JPH1036152A - 人工骨材とその製造方法 - Google Patents
人工骨材とその製造方法Info
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- JPH1036152A JPH1036152A JP19661796A JP19661796A JPH1036152A JP H1036152 A JPH1036152 A JP H1036152A JP 19661796 A JP19661796 A JP 19661796A JP 19661796 A JP19661796 A JP 19661796A JP H1036152 A JPH1036152 A JP H1036152A
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- artificial aggregate
- incinerated ash
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B18/00—Use of agglomerated or waste materials or refuse as fillers for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of agglomerated or waste materials or refuse, specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
- C04B18/04—Waste materials; Refuse
- C04B18/06—Combustion residues, e.g. purification products of smoke, fumes or exhaust gases
- C04B18/10—Burned or pyrolised refuse
- C04B18/103—Burned or pyrolised sludges
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/91—Use of waste materials as fillers for mortars or concrete
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Abstract
(57)【要約】
【課題】下水処理汚泥の大量な利用が可能で、良好な特
性を有した人工骨材を得る。 【解決手段】S1で下水処理汚泥を焼成し、焼却灰を得
る。次にS2で焼却灰と粘土等のバインダーの必要量を
計量して、S3で混合し、必要なら水を加え、S4で、
混練、造粒し、プレス若しくは押し出し成形機等で、サ
イコロ状等に成形する。そして必要であれば乾燥後、S
5でトンネルキルン等で焼成する。次にS6で焼成品を
粉砕機で粉砕し、S7で所定の粒径のものを分級して、
S8で貯蔵ホッパ等に貯蔵する。尚分級工程において、
所定のサイズ以上のものは粉砕機へ戻し、サイズ以下の
ものは篩下として原料ホッパヘ戻し、再度S2から利用
できる。又上記各工程で生じる集塵粉も、骨材原料とし
てS2での計量から利用することができる。
性を有した人工骨材を得る。 【解決手段】S1で下水処理汚泥を焼成し、焼却灰を得
る。次にS2で焼却灰と粘土等のバインダーの必要量を
計量して、S3で混合し、必要なら水を加え、S4で、
混練、造粒し、プレス若しくは押し出し成形機等で、サ
イコロ状等に成形する。そして必要であれば乾燥後、S
5でトンネルキルン等で焼成する。次にS6で焼成品を
粉砕機で粉砕し、S7で所定の粒径のものを分級して、
S8で貯蔵ホッパ等に貯蔵する。尚分級工程において、
所定のサイズ以上のものは粉砕機へ戻し、サイズ以下の
ものは篩下として原料ホッパヘ戻し、再度S2から利用
できる。又上記各工程で生じる集塵粉も、骨材原料とし
てS2での計量から利用することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モルタルやコンク
リート、窯業製品用として人工的に製造される骨材と、
その製造方法に関する。
リート、窯業製品用として人工的に製造される骨材と、
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モルタルやコンクリート、窯業製品等に
必要不可欠の材料として用いられる骨材は、砕石、砕
砂、砂利、砂等から得られる。これらは河川、山、海か
ら採取され、破砕、分級、洗浄の工程を経て、所謂天然
骨材となる。しかし環境破壊等の問題から、採取場所で
は様々の制約条件があり、採取が年々困難になりつつあ
る。そこで上記骨材に、下水処理汚泥を焼却処理して得
られる焼却灰(以下焼却灰という)を用いて、所謂人工
骨材を製造する方法が考えられており、具体的には、焼
却灰のみ若しくは焼却灰と膨張頁岩とを混合したものを
造粒、焼成して、粒子を溶融させ、粒子内部に気孔を生
成させることによって、軽量な発泡体の骨材(軽量細粒
材)を得る方法が知られている。これは専ら骨材の軽量
化を目的としたもので、セメントやアスファルト、樹
脂、石膏、粘土と混合し、軽量な建築、土木材料を製造
するのに使用されている。又他の製法として、焼却灰に
石炭粉等焼成時に気泡生成に寄与する原料を加え、混
合、造粒、焼成して、同じく軽量な発泡体である軽量骨
材を製造する方法が知られている。
必要不可欠の材料として用いられる骨材は、砕石、砕
砂、砂利、砂等から得られる。これらは河川、山、海か
ら採取され、破砕、分級、洗浄の工程を経て、所謂天然
骨材となる。しかし環境破壊等の問題から、採取場所で
は様々の制約条件があり、採取が年々困難になりつつあ
る。そこで上記骨材に、下水処理汚泥を焼却処理して得
られる焼却灰(以下焼却灰という)を用いて、所謂人工
