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JPH10290580A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

Info

Publication number
JPH10290580A
JPH10290580A JP9096879A JP9687997A JPH10290580A JP H10290580 A JPH10290580 A JP H10290580A JP 9096879 A JP9096879 A JP 9096879A JP 9687997 A JP9687997 A JP 9687997A JP H10290580 A JPH10290580 A JP H10290580A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrator
vibration
elastic body
vibration actuator
external
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9096879A
Other languages
English (en)
Inventor
Takatoshi Ashizawa
隆利 芦沢
Mitsuhiro Okazaki
光宏 岡崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP9096879A priority Critical patent/JPH10290580A/ja
Publication of JPH10290580A publication Critical patent/JPH10290580A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動アクチュエータの駆動力低下の要因とな
らないよう、かつ、外力等の影響により接合部に故障が
生じないよう、振動子への配線を改良する。 【解決手段】 支持部材(12)に支持され、駆動信号
を入力されて振動する振動子(30)と、振動子と相対
運動する相対運動部材(20)と、振動子及び駆動信号
を出力する駆動回路を接続する信号伝達部とを備える振
動アクチュエータにおいて、信号伝達部は、一端を振動
子に接続された内部配線(65〜68)と、一端を駆動
回路に接続された外部配線(75〜78))と、支持部
材に支持され、内部配線の他端及び外部配線の他端が接
続された中継部材(60)とを有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動アクチュエー
タに関し、特に、振動子に駆動信号を入力するための構
成及び振動子を接地するための構成を改良した振動アク
チュエータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の振動アクチュエータに
は、例えば実公平7−46075号に開示されたものが
ある。図6は、実公平7−46075号に開示された振
動アクチュエータを示す断面図である。実公平7−46
075号に開示された振動アクチュエータは、ロータ1
09と振動体108を振動体支持体101に固定された
支持ピン107に取り付けた構成を有している。振動体
108の上面には、圧電体103が接着されており、ま
た、圧電体103の内周近傍には、圧電体103に駆動
信号を入力するフレキシブルプリント基板104が半田
付けされている。フレキシブルプリント基板104の外
端部104bは、回路ブロック106に形成されたパタ
ーンに接続されている。さらに、フレキシブルプリント
基板の中間部104cは、圧電体103への接触を防止
するために、接着剤導入穴101aから接着剤105に
より振動体支持体101に接着されている。上記振動ア
クチュエータでは、回路ブロック106が出力した駆動
信号がフレキシブルプリント基板を介して圧電体103
に伝達される。この結果、圧電体103と、それが接着
されている振動体108が所定の振動を行い、ロータ1
09が回転駆動される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実公平7−4
6075号に開示された振動アクチュエータでは、圧電
体と回路ブロックとが一つのフレキシブルプリント基板
により直接接続されている。このために、回路ブロック
を調整したり、移動させたりし、フレキシブルプリント
基板が引っ張られると、その力がじかに圧電体との接合
部に伝わり、半田がとれてしまう場合があるという問題
があった。
【0004】また、振動アクチュエータでは、その構造
によっては、圧電体に駆動信号を与える電極板の一部が
振動子から突出しており、その突出部に駆動信号を伝達
