JPH10324884A - 固形潤滑剤及びボールねじ用シール部材 - Google Patents
固形潤滑剤及びボールねじ用シール部材Info
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- JPH10324884A JPH10324884A JP11279797A JP11279797A JPH10324884A JP H10324884 A JPH10324884 A JP H10324884A JP 11279797 A JP11279797 A JP 11279797A JP 11279797 A JP11279797 A JP 11279797A JP H10324884 A JPH10324884 A JP H10324884A
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- lubricating oil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子機器関連装置や半導体装置中の清浄雰囲
気が維持され、また、真空雰囲気中においても、グリー
スの飛散を抑えて、低ダスト、低アウトガスの仕様とす
ると共に、長期間グリースアップを不要とし、軸受やボ
ールねじを使用する装置の稼働率を向上させることであ
る。 【解決手段】 高真空用潤滑油5〜99重量%と高分子
量ポリオレフィン粉末95〜1重量%との混合物を上記
高分子量ポリオレフィン粉末のゲル化点以上の温度に加
熱して成形してなる。
気が維持され、また、真空雰囲気中においても、グリー
スの飛散を抑えて、低ダスト、低アウトガスの仕様とす
ると共に、長期間グリースアップを不要とし、軸受やボ
ールねじを使用する装置の稼働率を向上させることであ
る。 【解決手段】 高真空用潤滑油5〜99重量%と高分子
量ポリオレフィン粉末95〜1重量%との混合物を上記
高分子量ポリオレフィン粉末のゲル化点以上の温度に加
熱して成形してなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高真空用潤滑油
又は高真空用潤滑グリースと高分子量ポリオレフィン粉
末からなる固形潤滑剤、及びこれを用いてなる自己潤滑
性を有する軸受、ボールねじ用シール部材等に関する。
又は高真空用潤滑グリースと高分子量ポリオレフィン粉
末からなる固形潤滑剤、及びこれを用いてなる自己潤滑
性を有する軸受、ボールねじ用シール部材等に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軸受は内輪と外輪の間にボール
又はころを配してなり、回転運動又は直線運動をする軸
を支える役目をするものである。この軸受は、その運動
を滑らかにするため潤滑剤が用いられている。
又はころを配してなり、回転運動又は直線運動をする軸
を支える役目をするものである。この軸受は、その運動
を滑らかにするため潤滑剤が用いられている。
【0003】この潤滑油が軸受外に粉塵として飛散する
のを防止するため密封装置が設けられており、この密封
装置としては、非接触式密封装置と接触式密封装置があ
る。前者は軸と軸受との間に狭小な隙間を有し、この隙
間にグリースを詰めたものであり、回転時の静粛性や構
造の簡単さから後者より優れている。
のを防止するため密封装置が設けられており、この密封
装置としては、非接触式密封装置と接触式密封装置があ
る。前者は軸と軸受との間に狭小な隙間を有し、この隙
間にグリースを詰めたものであり、回転時の静粛性や構
造の簡単さから後者より優れている。
【0004】また、ボールねじは、ねじ軸の外周面に設
けたらせん状の溝と、ボールナットの内周面に設けたら
せん状の溝との間に、所定数のボールを配し、上記ねじ
軸又はボールナットの回転運動を上記ボールを介して、
上記ボールナット又はねじ軸の運動に変換するものであ
る。
けたらせん状の溝と、ボールナットの内周面に設けたら
せん状の溝との間に、所定数のボールを配し、上記ねじ
軸又はボールナットの回転運動を上記ボールを介して、
上記ボールナット又はねじ軸の運動に変換するものであ
る。
【0005】このボールねじには、その内部にボールね
じの運動を滑らかにするため、潤滑油が充填されてい
る。この潤滑剤の洩出又は外部からの異物の侵入を防止
するため、ボールねじの両端部のねじ軸とボールナット
の間にシール部材が設けられている。このシール部材
は、一般的に樹脂ゴムやフッ素ゴム等のゴム材を成形し
て製造されている。
じの運動を滑らかにするため、潤滑油が充填されてい
る。この潤滑剤の洩出又は外部からの異物の侵入を防止
するため、ボールねじの両端部のねじ軸とボールナット
の間にシール部材が設けられている。このシール部材
は、一般的に樹脂ゴムやフッ素ゴム等のゴム材を成形し
て製造されている。
【0006】ところで、最近、軸受やボールねじは、電
子関連機器や半導体製造装置等に多く使用されるように
なっている。軸受を電子関連機器に用いる場合は、より
一層の清浄性が求められている。例えば、ハードディス
クドライブ装置(以下、「HDD」と略記する。)や、
レーザービームプリンタ(以下、「LBP」と略記す
る。)のような装置では、使用される雰囲気中に微細な
油粒子や粉塵等の汚染粒子(以下、「ダスト」と称す
る。)が混入すると、上記HDDでは、磁気ヘッドと回
転するデータ媒体の表面との偶発的接触、いわゆるヘッ
ドクラッシュがおこったり、上記LBPでは光学反射面
の反射率が低下する場合がある。
子関連機器や半導体製造装置等に多く使用されるように
なっている。軸受を電子関連機器に用いる場合は、より