骨材を製造する方法が考えられており、具体的には、焼
却灰のみ若しくは焼却灰と膨張頁岩とを混合したものを
造粒、焼成して、粒子を溶融させ、粒子内部に気孔を生
成させることによって、軽量な発泡体の骨材(軽量細粒
材)を得る方法が知られている。これは専ら骨材の軽量
化を目的としたもので、セメントやアスファルト、樹
脂、石膏、粘土と混合し、軽量な建築、土木材料を製造
するのに使用されている。又他の製法として、焼却灰に
石炭粉等焼成時に気泡生成に寄与する原料を加え、混
合、造粒、焼成して、同じく軽量な発泡体である軽量骨
材を製造する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記人工骨材において
は、何れも軽量化を目的とした特殊用途であるため、骨
材全体の需要に占める割合は甚だ少なく、下水処理汚泥
の大量消費に繋がらない。又得られる人工骨材は発泡体
であるため、粒子そのものは軽量である反面、強度が弱
い。更に人工骨材の形状が球体で、表面が滑らかなた
め、セメント、アスファルト、樹脂、石膏等と混合して
使用する場合には、骨材同士の噛み合わせによる強度ア
ップ効果が期待できず、一般的なモルタルやコンクリー
ト用の骨材として使用するには問題がある。
は、何れも軽量化を目的とした特殊用途であるため、骨
材全体の需要に占める割合は甚だ少なく、下水処理汚泥
の大量消費に繋がらない。又得られる人工骨材は発泡体
であるため、粒子そのものは軽量である反面、強度が弱
い。更に人工骨材の形状が球体で、表面が滑らかなた
め、セメント、アスファルト、樹脂、石膏等と混合して
使用する場合には、骨材同士の噛み合わせによる強度ア
ップ効果が期待できず、一般的なモルタルやコンクリー
ト用の骨材として使用するには問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、下水処
理汚泥を大量に消費できるのに加え、特性、特に強度ア
ップを好適に達成できる人工骨材と、その製造方法を提
供するもので、その構成は、まず人工骨材の発明として
は、下水処理汚泥を焼却して得られる焼却灰を主体とし
た焼成体としたことにある。又前記焼成体において、焼
却灰は少なくとも50%含まれるのが望ましい。更に人
工骨材の製造方法の発明としては、下水処理汚泥を焼却
して焼却灰を得る焼却工程と、その焼却灰を所望の形状
に成形する成形工程と、その成形工程から得られる成形
品を焼成する焼成工程と、その焼成工程から得られる焼
成品を粉砕、分級して所望の粒度の骨材を得る粉砕・分
級工程と、前記各工程で生じるスラッジや粉塵、篩下を
回収して再び前記成形工程から利用するリサイクル工程
とからなることを特徴とするものである。又前記成形工
程において、SiO2 及びAl2 O3 を含有する窯業原
料を焼却灰と同量以下で加えるのが望ましい。
理汚泥を大量に消費できるのに加え、特性、特に強度ア
ップを好適に達成できる人工骨材と、その製造方法を提
供するもので、その構成は、まず人工骨材の発明として
は、下水処理汚泥を焼却して得られる焼却灰を主体とし
た焼成体としたことにある。又前記焼成体において、焼
却灰は少なくとも50%含まれるのが望ましい。更に人
工骨材の製造方法の発明としては、下水処理汚泥を焼却
して焼却灰を得る焼却工程と、その焼却灰を所望の形状
に成形する成形工程と、その成形工程から得られる成形
品を焼成する焼成工程と、その焼成工程から得られる焼
成品を粉砕、分級して所望の粒度の骨材を得る粉砕・分
級工程と、前記各工程で生じるスラッジや粉塵、篩下を
回収して再び前記成形工程から利用するリサイクル工程
とからなることを特徴とするものである。又前記成形工
程において、SiO2 及びAl2 O3 を含有する窯業原
料を焼却灰と同量以下で加えるのが望ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1は人工骨材の製造工程を示すも
ので、まずS1で下水処理汚泥を焼却し、焼却灰を得
る。下水処理汚泥は悪臭、腐敗等の問題の他、そのまま
用いると、焼成時の消失分が50%以上と極めて多いた
め、収縮率は大きく、緻密に焼結しにくい。よって一度
焼却をして焼却灰とすることが必要である。次にS2で
焼却灰と、粘土等のSiO2 及びAl2 O3 を含有する
窯業原料との必要量を計量して、S3で混合し、必要な
ら水を加え、S4で、混練、造粒し、プレス若しくは押
し出し成形機等で、粒状、棒状、サイコロ状等に成形す
る。この成形品の大きさには特に制約はないが、あまり
厚みが大きいと次の焼成工程で処理された焼成品の表面
と内部との間で焼成ムラを生じやすく、その後の粉砕工
程で粉砕された個々の粒子の品質がばらつく虞れがあ
る。従って成形品の内部に焼成ムラを防ぐために貫通孔
を設ける等の工夫をすることが望ましい。又、焼成品が
粉砕機の投入口に支障なく入れば、粉砕前に粗砕をする
必要がなくなるので、投入口の大きさ以下であることが
望ましい。そして必要であれば乾燥後、S5で、直接、
若しくは耐火性箱(サヤ)へ入れて積み上げ、トンネル
キルンや、単独炉としてはシャトルキルン等で焼成す
る。又は直接成形品を投入してロータリーキルンで焼成
する。尚焼成品の物性は、骨材として必要な機能を考慮
し、吸水率は5%以下が望ましい。これによれば強度不
足や凍害の問題は生じない。更に下水処理汚泥には一般
的に有害な重金属等の物質を含んでいることがあるが、
焼成により固化することによってこれらの流出の問題も
なくなる。
基づいて説明する。図1は人工骨材の製造工程を示すも
ので、まずS1で下水処理汚泥を焼却し、焼却灰を得
る。下水処理汚泥は悪臭、腐敗等の問題の他、そのまま
用いると、焼成時の消失分が50%以上と極めて多いた
め、収縮率は大きく、緻密に焼結しにくい。よって一度
焼却をして焼却灰とすることが必要である。次にS2で
焼却灰と、粘土等のSiO2 及びAl2 O3 を含有する
窯業原料との必要量を計量して、S3で混合し、必要な
