JPH10208880A - 発光素子 - Google Patents
発光素子Info
- Publication number
- JPH10208880A JPH10208880A JP9012294A JP1229497A JPH10208880A JP H10208880 A JPH10208880 A JP H10208880A JP 9012294 A JP9012294 A JP 9012294A JP 1229497 A JP1229497 A JP 1229497A JP H10208880 A JPH10208880 A JP H10208880A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- light emitting
- emitting device
- aging
- atmosphere
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Luminescent Compositions (AREA)
- Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】素子特性が安定で長期間にわたって輝度低下が
小さく、かつエージング処理を施した後の素子の発光効
率が2cd/A以上と高く保たれた有機積層薄膜発光素子
を提供する。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光を司る物質を含む層
が存在し、電気エネルギーにより発光する素子を酸素が
存在する雰囲気下でエージング処理することを特徴とす
る発光素子
小さく、かつエージング処理を施した後の素子の発光効
率が2cd/A以上と高く保たれた有機積層薄膜発光素子
を提供する。 【解決手段】陽極と陰極の間に発光を司る物質を含む層
が存在し、電気エネルギーにより発光する素子を酸素が
存在する雰囲気下でエージング処理することを特徴とす
る発光素子
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機などの分野に利用可能な面状発光
体として好ましく利用可能である。
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機などの分野に利用可能な面状発光
体として好ましく利用可能である。
【0002】
【従来の技術】陰極から注入された電子と陽極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子は、薄型、低
駆動電圧下での高輝度発光、多色発光が特徴である。こ
の有機積層薄膜素子が高輝度に発光することは、コダッ
ク社のC.W.Tangらによって初めて示された(App
l.Phys.Lett.51(12)21,p.913,1987)。
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光するという有機積層薄膜発光素子は、薄型、低
駆動電圧下での高輝度発光、多色発光が特徴である。こ
の有機積層薄膜素子が高輝度に発光することは、コダッ
ク社のC.W.Tangらによって初めて示された(App
l.Phys.Lett.51(12)21,p.913,1987)。
【0003】コダック社の提示した有機積層薄膜発光素
子の代表的な構成は、ITOガラス基板上に正孔輸送性
のジアミン化合物、発光層であるトリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、そして陰極としてMg:Agを順
次設けたものであり、10V程度の駆動電圧で1000
cd/m2 の緑色発光が可能であった。この発明の特徴
は、発光体であるトリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウムと陽極であるITOの間に正孔輸送層であるジアミ
ン化合物を設けたことにあり、これによって飛躍的に発
光輝度が向上した。現在の有機積層薄膜発光素子は、上
記の素子構成要素の他に電子輸送層を設けているものな
ど構成を変えているものもあるが、基本的にはコダック
社の構成を踏襲している。
子の代表的な構成は、ITOガラス基板上に正孔輸送性
のジアミン化合物、発光層であるトリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、そして陰極としてMg:Agを順
次設けたものであり、10V程度の駆動電圧で1000
cd/m2 の緑色発光が可能であった。この発明の特徴
は、発光体であるトリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウムと陽極であるITOの間に正孔輸送層であるジアミ
ン化合物を設けたことにあり、これによって飛躍的に発
光輝度が向上した。現在の有機積層薄膜発光素子は、上
記の素子構成要素の他に電子輸送層を設けているものな
ど構成を変えているものもあるが、基本的にはコダック
社の構成を踏襲している。
【0004】しかし、有機積層薄膜発光素子は長時間安
定に発光させることが困難であり、この問題に対して
は、エージング処理によって素子特性を安定化させるこ
とが知られている(特開平4−14794号公報、特開
平5−182764号公報、特開平8−185979号
公報)。
定に発光させることが困難であり、この問題に対して
は、エージング処理によって素子特性を安定化させるこ
とが知られている(特開平4−14794号公報、特開
平5−182764号公報、特開平8−185979号
公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術に用
いられるエージング処理では、処理後の発光効率が著し
く低下するために、輝度の保持率は高くともエージング
後の発光効率が非常に低くなってしまうという問題があ
った。また、従来技術では長時間の駆動での素子劣化に
起因する局部的なショート領域の成長により発光ができ
なくなったり、極端に輝度の低下が起こる問題もあっ
た。一般に不安定な素子を長期間安定に保存するには真
空中に素子を置くことが最も好ましいが、本ショート現
象は真空中で駆動したときに特に顕著に現れるし、不活
性気体中での駆動においても、しばしばショート現象が
起こることが問題であった。本発明は、エージング処理
後も実用的な発光効率を維持し、いかなる雰囲気におい
ても長期間安定に素子を駆動できる有機積層薄膜発光素
子を提供することを目的とする。
いられるエージング処理では、処理後の発光効率が著し
く低下するために、輝度の保持率は高くともエージング
後の発光効率が非常に低くなってしまうという問題があ
った。また、従来技術では長時間の駆動での素子劣化に
起因する局部的なショート領域の成長により発光ができ
なくなったり、極端に輝度の低下が起こる問題もあっ
た。一般に不安定な素子を長期間安定に保存するには真
空中に素子を置くことが最も好ましいが、本ショート現
象は真空中で駆動したときに特に顕著に現れるし、不活
性気体中での駆動においても、しばしばショート現象が
起こることが問題であった。本発明は、エージング処理
後も実用的な発光効率を維持し、いかなる雰囲気におい
ても長期間安定に素子を駆動できる有機積層薄膜発光素
子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、「陽極と陰極の間に発光を司る物質を含む
層が存在し、電気エネルギーにより発光する素子を酸素
が存在する雰囲気下でエージングしたことを特徴とする
発光素子」に関するものである。
するために、「陽極と陰極の間に発光を司る物質を含む
層が存在し、電気エネルギーにより発光する素子を酸素
が存在する雰囲気下でエージングしたことを特徴とする
発光素子」に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において陽極は、光を取り
出すために透明であれば酸化錫、酸化インジウム、酸化
錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、ある
いは金、銀、クロムなどの金属、そしてこれら金属とI
TOとの積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物
質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなど
の導電性ポリマ、そしてこれら導電性ポリマとITOと
の積層物など特に限定されるものでないが、ITOガラ
スやネサガラスを用いることが特に望ましい。透明電極
の抵抗は素子の発光に十分な電流が供給できればよいの
で特別な限定はないが、素子の消費電力の観点からは低
抵抗であることが望ましい。例えば300Ω/□以下の
ITO基板であれば素子電極として機能するが、現在で
は低抵抗基板の供給も可能になっていることから、20
Ω/□以下の基板を使用することが特に望ましい。IT
Oの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、
通常50〜300nmの間で用いられることが多い。ま
た、ITOの基板はソーダライムガラス、無アルカリガ
ラス、透明樹脂などが用いられ、また厚みも機械的強度
を保つのに十分な厚みがあればよいので、ガラスの場合
は0.5mm以上あれば十分である。ガラスの材質につ
いては、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので
無アルカリガラスの方が好ましいが、ソーダライムガラ
スも使用可能である。この場合、SiO2 などのバリア
コートを施したソーダライムガラスが市販されているの