するためのリード線が接続されているものもある。この
ような構造の振動アクチュエータでは、リード線に過大
な外力が加わると、電極板が曲がってしまう場合があっ
た。電極板が曲がった場合には、電極板と圧電体との接
触部にマイクロクラックが入り、これを原因として振動
アクチュエータの駆動力が低下することがあるという問
題があった。
【0005】一方、振動アクチュエータでは、弾性体を
接地し、これを圧電体に電圧を印加する際のグランド部
として利用する。しかし、弾性体に接地用の配線を直接
取り付けると、配線の重み等により弾性体の振動特性の
変化、振動の減衰等が生じ、振動アクチュエータの駆動
力が低下するという問題があった。また、弾性体と配線
の接合部は、常に弾性体の振動の影響を受けるために、
接合状態によっては、配線の脱落が生じるおそれがある
という問題もあった。
【0006】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
のであり、振動アクチュエータの駆動力低下の要因とな
らないよう、かつ、外力等の影響により接合部に故障が
生じないよう、振動子への配線を改良することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、支持部材に支持され、駆動
信号を入力されて振動する振動子と、前記振動子と相対
運動する相対運動部材と、前記振動子及び前記駆動信号
を出力する駆動回路を接続する信号伝達部とを備える振
動アクチュエータにおいて、前記信号伝達部は、一端を
前記振動子に接続された内部配線と、一端を前記駆動回
路に接続された外部配線と、前記支持部材に支持され、
前記内部配線の他端及び前記外部配線の他端が接続され
た中継部材とを有することを特徴とする振動アクチュエ
ータである。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
振動アクチュエータにおいて、前記振動子は、前記振動
子の内部に配置された励振用の振動発生源を有し、前記
振動発生源は、前記振動子の外部へ突出し、前記内部配
線に接続される電極部を有することを特徴とする振動ア
クチュエータである。請求項3に係る発明は、請求項1
又は請求項2に記載の振動アクチュエータにおいて、前
記中継部材は、同一の駆動信号を伝達する二以上の前記
内部配線を一の外部配線に接続することを特徴とする振
動アクチュエータである。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項
3までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータにお
いて、前記外部配線を二以上有し、それぞれの前記外部
配線の他端は、対応する前記内部配線の長さによらず、
同一平面において前記中継部材に接続されていることを
特徴とする振動アクチュエータである。請求項5に係る
発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記
載の振動アクチュエータにおいて、前記振動子は、弾性
体及び前記弾性体に設置され、前記駆動信号に従い前記
弾性体を励振する振動発生源を有し、前記弾性体は、前
記支持部材及び前記中継部材を介して接地されているこ
とを特徴とする振動アクチュエータである。
【0010】請求項6に係る発明は、請求項1から請求
項5までのいずれか1項に記載の振動アクチュエータに
おいて、前記中継部材は、弾性を有する板状部材である
ことを特徴とする振動アクチュエータである。請求項7
に係る発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1
項に記載の振動アクチュエータにおいて、前記外部配線
の前記中継部材との接続部は、前記信号伝達部の機械的
強度に関して最も弱い部分であることを特徴とする振動
アクチュエータである。
【0011】請求項8に係る発明は、振動子と、前記振
動子と相対運動する相対運動部材と、前記振動子を支持
する支持部材とを備える振動アクチュエータにおいて、
前記振動子は、弾性体と、前記弾性体に設置され、駆動
信号に従い前記弾性体を励振する振動発生源とを有し、
前記弾性体は、前記支持部材を介して接地されているこ
とを特徴とする振動アクチュエータである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
に係る一実施形態について説明する。なお、以下の説明
は、振動アクチュエータとして、超音波振動域を利用す
る超音波モータを例にとって行う。
【0013】図1は、本発明に係る超音波モータの実施
形態を示す断面図である。また、図2は、図1に示す超
音波モータの振動子を示す分解斜視図である。図1に示
すように、本実施形態の超音波モータ10は、主に移動