ら水を加え、S4で、混練、造粒し、プレス若しくは押
し出し成形機等で、粒状、棒状、サイコロ状等に成形す
る。この成形品の大きさには特に制約はないが、あまり
厚みが大きいと次の焼成工程で処理された焼成品の表面
と内部との間で焼成ムラを生じやすく、その後の粉砕工
程で粉砕された個々の粒子の品質がばらつく虞れがあ
る。従って成形品の内部に焼成ムラを防ぐために貫通孔
を設ける等の工夫をすることが望ましい。又、焼成品が
粉砕機の投入口に支障なく入れば、粉砕前に粗砕をする
必要がなくなるので、投入口の大きさ以下であることが
望ましい。そして必要であれば乾燥後、S5で、直接、
若しくは耐火性箱(サヤ)へ入れて積み上げ、トンネル
キルンや、単独炉としてはシャトルキルン等で焼成す
る。又は直接成形品を投入してロータリーキルンで焼成
する。尚焼成品の物性は、骨材として必要な機能を考慮
し、吸水率は5%以下が望ましい。これによれば強度不
足や凍害の問題は生じない。更に下水処理汚泥には一般
的に有害な重金属等の物質を含んでいることがあるが、
焼成により固化することによってこれらの流出の問題も
なくなる。
【0006】次にS6で焼成品を粉砕機で粉砕する。粉
砕機には各種タイプのものがあり、特に制約はないが、
竪形回転式遠心砕塊装置を使用すれば粉砕品粒度は一定
で、且つ粒形は扁平状のものが少なく、人工骨材として
好適なものが得られる。尚粉砕工程における人工骨材の
粒度は、基本的には一般の天然骨材に準じることになる
が、窯業製品の原料として使用する場合には、5mm以下
が望ましい。そしてS7で所定の粒径のものを分級し
て、貯蔵ホッパ等に貯蔵する。又上記分級工程におい
て、所定のサイズ以上のものは再度粉砕機へ戻し、サイ
ズ以下のものは篩下として原料ホッパヘ戻し、再度S2
から利用できる。更に上記混合、成形、粉砕、分級の各
工程において生じる集塵粉も、骨材原料としてS2での
計量から利用することができる。これにより下水処理汚
泥を無駄なく使用可能となる。
砕機には各種タイプのものがあり、特に制約はないが、
竪形回転式遠心砕塊装置を使用すれば粉砕品粒度は一定
で、且つ粒形は扁平状のものが少なく、人工骨材として
好適なものが得られる。尚粉砕工程における人工骨材の
粒度は、基本的には一般の天然骨材に準じることになる
が、窯業製品の原料として使用する場合には、5mm以下
が望ましい。そしてS7で所定の粒径のものを分級し
て、貯蔵ホッパ等に貯蔵する。又上記分級工程におい
て、所定のサイズ以上のものは再度粉砕機へ戻し、サイ
ズ以下のものは篩下として原料ホッパヘ戻し、再度S2
から利用できる。更に上記混合、成形、粉砕、分級の各
工程において生じる集塵粉も、骨材原料としてS2での
計量から利用することができる。これにより下水処理汚
泥を無駄なく使用可能となる。
【0007】尚ここでは、人工骨材を作成するために焼
却灰にSiO2 及びAl2 O3 を含有する窯業原料を用
いている。勿論これを用いず、焼却灰のみで人工骨材を
製造しても良いが、特にこの使用により以下の3つの効
果が得られる。まず1つめはSiO2 及びAl2 O3 を
含有する窯業原料中で例えばベントナイト、木節粘土、
蛙目粘土、カオリン等の粘土類を用いることによって骨
材成形時の成形性が高められることである。焼却灰自体
は可塑性も乏しく、成形性は良いとは言えないので効果
的である。但し粘土類のような無機質原料の他にも、有
機質原料、例えばAGガム、CMC、PVA等の合成糊
剤を用いても同様な効果を得ることはできる。次に2つ
めは、骨材焼成時の焼却灰溶融時における急激な変化を
抑制し、品質の安定化が図れることである。焼却灰は焼
成過程において収縮し、その後急激に発泡する傾向があ
るため、SiO2 及びAl2 O3 を含有する窯業原料を
添加することによって、その変化を抑制し、適正な品質
が得られる焼成温度域を広げることができる。そして3
つめは、焼成した骨材の耐火度が上がることである。焼
却灰は下水処理地域の天候や下水処理場における処理方
法等によって、成分組成が著しく変動し、その結果、焼
却灰の焼結・溶融温度が変動することがある。そこでこ
のような場合には、SiO2 及びAl2 O3 を含有する
窯業原料を添加することによって、耐火度を高め、焼結
・溶融温度を調整することができるので、調整材として
の効果が得られる。従っていかなる焼却灰でも焼成温度
を一定にすることが可能となる。尚このSiO2 及びA
l2 O3 を含有する原料は、上記粘土以外の各種窯業原
料や産業廃棄物、例えば上水道汚泥や各種下水道資源
(砂、泥など)でも使用することができる。尚このSi
O2 及びAl2 O3 を含有する窯業原料は、焼却灰の利
用率を考慮して、少なくとも焼却灰を50%以上利用で
きるように用いるのが望ましい。又焼却灰に粘土等のS
iO2 及びAl2 O3 を含有する原料を加えて製造すれ
ば、焼却灰のみを利用した場合に比べて、耐火度が高
く、1000℃以上焼成温度にも耐え得るので、セメン
トやアスファルト用の骨材としてのみでなく、窯業製品
用の骨材としても好適に使用できる。
却灰にSiO2 及びAl2 O3 を含有する窯業原料を用
いている。勿論これを用いず、焼却灰のみで人工骨材を
製造しても良いが、特にこの使用により以下の3つの効
果が得られる。まず1つめはSiO2 及びAl2 O3 を
含有する窯業原料中で例えばベントナイト、木節粘土、
蛙目粘土、カオリン等の粘土類を用いることによって骨
材成形時の成形性が高められることである。焼却灰自体
は可塑性も乏しく、成形性は良いとは言えないので効果
的である。但し粘土類のような無機質原料の他にも、有
機質原料、例えばAGガム、CMC、PVA等の合成糊
剤を用いても同様な効果を得ることはできる。次に2つ
めは、骨材焼成時の焼却灰溶融時における急激な変化を
抑制し、品質の安定化が図れることである。焼却灰は焼
成過程において収縮し、その後急激に発泡する傾向があ
るため、SiO2 及びAl2 O3 を含有する窯業原料を