一層の清浄性が求められている。例えば、ハードディス
クドライブ装置(以下、「HDD」と略記する。)や、
レーザービームプリンタ(以下、「LBP」と略記す
る。)のような装置では、使用される雰囲気中に微細な
油粒子や粉塵等の汚染粒子(以下、「ダスト」と称す
る。)が混入すると、上記HDDでは、磁気ヘッドと回
転するデータ媒体の表面との偶発的接触、いわゆるヘッ
ドクラッシュがおこったり、上記LBPでは光学反射面
の反射率が低下する場合がある。
【0007】このような事態を機構上回避するため、軸
受の非接触式密封装置に代えて、またはこの装置と共
に、磁性流体シール装置を取り付ける方法が知られてい
る。この磁性流体シールは、軸受転動体の挟持部分の対
向する端面にマグネット部材を固定し、その端面間に磁
性流体を集合させて密封性を高めたものである。
受の非接触式密封装置に代えて、またはこの装置と共
に、磁性流体シール装置を取り付ける方法が知られてい
る。この磁性流体シールは、軸受転動体の挟持部分の対
向する端面にマグネット部材を固定し、その端面間に磁
性流体を集合させて密封性を高めたものである。
【0008】一方、このような密封装置や軸受内に封入
されるグリースとしては、特に防塵用に改良されたもの
ではなく、比較的低粘度の鉱油、合成油を基油として、
リチウム、カルシウム、ナトリウムを塩とする金属石け
んを増稠剤とした一般的なグリースが使用されている。
されるグリースとしては、特に防塵用に改良されたもの
ではなく、比較的低粘度の鉱油、合成油を基油として、
リチウム、カルシウム、ナトリウムを塩とする金属石け
んを増稠剤とした一般的なグリースが使用されている。
【0009】また、ボールねじを半導体装置等に使用す
る場合は、真空雰囲気中で使用される場合が多い。この
ため、ボールねじの潤滑剤としては、主に真空用のグリ
ースが使用されている。
る場合は、真空雰囲気中で使用される場合が多い。この
ため、ボールねじの潤滑剤としては、主に真空用のグリ
ースが使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
電子機器関連の装置に対する要望はますます高度とな
り、より一層の小型化と生産コストの低減を図るための
特定用途の潤滑剤として、磁性流体シールのない軸受に
対しても、潤滑性を満足するグリースの開発が求められ
ている。
電子機器関連の装置に対する要望はますます高度とな
り、より一層の小型化と生産コストの低減を図るための
特定用途の潤滑剤として、磁性流体シールのない軸受に
対しても、潤滑性を満足するグリースの開発が求められ
ている。
【0011】また、半導体装置等のボールねじに上記真
空用グリースを使用するとき、その使用量が多すぎて余
剰分が発生すると、これがねじ軸に付着し、ボールねじ
の駆動に伴って飛散しやすい。特に、真空雰囲気下で
は、ボールねじのシール部材のシール性が一般的に高く
ないため、外部に真空用グリースが飛散しやすくなる。
このとき、真空雰囲気中の上記装置内は、ダストやアウ
トガス等の発生を招くことなり好ましくない。
空用グリースを使用するとき、その使用量が多すぎて余
剰分が発生すると、これがねじ軸に付着し、ボールねじ
の駆動に伴って飛散しやすい。特に、真空雰囲気下で
は、ボールねじのシール部材のシール性が一般的に高く
ないため、外部に真空用グリースが飛散しやすくなる。
このとき、真空雰囲気中の上記装置内は、ダストやアウ
トガス等の発生を招くことなり好ましくない。
【0012】また、上記真空用グリースは劣化するた
め、定期的に補給、すなわちグリースアップを行う必要
がある。このグリースアップを行うためには、装置内を
真空から大気下に戻す必要があり、再び所定レベルの真
空度に戻すには、かなりの時間を要し、装置の稼働率の
低下を伴うという問題点を有していた。
め、定期的に補給、すなわちグリースアップを行う必要
がある。このグリースアップを行うためには、装置内を
真空から大気下に戻す必要があり、再び所定レベルの真
空度に戻すには、かなりの時間を要し、装置の稼働率の
低下を伴うという問題点を有していた。
【0013】そこで、この発明の課題は、電子機器関連
装置や半導体装置中の清浄雰囲気が維持され、また、真
空雰囲気中においても、グリースの飛散を抑えて、低ダ
スト、低アウトガスの仕様とすると共に、長期間グリー
スアップを不要とし、軸受やボールねじを使用する装置
の稼働率を向上させることである。
装置や半導体装置中の清浄雰囲気が維持され、また、真
空雰囲気中においても、グリースの飛散を抑えて、低ダ
スト、低アウトガスの仕様とすると共に、長期間グリー
スアップを不要とし、軸受やボールねじを使用する装置
の稼働率を向上させることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、固形潤滑剤にかかる発明は、高真空用潤滑油5〜9
9重量%と高分子量ポリオレフィン粉末95〜1重量%
との混合物を上記高分子量ポリオレフィン粉末のゲル化
点以上の温度に加熱して成形してなる。
め、固形潤滑剤にかかる発明は、高真空用潤滑油5〜9
9重量%と高分子量ポリオレフィン粉末95〜1重量%
との混合物を上記高分子量ポリオレフィン粉末のゲル化
点以上の温度に加熱して成形してなる。
【0015】また、高真空用潤滑油を基油とするグリー
ス5〜99重量%と高分子量ポリオレフィン粉末95〜
1重量%との混合物を上記高分子量ポリオレフィン粉末
のゲル化点以上の温度に加熱して成形してなる。
ス5〜99重量%と高分子量ポリオレフィン粉末95〜
1重量%との混合物を上記高分子量ポリオレフィン粉末
