JPH10310636A - ラクトン重合体およびその製造方法並びにポリウレタン樹脂 - Google Patents
ラクトン重合体およびその製造方法並びにポリウレタン樹脂Info
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Abstract
のラクトン重合体、その製造方法、当該ラクトン重合体
を用いた、粉吹き現象を減少できるポリウレタン樹脂を
提供する。 【解決手段】 ラクトンモノマーをチタン系化合物を触
媒として重合させ、次いで生成物を薄膜蒸留してラクト
ンダイマー含有量が0.1重量%以下であるラクトン重
合体を製造する。
Description
含有量が0.1重量%以下のラクトン重合体に関し、よ
り詳細には、塗料、ポリウレタン等の原料に用いる際に
粉吹き現象の少ないラクトン重合体、その製造方法並び
にそれを用いたポリウレタン樹脂に関する。
数の違いにより多くの分野で広く用いられている。例え
ば、グリコール類等の活性水素を持つ化合物を開始剤と
した平均分子量約200〜6000のラクトン重合体
は、ポリウレタン樹脂、塗料等の原料として非常に有用
であり、ラジカル重合性二重結合を有するラクトン重合
体は自動車、建材、家電製品等の分野でアクリル系コー
ティング材料として利用されている。また、平均分子量
が10000以上のラクトン重合体は実用的な機械物性
を有し、プラスチックの改質剤、フィルム、ホットメル
ト接着剤、医療器具材料等に用いられている。
ル類等の活性水素を有する化合物を開始剤とし、触媒の
存在下にラクトン単量体を開環付加重合して製造され
る。また、反応に使用される触媒として数多くの化合物
が知られているが、テトラブチルチタネート(以下、
「TBT」と記す。)等のチタン系化合物、アルミニュ
ウム系化合物(特公昭43−2473号公報)、アルカ
リ金属系化合物(特公昭40−26557号公報、U.
S.Patent3,021,314)、アルカリ土類
金属化合物(U.S.Patent3,021,31
0、U.S.Patent3,021,311)、スズ
系化合物(特公昭41−19559号公報、特公昭64
−1491号公報)及び無機酸(特公昭35−497号
公報)等が代表的な化合物である。
ン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンを製造する場
合、成形加工した製品を長期保存すると表面に粉吹き現
象が発生し、製品不良の原因となる場合がある。また、
ラクトン重合体を用いて塗料を製造した場合にも、塗膜
形成後、長時間経過すると塗膜面に粉吹き現象が発生
し、光沢が低下する場合がある。
ートとを反応させてイソシアネート末端のウレタンプレ
ポリマーを合成する場合、反応終了後に未反応の有機ジ
イソシアネートを減圧除去し、または脱泡する為に減圧
処理を行う。この減圧処理工程で使用する設備のコンデ
ンサー部に結晶化物が蓄積すると、定期的にプロセスを
溶剤洗浄しなければならず、生産性が低下する。この結
晶化物の原因となるのは、ラクトン重合体の合成時に副
生するラクトンダイマーである。従って、ラクトンダイ
マーを低減させる技術が望まれる。
決すべく鋭意研究の結果、特定の触媒を使用し特定の操
作を行ったところ、ラクトンダイマー含有量が0.1重
量%以下のラクトン重合体が得られることを見い出し、
本発明を完成するに到った。
量が0.1重量%以下であることを特徴とするラクトン
重合体を提供するものである。また、前記ラクトン重合
体からなるポリウレタン樹脂またその硬化物を提供する
ものである。更に、ラクトンモノマーをチタン系化合物
を触媒として重合させ、次いで生成物を薄膜蒸留するこ
とを特徴とするラクトンダイマー含有量が0.1重量%
以下であるラクトン重合体の製造方法を提供するもので
ある。また、得られたラクトン重合体とイソシアネート
化合物とを反応させることを特徴とするポリウレタン樹
脂の製造方法を提供するものである。加えて、前記製造
方法により得られるラクトン重合体からなるポリウレタ
ン樹脂および当該ポリウレタン樹脂からなる塗料組成物
を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
剤を用いてラクトン単量体を開環付加反応させた重合体
であり、ラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下で
あることを特徴とし、より好ましくはラクトンダイマー
含量が0.05〜0.001重量%のラクトン重合体で
ある。ラクトンダイマー含有量を0.1重量%以下とす
ることで、当該ラクトン重合体を用いて製造したポリウ
レタン樹脂およびこのポリウレタン樹脂を用いて製造し
た成形品の粉吹き現象を防止することができる。
マーを開始剤および触媒の存在下に重合させて製造す
る。
るラクトンモノマーとしては、δ−バレロラクトン、ε
−カプロラクトン、メチル化ε−カプロラクトン、エナ
ントラクトン(7−ヒドロキシヘプタン酸ラクトン)等
が挙げられる。これらのラクトンモノマーは、1種又は
2種類以上の混合物として用いることができる。これら
