[go: up one dir, main page]

JP3495859B2 - 熱処理デュラム小麦粉 - Google Patents

熱処理デュラム小麦粉

Info

Publication number
JP3495859B2
JP3495859B2 JP30567896A JP30567896A JP3495859B2 JP 3495859 B2 JP3495859 B2 JP 3495859B2 JP 30567896 A JP30567896 A JP 30567896A JP 30567896 A JP30567896 A JP 30567896A JP 3495859 B2 JP3495859 B2 JP 3495859B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheat flour
heat
flour
treated
durum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP30567896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09220049A (ja
Inventor
博文 本井
和宏 小俣
太 平沢
勝 救護
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Foods Inc
Original Assignee
Nisshin Foods Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Foods Inc filed Critical Nisshin Foods Inc
Priority to JP30567896A priority Critical patent/JP3495859B2/ja
Priority to CA002192432A priority patent/CA2192432C/en
Priority to US08/763,434 priority patent/US6010736A/en
Priority to AU75306/96A priority patent/AU712799B2/en
Publication of JPH09220049A publication Critical patent/JPH09220049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3495859B2 publication Critical patent/JP3495859B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; PREPARATION OR TREATMENT THEREOF
    • A23L19/00Products from fruits or vegetables; Preparation or treatment thereof
    • A23L19/10Products from fruits or vegetables; Preparation or treatment thereof of tuberous or like starch containing root crops
    • A23L19/105Sweet potatoes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT OF FLOUR OR DOUGH FOR BAKING, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS
    • A21D13/00Finished or partly finished bakery products
    • A21D13/60Deep-fried products, e.g. doughnuts
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT OF FLOUR OR DOUGH FOR BAKING, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS
    • A21D6/00Other treatment of flour or dough before baking, e.g. cooling, irradiating or heating
    • A21D6/003Heat treatment
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; PREPARATION OR TREATMENT THEREOF
    • A23L7/00Cereal-derived products; Malt products; Preparation or treatment thereof
    • A23L7/10Cereal-derived products
    • A23L7/198Dry unshaped finely divided cereal products, not provided for in groups A23L7/117 - A23L7/196 and A23L29/00, e.g. meal, flour, powder, dried cereal creams or extracts
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23PSHAPING OR WORKING OF FOODSTUFFS, NOT FULLY COVERED BY A SINGLE OTHER SUBCLASS
    • A23P20/00Coating of foodstuffs; Coatings therefor; Making laminated, multi-layered, stuffed or hollow foodstuffs
    • A23P20/10Coating with edible coatings, e.g. with oils or fats
    • A23P20/12Apparatus or processes for applying powders or particles to foodstuffs, e.g. for breading; Such apparatus combined with means for pre-moistening or battering