添加することによって、その変化を抑制し、適正な品質
が得られる焼成温度域を広げることができる。そして3
つめは、焼成した骨材の耐火度が上がることである。焼
却灰は下水処理地域の天候や下水処理場における処理方
法等によって、成分組成が著しく変動し、その結果、焼
却灰の焼結・溶融温度が変動することがある。そこでこ
のような場合には、SiO2 及びAl2 O3 を含有する
窯業原料を添加することによって、耐火度を高め、焼結
・溶融温度を調整することができるので、調整材として
の効果が得られる。従っていかなる焼却灰でも焼成温度
を一定にすることが可能となる。尚このSiO2 及びA
l2 O3 を含有する原料は、上記粘土以外の各種窯業原
料や産業廃棄物、例えば上水道汚泥や各種下水道資源
(砂、泥など)でも使用することができる。尚このSi
O2 及びAl2 O3 を含有する窯業原料は、焼却灰の利
用率を考慮して、少なくとも焼却灰を50%以上利用で
きるように用いるのが望ましい。又焼却灰に粘土等のS
iO2 及びAl2 O3 を含有する原料を加えて製造すれ
ば、焼却灰のみを利用した場合に比べて、耐火度が高
く、1000℃以上焼成温度にも耐え得るので、セメン
トやアスファルト用の骨材としてのみでなく、窯業製品
用の骨材としても好適に使用できる。
【0008】一方耐火度を高めることで焼結・溶融温度
を調整するのでなく、別の方法もある。即ち粘土等の代
わりにNa2 O、K2 O、CaO、MgO、Al2 O
3 、SiO2 、B2 O3 等の成分からなるフリットやフ
ラックス、若しくはガラスカレット等の廃棄物を若干量
添加して耐火度を下げることによって、焼結・溶融温度
を調整するのである。この方法によると、比較的少ない
使用量で焼結・溶融温度の調整ができるので、焼却灰を
より多く使用することができる。このように上記フロー
で製造された人工骨材は、従来の天然骨材と同様にモル
タルやコンクリート用の骨材として使用できるのは勿論
であり、特に焼却灰を主体とするのに加え、篩下や集塵
粉もその利用対象としたことで、下水処理汚泥の再利用
効果は非常に高くなる。
を調整するのでなく、別の方法もある。即ち粘土等の代
わりにNa2 O、K2 O、CaO、MgO、Al2 O
3 、SiO2 、B2 O3 等の成分からなるフリットやフ
ラックス、若しくはガラスカレット等の廃棄物を若干量
添加して耐火度を下げることによって、焼結・溶融温度
を調整するのである。この方法によると、比較的少ない
使用量で焼結・溶融温度の調整ができるので、焼却灰を
より多く使用することができる。このように上記フロー
で製造された人工骨材は、従来の天然骨材と同様にモル
タルやコンクリート用の骨材として使用できるのは勿論
であり、特に焼却灰を主体とするのに加え、篩下や集塵
粉もその利用対象としたことで、下水処理汚泥の再利用
効果は非常に高くなる。
【0009】
【実施例】実施例1 次に上記フローに基づいて人工骨材を製造する実施例を
説明する。まず用いる原料の化学組成を以下に示す。
説明する。まず用いる原料の化学組成を以下に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】骨材製造に関する試験を以下の手順で行っ
た。 (1) 調合 焼却灰A,Bについて、夫々焼却灰/粘土=10/0、
9/1、8/2、7/3の調合で行う。計量された原料
を混合、加水後、混練・造粒し、乾燥して坏土粉を得
る。 (2) 成形 油圧成形機でテストピースの形状に200kg/cm2 の圧
力で成形する。 (3) 焼成 各テストピースを、電気炉1000℃、1025℃、1
038℃、1050℃、1063℃で夫々焼成し、各焼
成品物性を測定する。
た。 (1) 調合 焼却灰A,Bについて、夫々焼却灰/粘土=10/0、
9/1、8/2、7/3の調合で行う。計量された原料
を混合、加水後、混練・造粒し、乾燥して坏土粉を得
る。 (2) 成形 油圧成形機でテストピースの形状に200kg/cm2 の圧
力で成形する。 (3) 焼成 各テストピースを、電気炉1000℃、1025℃、1
038℃、1050℃、1063℃で夫々焼成し、各焼
成品物性を測定する。
【0015】
【表5】
【0016】焼成品物性の結果は、図2の特性表及び図
3,4のグラフに示す通りである。焼却灰AとBでは化
学組成が異なるため、焼結・溶融状態にやや差がある
が、何れも傾向はほぼ同じで、焼却灰/粘土=10/0
→7/3と粘土量が増えるに従い耐火度が高くなり、同
時に焼結終期における物性の急激な変化が抑制されるこ
とがわかる。従って骨材として良好な物性を示す焼成温
度領域が広がることになるため、製造上焼成温度管理が
容易になり、又品質も安定することになる。尚、本試験
では焼却灰/粘土比は10/0〜7/3で行ったが、範
囲は必ずしもこの限りでなく、焼却灰/粘土比をもっと
(5/5まで可能)増やすことができる。このように本
実施例では、焼却灰/粘土比の何れにおいても、一部の
焼成温度(1000℃と1025℃の一部)を除いて吸
水率5%以下で、その他物性も天然骨材に十分匹敵する
ものを得ることができ、更に焼成品を粉砕、分級した結
果、良好な骨材を得ることが確認できた。
3,4のグラフに示す通りである。焼却灰AとBでは化
学組成が異なるため、焼結・溶融状態にやや差がある
が、何れも傾向はほぼ同じで、焼却灰/粘土=10/0
→7/3と粘土量が増えるに従い耐火度が高くなり、同
時に焼結終期における物性の急激な変化が抑制されるこ
とがわかる。従って骨材として良好な物性を示す焼成温
度領域が広がることになるため、製造上焼成温度管理が
容易になり、又品質も安定することになる。尚、本試験
では焼却灰/粘土比は10/0〜7/3で行ったが、範
囲は必ずしもこの限りでなく、焼却灰/粘土比をもっと
(5/5まで可能)増やすことができる。このように本
実施例では、焼却灰/粘土比の何れにおいても、一部の