の内、本発明では、δ−バレロラクトン、ε−カプロラ
クトン等が好ましく用いられる。
水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基等を分
子内に有する化合物であり、水やグリコール類等の多価
アルコール、ポリアミン化合物、分子内に水酸基を含有
するポリマー等、更にラジカル重合性二重結合等の官能
基を有するアルコール、アミン類等が挙げられる。
内に水酸基を有するポリマーとして、ジエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレ
ングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、メトキシエタノール、モノアセ
チルエチレングリコール、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−アミノエタノール、6−ヒドロ
キシヘキサン酸、アリルアルコール、4−ヒドロキシエ
チルビニールエーテル、p−ヒドロキシフェニルアルコ
ール、m−ヒドロキシベンジルアルコール、水酸基を有
するエポキシ樹脂、水酸基を有するポリブタジエン、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合又は
グラフト化したポリマー等の水酸基を有する化合物、エ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレン
トリアミン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホ
ロンジアミン等のアミノ基を有する化合物が例示でき
る。開始剤の使用量は、ラクトンモノマー1モルに対
し、開始剤0.01〜1.0モルであること、特には、
0.02〜0.5モルであることが好ましい。その理由
は、得られるポリエステルポリオールの分子量が200
〜6000となり、一般的な利用に便利だからである。
エチルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラプ
ロピルチタネート等の有機チタン系化合物、オクチル酸
スズ、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジラウレ
ート、n−ブチルスズヒドロキシオキサイド等の有機ス
ズ化合物、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一ス
ズ等のハロゲン化第一スズ等が挙げられる。これらの中
でスズ系化合物、チタン系化合物であることが好まし
い。スズ系化合物を使用すると、ラクトンダイマー含有
量を0.1重量%以下とすることができるからである。
また、チタン系化合物を触媒とする場合には、ラクトン
重合体を合成した後に薄膜蒸留を行うことによりラクト
ンダイマー含有量を0.1重量%以下とすることができ
る点で好ましい。触媒の使用量は、仕込み原料に対して
0.1〜1000ppm、特には1〜100ppmであ
ることが好ましい。触媒量が0.1ppm以下を下回る
場合には反応速度が遅く、逆に1000ppmを超える
と生じたラクトン重合体の色相、熱安定性が悪化するの
で好ましくない。
し、製造装置の形式には特に制限が無い。例えば、バッ
チ式、半連続式及び連続式の通常の撹拌機型反応器、ニ
ーダー反応器が問題なく使用できる。
に反応を行うことが可能であり、より好ましくは窒素ガ
ス等の不活性ガスの雰囲気中で反応することである。こ
れにより変色を防止できるからである。
重合、懸濁重合等のいかなる重合方法も問題なく用いら
れる。また、溶液重合に用いられる溶剤としては、芳香
族炭化水素類が好ましく、特には、不活性で比較的沸点
が高いトルエン、キシレンが好ましい。また、溶剤は実
質的には無水であることが好ましい。その理由は、残存
する水により開始されるポリカプロラクトンが生じない
ようにするためである。
開始剤等の添加方法、添加順序は特に制限を受けず、任
意の順に反応を行うことが可能である。
剤の存在下、一般的には80〜230℃、好ましくは9
0〜180℃の温度で反応させる。80℃を下回る場合
は反応速度が遅く、230℃を上回る場合は酸化反応に
よる着色が生じる等の品質に問題があるので好ましくは
ない。これによりラクトン重合体を得ることができる。
ダイマー含有量が0.1重量%を上回った場合には、得
られたラクトン重合体を薄膜蒸留しラクトンダイマーの
含有量を0.1重量%以下とすることができる。薄膜蒸
留基は、一般に使用される蒸留器を使用することができ
る。薄膜蒸留の条件は、温度100〜200℃、圧力
0.01〜10torrであることが好ましい。この範
囲で、十分にラクトンダイマーの含有量を低下すること
ができるからである。また、必要に応じて、薄膜蒸留を
二度以上繰り返すことができる。
類、ポリアミン化合物、分子内に水酸基を含有するポリ
マー等を開始剤としてラクトン単量体を開環付加反応さ
せた場合は、粘調液体、ワックス状固体、高分子量体等
のオリゴマーやポリマーとなる。本発明のラクトン重合
体は、水酸基価10〜600mgKOH/g、酸価0.