のゲル化点以上の温度に加熱して成形してなる。
【0016】さらに、上記高真空用潤滑油を、フッ素
油、フッ素シリコーン油、又はアルキルシクロペンタン
油から選ばれる潤滑油とすることができる。
油、フッ素シリコーン油、又はアルキルシクロペンタン
油から選ばれる潤滑油とすることができる。
【0017】潤滑剤として、フッ素油、フッ素シリコー
ン油、又はアルキルシクロペンタン油等の高真空用潤滑
油を用いたので、揮発性が極めて少なく、真空雰囲気中
はもちろんのこと、大気圧雰囲気中であっても使用時の
揮発がほとんどなく、発塵等のダストやアウトガスの発
生をまねくことを防止することができる。
ン油、又はアルキルシクロペンタン油等の高真空用潤滑
油を用いたので、揮発性が極めて少なく、真空雰囲気中
はもちろんのこと、大気圧雰囲気中であっても使用時の
揮発がほとんどなく、発塵等のダストやアウトガスの発
生をまねくことを防止することができる。
【0018】さらにまた、上記の固形潤滑剤でボールね
じ用シール部材を構成することができる。
じ用シール部材を構成することができる。
【0019】ボールねじに使用するシール部材として上
記の固形潤滑剤を用いたので、このシール部材をねじ軸
及びボールナットに直接接触させることができ、ボール
ナット内のグリースの飛散を防止し、真空雰囲気中の装
置内に発塵等のダストやアウトガスの発生を招くことを
防止し、真空雰囲気を維持することができる。
記の固形潤滑剤を用いたので、このシール部材をねじ軸
及びボールナットに直接接触させることができ、ボール
ナット内のグリースの飛散を防止し、真空雰囲気中の装
置内に発塵等のダストやアウトガスの発生を招くことを
防止し、真空雰囲気を維持することができる。
【0020】また、シール部材として上記の固形潤滑剤
を用いたので、このシール部材に含まれる潤滑油が徐々
にしみ出し、グリースアップの必要性がなくなり、装置
の稼働率を向上させることができる。
を用いたので、このシール部材に含まれる潤滑油が徐々
にしみ出し、グリースアップの必要性がなくなり、装置
の稼働率を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。この発明にかかる固形潤滑剤は、高真空用潤滑
油、又は、高真空用潤滑油を基油とするグリースと高分
子量ポリオレフィン粉末との混合物を上記高分子量ポリ
オレフィン粉末のゲル化点以上の温度に加熱して成形し
てなる。
する。この発明にかかる固形潤滑剤は、高真空用潤滑
油、又は、高真空用潤滑油を基油とするグリースと高分
子量ポリオレフィン粉末との混合物を上記高分子量ポリ
オレフィン粉末のゲル化点以上の温度に加熱して成形し
てなる。
【0022】上記高真空用潤滑油は、高温、高真空度で
も蒸発量の少ない、高真空用に使用できる潤滑油であ
り、例えば、ケイ酸エステル油、フッ素油、シリコーン
油、フッ素シリコーン油、アルキルシクロペンタン系油
等の合成炭化水素油などがあげられる。これらの中で
も、パーフルオロポリエーテル等のフッ素油、フッ素シ
リコーン油、アルキルシクロペンタン系油等が好まし
い。アルキル化シクロペンタン系油の例としては、Ny
e社製:NYE SYNTHETIC OIL 200
1Aをあげることができる。
も蒸発量の少ない、高真空用に使用できる潤滑油であ
り、例えば、ケイ酸エステル油、フッ素油、シリコーン
油、フッ素シリコーン油、アルキルシクロペンタン系油
等の合成炭化水素油などがあげられる。これらの中で
も、パーフルオロポリエーテル等のフッ素油、フッ素シ
リコーン油、アルキルシクロペンタン系油等が好まし
い。アルキル化シクロペンタン系油の例としては、Ny
e社製:NYE SYNTHETIC OIL 200
1Aをあげることができる。
【0023】上記高真空用潤滑油は、そのまま上記固形
潤滑剤に使用することができるが、また、この高真空用
潤滑油を基油とし、これを増稠剤に混練してグリースと
して使用してもよい。この増稠剤としては、石けん系増
稠剤や非石けん系増稠剤がある。石けん系の増稠剤とし
ては、リチウム石けん、ナトリウム石けん、アルミニウ
ム石けん等が挙げられ、また、非石けん系の増稠剤とし
ては、ベントナイト、シリカ、ポリウレア、インダンス
レン、銅フタロシアニン等のフタロシアニン、フッ素樹
脂等があげられる。
潤滑剤に使用することができるが、また、この高真空用
潤滑油を基油とし、これを増稠剤に混練してグリースと
して使用してもよい。この増稠剤としては、石けん系増
稠剤や非石けん系増稠剤がある。石けん系の増稠剤とし
ては、リチウム石けん、ナトリウム石けん、アルミニウ
ム石けん等が挙げられ、また、非石けん系の増稠剤とし
ては、ベントナイト、シリカ、ポリウレア、インダンス
レン、銅フタロシアニン等のフタロシアニン、フッ素樹
脂等があげられる。
【0024】上記高分子量ポリオレフィン粉末は、高分
子量ポリエチレン、高分子量ポリプロピレン、高分子量
ポリブテン、超高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリ
プロピレン、超高分子量ポリブテン若しくはこれらの共
重合体からなる粉末またはそれぞれ単独の粉末を配合し
た混合粉末であってよい。これら各粉末の分子量は、特
に限定されるものではないが、粘度法により測定される
粘度平均分子量が1×105 〜5×106 の高分子量ポ
リオレフィン粉末が好ましく、1×106 〜5×106
の超高分子量ポリオレフィン粉末がより好ましい。この
ような分子量の範囲にあるポリオレフィンは、剛性及び
保油性において低分子量のポリオレフィンより優れ、高