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱処理デュラム小麦
粉およびその製造方法、前記の熱処理デュラム小麦粉を
含有するケーキ類用小麦粉組成物、ドーナッツ類用小麦
粉組成物および揚げ衣用小麦粉組成物、並びに前記の熱
処理デュラム小麦粉またはケーキ類用小麦粉組成物を用
いて得られるケーキ類、前記の熱処理デュラム小麦粉ま
たはドーナッツ類用小麦粉組成物を用いて得られるドー
ナッツ類、および前記の熱処理デュラム小麦粉または揚
げ衣用小麦粉組成物を用いて得られる揚げ物類に関す
る。
【0002】
【従来の技術】小麦粉を用いて得られる菓子類の代表例
として、スポンジケーキ、ロールケーキ、バターケー
キ、ホットケーキ、パンケーキ、チーズケーキ、スフレ
ケーキ、カステラなどのケーキ類やドーナッツ類が挙げ
られる。近年、各種食品の品質に対する消費者の要求が
ますます強くなっており、それに伴って、前記したケー
キ類においても、焼き上げたときに体積が大きく、沈み
や窪みなどがなくて良好な形状および外観を有し、しか
も過度の粘りがなくて、ソフトでしっとりとした触感、
ソフトな口当たりと口どけのよい食感、甘い香りや旨み
のある良好な風味を有するものが求められている。ま
た、ドーナッツ類においては、油で揚げたときに、充分
に膨らんでいて体積が大きく、且つ良好な形状、色調を
有していて外観に優れ、しかも過度の粘りがなくてサク
サクとしていて歯切れがよく、かつ口どけのよいものが
求められている。
【0003】ケーキ類の製造に当たっては、過度の粘り
がなくて、ソフトで口どけのよい食感を得るために、蛋
白質含量の少ない薄力小麦粉が従来から一般に用いられ
ているが、薄力小麦粉を用いたケーキ類では、焼き上げ
たり油で揚げたときに体積が充分でなかったり、形状が
不良であったり、しっとり感、ソフトさ、口溶け、香り
などの点で充分に満足のゆくものが得られていない。そ
のため、品質の向上したケーキ類を得ることを目的とし
て、小麦粉を相対湿度を90%にコントロールした加熱
装置中に4〜15分間滞留させて熱処理する方法(特開
昭58−101634号公報)、小麦粉を二軸型押出機
により加熱押出し処理する方法(特開昭62−5504
8号公報、特開昭62−83858号公報)、小麦粉中
における粒径30μm以下の小麦粉粒子の割合を80重
量%以上にしたスポンジケーキ用小麦粉(特開平6−2
37682号公報)などが提案されている。しかしなが
ら、前記した従来技術による場合は、体積、形状、外
観、触感、食感、風味などのすべての点で満足のゆくケ
ーキ類が未だ得られておらず、より一層の改良が求めら
れている。
【0004】また ドーナッツ類の製造に当たっても、
過度の粘りがなくてサクサクとして歯切れがよく、口ど
けのよい食感を得るために、蛋白質含量の少ない薄力小
麦粉が従来から一般に用いられている。しかしながら、
薄力小麦粉を用いたドーナッツ類では、油で揚げたとき
に体積が充分でなかったり、形状や色調が不良であった
り、サクサク感、口溶け、香りなどの点で充分に満足の
ゆくものが得られていない。
【0005】さらに、天ぷらなどの揚げ物類において
は、衣がべっとりと湿っておらず、からりと乾いた状態
になっていて、しかも粘りがなくて歯もろくサクサクと
していることが求められている。そのため、天ぷらなど
の揚げ衣用にも、蛋白質含量の少ない薄力小麦粉が従来
から汎用されているが、からりとして揚げあがりになり
にくく、歯もろさおよびサクサク感などの点において充
分に満足のゆくものではない。特に、油で揚げてから時
間が経過すると、衣がべたついて湿った状態になり、歯
もろさやサクサク感が失われ、しかもそれを電子レンジ
などで再加熱すると、前記したべたつきや不良な食感が
一層助長される。
【0006】
【発明の内容】上記のような状況下に、本出願人は、過
度の粘りがなくて、歯切れおよび口溶けが良く、しかも
良好な風味を有するケーキ類やドーナッツ類などの菓子
類、パン類などのベーカリー製品を得ることを目的とし
て長年研究を行ってきているが、冷凍ケーキ類、冷凍パ
イ類、冷凍パン類などの冷凍ベーカリー製品の製造に当
たって、その主要原料である穀粉類としてデュラム小麦
粉の含有割合が30重量%以上のものを使用するとよい
結果が得られことを見出して先に出願した(特開平6−
153769号公報)。
【0007】そして、本発明者らは、上記したような従
来技術および前記した本出願人自身の発明などを踏まえ
てさらに検討を重ねてきた。その結果、ケーキ類やドー
ナッツ類などの菓子類の製造に当たって、その主原料で
ある小麦粉としてデュラム小麦粉を使用し、しかもその
デュラム小麦粉として特定の湿熱処理を施して得られる
特定のグルテンバイタリティおよびグルテン膨潤度を有
するデュラム小麦粉を用いると、焼き上げたり油で揚げ
たときに体積が大きく、沈みや窪みなどがなく充分に膨
らみ、かつ焼き上がりの色調または油揚げ後の色調が良
好で、形状および外観に優れるケーキ類やドーナッツ類
などの菓子類が得られること、そしてケーキ類の場合は
ソフトでしっとりとした触感、ソフトな口当たりと口ど
けの良い食感、および甘い香りがして旨みのある良好な
風味を更に備えていること、またドーナッツ類ではサク
サクとしていて歯切れがよく、しかも口溶けのよい製品
が得られることを見出した。
【0008】さらに、本発明者らは、上記した湿熱処理
を施した特定のグルテンバイタリティおよびグルテン膨
潤度を有するデュラム小麦粉を用いてケーキ類やドーナ
ッツ類を製造するに当たっては、そのデュラム小麦粉を
単独で用いずに薄力小麦粉を特定の割合で配合して用い
るのが、上記した高品質のケーキ類やドーナッツ類など
の菓子類を得る上で有効であることを見出した。
【0009】また、本発明者らは、天ぷらなどの揚げ物
類に用いる揚げ衣用の材料についても従来から種々研究
を行ってきているが、揚げ衣の主原料である小麦粉とし
てデュラム小麦粉を使用し、しかもそのデュラム小麦粉
として特定の湿熱処理を施して得られる特定のグルテン
バイタリティおよびグルテン膨潤度を有するデュラム小
麦粉を用いると、衣がべっとりと湿っておらずからりと
乾いた状態に揚がり、しかも粘りがなくて歯もろくサク
サクとした天ぷらなどの揚げ物類が得られること、しか
もそのような良好な触感および食感が、油で揚げてから
時間が経過しても良好に保たれていること、そして時間
が経過して冷めた揚げ物類を電子レンジなどで再加熱し
てもそのような良好な触感および食感が維持されること
を見出した。
【0010】さらに、本発明者らは、上記した湿熱処理
を施した特定のグルテンバイタリティおよびグルテン膨
潤度を有するデュラム小麦粉を揚げ衣用材料として使用
して天ぷらなどの揚げ物類を製造するに当たっては、そ
のデュラム小麦粉を単独で用いずに薄力小麦粉を特定の
割合で配合して用いるのが、上記した品質に優れる揚げ
物類を得る上で有効であることを見出した。そして、本
発明者らは、上記した種々の知見に基づいて本発明を完
成した。
【0011】すなわち、本発明は、未処理デュラム小麦
粉のグルテンバイタリティを100としたときにそのグ
ルテンバイタリティが70〜95であり、且つ未処理デ
ュラム小麦粉のグルテン膨潤度を100としたときにそ
のグルテン膨潤度が105〜130であることを特徴と
する熱処理デュラム小麦粉である。そして、上記した本
発明の熱処理デュラム小麦粉は、ケーキ類やドーナッツ
類などのような菓子類、または天ぷらなどの揚げ物類を
つくるための揚げ衣用として特に好ましく用いられる。
【0012】さらに、本発明は、飽和水蒸気を導入した
加圧状態の密閉系撹拌機にデュラム小麦粉を導入し、密
閉系撹拌機中での滞留時間2〜20秒の条件下に、密閉
系撹拌機からの排出時のデュラム小麦粉の品温が75〜
95℃であるようにして湿熱処理を行うことを特徴とす
る熱処理デュラム小麦粉の製造方法である。
【0013】そして、本発明は、上記した熱処理デュラ
ム小麦粉20〜80重量%および薄力小麦粉80〜20
重量%からなる小麦粉を主原料とするケーキ類用小麦粉
組成物である。
【0014】さらに、本発明は、上記した熱処理デュラ
ム小麦粉20〜80重量%および薄力小麦粉80〜20
重量%からなる小麦粉を主原料とするドーナッツ類用小
麦粉組成物である。
【0015】さらに、本発明は、上記した熱処理デュラ
ム小麦粉20〜80重量%および薄力小麦粉80〜20
重量%からなる小麦粉を主原料とする揚げ衣用小麦粉組
成物である。
【0016】そして、本発明は、上記した熱処理デュラ
ム小麦粉、上記したケーキ類用小麦粉組成物、ドーナッ
ツ類用小麦粉組成物または揚げ衣用小麦粉組成物を用い
て得られるケーキ類、ドーナッツ類および揚げ物類を包
含する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の熱処理デュラム小麦粉およびそれを含有
する小麦粉組成物は、上記したように菓子類の製造、お
よび天ぷらなどの揚げ物類の衣用として特に好ましく用
いられる。
【0018】ここで、本発明でいう菓子類としては、ケ
ーキ類、ドーナッツ類などの菓子類、特に洋菓子類が挙
げられる。そして洋菓子類のうちでも、本発明の熱処理
デュラム小麦粉およびそれを含有する小麦粉組成物は、
ケーキ類およびドーナッツ類の製造に適している。その
場合の「ケーキ類」とは、小麦粉および/または小麦粉
以外の穀粉類を主原料とし、それに卵、砂糖、化学膨張
剤、乳化剤などの1種または2種以上を加えて、焼成ま
たは蒸して得られる多孔質構造を有する菓子類をいい、
