JPH10334525A - 記録及び/又は再生方法、記録及び/又は再生装置 - Google Patents
記録及び/又は再生方法、記録及び/又は再生装置Info
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- JPH10334525A JPH10334525A JP21685297A JP21685297A JPH10334525A JP H10334525 A JPH10334525 A JP H10334525A JP 21685297 A JP21685297 A JP 21685297A JP 21685297 A JP21685297 A JP 21685297A JP H10334525 A JPH10334525 A JP H10334525A
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- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B9/00—Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor
- G11B9/08—Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using electrostatic charge injection; Record carriers therefor
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- G—PHYSICS
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- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B9/00—Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor
- G11B9/12—Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor
- G11B9/14—Recording or reproducing using a method not covered by one of the main groups G11B3/00 - G11B7/00; Record carriers therefor using near-field interactions; Record carriers therefor using microscopic probe means, i.e. recording or reproducing by means directly associated with the tip of a microscopic electrical probe as used in Scanning Tunneling Microscopy [STM] or Atomic Force Microscopy [AFM] for inducing physical or electrical perturbations in a recording medium; Record carriers or media specially adapted for such transducing of information
- G11B9/1409—Heads
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- Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 光記録や磁気記録を上回る高密度記録が実現
可能で、しかも記録速度や再生速度を大幅に改善するこ
とが可能な記録方法、再生方法、さらには記録再生方法
を提供する。 【解決手段】 複数配列された針状電極にそれぞれ電圧
を印加し、記録媒体の各針状電極に対応した所定領域に
おいて電荷移動または自発分極の反転を起こし、情報を
並列に記録する。また、電荷移動または自発分極の反転
により情報が記録された記録媒体に対し、複数配列され
た針状電極を非接触状態で相対移動させ、上記記録媒体
における表面電位または静電容量の変化を各針状電極に
より検出し、情報を並列に再生する。情報の再生は記録
媒体に対して非接触な状態で行うことが望ましい。記録
媒体には、キャリアトラップを有する記録媒体、自発分
極を有する記録媒体を使用する。
可能で、しかも記録速度や再生速度を大幅に改善するこ
とが可能な記録方法、再生方法、さらには記録再生方法
を提供する。 【解決手段】 複数配列された針状電極にそれぞれ電圧
を印加し、記録媒体の各針状電極に対応した所定領域に
おいて電荷移動または自発分極の反転を起こし、情報を
並列に記録する。また、電荷移動または自発分極の反転
により情報が記録された記録媒体に対し、複数配列され
た針状電極を非接触状態で相対移動させ、上記記録媒体
における表面電位または静電容量の変化を各針状電極に
より検出し、情報を並列に再生する。情報の再生は記録
媒体に対して非接触な状態で行うことが望ましい。記録
媒体には、キャリアトラップを有する記録媒体、自発分
極を有する記録媒体を使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報、大容量
のデータ情報等の超高密度記録を行うことができる新規
な記録方法、再生方法、記録再生方法に関するものであ
り、さらには、記録装置、再生装置、記録再生装置に関
するものである。
のデータ情報等の超高密度記録を行うことができる新規
な記録方法、再生方法、記録再生方法に関するものであ
り、さらには、記録装置、再生装置、記録再生装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア社会、特にハイビジョン
システムおよび高度情報通信システム、コンピュータネ
ットワーク、ビデオオンデマンド、インフォメーション
オンデマンド等に必要とされる大容量の画像情報、デー
タファイルにおいて、高速な記録、高速な再生に対する
要求が益々高まっている。
システムおよび高度情報通信システム、コンピュータネ
ットワーク、ビデオオンデマンド、インフォメーション
オンデマンド等に必要とされる大容量の画像情報、デー
タファイルにおいて、高速な記録、高速な再生に対する
要求が益々高まっている。
【0003】従来、ランダムアクセスが可能な高密度記
録技術としては、磁気記録、光記録、半導体メモリ等が
知られている。
録技術としては、磁気記録、光記録、半導体メモリ等が
知られている。
【0004】これらの中で、半導体メモリは、その集積
度が年々向上しているにもかかわらず、製造技術、例え
ばフォトリソグラフィの限界から、高精細度の画像情報
を記録するだけの容量を満たすような、例えば少なくと
も3Gバイト以上の容量を満たすような半導体メモリを
得るには至っていない。
度が年々向上しているにもかかわらず、製造技術、例え
ばフォトリソグラフィの限界から、高精細度の画像情報
を記録するだけの容量を満たすような、例えば少なくと
も3Gバイト以上の容量を満たすような半導体メモリを
得るには至っていない。
【0005】一方、光記録や磁気記録において、大容量
の情報を記録するには、記録領域をできるだけ小さくし
て、記録密度を向上させることが必要である。
の情報を記録するには、記録領域をできるだけ小さくし
て、記録密度を向上させることが必要である。
【0006】これまで、光記録の分野において、その記
録領域を小さくする試みが種々なされているが、物理的
な限界、すなわち光の回折限界が存在し、たとえ波長5
00nm付近の半導体レーザー光源が開発された場合で
も、記録領域を極端に小さくすることはできない。光記
録では、記録ピット(スポットエリア)を記録再生光の
波長以下にすることは原理的に不可能である。超解像
等、その限界を超える方式も提案されているが、それら
の方法を用いても直径100nm以下の記録領域を実現
することは難しいとされている。
録領域を小さくする試みが種々なされているが、物理的
な限界、すなわち光の回折限界が存在し、たとえ波長5
00nm付近の半導体レーザー光源が開発された場合で
も、記録領域を極端に小さくすることはできない。光記
録では、記録ピット(スポットエリア)を記録再生光の
波長以下にすることは原理的に不可能である。超解像
等、その限界を超える方式も提案されているが、それら
の方法を用いても直径100nm以下の記録領域を実現
することは難しいとされている。
【0007】また、磁気記録の分野においても、特にハ
ードディスクにおいて、磁気抵抗効果型ヘッド(MRへ
ッド)や巨大磁気抵抗効果型ヘッド(GMRへッド)の
開発により、記録密度の向上が著しいが、再生へッドの
感度の限界の問題で、やはり直径100nm以下の記録
領域を達成することは難しい。
ードディスクにおいて、磁気抵抗効果型ヘッド(MRへ
ッド)や巨大磁気抵抗効果型ヘッド(GMRへッド)の
開発により、記録密度の向上が著しいが、再生へッドの
感度の限界の問題で、やはり直径100nm以下の記録
領域を達成することは難しい。
【0008】このような状況の中、近年、原子、分子に
アクセスする手段と種々の記録媒体を用いた高密度メモ
リの実現可能性の検討がなされている。
アクセスする手段と種々の記録媒体を用いた高密度メモ
リの実現可能性の検討がなされている。
【0009】例えば、原子分子レベルの空間分解能を持
つ走査トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling M
icroscope)、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force
Microscope )が開発され、種々の材料の微細表面形状
の解析に適用され、微小領域の表面解析装置として非常
な成功を収めている。さらに、AFMは、近年、種々の
物理的化学的な相互作用をプローブとして用いた走査型
プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscop
e)として発展している。
つ走査トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling M
icroscope)、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force
Microscope )が開発され、種々の材料の微細表面形状
の解析に適用され、微小領域の表面解析装置として非常
な成功を収めている。さらに、AFMは、近年、種々の
物理的化学的な相互作用をプローブとして用いた走査型
プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscop
e)として発展している。
【0010】これらSTMやAFMは、原子、分子にア
クセスする手段として有用であり、これまで、STMや
AFMを用いた高密度記録実現の試みが報告されてい
る。
クセスする手段として有用であり、これまで、STMや
AFMを用いた高密度記録実現の試みが報告されてい
る。
【0011】例えば、スタンフォード大学のクエート氏
等は、Si基体上にSiO2膜およびSiN膜を形成し
たNOS(SiN/SiO2 /Si)構造の記録媒体を
用いるとともに、AFMの発展系である走査型容量顕微
鏡(SCM:Scanning Capacitance Microscope)を用
い、高密度メモリヘの応用の可能性を示している(Jour
nal of Applied Physics,70 2725-2733(1991))。
等は、Si基体上にSiO2膜およびSiN膜を形成し
たNOS(SiN/SiO2 /Si)構造の記録媒体を
用いるとともに、AFMの発展系である走査型容量顕微
鏡(SCM:Scanning Capacitance Microscope)を用
い、高密度メモリヘの応用の可能性を示している(Jour
nal of Applied Physics,70 2725-2733(1991))。
【0012】NOS構造の記録媒体では、Si基体とS
iO2/SiN界面またはSiN膜中のトラップとの間
の電荷の移動により記録がなされ、これを静電容量の変
化として電気的に読み出す。
iO2/SiN界面またはSiN膜中のトラップとの間
の電荷の移動により記録がなされ、これを静電容量の変
化として電気的に読み出す。
【0013】上述のクエート等の研究では、NOS構造
の記録媒体に導電性カンチレバーを接触させた状態で記
録消去し、同様に導電性カンチレバーを接触させた状態
で記録情報に基づく容量変化を容量センサーを用いて検
出することによって再生する、という方法がとられてい
る。
の記録媒体に導電性カンチレバーを接触させた状態で記
録消去し、同様に導電性カンチレバーを接触させた状態
で記録情報に基づく容量変化を容量センサーを用いて検
出することによって再生する、という方法がとられてい
る。
【0014】この方法による場合、現在実用化ないしは
研究、開発がなされている光記録、あるいは磁気記録方
法では不可能な、微小領域での情報の記録再生,すなわ
ち高密度記録が可能であるとされている。
研究、開発がなされている光記録、あるいは磁気記録方
法では不可能な、微小領域での情報の記録再生,すなわ
ち高密度記録が可能であるとされている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
方法は、実用上の問題が多く、原理的な可能性が述べら
れているにとどまり、実用化には至っていない。
方法は、実用上の問題が多く、原理的な可能性が述べら
れているにとどまり、実用化には至っていない。
【0016】なかでも、大きな問題として、記録速度、
再生速度が挙げられる。いくら記録容量が大きくても、
書き込み速度や読み出し速度が遅くては、ユーザーに受
け入れられない。高密度であればあるほど、それに見合
った記録速度、再生速度が要求される。
再生速度が挙げられる。いくら記録容量が大きくても、
書き込み速度や読み出し速度が遅くては、ユーザーに受
け入れられない。高密度であればあるほど、それに見合
った記録速度、再生速度が要求される。
【0017】そして、前述の方法では、1つの記録ビッ
トに対して2値の情報(デジタルデータ)を対応させて
いるため、記録密度は微小記録ビットの大きさで直接的
に制限されている。
トに対して2値の情報(デジタルデータ)を対応させて
いるため、記録密度は微小記録ビットの大きさで直接的
に制限されている。
【0018】また、特に再生を考えた場合、導電性カン
チレバーを接触させた状態で容量変化を検出すること
は、摩擦、摩耗の点で問題が多く、ヘッド先端の劣化に
より、記録再生特性が劣化するという不都合がある。記
録に比べて再生の頻度は大きく、前記摩耗、摩擦は再生
時に顕著である。
チレバーを接触させた状態で容量変化を検出すること
は、摩擦、摩耗の点で問題が多く、ヘッド先端の劣化に
より、記録再生特性が劣化するという不都合がある。記
録に比べて再生の頻度は大きく、前記摩耗、摩擦は再生
時に顕著である。
【0019】そこで本発明は、光記録や磁気記録を上回
る高密度記録が実現可能で、しかも記録速度や再生速度
を大幅に改善することが可能な記録及び/又は再生方
法、記録及び/又は再生装置を提供することを目的とす
る。
る高密度記録が実現可能で、しかも記録速度や再生速度
を大幅に改善することが可能な記録及び/又は再生方
法、記録及び/又は再生装置を提供することを目的とす
る。
【0020】さらに、摩擦、摩耗による劣化のない記録
及び/又は再生方法、記録及び/又は再生装置を提供す
ることを目的とする。
及び/又は再生方法、記録及び/又は再生装置を提供す
ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の記録方法は、複数配列された針状電極に
それぞれ電圧を印加し、記録媒体の各針状電極に対応し
た所定領域において電荷移動または自発分極の反転を起
こし、複数の記録ビットを並列に記録することを特徴と
するものである。
めに、本発明の記録方法は、複数配列された針状電極に
それぞれ電圧を印加し、記録媒体の各針状電極に対応し
た所定領域において電荷移動または自発分極の反転を起
こし、複数の記録ビットを並列に記録することを特徴と
するものである。
【0022】また、本発明の再生方法は、電荷移動また
は自発分極の反転により複数の記録ビットが記録された
記録媒体に対し、複数配列された針状電極を相対移動さ
せ、上記記録媒体における表面電位または静電容量の変
化を各針状電極により検出し、複数の記録ビットを並列
に再生することを特徴とするものである。
は自発分極の反転により複数の記録ビットが記録された
記録媒体に対し、複数配列された針状電極を相対移動さ
せ、上記記録媒体における表面電位または静電容量の変
化を各針状電極により検出し、複数の記録ビットを並列
に再生することを特徴とするものである。
【0023】さらに、本発明の記録再生方法は、複数配
列された針状電極にそれぞれ電圧を印加し、記録媒体の
各針状電極に対応した所定領域において電荷移動または
自発分極の反転を起こし、複数の記録ビットを並列に記
録するとともに、この電荷移動または自発分極の反転に
より複数の記録ビットが記録された記録媒体に対し、複
数配列された針状電極を相対移動させ、上記記録媒体に
おける表面電位または静電容量の変化を各針状電極によ
り検出し、複数の記録ビットを並列に再生することを特
徴とするものである。
列された針状電極にそれぞれ電圧を印加し、記録媒体の
各針状電極に対応した所定領域において電荷移動または
自発分極の反転を起こし、複数の記録ビットを並列に記
録するとともに、この電荷移動または自発分極の反転に
より複数の記録ビットが記録された記録媒体に対し、複
数配列された針状電極を相対移動させ、上記記録媒体に
おける表面電位または静電容量の変化を各針状電極によ
り検出し、複数の記録ビットを並列に再生することを特
徴とするものである。
【0024】一方、本発明の記録装置は、それぞれ電圧
が印加される複数の針状電極と、所定領域における電荷
移動または自発分極の反転により複数の記録ビットが記
録される記録媒体とを有し、上記複数配列された針状電
極により上記記録媒体に複数の記録ビットが並列に記録
されることを特徴とするものである。
が印加される複数の針状電極と、所定領域における電荷
移動または自発分極の反転により複数の記録ビットが記
録される記録媒体とを有し、上記複数配列された針状電
極により上記記録媒体に複数の記録ビットが並列に記録
されることを特徴とするものである。
【0025】また、本発明の再生装置は、記録媒体に対
して相対移動される複数の針状電極と、所定領域におけ
る電荷移動または自発分極の反転により複数の記録ビッ
トが記録される記録媒体とを有し、上記記録媒体におけ
る表面電位または静電容量の変化が各針状電極により検
出され、複数の記録ビットが並列に再生されることを特
徴とするものである。
して相対移動される複数の針状電極と、所定領域におけ
る電荷移動または自発分極の反転により複数の記録ビッ
トが記録される記録媒体とを有し、上記記録媒体におけ
る表面電位または静電容量の変化が各針状電極により検
出され、複数の記録ビットが並列に再生されることを特
徴とするものである。
【0026】さらに、本発明の記録再生装置は、記録媒
体に対して相対移動される複数の針状電極と、所定領域
における電荷移動または自発分極の反転により複数の記
録ビットが記録される記録媒体とを有し、上記複数配列
された針状電極により上記記録媒体に複数の記録ビット
が並列に記録されるとともに、上記記録媒体における表
面電位または静電容量の変化が各針状電極により検出さ
れ、複数の記録ビットが並列に再生されることを特徴と
するものである。
体に対して相対移動される複数の針状電極と、所定領域
における電荷移動または自発分極の反転により複数の記
録ビットが記録される記録媒体とを有し、上記複数配列
された針状電極により上記記録媒体に複数の記録ビット
が並列に記録されるとともに、上記記録媒体における表
面電位または静電容量の変化が各針状電極により検出さ
れ、複数の記録ビットが並列に再生されることを特徴と
するものである。
【0027】本発明は、針状電極を有する記録再生手段
(いわゆるへッド)により記録ビットの記録または再生
を行う。すなわち、ヘッドの針状電極から電圧を印加す
ることにより記録媒体の所定領域の電荷移動または自発
分極の反転により記録ビットを記録または消去する。記
録は、1回だけ書き込む、いわゆるライトワンスであっ
てもよいし、繰り返し書き込みが可能な、いわゆる書き
換え可能型であってもよい。
(いわゆるへッド)により記録ビットの記録または再生
を行う。すなわち、ヘッドの針状電極から電圧を印加す
ることにより記録媒体の所定領域の電荷移動または自発
分極の反転により記録ビットを記録または消去する。記
録は、1回だけ書き込む、いわゆるライトワンスであっ
てもよいし、繰り返し書き込みが可能な、いわゆる書き
換え可能型であってもよい。
【0028】ここで、記録あるいは再生に際して、複数
のヘッド(針状電極)を用いて並列記録または並列再生
(並列度をnとする。配列した針状電極の数が並列度に
相当する。)を行うというのが大きな特徴である。
のヘッド(針状電極)を用いて並列記録または並列再生
(並列度をnとする。配列した針状電極の数が並列度に
相当する。)を行うというのが大きな特徴である。
【0029】このような並列記録、並列再生を採用する
ことで、記録速度、再生速度は、並列度の分だけ、すな
わちn倍だけ高速化される。
ことで、記録速度、再生速度は、並列度の分だけ、すな
わちn倍だけ高速化される。
【0030】記録または再生のための針状電極は、Si
のマイクロファブリケーション技術、すなわちSi基板
をベースにしての3次元エッチング技術を用いて作製す
るため、Si集積回路作製技術を適用することが可能
で、単一のへッドを複数モノリシックまたはハイブリッ
ドに集積した集積記録・再生ヘッドを作製することがで
きる。
のマイクロファブリケーション技術、すなわちSi基板
をベースにしての3次元エッチング技術を用いて作製す
るため、Si集積回路作製技術を適用することが可能
で、単一のへッドを複数モノリシックまたはハイブリッ
ドに集積した集積記録・再生ヘッドを作製することがで
きる。
【0031】複数(例えば100個)の記録へッドを用
いて同時に情報の記録を行うことにより、記録速度が単
一のヘッドを用いて記録する場合と比べて100倍とな
る。また、情報の消去においても、複数の記録ビットの
単位ブロックを同時に消去することが可能となり、消去
速度も格段に速くすることができる。さらに、情報の再
生においても、100個の再生ヘッドを同時に用いるこ
とにより、再生速度が単一再生へッドと比較して高速と
なる。
いて同時に情報の記録を行うことにより、記録速度が単
一のヘッドを用いて記録する場合と比べて100倍とな
る。また、情報の消去においても、複数の記録ビットの
単位ブロックを同時に消去することが可能となり、消去
速度も格段に速くすることができる。さらに、情報の再
生においても、100個の再生ヘッドを同時に用いるこ
とにより、再生速度が単一再生へッドと比較して高速と
なる。
【0032】しかも、その再生においては、ヘッドの針
状電極を記録媒体に対して非接触状態とし、所定領域に
記録された記録ビットを、この領域における表面電位、
電荷または容量の変化量またはそれらの微分を検出する
ことにより行う。
状電極を記録媒体に対して非接触状態とし、所定領域に
記録された記録ビットを、この領域における表面電位、
電荷または容量の変化量またはそれらの微分を検出する
ことにより行う。
【0033】すなわち、キャリアトラップを有する記録
媒体にキャリアを局所的に注入、放出することにより情
報を記録消去し、微小領域の表面電位、静電容量の微小
変化量をヘッド(針状電極)の微小変位として非接触に
再生する。
媒体にキャリアを局所的に注入、放出することにより情
報を記録消去し、微小領域の表面電位、静電容量の微小
変化量をヘッド(針状電極)の微小変位として非接触に
再生する。
【0034】このように、記録媒体に対してへッドを非
接触の状態で、記録ビットを再生するので、この再生に
おいて針状電極ヘッドや記録媒体を損耗させることが回
避される。
接触の状態で、記録ビットを再生するので、この再生に
おいて針状電極ヘッドや記録媒体を損耗させることが回
避される。
【0035】また、本発明は、記録ビットに3値以上の
情報を記録し、記録ビットに載せられた3値以上の情報
を再生してもよい。従来の2値記録と比較して、同一の
空間的記録密度で、情報の記録密度を少なくとも1.5
倍以上に高めることが可能となる。
情報を記録し、記録ビットに載せられた3値以上の情報
を再生してもよい。従来の2値記録と比較して、同一の
空間的記録密度で、情報の記録密度を少なくとも1.5
倍以上に高めることが可能となる。
【0036】通常、再生ヘッドの微小変位の検出には、
半導体レーザ光の反射光の差動検出を基本とした光てこ
方式を用いる。この光てこ方式の微小変位の検出方法
は、記録または再生ヘッドの並列度が比較的小さい時に
は集積半導体レーザ光源、集積光検出系を用いることが
可能となる。また、集積度が比較的大きい場合には、微
小変位の検出に微小変位を直接電気信号量に変換可能な
強誘電体を含む材料で記録再生へッドを構成することに
より、並列度が高い記録再生へッドを実現することがで
きる。また、記録時に流れる電流は非常に小さく、一度
の多数個の記録を行なった場合であっても、並列記録時
に流れる全電流は小さく、並列度が大きい場合であって
も、並列記録は全体のデバイス動作上問題にならない。
並列度が大きい並列再生の場合も同様である。
半導体レーザ光の反射光の差動検出を基本とした光てこ
方式を用いる。この光てこ方式の微小変位の検出方法
は、記録または再生ヘッドの並列度が比較的小さい時に
は集積半導体レーザ光源、集積光検出系を用いることが
可能となる。また、集積度が比較的大きい場合には、微
小変位の検出に微小変位を直接電気信号量に変換可能な
強誘電体を含む材料で記録再生へッドを構成することに
より、並列度が高い記録再生へッドを実現することがで
きる。また、記録時に流れる電流は非常に小さく、一度
の多数個の記録を行なった場合であっても、並列記録時
に流れる全電流は小さく、並列度が大きい場合であって
も、並列記録は全体のデバイス動作上問題にならない。
並列度が大きい並列再生の場合も同様である。
【0037】このように、本発明においては、針状電極
による電圧印加により記録媒体に対し、電荷移動または
自発分極の反転により情報を複数の記録または消去へッ
ドを用いて並列に記録または消去する態様をとることか
ら、高速、高密度記録がなされる。また、記録へッドの
共振周波数を十分大きく(MHzオーダ)、バネ定数を
十分小さくすることにより、記録ビットのMHz帯での
高速な再生が可能になる。さらに、MHzオーダの共振
周波数を有する複数の再生へッドを用いた並列再生によ
り、再生速度はさらに高速になる。
による電圧印加により記録媒体に対し、電荷移動または
自発分極の反転により情報を複数の記録または消去へッ
ドを用いて並列に記録または消去する態様をとることか
ら、高速、高密度記録がなされる。また、記録へッドの
共振周波数を十分大きく(MHzオーダ)、バネ定数を
十分小さくすることにより、記録ビットのMHz帯での
高速な再生が可能になる。さらに、MHzオーダの共振
周波数を有する複数の再生へッドを用いた並列再生によ
り、再生速度はさらに高速になる。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、本発明において用いられ
る記録媒体10の基本構成を示す。図1(a)に示され
る記録媒体は、基体11裏面に下部電極12、表面側に
情報の記録がなされる活性層13が形成された構成を有
する。この活性層13は、電荷の移動を生じる電荷蓄積
材料膜によって構成する。
る記録媒体10の基本構成を示す。図1(a)に示され
る記録媒体は、基体11裏面に下部電極12、表面側に
情報の記録がなされる活性層13が形成された構成を有
する。この活性層13は、電荷の移動を生じる電荷蓄積
材料膜によって構成する。
【0039】上記電荷蓄積材料膜は、例えば、SiO2
酸化膜、SiN膜、SiO2酸化膜が順次積層されて構
成され、隣接する異種の層(ヘテロ層)から構成される
界面(ヘテロ界面)を有する。
酸化膜、SiN膜、SiO2酸化膜が順次積層されて構
成され、隣接する異種の層(ヘテロ層)から構成される
界面(ヘテロ界面)を有する。
【0040】また、図1(b)に示される記録媒体は、
基体11表面に絶縁膜を介して下部電極12、情報の記
録がなされる活性層13が形成された構成を有する。こ
の活性層13は強誘電体層(誘電体ヘテロ層)を用い
る。
基体11表面に絶縁膜を介して下部電極12、情報の記
録がなされる活性層13が形成された構成を有する。こ
の活性層13は強誘電体層(誘電体ヘテロ層)を用い
る。
【0041】上記基体11は、上述したSi基体等の半
導体基体によって構成することができるものであるが、
この基体11が導電率の高い半導体基体である場合、下
部電極12の形成を省略することもできる。記録媒体1
0に対する記録態様によっては、基体11を半導体基体
以外の良導電性を有する基体によって構成することがで
き、この場合においても、下部電極12を省略すること
ができる。
導体基体によって構成することができるものであるが、
この基体11が導電率の高い半導体基体である場合、下
部電極12の形成を省略することもできる。記録媒体1
0に対する記録態様によっては、基体11を半導体基体
以外の良導電性を有する基体によって構成することがで
き、この場合においても、下部電極12を省略すること
ができる。
【0042】これら記録媒体10を構成する電荷蓄積材
料膜または強誘電体膜は、それぞれ例えば熱酸化法、ス
パッタリング法、LPCVD(Low Pressure Chemical
Deposition)法、MOCVD(Metal Organic Chemical
Vapor Deposition)法、分子線蒸着法、通常の蒸着法、
レーザアブレーション法、ゾルゲル法、スピンコート法
などによって成膜することができる。
料膜または強誘電体膜は、それぞれ例えば熱酸化法、ス
パッタリング法、LPCVD(Low Pressure Chemical
Deposition)法、MOCVD(Metal Organic Chemical
Vapor Deposition)法、分子線蒸着法、通常の蒸着法、
レーザアブレーション法、ゾルゲル法、スピンコート法
などによって成膜することができる。
【0043】記録媒体10に対する情報の記録構成は、
基本的には原子間力顕微鏡(AFM)構成とする。すな
わち、記録へッドが、先端に針状電極を有するAFM制
御の導電性力ンチレバ一が複数個並列に集積化した構成
とする。
基本的には原子間力顕微鏡(AFM)構成とする。すな
わち、記録へッドが、先端に針状電極を有するAFM制
御の導電性力ンチレバ一が複数個並列に集積化した構成
とする。
【0044】この電荷蓄積材料膜による記録媒体10に
対する記録は、記録へッドとしての針状電極を先端に有
する導電性カンチレバーに記録電圧VRが|VR|<2
0Vの記録電圧、例えば9Vのパルス電圧を印加するこ
とによりカンチレバーに形成された針状電極より電子を
局所的にSiN膜付近(SiN/SiO2界面、及びS
iN膜中)に存在するキャリアトラップに注入または放
出し、この電荷の移動によって情報の記録を行う。
対する記録は、記録へッドとしての針状電極を先端に有
する導電性カンチレバーに記録電圧VRが|VR|<2
0Vの記録電圧、例えば9Vのパルス電圧を印加するこ
とによりカンチレバーに形成された針状電極より電子を
局所的にSiN膜付近(SiN/SiO2界面、及びS
iN膜中)に存在するキャリアトラップに注入または放
出し、この電荷の移動によって情報の記録を行う。
【0045】そして、この局所的に電荷が注入または放
出された領域に対し、所要の電圧、例えば9V程度のパ
ルス電圧を印加することにより電子を放出または注入し
てSiN膜付近(SiN/SiO2界面、及びSiN膜
中)のトラップの電荷が注入または放出された領域を元
に戻し、記録情報の消去を行う。このように、記録消去
動作は、複数のヘッド(針状電極)により同時並列に行
われる。
出された領域に対し、所要の電圧、例えば9V程度のパ
ルス電圧を印加することにより電子を放出または注入し
てSiN膜付近(SiN/SiO2界面、及びSiN膜
中)のトラップの電荷が注入または放出された領域を元
に戻し、記録情報の消去を行う。このように、記録消去
動作は、複数のヘッド(針状電極)により同時並列に行
われる。
【0046】また、この記録態様によれば、先に記録さ
れた情報の上に新しい情報の書換え記録を行う、いわゆ
るオーバーライトが可能であり、このオーバーライトに
当たって先の記録の消去過程を必要としない。
れた情報の上に新しい情報の書換え記録を行う、いわゆ
るオーバーライトが可能であり、このオーバーライトに
当たって先の記録の消去過程を必要としない。
【0047】一方、その記録情報の読み出しすなわち再
生は、上述の記録媒体への電荷の注入領域と、非注入領
域とでの針状電極ヘッドすなわちカンチレバーとのクー
ロン相互作用の相違を利用することによって行う。すな
わち、局所的な表面電位を計測することにより、電荷が
注入されている領域と非注入領域との静電容量の変化量
として、記録された情報を針状電極へッドで検出するこ
とによって記録情報の再生を行う。このように、再生動
作は、複数のヘッド(針状電極)により並列に行われ
る。
生は、上述の記録媒体への電荷の注入領域と、非注入領
域とでの針状電極ヘッドすなわちカンチレバーとのクー
ロン相互作用の相違を利用することによって行う。すな
わち、局所的な表面電位を計測することにより、電荷が
注入されている領域と非注入領域との静電容量の変化量
として、記録された情報を針状電極へッドで検出するこ
とによって記録情報の再生を行う。このように、再生動
作は、複数のヘッド(針状電極)により並列に行われ
る。
【0048】以上、上述したように、並列記録、並列再
生を採用することで、記録速度、再生速度は、並列度の
分だけ高速化される。
生を採用することで、記録速度、再生速度は、並列度の
分だけ高速化される。
【0049】また、記録または再生ヘッドはSiのマイ
クロファブリケーション技術すなわちSi基板をベース
にしての3次元エッチング技術を用いて作製するため、
Si集積回路作製技術を適用することが可能で、単一の
ヘッドを複数モノリシックまたはハイブリッドに集積し
た集積記録、再生ヘッドを作製することができる。ここ
で、複数(例えば100個)の記録ヘッドを用いて同時
に情報の記録を行うことにより、記録速度が従来と比べ
て100倍となる。また、情報の消去においても複数の
記録ビットの単位ブロックを同時に消去することが可能
となり、消去速度を従来と比較して格段に速くすること
ができる。さらに、情報の再生においても100個の再
生ヘッドを同時に用いることにより再生速度が単一再生
ヘッドと比較してさらに高速となる。
クロファブリケーション技術すなわちSi基板をベース
にしての3次元エッチング技術を用いて作製するため、
Si集積回路作製技術を適用することが可能で、単一の
ヘッドを複数モノリシックまたはハイブリッドに集積し
た集積記録、再生ヘッドを作製することができる。ここ
で、複数(例えば100個)の記録ヘッドを用いて同時
に情報の記録を行うことにより、記録速度が従来と比べ
て100倍となる。また、情報の消去においても複数の
記録ビットの単位ブロックを同時に消去することが可能
となり、消去速度を従来と比較して格段に速くすること
ができる。さらに、情報の再生においても100個の再
生ヘッドを同時に用いることにより再生速度が単一再生
ヘッドと比較してさらに高速となる。
【0050】上述したように、記録および消去には20
V以下の動作電圧でよいが、更に記録媒体の材料、膜厚
等の最適化によって10V以下とすることができる。ま
た、キャリアがトンネルするSiO2の膜厚を薄くする
ことにより、電荷蓄積材料膜のキャリアの注入に必要な
時間を1μsとすることができる。したがって、記録へ
ッドの並列度100の場合、1ビット当たりの記録時間
を10nsとすることができる。更に、表面電位変化の
高速検出もでき、1Mz以上の高速再生ができる。
V以下の動作電圧でよいが、更に記録媒体の材料、膜厚
等の最適化によって10V以下とすることができる。ま
た、キャリアがトンネルするSiO2の膜厚を薄くする
ことにより、電荷蓄積材料膜のキャリアの注入に必要な
時間を1μsとすることができる。したがって、記録へ
ッドの並列度100の場合、1ビット当たりの記録時間
を10nsとすることができる。更に、表面電位変化の
高速検出もでき、1Mz以上の高速再生ができる。
【0051】したがって、再生ヘッドの並列度100の