温に加熱してもほとんど流動することがない。
子量ポリエチレン、高分子量ポリプロピレン、高分子量
ポリブテン、超高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリ
プロピレン、超高分子量ポリブテン若しくはこれらの共
重合体からなる粉末またはそれぞれ単独の粉末を配合し
た混合粉末であってよい。これら各粉末の分子量は、特
に限定されるものではないが、粘度法により測定される
粘度平均分子量が1×105 〜5×106 の高分子量ポ
リオレフィン粉末が好ましく、1×106 〜5×106
の超高分子量ポリオレフィン粉末がより好ましい。この
ような分子量の範囲にあるポリオレフィンは、剛性及び
保油性において低分子量のポリオレフィンより優れ、高
温に加熱してもほとんど流動することがない。
【0025】上記固形潤滑剤中の高真空用潤滑油又は高
真空用潤滑油を基油とするグリースの割合は5〜99重
量%であり、また、高分子量ポリオレフィン粉末の割合
は95〜1重量%である。このような所定範囲で固形潤
滑剤の所要の離油度、粘り強さおよび硬さに対応させて
増減させて配合すればよい。ただし、高分子量ポリオレ
フィンの量が多い程、所定温度で分散保持させた後のゲ
ルの硬さが大きくなる。
真空用潤滑油を基油とするグリースの割合は5〜99重
量%であり、また、高分子量ポリオレフィン粉末の割合
は95〜1重量%である。このような所定範囲で固形潤
滑剤の所要の離油度、粘り強さおよび硬さに対応させて
増減させて配合すればよい。ただし、高分子量ポリオレ
フィンの量が多い程、所定温度で分散保持させた後のゲ
ルの硬さが大きくなる。
【0026】上記高真空用潤滑油又は高真空用潤滑油を
基油とするグリースに、高分子量ポリオレフィン粉末を
分散保持させて成形するには、上記各材料を混合した
後、所定の金型内に流し込み、高分子量ポリオレフィン
のゲル点以上に加熱する。その後、常温程度にまで放冷
し、好ましくは液体冷却剤中で急冷して固形化させるこ
とにより、所定形状を有する固形潤滑剤を得ることがで
きる。上記液体冷却剤としては、潤滑油、研削液、防錆
油または水を使用することができる。
基油とするグリースに、高分子量ポリオレフィン粉末を
分散保持させて成形するには、上記各材料を混合した
後、所定の金型内に流し込み、高分子量ポリオレフィン
のゲル点以上に加熱する。その後、常温程度にまで放冷
し、好ましくは液体冷却剤中で急冷して固形化させるこ
とにより、所定形状を有する固形潤滑剤を得ることがで
きる。上記液体冷却剤としては、潤滑油、研削液、防錆
油または水を使用することができる。
【0027】上記の成形方法において、所定の金型を使
用することにより、ボールねじ用シール部材を製造する
ことができる。このシール部材は材料自体が潤滑性を有
することから、これを転走面に直接接触させても、潤滑
性を発揮すると共に、このシール部材に含まれる高真空
用潤滑油が徐々にしみ出して油膜を形成する。このた
め、摺接する部分の摩擦抵抗を低減する。したがって、
このシール部材をねじ軸及びボールナットに密着させて
も、トルク損失が少なく、また、摺接部の摩擦による発
熱が少なくなる。さらに、ボールねじのシール性を向上
させることができる。したがって、ボールねじ内のグリ
ースが外部に飛散するのを防止でき、装置内、特に真空
雰囲気中の装置内において、発塵等のダストやアウトガ
スの発生を招くことを防止し、装置内を汚染することな
く維持される。
用することにより、ボールねじ用シール部材を製造する
ことができる。このシール部材は材料自体が潤滑性を有
することから、これを転走面に直接接触させても、潤滑
性を発揮すると共に、このシール部材に含まれる高真空
用潤滑油が徐々にしみ出して油膜を形成する。このた
め、摺接する部分の摩擦抵抗を低減する。したがって、
このシール部材をねじ軸及びボールナットに密着させて
も、トルク損失が少なく、また、摺接部の摩擦による発
熱が少なくなる。さらに、ボールねじのシール性を向上
させることができる。したがって、ボールねじ内のグリ
ースが外部に飛散するのを防止でき、装置内、特に真空
雰囲気中の装置内において、発塵等のダストやアウトガ
スの発生を招くことを防止し、装置内を汚染することな
く維持される。
【0028】次に、この発明にかかる固形潤滑剤から構
成されるボールねじ用シール部材を用いたボールねじに
ついて説明する。
成されるボールねじ用シール部材を用いたボールねじに
ついて説明する。
【0029】ボールねじ10は、図1に示すように、ね
じ軸1の外周面1bに設けた螺旋溝1aと、ボールナッ
ト2の内径面に設けた螺旋溝2aとの間に複数のボール
3が配され、ねじ軸1とボールナット2とがボール3を
介して螺合する。ねじ軸1又はボールナット2が回転す
ると、その回転力がボール3の転動循環を介してボール
ナット2又はねじ軸1に伝達され、ボールナット2又は
ねじ軸1が軸方向に移動する。ボールナット2の両端部
には、リング状の上記シール部材5が装着され、このシ
ール部材5がねじ軸1に接触してボールナット2内をシ
ールする。このシール部材5の外周には、ガータスプリ
ング6が装着される。
じ軸1の外周面1bに設けた螺旋溝1aと、ボールナッ
ト2の内径面に設けた螺旋溝2aとの間に複数のボール
3が配され、ねじ軸1とボールナット2とがボール3を
介して螺合する。ねじ軸1又はボールナット2が回転す
ると、その回転力がボール3の転動循環を介してボール
ナット2又はねじ軸1に伝達され、ボールナット2又は
ねじ軸1が軸方向に移動する。ボールナット2の両端部
には、リング状の上記シール部材5が装着され、このシ