子20と振動子30とから構成されている。移動子20
は、振動子30から駆動力を得て、固定軸12を回転軸
として回転する厚肉の円環状又は円筒状の部材である。
移動子20は、移動子母材22と、移動子母材22の下
面に備えられた摺動材26とから構成されている。移動
子母材22は、ステンレス鋼、銅合金又はアルミニウム
合金等からなる部材である。また、移動子母材22は、
外周面に歯車24を有する。歯車24は、移動子20の
回転出力を不図示の被駆動体の歯車に伝達するためのも
のである。摺動材26は、振動子30の駆動面Dと接触
し摺動する部材である。摺動材26は、摺動特性を良好
とするために、高分子材料等をその主成分としている。
【0014】移動子20は、ベアリング18を介して固
定軸12に取り付けられている。ベアリング18は、移
動子20の固定軸回りの回転を可能とするとともに、移
動子20を固定軸12の所定の位置に位置決めする位置
決め部材としての役割を果たしている。
【0015】固定軸12は、移動子20が取り付けられ
ている位置より上側にねじ部12aを有し、このねじ部
12aには、ナットなどの調整部材14がねじ止めされ
ている。また、調整部材14と移動子20との間には、
皿バネ、コイルバネ又は板バネ等の加圧部材16が配置
されている。加圧部材16は、移動子20を振動子30
の方向へ加圧する。移動子20は、この加圧部材16か
ら加圧力を受け、振動子30の駆動面Dに加圧接触す
る。一方、調整部材14は、ねじ止めされている位置を
変化させることにより、加圧部材16を適度に圧縮し、
移動子20へ加わる加圧力を調整する。
【0016】振動子30は、1次の縦振動と、2次の捩
り振動を行うことにより駆動面Dに楕円運動を発生させ
る部材である。振動子30は、厚肉の円筒状の形状を有
し、その中空部に固定軸12を通すことにより、固定軸
12に固定されている。図2に示すように、振動子30
は、電極板(55〜58)からなる層を圧電体(51〜
54)からなる2つの層で挟んだものを、さらに弾性体
32及び34とにより挟み込んだ構成をしている。な
お、圧電素子、電極板及び弾性体は、互いに接着剤によ
り接合されている。
【0017】図1に示すように、弾性体32及び34
は、4つの大径部30A、30B、30C及び30D
と、3つの小径部30a、30b及び30cとを有する
厚肉の円筒を縦に2分割した半円柱状の部材であり、鉄
鋼、ステンレス鋼、リン青銅又はエンリバー材等の共振
先鋭度が大きな金属材料からなる。小径部30a及び3
0cは、2次の捩り振動の節部を含む位置に、小径部3
0bは、1次の縦振動の節部を含む位置に、それぞれ形
成されている。このように、振動子30を4つの大径部
と3つの小径部とを有する形状とするのは、振動子30
に励振される縦振動と捩り振動の共振周波数をほぼ一致
させ、振動子30にいわゆる縮退を生じさせるためであ
る。
【0018】振動子30は、大径部30A及び30Dの
それぞれに、圧電体(51〜54)の積層方向と平行な
貫通孔30E及び30Fを有する。貫通孔30E及び3
0Fには、それぞれボルト36が挿入され、ナット38
により固定されている。これにより、弾性体32及び3
4は、圧電体(51〜54)を挟み込んだ状態で一体に
組まれている。
【0019】また、振動子30は、小径部30aに貫通
孔30Gを有する。貫通孔30Gは、スプリングピン4
0を通すための孔部である。スプリングピン40は、振
動子30の貫通孔30aと、固定軸12に設けられてい
る貫通孔12bとを貫通することにより、振動子30を
固定軸12に固定し、固定軸12の主軸方向に振動子3
0を位置決めする部材である。なお、スプリングピン4
0及び固定軸12は、導電性を有し、弾性体32及び3
4は、スプリングピン40を介して固定軸12と電気な
導通がとれている。
【0020】一方、固定軸12は、長手方向の異なる2
カ所に位置決め部材42を配置されている。位置決め部
材42は、環状又は円筒状の部材であり、固定軸12に
その端面側からはめ込まれている。位置決め部材42の
外周面は、振動子30の内周面に当たっており、これに
より、振動子30が径方向に位置決めされる。また、固
定軸12は、振動子30の下側において、段差12fを
有し、この段差12fの位置に中継基盤60を取り付
け、これを中継基盤固定部材62により固定している。
中継基盤60には、後述する各種リード線(65〜6
8、75〜78)が接続されている。さらに、固定軸1
2の端部には、Dカット12eが設けられている。Dカ
ット12eは、超音波モータ10を他の機器等に備え付
けたときに、セットビスによる固定軸12の回り止めを
可能とする。
【0021】前述したように、振動子を構成する2つの
弾性体32及び34の間には、電極板(55〜58)か