でこれを使用することがより好ましい。ITO膜形成方
法は、電子ビーム法、スパッタリング法、化学反応法な
ど特に制限を受けるものではない。また、ITOをUV
−オゾン処理することにより素子の駆動電圧を下げる事
ができることが知られているが、この手法は本発明にお
いても適用可能である。
出すために透明であれば酸化錫、酸化インジウム、酸化
錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、ある
いは金、銀、クロムなどの金属、そしてこれら金属とI
TOとの積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物
質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなど
の導電性ポリマ、そしてこれら導電性ポリマとITOと
の積層物など特に限定されるものでないが、ITOガラ
スやネサガラスを用いることが特に望ましい。透明電極
の抵抗は素子の発光に十分な電流が供給できればよいの
で特別な限定はないが、素子の消費電力の観点からは低
抵抗であることが望ましい。例えば300Ω/□以下の
ITO基板であれば素子電極として機能するが、現在で
は低抵抗基板の供給も可能になっていることから、20
Ω/□以下の基板を使用することが特に望ましい。IT
Oの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、
通常50〜300nmの間で用いられることが多い。ま
た、ITOの基板はソーダライムガラス、無アルカリガ
ラス、透明樹脂などが用いられ、また厚みも機械的強度
を保つのに十分な厚みがあればよいので、ガラスの場合
は0.5mm以上あれば十分である。ガラスの材質につ
いては、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので
無アルカリガラスの方が好ましいが、ソーダライムガラ
スも使用可能である。この場合、SiO2 などのバリア
コートを施したソーダライムガラスが市販されているの
でこれを使用することがより好ましい。ITO膜形成方
法は、電子ビーム法、スパッタリング法、化学反応法な
ど特に制限を受けるものではない。また、ITOをUV
−オゾン処理することにより素子の駆動電圧を下げる事
ができることが知られているが、この手法は本発明にお
いても適用可能である。
【0008】陰極は、効率よく電子を発光を司る物質ま
たは発光を司る物質に隣接する物質(例えば電子輸送
層)に供給させなくてはならないので、電極と隣接する
物質との密着性、イオン化ポテンシャルの調整などが重
要である。また、長期間の使用に対して安定な性能を維
持するために大気中でも比較的安定な材料を使用するこ
とが特に望ましいが、保護膜などを使用することも可能
であることから、これに限定されるものではない。具体
的にはインジウム、金、銀、アルミニウム、鉛、マグネ
シウムなどの金属や希土類単体、アルカリ金属、あるい
はこれらの合金などを用いることが可能であるが、素子
特性を考慮するとマグネシウムやリチウム、カリウム、
ナトリウムなどの低仕事関数金属を用いることが望まし
い。しかし、これらの金属は非常に活性で不安定である
事から銀やアルミニウムなどとの合金を用いることもで
きる。電極の作製には、抵抗加熱法、電子ビーム法、ス
パッタリング法、コーティング法などが用いられ、金属
を単体で蒸着することも2成分以上を同時に蒸着するこ
ともできる。特に合金形成のためには複数の金属を同時
に蒸着すれば容易に合金電極を形成することが可能であ
るし、合金を蒸着してもよい。また、より好ましい例と
して発光を司る物質を含む層にドーピング処理を施して
から陰電極を作製する方法が挙げられる。これは、共蒸
着する必要がないことと電極に安定な単一金属を使用で
きることが有利な点であるが必ずしも単一金属である必
要はない。ドーピングされるドーパントとしては、リチ
ウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグ
ネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アンモ
ニア、テトラチオフルバレン、テトラセレノフルバレン
等の有機ドナー分子が好ましい。ドーピング量は、極め
て僅かで十分な効果を示し、通常膜厚センサーでの計測
値において1nm以下の量である。ドーピング処理は、
真空中で行われることが好ましいが、大気中や不活性雰
囲気中でも可能である。ドーピング処理を行った後に金
属陰電極を所定の形状に作製するが主に真空蒸着法によ
ってインジウム、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、クロ
ム、タングステン、鉛などの金属やこれらを含む合金そ
して炭素が使用できる。中でもアルミニウム、インジウ
ム、銀は、抵抗値、パターン作製の容易性などから特に
好ましく用いられる金属である。
たは発光を司る物質に隣接する物質(例えば電子輸送
層)に供給させなくてはならないので、電極と隣接する
物質との密着性、イオン化ポテンシャルの調整などが重
要である。また、長期間の使用に対して安定な性能を維
持するために大気中でも比較的安定な材料を使用するこ
とが特に望ましいが、保護膜などを使用することも可能
であることから、これに限定されるものではない。具体
的にはインジウム、金、銀、アルミニウム、鉛、マグネ
シウムなどの金属や希土類単体、アルカリ金属、あるい
はこれらの合金などを用いることが可能であるが、素子
特性を考慮するとマグネシウムやリチウム、カリウム、
ナトリウムなどの低仕事関数金属を用いることが望まし
い。しかし、これらの金属は非常に活性で不安定である
事から銀やアルミニウムなどとの合金を用いることもで
きる。電極の作製には、抵抗加熱法、電子ビーム法、ス
パッタリング法、コーティング法などが用いられ、金属
を単体で蒸着することも2成分以上を同時に蒸着するこ
ともできる。特に合金形成のためには複数の金属を同時
に蒸着すれば容易に合金電極を形成することが可能であ
るし、合金を蒸着してもよい。また、より好ましい例と
して発光を司る物質を含む層にドーピング処理を施して
から陰電極を作製する方法が挙げられる。これは、共蒸
着する必要がないことと電極に安定な単一金属を使用で
きることが有利な点であるが必ずしも単一金属である必
要はない。ドーピングされるドーパントとしては、リチ
ウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグ
ネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アンモ
ニア、テトラチオフルバレン、テトラセレノフルバレン
等の有機ドナー分子が好ましい。ドーピング量は、極め
て僅かで十分な効果を示し、通常膜厚センサーでの計測
値において1nm以下の量である。ドーピング処理は、
真空中で行われることが好ましいが、大気中や不活性雰
囲気中でも可能である。ドーピング処理を行った後に金
属陰電極を所定の形状に作製するが主に真空蒸着法によ
ってインジウム、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、クロ
ム、タングステン、鉛などの金属やこれらを含む合金そ
して炭素が使用できる。中でもアルミニウム、インジウ
ム、銀は、抵抗値、パターン作製の容易性などから特に
好ましく用いられる金属である。
【0009】本発明における、発光を司る物質とは、発
光材料と正孔輸送材料および/または電子輸送材料から
なるものであり、素子構成としては、1)正孔輸送層/
発光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発
光層/電子輸送層、のような多層積層構造であっても、
4)以上の組合わせ物質を一層に混合した形態のいずれ
であってもよい。
光材料と正孔輸送材料および/または電子輸送材料から
なるものであり、素子構成としては、1)正孔輸送層/
発光層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、3)発
光層/電子輸送層、のような多層積層構造であっても、
4)以上の組合わせ物質を一層に混合した形態のいずれ
であってもよい。
【0010】正孔輸送材料には、ビスカルバゾリル誘導
体、TPD、m−MTDATA、ポリ(N−ビニルカル
バゾール)、ポリシラン、金属または無金属フタロシア
ニンなどの正孔輸送材料を積層または混合して使用でき
る。中でも下記一般式で表わされるビスカルバゾリル誘
導体は、堅い構造による高いガラス転移点のためにエー
ジング処理中に発生するジュール熱にも十分耐え、厳し
い条件での処理においても発光効率の著しい低下を伴わ
ずに素子性能を安定化できる。
体、TPD、m−MTDATA、ポリ(N−ビニルカル
バゾール)、ポリシラン、金属または無金属フタロシア
ニンなどの正孔輸送材料を積層または混合して使用でき
る。中でも下記一般式で表わされるビスカルバゾリル誘
導体は、堅い構造による高いガラス転移点のためにエー
ジング処理中に発生するジュール熱にも十分耐え、厳し
い条件での処理においても発光効率の著しい低下を伴わ
ずに素子性能を安定化できる。
【0011】
【化2】 (Rはエチル、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフ
ェニル、メトキシフェニル、ジフェニルアミノフェニ
ル、ヒドロキシフェニル、ナフチル、メチルナフチル、
フェナントロリニル、アントラセニル、ピレニルを表
し,R1〜R7は同一であっても異なっていても良く、