001〜0.50であることが好ましい。
ば、本発明のウレタン重合体の水酸基1モルに対し、イ
ソシアネート化合物を−NCO基が0.8〜1.2モル
となるように反応させることにより、ポリウレタン樹脂
を製造することができる。使用できるイソシアネート化
合物としては、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベン
ジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンイソ
シアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシ
アネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,
4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート、トリジンジイソシア
ネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が
例示でき、これらの中でもジフェニルメタンジイソシア
ネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが好まし
い。
く、温度40〜180℃であることが好ましい。この範
囲で十分な反応速度を維持できるからである。これによ
り、分子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン
樹脂を得ることができる。次いで、これとジオール化合
物やアクリルポリオール等を常法に従い重合させると、
熱可塑性ポリエステル樹脂が得られる。
用することができる。特にラジカル重合性二重結合を有
するラクトン重合体からなるポリウレタン樹脂は、自動
車、建材、家電製品等の分野でアクリル系コーティング
材料として有用である。更に、平均分子量が10000
以上のラクトン重合体からなるポリウレタン樹脂は、実
用的な機械物性を有し、プラスチックの改質剤、フィル
ム、ホットメルト接着剤、医療器具材料等に用いること
ができる。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお
「%」は、特に示す場合を除くほか「重量%」を示す。
用ポリエーテル試験法)に準拠し、硬度で評価した。 (2)粉吹き評価:ポリウレタンシートを40℃のオー
ブンに3ヶ月放置後、外観観察し、粉吹きの有無を判定
した。○を粉吹きなし、×を粉吹きありとした。
及びコンデンサーを備えた1リットルのフラスコに、エ
チレングリコール31g(0.5モル)、ε−カプロラ
クトン969g(8.5モル)、触媒として塩化第一ス
ズ0.05gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら16
0℃で12時間反応させた。得られたラクトン重合体の
性状は、水酸基価56.4KOHmg/g、酸価0.6
4KOHmg/g、粘度219cP/75℃、ラクトン
ダイマー0.04%、ε−カプロラクトンの反応率は9
9.6%であった。尚、ラクトンダイマー含有量は、ガ
スクロマトグラフによって測定した。
4−ブタンジオール45g(0.5モル)、ε−カプロ
ラクトン955g(8.38モル)、触媒としてオクチ
ル酸スズ0.05gを仕込み、窒素ガスを吹き込みなが
ら160℃で12時間反応させた。得られたラクトン重
合体の性状は、水酸基価55.8KOHmg/g、酸価
0.33KOHmg/g、粘度260cP/75℃、ラ
クトンダイマー0.06%、ε−カプロラクトンの反応
率は99.5%であった。
レングリコール31g(0.5モル)、ε−カプロラク
トン969g(85モル)、触媒としてテトラブチルチ
タネート0.02gを仕込み、窒素ガスを吹き込みなが
ら170℃で7時間反応させた。得られた反応液は、ラ
クトンダイマー0.61%、ε−カプロラクトンの反応
率99.5%であった。得られた反応液を170℃、
0.1〜0.2mmHgの条件下で薄膜蒸留し、ラクト
ンダイマー0.08%のラクトン重合体を得た。このも
のの性状は水酸基価56.1KOHmg/g、酸価0.