らなる層と圧電体(51〜54)からなる層とが配置さ
れている。図2において、層La1、La3、La4及
びLa6の4つの層は圧電体から構成される層であり、
層La2及びLa5は電極板からなる層である。圧電体
からなる層La1は、同一平面上に配置された4つの圧
電体から構成されている。4つの圧電体とは、駆動面D
に近いものから順に、捩り振動検出用圧電体51、捩り
振動用圧電体52、縦振動用圧電体53、縦振動検出用
圧電体54をいう。
【0022】捩り振動用圧電体52は、圧電定数d15
利用し、振動子30に捩り振動を励振する圧電体であ
る。ここで、捩り振動とは、中心軸Aの回りに変位する
振動をいう。捩り振動用圧電体52は、中心軸Aに平行
な方向に分極されており板厚方向に電圧を印加される
と、中心軸Aに平行な方向へのせん断変形を行う。捩り
振動検出用圧電体51は、圧電効果を利用して振動子3
0に励振されている捩り振動を検出するためのものであ
る。
【0023】縦振動用圧電体53は、圧電定数d31を利
用し、振動子30に縦振動を励振する圧電体である。こ
こで縦振動とは、中心軸Aに平行な方向に変位する振動
をいう。縦振動用圧電体53は、板圧方向に分極されて
おり、板厚方向に電圧を印加されると、その面方向の伸
縮変形を行う。縦振動検出用圧電体54は、圧電効果を
利用して振動子30に励振されている縦振動を検出する
ためのものである。
【0024】層La3は、層La1と同一の構成をした
層である。ただし、捩り振動用圧電体52及び縦振動用
圧電体53の分極方向は、層La1と層La3では反対
の方向となっている(図4中破線矢印を参照)。一方、
層La1とLa3の間に配置されている層La2は、4
つの電極板、すなわち、捩り振動検出用電極板55、捩
り振動用電極板56、縦振動用電極板57、縦振動検出
用電極板58を同一平面上に配置したものである。捩り
振動用電極板56は、層La1及びLa3の捩り振動用
圧電体52の間に配置されており、これら2つ圧電体に
駆動信号(周波電圧)を同時に印加するための電極板で
ある。
【0025】同様に、縦振動用電極板57は、2つの縦
振動用圧電体53の間に配置されており、それら圧電体
に同時に駆動振動を印加するためのものである。一方、
捩り振動検出用電極板55及び縦振動検出用電極板58
は、それぞれ2つの捩り振動検出用圧電体51又は2つ
の縦振動検出用圧電体54の間に配置され、それら圧電
体に生じる電圧を検出可能としている。なお、層La4
〜La6は、振動子30の中心軸Aを中心に層La1〜
La3を180度回転して得られるものであり、層La
1〜La3と同一の構成を有するものである。よって、
ここではその説明を省略する。
【0026】図3は、振動子30及び中継基盤60の斜
視図である。以下、図3を用いて、振動子30へのリー
ド線の接続と、グランドの取り方について説明する。電
極板55〜58は、それぞれ振動子より外部へ突出する
1つの端子(捩り振動検出用端子55a、捩り振動駆動
用端子56a、縦振動駆動用端子57a、縦振動検出用
端子58a)を有しており、各端子には、内部リード線
(捩り振動検出用リード線65、捩り振動駆動用リード
線66、縦振動検出用リード線67、縦振動検出用リー
ド線68)が半田により接合されている。なお、各電極
板は、図2において説明したように層La2と層La5
に1ずつあるので、各内部リード線は2本ずつ存在す
る。
【0027】中継基盤60は、振動子の断面とほぼ同形
状の中央部60aと、その中央部60aの外周に扇状に
広がる張り出し部60bとからなる。張り出し部60b
の上面には、上記4種類の内部リード線に対応して4つ
のランド部60c〜60fが設けられている。各々のラ
ンド部には、それぞれ対応する2本の内部リード線が半
田により接合されている。例えば、2本の捩り振動駆動
用リード線66は、ランド部60dに接合されている。
【0028】また、各ランド部(60c〜60f)に
は、外部リード線(捩り振動検出用リード線75、捩り
振動駆動用リード線76、縦振動駆動用リード線77、
縦振動検出用リード線78)が1本ずつ接合されてい
る。これら外部リード線は、中継基盤60と振動アクチ
ュエータ10の駆動回路(不図示)とを接続するもので
ある。各外部リード線は、中継基盤60の裏側から、小
孔を通して上面にあるランド部に達し、半田付けされて
いる。これにより、2本の内部リード線と、1本の外部
リード線の導通が確保される。
【0029】本実施形態では、上記のように中継基盤6
0を設けているので、駆動回路(不図示)を移動等する
ことにより外部リード線に外力が加わった場合でも、そ
の力は中継基盤60の弾性に吸収される。よって、外力
がそのまま内部リード線に伝わることはなく、電極板の
端子(55a〜58a)が曲がったり、それに伴って電
極板(55〜58)と圧電体(51〜54)との接着面