焼成温度(1000℃と1025℃の一部)を除いて吸
水率5%以下で、その他物性も天然骨材に十分匹敵する
ものを得ることができ、更に焼成品を粉砕、分級した結
果、良好な骨材を得ることが確認できた。
【0017】一方上記フローで製造された人工骨材を利
用した窯業製品の製造工程は、図5のようになる。即ち
S1で先の焼却灰等から製造された人工骨材と、微粒子
原料としての焼却灰、前記無機質若しくは有機質の成形
バインダーやフラックス等を計量し、S2で必要なら水
を加えて、混合、造粒して坏土を作成する。そして必要
であれば乾燥後、S3でその坏土をレンガ形状等の所定
の形状に、油圧プレスや振動プレスで成形し、乾燥後、
S4で、焼成炉(連続炉ではローラーハースキルンやト
ンネルキルン、単独炉ではシャトルキルン等)で焼成す
る。よって微粒子原料を焼結・溶融させて、人工骨材同
士を微粒子原料の溶融固化物を介して強固に結びつけ、
人工骨材や微粒子原料を焼却灰で形成した焼成品を製造
することができ、トータル的に焼却灰を多く使用するこ
とができる。又ここでは、略同一成分の人工骨材と微粒
子原料とを使用したことで、成形品の焼成時における熱
的挙動が類似し、骨材として上記人工骨材と異質のも
の、例えば日本国内で豊富に産する石英を主体とした硅
砂や硅石粒、若しくは石灰石などを用いる場合に比べ、
昇温、降温時における膨張、収縮による骨材と微粒子原
料の各粒子間の歪みが少なくなると共に、相互の密着性
も極めて高くなり、優れた強度のものを得ることができ
る。勿論微粒子原料は必ずしも焼却灰に拘わらなくても
良く、フラックスと必要に応じて粘土等の成形バインダ
ーを加えたものでも良い。
用した窯業製品の製造工程は、図5のようになる。即ち
S1で先の焼却灰等から製造された人工骨材と、微粒子
原料としての焼却灰、前記無機質若しくは有機質の成形
バインダーやフラックス等を計量し、S2で必要なら水
を加えて、混合、造粒して坏土を作成する。そして必要
であれば乾燥後、S3でその坏土をレンガ形状等の所定
の形状に、油圧プレスや振動プレスで成形し、乾燥後、
S4で、焼成炉(連続炉ではローラーハースキルンやト
ンネルキルン、単独炉ではシャトルキルン等)で焼成す
る。よって微粒子原料を焼結・溶融させて、人工骨材同
士を微粒子原料の溶融固化物を介して強固に結びつけ、
人工骨材や微粒子原料を焼却灰で形成した焼成品を製造
することができ、トータル的に焼却灰を多く使用するこ
とができる。又ここでは、略同一成分の人工骨材と微粒
子原料とを使用したことで、成形品の焼成時における熱
的挙動が類似し、骨材として上記人工骨材と異質のも
の、例えば日本国内で豊富に産する石英を主体とした硅
砂や硅石粒、若しくは石灰石などを用いる場合に比べ、
昇温、降温時における膨張、収縮による骨材と微粒子原
料の各粒子間の歪みが少なくなると共に、相互の密着性
も極めて高くなり、優れた強度のものを得ることができ
る。勿論微粒子原料は必ずしも焼却灰に拘わらなくても
良く、フラックスと必要に応じて粘土等の成形バインダ
ーを加えたものでも良い。
【0018】更にこの人工骨材と微粒子原料との混合比
率や人工骨材の粒度を変化させることによって、各種用
途に合致する機能を有した製品を造ることが可能とな
る。例えば微粒子原料使用量を40〜80%、人工骨材
使用量を60〜20%にしたり、若しくは人工骨材の粒
度を細かくする(例えば20meshアンダーとする)こと
によって比較的緻密構造の高強度品を作ることができ
る。又微粒子原料使用量を10〜60%、人工骨材使用
量を90〜40%にしたり、若しくは人工骨材の粒度を
粗くする(例えば7〜20meshとする)ことによって、
多孔質構造の窯業製品、即ち透水性舗装材や吸音材、断
熱材等を得ることができる。尚ここで微粒子原料と人工
骨材との混合比率が部分的に重複しているのは、成形条
件等の要因によって、上記両方の構造の材料にもなり得
るからである。
率や人工骨材の粒度を変化させることによって、各種用
途に合致する機能を有した製品を造ることが可能とな
る。例えば微粒子原料使用量を40〜80%、人工骨材
使用量を60〜20%にしたり、若しくは人工骨材の粒
度を細かくする(例えば20meshアンダーとする)こと
によって比較的緻密構造の高強度品を作ることができ
る。又微粒子原料使用量を10〜60%、人工骨材使用
量を90〜40%にしたり、若しくは人工骨材の粒度を
粗くする(例えば7〜20meshとする)ことによって、
多孔質構造の窯業製品、即ち透水性舗装材や吸音材、断
熱材等を得ることができる。尚ここで微粒子原料と人工
骨材との混合比率が部分的に重複しているのは、成形条
件等の要因によって、上記両方の構造の材料にもなり得
るからである。
【0019】そして以下に、本発明による人工骨材を用
いた窯業製品を製造する実施例を説明して、各製品に好
適な人工骨材の態様を示す。実施例2 ここでは透水レンガ等の多孔質製品を製造する。 (1) 人工骨材の作成 人工骨材は、焼却灰/粘土=7/3及び6/4の調合で
行う。計量された原料を混合、加水、混練、造粒し、サ
ヤに入れて1050℃で焼成する。吸水率は7/3で
0.3%、6/4で2.0%である。そして焼成品を解
砕し、分級と粉砕を繰り返して、7〜20mesh篩を通過
した分級品を得る。尚焼却灰はAを用いる。 (2) 成形品の作成 上記人工骨材を用いて、人工骨材/焼却灰=6/4の調
合で坏土を作成する。計量された原料を混合、加水し、
若干量のCMCを加えて混練、造粒し、乾燥させて坏土
粉を得る。これを油圧成形機で所定の形状に200kg/
cm2 の圧力で成形する。 (3) 焼成 上記(2) で得られた成形品を電気炉で、1025℃、1
037.5℃、1050℃の3種類の温度で焼成する。
表6に上記で得られた焼成品の試験結果を示す。
いた窯業製品を製造する実施例を説明して、各製品に好
適な人工骨材の態様を示す。実施例2 ここでは透水レンガ等の多孔質製品を製造する。 (1) 人工骨材の作成 人工骨材は、焼却灰/粘土=7/3及び6/4の調合で