ール部材5がねじ軸1に接触してボールナット2内をシ
ールする。このシール部材5の外周には、ガータスプリ
ング6が装着される。
【0030】上記シール部材5は、図2(a)(b)に
示すように、所定の固形潤滑剤を用いてリング状に成形
した後、これを各円周が等分になるように4箇所で分割
され、4つの分割部51、51、51、52を形成す
る。4つの分割部のうち、3つの分割部51は、その内
径面51bから内側に突出した突部51aを有し、残り
の1つの分割部52の内径面52bは、他の分割部51
の内径面51bより若干内側に設けられる。すなわち、
上記4つの分割部の外径面は全体で1つの円形状をなす
ものの、その内径面は、1つの円形状を構成せず、分割
部52の内径面52bは、他の分割部51の内径面51
bと、突部51aの内径面との間に位置する。
示すように、所定の固形潤滑剤を用いてリング状に成形
した後、これを各円周が等分になるように4箇所で分割
され、4つの分割部51、51、51、52を形成す
る。4つの分割部のうち、3つの分割部51は、その内
径面51bから内側に突出した突部51aを有し、残り
の1つの分割部52の内径面52bは、他の分割部51
の内径面51bより若干内側に設けられる。すなわち、
上記4つの分割部の外径面は全体で1つの円形状をなす
ものの、その内径面は、1つの円形状を構成せず、分割
部52の内径面52bは、他の分割部51の内径面51
bと、突部51aの内径面との間に位置する。
【0031】これら分割部51、52は、外径部に装着
されたガータスプリング6によってそれぞれ内径面側に
押圧されて、ねじ軸1に密着させる。
されたガータスプリング6によってそれぞれ内径面側に
押圧されて、ねじ軸1に密着させる。
【0032】分割部51のねじ軸1への嵌合状態は、図
1(b)に示すように、分割部51の突部51aは、ね
じ軸1の螺旋溝1aに嵌合して密着しており、螺旋溝1
aからの異物侵入、潤滑剤洩れを防止する。分割部51
の内径面51bは、ねじ軸の外周面1bとは接触してお
らず、両者の間には若干のすきまSが設けられる。この
すきまSを設けることにより、ねじ軸1やシール部材5
の寸法バランスに関係なく、突部51aを常に螺旋溝1
aに密着させることができる。
1(b)に示すように、分割部51の突部51aは、ね
じ軸1の螺旋溝1aに嵌合して密着しており、螺旋溝1
aからの異物侵入、潤滑剤洩れを防止する。分割部51
の内径面51bは、ねじ軸の外周面1bとは接触してお
らず、両者の間には若干のすきまSが設けられる。この
すきまSを設けることにより、ねじ軸1やシール部材5
の寸法バランスに関係なく、突部51aを常に螺旋溝1
aに密着させることができる。
【0033】また、分割部52のねじ軸1への嵌合状態
は、図1(c)に示すように、分割部52の内径面52
bはねじ軸1の外周面1bに接触し、外周面1bからの
異物侵入、潤滑油洩れが防止される。
は、図1(c)に示すように、分割部52の内径面52
bはねじ軸1の外周面1bに接触し、外周面1bからの
異物侵入、潤滑油洩れが防止される。
【0034】この発明にかかるシール部材5は、上記の
ボールねじ10の他、図3に示すようなボールねじ11
に使用することができる。
ボールねじ10の他、図3に示すようなボールねじ11
に使用することができる。
【0035】このボールねじ11は、ねじ軸1の外周面
に設けた螺旋溝1aとボールナット2の内径面に設けた
螺旋溝2aとの間に複数のボール3が配される。ねじ軸
1又はボールナット2が回転すると、その回転力がボー
ル3を介してボールナット2又はねじ軸1に伝達され、
ボールナット2又はねじ軸1が軸方向に移動する。ボー
ルナット2の内径面両端部には凹部が形成され、この凹
部にシール部材5と補助リング7が装着される。
に設けた螺旋溝1aとボールナット2の内径面に設けた
螺旋溝2aとの間に複数のボール3が配される。ねじ軸
1又はボールナット2が回転すると、その回転力がボー
ル3を介してボールナット2又はねじ軸1に伝達され、
ボールナット2又はねじ軸1が軸方向に移動する。ボー
ルナット2の内径面両端部には凹部が形成され、この凹
部にシール部材5と補助リング7が装着される。
【0036】このシール部材5は、図4(a)(b)に
示すように、所定の固形潤滑剤を用いてリング状に成形
した後、これを各円周が等分になるように3箇所で分割
される。このシール部材5は、その内径面5bから内側
に突出した突部5aを有し、この突部5aは、ねじ軸1
の螺旋溝1aに対応した形状及び寸法を有する。
示すように、所定の固形潤滑剤を用いてリング状に成形
した後、これを各円周が等分になるように3箇所で分割
される。このシール部材5は、その内径面5bから内側
に突出した突部5aを有し、この突部5aは、ねじ軸1
の螺旋溝1aに対応した形状及び寸法を有する。
【0037】シール部材5の3つの分割部材は、図3
(a)(b)に示すように、それぞれ、ボールナット2
のねじ穴2bに螺着したボールプランジャ8によって、
内径方向に弾圧される。そのため、図3(c)に示すよ
うに、突部5aと螺旋溝1aの嵌合すきまは、ゼロ或い
は僅かにマイナス、すなわち、締代を持った状態とな
る。なお、シール部材5の各分割部分間には僅かなるす
きまがある。
(a)(b)に示すように、それぞれ、ボールナット2
のねじ穴2bに螺着したボールプランジャ8によって、
内径方向に弾圧される。そのため、図3(c)に示すよ
うに、突部5aと螺旋溝1aの嵌合すきまは、ゼロ或い
は僅かにマイナス、すなわち、締代を持った状態とな
る。なお、シール部材5の各分割部分間には僅かなるす
きまがある。