場合、1ビット当たりの再生はさらに高速にすることが
できる。また、再生ヘッド先端形状の極率半径を小さく
することにより、記録領域の直径を50nm〜100n
m程度とすることができ、通常の再生へッドを用いた場
合よりさらに高密度記録領域での記録、消去および再生
ができる。
場合、1ビット当たりの再生はさらに高速にすることが
できる。また、再生ヘッド先端形状の極率半径を小さく
することにより、記録領域の直径を50nm〜100n
m程度とすることができ、通常の再生へッドを用いた場
合よりさらに高密度記録領域での記録、消去および再生
ができる。
【0052】しかも、その再生においては、ヘッドの針
状電極を記録媒体に対して非接触状態とし、所定領域に
記録された記録ビットを、この領域における表面電位、
電荷または容量の変化量またはそれらの微分を検出する
ことにより行う。
状電極を記録媒体に対して非接触状態とし、所定領域に
記録された記録ビットを、この領域における表面電位、
電荷または容量の変化量またはそれらの微分を検出する
ことにより行う。
【0053】すなわち、キャリアトラップを有する記録
媒体にキャリアを局所的に注入、放出することにより情
報を記録消去し、微小領域の表面電位、静電容量の微小
変化量をヘッド(針状電極)の微小変位として非接触に
再生する。
媒体にキャリアを局所的に注入、放出することにより情
報を記録消去し、微小領域の表面電位、静電容量の微小
変化量をヘッド(針状電極)の微小変位として非接触に
再生する。
【0054】このように、記録媒体に対してへッドを非
接触の状態で、記録ビットを再生するので、この再生に
おいて針状電極ヘッドや記録媒体を損耗させることが回
避される。
接触の状態で、記録ビットを再生するので、この再生に
おいて針状電極ヘッドや記録媒体を損耗させることが回
避される。
【0055】また、この記録態様によれば、1ビット当
たりに3値以上の情報を記録することも可能である。
たりに3値以上の情報を記録することも可能である。
【0056】この単一のヘッドを用いた記録態様によれ
ば、別の記録された情報を記録する場合、9Vの電圧パ
ルスを印加することにより表面電位を周囲より高くして
記録する。このようにして、同一の記録領域(記録ビッ
ト)に、3値の情報を記録することができる。
ば、別の記録された情報を記録する場合、9Vの電圧パ
ルスを印加することにより表面電位を周囲より高くして
記録する。このようにして、同一の記録領域(記録ビッ
ト)に、3値の情報を記録することができる。
【0057】また、単一ヘッドを用いた5値記録を行う
場合は、その表面電位の値を、それぞれ例えば以下のよ
うに分割選定することができる。
場合は、その表面電位の値を、それぞれ例えば以下のよ
うに分割選定することができる。
【0058】情報"0"の記録は、その記録部における表
面電位が−40mV以下、情報"1"の記録は、その記録
部における表面電位が−35〜−15mV、情報"2"の
記録は、その記録部における表面電位が−10〜+10
mV、情報"3"の記録は、その記録部における表面電位
が+15〜+35mV、情報"4"の記録は、その記録部
における表面電位が40mV以上。
面電位が−40mV以下、情報"1"の記録は、その記録
部における表面電位が−35〜−15mV、情報"2"の
記録は、その記録部における表面電位が−10〜+10
mV、情報"3"の記録は、その記録部における表面電位
が+15〜+35mV、情報"4"の記録は、その記録部
における表面電位が40mV以上。
【0059】単一ヘッドを用いた情報の書き込みは、プ
ラスマイナス10Vまたはプラスマイナス6Vの電圧パ
ルスの印加で行って、多値記録が可能な表面電位の値を
制御した。
ラスマイナス10Vまたはプラスマイナス6Vの電圧パ
ルスの印加で行って、多値記録が可能な表面電位の値を
制御した。
【0060】一方、強誘電体記録メディアを用いる場
合、記録媒体は、導電性を有するSi基板上にオーミッ
ク電極、及びビスマス層状化合物強誘電体膜(BS
T)、またはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を成膜す
ることによって構成する。この強誘電体膜による記録媒
体10に対する記録は、記録へッドとしての針状電極を
先端に有する導電性カンチレバーに記録電圧VRが|V
R|<10Vの、例えば負電圧の5Vのパルス電圧を印
加することによりビスマス層状化合物強誘電体膜の自発
分極の向きを局所的に反転させ、この自発分極の反転に
よって情報の記録を行う。並列記録の場合、集積した記
録へッドを用いてこの操作を並列に行う。
合、記録媒体は、導電性を有するSi基板上にオーミッ
ク電極、及びビスマス層状化合物強誘電体膜(BS
T)、またはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を成膜す
ることによって構成する。この強誘電体膜による記録媒
体10に対する記録は、記録へッドとしての針状電極を
先端に有する導電性カンチレバーに記録電圧VRが|V
R|<10Vの、例えば負電圧の5Vのパルス電圧を印
加することによりビスマス層状化合物強誘電体膜の自発
分極の向きを局所的に反転させ、この自発分極の反転に
よって情報の記録を行う。並列記録の場合、集積した記
録へッドを用いてこの操作を並列に行う。
【0061】そして、この自発分極が反転した領域に対
し、所要の正電圧、例えば9V程度のパルス電圧を印加
することにより局所的に反転した自発分極の向きを元に
戻して記録情報の消去を行う。消去は複数の記録ビット
から構成される単位ブロックの一括消去とする。
し、所要の正電圧、例えば9V程度のパルス電圧を印加
することにより局所的に反転した自発分極の向きを元に
戻して記録情報の消去を行う。消去は複数の記録ビット
から構成される単位ブロックの一括消去とする。
【0062】そして、その記録情報の読み出しすなわち
再生は、上述の記録媒体の自発分極の反転領域と、非反
転領域とでの針状電極ヘッドすなわちカンチレバーとの
クーロン相互作用の相違を利用することによって行う。
すなわち、局所的な表面電位を計測することにより自発
分極が反転した領域と、非反転領域との表面電位、静電
容量の変化量として、記録された情報を針状電極へッド
の非接触状態で検出することによって記録情報の再生を
行う。
再生は、上述の記録媒体の自発分極の反転領域と、非反
転領域とでの針状電極ヘッドすなわちカンチレバーとの
クーロン相互作用の相違を利用することによって行う。
すなわち、局所的な表面電位を計測することにより自発
分極が反転した領域と、非反転領域との表面電位、静電
容量の変化量として、記録された情報を針状電極へッド
の非接触状態で検出することによって記録情報の再生を
行う。
【0063】集積した再生ヘッドを用いた並列再生の場
合、複数の記録ビットの同時並列に再生をおこなう。
合、複数の記録ビットの同時並列に再生をおこなう。
【0064】あるいは、記録媒体として、少なくともト
ンネル絶縁膜と、絶縁膜中にナノ結晶が埋め込まれてな
るナノ結晶層を有する電荷蓄積層を有する記録媒体を使
用することも可能である。
ンネル絶縁膜と、絶縁膜中にナノ結晶が埋め込まれてな
るナノ結晶層を有する電荷蓄積層を有する記録媒体を使
用することも可能である。
【0065】この記録媒体は、先の図1に示す記録媒体
と同様、導電性基体、例えばシリコン基体に下部電極が
被着形成され、これとは反対側に活性層が形成されるも
のであるが、活性層は、少なくとも例えばSiO2を介
しての電荷の注入、放出における電荷のトンネルが可能
なトンネル絶縁膜を有し、例えば半導体のSiのナノ結
晶がSiO2等の絶縁膜中に埋め込まれ、ナノ結晶層を
有する電荷蓄積層を有してなる。
と同様、導電性基体、例えばシリコン基体に下部電極が
被着形成され、これとは反対側に活性層が形成されるも
のであるが、活性層は、少なくとも例えばSiO2を介
しての電荷の注入、放出における電荷のトンネルが可能
なトンネル絶縁膜を有し、例えば半導体のSiのナノ結
晶がSiO2等の絶縁膜中に埋め込まれ、ナノ結晶層を
有する電荷蓄積層を有してなる。
【0066】このSiO2膜によるトンネル膜は、ナノ
結晶が埋め込まれたナノ結晶層を挟んでその上下に形成
することができ、ナノ結晶粒と、さらにナノ結晶粒とト
ンネル膜、もしくはナノ結晶粒を埋め込むSiO2膜と
の界面において高密度に電荷のトラップを形成するヘテ
ロ界面を形成させることができる。
結晶が埋め込まれたナノ結晶層を挟んでその上下に形成
することができ、ナノ結晶粒と、さらにナノ結晶粒とト
ンネル膜、もしくはナノ結晶粒を埋め込むSiO2膜と
の界面において高密度に電荷のトラップを形成するヘテ
ロ界面を形成させることができる。
【0067】ここで、絶縁膜中に埋め込まれたナノ結晶
は、空間的に離散化されてかつ伝導帯端からエネルギー
レベルの深いキャリアトラップになっている。そのサイ
ズは、直径10nm以下、その間の距離は5〜10nm
である。このような場合、キャリア(電子)が記録ヘッ
ドと記録媒体のSi基体との間に印加された強電界によ
りSi基体側または記録ヘッド側から例えばSiO2膜
によるトンネル絶縁膜をトンネルして空間的に離散化さ
れたキャリアトラップに注入されることにより情報の記
録がなされる。
は、空間的に離散化されてかつ伝導帯端からエネルギー
レベルの深いキャリアトラップになっている。そのサイ
ズは、直径10nm以下、その間の距離は5〜10nm
である。このような場合、キャリア(電子)が記録ヘッ
ドと記録媒体のSi基体との間に印加された強電界によ
りSi基体側または記録ヘッド側から例えばSiO2膜
によるトンネル絶縁膜をトンネルして空間的に離散化さ
れたキャリアトラップに注入されることにより情報の記
録がなされる。
【0068】この注入される電子の方向は、キャリアト
ラップとSi基体、記録ヘッドとの間のトンネル絶縁膜
の厚さ、および記録ヘッドでの記録時の表面電界集中の
大きさなどに依存している。キャリアトラップの密度
は、5×1011〜1×1012cm-2である。また、一つ
のキャリアトラップには複数個の電子をトラップするこ
とができる。
ラップとSi基体、記録ヘッドとの間のトンネル絶縁膜
の厚さ、および記録ヘッドでの記録時の表面電界集中の
大きさなどに依存している。キャリアトラップの密度
は、5×1011〜1×1012cm-2である。また、一つ
のキャリアトラップには複数個の電子をトラップするこ
とができる。
【0069】一方、キャリア(電子)が記録ヘッドと記
録媒体のSi基体との間に記録の場合とは逆の極性の強
電界を印加することにより、トラップに注入されていた
電子を放出することにより情報の消去を行うことができ
る。
録媒体のSi基体との間に記録の場合とは逆の極性の強
電界を印加することにより、トラップに注入されていた
電子を放出することにより情報の消去を行うことができ
る。
【0070】情報の再生は、キャリアトラップに捕獲さ
れた電子と再生ヘッドとのクーロン相互作用を表面電
位、静電容量などとして直接検出する。この再生方法
は、非常に高感度であり、このため、少数のキャリアト
ラップに捕獲された電子を高感度に検出することが可能
となる。すなわち、表面電位の検出感度は数mVである
ため、数10mV程度の表面ポテンシャルの変化量を容
易に検出することができる。
れた電子と再生ヘッドとのクーロン相互作用を表面電
位、静電容量などとして直接検出する。この再生方法
は、非常に高感度であり、このため、少数のキャリアト
ラップに捕獲された電子を高感度に検出することが可能
となる。すなわち、表面電位の検出感度は数mVである
ため、数10mV程度の表面ポテンシャルの変化量を容
易に検出することができる。
【0071】そして、ナノ結晶を用いた記録媒体の特徴
は、 (1)ナノ結晶の元素を選択することにより、エネルギー
レベルが深く、密度が高いキャリアトラップを絶縁膜中
に作製することができる。
は、 (1)ナノ結晶の元素を選択することにより、エネルギー
レベルが深く、密度が高いキャリアトラップを絶縁膜中
に作製することができる。
【0072】(2)ナノ結晶から構成されるキャリアトラ
ップを空間的に離散化した状態で絶縁膜中に作製するこ
とができる。
ップを空間的に離散化した状態で絶縁膜中に作製するこ
とができる。
【0073】ということであり、その結果として、 (1)書き込み動作電圧を10V以下(場合によっては5
V以下)にすることができる。
V以下)にすることができる。
【0074】(2)トラップが空間的に離散化しているた
め、記録ピット(記録領域)における情報の繰り返し書
き換え消去特性が良好となる。
め、記録ピット(記録領域)における情報の繰り返し書
き換え消去特性が良好となる。
【0075】(3)トラップのエネルギーレベルが深く、
空間的に離散化されているために同一トンネル絶縁膜の
厚さで比較した場合、記録ビットのデータ保持特性が良
好になる。
空間的に離散化されているために同一トンネル絶縁膜の
厚さで比較した場合、記録ビットのデータ保持特性が良
好になる。
【0076】この記録媒体を構成する各構成材料層の形
成方法は、先の図1に示す記録媒体の場合と同様であ
り、記録、消去、再生の方法も、図1に示す記録媒体の
場合と同様である。
成方法は、先の図1に示す記録媒体の場合と同様であ
り、記録、消去、再生の方法も、図1に示す記録媒体の
場合と同様である。
【0077】この記録媒体に対する記録及び消去は、例
えばナノ結晶の構成材料、粒径、間隔などの最適化によ
って、5V以下とすることができる。また、キャリアの
トンネル膜例えばSiO2膜の膜厚を小とすることによ
って、キャリアの注入、逆注入すなわち放出に要する時
間、すなわち記録、消去時間をそれぞれ1μs(1μ
秒)以下とすることができる。また、記録領域の直径
は、ナノ結晶の粒径に対応した10nm程度とすること
もできる。
えばナノ結晶の構成材料、粒径、間隔などの最適化によ
って、5V以下とすることができる。また、キャリアの
トンネル膜例えばSiO2膜の膜厚を小とすることによ
って、キャリアの注入、逆注入すなわち放出に要する時
間、すなわち記録、消去時間をそれぞれ1μs(1μ
秒)以下とすることができる。また、記録領域の直径
は、ナノ結晶の粒径に対応した10nm程度とすること
もできる。
【0078】上述したように、記録および消去には10
V以下の動作電圧でよいが、更に記録媒体の材料、膜厚
等の最適化によって5V以下とすることができる。ま
た、強誘電体薄膜の自発分極が反転するのに必要な時間
は1μs以下と非常に速く、1μs以下での高速記録及
び消去が可能となる。
V以下の動作電圧でよいが、更に記録媒体の材料、膜厚
等の最適化によって5V以下とすることができる。ま
た、強誘電体薄膜の自発分極が反転するのに必要な時間
は1μs以下と非常に速く、1μs以下での高速記録及
び消去が可能となる。
【0079】したがって、記録ヘッドの並列度100の
場合、1ビット当たりの記録時間を10ns以下とする
ことができる。
場合、1ビット当たりの記録時間を10ns以下とする
ことができる。
【0080】更に、表面電位変化の高速検出もでき、1
Mz以上の高速再生ができる。したがって、再生へッド
の並列度100の場合、1ビット当たりの再生は1MH
zよりさらに高速にすることができる。
Mz以上の高速再生ができる。したがって、再生へッド
の並列度100の場合、1ビット当たりの再生は1MH
zよりさらに高速にすることができる。
【0081】また、記録領域の直径を50nm〜100
nm程度とすることができ、高密度記録領域での記録、
消去および再生ができる。
nm程度とすることができ、高密度記録領域での記録、
消去および再生ができる。
【0082】また、1記録ビット当たりに3値以上の情
報を記録することにより、さらに記録密度を増大させる
ことができる。
報を記録することにより、さらに記録密度を増大させる
ことができる。
【0083】以上述べたように、複数の集積へッドを用
いて、並列記録または並列再生を行うことに、極めて優
れた高速高密度記録が達成可能である。
いて、並列記録または並列再生を行うことに、極めて優
れた高速高密度記録が達成可能である。
【0084】次に、本発明における記録・消去機構と、
再生機構の具体例を説明する。
再生機構の具体例を説明する。
【0085】〔記録・消去機構〕図2は、本発明を適用
した記録、消去装置の一例を示す概略構成図である。こ
の記録、消去装置は、記録媒体10を載置した載置台3
0、針状電極21を含む記録ヘッドHRを先端に備えた
カンチレバー22、記録パルスを付勢するパルス電圧発
生回路35および直流電源36、さらにレンズ系31、
光検出器32、プリアンプ33、サーボ回路34、半導
体レーザダイオード38を備える。
した記録、消去装置の一例を示す概略構成図である。こ
の記録、消去装置は、記録媒体10を載置した載置台3
0、針状電極21を含む記録ヘッドHRを先端に備えた
カンチレバー22、記録パルスを付勢するパルス電圧発
生回路35および直流電源36、さらにレンズ系31、
光検出器32、プリアンプ33、サーボ回路34、半導
体レーザダイオード38を備える。
【0086】ここでは、その並列度(n)に応じてn個
の記録ヘッドを用いるが、並列している個々のヘッドの
動作は各々独立であるため、図2では説明の便宜上、単
一のヘッド(針状電極)のみを示す。
の記録ヘッドを用いるが、並列している個々のヘッドの
動作は各々独立であるため、図2では説明の便宜上、単
一のヘッド(針状電極)のみを示す。
【0087】針状電極21は、例えば円錐状、3角錐
状、断面例えば3角の柱状等の実質的に記録媒体に対し
て点接触ないしは微小面接触できる構成であり、記録ヘ
ッドHRは、先端にこの針状電極21が形成された例え
ば短冊状の板バネ構成を有し、一端が固定されたカンチ
レバー22によって構成される。このカンチレバー22
は、バネ定数0.01〜10(N/m)のSiもしくは
SiNからなり、その表面にAu、Pt、Co、Ni、
Ir、Cr、DLC(ダイヤモンドライクカーボン膜)
等の単層ないしは多層構造の金属層が被覆されることに
よって高い導電性が付与されて成る。あるいは、針状加
工が可能で、導電性を有する不純物ドーピングのなされ
た導電性シリコンによって構成される。これらカンチレ
バー22は、いわゆるマイクロファブリケーション技術
によって作製し、5〜10000個が並列して配列され
ている。
状、断面例えば3角の柱状等の実質的に記録媒体に対し
て点接触ないしは微小面接触できる構成であり、記録ヘ
ッドHRは、先端にこの針状電極21が形成された例え
ば短冊状の板バネ構成を有し、一端が固定されたカンチ
レバー22によって構成される。このカンチレバー22
は、バネ定数0.01〜10(N/m)のSiもしくは
SiNからなり、その表面にAu、Pt、Co、Ni、
Ir、Cr、DLC(ダイヤモンドライクカーボン膜)
等の単層ないしは多層構造の金属層が被覆されることに
よって高い導電性が付与されて成る。あるいは、針状加
工が可能で、導電性を有する不純物ドーピングのなされ
た導電性シリコンによって構成される。これらカンチレ
バー22は、いわゆるマイクロファブリケーション技術
によって作製し、5〜10000個が並列して配列され
ている。
【0088】載置台30は、記録媒体10が載置され、
その面方向に沿って例えば互いに直交するx軸およびy
軸に関して移動するように、もしくは回転するようにな
されている。この載置台30は、さらにカンチレバー2
2の針状電極21との接触状態を調整できるように記録
媒体10の面方向と垂直方向(以下z軸方向という)に
移動制御できるように構成される。
その面方向に沿って例えば互いに直交するx軸およびy
軸に関して移動するように、もしくは回転するようにな
されている。この載置台30は、さらにカンチレバー2
2の針状電極21との接触状態を調整できるように記録
媒体10の面方向と垂直方向(以下z軸方向という)に
移動制御できるように構成される。
【0089】この載置台30のz軸方向の制御は、例え
ば、半導体レーザー38からのレーザー光を、収束レン
ズ系31によって収束させてカンチレバー22の先端に
照射し、その反射光を例えば複数の分割フォトダイオー
ド例えば4分割フォトダイオードによる光検出器32に
よって差動検出し、その検出信号をプリアンプ33を通
じて、載置台30のz軸制御を行うサーボ回路34に入
力して載置台30のz軸方向の位置を制御することによ
って、記録媒体10に対して常時、記録ヘッドすなわち
針状電極21が、最適な接触状態にあるように制御され
る。
ば、半導体レーザー38からのレーザー光を、収束レン
ズ系31によって収束させてカンチレバー22の先端に
照射し、その反射光を例えば複数の分割フォトダイオー
ド例えば4分割フォトダイオードによる光検出器32に
よって差動検出し、その検出信号をプリアンプ33を通
じて、載置台30のz軸制御を行うサーボ回路34に入
力して載置台30のz軸方向の位置を制御することによ
って、記録媒体10に対して常時、記録ヘッドすなわち
針状電極21が、最適な接触状態にあるように制御され
る。
【0090】記録ヘッドまたは記録/再生マルチヘッド
の並列度が増大するにつれて、上記光てこ方式によるヘ
ッドの制御は原理的には半導体レーザーが並列度(n)
個必要になるため、装置構成が複雑になる。
の並列度が増大するにつれて、上記光てこ方式によるヘ
ッドの制御は原理的には半導体レーザーが並列度(n)
個必要になるため、装置構成が複雑になる。
【0091】そのような場合は、ヘッドの微小な変位を
そのまま電気信号に変換する、圧電材料を用いた単一ヘ
ッドを多数並列に配置した集積ヘッドした記録/再生ヘ
ッドを用いることも可能である。
そのまま電気信号に変換する、圧電材料を用いた単一ヘ
ッドを多数並列に配置した集積ヘッドした記録/再生ヘ
ッドを用いることも可能である。
【0092】また、ヘッドが検出する微小変位信号を電
気信号に変換する電気回路を同一ヘッドと集積化した構
成の集積記録または再生ヘッドとすることも可能であ
る。
気信号に変換する電気回路を同一ヘッドと集積化した構
成の集積記録または再生ヘッドとすることも可能であ
る。
【0093】ここでは、最も基本的な光てこ方式による
単一ヘッドを並列度だけ集積化した形態(記録マルチヘ
ッド)での説明を行う。さらに、動作機構は単一ヘッド
が並列度だけ独立に動作するため、単一ヘッドの場合の
動作機構について説明する。
単一ヘッドを並列度だけ集積化した形態(記録マルチヘ
ッド)での説明を行う。さらに、動作機構は単一ヘッド
が並列度だけ独立に動作するため、単一ヘッドの場合の
動作機構について説明する。
【0094】そして、カンチレバー22と記録媒体10
の下部電極12との間に、記録信号に応じた電圧が印加
される。この印加電圧は、記録信号に応じたパルス電圧
発生回路35からのパルス電圧を直流電源36による所
要の直流バイアス電圧(0Vを含む)に重畳して印加す
る。
の下部電極12との間に、記録信号に応じた電圧が印加
される。この印加電圧は、記録信号に応じたパルス電圧
発生回路35からのパルス電圧を直流電源36による所
要の直流バイアス電圧(0Vを含む)に重畳して印加す
る。
【0095】このようにして、記録媒体10に、カンチ
レバー22の先端の針状電極21すなわち記録ヘッドH
Rを接触させた状態で、記録媒体と相対的に移行させて
上述の直流電圧にパルス電圧を重畳させた電圧をカンチ
レバーとSi基体裏面の間に印加することにより、情報
の記録を行う。相対的に移行させる方法としては、例え
ば、上記各針状電極21を固定し、上記記録媒体10を
回転または往復動させることが挙げられる。
レバー22の先端の針状電極21すなわち記録ヘッドH
Rを接触させた状態で、記録媒体と相対的に移行させて
上述の直流電圧にパルス電圧を重畳させた電圧をカンチ
レバーとSi基体裏面の間に印加することにより、情報
の記録を行う。相対的に移行させる方法としては、例え
ば、上記各針状電極21を固定し、上記記録媒体10を
回転または往復動させることが挙げられる。
【0096】また、記録時に流れるトンネル電流は非常
に小さく、一度に多数個の記録ビットの記録を行なう場
合であっても、並列記録時に流れる全電流は小さく制御
することができるため、並列度が大きい場合でも、並列
記録は全体のデバイス動作上問題にはならない。
に小さく、一度に多数個の記録ビットの記録を行なう場
合であっても、並列記録時に流れる全電流は小さく制御
することができるため、並列度が大きい場合でも、並列
記録は全体のデバイス動作上問題にはならない。
【0097】〔再生機構〕記録媒体10からの記録情報
の読み出しすなわち再生は、再生ヘッドが記録媒体と接
触しない、すなわち非接触状態で行うか、あるいは接触
状態で行う。
の読み出しすなわち再生は、再生ヘッドが記録媒体と接
触しない、すなわち非接触状態で行うか、あるいは接触
状態で行う。
【0098】再生装置の場合も、その並列度(n)に応
じてn個、例えば5〜10000個の記録ヘッドを用い
るが、並列している個々のヘッドの動作は各々独立であ
るため、これから示す図では説明の便宜上、単一のヘッ
ド(針状電極)のみを示す。
じてn個、例えば5〜10000個の記録ヘッドを用い
るが、並列している個々のヘッドの動作は各々独立であ
るため、これから示す図では説明の便宜上、単一のヘッ
ド(針状電極)のみを示す。
【0099】また、再生ヘッドの制御方式も記録ヘッド
の場合と同様に圧電材料を用いた場合でも可能である
が、以下の説明では半導体レーザーを用いた光てこ方式
の場合の再生マルチヘッドを構成する単一ヘッドにつき
説明する。
の場合と同様に圧電材料を用いた場合でも可能である
が、以下の説明では半導体レーザーを用いた光てこ方式
の場合の再生マルチヘッドを構成する単一ヘッドにつき
説明する。
【0100】先ず、非接触状態による場合について説明
する。この再生装置は、基本的には、下記(i)、〜
(iv)のいずれかの構成による。
する。この再生装置は、基本的には、下記(i)、〜
(iv)のいずれかの構成による。
【0101】(i)走査型マックスウエル応力顕微鏡
(SMM:Scanning Maxwell Stress Microscope)構
成。
(SMM:Scanning Maxwell Stress Microscope)構
成。
【0102】(ii)上記SMM構成においてヘテロダ
イン検出方式を採る構成。
イン検出方式を採る構成。
【0103】(iii)ケルビン力顕微鏡(KFM:Ke
lvin Force Microscope)構成。
lvin Force Microscope)構成。
【0104】(iv)走査型容量顕微鏡(SCM:Scan
ning Capacitance Microscope)構成。
ning Capacitance Microscope)構成。
【0105】上記(i)〜(iv)の構成について説明
する。
する。
【0106】(i)SMM構成による場合。
【0107】図3は、SMM構成による再生装置RSM
Mの、再生ヘッドHPとその制御部の構成図を示す。こ
の再生はSMMで知られている動作原理(例えばMolecu
larElectronics and Bioelectronics、vol.3、p79(1992)
参照)によってなされる。ここで、再生ヘッドHPは、
図2で説明した記録ヘッドHR自体を用いることができ
るが、いずれの場合においてもこの再生ヘッドHPは記
録媒体10に対して非接触状態で用いられる。この再生
ヘッドHPは、前述した記録ヘッドHRにおける場合と
同様に、先端に例えば円錐状、3角錐状、断面例えば3
角の柱状等の実質的に針状電極21が形成された例えば
短冊状の板バネ構成を有し、一端が固定されたカンチレ
バー22によって構成される。このカンチレバー22
は、前述した載置台30上に載置された記録媒体10に
非接触な状態で記録媒体10の表面電位Vsまたは静電
容量の検出によって記録情報の再生がなされる。
Mの、再生ヘッドHPとその制御部の構成図を示す。こ
の再生はSMMで知られている動作原理(例えばMolecu
larElectronics and Bioelectronics、vol.3、p79(1992)
参照)によってなされる。ここで、再生ヘッドHPは、
図2で説明した記録ヘッドHR自体を用いることができ
るが、いずれの場合においてもこの再生ヘッドHPは記
録媒体10に対して非接触状態で用いられる。この再生
ヘッドHPは、前述した記録ヘッドHRにおける場合と
同様に、先端に例えば円錐状、3角錐状、断面例えば3
角の柱状等の実質的に針状電極21が形成された例えば
短冊状の板バネ構成を有し、一端が固定されたカンチレ
バー22によって構成される。このカンチレバー22
は、前述した載置台30上に載置された記録媒体10に
非接触な状態で記録媒体10の表面電位Vsまたは静電
容量の検出によって記録情報の再生がなされる。
【0108】載置台30は、前述したように、これに載
置された記録媒体10の面方向に沿って例えば互いに直
交するx軸およびy軸に関して移動するように、もしく
は回転するようになされ、さらに再生ヘッドHPとして
のカンチレバー22の針状電極21との間隔を調整でき
るように記録媒体10の面方向と直交するz軸方向に移
動制御できるように構成される。
置された記録媒体10の面方向に沿って例えば互いに直
交するx軸およびy軸に関して移動するように、もしく
は回転するようになされ、さらに再生ヘッドHPとして
のカンチレバー22の針状電極21との間隔を調整でき
るように記録媒体10の面方向と直交するz軸方向に移
動制御できるように構成される。
【0109】再生ヘッドHPすなわち針状電極21を有
するカンチレバー22と記録媒体10との間にバイアス
電圧Vを印加すると、静電結合により針状電極21と、
記録媒体との間に(数1)で与えられる力Fzが働く。
ここでCは、針状電極21と記録媒体10との間の静電
容量、Zは針状電極21と記録媒体10との間の距離で
ある。
するカンチレバー22と記録媒体10との間にバイアス
電圧Vを印加すると、静電結合により針状電極21と、
記録媒体との間に(数1)で与えられる力Fzが働く。
ここでCは、針状電極21と記録媒体10との間の静電
容量、Zは針状電極21と記録媒体10との間の距離で
ある。
【0110】
【数1】
【0111】記録媒体10の表面電位をVsとし、 V=Vac・sinωt+Voff のバイアス電圧Vを印加すると、力Fzは次式(数2)
のようになる。
のようになる。
【0112】
【数2】
【0113】これによってカンチレバー22は力Fzを
受けて振動する。一方カンチレバー22の先端に、半導
体レーザー43からのレーザー光を照射し、その反射光
をフォトダイオード等の光検出器44によって検出す
る。この検出器44によって得られる検出信号Aは、次
式(数3)で表すことができる。
受けて振動する。一方カンチレバー22の先端に、半導
体レーザー43からのレーザー光を照射し、その反射光
をフォトダイオード等の光検出器44によって検出す
る。この検出器44によって得られる検出信号Aは、次
式(数3)で表すことができる。
【0114】
【数3】
【0115】この検出信号Aは、ロックインアンプ45
に入力され、ここで、2ω成分の出力(数4)を取り出
す。
に入力され、ここで、2ω成分の出力(数4)を取り出
す。
【0116】
【数4】
【0117】この2ω成分による出力は、載置台30の
z軸方向の位置制御を行うサーボ回路46に入力し、こ
れによって載置台30のz軸方向の位置制御を行ってこ
の2ω成分による出力が一定になるようになされる。2
ω成分は静電容量の微分信号であり、2ωを一定に制御
することにより、誘電率を一定に仮定すれば、カンチレ
バー22の針状電極21と記録媒体との距離を一定に制
御できる。
z軸方向の位置制御を行うサーボ回路46に入力し、こ
れによって載置台30のz軸方向の位置制御を行ってこ
の2ω成分による出力が一定になるようになされる。2
ω成分は静電容量の微分信号であり、2ωを一定に制御
することにより、誘電率を一定に仮定すれば、カンチレ
バー22の針状電極21と記録媒体との距離を一定に制
御できる。
【0118】このときの載置台30のz軸の制御信号を
画像化すると、記録媒体10の表面形状の情報が得られ
ることになる。
画像化すると、記録媒体10の表面形状の情報が得られ
ることになる。
【0119】また、このとき同時にω成分の出力(数
5)をロックインアンプ45で取り出す。
5)をロックインアンプ45で取り出す。
【0120】
【数5】
【0121】これは媒体10の表面電位Vsにのみ依存
することになる。つまり、これが記録媒体10の表面電
位分布に対応した出力となる。そして、このとき、この
出力が容量Cの、距離方向Zの偏微分の大きさによって
変わることのないように、さらに、ω項がゼロになるよ
うにω成分出力をVoffの制御回路47にフィードバ
ックしてVoffの制御を行って、容量Cの、距離方向
Zの偏微分の大きさによる影響を排して、 Voff+Vs=0 すなわち Vs=Voff とする。このようにすればVs、言い換えれば、記録媒
体10上の表面電位分布として生じる記録情報を読み出
すことができる。
することになる。つまり、これが記録媒体10の表面電
位分布に対応した出力となる。そして、このとき、この
出力が容量Cの、距離方向Zの偏微分の大きさによって
変わることのないように、さらに、ω項がゼロになるよ
うにω成分出力をVoffの制御回路47にフィードバ
ックしてVoffの制御を行って、容量Cの、距離方向
Zの偏微分の大きさによる影響を排して、 Voff+Vs=0 すなわち Vs=Voff とする。このようにすればVs、言い換えれば、記録媒
体10上の表面電位分布として生じる記録情報を読み出
すことができる。
【0122】(ii)上記SMM構成においてヘテロダ
イン検出方式を採る構成による場合。
イン検出方式を採る構成による場合。
【0123】通常のSMMでは、周波数特性はカンチレ
バーの機械的共振周波数によって限定されるが、この方
法によるときは、カンチレバーと記録媒体に働くマック
スウエル応力の非線形性を利用することにより、カンチ
レバーの機械的共振周波数の影響を受けることなく、高
周波数成分の差周波を持つビート信号を検出することに
よる表面電位または静電容量の変化量の再生が可能であ
り、高周波数領域における高速な多値情報の再生が可能
となる。このため、再生ヘッドの周波数特性は、メガヘ
ルツ帯域までの応答が可能となる。
バーの機械的共振周波数によって限定されるが、この方
法によるときは、カンチレバーと記録媒体に働くマック
スウエル応力の非線形性を利用することにより、カンチ
レバーの機械的共振周波数の影響を受けることなく、高
周波数成分の差周波を持つビート信号を検出することに
よる表面電位または静電容量の変化量の再生が可能であ
り、高周波数領域における高速な多値情報の再生が可能
となる。このため、再生ヘッドの周波数特性は、メガヘ
ルツ帯域までの応答が可能となる。
【0124】図4は、この再生装置RSMMHにおける
再生ヘッドHPとその制御部の構成図を示す。図4にお
いて、図3と対応する部分には同一符号をして詳細な説
明は省略する。この検出方式は、ヘテロダイン検出方式
によるSMMの動作原理による(前記Molecular Electr
onics and Bioelectronics、Vol.3、p79(1992)オヨヒVol.79p
34(1995)参照)。
再生ヘッドHPとその制御部の構成図を示す。図4にお
いて、図3と対応する部分には同一符号をして詳細な説
明は省略する。この検出方式は、ヘテロダイン検出方式
によるSMMの動作原理による(前記Molecular Electr
onics and Bioelectronics、Vol.3、p79(1992)オヨヒVol.79p
34(1995)参照)。
【0125】この方式では、通常のSMM検出方式によ
る表面電位の検出等、カンチレバーの共振点より高い周
波数領域における表面電位または静電容量の検出を行う
ことができる。
る表面電位の検出等、カンチレバーの共振点より高い周
波数領域における表面電位または静電容量の検出を行う
ことができる。
【0126】この検出方式においても、再生ヘッドHP
すなわち針状電極21を有するカンチレバー22と記録
媒体10との間にバイアス電圧Vを印加すると、静電結
合により針状電極21と記録媒体10との間に前記(数
1)で与えられる力Fzが働く。今、記録媒体10の表
面電位をVsとし、 V=Vac・sinωt+Voff のバイアス電圧Vを印加すると、力Fzは前記(数2)
のようになる。これによってカンチレバー22は力Fz
を受けて振動する。一方カンチレバー22の先端に、半
導体レーザー43からのレーザー光を照射し、その反射
光をフォトダイオード等の光検出器44によって検出す
る。この検出器44によって得られる検出信号Aは、前
記(数3)で表すことができる。
すなわち針状電極21を有するカンチレバー22と記録
媒体10との間にバイアス電圧Vを印加すると、静電結
合により針状電極21と記録媒体10との間に前記(数
1)で与えられる力Fzが働く。今、記録媒体10の表
面電位をVsとし、 V=Vac・sinωt+Voff のバイアス電圧Vを印加すると、力Fzは前記(数2)