行う。計量された原料を混合、加水、混練、造粒し、サ
ヤに入れて1050℃で焼成する。吸水率は7/3で
0.3%、6/4で2.0%である。そして焼成品を解
砕し、分級と粉砕を繰り返して、7〜20mesh篩を通過
した分級品を得る。尚焼却灰はAを用いる。 (2) 成形品の作成 上記人工骨材を用いて、人工骨材/焼却灰=6/4の調
合で坏土を作成する。計量された原料を混合、加水し、
若干量のCMCを加えて混練、造粒し、乾燥させて坏土
粉を得る。これを油圧成形機で所定の形状に200kg/
cm2 の圧力で成形する。 (3) 焼成 上記(2) で得られた成形品を電気炉で、1025℃、1
037.5℃、1050℃の3種類の温度で焼成する。
表6に上記で得られた焼成品の試験結果を示す。
【0020】
【表6】
【0021】多孔質材料の一つである透水性舗装材の場
合、一般的に物性は透水係数が1×10-2cm/sec以上、
曲げ強さが30kgf /cm2 以上を要求される。本実施例
では、 <人工骨材の調合が焼却灰/粘土=7/3の場合>焼成
温度が1025℃では透水性舗装材としての物性を満た
しているが、1037.5℃では透水係数が下回ってお
り、1050℃では透水性舗装材というより、むしろ非
透水性舗装材としての用途が期待できる。因みに人工骨
材及び微粒子原料中の焼却灰を合算すると、焼却灰利用
率は82%である。 <人工骨材の調合が焼却灰/粘土=6/4の場合>何れ
の焼成温度でも、透水性舗装材としての物性を満たして
おり、曲げ強度も大きく、全く問題ない。因みに人工骨
材及び微粒子原料中の焼却灰を合算すると、焼却灰利用
率は76%である。上記試験品の何れについてもいえる
が、焼成時には微粒子原料、即ち焼却灰の方が人工骨材
に比べて大きく収縮するため、焼成品表面に小さな凹凸
が現われ、これが道路舗装材の滑り抵抗性の向上に繋が
る。更に成形方法や成形圧力などの成形条件を変えるこ
とにより、上記物性を変えることもできる。即ちより大
きく、又より多くの気孔を有した多孔質材料を得るため
には、成形時に振動プレスを用いたり、成形圧力を低く
したりすれば、より効果的となる。更に人工骨材/焼却
灰比で人工骨材量を増やしたり、人工骨材の粒度を大き
くしたり、粒度分布を狭めることによっても同様の効果
を上げることができる。
合、一般的に物性は透水係数が1×10-2cm/sec以上、
曲げ強さが30kgf /cm2 以上を要求される。本実施例
では、 <人工骨材の調合が焼却灰/粘土=7/3の場合>焼成
温度が1025℃では透水性舗装材としての物性を満た
しているが、1037.5℃では透水係数が下回ってお
り、1050℃では透水性舗装材というより、むしろ非
透水性舗装材としての用途が期待できる。因みに人工骨
材及び微粒子原料中の焼却灰を合算すると、焼却灰利用
率は82%である。 <人工骨材の調合が焼却灰/粘土=6/4の場合>何れ
の焼成温度でも、透水性舗装材としての物性を満たして
おり、曲げ強度も大きく、全く問題ない。因みに人工骨
材及び微粒子原料中の焼却灰を合算すると、焼却灰利用
率は76%である。上記試験品の何れについてもいえる
が、焼成時には微粒子原料、即ち焼却灰の方が人工骨材
に比べて大きく収縮するため、焼成品表面に小さな凹凸
が現われ、これが道路舗装材の滑り抵抗性の向上に繋が
る。更に成形方法や成形圧力などの成形条件を変えるこ
とにより、上記物性を変えることもできる。即ちより大
きく、又より多くの気孔を有した多孔質材料を得るため
には、成形時に振動プレスを用いたり、成形圧力を低く
したりすれば、より効果的となる。更に人工骨材/焼却
灰比で人工骨材量を増やしたり、人工骨材の粒度を大き
くしたり、粒度分布を狭めることによっても同様の効果
を上げることができる。
【0022】実施例3 次にここでは非透水レンガ等の緻密質製品を製造する。 (1) 人工骨材の作成 人工骨材は、焼却灰/粘土=10/0及び7/3の調合
で行う。計量された原料を混合、加水、混練、造粒し、
サヤに入れて1025℃で焼成する。吸水率は10/0
で0.1%、7/3で5.4%である。そして焼成品を
解砕し、分級と粉砕を繰り返して、20mesh篩を通過し
た分級品(以下20meshアンダーという)を得る。尚焼
却灰はAを用いる。 (2) 成形品の作成 上記人工骨材を用いて、人工骨材/焼却灰=5/5の調
合で坏土を作成する。計量された原料を混合、加水し、
若干量のCMCを加えて混練、造粒し、乾燥させて坏土
粉を得る。これを油圧成形機で所定の形状に200kg/
cm2 の圧力で成形する。 (3) 焼成 上記(2) で得られた成形品を電気炉で、1000℃、1
025℃、1050℃及び生産炉で焼成する。表7に上
記で得られた焼成品の試験結果を示す。
で行う。計量された原料を混合、加水、混練、造粒し、
サヤに入れて1025℃で焼成する。吸水率は10/0
で0.1%、7/3で5.4%である。そして焼成品を
解砕し、分級と粉砕を繰り返して、20mesh篩を通過し
た分級品(以下20meshアンダーという)を得る。尚焼
却灰はAを用いる。 (2) 成形品の作成 上記人工骨材を用いて、人工骨材/焼却灰=5/5の調
合で坏土を作成する。計量された原料を混合、加水し、
若干量のCMCを加えて混練、造粒し、乾燥させて坏土
粉を得る。これを油圧成形機で所定の形状に200kg/
cm2 の圧力で成形する。 (3) 焼成 上記(2) で得られた成形品を電気炉で、1000℃、1
025℃、1050℃及び生産炉で焼成する。表7に上
記で得られた焼成品の試験結果を示す。
【0023】
【表7】
【0024】例えば用途としてタイルやレンガ等の道路
舗装材を考えると、耐久性を考慮すれば材質的にはせっ
器質若しくは磁器質が好ましく、吸水率は少なくとも5
%以下となる。本実施例では、 <人工骨材の調合が焼却灰/粘土=10/0の場合>焼
成温度が1000℃ではまだ焼結が不十分であり、せっ
