下記の通りであった。比較例
1及び2においては、試料中央部は外観が灰白色のめっ
き皮膜が得られたが、エッジ部には瘤状又は針状の析出
物が認められた。比較例3においては、界面活性剤の添
加によって、試料中央部の外観は比較例1及び2よりも
均一性に優れていたが、エッジ部には比較例1及び2と
同様、瘤状又は針状の析出物が認められた。これらに対
して、実施例1〜6に示した浴を用いてめっきを施した
試料には、エッジ部においても瘤状又は針状の析出物が
認められず、めっき対象物の全面を良好なめっき皮膜で
被覆することができた。
【0031】
【発明の効果】この発明に係る錫−銀合金めっき浴は、
従来の浴に比べて、めっき対象物のエッジ部を含む全面
にわたって、平滑で緻密な錫−銀合金めっき皮膜が非シ
アンの浴から得られるものであり、錫−鉛はんだに代替
する錫−銀はんだに対応可能な表面処理を提供するもの
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価の錫イオン及び1価の銀イオンを含
    み、さらにピロリン酸イオン、グルコン酸イオン及びク
    エン酸イオンから選ばれたイオンの1種又は2種以上を
    2価の錫イオンの錯化剤とし、ヨウ素イオンを1価の銀
    イオンの錯化剤として含む溶液に、さらに、硝酸イオン
    及び/又は下記一般式(I) 【化1】 [ここで、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ独立に、水
    素、メチル基、エチル基又は(CH2n −CH(R
    4 )(OH)を表し、R1 、R2 及びR3 のうち少なく
    とも一つは(CH2n −CH(R4 )(OH)であ
    る。R4 は水素又はメチル基を表し、nは1又は2の整
    数を表す。]で表わされるアミンアルコール類及び(又
    は)下記一般式(II) 【化2】 [ここで、R1 はフェニル基、ピリジル基、スチリル
    基、アルキル基(C1 〜C5 )、アシル基(C1 〜C
    5 )又は−C(CH3 )=NOHを表し、該フェニル
    基、ピリジル基及びスチリル基の水素はヒドロキシル
    基、カルボキシル基、アルデヒド基、メトキシ基又はニ
    トロ基で置換されていてもよい。R2 は水素、アルキル
    基(C1 〜C5 )又はφ−C(OH)H−(ここで、φ
    はフェニル基である)を表す。Xはヒドロキシル基又は
    スルホン酸基を表す。]で表わされるオキシム若しくは
    スルファミン酸類から選ばれた化合物の1種又は2種以
    上を添加してなる非シアン錫−銀合金めっき浴。
  2. 【請求項2】 さらに電導塩を添加してなる請求項1記
    載の非シアン錫−銀合金めっき浴。
  3. 【請求項3】 さらにpH緩衝剤を添加してなる請求項
    1又は2記載の非シアン錫−銀合金めっき浴。
  4. 【請求項4】 さらに酸化防止剤を添加してなる請求項
    1〜3のいずれかに記載の非シアン錫−銀合金めっき
    浴。
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