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JPH10257867A - 低アルブミン血症改善用食品 - Google Patents

低アルブミン血症改善用食品

Info

Publication number
JPH10257867A
JPH10257867A JP9085651A JP8565197A JPH10257867A JP H10257867 A JPH10257867 A JP H10257867A JP 9085651 A JP9085651 A JP 9085651A JP 8565197 A JP8565197 A JP 8565197A JP H10257867 A JPH10257867 A JP H10257867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
whey protein
food
protein
amino acid
milk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9085651A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Oyama
勝彦 大山
Yuko Watanabe
祐子 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Oillio Group Ltd
Original Assignee
Nisshin Oil Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Oil Mills Ltd filed Critical Nisshin Oil Mills Ltd
Priority to JP9085651A priority Critical patent/JPH10257867A/ja
Publication of JPH10257867A publication Critical patent/JPH10257867A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低アルブミン血症を改善するために有用な、
呈味性に優れ、日常的かつ長期間にわたり摂取できる食
品素材およびこれを用いた加工食品を提供する。 【解決手段】 蛋白質構成アミノ酸組成のうち分枝鎖ア
ミノ酸含量が10〜30重量%である乳ホエー蛋白質、
より好ましくは該乳ホエー蛋白質に適宜グルタミンおよ
び/またはアルギニンを加え、全アミノ酸組成中グルタ
ミンおよび/またはアルギニンを5〜30重量%含有せ
しめてなる食品素材、および該食品素材を用いてなる加
工食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栄養代謝不全の高
齢者、悪性腫瘍、ネフローゼ症候群、肝不全、エイズ、
高度火傷等の各種疾病患者の予後を決定する蛋白栄養評
価の上で特に重要な血中アルブミン量の不足を改善し得
る食品素材およびこれを用いた加工食品に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】血中アルブミンは全身組織に蛋白栄養素
を運搬する重要な血清成分である。血中アルブミン量は
栄養状態により機敏に応答し、肝臓中における生合成お
よび分泌はホルモンによっても調節されている。一般に
血中アルブミン量が3.5g/dlを下回る場合を低ア
ルブミン血症といい、この状態が長期にわたると免疫機
能の低下、体重の減少、感染症や多臓器不全を引き起こ
し、前記疾病患者の予後を著しく悪化させるため、低ア
ルブミン血症を改善する意義は大きい。低アルブミン血
症を改善するには、通常、数カ月あるいはそれ以上の継
続的な栄養素の摂取が必要であり、その態様としては栄
養バランスのとれた食事による栄養補給が理想的であ
る。
【0003】特開平5−276896号公報には、肝臓
病患者等への栄養補給をねらいとして、分岐鎖アミノ酸
(以下、BCAAということがある)/芳香族アミノ酸
(以下、AAAということがある)のモル比率すなわち
フィッシャー比、BCAA含量、AAA含量および平均
分子量をそれぞれ特定した、蛋白質の酵素分解物である
ペプチド混合物が開示されている。また、特開昭64−
83017号公報では、肝不全患者とくに肝性脳症を伴
う重篤な患者に適したBCAA含量の多いアミノ酸製剤
が開示されている。
【0004】肝臓病やその末期に発症する肝性脳症で