19KOHmg/g、粘度370cP/75℃であっ
た。
メチロールプロパン201g(1.5モル)、ε−カプ
ロラクトン624g(5.47モル)、触媒としてオク
チル酸スズ0.04gを仕込み、窒素ガスを吹き込みな
がら160℃で7時間反応させた。得られたラクトン重
合体の性状は、水酸基価306.3KOHmg/g、酸
価0.56KOHmg/g、粘度1270cP/25
℃、ラクトンダイマー0.04%、ε−カプロラクトン
の反応率は99.6%であった。
ヒドロキシエチルメタクリレート260g(2モル)、
ε−カプロラクトン684g(6モル)、触媒として塩
化第一スズ0.06g及び重合禁止剤メトキシハイドロ
キノン0.9gを仕込み、空気を吹き込みながら100
℃で7時間反応させた。得られたラクトン重合体の性状
は、水酸基価117.5KOHmg/g、酸価2.45
KOHmg/g、粘度132cP/25℃、ラクトンダ
イマー0.02%、ε−カプロラクトンの反応率は9
9.4%であった。
レングリコール31g(0.5モル)、ε−カプロラク
トン969g(85モル)、触媒としてテトラブチルチ
タネート0.02gを仕込み、窒素ガスを吹き込みなが
ら170℃で7時間反応させた。得られたラクトン重合
体の性状は、水酸基価56.8KOHmg/g、酸価
0.28KOHmg/g、粘度363cP/75℃、ラ
クトンダイマー0.61%、ε−カプロラクトンの反応
率は99.6%であった。
メチロールプロパン201g(1.5モル)、ε−カプ
ロラクトン624g(5.47モル)、触媒としてテト
ラブチルチタネート0.02を仕込み、窒素ガスを吹き
込みながら170℃で10時間反応した。得られたラク
トン重合体の性状は、水酸基価305.1KOHmg/
g、酸価0.67KOHmg/g、粘度1300cP/
25℃、ラクトンダイマー0.65%、ε−カプロラク
トンの反応率は99.6%であった。
及びコンデンサーを備えた0.5リットルのセパラブル
フラスコにジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)137.7g(0.55モル)、実施例1のラクト
ン重合体358.2g(0.18モル)を仕込み、窒素
ガスを吹き込みながら80℃で2時間反応後、80℃を
保持しながら10torrに減圧し、脱泡処理を行いプ
レポリマーを合成した。そのプレポリマーに80℃の
1,4−ブタンジオール32.4g(0.36モル)を
添加し、1分間撹拌混合し、予め、離型剤を塗布し、8
0℃に加温してある金型に注型した。オーブン中で80
℃×2時間、そして120℃×15時間加熱硬化させ、
厚さ3mmの熱可塑性ポリウレタンシートを作成した。
得られた熱可塑性ポリウレタンシートについて性状分
析、粉吹き評価を行った。結果を表−1に示す。
2のラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンシー
トを作成した。但し、仕込量は実施例2のラクトン重合
体362g(0.18モル)を用いた。得られた熱可塑
性ポリウレタンシートについて性状分析、粉吹き評価を
行った。結果を表−1に示す。
2のラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンシー
トを作成した。但し、仕込量は実施例2のラクトン重合
体360g(0.18モル)を用いた。得られた熱可塑
性ポリウレタンシートについて性状分析、粉吹き評価を
行った。結果を表−1に示す。
1のラクトン重合体を用いて熱可塑性ポリウレタンシー
トを作成した。但し、仕込量は比較例1のラクトン重合
体355.7g(0.18モル)を使用した。得られた
熱可塑性ポリウレタンシートについて性状分析、粉吹き
評価を行った。結果を表−1に示す。
及びコンデンサーを備えた1リットルのセパラブルフラ
スコにイソホロンジイソシアネート400g(1.8モ
ル)、触媒としてジブチルスズジラウレート0.12g