例えばスポンジケーキ、ロールケーキ、バターケーキ、
パンケーキ、ホットケーキ、チーズケーキ、スフレケー
キ、カステラなどを挙げることができる。また、「ドー
ナッツ類」とは、小麦粉および/または小麦粉以外の穀
粉類を主原料とし、それに卵、砂糖、化学膨張剤、乳化
剤、牛乳やその他の乳製品の1種または2種以上などを
加えて、油で揚げて得られる菓子類をいう。
【0019】また、本発明でいう揚げ物類としては、天
ぷら、カラ揚げ、フライ類、カツ類などを挙げることが
でき、そのうちでも本発明の熱処理デュラム小麦粉は、
天ぷら、カラ揚げなどの揚げ物類の衣用材料として適し
ている。
【0020】従来の菓子類や揚げ衣用の小麦粉として
は、上述のように薄力小麦粉などの汎用の小麦粉が一般
に用いられているが、薄力小麦粉などの小麦粉は、植物
学的に分類した場合にいずれも「普通系小麦」に属する
6組のゲノムを有する小麦を製粉して得られたものであ
る。そして、そのような普通系小麦の代表例としては、
アメリカ産のウエスタン・ホワイト・ホィート、オース
トラリア産のソフトなどの蛋白質含有量の少ない薄力系
小麦などを挙げることができる。
【0021】これに対して、本発明で用いるデュラム小
麦粉は、植物学的に分類した場合に「二粒系小麦」に属
し、4組のゲノムを有している点で、上記した普通系小
麦と植物学的に種類が異なる。デュラム小麦は米国のノ
ースダコタ州を中心にモンタナ州およびサウスダコタ州
の諸州を主要生産地として産出され、その他米国以外の
国でも産出されているが、硝子質粒を60%以上(大半
のものが75%以上)含有し、その蛋白含有率も平均で
14%を越える硬質で高蛋白質含量の小麦である。かか
るデュラム小麦は、その黄色色素の高含量や高硬度等の
特性から、これまでは特に硬質で弾力性のある食感が要
求されるスパゲッティやマカロニ等のパスタ類の製造に
セモリナの形態で主として用いられている。
【0022】そのため、デュラム小麦粉をケーキ類やド
ーナッツ類などの菓子類に使用することは本出願人の上
記した特開平6−153769号公報以外には従来殆ど
知られていない。また、デュラム小麦粉を揚げ衣用に用
いることも従来行われていない。よってかかる点で、デ
ュラム小麦粉に湿熱処理を施して得られた特定のグルテ
ンバイタリティおよびグルテン膨潤度を有する本発明の
熱処理デュラム小麦粉を用いると、上記した各種の特性
に優れる高品質の菓子類および揚げ物類が得られるとい
う本発明者らが見出した効果は、従来技術からは全く予
想外のことであった。
【0023】そして上記したように、本発明では、熱処
理デュラム小麦粉のグルテンバイタリティが、熱処理を
行う前の未処理デュラム小麦粉のグルテンバイタリティ
を100としたときに70〜95であることが必要であ
り、80〜90であることが好ましい。熱処理デュラム
小麦粉のグルテンバイタリティが70よりも低いかまた
は95よりも高いと、ケーキ類を製造したときには体積
が大きくならず、しかもソフトさに欠け、口どけが劣っ
たものとなり、更に焼き色が濃くなって色調が不良にな
るなどの欠点を生じ、またドーナッツ類を製造したとき
には油揚げ後のドーナッツ類の体積、色調、形状が不良
になり、しかも粘りが強くて、サクサク感がなく、歯切
れおよび口どけの悪い不良な食感となる。また、グルテ
ンバイタリティが70よりも低いかまたは95よりも高
いと、熱処理デュラム小麦粉を衣用材料として用いて天
ぷらなどの揚げ物類をつくったときに、特に油で揚げた
後に時間が経過すると、衣がべっとりと湿った状態にな
り、粘りが強くなって歯もろくサクサクとした食感が失
われ、そして油揚げ後に時間が経過して冷めたものを電
子レンジなどで再加熱するとそのような不良な状態が一
層助長される。
【0024】さらに、本発明では、熱処理デュラム小麦
粉のグルテン膨潤度が、熱処理を行う前の未処理デュラ
ム小麦粉のグルテン膨潤度を100としたときに、10
5〜130であることが必要であり、106〜120で
あることが好ましい。熱処理デュラム小麦粉のグルテン
膨潤度が105よりも低いかまたは130よりも高い
と、ケーキ類を製造した場合にはケーキ体積が大きくな
らず、沈みが発生して形状が不良となり、しかも粘りの
強い団子状の不良な食感となり易く、またドーナッツ類
を製造した場合には油揚げ後のドーナッツ類の体積、色
調、形状が不良になり、しかも粘りが強くて、サクサク
感のない、歯切れおよび口どけの劣る不良な食感にな
る。また、グルテン膨潤度が105よりも低いかまたは
130よりも高いと、熱処理デュラム小麦粉を衣用材料
として用いて天ぷらなどの揚げ物類をつくったときに、
特に油で揚げた後に時間が経過すると、衣がべっとりと
湿った状態になり、粘りが強くなって歯もろくサクサク
とした食感が失われ、そして油揚げ後に時間が経過して
冷めたものを電子レンジなどで再加熱すると前記した不
良な状態が一層助長される。
【0025】グルテンバイタリティが上記した70〜9
5で且つグルテン膨潤度が上記した105〜130であ
る本発明の熱処理デュラム小麦粉は、熱処理を施されて
いるがデュラム小麦粉中に含まれている澱粉は実質的に
α化されておらず、かかる点で小麦粉中に含まれる澱粉
をα化するための従来周知の熱処理とはその内容が大き
く異なっている。ここで、本発明でいうデュラム小麦粉
および後記する薄力小麦粉などの小麦粉の「グルテンバ
イタリティ」および「グルテン膨潤度」は下記のように
して測定される。
【0026】[グルテンバイタリティの測定法] (1)小麦粉の可溶性粗蛋白含量の測定: (a) 100ml容のビーカーに試料(小麦粉)を2
g精秤して入れる。 (b) 上記のビーカーに0.05規定酢酸40mlを
加えて、室温で60分間撹拌して懸濁液を調製する。 (c) 上記(b)で得た懸濁液を遠沈管に移して、5
000rpmで5分間遠心分離を行った後、濾紙を用い
て濾過し、濾液を回収する。 (d) 上記で用いたビーカーを0.05規定酢酸40
mlで洗って洗液を遠沈管に移して、5000rpmで
5分間遠心分離を行った後、濾紙を用いて濾過し、濾液
を回収する。 (e) 上記(c)および(d)で回収した濾液を一緒
にして100mlにメスアップする。 (f) ティケーター社(スウェーデン)のケルテック
オートシステムのケルダールチューブに上記(e)で得
られた液体の25mlをホールピペットで入れて、分解
促進剤(日本ゼネラル株式会社製「ケルタブC」;硫酸
カリウム:硫酸銅=9:1(重量比)]1錠および濃硫
酸15mlを加える。 (g) 上記したケルテックオートシステムに組み込ま
れているケルテック分解炉(DIGESTION SYSTEM 20 1015
型)を用いて、ダイヤル4で1時間分解処理を行い、
さらにダイヤル9または10で1時間分解処理を自動的
に行った後、この分解処理に続いて連続的に且つ自動的
に、同じケルテックオートシステムに組み込まれている
ケルテック蒸留滴定システム(KJELTEC AUTO 1030 型)
を用いて、その分解処理を行った液体を蒸留および滴定
して(滴定には0.1規定硫酸を使用)、下記の数式に
より、試料(小麦粉)の可溶性粗蛋白含量を求める。
【0027】
【数1】可溶性粗蛋白含量(%)=0.14×(T−B)×
F×N×(100/S)×(1/25) 式中、 T=滴定に要した0.1規定硫酸の量(ml) B=ブランクの滴定に要した0.1規定硫酸の量(m
l) F=滴定に用いた0.1規定硫酸の力価(用時に測定す
るかまたは力価の表示のある市販品を用いる) N=窒素蛋白質換算係数(5.70) S=試料の秤取量(g)
【0028】(2)小麦粉の全粗蛋白含量の測定: (a) 上記(1)で用いたのと同じティケーター社の
ケルテックオートシステムのケルダールチューブに、試
料(小麦粉)を0.5g精秤して入れ、これに上記
(1)の(f)で用いたのと同じ分解促進剤1錠および
濃硫酸5mlを加える。 (b) 上記(1)で用いたのと同じケルテックオート
システムのケルテック分解炉を用いて、ダイヤル9また
は10で1時間分解処理を行った後、この分解処理に続
いて連続的に且つ自動的に、同じケルテックオートシス
テムに組み込まれている上記(1)で用いたのと同じケ
ルテック蒸留滴定システムを用いて、前記で分解処理を
行った液体を蒸留および滴定して(滴定には0.1規定
硫酸を使用)、下記の数式により、試料(小麦粉)の全
粗蛋白含量を求める。
【0029】
【数2】 全粗蛋白含量(%)=(0.14×T×F×N)/S) 式中、 T=滴定に要した0.1規定硫酸の量(ml) F=滴定に用いた0.1規定硫酸の力価(用時に測定) N=窒素蛋白質換算係数(5.70) S=試料の秤取量(g)
【0030】(3)グルテンバイタリティの算出:上記
(1)で求めた試料(小麦粉)の可溶性粗蛋白含量およ
び上記(2)で求めた試料(小麦粉)の全粗蛋白含量か
ら、下記の数式により試料(小麦粉)のグルテンバイタ
リティを求める。
【0031】
【数3】グルテンバイタリティ(%)=(可溶性粗蛋白
含量/全粗蛋白含量)×100
【0032】[グルテン膨潤度の測定法] (a) 300ml容のビーカーに試料(小麦粉)を1
0g精秤して入れる。 (b) 上記のビーカーに0.02規定乳酸200ml
を加えて、撹拌した後1夜放置する。 (c) 上記(b)で得た懸濁液を遠心分離機にかけて
3000rpmで3分間遠心分離を行った後、デカンテ
ーションで上澄み液を捨て、倒立させて1分間静置し上
澄み液を十分に除去した後、反転させて下に沈殿した固
形分の重量(g)を測定し、下記の数式によりグルテン
膨潤度を求める。
【0033】