にマイクロクラックが発生することもない。また、各内
部リード線(65〜68)は、中継基盤60に接合され
ることにより、その一端を同一平面にそろえられる。こ
れより、各外部リード線も上記一つの平面に接続すれば
足りるので、各外部リード線は、内部リード線の長さに
かかわらず、互いの長さをほぼ一定にそろえることがで
き、その取り扱い、接続が極めて容易となる。
【0030】また、中継基盤60は、2本ずつある各種
の内部リード線を1つのランド部に接合することで、こ
れらを一つにまとめる役割を果たしている。よって、外
部リード線は、対応する内部リード線の本数にかかわら
ず1本だけ用意すれば足り、この点でも、外部リード線
の取り扱いは容易となっている。さらに、中継基盤60
は、外部リード線の重量が直接振動子30に加わること
を防止する役割を果たしている。超音波モータでは、モ
ータの設置状況により、駆動回路から振動子30までの
配線が長くなる場合がある。この場合に、配線の重量が
振動子に直接加わると振動子の振動特性が変化し、モー
タの性能が劣化することもある。これに対し、本実施形
態では、上記のように中継基盤60が外部リード線の重
量を支え、振動子には短い内部リード線の重量のみが加
わるので、そのような問題が回避される。
【0031】なお、外部リード線は、その被覆の外径を
ランド部の小孔の内径とほぼ一致させると、小孔と被覆
の間で大きな摩擦力が発生し、外部リード線とランド部
の接合がとれるのを防止できる。逆に、外部リード線の
外径を小孔の内径より十分に小さくした場合には、外力
が外部リード線に加わった場合に、外部リード線とラン
ド部の接合が解除され、その外力が内部配線より振動子
30の方へ伝達することが防止できる。つまり、後者の
場合には、外部リード線とランド部の接合部分が、駆動
回路(不図示)から振動子30までの配線中での最も機
械的強度が弱い部分となる。そのため、不慮の外力が加
わった場合に、この最弱部が断線することにより、振動
子に大きな損傷が生じることが回避されるのである。
【0032】一方、中継基盤の中央部60aには、固定
軸12を通すための孔部が設けてあり、孔部の外周上面
には、グランド電極60gが設けられいる。グランド電
極60gは、中継基盤60が固定軸12に取り付けられ
たときに、固定軸の段差12fに接触し、導通をとるた
めのものである(図1参照)。グランド電極60gから
は、ランド部60hが張り出し部60bまで伸びてい
る。ランド部60hには、中継基盤の裏側から小孔を通
して配線されたグランド用の外部リード線79が半田付
けされている。
【0033】つまり、本実施形態では、弾性体の接地
は、図1において説明したスプリングピン40、固定軸
12、及び中継基盤60を介して行われる。したがっ
て、本実施形態では、グランド用のリード線を直接弾性
体に接合することにより、弾性体の振動特性が劣化する
等の従来の問題は生じない。また、グランド用のリード
線79は、中継基盤60に、他の外部リード線(75〜
78)の近傍において接合されるので、グランド用のリ
ード線79を他の外部リード線(75〜78)と一緒
に、例えば図3に示すように、外部リード線(75〜7
8)とグランド用リード線79を一つのフラットケーブ
ルにまとめて、簡便に取り扱い、接合することができ
る。
【0034】図4は、振動子30における圧電体の配置
と、振動子30に励振される振動モードを示す説明図で
ある。図4において、(a)は振動子30の側面等を示
す図、(b)は振動子30のFF断面図、(c)は振動
子30に励振される振動モードを示す図である。図4
(c)に示されるように、振動子30には、1次の縦振
動と2次の捩り振動が励振される。また、図4(a)に
示されるように、振動子30の小径部30a及び30c
は、捩り振動の節部の位置に設けられており、小径部3
0bは、縦振動の節部の位置に設けられている。
【0035】一方、捩り振動用圧電体52は、小径部3
0aを含む位置に、すなわち、捩り振動の2つの節部の
うち駆動面Dに近い方を跨ぐように配置されている。ま
た、縦振動用圧電体53は、小径部30bを含む位置
に、すなわち、縦振動の節部を跨ぐように配置されてい
る。このように、振動の節部を跨ぐように圧電体を配置
するのは、節部において弾性体に力を作用させることに
より、それぞれの振動を効率よく励振できるからであ
る。
【0036】捩り振動用圧電体52は、電極板56に弾
性体(32、34)の電位に対し正の電圧を印加する
と、図4(a)において矢印で示すせん断変形が生じ
る。せん断変形の方向は、層La1及びLa3の圧電体
と、層La4及びLa6の圧電体とで反対となってい
る。捩り振動用圧電体52の上記せん断変形により、振
動子30は、図4(b)において矢印mによって示す方
向に捩られる。また、電極板56に負の電圧を印加する
