JPH10295288A - 油揚食品及びその製造方法 - Google Patents
油揚食品及びその製造方法Info
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- JPH10295288A JPH10295288A JP9124720A JP12472097A JPH10295288A JP H10295288 A JPH10295288 A JP H10295288A JP 9124720 A JP9124720 A JP 9124720A JP 12472097 A JP12472097 A JP 12472097A JP H10295288 A JPH10295288 A JP H10295288A
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Abstract
げることを特徴とする油揚食品の製造。 【効果】 油揚食品中の食用油の吸収量が少なく、また
油揚げ処理に要する食用油の使用量も少なくてすみ、油
揚食品からの油の滲出も抑制され、健康上、風味上、外
観上、商品価値上そしてコスト面でも本発明は卓越して
いる。
Description
関するものであり、更に詳細には、食用油で揚げる食品
に対してビートファイバーを添加し、これを食用油で揚
げることを特徴とするものである。
心にまで熱を伝えることにより、食品中のでんぷんのα
化とタンパク質の変性にある。そのためには食品を一定
時間油で揚げる必要があり、油で処理後も必然的に食品
中の油分は抜けきらず残留する。したがって、油揚食品
中には大量の油が吸収されて残留し、また当然のことな
がら、油揚処理に使用される食用油の使用量も増加す
る。このことは、貴重な天然資源である食用油の浪費に
つながり、製造コストの上昇という工業化の面でのデメ
リットもあり、更にまた大量の廃油の排出にもつなが
り、廃液処理や公害面でのデメリットも生じる。また、
油揚製造後時間の経過とともに、油で揚げた食品から油
がしみ出る。そのため、弁当などにおいて、しみ出てき
た油が他の具材やごはん等に付着して風味、食感を損ね
たり、外観を悪化させたりする。
化とともに、油脂の摂取量が増加し、特に油で揚げた食
品の摂取量増加は顕著である。この現象は、健康志向に
逆行する流れであり、油で揚げた食品中の油分をできる
だけ少なくし、それでいて一旦油で揚げた後は得られた
油揚食品から油分が滲出するのを低下、抑制し、しか
も、「サクサク」した食感を合わせ持つ健康食品の製造
及び油揚処理に使用する食用油の使用量を少なくした油
揚食品の製造方法を新規に開発する目的で、本発明はな
されたものである。
に鑑み、油で揚げる食品につき鋭意研究の結果、その食
品の製造に際して、小麦粉、でんぷん、米粉等粉末組成
物に対してビートファイバーを添加することによって、
その食品中の油分を低下させるとともに、食感が従来と
同等以上に維持できることを新たに見出した。しかも、
ビートファイバーによる食物繊維の強化という副次的効
果も期待できることを新たに確認し、本発明を完成し
た。以下、本発明について詳述する。
トファイバーを使用するものであるが、ビートファイバ
ーは、ビート(甜菜)の根部より得られた繊維含有物を
すべて包含するものであって、製糖原料として知られる
甜菜根から主として蔗糖を採取した粕、あるいは蔗糖の
抽出を行う前の甜菜根それ自体が包含される。
原料である甜菜としては、品種や栽培条件等の差により
組成を異にするが、好ましくは甜菜糖製造に用いる甜菜
を使用する。調製は、通常、甜菜根を細片状に切断する
か或いは磨砕、搾汁し、次いで温湯に浸漬し、主として
蔗糖よりなる可溶性成分を十分に抽出除去した残渣を
得、脱色、脱臭、乾燥、粉砕、篩別等の必要な処理を施
して繊維質含有物を得、これをビートファイバーとして
使用することができる。尚、ビートファイバーは、磨砕
機等を用いて30メッシュスルー、好ましくは60メッ
シュスルー、更に好ましくは、100メッシュスルーの
粉末体とすれば有利に使用することができる。
うとする食品(素材食品)、及び/又は、衣やバッター
粉等にビートファイバーを添加し(すなわち、混合、注
入、表面処理等の少なくともひとつの処理を行い)、油
揚処理を行う。
粉末成分の0.5〜10%、好適には1〜6%とするの
がよい。ここに、粉末成分とは、小麦粉、ライ麦粉、米
粉、トウモロコシ粉、ソバ粉等の穀物粉及び穀物加工
粉;コーンスターチ、バレイショ澱粉;米澱粉、小麦澱
粉、カタクリ粉等の澱粉;ベーキングパウダー等膨張
剤;食物繊維;その他油揚食品に使用される粉末成分を
すべて指すものである。