それぞれ水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ、ジアルキルアミ
ノ、ホルミル基を表わす)
ェニル、メトキシフェニル、ジフェニルアミノフェニ
ル、ヒドロキシフェニル、ナフチル、メチルナフチル、
フェナントロリニル、アントラセニル、ピレニルを表
し,R1〜R7は同一であっても異なっていても良く、
それぞれ水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ、ジアルキルアミ
ノ、ホルミル基を表わす)
【0012】正孔輸送層の形成は、主に真空蒸着法によ
って行われるが、溶液からのコーティングや上記モノマ
正孔輸送材料をポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
エステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポ
リブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ
樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、A
BS樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、
フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などと共に溶媒に
溶解または分散させてコーティングすることも可能であ
る。正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を考慮すると素子の
リーク電流が増え出す「限界膜厚」まで薄くすることが
望ましいが、素子の耐久性を考慮すると「限界膜厚」よ
り、少し厚くすることが好ましい。好ましい正孔輸送層
の膜厚は、ITO基板の表面状態や正孔輸送層の構成物
質などによって変るので限定できないが、20〜100
0nm程度が好ましく、50〜300nmが更に好まし
い。
って行われるが、溶液からのコーティングや上記モノマ
正孔輸送材料をポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリメ
チルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ
エステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポ
リブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ
樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、A
BS樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、
フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などと共に溶媒に
溶解または分散させてコーティングすることも可能であ
る。正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を考慮すると素子の
リーク電流が増え出す「限界膜厚」まで薄くすることが
望ましいが、素子の耐久性を考慮すると「限界膜厚」よ
り、少し厚くすることが好ましい。好ましい正孔輸送層
の膜厚は、ITO基板の表面状態や正孔輸送層の構成物
質などによって変るので限定できないが、20〜100
0nm程度が好ましく、50〜300nmが更に好まし
い。
【0013】発光材料には、単一の発光材料を用いて
も、2種類以上の発光体を混合して用いてもよい。ドー
ピング法は、ホストとなる蛍光体物質中にゲストとなる
ドーパントを混合させてドーパントを発光させる方法で
ある。ホスト材料としては、特開昭63−264692
号公報記載のトリス(8−キノリノラト)アルミニウム
をはじめとするメタルオキシン誘導体、1,4−ジフェ
ニルブタジエン、1,1,4,4−テトラフェニルブタ
ジエン(特開昭59−194393号公報)、スチリル
化合物(特開平2−247278号公報、特公平7−9
8787号公報)、ベンズオキサゾール誘導体、ベンゾ
チアゾール誘導体、トランススチルベンなどがあげられ
る。一方、ゲスト材料としてのドーパントには7−ジメ
チルアミノ−4−メチルクマリンをはじめとするレーザ
ー染料として有用であることが知られているクマリン誘
導体をはじめ(J.Appl. Phys.65(9)3610(1989)、特開昭
63−264692号公報,特開平6−240243号
公報)、ジシアノメチレンピラン染料、ジシアノメチレ
ンチオピラン染料、シアニン染料、キサンテン染料、ピ
リリウム染料、カルボスチリル染料、ペリレン染料(特
開昭63−264692号公報)、ペリレン、テトラセ
ン、ペンタセン(特開平2−261889号公報)、4
−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメ
チルアミノスチリル)−4Hピラン、3−(2´−ベン
ズイミダゾイル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリ
ン(特開平3−26780号公報)、キナクリドン化合
物、キナゾリン化合物(特開平5−70773号公報、
特開平3−255190号公報)、ピロロピリジン、ジ
アザインダセン骨格を有する化合物、フロピリジン(特
開平5−222360号公報)、1,2,5−チアジア
ゾロピレン誘導体(特開平5−222361号公報)、
ペリノン誘導体(特開平5−279662号公報、Jpn.
J.Appl.Phys.,27,L713(1988))、ピロロピロール化合物
(特開平5−320633号公報)、スクアリリウム化
合物(特開平6−93257号公報)、希土類錯体(特
許第2505244号公報)、Eu(dibenzoylmethide)3
(phenanthroline)( 第41回応用物理学関連連合講演会
28p-N-8)、Eu(thenoyltrifluoroacetone)-1,10-phenant
hroline(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.34,1883(1995))、Tb(ace
tylacetonate) 3 (Chem.Lett.,657(1990))、Eu(thenoyl
trifluoroacetonate) 3 (Chem.Lett.,1267(1991)) など
の発光体が知られている。ドーピング量は、通常多すぎ
ると濃度消光現象が起こるため、通常ホスト物質に体し
て10重量%以下で用いることが好ましく、更に好まし
くは2%以下である。ドーピング方法としては、ホスト
材料との共蒸着法によって形成することができるが、微
量のドーピングや再現性を勘案した場合、ホスト材料と
予め混合してから同時に蒸着する方法やホスト材料とジ
アザインダセン化合物を二つの部屋に仕切った蒸着ボー
トの中に別々に入れて同時に加熱してから蒸着する方法
がある。また、微量のゲスト分子をホスト材料にサンド
イッチ状に挟んで使用することも可能である。発光層の
形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ
リング、分子積層法、コーティング法など特に限定され
るものではないが、通常は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム
蒸着が特性面で好ましい。発光層の厚みは、発光を司る
物質の抵抗値にもよるので限定することはできないが、
経験的には10〜1000nmの間から選ばれる。
も、2種類以上の発光体を混合して用いてもよい。ドー
ピング法は、ホストとなる蛍光体物質中にゲストとなる
ドーパントを混合させてドーパントを発光させる方法で
ある。ホスト材料としては、特開昭63−264692
号公報記載のトリス(8−キノリノラト)アルミニウム
をはじめとするメタルオキシン誘導体、1,4−ジフェ
ニルブタジエン、1,1,4,4−テトラフェニルブタ
ジエン(特開昭59−194393号公報)、スチリル
化合物(特開平2−247278号公報、特公平7−9
8787号公報)、ベンズオキサゾール誘導体、ベンゾ
チアゾール誘導体、トランススチルベンなどがあげられ
る。一方、ゲスト材料としてのドーパントには7−ジメ
チルアミノ−4−メチルクマリンをはじめとするレーザ
ー染料として有用であることが知られているクマリン誘
導体をはじめ(J.Appl. Phys.65(9)3610(1989)、特開昭
63−264692号公報,特開平6−240243号
公報)、ジシアノメチレンピラン染料、ジシアノメチレ
ンチオピラン染料、シアニン染料、キサンテン染料、ピ
リリウム染料、カルボスチリル染料、ペリレン染料(特
開昭63−264692号公報)、ペリレン、テトラセ
ン、ペンタセン(特開平2−261889号公報)、4
−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメ
チルアミノスチリル)−4Hピラン、3−(2´−ベン
ズイミダゾイル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリ
ン(特開平3−26780号公報)、キナクリドン化合
物、キナゾリン化合物(特開平5−70773号公報、
特開平3−255190号公報)、ピロロピリジン、ジ
アザインダセン骨格を有する化合物、フロピリジン(特
開平5−222360号公報)、1,2,5−チアジア
ゾロピレン誘導体(特開平5−222361号公報)、
ペリノン誘導体(特開平5−279662号公報、Jpn.