と、圧電体52のせん断変形の方向及び振動子30の捩
りの方向はそれぞれ逆となる。したがって、電極板56
に周波電圧を印加すると、振動子30には、捩り振動が
励振される。
【0037】一方、4つの縦振動用圧電体53は、電極
板57に正の電圧を印加した場合に、図4(a)におい
て矢印で示すように、すべて振動子30の中心軸Aと平
行な方向に伸び変形をし、負の電圧を印加した場合には
縮み変形をする。よって、電極板57に周波電圧を印加
すると、振動子30に縦振動が励振される。
【0038】次に、本実施形態に係る超音波モータの動
作について図5を用いて説明する。図5は、振動子30
の動作を模式的に示す説明図である。図中ωは、駆動周
波数をfとしたときの角周波数(ω=2πf)を表す。
縦振動用圧電体53と捩り振動用圧電体52とに、互い
に90°の位相差のある駆動信号(周波電圧)を入力す
ると、振動子30に発生する縦振動及び捩り振動の位相
は90°相違し、その駆動面Dには、これらの振動を合
成した楕円運動が生じる。
【0039】具体的には、まず、時間t=0の時点で、
捩り振動の変位は、左側に最大であり、縦振動の変位は
零である。この状態では、移動子20は加圧部材16に
よって振動子30の駆動面Dに接触している。この状態
から、t=0〜(4/4)×(π/ω)までは、捩り振
動が左側の最大から右側の最大まで変位する。一方、縦
振動は、零から上側の最大に変位し、再び零に戻る。し
たがって、振動子30の駆動面Dは、移動子20を押し
ながら右方向に回転し、移動子20は駆動される。
【0040】次に、t=(4/4)×(π/ω)〜(8
/4)×(π/ω)までは、捩り振動が右側の最大から
左側の最大まで変位する。一方、縦振動は、零から下側
の最大へ変位し再び零に戻る。このときに、移動子20
は、加圧部材16により加圧されていても、加圧部材1
6の固有振動数が超音波振動域より低いために、振動子
の縮みに追従できない。したがって、振動子30の駆動
面Dは、移動子20から離れながら左方向に回転子、移
動子20は駆動されない。このように、本実施形態で
は、縦振動用圧電体53と捩り振動用圧電体52とに位
相差が90°の駆動信号を入力すると、駆動面Dに楕円
運動が生じ、さらに駆動面Dの楕円運動の一部が移動子
20に伝達されるので、移動子20が一定の方向に回転
運動を行う。
【0041】(その他の実施形態)なお、本発明は、上
記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態
は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された
技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効
果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技
術的範囲に包含される。
【0042】1) 上記実施形態では、弾性体に1次の
縦振動と2次の捩り振動とを励振する場合について説明
したが、これは、縦振動、捩り振動のいずれについて
も、任意の次数のものを励振することであってもよい。 2) 上記実施形態では、弾性体に捩り振動又は縦振動
を励振する振動発生源として圧電体を用いる場合を例に
説明をしたが、これは、本発明において使用可能な振動
発生源の種類を何ら制限する意味のものではない。振動
発生源は、弾性体に所定の振動を与えることができるも
のであればよく、電気エネルギー、磁気エネルギー又は
熱エネルギー等を機械的変位に変換することで弾性体を
励振する素子(電歪素子、磁歪素子等)であってもよ
い。
【0043】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1又
は請求項2に係る発明によれば、内部配線は、中継部材
を介して駆動回路と接続されているので、駆動回路又は
外部配線に外力が加わった場合でも、外力は中継部材に
おいて遮断され、直接内部配線と振動子との接続部まで
達することはない。請求項3に係る発明によれば、中継
部材は、同一の駆動信号を伝達する二以上の内部配線を
一の外部配線に接続するので、外部配線の本数を減ら
し、振動アクチュエータと駆動回路との接続が簡単とな
る。
【0044】請求項4に係る発明によれば、二以上の外
部配線の他端は、同一平面において中継部材に接続され
ているので、対応する内部配線の長さによらず、外部配
線の長さを一定にそろえ、その取り扱いを容易とするこ
とが可能である。請求項5に係る発明によれば、弾性体
は、支持部材及び中継部材を介して接地されているの
で、接地用の配線をも他の外部配線と同様に簡単に取り
扱うとができる。
【0045】請求項6に係る発明によれば、中継部材は
弾性を有する板状部材であるので、外部配線等に加わっ