【0038】このように、突部5aが螺旋溝1aに密着
して摺接するので、ボールナット2内の潤滑剤が外部に
洩れにくく、また、外部から異物が侵入しにくい。さら
に、シール部材5の各分割面5cが、螺旋溝1aの表面
に付着した異物を掻き取るので、従来のものに比べ、シ
ール性は極めて高い。補助リング7は、この掻き取られ
た異物が分割面5bを通ってボールナット2内に侵入し
ようとするのを防止する。
して摺接するので、ボールナット2内の潤滑剤が外部に
洩れにくく、また、外部から異物が侵入しにくい。さら
に、シール部材5の各分割面5cが、螺旋溝1aの表面
に付着した異物を掻き取るので、従来のものに比べ、シ
ール性は極めて高い。補助リング7は、この掻き取られ
た異物が分割面5bを通ってボールナット2内に侵入し
ようとするのを防止する。
【0039】なお、図1〜図4に示したシール部材は、
ねじ軸の外周に沿って間隔を開けて複数の弧状のシール
片をリング状に配置したものであるが、周方向に連続し
たリング状のシールであってもよく、またリング状シー
ルの一端縁を軸方向に所定距離だけ切り欠いて他端縁は
周方向に連続させた一部連続のリング状シールであって
もよい。
ねじ軸の外周に沿って間隔を開けて複数の弧状のシール
片をリング状に配置したものであるが、周方向に連続し
たリング状のシールであってもよく、またリング状シー
ルの一端縁を軸方向に所定距離だけ切り欠いて他端縁は
周方向に連続させた一部連続のリング状シールであって
もよい。
【0040】
〔実施例1〜6〕樹脂粉末として、超高分子量ポリオレ
フィン(三井石油化学工業社製:ミペロン、ゲル化温度
136℃)を用い、潤滑油として、フッ素油(アウジモ
ント社製)、フッ素シリコーン油(トーレシリコーン社
製)、アルキルシクロペンタン油(Nye社製)を用
い、潤滑グリースとして、フッ素樹脂・フッ素油系グリ
ース(アウジモント社製)、フッ素樹脂・フッ素シリコ
ーン油系グリース(トーレシリコーン社製)、シリカ・
アルキルシクロペンタン系グリース(NTN社製)を用
い、これらを原料として、表1に示す配合割合で混合
し、この混合物を玉軸受(NTN社製:玉軸受608)
に約0.2g封入して非接触式ゴムシールをした。そし
て、この軸受を150〜180℃の恒温槽で30分間加
熱した後冷却して、前記の混合物を固形状化した。上記
の玉軸受に対して以下に示すダスト発生試験を行った。
この結果を表1に示す。
フィン(三井石油化学工業社製:ミペロン、ゲル化温度
136℃)を用い、潤滑油として、フッ素油(アウジモ
ント社製)、フッ素シリコーン油(トーレシリコーン社
製)、アルキルシクロペンタン油(Nye社製)を用
い、潤滑グリースとして、フッ素樹脂・フッ素油系グリ
ース(アウジモント社製)、フッ素樹脂・フッ素シリコ
ーン油系グリース(トーレシリコーン社製)、シリカ・
アルキルシクロペンタン系グリース(NTN社製)を用
い、これらを原料として、表1に示す配合割合で混合
し、この混合物を玉軸受(NTN社製:玉軸受608)
に約0.2g封入して非接触式ゴムシールをした。そし
て、この軸受を150〜180℃の恒温槽で30分間加
熱した後冷却して、前記の混合物を固形状化した。上記
の玉軸受に対して以下に示すダスト発生試験を行った。
この結果を表1に示す。
【0041】ダスト発生試験 上記の得られた玉軸受2個を一組として駆動軸に装着
し、スラスト荷重1kgf、200rpmの条件下で2
4時間運転した。このとき、前記一組の軸受から発生す
る0.3μm以上のダストを測定した。
し、スラスト荷重1kgf、200rpmの条件下で2
4時間運転した。このとき、前記一組の軸受から発生す
る0.3μm以上のダストを測定した。
【0042】〔比較例1〕上記超高分子量ポリオレフィ
ンとリチウム石鹸・鉱油系グリースを表1に示す配合割
合で混合し、さらに実施例1と全く同様にして軸受内部
に充填し固形状化した。得られた玉軸受に対して上記の
ダスト発生試験を行った。その結果を表1に示す。
ンとリチウム石鹸・鉱油系グリースを表1に示す配合割
合で混合し、さらに実施例1と全く同様にして軸受内部
に充填し固形状化した。得られた玉軸受に対して上記の
ダスト発生試験を行った。その結果を表1に示す。
【0043】〔比較例2〜5〕市販グリースとして、リ
チウム石鹸・ジエステル油系グリース、リチウム石鹸・
ポリオールエステル系グリース、ウレア・アルキルジフ
ェニルエーテル系グリース、フッ素樹脂・フッ素油系グ
リースを上記玉軸受に0.2g封入した。得られた玉軸
受に対して上記のダスト発生試験を行った。その結果を
表1に示す。
チウム石鹸・ジエステル油系グリース、リチウム石鹸・
ポリオールエステル系グリース、ウレア・アルキルジフ
ェニルエーテル系グリース、フッ素樹脂・フッ素油系グ
リースを上記玉軸受に0.2g封入した。得られた玉軸
受に対して上記のダスト発生試験を行った。その結果を
表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】結果表1の試験結果から明らかなように、
フッ素油、フッ素シリコーン油、アルキルシクロペンタ
ン油、又は前記の油を基油としたグリースと超高分子量
ポリオレフィン粉末との混合物を、前記超高分子量ポリ
オレフィン粉末のゲル化点以上の温度に加熱し冷却する
と、潤滑剤は固形状になり、鉱油系グリースを超高分子
量ポリオレフィン粉末と混合し、加熱、冷却した固形潤
滑油及び市販グリース等よりダストの発生量は極めて低
い値を示した。
フッ素油、フッ素シリコーン油、アルキルシクロペンタ
ン油、又は前記の油を基油としたグリースと超高分子量