のようになる。これによってカンチレバー22は力Fz
を受けて振動する。一方カンチレバー22の先端に、半
導体レーザー43からのレーザー光を照射し、その反射
光をフォトダイオード等の光検出器44によって検出す
る。この検出器44によって得られる検出信号Aは、前
記(数3)で表すことができる。
【0127】この検出信号は、ロックインアンプ45B
に入力され、ここで、2ω成分の出力(前記(数4))
を取り出す。
に入力され、ここで、2ω成分の出力(前記(数4))
を取り出す。
【0128】この2ω成分による出力は、載置台30の
z軸方向の位置制御を行うサーボ回路46に入力し、こ
れによって載置台30のz軸方向の位置制御を行ってこ
の2ω成分による出力が一定になるようになされる。2
ω成分は静電容量の微分信号であり、2ωを一定に制御
することにより、誘電率を一定に仮定すれば、カンチレ
バー22の針状電極21と記録媒体との距離を一定に制
御できる。
z軸方向の位置制御を行うサーボ回路46に入力し、こ
れによって載置台30のz軸方向の位置制御を行ってこ
の2ω成分による出力が一定になるようになされる。2
ω成分は静電容量の微分信号であり、2ωを一定に制御
することにより、誘電率を一定に仮定すれば、カンチレ
バー22の針状電極21と記録媒体との距離を一定に制
御できる。
【0129】このときの載置台30のz軸の制御信号を
画像化すると、記録媒体10の表面形状の情報が得られ
ることになる。
画像化すると、記録媒体10の表面形状の情報が得られ
ることになる。
【0130】また、このとき同時にω成分の出力(前記
(数5))をロックインアンプ45Bで取り出す。
(数5))をロックインアンプ45Bで取り出す。
【0131】これは記録媒体10の表面電位Vsにのみ
依存することになる。つまり、これが記録媒体10の表
面電位分布に対応した出力となる。そして、このとき、
この出力が容量Cの、距離Zについての偏微分の大きさ
によって変わることのないように、さらに、ω項がゼロ
になるようにω成分出力をフィードバックしてVoff
の制御を行って、容量Cの、距離Zについての偏微分の
大きさによる影響を排して、 Voff+Vs=0 すなわち Vs=−Voff とする。また、ω項の値を直接検出することによっても
情報を読み出すことは可能である。
依存することになる。つまり、これが記録媒体10の表
面電位分布に対応した出力となる。そして、このとき、
この出力が容量Cの、距離Zについての偏微分の大きさ
によって変わることのないように、さらに、ω項がゼロ
になるようにω成分出力をフィードバックしてVoff
の制御を行って、容量Cの、距離Zについての偏微分の
大きさによる影響を排して、 Voff+Vs=0 すなわち Vs=−Voff とする。また、ω項の値を直接検出することによっても
情報を読み出すことは可能である。
【0132】このようにしてVs、言い換えれば、記録
媒体10上の表面電位分布として生じる記録情報を読み
出すことができる。
媒体10上の表面電位分布として生じる記録情報を読み
出すことができる。
【0133】そして、通常のSMMでは、その再生系の
周波数特性はカンチレバーの共振周波数によって制限さ
れるが、ヘテロダイン検出方式を用いることによりカン
チレバーの機械的共振周波数よりも高い周波数帯域での
静電容量または表面電位の検出が可能となる。このた
め、再生ヘッドの周波数特性は、MHz帯域までの応答
が可能となる。
周波数特性はカンチレバーの共振周波数によって制限さ
れるが、ヘテロダイン検出方式を用いることによりカン
チレバーの機械的共振周波数よりも高い周波数帯域での
静電容量または表面電位の検出が可能となる。このた
め、再生ヘッドの周波数特性は、MHz帯域までの応答
が可能となる。
【0134】ヘテロダイン検出方式のSMMの動作原理
は以下の通りである。
は以下の通りである。
【0135】SMMでMHz以上の高周波数成分を含む
複数の交流電圧をカンチレバー22と記録媒体10との
間に印加し、誘起されたカンチレバー22の振動を4分
割光検出器44で検出する。
複数の交流電圧をカンチレバー22と記録媒体10との
間に印加し、誘起されたカンチレバー22の振動を4分
割光検出器44で検出する。
【0136】
【数6】
【0137】ここで、Vafは、(数7)で与えられ、
カンチレバーの共振周波数以下の周波数成分からなる低
周波電圧で、低周波発振器56およびローパスフィルタ
57によって得たDC(直流)バイアス電圧Vdcと周
波数ω0の交流電圧からなる。Vrfは、(数8)で与
えられ、カンチレバーの共振周波数より高い交流電圧を
示し、高周波発振器58からの周波数ωaでハイパスフ
ィルタ59よりの周波数ωrの高周波キャリア信号を変
調の深さMで振幅変調したものである。
カンチレバーの共振周波数以下の周波数成分からなる低
周波電圧で、低周波発振器56およびローパスフィルタ
57によって得たDC(直流)バイアス電圧Vdcと周
波数ω0の交流電圧からなる。Vrfは、(数8)で与
えられ、カンチレバーの共振周波数より高い交流電圧を
示し、高周波発振器58からの周波数ωaでハイパスフ
ィルタ59よりの周波数ωrの高周波キャリア信号を変
調の深さMで振幅変調したものである。
【0138】
【数7】
【0139】
【数8】
【0140】この結果、印加電圧は、DC、ω0、ωr
とωr+ωa、ωr−ωaの5種類の周波数成分から構
成される交流電圧となる。上記交流電圧がカンチレバー
に印加されるとマックスウエル応力が電界の2乗に比例
するために、周波数の混合が引き起こされ、和と差の周
波数を持つ振動成分がカンチレバー上に誘起され、この
振動が光検出器44で検出されプリアンプ55で増幅さ
れ、ロックインアンプ45Aおよび45Bに導入され
る。ロックインアンプ45Aおよびロックインアンプ4
5Bから得たヘテロダインビート成分、ω0成分、2ω
0成分は、コンピュータ147に入力される。特にωa
で振動するヘテロダインビート成分は周波数ωrでの記
録媒体での誘電応答についての情報を与える(下記(数
9))。ここでRは付加項である。このためヘテロダイ
ン検出方式は、カンチレバーの共振器周波数よりも高い
周波数での記録媒体の静電容量の検出を可能にする。ま
た、記録ビットの信号を同一の周波数で検出することも
可能にし、並列再生の場合、有効な方法となる。
とωr+ωa、ωr−ωaの5種類の周波数成分から構
成される交流電圧となる。上記交流電圧がカンチレバー
に印加されるとマックスウエル応力が電界の2乗に比例
するために、周波数の混合が引き起こされ、和と差の周
波数を持つ振動成分がカンチレバー上に誘起され、この
振動が光検出器44で検出されプリアンプ55で増幅さ
れ、ロックインアンプ45Aおよび45Bに導入され
る。ロックインアンプ45Aおよびロックインアンプ4
5Bから得たヘテロダインビート成分、ω0成分、2ω
0成分は、コンピュータ147に入力される。特にωa
で振動するヘテロダインビート成分は周波数ωrでの記
録媒体での誘電応答についての情報を与える(下記(数
9))。ここでRは付加項である。このためヘテロダイ
ン検出方式は、カンチレバーの共振器周波数よりも高い
周波数での記録媒体の静電容量の検出を可能にする。ま
た、記録ビットの信号を同一の周波数で検出することも
可能にし、並列再生の場合、有効な方法となる。
【0141】また、カンチレバーの位置の制御は、2ω
0の振幅が常に一定になるように、例えばz軸方向のピ
エゾ素子(図示せず)による制御によって行われる。
0の振幅が常に一定になるように、例えばz軸方向のピ
エゾ素子(図示せず)による制御によって行われる。
【0142】
【数9】
【0143】(iii)KFM構成による構成。
【0144】この動作原理は、ケルビン力顕微鏡で知ら
れている(例えばAppliedPhysics Le
tters 52 1103(1993)参照)。
れている(例えばAppliedPhysics Le
tters 52 1103(1993)参照)。
【0145】図5は、本発明に係る別の実施形態として
ケルビン力顕微鏡型再生装置RKFMの概略構成図であ
る。図5において、図4と対応する部分には同一符号を
付して示す。この場合においても、再生ヘッドHPは、
図1で説明した記録ヘッドHR自体を用いることができ
るが、この場合における再生ヘッドHPは記録媒体10
に対して非接触状態で用いられる。すなわち、図1で説
明した記録ヘッドにおけると同様に、再生ヘッドHP
は、先端に例えば円錐状、3角錐状、断面例えば3角の
柱状等の実質的に針状の電極21が形成された例えば短
冊状の板バネ構成を有し、一端が固定されたカンチレバ
ー22によって構成される。このカンチレバー22は、
前述した載置台30上に載置された記録媒体10に非接
触な状態で記録媒体10の表面電位Vsの検出すなわち
記録情報の再生がなされる。そして、この場合、共振周
波数が充分高く、バネ定数が充分低いカンチレバーを用
いることにより、KFMを用いてMHz帯の高周波数領
域における高速の再生が可能となる。
ケルビン力顕微鏡型再生装置RKFMの概略構成図であ
る。図5において、図4と対応する部分には同一符号を
付して示す。この場合においても、再生ヘッドHPは、
図1で説明した記録ヘッドHR自体を用いることができ
るが、この場合における再生ヘッドHPは記録媒体10
に対して非接触状態で用いられる。すなわち、図1で説
明した記録ヘッドにおけると同様に、再生ヘッドHP
は、先端に例えば円錐状、3角錐状、断面例えば3角の
柱状等の実質的に針状の電極21が形成された例えば短
冊状の板バネ構成を有し、一端が固定されたカンチレバ
ー22によって構成される。このカンチレバー22は、
前述した載置台30上に載置された記録媒体10に非接
触な状態で記録媒体10の表面電位Vsの検出すなわち
記録情報の再生がなされる。そして、この場合、共振周
波数が充分高く、バネ定数が充分低いカンチレバーを用
いることにより、KFMを用いてMHz帯の高周波数領
域における高速の再生が可能となる。
【0146】この載置台30は、前述したと同様にこれ
に載置された記録媒体10の面方向に沿って例えば互い
に直交するx軸およびy軸に関して移動するように、も
しくは回転するようになされ、さらに再生ヘッドHPと
してのカンチレバー22の針状電極21との間隔を調整
できるように記録媒体10の面方向と直交するz軸方向
に移動制御できるように構成される。
に載置された記録媒体10の面方向に沿って例えば互い
に直交するx軸およびy軸に関して移動するように、も
しくは回転するようになされ、さらに再生ヘッドHPと
してのカンチレバー22の針状電極21との間隔を調整
できるように記録媒体10の面方向と直交するz軸方向
に移動制御できるように構成される。
【0147】そして、再生ヘッドHPすなわち針状電極
21を有する圧電素子23を用いて共振周波数で振動し
ているカンチレバー22と記録媒体10との間に、バイ
アス電圧Vを印加すると、静電結合により針状電極21
と、記録媒体との間に前記(数1)で与えられる力Fz
が働く。
21を有する圧電素子23を用いて共振周波数で振動し
ているカンチレバー22と記録媒体10との間に、バイ
アス電圧Vを印加すると、静電結合により針状電極21
と、記録媒体との間に前記(数1)で与えられる力Fz
が働く。
【0148】そして、今、記録媒体10の表面電位をV
sとし、 V=Vac・sinωt+Voff で与えられるバイアス電圧Vを印加すると、力Fzは
(数10)のようになるなり、カンチレバー22は力F
zを受けて振動する。
sとし、 V=Vac・sinωt+Voff で与えられるバイアス電圧Vを印加すると、力Fzは
(数10)のようになるなり、カンチレバー22は力F
zを受けて振動する。
【0149】
【数10】
【0150】一方、カンチレバー22の先端に、半導体
レーザー43からのレーザー光を照射し、その反射光を
フォトダイオード等の光検出器44によって検出する。
この検出器44によって得られる検出信号Aで、カンチ
レバー22の共振周波数の振幅の減少量に着目する。カ
ンチレバー22の共振周波数の振幅は、記録媒体10と
のクーロン相互作用により減少する。この共振周波数の
周波数シフトに起因する共振周波数の振幅の減少量また
は位置相変化を検出することにより表面電位または静電
容量の微分量等の物理量を求めることができる。
レーザー43からのレーザー光を照射し、その反射光を
フォトダイオード等の光検出器44によって検出する。
この検出器44によって得られる検出信号Aで、カンチ
レバー22の共振周波数の振幅の減少量に着目する。カ
ンチレバー22の共振周波数の振幅は、記録媒体10と
のクーロン相互作用により減少する。この共振周波数の
周波数シフトに起因する共振周波数の振幅の減少量また
は位置相変化を検出することにより表面電位または静電
容量の微分量等の物理量を求めることができる。
【0151】この検出信号は、ロックインアンプ45に
入力され、ここでカンチレバーの共振器周波数ωr成分
の出力(数11)を取り出す。ここで、ΔAは自由振動
振幅からの減衰量、HはHamaker定数である。
入力され、ここでカンチレバーの共振器周波数ωr成分
の出力(数11)を取り出す。ここで、ΔAは自由振動
振幅からの減衰量、HはHamaker定数である。
【0152】
【数11】
【0153】このωr成分による出力は、載置台30の
z軸方向の位置制御を行うサーボ回路46に入力し、こ
れによって載置台30のz軸方向の位置制御を行ってこ
の2ω成分による出力が一定になるようにされる。ωr
成分は、ファンデルフワールス力とクーロン力に起因す
る力であり、ωrを一定に制御することにより、誘電率
を一定と仮定すれば、カンチレバー22の針状電極21
と記録媒体10との距離を一定に制御できる。
z軸方向の位置制御を行うサーボ回路46に入力し、こ
れによって載置台30のz軸方向の位置制御を行ってこ
の2ω成分による出力が一定になるようにされる。ωr
成分は、ファンデルフワールス力とクーロン力に起因す
る力であり、ωrを一定に制御することにより、誘電率
を一定と仮定すれば、カンチレバー22の針状電極21
と記録媒体10との距離を一定に制御できる。
【0154】このときの載置台30のz軸の制御信号を
画像化すると、記録媒体10の表面形状の情報が得られ
ることになる。
画像化すると、記録媒体10の表面形状の情報が得られ
ることになる。
【0155】また、このとき同時に、ω成分の出力(数
12)をロックインアンプ45で取り出す。
12)をロックインアンプ45で取り出す。
【0156】
【数12】
【0157】測定される変位量Aは、カンチレバーの共
振点での振動の振幅または位相に対する微分信号となる
ため記録媒体10の表面電位Vsの微分に対応する信号
が得られる。つまり、これが記録媒体10の表面電位分
布に対応した出力となる。そして、このとき、この出力
が容量Cの、距離Zについての偏微分の大きさによって
変わることのないように、さらに、ω項が0になるよう
に、ω成分出力をVoffの制御回路47にフィードバ
ックしてVoffの制御を行って、前記偏微分の大きさ
による影響を排して、 Voff+Vs=0 すなわち Vs=−Voff とする。このようにすればVs、言い換えれば、記録媒
体10上の表面電位分布として生じる記録情報を読み出
すことができる。
振点での振動の振幅または位相に対する微分信号となる
ため記録媒体10の表面電位Vsの微分に対応する信号
が得られる。つまり、これが記録媒体10の表面電位分
布に対応した出力となる。そして、このとき、この出力
が容量Cの、距離Zについての偏微分の大きさによって
変わることのないように、さらに、ω項が0になるよう
に、ω成分出力をVoffの制御回路47にフィードバ
ックしてVoffの制御を行って、前記偏微分の大きさ
による影響を排して、 Voff+Vs=0 すなわち Vs=−Voff とする。このようにすればVs、言い換えれば、記録媒
体10上の表面電位分布として生じる記録情報を読み出
すことができる。
【0158】また、記録媒体10からの記録情報の再生
の他の例としては、再生ヘッドを記録媒体に接触させた
状態での容量変化の検出によって行うことができる。こ
の再生は、具体的には、上述のAFMを発展させた周知
の装置である走査型容量顕微鏡(SCM)構成によるこ
とができる。
の他の例としては、再生ヘッドを記録媒体に接触させた
状態での容量変化の検出によって行うことができる。こ
の再生は、具体的には、上述のAFMを発展させた周知
の装置である走査型容量顕微鏡(SCM)構成によるこ
とができる。
【0159】上述した(i)〜(iii)の各再生方法
によるときは、再生ヘッドが記録媒体10に対して非接
触状態とされることから、再生ヘッド、すなわち針状電
極21の磨耗を回避でき、再生ヘッドと記録媒体の長寿
命化をはかることができる。
によるときは、再生ヘッドが記録媒体10に対して非接
触状態とされることから、再生ヘッド、すなわち針状電
極21の磨耗を回避でき、再生ヘッドと記録媒体の長寿
命化をはかることができる。
【0160】(iv)SCM構成による場合 この記録媒体10からの記録情報再生は、再生ヘッドを
記録媒体10に対して接触させた状態で行う。図6は、
記録情報に基づく静電容量の変化量を検出して記録情報
の再生を行う、この種類の再生装置の一例の概略構成図
を示す。
記録媒体10に対して接触させた状態で行う。図6は、
記録情報に基づく静電容量の変化量を検出して記録情報
の再生を行う、この種類の再生装置の一例の概略構成図
を示す。
【0161】図6で、再生装置RSCMは、具体的には
上述のAFMを発展させた周知の走査型静電容量顕微鏡
SCM:(Scanning Capacitance Microscope)構成と
した(以下、この再生装置をSCM型再生装置とい
う)。すなわち、この場合においても、前述した記録装
置におけると同様に、先端に針状電極21を有する導電
性カンチレバー22が設けられた再生ヘッドHPを有し
てなる。この再生ヘッドHPは、記録ヘッドHRと共用
することも別構成とすることもできる。この再生ヘッド
HPにおいても、先端に例えば円錐状、3角錐状、断面
例えば3角の柱状等の実質的に記録媒体に対して点接触
ないしは微小面接触できる針状電極21が形成された例
えば短冊状の板バネ構成を有し、一端が固定されたカン
チレバー22によって構成される。このカンチレバー2
2によって構成される。このカンチレバー22は、バネ
定数0.01〜10(N/m)のSiもしくはSiNか
らなり、その表面にAu、Pt、Co、Ni、Ir、C
r、DLC(ダイヤモンドライクカーボン膜)等の単層
ないしは多層構造の金属層が被覆されることによって高
い導電性が付与されて成る。あるいは針状加工が可能
で、導電性を有する不純物ドーピングのなされた導電性
シリコンによって構成される。これらカンチレバー22
は、いわゆるマイクロファブリケーション技術によって
作製することができる。
上述のAFMを発展させた周知の走査型静電容量顕微鏡
SCM:(Scanning Capacitance Microscope)構成と
した(以下、この再生装置をSCM型再生装置とい
う)。すなわち、この場合においても、前述した記録装
置におけると同様に、先端に針状電極21を有する導電
性カンチレバー22が設けられた再生ヘッドHPを有し
てなる。この再生ヘッドHPは、記録ヘッドHRと共用
することも別構成とすることもできる。この再生ヘッド
HPにおいても、先端に例えば円錐状、3角錐状、断面
例えば3角の柱状等の実質的に記録媒体に対して点接触
ないしは微小面接触できる針状電極21が形成された例
えば短冊状の板バネ構成を有し、一端が固定されたカン
チレバー22によって構成される。このカンチレバー2
2によって構成される。このカンチレバー22は、バネ
定数0.01〜10(N/m)のSiもしくはSiNか
らなり、その表面にAu、Pt、Co、Ni、Ir、C
r、DLC(ダイヤモンドライクカーボン膜)等の単層
ないしは多層構造の金属層が被覆されることによって高
い導電性が付与されて成る。あるいは針状加工が可能
で、導電性を有する不純物ドーピングのなされた導電性
シリコンによって構成される。これらカンチレバー22
は、いわゆるマイクロファブリケーション技術によって
作製することができる。
【0162】載置台30は、前述したように、これに載
置された記録媒体10の面方向に沿って例えば互いに直
交するx軸およびy軸に関して移動するように、もしく
は回転するようになされ、さらに再生ヘッドHPとして
のカンチレバー22の針状電極21との接触状態を調整
できるように記録媒体10の面方向と直交するz軸方向
に移動制御できるように構成される。
置された記録媒体10の面方向に沿って例えば互いに直
交するx軸およびy軸に関して移動するように、もしく
は回転するようになされ、さらに再生ヘッドHPとして
のカンチレバー22の針状電極21との接触状態を調整
できるように記録媒体10の面方向と直交するz軸方向
に移動制御できるように構成される。
【0163】再生ヘッドHPの針状電極21を記録媒体
10上に接触させ、この状態で載置台30によって記録
媒体を例えば回転させて針状電極21を記録媒体10上
に走査しつつ、直流電源40からの直流バイアス電圧V
記録媒体10に印加し、カンチレバー22と記録媒体1
0との間の静電量量を検出器50に内蔵する発振周波数
915MHzの発振器からの発振周波数シフトとして静
電容量信号C(V)を検出し、ロックインアンプ45か
らdC/dV信号を取り出し、これをコンピュータ52
に入力する。この場合、媒体の極くわずかな容量変化が
共振周波数のシフトとなり、出力振幅の高低が変化す
る。この信号を検波回路で検波し、静電容量または静電
容量の電圧微分(dC/dV)の変化として検出する。
10上に接触させ、この状態で載置台30によって記録
媒体を例えば回転させて針状電極21を記録媒体10上
に走査しつつ、直流電源40からの直流バイアス電圧V
記録媒体10に印加し、カンチレバー22と記録媒体1
0との間の静電量量を検出器50に内蔵する発振周波数
915MHzの発振器からの発振周波数シフトとして静
電容量信号C(V)を検出し、ロックインアンプ45か
らdC/dV信号を取り出し、これをコンピュータ52
に入力する。この場合、媒体の極くわずかな容量変化が
共振周波数のシフトとなり、出力振幅の高低が変化す
る。この信号を検波回路で検波し、静電容量または静電
容量の電圧微分(dC/dV)の変化として検出する。
【0164】その概略構成を説明すると、カンチレバー
22に、例えば半導体レーザ43からのレーザ光を照射
し、その反射光を光検出器44によって検出し、サーボ
回路に入力し、載置台30のz軸方向の制御がなされ
る。
22に、例えば半導体レーザ43からのレーザ光を照射
し、その反射光を光検出器44によって検出し、サーボ
回路に入力し、載置台30のz軸方向の制御がなされ
る。
【0165】この場合の再生ヘッドは、前述した例えば
記録ヘッドHRにおけると同様のカンチレバー構成を採
り得る。このカンチレバーすなわち再生ヘッドは、上述
した記録ヘッドと兼用することもできるし、別の構成と
することもできる。いずれにおいても、その再生ヘッド
としてのカンチレバーは、これが記録媒体に接触した状
態で通常のAFM装置と同一の方式でフィードバック制
御される。そして、記録媒体内の空間電荷に起因する静
電容量を再生ヘッドの後段には配置された容量センサで
検出する。そして、この検出された静電容量を2次元画
像化することができ、これにより静電容量の2次元分布
を検出することができる。
記録ヘッドHRにおけると同様のカンチレバー構成を採
り得る。このカンチレバーすなわち再生ヘッドは、上述
した記録ヘッドと兼用することもできるし、別の構成と
することもできる。いずれにおいても、その再生ヘッド
としてのカンチレバーは、これが記録媒体に接触した状
態で通常のAFM装置と同一の方式でフィードバック制
御される。そして、記録媒体内の空間電荷に起因する静
電容量を再生ヘッドの後段には配置された容量センサで
検出する。そして、この検出された静電容量を2次元画
像化することができ、これにより静電容量の2次元分布
を検出することができる。
【0166】SCMでは、周波数特性はカンチレバーの
共振周波数によって限定されず、カンチレバーよりも高
い周波数帯域での静電容量の検出が可能となる。このた
め再生ヘッドの周波数特性は、MHz帯域までの応答が
可能となる。
共振周波数によって限定されず、カンチレバーよりも高
い周波数帯域での静電容量の検出が可能となる。このた
め再生ヘッドの周波数特性は、MHz帯域までの応答が
可能となる。
【0167】以上では、記録/再生マルチヘッドを用い
た記録/再生装置のヘッドの制御には光てこ方式を用い
たが、並列度を大きくして圧電材料を用いたヘッド制御
の場合であっても、個々の記録/再生ヘッドは独立に動
作するため、基本的機能は同一である。
た記録/再生装置のヘッドの制御には光てこ方式を用い
たが、並列度を大きくして圧電材料を用いたヘッド制御
の場合であっても、個々の記録/再生ヘッドは独立に動
作するため、基本的機能は同一である。
【0168】また、記録または再生ヘッドはSiのマイ
クロファブリケーション技術すなわちSi基板をベース
にしての3次元エッチング技術を用いて作製するため、
Si集積回路作製技術を適用することが可能で、単一の
ヘッドを複数モノリシックまたはハイブリッドに集積し
た集積記録、再生ヘッドを作製することができる。ここ
で、複数(例えば100個)の記録ヘッドを用いて同時
に情報の記録を行うことにより、記録速度が従来と比べ
て100倍となる。また、情報の消去においても複数の
記録ビットの単位ブロックを同時に消去することが可能
となり、消去速度を従来と比較して格段に速くすること
ができる。さらに、情報の再生においても100個の再
生ヘッドを同時に用いることにより再生速度が単一再生
ヘッドと比較してさらに高速となる。
クロファブリケーション技術すなわちSi基板をベース
にしての3次元エッチング技術を用いて作製するため、
Si集積回路作製技術を適用することが可能で、単一の
ヘッドを複数モノリシックまたはハイブリッドに集積し
た集積記録、再生ヘッドを作製することができる。ここ
で、複数(例えば100個)の記録ヘッドを用いて同時
に情報の記録を行うことにより、記録速度が従来と比べ
て100倍となる。また、情報の消去においても複数の
記録ビットの単位ブロックを同時に消去することが可能
となり、消去速度を従来と比較して格段に速くすること
ができる。さらに、情報の再生においても100個の再
生ヘッドを同時に用いることにより再生速度が単一再生
ヘッドと比較してさらに高速となる。
【0169】なお、通常の再生ヘッド微小変位の検出に
は半導体レーザ光の反射光の差動検出を基本とした光て
こ方式を用いる。この光てこ方式の微小変位の検出方法
は記録または再生ヘッドの並列度が比較的小さい時には
集積半導体レーザ光源、集積光検出系を用いることが可
能となる。また、集積度が比較的大きい場合には、微小
変位の検出に微小変位を直接電気信号量に変換可能な強
誘電体を含む材料で記録再生ヘッドを構成することによ
り、並列度が高い記録または再生ヘッドを実現すること
ができる。
は半導体レーザ光の反射光の差動検出を基本とした光て
こ方式を用いる。この光てこ方式の微小変位の検出方法
は記録または再生ヘッドの並列度が比較的小さい時には
集積半導体レーザ光源、集積光検出系を用いることが可
能となる。また、集積度が比較的大きい場合には、微小
変位の検出に微小変位を直接電気信号量に変換可能な強
誘電体を含む材料で記録再生ヘッドを構成することによ
り、並列度が高い記録または再生ヘッドを実現すること
ができる。
【0170】本発明は、このように針状電極を含むヘッ
ドを複数個配置し、複数個の磁気ヘッドが記録媒体に接
触又は非接触な状態で、記録媒体とヘッドを相対的に移
行、例えば回転あるいは往復運動させることによって相
対的に移行させ、単一のヘッドの針状電極を一方の電極
として、記録媒体に電圧を印加することにより記録媒体
に存在する電子またはホールトラップ(キャリアトラッ
プ)の所定領域への電荷移動を行い、並列的に記録又は
消去する。また、本発明は、上記複数個のヘッドが記録
媒体に接触または非接触な状態で、記録媒体とヘッドを
相対的に移行させ、所定領域に記録された情報を電荷、
表面電位または静電容量の変化量の検出によって並列的
に再生する。
ドを複数個配置し、複数個の磁気ヘッドが記録媒体に接
触又は非接触な状態で、記録媒体とヘッドを相対的に移
行、例えば回転あるいは往復運動させることによって相
対的に移行させ、単一のヘッドの針状電極を一方の電極
として、記録媒体に電圧を印加することにより記録媒体
に存在する電子またはホールトラップ(キャリアトラッ
プ)の所定領域への電荷移動を行い、並列的に記録又は
消去する。また、本発明は、上記複数個のヘッドが記録
媒体に接触または非接触な状態で、記録媒体とヘッドを
相対的に移行させ、所定領域に記録された情報を電荷、
表面電位または静電容量の変化量の検出によって並列的
に再生する。
【0171】さらに、本発明は、1個の記録ビットに3
値以上の情報を記録または消去し、1個の記録ビットに
載せられた3値以上の情報を電荷、表面電位または静電
容量の変化量の検出によって再生する。
値以上の情報を記録または消去し、1個の記録ビットに
載せられた3値以上の情報を電荷、表面電位または静電
容量の変化量の検出によって再生する。
【0172】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
する。
【0173】[実施例1]この実施例は、電荷蓄積材料
により、カンチレバーから記録媒体のトラップヘ注入す
ることによる記録態様で、記録へッドを10個並列に集
積した記録ヘッドを用いて並列記録を行う場合である。
により、カンチレバーから記録媒体のトラップヘ注入す
ることによる記録態様で、記録へッドを10個並列に集
積した記録ヘッドを用いて並列記録を行う場合である。
【0174】この場合の記録媒体10は、図7(a)で
示すように、Si基体11上に、その表面熱酸化による
SiO2膜14(3nm)、LPCVD法によるSiN
膜15(10nm)が順次形成され、さらにこれの上
に、熱酸化法によりSiO2膜16(4nm)が形成さ
れてなる。
示すように、Si基体11上に、その表面熱酸化による
SiO2膜14(3nm)、LPCVD法によるSiN
膜15(10nm)が順次形成され、さらにこれの上
に、熱酸化法によりSiO2膜16(4nm)が形成さ
れてなる。
【0175】この電荷蓄積層を有する記録媒体10に対
する記録は、前述した図2の記録ヘッドHRによって行
う。すなわち、記録媒体10を、移動載置台30上に配
置し、記録媒体10の表面SiO2層16に、針状電極
21を、いわば微小面接触させて、載置台30を移動さ
せて記録媒体10上に針状電極21を走査しつつ記録情
報に基づいてパルス電圧を印加して、導電性カンチレバ
ーよりSiO2/SiN界面付近(SiN/SiO2界面
とSiN膜)とに存在するキャリアトラップに電子を局
部的に注入して情報の並列記録を行う。すなわち、10
個の集積記録へッドより同時にキャリアトラップに局所
的にキャリア(電子)を注入し、同時に10個の記録ビ
ットを形成することができる。
する記録は、前述した図2の記録ヘッドHRによって行
う。すなわち、記録媒体10を、移動載置台30上に配
置し、記録媒体10の表面SiO2層16に、針状電極
21を、いわば微小面接触させて、載置台30を移動さ
せて記録媒体10上に針状電極21を走査しつつ記録情
報に基づいてパルス電圧を印加して、導電性カンチレバ
ーよりSiO2/SiN界面付近(SiN/SiO2界面
とSiN膜)とに存在するキャリアトラップに電子を局
部的に注入して情報の並列記録を行う。すなわち、10
個の集積記録へッドより同時にキャリアトラップに局所
的にキャリア(電子)を注入し、同時に10個の記録ビ
ットを形成することができる。
【0176】なお、並列記録または並列再生へッドの微
小変位の検出方式としては、従来の光てこ方式及ぴ強誘
電体方式のいずれも適用することができるが、本実施例
では光てこ方式を採用した。
小変位の検出方式としては、従来の光てこ方式及ぴ強誘
電体方式のいずれも適用することができるが、本実施例
では光てこ方式を採用した。
【0177】また、キャリアの注入または放出は、シリ
コン基板とSiO2/SiN界面付近のキャリアトラッ
プとの間に行うことも可能である。その場合は、SiO
2膜14の膜厚を薄くして、SiO2膜16の膜厚を厚く
する。
コン基板とSiO2/SiN界面付近のキャリアトラッ
プとの間に行うことも可能である。その場合は、SiO
2膜14の膜厚を薄くして、SiO2膜16の膜厚を厚く
する。
【0178】次に、実施例1における記録媒体の電圧容
量特性を検討した。
量特性を検討した。
【0179】記録層のトラップが電荷の注入を受けてい
る場合と、電荷の注入を受けていない場合と比較して電
圧容量特性が異なる。その結果として、注入電荷の有無
で電圧容量特性にヒステリシス特性を示すことが分か
る。
る場合と、電荷の注入を受けていない場合と比較して電
圧容量特性が異なる。その結果として、注入電荷の有無
で電圧容量特性にヒステリシス特性を示すことが分か
る。
【0180】ヒステリシス特性におけるフラットバンド
電圧のシフト量ΔVは注入された電荷量に依存してお
り、注入電荷量が多いほど△Vは大きくなる。このヒス
テリシス特性は一定のバイアス電圧では注入電荷の有無
によって容量の値が異なるため、空間的な容量変化を表
面電位の変化として記録媒体に非接触に検出することに
より情報の記録再生が可能になる。
電圧のシフト量ΔVは注入された電荷量に依存してお
り、注入電荷量が多いほど△Vは大きくなる。このヒス
テリシス特性は一定のバイアス電圧では注入電荷の有無
によって容量の値が異なるため、空間的な容量変化を表
面電位の変化として記録媒体に非接触に検出することに
より情報の記録再生が可能になる。
【0181】次に、この実施例1における記録消去再生
特性を示す。
特性を示す。
【0182】まず、記録媒体10のSiO2/SiN/
SiO2/Si基板(以下材料1という。)に9Vのパ
ルス電圧を10個の記録へッドから近接した場所に同時
に印加して、局所的に電子をSiN界面付近のトラップ
から記録へッド側に放出する。
SiO2/Si基板(以下材料1という。)に9Vのパ
ルス電圧を10個の記録へッドから近接した場所に同時
に印加して、局所的に電子をSiN界面付近のトラップ
から記録へッド側に放出する。
【0183】図8に、ある1個の記録へッドを用いた9
V、2msのパルス電圧を印加した場合の記録ビットパ
ターンをSMMで検出再生した例を示した。
V、2msのパルス電圧を印加した場合の記録ビットパ
ターンをSMMで検出再生した例を示した。
【0184】図8は1次元記録ビットパターンを示す表
面電位像であり、周囲と比較して表面電位が増大してい
る部分が情報“0”、周囲と類似した部分が情報の
“1”を示している。図8は、7ビット連続して記録し
た後に、2ビット消去した記録ビットパターンを再生し
たものである。
面電位像であり、周囲と比較して表面電位が増大してい
る部分が情報“0”、周囲と類似した部分が情報の
“1”を示している。図8は、7ビット連続して記録し
た後に、2ビット消去した記録ビットパターンを再生し
たものである。
【0185】図9には並列記録した2次元記録ビットパ
ターンを示した。記録ビットの直径約100nmの高記
録密度を実現している。
ターンを示した。記録ビットの直径約100nmの高記
録密度を実現している。
【0186】図8、図9のような記録ビットは、複数の
記録へッドを用いても作成されることが確認されてい
る。例えば、10個の記録ビットを並列記録した場合に
も、各記録ビットの直径は約100nmであり、単一記
録へッドの場合と同様な高記録密度が実現されているこ
とが分かった。これにより、10個の集積記録へッドよ
り10個の記録ビットの並列記録が可能であることが分
かった。
記録へッドを用いても作成されることが確認されてい
る。例えば、10個の記録ビットを並列記録した場合に
も、各記録ビットの直径は約100nmであり、単一記
録へッドの場合と同様な高記録密度が実現されているこ
とが分かった。これにより、10個の集積記録へッドよ
り10個の記録ビットの並列記録が可能であることが分
かった。
【0187】また、図7(b)に示すように、Si基体
11上に、その表面熱酸化及び熱窒化処理(RTN処
理)によるSiON膜17(3nm)、LPCVD法に
よるSiN膜15(10nm)が順次形成され、これの
上に、熱酸化法によりSiO2膜16(4nm)が形成
されて成る記録媒体を用いた場合でも、本実施例で示し
た並列記録再生特性を示すことが分かった。
11上に、その表面熱酸化及び熱窒化処理(RTN処
理)によるSiON膜17(3nm)、LPCVD法に
よるSiN膜15(10nm)が順次形成され、これの
上に、熱酸化法によりSiO2膜16(4nm)が形成
されて成る記録媒体を用いた場合でも、本実施例で示し
た並列記録再生特性を示すことが分かった。
【0188】[実施例2]本実施例では集積した再生へ