J.Appl.Phys.,27,L713(1988))、ピロロピロール化合物
(特開平5−320633号公報)、スクアリリウム化
合物(特開平6−93257号公報)、希土類錯体(特
許第2505244号公報)、Eu(dibenzoylmethide)3
(phenanthroline)( 第41回応用物理学関連連合講演会
28p-N-8)、Eu(thenoyltrifluoroacetone)-1,10-phenant
hroline(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.34,1883(1995))、Tb(ace
tylacetonate) 3 (Chem.Lett.,657(1990))、Eu(thenoyl
trifluoroacetonate) 3 (Chem.Lett.,1267(1991)) など
の発光体が知られている。ドーピング量は、通常多すぎ
ると濃度消光現象が起こるため、通常ホスト物質に体し
て10重量%以下で用いることが好ましく、更に好まし
くは2%以下である。ドーピング方法としては、ホスト
材料との共蒸着法によって形成することができるが、微
量のドーピングや再現性を勘案した場合、ホスト材料と
予め混合してから同時に蒸着する方法やホスト材料とジ
アザインダセン化合物を二つの部屋に仕切った蒸着ボー
トの中に別々に入れて同時に加熱してから蒸着する方法
がある。また、微量のゲスト分子をホスト材料にサンド
イッチ状に挟んで使用することも可能である。発光層の
形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ
リング、分子積層法、コーティング法など特に限定され
るものではないが、通常は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム
蒸着が特性面で好ましい。発光層の厚みは、発光を司る
物質の抵抗値にもよるので限定することはできないが、
経験的には10〜1000nmの間から選ばれる。
【0014】電子輸層材料としては、電界を与えられた
電極間において陰極からの電子を効率良く輸送すること
が重要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効率
良く輸送することが望ましい。そのためには電子親和力
が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に
優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発
生しにくい物質であることが要求される。このような条
件を満たす物質として電子輸送能を持つ発光物質であ
る、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムなどのオ
キシン系錯体、トリス(ベンズキノリノラト)アルミニ
ウム、オキサジアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペ
リレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン、クマリ
ン、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビス
スチリル誘導体、ピラジン誘導体、ピリジン誘導体、そ
してフェナントロリン誘導体などが用いることができ
る。そして、該電子輸層材料は単独、積層、混合いずれ
の形態も取り得ることが可能であり、発光層や陰極との
組み合わせで最適な形態を取り得る。
電極間において陰極からの電子を効率良く輸送すること
が重要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効率
良く輸送することが望ましい。そのためには電子親和力
が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に
優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発
生しにくい物質であることが要求される。このような条
件を満たす物質として電子輸送能を持つ発光物質であ
る、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムなどのオ
キシン系錯体、トリス(ベンズキノリノラト)アルミニ
ウム、オキサジアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペ
リレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン、クマリ
ン、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビス
スチリル誘導体、ピラジン誘導体、ピリジン誘導体、そ
してフェナントロリン誘導体などが用いることができ
る。そして、該電子輸層材料は単独、積層、混合いずれ
の形態も取り得ることが可能であり、発光層や陰極との
組み合わせで最適な形態を取り得る。
【0015】本発明において、最も適した態様の一つ
は、陽極/正孔輸送層/ジアザインダセンをドーピング
した発光層/電子輸送層/陰極の順に積層した素子を挙
げることができるが必ずしもこの素子の構成に限定され
るものではない。
は、陽極/正孔輸送層/ジアザインダセンをドーピング
した発光層/電子輸送層/陰極の順に積層した素子を挙
げることができるが必ずしもこの素子の構成に限定され
るものではない。
【0016】本発明に発光素子の駆動方法は、その駆動
用電極によって類別できる。即ち、数字表示、アナログ
・バーグラフ表示に適したセグメント表示、記号表示、
パターン表示に適する固定パターン表示、キャラクタ表
示、グラフィック表示、ビデオ表示に適するマトリクス
表示などが挙げられる。マトリクス表示とは、陽極およ
び陰極がそれぞれ帯状行電極もしくは他方の帯状列電極
を構成し、任意の交点に選択的に電圧印加することで任
意のパターンを表示できるものである。駆動の方法とし
ては、表示すべきセグメント電極をそれぞれ個別に、か
つ同時に駆動するスタティック駆動、多けたの数字表示
のように比較的多数のセグメント電極を用いる場合やマ
トリクス電極構成の場合に適用されるマルチプレックス
駆動(線順次駆動)、そして走査電極と信号電極のマト
リクス交点部の画素ごとにスイッチ素子と必要に応じキ
ャパシタ素子を付加、集積し、コントラストやレスポン
スなどの表示特性の向上をはかったアクティブマトリク
ス駆動が挙げられる。用途に応じて適切なる駆動方法が
異なるため特に好ましい駆動方法は限定されないが、例
えばマトリクス駆動を用いた小型ディスプレイの場合
は、構造が簡素な線順次駆動方法が好ましい例として挙
げることができる。また、決まった領域のみを発光させ
るためには陽極または陰極を所定の形状に加工し、その
形状に発光させることができるし、面状発光体として使
用することも可能である。更に本発明の素子の駆動に
は、直流、交流、パルス電源いずれの電源を使用しても
良い。
用電極によって類別できる。即ち、数字表示、アナログ
・バーグラフ表示に適したセグメント表示、記号表示、
パターン表示に適する固定パターン表示、キャラクタ表
示、グラフィック表示、ビデオ表示に適するマトリクス
表示などが挙げられる。マトリクス表示とは、陽極およ