ポリオレフィン粉末との混合物を、前記超高分子量ポリ
オレフィン粉末のゲル化点以上の温度に加熱し冷却する
と、潤滑剤は固形状になり、鉱油系グリースを超高分子
量ポリオレフィン粉末と混合し、加熱、冷却した固形潤
滑油及び市販グリース等よりダストの発生量は極めて低
い値を示した。
【0046】
【発明の効果】この発明によれば、上記の固形潤滑剤を
用いるので、HDDやLBP等の電子関連機器等に用い
られる軸受から発生するダスト量が極めて少なく、磁性
流体シールがなくても清浄雰囲気を汚染することがな
い。したがって、このような軸受を用いて回転部分を含
む装置の部品点数を削減することが可能となり、装置を
小型化し得ると共に、製造コストの低減をはかることが
できる。
用いるので、HDDやLBP等の電子関連機器等に用い
られる軸受から発生するダスト量が極めて少なく、磁性
流体シールがなくても清浄雰囲気を汚染することがな
い。したがって、このような軸受を用いて回転部分を含
む装置の部品点数を削減することが可能となり、装置を
小型化し得ると共に、製造コストの低減をはかることが
できる。
【0047】また、半導体製造装置等に使用されるボー
ルねじ用シール部材として上記の固形潤滑剤を用いたの
で、このシール部材をねじ軸及びボールナットの転走面
に直接接触させても、潤滑性を有すると共に、このシー
ル部材に含まれる高真空用潤滑油が徐々にしみ出して油
膜を形成する。このため、摺接する部分の摩擦抵抗を低
減する。したがって、このシール部材をねじ軸及びボー
ルナットに密着させても、トルク損失が少なく、また、
摺接部の摩擦による発熱が少ない。さらに、ボールねじ
のシール性を向上させることができる。よって、ボール
ねじ内のグリースが外部に飛散するのを防止でき、真空
雰囲気中の装置内に発塵やアウトガスの発生を招くこと
を防止し、真空雰囲気を汚染することなく維持すること
ができる。
ルねじ用シール部材として上記の固形潤滑剤を用いたの
で、このシール部材をねじ軸及びボールナットの転走面
に直接接触させても、潤滑性を有すると共に、このシー
ル部材に含まれる高真空用潤滑油が徐々にしみ出して油
膜を形成する。このため、摺接する部分の摩擦抵抗を低
減する。したがって、このシール部材をねじ軸及びボー
ルナットに密着させても、トルク損失が少なく、また、
摺接部の摩擦による発熱が少ない。さらに、ボールねじ
のシール性を向上させることができる。よって、ボール
ねじ内のグリースが外部に飛散するのを防止でき、真空
雰囲気中の装置内に発塵やアウトガスの発生を招くこと
を防止し、真空雰囲気を汚染することなく維持すること
ができる。
【0048】さらにまた、シール部材として上記の固形
潤滑剤を用いたので、このシール部材に含まれる高真空
用潤滑油が徐々にしみ出す。このため、離油度を調節す
ることにより、必要な最低量の高真空用潤滑油を常時、
ボールねじ内に提供することができ、グリースアップの
必要性がなくなる。したがって、長期間にわたってメン
テナンスフリーとなり、半導体製造装置等の装置の稼働
率を向上させることが可能となる。
潤滑剤を用いたので、このシール部材に含まれる高真空
用潤滑油が徐々にしみ出す。このため、離油度を調節す
ることにより、必要な最低量の高真空用潤滑油を常時、
ボールねじ内に提供することができ、グリースアップの
必要性がなくなる。したがって、長期間にわたってメン
テナンスフリーとなり、半導体製造装置等の装置の稼働
率を向上させることが可能となる。
【0049】また、このシール部材をねじ軸及びボール
ナットの転走面に直接接触させてボールねじを駆動する
と、このシール部材からしみ出す高真空用潤滑油が上記
転走面に塗布されることとなり、ボールねじに他の潤滑
剤を使用することなく、真空の雰囲気下でボールねじを
駆動させることができる。このため、潤滑剤で雰囲気を
汚染する量を最小限に留め、長期間にわたってメンテナ
ンスフリーのボールねじを提供することが可能となる。
ナットの転走面に直接接触させてボールねじを駆動する
と、このシール部材からしみ出す高真空用潤滑油が上記
転走面に塗布されることとなり、ボールねじに他の潤滑
剤を使用することなく、真空の雰囲気下でボールねじを
駆動させることができる。このため、潤滑剤で雰囲気を
汚染する量を最小限に留め、長期間にわたってメンテナ
ンスフリーのボールねじを提供することが可能となる。
【図1】(a)この発明にかかるシール部材を用いたボ
ールねじの例を示す断面図 (b)(a)の一部拡大断面図 (c)(a)の一部拡大断面図
ールねじの例を示す断面図 (b)(a)の一部拡大断面図 (c)(a)の一部拡大断面図
【図2】(a)この発明にかかるシール部材の例を示す
正面図 (b)(a)のシール部材をねじ軸に嵌めた状態を示す
側面断面図
正面図 (b)(a)のシール部材をねじ軸に嵌めた状態を示す
側面断面図
【図3】(a)この発明にかかるシール部材を用いたボ
ールねじの他の例を示す断面図 (b)(a)に使用されるボールプランジャの例を示す
断面図 (c)(a)の一部拡大断面図
ールねじの他の例を示す断面図 (b)(a)に使用されるボールプランジャの例を示す
断面図 (c)(a)の一部拡大断面図
【図4】(a)この発明にかかるシール部材の他の例を
示す正面図 (b)(a)のシール部材の側面図
示す正面図 (b)(a)のシール部材の側面図
1 ねじ軸 1a 螺旋溝 1b 外周面 2 ボールナット 2a 螺旋溝 2b ねじ穴 3 ボール 5 シール部材 5a 突部 5b 内径面 5c 分割面 6 ガータスプリング 7 補助リング 8 ボールプランジャ 10 ボールねじ 11 ボールねじ 51 分割部 51a 突部 51b 内径面 52 分割部 52b 内径面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 107:02 105:50 107:50 105:04) C10N 40:34 50:08 80:00