を仕込み、50℃に加温した。実施例4のラクトン重合
体330g(0.6モル)を酢酸エチル183gに溶解
した溶液を反応温度70℃を越えない様に滴下した。滴
下終了後、70℃、6時間反応させた後、酢酸エチル6
0gを加えた。得られたウレタン溶液の性状は不揮発分
75.2%、NCO含有量7.75%、粘度1520c
P/25℃であった。得られたウレタン溶液を用いて、
ウレタン溶液とアクリルポリオール樹脂の比をNCO/
OH=1.0とし、粘度は、フォードカップ粘度90秒
になる様にシンナー(酢酸エチル/酢酸ブチル/トルエ
ン/キシレン=20/30/25/25)で調整し、ガ
ラス板上にアプリケーターを用い35μmの膜厚となる
ように塗布し、室温で1週間乾燥させ塗膜形成した。こ
の塗膜を用いて粉吹き評価を行った。尚、アクリルポリ
オール樹脂は固形分50%、水酸基価50KOHmg/
gを用いた。結果を表−2に示す。
2のラクトン重合体からウレタン溶液を得た。但し、仕
込量として比較例2のラクトン重合体552g(0.6
モル)を使用した。得られたウレタン溶液の性状は、不
揮発分75.0%、NCO含有量7.70%、粘度15
80cP/25℃であった。得られたウレタン溶液につ
いて実施例9と同様にして粉吹き評価を行った。結果を
表−2に示す。
計及びコンデンサーを備えた1リットルのフラスコを用
い、トルエン200部、酢酸ブチル200部、ジ−t−
ブチルパーオキサイド4部を仕込み、窒素ガスを吹き込
みながら120℃まで昇温した。120℃に到達した時
点で、スチレン160部、メタクリル酸メチル32部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート48部、実施例5
で得られたラクトン重合体160部、アゾビスイソブチ
ルニトリル4部を均一に溶解した混合モノマー溶液を4
時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃で4時間熟
成し、アクリルポリオール樹脂を得た。得られたアクリ
ルポリオール樹脂の性状は、固形分50.1%、水酸基
価49.2KOHmg/g、粘度(ガードナー)Jであ
った。得られたアクリルポリオール溶液を、ウレタン硬
化剤「ジュラネート24A−100」(旭化成工業品)
を用い、実施例9と同じウレタン溶液を用い、同じ条件
で塗膜形成し、粉吹き評価を行った。その結果、粉吹き
現象は観察されなかった。
トンダイマー含有量が0.1%以下であるため、塗料、
ポリウレタン等の原料に用いても粉吹き現象が少ない。
また、ラクトン重合体と有機ジイソシアネートとを反応
させてイソシアネート末端のウレタンプレポリマーを合
成する場合にも、減圧処理工程で結晶化物が蓄積せず、
生産性の低下を防止することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 ラクトンダイマー含有量が0.1重量%
以下であることを特徴とするラクトン重合体。 - 【請求項2】 請求項1記載のラクトン重合体からなる
ポリウレタン樹脂。 - 【請求項3】 請求項2記載のポリウレタン樹脂の硬化
物。 - 【請求項4】 ラクトンモノマーをチタン系化合物を触
媒として重合させ、次いで生成物を薄膜蒸留することを
特徴とするラクトンダイマー含有量が0.1重量%以下
であるラクトン重合体の製造方法。 - 【請求項5】 ラクトンモノマーをチタン系化合物を触
媒として重合させ、次いで生成物を薄膜蒸留しラクトン
ダイマー含有量が0.1重量%以下であるラクトン重合
体を得、次いで当該ラクトン重合体とイソシアネート化
合物とを反応させることを特徴とするポリウレタン樹脂
の製造方法。 - 【請求項6】 請求項4記載の製造方法により得られる
ラクトン重合体からなるポリウレタン樹脂。 - 【請求項7】 請求項6記載ポリウレタン樹脂からなる
塗料組成物。
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