イバーを添加する点以外は、通常の油揚処理を実施すれ
ばよく、特定の食用油の限定使用、油揚温度や時間の特
定、その他格別の方法、格別の装置を必要とせず、この
点も本発明の特徴のひとつである。
した惣菜、油揚げした和、洋菓子その他油揚げした食品
がすべて包含され、非限定例としては次のものが挙げら
れる:天ぷら、フライ、トンカツ、ビーフカツ、メンチ
カツ、カツレツ類、ピカタ類、コロッケ、ドーナツ、揚
げパン、具入り揚げパン、揚げ出しもち、揚げおかき、
揚げせんべい、カリントウ、スナック類、揚げまんじゅ
う、揚げシウマイ、揚げギョウザ、春巻きその他。した
がって、本発明においては、ビートファイバーは、衣や
バッターに添加してもよく、また、食品本体に添加して
もよい。
れている甜菜根を原料とし、次のようにして調製した。
ビート糖製造の常法にしたがい、甜菜根を細切化した
後、これを温水を用いて糖分その他の可溶性成分を充分
抽出した。このようにして糖分等を抽出除去し、得られ
た残渣を乾燥、粉砕し、60メッシュスルーの粉末体を
篩別し、これをビートファイバーとして用いた。ビート
ファイバーの分析例を示すと、表1の如く、ペクチン、
ヘミセルロース、セルロースなどからなる複合型の水に
溶けない食物繊維素材である。
4%、6%添加した場合の実施例を以下に示す。すなわ
ち、下記表2に示す組成のバッター液0.6mlを17
5℃の食用油で30秒間揚げた後、揚げたもの(以下揚
げ玉と呼ぶ)の吸油量をAOAC公定法に基づきエーテ
ル抽出法により測定した。結果を表3に示す。
ター液0.6mlを175℃の食用油で30秒間揚げた
後、揚げたもの(揚げ玉)を濾紙の上に置いた。3時間
室温に放置した後、濾紙の重量を測定し、滲出油量を求
めた。又、吸油量はAOAC公定法に基づきエーテル抽
出法により測定した。結果を表5に示した。
に添加した場合の比較実施例を以下に示す。製パン法は
標準中種法を用い、ビートファイバー及び他の個々の食
物繊維(コーンファイバー、大豆ファイバー、粉末セル
ロース)を本捏に添加したものである。本製パンの配
合、工程は、下記表6、表7に示すとおりである。本製
パン法で作成したパンを乾燥粉砕したものを、パン粉の
原料とした。
げた後、AOAC公定法に基づくエーテル抽出法によ
り、揚げたパン粉の吸油量を測定した。結果を表8に示
す。上記結果から、対照に比較してビートファイバーを
添加したパン粉は油分が低かった。また、コーンファイ
バー、大豆ファイバーそして粉末セルロースに比較して
もビートファイバーを添加したパン粉は油分が低かっ
た。
たパネルに試食してもらい、油を感じる順位をつけても
らった。その結果を表9に示す。ビートファイバーを添
加してパン粉が最も油を感じないという結果であった。
00g、湯1200gを用いてポテトコロッケの種15
00gを調製した。このコロッケ種から1ケ50gの小
判型を30ケ作成し、1群10ケ宛の3群に分けた。上
記10ケの3群に、表10に示すバッター液をそれぞれ
付着させた後、市販のパン粉をまぶし、170℃に加熱
したサラダオイル中で3分間油調した。サラダオイルの
減少量を調べ、その値より衣100に対しての吸油量を
求めた。結果を表11に示した。
ほぼ同一であるビートファイバー区と対照1区の吸油量
の比較では表11に示すように、ビートファイバー区の
方が吸油量が低くなった。また、一般にバッター液の粘
度が高いほど吸油量は低くなるため、バッター液の粘度
を同一にして比較したビートファイバー区と対照2区に
おいても、ビートファイバー区の方が吸油量が低くなっ
た。以上のように、ビートファイバーをバッター液に添
加することによりコロッケの衣の油分を減少させること
が明らかとなった。
ドーナッツを作成した。配合、工程は表12、表13に
示した。揚げ後のサラダオイルの減少量を調べ、その値
より生地100に対しての吸油量を求めた。結果を表1
4に示した。第14表に示すように、ビートファイバー
を添加したドーナッツの吸油量は、無添加のドーナッツ
の吸油量よりも低くなった。
と湯(60℃)を加え、混捏した。これを強火で20分
間蒸した後、水に2分付け粗熱を取った。さらに砂糖、
片栗粉を加えて混捏した後、モルダーで延ばし、さらに
6分蒸した。型抜き(50g/個)して、170℃の油
で3分間揚げた。揚げ後のサラダオイルの減少量を調
べ、その値よりもちに対しての吸油量を求めた。その結
果、ビートファイバーを添加した揚げ出しもちの吸油量
は、無添加の揚げ出しもちの吸油量よりも低くなった。
る小麦粉、でんぷん、米粉等にビートファイバーを添加
することにより、食品中の残油分が減少することが判明