Claims (4)
- 【請求項1】 高真空用潤滑油5〜99重量%と高分子
量ポリオレフィン粉末95〜1重量%との混合物を上記
高分子量ポリオレフィン粉末のゲル化点以上の温度に加
熱して成形してなる固形潤滑剤。 - 【請求項2】 高真空用潤滑油を基油とするグリース5
〜99重量%と高分子量ポリオレフィン粉末95〜1重
量%との混合物を上記高分子量ポリオレフィン粉末のゲ
ル化点以上の温度に加熱して成形してなる固形潤滑剤。 - 【請求項3】 上記高真空用潤滑油が、フッ素油、フッ
素シリコーン油、又はアルキルシクロペンタン油から選
ばれる潤滑油である請求項1又は2に記載の固形潤滑
剤。 - 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の固形
潤滑剤から構成されるボールねじ用シール部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11279797A JPH10324884A (ja) | 1997-03-26 | 1997-04-30 | 固形潤滑剤及びボールねじ用シール部材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7376397 | 1997-03-26 | ||
JP9-73763 | 1997-03-26 | ||
JP11279797A JPH10324884A (ja) | 1997-03-26 | 1997-04-30 | 固形潤滑剤及びボールねじ用シール部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10324884A true JPH10324884A (ja) | 1998-12-08 |
Family
ID=26414916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11279797A Pending JPH10324884A (ja) | 1997-03-26 | 1997-04-30 | 固形潤滑剤及びボールねじ用シール部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10324884A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002061021A1 (fr) * | 2001-01-31 | 2002-08-08 | Tohnichi Mfg. Co., Ltd. | Agent de stabilisation de force de serrage pour corps serre, procede de stabilisation de force de serrage au moyen dudit agent de stabilisation et partie composant de corps serre revetue par ledit agent de stabilisation |
WO2003012836A1 (fr) * | 2001-07-31 | 2003-02-13 | Sony Corporation | Systeme, appareil et procede de fabrication de semi-conducteurs, ainsi que dispositif a semi-conducteurs |
-
1997
- 1997-04-30 JP JP11279797A patent/JPH10324884A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002061021A1 (fr) * | 2001-01-31 | 2002-08-08 | Tohnichi Mfg. Co., Ltd. | Agent de stabilisation de force de serrage pour corps serre, procede de stabilisation de force de serrage au moyen dudit agent de stabilisation et partie composant de corps serre revetue par ledit agent de stabilisation |
WO2003012836A1 (fr) * | 2001-07-31 | 2003-02-13 | Sony Corporation | Systeme, appareil et procede de fabrication de semi-conducteurs, ainsi que dispositif a semi-conducteurs |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040817 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040830 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060214 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060704 |