ッドを用いて、記録ピットの並列再生を行う場合であ
る。
ッドを用いて、記録ピットの並列再生を行う場合であ
る。
【0189】記録メディアは実施例1と同様のものを用
い、再生ヘッドは10個並列に集積したものを用いた。
本実施例ではSMM再生法を用いて、10個の記録ビッ
トの同時並列再生について述べる。
い、再生ヘッドは10個並列に集積したものを用いた。
本実施例ではSMM再生法を用いて、10個の記録ビッ
トの同時並列再生について述べる。
【0190】記録条件は実施例1と同様に、9V、2m
sの電圧パルスを用いた。
sの電圧パルスを用いた。
【0191】まず、表面形状は、パルス電圧を印加する
前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加することに
よって記録媒体の表面が変質することなく良好に保持さ
れていることが分かった。
前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加することに
よって記録媒体の表面が変質することなく良好に保持さ
れていることが分かった。
【0192】再生ヘッドを固定して、3μmX3μmの
領域の表面電位分布をSMM法による検討した。
領域の表面電位分布をSMM法による検討した。
【0193】この場合、表面電位像よりキャリア放出に
よるコントラストすなわち、記録ビットが形成されてい
ることを確認した。
よるコントラストすなわち、記録ビットが形成されてい
ることを確認した。
【0194】次に、多数の記録ビット列を予め形成した
後、SMM方式による並列再生ヘッドで記録ビット列の
並列再生を試みた。その結果、記録ビットの再生が可能
であることが確認された。
後、SMM方式による並列再生ヘッドで記録ビット列の
並列再生を試みた。その結果、記録ビットの再生が可能
であることが確認された。
【0195】個々の再生へッドによる記録ビットの直径
は約100nmであり、単一の再生ヘッドで再生を行っ
た場合と同様な結果を得た。この値は最密記録を仮定す
ると約63Gb/inch2の高記録密度に対応する。
は約100nmであり、単一の再生ヘッドで再生を行っ
た場合と同様な結果を得た。この値は最密記録を仮定す
ると約63Gb/inch2の高記録密度に対応する。
【0196】また、キャリアの注入電荷の有無の差は、
電位差では約70mVであり、SMMの電位分解能が1
mVであることから、キャリア注入または放出の有無で
の表面電位の値をデジタル信号“0”、および“1”デ
ータに対応可能であることが分かった。種々の実験の結
果、最小記録ピットの直径を100nm以下にすること
が可能であることが分かった。また、キャリア注入のス
イッチング時間も1μsより小さくすることが可能であ
ることが分かった。記録ビットの直径は約100nmで
あり、約63Gb/inch2の高記録密度を達成すること
ができた。
電位差では約70mVであり、SMMの電位分解能が1
mVであることから、キャリア注入または放出の有無で
の表面電位の値をデジタル信号“0”、および“1”デ
ータに対応可能であることが分かった。種々の実験の結
果、最小記録ピットの直径を100nm以下にすること
が可能であることが分かった。また、キャリア注入のス
イッチング時間も1μsより小さくすることが可能であ
ることが分かった。記録ビットの直径は約100nmで
あり、約63Gb/inch2の高記録密度を達成すること
ができた。
【0197】そして、局所的にキャリアを注入した領域
は、十分安定に保持されることが分かった。さらに、実
施例1の10個の記録ヘッドで並列記録を行った後、1
0個の再生へッドで並列再生を試みたが、基本的に並列
記録と並列再生の両立が可能であることを見い出した。
は、十分安定に保持されることが分かった。さらに、実
施例1の10個の記録ヘッドで並列記録を行った後、1
0個の再生へッドで並列再生を試みたが、基本的に並列
記録と並列再生の両立が可能であることを見い出した。
【0198】[実施例3]本実施例では集積した再生ヘ
ッドを用いて、記録ビットの並列再生を行う場合であ
る。
ッドを用いて、記録ビットの並列再生を行う場合であ
る。
【0199】記録メディアは実施例1と同様のものを用
いた。集積へッドは10個集積したものを用いた。
いた。集積へッドは10個集積したものを用いた。
【0200】再生法には図3のヘテロダイン検出SMM
再生装置を用い、実施例1と同一な記録媒体の局所的な
注入電荷量の差を表面電位Vsの分布として検出した。
再生装置を用い、実施例1と同一な記録媒体の局所的な
注入電荷量の差を表面電位Vsの分布として検出した。
【0201】ヘテロダイン検出方式のSMMでは、10
MHzの高周波数領域で表面電位分布を評価した。
MHzの高周波数領域で表面電位分布を評価した。
【0202】まず、表面形状を評価した結果、パルス電
圧を印加する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印
加することによって記録媒体の表面が変質することなく
良好に保持されていることが分かった。
圧を印加する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印
加することによって記録媒体の表面が変質することなく
良好に保持されていることが分かった。
【0203】再生ヘッドを固定して、2μmX2μmの
領域の表面電位分布をヘテロダイン検出SMM法を用い
て検討した。この場合、1個の再生へッドで記録ビット
が形成されることを10MHzにおいて確認した。
領域の表面電位分布をヘテロダイン検出SMM法を用い
て検討した。この場合、1個の再生へッドで記録ビット
が形成されることを10MHzにおいて確認した。
【0204】次に、予め記録ビット列を作製した後、ヘ
テロダイン検出法を用いた記録ビット列の並列再生を試
みた。その結果、この場合も記録ビット列が再生可能で
あることが確認された。記録ビットの直径は約100n
mであり、個々の再生へッドで再生した場合と同一の値
を得た。このため、10MHzにおいて、10個並列し
た再生ヘッドを用いた高密度並列再生が可能であること
が分かった。
テロダイン検出法を用いた記録ビット列の並列再生を試
みた。その結果、この場合も記録ビット列が再生可能で
あることが確認された。記録ビットの直径は約100n
mであり、個々の再生へッドで再生した場合と同一の値
を得た。このため、10MHzにおいて、10個並列し
た再生ヘッドを用いた高密度並列再生が可能であること
が分かった。
【0205】キャリアの局所的注入または放出領域と、
それ以外の領域での電荷量の差は、電位差では約70m
Vであり、SMMの電位分解能が1mVであることか
ら、例えばデジタル信号“0”、および“1”データヘ
の対応を十分できる値であることが分かった。
それ以外の領域での電荷量の差は、電位差では約70m
Vであり、SMMの電位分解能が1mVであることか
ら、例えばデジタル信号“0”、および“1”データヘ
の対応を十分できる値であることが分かった。
【0206】種々の実験の結果、最小記録ビットの直径
を100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。
を100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。
【0207】また、キャリア注入または放出の時間すな
わち記録消去時間も1μsより小さくすることが可能で
あることが分かった。
わち記録消去時間も1μsより小さくすることが可能で
あることが分かった。
【0208】そして、局所的にキャリアを注入した記録
ビット領域は、充分安定に保持されることが分かった。
ビット領域は、充分安定に保持されることが分かった。
【0209】上述したように、この実施例3では、10
個の集積された再生へッドにより記録ビットを高速に並
列再生することができた。
個の集積された再生へッドにより記録ビットを高速に並
列再生することができた。
【0210】さらに、実施例1の10個の記録へッドで
並列記録を行った後、10個の再生へッドで並列再生を
試みたが、基本的に並列記録と並列再生の両立が可能で
あることを見い出した。
並列記録を行った後、10個の再生へッドで並列再生を
試みたが、基本的に並列記録と並列再生の両立が可能で
あることを見い出した。
【0211】〔実施例4〕本実施例では集積した再生へ
ッドを用いて、記録ビットの並列再生を行う場合であ
る。
ッドを用いて、記録ビットの並列再生を行う場合であ
る。
【0212】記録メディアは実施例1と同様のものを用
い、集積ヘッドは10個並列に集積したものを用いた。
い、集積ヘッドは10個並列に集積したものを用いた。
【0213】再生法には図5のKFM(Kelvin Force M
icroscope )再生装置を用いて実施例1と同一な記録媒
体の局所的な注入電荷量の差を表面電位Vsの分布とし
て検出した。
icroscope )再生装置を用いて実施例1と同一な記録媒
体の局所的な注入電荷量の差を表面電位Vsの分布とし
て検出した。
【0214】KFMでは、5MHzの高周波数領域で表
面電位分布を評価した。
面電位分布を評価した。
【0215】まず、表面形状を評価した結果、パルス電
圧を印加する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印
加することによって記録媒体の表面が変質することなく
良好に保持されていることが分かった。
圧を印加する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印
加することによって記録媒体の表面が変質することなく
良好に保持されていることが分かった。
【0216】再生ヘッドを固定して、2μmX2μmの
領域の表面電位分布をKFM法を用いて検討した。この
場合、1個の再生ヘッドで記録ビットが形成されること
を5MHzにおいて確認した。
領域の表面電位分布をKFM法を用いて検討した。この
場合、1個の再生ヘッドで記録ビットが形成されること
を5MHzにおいて確認した。
【0217】次に、予め記録ビット列を作製した後、ヘ
テロダイン検出法を用いた記録ビット列の並列再生を試
みた。その結果、この場合も記録ビット列が再生可能で
あることが確認された。記録ビットの直径は約100n
mであり、個々の再生へッドで再生した場合と同一の値
を得た。このため、5MHzにおいて、10個並列した
再生ヘッドを用いた高密度並列再生が可能であることが
分かった。
テロダイン検出法を用いた記録ビット列の並列再生を試
みた。その結果、この場合も記録ビット列が再生可能で
あることが確認された。記録ビットの直径は約100n
mであり、個々の再生へッドで再生した場合と同一の値
を得た。このため、5MHzにおいて、10個並列した
再生ヘッドを用いた高密度並列再生が可能であることが
分かった。
【0218】キャリアの局所的注入または放出領域とそ
れ以外の領域での電荷量の差は、電位差では約70mV
であり、KMMの電位分解能が3mVであることから、
例えばデジタル信号“0”、および“1”データヘの対
応を十分できる値であることが分かった。
れ以外の領域での電荷量の差は、電位差では約70mV
であり、KMMの電位分解能が3mVであることから、
例えばデジタル信号“0”、および“1”データヘの対
応を十分できる値であることが分かった。
【0219】種々の実験の結果、最小記録ビットの直径
を100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。また、キャリア注入または放出の時間、すなわち記
録消去時間も1μsより小さくすることが可能であるこ
とが分かった。
を100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。また、キャリア注入または放出の時間、すなわち記
録消去時間も1μsより小さくすることが可能であるこ
とが分かった。
【0220】そして、局所的にキャリアを注入した記録
ビット領域は、十分安定に保持されることが分かった。
上述したように、この実施例4では10個の集積された
再生ヘッドにより記録ビットを高速に並列再生すること
ができた。
ビット領域は、十分安定に保持されることが分かった。
上述したように、この実施例4では10個の集積された
再生ヘッドにより記録ビットを高速に並列再生すること
ができた。
【0221】さらに、実施例1の10個の記録へッドで
並列記録を行った後、10個の再生へッドで並列再生を
試みたが、基本的に並列記録と並列再生の両立が可能で
あることを見い出した。
並列記録を行った後、10個の再生へッドで並列再生を
試みたが、基本的に並列記録と並列再生の両立が可能で
あることを見い出した。
【0222】[実施例5]この実施例における記録媒体
は、強誘電体材料により、分極反転による記録態様をと
るものである。並列記録は実施例1で示した10個集積
した記録ヘッドを用い、並列記録を行った。
は、強誘電体材料により、分極反転による記録態様をと
るものである。並列記録は実施例1で示した10個集積
した記録ヘッドを用い、並列記録を行った。
【0223】この場合の記録媒体60は、図10に示す
ように、Si基体61上に、その表面熱酸化によるSi
O2絶縁膜62が形成され、これの上に、Ti下地層6
3を介してスパッタリングによる厚さ300nmのPt
膜による下部電極層64が形成され、さらにこの上に活
性層としてのBi層状化合物であるSrBi2Ta2O9
よりなる強誘電体膜65がMOD法またはMOCVD法
によって形成されてなる。
ように、Si基体61上に、その表面熱酸化によるSi
O2絶縁膜62が形成され、これの上に、Ti下地層6
3を介してスパッタリングによる厚さ300nmのPt
膜による下部電極層64が形成され、さらにこの上に活
性層としてのBi層状化合物であるSrBi2Ta2O9
よりなる強誘電体膜65がMOD法またはMOCVD法
によって形成されてなる。
【0224】この材料は分極反転を1012回繰り返して
も疲労特性の非常少ない材料であり、残留分極の2倍
(2Pr)の値は15〜30μC/cm2、抗電圧は2
V以下である。
も疲労特性の非常少ない材料であり、残留分極の2倍
(2Pr)の値は15〜30μC/cm2、抗電圧は2
V以下である。
【0225】データの保持時間は室温で10年以上あ
る。データの書換時間は電極面積に比例することが実験
的に確認されており、2μm角で1ns以下になる。キ
ャパシタ部分のスイッチング特性は究めて速い。あるデ
ータを連続して書き込んだ後、異なるデータを書き込ん
だ場合の信頼性もある。
る。データの書換時間は電極面積に比例することが実験
的に確認されており、2μm角で1ns以下になる。キ
ャパシタ部分のスイッチング特性は究めて速い。あるデ
ータを連続して書き込んだ後、異なるデータを書き込ん
だ場合の信頼性もある。
【0226】この強誘電体膜を有する記録媒体60に対
する記録は、前述した図2の記録ヘッドHRによって行
う。すなわち、記録媒体60を、移動載置台30上に配
置し、この強誘電体膜65に、針状電極21を、いわば
微小面接触させて、載置台30を移動させて記録媒体2
0上に針状電極21を走査しつつ記録情報に基いてパル
ス電圧を印加して、強誘電体膜65に局部的に分極反転
を生じさせて情報の記録を行う。すなわち、強誘電体膜
65の表面に記録情報に応じた分極反転に起因する電位
パターンを形成する。記録へッドは10個並列に集積さ
れており、本実施例では10個並列に記録を行った。
する記録は、前述した図2の記録ヘッドHRによって行
う。すなわち、記録媒体60を、移動載置台30上に配
置し、この強誘電体膜65に、針状電極21を、いわば
微小面接触させて、載置台30を移動させて記録媒体2
0上に針状電極21を走査しつつ記録情報に基いてパル
ス電圧を印加して、強誘電体膜65に局部的に分極反転
を生じさせて情報の記録を行う。すなわち、強誘電体膜
65の表面に記録情報に応じた分極反転に起因する電位
パターンを形成する。記録へッドは10個並列に集積さ
れており、本実施例では10個並列に記録を行った。
【0227】記録媒体60からの記録情報の読み出しす
なわち再生は、図3で説明したように、記録媒体60の
強誘電体膜65の分極反転によって生じた表面電位Vs
の分布の検出によって行う。
なわち再生は、図3で説明したように、記録媒体60の
強誘電体膜65の分極反転によって生じた表面電位Vs
の分布の検出によって行う。
【0228】図11は、この実施例5における記録媒体
の電圧分極特性を示す。この場合、その記録層が強誘電
体膜であるため、ヒステリシス特性を示している。そし
て、この場合残留分極Prの2倍(2Pr)の値は28
μC/cm2、抗電圧は約0.8Vであった。このよう
にBi層状化合物のSrBi2Ta2O9は、良好なヒス
テリシス特性を示す強誘電体薄膜であることが分かる。
の電圧分極特性を示す。この場合、その記録層が強誘電
体膜であるため、ヒステリシス特性を示している。そし
て、この場合残留分極Prの2倍(2Pr)の値は28
μC/cm2、抗電圧は約0.8Vであった。このよう
にBi層状化合物のSrBi2Ta2O9は、良好なヒス
テリシス特性を示す強誘電体薄膜であることが分かる。
【0229】次に、この実施例5における記録消去再生
特性を示す。
特性を示す。
【0230】記録ヘッドを固定し、まず、記録媒体60
のSrBi2Ta2O9による強誘電体膜65の2μmX
2μmの領域に、9Vの直流電圧を印加して自発分極の
方向を一方向に揃える。次に、−7Vのパルス電圧をヘ
ッドすなわち針状電極21から印加して、局所的に分極
の向きを反転させる。次に、図3のヘテロダイン検出S
MM再生装置を用いて強誘電体膜65の局所的な分極の
向きの差を表面電位Vsの分布として検出する。ヘテロ
ダイン検出SMMによって評価した表面形状と表高電位
微分像を検討した。得られた表面形状は、パルス電圧を
印加する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加す
ることによって記録媒体の表面が変質することなく良好
に保持されていることが分かった。
のSrBi2Ta2O9による強誘電体膜65の2μmX
2μmの領域に、9Vの直流電圧を印加して自発分極の
方向を一方向に揃える。次に、−7Vのパルス電圧をヘ
ッドすなわち針状電極21から印加して、局所的に分極
の向きを反転させる。次に、図3のヘテロダイン検出S
MM再生装置を用いて強誘電体膜65の局所的な分極の
向きの差を表面電位Vsの分布として検出する。ヘテロ
ダイン検出SMMによって評価した表面形状と表高電位
微分像を検討した。得られた表面形状は、パルス電圧を
印加する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加す
ることによって記録媒体の表面が変質することなく良好
に保持されていることが分かった。
【0231】10個の記録へッドより並列記録した結
果、記録ビット列が形成されることを確認した。記録ビ
ットの直径は約200nmであり、単一の記録へッドの
場合とほぼ同一の高記録密度が実現された。
果、記録ビット列が形成されることを確認した。記録ビ
ットの直径は約200nmであり、単一の記録へッドの
場合とほぼ同一の高記録密度が実現された。
【0232】一方、ヘテロダインSMM再生法を用い
て、10個を並列に集積した再生へッドを用いて記録ビ
ット列の並列再生を行ったが、10MHzの周波数に対
応する表面電位像の応答信号を検出することができた。
て、10個を並列に集積した再生へッドを用いて記録ビ
ット列の並列再生を行ったが、10MHzの周波数に対
応する表面電位像の応答信号を検出することができた。
【0233】分極の向きの差は電位差では約70mVで
あり、SMMの電位分解能が1mVであることから、例
えばデジタル信号“0”および“1”のデータの識別を
充分行うこのできる値であることが分かった。
あり、SMMの電位分解能が1mVであることから、例
えばデジタル信号“0”および“1”のデータの識別を
充分行うこのできる値であることが分かった。
【0234】このことから、強誘電体材料薄膜記録媒体
の局所的な分極の向きがカンチレバ一記録へッドよりの
バイアス電圧印加により電界の方向に揃うことが示され
た。この2種類の局所的な分極の向きをデジタルデータ
のストレージの“0”と“1”に対応させることができ
る。すなわち、コントラストの明るい部分と暗い部分で
デジタルデータの“0”と“1”に対応させることによ
り高密度記録ができる。記録スポットの直径は約200
nmであったが、種々の実験の結果、100nm以下に
することが可能であることが分かった。また、分極反転
のスイッチング時間も1μsより小さいことが分かっ
た。
の局所的な分極の向きがカンチレバ一記録へッドよりの
バイアス電圧印加により電界の方向に揃うことが示され
た。この2種類の局所的な分極の向きをデジタルデータ
のストレージの“0”と“1”に対応させることができ
る。すなわち、コントラストの明るい部分と暗い部分で
デジタルデータの“0”と“1”に対応させることによ
り高密度記録ができる。記録スポットの直径は約200
nmであったが、種々の実験の結果、100nm以下に
することが可能であることが分かった。また、分極反転
のスイッチング時間も1μsより小さいことが分かっ
た。
【0235】そして、局所的に分極の向きが反転した領
域は、十分安定に保持されることが分かった。また、記
録媒体として、Ti下地層63を挿入しない場合の記録
媒体の記録再生特性も検討した結果、この場合もTi下
地層を配置した図8で示した記録媒体における記録再生
特性と同等な特性を示すことを確認した。
域は、十分安定に保持されることが分かった。また、記
録媒体として、Ti下地層63を挿入しない場合の記録
媒体の記録再生特性も検討した結果、この場合もTi下
地層を配置した図8で示した記録媒体における記録再生
特性と同等な特性を示すことを確認した。
【0236】上述したように、この実施例5でヘテロダ
イン検出SMM法を並列再生法に用いることにより高速
な記録ビットの並列再生が可能な高密度記録装置として
十分な機能をもっていることが分かった。
イン検出SMM法を並列再生法に用いることにより高速
な記録ビットの並列再生が可能な高密度記録装置として
十分な機能をもっていることが分かった。
【0237】また、強誘電体膜をSrBi2Nb2O9に
よって構成して、並列記録、並列再生した場合もこの実
施例5と同等以上の特性が得られた。
よって構成して、並列記録、並列再生した場合もこの実
施例5と同等以上の特性が得られた。
【0238】〔実施例6〕本実施例では記録媒体として
強誘電体材料に実施例5と同様のBi層状化合物とした
場合の結果を示した。本実施例ではKFM再生法を用い
た10個の集積した再生へッドの並列再生の結果を示し
た。
強誘電体材料に実施例5と同様のBi層状化合物とした
場合の結果を示した。本実施例ではKFM再生法を用い
た10個の集積した再生へッドの並列再生の結果を示し
た。
【0239】次に、記録消去再生特性を示す。基本的な
実験方法は実施例4と同一である。
実験方法は実施例4と同一である。
【0240】記録ヘッドを固定し、まず、記録媒体10
のSrBi2Ta2O9による強誘電体膜の2μmX2μ
mの領域に、9Vの直流電圧を印加して自発分極の方向
を一方向に揃える。次に、−7Vのパルス電圧をへッド
すなわち針状電極21から印加して、局所的に分極の向
きを反転させる。
のSrBi2Ta2O9による強誘電体膜の2μmX2μ
mの領域に、9Vの直流電圧を印加して自発分極の方向
を一方向に揃える。次に、−7Vのパルス電圧をへッド
すなわち針状電極21から印加して、局所的に分極の向
きを反転させる。
【0241】次に、図5のKFM再生装置を用いて記録
メディアの局所的な分極の向きの差を表面電位Vsの分
布として検出する。KFMによって評価した表面形状と
表面電位微分像を検討した。
メディアの局所的な分極の向きの差を表面電位Vsの分
布として検出する。KFMによって評価した表面形状と
表面電位微分像を検討した。
【0242】得られた表面形状は、パルス電圧を印加す
る前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加すること
によって記録媒体の表面が変質することなく良好に保持
されていることが分かった。
る前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加すること
によって記録媒体の表面が変質することなく良好に保持
されていることが分かった。
【0243】10個の記録へッドより並列記録した結
果、記録ビット列が形成されることを確認した。
果、記録ビット列が形成されることを確認した。
【0244】記録ビットの直径は約200nmであり、
単一の記録へッドの場合とほぼ同一の高記録密度が実現
された。
単一の記録へッドの場合とほぼ同一の高記録密度が実現
された。
【0245】一方、KFM再生法を用い、10個を並列
に集積した再生ヘッドを用いて記録ビット列の並列再生
を行ったが、10MHzの周波数に対応する表面電位像
の応答信号を検出することができた。
に集積した再生ヘッドを用いて記録ビット列の並列再生
を行ったが、10MHzの周波数に対応する表面電位像
の応答信号を検出することができた。
【0246】分極の向きの差は電位差では約70mVで
あり、SMMの電位分解能が1mVであることから、例
えばデジタル信号“0”および“1”のデータの識別を
十分行うこのできる値であることが分かった。
あり、SMMの電位分解能が1mVであることから、例
えばデジタル信号“0”および“1”のデータの識別を
十分行うこのできる値であることが分かった。
【0247】このことから、強誘電体材料薄膜記録媒体
の局所的な分極の向きがカンチレバー記録へッドよりの
バイアス電圧印加により電界の方向に揃うことが示され
た。この2種類の局所的な分極の向きをデジタルデータ
のストレージの“0”と“1”に対応させることができ
る。すなわち、コントラストの明るい部分と暗い部分で
デジタルデータの“0”と“1”に対応させることによ
り高密度記録ができる。
の局所的な分極の向きがカンチレバー記録へッドよりの
バイアス電圧印加により電界の方向に揃うことが示され
た。この2種類の局所的な分極の向きをデジタルデータ
のストレージの“0”と“1”に対応させることができ
る。すなわち、コントラストの明るい部分と暗い部分で
デジタルデータの“0”と“1”に対応させることによ
り高密度記録ができる。
【0248】記録スポットの直径は約200nmであっ
たが、種々の実験の結果、100nm以下にすることが
可能であることが分かった。また、分極反転のスイッチ
ング時間も1μsより小さいことが分かった。
たが、種々の実験の結果、100nm以下にすることが
可能であることが分かった。また、分極反転のスイッチ
ング時間も1μsより小さいことが分かった。
【0249】そして、局所的に分極の向きが反転した領
域は、十分安定に保持されることが分かった。また、記
録媒体として、Ti下地層を挿入しない場合の記録媒体
の記録再生特性も検討した結果、この場合もTi下地層
を配置した図10に示した記録媒体における記録再生特
性と同等な特性を示すことを確認した。
域は、十分安定に保持されることが分かった。また、記
録媒体として、Ti下地層を挿入しない場合の記録媒体
の記録再生特性も検討した結果、この場合もTi下地層
を配置した図10に示した記録媒体における記録再生特
性と同等な特性を示すことを確認した。
【0250】上述したように、この実施例6でKFM法
を再生法に用いることにより高速な記録ビットの並列再
生が可能な高密度記録装置として十分な機能をもってい
ることが分かった。
を再生法に用いることにより高速な記録ビットの並列再
生が可能な高密度記録装置として十分な機能をもってい
ることが分かった。
【0251】また、強誘電体膜をSrBi2Nb2O9に
よって構成して、また、共振周波数が1.5MHzのカ
ンチレバーを用いることにより、1MHzの高周波数領
域での記録ビットの応答信号の10個の並列へッド検出
再生をすることができた。
よって構成して、また、共振周波数が1.5MHzのカ
ンチレバーを用いることにより、1MHzの高周波数領
域での記録ビットの応答信号の10個の並列へッド検出
再生をすることができた。
【0252】種々の実験の結果、記録領域のスポット直
径は100nm以下にすることが可能であることが分か
った。分極反転に起因した空間電荷層の“蓄積状態”と
“空乏状態”のスイッチング時間も1μsより小さいこ
とが分かった。
径は100nm以下にすることが可能であることが分か
った。分極反転に起因した空間電荷層の“蓄積状態”と
“空乏状態”のスイッチング時間も1μsより小さいこ
とが分かった。
【0253】また、局所的に分極反転に起因した記録ビ
ットの領域は十分安定に保持されることが分かった。
ットの領域は十分安定に保持されることが分かった。
【0254】以上より、本実施例で示した記録装置及び
記録媒体は高性能の高密度記録装置として十分な機能を
もっていることが分かった。
記録媒体は高性能の高密度記録装置として十分な機能を
もっていることが分かった。
【0255】〔実施例7〕本実施例では、記録媒体の記
録がなされる活性層を、PZT(Pb(Zr,Ti)
O3)強誘電体膜とした。10個の並列に集積した記録
または再生ヘッドを用いて、並列記録または並列再生を
行った場合である。
録がなされる活性層を、PZT(Pb(Zr,Ti)
O3)強誘電体膜とした。10個の並列に集積した記録
または再生ヘッドを用いて、並列記録または並列再生を
行った場合である。
【0256】この記録媒体は、図12にその概略断面図
を示すように、導電性を有するSi基体71上に熱酸化
によってSiO2絶縁膜72を形成し、これの上にそれ
ぞれスパッタリングによって厚さ300nmのIrO2
電極層73A、Ir電極層73Bを順次被着形成して下
部電極層を形成する。そして、これの上にチタン酸ジル
コン酸鉛[PZT(Pb(Zr,Ti)03)]による
強誘電体膜74をスパッタリングによって厚さ300n
mに形成した。
を示すように、導電性を有するSi基体71上に熱酸化
によってSiO2絶縁膜72を形成し、これの上にそれ
ぞれスパッタリングによって厚さ300nmのIrO2
電極層73A、Ir電極層73Bを順次被着形成して下
部電極層を形成する。そして、これの上にチタン酸ジル
コン酸鉛[PZT(Pb(Zr,Ti)03)]による
強誘電体膜74をスパッタリングによって厚さ300n
mに形成した。
【0257】この材料(PZT)の特徴は、残留分極P
rの2倍(2Pr)の値は40〜50μC/cm2であ
ること、すなわち実施例5における強誘電体膜の材料の
約2倍程度を示すということである。また、抗電圧は2
V以下である。尚、これまで問題となっていた材料の疲
労は、酸化物電極下地層を用いることにより改善されて
いる。
rの2倍(2Pr)の値は40〜50μC/cm2であ
ること、すなわち実施例5における強誘電体膜の材料の
約2倍程度を示すということである。また、抗電圧は2
V以下である。尚、これまで問題となっていた材料の疲
労は、酸化物電極下地層を用いることにより改善されて
いる。
【0258】データの書換時問は電極面積に比例するこ
とが実験的に確認されており、2μm角で1ns以下に
なる。キャパシタ部分のスイッチング特性は極めて速
い。あるデータを連続して書き込んだ後、異なるデータ
を書き込んだ場合の信頼性もある。
とが実験的に確認されており、2μm角で1ns以下に
なる。キャパシタ部分のスイッチング特性は極めて速
い。あるデータを連続して書き込んだ後、異なるデータ
を書き込んだ場合の信頼性もある。
【0259】この記録媒体は分極の電圧依存性より、ヒ
ステリシス特性を有し、強誘電体に特有な特性を示し
た。残留分極の2倍(2Pr)は40μC/cm2、抗
電圧は1.5Vであった。
ステリシス特性を有し、強誘電体に特有な特性を示し
た。残留分極の2倍(2Pr)は40μC/cm2、抗
電圧は1.5Vであった。
【0260】次に、この実施例7の記録消去再生特性を
示す。
示す。
【0261】記録ヘッドを固定し、まず、記録媒体のP
ZTによる強誘電体膜74の2μmX2μmの領域に、
9Vの直流電圧を印加して自発分極の方向を一方向に揃
える。次に、−7Vのパルス電圧をヘッドすなわち針状
電極21から印加して、局所的に分極の向きを反転させ
る。
ZTによる強誘電体膜74の2μmX2μmの領域に、
9Vの直流電圧を印加して自発分極の方向を一方向に揃
える。次に、−7Vのパルス電圧をヘッドすなわち針状
電極21から印加して、局所的に分極の向きを反転させ
る。
【0262】次に、図3のヘテロダイン検出SMM再生
装置を用いて局所的な分極の向きの差を表面電位Vsの
分布として検出する。ヘテロダイン検出SMMによって
評価した表面形状と表面電位微分像を検討した。得られ
た表面形状は、パルス電圧を印加する前後で変化は観察
されず、パルス電圧を印加することによって記録媒体の
表面が変質することなく良好に保持されていることが分
かった。
装置を用いて局所的な分極の向きの差を表面電位Vsの
分布として検出する。ヘテロダイン検出SMMによって
評価した表面形状と表面電位微分像を検討した。得られ
た表面形状は、パルス電圧を印加する前後で変化は観察
されず、パルス電圧を印加することによって記録媒体の
表面が変質することなく良好に保持されていることが分
かった。
【0263】10個の記録へッドより並列記録した結
果、記録ビット列が形成されることを確認した。
果、記録ビット列が形成されることを確認した。
【0264】記録ビットの直径は約300nmであり、
単一の記録へッドの場合とほぼ同一の高記録密度が実現
された。
単一の記録へッドの場合とほぼ同一の高記録密度が実現
された。
【0265】一方、ヘテロダインSMM再生法を用い
て、10個を並列に集積した再生へッドを用いて記録ビ
ット列の並列再生を行ったが、10MHzの周波数に対
応する表面電位像の応答信号を検出することができた。
て、10個を並列に集積した再生へッドを用いて記録ビ
ット列の並列再生を行ったが、10MHzの周波数に対
応する表面電位像の応答信号を検出することができた。
【0266】分極の向きの差は電位差では約80mVで
あり、SMMの電位分解能が1mVであることから、例
えばデジタル信号“0”および“1”のデータの識別を
十分行うことのできる値であることが分かった。
あり、SMMの電位分解能が1mVであることから、例
えばデジタル信号“0”および“1”のデータの識別を
十分行うことのできる値であることが分かった。
【0267】このことから、強誘電体材料薄膜記録媒体
の局所的な分極の向きがカンチレバ一記録へッドよりの
バイアス電圧印加により電界の方向に揃うことが示され
た。この2種類の局所的な分極の向きをデジタルデータ
のストレージの“0”と“1”に対応させることができ
る。すなわち、コントラストの明るい部分と暗い部分で
デジタルデータの“0”と“1”に対応させることによ
り高密度記録ができる。
の局所的な分極の向きがカンチレバ一記録へッドよりの
バイアス電圧印加により電界の方向に揃うことが示され
た。この2種類の局所的な分極の向きをデジタルデータ
のストレージの“0”と“1”に対応させることができ
る。すなわち、コントラストの明るい部分と暗い部分で
デジタルデータの“0”と“1”に対応させることによ
り高密度記録ができる。
【0268】記録スポットの直径は約300nmであっ
たが、種々の実験の結果、100nm以下にすることが
可能であることが分かった。また、分極反転のスイッチ
ング時間も1μsより小さいことが分かった。
たが、種々の実験の結果、100nm以下にすることが
可能であることが分かった。また、分極反転のスイッチ
ング時間も1μsより小さいことが分かった。
【0269】そして、局所的に分極の向きが反転した領
域は、十分安定に保持されることが分かった。
域は、十分安定に保持されることが分かった。
【0270】上述したように、この実施例7でヘテロダ
イン検出SMM法を再生法に用いることにより高速な記
録再生が可能な高密度記録装置として十分な機能をもっ
ていることが分かった。
イン検出SMM法を再生法に用いることにより高速な記
録再生が可能な高密度記録装置として十分な機能をもっ
ていることが分かった。
【0271】[実施例8]この実施例においては、記録
ヘッドであるカンチレバーと記録媒体との間に電圧パル
スを印加して情報の記録を行うものであるが、この場
合、記録媒体の基体側からのキャリア(電子)を電荷蓄
積層のトラップに注入する記録態様をとる場合である。
ヘッドであるカンチレバーと記録媒体との間に電圧パル
スを印加して情報の記録を行うものであるが、この場
合、記録媒体の基体側からのキャリア(電子)を電荷蓄
積層のトラップに注入する記録態様をとる場合である。
【0272】この場合の記録媒体80は、図13にその
概略断面図を示すように、導電性半導体基体81として
のp型のSi基体上に、下層絶縁膜84を被着形成す
る。この下層絶縁膜84は、キャリア、この例では電子