び陰極がそれぞれ帯状行電極もしくは他方の帯状列電極
を構成し、任意の交点に選択的に電圧印加することで任
意のパターンを表示できるものである。駆動の方法とし
ては、表示すべきセグメント電極をそれぞれ個別に、か
つ同時に駆動するスタティック駆動、多けたの数字表示
のように比較的多数のセグメント電極を用いる場合やマ
トリクス電極構成の場合に適用されるマルチプレックス
駆動(線順次駆動)、そして走査電極と信号電極のマト
リクス交点部の画素ごとにスイッチ素子と必要に応じキ
ャパシタ素子を付加、集積し、コントラストやレスポン
スなどの表示特性の向上をはかったアクティブマトリク
ス駆動が挙げられる。用途に応じて適切なる駆動方法が
異なるため特に好ましい駆動方法は限定されないが、例
えばマトリクス駆動を用いた小型ディスプレイの場合
は、構造が簡素な線順次駆動方法が好ましい例として挙
げることができる。また、決まった領域のみを発光させ
るためには陽極または陰極を所定の形状に加工し、その
形状に発光させることができるし、面状発光体として使
用することも可能である。更に本発明の素子の駆動に
は、直流、交流、パルス電源いずれの電源を使用しても
良い。
【0017】輝度低下は、通常駆動電流密度が高くなる
と急激になる傾向がある。大まかに言って、輝度の低下
率は電流密度と時間の積である累積電荷量でみるとほぼ
同じになる。即ち、5mA/cm2 で駆動した素子は、1
mA/cm2 で駆動した素子に比べて5倍の早さで輝度が
低下することになる。実用的な観点から考えると20m
A/cm2 で駆動した素子の1時間後の輝度保持率は70
%以上であることが好ましい。本有機積層型電界発光素
子は、初期の輝度低下が大きく、次第に輝度の低下が緩
やかになっていくことから、最初の1時間での保持率が
70%以上あれば実用的であると言える。
と急激になる傾向がある。大まかに言って、輝度の低下
率は電流密度と時間の積である累積電荷量でみるとほぼ
同じになる。即ち、5mA/cm2 で駆動した素子は、1
mA/cm2 で駆動した素子に比べて5倍の早さで輝度が
低下することになる。実用的な観点から考えると20m
A/cm2 で駆動した素子の1時間後の輝度保持率は70
%以上であることが好ましい。本有機積層型電界発光素
子は、初期の輝度低下が大きく、次第に輝度の低下が緩
やかになっていくことから、最初の1時間での保持率が
70%以上あれば実用的であると言える。
【0018】本発明者等は、意外にも酸素が存在する雰
囲気中で有機積層薄膜発光素子をエージング処理を施す
ことによって、低電流密度、短時間で高い発光効率を維
持したまま長時間の連続発光−特に真空雰囲気−におけ
る素子のショートに起因する消光や輝度低下を著しく抑
制できることを見いだした。そして、いかなる雰囲気に
おいても長期間安定に素子を駆動できる有機積層薄膜発
光素子を得ることが可能となったのである。
囲気中で有機積層薄膜発光素子をエージング処理を施す
ことによって、低電流密度、短時間で高い発光効率を維
持したまま長時間の連続発光−特に真空雰囲気−におけ
る素子のショートに起因する消光や輝度低下を著しく抑
制できることを見いだした。そして、いかなる雰囲気に
おいても長期間安定に素子を駆動できる有機積層薄膜発
光素子を得ることが可能となったのである。
【0019】エージング処理の雰囲気の酸素含有量は、
体積百分率で5%以上であればその効果を発現できる
が、含有量が多いほどその効果を最大限に引き出すこと
ができる。雰囲気の酸素含有量が体積百分率で20%以
上が好ましい。通常、便利に用いられる雰囲気として空
気が挙げられ、その酸素の体積百分率は、20.93%
である。しかし空気を使用する場合は、湿度が問題とな
る。つまり、エージング処理は、通常数時間以上の時間
が必要である。この時、空気中の湿度が高いとエージン
グ中にダークスポットと呼ばれる非発光部分が現れ素子
の劣化を引き起こしてしまう。一つの目安として相対湿
度が70%以下であることが望ましいが、出来るだけ低
い方が良い。エージング処理を行う気体の湿度を低下さ
せるには、通常脱水剤として用いられるものが使用でき
る。具体的には、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、五
酸化りん、塩化カルシウム、過塩素酸マグネシウム等が
使用できるが、取扱い易さと吸湿性の観点から、シリカ
ゲルと過塩素酸マグネシウムの組み合わせが一つの好ま
しい例として挙げることができる。 エージング効果は
電流密度とエージング処理時間の積によって決まる。即
ち、電流密度が大きければ処理時間は短くて済むし、逆
に電流密度が小さければ処理時間は長くなってしまう。
但し、電流密度は高ければ高いほどよいわけでなく、高
すぎると絶縁破壊が起こったり、ジュール熱によって素
子が破壊されてしまう。ジュール熱を考慮した一つの好
ましい具体的電流密度は、0.1A/cm2 以下である。
線順次駆動を行う場合瞬間的な高輝度が必要になり、最
高時には1〜0.5A/cm2 の電流が素子を流れ、アク
ティブ駆動法やセグメント表示の場合は、最高時に0.
02A/cm2 の電流が素子に流れることになる。従っ
て、エージング処理の電流密度は、駆動時の最高電流密
度の5倍以下であることが望ましいことになるが、本事
例以外の駆動法を行う場合はこれに限定されるわけでは
ない。 前記、スタティック駆動、マルチプレックス駆
動(線順次駆動)、そしてアクティブマトリクス駆動行
うような多数の素子が一つの表示装置に組み込まれたよ
うな場合、全ての素子を同時にエージングしてもよい
し、一定の個数ずつ処理していってもよい。しかし、通
常はエージング処理の効率を上げる意味で同時に全ての
素子をエージングすることが好ましい。
体積百分率で5%以上であればその効果を発現できる
が、含有量が多いほどその効果を最大限に引き出すこと
ができる。雰囲気の酸素含有量が体積百分率で20%以
上が好ましい。通常、便利に用いられる雰囲気として空
気が挙げられ、その酸素の体積百分率は、20.93%
である。しかし空気を使用する場合は、湿度が問題とな
る。つまり、エージング処理は、通常数時間以上の時間
が必要である。この時、空気中の湿度が高いとエージン
グ中にダークスポットと呼ばれる非発光部分が現れ素子
の劣化を引き起こしてしまう。一つの目安として相対湿
度が70%以下であることが望ましいが、出来るだけ低
い方が良い。エージング処理を行う気体の湿度を低下さ
せるには、通常脱水剤として用いられるものが使用でき
る。具体的には、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、五
酸化りん、塩化カルシウム、過塩素酸マグネシウム等が
使用できるが、取扱い易さと吸湿性の観点から、シリカ
ゲルと過塩素酸マグネシウムの組み合わせが一つの好ま
しい例として挙げることができる。 エージング効果は
電流密度とエージング処理時間の積によって決まる。即
ち、電流密度が大きければ処理時間は短くて済むし、逆
に電流密度が小さければ処理時間は長くなってしまう。
但し、電流密度は高ければ高いほどよいわけでなく、高
すぎると絶縁破壊が起こったり、ジュール熱によって素
子が破壊されてしまう。ジュール熱を考慮した一つの好
ましい具体的電流密度は、0.1A/cm2 以下である。
線順次駆動を行う場合瞬間的な高輝度が必要になり、最
高時には1〜0.5A/cm2 の電流が素子を流れ、アク
ティブ駆動法やセグメント表示の場合は、最高時に0.