た外力は、中継部材の弾性により吸収され、内部配線と
振動子の接続部に及ぶことはない。請求項7に係る発明
によれば、外部配線の中継部材との接続部は、信号伝達
部の機械的強度に関する最弱部位であるので、外部配線
に過度の外力が加わった場合には、外部配線の中継部材
との接続が解除され、外力が内部配線と振動子の接続部
に及ぶことはない。請求項8に係る発明によれば、弾性
体は、支持部材を介して接地されているので、弾性体に
接地用の配線を別途取り付けることにより、その振動特
性を劣化させることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波モータの実施形態を示す断
面図である。
【図2】振動子30を示す分解斜視図である。
【図3】振動子30及び中継基盤60の斜視図である。
【図4】振動子30における圧電体の配置と、振動子に
励振される振動モードを示す説明図である。
【図5】振動子30の動作を模式的に示す説明図であ
る。
【図6】従来の振動アクチュエータであって、実公平7
−46075号に開示された振動アクチュエータを示す
断面図である。
【符号の説明】
10 超音波モータ 12 固定軸 20 移動子 22 移動子母材 26 摺動材 30 振動子 32、34 弾性体 51〜54 圧電体 55〜58 電極板 60 中継基盤 65〜68 内部リード線 75〜78 外部リード線 79 グランド用リード線

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材に支持され、駆動信号を入力さ
    れて振動する振動子と、 前記振動子と相対運動する相対運動部材と、 前記振動子及び前記駆動信号を出力する駆動回路を接続
    する信号伝達部とを備える振動アクチュエータにおい
    て、 前記信号伝達部は、 一端を前記振動子に接続された内部配線と、 一端を前記駆動回路に接続された外部配線と、 前記支持部材に支持され、前記内部配線の他端及び前記
    外部配線の他端が接続された中継部材とを有することを
    特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の振動アクチュエータに
    おいて、 前記振動子は、前記振動子の内部に配置された励振用の
    振動発生源を有し、 前記振動発生源は、前記振動子の外部へ突出し、前記内
    部配線に接続される電極部を有することを特徴とする振
    動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の振動アク
    チュエータにおいて、 前記中継部材は、同一の駆動信号を伝達する二以上の前
    記内部配線を一の外部配線に接続することを特徴とする
    振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3までのいずれか1項
    に記載の振動アクチュエータにおいて、 前記外部配線を二以上有し、 それぞれの前記外部配線の他端は、対応する前記内部配
    線の長さによらず、同一平面において前記中継部材に接
    続されていることを特徴とする振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載の振動アクチュエータにおいて、 前記振動子は、弾性体及び前記弾性体に設置され、前記
    駆動信号に従い前記弾性体を励振する振動発生源を有
    し、 前記弾性体は、前記支持部材及び前記中継部材を介して
    接地されていることを特徴とする振動アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載の振動アクチュエータにおいて、 前記中継部材は、弾性を有する板状部材であることを特
    徴とする振動アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれか1
    項に記載の振動アクチュエータにおいて、 前記外部配線の前記中継部材との接続部は、前記信号伝
    達部の機械的強度に関して最も弱い部分であることを特
    徴とする振動アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 振動子と、 前記振動子と相対運動する相対運動部材と、 前記振動子を支持する支持部材とを備える振動アクチュ
    エータにおいて、 前記振動子は、弾性体と、前記弾性体に設置され、駆動
    信号に従い前記弾性体を励振する振動発生源とを有し、 前記弾性体は、前記支持部材を介して接地されているこ
    とを特徴とする振動アクチュエータ。
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