は、血中アミノ酸バランスの不均衡是正、アンモニア代
謝促進による血中アンモニア濃度低減、芳香族アミノ酸
の脳内への過剰移行防止等のためには高フィッシャー比
のアミノ酸製剤やペプチドを摂取することが望ましい
が、低い血中アルブミン量を改善するために高フィッシ
ャー比率の食品類の摂取が必要であるという報告を本発
明者等は知らない。また、前記アミノ酸製剤やペプチド
類の医薬品的利用では、日常的に摂取する飲食品類とは
異なり、薬品的な風味が強く食べにくい、高価である、
高浸透圧のため高濃度での調合が困難等の理由で習慣化
され難く、長期間にわたり持続して摂取することは困難
を伴う。
【0005】一方、低アルブミン血症をはじめとする蛋
白・エネルギー栄養障害(PROTEIN-ENERGY MALNUTRITIO
N :PEM)の栄養学的改善方法として、前記BCAAや高
フィッシャー比のペプチド類等の特定の栄養源を摂取す
ることが提案されているが、PEMは免疫低下、体重減
少、感染症等との関連性が強いことから、特殊な栄養素
のみで改善をはかるよりも、種々の栄養源の複合形態で
改善することが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる実情に鑑み、本
発明では、種々の疾病そのものを直接に治療するという
よりも疾病の予後を決定づけるうえで重要な低アルブミ
ン血症を改善するために有用な、呈味性に優れ、日常的
かつ長期間にわたり摂取できる食品素材およびこれを用
いた加工食品を提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために種々の食品用途に利用される蛋白質、
アミノ酸について詳細に検討した結果、ある種の蛋白質
が血中低アルブミン量の改善に有効であり、さらに該蛋
白質とグルタミンおよび/またはアルギニンとからなる
ものでは著効を奏することを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち、本発明によれば、ホエー蛋白質
を有効成分として含有してなることを特徴とする低アル
ブミン血症改善用食品素材が提供される。ここで、ホエ
ー蛋白質は好ましくは牛乳由来の乳ホエー蛋白質であ
り、アミノ酸組成中の分枝鎖アミノ酸含量が10〜30
重量%であるものであり、さらには該ホエー蛋白質に適
宜グルタミンおよび/またはアルギニンを加え、全アミ
ノ酸組成中のグルタミンおよび/またはアルギニン含量
を5〜30重量%に調整してなるものが望ましい。ま
た、本発明によれば、前記食品素材を用いてなる低アル
ブミン血症改善用加工食品が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の低アルブミン血症改善用
食品素材はホエー蛋白質を有効成分として含有してなる
ものである。
【0010】ホエー蛋白質は、牛乳または脱脂乳に酸を
加えあるいは凝乳酵素(レンネット)を作用させて生じ
る凝固物を除いて得られる乳清(ホエー)に含まれる蛋
白質であり、カゼインやチーズを製造する際の副産物と
して得られる酸性ホエーやスイートホエーを濃縮、精製
した蛋白質をいう。前記ホエーから主に乳糖を低減、除
去したホエー蛋白質濃縮物、該濃縮物をさらに脱塩処理
したホエー蛋白質分離物等を好適に使用できる。これら
のホエー蛋白質は、蛋白質を約50〜約90重量%含
み、中性であり、主要な構成蛋白質はβ−ラクトグロブ
リン、α−ラクトアルブミン、血清アルブミンおよび免
疫グロブリンが概ね45〜60:20〜25:5〜1
0:10〜15(重量比)である。その他の成分として
炭水化物、脂肪、灰分等を含有する。
【0011】なお前記のホエー蛋白質濃縮物やホエー蛋
白質分離物をさらに分画処理してβ−ラクトグロブリン
やα−ラクトアルブミン等の高純度画分を得ることがで
きるが、これらを単独で摂取しても本発明の低アルブミ
ン血症改善効果は小さい。むしろ混合蛋白質であり、そ
の他の栄養素を含む前記ホエー蛋白質濃縮物やホエー蛋
白質分離物を用いることにより顕著な効果が得られる。
【0012】また、本発明で用いるホエー蛋白質は、構
成アミノ酸として分枝鎖アミノ酸すなわちロイシン、イ
ソロイシンおよびバリンを含み、これらの合計量がアミ
ノ酸組成中10〜30重量%であるものが好ましく、さ
らには20〜30重量%であるものがより好ましい。1
0重量%未満であると本発明の所望の効果が得られず、
30重量%超過では苦味が発現し、呈味性が損なわれ
る。前記分枝鎖アミノ酸の個々の比率は本発明では重要