器質に至っていないが、1025℃、1050℃では磁
器質になっている。この条件下では、収縮率は一般のせ
っ器質、磁器質製品とほぼ同等であり、寸法精度等に問
題ないと言えるので、非透水性舗装材として好適であ
る。因みに焼却灰利用率は100%であるが、このよう
に焼却灰を骨材化して用いたものは、同様に焼却灰10
0%の微粒子原料のみで成形、焼成した製品の収縮率に
比べると、約半分程度となり、寸法精度が極めて良好と
なる。 <人工骨材の調合が焼却灰/粘土=7/3の場合>焼成
温度が1000℃、1025℃ではまだ焼結が不十分で
あり、せっ器質に至っていないが、1050℃では磁器
質になっている。この条件下では、収縮率は一般のせっ
器質、磁器質製品とほぼ同等であり、寸法精度等に問題
ないと言えるので、非透水性舗装材として好適である。
因みに焼却灰利用率は85%である。勿論ここでも焼却
灰の収縮により、焼成品表面に小さな凹凸が現われ、道
路舗装材の滑り抵抗性を向上させる効果が期待できる。
舗装材を考えると、耐久性を考慮すれば材質的にはせっ
器質若しくは磁器質が好ましく、吸水率は少なくとも5
%以下となる。本実施例では、 <人工骨材の調合が焼却灰/粘土=10/0の場合>焼
成温度が1000℃ではまだ焼結が不十分であり、せっ
器質に至っていないが、1025℃、1050℃では磁
器質になっている。この条件下では、収縮率は一般のせ
っ器質、磁器質製品とほぼ同等であり、寸法精度等に問
題ないと言えるので、非透水性舗装材として好適であ
る。因みに焼却灰利用率は100%であるが、このよう
に焼却灰を骨材化して用いたものは、同様に焼却灰10
0%の微粒子原料のみで成形、焼成した製品の収縮率に
比べると、約半分程度となり、寸法精度が極めて良好と
なる。 <人工骨材の調合が焼却灰/粘土=7/3の場合>焼成
温度が1000℃、1025℃ではまだ焼結が不十分で
あり、せっ器質に至っていないが、1050℃では磁器
質になっている。この条件下では、収縮率は一般のせっ
器質、磁器質製品とほぼ同等であり、寸法精度等に問題
ないと言えるので、非透水性舗装材として好適である。
因みに焼却灰利用率は85%である。勿論ここでも焼却
灰の収縮により、焼成品表面に小さな凹凸が現われ、道
路舗装材の滑り抵抗性を向上させる効果が期待できる。
【0025】実施例4 次にここでは実施例の微粒子原料、即ち焼却灰にフラッ
クスを6%置換して使用した非透水レンガ等の緻密質製
品を製造する実施例を説明する。尚微粒子原料の調合以
外の条件は、実施例3と同じであるので、重複する説明
は省略する。上記試験で得られる焼成品の物性は表8の
通りである。
クスを6%置換して使用した非透水レンガ等の緻密質製
品を製造する実施例を説明する。尚微粒子原料の調合以
外の条件は、実施例3と同じであるので、重複する説明
は省略する。上記試験で得られる焼成品の物性は表8の
通りである。
【0026】
【表8】
【0027】よってここでは、フラックスの利用によ
り、実施例に比べて、同材質の焼成品を得るための焼成
温度を下げ得ることが確認できる。このように上記実施
例2〜4においては、本発明で得られる人工骨材が、窯
業製品にとっても好適に利用可能であることが理解でき
るのである。
り、実施例に比べて、同材質の焼成品を得るための焼成
温度を下げ得ることが確認できる。このように上記実施
例2〜4においては、本発明で得られる人工骨材が、窯
業製品にとっても好適に利用可能であることが理解でき
るのである。
【0028】参考例1 そして本発明の人工骨材を道路舗装における透水レンガ
等の道路舗装材の原料及びその施工に用いる砕石や砂に
使用する場合、例えば路床に、砕石層、砂層、道路舗装
材の順で施工する場合、下記の表9のように施工面積1
m2当り200kg以上の焼却灰を使用できることになる。
これは下水処理汚泥の脱水ケーキ約2〜3トンに相当す
るものである。
等の道路舗装材の原料及びその施工に用いる砕石や砂に
使用する場合、例えば路床に、砕石層、砂層、道路舗装
材の順で施工する場合、下記の表9のように施工面積1
m2当り200kg以上の焼却灰を使用できることになる。
これは下水処理汚泥の脱水ケーキ約2〜3トンに相当す
るものである。
【0029】
【表9】
【0030】
【発明の効果】以上本発明の人工骨材によれば、下水処
理汚泥の焼却灰を主体とした焼成体であるから、下水処
理汚泥を大量に消費でき、強度アップも期待でき、モル
タルやコンクリート、窯業製品用として好適に利用でき
る。特に焼成体において焼却灰を少なくとも50%含む
ようにすれば、焼却灰の利用率を好適に維持する目安と
なる。又本発明の人工骨材の製造方法によれば、下水処
理汚泥を無駄なく100%利用して請求項1の人工骨材
を製造できる。特に前記製造方法の成形工程において、
SiO2 及びAl2 O3 を含有する窯業原料を焼却灰と
同量以下で加えるものとすれば、成形性の向上や品質の
安定化及び人工骨材の耐火度アップが図れる。特に耐火
度アップにより、窯業製品に適した人工骨材を製造でき
る。
理汚泥の焼却灰を主体とした焼成体であるから、下水処
理汚泥を大量に消費でき、強度アップも期待でき、モル
タルやコンクリート、窯業製品用として好適に利用でき
る。特に焼成体において焼却灰を少なくとも50%含む
ようにすれば、焼却灰の利用率を好適に維持する目安と
なる。又本発明の人工骨材の製造方法によれば、下水処
理汚泥を無駄なく100%利用して請求項1の人工骨材
を製造できる。特に前記製造方法の成形工程において、
SiO2 及びAl2 O3 を含有する窯業原料を焼却灰と
同量以下で加えるものとすれば、成形性の向上や品質の
安定化及び人工骨材の耐火度アップが図れる。特に耐火
度アップにより、窯業製品に適した人工骨材を製造でき
る。
【図1】人工骨材の製造フローを示す説明図である。
【図2】実施例1で得られた人工骨材の特性表である。
【図3】上記特性表のグラフである。
【図4】上記特性表のグラフである。