をトンネルすることのできる厚さに選定されたボトム側
のトンネル絶縁膜となるものであり、この下層絶縁膜8
4は、基体81の表面熱酸化による厚さ1.8nmのS
iO2 膜によって形成し得る。この下層絶縁膜84上
に、プラズマCVD法によるSiによるナノ結晶(ナノ
クリスタル)85Cを形成する。このナノ結晶85C
は、結晶粒径が約5nmで、約5nmの間隔で配列され
る。これの上に、LPCVD法によりSiO2絶縁膜8
5iを形成してナノ結晶85Cを埋め込んだナノ結晶層
85を形成し、続いてこれの上にSiO2 による上層絶
縁膜86を形成することによって電荷蓄積層87を形成
する。この上層絶縁膜86の厚さは、6nmとされ、こ
れにより記録媒体の表面は比較的平面に形成される。し
かしながら、必要に応じて、この記録媒体の表面を例え
ばCMP(化学的機械的研磨)処理によって平坦化処理
することもできる。
概略断面図を示すように、導電性半導体基体81として
のp型のSi基体上に、下層絶縁膜84を被着形成す
る。この下層絶縁膜84は、キャリア、この例では電子
をトンネルすることのできる厚さに選定されたボトム側
のトンネル絶縁膜となるものであり、この下層絶縁膜8
4は、基体81の表面熱酸化による厚さ1.8nmのS
iO2 膜によって形成し得る。この下層絶縁膜84上
に、プラズマCVD法によるSiによるナノ結晶(ナノ
クリスタル)85Cを形成する。このナノ結晶85C
は、結晶粒径が約5nmで、約5nmの間隔で配列され
る。これの上に、LPCVD法によりSiO2絶縁膜8
5iを形成してナノ結晶85Cを埋め込んだナノ結晶層
85を形成し、続いてこれの上にSiO2 による上層絶
縁膜86を形成することによって電荷蓄積層87を形成
する。この上層絶縁膜86の厚さは、6nmとされ、こ
れにより記録媒体の表面は比較的平面に形成される。し
かしながら、必要に応じて、この記録媒体の表面を例え
ばCMP(化学的機械的研磨)処理によって平坦化処理
することもできる。
【0273】この構成による記録媒体80の電荷蓄積層
87は、ナノ結晶15Cと、これと絶縁膜85i及び8
6のSiO2 のためにキャリアトラップとして動作する
キャリアトラップを有する層として形成される。
87は、ナノ結晶15Cと、これと絶縁膜85i及び8
6のSiO2 のためにキャリアトラップとして動作する
キャリアトラップを有する層として形成される。
【0274】そして、基体81の電荷蓄積層87が形成
された側とは反対側の裏面に、金属電極層による下部電
極82がオーミックに被着される。
された側とは反対側の裏面に、金属電極層による下部電
極82がオーミックに被着される。
【0275】この電荷蓄積層87を有する記録媒体80
に対する記録は、前述した図2の記録ヘッドHRによっ
て行う。すなわち、記録媒体80を、移動載置台30上
に配置し、記録媒体80の活性層側すなわち電荷蓄積層
87側の表面、つまり上層絶縁膜86側の表面に、針状
電極21を走査しつつ記録情報に基づいてパルス電圧を
印加して、導電性カンチレバーより電荷蓄積層87の主
としてSiナノ結晶層5におけるキャリアトラップにキ
ャリア例えば電子を局部的に注入して情報の記録を行
う。すなわち、キャリアトラップに局所的に注入したキ
ャリア(電子)の有無による電荷量の変化として記録が
なされ、この記録情報に応じた電位パターンを形成す
る。
に対する記録は、前述した図2の記録ヘッドHRによっ
て行う。すなわち、記録媒体80を、移動載置台30上
に配置し、記録媒体80の活性層側すなわち電荷蓄積層
87側の表面、つまり上層絶縁膜86側の表面に、針状
電極21を走査しつつ記録情報に基づいてパルス電圧を
印加して、導電性カンチレバーより電荷蓄積層87の主
としてSiナノ結晶層5におけるキャリアトラップにキ
ャリア例えば電子を局部的に注入して情報の記録を行
う。すなわち、キャリアトラップに局所的に注入したキ
ャリア(電子)の有無による電荷量の変化として記録が
なされ、この記録情報に応じた電位パターンを形成す
る。
【0276】この記録媒体80の、電荷蓄積層87の主
としてSiナノ結晶層85によるキャリアトラップへの
電荷注入、すなわち情報の記録は、Si基体81側から
のキャリアの注入と、カンチレバー側からの注入との2
種類存在するが、本実施例ではSiO2 下層絶縁膜84
をトンネル膜として主としてSiナノ結晶層85のトラ
ップに電子を局所的に注入することによって局所的に電
荷量の差を生じさせ、電荷量の差の検出を表面電位Vs
の分布の検出によって行う。なお、本実施例においてS
iO2 膜86は膜厚が厚いため、このSiO2 膜86で
のトンネル確率が低くカンチレバー側からのSiナノ結
晶層への電子が注入される確率は少ない。
としてSiナノ結晶層85によるキャリアトラップへの
電荷注入、すなわち情報の記録は、Si基体81側から
のキャリアの注入と、カンチレバー側からの注入との2
種類存在するが、本実施例ではSiO2 下層絶縁膜84
をトンネル膜として主としてSiナノ結晶層85のトラ
ップに電子を局所的に注入することによって局所的に電
荷量の差を生じさせ、電荷量の差の検出を表面電位Vs
の分布の検出によって行う。なお、本実施例においてS
iO2 膜86は膜厚が厚いため、このSiO2 膜86で
のトンネル確率が低くカンチレバー側からのSiナノ結
晶層への電子が注入される確率は少ない。
【0277】次に、本実施例8における記録媒体の電圧
ー容量特性について述べる。本実施例における記録媒体
の記録層、すなわち電荷蓄積層において、そのSiナノ
結晶層であるトラップが電荷の注入を受けている場合
と、電荷の注入を受けていない場合とでは、電圧ー容量
特性が異なる。その結果として、注入電荷の有無で電圧
ー容量特性にヒステリシス特性を示す。ヒステリシス特
性におけるフラットバンド電圧のバイアス電圧の差ΔV
は、注入された電荷量に依存しており、注入電荷量が多
いほどΔVは大きくなる。このヒステリシス特性は、一
定のバイアス電圧では注入電荷の有無によって容量の値
が異なるため、空間的な容量変化を表面電位の変化とし
て情報の記録、かつこれを検出することにより情報の再
生を行うことができる。
ー容量特性について述べる。本実施例における記録媒体
の記録層、すなわち電荷蓄積層において、そのSiナノ
結晶層であるトラップが電荷の注入を受けている場合
と、電荷の注入を受けていない場合とでは、電圧ー容量
特性が異なる。その結果として、注入電荷の有無で電圧
ー容量特性にヒステリシス特性を示す。ヒステリシス特
性におけるフラットバンド電圧のバイアス電圧の差ΔV
は、注入された電荷量に依存しており、注入電荷量が多
いほどΔVは大きくなる。このヒステリシス特性は、一
定のバイアス電圧では注入電荷の有無によって容量の値
が異なるため、空間的な容量変化を表面電位の変化とし
て情報の記録、かつこれを検出することにより情報の再
生を行うことができる。
【0278】次に、この実施例8における記録、消去お
よび再生特性を示す。
よび再生特性を示す。
【0279】まず、SiO2 上層絶縁膜86/Siナノ
結晶層85/SiO下層絶縁膜84/Si基体81/下
部電極82による記録媒体80に、5Vのパルス電圧を
ヘッドすなわち針状電極21と下部電極82との間に印
加して、基体81側から、電子を主としてSiナノ結晶
層85におけるキャリアトラップに局所的に注入する。
この場合、1つのSiナノ結晶トラップには複数個の電
子を注入することが可能である。
結晶層85/SiO下層絶縁膜84/Si基体81/下
部電極82による記録媒体80に、5Vのパルス電圧を
ヘッドすなわち針状電極21と下部電極82との間に印
加して、基体81側から、電子を主としてSiナノ結晶
層85におけるキャリアトラップに局所的に注入する。
この場合、1つのSiナノ結晶トラップには複数個の電
子を注入することが可能である。
【0280】このようにして、情報の記録がなされた記
録媒体80に対して、図4で説明したヘテロダイン検出
SMM再生装置によって、その局所的な注入電荷量の差
を表面電位Vsの分布の変化量として検出する。このヘ
テロダイン検出方式において10MHzの高周波数領域
で表面電位分布を評価した。
録媒体80に対して、図4で説明したヘテロダイン検出
SMM再生装置によって、その局所的な注入電荷量の差
を表面電位Vsの分布の変化量として検出する。このヘ
テロダイン検出方式において10MHzの高周波数領域
で表面電位分布を評価した。
【0281】その結果、表面形状は、パルス電圧を印加
する前後で変化は観察されなかった。すなわち、パルス
電圧を印加することによって記録媒体の表面が変質する
ことなく良好に保持されていることが分かった。そし
て、SMM像では、3μm×3μmの領域の表面電位分
布を検討した。この場合、通常のSMM測定で行ってい
る5〜10kHzでの評価結果とほぼ同一であることが
分かった。この場合、電子が注入された部分の表面電位
のコントラストが、その周辺と比較して低くなってお
り、記録ビットが観測された。つまり、10MHzでの
高周波数領域でも、5〜10kHzと同様な表面電位分
布が得られていることが分かった。これは、表面電位分
布が10MHzの高周波数領域においても検出可能であ
ることを示すものである。
する前後で変化は観察されなかった。すなわち、パルス
電圧を印加することによって記録媒体の表面が変質する
ことなく良好に保持されていることが分かった。そし
て、SMM像では、3μm×3μmの領域の表面電位分
布を検討した。この場合、通常のSMM測定で行ってい
る5〜10kHzでの評価結果とほぼ同一であることが
分かった。この場合、電子が注入された部分の表面電位
のコントラストが、その周辺と比較して低くなってお
り、記録ビットが観測された。つまり、10MHzでの
高周波数領域でも、5〜10kHzと同様な表面電位分
布が得られていることが分かった。これは、表面電位分
布が10MHzの高周波数領域においても検出可能であ
ることを示すものである。
【0282】注入電荷量の差は、電位差では約30mV
であり、SMMの電位分解能が1mVであることから、
例えばデジタル信号“0”および“1”のデータの識別
を充分行うことができる値であることが分かった。
であり、SMMの電位分解能が1mVであることから、
例えばデジタル信号“0”および“1”のデータの識別
を充分行うことができる値であることが分かった。
【0283】また、+5Vを先に、上述の記録媒体10
に印加した後に、−5Vのパルス電圧を印加した場合、
周辺の表面電位と同様な値を示すことが分かった。これ
は記録ビットの消去が可能であることを示している。
に印加した後に、−5Vのパルス電圧を印加した場合、
周辺の表面電位と同様な値を示すことが分かった。これ
は記録ビットの消去が可能であることを示している。
【0284】また、オーバーライト特性は、パルス電圧
条件を最適化することにより可能となることも分かっ
た。また、ヘテロダイン検出方式により、表面電位分布
像における記録ビットの検出が10MHzの高周波数領
域においても可能であることも分かった。
条件を最適化することにより可能となることも分かっ
た。また、ヘテロダイン検出方式により、表面電位分布
像における記録ビットの検出が10MHzの高周波数領
域においても可能であることも分かった。
【0285】このことはヘテロダイン検出方式のSMM
を用いることにより、高周波領域での記録ビットの再生
が可能であることを示している。このことから、本実施
例の記録媒体の局所的な電荷の注入量がカンチレバー記
録ヘッドよりのバイアス電圧印加により制御可能なこと
が示された。
を用いることにより、高周波領域での記録ビットの再生
が可能であることを示している。このことから、本実施
例の記録媒体の局所的な電荷の注入量がカンチレバー記
録ヘッドよりのバイアス電圧印加により制御可能なこと
が示された。
【0286】この2種類の局所的な電荷の有無を、デジ
タルデータのストレージの“0”と“1”に対応させる
ことができる。すなわち、SMM像において、表面電位
のコントラストの低い部分と周辺に生じた高い部分でデ
ジタルデータの“0”と“1”に対応させることにより
高密度記録ができる。
タルデータのストレージの“0”と“1”に対応させる
ことができる。すなわち、SMM像において、表面電位
のコントラストの低い部分と周辺に生じた高い部分でデ
ジタルデータの“0”と“1”に対応させることにより
高密度記録ができる。
【0287】次に、予め記録ビット列を作製した後、ヘ
テロダイン検出法を用いた記録ビット列の並列再生を試
みた。その結果、この場合も記録ビット列が再生可能で
あることが確認された。具体的には、10MHzにおい
て、10個並列した再生ヘッドを用いた高密度並列再生
が可能であることが分かった。
テロダイン検出法を用いた記録ビット列の並列再生を試
みた。その結果、この場合も記録ビット列が再生可能で
あることが確認された。具体的には、10MHzにおい
て、10個並列した再生ヘッドを用いた高密度並列再生
が可能であることが分かった。
【0288】種々の実験の結果、最小記録ビットの直径
を100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。
を100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。
【0289】また、キャリア注入による記録、消去時間
も1μsより小さくすることが可能であることが分かっ
た。
も1μsより小さくすることが可能であることが分かっ
た。
【0290】そして、局所的にキャリアを注入した記録
ビット領域は、十分安定に保持されることが分かった。
ビット領域は、十分安定に保持されることが分かった。
【0291】上述したように、この実施例8では、10
個の集積された再生へッドにより記録ビットを高速に並
列再生することができた。
個の集積された再生へッドにより記録ビットを高速に並
列再生することができた。
【0292】さらに、10個の記録へッドで並列記録を
行った後、10個の再生へッドで並列再生を試みたが、
基本的に並列記録と並列再生の両立が可能であることを
見い出した。
行った後、10個の再生へッドで並列再生を試みたが、
基本的に並列記録と並列再生の両立が可能であることを
見い出した。
【0293】〔実施例9〕本実施例では記録媒体とし
て、実施例1と同様の電荷蓄積材料による記録媒体を用
い、図2及び図3で説明した10個並列に作製した記録
および消去へッドHRと、並列再生ヘッドHPをそれぞ
れ別構成とした。
て、実施例1と同様の電荷蓄積材料による記録媒体を用
い、図2及び図3で説明した10個並列に作製した記録
および消去へッドHRと、並列再生ヘッドHPをそれぞ
れ別構成とした。
【0294】すなわち、各ヘッドHRとHPのカンチレ
バーを独別に構成し、記録媒体10に対して接触状態で
用いられる記録および消去へッドHRの針状電極に関し
ては、その摩耗を考慮して表面に形成される導電層を比
較的厚く形成し、例えばその先端の曲率半径が50〜1
00nmとするのに対して、非接触状態で用いられる再
生へッドHPに関しては、その摩耗を考慮する必要がな
いことから、表面導電層は薄く形成して、その針状電極
の先端の曲率半径は記録および消去へッドHRのそれよ
り小さい30nm以下とする。
バーを独別に構成し、記録媒体10に対して接触状態で
用いられる記録および消去へッドHRの針状電極に関し
ては、その摩耗を考慮して表面に形成される導電層を比
較的厚く形成し、例えばその先端の曲率半径が50〜1
00nmとするのに対して、非接触状態で用いられる再
生へッドHPに関しては、その摩耗を考慮する必要がな
いことから、表面導電層は薄く形成して、その針状電極
の先端の曲率半径は記録および消去へッドHRのそれよ
り小さい30nm以下とする。
【0295】このように、再生へッドの針状電極の先端
の曲率半径を小さくすることによって、再生時の表面電
位の空間分解能の解像度を上げることができることか
ら、その最小記録領域の大きさを直径約60nm以下に
まで小さくすることができた。
の曲率半径を小さくすることによって、再生時の表面電
位の空間分解能の解像度を上げることができることか
ら、その最小記録領域の大きさを直径約60nm以下に
まで小さくすることができた。
【0296】10個を集積した再生ヘッドを用いた場合
でも、並列再生は可能であることが分かった。
でも、並列再生は可能であることが分かった。
【0297】また、局所的に電荷が注入された領域は、
十分安定に保持できた。
十分安定に保持できた。
【0298】上述したように、本実施例で高密度記録再
生装置として充分な機能をもっていることが確認され
た。
生装置として充分な機能をもっていることが確認され
た。
【0299】また、この実施例1では電荷蓄積材料によ
る記録媒体を用いたが、他の実施例で示した電荷蓄積材
料を記録媒体に適用した場合であっても本発明の本質が
変わらないことは言うまでもない。
る記録媒体を用いたが、他の実施例で示した電荷蓄積材
料を記録媒体に適用した場合であっても本発明の本質が
変わらないことは言うまでもない。
【0300】〔実施例10〕本実施例ではディスク形状
をしている記録媒体を回転させ、10個の集積した記録
または再生ヘッドを用いて、並列記録または並列再生を
行った。
をしている記録媒体を回転させ、10個の集積した記録
または再生ヘッドを用いて、並列記録または並列再生を
行った。
【0301】ヘッドは実施例9で確認した2種類の記録
および再生用へッドを用いた。また、記録媒体は実施例
1で用いた電荷蓄積材料による媒体を用いた。
および再生用へッドを用いた。また、記録媒体は実施例
1で用いた電荷蓄積材料による媒体を用いた。
【0302】この場合の情報の記録再生特性は、実施例
1と同様に確認することができた。
1と同様に確認することができた。
【0303】また、記録媒体と非接触状態で情報の再生
を行っているため、記録媒体が高速回転している場合で
も、ヘッドと記録媒体間の摩擦摩耗による影響を最小限
に抑止することができた。
を行っているため、記録媒体が高速回転している場合で
も、ヘッドと記録媒体間の摩擦摩耗による影響を最小限
に抑止することができた。
【0304】また、種々の実験の結果、この場合におい
ても記録スポット直径を100nm以下にすることが可
能であることが分かった。記録消去時間は1μsより小
さくすることができた。
ても記録スポット直径を100nm以下にすることが可
能であることが分かった。記録消去時間は1μsより小
さくすることができた。
【0305】また、記録ヘッドの共振周波数を十分大き
く(10MHzオーダ)、バネ定数を十分小さく(約1
N/m)することにより、記録ビットの5MHz帯での
10個並列な高速再生が可能になった。
く(10MHzオーダ)、バネ定数を十分小さく(約1
N/m)することにより、記録ビットの5MHz帯での
10個並列な高速再生が可能になった。
【0306】さらに、局所的に電荷が注入された領域は
十分安定に保持された。
十分安定に保持された。
【0307】〔実施例11〕この実施例における記録媒
体は、針状電極を含むヘッドから電子を、記録媒体のキ
ャリアトラップに注入または放出することによる記録態
様で3値記録をとる場合でかつ10個並列に配置した記
録マルチヘッドを用いた10並列記録をとる場合であ
る。
体は、針状電極を含むヘッドから電子を、記録媒体のキ
ャリアトラップに注入または放出することによる記録態
様で3値記録をとる場合でかつ10個並列に配置した記
録マルチヘッドを用いた10並列記録をとる場合であ
る。
【0308】この場合の記録媒体は、図7(a)にその
概略断面図を示すように、Si基体11上に、その表面
熱酸化による厚さ4nmSiO2 膜14が形成され、こ
れの上にLPCVD(低圧CVD(化学的気相成長))
法により厚さ10nmのSiN膜15が形成され、これ
の上に、熱酸化法により厚さ3.5nmのSiO2 膜1
6による電荷蓄積層が形成されて成る。
概略断面図を示すように、Si基体11上に、その表面
熱酸化による厚さ4nmSiO2 膜14が形成され、こ
れの上にLPCVD(低圧CVD(化学的気相成長))
法により厚さ10nmのSiN膜15が形成され、これ
の上に、熱酸化法により厚さ3.5nmのSiO2 膜1
6による電荷蓄積層が形成されて成る。
【0309】この電荷蓄積層を有する記録媒体に対する
記録は、前述した記録マルチヘッドを構成する単一の記
録ヘッドHRによって行う。この記録マルチヘッドは並
列に10個配置されている。その中の任意の記録ヘッド
に対して、記録媒体を、移動載置台30上に配置し、記
録媒体の表面SiO2 層16に、針状電極21を、いわ
ば微小面接触させて、載置台30を移動させて記録媒体
上に針状電極21を走査しつつ記録情報に基づいてパル
ス電圧を印加して、導電性カンチレバーよりSiO2 /
SiN界面付近に存在するキャリアトラップに電子を局
所的に注入または放出して3値情報に対応する情報の記
録をパルス電圧の極性に対応させて行う。
記録は、前述した記録マルチヘッドを構成する単一の記
録ヘッドHRによって行う。この記録マルチヘッドは並
列に10個配置されている。その中の任意の記録ヘッド
に対して、記録媒体を、移動載置台30上に配置し、記
録媒体の表面SiO2 層16に、針状電極21を、いわ
ば微小面接触させて、載置台30を移動させて記録媒体
上に針状電極21を走査しつつ記録情報に基づいてパル
ス電圧を印加して、導電性カンチレバーよりSiO2 /
SiN界面付近に存在するキャリアトラップに電子を局
所的に注入または放出して3値情報に対応する情報の記
録をパルス電圧の極性に対応させて行う。
【0310】すなわち、記録媒体中のキャリアトラップ
に局所的に注入または放出したキャリア(電子)の状態
により表面電位が制御可能であり、その結果として3値
記録の記録情報に応じた電位パターンを形成することが
できる。
に局所的に注入または放出したキャリア(電子)の状態
により表面電位が制御可能であり、その結果として3値
記録の記録情報に応じた電位パターンを形成することが
できる。
【0311】次に、この実施例における記録媒体の電圧
容量特性を検討した。
容量特性を検討した。
【0312】記録層のトラップが電荷の注入を受けてい
る場合と、電荷の注入を受けていない場合と比較して電
圧容量特性が異なる。その結果として、注入電荷の有無
で電圧容量特性にヒステリシス特性を示すことが分か
る。
る場合と、電荷の注入を受けていない場合と比較して電
圧容量特性が異なる。その結果として、注入電荷の有無
で電圧容量特性にヒステリシス特性を示すことが分か
る。
【0313】ヒステリシス特性におけるフラットバンド
電圧のシフト量ΔVは注入された電荷量に依存してお
り、注入電荷量が多いほどΔVは大きくなる。このヒス
テリシス特性は一定のバイアス電圧では注入電荷の有無
によって静電容量の値が異なるため、キャリアトラップ
への局所的キャリアの注入の有無による空間的な容量変
化を表面電位の変化として記録媒体に非接触状態で検出
することにより情報の記録再生が可能になる。
電圧のシフト量ΔVは注入された電荷量に依存してお
り、注入電荷量が多いほどΔVは大きくなる。このヒス
テリシス特性は一定のバイアス電圧では注入電荷の有無
によって静電容量の値が異なるため、キャリアトラップ
への局所的キャリアの注入の有無による空間的な容量変
化を表面電位の変化として記録媒体に非接触状態で検出
することにより情報の記録再生が可能になる。
【0314】次に、この実施例11における記録消去再
生特性を示す。
生特性を示す。
【0315】まず、記録媒体に、−9Vまたは9Vのパ
ルス電圧を、針状電極を含む任意の記録ヘッドHRの針
状電極21から、これに近接した場所に印加して、局所
的に電子をSiO2 /SiN界面付近のトラップに注入
または放出する。
ルス電圧を、針状電極を含む任意の記録ヘッドHRの針
状電極21から、これに近接した場所に印加して、局所
的に電子をSiO2 /SiN界面付近のトラップに注入
または放出する。
【0316】図14に9V、4msのパルス電圧を印加
した場合の記録ビットパターンをSMMで検出再生した
例を示した。図14はその表面電位像であり、周囲と比
較して表面電位が増大している部分を情報"2"、周囲と
同一の表面電位の部分を情報の"1"に対応させることが
できる。また、図15に示すように−9V、4msのパ
ルス電圧を印加することにより、周囲と比較して表面電
位が減少している部分が生じ、この表面電位が情報"0"
に対応させることができる。図16にSMM再生法を用
いて検出再生した1次元記録ビットパターンを示す。情
報"2"は9V、2msのパルス電圧による電子の局所的
な放出により形成した。情報"2"と情報"1"に対応する
記録ビットパターンが形成されていることが分かる。
した場合の記録ビットパターンをSMMで検出再生した
例を示した。図14はその表面電位像であり、周囲と比
較して表面電位が増大している部分を情報"2"、周囲と
同一の表面電位の部分を情報の"1"に対応させることが
できる。また、図15に示すように−9V、4msのパ
ルス電圧を印加することにより、周囲と比較して表面電
位が減少している部分が生じ、この表面電位が情報"0"
に対応させることができる。図16にSMM再生法を用
いて検出再生した1次元記録ビットパターンを示す。情
報"2"は9V、2msのパルス電圧による電子の局所的
な放出により形成した。情報"2"と情報"1"に対応する
記録ビットパターンが形成されていることが分かる。
【0317】図17に情報"2"に対応する2次元記録ビ
ットパターンを示す。記録ビットの直径は約100nm
であり、従来と比較して数倍の高記録密度を実現した。
このことより、3値情報の記録、再生ができることが分
かった。
ットパターンを示す。記録ビットの直径は約100nm
であり、従来と比較して数倍の高記録密度を実現した。
このことより、3値情報の記録、再生ができることが分
かった。
【0318】以上、10個並列に並んでいる記録マルチ
ヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた3値記録再生に
ついて示したが、他の9個の記録ヘッドを用いた場合で
あっても、3値記録再生は可能であり、この系を用いた
場合は、通常の単一ヘッド2値記録と比較して、記録密
度で1.5倍、記録速度で10倍の特性を得ることがで
きる。
ヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた3値記録再生に
ついて示したが、他の9個の記録ヘッドを用いた場合で
あっても、3値記録再生は可能であり、この系を用いた
場合は、通常の単一ヘッド2値記録と比較して、記録密
度で1.5倍、記録速度で10倍の特性を得ることがで
きる。
【0319】次に、図4のヘテロダイン検出SMM再生
装置を用いて、上述の記録媒体に対する記録、すなわち
局所的な注入電荷量の差を静電容量表面電位Vsの分布
として検出した。この場合、10MHzの高周波数領域
で静電容量表面電位分布を評価した。
装置を用いて、上述の記録媒体に対する記録、すなわち
局所的な注入電荷量の差を静電容量表面電位Vsの分布
として検出した。この場合、10MHzの高周波数領域
で静電容量表面電位分布を評価した。
【0320】その結果、表面形状は、パルス電圧を印加
する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加するこ
とによって記録媒体の表面が変質することなく良好に保
持されていることが分かった。
する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加するこ
とによって記録媒体の表面が変質することなく良好に保
持されていることが分かった。
【0321】このヘテロダイン検出SMM像において、
電子が注入または放出された部分にコントラストが生
じ、記録ビットが再生された。その表面電位は周辺と比
較して増大または減少していることが分かり、パルス電
圧の極性によって記録ビットの極性が対応することが分
かった。この2種類の極性と周辺の電子の注入または放
出されていない位置の表面電位とを併せて3値の情報の
記録再生が可能なことが分かった。
電子が注入または放出された部分にコントラストが生
じ、記録ビットが再生された。その表面電位は周辺と比
較して増大または減少していることが分かり、パルス電
圧の極性によって記録ビットの極性が対応することが分
かった。この2種類の極性と周辺の電子の注入または放
出されていない位置の表面電位とを併せて3値の情報の
記録再生が可能なことが分かった。
【0322】また、ヘテロダイン検出SMM再生法を用
いることにより、10MHzでの高周波数領域でも通常
のSMMの動作領域である5〜20kHzの場合と同様
な表面電位分布が得られていることが分かった。これは
表面電位分布が10MHzの高周波数領域においても記
録ビットの検出再生ができることを示すものである。
いることにより、10MHzでの高周波数領域でも通常
のSMMの動作領域である5〜20kHzの場合と同様
な表面電位分布が得られていることが分かった。これは
表面電位分布が10MHzの高周波数領域においても記
録ビットの検出再生ができることを示すものである。
【0323】キャリアの注入電荷量の差は電位差で約7
0mVであり、SMMの電位分解能が1mVであること
から、例えばデジタル信号"0"、"1"および"2"のデー
タの識別を充分行うことができる値であることが分かっ
た。
0mVであり、SMMの電位分解能が1mVであること
から、例えばデジタル信号"0"、"1"および"2"のデー
タの識別を充分行うことができる値であることが分かっ
た。
【0324】このことから、この実施例の記録媒体の局
所的な電荷の注入または放出量がカンチレバー記録ヘッ
ドよりのパルスバイアス電圧印加により制御可能である
ことが示された。
所的な電荷の注入または放出量がカンチレバー記録ヘッ
ドよりのパルスバイアス電圧印加により制御可能である
ことが示された。
【0325】この2種類の局所的な電荷に起因した表面
電位の値をデジタルデータのストレージの"0"、"1"
と"2"に対応させることができることが分かった。
電位の値をデジタルデータのストレージの"0"、"1"
と"2"に対応させることができることが分かった。
【0326】種々の実験の結果、最小記録ビットの直径
を100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。また、キャリア注入の記録または消去時間も1μs
より小さくすることが可能であることが分かった。
を100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。また、キャリア注入の記録または消去時間も1μs
より小さくすることが可能であることが分かった。
【0327】そして、局所的にキャリアを注入した領域
は、充分安定に保持されることが分かった。
は、充分安定に保持されることが分かった。
【0328】以上、10個並列に並んでいる記録マルチ
ヘッドの任意の記録ヘッドを用いた3値記録のヘテロダ
イン検出SMM再生法を用いた高速再生において示した
が、他の9個の記録ヘッドを用いた場合であっても、3
値記録、高速再生は可能であり、この記録マルチヘッド
系を用いた場合は、通常の単一ヘッド2値記録と比較し
て、記録密度で1.5倍、記録速度で10倍の特性を得
ることができる。
ヘッドの任意の記録ヘッドを用いた3値記録のヘテロダ
イン検出SMM再生法を用いた高速再生において示した
が、他の9個の記録ヘッドを用いた場合であっても、3
値記録、高速再生は可能であり、この記録マルチヘッド
系を用いた場合は、通常の単一ヘッド2値記録と比較し
て、記録密度で1.5倍、記録速度で10倍の特性を得
ることができる。
【0329】上述したように、この実施例11では記録
マルチヘッドを用いた3値記録の高密度記録再生装置と
して充分な機能を持っていることが分かった。
マルチヘッドを用いた3値記録の高密度記録再生装置と
して充分な機能を持っていることが分かった。
【0330】本実施例では記録マルチヘッドが10個並
列に並んだ場合の10並列記録3値記録再生装置につい
て示したが、10並列記録3値記録装置、または10並
列記録3値再生装置(再生専用)としても適用可能なこ
とは言うまでもない。
列に並んだ場合の10並列記録3値記録再生装置につい
て示したが、10並列記録3値記録装置、または10並
列記録3値再生装置(再生専用)としても適用可能なこ
とは言うまでもない。
【0331】また、記録マルチヘッドの並列度を10以
上に大きくした場合であっても本発明は適用可能であ
る。
上に大きくした場合であっても本発明は適用可能であ
る。
【0332】〔実施例12〕この実施例における記録媒
体は、針状電極を含むヘッドから電子を、記録媒体のキ
ャリアトラップに注入または放出することによる記録態
様で3値記録をとる場合でかつ記録/再生マルチヘッド
を10並列に配置して10並列記録/再生をとる場合で
ある。
体は、針状電極を含むヘッドから電子を、記録媒体のキ
ャリアトラップに注入または放出することによる記録態
様で3値記録をとる場合でかつ記録/再生マルチヘッド
を10並列に配置して10並列記録/再生をとる場合で
ある。
【0333】この場合の記録媒体は、図7(a)にその
概略断面図を示すように、Si基体11上に、その表面
熱酸化による厚さ4nmSiO2 膜14が形成され、こ
れの上にLPCVD(低圧CVD(化学的気相成長))
法により厚さ10nmのSiN膜15が形成され、これ
の上に、熱酸化法により厚さ3.5nmのSiO2 膜1
6による電荷蓄積層が形成されて成る。
概略断面図を示すように、Si基体11上に、その表面
熱酸化による厚さ4nmSiO2 膜14が形成され、こ
れの上にLPCVD(低圧CVD(化学的気相成長))
法により厚さ10nmのSiN膜15が形成され、これ
の上に、熱酸化法により厚さ3.5nmのSiO2 膜1
6による電荷蓄積層が形成されて成る。
【0334】この電荷蓄積層を有する記録媒体に対する
記録は、前述した記録マルチヘッドの中の任意の記録ヘ
ッドHRによって行う。この記録マルチヘッドは並列に
10個配置されている。
記録は、前述した記録マルチヘッドの中の任意の記録ヘ
ッドHRによって行う。この記録マルチヘッドは並列に
10個配置されている。
【0335】その中の任意の記録ヘッドに対して、記録
媒体を、移動載置台30上に配置し、記録媒体の表面S
iO2 層16に、針状電極21を、いわば微小面接触さ
せて、載置台30を移動させて記録媒体上に針状電極2
1を走査しつつ記録情報に基づいてパルス電圧を印加し
て、導電性カンチレバーよりSiO2 /SiN界面付近
に存在するキャリアトラップに電子を局所的に注入また
は放出して3値情報に対応する情報の記録をパルス電圧
の極性に対応させて行う。
媒体を、移動載置台30上に配置し、記録媒体の表面S
iO2 層16に、針状電極21を、いわば微小面接触さ
せて、載置台30を移動させて記録媒体上に針状電極2
1を走査しつつ記録情報に基づいてパルス電圧を印加し
て、導電性カンチレバーよりSiO2 /SiN界面付近
に存在するキャリアトラップに電子を局所的に注入また
は放出して3値情報に対応する情報の記録をパルス電圧
の極性に対応させて行う。
【0336】すなわち、記録媒体中のキャリアトラップ
に局所的に注入または放出したキャリア(電子)の状態
により表面電位が制御可能であり、その結果として3値
記録の記録情報に応じた電位パターンを形成することが
できる。
に局所的に注入または放出したキャリア(電子)の状態
により表面電位が制御可能であり、その結果として3値
記録の記録情報に応じた電位パターンを形成することが
できる。
【0337】次に、この実施例における記録媒体の電圧
容量特性を検討した。
容量特性を検討した。
【0338】記録層のトラップが電荷の注入を受けてい
る場合と、電荷の注入を受けていない場合と比較して電
圧容量特性が異なる。その結果として、注入電荷の有無
で電圧容量特性にヒステリシス特性を示すことが分か
る。
る場合と、電荷の注入を受けていない場合と比較して電
圧容量特性が異なる。その結果として、注入電荷の有無
で電圧容量特性にヒステリシス特性を示すことが分か
る。
【0339】ヒステリシス特性におけるフラットバンド
電圧のシフト量ΔVは注入された電荷量に依存してお
り、注入電荷量が多いほどΔVは大きくなる。このヒス
テリシス特性は一定のバイアス電圧では注入電荷の有無
によって静電容量の値が異なるため、キャリアトラップ
への局所的キャリアの注入の有無による空間的な容量変
化を表面電位の変化として記録媒体に非接触状態で検出
することにより情報の記録再生が可能になる。
電圧のシフト量ΔVは注入された電荷量に依存してお
り、注入電荷量が多いほどΔVは大きくなる。このヒス
テリシス特性は一定のバイアス電圧では注入電荷の有無
によって静電容量の値が異なるため、キャリアトラップ
への局所的キャリアの注入の有無による空間的な容量変
化を表面電位の変化として記録媒体に非接触状態で検出
することにより情報の記録再生が可能になる。
【0340】次に、この実施例12における記録消去再
生特性を示す。
生特性を示す。