【数4】グルテン膨潤度(倍)=W1/W0 式中、W0=試料(小麦粉)の重量(g) W1=上記(c)で回収した固形分の重量(g)
【0034】上記したグルテンバイタリティおよびグル
テン膨潤度を有する本発明の熱処理デュラム小麦粉は、
その平均粒径が150μm以下であることが好ましく、
120μm以下であることがより好ましい。前記した平
均粒径を有する熱処理デュラム小麦粉を用いた場合に
は、ケーキ類やドーナッツ類などの菓子類では気泡が微
細で且つ均一になり、また揚げ物類の衣がざらつきのな
い舌触りの良好なものとなる。一般に、製粉によって得
られるデュラム小麦粉は、その平均粒径が200μm以
上になっているので、デュラム小麦粉の平均粒径を15
0μm以下にするためには、適当な粉砕手段を用いて粉
砕すればよく、その粉砕手段や粉砕方法などは特に制限
されないが、例えばロールミル、ピンミルなどを用いて
粉砕することができる。また、デュラム小麦粉の平均粒
径を150μm以下にするための粉砕は熱処理の前に行
ってもまたは熱処理後に行ってもよい。
【0035】本発明の熱処理デュラム小麦粉には、その
調製方法の如何を問わず、上記した70〜95のグルテ
ンバイタリティおよび105〜130のグルテン膨潤度
を有する熱処理デュラム小麦粉のいずれもが包含される
が、本発明の熱処理デュラム小麦粉は、飽和水蒸気を導
入した加圧状態の密閉系撹拌機にデュラム小麦粉を導入
し、撹拌機中での滞留時間2〜20秒の条件下に、撹拌
機からの排出時のデュラム小麦粉の品温が75〜95℃
であるようにして湿熱処理を行うことによって高い生産
性で円滑に製造することができ、したがって本発明はか
かる熱処理デュラム小麦粉の製造方法を包含する。
【0036】そして、上記した方法によって本発明の熱
処理デュラム小麦粉を製造するに当たっては、密閉系撹
拌機として、例えば本出願人自身の出願に係る特開平3
−83567号公報に記載されているような高速密閉系
撹拌機が好ましく用いられる。すなわち、一端近くに粉
粒体の投入口を有し、他端近くに粉粒体の排出口を有
し、飽和水蒸気の吹き込み口を有する密閉式の円筒形圧
力容器中に、回転軸上に円筒内径に近い寸法の複数の棒
状撹拌羽根をラセン状に且つ回転軸に対して直角方向か
ら見たその回転軌跡が回転軸の軸方向にほとんど隙間な
く並ぶように配列して植設した回転手段を設けた密閉系
高速撹拌機が好ましく用いられる。
【0037】そして、上記した密閉系高速撹拌機を用い
て、デュラム小麦粉の湿熱処理を行うに当たっては、密
閉系高速撹拌機中でのデュラム小麦粉の滞留時間を2〜
20秒として、密閉系高速撹拌機からの排出時のデュラ
ム小麦粉の品温が75〜95℃であるようにして湿熱処
理を行うと、上記したグルテンバイタリティおよびグル
テン膨潤度を有する本発明の熱処理デュラム小麦粉を高
い生産性で円滑に得ることができるので好ましく、特に
その場合に、密閉系高速撹拌機に導入する飽和水蒸気の
温度を100〜130℃にして、密閉系高速撹拌機に常
温にあるデュラム小麦粉を導入し、且つその棒状撹拌羽
根の先端部の周速度が5〜20m/秒になるようにして
湿熱処理を行うのが、目的とする熱処理デュラム小麦粉
を得る上でより好ましい。
【0038】上記した密閉系高速撹拌機を用いてデュラ
ム小麦粉の湿熱処理を行う場合に、デュラム小麦粉の湿
熱処理の程度が上記したよりも緩い(低い)と、デュラ
ム小麦粉のグルテンバイタリティとグルテン膨潤度が熱
処理を施さないデュラム小麦粉に近いものとなって目的
とする物性を有する熱処理デュラム小麦粉が得られにく
くなり、一方デュラム小麦粉の湿熱処理の程度が上記し
たよりも苛酷になる(強くなる)と、デュラム小麦粉中
の澱粉のα化が生じ、しかもグルテンバイタリティとグ
ルテン膨潤度が前記範囲外となり、やはり目的とする物
性を有する熱処理デュラム小麦粉が得られにくくなるの
で、湿熱処理の条件を上記した範囲内で適当に調節する
のがよい。
【0039】そして、本発明の熱処理デュラム小麦粉を
用いてケーキ類やドーナッツ類などの菓子類を製造する
場合には、また本発明の熱処理デュラム小麦粉を揚げ衣
に用いる場合には、品質の良好な菓子類や揚げ物類を得
る上で、熱処理デュラム小麦粉を単独で用いずに他の穀
粉類と併用するのが好ましい。
【0040】特に、本発明の熱処理デュラム小麦粉20
〜80重量%および薄力小麦粉80〜20重量%からな
る小麦粉をケーキ類用の小麦粉として用いてケーキ類を
製造すると、焼き上げた時に体積が大きく、沈みや窪み
などがなく、焼き色が良くて、形状および外観に優れ、
しかもソフトでしっとりとした触感、ソフトな口当たり
と口どけの良い食感、甘い香りがして旨みのある良好な
風味を有する高品質のケーキ類を得ることができる。し
たがって、本発明は、上記した本発明のグルテンバイタ
リティおよびグルテン膨潤度を有する熱処理デュラム小
麦粉20〜80重量%および薄力小麦粉80〜20重量
%からなる小麦粉を主原料とするケーキ類用小麦粉組成
物(ケーキミックス)を包含する。そして、前記したケ
ーキ類用小麦粉組成物(ケーキミックス)では、熱処理
デュラム小麦粉40〜60重量%および薄力小麦粉60
〜40重量%からなる小麦粉を用いるのが、一層品質に
優れるケーキ類が得られる点から特に好ましい。
【0041】また、本発明の熱処理デュラム小麦粉20
〜80重量%および薄力小麦粉80〜20重量%からな
る小麦粉をドーナッツ類用の小麦粉として用いてドーナ
ッツ類を製造すると、油で揚げた時に体積が大きく、色
調が良好で、形状および外観に優れ、しかもサクサクと
していて歯切れが良く且つ口どけの良い、食感の良好な
ドーナッツ類を得ることができる。したがって、本発明
は、上記した本発明のグルテンバイタリティおよびグル
テン膨潤度を有する熱処理デュラム小麦粉20〜80重
量%および薄力小麦粉80〜20重量%からなる小麦粉
を主原料とするドーナッツ類用小麦粉組成物(ドーナッ
ツミックス)を包含する。そして、前記したドーナッツ
類用小麦粉組成物(ドーナッツミックス)では、熱処理
デュラム小麦粉30〜70重量%および薄力小麦粉70
〜30重量%からなる小麦粉を用いるのが、一層品質に
優れるケーキ類が得られる点から特に好ましい。
【0042】さらに、本発明の熱処理デュラム小麦粉2
0〜80重量%および薄力小麦粉80〜20重量%から
なる小麦粉を衣用材料として用いて揚げ物類を製造する
と、衣がからりと乾いていて、歯もろく、サクサクとし
ている、高品質の揚げ物類を得ることができ、しかもそ
のような良好な品質が油で揚げた後時間が経過して揚げ
物類が冷めてもそのまま保持され、さらには冷めた揚げ
物類を電子レンジなどで再加熱した場合にも前記した良
好な品質が保たれる。したがって、本発明は、上記した
本発明のグルテンバイタリティおよびグルテン膨潤度を
有する熱処理デュラム小麦粉20〜80重量%および薄
力小麦粉80〜20重量%からなる小麦粉を主原料とす
る揚げ衣用小麦粉組成物を包含する。そして、前記した
揚げ衣用小麦粉組成物では、熱処理デュラム小麦粉30
〜70重量%および薄力小麦粉70〜30重量%からな
る小麦粉を用いるのが、衣の上記した特性が一層良好に
なる点から特に好ましい。
【0043】上記した本発明のケーキ類用小麦粉組成物
(ケーキミックス)、ドーナッツ類小麦粉組成物、およ
び揚げ衣用小麦粉組成物では、得られるケーキ類、ドー
ナッツ類または揚げ衣の品質の低下を招かない範囲で、
必要に応じて他の穀粉類(例えば中力小麦粉、強力小麦
粉、大麦粉、ライ麦粉、ソバ粉、コメ粉、小豆粉、大豆
粉など)、ケーキミックス、ドーナッツミックス、また
は揚げ衣の製造に通常用いられている添加剤、例えば、
食塩、ベーキングパウダー、砂糖やその他の糖類;脱脂
粉乳やその他の乳製品、卵製品、香料;ガム類などの保
水剤、乳化剤、活性グルテンなどの蛋白強化剤、ビタミ
ン、ミネラル、アミノ酸などの栄養強化剤、保存剤など
のうちの1種または2種以上を含有していてもよい。
【0044】本発明の熱処理デュラム小麦粉を用いてケ
ーキ類を製造するに当たっては、好ましくは、熱処理デ
ュラム小麦粉に対して、熱処理デュラム小麦粉:薄力小
麦粉の割合が上記した20:80〜80:20の重量比
になるようにして薄力小麦粉を併用し、それに必要に応
じて上記した他の穀粉類やケーキ類の製造に従来から用
いられている各種の添加剤(例えば食塩、ベーキングパ
ウダー、砂糖、蜂蜜、水あめ、その他の糖類;牛乳、脱
脂粉乳、コンデンスミルク、その他の乳製品;ショート
ニング、バター、マーガリン、ラード、植物油、その他
の動植物性油脂類;卵や卵製品;香辛料;ガム類などの
保水剤;乳化剤;活性グルテンなどの蛋白強化剤;ビタ
ミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養強化剤;保存剤な
ど)のうちの1種または2種以上を用いて、常法によっ
て生地をつくり、それを焼成または蒸して製造すればよ
い。また、熱処理デュラム小麦粉20〜80重量%およ
び薄力小麦粉80〜20重量%からなる穀粉類から主と
してなるケーキ類用小麦粉組成物(ケーキミックス)を
用いてケーキ類を製造する場合は、該ケーキ類用小麦粉
組成物と共にケーキ類の製造に更に必要な他の成分を用
いて、常法によって生地をつくり、それを焼成または蒸
して製造すればよい。
【0045】また、本発明の熱処理デュラム小麦粉を用
いてドーナッツ類を製造するに当たっては、好ましく
は、熱処理デュラム小麦粉に対して、熱処理デュラム小
麦粉:薄力小麦粉の割合が上記した20:80〜80:
20の重量比になるようにして薄力小麦粉を併用し、そ