した。更に、その効果がビートファイバーは他の食物繊
維より効果があり、特有のものであることを確認した。
するに当たり、ビートファイバーを使用すると、食品に
残留する油量が少なくなり、健康志向の食品を提供する
ことを可能とする。ビートファイバーは甜菜の根部より
得られた食物繊維素材で、天然物であるため安全であ
り、これを添加するだけの簡単な手法でよいので、本食
品の作成に熟練等を要せず、油で揚げる食品の加工に応
用することは極めて有益である。
油揚食品は油の吸収量が少なく、そのうえ揚げた後の油
切れが良く、揚げた後の油の滲出が抑制されるという著
効が奏されるだけでなく、油揚処理に使用する油の使用
量が少なくてすむという著効が奏される。したがって、
本発明は工業的なコスト面からもすぐれており、高価な
食用油も自由に使用することができる。また、油の使用
量も少ないために廃油の量も大幅に減少し、本発明は廃
水処理ないし公害防止技術としても卓越している。
るいは商品価値の点から問題となっており、たとえば、
弁当に油揚げ食品をのせると滲み出てきた油が他の具材
等に付着して、風味、食感を損ねていたが、本発明はこ
の点を防止することもできる。
Claims (5)
- 【請求項1】 ビートファイバーを添加して食用油で揚
げることを特徴とする油揚食品の製造方法。 - 【請求項2】 ビートファイバーの添加量を食品の粉末
成分の0.5〜10%、好適には1〜6%とすること、
を特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の方法によって製
造してなる油揚食品。 - 【請求項4】 食用油の吸収量及び/又は使用量が少な
いことを特徴とする請求項3に記載の油揚食品。 - 【請求項5】 更に食用油の滲出量が少ないことを特徴
とする請求項3又は4に記載の油揚食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12472097A JP3394684B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | 油揚食品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12472097A JP3394684B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | 油揚食品及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10295288A true JPH10295288A (ja) | 1998-11-10 |
JP3394684B2 JP3394684B2 (ja) | 2003-04-07 |
Family
ID=14892442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12472097A Expired - Fee Related JP3394684B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | 油揚食品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3394684B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012165651A (ja) * | 2011-02-09 | 2012-09-06 | Nippon Beet Sugar Mfg Co Ltd | 畜肉油揚げ食品の食感及び/又は風味改善方法 |
JP2016214229A (ja) * | 2015-05-19 | 2016-12-22 | 旭化成株式会社 | 揚げ菓子 |
WO2024090471A1 (ja) * | 2022-10-25 | 2024-05-02 | 味の素株式会社 | 揚げ物用衣材 |
-
1997
- 1997-04-30 JP JP12472097A patent/JP3394684B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024090471A1 (ja) * | 2022-10-25 | 2024-05-02 | 味の素株式会社 | 揚げ物用衣材 |
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JP3394684B2 (ja) | 2003-04-07 |
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