【0341】まず、記録媒体に、−9Vまたは9Vのパ
ルス電圧を、針状電極を含む任意の単一ヘッドHRの針
状電極21から、これに近接した場所に印加して、局所
的に電子をSiO2 /SiN界面付近のトラップに注入
または放出する。
ルス電圧を、針状電極を含む任意の単一ヘッドHRの針
状電極21から、これに近接した場所に印加して、局所
的に電子をSiO2 /SiN界面付近のトラップに注入
または放出する。
【0342】9V、4msのパルス電圧を印加した場合
の記録ビットパターンをSMMで検出再生した例を示し
た。その表面電位像では、周囲と比較して表面電位が増
大している部分を情報"2"、周囲と同一の表面電位の部
分を情報の"1"に対応させることができる。また、−9
V、4msのパルス電圧を印加することにより、周囲と
比較して表面電位が減少している部分が生じ、この表面
電位が情報"0"に対応させることができる。SMM再生
法を用いて検出再生した1次元記録ビットパターンを示
す。情報"2"は9V、2msのパルス電圧による電子の
局所的な放出により形成した。情報"2"と情報"1"に対
応する記録ビットパターンが形成されていることが分か
る。
の記録ビットパターンをSMMで検出再生した例を示し
た。その表面電位像では、周囲と比較して表面電位が増
大している部分を情報"2"、周囲と同一の表面電位の部
分を情報の"1"に対応させることができる。また、−9
V、4msのパルス電圧を印加することにより、周囲と
比較して表面電位が減少している部分が生じ、この表面
電位が情報"0"に対応させることができる。SMM再生
法を用いて検出再生した1次元記録ビットパターンを示
す。情報"2"は9V、2msのパルス電圧による電子の
局所的な放出により形成した。情報"2"と情報"1"に対
応する記録ビットパターンが形成されていることが分か
る。
【0343】情報"2"に対応する2次元記録ビットパタ
ーンを示す。記録ビットの直径は約100nmであり、
従来と比較して数倍の高記録密度を実現した。このこと
より、3値情報の記録、再生ができることが分かった。
ーンを示す。記録ビットの直径は約100nmであり、
従来と比較して数倍の高記録密度を実現した。このこと
より、3値情報の記録、再生ができることが分かった。
【0344】以上、10個並列に並んでいる記録マルチ
ヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた3値記録再生に
ついて示したが、他の9個の記録再生ヘッドを用いた場
合であっても、3値記録再生は可能であり、この系を用
いた場合は、通常の単一ヘッド2値記録と比較して、記
録密度で1.5倍、記録速度で10倍、再生速度で10
倍の特性を得ることができる。
ヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた3値記録再生に
ついて示したが、他の9個の記録再生ヘッドを用いた場
合であっても、3値記録再生は可能であり、この系を用
いた場合は、通常の単一ヘッド2値記録と比較して、記
録密度で1.5倍、記録速度で10倍、再生速度で10
倍の特性を得ることができる。
【0345】次に、ヘテロダイン検出SMM再生装置を
用いて、上述の記録媒体に対する記録、すなわち局所的
な注入電荷量の差を静電容量表面電位Vsの分布として
検出した。この場合、10MHzの高周波数領域で静電
容量表面電位分布を評価した。
用いて、上述の記録媒体に対する記録、すなわち局所的
な注入電荷量の差を静電容量表面電位Vsの分布として
検出した。この場合、10MHzの高周波数領域で静電
容量表面電位分布を評価した。
【0346】その結果、表面形状は、パルス電圧を印加
する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加するこ
とによって記録媒体の表面が変質することなく良好に保
持されていることが分かった。
する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加するこ
とによって記録媒体の表面が変質することなく良好に保
持されていることが分かった。
【0347】このヘテロダイン検出SMM像において、
電子が注入または放出された部分にコントラストが生
じ、記録ビットが再生された。その表面電位は周辺と比
較して増大または減少していることが分かり、パルス電
圧の極性によって記録ビットの極性が対応することが分
かった。この2種類の極性と周辺の電子の注入または放
出されていない位置の表面電位とを併せて3値の情報の
記録再生が可能なことが分かった。
電子が注入または放出された部分にコントラストが生
じ、記録ビットが再生された。その表面電位は周辺と比
較して増大または減少していることが分かり、パルス電
圧の極性によって記録ビットの極性が対応することが分
かった。この2種類の極性と周辺の電子の注入または放
出されていない位置の表面電位とを併せて3値の情報の
記録再生が可能なことが分かった。
【0348】また、ヘテロダイン検出SMM再生法を用
いることにより、10MHzでの高周波数領域でも通常
のSMMの動作領域である5〜20kHzの場合と同様
な表面電位分布が得られていることが分かった。これは
表面電位分布が10MHzの高周波数領域においても記
録ビットの検出再生ができることを示すものである。
いることにより、10MHzでの高周波数領域でも通常
のSMMの動作領域である5〜20kHzの場合と同様
な表面電位分布が得られていることが分かった。これは
表面電位分布が10MHzの高周波数領域においても記
録ビットの検出再生ができることを示すものである。
【0349】キャリアの注入電荷量の差は電位差で約7
0mVであり、SMMの電位分解能が1mVであること
から、例えばデジタル信号"0"、"1"および"2"のデー
タの識別を充分行うことができる値であることが分かっ
た。
0mVであり、SMMの電位分解能が1mVであること
から、例えばデジタル信号"0"、"1"および"2"のデー
タの識別を充分行うことができる値であることが分かっ
た。
【0350】このことから、この実施例の記録媒体の局
所的な電荷の注入または放出量がカンチレバー記録ヘッ
ドよりのパルスバイアス電圧印加により制御可能である
ことが示された。
所的な電荷の注入または放出量がカンチレバー記録ヘッ
ドよりのパルスバイアス電圧印加により制御可能である
ことが示された。
【0351】この2種類の局所的な電荷に起因した表面
電位の値をデジタルデータのストレージの"0"、"1"
と"2"に対応させることができることが分かった。さら
に、種々の実験の結果、最小記録ビットの直径を100
nm以下にすることが可能であることが分かった。ま
た、キャリア注入の記録または消去時間も1μsよりの
小さくすることが可能であることが分かった。
電位の値をデジタルデータのストレージの"0"、"1"
と"2"に対応させることができることが分かった。さら
に、種々の実験の結果、最小記録ビットの直径を100
nm以下にすることが可能であることが分かった。ま
た、キャリア注入の記録または消去時間も1μsよりの
小さくすることが可能であることが分かった。
【0352】そして、局所的にキャリアを注入した領域
は、充分安定に保持されることが分かった。
は、充分安定に保持されることが分かった。
【0353】以上、10個並列に並んでいる記録再生マ
ルチヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた3値記録ビ
ットのヘテロダイン検出SMM再生法を用いた高速再生
について示したが、他の9個の記録/再生ヘッドを用い
て再生した場合であっても、3値記録、高速再生は可能
であり、この系を用いた場合は、通常の単一ヘッド2値
記録と比較して、記録密度で1.5倍、記録速度および
再生速度で10倍の特性を得ることができる。
ルチヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた3値記録ビ
ットのヘテロダイン検出SMM再生法を用いた高速再生
について示したが、他の9個の記録/再生ヘッドを用い
て再生した場合であっても、3値記録、高速再生は可能
であり、この系を用いた場合は、通常の単一ヘッド2値
記録と比較して、記録密度で1.5倍、記録速度および
再生速度で10倍の特性を得ることができる。
【0354】上述したように、この実施例12では3値
記録の高密度記録再生装置として充分な機能を持ってい
ることが分かった。
記録の高密度記録再生装置として充分な機能を持ってい
ることが分かった。
【0355】本実施例では記録/再生マルチヘッドが1
0個並列に並んだ場合の10並列記録/再生の3値記録
再生装置について示したが、並列度を10以上に大きく
した場合の多重記録/再生3値記録装置としても適用可
能なことは言うまでもない。
0個並列に並んだ場合の10並列記録/再生の3値記録
再生装置について示したが、並列度を10以上に大きく
した場合の多重記録/再生3値記録装置としても適用可
能なことは言うまでもない。
【0356】〔実施例13〕本実施例では、実施例11
と同様の並列度10の記録マルチヘッド、記録媒体を用
いて、5値情報の記録再生消去の検討結果を示した。図
18に記録マルチヘッドの中の任意の1個の記録再生ヘ
ッドを用いて検討した、表面電位のパルス電圧依存性を
示した。これにより表面電位Vsはパルス電圧Vpが増
大するにつれて単調に増大していることが分かる。ま
た、バイアス電圧の極性が反対の場合も、表面電位とパ
ルス電圧は図18と同様の関係を示した。このため、こ
の傾向はパルス電圧の極性に依存していないことも分か
った。
と同様の並列度10の記録マルチヘッド、記録媒体を用
いて、5値情報の記録再生消去の検討結果を示した。図
18に記録マルチヘッドの中の任意の1個の記録再生ヘ
ッドを用いて検討した、表面電位のパルス電圧依存性を
示した。これにより表面電位Vsはパルス電圧Vpが増
大するにつれて単調に増大していることが分かる。ま
た、バイアス電圧の極性が反対の場合も、表面電位とパ
ルス電圧は図18と同様の関係を示した。このため、こ
の傾向はパルス電圧の極性に依存していないことも分か
った。
【0357】そこで、情報を以下に示す表面電位に分割
して5値の記録再生を試みた。
して5値の記録再生を試みた。
【0358】情報"0"として表面電位 −40mV以下 情報"1"として表面電位 −35mV〜−15mV 情報"2"として表面電位 −10mV〜+10mV 情報"3"として表面電位 +15mV〜+35mV 情報"4"として表面電位 +40mV以上 データの記録はプラスマイナス10Vまたはプラスマイ
ナス6Vの電圧パルスの印加で行い、多値記録が可能な
表面電位の値を制御した。
ナス6Vの電圧パルスの印加で行い、多値記録が可能な
表面電位の値を制御した。
【0359】再生は通常のSMMまたはヘテロダイン検
出方式のSMMの表面電位分布の表面電位差として、局
所的な電荷トラップ領域に記録させた情報を読み出し
た。
出方式のSMMの表面電位分布の表面電位差として、局
所的な電荷トラップ領域に記録させた情報を読み出し
た。
【0360】電荷蓄積層のSiO2 /SiN界面付近の
トラップに存在する電荷の状態を表面電位の変化として
パルス印加電圧条件により制御し、デジタルデータの"
0"、"1"、"2"、"3"および"4"に対応する表面電位
が得られることが分かった。ビット情報間の電位差は、
SMMの検出感度1mVに対して十分とれることが明ら
かになった。
トラップに存在する電荷の状態を表面電位の変化として
パルス印加電圧条件により制御し、デジタルデータの"
0"、"1"、"2"、"3"および"4"に対応する表面電位
が得られることが分かった。ビット情報間の電位差は、
SMMの検出感度1mVに対して十分とれることが明ら
かになった。
【0361】以上より、表面電位の極性と大きさをパル
ス電圧の極性と電圧の大きさで制御して、5値の情報の
記録再生消去を実現した。
ス電圧の極性と電圧の大きさで制御して、5値の情報の
記録再生消去を実現した。
【0362】また、先端直径の鋭いカンチレバーを再生
ヘッドに用いることにより、記録ビットの直径も100
nm以下になることが分かった。
ヘッドに用いることにより、記録ビットの直径も100
nm以下になることが分かった。
【0363】また、局所的に電荷が注入または放出され
た記録ビット領域は充分安定に保持されることが分かっ
た。
た記録ビット領域は充分安定に保持されることが分かっ
た。
【0364】以上、10個並列に並んでいる記録マルチ
ヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた5値記録のヘテ
ロダイン検出SMM再生法を用いた高速再生について示
したが、他の9個の単一記録ヘッドを用いた場合であっ
ても、5値記録、高速再生は可能であり、この記録マル
チヘッドの系を用いた場合は、通常の単一ヘッド2値記
録と比較して、記録密度で2.5倍、記録速度で10倍
の特性を得ることができる。
ヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた5値記録のヘテ
ロダイン検出SMM再生法を用いた高速再生について示
したが、他の9個の単一記録ヘッドを用いた場合であっ
ても、5値記録、高速再生は可能であり、この記録マル
チヘッドの系を用いた場合は、通常の単一ヘッド2値記
録と比較して、記録密度で2.5倍、記録速度で10倍
の特性を得ることができる。
【0365】以上より、この実施例では5値記録の高密
度記録再生装置として充分な機能を持っていることが分
かった。
度記録再生装置として充分な機能を持っていることが分
かった。
【0366】本実施例では5値の記録マルチヘッドを用
いた並列記録再生装置について示したが、本発明が5値
の並列記録装置、または5値の並列再生装置としても適
用可能なことは言うまでもない。
いた並列記録再生装置について示したが、本発明が5値
の並列記録装置、または5値の並列再生装置としても適
用可能なことは言うまでもない。
【0367】また、並列度を10以上に大きくした5値
並列記録再生装置としても適用可能である。
並列記録再生装置としても適用可能である。
【0368】〔実施例14〕本実施例では、実施例12
と同様の並列度10の記録/再生マルチヘッド、記録媒
体を用いて、5値情報の記録再生消去の検討結果を示し
た。図18に記録再生マルチヘッドの中の任意の1個の
記録/再生ヘッドを用いて検討した、表面電位のパルス
電圧依存性を示した。これにより表面電位はパルス電圧
が増大するにつれて単調に増大していることが分かる。
また、バイアス電圧の極性が反対の場合も、表面電位と
パルス電圧は図18と同様の関係を示した。このため、
この傾向はパルス電圧の極性に依存していないことも分
かった。
と同様の並列度10の記録/再生マルチヘッド、記録媒
体を用いて、5値情報の記録再生消去の検討結果を示し
た。図18に記録再生マルチヘッドの中の任意の1個の
記録/再生ヘッドを用いて検討した、表面電位のパルス
電圧依存性を示した。これにより表面電位はパルス電圧
が増大するにつれて単調に増大していることが分かる。
また、バイアス電圧の極性が反対の場合も、表面電位と
パルス電圧は図18と同様の関係を示した。このため、
この傾向はパルス電圧の極性に依存していないことも分
かった。
【0369】そこで、情報を以下に示す表面電位に分割
して5値の記録再生を試みた。
して5値の記録再生を試みた。
【0370】情報"0"として表面電位 −40mV以下 情報"1"として表面電位 −35mV〜−15mV 情報"2"として表面電位 −10mV〜+10mV 情報"3"として表面電位 +15mV〜+35mV 情報"4"として表面電位 +40mV以上 データの書き込みはプラスマイナス10Vまたはプラス
マイナス6Vの電圧パルスの印加で行い、多値記録が可
能な表面電位の値を制御した。
マイナス6Vの電圧パルスの印加で行い、多値記録が可
能な表面電位の値を制御した。
【0371】再生はSMMまたはヘテロダイン検出方式
のSMMの表面電位分布の表面電位差として、局所的な
電荷トラップ領域に記録させた情報を読み出した。
のSMMの表面電位分布の表面電位差として、局所的な
電荷トラップ領域に記録させた情報を読み出した。
【0372】電荷蓄積層のSiO2 /SiN界面付近の
トラップに存在する電荷の状態を表面電位の変化として
パルス印加電圧条件により制御し、デジタルデータの"
0"、"1"、"2"、"3"および"4"に対応する表面電位
が得られることが分かった。ビット情報間の電位差はS
MMの検出感度1mVに対して充分とれることが分かっ
た。
トラップに存在する電荷の状態を表面電位の変化として
パルス印加電圧条件により制御し、デジタルデータの"
0"、"1"、"2"、"3"および"4"に対応する表面電位
が得られることが分かった。ビット情報間の電位差はS
MMの検出感度1mVに対して充分とれることが分かっ
た。
【0373】以上より、表面電位の極性と大きさをパル
ス電圧の極性と電圧の大きさで制御して、10並列した
記録/再生マルチヘッドの中の任意の1個の記録/再生
ヘッドを用いた5値の情報の記録再生消去を実現した。
ス電圧の極性と電圧の大きさで制御して、10並列した
記録/再生マルチヘッドの中の任意の1個の記録/再生
ヘッドを用いた5値の情報の記録再生消去を実現した。
【0374】また、先端直径の鋭いカンチレバーを再生
マルチヘッドに用いることにより、記録ビットの直径も
100nm以下になることが分かった。
マルチヘッドに用いることにより、記録ビットの直径も
100nm以下になることが分かった。
【0375】また、局所的に電荷が注入または放出され
た記録ビット領域は充分安定に保持されることが分かっ
た。
た記録ビット領域は充分安定に保持されることが分かっ
た。
【0376】以上、10個並列に並んでいる記録再生マ
ルチヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた5値記録の
ヘテロダイン検出SMM再生法を用いた高速再生につい
て示したが、他の9個の記録ヘッドを用いた場合であっ
ても、5値記録、高速再生は可能であり、この系を用い
た場合は、通常の単一ヘッド2値記録と比較して、記録
密度で2.5倍、記録速度および再生速度で10倍の特
性を得ることができる。
ルチヘッドの中の任意の記録ヘッドを用いた5値記録の
ヘテロダイン検出SMM再生法を用いた高速再生につい
て示したが、他の9個の記録ヘッドを用いた場合であっ
ても、5値記録、高速再生は可能であり、この系を用い
た場合は、通常の単一ヘッド2値記録と比較して、記録
密度で2.5倍、記録速度および再生速度で10倍の特
性を得ることができる。
【0377】以上より、この実施例では並列度10個の
記録/再生マルチヘッドを用いた5値記録の10並列記
録再生、高密度記録再生装置として充分な機能を持って
いることが分かった。
記録/再生マルチヘッドを用いた5値記録の10並列記
録再生、高密度記録再生装置として充分な機能を持って
いることが分かった。
【0378】本実施例では10個の並列度有する記録マ
ルチヘッドを用いた5値の記録/再生装置について示し
たが、本発明が並列度が10よりも大きい場合の並列多
値記録再生装置としても適用可能なことは言うまでもな
い。
ルチヘッドを用いた5値の記録/再生装置について示し
たが、本発明が並列度が10よりも大きい場合の並列多
値記録再生装置としても適用可能なことは言うまでもな
い。
【0379】〔実施例15〕この実施例における記録媒
体は、並列度10の記録再生マルチヘッドの任意の1個
の記録ヘッドから電子をトラップに注入または放出する
ことによる3値記録の記録態様をとる場合である。
体は、並列度10の記録再生マルチヘッドの任意の1個
の記録ヘッドから電子をトラップに注入または放出する
ことによる3値記録の記録態様をとる場合である。
【0380】この実施例では、図19にその概略断面図
を示すように、記録媒体10Bは、Si気体11上に、
その表面熱酸化によって厚さ4nmSiO2 膜14が形
成され、これの上にLPCVD法により厚さ5nmのS
iN膜15が形成され、さらにこれの上にLPCVD法
により厚さ3nmのSiO2 膜16が形成され、さらに
これの上に、厚さ5nmのSiN膜17が形成され、こ
れの上に熱酸化法またはLPCVD法により厚さ3.5
nmのSiO2 膜16が形成され電荷蓄積層が有して成
る。
を示すように、記録媒体10Bは、Si気体11上に、
その表面熱酸化によって厚さ4nmSiO2 膜14が形
成され、これの上にLPCVD法により厚さ5nmのS
iN膜15が形成され、さらにこれの上にLPCVD法
により厚さ3nmのSiO2 膜16が形成され、さらに
これの上に、厚さ5nmのSiN膜17が形成され、こ
れの上に熱酸化法またはLPCVD法により厚さ3.5
nmのSiO2 膜16が形成され電荷蓄積層が有して成
る。
【0381】上記LPCVDで形成したSiO2 膜とS
iN膜は、クラスタツールCVD装置を用いて連続的に
作製した。
iN膜は、クラスタツールCVD装置を用いて連続的に
作製した。
【0382】この電荷蓄積層を有する記録媒体に対する
記録は、前述した図2の記録ヘッドHRによって行う。
すなわち、記録媒体を、移動載置台30上に配置し、記
録媒体の表面SiO2 層16に、針状電極21を、いわ
ば点接触させて、載置台30を移動させて記録媒体上に
針状電極21を走査しつつ記録情報に基づいてパルス電
圧を印加して、導電性カンチレバーよりSiO2 /Si
N界面付近に存在するキャリアトラップに電子を局所的
に注入または放出して情報の記録を行う。すなわち、キ
ャリアトラップに局所的に注入したキャリア(電子)の
有無に応じた電位パターンを形成する。
記録は、前述した図2の記録ヘッドHRによって行う。
すなわち、記録媒体を、移動載置台30上に配置し、記
録媒体の表面SiO2 層16に、針状電極21を、いわ
ば点接触させて、載置台30を移動させて記録媒体上に
針状電極21を走査しつつ記録情報に基づいてパルス電
圧を印加して、導電性カンチレバーよりSiO2 /Si
N界面付近に存在するキャリアトラップに電子を局所的
に注入または放出して情報の記録を行う。すなわち、キ
ャリアトラップに局所的に注入したキャリア(電子)の
有無に応じた電位パターンを形成する。
【0383】この実施例では、ヘテロ界面の数は実施例
11と比較して1.5倍になっているため、その結果と
して、界面に存在し得るキャリアトラップの濃度も大き
くなる。
11と比較して1.5倍になっているため、その結果と
して、界面に存在し得るキャリアトラップの濃度も大き
くなる。
【0384】またこの実施例では、SiO2 膜とSiN
膜のヘテロ界面付近のキャリアトラップに導電性カンチ
レバーより電子を局所的に注入または放出することによ
って局所的に電荷量の差を生じさせ、電荷量の差の検出
を表面電位Vsの分布の検出によって行う。
膜のヘテロ界面付近のキャリアトラップに導電性カンチ
レバーより電子を局所的に注入または放出することによ
って局所的に電荷量の差を生じさせ、電荷量の差の検出
を表面電位Vsの分布の検出によって行う。
【0385】次に、この実施例15における3値情報の
記録消去再生特性を示す。
記録消去再生特性を示す。
【0386】まず、SiO2 /SiN/SiO2 /Si
N/SiO2 /Si構造の記録媒体に、−9Vまたは9
Vのパルス電圧をヘッドすなわち針状電極21から印加
して、局所的に電子を界面トラップに注入または放出し
て形成した3値情報は以下の表面電位に分割して検出再
生する。
N/SiO2 /Si構造の記録媒体に、−9Vまたは9
Vのパルス電圧をヘッドすなわち針状電極21から印加
して、局所的に電子を界面トラップに注入または放出し
て形成した3値情報は以下の表面電位に分割して検出再
生する。
【0387】情報"0"として表面電位 −70mV〜−
30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 次に、上述の図3の通常のSMM型の再生装置RSS
M、および図4のヘテロダイン検出SMM型の再生装置
RSSMHを用いて、記録媒体の局所的な注入または放
出電荷量の差を表面電位Vsの分布として検出する。通
常のSMM再生法およびヘテロダインSMM再生法によ
って3μm×3μmのエリアを評価した結果、表面形状
は、パルス電圧を印加する直後で変化は観察されず、パ
ルス電圧を印加することによって記録媒体の表面が変質
することなく良好に保持されていることが分かった。
30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 次に、上述の図3の通常のSMM型の再生装置RSS
M、および図4のヘテロダイン検出SMM型の再生装置
RSSMHを用いて、記録媒体の局所的な注入または放
出電荷量の差を表面電位Vsの分布として検出する。通
常のSMM再生法およびヘテロダインSMM再生法によ
って3μm×3μmのエリアを評価した結果、表面形状
は、パルス電圧を印加する直後で変化は観察されず、パ
ルス電圧を印加することによって記録媒体の表面が変質
することなく良好に保持されていることが分かった。
【0388】ヘテロダインSMM像では3μm×3μm
の部分でキャリアの注入または放出させた部分の表面電
位のコントラストは周辺と比較して変化した。これは−
9Vまたは9Vのパルス電圧印加によって電子が導電性
カンチレバーより界面付近のトラップに局所的に注入ま
たは放出され、その結果として表面電位の値が周囲と比
較して増加または減少していること、すなわち、記録ビ
ットが形成されていることを示した。
の部分でキャリアの注入または放出させた部分の表面電
位のコントラストは周辺と比較して変化した。これは−
9Vまたは9Vのパルス電圧印加によって電子が導電性
カンチレバーより界面付近のトラップに局所的に注入ま
たは放出され、その結果として表面電位の値が周囲と比
較して増加または減少していること、すなわち、記録ビ
ットが形成されていることを示した。
【0389】また、ヘテロダインSMMのスキャンエリ
アをさらに小さくして、例えば1.5μm×1.5μm
として、同様な実験を試みた場合も、電子のキャリア注
入または放出により電荷量、その結果として表面電位が
増大または減少している記録ビットが検出再生された。
アをさらに小さくして、例えば1.5μm×1.5μm
として、同様な実験を試みた場合も、電子のキャリア注
入または放出により電荷量、その結果として表面電位が
増大または減少している記録ビットが検出再生された。
【0390】以上より微細な記録ビットをヘテロダイン
検出SMM再生法によって検出可能であることが分かっ
た。SMM電位分解能が1mVであることから、例えば
デジタル信号"0"、"1"および"2"のデータの識別を充
分行うことができる値であることが分かった。
検出SMM再生法によって検出可能であることが分かっ
た。SMM電位分解能が1mVであることから、例えば
デジタル信号"0"、"1"および"2"のデータの識別を充
分行うことができる値であることが分かった。
【0391】このことから、この実施例の記録媒体の局
所的な電荷の注入または放出量がカンチレバー記録ヘッ
ドよりのバイアス電圧印加により制御できることがこと
が示された。
所的な電荷の注入または放出量がカンチレバー記録ヘッ
ドよりのバイアス電圧印加により制御できることがこと
が示された。
【0392】この2種類の局所的な電荷の有無をデジタ
ルデータのストレージの"0"、"1"と"2"に対応させる
ことができる。すなわち、コントラストの明るい部分と
暗い部分と周辺部分でデジタルデータの"0"、"1"と"
2"に対応させることにより高密度記録ができることが
分かった。
ルデータのストレージの"0"、"1"と"2"に対応させる
ことができる。すなわち、コントラストの明るい部分と
暗い部分と周辺部分でデジタルデータの"0"、"1"と"
2"に対応させることにより高密度記録ができることが
分かった。
【0393】また種々の実験の結果、最小記録領域の直
径を100nm以下にすることが可能であることが分か
った。また、キャリア注入の記録消去時間も1μsより
小さくすることが可能であることが分かった。
径を100nm以下にすることが可能であることが分か
った。また、キャリア注入の記録消去時間も1μsより
小さくすることが可能であることが分かった。
【0394】そして、局所的にキャリアを注入した領域
は、充分安定に保持されることが確認された。
は、充分安定に保持されることが確認された。
【0395】尚、この実施例では、SiO2 /SiNヘ
テロ界面が3種類形成されている場合について示した
が、ヘテロ界面が1種類の場合、すなわち、SiN/S
iO2/Si構成による記録媒体の場合も3値記録の記
録、再生、消去ができることを確認した。
テロ界面が3種類形成されている場合について示した
が、ヘテロ界面が1種類の場合、すなわち、SiN/S
iO2/Si構成による記録媒体の場合も3値記録の記
録、再生、消去ができることを確認した。
【0396】また、本実施例では並列度10の記録/再
生マルチヘッドを用いた記録再生装置について示した
が、記録再生マルチヘッドを用いた3値の記録装置また
は再生装置としても本発明は適用可能である。
生マルチヘッドを用いた記録再生装置について示した
が、記録再生マルチヘッドを用いた3値の記録装置また
は再生装置としても本発明は適用可能である。
【0397】〔実施例16〕この実施例では並列度10
の記録/再生マルチヘッドを用いた3値記録で、蓄積キ
ャリアをSi基体側から電荷蓄積記録のキャリアトラッ
プに注入または放出する方式での3値情報の記録再生を
行った場合である。
の記録/再生マルチヘッドを用いた3値記録で、蓄積キ
ャリアをSi基体側から電荷蓄積記録のキャリアトラッ
プに注入または放出する方式での3値情報の記録再生を
行った場合である。
【0398】この実施例で用いた記録媒体は、図7
(a)に示すように、SiO2 膜14(厚さ2.5n
m)、SiN膜15(厚さ10nm)およびSiO2 膜
16の構成によるものの、膜厚および作製法がこれまで
の実施例とは異なっている。
(a)に示すように、SiO2 膜14(厚さ2.5n
m)、SiN膜15(厚さ10nm)およびSiO2 膜
16の構成によるものの、膜厚および作製法がこれまで
の実施例とは異なっている。
【0399】この実施例で用いた記録媒体においては、
そのSiO2 膜16を熱CVD法によって形成し、その
膜厚を5nmとした。すなわち、SiO2 膜14を薄く
し、SiO2 膜16を厚くすることによりSi基板側よ
りキャリアを注入している。
そのSiO2 膜16を熱CVD法によって形成し、その
膜厚を5nmとした。すなわち、SiO2 膜14を薄く
し、SiO2 膜16を厚くすることによりSi基板側よ
りキャリアを注入している。
【0400】そして、その記録、消去、および再生方法
も実施例11と同様の方法によった。
も実施例11と同様の方法によった。
【0401】この場合の3値記録での電位分布の分割は
次の通りである。
次の通りである。
【0402】情報"0"として表面電位 −70mV〜−
30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 10個並列しているうちの任意の記録ヘッドを用いて、
記録ヘッドにパルス電圧を印加することにより、Si基
体側から電荷蓄積記録の電子をキャリアトラップに注
入、放出することができ、その結果として、実施例11
と同様に、3値記録での記録ビットの記録再生消去が可
能であることが分かった。
30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 10個並列しているうちの任意の記録ヘッドを用いて、
記録ヘッドにパルス電圧を印加することにより、Si基
体側から電荷蓄積記録の電子をキャリアトラップに注
入、放出することができ、その結果として、実施例11
と同様に、3値記録での記録ビットの記録再生消去が可
能であることが分かった。
【0403】記録ビットの記録再生特性については本実
施例も実施例11と同等の特性が得られた。また、この
実施例では、再生にヘテロダイン検出方式のSMM再生
法を用いているため、記録ビットの高周波領域での高速
な再生が可能になった。
施例も実施例11と同等の特性が得られた。また、この
実施例では、再生にヘテロダイン検出方式のSMM再生
法を用いているため、記録ビットの高周波領域での高速
な再生が可能になった。
【0404】また、本実施例では記録再生マルチヘッド
を用いた3値情報の記録再生装置について示したが、3
値情報の記録再生装置および再生装置としても適用する
ことは可能である。また、並列度10以上の並列多値記
録再生装置としても適用可能である。
を用いた3値情報の記録再生装置について示したが、3
値情報の記録再生装置および再生装置としても適用する
ことは可能である。また、並列度10以上の並列多値記
録再生装置としても適用可能である。
【0405】〔実施例17〕この実施例では記録媒体と
して、実施例11と同様の記録媒体を用い、図2および
図4で説明した記録および消去ヘッドHRと、再生ヘッ
ドHPをそれぞれ別構成として、並列度10の記録再生
マルチヘッドを用いた3値記録を行った例を示す。
して、実施例11と同様の記録媒体を用い、図2および
図4で説明した記録および消去ヘッドHRと、再生ヘッ
ドHPをそれぞれ別構成として、並列度10の記録再生
マルチヘッドを用いた3値記録を行った例を示す。
【0406】すなわち、各ヘッドHRとHPのカンチレ
バーを独別に構成し、記録媒体10に対して接触状態で
用いられる記録および消去ヘッドの針状電極に関して
は、その磨耗を考慮して表面に形成される導電層を比較
的厚く形成した。例えばその先端の曲率半径が50〜1
00nmとするが、非接触状態で用いられる再生ヘッド
HPに関してはその磨耗を考慮する必要がないことか
ら、表面導電層は薄く形成して、その針状電極の先端の
曲率半径は記録および消去ヘッドHRのそれより小さい
30nm以下でその共振周波数を5MHzとした。
バーを独別に構成し、記録媒体10に対して接触状態で
用いられる記録および消去ヘッドの針状電極に関して
は、その磨耗を考慮して表面に形成される導電層を比較
的厚く形成した。例えばその先端の曲率半径が50〜1
00nmとするが、非接触状態で用いられる再生ヘッド
HPに関してはその磨耗を考慮する必要がないことか
ら、表面導電層は薄く形成して、その針状電極の先端の
曲率半径は記録および消去ヘッドHRのそれより小さい
30nm以下でその共振周波数を5MHzとした。
【0407】このように再生ヘッドの針状電極の先端の
曲率半径小さくすることによって、再生時の表面電位の
空間分解能の解像度を上げることができることから、そ
の最小記録領域の大きさを直径約60nm以下にまで小
さくすることができた。
曲率半径小さくすることによって、再生時の表面電位の
空間分解能の解像度を上げることができることから、そ
の最小記録領域の大きさを直径約60nm以下にまで小
さくすることができた。
【0408】また、局所的に電荷が注入された領域は、
充分安定に保持できた。また、ヘテロダイン検出方式の
SMMを用いることにより、記録ビットの高周波数領域
での再生ができた。
充分安定に保持できた。また、ヘテロダイン検出方式の
SMMを用いることにより、記録ビットの高周波数領域
での再生ができた。
【0409】このように、この実施例においても、高密
度記録再生装置として充分な機能を持っていることが確
認された。
度記録再生装置として充分な機能を持っていることが確
認された。
【0410】また、この実施例では、図7(a)で示し
た記録媒体を用いたが、他の構成、例えば図19で示し
た構成による電荷蓄積層を有する記録媒体を用いた場合
であっても本発明の本質が変わらないことは言うまでも
ない。
た記録媒体を用いたが、他の構成、例えば図19で示し
た構成による電荷蓄積層を有する記録媒体を用いた場合
であっても本発明の本質が変わらないことは言うまでも
ない。
【0411】さらに、本実施例では並列度10のマルチ
記録再生ヘッドを用いた3値情報の記録再生装置につい
て示したが、本発明を並列度が10以上の記録/再生マ
ルチヘッドを用いた3値情報の記録装置または再生装置
として適用することが可能であることは言うまでもな
い。
記録再生ヘッドを用いた3値情報の記録再生装置につい
て示したが、本発明を並列度が10以上の記録/再生マ
ルチヘッドを用いた3値情報の記録装置または再生装置
として適用することが可能であることは言うまでもな
い。
【0412】〔実施例18〕並列度10のマルチ記録/
再生ヘッドを、針状電極を有するカンチレバー記録ヘッ
ドと記録媒体の基体との間に電圧パルスを印加し、電子
を電荷蓄積層のトラップへ注入することによる3値記録
態様とする場合である。
再生ヘッドを、針状電極を有するカンチレバー記録ヘッ
ドと記録媒体の基体との間に電圧パルスを印加し、電子
を電荷蓄積層のトラップへ注入することによる3値記録
態様とする場合である。
【0413】この場合の記録媒体80は、図13にその
概略断面図を示すように、Si基体上81に、その表面