れに必要に応じて上記した他の穀粉類やドーナッツ類の
製造に従来から用いられている各種の添加剤(例えば食
塩、ベーキングパウダー、砂糖、蜂蜜、水あめ、その他
の糖類;牛乳、脱脂粉乳、コンデンスミルク、その他の
乳製品;ショートニング、バター、マーガリン、ラー
ド、植物油、その他の動植物性油脂類;卵や卵製品;香
辛料;ガム類などの保水剤;乳化剤;活性グルテンなど
の蛋白強化剤;ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄
養強化剤;保存剤など)のうちの1種または2種以上を
用いて、常法によって生地をつくり、その生地を打ち抜
きなどによって適当な大きさおよび形にし、それを油で
揚げればよい。また、熱処理デュラム小麦粉20〜80
重量%および薄力小麦粉80〜20重量%からなる穀粉
類から主としてなるドーナッツ類用小麦粉組成物(ドー
ナッツミックス)を用いてドーナッツ類を製造する場合
は、該ドーナッツ類用小麦粉組成物と共にドーナッツ類
の製造に更に必要な他の成分を用いて、常法によって生
地をつくり、その生地を打ち抜きなどによって適当な大
きさおよび形にし、それを油で揚げればよい。
【0046】さらに、本発明の熱処理デュラム小麦粉を
用いて揚げ物類をつくる場合は、好ましくは、熱処理デ
ュラム小麦粉に対して、熱処理デュラム小麦粉:薄力小
麦粉の割合が上記した20:80〜80:20の重量比
になるようにして薄力小麦粉を併用し、それに必要に応
じて上記した他の穀粉類や揚げ衣に従来から用いられて
いる各種の添加剤(例えば食塩、ベーキングパウダー、
澱粉類など)のうちの1種または2種以上を用いて、常
法によって衣液をつくり、それを野菜類、魚介類、肉類
などの適当な具材に付着させて、油で揚げればよい。ま
た、熱処理デュラム小麦粉20〜80重量%および薄力
小麦粉80〜20重量%からなる穀粉類から主としてな
る揚げ衣用小麦粉組成物を用いる場合は、該揚げ衣用小
麦粉組成物に更に必要な他の成分を添加して常法によっ
て衣液をつくり、それを野菜類、魚介類、肉類などの適
当な具材に付着させて、油で揚げればよい。
【0047】
【実施例】以下に例を挙げて本発明について具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。
【0048】《実施例 1》[熱処理デュラム小麦粉の
製造] (1) 飽和水蒸気(110℃)を12kg/時間の割
合で吹き込んで加圧状態(1.2kg・重/cm2)に
なっている上記した特開平3−83567号公報に記載
されている密閉系高速撹拌機(日清エンジニアリング株
式会社製)中に、デュラム小麦粉[平均粒径=270μ
m、上記の方法で測定したグルテンバイタリティ=4
7.7%およびグルテン膨潤度=1.8(倍)]を20
0kg/時間の割合で供給し、棒状羽根の先端部の周速
度5.5m/秒、密閉系高速撹拌機中でのデュラム小麦
粉の滞留時間20秒の条件下に湿熱処理して、ケーキ類
用熱処理デュラム小麦粉を製造した(密閉系高速撹拌機
の排出口におけるデュラム小麦粉の品温80℃)。この
熱処理デュラム小麦粉をピンミル(アルピネ社製のピン
ミル、回転速度15,000rpm)を用いて粉砕して
熱処理デュラム小麦粉の平均粒径を95μmとした。 (2) 上記(1)で得られた粉砕処理後の熱処理デュ
ラム小麦粉のグルテンバイタリティおよびグルテン膨潤
度を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示す
ようにそれぞれ44.2%および1.9(倍)であり、
熱処理前のデュラム小麦粉のグルテンバイタリティを1
00とした場合にそのグルテンバイタリティは92.6
であり、熱処理前のグルテン膨潤度を100とした場合
にそのグルテンバイタリティは106であった。
【0049】《実施例2〜5および比較例1〜2》[熱
処理デュラム小麦粉の製造] (1) 実施例1で用いたのと同じデュラム小麦粉を用
いて、実施例1で使用したのと同じ密閉式高速撹拌機を
使用して、下記の表1に示す条件下に湿熱処理した後、
実施例1と同様にしてピンミルで粉砕して平均粒径95
μmの熱処理デュラム小麦粉をそれぞれ製造した。 (2) 上記(1)で得られた粉砕後の熱処理デュラム
小麦粉のグルテンバイタリティおよびグルテン膨潤度を
上記した方法で測定して、熱処理前のデュラム小麦粉
(対照区)のグルテンバイタリティ100に対するその
グルテンバイタリティの値および熱処理前のデュラム小
麦粉(対照区)のグルテン膨潤度100に対するそのグ
ルテン膨潤度を求めたところ、それぞれ下記の表1に示
すとおりであった。
【0050】
【表1】
【0051】《製造例1〜6》[スポンジケーキの製
造] (1) 実施例1〜3で得られた熱処理デュラム小麦
粉、比較例1〜2で得られた熱処理デュラム小麦粉、ま
たは熱処理前のデュラム小麦粉(対照区)を平均粒径9
5μmに粉砕したもの60重量部に対して、薄力小麦粉
(日清製粉株式会社製「バイオレット」)40重量部、
砂糖120重量部、ベーキングパウダー2重量部および
乳化剤20重量部を加えて、ケーキ類用小麦粉組成物
(ケーキミックス)を製造した。 (2) 上記(1)で得られたそれぞれのケーキミック
ス400gに、生卵330gおよび水40gを加えて、
ホバートミキサーで低速で1分間、中速で4分間撹拌し
て充分に泡立てた後、5号ケーキ型にその泡立てた生地
の280gを入れ、ロータリーオーブン中で180℃で
35分間焼成してスポンジケーキを製造した。 (3) 上記で得られたスポンジケーキの体積を菜種置
換法で測定したところ、その体積は下記の表3に示すと
おりであった。また、それぞれの例で得られたスポンジ
ケーキの形状、色調、触感、食感および風味を下記の表
2に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数
評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表
3に示すとおりであった。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】 上記の表1および表3の結果から、未処
理デュラム小麦粉(対照区)のグルテンバイタリティを
100としたときにそのグルテンバイタリティが70
95の範囲にあり、且つ未処理デュラム小麦粉(対照
区)のグルテン膨潤度を100としたときにそのグルテ
ン膨潤度が105〜130の範囲にある実施例1〜3の
熱処理デュラム小麦粉を用いてスポンジケーキを製造し
た製造例1〜3では、未処理デュラム小麦粉(対照区)
を用いて得られた製造例4、および湿熱処理の程度が低
過ぎて本発明の範囲から外れるグルテンバイタリティま
たはグルテン膨潤度を有する比較例1のデュラム小麦粉
を用いて得られた製造例5のスポンジケーキに比べて、
スポンジケーキの品質が一層改善されていて、体積が大
きく、表面に沈みがなくて形状が良好であり、焼き色が
良好で、ソフトでしっとりとした良好な触感を有し、ソ
フトな口当たりと口どけの良い食感を有し、しかも甘い
香りと旨みのある良好な風味を有する、より高品質のス
ポンジケーキが得られることがわかる。一方、湿熱処理
を行ってはいるが、その程度が強過ぎて、そのグルテン
バイタリティおよびグルテン膨潤度が本発明の範囲から
外れている比較例2の熱処理デュラム小麦粉を用いて得
られた製造例6のスポンジケーキは、焼き色が濃すぎ、
しかも口どけが劣ったものとなり、品質が劣っているこ
とがわかる。
【0055】《製造例7〜11》[スポンジケーキの製
造] 実施例1で得られた熱処理デュラム小麦粉および製造例
1〜6で用いた薄力小麦粉を使用して、ケーキミックス
を製造する際の小麦粉100重量部中の熱処理デュラム
小麦粉:薄力小麦粉の配合割合を下記の表4に示すよう
に変えて、それ以外は製造例1〜6と同じケーキミック
ス配合およびスポンジケーキ配合を採用して、製造例1
〜6と同様にしてスポンジケーキを製造した。その結果
得られたスポンジケーキの体積の測定および品質の評価
を製造例1〜6と同様にして行ったところ、下記の表4
に示すとおりであった。また、粉砕処理する以外は実施
例1の(1)と同様にして得られる熱処理デュラム小麦
粉である未粉砕の熱処理デュラム小麦粉(平均粒径27
0μm)を用いて上記と同様にしてスポンジケーキを製
造して、その体積の測定および品質の評価を上記と同様
にして行ったところ、下記の表4に示すとおりであっ
た。
【0056】
【表4】
【0057】上記の表4の結果から、主原料である小麦
粉として、本発明の熱処理デュラム小麦粉と薄力小麦粉
を20:80〜80:20の重量比で配合した穀粉類を
用いてスポンジケーキを製造している製造例8〜11の
場合には、体積が大きく、表面に沈みがなくて形状が良
好であり、焼き色が良好で、ソフトでしっとりとした良
好な触感を有し、ソフトな口当たりと口どけの良い食感
を有し、しかも甘い香りと旨みのある良好な風味を有す
る、より高品質のスポンジケーキが得られることがわか
る。
【0058】《製造例12》[ドーナッツの製造] (1) 実施例1で得られた熱処理デュラム小麦粉30
重量部および薄力小麦粉(日清製粉株式会社製「フラワ
ー」)70重量部、砂糖40重量部、ショートニング1
0重量部、ベーキングパウダー1重量部および乳化剤2
重量部を加えて、ドーナッツ類用小麦粉組成物(ドーナ
ッツミックス)を製造した。 (2) 上記(1)で得られたドーナッツミックス10
00gに水430gを加えてミキシングして生地をつく