02A/cm2 の電流が素子に流れることになる。従っ
て、エージング処理の電流密度は、駆動時の最高電流密
度の5倍以下であることが望ましいことになるが、本事
例以外の駆動法を行う場合はこれに限定されるわけでは
ない。 前記、スタティック駆動、マルチプレックス駆
動(線順次駆動)、そしてアクティブマトリクス駆動行
うような多数の素子が一つの表示装置に組み込まれたよ
うな場合、全ての素子を同時にエージングしてもよい
し、一定の個数ずつ処理していってもよい。しかし、通
常はエージング処理の効率を上げる意味で同時に全ての
素子をエージングすることが好ましい。
【0020】エージング処理は、直流定電流(電圧)、
定電流(電圧)パルス、交流、階段状電流(電圧)、漸
増電流(電圧)、漸減電流(電圧)等が用いられるが、
処理後の発光効率を高く維持できることと処理の簡便さ
の点から定電流処理が最も好ましい例として挙げられ
る。処理時間は、特に制限があるわけではないがエージ
ング中の輝度低下が緩やかになった時をもって終了とす
ることが望ましい。これは、多くの場合、輝度変化が緩
やかになったところで素子は安定化するため、長期間の
駆動における輝度保持やショートによる発光の停止が抑
制されるためである。しかし、通常その様な状態にする
までは、長時間の処理を必要としたため素子の劣化が無
視できなくなり、その為にエージング処理後の素子の発
光効率は著しく低下してしまう。しかし、本発明による
酸素存在下での定電流エージング処理は、低電流密度、
短時間という穏やかな条件下で素子の発光効率をさほど
低下させることなく特性を安定化させ,ショートによる
非発光現象や輝度低下現象を抑制できる。
定電流(電圧)パルス、交流、階段状電流(電圧)、漸
増電流(電圧)、漸減電流(電圧)等が用いられるが、
処理後の発光効率を高く維持できることと処理の簡便さ
の点から定電流処理が最も好ましい例として挙げられ
る。処理時間は、特に制限があるわけではないがエージ
ング中の輝度低下が緩やかになった時をもって終了とす
ることが望ましい。これは、多くの場合、輝度変化が緩
やかになったところで素子は安定化するため、長期間の
駆動における輝度保持やショートによる発光の停止が抑
制されるためである。しかし、通常その様な状態にする
までは、長時間の処理を必要としたため素子の劣化が無
視できなくなり、その為にエージング処理後の素子の発
光効率は著しく低下してしまう。しかし、本発明による
酸素存在下での定電流エージング処理は、低電流密度、
短時間という穏やかな条件下で素子の発光効率をさほど
低下させることなく特性を安定化させ,ショートによる
非発光現象や輝度低下現象を抑制できる。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0022】実施例1 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を所定
の大きさに切断、エッチングを行った。得られた基板を
アセトン、セミコクリン56で各々15分間超音波洗浄
してから超純水で水洗した。続いてイソプロピルアルコ
ールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15
分間浸漬して乾燥した。素子作製前に洗浄したITO基
板を1時間UV−オゾン処理した後に真空蒸着機中に取
り付け8×10-4Paに減圧した。基板は加熱すること
なく、抵抗加熱法によって、銅フタロシアニンを20n
m、ビス(m−メチルフェニルカルバゾール)100n
m、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを100
nm、リチウムを1nm、アルミニウムを200nm順
次蒸着して5×5mmの素子を作製した。尚、ここで言
う膜厚とは、表面粗さ計での測定値によって補正された
水晶発振式膜厚モニタ表示値を言う。一日放置した後、
本素子を相対湿度62%の空気中で40mA/cm2 の定
電流(8.83V)で2時間エージングを行った。エー
ジング開始の輝度は、1522cd/m2 で、終了時の
発光輝度は1190cd/m2 であった。本素子を真空
下、4mA/cm2 の定電流条件で発光させたところ,初
期輝度83cd/m2 (6.26V),発光効率2.0
8cd/Aであったのが7時間後に81cd/m2 (6.
47V)、307時間後に78cd/m2 (7.58
V)であった。
(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を所定
の大きさに切断、エッチングを行った。得られた基板を
アセトン、セミコクリン56で各々15分間超音波洗浄
してから超純水で水洗した。続いてイソプロピルアルコ
ールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15
分間浸漬して乾燥した。素子作製前に洗浄したITO基
板を1時間UV−オゾン処理した後に真空蒸着機中に取
り付け8×10-4Paに減圧した。基板は加熱すること
なく、抵抗加熱法によって、銅フタロシアニンを20n
m、ビス(m−メチルフェニルカルバゾール)100n
m、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを100
nm、リチウムを1nm、アルミニウムを200nm順
次蒸着して5×5mmの素子を作製した。尚、ここで言
う膜厚とは、表面粗さ計での測定値によって補正された
水晶発振式膜厚モニタ表示値を言う。一日放置した後、
本素子を相対湿度62%の空気中で40mA/cm2 の定
電流(8.83V)で2時間エージングを行った。エー
ジング開始の輝度は、1522cd/m2 で、終了時の
発光輝度は1190cd/m2 であった。本素子を真空
下、4mA/cm2 の定電流条件で発光させたところ,初
期輝度83cd/m2 (6.26V),発光効率2.0
8cd/Aであったのが7時間後に81cd/m2 (6.
47V)、307時間後に78cd/m2 (7.58
V)であった。
【0023】比較例1 実施例1において、エージングしなかった以外は同様に
して評価したところ、初期輝度134cd/m2 (6.
87V)であったのが6.5時間後には発光が認められ
なくなった。
して評価したところ、初期輝度134cd/m2 (6.
87V)であったのが6.5時間後には発光が認められ
なくなった。
【0024】比較例2 実施例1において真空中でエージングした以外は同様に
して評価したところ、初期輝度98cd/m2 (6.3
6V)であったのが6.5時間後には発光が認められな
くなった。
して評価したところ、初期輝度98cd/m2 (6.3
6V)であったのが6.5時間後には発光が認められな
くなった。
【0025】実施例2 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を所定
の大きさに切断、エッチングを行った。得られた基板を
アセトン、セミコクリン56で各々15分間超音波洗浄
してから超純水で水洗した。続いてイソプロピルアルコ
ールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15
分間浸漬して乾燥した。素子作製前に洗浄したITO基
板を1時間UV−オゾン処理した後に真空蒸着機中に取
り付け8×10-4Paに減圧した。基板は加熱すること
なく、抵抗加熱法によって、銅フタロシアニンを20n
m、ビス(m−メチルフェニルカルバゾール)100n
m、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを100
nm、リチウムを1nm、アルミニウムを200nm順
次蒸着して5×5mmの素子を作製した。尚、ここで言
う膜厚とは、表面粗さ計での測定値によって補正された
水晶発振式膜厚モニタ表示値を言う。本素子を相対湿度
62%の空気中で80mA/cm2 の定電流で2時間エー
ジングを行ったところ、エージング開始の輝度は、25
90cd/m2 で、終了時の発光輝度は1681cd/
m2 であった。本素子を真空下、20mA/cm2 の定電
流条件で発光させたところ,初期輝度468cd/m2
(8.67V)、発光効率2.34cd/Aであったのが
1時間後に362cd/m2 (8.62V)、203時
間後に181cd/m2 (11.12V)であった。
(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を所定
の大きさに切断、エッチングを行った。得られた基板を
アセトン、セミコクリン56で各々15分間超音波洗浄
してから超純水で水洗した。続いてイソプロピルアルコ
ールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15
分間浸漬して乾燥した。素子作製前に洗浄したITO基
板を1時間UV−オゾン処理した後に真空蒸着機中に取
り付け8×10-4Paに減圧した。基板は加熱すること
なく、抵抗加熱法によって、銅フタロシアニンを20n
m、ビス(m−メチルフェニルカルバゾール)100n
m、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを100
nm、リチウムを1nm、アルミニウムを200nm順
次蒸着して5×5mmの素子を作製した。尚、ここで言
う膜厚とは、表面粗さ計での測定値によって補正された
水晶発振式膜厚モニタ表示値を言う。本素子を相対湿度
62%の空気中で80mA/cm2 の定電流で2時間エー
ジングを行ったところ、エージング開始の輝度は、25
90cd/m2 で、終了時の発光輝度は1681cd/
m2 であった。本素子を真空下、20mA/cm2 の定電
流条件で発光させたところ,初期輝度468cd/m2
(8.67V)、発光効率2.34cd/Aであったのが
1時間後に362cd/m2 (8.62V)、203時
間後に181cd/m2 (11.12V)であった。
【0026】実施例3 実施例2において、電流密度を60mA/cm2 とした以
外は同様にしてエージングしたところ、エージング開始
の輝度は、2080cd/m2 で、終了時の発光輝度は
1415cd/m2 であった。本素子を真空下、20m
A/cm2 の定電流条件で発光させたところ,初期輝度4
29cd/m2 (8.69V)、発光効率2.15cd/
Aであったのが1時間後に426cd/m2 (8.61
V)、203時間後に171cd/m2 (11.22
V)であった。
外は同様にしてエージングしたところ、エージング開始
の輝度は、2080cd/m2 で、終了時の発光輝度は
1415cd/m2 であった。本素子を真空下、20m
A/cm2 の定電流条件で発光させたところ,初期輝度4
29cd/m2 (8.69V)、発光効率2.15cd/
Aであったのが1時間後に426cd/m2 (8.61
V)、203時間後に171cd/m2 (11.22
V)であった。
【0027】実施例4 実施例2において、電流密度を平均44.5mA/cm2
のパルス(Duty1/21,936mA/cm2 )とし
た以外は同様にしてエージングしたところ、エージング
開始の輝度は、920cd/m2 で、終了時の発光輝度
は855cd/m2 であった。本素子を真空下、20m
A/cm2 の定電流条件で発光させたところ,初期輝度4
35cd/m2 (8.81V)、発光効率2.18cd/
Aであったのが1時間後に432cd/m2 (8.62
V)、203時間後に194cd/m2 (10.87
V)であった。
のパルス(Duty1/21,936mA/cm2 )とし
た以外は同様にしてエージングしたところ、エージング
開始の輝度は、920cd/m2 で、終了時の発光輝度
は855cd/m2 であった。本素子を真空下、20m
A/cm2 の定電流条件で発光させたところ,初期輝度4
35cd/m2 (8.81V)、発光効率2.18cd/
Aであったのが1時間後に432cd/m2 (8.62
V)、203時間後に194cd/m2 (10.87
V)であった。
【0028】実施例5 実施例2において、エージング時間を4時間にした以外
は同様にしたところ、エージング開始の輝度は、132
6cd/m2 で、終了時の発光輝度は954cd/m2
であった。本素子を真空下、20mA/cm2 の定電流条
件で発光させたところ,初期輝度467cd/m
2 (7.37V)、発光効率2.34cd/Aであったの
が1時間後に447cd/m2 (7.28V)、251
時間後に187cd/m2 (7.94V)であった。
は同様にしたところ、エージング開始の輝度は、132
6cd/m2 で、終了時の発光輝度は954cd/m2
であった。本素子を真空下、20mA/cm2 の定電流条
件で発光させたところ,初期輝度467cd/m
2 (7.37V)、発光効率2.34cd/Aであったの
が1時間後に447cd/m2 (7.28V)、251
時間後に187cd/m2 (7.94V)であった。
【0029】実施例6 実施例2において、エージング時間を6時間にした以外
は同様にしたところ、エージング開始の輝度は、138
6cd/m2 で、終了時の発光輝度は978cd/m2
であった。本素子を真空下、20mA/cm2 の定電流
条件で発光させたところ、初期輝度459cd/m
2 (7.32V)、発光効率2.30cd/Aであったの
が1時間後に442cd/m2 (7.24V)、251
時間後に190cd/m2 (7.91V)であった。
は同様にしたところ、エージング開始の輝度は、138
6cd/m2 で、終了時の発光輝度は978cd/m2
であった。本素子を真空下、20mA/cm2 の定電流
条件で発光させたところ、初期輝度459cd/m
2 (7.32V)、発光効率2.30cd/Aであったの
が1時間後に442cd/m2 (7.24V)、251
時間後に190cd/m2 (7.91V)であった。
【0030】実施例7 実施例2において、乾燥空気中(シリカゲルと過塩素酸
マグネシウムで乾燥)でエージングをした以外は同様に
したところ、エージング開始の輝度は、1422cd/
m2 で、終了時の発光輝度は1143cd/m2 であっ
た。本素子を真空下、20mA/cm2 の定電流条件で発
光させたところ,初期輝度573cd/m2 (9.14
V)、発光効率2.87cd/Aであったのが9時間後に
547cd/m2 (9.43V)、234時間後に27
7cd/m2 (10.24V)、1218時間後に10
5cd/m2 (12.97V)であった。
マグネシウムで乾燥)でエージングをした以外は同様に
したところ、エージング開始の輝度は、1422cd/
m2 で、終了時の発光輝度は1143cd/m2 であっ
た。本素子を真空下、20mA/cm2 の定電流条件で発
光させたところ,初期輝度573cd/m2 (9.14
V)、発光効率2.87cd/Aであったのが9時間後に
547cd/m2 (9.43V)、234時間後に27
7cd/m2 (10.24V)、1218時間後に10
5cd/m2 (12.97V)であった。
【0031】実施例8 実施例7と同様に素子を作製してエージングしたとこ
ろ、エージング開始の輝度は、1435cd/m2 で、
終了時の発光輝度は1097cd/m2 であった。本素
子を真空下10mA/cm2 の定電流条件で発光させたと
ころ、初期輝度275cd/m2 (8.40V)、発光
効率2.75cd/Aであったのが9時間後に267cd
/m2 (8.69V)、234時間後に174cd/m
2 (9.20V)、1218時間後に92cd/m
2 (10.97V)であった。
ろ、エージング開始の輝度は、1435cd/m2 で、
終了時の発光輝度は1097cd/m2 であった。本素
子を真空下10mA/cm2 の定電流条件で発光させたと
ころ、初期輝度275cd/m2 (8.40V)、発光
効率2.75cd/Aであったのが9時間後に267cd
/m2 (8.69V)、234時間後に174cd/m
2 (9.20V)、1218時間後に92cd/m
2 (10.97V)であった。
【0032】比較例3 実施例7において相対湿度が92%の大気中でエージン
グしたところ、エージング終了時には発光面に目視で確
認できるほどの非発光部分(ダークスポット)が形成さ
れた。
グしたところ、エージング終了時には発光面に目視で確
認できるほどの非発光部分(ダークスポット)が形成さ
れた。
【0033】実施例9 実施例1において空気の替わりに乾燥酸素(シリカゲル
と過塩素酸マグネシウムで乾燥)雰囲気で乾燥した場
合、エージング開始の輝度は、1515cd/m2 で、
終了時の発光輝度は1187cd/m2 であった。本素
子を真空下、4mA/cm2 の定電流条件で発光させたと
ころ,初期輝度92cd/m2 (6.64V)、発光効
率2.3cd/Aであったのが8時間後に92cd/m2
(6.77V)、212時間後に81cd/m2 (6.
94V)であった。
と過塩素酸マグネシウムで乾燥)雰囲気で乾燥した場
合、エージング開始の輝度は、1515cd/m2 で、
終了時の発光輝度は1187cd/m2 であった。本素
子を真空下、4mA/cm2 の定電流条件で発光させたと
ころ,初期輝度92cd/m2 (6.64V)、発光効
率2.3cd/Aであったのが8時間後に92cd/m2
(6.77V)、212時間後に81cd/m2 (6.