でなく、いかなる割合でもさしつかえない。
【0013】本発明では、前記のホエー蛋白質濃縮物や
ホエー蛋白質分離物等のホエー蛋白質をそのまま、単独
でまたは混合して食品素材として使用できるが、実用面
からは本発明の趣旨から外れない任意の公知の食品成
分、例えばレシチン、糖類、澱粉、セルロース等ととも
に食品素材を構成し、ホエー蛋白質が食品素材全体の少
なくとも50重量%以上、より好ましくは80重量%以
上を占めるようにするのがよい。ホエー蛋白質の含有率
が50重量%を下回ると、本発明の食品素材を用いて調
製する加工食品において、食品素材の使用量によっては
本発明の所望の効果を奏さなくなる場合がある。
【0014】また、前記ホエー蛋白質にさらにグルタミ
ンおよび/またはアルギニンを必要に応じて加えて調製
される組成物を同様に食品素材として使用すれば本発明
の所望の効果をより一層顕著なものとすることができ
る。ここで、グルタミンおよびアルギニンは市販のもの
を使用すればよく、その含有量は、前記組成物全体のア
ミノ酸組成中、グルタミンおよびアルギニンの両方ある
いはいずれか一方が5〜30重量%、より好ましくは2
0〜30重量%となるように設定することが重要であ
る。グルタミンおよび/またはアルギニンの含有量が前
記範囲を外れると、摂取後の体内アミノ酸バランスの不
均衡を招くおそれがでてくる場合がある。
【0015】なお、前述のように、一般に低アルブミン
血症では免疫機能の低下をともなうことが多く、その改
善には数カ月以上の治療期間を必要とし、この間の免疫
機能低下を補強することが重要である。グルタミンは、
免疫機能を担当するリンパ球、マクロファージ、腸管細
胞等の分裂速度の速い細胞の主要なエネルギー源となる
ため、低アルブミン血症により減少する前記免疫担当細
胞に活力を与え、該細胞の数的減少を抑制するとともに
質的補強のために有効であると考えられる。また、アル
ギニンは、リンパ球の増殖強化、マクロファージ、ナチ
ュラルキラー細胞の活性増強、免疫担当細胞の質的およ
び量的強化に役立つものと考えられる。
【0016】かくして得られる本発明の食品素材は、呈
味性に優れるため食品用途に利用する際には摂取者の風
味に対する抵抗感がなく、継続して長期間にわたり摂取
することができる。また、これによりおよび含有成分に
より、低アルブミン血症の改善効果を顕著なものになら
しめることが可能となる。本発明の食品素材の摂取量
は、体重50Kgの摂取者で1日あたり約20〜約50
gである。
【0017】次に、本発明の低アルブミン血症改善用加
工食品はホエー蛋白質を有効成分として含有してなる食
品素材を用いて調製されるものである。
【0018】ホエー蛋白質は、前述のように、牛乳を原
料として得られるホエー蛋白質濃縮物やホエー蛋白質分
離物を好適に使用でき、分枝鎖アミノ酸含有量が構成ア
ミノ酸組成中10〜30重量%であるものが好ましく、
さらには20〜30重量%であるものがより一層望まし
い。かかるホエー蛋白質を有効成分として、好ましくは
80重量%以上配合せしめて本発明の食品素材が形成さ
れる。本発明において望ましい食品素材の態様例は、ホ
エー蛋白質に適宜にグルタミンおよび/またはアルギニ
ンを加え、全アミノ酸すなわちホエー蛋白質の構成アミ
ノ酸、グルタミンおよび/またはアルギニンの総アミノ
酸の組成中のこれらの含有量を前記所定値すなわちグル
タミンおよび/またはアルギニンが5〜30重量%、よ
り好ましくは20〜30重量%となるように設定した組
成物となしたものである。
【0019】本発明の加工食品は、かかる食品素材を用
いて、公知の任意の食品用原材料とともに食品に適する
ための通常の加工処理を施して調製される。この加工食
品は前記食品素材を好ましくは20重量%以上、さらに
好ましくは30〜80重量%含み、粉末、顆粒もしくは
錠剤等の固型状態または液体状態のいずれの形態に仕上
げてもさしつかえない。加工食品の具体例として各種飲
料、強化ミルク、ヨーグルト、ビスケット等をあげるこ
とができるが、本発明はこれらに限定されることなく種
々のものが可能である。
【0020】本発明の加工食品は風味、食感の点で従来
公知の加工食品と比べて遜色なく優れており、日常食と
して継続的かつ長期間にわたり摂取することができ、こ
れにより低アルブミン血症を改善するための栄養素の補
給が容易になる。
【0021】
【実施例】以下の実施例および比較例において、%は重
量基準である。 製造例1 牛乳10kgを遠心分離してクリーム分を除き脱脂乳を
得、これにクエン酸水溶液を加えてpH4.6とし、生