り、生地をシート状に展延した後、リング型に打ち抜
き、180℃の油で揚げてドーナッツを製造した。 (3) 上記で得られたドーナッツの外観および食感
(歯切れおよび口どけ)を下記の表5に示す評価基準に
したがって10名のパネラーに点数評価してもらい、そ
の平均値を採ったところ、下記の表6に示すとおりであ
った。
【0059】《製造例13》[ドーナッツの製造] 実施例1で得られた熱処理デュラム小麦粉30重量部の
代わりに、熱処理をしていないデュラム小麦粉(平均粒
径95μmに粉砕したもの)30重量部を用いた以外は
製造例12と同様にしてドーナッツをつくり、その品質
を下記の表5に示す評価基準にしたがって10名のパネ
ラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったとこ
ろ、下記の表6に示すとおりであった。
【0060】《製造例14》[ドーナッツの製造] 実施例1で得られた熱処理デュラム小麦粉30重量部お
よび薄力小麦粉(日清製粉株式会社製「フラワー」)7
0重量部の代わりに、薄力小麦粉(日清製粉株式会社製
「フラワー」)100重量部を用いた以外は製造例12
と同様にしてドーナッツをつくり、その品質を下記の表
5に示す評価基準にしたがって10名のパネラーに点数
評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表
6に示すとおりであった。
【0061】
【表5】 [ドーナッツの品質の評価基準] 外 観: 5 :充分に膨張していて体積が大きく、色調および形に優れ、極めて 良好な外観を有している 4 :かなり良好に膨張していて体積が大きく、色調および形が良く、 良好な外観を有している 3 :普通 2 :体積がやや小さく、色調および形がやや悪く、外観が不良である 1 :体積が小さく、色調および形が悪く、外観が極めて不良である 歯切れ: 5 :サクサクしていて極めて歯切れが良好である 4 :少しサクサクしていて歯切れが良好である 3 :やや粘りがあり、やや歯切れが悪い 2 :ややだんご状であり、かなり歯切れが悪い 1 :だんご状であり、歯切れが悪い ○口溶け: 5 :口溶けが極めて良好である 4 :口溶けがかなり良好である 3 :口溶けがやや良好である 2 :口溶けがすこし劣る 1 :だんご状であり、口溶けが劣る
【0062】
【表6】 外 観 食 感 歯切れ 口溶け 製造例12(実施例) 4.7 4.6 4.5 製造例13(比較例) 3.5 3.3 3.1 製造例14(比較例) 3.5 2.8 2.6
【0063】上記の表5および表6の結果から、主原料
である小麦粉として、本発明の熱処理デュラム小麦粉に
薄力小麦粉を配合した穀粉類を用いてドーナッツを製造
した製造例12の場合には、本発明の熱処理デュラム小
麦粉を用いないでドーナッツを製造した製造例13およ
び14に比べて、充分に膨張していて体積が大きく且つ
色調および形が良好で外観に優れており、しかもサクサ
クしていて歯切れがよく且つ口どけの良い食感に優れる
高品質のドーナッツが得られることがわかる。
【0064】《製造例15》[天ぷらの製造] (1) 実施例1で得られた熱処理デュラム小麦粉40
重量部および薄力小麦粉(日清製粉株式会社製「バイオ
レット」)60重量部、ベーキングパウダー2重量部お
よび水170重量部を加え、撹拌して衣液を調製し、そ
れを1cmの厚さに輪切りしたサツマイモに付着させ
て、180℃の油で3分間揚げてサツマイモの天ぷらを
製造した。 (3) 上記で得られたサツマイモの天ぷらについて、
その衣の触感および食感を、油揚げ直後、油で揚げてか
ら3時間経過した時点、および前記の3時間経過して冷
めた天ぷらを電子レンジ(出力600W)で30秒間加
熱した時において、下記の表7に示す評価基準にしたが
って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均
値を採ったところ、下記の表8に示すとおりであった。
【0065】《製造例16》[天ぷらの製造] 実施例1で得られた熱処理デュラム小麦粉40重量部の
代わりに、熱処理をしていないデュラム小麦粉(平均粒
径95μmに粉砕したもの)40重量部を用いた以外は
製造例15と同様にしてサツマイモの天ぷらをつくり、
その品質を製造例15と同様にして10名のパネラーに
点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記
の表8に示すとおりであった。
【0066】《製造例17》[天ぷらの製造] 実施例1で得られた熱処理デュラム小麦粉40重量部お
よび薄力小麦粉(日清製粉株式会社製「バイオレッ
ト」)60重量部の代わりに、薄力小麦粉(日清製粉株
式会社製「バイオレット」)100重量部を用いた以外
は製造例15と同様にしてサツマイモの天ぷらをつく
り、その品質を製造例15と同様にして10名のパネラ
ーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、
下記の表8に示すとおりであった。
【0067】
【表7】 [天ぷらの品質の評価基準] 衣の触感: 5 :極めてからりとしていて、乾いた触感である 4 :からりとしていて、かなり乾いた触感である 3 :やや湿った状態である 2 :かなり湿った状態である 1 :べとつきが大きく、湿りの多い状態である 衣の食感: 5 :極めて歯もろくサクサクしていて、極めて良好な食感である 4 :歯もろくかなりサクサクしていて、良好な食感である 3 :ややひきがあり、歯もろさおよびサクサク感が不足している 2 :ひきがあり、かなり不良な食感である 1 :ひきが強く、粘りがあり、食感が極めて不良である
【0068】
【表8】
【0069】上記の表7および表8の結果から、主原料
である小麦粉として、本発明の熱処理デュラム小麦粉に
薄力小麦粉を配合した穀粉類を衣用材料として用いて天
ぷらを揚げた製造例15の場合には、天ぷらの衣が、か
らりとして乾いていて極めて良好な触感を有し且つ歯も
ろくサクサクしていて極めて良好な食感であること、し
かもそのような良好な触感および食感が、油揚げ後3時
間経過した後にもそのまま良好に保たれており、さらに
は冷めた天ぷらを電子レンジで再加熱したときにも失わ
れずに維持されていることがわかる。それに対して、本
発明の熱処理デュラム小麦粉を含まない穀粉類を衣用材
料として用いて天ぷらを揚げた製造例16および17の
場合には、天ぷらの衣の触感が油で揚げて3時間経過後
に湿った不良な状態となり且つひきのある不良な食感と
なること、しかもその冷めた天ぷらを電子レンジで再加
熱すると衣の触感および食感が一層不良になることがわ
かる。
【0070】
【発明の効果】本発明の熱処理デュラム小麦粉を用いて
菓子類を製造すると、外観、食感および風味に優れる菓
子類を得ることができる。特に、本発明の熱処理デュラ
ム小麦粉を用いてケーキ類を製造すると、焼き上げた時
に体積が大きく、沈みや窪みなどがなくて良好な形状を
有し、良好な焼き色を有し、ソフトでしっとりとした良
好な触感を有し、ソフトな口当たりと口どけが良く食感
に優れ、しかも甘い香りと旨みのある良好な風味を有す
る高品質のケーキ類を得ることができる。さらに、ケー
キ類の製造に当たっては、本発明の熱処理デュラム小麦
粉と薄力小麦粉の割合が20:80〜80:20の重量
比である小麦粉を主原料とする本発明のケーキ類小麦粉
組成物を用いることによって、上記した高品質のケーキ
類を一層円滑に製造することができる。
【0071】また、本発明の熱処理デュラム小麦粉を用
いてドーナッツ類を製造すると、油で揚げた時に体積が
大きく、形および色調が良好で外観に優れ、しかもサク
サクとしていて歯切れがよく、口溶けのよい、食感に優
れるドーナッツ類を得ることができる。さらに、ドーナ
ッツ類類の製造に当たっては、本発明の熱処理デュラム
小麦粉と薄力小麦粉の割合が20:80〜80:20の
重量比である小麦粉を主原料とする本発明のドーナッツ
類小麦粉組成物を用いることによって、上記した高品質
のドーナッツ類を一層円滑に製造することができる。
【0072】さらに、本発明の熱処理デュラム小麦粉を
用いて天ぷらなどの揚げ物類を製造すると、油で揚げた
時に、衣がべっとりと湿っておらずからりと乾いた状態
に揚がり且つ粘りがなくて歯もろくサクサクとしている
高品質の揚げ物類が得られ、ること、しかもそのような
良好な触感および食感が油で揚げてから時間が経過して
揚げ物類が冷めて良好に保たれており、さらに冷めた揚
げ物類を電子レンジなどで再加熱してもそのような良好
な触感および食感が維持されている。そして、揚げ衣用
材料として、本発明の熱処理デュラム小麦粉と薄力小麦
粉の割合が20:80〜80:20の重量比である小麦
粉を主原料とする本発明の揚げ衣用小麦粉組成物を用い
ることによって、上記した高い品質の衣を有する揚げ物
類を一層円滑に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 救護 勝 埼玉県入間郡大井町鶴ケ岡5丁目3番1 号 日清製粉株式会社 生産技術研究所 内 (56)参考文献 特開 平6−153769(JP,A) 特開 平4−356152(JP,A) 特開 平6−237682(JP,A) 特開 昭61−202658(JP,A) 特開 平8−159(JP,A) 特開 平9−149756(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A21D 6/00 A21D 13/08 A23L 1/10 A23L 1/176