【図5】人工骨材を用いた窯業製品の製造フローを示す
説明図である。
説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 下水処理汚泥を焼却して得られる焼却灰
を主体とした焼成体である人工骨材。 - 【請求項2】 前記焼成体において、前記焼却灰が少な
くとも50%含まれる請求項1に記載の人工骨材。 - 【請求項3】 下水処理汚泥を焼却して焼却灰を得る焼
却工程と、その焼却灰を所望の形状に成形する成形工程
と、その成形工程から得られる成形品を焼成する焼成工
程と、その焼成工程から得られる焼成品を粉砕、分級し
て所望の粒度の骨材を得る粉砕・分級工程と、前記各工
程で生じるスラッジや粉塵、篩下を回収して再び前記成
形工程から利用するリサイクル工程とからなる人工骨材
の製造方法。 - 【請求項4】 前記成形工程において、SiO2 及びA
l2 O3 を含有する窯業原料を、前記焼却灰と同量以下
で加えるものとした請求項3に記載の人工骨材の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19661796A JPH1036152A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 人工骨材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19661796A JPH1036152A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 人工骨材とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1036152A true JPH1036152A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16360740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19661796A Pending JPH1036152A (ja) | 1996-07-25 | 1996-07-25 | 人工骨材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1036152A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007513225A (ja) * | 2003-12-05 | 2007-05-24 | サルツァー・メトコ(カナダ)・インコーポレーテッド | コーティング用途のための複合材料の製造方法 |
JP2008062219A (ja) * | 2006-09-11 | 2008-03-21 | Tadao Santo | 汚泥類の処理方法及び多孔質用材 |
KR102352687B1 (ko) * | 2021-04-13 | 2022-01-18 | 정재묵 | 염소 바이패스 더스트와 분체성 저수분 무기 슬러지류를 이용한 친환경 인공골재 조성물, 인공골재 제조방법 및 인공골재 재활용방법 |
KR102352690B1 (ko) * | 2021-04-09 | 2022-01-18 | 이형우 | 염소 바이패스 더스트와 고수분 무기성 슬러지류를 이용한 친환경 인공골재 조성물, 인공골재 제조방법 및 인공골재 재활용방법 |
US20230073583A1 (en) * | 2021-08-24 | 2023-03-09 | Gme Korea Inc. | Manufacturing method of construction aggregates using incineration ash |
-
1996
- 1996-07-25 JP JP19661796A patent/JPH1036152A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007513225A (ja) * | 2003-12-05 | 2007-05-24 | サルツァー・メトコ(カナダ)・インコーポレーテッド | コーティング用途のための複合材料の製造方法 |
JP2008062219A (ja) * | 2006-09-11 | 2008-03-21 | Tadao Santo | 汚泥類の処理方法及び多孔質用材 |
KR102352690B1 (ko) * | 2021-04-09 | 2022-01-18 | 이형우 | 염소 바이패스 더스트와 고수분 무기성 슬러지류를 이용한 친환경 인공골재 조성물, 인공골재 제조방법 및 인공골재 재활용방법 |
KR102352687B1 (ko) * | 2021-04-13 | 2022-01-18 | 정재묵 | 염소 바이패스 더스트와 분체성 저수분 무기 슬러지류를 이용한 친환경 인공골재 조성물, 인공골재 제조방법 및 인공골재 재활용방법 |
US20230073583A1 (en) * | 2021-08-24 | 2023-03-09 | Gme Korea Inc. | Manufacturing method of construction aggregates using incineration ash |
US12129204B2 (en) * | 2021-08-24 | 2024-10-29 | Good Morning Enterprises, Inc. | Manufacturing method of construction aggregates using incineration ash |
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---|---|---|---|
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