成した沈殿物(カゼイン蛋白質)を分離してホエー(乳
清)画分を採取した。次いで、限外濾過膜(アミコン社
製、膜材質:ポリスルホン、分画分子量:6万)を用い
て乳ホエー画分を濃縮し、さらに凍結乾燥および粉末化
処理を施して、乳ホエー蛋白質濃縮物600gを調製し
た。このものの組成は蛋白質:82%、炭水化物(乳糖
が主成分):2.5%、脂質:5.5%、灰分:4.0
%および水分:6.0%であった。
【0022】製造例2 食用大豆種子を粉砕しn−ヘキサンを用いて油分を抽出
処理して得た脱脂物に、カセイソーダ水溶液を加えてp
H8.0に調整し、ゆるやかに攪拌後、不溶物を濾別し
た。濾液に塩酸を加えてpH4.5に調整し、沈殿物と
可溶区分とに分離した。沈殿物を水洗、乾燥して大豆蛋
白質を調製した。このものの組成は蛋白質:45%、炭
水化物:33.0%、脂質:2.9%、灰分:7.1%
および水分:12.0%であった。また、可溶区分を製
造例1と同様に限外濾過、凍結乾燥および粉末化処理し
て大豆ホエー蛋白質を調製した。この組成は蛋白質:5
3%、炭水化物:8.9%、脂質:28.2%、灰分:
3.4%および水分:6.5%であった。
【0023】製造例3 製造例1で得た乳ホエー蛋白質濃縮物を用い、表1に示
す配合でココア風味の飲料用粉末を試作した。すなわ
ち、レシチン以外の原料を混合後、レシチンを加えてス
プレードライヤー(アジサワ・ニロアトマイザ(株)
製、モービルマイナー型)で造粒し、粒度分布が40〜
80メッシュのものを分取した。この飲料用粉末の栄養
組成は蛋白質:50.8%、脂質:8.2%、繊維:
0.8%、灰分:3.2%、糖質:33.6%および水
分:3.4%であり、カロリー:415Kcal/10
0gであった。また、アミノ酸自動分析装置(日本電子
(株)製、JLC−300)を用いて、本飲料用粉末の
アミノ酸組成を分析した(表2参照)。
【0024】
【表1】 注1)製造例1に記載の方法で調製したもの。 2)大日本インキ化学工業(株)製、商品名:クリサンタAR−P。 3)日清製油(株)製、商品名:ベイシスLP−20。
【0025】
【表2】
【0026】実施例1、比較例1〜3 製造例3で試作した飲料用粉末を摂取することによる血
中アミノ酸濃度の変動を調べた。すなわち、健常者5名
に対して、前記飲料用粉末18gを温水150mlに分
散させた飲料を摂取させ、摂取前後の血中アミノ酸濃度
を測定した。この結果を表3に示す。表3のデータか
ら、飲料摂取前後の血中のアミノ酸フィッシャー比は、
摂取前が3.18、摂取後1時間目が4.06、同2時
間目が3.70となり、本発明の飲料用粉末を摂取する
ことによってフィッシャー比が有意に上昇することが認
められた。
【0027】
【表3】 注)表中の数値:平均値±標準誤差。摂取前の各値に対して、a)ではP< 0.0001、b)ではP<0.005でそれぞれ有意差あり。
【0028】なお、前記飲料用粉末において、乳ホエー
蛋白質濃縮物に代えて乳蛋白質(カゼイン、日本プロテ
ン(株)製、商品名:MPH955)、製造例2で調製
した大豆蛋白質および大豆ホエー蛋白質をそれぞれ同量
使用する以外は同様にして飲料用粉末を調製し、各々に
ついて同様の方法で摂取させ、血中アミノ酸濃度を調べ
た。この結果、摂取後1時間目および同2時間目のフィ
ッシャー比は、乳蛋白質(カゼイン)含有物の場合(比
較例1)では3.12および3.48であり、大豆蛋白
質含有物の場合(比較例2)では3.10および3.2
6であり、大豆ホエー蛋白質含有物の場合(比較例3)
では3.18および3.42であった。
【0029】実施例2、比較例4 低アルブミン血症を呈している肝不全患者(5名)に対
し、製造例2で試作した飲料用粉末を1日あたり150
g摂取するように温水に10%濃度に分散させた飲料と
して摂取させた。3ヵ月間にわたり摂取を続け、摂取後
1ヵ月目および同3ヵ月目に採血し、血清アルブミン濃
度を測定した。また、比較例1と同様に乳蛋白質を使用
して調製した飲料用粉末についても同様に摂取させ、血
清アルブミン濃度を測定した(比較例4)。これらの結
果を表4に示す。このことから、本発明の飲料用粉末を
摂取することにより血中アルブミン濃度が増加し、低ア
ルブミン血症が改善されることが認められた。
【0030】
【表4】
【0031】実施例3、比較例5〜7 製造例1で調製した乳ホエー蛋白質を用い、表5に示す
配合で混合飼料をつくり、4週齢のSD系ラット7匹に
3週間自由摂餌させ、体重を測定した。なお、同時に、