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未処理デュラム小麦粉のグルテンバイタ
    リティを100としたときにそのグルテンバイタリティ
    が70〜95であり、且つ未処理デュラム小麦粉のグル
    テン膨潤度を100としたときにそのグルテン膨潤度が
    105〜130であることを特徴とする熱処理デュラム
    小麦粉。
  2. 【請求項2】 平均粒径が150μm以下である請求項
    1の熱処理デュラム小麦粉。
  3. 【請求項3】 菓子類用または揚げ衣用である請求項1
    または2の熱処理デュラム小麦粉。
  4. 【請求項4】 ケーキ類用、ドーナッツ類用または天ぷ
    ら粉用である請求項3の熱処理デュラム小麦粉。
  5. 【請求項5】 飽和水蒸気を導入した加圧状態の密閉系
    撹拌機にデュラム小麦粉を導入し、密閉系撹拌機中での
    滞留時間2〜20秒の条件下に、密閉系撹拌機からの排
    出時のデュラム小麦粉の品温が75〜95℃であるよう
    にして湿熱処理を行うことを特徴とする熱処理デュラム
    小麦粉の製造方法。
  6. 【請求項6】 密閉系撹拌機に導入する飽和水蒸気の温
    度が100〜130℃である請求項5の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項の熱処理デ
    ュラム小麦粉20〜80重量%および薄力小麦粉80〜
    20重量%からなる小麦粉を主原料とするケーキ類用小
    麦粉組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項の熱処理デ
    ュラム小麦粉20〜80重量%および薄力小麦粉80〜
    20重量%からなる小麦粉を主原料とするドーナッツ類
    用小麦粉組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか1項の熱処理デ
    ュラム小麦粉20〜80重量%および薄力小麦粉80〜
    20重量%からなる小麦粉を主原料とする揚げ衣用小麦
    粉組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のいずれか1項の熱処理
    デュラム小麦粉または請求項7のケーキ類用小麦粉組成
    物を用いて得られるケーキ類。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれか1項の熱処理
    デュラム小麦粉または請求項8のドーナッツ類用小麦粉
    組成物を用いて得られるドーナッツ類。
  12. 【請求項12】 請求項1〜4のいずれか1項の熱処理
    デュラム小麦粉または請求項9の揚げ衣用小麦粉組成物
    を用いて得られる揚げ物類。
JP30567896A 1995-12-15 1996-10-31 熱処理デュラム小麦粉 Expired - Lifetime JP3495859B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30567896A JP3495859B2 (ja) 1995-12-15 1996-10-31 熱処理デュラム小麦粉
CA002192432A CA2192432C (en) 1995-12-15 1996-12-09 Steamed durum wheat flour
US08/763,434 US6010736A (en) 1995-12-15 1996-12-11 Steamed durum wheat flour
AU75306/96A AU712799B2 (en) 1995-12-15 1996-12-11 Steamed durum wheat flour