熱酸化による下層絶縁層としての厚さ3nmのSiO2
膜84を形成した後、プラズマCVD法によりSiナノ
結晶85cを形成し、これの上に、Si結晶85cを埋
込む絶縁膜85iを形成して、この絶縁膜85i中にナ
ノ結晶85cが埋込まれて成るナノ結晶層85を形成
し、続いてこれの上に、LPCVD法により上層絶縁膜
として厚さ5nmのSiO2 膜86を形成して成る。
概略断面図を示すように、Si基体上81に、その表面
熱酸化による下層絶縁層としての厚さ3nmのSiO2
膜84を形成した後、プラズマCVD法によりSiナノ
結晶85cを形成し、これの上に、Si結晶85cを埋
込む絶縁膜85iを形成して、この絶縁膜85i中にナ
ノ結晶85cが埋込まれて成るナノ結晶層85を形成
し、続いてこれの上に、LPCVD法により上層絶縁膜
として厚さ5nmのSiO2 膜86を形成して成る。
【0414】この記録媒体にSiナノ結晶層85を有す
る電荷蓄積層に対する記録は、前述した図2の記録ヘッ
ドHRによって行う。すなわち、記録媒体を、移動載置
台30上に配置し、記録媒体の表面SiO2 層86に、
針状電極21を、いわば微小面接触させて、載置台30
を移動させて記録媒体上に針状電極21を走査しつつ記
録情報に基づいてパルス電圧を印加して、導電性カンチ
レバー21よりSiナノ結晶層を有する電荷蓄積層のキ
ャリアトラップに電子を局所的に注入して情報の記録を
行う。すなわち、キャリアトラップに局所的に注入した
キャリア(電子)有無の記録情報に応じた電位パターン
を形成する。
る電荷蓄積層に対する記録は、前述した図2の記録ヘッ
ドHRによって行う。すなわち、記録媒体を、移動載置
台30上に配置し、記録媒体の表面SiO2 層86に、
針状電極21を、いわば微小面接触させて、載置台30
を移動させて記録媒体上に針状電極21を走査しつつ記
録情報に基づいてパルス電圧を印加して、導電性カンチ
レバー21よりSiナノ結晶層を有する電荷蓄積層のキ
ャリアトラップに電子を局所的に注入して情報の記録を
行う。すなわち、キャリアトラップに局所的に注入した
キャリア(電子)有無の記録情報に応じた電位パターン
を形成する。
【0415】この記録媒体からの記録情報の読み出しす
なわち再生は、本実施例ではSiO2 膜84をトンネル
して主としてSiナノ結晶層85のトラップに電子を局
所的に注入することによって局所的に電荷量の差が生じ
させ、電荷量の差の検出を表面電位Vsの分布の検出に
よって行う。
なわち再生は、本実施例ではSiO2 膜84をトンネル
して主としてSiナノ結晶層85のトラップに電子を局
所的に注入することによって局所的に電荷量の差が生じ
させ、電荷量の差の検出を表面電位Vsの分布の検出に
よって行う。
【0416】次に、この実施例18における記録消去再
生特性を示す。
生特性を示す。
【0417】まず、記録媒体のSiO2 /Si結晶層/
SiO2 /Si基体に5Vのパルス電圧をヘッドすなわ
ち針状電極21から印加して、電子を主としてSiナノ
結晶層に存在する局所的なトラップに注入する。
SiO2 /Si基体に5Vのパルス電圧をヘッドすなわ
ち針状電極21から印加して、電子を主としてSiナノ
結晶層に存在する局所的なトラップに注入する。
【0418】次に、図3のSMM再生装置を用いて、記
録媒体の局所的な注入電荷量の差を静電容量表面電位V
sの分布として検出SMMによって3μm×3μmのエ
リアを評価した結果、表面形状は、パルス電圧を印加す
る前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加すること
によって記録媒体の表面が変質することなく良好に保持
されていることが分かった。
録媒体の局所的な注入電荷量の差を静電容量表面電位V
sの分布として検出SMMによって3μm×3μmのエ
リアを評価した結果、表面形状は、パルス電圧を印加す
る前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加すること
によって記録媒体の表面が変質することなく良好に保持
されていることが分かった。
【0419】SMM像では2μm×2μmの部分でキャ
リアの注入させた部分のコントラストは周辺と比較して
暗くなっており。これは5Vのパルス電圧によって電子
がSi基体側よりトラップに局所的に注入され、負の電
荷量が周囲と比較して増加していることを示している。
リアの注入させた部分のコントラストは周辺と比較して
暗くなっており。これは5Vのパルス電圧によって電子
がSi基体側よりトラップに局所的に注入され、負の電
荷量が周囲と比較して増加していることを示している。
【0420】以上より微細な記録ビットSMM再生法に
よって検出可能であることが分かった。注入電荷量の差
は電位差では約40mVであり、SMM電位分解能が1
mVであることから、例えばデジタル信号"0"およ
び、"1"のデータの識別を充分行うことができる値であ
ることが分かった。
よって検出可能であることが分かった。注入電荷量の差
は電位差では約40mVであり、SMM電位分解能が1
mVであることから、例えばデジタル信号"0"およ
び、"1"のデータの識別を充分行うことができる値であ
ることが分かった。
【0421】また、−5Vのパルス電圧を記録メディア
にかけた場合、すなわち、上述のキャリアの注入、すな
わち記録は反対の極性の電圧を印加した場合、SMMの
電位分布で観察される画像のコントラストも逆転してい
ることが分かった。すなわち、記録媒体のトラップに注
入されるキャリアの量が反対になっていることが分か
る。
にかけた場合、すなわち、上述のキャリアの注入、すな
わち記録は反対の極性の電圧を印加した場合、SMMの
電位分布で観察される画像のコントラストも逆転してい
ることが分かった。すなわち、記録媒体のトラップに注
入されるキャリアの量が反対になっていることが分か
る。
【0422】このことから、本実施例の記録媒体の局所
的な電荷の注入量がカンチレバー記録ヘッドよりのバイ
アス電圧印加により制御できることが示された。
的な電荷の注入量がカンチレバー記録ヘッドよりのバイ
アス電圧印加により制御できることが示された。
【0423】この最高の表面電位、中間電位と周辺の電
位、または電子の注入と放出の各々の表面電位と周辺の
電位を3種類の局所的な記録ビットをデジタルデータの
ストレージの"0"、"1"および"2"に対応させることが
できる。すなわち、コントラストの明るい部分と暗い部
分と周辺部分でデジタルデータの"0"、"1"および"2"
に対応させることにより3値情報を同一の記録ビットに
記録する高密度多値記録ができることが分かった。
位、または電子の注入と放出の各々の表面電位と周辺の
電位を3種類の局所的な記録ビットをデジタルデータの
ストレージの"0"、"1"および"2"に対応させることが
できる。すなわち、コントラストの明るい部分と暗い部
分と周辺部分でデジタルデータの"0"、"1"および"2"
に対応させることにより3値情報を同一の記録ビットに
記録する高密度多値記録ができることが分かった。
【0424】また、種々の実験の結果、最小記録領域の
直径を100nm以下にすることが可能であることが分
かった。また、キャリア注入のスイッチング時間も1μ
sより小さいことが分かった。
直径を100nm以下にすることが可能であることが分
かった。また、キャリア注入のスイッチング時間も1μ
sより小さいことが分かった。
【0425】また、図4に示したヘテロダイン検出SM
M法を用いることにより、10MHz以上の高周波数領
域での記録ビット信号の検出再生を行うことができた。
M法を用いることにより、10MHz以上の高周波数領
域での記録ビット信号の検出再生を行うことができた。
【0426】そして、局所的にキャリアを注入した領域
は、充分安定に保持されることが分かった。上述したよ
うに、本実施例では高密度記録再生装置として充分な機
能を持っていることが分かった。
は、充分安定に保持されることが分かった。上述したよ
うに、本実施例では高密度記録再生装置として充分な機
能を持っていることが分かった。
【0427】〔実施例19〕この実施例では、記録媒体
がいわゆるディスク形状をなしている場合で、これを回
転させて並列度10の記録再生マルチヘッドを用いた3
値情報の記録再生を行った。ヘッドは、実施例15で確
認した2種類の記録および再生用ヘッドを用いた。ま
た、記録媒体の構造は、実施例11と同様の記録媒体を
用いた。
がいわゆるディスク形状をなしている場合で、これを回
転させて並列度10の記録再生マルチヘッドを用いた3
値情報の記録再生を行った。ヘッドは、実施例15で確
認した2種類の記録および再生用ヘッドを用いた。ま
た、記録媒体の構造は、実施例11と同様の記録媒体を
用いた。
【0428】この場合の3値情報の記録再生特性は、実
施例11と同様に確認することができた。また、記録媒
体と非接触状態で情報の再生を行っているため、記録媒
体が高速回転している場合でも、ヘッドと記録媒体間の
摩擦磨耗による影響を最小限に抑止することができた。
また、ヘテロダイン検出方式のSMMを用いることによ
り、記録ビットの高周波数領域での再生ができた。
施例11と同様に確認することができた。また、記録媒
体と非接触状態で情報の再生を行っているため、記録媒
体が高速回転している場合でも、ヘッドと記録媒体間の
摩擦磨耗による影響を最小限に抑止することができた。
また、ヘテロダイン検出方式のSMMを用いることによ
り、記録ビットの高周波数領域での再生ができた。
【0429】また、種々の実験の結果、この場合におい
ても最小記録ビット直径を100nm以下にすることが
可能であることが分かった。記録の消去時間は1μsよ
り小さくすることができた。また、局所的に電荷が注入
された領域は充分安定に保持された。
ても最小記録ビット直径を100nm以下にすることが
可能であることが分かった。記録の消去時間は1μsよ
り小さくすることができた。また、局所的に電荷が注入
された領域は充分安定に保持された。
【0430】以上より、本実施例で並列度10の記録/
再生マルチヘッドを用いた高密度記録再生装置として充
分な機能を持っていることが確認された。この実施例に
おいても、図7(a)で示した構成による記録媒体を用
いたが、他の構成、例えば図19、図13に示した構成
による電荷蓄積層を有する記録媒体を用いた場合であっ
ても本発明の本質が変わらないことが言うまでもない。
再生マルチヘッドを用いた高密度記録再生装置として充
分な機能を持っていることが確認された。この実施例に
おいても、図7(a)で示した構成による記録媒体を用
いたが、他の構成、例えば図19、図13に示した構成
による電荷蓄積層を有する記録媒体を用いた場合であっ
ても本発明の本質が変わらないことが言うまでもない。
【0431】さらに、本実施例では並列度10の記録/
再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生装置につ
いて示したが、本発明を並列度が10以上の記録/再生
マルチヘッドを用いた3値の記録装置または再生装置と
して適用することが可能であることは言うまでもない。
再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生装置につ
いて示したが、本発明を並列度が10以上の記録/再生
マルチヘッドを用いた3値の記録装置または再生装置と
して適用することが可能であることは言うまでもない。
【0432】〔実施例20〕この実施例においては、実
施例11と同様の構成による記録媒体を用い、実施例1
1と同様の記録マルチヘッド記録装置によって3値記録
を行った場合である。しかしながら、この実施例20に
おいては、その記録情報の再生を、図5で説明したKF
Mで検出再生した場合である。
施例11と同様の構成による記録媒体を用い、実施例1
1と同様の記録マルチヘッド記録装置によって3値記録
を行った場合である。しかしながら、この実施例20に
おいては、その記録情報の再生を、図5で説明したKF
Mで検出再生した場合である。
【0433】この実施例における記録消去再生特性を説
明する。
明する。
【0434】まず、記録媒体10に、−9Vまたは+9
Vのパルス電圧を、針状電極を含むヘッドHRの針状電
極21から、これに近接した場所に印加して、電子を界
面付近のトラップに局所的に注入または放出する。
Vのパルス電圧を、針状電極を含むヘッドHRの針状電
極21から、これに近接した場所に印加して、電子を界
面付近のトラップに局所的に注入または放出する。
【0435】9V、4msのパルス電圧を印加した場合
の記録ビットパターンを、KMFで検出再生した場合の
表面電位像を示した。図14〜図16で示したSMM再
生法の場合と同様に、周囲と比較して表面電位が増大し
ている部分を情報"2"と、周囲と同一の表面電位の部分
を情報の"1"に対応させることができることが分かっ
た。また、−9V、4msのパルス電圧を印加すること
により、周囲と比較して表面電位が減少している部分が
生じ、この表面電位が情報"0"に対応させることができ
る。このことより、3値情報の記録、再生ができること
が分かった。
の記録ビットパターンを、KMFで検出再生した場合の
表面電位像を示した。図14〜図16で示したSMM再
生法の場合と同様に、周囲と比較して表面電位が増大し
ている部分を情報"2"と、周囲と同一の表面電位の部分
を情報の"1"に対応させることができることが分かっ
た。また、−9V、4msのパルス電圧を印加すること
により、周囲と比較して表面電位が減少している部分が
生じ、この表面電位が情報"0"に対応させることができ
る。このことより、3値情報の記録、再生ができること
が分かった。
【0436】次に、KFM再生装置を用いて、上述の記
録媒体に対する記録、すなわち局所的な注入電荷量の差
を静電容量表面電位Vsの分布として検出した。この場
合、共振周波数5MHzのカンチレバーを用い、5MH
zの高周波数領域で静電容量表面電位分布を評価した。
録媒体に対する記録、すなわち局所的な注入電荷量の差
を静電容量表面電位Vsの分布として検出した。この場
合、共振周波数5MHzのカンチレバーを用い、5MH
zの高周波数領域で静電容量表面電位分布を評価した。
【0437】その結果、表面形状は、パルス電圧を印加
する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加するこ
とによって記録媒体の表面が変質することなく良好に保
持されていることが分かった。
する前後で変化は観察されず、パルス電圧を印加するこ
とによって記録媒体の表面が変質することなく良好に保
持されていることが分かった。
【0438】KFM像において電子が注入または放出さ
れた部分にコントラストが生じ、記録ビットが再生され
たことを確認した。その表面電位は周辺と比較して増大
または減少していることが分かり、パルス電圧の極性に
よって記録ビットの極性が対応することが分かった。こ
の2種類の極性の表面電位と3値の情報の記録再生が可
能なことが分かった。
れた部分にコントラストが生じ、記録ビットが再生され
たことを確認した。その表面電位は周辺と比較して増大
または減少していることが分かり、パルス電圧の極性に
よって記録ビットの極性が対応することが分かった。こ
の2種類の極性の表面電位と3値の情報の記録再生が可
能なことが分かった。
【0439】また、共振周波数を5MHzカンチレバー
の再生ヘッドを用いたKFM再生法を用いることによ
り、5MHzでの高周波数領域でも5−10kHzと同
様な表面電位分布が得られていることが分かった。ま
た、共振周波数が10MHz以上で充分バネ定数の小さ
いカンチレバーを作製することは可能であり、その結果
として10MHz以上の高周波数領域においても記録ビ
ットの検出再生ができることを示すものである。
の再生ヘッドを用いたKFM再生法を用いることによ
り、5MHzでの高周波数領域でも5−10kHzと同
様な表面電位分布が得られていることが分かった。ま
た、共振周波数が10MHz以上で充分バネ定数の小さ
いカンチレバーを作製することは可能であり、その結果
として10MHz以上の高周波数領域においても記録ビ
ットの検出再生ができることを示すものである。
【0440】キャリアの注入電荷量の差は電位差で約7
0mVであり、KFM電位分解能が3mVであることか
ら、例えばデジタル信号"0"、"1"および"2"のデータ
の識別を充分行うことができる値であることが分かっ
た。
0mVであり、KFM電位分解能が3mVであることか
ら、例えばデジタル信号"0"、"1"および"2"のデータ
の識別を充分行うことができる値であることが分かっ
た。
【0441】このことから、この実施例の記録媒体の局
所的な電荷注入量がカンチレバー記録ヘッドよりのバイ
アス電圧印加により制御できることが示された。
所的な電荷注入量がカンチレバー記録ヘッドよりのバイ
アス電圧印加により制御できることが示された。
【0442】この2種類の局所的な電荷に起因した表面
電位の値をデジタルデータのストレージの"0"、"1"
と"2"に対応させることができることが分かった。
電位の値をデジタルデータのストレージの"0"、"1"
と"2"に対応させることができることが分かった。
【0443】種々の実験の結果、最小記録の直径を10
0nm以下にすることができることが分かった。また、
キャリア注入の記録、消去時間も1μsより小さくする
ことができることが分かった。
0nm以下にすることができることが分かった。また、
キャリア注入の記録、消去時間も1μsより小さくする
ことができることが分かった。
【0444】そして、局所的にキャリアを注入した領域
は、充分安定に保持されることが分かった。
は、充分安定に保持されることが分かった。
【0445】上述したように、この実施例では並列度1
0の記録/再生マルチヘッドを用いた3値記録の高密度
記録再生装置として充分な機能を持っていることが分か
った。
0の記録/再生マルチヘッドを用いた3値記録の高密度
記録再生装置として充分な機能を持っていることが分か
った。
【0446】本実施例では並列度10の記録/再生記録
マルチヘッドを用いた3値情報の記録、再生装置につい
て示したが、本発明を3値情報の記録装置または再生装
置に適用することは可能である。また、並列度を10以
上に大きくした場合の多値記録再生3値記録再生装置と
しても適用可能である。
マルチヘッドを用いた3値情報の記録、再生装置につい
て示したが、本発明を3値情報の記録装置または再生装
置に適用することは可能である。また、並列度を10以
上に大きくした場合の多値記録再生3値記録再生装置と
しても適用可能である。
【0447】〔実施例21〕本実施例では、実施例13
と同様の記録/再生マルチヘッドを用いた記録ヘッド、
記録媒体を用いて、5値情報の記録再生消去の検討結果
を示した。図18に記録ビット最大表面電位のパルス電
圧依存性を示した。この図より表面電位はパルス電圧が
増大するにつれて単調に増大していることが分かる。ま
た、上記傾向はパルス電圧の極性が反対の場合に依存せ
ず、パルス電圧の極性が反対の場合も図18と同様な傾
向を示すことがわかった。そこで、情報を以下に示す表
面電位に分割して5値の記録再生を行った。
と同様の記録/再生マルチヘッドを用いた記録ヘッド、
記録媒体を用いて、5値情報の記録再生消去の検討結果
を示した。図18に記録ビット最大表面電位のパルス電
圧依存性を示した。この図より表面電位はパルス電圧が
増大するにつれて単調に増大していることが分かる。ま
た、上記傾向はパルス電圧の極性が反対の場合に依存せ
ず、パルス電圧の極性が反対の場合も図18と同様な傾
向を示すことがわかった。そこで、情報を以下に示す表
面電位に分割して5値の記録再生を行った。
【0448】情報"0"として表面電位 −40mV以下 情報"1"として表面電位 −35mV〜−15mV 情報"2"として表面電位 −10mV〜+10mV 情報"3"として表面電位 +15mV〜+35mV 情報"4"として表面電位 +40mV以上 データの書き込みはプラスマイナス10Vまたはプラス
マイナス6Vの電圧パルスの印加で行い、多値記録が可
能な表面電位の値を制御した。
マイナス6Vの電圧パルスの印加で行い、多値記録が可
能な表面電位の値を制御した。
【0449】再生はKFMの表面電位分布の表面電位差
として、局所的な電荷トラップ領域に記録させた情報を
読み出した。
として、局所的な電荷トラップ領域に記録させた情報を
読み出した。
【0450】SiO2 /SiN界面付近のトラップに存
在する電荷の状態を表面電位としてパルス印加電圧によ
り制御し、デジタルデータの"0"、"1"、"2"、"3"お
よび"4"に対応する表面電位が得られることが分かっ
た。ビット情報間の電位差は、KFMの検出感度3Vに
対して充分とれることが分かった。
在する電荷の状態を表面電位としてパルス印加電圧によ
り制御し、デジタルデータの"0"、"1"、"2"、"3"お
よび"4"に対応する表面電位が得られることが分かっ
た。ビット情報間の電位差は、KFMの検出感度3Vに
対して充分とれることが分かった。
【0451】以上より、表面電位の極性と大きさをパル
ス電圧の極性と電圧の大きさで制御して、5値の情報の
記録再生消去を実現した。
ス電圧の極性と電圧の大きさで制御して、5値の情報の
記録再生消去を実現した。
【0452】また、先端直径の鋭い針状電極を含むヘッ
ドを用いることにより、記録ビットの直径も100nm
以下になることが分かった。
ドを用いることにより、記録ビットの直径も100nm
以下になることが分かった。
【0453】また、局所的に電荷が注入または放出され
た記録ビット領域は充分安定に保持されることが分かっ
た。
た記録ビット領域は充分安定に保持されることが分かっ
た。
【0454】以上より、この実施例において並列度10
の記録/再生ヘッドを用いた5値記録の高密度記録再生
装置として充分な機能を持っていることが分かった。
の記録/再生ヘッドを用いた5値記録の高密度記録再生
装置として充分な機能を持っていることが分かった。
【0455】本実施例では並列度10の記録/再生マル
チヘッドを用いた5値情報の記録、再生について示した
が、本発明が5値情報の記録装置または再生装置として
も適用可能なことは言うまでもない。また、並列度を1
0以上にした多重記録/再生装置としても適用可能であ
る。
チヘッドを用いた5値情報の記録、再生について示した
が、本発明が5値情報の記録装置または再生装置として
も適用可能なことは言うまでもない。また、並列度を1
0以上にした多重記録/再生装置としても適用可能であ
る。
【0456】〔実施例22〕この実施例における記録お
よび記録媒体は、実施例16と同様の記録方法および記
録媒体を用いて行った。すなわち、この実施例において
も、図19で説明した記録媒体10Bを用い、そのキャ
リアトラップへの針状電極を含む記録再生マルチ記録ヘ
ッドから電子の注入によって3値記録を行った場合であ
る。
よび記録媒体は、実施例16と同様の記録方法および記
録媒体を用いて行った。すなわち、この実施例において
も、図19で説明した記録媒体10Bを用い、そのキャ
リアトラップへの針状電極を含む記録再生マルチ記録ヘ
ッドから電子の注入によって3値記録を行った場合であ
る。
【0457】この実施例においても、ヘテロ界面の数が
1.5倍になっているため、その結果として、界面に存
在し得るキャリアトラップの濃度も大となる。
1.5倍になっているため、その結果として、界面に存
在し得るキャリアトラップの濃度も大となる。
【0458】そして、この実施例においては、図5で説
明した通常のKFM再生装置を用いて記録媒体の電荷蓄
積層における局所的な注入または放出電荷量の差を表面
電位Vsの分布として検出する。
明した通常のKFM再生装置を用いて記録媒体の電荷蓄
積層における局所的な注入または放出電荷量の差を表面
電位Vsの分布として検出する。
【0459】この実施例における記録消去再生特性を示
す。
す。
【0460】まず、記録媒体に、−9Vまたは9Vのパ
ルス電圧を、針状電極を含むヘッドHRの針状電極21
から、これに近接した場所に印加して、局所的に電子を
界面トラップに注入または放出する。
ルス電圧を、針状電極を含むヘッドHRの針状電極21
から、これに近接した場所に印加して、局所的に電子を
界面トラップに注入または放出する。
【0461】3値情報は、以下の表面電位に分割して記
録、再生は、 情報"0"として表面電位 −70mV〜−30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 次に、通常のKFMによって3μm×3μmのエリアを
評価した結果、表面形状は、パルス電圧を印加する直後
で変化は観察されず、パルス電圧を印加することによっ
て記録媒体の表面が変質することなく良好に保持されて
いることが分かった。
録、再生は、 情報"0"として表面電位 −70mV〜−30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 次に、通常のKFMによって3μm×3μmのエリアを
評価した結果、表面形状は、パルス電圧を印加する直後
で変化は観察されず、パルス電圧を印加することによっ
て記録媒体の表面が変質することなく良好に保持されて
いることが分かった。
【0462】KFM像では3μm×3μmの部分でキャ
リアの注入または放出させたた部分の表面電位のコント
ラストは周辺と比較して低下した。これは−9Vまたは
9Vのパルス電圧印加によって電子が導電性カンチレバ
ーよりヘテロ界面付近のトラップに局所的に注入または
放出され、その結果として表面電位の値が周囲と比較し
て増加または減少していること、すなわち、記録ビット
が形成されていることを示した。
リアの注入または放出させたた部分の表面電位のコント
ラストは周辺と比較して低下した。これは−9Vまたは
9Vのパルス電圧印加によって電子が導電性カンチレバ
ーよりヘテロ界面付近のトラップに局所的に注入または
放出され、その結果として表面電位の値が周囲と比較し
て増加または減少していること、すなわち、記録ビット
が形成されていることを示した。
【0463】また、KFMのスキャンエリアをさらに小
さくして、例えば1.5μm×1.5μmとして、同様
な実験を試みた場合も、電子のキャリア注入または放出
により電荷量が増大または減少している記録ビットが検
出された。
さくして、例えば1.5μm×1.5μmとして、同様
な実験を試みた場合も、電子のキャリア注入または放出
により電荷量が増大または減少している記録ビットが検
出された。
【0464】以上より微細な記録ビットをKFM再生法
によって検出可能であることが分かった。KFMの電位
分解能が3mVであることから、例えばデジタル信号"
0"、"1"および"2"のデータの識別を充分行うことが
できる値であることが分かった。
によって検出可能であることが分かった。KFMの電位
分解能が3mVであることから、例えばデジタル信号"
0"、"1"および"2"のデータの識別を充分行うことが
できる値であることが分かった。
【0465】このことから、この実施例の記録媒体の局
所的な電荷の注入または放出量がマルチヘッドよりのバ
イアス電圧印加により制御できることがことが示され
た。
所的な電荷の注入または放出量がマルチヘッドよりのバ
イアス電圧印加により制御できることがことが示され
た。
【0466】この2種類の局所的な電荷の有無をデジタ
ルデータのストレージの"0"、"1"と"2"に対応させる
ことができる。すなわち、周辺部と比較して表面電位の
低い部分と高い部分と周辺の部分でデジタルデータの"
0"、"1"と"2"に対応させることにより3値情報の高
密度記録ができることが分かった。
ルデータのストレージの"0"、"1"と"2"に対応させる
ことができる。すなわち、周辺部と比較して表面電位の
低い部分と高い部分と周辺の部分でデジタルデータの"
0"、"1"と"2"に対応させることにより3値情報の高
密度記録ができることが分かった。
【0467】種々の実験の結果、最小記録領域の直径を
100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。また、キャリア注入の記録、消去時間も1μsより
小さいことが分かった。
100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。また、キャリア注入の記録、消去時間も1μsより
小さいことが分かった。
【0468】そして、局所的にキャリアを注入した領域
は、充分安定に保持されることが分かった。上述したよ
うに、この実施例12では高密度記録再生装置として充
分な機能を持っていることが分かった。
は、充分安定に保持されることが分かった。上述したよ
うに、この実施例12では高密度記録再生装置として充
分な機能を持っていることが分かった。
【0469】尚、この実施例では、SiN/SiO2 ヘ
テロ界面が3種類形成されている場合について示した
が、ヘテロ界面が1種類の場合、すなわち、SiN/S
iO2/Si構成による記録媒体の場合も、3値記録の
記録、再生、消去ができることを確認した。
テロ界面が3種類形成されている場合について示した
が、ヘテロ界面が1種類の場合、すなわち、SiN/S
iO2/Si構成による記録媒体の場合も、3値記録の
記録、再生、消去ができることを確認した。
【0470】さらに、本実施例では並列度10の記録/
再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生装置につ
いて示したが、本発明を3値情報の記録装置または再生
装置として適用することが可能であることは言うまでも
ない。
再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生装置につ
いて示したが、本発明を3値情報の記録装置または再生
装置として適用することが可能であることは言うまでも
ない。
【0471】〔実施例23〕この実施例では、実施例1
7におけると同様に、蓄積キャリアをSi基体側から電
荷蓄積記録のキャリアトラップに注入する方式での3値
情報の記録再生を行った場合である。
7におけると同様に、蓄積キャリアをSi基体側から電
荷蓄積記録のキャリアトラップに注入する方式での3値
情報の記録再生を行った場合である。
【0472】この実施例で用いた記録媒体は、実施例1
1におけると同様に、図7(a)に示すように、SiO
2 膜14(3nm)、SiN膜15(10nm)および
SiO2 膜16の構成によるものの、この実施例で用い
た記録媒体においては、そのSiO2 膜16を熱CVD
法によって形成し、その膜厚を5nmとした。そして、
その記録、消去、および再生方法は、実施例17と同様
の方法によった。
1におけると同様に、図7(a)に示すように、SiO
2 膜14(3nm)、SiN膜15(10nm)および
SiO2 膜16の構成によるものの、この実施例で用い
た記録媒体においては、そのSiO2 膜16を熱CVD
法によって形成し、その膜厚を5nmとした。そして、
その記録、消去、および再生方法は、実施例17と同様
の方法によった。
【0473】この場合の3値記録での表面電位分布の分
割は次の通りである。
割は次の通りである。
【0474】情報"0"として表面電位 −70mV〜−
30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 実施例11および17と同様に、記録マルチヘッドにパ
ルス電圧を印加することにより、Si基体側から電荷蓄
積記録の電子を注入、放出することができ、その結果と
して、3値記録での記録ビットの記録再生消去が可能で
あることが分かった。
30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 実施例11および17と同様に、記録マルチヘッドにパ
ルス電圧を印加することにより、Si基体側から電荷蓄
積記録の電子を注入、放出することができ、その結果と
して、3値記録での記録ビットの記録再生消去が可能で
あることが分かった。
【0475】この実施例における記録再生特性は、実施
例11および17と同等の特性が得られた。また、この
実施例では、再生に共振周波数5MHzのカンチレバー
を用いたKFM再生装置を用いたことにより、記録ビッ
ト5MHzまでの高周波領域での高速な再生が可能にな
った。
例11および17と同等の特性が得られた。また、この
実施例では、再生に共振周波数5MHzのカンチレバー
を用いたKFM再生装置を用いたことにより、記録ビッ
ト5MHzまでの高周波領域での高速な再生が可能にな
った。
【0476】さらに、本実施例では並列度10の記録/
再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生装置につ
いて示したが、本発明を3値情報の記録再生装置または
再生装置として適用することも可能であることは言うま
でもない。
再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生装置につ
いて示したが、本発明を3値情報の記録再生装置または
再生装置として適用することも可能であることは言うま
でもない。
【0477】また、並列度を10以上とした多重記録/
再生マルチヘッドを用いた多重記録/再生3値記録再生
装置に適用可能である。
再生マルチヘッドを用いた多重記録/再生3値記録再生
装置に適用可能である。
【0478】〔実施例24〕この実施例では、蓄積キャ
リアをSi基体側から電荷蓄積層のキャリアトラップに
注入する方法をとった場合で、その3値情報の記録再生
の結果を示す。この実施例では並列度10の記録マルチ
ヘッドを用いた3値情報の再生にSCMを用いた静電容
量の変化量を記録に対して接触した状態で検出再生して
いる。
リアをSi基体側から電荷蓄積層のキャリアトラップに
注入する方法をとった場合で、その3値情報の記録再生
の結果を示す。この実施例では並列度10の記録マルチ
ヘッドを用いた3値情報の再生にSCMを用いた静電容
量の変化量を記録に対して接触した状態で検出再生して
いる。
【0479】この実施例で用いた記録媒体は、図7
(a)に示すように、SiO2 膜14(3nm)、Si
N膜15(10nm)およびSiO2 膜16の構成によ
るものの、この実施例で用いた記録媒体においては、そ
のSiO2 膜16を熱CVD法によって形成し、その膜
厚を5nmとした。
(a)に示すように、SiO2 膜14(3nm)、Si
N膜15(10nm)およびSiO2 膜16の構成によ
るものの、この実施例で用いた記録媒体においては、そ
のSiO2 膜16を熱CVD法によって形成し、その膜
厚を5nmとした。
【0480】3値記録での静電容量の分布を表面電位分
布で表し電位分布の分割は以下に示す通りである。
布で表し電位分布の分割は以下に示す通りである。
【0481】情報"0"として表面電位 −70mV〜−
30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 記録ヘッドにパルス電圧を印加することにより、Si基
体側から電荷蓄積記録の電子を注入、放出することがで
き、その結果として、3値記録での記録ビットの記録再
生消去が可能であることが分かった。
30mV 情報"1"として表面電位 −15mV〜+15mV 情報"2"として表面電位 +30mV〜+70mV 記録ヘッドにパルス電圧を印加することにより、Si基
体側から電荷蓄積記録の電子を注入、放出することがで
き、その結果として、3値記録での記録ビットの記録再
生消去が可能であることが分かった。
【0482】記録ビットの記録再生特性についてはこの
実施例も実施例7と同等の特性が得られた。記録再生ヘ
ッドとして用いたカンチレバーはヘッドと記録媒体との
間の浮遊容量を低減するような設計がなされている。
実施例も実施例7と同等の特性が得られた。記録再生ヘ
ッドとして用いたカンチレバーはヘッドと記録媒体との
間の浮遊容量を低減するような設計がなされている。
【0483】また、この実施例では、再生にSCM再生
技術を用いているため、記録ビット10MHz以上の高
周波領域での高速な再生が可能になった。
技術を用いているため、記録ビット10MHz以上の高
周波領域での高速な再生が可能になった。
【0484】また、本実施例では並列度10の記録マル
チヘッドを用いた3値情報の記録再生装置について示し
たが、本発明は記録マルチヘッドを用いた3値情報の記
録装置または再生装置として適用可能なことは言うまで
もない。
チヘッドを用いた3値情報の記録再生装置について示し
たが、本発明は記録マルチヘッドを用いた3値情報の記
録装置または再生装置として適用可能なことは言うまで
もない。
【0485】〔実施例25〕この実施例における記録媒
体は、記録ヘッドと記録媒体に電圧パルスを印加するこ
とにより、電子を記録媒体の電荷蓄積層のトラップへ局
所的に注入または放出することによる並列度10の記録
/再生マルチヘッドを用いた3値記録態様をとった場合
である。
体は、記録ヘッドと記録媒体に電圧パルスを印加するこ
とにより、電子を記録媒体の電荷蓄積層のトラップへ局
所的に注入または放出することによる並列度10の記録