94V)であった。
【0034】実施例10 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を所定
の大きさに切断、エッチングを行った。得られた基板を
アセトン、セミコクリン56で各々15分間超音波洗浄
してから超純水で水洗した。続いてイソプロピルアルコ
ールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15
分間浸漬して乾燥した。素子作製前に洗浄したITO基
板を1時間UV−オゾン処理した後に真空蒸着機中に取
り付け8×10-4Paに減圧した。基板は加熱すること
なく、抵抗加熱法によって、銅フタロシアニンを20n
m、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3−メチ
ルフェニル)−1,1´−ジフェニル−4,4´−ジア
ミンを100nm、トリス(8−キノリノラト)アルミ
ニウムを100nm、リチウムを1nm、アルミニウム
を200nm順次蒸着して5×5mmの素子を作製し
た。尚、ここで言う膜厚とは、表面粗さ計での測定値に
よって補正された水晶発振式膜厚モニタ表示値を言う。
本素子を相対湿度62%の空気中で40mA/cm2 の定
電流で2時間エージングを行った。エージング開始の輝
度は、1269cd/m2 で、終了時の発光輝度は98
8cd/m2 であった。本素子を真空下、4mA/cm2
の定電流条件で発光させたところ,初期輝度86cd/
m2 (6.57V),発光効率2.15cd/Aであった
のが49時間後に84cd/m2 (7.21V)、29
1時間後に72cd/m2 (8.7V)、881時間後
に44cd/m2 (13.03V)であった。
(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を所定
の大きさに切断、エッチングを行った。得られた基板を
アセトン、セミコクリン56で各々15分間超音波洗浄
してから超純水で水洗した。続いてイソプロピルアルコ
ールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15
分間浸漬して乾燥した。素子作製前に洗浄したITO基
板を1時間UV−オゾン処理した後に真空蒸着機中に取
り付け8×10-4Paに減圧した。基板は加熱すること
なく、抵抗加熱法によって、銅フタロシアニンを20n
m、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(3−メチ
ルフェニル)−1,1´−ジフェニル−4,4´−ジア
ミンを100nm、トリス(8−キノリノラト)アルミ
ニウムを100nm、リチウムを1nm、アルミニウム
を200nm順次蒸着して5×5mmの素子を作製し
た。尚、ここで言う膜厚とは、表面粗さ計での測定値に
よって補正された水晶発振式膜厚モニタ表示値を言う。
本素子を相対湿度62%の空気中で40mA/cm2 の定
電流で2時間エージングを行った。エージング開始の輝
度は、1269cd/m2 で、終了時の発光輝度は98
8cd/m2 であった。本素子を真空下、4mA/cm2
の定電流条件で発光させたところ,初期輝度86cd/
m2 (6.57V),発光効率2.15cd/Aであった
のが49時間後に84cd/m2 (7.21V)、29
1時間後に72cd/m2 (8.7V)、881時間後
に44cd/m2 (13.03V)であった。
【0035】
【発明の効果】本発明が利用される発光素子は、長期間
にわたって安定な発光輝度と駆動電圧を維持することが
可能であり、実用的な信頼性のある表示を実現すること
ができるものである。
にわたって安定な発光輝度と駆動電圧を維持することが
可能であり、実用的な信頼性のある表示を実現すること
ができるものである。
Claims (13)
- 【請求項1】陽極と陰極の間に発光を司る物質を含む層
が存在し、電気エネルギーにより発光する素子を酸素が
存在する雰囲気下でエージング処理したことを特徴とす
る発光素子。 - 【請求項2】エージング処理後の発光効率が2cd/A以
上であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。 - 【請求項3】一時間駆動後の輝度保持率が70%以上で
あることを特徴とする請求項1または2記載の発光素
子。 - 【請求項4】酸素濃度が体積百分率で20%以上の雰囲
気であることを特徴とする請求項1〜3記載の発光素
子。 - 【請求項5】相対湿度が70%以下の雰囲気であること
を特徴する請求項1〜4記載の発光素子。 - 【請求項6】エージング処理を駆動時の最高電流密度の
5倍以下の電流密度で行うことを特徴とする請求項1〜
5いずれかに記載の発光素子。 - 【請求項7】0.1A/cm2 以下の電流密度でエージン
グすることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の
発光素子。 - 【請求項8】一定電流密度でエージング処理を行うこと
を特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の発光素子。 - 【請求項9】発光を司る物質が少なくとも正孔輸送層と
発光層との積層構造を有することを特徴とする請求項1
〜8いずれかに記載の発光素子。 - 【請求項10】陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送
層、陰極を順次積層することを特徴とする請求項1〜9
いずれかに記載の発光素子。 - 【請求項11】正孔輸送層が下記一般式で表されるビス
カルバゾリル骨格を有することを特徴とする請求項9ま
たは10記載の発光素子。 【化1】 (Rはエチル、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフ
ェニル、メトキシフェニル、ジフェニルアミノフェニ
ル、ヒドロキシフェニル、ナフチル、メチルナフチル、
フェナントロリニル、アントラセニル、ピレニルを表
し,R1〜R7は同一であっても異なっていても良く、
それぞれ水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ、ジアルキルアミ
ノ、ホルミル基を表わす) - 【請求項12】陽極および陰極がそれぞれ帯状行電極も
しくは他方の帯状列電極を構成し、任意の交点に選択的
に電圧印加することで任意のパターンを表示できるマト
リクス電極を有することを特徴とした請求項1〜11い
ずれかに記載の発光素子。 - 【請求項13】走査電極と信号電極のマトリクス交点部
の画素ごとにスイッチ素子を設けることを特徴とする請
求項1〜11いずれかに記載の発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9012294A JPH10208880A (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 発光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9012294A JPH10208880A (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 発光素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10208880A true JPH10208880A (ja) | 1998-08-07 |
Family
ID=11801320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9012294A Pending JPH10208880A (ja) | 1997-01-27 | 1997-01-27 | 発光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10208880A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002198172A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-12 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 有機電界発光素子の製造方法 |
JP2003012777A (ja) * | 2001-06-13 | 2003-01-15 | Samsung Sdi Co Ltd | 白色電界発光高分子化合物およびこれを用いた有機電界発光素子 |
US6626717B2 (en) | 2000-12-27 | 2003-09-30 | Denso Corporation | Manufacturing method of organic EL element |
JP2004087477A (ja) * | 2002-06-28 | 2004-03-18 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 発光装置およびその作製方法 |
WO2004045254A1 (ja) * | 2002-11-12 | 2004-05-27 | Optrex Corporation | 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法 |
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JP2007109629A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-04-26 | Casio Comput Co Ltd | エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及びエレクトロルミネッセンス素子 |
DE10152654B4 (de) * | 2000-10-17 | 2007-10-04 | Samsung SDI Co., Ltd., Suwon | Verfahren zum Herstellen einer organischen elektrolumineszierenden Vorrichtung |
JP2015092494A (ja) * | 2014-12-24 | 2015-05-14 | ユー・ディー・シー アイルランド リミテッド | 有機電界発光素子及びその製造方法 |
US9318728B2 (en) | 2011-05-27 | 2016-04-19 | Joled Inc. | Method for producing organic light-emitting element, method for aging organic light-emitting element, organic light-emitting element, organic light-emitting device, organic display panel, and organic display device |
-
1997
- 1997-01-27 JP JP9012294A patent/JPH10208880A/ja active Pending
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10152654B4 (de) * | 2000-10-17 | 2007-10-04 | Samsung SDI Co., Ltd., Suwon | Verfahren zum Herstellen einer organischen elektrolumineszierenden Vorrichtung |
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KR100458999B1 (ko) * | 2000-12-27 | 2004-12-03 | 가부시키가이샤 덴소 | 유기 el 소자의 제조방법 |
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WO2004045254A1 (ja) * | 2002-11-12 | 2004-05-27 | Optrex Corporation | 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法 |
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JP2007109629A (ja) * | 2005-09-15 | 2007-04-26 | Casio Comput Co Ltd | エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及びエレクトロルミネッセンス素子 |
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US9318728B2 (en) | 2011-05-27 | 2016-04-19 | Joled Inc. | Method for producing organic light-emitting element, method for aging organic light-emitting element, organic light-emitting element, organic light-emitting device, organic display panel, and organic display device |
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---|---|---|---|
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