比較例1〜3と同様に乳ホエー蛋白質を乳蛋白質、大豆
蛋白質または大豆ホエー蛋白質の同量に置き換えて調製
した混合飼料を同様に摂餌させ、体重の変化を調べた
(比較例5〜7)。この結果を表6に示す。このことか
ら、本発明の乳ホエー蛋白質濃縮物を配合した飼料を摂
餌したラットでは、著しい体重の増加が認められた。
【0032】
【表5】 注1)製造例1で調製したもの。 2)日本配合飼料(株)製、AIN−76 3)日本配合飼料(株)製、AIN−76 4)和光純薬工業(株)製、TBHQ(t−ブチルハイドロキノン)
【0033】
【表6】
【0034】実施例4 表7に示す原材料を混合、造粒し、強化牛乳用粉末物を
得た。この粉末物16gあたり牛乳120mlを加えて
溶解させ、本発明の加工食品であるBCAA、アルギニ
ンおよびグルタミン強化牛乳を試作した。これは市販の
牛乳と比べて風味に遜色なく、呈味性にも優れたもので
あった。なお、前期強化牛乳を食道癌手術後に低アルブ
ミン血症を呈している患者5名に対して1日あたり24
0〜360ml、3ヵ月間摂取させ、採血を行い、血中
アルブミン量を測定した結果、血中アルブミン濃度(g
/mm3 )は摂取前:3.12±0.26、摂取後3ヵ
月目:3.67±0.52であった。また、摂取開始時
および摂取後2週間目の総リンパ球数(個/mm3 )は
1,460±420および2,990±630であり、
同じくナチュラルキラー細胞数(個/mm3 )は120
±30および380±150であった。一方、前記強化
牛乳に代えて市販牛乳の同量を用いて同様に摂取させた
ところ、血中アルブミン濃度は摂取前:3.22±0.
46、摂取後3ヵ月目:3.45±0.67であった。
また、摂取開始時および摂取後2週間目の総リンパ球数
は1,480±640および2,020±520であ
り、同じくナチュラルキラー細胞数は130±40およ
び210±80であった。
【0035】
【表7】 注1)、2)、3):表1の注釈と同じ。
【0036】実施例5 表8に示す原材料を混合、造粒し、粉末ヨーグルトを作
成した。また、この粉末ヨーグルト30gに水120m
lを加えて溶解させ、BCAA強化ヨーグルトを試作し
た。このものは市販ヨーグルトと比較して風味に遜色な
く、呈味性に優れたものであった。
【0037】
【表8】 注1)、3):表1の注釈と同じ。 2)三協食品工業(株)製、SY−30
【0038】実施例6 表9に示す原材料を使用して生地をつくり、オーブンで
180℃にて15分間焼き、BCAA、アルギニンおよ
びグルタミン強化ビスケットを試作した。このビスケッ
トは市販のものと比べて風味に遜色なく、呈味性に優れ
たものであった。
【0039】
【表9】 注1):表1の注釈と同じ。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、経口摂取することによ
り、血中アミノ酸のフィッシャー比を向上させ、体重増
加に寄与し、各種疾病の予後を決定づけるうえで重要な
低アルブミン血症を改善し得る、呈味性に優れ、日常的
かつ長期間にわたって摂取できる食品素材およびこれを
用いた加工食品を提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホエー蛋白質を有効成分として含有して
    なることを特徴とする低アルブミン血症改善用食品素
    材。
  2. 【請求項2】 ホエー蛋白質が乳ホエー蛋白質濃縮物お
    よび/または乳ホエー蛋白質分離物である請求項1に記
    載の食品素材。
  3. 【請求項3】 ホエー蛋白質が、その構成アミノ酸組成
    中分枝鎖アミノ酸を10〜30重量%含むものである請
    求項1または2に記載の食品素材。
  4. 【請求項4】 ホエー蛋白質に適宜グルタミンおよび/
    またはアルギニンを加え、全アミノ酸組成中グルタミン
    および/またはアルギニンを5〜30重量%含有せしめ
    てなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品素材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の食
    品素材を用いてなる低アルブミン血症改善用加工食品。
JP9085651A 1997-03-19 1997-03-19 低アルブミン血症改善用食品 Pending JPH10257867A (ja)

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