/再生マルチヘッドを用いた3値記録態様をとった場合
である。
【0486】この場合の記録媒体は、図13に示した。
【0487】この電荷蓄積層を有する記録媒体に対する
記録は、記録マルチヘッドの中の任意の単一ヘッドHR
によって行う。すなわち、記録媒体を、移動載置台30
上に配置し、記録媒体の表面SiO2 層86に、針状電
極21を、いわば微小面接触させて、載置台30を移動
させて記録媒体上に針状電極21を走査しつつ記録情報
に基づいてパルス電圧を印加して、導電性カンチレバー
よりSiナノ結晶層付近に存在するキャリアトラップに
電子を局所的に注入して情報の記録を行う。すなわち、
キャリアトラップに局所的に注入したキャリア(電子)
有無の記録情報に応じた電位パターンを形成する。
記録は、記録マルチヘッドの中の任意の単一ヘッドHR
によって行う。すなわち、記録媒体を、移動載置台30
上に配置し、記録媒体の表面SiO2 層86に、針状電
極21を、いわば微小面接触させて、載置台30を移動
させて記録媒体上に針状電極21を走査しつつ記録情報
に基づいてパルス電圧を印加して、導電性カンチレバー
よりSiナノ結晶層付近に存在するキャリアトラップに
電子を局所的に注入して情報の記録を行う。すなわち、
キャリアトラップに局所的に注入したキャリア(電子)
有無の記録情報に応じた電位パターンを形成する。
【0488】この記録媒体からの記録情報の読み出しす
なわち再生は、本実施例では主としてSiナノ結晶のキ
ャリアトラップにSi基体より電子を局所的に注入する
ことによって局所的に電荷量の差を生じさせ、電荷量の
差の検出を表面電位Vsの分布の検出によって行う。
なわち再生は、本実施例では主としてSiナノ結晶のキ
ャリアトラップにSi基体より電子を局所的に注入する
ことによって局所的に電荷量の差を生じさせ、電荷量の
差の検出を表面電位Vsの分布の検出によって行う。
【0489】次に、この実施例25における記録消去再
生特性を示す。
生特性を示す。
【0490】まず、記録媒体のSiO2 /Siナノ結晶
層/SiO2 /Siナノ結晶層/SiO2 膜/Si基体
(以下材料2という)に5Vのパルス電圧を針状電極2
1から印加して、局所的に電子を界面トラップに注入す
る。次に、図5のKFM再生装置を用いて、記録媒体の
局所的な注入電荷量の差を表面電位Vsの分布として検
出する。KFMによって3μm×3μmのエリアを評価
した結果、表面形状は、パルス電圧を印加する前後で変
化は観察されず、パルス電圧を印加することによって記
録媒体の表面が変質することなく良好に保持されている
ことが分かった。
層/SiO2 /Siナノ結晶層/SiO2 膜/Si基体
(以下材料2という)に5Vのパルス電圧を針状電極2
1から印加して、局所的に電子を界面トラップに注入す
る。次に、図5のKFM再生装置を用いて、記録媒体の
局所的な注入電荷量の差を表面電位Vsの分布として検
出する。KFMによって3μm×3μmのエリアを評価
した結果、表面形状は、パルス電圧を印加する前後で変
化は観察されず、パルス電圧を印加することによって記
録媒体の表面が変質することなく良好に保持されている
ことが分かった。
【0491】KFM像では3μm×3μmの部分でキャ
リアの注入させた部分の表面電位は周辺部と比較して低
くなっており、電子注入により記録ビットが形成される
ことが分かった。
リアの注入させた部分の表面電位は周辺部と比較して低
くなっており、電子注入により記録ビットが形成される
ことが分かった。
【0492】また、KFMのスキャンエリアをさらに小
さくして、例えば1.5μm×1.5μmとして、同様
のキャリア注入を試みた場合も、キャリア(電子)の注
入により表面電位が周辺と比較して減少している記録ビ
ットが検出再生された。
さくして、例えば1.5μm×1.5μmとして、同様
のキャリア注入を試みた場合も、キャリア(電子)の注
入により表面電位が周辺と比較して減少している記録ビ
ットが検出再生された。
【0493】以上より微細な記録ビットをKFMによっ
て検出可能であることが分かった。
て検出可能であることが分かった。
【0494】注入電荷量の周辺電位との差は電位差では
約40mVであり、KFM電位分解能が3mVであるこ
とから、中間電位と周辺電位を考慮すると、例えばデジ
タル信号"0"、"1"および"2"のデータの識別を充分行
うことができる値であることが分かった。
約40mVであり、KFM電位分解能が3mVであるこ
とから、中間電位と周辺電位を考慮すると、例えばデジ
タル信号"0"、"1"および"2"のデータの識別を充分行
うことができる値であることが分かった。
【0495】また、−5Vのパルス電圧を記録媒体にか
けた場合、すなわち、上述のキャリアの注入(記録)と
は反対の極性の電圧を印加した場合、KFMの電位分布
で観察される画像のコントラストも逆転していることが
分かった。すなわち、記録媒体のトラップに注入される
キャリアの量が反対になっていることが分かる。
けた場合、すなわち、上述のキャリアの注入(記録)と
は反対の極性の電圧を印加した場合、KFMの電位分布
で観察される画像のコントラストも逆転していることが
分かった。すなわち、記録媒体のトラップに注入される
キャリアの量が反対になっていることが分かる。
【0496】このことから、本実施例の記録媒体の局所
的な電荷の注入量が記録再生マルチヘッドの中の任意の
記録ヘッドよりのバイアス電圧印加により制御可能なこ
とが示された。
的な電荷の注入量が記録再生マルチヘッドの中の任意の
記録ヘッドよりのバイアス電圧印加により制御可能なこ
とが示された。
【0497】この最高の表面電位、中間電位と周辺の電
位、または電子の注入と放出に対応する各々の電位と周
辺電位を3種類の表面電位を有する局所的な記録ビット
をデジタルデータのストレージの"0"、"1"とおよび"
2"に対応させることができる。すなわち、コントラス
トの明るい部分と暗い部分と周辺部分でデジタルデータ
の"0"、"1"および"2"に対応させることにより3値情
報を同一の記録ビットに記録する高密度多値記録が可能
であることが分かった。
位、または電子の注入と放出に対応する各々の電位と周
辺電位を3種類の表面電位を有する局所的な記録ビット
をデジタルデータのストレージの"0"、"1"とおよび"
2"に対応させることができる。すなわち、コントラス
トの明るい部分と暗い部分と周辺部分でデジタルデータ
の"0"、"1"および"2"に対応させることにより3値情
報を同一の記録ビットに記録する高密度多値記録が可能
であることが分かった。
【0498】種々の実験の結果、最小記録領域の直径を
100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。また、キャリア注入のスイッチング時間も1μsよ
り小さいことが分かった。
100nm以下にすることが可能であることが分かっ
た。また、キャリア注入のスイッチング時間も1μsよ
り小さいことが分かった。
【0499】また、記録ヘッドの共振周波数が充分大き
く(10MHzオーダ)、バネ定数が充分小さく(約1
N/m)することにより、記録ビットの5MHz帯での
高速な再生が可能になった。
く(10MHzオーダ)、バネ定数が充分小さく(約1
N/m)することにより、記録ビットの5MHz帯での
高速な再生が可能になった。
【0500】そして、局所的にキャリアを注入した領域
は、充分安定に保持されることが分かった。上述したよ
うに、この実施例25では高密度記録再生装置として充
分な機能を持っていることが分かっった。
は、充分安定に保持されることが分かった。上述したよ
うに、この実施例25では高密度記録再生装置として充
分な機能を持っていることが分かっった。
【0501】本実施例では記録媒体の電荷蓄積層が、ナ
ノ結晶層である場合に対して説明を行ったが、他の電荷
蓄積層による記録媒体に適用しても本発明の本質が変わ
らないことは言うまでもない。
ノ結晶層である場合に対して説明を行ったが、他の電荷
蓄積層による記録媒体に適用しても本発明の本質が変わ
らないことは言うまでもない。
【0502】また、本実施例では並列度10の記録マル
チヘッドを用いた3値情報の記録、再生装置について示
したが、本発明は記録マルチヘッドを用いた3値情報の
記録装置または再生装置として適用可能なことは言うま
でもない。
チヘッドを用いた3値情報の記録、再生装置について示
したが、本発明は記録マルチヘッドを用いた3値情報の
記録装置または再生装置として適用可能なことは言うま
でもない。
【0503】〔実施例26〕この実施例では記録媒体と
して、実施例11および17と同様の記録媒体を用い、
図2および図5で説明した記録および消去ヘッドHR
と、再生ヘッドHPをそれぞれ別構成として、並列度1
0の記録再生マルチヘッドを用いた3値記録を行った。
して、実施例11および17と同様の記録媒体を用い、
図2および図5で説明した記録および消去ヘッドHR
と、再生ヘッドHPをそれぞれ別構成として、並列度1
0の記録再生マルチヘッドを用いた3値記録を行った。
【0504】すなわち、各ヘッドHRとHPのカンチレ
バーを独別に構成し、記録媒体10に対して接触状態で
用いられる記録および消去ヘッドHRの針状電極に関し
ては、その磨耗を考慮して表面に形成される導電層を比
較的厚く形成した例えばその先端の曲率半径が50〜1
00nmとするが、非接触状態で用いられる再生ヘッド
HPに関してはその磨耗を考慮する必要がないことか
ら、表面導電層は薄く形成して、その針状電極の先端の
曲率半径は記録および消去ヘッドHRのそれより小さい
30nm以下でその共振周波数を5MHzとした。
バーを独別に構成し、記録媒体10に対して接触状態で
用いられる記録および消去ヘッドHRの針状電極に関し
ては、その磨耗を考慮して表面に形成される導電層を比
較的厚く形成した例えばその先端の曲率半径が50〜1
00nmとするが、非接触状態で用いられる再生ヘッド
HPに関してはその磨耗を考慮する必要がないことか
ら、表面導電層は薄く形成して、その針状電極の先端の
曲率半径は記録および消去ヘッドHRのそれより小さい
30nm以下でその共振周波数を5MHzとした。
【0505】このように再生ヘッドの針状電極の先端の
曲率半径を小さくすることによって、再生時の記録ビッ
トの空間分解能の解像度を上げることができることか
ら、その最小記録領域の大きさを直径約60nm以下に
まで小さくすることができた。
曲率半径を小さくすることによって、再生時の記録ビッ
トの空間分解能の解像度を上げることができることか
ら、その最小記録領域の大きさを直径約60nm以下に
まで小さくすることができた。
【0506】また、局所的に電荷が注入された領域は、
充分安定に保持できた。また、共振周波数を5MHzの
再生ヘッドを用いたKFM再生を用いることにより、記
録ビットの5MHzまでの高周波数領域での再生が可能
になった。
充分安定に保持できた。また、共振周波数を5MHzの
再生ヘッドを用いたKFM再生を用いることにより、記
録ビットの5MHzまでの高周波数領域での再生が可能
になった。
【0507】上述したように、この実施例で、高密度記
録再生装置として充分な機能を持っていることが確認さ
れた。
録再生装置として充分な機能を持っていることが確認さ
れた。
【0508】また、この実施例では電荷蓄積材料による
記録媒体を用いたが、他の実施例で示した電荷蓄積材料
を記録媒体に適用した場合であっても本発明の本質が変
わらないことは言うまでもない。
記録媒体を用いたが、他の実施例で示した電荷蓄積材料
を記録媒体に適用した場合であっても本発明の本質が変
わらないことは言うまでもない。
【0509】また、本実施例では並列度10のマルチ記
録/再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生装置
について示したが、本発明は3値情報の記録装置または
再生装置としても適用可能である。
録/再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生装置
について示したが、本発明は3値情報の記録装置または
再生装置としても適用可能である。
【0510】〔実施例27〕この実施例ではディスク形
状をしている記録媒体を回転させて並列度10の記録/
再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生を行っ
た。
状をしている記録媒体を回転させて並列度10の記録/
再生マルチヘッドを用いた3値情報の記録再生を行っ
た。
【0511】記録再生マルチヘッドは実施例20で確認
した2種類の記録および再生用マルチヘッドを用いた。
また、記録媒体は実施例21で用いた記録媒体を用い
た。
した2種類の記録および再生用マルチヘッドを用いた。
また、記録媒体は実施例21で用いた記録媒体を用い
た。
【0512】この場合の3値情報の記録再生特性は、実
施例17と同様に確認することができた。また、記録媒
体と非接触状態で情報の再生を行っているため、記録媒
体が高速回転している場合でも、ヘッドと記録媒体間の
摩擦磨耗による影響を最小限に抑止することができた。
また、共振周波数が5MHzより大きいカンチレバーを
用いたKFM再生技術を用いることにより、記録ビット
の高周波領域での再生が可能になった。
施例17と同様に確認することができた。また、記録媒
体と非接触状態で情報の再生を行っているため、記録媒
体が高速回転している場合でも、ヘッドと記録媒体間の
摩擦磨耗による影響を最小限に抑止することができた。
また、共振周波数が5MHzより大きいカンチレバーを
用いたKFM再生技術を用いることにより、記録ビット
の高周波領域での再生が可能になった。
【0513】種々の実験の結果、この場合においても最
小記録ビット直径を100nm以下にすることが可能で
あることが分かった。記録消去時間は1μsより小さく
することができた。また、局所的電荷が注入された領域
は、充分安定に保持された。
小記録ビット直径を100nm以下にすることが可能で
あることが分かった。記録消去時間は1μsより小さく
することができた。また、局所的電荷が注入された領域
は、充分安定に保持された。
【0514】以上より、この実施例で高密度記録再生装
置として充分な機能を持っていることが確認された。こ
の実施例では記録媒体として電荷蓄積材料1に対して説
明を行ったが、他の電荷蓄積材料を記録媒体に適用して
も本発明の本質が変わらないことは言うまでもない。ま
た、本実施例では並列度10の記録/再生マルチヘッド
を用いた3値情報の記録再生装置について示したが、本
発明は3値情報の記録装置または再生装置としても適用
可能である。
置として充分な機能を持っていることが確認された。こ
の実施例では記録媒体として電荷蓄積材料1に対して説
明を行ったが、他の電荷蓄積材料を記録媒体に適用して
も本発明の本質が変わらないことは言うまでもない。ま
た、本実施例では並列度10の記録/再生マルチヘッド
を用いた3値情報の記録再生装置について示したが、本
発明は3値情報の記録装置または再生装置としても適用
可能である。
【0515】以上、これまでに並列度10の記録/再生
マルチヘッドを用いた、多値記録再生高密度記録再生装
置について述べてきたが、並列度は1000から100
00まですることができ、この場合でもこれまで、述べ
てきた高密度記録再生が可能であることは言うまでもな
い。
マルチヘッドを用いた、多値記録再生高密度記録再生装
置について述べてきたが、並列度は1000から100
00まですることができ、この場合でもこれまで、述べ
てきた高密度記録再生が可能であることは言うまでもな
い。
【0516】以上、種々の実施例によって、本発明の有
効性を示したが、全ての実施例において、記録再生媒体
の最上部にダイヤモンドライクカーボン等の保護層を付
加した場合、記録再生装置および記録媒体の信頼性が向
上した。
効性を示したが、全ての実施例において、記録再生媒体
の最上部にダイヤモンドライクカーボン等の保護層を付
加した場合、記録再生装置および記録媒体の信頼性が向
上した。
【0517】尚、上述した各実施例で用いた記録媒体に
おいては、基体11がSi基体、すなわち半導体基体に
よって構成され、その裏面に下部電極12がオーミック
に被着された構成とした場合であるが、例えば実施例1
3におけるように、キャリアトラップに対して、記録ヘ
ッド側からキャリア(電子)の注入を行う記録態様をと
る場合には、基体11は半導体基体である必要はなく、
表面が平滑な導電体例えば金属または導電性高分子基体
によって構成することもできる。そして、このように基
体11が高導電率を有する半導体基体あるいは金属基体
または導電性高分子基体等によって構成する場合は、下
部電極12が形成されない構成とすることができる。
おいては、基体11がSi基体、すなわち半導体基体に
よって構成され、その裏面に下部電極12がオーミック
に被着された構成とした場合であるが、例えば実施例1
3におけるように、キャリアトラップに対して、記録ヘ
ッド側からキャリア(電子)の注入を行う記録態様をと
る場合には、基体11は半導体基体である必要はなく、
表面が平滑な導電体例えば金属または導電性高分子基体
によって構成することもできる。そして、このように基
体11が高導電率を有する半導体基体あるいは金属基体
または導電性高分子基体等によって構成する場合は、下
部電極12が形成されない構成とすることができる。
【0518】上述したように本発明装置によれば、多値
記録による記録密度の向上、高周波数領域での記録再生
が図られた。この本発明による高密度記録再生装置は、
従来に比較して実効的に1桁以上大きな記録密度を実現
できるものである。
記録による記録密度の向上、高周波数領域での記録再生
が図られた。この本発明による高密度記録再生装置は、
従来に比較して実効的に1桁以上大きな記録密度を実現
できるものである。
【0519】尚、上述したように本発明装置においては
記録、再生ヘッドが針状電極を有する構成とするもので
あるが、この針状電極の機械的強度を補強するなどの目
的で針状電極の周囲に絶縁体を配するなど上述の各実施
例に限られず、種々の変更を行うことができる。
記録、再生ヘッドが針状電極を有する構成とするもので
あるが、この針状電極の機械的強度を補強するなどの目
的で針状電極の周囲に絶縁体を配するなど上述の各実施
例に限られず、種々の変更を行うことができる。
【0520】また、本発明による記録再生装置は記録/
再生マルチヘッドを用いた多値情報の記録および再生の
双方の機能を有する構成とすることもできるし、記録機
能がなく、上述の記録方法で記録されている多値情報を
再生する機能を有する構成とすることもできる。
再生マルチヘッドを用いた多値情報の記録および再生の
双方の機能を有する構成とすることもできるし、記録機
能がなく、上述の記録方法で記録されている多値情報を
再生する機能を有する構成とすることもできる。
【0521】以上、種々の実施例によって、本発明の有
効性を示したが、各実施例においては、主として10個
の記録ヘッド、または再生ヘッドを用いた多値高密度記
録についての実施例であった。しかしながら、記録また
は再生ヘッドの数を10以上の複数にした集積マルチヘ
ッド(例えば並列度10000)を用いた同時並列記
録、または並列再生、または並列記録再生を行う場合で
あっても、一つの記録ビットに3値以上の情報を記録す
る多値高密度記録に本発明を適用できることは言うまで
もない。
効性を示したが、各実施例においては、主として10個
の記録ヘッド、または再生ヘッドを用いた多値高密度記
録についての実施例であった。しかしながら、記録また
は再生ヘッドの数を10以上の複数にした集積マルチヘ
ッド(例えば並列度10000)を用いた同時並列記
録、または並列再生、または並列記録再生を行う場合で
あっても、一つの記録ビットに3値以上の情報を記録す
る多値高密度記録に本発明を適用できることは言うまで
もない。
【0522】また、多値記録においても、多重度10以
上の超多値記録への適用も可能である。
上の超多値記録への適用も可能である。
【0523】〔応用例〕上記の記録再生装置は、例えば
コンピュータシステムのデータ入出力方式において、中
央処理装置CPUの外部記憶装置として利用することが
できる。
コンピュータシステムのデータ入出力方式において、中
央処理装置CPUの外部記憶装置として利用することが
できる。
【0524】図20は、本発明の記録再生装置(以下、
SPMと略称する。)を組み込んだ基本的なデータ入出
力方式を示すもので、SPMは磁気ディスクの代わりに
外部記憶装置として用いられている。
SPMと略称する。)を組み込んだ基本的なデータ入出
力方式を示すもので、SPMは磁気ディスクの代わりに
外部記憶装置として用いられている。
【0525】このデータ入出力方式においては、中央処
理装置(CPU)91におけるアプリケーションプログ
ラム92がSPM93からデータの出力を行う場合に
は、キャッシュメモリ94に対して読み出しを行い、デ
ータがキャッシュメモリ94上にないときにSPM93
から必要なデータをキャッシュメモリ94上に読み出し
て出力する。
理装置(CPU)91におけるアプリケーションプログ
ラム92がSPM93からデータの出力を行う場合に
は、キャッシュメモリ94に対して読み出しを行い、デ
ータがキャッシュメモリ94上にないときにSPM93
から必要なデータをキャッシュメモリ94上に読み出し
て出力する。
【0526】一方、中央処理装置91におけるアプリケ
ーションプログラム92からSPM93に対してデータ
の入力を行う場合には、キャッシュメモリ94に対して
データの書き込みを行い、キャッシュメモリ94が一杯
になったときにキャッシュメモリ94上に存続できなく
なったデータをSPM93に書き込む。
ーションプログラム92からSPM93に対してデータ
の入力を行う場合には、キャッシュメモリ94に対して
データの書き込みを行い、キャッシュメモリ94が一杯
になったときにキャッシュメモリ94上に存続できなく
なったデータをSPM93に書き込む。
【0527】SPM93は並列記録が可能であるため、
キャッシュメモリ94に対して並列処理が可能であり、
例えば磁気ディスク装置に比べて高速で読み出し、書き
込みが可能である。
キャッシュメモリ94に対して並列処理が可能であり、
例えば磁気ディスク装置に比べて高速で読み出し、書き
込みが可能である。
【0528】特に、キャッシュメモリ94をバッファ
1、バッファ2、バッファ3・・・のようにSPM93
の並列度に応じて分割し、SPM93の各ヘッドからの
出力を同時に各バッファに出力、あるいは各バッファの
データをSPM93の各ヘッドで同時に記録するように
すれば、これまでの磁気ディスク装置を用いたシステム
に比べて、遥かに高速なアクセスが可能となる。
1、バッファ2、バッファ3・・・のようにSPM93
の並列度に応じて分割し、SPM93の各ヘッドからの
出力を同時に各バッファに出力、あるいは各バッファの
データをSPM93の各ヘッドで同時に記録するように
すれば、これまでの磁気ディスク装置を用いたシステム
に比べて、遥かに高速なアクセスが可能となる。
【0529】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、極め
て優れた記録密度、高速な記録、再生が実現可能であ
り、従来技術と比較して格段に優れた高密度記録再生装
置が実現される。
て優れた記録密度、高速な記録、再生が実現可能であ
り、従来技術と比較して格段に優れた高密度記録再生装
置が実現される。
【0530】したがって、高度情報化社会に必要とされ
る大容量で高速なアクセスが可能な画像情報のストレー
ジ、ハイビジョン放送などの画像の記録、及びコンピュ
一夕における大容量なデータの記録に有効な記録再生方
法、記録再生装置となるものである。
る大容量で高速なアクセスが可能な画像情報のストレー
ジ、ハイビジョン放送などの画像の記録、及びコンピュ
一夕における大容量なデータの記録に有効な記録再生方
法、記録再生装置となるものである。
【0531】また、特に、その再生においては、へッド
を非接触状態で行うことから、へッドや記録媒体の損耗
を回避することができる。
を非接触状態で行うことから、へッドや記録媒体の損耗
を回避することができる。
【図1】記録媒体の一構成例を示す概略断面図である。
【図2】記録消去機構の一例を示す模式図である。
【図3】SMM構成の再生装置の一例を示す模式図であ
る。
る。
【図4】SMM構成の再生装置の制御部の一例を示す模
式図である。
式図である。
【図5】KFM構成の再生装置の一例を示す模式図であ
る。
る。
【図6】SCM構成の再生装置の一例を示す模式図であ
る。
る。
【図7】記録媒体の他の例を示す概略断面図である。
【図8】一次元記録ビットパターンの表面電位像を示す
模式図である。
模式図である。
【図9】二次元記録ビットパターンの表面電位像を示す
模式図である。
模式図である。
【図10】強誘電体を記録層とする記録媒体の一例を示
す概略断面図である。
す概略断面図である。
【図11】強誘電体を記録層とする記録媒体の電圧分極
特性を示す特性図である。
特性を示す特性図である。
【図12】強誘電体を記録層とする記録媒体の他の例を
示す概略断面図である。
示す概略断面図である。
【図13】ナノ結晶層を有する記録媒体の一例を示す概
略断面図である。
略断面図である。
【図14】SMM再生による記録ビットパターンの表面
電位像で表面電位増大時の状態を模式的に示す図であ
る。
電位像で表面電位増大時の状態を模式的に示す図であ
る。
【図15】SMM再生による記録ビットパターンの表面
電位像で表面電位減少時の状態を模式的に示す図であ
る。
電位像で表面電位減少時の状態を模式的に示す図であ
る。
【図16】SMM再生で検出再生された一次元記録ビッ
トパターンの表面電位像を示す模式図である。
トパターンの表面電位像を示す模式図である。
【図17】SMM再生で検出再生された二次元記録ビッ
トパターンの表面電位像を示す模式図である。
トパターンの表面電位像を示す模式図である。
【図18】単一の記録再生ヘッドを用いた場合の表面電
位のパルス電圧依存性を示す特性図である。
位のパルス電圧依存性を示す特性図である。
【図19】MNOS(Metal Nitride Oxide半導体)系
の記録媒体の一例を示す概略断面図である。
の記録媒体の一例を示す概略断面図である。
【図20】本発明の記録再生装置を用いたデータ入出力
システムの一構成例を示す図である。
システムの一構成例を示す図である。
HR 記録ヘッド、HP 再生ヘッド、10 記録媒
体、21 針状電極、22カンチレバー、32 光検出
回路、35 パルス電圧発生回路、38 半導体レーザ
ダイオード
体、21 針状電極、22カンチレバー、32 光検出
回路、35 パルス電圧発生回路、38 半導体レーザ
ダイオード
Claims (48)
- 【請求項1】 複数配列された針状電極にそれぞれ電圧
を印加し、記録媒体の各針状電極に対応した所定領域に
おいて電荷移動または自発分極の反転を起こし、複数の
記録ビットを並列に記録することを特徴とする記録方
法。 - 【請求項2】 上記各記録ビットに3値以上の情報を記
録することを特徴とする請求項1記載の記録方法。 - 【請求項3】 上記各針状電極に印加する電圧を20V
以下とし、上記記録媒体における単位記録領域を直径1
00nm以下とすることを特徴とする請求項1記載の記
録方法。 - 【請求項4】 上記各針状電極において、各単位記録領
域の記録時間を1μ秒以下とすることを特徴とする請求
項1記載の記録方法。 - 【請求項5】 上記各針状電極を上記記録媒体に接触さ
せ、記録ビットの記録を行うことを特徴とする請求項1
記載の記録方法。 - 【請求項6】 上記各針状電極を固定し、上記記録媒体
を回転または往復動させることにより、記録ビットの記
録を行うことを特徴とする請求項1記載の記録方法。 - 【請求項7】 上記記録媒体は、キャリアトラップを有
することを特徴とする請求項1記載の記録方法。 - 【請求項8】 上記記録媒体は、誘電体ヘテロ層を有す
ることを特徴とする請求項7記載の記録方法。 - 【請求項9】 上記記録媒体は、2層以上の誘電体ヘテ
ロ層を有し、ヘテロ界面を有することを特徴とする請求
項8記載の記録方法。 - 【請求項10】 上記記録媒体は、導電性シリコン基体
上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜
が順次成膜されたものであることを特徴とする請求項9
記載の記録方法。 - 【請求項11】 上記記録媒体は、自発分極を有するこ
とを特徴とする請求項1記載の記録方法。 - 【請求項12】 上記記録媒体は、強誘電体材料の薄膜
を有することを特徴とする請求項11記載の記録方法。 - 【請求項13】 上記強誘電体材料は、ジルコン酸チタ
ン酸鉛、ビスマス層状化合物、高分子強誘電体材料から
選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項
12記載の記録方法。 - 【請求項14】 上記記録媒体は、少なくともトンネル
絶縁膜と、絶縁膜中にナノ結晶が埋め込まれてなるナノ
結晶層を有する電荷蓄積層を有することを特徴とする請
求項1記載の記録方法。 - 【請求項15】 上記記録媒体は、最上層に保護層を有
することを特徴とする請求項1記載の記録方法。 - 【請求項16】 電荷移動または自発分極の反転により
情報が記録された記録媒体に対し、複数配列された針状
電極を相対移動させ、 上記記録媒体における電荷、表面電位または静電容量の
変化を各針状電極により検出し、複数の記録ビットを並
列に再生することを特徴とする再生方法。 - 【請求項17】 各針状電極により各記録ビットに記録
された3値以上の情報を再生することを特徴とする請求
項16記載の再生方法。 - 【請求項18】 各針状電極を固定し、上記記録媒体を
回転または往復動させることにより、記録ビットの再生
を行うことを特徴とする請求項16記載の再生方法。 - 【請求項19】 各針状電極が記録媒体と非接触の状態
で複数の記録ビットを並列に再生することを特徴とする
請求項16記載の再生方法。 - 【請求項20】 上記記録媒体における電荷、表面電位
または静電容量の変化量をヘテロダイン法により検出す
ることを特徴とする請求項16記載の再生方法。 - 【請求項21】 上記記録媒体における電荷、表面電位
または静電容量の変化量を、針状電極の共振周波数の周
波数、位相、振幅の変化量として検出することを特徴と
する請求項16記載の再生方法。 - 【請求項22】 上記記録媒体における表面電位または
静電容量の変化を針状電極の微小変位により検出し、記
録ビットを再生することを特徴とする請求項16記載の
再生方法。 - 【請求項23】 上記針状電極の微小変位を、光てこ方
式により検出することを特徴とする請求項22記載の再
生方法。 - 【請求項24】 上記針状電極の微小変位を、圧電材料
により検出することを特徴とする請求項22記載の再生
方法。 - 【請求項25】 上記各針状電極において、各単位記録
領域の再生時間を1μ秒とすることを特徴とする請求項
16記載の再生方法。 - 【請求項26】 上記記録媒体は、キャリアトラップを
有することを特徴とする請求項16記載の再生方法。 - 【請求項27】 上記記録媒体は、誘電体ヘテロ層を有
することを特徴とする請求項26記載の再生方法。 - 【請求項28】 上記記録媒体は、2層以上の誘電体ヘ
テロ層を有し、ヘテロ界面を有することを特徴とする請
求項27記載の再生方法。 - 【請求項29】 上記記録媒体は、導電性シリコン基体
上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜
が順次成膜されたものであることを特徴とする請求項2
8記載の再生方法。 - 【請求項30】 上記記録媒体は、自発分極を有するこ
とを特徴とする請求項16記載の再生方法。 - 【請求項31】 上記記録媒体は、強誘電体材料の薄膜
を有することを特徴とする請求項30記載の再生方法。 - 【請求項32】 上記強誘電体材料は、ジルコン酸チタ
ン酸鉛、ビスマス層状化合物、高分子強誘電体材料から
選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項
31記載の再生方法。 - 【請求項33】 上記記録媒体は、少なくともトンネル
絶縁膜と、絶縁膜中にナノ結晶が埋め込まれてなるナノ
結晶層を有する電荷蓄積層を有することを特徴とする請
求項16記載の再生方法。 - 【請求項34】 上記記録媒体は、最上層に保護層を有
することを特徴とする請求項16記載の再生方法。 - 【請求項35】 複数配列された針状電極にそれぞれ電
圧を印加し、記録媒体の各針状電極に対応した所定領域
において電荷移動または自発分極の反転を起こし、複数
の記録ビットを並列に記録するとともに、 この電荷移動または自発分極の反転により複数の記録ビ
ットが記録された記録媒体に対し、複数配列された針状
電極を相対移動させ、 上記記録媒体における表面電位または静電容量の変化を
各針状電極により検出し、複数の記録ビットを並列に再
生することを特徴とする記録再生方法。 - 【請求項36】 上記各記録ビットに3値以上の情報を
記録するとともに、各記録ビットに記録された3値以上
の情報を再生することを特徴とする請求項35記載の記
録再生方法。 - 【請求項37】 上記針状電極が記録媒体と非接触の状
態で複数の記録ビットを並列に再生することを特徴とす
る請求項36記載の記録再生方法。 - 【請求項38】 それぞれ電圧が印加される複数の針状
電極と、 所定領域における電荷移動または自発分極の反転により
複数の記録ビットが記録される記録媒体とを有し、 上記複数配列された針状電極により、上記記録媒体に複
数の記録ビットが並列に記録されることを特徴とする記
録装置。 - 【請求項39】 上記各記録ビットは、3値以上の情報
を有することを特徴とする請求項38記載の記録装置。 - 【請求項40】 記録媒体に対して相対移動される複数
の針状電極と、 所定領域における電荷移動または自発分極の反転により
複数の記録ビットが記録される記録媒体とを有し、 上記記録媒体における表面電位または静電容量の変化が
各針状電極により検出され、複数の記録ビットが並列に
再生されることを特徴とする再生装置。 - 【請求項41】 上記各針状電極が記録媒体に対して非
接触の状態で相対移動されることを特徴とする請求項4
0記載の再生装置。 - 【請求項42】 上記各記録ビットは、3値以上の情報
を有することを特徴とする請求項40記載の再生装置。 - 【請求項43】 記録媒体に対して相対移動される複数
の針状電極と、 所定領域における電荷移動または自発分極の反転により
複数の記録ビットが記録される記録媒体とを有し、 上記複数配列された針状電極により上記記録媒体に複数
の記録ビットが並列に記録されるとともに、 上記記録媒体における表面電位または静電容量の変化が
各針状電極により検出され、複数の記録ビットが並列に
再生されることを特徴とする記録再生装置。 - 【請求項44】 上記針状電極が記録媒体に対して非接
触の状態で相対移動し、複数の記録ビットを並列に再生
することを特徴とする請求項43記載の記録再生装置。 - 【請求項45】 上記各記録ビットは、3値以上の情報
を有することを特徴とする請求項43記載の記録再生装
置。 - 【請求項46】 記録媒体に対して相対移動される複数
の針状電極と、所定領域における電荷移動または自発分
極の反転により複数の記録ビットが記録される記録媒体
とを有し、上記複数配列された針状電極により上記記録
媒体に複数の記録ビットが並列に記録されるとともに、
上記記録媒体における表面電位または静電容量の変化が
各針状電極により検出され、複数の記録ビットが並列に
再生される記録再生装置を中央処理装置の外部記憶装置
とし、 これら中央演算装置と記録再生装置の間にバッファとな
るキャッシュメモリが設けられていることを特徴とする
データ処理装置。 - 【請求項47】 上記記録媒体における表面電位または
静電容量の変化が各針状電極を記録媒体に対して非接触
状態として検出されることを特徴とする請求項46記載
のデータ処理装置。 - 【請求項48】 上記キャッシュメモリは、上記記録再
生装置の針状電極の数に応じて複数に分割されているこ
とを特徴とする請求項46記載のデータ処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21685297A JPH10334525A (ja) | 1996-12-19 | 1997-08-11 | 記録及び/又は再生方法、記録及び/又は再生装置 |
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Cited By (11)
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- 1997-08-11 JP JP21685297A patent/JPH10334525A/ja active Pending
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