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34783895 1995-12-15
JP7-347838 1995-12-15
JP30567896A JP3495859B2 (ja) 1995-12-15 1996-10-31 熱処理デュラム小麦粉

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09220049A JPH09220049A (ja) 1997-08-26
JP3495859B2 true JP3495859B2 (ja) 2004-02-09

Family

ID=26564403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30567896A Expired - Lifetime JP3495859B2 (ja) 1995-12-15 1996-10-31 熱処理デュラム小麦粉

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6010736A (ja)
JP (1) JP3495859B2 (ja)
AU (1) AU712799B2 (ja)
CA (1) CA2192432C (ja)

Families Citing this family (48)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11332454A (ja) * 1998-05-22 1999-12-07 Nisshin Flour Milling Co Ltd 熱処理小麦粉
JP3898364B2 (ja) * 1998-12-15 2007-03-28 日清製粉株式会社 穀粉組成物
JP2000201639A (ja) * 1999-01-19 2000-07-25 Nisshin Flour Milling Co Ltd 天ぷら用小麦粉
ES2436602T3 (es) * 1999-07-09 2014-01-03 Novozymes A/S Proceso para la preparación de un gránulo que contiene enzimas
JP2001346503A (ja) * 2000-06-05 2001-12-18 Nisshin Seifun Group Inc ホットケーキ用熱処理小麦粉
US8048459B2 (en) * 2002-10-09 2011-11-01 Advanced Food Technologies, Inc. External coating composition for toaster pastries and other pastry products
JP2002291398A (ja) * 2001-03-30 2002-10-08 Nisshin Foods Kk ホットケーキミックス
JP4837184B2 (ja) * 2001-05-28 2011-12-14 日清製粉株式会社 焼き菓子類用の焙焼小麦粉の製造法および当該焙焼小麦粉を含有する焼き菓子類用組成物
JP3961789B2 (ja) * 2001-06-22 2007-08-22 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 加熱変性小麦粉及びその小麦粉を用いた食品素材、食品
JP4046524B2 (ja) * 2002-03-18 2008-02-13 太陽化学株式会社 油調食品用品質改良剤
US7704537B2 (en) * 2004-11-24 2010-04-27 H.J. Heinz Company Crispy flour taquito
JP4653050B2 (ja) * 2005-10-04 2011-03-16 日清製粉株式会社 製パン用小麦粉組成物およびその製造方法
JP4457064B2 (ja) * 2005-10-05 2010-04-28 日清製粉株式会社 低アミロ小麦粉の品質改良方法
JP4551303B2 (ja) * 2005-10-05 2010-09-29 日清製粉株式会社 中華麺類用または麺皮類用小麦粉の製造方法および中華麺類用または麺皮類用小麦粉
JP4575871B2 (ja) * 2005-10-25 2010-11-04 昭和産業株式会社 加圧後粉砕した穀物粉
JP2008173013A (ja) * 2007-01-16 2008-07-31 Nisshin Flour Milling Inc パン粉およびその製造法
JP4695105B2 (ja) * 2007-02-15 2011-06-08 長田産業株式会社 カステラ用小麦粉の製造方法
JP4698634B2 (ja) * 2007-05-10 2011-06-08 日清フーズ株式会社 ベーカリー類用ミックスおよびベーカリー類
JP4685839B2 (ja) * 2007-07-10 2011-05-18 日清フーズ株式会社 ケーキドーナツの製造方法
JP5107294B2 (ja) * 2009-03-31 2012-12-26 日清フーズ株式会社 揚げ物用加熱処理小麦粉
JP5945091B2 (ja) * 2010-08-02 2016-07-05 日清フーズ株式会社 冷凍天ぷら用バッターミックス
JP5734770B2 (ja) * 2011-06-29 2015-06-17 日清製粉株式会社 電子レンジ再加熱用ホットサンドイッチの製造方法および該方法で製造されたホットサンドイッチ
FR2999099B1 (fr) * 2012-12-07 2015-02-27 Inst Nat De La Rech Agronomique Inra Farine de ble dur.
JP6065209B2 (ja) * 2013-01-18 2017-01-25 日本製粉株式会社 製麺方法
JP6295468B2 (ja) * 2013-04-09 2018-03-20 日本製粉株式会社 天ぷら粉
JP6405104B2 (ja) * 2014-03-26 2018-10-17 株式会社日清製粉グループ本社 熱処理穀類全粒粉の製造方法
EP3170405B1 (en) * 2014-07-15 2024-09-04 Nisshin Seifun Welna Inc. Tempura batter mix
ES2992818T3 (en) * 2014-07-15 2024-12-18 Nisshin Seifun Welna Inc Tempura batter mix
JP6649280B2 (ja) * 2015-01-26 2020-02-19 日清フーズ株式会社 熱処理小麦粉の製造方法及びベーカリー食品用ミックスの製造方法
JP6495708B2 (ja) * 2015-03-25 2019-04-03 日清フーズ株式会社 熱処理穀粉及びその製造方法
JP6681250B2 (ja) * 2015-08-07 2020-04-15 日清フーズ株式会社 粉砕熱処理小麦粉の製造方法及びベーカリー食品用ミックスの製造方法
JP6742801B2 (ja) * 2016-05-02 2020-08-19 昭和産業株式会社 デュラム小麦由来の小麦粉、該デュラム小麦由来の小麦粉の製造方法、麺類又は皮類用小麦粉組成物、麺類又は皮類の製造方法並びに麺類又は皮類
JP6659487B2 (ja) * 2016-07-21 2020-03-04 日清フーズ株式会社 熱処理穀粉の製造方法
JP6814565B2 (ja) * 2016-08-03 2021-01-20 日清フーズ株式会社 ドーナツ用ミックス及びドーナツの製造方法
JP6378823B2 (ja) * 2017-01-24 2018-08-22 日清製粉プレミックス株式会社 ドーナツ用ミックス
JP6692519B2 (ja) * 2017-06-16 2020-05-13 株式会社Moto さつま芋の天ぷらの製造方法
JP6762675B2 (ja) * 2017-09-19 2020-09-30 日本製粉株式会社 エクストルーダー処理したα化デュラム小麦粒を使用した焼き菓子の製造方法
JP7105558B2 (ja) * 2017-12-05 2022-07-25 日東富士製粉株式会社 パンケーキ生地及びパンケーキ用ミックス粉
JP7093644B2 (ja) * 2018-02-13 2022-06-30 昭和産業株式会社 バッター生地加熱食品用ミックス、バッター生地加熱食品、及びバッター生地加熱食品の製造方法
JP6920781B2 (ja) * 2018-06-26 2021-08-18 株式会社ニップン エクストルーダー処理したα化デュラム小麦粒を使用した蒸しケーキの製造方法
JP7076302B2 (ja) * 2018-06-28 2022-05-27 日東富士製粉株式会社 揚げ物用ミックス粉の製造方法
JP7199933B2 (ja) * 2018-11-26 2023-01-06 株式会社ニップン デュラム小麦由来のバイタルグルテンを含む揚げ物類用ミックス粉及びそれを用いた揚げ物類
JP7496590B2 (ja) * 2019-01-25 2024-06-07 奥野製薬工業株式会社 食品用品質改良剤およびその製造方法
JP7195988B2 (ja) * 2019-03-22 2022-12-26 株式会社ニップン 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類
JPWO2020196300A1 (ja) * 2019-03-28 2020-10-01
JPWO2023079675A1 (ja) * 2021-11-05 2023-05-11
BR102022008570A2 (pt) * 2022-05-03 2023-11-14 Zini Indústria E Comércio De Produtos Alimentícios Ltda. Processo para obtenção de farinha de empanamento lipófoba e respectivo produto resultante
WO2024181215A1 (ja) * 2023-02-27 2024-09-06 株式会社日清製粉ウェルナ 熱処理デュラム小麦粉及びその製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4294864A (en) * 1979-06-04 1981-10-13 The American Institute Of Baking Preparation of high-ratio cakes using untreated wheat flour
JPS58101634A (ja) * 1981-12-10 1983-06-16 日本製粉株式会社 二次加工用小麦粉の製造法
JPS6255048A (ja) * 1985-08-12 1987-03-10 Tech Res Assoc Extru Cook Food Ind 小麦粉の品質改良方法
JPS6283858A (ja) * 1985-10-09 1987-04-17 Tech Res Assoc Extru Cook Food Ind 製菓用小麦粉の製造法
JP2534091B2 (ja) * 1988-02-10 1996-09-11 日清デイー・シー・エー食品株式会社 イ―ストド―ナツの製造法
JPH0411857A (ja) * 1990-05-01 1992-01-16 Kikkoman Corp から揚げ粉
JP3068339B2 (ja) * 1992-07-15 2000-07-24 日清製粉株式会社 冷凍ベーカリー製品
JPH06237682A (ja) * 1993-02-12 1994-08-30 Showa Sangyo Co Ltd スポンジケーキ用小麦粉、同組成物およびスポンジケーキの製造方法
JP3630814B2 (ja) * 1996-01-18 2005-03-23 日清フーズ株式会社 電子レンジ再加熱に適した揚げ物用熱処理小麦粉及びその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09220049A (ja) 1997-08-26
AU712799B2 (en) 1999-11-18
CA2192432A1 (en) 1997-06-16
AU7530696A (en) 1997-06-19
US6010736A (en) 2000-01-04
CA2192432C (en) 2006-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3495859B2 (ja) 熱処理デュラム小麦粉
JP2698939B2 (ja) 押し出し成形され予備湿潤処理されたオオバコを含有するインスタント・シリアル
JP2010183922A (ja) フラワーペースト
JP2008118943A (ja) βグルカンを高濃度に含有する麦顆粒
TWI771800B (zh) 粉碎熱處理小麥粉之製造方法、粉碎熱處理小麥粉與烘焙食品用混合料及其製造方法
TW202015533A (zh) 食品之製造方法
JP5912954B2 (ja) 熱処理米粉組成物および菓子類または粉物の製造方法
JP4440496B2 (ja) 小麦粉製品用素材
JP4548672B2 (ja) 全粒穀粉の製造方法
JP4575871B2 (ja) 加圧後粉砕した穀物粉
JP7480061B2 (ja) ベーカリー食品の製造方法
WO2020213422A1 (ja) 焼き菓子用生地の製造方法
US20090047397A1 (en) Composition and Method of Preparing Ready-to-Eat Cereal with Konjac Flour as a Main Ingredient
JP7652718B2 (ja) ベーカリー食品用生地の製造方法
JP6749753B2 (ja) 穀物外皮加工品、穀物外皮加工品の製造方法、ベーカリー製品の製造方法、ベーカリー製品及びベーカリー製品用ミックス粉
JP2003038089A (ja) ベーカリー製品の製造方法
WO2021153391A1 (ja) ベーカリー食品用生地の製造方法
JP7518991B1 (ja) ベーカリー食品用ミックスおよびベーカリー食品の製造方法
JP7508215B2 (ja) 小麦粉組成物、生地及びクルトン並びにその製造方法
JP2019097500A (ja) パンケーキ生地及びパンケーキ用ミックス粉
JP7597506B2 (ja) 食品用もち感増強用組成物、食品のもち感増強方法、もち種の大麦粉及びそれを含有する食品
JPH11266774A (ja) 豆乳、おから入りパン類の製造方法
WO2024157990A1 (ja) ベーカリー食品用ミックスおよびベーカリー食品の製造方法
WO2024181215A1 (ja) 熱処理デュラム小麦粉及びその製造方法
JP2017136020A (ja) 熱処理大麦粉及び熱処理大麦粉の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081121

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091121

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101121

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111121

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121121

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131121

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term